(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096132
(43)【公開日】2024-07-12
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20220101AFI20240705BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240705BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240705BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
G06F3/0481
B41J29/38 204
B41J29/42 F
H04N1/00 350
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024062210
(22)【出願日】2024-04-08
(62)【分割の表示】P 2023127251の分割
【原出願日】2017-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】山田 展靖
(72)【発明者】
【氏名】中川 卓
(72)【発明者】
【氏名】上田 延幸
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 雄貴
(72)【発明者】
【氏名】浅川 昌也
(72)【発明者】
【氏名】澤野 貴
(72)【発明者】
【氏名】荻野 くみ子
(57)【要約】
【課題】ユーザーの使用状況に応じて適切なタイミングで用紙設定の確認画面をユーザーに表示させることで、従来よりも利便性が高い画像形成装置を提供する。
【解決手段】用紙トレイ、前記用紙トレイに用紙がセットされたことを検知する用紙検知センサ、表示部および制御部を備え、前記制御部は、前記用紙検知センサが前記用紙トレイに用紙を検知したとき、用紙設定の確認画面を前記表示部に表示させるべきか否かを判定し、予め定められた確認不要条件に該当する場合は、前記確認画面を前記表示部に表示させず、前記確認不要条件に該当しない場合は、前記確認画面を前記表示部に表示させることを特徴とする画像形成装置。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複写機能と、スキャナ機能とを含む複数の機能を有し、
手差トレイ、前記手差トレイに用紙がセットされたことを検知する用紙検知センサ、表示画面を表示する表示部および制御部を備え、
前記表示画面は、前記複数の機能のうち一の機能を選択可能にする機能選択領域と、選択された一の機能に対応する画面を表示する基本領域と、ジョブの開始キーと、を有し、前記機能選択領域は、前記基本領域の上方に配置され、
前記制御部は、
前記用紙検知センサが用紙を検知した場合は、前記用紙検知センサによる検知に基づいて用紙設定の確認画面を前記基本領域に表示し、
前記確認画面は印刷する用紙を選択する用紙設定画面に遷移可能であり、前記用紙設定画面を表示中に、現在選択されている機能を前記機能選択領域に表示し、
現在選択されている機能の実行を妨げるエラーを検知した場合は、前記表示部に警告画面を表示し、前記警告画面を表示した状態で、前記用紙設定の確認画面を前記基本領域に表示せず、
前記表示部に前記警告画面を表示していない状態で前記用紙検知センサが用紙を検知した場合は、前記用紙検知センサによる検知に基づいて前記用紙設定の確認画面を前記基本領域に表示するとともに前記ジョブの開始キーを操作できないようにすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記表示画面がコピー画面の場合に、前記用紙検知センサによる用紙の検知に基づいて前記用紙設定の確認画面を前記表示部に表示し、前記用紙設定の確認画面において設定確定ボタンが操作されたら印刷の実行を可能にする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
ジョブの実行中に前記手差トレイで用紙切れが発生した状態で、前記手差トレイに用紙がセットされ、前記用紙検知センサによる用紙の検知に基づいて、用紙切れの発生前の用紙設定を表示させる請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記用紙検知センサによる前記手差トレイの用紙の検知に基づいて、前記手差トレイに用紙がセットされる前に前記表示部に表示されていた表示画面の一部とともに、前記用紙設定の確認画面を前記表示部に表示させる請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記警告画面は、ジャムの発生に基づいて表示される警告画面である請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
ユーザー認証部をさらに備え、
前記制御部は、前記ユーザー認証部によってユーザー認証がされていない場合は、前記用紙設定の確認画面を前記表示部に表示させない請求項1~5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項7】
省電力モード移行部をさらに備え、
