IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヤマハ株式会社の特許一覧

特開2024-96203楽器用ペダルユニットおよび電子鍵盤装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096203
(43)【公開日】2024-07-12
(54)【発明の名称】楽器用ペダルユニットおよび電子鍵盤装置
(51)【国際特許分類】
   G10H 1/32 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
G10H1/32 A
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024070243
(22)【出願日】2024-04-24
(62)【分割の表示】P 2023509202の分割
【原出願日】2022-03-22
(31)【優先権主張番号】P 2021050480
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】山本 信
(72)【発明者】
【氏名】西田 賢一
(72)【発明者】
【氏名】中村 亮介
(72)【発明者】
【氏名】水口 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】三田 正彬
(57)【要約】
【課題】ペダルユニットのペダルに対する操作感をアコースティックピアノのペダルに対する操作感に近づけること
【解決手段】本発明の一実施形態の楽器用ペダルユニットは、ケースと、ケースに対して回動可能に配置され、回動軸と垂直な第1方向に延びる第1フットレバーと、ケースと第1フットレバーとの間において圧縮された状態で配置され、第1フットレバーの回動に伴って伸縮するバネと、バネの第1端部を支持する第1支持部材と、バネの第2端部を支持する第2支持部材と、を備え、第1フットレバーの回動範囲のうちバネが最も伸びている状態からバネが縮む方向に第1フットレバーが移動すると第1軸方向と中心線とのなす角である第1角度が小さくなる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、
前記ケースに対して回動可能に配置され、回動軸と垂直な第1方向に延びる第1フットレバーと、
前記ケースと前記第1フットレバーとの間において圧縮された状態で配置され、前記第1フットレバーの回動に伴って伸縮するバネと、
前記バネの第1端部を支持する第1支持部材と、
前記バネの第2端部を支持する第2支持部材と、
を備え、
前記第1支持部材に支持される位置における前記バネの径方向を含む第1断面を定義し、
前記第1断面における前記バネの中心に対応する第1中心位置を定義し、
前記第1断面に垂直かつ前記第1中心位置から前記バネの内側に向く第1軸方向を定義し、
前記第2支持部材に支持される位置における前記バネの径方向を含む第2断面を定義し、
前記第2断面における前記バネの中心に対応する第2中心位置を定義し、
前記第1中心位置と前記第2中心位置とを結ぶ中心線を定義し、
前記第1軸方向と前記中心線とのなす角を第1角度として定義した場合に、
前記第1フットレバーの回動範囲のうち前記バネが最も伸びている状態から前記バネが縮む方向に第1フットレバーが移動すると前記第1角度が小さくなる、
楽器用ペダルユニット。
【請求項2】
前記第1フットレバーの回動範囲の全体において、前記バネが縮む方向に第1フットレバーが移動すると前記第1角度が小さくなる、請求項1に記載の楽器用ペダルユニット。
【請求項3】
前記第1角度が、前記第1フットレバーの回動範囲のいずれかの位置において0度となり、
前記第1フットレバーの回動範囲のうち前記バネが最も縮んでいる状態において、前記第1角度が10度以下である、請求項1または請求項2に記載の楽器用ペダルユニット。
【請求項4】
前記回動軸と前記第1中心位置とを結ぶ線と、前記第1軸方向とのなす角が、90度未満である、請求項1から請求項3のいずれかに記載の楽器用ペダルユニット。
【請求項5】
前記第2断面に垂直かつ前記第2中心位置から前記バネの内側に向く第2軸方向を定義し、
前記第2軸方向と前記中心線とのなす角を第2角度として定義した場合に、
前記第1フットレバーの回動範囲のうち前記バネが最も伸びている状態において、前記第1角度は前記第2角度より大きい、請求項1から請求項4のいずれかに記載の楽器用ペダルユニット。
【請求項6】
前記第2角度が、前記第1フットレバーの回動範囲のいずれかの位置において0度となり、
前記第1フットレバーの回動範囲のうち前記バネが最も縮んでいる状態において、前記第2角度が10度以下である、請求項5に記載の楽器用ペダルユニット。
【請求項7】
前記第1角度が、前記第1フットレバーの回動範囲における第1位置において0度となり、
前記第2角度が、前記第1フットレバーの回動範囲における前記第1位置とは異なる第2位置において0度となる、請求項5または請求項6に記載の楽器用ペダルユニット。
【請求項8】
前記第1角度と前記第2角度との双方が、前記第1フットレバーの回動範囲全体において、0度より大きい、請求項5から請求項7のいずれかに記載の楽器用ペダルユニット。
【請求項9】
前記回動軸と前記第2中心位置とを結ぶ線と、前記第2軸方向とのなす角が、90度未満である、請求項5から請求項8のいずれかに記載の楽器用ペダルユニット。
【請求項10】
ケースと、
前記ケースに対して回動可能に配置され、回動軸と垂直な第1方向に延びる第1フットレバーと、
前記ケースと前記第1フットレバーとの間において圧縮された状態で配置され、前記第1フットレバーの回動に伴って伸縮するバネと、
前記バネの第1端部を支持する第1支持部材と、
前記バネの第2端部を支持する第2支持部材と、
を備え、
前記バネは、前記第1端部側に存在する第1巻線端部と、前記第2端部側に存在する第2巻線端部と、を含み、
前記第1巻線端部の側面は、前記バネを構成する巻線のうち第1部分の側面と接し、
前記第2巻線端部の側面は、前記巻線のうち第2部分の側面と接し、
前記第1支持部材は、前記第1巻線端部と前記第1部分との間のいずれかの位置における巻線に対して前記バネの内周側または外周側から接触する部分を有するとともに、前記第1部分の巻線から離隔し、
前記第2支持部材は、前記第2巻線端部と前記第2部分との間のいずれかの位置における巻線に対して、前記バネの内周側または外周側から接触する部分を有するとともに、前記第2部分の巻線から離隔する、
楽器用ペダルユニット。
【請求項11】
ケースと、
前記ケースに対して回動可能に配置され、回動軸と垂直な第1方向に延びる第1フットレバーと、
前記ケースと前記第1フットレバーとの間において圧縮された状態で配置され、前記第1フットレバーの回動に伴って伸縮するバネと、
前記バネの第1端部を支持する第1支持部材と、
前記バネの第2端部を支持する第2支持部材と、
を備え、
前記バネは、前記第1端部側に存在する第1巻線端部と、前記第2端部側に存在する第2巻線端部と、を含み、
前記第1巻線端部の側面は、前記バネを構成する巻線のうち第1部分の側面と接し、
前記第2巻線端部の側面は、前記巻線のうち第2部分の側面と接し、
前記第1支持部材は、前記第1フットレバーの回動範囲の少なくとも一部において、前記第1部分に対して前記バネの内側または外側から接触する部分を有し、
前記第2支持部材は、前記第1フットレバーの回動範囲の少なくとも一部において、前記第2部分に対して前記バネの内側または外側から接触する部分を有する、
楽器用ペダルユニット。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれかに記載の楽器用ペダルユニットと、
複数の鍵を有する鍵盤部と、
前記鍵への操作および前記楽器用ペダルユニットにおける前記第1フットレバーへの操作に応じて、音信号を生成する音源部と、
を含む電子鍵盤装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペダルユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電子楽器に用いられるペダルユニットは、ペダルを踏み込んだ状態(エンド位置)とペダルを踏み込んでいない状態(レスト位置)との検出を行い、音源装置に検出結果を伝達することによって、音源装置において生成される音信号を制御する。このようなペダルユニットは、アコースティックピアノのペダルの操作感を得るために、様々な技術が適用されている。例えば、特許文献1は、ペダルの踏み込みに対する反力に対してヒステリシスを与える技術を開示している。特許文献1に開示された技術によれば、ペダルが回動するときに摩擦力を発生させる。摩擦力はペダルの動きに対して反対方向に与えられる一方、ペダルをレスト位置に戻そうとする弾性力は一定方向に与えられる。これによって反力のヒステリシス特性が実現されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-205495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アコースティックピアノのペダルに生じる反力のヒステリシス特性は複雑なものであるため、これを実現するためには相当な困難性を有する。上述した技術によれば、ペダルの踏み込み位置によらず摩擦力が一定とした構成、または段階的に摩擦力の大きさを変えることによってヒステリシス特性を実現している。しかしながら、段階的に摩擦力を制御するだけでは、アコースティックピアノのペダルに相当する操作感を得るための構成として不十分である。そのため、アコースティックピアノのペダルに相当する操作感に近づけることができるペダルユニットの開発が望まれている。
【0005】
本発明の目的の一つは、ペダルユニットのペダルに対する操作感をアコースティックピアノのペダルに対する操作感に近づけることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態におけるペダルユニットは、第1フットレバーと、前記第1フットレバーの回動中心となる軸と、前記軸と対になる軸受と、を含む。前記軸または前記軸受は、互いが接触する面の少なくとも一部に配置された第1部材、および前記第1部材と異なる材料で形成され前記面とは反対側から前記第1部材を支持する第2部材を含む。前記第1フットレバーを前記軸に垂直に見た場合に、前記面が前記第1フットレバーの幅の内側領域に含まれる。前記第1部材と前記第2部材とは、前記軸と前記軸受とが摺動する方向に対しては固定されている。
【0007】
前記第1フットレバーに対して前記第1フットレバーを回動させるための力を与えたときに、前記軸および前記軸受との間に生じる力が増加してもよい。
【0008】
第2フットレバーをさらに含んでもよい。前記第1フットレバーにおける前記回動中心から前記軸と前記軸受とが接触する位置までの第1距離が、前記第2フットレバーにおける前記回動中心から前記軸と前記軸受とが接触する位置までの第2距離とは異なってもよい。
【0009】
第3フットレバーをさらに含んでもよい。前記第1フットレバーが回動したときに下降する側から前記第1フットレバーを見た場合に、第1フットレバー、第2フットレバーおよび第3フットレバーが右側から順に並んで配置されてもよい。前記第3フットレバーにおける前記回動中心から前記軸と前記軸受とが接触する位置までの第3距離は、前記第1距離および前記第2距離のいずれよりも大きくてもよい。
【0010】
前記軸と前記軸受とは、少なくとも第1領域と第2領域とにおいて接触してもよい。前記第1領域は前記第2領域から離隔して配置されてもよい。前記第1領域と前記第2領域との間において、前記軸と前記軸受とが離隔している部分が存在してもよい。
【0011】
前記第1領域と前記第2領域との間かつ前記第1領域と前記第2領域とのいずれとも離隔した第1位置、前記第1位置と前記第1領域との間の第2位置、および前記第1位置と前記第2領域との間の第3位置を定義する。このときに、前記第1位置における前記軸から前記軸受までの第1離隔距離が、前記第2位置における前記軸から前記軸受までの第2離隔距離および前記第3位置における前記軸から前記軸受までの第3離隔距離よりも短くてもよい。
