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  • 特開-遊星歯車変速機ボックス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096152
(43)【公開日】2024-07-12
(54)【発明の名称】遊星歯車変速機ボックス
(51)【国際特許分類】
   F16H 1/46 20060101AFI20240705BHJP
   F16H 57/023 20120101ALI20240705BHJP
【FI】
F16H1/46
F16H57/023
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024064670
(22)【出願日】2024-04-12
(62)【分割の表示】P 2022517992の分割
【原出願日】2020-09-03
(31)【優先権主張番号】201910889607.2
(32)【優先日】2019-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】517075078
【氏名又は名称】グワーンドーン ジャオチーン エル アンド ブイ カンパニー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】コン ホンユイ
(72)【発明者】
【氏名】チアン ユアン
(72)【発明者】
【氏名】チウ シアンホアイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン チンチュン
(57)【要約】
【課題】本発明は、低コストで、構造がコンパクトな遊星歯車変速機ボックスに関する。
【解決手段】ハウジング部と、第1の遊星歯車変速機ステージと、第2の遊星歯車変速機ステージと、を備える遊星歯車変速機ボックスであって、前記第1の遊星歯車変速機ステージは、第1の太陽歯車(3)、第1の遊星キャリア(5)と、第1のリング状歯車とを備え、前記第2の遊星歯車変速機ステージは、第2の太陽歯車と、第2の遊星キャリア(7)と、第2のリング状歯車(6)とを備え、前記第1の太陽歯車(3)は外部入力要素に接続され、前記第1の遊星キャリア(5)は前記第2の太陽歯車に接続され、前記第2の遊星キャリア(7)は出力要素に接続され、前記遊星歯車変速機ボックスの変速比は25より大きく、前記第2の遊星キャリア(7)は前記ハウジング部に直接に支持されている。歯車ボックスの拘束ロータトルクは、出力回転数が減少するように増加され、したがって、出力端の軸受部材は省略することができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング部と、第1の遊星歯車変速機ステージと、第2の遊星歯車変速機ステージと、を備えた遊星歯車変速機ボックスであって、
前記第1の遊星歯車変速機ステージは、第1の太陽歯車(3)と、第1の遊星キャリア(5)と、第1のリング状歯車と、を備え、
前記第2の遊星歯車変速機ステージは、第2の太陽歯車と、第2の遊星キャリア(7)と、第2のリング状歯車(6)と、を備え、
前記第1の太陽歯車(3)は外部入力要素に接続され、前記第1の遊星キャリア(5)は前記第2の太陽歯車に接続され、前記第2の遊星キャリア(7)は出力要素に接続され、
前記遊星歯車変速機ボックスの変速比が25より大きい、ことを特徴とする遊星歯車変速機ボックス。
【請求項2】
ハウジング部と、第1の遊星歯車変速機ステージと、第2の遊星歯車変速機ステージと、を備えた遊星歯車変速機ボックスであって、
前記第1の遊星歯車変速機ステージは、第1の太陽歯車(3)と、第1の遊星キャリア(5)と、第1のリング状歯車と、を備え、
前記第2の遊星歯車変速機ステージは、第2の太陽歯車と、第2の遊星キャリア(7)と、第2のリング状歯車(6)と、を備え、
前記第1の太陽歯車(3)は外部入力要素に接続され、前記第1の遊星キャリア(5)は前記第2の太陽歯車に接続され、前記第2の遊星キャリア(7)は出力要素に接続され、
前記第2の遊星キャリア(7)は前記ハウジング部に直接支持されている、ことを特徴とする遊星歯車変速機ボックス。
【請求項3】
前記第2の太陽歯車の材質が金属であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊星歯車変速機ボックス。
【請求項4】
