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  • 特開-ガスバリアフィルム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096178
(43)【公開日】2024-07-12
(54)【発明の名称】ガスバリアフィルム
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/32 20060101AFI20240705BHJP
   B32B 7/023 20190101ALI20240705BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
B32B27/32 Z
B32B7/023
B65D65/40 D
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024068321
(22)【出願日】2024-04-19
(62)【分割の表示】P 2020083792の分割
【原出願日】2020-05-12
(31)【優先権主張番号】P 2019221361
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】林 結希
(72)【発明者】
【氏名】林 純平
(72)【発明者】
【氏名】大沢 健太
(57)【要約】
【課題】熱水処理に対する耐性が高く、環境負荷も抑制されたガスバリアフィルムを提供する。
【解決手段】ガスバリアフィルム1は、ポリプロピレンを主成分とする基材10と、基材の第一面10a上に形成されたガスバリア層20と、ガスバリア層上に形成された被覆層30とを備える。第一面の赤外分光測定において、1360~1390cm-1に存在するピーク強度I1と、1440~1480cm-1に存在するピーク強度I2との比は、式 I1/I2≦1.65 を満たす。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリプロピレンを主成分とする基材と、
前記基材の第一面上に形成されたガスバリア層と、
前記ガスバリア層上に形成された被覆層と、
を備え、
前記第一面の赤外分光測定において、1360~1390cm-1に存在するピーク強度I1と、1440~1480cm-1に存在するピーク強度I2との比が下記式(1)を満たす、ガスバリアフィルム。
I1/I2≦1.65 …(1)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスバリアフィルムおよびガスバリアフィルムの製造方法に関する。本発明のガスバリアフィルムは、食品、医薬品、精密電子部品等の包装に適している。
【背景技術】
【0002】
食品、非食品、医薬品等の包装に用いられる包装材料において、内容物の変質を抑制しそれらの機能や性質を保持する観点から、包装材料を透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体を遮断するガスバリア性が求められることがある。
ガスバリア性を有する包装材料として、温度、湿度などの影響が少ないアルミ等の金属箔をガスバリア層として用いたガスバリアフィルムが知られている。
【0003】
ガスバリアフィルムの他の構成として、高分子材料で形成された基材フィルム上に、真空蒸着やスパッタ等により酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を形成したフィルムが知られている(例えば特許文献1参照。)。これらのガスバリアフィルムは、透明性及び酸素、水蒸気等のガス遮断性を有する。
基材フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)製のものがよく用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭60-49934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、環境への負荷を抑制する観点から、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)製の基材フィルムを使用したガスバリアフィルムの要請が高まっている。特許文献1にもPP製の基材フィルムを使用できることが記載されている。
しかし、発明者の検討により、PP製の基材フィルムに単にバリア層を形成しただけのガスバリアフィルムは、実際にはボイルやレトルトなど熱水処理に対する耐性が十分でないことが明らかになった。
【0006】
上記事情を踏まえ、本発明は、熱水処理に対する耐性が高く、環境負荷も抑制されたガスバリアフィルムおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ポリプロピレンを主成分とする基材と、基材の第一面上に形成されたガスバリア層と、ガスバリア層上に形成された被覆層とを備えるガスバリアフィルムである。
このガスバリアフィルムは、第一面の赤外分光測定において、1360~1390cm-1に存在するピーク強度I1と、1440~1480cm-1に存在するピーク強度I2との比が、下記式(1)を満たす。