前記制御部は、前記省電力モード移行部によって省電力モードに移行中の場合は、前記用紙設定の確認画面を前記表示部に表示させない請求項1~5のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置の給紙トレイ、特に手差トレイは、コスト等の問題から自動用紙サイズ検知機能を有しないものがある。
このような画像形成装置においては、ユーザーが予め設定した用紙サイズおよび用紙種別に基づき、用紙の搬送や定着の制御が行われるが、設定と異なる用紙が給紙トレイにセットされると、紙詰まりや定着不良等の問題が生じることがある。
【0003】
このような問題を解決するため、従来、手差しトレイに用紙がセットされたことを検知したら、操作パネルの表示部に、手差し用紙設定画面をポップアップすることにより、ユーザーに手差しトレイにセットされた用紙のサイズ情報や紙種情報の入力を行うように誘導する画像形成装置の発明が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、給紙トレイに用紙をセットした際に、一律に表示部に確認画面をポップアップさせると、ユーザーの操作の邪魔になるだけでなく、重大なエラー等の表示が確認画面に隠れてしまうため、かえってユーザーの利便性を損なうおそれがある。
【0006】
この発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、ユーザーの使用状況に応じて適切なタイミングで用紙設定の確認画面をユーザーに表示させることで、従来よりも利便性が高い画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、用紙トレイ、前記用紙トレイに用紙がセットされたことを検知する用紙検知センサ、表示部および制御部を備え、前記制御部は、前記用紙検知センサが前記用紙トレイに用紙を検知したとき、用紙設定の確認画面を前記表示部に表示させるべきか否かを判定し、予め定められた確認不要条件に該当する場合は、前記確認画面を前記表示部に表示させず、前記確認不要条件に該当しない場合は、前記確認画面を前記表示部に表示させることを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、ユーザーの使用状況に応じて適切なタイミングで用紙設定の確認画面をユーザーに表示させることで、従来よりも利便性が高い画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】この発明のデジタル複合機の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1のデジタル複合機を別の角度から見た斜視図である。
【
図4】
図1のデジタル複合機のパネルユニットを示す説明図である。
【
図5】
図1のデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
【
図6】
図1のデジタル複合機の用紙設定の確認画面の表示手順の概略を示すフローチャートである。
【
図7】
図6の用紙設定の確認画面の表示手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図1のデジタル複合機の用紙設定の確認画面の一例を示す説明図である。
【
図9】
図1のデジタル複合機の用紙設定画面の一例を示す説明図である。
【
図10】
図1のデジタル複合機のコピー画面の一例を示す説明図である。
【
図11】この発明の実施形態3に係るデジタル複合機の用紙設定の確認画面の表示手順の概略を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(1)この発明による画像形成装置は、用紙トレイ、前記用紙トレイに用紙がセットされたことを検知する用紙検知センサ、表示部および制御部を備え、前記制御部は、前記用紙検知センサが前記用紙トレイに用紙を検知したとき、用紙設定の確認画面を前記表示部に表示させるべきか否かを判定し、予め定められた確認不要条件に該当する場合は、前記確認画面を前記表示部に表示させず、前記確認不要条件に該当しない場合は、前記確認画面を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0011】
この発明において、「用紙トレイ」は、例えば、手差トレイや給紙カセットなど、予め定められたトレイである。なお、用紙トレイは1つに限らず、複数の用紙トレイを対象にするものであってもよい。
「用紙設定の確認画面」は、用紙のタイプやサイズ等の用紙設定の確認画面である。
「確認不要条件」は、用紙設定の確認画面の表示が不要となる条件である。
【0012】
さらに、この発明の好ましい態様について説明する。
【0013】
(2)この発明の画像形成装置において、前記確認不要条件は、前記表示部が用紙の設定画面を表示中の場合を含むものであってもよい。
【0014】
このようにすれば、用紙の設定画面がすでに表示中である場合は、用紙設定の確認画面を改めて表示する必要性がないため、従来よりも利便性が高い画像形成装置を実現できる。
【0015】
(3)この発明の画像形成装置において、前記確認不要条件は、前記表示部が予め定められたマニュアルまたはメッセージを表示中の場合を含むものであってもよい。
【0016】
ここで、「予め定められたマニュアルまたはメッセージ」は、例えば、取扱説明書やユーザーへのメッセージなどである。
【0017】