前記ハウジング部は、径方向及び内側に延在する支持部を備えた中間ハウジング(4)を備え、前記第1の遊星キャリア(5)は前記支持部に支持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊星歯車変速機ボックス。
【請求項5】
前記ハウジング部は、第1の端部カバー(1)と第2の端部カバー(8)とを更に備えることを特徴とする請求項4に記載の遊星歯車変速機ボックス。
【請求項6】
軸受(2)が前記第1の端部カバー(1)の中央貫通孔に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の遊星歯車変速機ボックス。
【請求項7】
ガスケット(9)が前記第1の端部カバー(1)と前記第1の遊星キャリア(5)に配置された遊星歯車との間に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の遊星歯車変速機ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速機の技術分野に関し、特に遊星歯車変速機ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車が知能化・快適化に向かって絶えず発展する中、電動テールゲートが潮流となってきており、ますます多くの自動車が電動テールゲートを使い始めている。一般に、モータは歯車ボックスを駆動し、その後テールゲートを駆動して開閉する。
【0003】
図1は、電動テールゲート用の既存の歯車ボックス構造である。歯車ボックスには、第1のステージ遊星歯車列PG1と第2のステージ遊星歯車列PG2がある。遊星歯車列の各ステージは、太陽歯車、リング状歯車、遊星キャリアから成る。動力は第1のステージ遊星歯車列PG1の太陽歯車により入力され、遊星キャリアを介して第2のステージ遊星歯車列PG2に出力され、次いで第2のステージ遊星歯車列PG2の遊星キャリアにより出力される。第2のステージ遊星歯車列PG2の遊星キャリアは、軸受Bに支持されている。
【0004】
このタイプの歯車ボックスは通常25より低い変速比で設計されているため、低いトルクを伝達し、出力トルクは一般に5Nm未満である。小さなトルクを伝達し、太陽歯車の強度に対する要求が低いので、遊星歯車列の少なくとも1つのステージの太陽歯車をプラスチックから製造することができる。また、このタイプの歯車ボックスは変速比が低いため、対称型歯車ボックスが通常使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、このタイプの歯車ボックスには、低トルク伝達と高コストという欠点がある。また、2つの歯車ボックスを配置しなければならないため、大きなスペースを占有することになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的課題をある程度解決するために、本発明は以下の技術的解決策を提案する。
【0007】
遊星歯車変速機ボックスは、ハウジング部と、第1の遊星歯車変速機ステージと、第2の遊星歯車変速機ステージと、を備え、前記第1の遊星歯車変速機ステージは、第1の太陽歯車と、第1の遊星歯車と、及び第1のリング状歯車と、を備え、前記第2の遊星歯車変速機ステージは、第2の太陽歯車と、第2の遊星歯車と、第2のリング状歯車と、を備え、前記第1の太陽歯車は外部入力要素に接続され、前記第1の遊星歯車は前記第2の太陽歯車に接続され、前記第2の遊星キャリアは出力要素に接続され、前記遊星歯車変速機ボックスの変速比は25より大きい
【0008】
遊星歯車変速機ボックスは、ハウジング部と、第1の遊星歯車変速機ステージと、第2の遊星歯車変速機ステージとを備え、前記第1の遊星歯車変速機ステージは、第1の太陽歯車と、第1の遊星キャリアと、第1のリング状歯車と、を備え、前記第2の遊星歯車変速機ステージは、第2の太陽歯車と、第2の遊星キャリアと、第2のリング状歯車と、を備え、前記第1の太陽歯車は外部入力要素に接続され、前記第1の遊星キャリアは前記第2の太陽歯車に接続され、前記第2の遊星キャリアは出力要素に接続され、前記第2の遊星キャリアは前記ボックス本体に直接支持されている。
【0009】
上記2つの技術的解決策によれば、本発明は、歯車ボックスの変速比を再設計して、歯車ボックスの拘束ロータトルクを増加させるように、変速比を25以上、好ましくは25~30の間にあるようにする。また、変速比の増大により出力回転数が低下するため、出力端での軸受部材の省略が可能である。
【0010】
また、第2の太陽歯車の材質は金属である。
【0011】