I1/I2≦1.65 …(1)
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、熱水処理に対する耐性が高く、環境負荷も抑制されたガスバリアフィルムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係るガスバリアフィルムの模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について、図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るガスバリアフィルム1の模式断面図である。ガスバリアフィルム1は、基材10と、ガスバリア層20と、被覆層30と、接着剤層40と、シーラント層50とを備えている。
【0011】
基材10は、ポリプロピレンを主成分とする2以上の樹脂層を有する。本実施形態の基材は、基層11と、基層11に積層された表層12との2つの樹脂層を有する。
2以上の樹脂層を有する基材10は、例えば、共押出により形成できる。基層11および表層12の合計である基材10の総厚は、例えば3~200μmとでき、15~60μmが好ましい。
【0012】
基材10の各層の原料となる樹脂としては、入手の平易さ、水蒸気バリア性、および環境への付加を抑制する観点から、ポリプロピレンを主成分とする。ポリプロピレンは、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、ターポリマーのいずれであってもよい。ホモポリマーはプロピレン単体のみからなるポリプロピレンである。ランダムコポリマーは、主モノマーであるプロピレンと、プロピレンとは異なる種類のコモノマーがランダムに共重合し均質的な相をなすポリプロピレンである。ブロックコポリマーは、主モノマーであるプロピレンと上記コモノマーがブロック的に共重合したり、ゴム状に重合したりすることによって不均質な相をなすポリプロピレンである。ターポリマーは、主モノマーであるプロピレンと、プロピレンとは異なる2種類のコモノマーが共重合したポリプロピレンである。これらのポリオレフィン系樹脂は、いずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上をブレンドして用いてもよい。基層11の原料は、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーのいずれかが好ましい。表層12の原料は、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、ターポリマーのいずれかが好ましい。
【0013】
ガスバリア層20は、表層12からなる基材10の第一面10a上に形成されている。ガスバリア層20は、金属アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素のいずれかを主成分とし、酸素、水蒸気等の所定の気体に対してバリア性を発揮する層である。
ガスバリア層20は、選択する材料により、透明、不透明のいずれにも構成できる。
【0014】
ガスバリア層20の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成・形成方法等を考慮しつつ、ガスバリア層に求める性能に基づいて適宜決定できるが、概ね3~300nmの範囲とできる。膜厚が3nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を確保が容易でなくなる。膜厚が300nmを超える場合は、膜のフレキシビリティが低下し、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じやすくなる。したがって、ガスバリア層20の厚さは、6~150nmの範囲内にあることがより好ましい。
【0015】
ガスバリア層20の形成方法に特に制限はなく、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビーム法、プラズマ気相成長法(CVD)等を例示できる。上述した方法にプラズマアシスト法やイオンビームアシスト法などを組み合わせてガスバリア層を緻密に形成し、バリア性や密着性を向上させてもよい。
【0016】
被覆層30は、主に酸素に対するガスバリア性を有する。被覆層30は、水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシドまたはその加水分解物を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を用いて形成される。例えば、水溶性高分子を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で溶解させたものに金属アルコキシドを直接、あるいは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合してコーティング剤を調製する。このコーティング剤をガスバリア層20上に塗布した後、乾燥することで、被覆層30を形成できる。
【0017】