【0012】
前記第1フットレバーを前記軸に垂直に見た場合に、前記第1フットレバーを前記軸に垂直に見た場合に、前記軸が、前記第1フットレバーの幅の外側領域において連動する部分を有してもよい。前記軸受は、前記第1フットレバーが回動するときに、前記外側領域において前記軸と摺動する第3部材を含んでもよい。
【0013】
また、一実施形態におけるペダルユニットは、第1フットレバーと、前記第1フットレバーの回動中心となる軸と、前記軸と対になる軸受と、を含む。前記第1フットレバーを前記軸に垂直に見た場合に、前記軸が、前記第1フットレバーの幅の外側領域において連動する部分を有する。前記軸受は、前記第1フットレバーが回動するときに、前記外側領域において前記軸と摺動する第3部材を含む。
【0014】
また、一実施形態におけるペダルユニットは、第1フットレバーと、前記第1フットレバーの回動中心となる軸と、前記軸と対になる軸受と、を含む。前記回動中心から前記軸と前記軸受とが接触する位置までの第1距離は、4mm以上である。
【0015】
前記軸受は、第1軸受と第2軸受とを含んでもよい。前記第1軸受と前記第2軸受とが互いに近づく方向に力を受けた状態で、前記軸が前記第1軸受と前記第2軸受とによって挟まれてもよい。
【0016】
前記軸は、前記第1軸受とは、少なくとも第1領域と第2領域とにおいて接触してもよい。前記第1領域は前記第2領域から離隔して配置されてもよい。前記第1領域と前記第2領域との間において、前記軸と前記第1軸受とが離隔している部分が存在してもよい。前記軸は、前記第2軸受とは、少なくとも第3領域と第4領域とにおいて接触してもよい。前記第3領域は前記第4領域から離隔して配置されてもよい。前記第3領域と前記第4領域との間において、前記軸と前記第2軸受とが離隔している部分が存在してもよい。
【0017】
また、一実施形態におけるペダルユニットは、ケースと、前記ケースに対して回動可能に配置され、回動軸と垂直な第1方向に延びる第1フットレバーと、前記ケースと前記第1フットレバーとの間において圧縮された状態で配置され、前記第1フットレバーの回動に伴って伸縮するバネと、前記バネの第1端部を支持する第1支持部材と、前記バネの第2端部を支持する第2支持部材と、を備える。前記第1支持部材に支持される位置における前記バネの径方向を含む第1断面を定義する。前記第1断面における前記バネの中心に対応する第1中心位置を定義する。前記第1断面に垂直かつ前記第1中心位置から前記バネの内側に向く第1軸方向を定義する。前記第2支持部材に支持される位置における前記バネの径方向を含む第2断面を定義する。前記第2断面における前記バネの中心に対応する第2中心位置を定義する。前記第1中心位置と前記第2中心位置とを結ぶ中心線を定義する。前記第1軸方向と前記中心線とのなす角を第1角度として定義する。前記第1フットレバーの回動範囲のうち前記バネが最も伸びている状態から前記バネが縮む方向に第1フットレバーが移動すると前記第1角度が小さくなる。
【0018】
前記第1フットレバーの回動範囲の全体において、前記バネが縮む方向に第1フットレバーが移動すると前記第1角度が小さくなってもよい。
【0019】
前記第1角度が、前記第1フットレバーの回動範囲のいずれかの位置において0度となってもよい。前記第1フットレバーの回動範囲のうち前記バネが最も縮んでいる状態において、前記第1角度が10度以下であってもよい。
【0020】
前記回動軸と前記第1中心位置とを結ぶ線と、前記第1軸方向とのなす角が、90度未満であってもよい。
【0021】
前記第2断面に垂直かつ前記第2中心位置から前記バネの内側に向く第2軸方向を定義する。前記第2軸方向と前記中心線とのなす角を第2角度として定義する。前記第1フットレバーの回動範囲のうち前記バネが最も伸びている状態において、前記第1角度は前記第2角度より大きくてもよい。
【0022】
前記第2角度が、前記第1フットレバーの回動範囲のいずれかの位置において0度となってもよい。前記第1フットレバーの回動範囲のうち前記バネが最も縮んでいる状態において、前記第2角度が10度以下であってもよい。
【0023】
前記第1角度が、前記第1フットレバーの回動範囲における第1位置において0度となってもよい。前記第2角度が、前記第1フットレバーの回動範囲における前記第1位置とは異なる第2位置において0度となってもよい。
【0024】
前記第1角度と前記第2角度との双方が、前記第1フットレバーの回動範囲全体において、0度より大きくてもよい。
【0025】
前記回動軸と前記第2中心位置とを結ぶ線と、前記第2軸方向とのなす角が、90度未満であってもよい。
【0026】
また、一実施形態におけるペダルユニットは、ケースと、前記ケースに対して回動可能に配置され、回動軸と垂直な第1方向に延びる第1フットレバーと、前記ケースと前記第1フットレバーとの間において圧縮された状態で配置され、前記第1フットレバーの回動に伴って伸縮するバネと、前記バネの第1端部を支持する第1支持部材と、前記バネの第2端部を支持する第2支持部材と、を備える。前記バネは、前記第1端部側に存在する第1巻線端部と、前記第2端部側に存在する第2巻線端部と、を含む。前記第1巻線端部の側面は、前記バネを構成する巻線のうち第1部分の側面と接する。前記第2巻線端部の側面は、前記巻線のうち第2部分の側面と接する。前記第1支持部材は、前記第1巻線端部と前記第1部分との間のいずれかの位置における巻線に対して前記バネの内周側または外周側から接触する部分を有するとともに、前記第1部分の巻線から離隔する。前記第2支持部材は、前記第2巻線端部と前記第2部分との間のいずれかの位置における巻線に対して、前記バネの内周側または外周側から接触する部分を有するとともに、前記第2部分の巻線から離隔する。
【0027】
また、一実施形態におけるペダルユニットは、ケースと、前記ケースに対して回動可能に配置され、回動軸と垂直な第1方向に延びる第1フットレバーと、前記ケースと前記第1フットレバーとの間において圧縮された状態で配置され、前記第1フットレバーの回動に伴って伸縮するバネと、前記バネの第1端部を支持する第1支持部材と、前記バネの第2端部を支持する第2支持部材と、を備える。前記バネは、前記第1端部側に存在する第1巻線端部と、前記第2端部側に存在する第2巻線端部と、を含む。前記第1巻線端部の側面は、前記バネを構成する巻線のうち第1部分の側面と接する。前記第2巻線端部の側面は、前記巻線のうち第2部分の側面と接する。前記第1支持部材は、前記第1フットレバーの回動範囲の少なくとも一部において、前記第1部分に対して前記バネの内側または外側から接触する部分を有する。前記第2支持部材は、前記第1フットレバーの回動範囲の少なくとも一部において、前記第2部分に対して前記バネの内側または外側から接触する部分を有する。
【0028】
また、一実施形態における電子鍵盤装置は、上記記載のペダルユニットと、複数の鍵を有する鍵盤部と、前記鍵への操作および前記ペダルユニットにおける前記第1フットレバーへの操作に応じて、音信号を生成する音源部と、を含む。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、ペダルユニットのペダルに対する操作感をアコースティックピアノのペダルに対する操作感に近づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】一実施形態における電子鍵盤装置の外観を示す図である。
図2】一実施形態における電子鍵盤装置の構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態におけるペダルユニットの構成を示す図である。
図4】フットレバーと軸との位置関係を示す図である。
図5】フットレバーがハーフペダル状態の直前まで回動したときのペダルユニットを示す図である。
図6】フットレバーがエンド位置まで回動したときのペダルユニットを示す図である。
図7】第2実施形態におけるペダルユニットの構成を示す図である。
図8】第3実施形態におけるペダルユニットの構成を示す図である。
図9】第4実施形態におけるペダルユニットの構成を示す図である。
図10】第5実施形態におけるペダルユニットの構成を示す図である。
図11】第6実施形態における軸と軸受との関係を示す図である。
図12】第7実施形態における軸と軸受との関係を示す図である。
図13】第8実施形態における軸と軸受との関係を示す図である。
図14】第9実施形態における接触部の構成を示す図である。
図15】第9実施形態における接触部の断面の構成を示す図である。
図16】第10実施形態における軸および軸受を示す図である。
図17】第10実施形態における軸および軸受の断面の構成を示す図である。
図18】第11実施形態におけるペダルユニットの構成を示す図である。
図19】第11実施形態における軸を挿入するときのペダルユニットの動きを示す図である。
図20】第12実施形態におけるバネの形状(レスト位置)を示す図である。
図21】第12実施形態におけるバネの形状(エンド位置)を示す図である。
図22】第13実施形態におけるバネの形状(レスト位置)を示す図である。
図23】第13実施形態におけるバネの形状(エンド位置)を示す図である。
図24】比較例1におけるバネの形状(レスト位置)を示す図である。
図25】比較例1におけるバネの形状(エンド位置)を示す図である。
図26】比較例2におけるバネの形状(レスト位置)を示す図である。
図27】比較例2におけるバネの形状(エンド位置)を示す図である。
図28】第14実施形態におけるバネと支持部材との位置関係を示す図である。
図29】比較例3におけるバネと支持部材との位置関係を示す図である。
図30】第15実施形態におけるバネと支持部材との位置関係を示す図である。
図31】比較例4におけるバネと支持部材との位置関係を示す図である。
図32】第16実施形態におけるバネと支持部材との位置関係を示す図である。
図33】第17実施形態におけるバネと支持部材との位置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す実施形態は一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号(数字の後にA、Bなど付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。図面は、説明を明確にするために、寸法比率が実際の比率とは異なったり、構成の一部が図面から省略されたりして、模式的に説明される場合がある。
【0032】
<第1実施形態>
[1.電子鍵盤装置]
図1は、一実施形態における電子鍵盤装置の外観を示す図である。電子鍵盤装置1は、ペダルユニット10、鍵盤本体91、鍵盤本体91を所定の高さに支持する支持板93、鍵盤本体91からペダルユニット10を吊り下げて支持するための支持柱95を含む。ペダルユニット10は、鍵盤本体91から分離することができてもよい。このとき、ペダルユニット10と支持柱95とが分離される構造であってもよいし、支持柱95と鍵盤本体91とが分離される構造であってもよい。
【0033】
鍵盤本体91は、操作部83、表示部85および複数の鍵により構成される鍵盤部88を含む。ペダルユニット10は、ケース190およびケース190から突出する少なくとも1つのフットレバー100を含む。この例では、ペダルユニット10は、3つのフットレバー100-1、100-2、100-3(第1、第2、第3フットレバー)を含む。機能の観点では、フットレバー100-1はダンパペダル、フットレバー100-2はソステヌートペダル、フットレバー100-3はシフトペダルに対応する。以下の説明において、3つのフットレバー100-1、100-2、100-3は、それぞれを区別して説明する場合を除き、フットレバー100として示される。フットレバー100は、ペダルアームということもできる。
【0034】