さらに、前記ハウジングは半径方向内方に延びる支持部を備える中間ハウジングを備え、前記第1の遊星キャリアは前記支持部によって支持されている。
【0012】
更に、ハウジング部は第1の端部カバー及び第2の端部カバーを備える。
【0013】
また、第1の端部カバーの中央貫通孔に軸受が設けられている。
【0014】
また、第1の端部カバーと第1の遊星キャリア上に配置された遊星歯車との間にガスケットが設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
他の特定の特徴及び利点は添付の図面と併せて以下の説明において明確に示され、説明は限定的ではなく大まかなガイドとして与えられる。
図1図1は従来技術における歯車ボックスの構造図である。
図2図2は本発明による歯車ボックスの構造図である。
図3図3は本発明による歯車ボックスの構成要素の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
全ての図面は、概略的なものに過ぎず、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。さらに、本発明を説明するために必要な部分のみが示されており、他の部分は省略されているか、又は言及されているにすぎない。すなわち、図面に示された構成要素に加えて、本発明は、他の構成要素も含むことができる。
【0017】
本発明の技術的解決策は、添付の図面に関連して以下に詳細に説明される。
【0018】
図2及び図3を参照すると、本発明における歯車ボックスのハウジングは、左側に第1の端部カバー1、右側に第2の端部カバー8、及び歯車ボックスの中間ハウジング4を備えている。第1の端部カバー1及び第2の端部カバー8はそれぞれ両側から歯車ボックスの中間ハウジング4を閉じ、且つ変速機部品が閉鎖空間内に配置されている。
【0019】
変速機部品は2つのステージの変速機器を含む。具体的には、第1の変速機ステージが第1の太陽歯車3と、第1の遊星キャリア5と、歯車ボックス中間ハウジング4の内側に形成された第1のリング状歯車とで構成されている。電動モータによって入力された動力は、第1の太陽歯車3に伝達され、次いで、遊星歯車を介して第1の遊星キャリア5に伝達され、次いで、第2の変速機ステージに伝達される。
【0020】
第2の変速機ステージは、第2の太陽歯車、第2のリング状歯車6及び第2の遊星キャリア7を含む。第2のリング状歯車6は、歯車ボックスの中間ハウジング4上に固定配置されている。図2から分かるように、第1の遊星キャリア5と第2の太陽歯車とは、一体に構成されている。もちろん、これは単なる例示的な実施形態であり、第1の遊星キャリア5と第2の太陽歯車とは一体化されておらず、それぞれ別個の部品で作られていてもよい。動力は最終的に第2の遊星キャリア7によって出力される。
【0021】
図2から分かるように、第1の端部カバー1の中央貫通孔には、入力軸を支持する軸受2が配置されている。第2の端部カバー8の中央貫通孔には軸受が配置されておらず、第2の遊星キャリア7は貫通孔に直接支持されている。既存の変速機ボックスと比較して、本発明の変速機ボックスはより高い変速比(せいぜい30まで)を有し、その結果、第2の遊星キャリア7の出力回転速度が低くなる。より低い回転速度のために、第2の遊星キャリア7と第2の端部キャップ2との間の摩耗は比較的減少する。これにより、軸受を設けなくてもよく、コストを低減することができる。
【0022】
さらに、好ましい実施形態として、第2の遊星キャリア7と第2の端部カバー8との間に潤滑油が配置されて、それらの間の摩耗をさらに減少させる。
【0023】
また、図2及び図3から、第1の端部カバー1と第1の遊星キャリア5上に配設された遊星歯車との間には、摩擦を低減するガスケット9が配設されていることが分かる。
【0024】
本発明の別の好ましい実施例として、図2を参照すると、本発明の歯車ボックスの中間ハウジング4には、第1の遊星キャリア5を支持するための半径方向内側に延びる支持部が設けられている。支持構造は第1の遊星キャリア5の動作をより安定させることを可能にし、これにより、歯車ボックスの動作ノイズが低減される。
【0025】
本発明は、歯車ボックスの変速比を再設計し、歯車ボックスの拘束ロータトルクを増加させるように、変速比を25以上、好ましくは25~30以上とし、したがって、5.5 Nm以上とする。したがって、トルクの増加により、構造部材の強度を増加させるために、第2の太陽歯車は、金属材料で作られている。勿論、第1の太陽歯車、第1の遊星キャリア及び第2の遊星キャリアも金属材料で作ることができる。また、変速比の増大により出力回転数が低下するため、出力端での軸受部材の省略が可能である。