被覆層30を形成するためのコーティング剤に含まれる各成分について詳細に説明する。
コーティング剤に用いられる水溶性高分子として、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等を例示できる。特に、PVAを用いると、優れたガスバリア性が得られるため好ましい。PVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化することで得られる。PVAとして、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVA、酢酸基が数%しか残存していない完全PVAのいずれも用いることができる。両者の中間のPVAを用いてもよい。
【0018】
コーティング剤に用いられる金属アルコキシドは、一般式、M(OR)n(M:Si、Alの金属、R:CH3、等のアルキル基)で表せる化合物である。具体的にはテトラエトキシシラン〔Si(OC〕、トリイソプロポキシアルミニウムAl[OCH(CHなどを例示できる。シランカップリング剤としては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するもの、3-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有するもの、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基を有するもの、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基を有するもの、トリス-(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどを例示できる。
コーティング剤の塗布方法に制限はなく、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法などの従来公知の方法を適宜選択できる。
【0019】
被覆層30の厚さは、コーティング剤の組成や塗工条件等に基づいて適宜決定でき、特に制限はない。ただし、被覆層30の乾燥後膜厚が0.01μm以下の場合は、均一な塗膜にならず十分なガスバリア性を得られない場合がある。乾燥後膜厚が50μmを超える場合は被覆層30にクラックが生じ易くなる。したがって、被覆層30の好適な厚さは、例えば0.01~50μmの範囲である。被覆層30の最適な厚さは、例えば0.1~10μmの範囲である。
【0020】
シーラント層50は、ガスバリアフィルム1を用いて袋状包装体などを形成する際に熱融着により接合される層である。シーラント層60の材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸エステル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂材料を例示できる。シーラント層60厚さは目的に応じて決められるが、例えば15~200μmの範囲とできる。
【0021】
接着剤層40は、シーラント層50と被覆層30とを接合する。接着剤層40を用いることで、シーラント層50となる樹脂フィルムと、ガスバリア層20および被覆層30を形成した基材10とを、ドライラミネーションにより貼り合わせることができる。接着剤層40の材料としては、二液硬化型ポリウレタン系接着剤を例示できる。
被覆層30の上に印刷層、介在フィルム、シーラント層等を積層させて、包装材料とすることができる。積層する際は、接着剤を介さずに被覆層30の上に直接シーラント層を形成する押出ラミネート法を用いてもよい。
【0022】
基材10の第一面10aは、赤外分光測定において1370~1380cm-1に存在するピーク強度(I1)と、1450~1460cm-1に存在するピーク強度(I2)との強度比が式(1)の範囲にある。すなわち、I1がI2の1.65倍以下である。本実施形態において、この強度比は、第一面10aを構成する表層12の材料特性によりもたらされる。
I1/I2≦1.65 …(1)
【0023】
上記式(1)の値は、測定箇所の樹脂成分に占めるポリプロピレンの割合を示している。I1は、ポリプロピレンの量を示しており、I2は、ポリエチレンとポリプロピレンとの和を示している。したがって、ホモポリマーはコポリマーやターポリマーに比して式(1)の値が大きくなり、コポリマーやターポリマーにおいては、ポリプロピレン以外の成分が増えるにつれて式(1)の値が小さくなる。
発明者らは、ポリプロピレンを主成分とする基材を用いてガスバリアフィルムを構成するにあたり、様々な検討を行った。その結果、ガスバリア層20が形成される第一面10aにおいては、ポリプロピレンを主成分とする範囲で、第一面10aにおける式(1)の値が1.65以下であると、ガスバリア層が欠陥のない良好な状態で形成されること、および、凝集力に優れ、ガスバリア層の密着強度が向上することを見出した。第一面10aにおける式(1)の値は、1.30から1.60が好ましく、1.30から1.55がより好ましい。1.30以下であると耐熱性に劣るためガスバリア性が悪くなる。また、1.60以上になると凝集力が劣るため密着強度が低下する傾向がある。