図1に示すように、電子鍵盤装置1を演奏するユーザ(演奏者)を基準として、手前方向F、奥行き方向D、上方向U、下方向B、左方向Lおよび右方向Rを定義する。言い換えると、手前方向Fおよび奥行き方向Dは、鍵の長手方向に沿っている。鍵の長手方向を前後方向という場合がある。左方向Lおよび右方向Rは、鍵の並び方向に沿っている。鍵の並び方向を左右方向という場合がある。右方向Rは、鍵の高音側に対応する。前後方向と左右方向とを含む面を水平面という場合がある。上方向Uおよび下方向Bは、鉛直方向に沿っている。鉛直方向を上下方向という場合がある。高低に関しては、水平面を基準として扱う。例えば、第1の構成が第2の構成に対して高い位置にあるという場合には、第1の構成が第2の構成の上方向Uの領域(第2の構成の直上の領域)に存在する場合だけでなく、その領域から左右方向又は前後方向にずれた領域に存在する場合を含む。以下の図の説明においても、同様の定義に従う。
【0035】
一実施形態におけるペダルユニット10によれば、その内部構造に従来の構造とは異なる構造を採用することによって、ペダルに対する操作感をアコースティックピアノのペダルに対する操作感に近づけることができる。以下、電子鍵盤装置1の各構成について説明し、特に、ペダルユニット10については詳細に説明する。
【0036】
図2は、一実施形態における電子鍵盤装置の構成を示すブロック図である。電子鍵盤装置1は、ペダルユニット10、制御部81、記憶部82、操作部83、音源部84、表示部85、スピーカ86、鍵盤部88および押鍵検出部89を含む。
【0037】
押鍵検出部89は、鍵盤部88に含まれる鍵に対する押下操作を検出し、検出結果に応じた鍵信号KVを制御部81に出力する。鍵信号KVは、操作対象の鍵およびその鍵の操作量に対応する情報を含む。ペダルユニット10は、フットレバー100への踏込操作を検出し、検出結果に応じたペダル信号PVを制御部81に出力する。ペダル信号PVは、操作対象のペダルおよびそのペダルの操作量に対応する情報を含む。
【0038】
操作部83は、ノブ、スライダ、タッチセンサおよびボタンなどの操作デバイスを含み、ユーザから電子鍵盤装置1への指示を受け付ける。操作部83は、受け付けられたユーザの指示に応じた操作信号CSを制御部81に出力する。
【0039】
記憶部82は、不揮発性メモリなどの記憶装置であって、制御部81によって実行される制御プログラムを記憶する領域を備える。制御プログラムは、外部装置から提供されてもよい。制御プログラムが制御部81によって実行されると、電子鍵盤装置1において様々な機能を実現する。
【0040】
制御部81は、CPUなどの演算処理回路、およびRAM、ROMなどの記憶装置を含むコンピュータの一例である。制御部81は、記憶部82に記憶された制御プログラムをCPUによって実行し、制御プログラムに記述された命令にしたがって様々な機能を電子鍵盤装置1において実現する。制御部81は、例えば、鍵信号KV、ペダル信号PVおよび操作信号CSに基づいて音源制御信号Ctを生成する。
【0041】
音源部84は、DSP(Digital Signal Processor)を備える。音源部84は、制御部81から供給される音源制御信号Ctに基づいて音信号を生成する。言い換えると、音源部84は、鍵盤部88の鍵への操作およびペダルユニット10のフットレバー100への操作に応じて音信号を生成する。音源部84は、生成した音信号をスピーカ86に供給してもよい。スピーカ86は、音源部84から供給される音信号を増幅して出力することによって、音信号に応じた音を発生する。表示部85は、液晶ディスプレイなどの表示装置を含み、制御部81による制御によって様々な画面を表示する。表示部85にタッチセンサが組み合わされることによって、タッチパネルが構成されてもよい。
【0042】
[2.ペダルユニットの構成]
続いて、ペダルユニット10の構成について説明する。以下の説明においては、1つのフットレバー100に注目して説明する。
【0043】
図3は、第1実施形態におけるペダルユニットの構成を示す図である。図3は、フットレバー100が踏み込まれていない状態、すなわちフットレバー100がレスト位置に存在する状態を示している。ペダルユニット10は、フットレバー100およびフットレバー100の一部を収容するケース190を含む。この例では、ペダルユニット10は、底部190bの下面において、床に対するケース190の位置を固定することを補助するための補助具195を含む。
【0044】
ケース190は、例えばFRP(繊維強化樹脂)で形成されるが、PBT樹脂、ABS樹脂、POM樹脂、PPS樹脂、PEEK樹脂等、他の樹脂で形成されてもよいし、金属で形成されてもよい。ケース190は、底部190b、天井部190u、および側部を含む。側部は、底部190bと天井部190uとをつなぐ壁部である。天井部190uと底部190bとは分離可能に構成され、側部を介してネジ止め等によって互いに固定されている。この例では、側部と天井部190uとが一体に形成されていているが、側部と底部190bとが一体に形成されていてもよい。図3においては側部のうち前部190fと後部190rとが示されている。側部のうち左方向Lおよび右方向Rに配置された部分は図示されていない。前部190fと底部190bとの間には開口部が存在する。フットレバー100の一部分がケース190の内側に存在し、残りの部分がケース190の外側に存在するように、フットレバー100が配置されている。フットレバー100は、以下に説明する軸115と軸受120とによってケース190に対して回動可能に配置されている。回動中心Cは、ケース190の内部に位置する。開口部は、フットレバー100の回動範囲において妨げにならない程度の大きさを有する。
【0045】
フットレバー100は、金属によって形成され、前後方向に長手を有する。以下の説明において、フットレバー100のうち、回動中心Cに対して奥行き方向Dの領域を第1領域100rといい、回動中心Cに対して手前方向Fの領域かつケース190の外側の領域を第2領域100fという。フットレバー100の上方向Uの面を上面100s1といい、下方向Bの面を下面100s2という。上面100s1と下面100s2には、フットレバー100の第2領域100fの先端部分において下方向Bに曲がっている部分を含まないものとする。
【0046】
この例では、フットレバー100がレスト位置にあるときに、上面100s1は水平面を含む。第2領域100fが第1領域100rに対して相対的に高い位置または低い位置になるように傾くことによって、上面100s1が水平面を含まなくてもよい。例えば、上面100s1が略水平面を含んでいてもよい。略水平面は、この例では、水平面に対して5度の傾斜まで含む概念である。フットレバー100がレスト位置にあるときに水平面を含まない場合には、回動範囲において上面100s1が水平面を含む状態が実現されてもよいし、回動範囲のいずれの位置においても上面100s1が水平面を含む状態が実現されなくてもよい。
【0047】
フットレバー100の長手方向の略中央に位置する領域(以下、中央領域100cという)は、下面100s2において軸支持部111が接続されている。軸支持部111の先端には軸115が接続されている。すなわち、軸支持部111は、軸115とフットレバー100とを接続し、フットレバー100に対して軸115を支持する。
【0048】
軸115は、左右方向に沿って延びる回動軸を形成し、回動軸に垂直な断面の縁部において円弧形状を有する。この円弧形状は、回動中心Cを中心とする円の一部に相当する。軸115は、ケース190とは異なる樹脂で形成されている。軸115は、例えばPOM樹脂で形成されるが、PBT樹脂、ABS樹脂、ナイロン樹脂、PTFE樹脂、UHPE樹脂、PEEK樹脂等、他の樹脂で形成されてもよい。軸115と対になる軸受120は、接触部125(第1部材)および軸受支持部192を含む。接触部125は、軸115が載置されて、軸115における円弧形状に対応する部分と接触する。接触部125と軸115とが接触する面を接触面という。したがって、フットレバー100が回動するときには、軸115と接触部125とが摺動する。軸受支持部192は、接触面とは反対側から接触部125を支持する。この例では、軸受支持部192(第2部材)は、ケース190の一部に相当するが、ケース190とは別の部材で形成されてもよい。したがって、接触部125は、軸115と軸受支持部192とに挟まれている。軸受支持部192は、接触部125を支持する面(以下、支持面という場合がある)ともいうことができる。この場合には、接触面と支持面とは少なくとも一部において対向する。
【0049】
この例では、接触面と支持面とは、互いに回動中心Cからの距離が異なるだけであって、相似の関係を有しているが、そのような関係を有していなくてもよい。接触面は、いずれの位置においても回動中心Cからの距離が等しい形状を有する。この距離を以下の説明では曲率半径DDという場合があり、軸115の半径に相当する。曲率半径DDは、適宜設定されればよいが、例えば、3.5mm以上であることが好ましく、4.0mm以上であることがさらに好ましい。一方、支持面については、位置によって回動中心Cからの距離が異なっている形状を有してもよく、軸受支持部192によって接触部125が支持される形状であればよい。軸受支持部192と接触部125との位置関係は固定されているが、少なくとも互いが摺動する方向に対して固定されていればよい。すなわち、軸受120に対して軸115が回動するときに、接触部125が軸受支持部192に対して回動しないように固定されていればよい。
【0050】
接触部125は、軸115および軸受支持部192(ケース190)とは異なる樹脂で形成されている。接触部125は、例えばPBT樹脂で形成されるが、POM樹脂、ABS樹脂、ナイロン樹脂、PTFE樹脂、UHPE樹脂、PEEK樹脂等、他の樹脂で形成されてもよい。接触部125と軸115とにおいて所望の摩擦力が得られ、かつ摩耗が少なくなるように、接触部125の樹脂材料と軸115の樹脂材料との関係が決められている。
【0051】
図4は、フットレバーと軸との位置関係を示す図である。図4は、回動中心C(回動軸)に垂直な方向(ここでは下方向B)に向けてフットレバー100を見た状況に対応する。この図によれば、フットレバー100のうち回動軸の直上に位置する部分の幅WPは、軸115と接触部125とが対向して接触する領域(接触面)の幅WXよりも広い。これらの幅は、左右方向の長さ(回動軸に沿った長さ)である。このようにフットレバー100の内側に軸115が配置されることで、フットレバー100を上面100s1側から見た場合に、軸115が見えないようになっている。この例では、回動中心Cは、ケース190の内部に位置する。
【0052】
この例では、図4に示すように、接触面のうち少なくとも一部が、第2領域100fと重畳する(メッシュにより表示した領域)。このような重畳領域は存在しなくてもよい。回動中心Cがケース190の外側に存在してもよいが、ケース190の内側に存在することが好ましい。
【0053】
図3に戻って説明を続ける。ケース190の内部空間には、弾性部材155、反力追加部材165、ストロークセンサ171、接触センサ173、下部ストッパ181および上部ストッパ183が配置されている。
【0054】
弾性部材155は、この例では、金属製のバネであるが、金属製でなくてもよく、バネ形状でなくてもよい。すなわち、弾性部材155は、弾性変形により弾性力を発生させる部材であればよい。弾性部材155は、ケース190の内部空間のうち第1領域100rより高い位置に形成される上部空間USに配置される。弾性部材155の上端部は、天井部190uに固定された支持部材153によって支持されている。弾性部材155の下端部は、第1領域100rの上面100s1に固定された支持部材151によって支持されている。弾性部材155を形成するバネの軸方向は、フットレバー100の回動範囲のいずれかの位置(例えば、エンド位置、レスト位置、または反力追加部材165とフットレバー100とが接触する位置(図5参照))において、第1領域100rと接触している部分における回動方向(周方向)と一致することが好ましい。
【0055】
弾性部材155は、自然長よりも圧縮された状態で支持部材151、153によって支持され、フットレバー100をレスト位置に保持するように、第1領域100rに対して力を与える。第1領域100rに対して与えられる力は、下方向Bの成分を含む。弾性部材155は、弾性力によって、第1領域100rを下部ストッパ181に押しつけるとともに、軸115を接触部125に押しつける。ユーザによって操作される第2領域100fは、比較的、回動中心Cに近い領域である。てこ比の関係により弾性部材155の弾性力を少なくしても第2領域100fに対して大きな反力を与えることができる。したがって、弾性部材155を支持するために必要なケース190の強度が少なくてもよく、ケース190の材料および形状の自由度が向上する。