このようにすれば、取扱説明書やユーザーへのメッセージなどを表示中の場合は、用紙設定の確認画面の表示によって邪魔されることがないため、従来よりも利便性が高い画像形成装置を実現できる。
【0018】
(4)この発明の画像形成装置において、ユーザー認証部をさらに備え、前記確認不要条件は、前記ユーザー認証部によってユーザー認証がされていない場合を含むものであってもよい。
【0019】
ここで、「前記ユーザー認証部によってユーザー認証がされていない」は、例えば、ユーザーが画像形成装置にログインしていない状態である。
【0020】
このようにすれば、ユーザー認証前は用紙設定の確認画面を表示する必要がなく、また、認証画面が確認画面の表示によって邪魔されることがないため、従来よりも利便性が高い画像形成装置を実現できる。
【0021】
(5)この発明の画像形成装置において、エラー報知部をさらに備え、前記確認不要条件は、前記エラー報知部がエラーを報知中の場合を含むものであってもよい。
【0022】
このようにすれば、確認画面の表示によってエラー表示の確認やエラー表示に対する設定が邪魔されることがないため、従来よりも利便性が高い画像形成装置を実現できる。
【0023】
(6)この発明の画像形成装置において、省電力モード移行部をさらに備え、前記確認不要条件は、前記省電力モード移行部によって省電力モードに移行中の場合を含むものであってもよい。
【0024】
このようにすれば、省電力モードへの移行中に確認画面が表示されることによって省電力モードが解除されることがないため、従来よりも利便性が高い画像形成装置を実現できる。
【0025】
(7)この発明の画像形成装置において、前記確認不要条件は、前記用紙トレイから画像形成が実行中の場合を含むものであってもよい。
【0026】
このようにすれば、用紙トレイから画像形成が実行中の場合は、用紙設定を変更する必要がないため、確認画面の表示を行わないことで、従来よりも利便性が高い画像形成装置を実現できる。
【0027】
(8)この発明の画像形成装置において、前記制御部は、前記表示部が前記確認画面を表示した後、前記用紙検知センサが前記用紙トレイにセットされた用紙を検知しなくなった場合、前記表示部に前記確認画面を表示させたままにするものであってもよい。
【0028】
このようにすれば、用紙切れ等で用紙検知センサが用紙トレイにセットされた用紙を検知しなくなった場合、用紙の種類が変更される可能性が低いため、用紙切れ前の用紙設定の確認画面を表示させたままにすることで、従来よりも利便性が高い画像形成装置を実現できる。
【0029】
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
【0030】
〔実施形態1〕
図1~
図4に基づき、この発明の画像形成装置を備えた画像形成装置の一例としてのデジタル複合機1の概要について説明する。
図1は、この発明のデジタル複合機1の外観を示す斜視図である。
図2は、
図1のデジタル複合機を別の角度から見た斜視図である。
図3は、
図1のデジタル複合機1の平面図である。
図4は、
図1のパネルユニット17の一例を示す説明図である。
【0031】
デジタル複合機1は、複写機能やスキャナ機能、ファクシミリ機能を有し、原稿から読み取った画像データをデジタル処理して出力する装置である。
【0032】
図1~
図4に示すように、デジタル複合機1は、手差トレイ161、給紙カセット162、原稿セット台163およびパネルユニット17を備える。
図4に示すように、パネルユニット17は、タッチパネル機能を有する表示操作部171および物理操作部172を備える。
【0033】
次に、
図5に基づき、デジタル複合機1の概略構成を説明する。
図5は、
図1のデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
図5に示すように、デジタル複合機1は、制御部10、画像読取部11、画像形成部12、記憶部13、画像処理部14、通信部15、給紙部16およびパネルユニット17を備える。
以下、デジタル複合機1の各構成要素を説明する。
【0034】
制御部10は、デジタル複合機1を統合的に制御するものであって、CPU、RAM、ROM、各種のインターフェース回路等からなる。
制御部10は、デジタル複合機1全体の動作をコントロールするために、各センサの検知、モーター、クラッチ、パネルユニット17等、あらゆる負荷の監視・制御を行う。
【0035】
画像読取部11は、原稿セット台163に置かれたカード等の原稿または用紙トレイから搬送されてきた原稿を検知して読み取り、画像データを生成する部分である。
【0036】
画像形成部12は、画像処理部14によって生成された画像データを用紙上に印刷出力する部分であり、LSU121を備える。
LSU121は、画像読取部11によって取得されたデジタル信号からなる画像情報に対応するレーザー光を帯電状態にある感光体ドラムの表面に照射して、静電潜像を形成する装置である。
【0037】
記憶部13は、デジタル複合機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD等の記憶媒体が用いられる。
なお、データを保持する領域がハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域がフラッシュ記憶部で構成するといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されてもよい。
【0038】