本実施形態のガスバリアフィルム1は、上記により、ポリプロピレンを主成分とするモノマテリアルの構成を保持して環境負荷を抑制しつつ、好適なガスバリア性を発揮するガスバリア層が基材と良く接合し、剥離しにくいように構成されている。
【0024】
発明者らがさらに検討した結果、上記特性を有する第一面を含む表層12に、式(1)の値がより大きい基層11を加えることにより、基材10の総合的な特性がさらに向上することを見出した。式(1)の値がより大きい、すなわち、第一面を含む層よりもポリプロピレンの割合が高い層を積層することで、基材10全体としての耐熱性が向上する。その結果、被覆層30を形成する際に十分な熱を基材10に掛けることができ、被覆層30のバリア性能を向上できる。さらに、製造後のガスバリアフィルムがレトルト処理、ボイル処理等の熱水処理を受けた際に、表層12の収縮を基層11が抑制して、収縮によりガスバリア層20にクラック等が生じてガスバリア機能が低下することや、ガスバリア層20が基材10から剥離しやすくなることを好適に抑制する。
基材10の表層12は、プロピレンのホモポリマーに対して0.1~数十%の融点の低いHDPE(高密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(線状低密度ポリエチレン)などのポリエチレンや、1-ブテンなどのαオレフィン系の樹脂、エラストマーなどのゴム成分等を共重合した樹脂、またはポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂を所定の割合で混合し、基層11はプロピレンホモポリマーの樹脂を使用し、複数のスクリューで混錬し、押し出し製膜(フィルム化)することで制御できる。一般に、ポリプロピレンフィルムはPETフィルムに比べて耐熱性が低いが、上記のように製造することで、基層11に耐熱性の高いプロピレンホモポリマーを有しつつ、表面を構成する表層12を式(1)を満たすように制御することで耐熱性に優れた基材10を実現できる。
このような観点からは、基層11が構成する第二面10bにおける上記式(1)の値は、第一面の値よりも大きいことが好ましく、1.65以上であることがより好ましい。
【0025】
基材10においては、第一面10aの表面が平滑であると、形成されるガスバリア層20の欠陥がさらに生じにくくなり、好ましい。平滑性の指標として、平均面粗さSaを使用でき、その値は10nm以下であることが好ましい。平均面粗さSaの測定は、後述する微粒子が存在しない部位で行う。
【0026】
基材10は、樹脂成分でない添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、公知の各種の添加剤から適宜選定できる。添加剤の例としては、アンチブロッキング剤(AB剤)、耐熱安定剤、耐侯安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、スリップ剤、核剤、帯電防止剤、防曇剤、顔料、染料が挙げられる。AB剤は、有機、無機のいずれでもよい。これらの添加剤はいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記のうち滑剤、スリップ剤は、加工適正の観点から好ましい。基材10における添加剤の含有量は、本発明の効果を妨げない範囲で適宜調整できる。
これらの添加剤が基材10内で粒状の状態を保持する場合、第一面10a上に過度に突出すると、ガスバリア層20や被覆層30に微小な欠陥が生じる原因となる。発明者の検討では、第一面上に突出するポリプロピレン以外の材料からなる微粒子の数および突出高さを所定値以下にすることで、微小欠陥が生じにくいことが分かった。所定値の一例を示すと、一辺250μmの正方形領域あたり100個以下、かつ平均突出長5μm以下であるが、これと実質的に同一の内容を意味するものであれば、指標の具体的内容は問わない。
微粒子の数が100個を超え、平均突出高さが5μmを超えるとバリア性が低下するため、微粒子の数は100個以下、平均突出高さは5μm以下が良い。
【0027】
上記の構成を有する本実施形態のガスバリアフィルム1の製造方法について説明する。
まず、基材10の第一面10a上に適宜の方法で処理面上にガスバリア層20を形成する(第一工程)。第一工程において、ガスバリア層を形成する前に、第一面10aにバリア性や密着性を向上させるために熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂などのコーティング層を形成したり、第一面10aにコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、火炎処理等の前処理を行ったりして、第一面10aとガスバリア層20との間に前処理層を設けてもよい。前処理層を設けることにより、基材10とガスバリア層20との密着性をさらに高めることができる。
上述した前処理の中では、生産性の観点からインラインで行うことが可能なプラズマ処理が好ましい。プラズマ処理はグロー放電、イオンビームなど特に限定されず、プラズマ密度を高めるために磁石を用いてもよい。またプラズマ処理を行う際に使用するガスは酸素、窒素、アルゴンのいずれかもしくは複数から選択することができる。