【0056】
下部ストッパ181は、底部190bに配置され、フットレバー100のうち第1領域100rの下面100s2と接触する。下部ストッパ181は、第1領域100rのうち、弾性部材155よりも奥行き方向Dに存在する部分(この例ではフットレバー100の第1領域100r側の端部)に接触する。言い換えると、フットレバー100のうち弾性部材155により力が加えられる部分は、軸115と下部ストッパ181との間に存在する。この状態において、フットレバー100のレスト位置が規定される。下部ストッパ181の位置が回動中心Cから離れるほど、位置決めの精度を高めることができる。このような位置関係によって弾性部材155が第1領域100rに力を与えることによって、フットレバー100がペダルユニット10において安定して支持される。
【0057】
上部ストッパ183は、天井部190uに配置され、フットレバー100のうち第1領域100rの上面100s1と接触する。上部ストッパ183は、この例ではフットレバー100の第1領域100r側の端部に接触する。この状態において、フットレバー100のエンド位置が規定される(図6に対応)。上部ストッパ183の位置が回動中心Cから離れるほど、位置決めの精度を高めることができる。このようにして、フットレバー100は、レスト位置とエンド位置との間(すなわち、回動範囲)で回動することができる。
【0058】
ストロークセンサ171は、天井部190uに配置され、フットレバー100の挙動(例えば、回動量)を検出するためのセンサである。この例では、ストロークセンサ171は、第1領域100rの位置(基準位置からの変位量)を測定するための光センサを含む。ストロークセンサ171における光センサは、検出対象物の位置が変化することによって電気信号を変化させる受動素子である。この受動素子となる光センサは、この例では第1領域100rの上方向Uに配置されているが、第1領域100rに対して左右方向にずれて配置されてもよい。すなわち、この光センサは、第1領域100rの直上に配置されるのではなく第1領域100rより高い位置に配置されてもよい。言い換えれば、光センサが上部空間USに配置されてもよい。ストロークセンサ171は、回動範囲のうち、フットレバー100の位置がレスト位置およびエンド位置に対応する第1領域100rの位置を検出するセンサであってもよいし、第1領域100rが反力追加部材165と接触する位置の近傍の所定範囲において第1領域100rの位置を検出するセンサであってもよい。ストロークセンサ171の検出結果により、フットレバー100の回動量(フットレバー100が踏み込まれた量)を算出することができる。算出された回動量に応じた情報は、上述したペダル信号PVに含まれる。
【0059】
接触センサ173は、天井部190uに配置され、所定の検出位置への接触を検出する。反力追加部材165は、この例では、ゴムなどの弾性部材で形成され、内部に空間を形成するドーム状の部材である。反力追加部材165は、内部空間に向けて突出する突出部161を含む。反力追加部材165は、上部空間USにおいて接触センサ173における検出位置を下方から覆うように配置されている。反力追加部材165は、下方から力を受けると変形する。この変形によって、突出部161が接触センサ173の検出位置に接触すると、接触センサ173が所定の検出信号を出力する。この検出信号もペダル信号PVに含まれる。反力追加部材165は、弾性部材155と同じようにバネ形状を有していてもよく、弾性変形をする構成であればよい。反力追加部材165が弾性変形をする過程において接触センサ173による検出がされてもよい。
【0060】
[3.ペダルユニットの動作]
続いて、フットレバー100がレスト位置からエンド位置に回動する動作について説明する。フットレバー100が踏み込まれて回動すると、踏み込まれる部分である第2領域100fが下降し、第1領域100rが上昇する。このとき、弾性部材155は、徐々に圧縮されることで弾性力が増加し、その結果第2領域100fを下降させるために必要な力(反力)を増加させる。このとき、軸115と接触部125とが摺動することによって、摩擦力が発生する。この摩擦力と弾性力は、フットレバー100を踏み込むときの反力としてユーザに知覚される。
【0061】
反力の増加に抗するようにユーザがフットレバー100を踏み込む力を増加していくと、弾性部材155が支点となることで、軸115から接触部125に与えられる力(垂直抗力)が増加する。その結果、軸115と接触部125との間に生じる摩擦力も増加して、さらに反力が増加する。
【0062】
図5は、フットレバーがハーフペダル状態の直前まで回動したときのペダルユニットを示す図である。フットレバー100がさらに踏み込まれて回動すると、レスト位置からエンド位置に向かう途中の状態で、図5に示すように第1領域100rが反力追加部材165に接触する。このとき、第1領域100rの上面100s1と、反力追加部材165とが、面で接触することが好ましい。
【0063】
この状態から第2領域100fがさらに下降すると、第1領域100rによって反力追加部材165が変形しはじめる。これによって、弾性部材155の弾性力に加えて、反力追加部材165の弾性力によって、反力の増加の程度が上昇する。ユーザは、この反力の変化を知覚することで、さらにフットレバー100を踏み込むことによってハーフペダル状態に近づいたことを知覚できる。第2領域100fがさらに下降すると、突出部161が検出位置に接触したことを接触センサ173が検出する。例えば、この検出に応じて得られた検出信号を含むペダル信号PVが制御部81に送信され、音源部84は音信号にハーフペダルの効果を与えるように制御することができる。
【0064】
図6は、フットレバーがエンド位置まで回動したときのペダルユニットを示す図である。ハーフペダル状態から第2領域100fがさらに下降すると、反力追加部材165の変形がさらに大きくなり、突出部161も変形しはじめる。図6に示すように第1領域100rが上部ストッパ183に接触することによって、フットレバー100がエンド位置に到達する。
【0065】
図3図5および図6に示すように、フットレバー100の中央領域100cは、回動中心Cの近傍であるため、フットレバー100が回動しても、中央領域100cと前部190fとの離隔部分SPの大きさは、あまり変化しない。そのため、離隔部分SPを小さくすることができ、指などのはさみ込みを防止することもでき、ケース190の内部構造を外部から見えにくくすることもできる。回動中心Cから接触面までの距離(曲率半径DD)よりも前部190fの厚さ(前後方向の長さ)を薄くすると、より効果的である。
【0066】
図3に示すように、レスト位置において、フットレバー100の上面100s1(少なくとも上面100s1における手前方向Fの上面先端部分100fe)は、回動中心Cを含む水平面(以下、軸水平面CFという)よりも高い位置に存在する。一方、図6に示すように、エンド位置において、フットレバー100の上面100s1の少なくとも一部が、軸水平面CFよりも低い位置に存在する。この例では、第2領域100fの上面100s1のうち、上面先端部分100feが、軸水平面CFよりも低い位置に存在する。
【0067】
一実施形態におけるフットレバー100は、回動中心Cから上面先端部分100feまでの距離が短くなる。この距離が短くなるほど、フットレバー100を踏み込んだときに、上面先端部分100feの前後方向の移動量が大きくなる。上面先端部分100feと軸水平面CFとの位置関係を上述したように設定することにより、フットレバー100の回動による上面先端部分100feの前後方向の移動量を低減することができる。上面先端部分100feと軸水平面CFとの位置関係は、この例に限られない。例えば、上面先端部分100feが、レスト位置において軸水平面CFより低い位置に存在してもよいし、エンド位置において軸水平面CFより高い位置に存在してもよい。
【0068】
電子鍵盤装置1において用いられるペダルユニット10は、回動中心Cを挟んで第1領域100rと第2領域100fとを配置し、フットレバー100の回動をシーソ型による回動によって実現する。このようにすると、第1領域100rの上面100s1側の上部空間USを大きくする一方、第1領域100rの下面100s2側の下部空間LSを小さくすることができる。ペダルユニット10は、電子鍵盤装置1の設置面に近い部分に配置される。したがって、フットレバー100より低い位置の領域(下部空間LS)をできるだけ小さくすることで、設計の自由度が向上する。
【0069】
ユーザがフットレバー100をエンド位置へ踏み込むように操作すると、上述したように、弾性部材155が支点となることで、軸115から接触部125に与えられる力(垂直抗力)が増加する。その結果、軸115と接触部125との間に生じる摩擦力も増加して、さらに反力が増加する。このとき、弾性部材155による弾性力と摩擦力とを加えた力が反力としてユーザに対して知覚される。フットレバー100の踏込量が大きくなるほど、摩擦力が大きくなる。したがって、フットレバー100の踏込量が大きくなるほど、ユーザに知覚される反力が増加する。
【0070】
一方、ユーザがフットレバー100をレスト位置に戻すように操作すると、弾性力とは反対向きで摩擦力が生じる。そのため、フットレバー100をレスト位置に戻すときは、エンド位置に踏み込むときに比べると、ユーザに知覚される反力が小さくなる。上述したように、フットレバー100の位置がエンド位置に近いほど摩擦力が大きい。したがって、エンド位置に踏み込む状態とレスト位置に戻す状態とを切り替える場合、ヒステリシス特性は、摩擦力の影響が大きくなる位置(エンド位置に近い位置)で切り替えるほど、摩擦力が働く向きの変化によって反力が大きく変化する特性を有する。例えば、レスト位置からフットレバー100を踏み込んだ後にレスト位置に戻すときの位置が、ハーフペダル状態に至る前の位置である場合よりもハーフペダル状態を越えた後の位置である場合の方が、反力の低下量が大きくなる。このように、一実施形態におけるペダルユニット10によれば、フットレバー100の回動位置によって摩擦力が変化する状況によって、アコースティックピアノのペダルに近い操作感を実現することができる。
【0071】
<第2実施形態>
第1実施形態では、フットレバー100に軸115が固定され、ケース190に軸受120が固定されている。軸と軸受との関係は逆であってもよい。第2実施形態では、第1実施形態における軸と軸受とを逆の関係にした場合の一例を説明する。
【0072】
図7は、第2実施形態におけるペダルユニットの構成を示す図である。第2実施形態におけるペダルユニット10Aは、フットレバー100Aに軸受120Aが固定され、ケース190Aに軸115Aが固定されている。軸115Aは、底部190bAに対して上方に突出する軸支持部191Aによって支持されている。軸受120Aは、接触部125Aおよび接触部125Aを接触面の反対側から支持する軸受支持部112Aを含む。軸受支持部112Aは、中央領域100cAに接続されている。第2実施形態におけるペダルユニット10Aのうち、第1実施形態におけるペダルユニット10と共通する部分については、その説明を省略する。
【0073】
<第3実施形態>
第1実施形態におけるペダルユニット10は、第1領域100rと第2領域100fとの間に回動中心Cが存在するフットレバー100を含む。言い換えると、フットレバー100は、弾性部材155によって力が加わる部分(第1領域100r)と、ユーザが操作する部分(第2領域100f)とが回動中心Cを挟む関係を有する。この構成は、グランドピアノのペダルに類似している。フットレバー100の構成は、アップライトピアノのペダルに類似してもよい。第3実施形態では、アップライトピアノのペダルに類似した構成として、回動中心Cより手前方向Fにユーザが操作する部分と弾性部材によって力が加わる部分とが配置されている例について説明する。
【0074】