画像処理部14は、画像読取部11によって読み取られた原稿の画像を適正な電気信号に変換して画像データを生成する部分である。また、画像読取部11から入力された画像データを表示操作部171からの指令に従い、拡大・縮小等の出力に適するように処理を行う部分である。また、予め定められたレイアウトに従って複数の画像データを関連付ける部分である。
【0039】
通信部15は、ネットワーク等を介して、コンピュータや携帯情報端末、外部の情報処理装置やファクシミリ装置等との通信をおこない、メールやFAXなどの種々の情報をこれら外部の通信装置と送受信する部分である。
【0040】
給紙部16は、手差トレイ161、給紙カセット162および原稿セット台163に格納された用紙を画像形成部12まで搬送する部分である。
【0041】
パネルユニット17は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)を備えたユニットであり、表示操作部171および物理操作部172を備える。
【0042】
表示操作部171は、各種情報の表示を行い、タッチパネル機能によりユーザーからの指令を受け付ける部分である。表示操作部171は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。制御部10は、表示操作部171を通じて、デジタル複合機1の動作および状態の表示を行う。
【0043】
<用紙設定の確認画面の表示手順の概略>
次に、
図6に基づき、この発明の実施形態1に係るデジタル複合機1の用紙設定の確認画面の表示手順の概略について説明する。
図6は、
図1のデジタル複合機1の用紙設定の確認画面の表示手順の概略を示すフローチャートである。
【0044】
図6のステップS1において、制御部10は、手差トレイ161に用紙が検知されたか否かを判定する(ステップS1)。
手差トレイ161に用紙が検知された場合(ステップS1の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS2の判定を行う(ステップS2)。
一方、手差トレイ161に用紙が検知されていない場合(ステップS1の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS1の判定を繰り返す(ステップS1)。
【0045】
次に、ステップS2において、制御部10は、予め定められた用紙設定の確認画面の表示の不要条件(以下、「確認不要条件」)が満たされたか否かを判定する(ステップS2)。
【0046】
ここで、用紙設定の確認不要条件の一例を以下の表1に示す。
【0047】
【0048】
以下、表1の各条件について説明する。
【0049】
1.「用紙設定画面の表示中である」場合、用紙設定の確認画面を重複して表示する必要性がないため、用紙設定の確認不要条件に含めるものとする。
【0050】
2.「取扱説明書の表示中である」場合、用紙設定の確認画面を表示すると、ユーザーが見たい情報が見られなくなるおそれがあるため、用紙設定の確認不要条件に含めるものとする。
【0051】
3.「ユーザー認証のログイン前である」場合、ユーザーがログインしていない状態で、用紙設定の変更等の操作ができるのは問題があり、また、確認画面の表示によってログイン画面が邪魔されるおそれもあるため、用紙設定の確認不要条件に含めるものとする。
【0052】
4.「ジャム/トラブルの警告表示中である」場合、優先度が高いエラー表示や設定画面等が確認画面の表示によって邪魔されるおそれがあるため、用紙設定の確認不要条件に含めるものとする。
【0053】
5.「メンテナンス要求により停止中である」場合、優先度が高いメンテナンス要求の表示等が確認画面の表示によって邪魔されるおそれがあるため、用紙設定の確認不要条件に含めるものとする。
【0054】
6.「省エネモード中である」場合、確認画面の表示によって省エネモードが解除されることを防止するため、用紙設定の確認不要条件に含めるものとする。
【0055】
7.「サービスマンモードの実行中である」場合、サービスマンが点検中に確認画面が表示されて設定画面が邪魔されたり、用紙設定が変えられたりすると問題があるため、用紙設定の確認不要条件に含めるものとする。
【0056】
8.「対象トレイからの印刷の実行中である」場合、用紙設定が変更されると問題があるため、用紙設定の確認不要条件に含めるものとする。
【0057】
次に、ステップS2において、予め定められた用紙設定の確認不要条件が満たされている場合(ステップS2の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS4の判定を行う(ステップS4)。
【0058】
一方、予め定められた用紙設定の確認不要条件が満たされていない場合(ステップS2の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS3において、用紙設定の確認画面の表示を行う(ステップS3)。
その後、制御部10は、ステップS4の判定を行う(ステップS4)。
【0059】
次に、ステップS4において、制御部10は、表示操作部171または物理操作部172が印刷指令を受信したか否かを判定する(ステップS4)。
表示操作部171または物理操作部172が印刷指令を受信した場合(ステップS4の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS5において、画像形成部12に用紙の印刷を実行させる(ステップS5)。