【0028】
次に、上述したコーティング剤をガスバリア層20上に塗布、乾燥して、ガスバリア層上に被覆層30を形成する(第二工程)。
さらに、被覆層30上に接着剤層40となる接着剤を塗布し、シーラント層50となる樹脂フィルムを貼り合わせる(第三工程)と、ガスバリアフィルム1が完成する。
【0029】
本実施形態のガスバリアフィルムについて、実施例および比較例を用いてさらに説明する。本発明は実施例および比較例の具体的内容により、何ら限定されない。
【0030】
(実施例1)
基材10として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムAを用いた。ポリプロピレンフィルムAは、基層11および表層12の二層を有する共押出フィルムである。
表層12からなるポリプロピレンフィルムAの第一面にコロナ処理を行った。真空装置内において、珪素と酸化珪素との混合物を昇華させ、電子ビーム蒸着法により酸化珪素からなるガスバリア層20(厚さ30nm)を形成した。
【0031】
ガスバリア層20上に、下記(1)液と(2)液とを質量比6:4で混合したコーティング剤をグラビアコート法により塗布、乾燥し、厚さ0.4μmの被覆層30を形成した。
(1)液:テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌し加水分解させた固形分3wt%(SiO換算)の加水分解溶液
(2)液:ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比 90:10)
【0032】
最後に、二液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いて、ドライラミネートにより、被覆層30上に未延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ70μm)を貼り合わせ、実施例1のガスバリアフィルムを得た。
【0033】
(実施例2)
蒸着材料をアルミニウムとし、電子ビーム蒸着法により金属アルミニウムからなる厚さ10nmのガスバリア層20を形成した点を除き、実施例1と同様にして実施例2のガスバリアフィルムを作製した。
【0034】
(実施例3)
蒸着材料をアルミニウムとし、酸素導入下の電子ビーム蒸着法により酸化アルミニウムからなる厚さ10nmのガスバリア層20を形成した点を除き、実施例1と同様にして実施例3のガスバリアフィルムを作製した。
【0035】
(実施例4)
基材10として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムBを用いた。ポリプロピレンフィルムBは、基層11および表層12の二層を有する共押出フィルムであるが、ポリプロピレンフィルムBとは異なるフィルムである。
上記以外は実施例1と同様にして実施例4のガスバリアフィルムを作製した。
【0036】
(実施例5)
ポリプロピレンフィルムBを基材10に用いた点を除き、実施例2と同様にして実施例5のガスバリアフィルムを作製した。
【0037】
(実施例6)
ポリプロピレンフィルムBを基材10に用いた点を除き、実施例3と同様にして実施例6のガスバリアフィルムを作製した。
【0038】
(実施例7)
基材10として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムCを用いた。ポリプロピレンフィルムCは、基層11および表層12の二層を有する共押出フィルムであるが、ポリプロピレンフィルムAおよびBのいずれとも異なるフィルムである。
上記以外は実施例1と同様にして実施例7のガスバリアフィルムを作製した。
【0039】
(実施例8)
ポリプロピレンフィルムCを基材10に用いた点を除き、実施例2と同様にして実施例8のガスバリアフィルムを作製した。
【0040】
(実施例9)
ポリプロピレンフィルムCを基材10に用いた点を除き、実施例3と同様にして実施例9のガスバリアフィルムを作製した。
【0041】
(実施例10)
基材10として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムDを用いた。ポリプロピレンフィルムDは、基層11および表層12の二層を有する共押出フィルムであるが、ポリプロピレンフィルムAからCのいずれとも異なるフィルムである。
上記以外は実施例1と同様にして実施例10のガスバリアフィルムを作製した。
【0042】
(実施例11)
ポリプロピレンフィルムDを基材10に用いた点を除き、実施例2と同様にして実施例11のガスバリアフィルムを作製した。
【0043】
(実施例12)
ポリプロピレンフィルムDを基材10に用いた点を除き、実施例3と同様にして実施例12のガスバリアフィルムを作製した。
【0044】
(実施例13)
基材10として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムEを用いた。ポリプロピレンフィルムEは、基層11および表層12の二層を有する共押出フィルムであるが、ポリプロピレンフィルムAからDのいずれとも異なるフィルムである。
上記以外は実施例1と同様にして実施例13のガスバリアフィルムを作製した。