図8は、第3実施形態におけるペダルユニットの構成を示す図である。第3実施形態におけるペダルユニット10Bは、弾性部材155Bよりも奥行き方向Dにおけるフットレバー100Bの端部近傍(後部190rBに近い部分)に回動中心Cが配置された構成を有する。回動中心Cは、フットレバー100Bの上面100s1側において、軸115Bと軸受120Bとによって形成されている。軸115Bは、フットレバー100Bの上面100s1側に軸支持部111Bによって支持されている。軸受部120Bは、接触部125Bと軸受支持部192Bを含む。軸受支持部192Bは、天井部190uBに配置されている。
【0075】
弾性部材155Bは、下部空間LSに配置されている。支持部材151Bは、フットレバー100Bの下面100s2に接続され、弾性部材155Bの上端を支持する。支持部材153Bは、底部190bBに接続され、弾性部材155Bの下端を支持する。弾性部材155Bは、自然長よりも圧縮された状態で支持部材151B、153Bによって支持され、フットレバー100Bをレスト位置に保持するように、フットレバー100Bに対して力を与える。フットレバー100Bに与えられる力は、上方向Uの成分を含む。
【0076】
下部ストッパ181Bは、底部190bBに配置され、フットレバー100Bの下面100s2と接触することで、フットレバー100Bのエンド位置を規定する。上部ストッパ183Bは、前部190fBに配置され、フットレバー100Bの上面100s1と接触することで、フットレバー100Bのレスト位置を規定する。
【0077】
反力追加部材165Bは、下部空間LSに配置されている。この例では、反力追加部材165Bは、下部ストッパ181Bと弾性部材155Bとの間に配置されている。接触センサ173に相当する構成は存在しないが、存在してもよい。
【0078】
このような構成においても、フットレバー100Bが踏み込まれているほど、弾性部材155Bが圧縮され、軸115Bから軸受120Bに与えられる力(垂直抗力)は増加する。したがって、ペダルユニット10Bにおける反力のヒステリシス特性は、第1実施形態における反力のヒステリシス特性と同様な傾向を示す。
【0079】
<第4実施形態>
第1実施形態では、弾性部材155が上部空間USに配置されている。下方向Bに対して力を与える弾性部材155が配置される場所は上部空間USに限らない。第4実施形態では、弾性部材155が下部空間LSに配置される例について説明する。
【0080】
図9は、第4実施形態におけるペダルユニットの構成を示す図である。第4実施形態におけるペダルユニット10Cでは、下部空間LSに配置された弾性部材155Cを含む。支持部材151Cは、第1領域100rの下面100s2に接続され、弾性部材155Cの上端を支持して、弾性部材155Cの上端が下方向Bに外れないように固定する。支持部材153Cは、底部190bCに接続され、弾性部材155Cの下端を支持して、弾性部材155Cの下端が上方向Uに外れないように固定する。
【0081】
弾性部材155Cは、自然長よりも伸張された状態で支持部材151C、153Cによって支持され、フットレバー100をレスト位置に保持するように、第1領域100rに対して力を与える。第1領域100rに与えられる力は、下方向Bの成分を含む。すなわち、第1領域100rが受ける力の向きは、第1実施形態の場合と同じである。
【0082】
この例では、ストロークセンサ171Cについても下部空間LSに配置され、第1領域100rの下面100s2の変位を測定する。上部空間USにストロークセンサ171Cが配置されてもよい。ケース190Cは、弾性部材155Cおよびストロークセンサ171Cを下部空間LSに配置できる構造を有する。第4実施形態におけるペダルユニット10Cのうち、第1実施形態におけるペダルユニット10と共通する部分については、その説明を省略する。
【0083】
<第5実施形態>
第1実施形態におけるペダルユニット10において、フットレバー100に対してさらに別の力を与える構成を有してもよい。第5実施形態では、回動中心Cの近傍においてフットレバー100に対して力を与える構成を有する例について説明する。
【0084】
図10は、第5実施形態におけるペダルユニットの構成を示す図である。第5実施形態におけるペダルユニット10Dは、力補助部材141Dを含む。力補助部材141Dは、この例では、金属製のバネ等の弾性部材であって、前部190fDに支持される上端と、中央領域100cに支持される下端とを含み、前部190fDと中央領域100cとの間に配置されている。
【0085】
力補助部材141Dは、軸115を接触部125に押しつけるように、フットレバー100に力を与える。この例では、力補助部材141Dがフットレバー100に与える力(この例ではバネの軸方向)は、少なくとも回動中心Cに対する径方向に沿った成分を有する。フットレバー100が回動範囲のいずれかの位置にあるときに、バネの軸を延長した位置に回動中心Cが存在することがより好ましい。ここでいう回動範囲のいずれかの位置とは、例えば、フットレバー100がレスト位置とエンド位置との間の中央の位置にあるときであればよい。
【0086】
力補助部材141Dがフットレバー100に与える力の大部分は、弾性部材155とは異なり、フットレバー100を回動する方向に与える力ではなく、軸115を接触部125に押しつける力に対応する。したがって、力補助部材141Dによる力は、フットレバー100の回動位置によって、軸115から軸受120(接触部125)に与えられる力(垂直抗力)をほとんど変化させない。この点は、弾性部材155がこの垂直抗力に与える影響とは異なる。このように、フットレバー100の回動位置によって変化する垂直抗力(弾性部材155に起因する力)と、回動位置によって変化しない垂直抗力(力補助部材141Dに起因する力)とを組み合わせることで、様々な反力およびヒステリシス特性を作り出すこともできる。第5実施形態におけるペダルユニット10Dのうち、第1実施形態におけるペダルユニット10と共通する部分については、その説明を省略する。
【0087】
<第6実施形態>
接触部125が軸受120における軸115と接触する部分に設けられる代わりに、軸115の一部として軸受と接触する部分に設けられてもよい。第6実施形態では、軸の一部に接触部が配置される一例について説明する。
【0088】
図11は、第6実施形態における軸と軸受との関係を示す図である。第6実施形態における軸115Eは、接触部125Eおよび軸支持部112Eを含む。接触部125Eは、底部190bEに形成された軸受120Eと接触する。接触部125Eは、図11に示すように軸支持部112Eの表面全体を覆っている形状である場合に限らず、少なくとも軸受120Eと接触する部分に配置されていればよい。接触部125Eは、第1実施形態と同様に、接触面とは反対側から軸支持部112Eによって支持される構成であればよい。接触部125Eは、軸支持部112Eおよび軸受120E(底部190bE)とは異なる樹脂で形成される。第1実施形態と同様の趣旨で、接触部125Eと軸受120Eとにおいて所望の摩擦力が得られ、かつ摩耗が少なくなるように、接触部125Eの樹脂材料と軸受120E(底部190bE)の樹脂材料との関係が決められている。軸支持部112Eは、中央領域100cの下面100s2に接続されて接触部125Eを支持する。
【0089】
第6実施形態における軸115Eの構造と、第1実施形態における軸受120の構造とを組み合わせてもよい。すなわち、軸および軸受の双方に、接触部に相当する構成が配置されていてもよい。この場合には、軸の接触部(接触部120Eに相当)と軸受の接触部(接触部120に相当)とは、互いに異なる樹脂材料であることが好ましい。
【0090】
<第7実施形態>
軸115は、接触部125の一部と接触する構成であってもよい。第7実施形態では、回動軸に垂直な断面で見た場合に、軸が2つの頂角を有する矩形状であり、2つの頂角部分で接触部125と接触する例について説明する。
【0091】
図12は、第7実施形態における軸と軸受との関係を示す図である。第7実施形態における軸115Fは、中央領域100cの下面100s2に接続された軸支持部111Fによって支持されている。軸115Fは、回動軸に垂直な断面において2つの頂角を有する部分を有する。2つの頂角部分は、接触部125と接触する。2つの接触する部分の双方において、回動中心Cからの距離(曲率半径DDに対応)が互いに同じであることで、フットレバー100が回動することができる。軸115Fのうち2つの頂角部分は、曲面を有してもよく、回動中心Cを中心とする曲率半径DDの円弧の一部、または曲率半径DDより小さい半径の円弧を形成してもよい。
【0092】
このように、軸115Fが軸受120の一部と接触した状態でフットレバー100が回動することによって、第1実施形態における軸115と軸受120との関係に比べて垂直抗力を安定させ、さらに、回動軸の向きを安定させてフットレバー100の上面先端部分100feが左右方向に動くことを抑制することができる。
【0093】
<第8実施形態>
軸115が接触部125の一部と接触する構成である構成は、第7実施形態とは逆に、回動軸に垂直な断面で見た場合に、軸受が円弧形状以外の構成を有していてもよい。第8実施形態では、第6実施形態における軸115Eにおいて、軸受の形状が第6実施形態とは異なる例について説明する。
【0094】
図13は、第8実施形態における軸と軸受との関係を示す図である。軸受120Gは、底部190bGに形成され、底面120G-1、前斜面120G-2および後斜面120G-3を含む。底面120G-1は、水平面を形成する。前斜面120G-2は、底面120G-1の手前方向Fにおいて傾いて配置された平面である。後斜面120G-3は、底面120G-1の奥行き方向Dにおいて傾いて配置された平面である。前斜面120G-2は、領域SA1において接触部125Eと接触する。後斜面120G-3は、領域SA2において接触部125Eと接触する。領域SA1と領域SA2とは離隔している。領域SA1および領域SA2は、接触部125Eの表面形状(円弧形状)に沿って削られていく場合もある。この場合には、前斜面120G-2および後斜面120G-3は、平面の一部に接触部125Eの表面形状に沿った窪みが形成される。
【0095】
この例では、底面120G-1と接触部125Eとの距離が以下のように決められている。底面120G-1のうち、領域SA1と領域SA2との間の第1位置、第1位置と領域SA1との間の第2位置、第1位置と領域SA2との間の第3位置を定義する。すなわち、第2位置、第1位置、第3位置は、奥行き方向Dに向かってこの順で並ぶ。この例では、第1位置は、回動中心Cの直下にある部分である。図13に示すように、底面120G-1の第1位置と接触部125Eとの距離を第1離隔距離DS1という。底面120G-1の第2位置と接触部125Eとの距離を第2離隔距離DS2という。底面120G-1の第3位置と接触部125Eとの距離を第3離隔距離DS3という。
【0096】
この定義に従うとき、第1離隔距離DS1は、第2離隔距離DS2および第3離隔距離DS3より短い。このような関係にあると、領域SA1および領域SA2が削られることで軸115Eが下方向Bに移動すると、接触部125Eの下端部が底面120G-1に接触することで、さらなる下方向Bへの移動を抑制することができる。この軸115Eの下方向Bへ移動し続けると、状況によって軸115Eが軸受120Gに対してはまり込んでしまい、フットレバー100が回動するときの軸115Eと軸受120Gとの間に生じる摩擦力が非常に大きくなってしまう場合がある。軸115Eの下方向Bへの移動が抑制されることで、軸115Eが軸受120Gに対してはまり込んでしまうことを抑制することができる。
【0097】
第1離隔距離DS1が第2離隔距離DS2および第3離隔距離DS3より短いという関係を満たすのは、底面120G-1が水平面である場合に限らない。例えば、底面120G-1の第1位置に相当する部分において上方向Uに突出する表面が形成されていてもよい。
【0098】
<第9実施形態>
接触部125は、接触面において2種類以上の互いに異なる材料が露出する構成を有してもよい。第9実施形態では、接触部が左右方向の中央部分と両端部分とにおいて異なる材料が接触面に露出している例について説明する。
【0099】