【0026】
本発明は、上記の模式図実施形態を参照して明確かつ完全に説明されてきた。当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、開示された技術的解決策を修正することによって、様々な他の実施形態が想定され得ることを理解すべきである。これらの実施形態は、その特許請求の範囲及びその均等な技術的解決策のいずれかによって決定される本発明の範囲内にあると理解されるべきである。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
本発明は、上記の模式図実施形態を参照して明確かつ完全に説明されてきた。当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、開示された技術的解決策を修正することによって、様々な他の実施形態が想定され得ることを理解すべきである。これらの実施形態は、その特許請求の範囲及びその均等な技術的解決策のいずれかによって決定される本発明の範囲内にあると理解されるべきである。
なお、本発明の態様(構成)として以下に示すものがある。
[態様1]
ハウジング部と、第1の遊星歯車変速機ステージと、第2の遊星歯車変速機ステージと、を備えた遊星歯車変速機ボックスであって、
前記第1の遊星歯車変速機ステージは、第1の太陽歯車(3)と、第1の遊星キャリア(5)と、第1のリング状歯車と、を備え、
前記第2の遊星歯車変速機ステージは、第2の太陽歯車と、第2の遊星キャリア(7)と、第2のリング状歯車(6)と、を備え、
前記第1の太陽歯車(3)は外部入力要素に接続され、前記第1の遊星キャリア(5)は前記第2の太陽歯車に接続され、前記第2の遊星キャリア(7)は出力要素に接続され、
前記遊星歯車変速機ボックスの変速比が25より大きい、ことを特徴とする遊星歯車変速機ボックス。
[態様2]
ハウジング部と、第1の遊星歯車変速機ステージと、第2の遊星歯車変速機ステージと、を備えた遊星歯車変速機ボックスであって、
前記第1の遊星歯車変速機ステージは、第1の太陽歯車(3)と、第1の遊星キャリア(5)と、第1のリング状歯車と、を備え、
前記第2の遊星歯車変速機ステージは、第2の太陽歯車と、第2の遊星キャリア(7)と、第2のリング状歯車(6)と、を備え、
前記第1の太陽歯車(3)は外部入力要素に接続され、前記第1の遊星キャリア(5)は前記第2の太陽歯車に接続され、前記第2の遊星キャリア(7)は出力要素に接続され、
前記第2の遊星キャリア(7)は前記ハウジング部に直接支持されている、ことを特徴とする遊星歯車変速機ボックス。
[態様3]
前記第2の太陽歯車の材質が金属であることを特徴とする構成1又は2に記載の遊星歯車変速機ボックス。
[態様4]
前記ハウジング部は、径方向及び内側に延在する支持部を備えた中間ハウジング(4)を備え、前記第1の遊星キャリア(5)は前記支持部に支持されていることを特徴とする構成1又は2に記載の遊星歯車変速機ボックス。
[態様5]
前記ハウジング部は、第1の端部カバー(1)と第2の端部カバー(8)とを更に備えることを特徴とする構成4に記載の遊星歯車変速機ボックス。
[態様6]
軸受(2)が前記第1の端部カバー(1)の中央貫通孔に設けられていることを特徴とする構成5に記載の遊星歯車変速機ボックス。
[態様7]
ガスケット(9)が前記第1の端部カバー(1)と前記第1の遊星キャリア(5)に配置された遊星歯車との間に設けられていることを特徴とする構成5に記載の遊星歯車変速機ボックス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング部と、第1の遊星歯車変速機ステージと、第2の遊星歯車変速機ステージと、を備えた遊星歯車変速機ボックスであって、
前記第1の遊星歯車変速機ステージは、第1の太陽歯車(3)と、第1の遊星キャリア(5)と、第1のリング状歯車と、を備え、
前記第2の遊星歯車変速機ステージは、第2の太陽歯車と、第2の遊星キャリア(7)と、第2のリング状歯車(6)と、を備え、
前記第1の太陽歯車(3)は外部入力要素に接続され、前記第1の遊星キャリア(5)は前記第2の太陽歯車に接続され、前記第2の遊星キャリア(7)は出力要素に接続され、
前記遊星歯車変速機ボックスの変速比が25より大きい、ことを特徴とする遊星歯車変速機ボックス。
【外国語明細書】