【0045】
(実施例14)
ポリプロピレンフィルムEを基材10に用いた点を除き、実施例2と同様にして実施例14のガスバリアフィルムを作製した。
【0046】
(実施例15)
ポリプロピレンフィルムEを基材10に用いた点を除き、実施例3と同様にして実施例15のガスバリアフィルムを作製した。
【0047】
(実施例16)
基材10として、厚み15μmのポリプロピレンフィルムAを用いた点を除き、実施例1と同様にして実施例16のガスバリアフィルムを作製した。
【0048】
(実施例17)
基材を実施例16と同一とした点を除き、実施例2と同様にして実施例17のガスバリアフィルムを作製した。
【0049】
(実施例18)
基材を実施例16と同一とした点を除き、実施例3と同様にして実施例18のガスバリアフィルムを作製した。
【0050】
(実施例19)
基材10として、厚み40μmのポリプロピレンフィルムAを用いた点を除き、実施例1と同様にして実施例19のガスバリアフィルムを作製した。
【0051】
(実施例20)
基材を実施例19と同一とした点を除き、実施例2と同様にして実施例20のガスバリアフィルムを作製した。
【0052】
(実施例21)
基材を実施例19と同一とした点を除き、実施例3と同様にして実施例21のガスバリアフィルムを作製した。
【0053】
(実施例22)
基材10として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムFを用いた。ポリプロピレンフィルムFは、基層11および表層12の二層を有する共押出フィルムであるが、ポリプロピレンフィルムAからEのいずれとも異なるフィルムである。
上記以外は実施例1と同様にして実施例22のガスバリアフィルムを作製した。
【0054】
(実施例23)
基材10として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムGを用いた。ポリプロピレンフィルムGは、基層11および表層12の二層を有する共押出フィルムであるが、ポリプロピレンフィルムAからFのいずれとも異なるフィルムである。
上記以外は実施例1と同様にして実施例23のガスバリアフィルムを作製した。
【0055】
(実施例24)
基材10として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムHを用いた。ポリプロピレンフィルムHは、基層11および表層12の二層を有する共押出フィルムであるが、ポリプロピレンフィルムAからGのいずれとも異なるフィルムである。
上記以外は実施例1と同様にして実施例24のガスバリアフィルムを作製した。
【0056】
(実施例25)
基材10として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムIを用いた。ポリプロピレンフィルムIは、基層11および表層12の二層を有する共押出フィルムであるが、ポリプロピレンフィルムAからHのいずれとも異なるフィルムである。
上記以外は実施例1と同様にして実施例25のガスバリアフィルムを作製した。
【0057】
(実施例26)
基材に前処理としてArガスによるプラズマ処理を行い連続して酸化珪素を形成した点を除き、実施例1と同様にして実施例26のガスバリアフィルムを作製した。
【0058】
(実施例27)
基材に前処理として基材表面に前処理として水酸基を含有するアクリル樹脂とイソシアネート硬化剤のNCO/OH比が1.0になるように調整した厚み50nmのアクリルウレタン樹脂層を設けた点を除き、実施例1と同様にして実施例27のガスバリアフィルムを作製した。
【0059】
(実施例28)
基材10として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムJを用いた。ポリプロピレンフィルムJは、基層11および表層12の二層を有する共押出フィルムであるが、ポリプロピレンフィルムAからIのいずれとも異なるフィルムである。
上記以外は実施例1と同様にして実施例28のガスバリアフィルムを作製した。
【0060】
(実施例29)
基材10として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムKを用いた。ポリプロピレンフィルムKは、基層11および表層12の二層を有する共押出フィルムであるが、ポリプロピレンフィルムAからJのいずれとも異なるフィルムである。
上記以外は実施例1と同様にして実施例29のガスバリアフィルムを作製した。
【0061】
(実施例30)
基材10として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムLを用いた。ポリプロピレンフィルムLは、基層11および表層12の二層を有する共押出フィルムであるが、ポリプロピレンフィルムAからKのいずれとも異なるフィルムである。
上記以外は実施例1と同様にして実施例30のガスバリアフィルムを作製した。
【0062】
(比較例1)
基材10として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムMを用いた。ポリプロピレンフィルムMは、基層11および表層12の少なくとも二層を有する共押出フィルムであるが、ポリプロピレンフィルムAからLのいずれとも異なるフィルムである。