図14は、第9実施形態における接触部の構成を示す図である。図15は、第9実施形態における接触部の断面の構成を示す図である。図14は、図4と同様に、回動中心C(回動軸)に垂直な方向(ここでは下方向B)に向けてフットレバー100を見たときの軸115と軸受120Hとの位置関係を示している。図15は、回動軸を含み上下方向に沿った面で、軸115および軸受120Hを切断したときの断面を示している。
【0100】
この例では、軸受120Hの接触部125Hは、補強部125H-1および高摩擦部125H-2を含む。補強部125H-1は、第1接触領域CA1および第3接触領域CA3において軸115と接触する。高摩擦部125H-2は、第2接触領域CA2において軸115と接触する。第1接触領域CA1および第3接触領域CA3は、第2接触領域CA2を挟んで配置されている。この例では、第2接触領域が左右方向の中央部に配置されている。第2接触領域CA2に対して、第1接触領域CA1と第3接触領域CA3とが対称に配置されている。
【0101】
高摩擦部125H-2は、図15に示すように、接触部125Hの接触面側(軸115側)に露出するように配置され、軸受支持部192側において補強部125H-1によって支持されている。高摩擦部125H-2は、軸受支持部192側にも露出することで軸受支持部192と接してもよい。補強部125H-1は、ケース190と一体に形成されてもよい。
【0102】
この例では、高摩擦部125H-2における軸115に対する摩擦係数は、補強部125H-1における軸115に対する摩擦係数よりも大きい。高摩擦部125H-2の材料選択および第2接触領域CA2の大きさを設定することによって、フットレバー100が回動するときの摩擦力を適切に設定することができる。
【0103】
ここで、摩擦係数が大きい場合、補強部125H-1と高摩擦部125H-2との材料の選択によって、高摩擦部125H-2の剛性が補強部125H-1の剛性よりも低くなる場合がある。この場合であっても、接触部125Hの両端側(第1接触領域CA1および第3接触領域CA3)において補強部125H-1が軸115を支持することで、中央部分(第2接触領域CA2)における剛性が低くても、軸受120H(接触部125H)と軸115とは安定した接触状態を維持することができる。
【0104】
<第10実施形態>
フットレバー100の回動によって摩擦力を生じる軸115と軸受120とは、フットレバー100の下方向Bの領域(以下、内側領域という)に配置されている。その領域の外側の領域(以下、外側領域という)においてもフットレバー100の回動によって摩擦を生じる部分が形成されてもよい。第10実施形態では、内側領域の軸が外側領域にまで延在して、外側領域においても軸と軸受に相当する構成を有することによって摩擦力を発生させることができる例について説明する。
【0105】
図16は、第10実施形態における軸および軸受を示す図である。図17は、第10実施形態における軸および軸受の断面の構成を示す図である。図16は、図4と同様に、回動中心C(回動軸)に垂直な方向(ここでは下方向B)に向けてフットレバー100を見たときの軸115Jと軸受120Jとの位置関係を示している。図17は、回動軸を含み上下方向に沿った面で、軸115Jおよび軸受120Jを切断したときの断面を示している。
【0106】
軸115Jは、内側軸部115J-1、外側軸部115J-2および連結部115J-3を含む。内側軸部115J-1は内側領域に配置されている。外側軸部115J-2は外側領域に配置されている。連結部115J-3は、内側軸部115J-1と外側軸部115J-2とを連結する。連結部115J-3は回動中心Cからずれた位置に配置されているが、内側軸部115J-1および外側軸部115J-2と連動する。
【0107】
軸受120Jは、接触部125Jおよび軸受支持部192Jを含む。接触部125Jは、内側接触部125J-1および外側接触部125J-2(第3部材)を含む。軸受支持部192Jは、内側軸受支持部192J-1および外側軸受支持部194J-2を含む。内側接触部125J-1は、内側領域において内側軸部115J-1と接触し、内側軸受支持部192J-1によって支持される。外側接触部125J-2は、外側領域において外側軸部115J-2と接触し、外側軸受支持部192J-2によって支持される。内側軸受支持部192J-1および外側軸受支持部192J-2は、底部190bJに形成される。
【0108】
内側軸部115J-1と内側接触部125J-1との接触面を形成する円弧と、外内側軸部115J-2と外側接触部125J-2との接触面を形成する円弧とは、いずれも同一の中心(回動中心C)を有する。言い換えると、それぞれの接触面を回動軸に沿って見た場合には、それぞれの接触面に対応する2つの円弧は、いずれも回動中心Cを共通の中心とした同心円の一部に相当する。
【0109】
フットレバー100が回動すると、内側軸部115J-1と内側接触部125J-1とが摺動し、外側軸部115J-2と外側接触部125J-2とが摺動する。すなわち、内側軸部115J-1、外側軸部115J-2および連結部115J-3が連動して回動する。これによって、双方の接触面において摩擦力が発生する。図17に示すように、回動中心C(回動軸)から内側軸部115J-1と内側接触部125J-1とが接触する接触面までの距離を曲率半径DDaという。回動中心C(回動軸)から外側軸部115J-2と外側接触部125J-2とが接触する接触面までの距離を曲率半径DDbという。内側軸部115J-1と内側接触部125J-1とが接触する面積と、外側軸部115J-2と外側接触部125J-2とが接触する面積とは、適宜設定されればよい。
【0110】
この例では、曲率半径DDbは、曲率半径DDaよりも大きいが、これに限られない。すなわち、曲率半径DDaと曲率半径DDbとが同じであってもよいし、曲率半径DDbが曲率半径DDaよりも小さくてもよい。内側接触部125J-1と外側接触部125J-2とは、互いに同じ材料で形成されてもよいし、軸115Jに対する摩擦係数を異ならせるように、互いに異なる材料で形成されてもよい。軸115Jについても同様に、内側軸部115J-1と外側軸部115J-2とは、互いに同じ材料で形成されてもよいし、互いに異なる材料で形成されてもよい。この例では、外側領域に存在する外側軸部115J-2および外側接触部125J-2は、内側領域に対して右方向Rに配置されていたが、左方向Lに配置されてもよいし、双方に配置されてもよい。
【0111】
外側領域であればフットレバー100が存在しないため、外側軸部115J-2および外側接触部125J-2の配置の自由度が高い。したがって、例えば、外側軸部115J-2を取り囲むように外側接触部125J-2が形成されてもよい。内側軸部115J-1と外側軸部115J-2とが着脱可能に形成されていてもよい。この場合には、連結部115J-3は、少なくとも内側軸部115J-1に与えられた回動力を外側軸部115J-2へ伝達できるように構成される。このとき、外側接触部125J-2を支持する軸受支持部192J-2は、底部190bJ(ケース)に対して着脱可能に形成されていてもよい。このようにすると、第1実施形態のフットレバー100に対して、外側領域に摩擦力を発生させる機構を取り付けることもできる。
【0112】
<第11実施形態>
軸115は、フットレバー100またはケース190に接続されている場合に限られない。第11実施形態では、着脱可能な軸115Kを有するペダルユニット10Kについて説明する。
【0113】
図18は、第11実施形態におけるペダルユニットの構成を示す図である。第11実施形態におけるペダルユニット10Kは、フットレバー100に固定された第1軸受120K-1と、ケース190に固定された第2軸受120K-2を含む。第1軸受120K-1は、軸受支持部112Kおよび接触部125K-1を含む。第1軸受120K-1は、第2実施形態における軸受120Aに相当する構成を有する。第2軸受120K-2は、軸受支持部192Kおよび接触部125K-2を含む。第2軸受120K-2は、第1実施形態における軸受120に相当する構成を有する。
【0114】
軸115Kは、第1軸受120K-1と第2軸受120K-2とに挟まれている。第1軸受120K-1と第2軸受120K-2とは、弾性部材155によって互いに近づくように力を受けている。そのため、軸115Kは、接続部125K-1、125K-2によって形成される内面において回転可能に保持される。
【0115】
軸115Kは、第1軸受120K-1(接続部125K-1)において互いに離隔した少なくとも2つの領域と接触し、2つの領域の間の領域とは離隔する。軸115Kは、さらに第2軸受120K-2(接続部125K-2)において互いに離隔した少なくとも2つの領域と接触し、2つの領域の間の領域とは離隔する。したがって、軸115Kの形状は、左右方向に見た場合に、円形であってもよいが、図18に示すように、円形である場合に限らない。すなわち、上述のように第1軸受120K-1と第2軸受120K-2とのそれぞれにおいて2つの領域と接する構造を有していればよい。
【0116】
フットレバー100が踏み込まれると、軸115Kと接触部125K-1とが摺動してフットレバー100が回動する。このとき、軸115Kと接触部125K-1とが相対的に摺動すればよいため、軸115Kが回動してもよいし、回動しなくてもよい。したがって、軸115Kは、ケース190に対して固定されていなくてもよいし、固定されていてもよい。軸115Kがケース190に固定されている場合には、例えば、回動方向および左右方向の少なくとも一方、または双方に対して、軸115Kとケース190との位置関係が固定されてもよい。この場合においても、軸115Kは、ケース190に対して着脱可能に構成される。したがって、最後に軸115Kを挿入することでペダルユニット10Kを製造したり、軸115Kを取り出して軸を交換したりすることもできる。
【0117】
図19は、第11実施形態における軸を挿入するときのペダルユニットの動きを示す図である。最後に軸115Kを挿入することでペダルユニット10Kを製造する場合には、例えば、図19に示すように、弾性部材155を縮めるようにフットレバー100の第2領域100fが上方向Uに持ち上げられることによって、第1軸受120K-1と第2軸受120K-2とに形成される隙間が拡張される。その状態で、軸115Kがその隙間に挿入されて、再びフットレバー100の位置を戻すことで、図18の構成が実現される。
【0118】
<第12、第13実施形態>
弾性部材155がコイルバネ(以下、単にバネという場合がある)、特にクローズドエンドタイプのコイルバネである場合には、支持部材151、153と弾性部材155との位置関係によっては、バネの伸縮の際に機械的な雑音が発生する場合がある。クローズドエンドタイプのコイルバネは、バネの巻線の端部と隣接する巻線とが接触する構造を有している。バネの伸縮の際に巻線の端部と隣接する巻線との位置関係が力の受け方によって大きくずれ、雑音が生じる場合がある。クローズドエンドタイプでなかったとしても、バネが縮む過程においてバネの巻線の端部と隣接する巻線とが接触する構造が生じるのであれば、同様に雑音が生じる場合がある。第12、第13実施形態では、このような雑音を低減する構成について説明する。
【0119】
図20は、第12実施形態におけるバネの形状(レスト位置)を示す図である。図21は、第12実施形態におけるバネの形状(エンド位置)を示す図である。以下の説明では、弾性部材155および支持部材151、153に相当する部分を抽出して説明する。
【0120】
弾性部材155Lは、コイル形状のバネであり、第1端部155Laと第2端部155Lbとの間を結ぶ巻線を有する。図20および図21においては、バネの中心軸を通りかつ前後方向および上下方向を含む断面により巻線を示している。すなわち、巻線は、第1端部155La、巻線断面155L1、155L2、・・・155L10、第2端部155Lbの順に繋がっている。弾性部材155Lは、この例では、クローズドエンドタイプのコイルバネである。したがって、第1端部155Laにおける側面と、第1端部155Laに隣接する巻線断面155L2における側面とが接触する。第2端部155Lbにおける側面と、第2端部155Lbに隣接する巻線断面155L9における側面とが接触している。