その後、制御部10は、処理を終了する。
【0060】
一方、表示操作部171または物理操作部172が印刷指令を受信しなかった場合(ステップS4の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS4の判定を繰り返す(ステップS4)。
【0061】
次に、
図7~
図10に基づき、
図6のステップS3の用紙設定の確認画面の表示の詳細について説明する。
図7は、
図6の用紙設定の確認画面の表示手順の一例を示すフローチャートである。また、
図8は、
図1のデジタル複合機1の用紙設定の確認画面の一例を示す説明図である。また、
図9は、
図1のデジタル複合機1の用紙設定画面の一例を示す説明図である。また、
図10は、
図1のデジタル複合機1のコピー画面の一例を示す説明図である。
【0062】
手差トレイ161に用紙が検知されたとき、
図7のステップS11において、制御部10は、用紙設定の確認画面を表示させる(ステップS11)。
【0063】
図8は、表示操作部171にポップアップ表示された用紙設定の確認画面CS1の一例である。
確認画面CS1には、「現在の手差トレイの設定は、以下の通りです」とのメッセージとともに、用紙の種類を示す「タイプ:普通紙1(60-79g/m
2)」および用紙のサイズを示す「サイズ:A4」が記載されている。
また、「印刷する用紙の異なる場合は、[変更]を押してください。」のメッセージとともに、変更キーK1およびOKキーK2も表示される。
【0064】
次に、
図7のステップS12において、制御部10は、設定変更キーがタッチされたか否かを判定する(ステップS12)。
設定の変更キーがタッチされた場合(ステップS12の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS13において、用紙設定画面を表示させる(ステップS13)。
一方、設定変更キーがタッチされていない場合(ステップS12の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS15の判定を行う(ステップS15)。
【0065】
図9は、表示操作部171にポップアップ表示された用紙設定画面SS1の一例である。
用紙設定画面SS1には、「用紙タイプ設定」および「用紙サイズ設定」の2つのタブがあり、
図9の例では、用紙タイプ設定のタブが表示され、「普通紙1」が選択されている。
【0066】
ユーザーは、用紙タイプを変更したい場合、「普通紙2」等の他のキーをタッチする。
用紙サイズを変更したい場合は、ユーザーは、「用紙サイズ設定」のタブを選択した上で、所望の用紙サイズのキーをタッチする。
【0067】
次に、
図7のステップS14において、制御部10は、表示操作部171が設定変更を受け付けたか否かを判定する(ステップS14)。
表示操作部171が設定変更を受け付けた場合(ステップS14の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS11の処理を繰り返す(ステップS11)。
一方、表示操作部171が設定変更を受け付けていない場合(ステップS14の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS13の判定を繰り返す(ステップS13)。
【0068】
図9の例において、「普通紙1」から「普通紙2」に変更された場合、制御部10は、「タイプ:普通紙2」に変更した用紙設定の確認画面CS2を表示操作部171にポップアップ表示させる。
【0069】
次に、
図7のステップS15において、制御部10は、設定確定キーがタッチされたか否かを判定する(ステップS15)。
設定確定キーがタッチされた場合(ステップS15の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS16において、コピー画面を表示させる(ステップS16)。
その後、制御部10は、用紙設定の確認画面の表示処理を終了する。
【0070】
一方、設定確定キーがタッチされていない場合(ステップS15の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS12の判定を繰り返す(ステップS12)。
【0071】
図8の例において、設定確定キーとしてのOKキーK2が押された場合、制御部10は、
図10に示すようなコピー画面を表示させる。
その後、開始キーK3がタッチされると、制御部10は、画像形成部12に用紙の印刷を実行させる。
【0072】
このようにして、手差トレイ161に用紙が検知されたとき、確認不要条件が満たされていない場合のみに、用紙設定の確認画面の表示を行うことによって、ユーザーの使用状況に応じて適切なタイミングで用紙設定の確認画面をユーザーに表示させることで、従来よりも利便性が高いデジタル複合機1を実現できる。
【0073】
〔実施形態2〕
実施形態2として、手差トレイ161に用紙が設定された場合に限らず、所定の給紙カセット162や原稿セット台163に用紙が検知された場合にも、
図6および
図7の手順に従って用紙設定の確認画面の表示の処理を行うようにしてもよい。
【0074】
このようにすれば、所定の給紙カセット162や原稿セット台163の用紙のタイプやサイズを検知する検知センサを備えていないデジタル複合機1であっても、ユーザーの使用状況に応じて適切なタイミングで用紙設定の確認画面をユーザーに表示させることで、従来よりも利便性が高いデジタル複合機1を実現できる。