上記以外は実施例1と同様にして比較例1のガスバリアフィルムを作製した。
【0063】
(比較例2)
ポリプロピレンフィルムMを基材10に用いた点を除き、実施例3と同様にして比較例2のガスバリアフィルムを作製した。
【0064】
(比較例3)
基材10として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムNを用いた。ポリプロピレンフィルムNは、基層11および表層12の少なくとも二層を有する共押出フィルムであるが、ポリプロピレンフィルムAからMのいずれとも異なるフィルムである。
上記以外は実施例1と同様にして比較例3のガスバリアフィルムを作製した。
【0065】
(比較例4)
ポリプロピレンフィルムNを基材10に用いた点を除き、実施例3と同様にして比較例4のガスバリアフィルムを作製した。
【0066】
(比較例5)
基材10として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムOを用いた。ポリプロピレンフィルムOは、基層11および表層12の少なくとも二層を有する共押出フィルムであるが、ポリプロピレンフィルムAからNのいずれとも異なるフィルムである。
上記以外は実施例1と同様にして比較例5のガスバリアフィルムを作製した。
【0067】
(比較例6)
ポリプロピレンフィルムOを基材10に用いた点を除き、実施例3と同様にして比較例6のガスバリアフィルムを作製した。
【0068】
(比較例7)
基材10として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムPを用いた。ポリプロピレンフィルムPは、基層11および表層12の少なくとも二層を有する共押出フィルムであるが、ポリプロピレンフィルムAからOのいずれとも異なるフィルムである。
上記以外は実施例1と同様にして比較例7のガスバリアフィルムを作製した。
【0069】
(比較例8)
ポリプロピレンフィルムPを基材10に用いた点を除き、実施例3と同様にして比較例8のガスバリアフィルムを作製した。
【0070】
(比較例9)
基材10として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムQを用いた。ポリプロピレンフィルムQは、基層11および表層12の少なくとも二層を有する共押出フィルムであるが、ポリプロピレンフィルムAからPのいずれとも異なるフィルムである。
上記以外は実施例1と同様にして比較例9のガスバリアフィルムを作製した。
【0071】
(比較例10)
ポリプロピレンフィルムQを基材10に用いた点を除き、実施例3と同様にして比較例10のガスバリアフィルムを作製した。
【0072】
(比較例11)
基材10として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムRを用いた。ポリプロピレンフィルムRは、基層11および表層12の少なくとも二層を有する共押出フィルムであるが、ポリプロピレンフィルムAからQのいずれとも異なるフィルムである。
上記以外は実施例1と同様にして比較例11のガスバリアフィルムを作製した。
【0073】
(比較例12)
ポリプロピレンフィルムRを基材10に用いた点を除き、実施例3と同様にして比較例12のガスバリアフィルムを作製した。
【0074】
(比較例13)
基材10として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムSを用いた。ポリプロピレンフィルムSは、基層11および表層12の少なくとも二層を有する共押出フィルムであるが、ポリプロピレンフィルムAからRのいずれとも異なるフィルムである。
上記以外は実施例1と同様にして比較例13のガスバリアフィルムを作製した。
【0075】
(比較例14)
ポリプロピレンフィルムSを基材10に用いた点を除き、実施例3と同様にして比較例14のガスバリアフィルムを作製した。
【0076】
(比較例15)
基材10として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムTを用いた。ポリプロピレンフィルムTは、基層11および表層12の少なくとも二層を有する共押出フィルムであるが、ポリプロピレンフィルムAからSのいずれとも異なるフィルムである。
上記以外は実施例1と同様にして比較例15のガスバリアフィルムを作製した。
【0077】
(比較例16)
ポリプロピレンフィルムTを基材10に用いた点を除き、実施例3と同様にして比較例16のガスバリアフィルムを作製した。
【0078】
(比較例17)
基材10として、厚み20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムUを用いた。ポリプロピレンフィルムUは、基層11および表層12の少なくとも二層を有する共押出フィルムであるが、ポリプロピレンフィルムAからTのいずれとも異なるフィルムである。
上記以外は実施例1と同様にして比較例17のガスバリアフィルムを作製した。
【0079】
(比較例18)