【0121】
支持部材151Lは、土台部151L1および突出部151L2を含む。支持部材153Lは、土台部153L1および突出部153L2を含む。土台部151L1、153L1は、弾性部材155Lが伸びるのを制限するように配置されている。突出部151L2は、バネの内側の空間に配置されるように土台部151L1から突出する。突出部153L2は、バネの内側の空間に配置されるように土台部153L1から突出する。突出部151L2、153L2は、バネの内側の空間から巻線に接することで、バネの横ずれを制限する。
【0122】
第1断面SSaは、第1端部155Laの中心と巻線断面155L1の中心とを通り、バネの径方向を含む面として定義される。第1中心位置CCaは、第1断面SSaにおける中心として定義される。第1軸方向SAaは、第1断面SSaに垂直かつ第1中心位置CCaからバネの内側に向く方向として定義される。第2断面SSbは、第2端部155Lbの中心と巻線断面155L10の中心とを通り、バネの径方向を含む面として定義される。第2中心位置CCbは、第2断面SSbにおける中心として定義される。第2軸方向SAbは、第2断面SSbに垂直かつ第2中心位置CCbからバネの内側に向く方向として定義される。
【0123】
中心線CLは、第1中心位置CCaと第2中心位置CCbとを結ぶ線として定義される。中心線CLは、バネの中心軸ということもできる。第1角度DAaは、中心線CLと第1軸方向SAaとのなす角として定義される。第2角度DAbは、中心線CLと第2軸方向SAbとのなす角として定義される。第3角度RAaは、回動軸(回動中心C)と第1中心位置CCaとを結ぶ線RLaと第1軸方向SAaとのなす角として定義される。第4角度RAbは、回動軸(回動中心C)と第2中心位置CCbとを結ぶ線RLbと第2軸方向SAbとのなす角として定義される。第3角度RAaと第4角度RAbとは、フットレバー100の回動とは関係なく一定値を有する。線CAは、線RLaと線RLbとが形成する角の二等分線である。図20図21とは、線CAを基準として示されている。以上説明した図20および図21に関する構成の説明および定義については、以下に説明する各図においても同様であって、類似する符号を付した構成については、その説明を省略する場合がある。
【0124】
弾性部材155Lの形状は、フットレバー100の回動範囲において、例えば、図20から図21までの間で変化する。フットレバー100が回動するときに、回動中心Cを中心として支持部材151Lと支持部材153Lとの位置関係および傾きが変化するためである。これによって、第1角度DAaおよび第2角度DAbが0度にならない状況が生じる。この状況は、バネが受ける力がバネの伸縮方向成分だけではなくバネの径方向成分を含むことを示している。バネの径方向成分の力は、支持部材151L、153Lに近い部分ほど大きくなる。
【0125】
そのため、隣接する巻線のうち、互いに距離の近いまたは接触している部分については、バネが縮むときに強い力がバネの径方向にも生じることで、急激に位置関係がずれて雑音を生じることがある。例えば、第1端部155Laにおける側面と、第1端部155Laに隣接する巻線断面155L2における側面とが接触している。巻線断面155L2の巻線部分は、図20図21に示す矢印の方向に力を受ける。この力が大きくなりすぎると、巻線断面155L2の巻線部分が力を受ける方向に脱落することがある。この脱落が生じると、機械的な雑音が生じる。
【0126】
上述したように、巻線断面155L2の巻線部分が受ける力Faは、第1軸方向SAaが中心線CLからずれるほど、すなわち、第1角度DAaが大きくなるほど、大きくなる。巻線断面155L9の巻線部分が受ける力Fbは、第2軸方向SAbが中心線CLからずれるほど、すなわち、第2角度DAbが大きくなるほど、大きくなる。
【0127】
そこで、このような脱落の発生を抑制するために、以下の条件を満たすことが好ましいことが発明者らによって確認された。この条件は、フットレバー100の回動範囲の少なくとも一部において、バネが縮む方向にフットレバー100が移動すると、第1角度DAaと第2角度DAbとの少なくとも一方が小さくなることである。回動範囲の少なくとも一部とは、回動範囲のうちバネが最も伸びている状態を含む。言い換えると、フットレバー100の回動範囲のうちバネが最も伸びている状態からバネが縮む方向にフットレバー100が移動すると、第1角度DAaと第2角度DAbとの少なくとも一方が小さくなるということもできる。
【0128】
このようにすると、バネが縮むときに、力Faと力Fbとの少なくとも一方を小さくすることができる。
【0129】
フットレバー100の回動範囲においてバネが最も伸びている状態(この例では、フットレバー100がレスト位置にある状態)において、第1角度DAaと第2角度DAbとのうち大きい方が、上記条件を満たすことが好ましい。
【0130】
上記条件は、フットレバー100の回動範囲の全てにおいて、満たされてもよい。この場合には、第1角度DAaと第2角度DAbとの少なくとも一方が0度より大きくてもよい。フットレバー100の回動範囲の一部において上記条件を満たす場合には、バネが縮んでフットレバー100の回動範囲のいずれかの位置において、第1角度DAaと第2角度DAbの少なくとも一方が0度になる。この場合においては、さらにバネが縮んでいくと、0度になった第1角度DAaまたは第2角度DAbの大きさが再び増加していくことになる。このとき、フットレバー100がエンド位置であるときにおいても、その角度が10度以下になることが好ましい。
【0131】
さらに、第3角度RAaと第4角度RAbとの少なくとも一方が、90度未満であることが好ましい。
【0132】
以下に第12、第13実施形態において上記条件を満たす例の一部を示し、比較例1、2として上記条件を満たさない一例を示す。上記条件を満たす例とは、満たすことが好ましい条件の少なくとも一部を満たさない場合を含む。
【0133】
図20および図21に示す支持部材151L、153Lおよび弾性部材155Lの例では、フットレバー100がレスト位置からエンド位置に移動したときには、以下のような状況となる。第1角度DAaは、フットレバー100の回動範囲の一部において減少し、最終的に増加に転じるが10度以下になっている。第2角度DAbは、フットレバー100の回動範囲の全部において減少する。フットレバー100がレスト位置にあるとき、第2角度DAbは、第1角度DAaより大きい。第3角度RAaが90度以上である。第4角度RAbが90度未満である。
【0134】
支持部材151Lと支持部材153Lとの位置関係は、線CAに対して入れ替わっていてもよい。例えば、第1角度DAaと第2角度DAbとの変化が、互いに入れ替わっていてもよい。以下に説明する例においても、この位置関係は同様に適用できる。
【0135】
図22は、第13実施形態におけるバネの形状(レスト位置)を示す図である。図23は、第13実施形態におけるバネの形状(エンド位置)を示す図である。図22図23に示す支持部材151M、153Mおよび弾性部材155Mの例では、フットレバー100がレスト位置からエンド位置に移動したときには、以下のような状況となる。第1角度DAaは、フットレバー100の回動範囲の全てにおいて減少する。第2角度DAbは、フットレバー100の回動範囲の全てにおいて増加する。フットレバー100がレスト位置にあるとき、第1角度DAaは、第2角度DAbより大きい。第3角度RAaが90度以上である。第4角度RAbが90度未満である。
【0136】
図24は、比較例1におけるバネの形状(レスト位置)を示す図である。図25は、比較例1におけるバネの形状(エンド位置)を示す図である。図24図25に示す支持部材151Z、153Zおよび弾性部材155Zの例では、フットレバー100がレスト位置からエンド位置に移動したときには、以下のような状況となる。第1角度DAaは、フットレバー100の回動範囲の全てにおいて増加する。第2角度DAbは、フットレバー100の回動範囲の全てにおいて増加する。フットレバー100がレスト位置にあるとき、第2角度DAbは、第1角度DAaより大きい。第3角度RAaが90度未満である。第4角度RAbが90度未満である。
【0137】
図26は、比較例2におけるバネの形状(レスト位置)を示す図である。図27は、比較例2におけるバネの形状(エンド位置)を示す図である。図26図27に示す支持部材151Y、153Yおよび弾性部材155Yの例では、フットレバー100がレスト位置からエンド位置に移動したときには、以下のような状況となる。第1角度DAaは、フットレバー100の回動範囲の全てにおいて増加する。第2角度DAbは、フットレバー100の回動範囲の全てにおいて増加する。フットレバー100がレスト位置にあるとき、第2角度DAbは、第1角度DAaより大きい。第3角度RAaが90度未満である。第4角度RAbが90度以上である。
【0138】
比較例1、2においては、フットレバー100がレスト位置からエンド位置に移動するときに、第1角度DAaおよび第2角度DAbが増加していくため、力Faおよび力Fbも増加していく。この結果、機械的な雑音が発生する可能性が高まる。一方、第12実施形態および第13実施形態においては、フットレバー100がレスト位置からエンド位置に移動するときに、第1角度DAaと第2角度DAbとの少なくとも一方が減少していくため、機械的な雑音の発生を抑制することができる。
【0139】
<第14実施形態>
第12、第13実施形態で説明した機械的な雑音については、以下に別の構成を用いても改善することができる。その構成について、第14実施形態として説明する。以下に説明する改善構成については、第12、第13実施形態で説明した条件を満たす構成に適用されてもよいし、その条件を満たさない構成に適用されてもよい。
【0140】
図28は、第14実施形態におけるバネと支持部材との位置関係を示す図である。図28においては、説明をわかりやすくするために、それぞれの構成の位置関係を実際の位置関係とは異ならせることで模式的に示している。
【0141】
弾性部材155Nは、コイル形状のバネであり、第1端部155Naと第2端部155Nbとの間を結ぶ巻線を有する。図28においては、バネの中心軸を通りかつ前後方向および上下方向を含む断面により巻線を示している。すなわち、巻線は、第1端部155Na、巻線断面155N1、155N2、・・・155N8、第2端部155Nbの順に繋がっている。弾性部材155Nは、クローズドエンドタイプのバネである。したがって、第1端部155Naにおける側面と、第1端部155Naに隣接する巻線断面155N2における側面とが接触する。第2端部155Nbにおける側面と、第2端部155Nbに隣接する巻線断面155N7における側面とが接触している。
【0142】
支持部材151Nは、土台部151N1および突出部151N2を含む。支持部材153Nは、土台部153N1および突出部153N2を含む。土台部151N1、153N1は、弾性部材155Nが伸びるのを制限するように配置されている。突出部151N2は、バネの内側の空間に配置されるように土台部151N1から突出する。突出部153N2は、バネの内側の空間に配置されるように土台部153N1から突出する。突出部151N2、153N2は、バネの内側の空間から巻線に接することで、バネの横ずれを制限する。
【0143】
図28に示すように、この例では、突出部151N2は、巻線断面155N1の側面に対してバネの内周側から接触する。一方、突出部151N2は、第1端部155Naの側面と巻線断面155N2の側面との双方に対して接触しない。巻線断面155N2の側面については、土台部151N1とも接触しないため、支持部材151Nと接触しないということもできる。
【0144】
この例では、突出部153N2は、巻線断面155N8の側面に対してバネの内周側から接触する。一方、突出部153N2は、第2端部155Nbの側面と巻線断面155N7の側面との双方に対して接触しない。巻線断面155N7の側面については、土台部153N1とも接触しないため、支持部材153Nと接触しないということもできる。
【0145】