【0075】
〔実施形態3〕
次に、
図11に基づき、この発明の実施形態3に係るデジタル複合機1の用紙設定の確認画面の表示手順の概略について説明する。
図11は、この発明の実施形態2に係るデジタル複合機1の用紙設定の確認画面の表示手順の概略を示すフローチャートである。
【0076】
なお、
図11のステップS21~S23、S25およびS26の処理は、
図5のステップS1~S5の処理と同じであるため、説明を省略する。
ここでは、
図11のステップS24の処理について説明する。
【0077】
用紙切れ等で用紙検知センサが手差トレイ161にセットされた用紙を検知しなくなった場合、ユーザーによって同じ種類の用紙が補充されるため、新たな用紙設定の確認画面を表示する必要がない。
【0078】
そこで、
図11のステップS23において、用紙設定の確認画面の表示を行った後(ステップS23)、制御部10は、ステップS24において、手差トレイ161に用紙が検知されなくなったか否かを判定する(ステップS24)。
【0079】
手差トレイ161に用紙が検知されなくなった場合(ステップS24の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS23の処理を繰り返す(ステップS23)。
一方、手差トレイ161に用紙が検知されている場合(ステップS24の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS25の判定を行う(ステップS25)。
【0080】
このように、手差トレイ161に用紙が検知された後、用紙が検知されなくなっても、用紙切れ前の用紙設定の確認画面を表示させたままにすることで、従来よりも利便性が高いデジタル複合機1を実現できる。
【0081】
〔実施形態4〕
実施形態4として、機能設定用のダイアログ等が表示操作部171にすでに表示中であっても、用紙設定の確認画面をその上に表示させ、設定確定キーがタッチされた後、元あったダイアログを表示させるようにしてもよい。
【0082】
このようにすれば、用紙設定の確認画面を表示操作部171に表示させた後、設定確定キーがタッチされた後も、機能設定用のダイアログ等が引き続き表示されるため、設定が続行することが可能となり、従来よりも利便性が高いデジタル複合機1を実現できる。
【0083】
〔実施形態5〕
実施形態5として、印刷等のジョブ実行中に用紙切れが生じた場合において、用紙の補充をした際も、用紙設定の確認不要条件に加えるものであってもよい。
【0084】
このようにすれば、印刷等のジョブ実行中に用紙切れが生じた場合、用紙サイズやタイ
プを変更する必要性がないため、従来よりも利便性が高いデジタル複合機1を実現できる。
【0085】
〔実施形態6〕
実施形態6として、
図10のコピー基本画面など、ジョブの開始キーK3が表示された画面を表示中に、用紙設定の確認画面が表示操作部171に表示された場合、開始キーK3を操作できないようにしてもよい。
【0086】
このようにすれば、確認画面の表示中に間違ってジョブの開始キーK3がタッチされることを防止できるため、従来よりも利便性が高いデジタル複合機1を実現できる。
【0087】
〔実施形態7〕
実施形態7として、用紙設定の確認画面の表示対象外の画面を表示操作部171に表示させている場合において、手差トレイ161に用紙が検知された後、コピー画面に遷移した場合は、用紙設定の確認画面を表示操作部171に表示させないようにしてもよい。
【0088】
ここで、「用紙設定の確認画面の表示対象外の画面」としては、例えば、サービスマンモードの画面などがあげられる。サービスマンは用紙設定操作を熟知していることから、本件の案内表示が無くとも設定漏れを起こすことがなく、また、用紙設定の確認画面を表示すると、かえって作業効率が低くなるためである。
【0089】
このようにすれば、サービスマンの点検作業における操作手順を削減し、作業効率を高めることができるという効果が得られるため、従来よりも利便性が高いデジタル複合機1を実現できる。
【0090】
〔実施形態8〕
実施形態8として、所定の給紙カセット162用の設定ダイアログが表示中の場合において、手差トレイ161に用紙が検知されたとき、用紙設定の確認画面を表示操作部171に表示させるようにしてもよい。
【0091】
その際、給紙カセット162の設定は、現在選択中の給紙カセット162が選択された状態とし、設定変更キーがタッチされた際に、手差トレイ161に切り替える。
【0092】
このようにすれば、選択中の給紙カセットの設定操作を阻害せず、現在の操作を優先して継続することができるという効果が得られるため、従来よりも利便性が高いデジタル複合機1を実現できる。
【0093】
この発明の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0094】
1:デジタル複合機、 10:制御部、 11:画像読取部、 12:画像形成部、 13:記憶部、 14:画像処理部、 15:通信部、 16:給紙部、 17:パネルユニット、 121:LSU、 161:手差トレイ、 162:給紙カセット、 163:原稿セット台、 171:表示操作部、 172:物理操作部、 CS1:確認画面、 K1:変更キー、 K2:OKキー、 K3:開始キー、 SS1:用紙設定画面