ポリプロピレンフィルムUを基材10に用いた点を除き、実施例3と同様にして比較例18のガスバリアフィルムを作製した。
【0080】
(比較例19)
ポリプロピレンフィルムUを基材10に用いた点を除き、実施例2と同様にして比較例19のガスバリアフィルムを作製した。
【0081】
各実施例および比較例における評価項目及び測定方法について、以下に示す。
(第一面および第二面の赤外線分光測定)
フーリエ変換赤外分光光度計FT/IR-4000(日本分光株式会社製)を用いて、ガスバリアフィルム作製前の各基材の厚さ方向両面に対して行った。測定条件等は以下の通りである。
測定条件:ATR法
プリズム:Ge
分解能:4cm-1
積算回数:64
なお、作製されたガスバリアフィルムを用いて上記測定を行う場合は、切削によりガスバリアフィルムの断面を形成し、この断面を用いて基層および表層の測定を行うことができる。
【0082】
(第一面の表面測定)
製造前の各基材を用い、以下の内容で行った。
・平均表面粗さSa
走査型プローブ顕微鏡を用いて第一面10aのうち無作為に選択した1μm×1μmの範囲を測定して平均面粗さSaを算出した。測定は、微粒子の存在しない部位で行った。
・微粒子の個数及び突出高さ
レーザー顕微鏡を用いて第一面10aの表面観察を行い、微粒子の単位エリアあたりの数および突出高さを計測した。観察倍率は50倍とした。単位エリアあたりの数は、無作為に選択した257μm×259μmの範囲(0.067mm)、およびその右側に隣接する同一サイズの2エリアで測定し、3エリアの算術平均値とした。突出高さは、3エリアでカウントされたすべての微粒子の算術平均値とした。
【0083】
(作製直後のガスバリア層密着性評価)
各例のガスバリアフィルムからJIS K 6854-2、JIS K 6854-3に準拠して試験片を切り出し、オリエンテック社テンシロン万能試験機RTC-1250を用いて測定したガスバリア層20の剥離強度を密着性の指標として測定した。測定は、T形剥離と180°剥離の2種類を、それぞれ常態(Dry)および測定部位湿潤(Wet)で行った。
【0084】
(熱水処理後のガスバリア層密着性評価)
各例のガスバリアフィルム2枚を、シーラント層50を対向させて重ね、三辺を熱融着により接合して、各例のパウチ(包装容器)を作製した。各例のパウチに内容物として水を充填した後、開放している一辺を熱融着により封止した。その後、熱水処理として、レトルト殺菌処理(121℃30分)を行った。
熱水処理後、JIS K 6854-2、JIS K 6854-3に準拠して各例のパウチの内容物と接していた部位から試験片を切り出し、RTC-1250を用いて測定したガスバリア層20の剥離強度を密着性の指標として測定した。測定は、T形剥離と180°剥離の2種類を、それぞれ常態(Dry)および測定部位湿潤(Wet)で行った。
【0085】
(作製直後および熱水処理後のガスバリア性能評価)
上記手順で作製した各例のパウチを作製直後および熱水処理した後、パウチを開封してガスバリアフィルムの酸素透過度(OTR)(単位:cc/m・day・atm、測定条件:30℃-70%RH)、および水蒸気透過度(WVTR)(単位:g/m・day、測定条件:40℃-90%RH)を評価した。
【0086】
実施例および比較例の構成を、それぞれ表1および表2に、実施例および比較例の評価結果を、それぞれ表3から表5に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】
【表5】
【0092】
実施例のガスバリアフィルムは、いずれも熱水処理後において、基材10とガスバリア層20との高い密着性が保持されていた。また、熱水処理後も、酸素透過度5.0cc/m・day以下、かつ水蒸気透過度2.0g/m・dayと、良好なガスバリア性能を示した。
【0093】
一方、第一面の式(1)の値が1.65を超える比較例9~19のガスバリアフィルムは、熱水処理後のガスバリア層20と基材との密着性が低かった。
第一面および第二面の式(1)の値がいずれも1.65未満である比較例1~8では、OTR、WVTRのいずれも熱水処理後に低下した。これは、熱水処理により基材が収縮してガスバリア層20および被覆層30がダメージを受けたことによると考えられた。
【0094】
以上、本発明の一実施形態、および実施例について説明したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせなども含まれる。
【0095】
また、本発明のガスバリアフィルムにおいては、適宜の位置に印刷層が設けられてもよい。また、被覆層上に介在フィルムを取り付けて、耐ピンホール性、耐寒性、耐熱性、耐落袋性、引き裂き耐性等の所望の物性をガスバリアフィルムに付与してもよい。
【0096】
さらに、本発明のガスバリアフィルムにおいて、接着層やシーラント層は必須ではない。すなわち、接着層やシーラント層は、ガスバリアフィルムの具体的用途等を考慮して、必要に応じて設ければよい。
【符号の説明】
【0097】
1 ガスバリアフィルム
10 基材
10a 第一面
10b 第二面
11 基層
12 表層
20 ガスバリア層
30 被覆層
40 接着剤層
50 シーラント層
図1