このような構成は、支持部材151Nと支持部材153Nとの位置関係により生じる。図28に示す例であれば、支持部材151Nが支持部材153Nに対して相対的に図の左側に位置している。その結果、弾性部材155Nにおいて、巻線断面155N1の側面が支持部材151Nから左側に押す力を受け、巻線断面155N8の側面が支持部材153Nから右側に押す力を受ける。
【0146】
このとき、巻線断面155N2は、右側に引っ張られる力Faを受けて右側に動こうとする。一方、巻線断面155N1の側面が支持部材151Nによって支持されている。したがって、巻線断面155N1から巻線断面155N2までの距離(半巻分)を基準として、巻線断面155N2が右側に移動する。巻線断面155N7についても同様に、左側に引っ張られる力Fbを受けて、巻線断面155N8から巻線断面155N7までの距離(半巻分)を基準として、左側に移動する。
【0147】
図29は、比較例3におけるバネと支持部材との位置関係を示す図である。比較例3における弾性部材155Xは、弾性部材155Nに対して半巻分回転している。その結果、突出部151X2は、第1端部155Xaの側面に対してバネの内周側から接触する。突出部153X2は、第2端部155Xbの側面に対してバネの内周側から接触する。一方、突出部151X2は巻線断面155X1の側面に対して接触せず、突出部153X2は、巻線断面155X8の側面に対して接触しない。
【0148】
したがって、巻線断面155X2は、右側に引っ張られる力Faを受けて、第1端部155Xaから巻線断面155X2までの距離(1巻分)を基準として右側に移動する。巻線断面155X7についても同様に、左側に引っ張られる力Fbを受けて、第2端部155Xbから巻線断面155X7までの距離(1巻分)を基準として、左側に移動する。
【0149】
巻線断面155X2および巻線断面155X7が移動する量は1巻分を基準としているため、半巻分を基準とした巻線断面155N2および巻線断面155N7が移動する量よりも大きくなる。言い換えると、第14実施形態に示すように、第1端部155Naと巻線断面155N2との間のいずれかの位置(この例では、巻線断面155N1)において突出部151N2に接触することで、所定の力に対する巻線断面155N2の移動量を減らすことができる。その結果、第14実施形態によれば、比較例3よりも機械的な雑音の発生を抑制することができる。
【0150】
<第15実施形態>
第14実施形態において突出部151N2、153N2については、いずれもバネの内側に配置されるが、バネの横ずれを抑制できれば外側に配置されてもよい。第15実施形態では、突出部がバネの外側に配置された例について説明する。
【0151】
図30は、第15実施形態におけるバネと支持部材との位置関係を示す図である。弾性部材155Pは、弾性部材155Nと同様である。支持部材151Pは、土台部151P1および突出部151P2を含む。支持部材153Pは、土台部153P1および突出部153P2を含む。土台部151P1、153P1は、弾性部材155Pが伸びるのを制限するように配置されている。突出部151P2は、バネの外側を囲むように土台部151P1から突出する。突出部153P2は、バネの外側を囲むように土台部153P1から突出する。突出部151P2、153P2は、バネの外側から巻線に接することで、バネの横ずれを制限する。
【0152】
図30に示すように、この例では、突出部151P2は、巻線断面155P1の側面に対してバネの外周側から接触する。一方、突出部151P2は、第1端部155Paの側面と巻線断面155P2の側面との双方に対して接触しない。すなわち、突出部151P2が、巻線のうち第1端部155Pa側(図30における左側)からバネを支持する必要が無い。そのため、突出部151P2は、バネの外側を囲む形状ではなく、少なくとも、巻線断面155P1の側面に対して上述のように接触する位置に配置される形状であってもよい。巻線断面155P2の側面については、土台部151P1とも接触しないため、支持部材151Pと接触しないということもできる。
【0153】
この例では、突出部153P2は、巻線断面155P8の側面に対してバネの外周側から接触する。一方、突出部153P2は、第2端部155Pbの側面と巻線断面155P7の側面との双方に対して接触しない。すなわち、突出部153P2が、巻線のうち第1端部155Pb側(図30における右側)からバネを支持する必要が無い。そのため、突出部153P2は、バネの外側を囲む形状ではなく、少なくとも、巻線断面155P8の側面に対して上述のように接触する位置に配置される形状であってもよい。巻線断面155P7の側面については、土台部153P1とも接触しないため、支持部材153Pと接触しないということもできる。
【0154】
このような構成は、支持部材151Pと支持部材153Pとの位置関係により生じる。図30に示す例であれば、支持部材151Pが支持部材153Pに対して相対的に図の左側に位置している。その結果、弾性部材155Pにおいて、巻線断面155P1の側面が支持部材151Pから左側に押す力を受け、巻線断面155P8の側面が支持部材153Pから右側に押す力を受ける。
【0155】
このとき、巻線断面155P2は、右側に引っ張られる力Faを受けて右側に動こうとする。一方、巻線断面155P1の側面が支持部材151Pによって支持されている。したがって、巻線断面155P1から巻線断面155P2までの距離(半巻分)を基準として、巻線断面155P2が右側に移動する。巻線断面155P7についても同様に、左側に引っ張られる力Fbを受けて、巻線断面155P8から巻線断面155P7までの距離(半巻分)を基準として、左側に移動する。
【0156】
図31は、比較例4におけるバネと支持部材との位置関係を示す図である。比較例4における弾性部材155Wは、弾性部材155Pに対して半巻分回転している。その結果、突出部151W2は、第1端部155Waの側面に対してバネの外周側から接触する。突出部153W2は、第2端部155Wbの側面に対してバネの外周側から接触する。一方、突出部151W2は巻線断面155W1の側面に対して接触せず、突出部153W2は、巻線断面155W8の側面に対して接触しない。
【0157】
したがって、巻線断面155W2は、第1端部155Waから巻線断面155W2までの距離(1巻分)を基準として右側に移動する。巻線断面155W7についても同様に、第2端部155Wbから巻線断面155W7までの距離(1巻分)を基準として、左側に移動する。
【0158】
巻線断面155W2および巻線断面155W7が移動する量は1巻分を基準としているため、半巻分を基準とした巻線断面155P2および巻線断面155P7が移動する量よりも大きくなる。言い換えると、第15実施形態に示すように、第1端部155Paと巻線断面155P2との間のいずれかの位置(この例では、巻線断面155P1)において突出部151P2に接触することで、所定の力に対する巻線断面155P2の移動量を減らすことができる。その結果、第15実施形態によれば、比較例4よりも機械的な雑音の発生を抑制することができる。
【0159】
<第16実施形態>
上述した比較例3において、突出部の高さを大きくすることで、機械的な雑音の発生を抑制することもできる。第16実施形態においては、上述した比較例3における突出部151X2、153X2の高さを大きくした例について説明する。第12実施形態から第15実施形態、および次に説明する比較例4についても同様に突出部の高さを大きくしてもよい。
【0160】
図32は、第16実施形態におけるバネと支持部材との位置関係を示す図である。第16実施形態における弾性部材155Q、土台部151Q1、153Q1は、比較例3と同じ構成である。突出部151Q2は、第1端部155Qaの側面に対してバネの内周側から接触する。突出部151Q2は、さらに、巻線断面155Q2の側面にも接触することができる位置の高さまで土台部151Q1から突出している。この例では、突出部151Q2は、フットレバー100の回動範囲の全てにおいて巻線断面155Q2の側面に接触しているが、回動範囲の一部において巻線断面155Q2の側面に接触しなくてもよい。
【0161】
突出部153Q2は、第2端部155Qbの側面に対してバネの内周側から接触する。この例では、突出部153Q2は、さらに、巻線断面155Q7の側面にも接触することができる位置の高さまで土台部153Q1から突出している。この例では、突出部153Q2は、フットレバー100の回動範囲の全てにおいて巻線断面155Q7の側面に接触しているが、回動範囲の一部において巻線断面155Q7の側面に接触しなくてもよい。
【0162】
このようにすると、巻線断面155Q2が右側に引っ張られる力Faを受けても突出部151Q2によって移動が妨げられる。同様に、巻線断面155Q7が左側に引っ張られる力Fbを受けても突出部153Q2によって移動が妨げられる。したがって、第16実施形態によれば、機械的な雑音の発生を抑制することができる。
【0163】
<第17実施形態>
上述した比較例4において、突出部の高さを大きくすることで、機械的な雑音の発生を抑制することもできる。第17実施形態においては、上述した比較例4における突出部151W2、153W2の高さを大きくした例について説明する。
【0164】
図33は、第17実施形態におけるバネと支持部材との位置関係を示す図である。第17実施形態における弾性部材155R、土台部151R1、153R1は、比較例4と同じ構成である。突出部151R2は、第1端部155Raの側面に対してバネの内周側から接触する。突出部151R2は、さらに、巻線断面155R2の側面にも接触することができる位置の高さまで土台部151R1から突出している。この例では、突出部151R2は、フットレバー100の回動範囲の全てにおいて巻線断面155R2の側面に接触しているが、回動範囲の一部において巻線断面155R2の側面に接触しなくてもよい。
【0165】
突出部153R2は、第2端部155Rbの側面に対してバネの内周側から接触する。この例では、突出部153R2は、さらに、巻線断面155R7の側面にも接触することができる位置の高さまで土台部153R1から突出している。この例では、突出部153R2は、フットレバー100の回動範囲の全てにおいて巻線断面155R7の側面に接触しているが、回動範囲の一部において巻線断面155R7の側面に接触しなくてもよい。
【0166】
このようにすると、巻線断面155R2が右側に引っ張られる力Faを受けても突出部151R2によって移動が妨げられる。同様に、巻線断面155R7が左側に引っ張られる力Fbを受けても突出部153R2によって移動が妨げられる。したがって、第17実施形態によれば、機械的な雑音の発生を抑制することができる。
【0167】
上述した第12実施形態から第17実施形態において、支持部材151、153と弾性部材155との位置関係を説明した。支持部材151に対応する各実施形態における構成はフットレバー100に固定され、支持部材153に対応する各実施形態における構成はケース190に固定される場合に限らず、逆の関係であってもよい。すなわち、支持部材151に対応する各実施形態における構成はケース190に固定され、支持部材153に対応する各実施形態における構成はフットレバー100に固定されてもよい。
【0168】
<変形例>
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。実施形態の構成の一部について、他の構成を追加・削除・置換してもよい。以下、第1実施形態を変形した例として説明するが、他の実施形態を変形する例として適用することもできる。上述した実施形態および以下に説明する変形例とは、矛盾を生じない限り、それぞれ互いに組み合わせて適用することもできる。
【0169】
(1)接触センサ173は設けられていなくてもよい。この場合には、反力追加部材165における突出部161が存在しなくてもよい。さらに反力追加部材165も設けられていなくてもよい。
【0170】
(2)下部ストッパ181および上部ストッパ183の少なくとも一方は、回動中心Cよりも手前方向Fに配置されてもよい。この場合には、上部ストッパ183はフットレバー100の下方向Bに配置され、下部ストッパ181はフットレバー100の上方向Uに配置される。
【0171】
(3)ストロークセンサ171は、光センサではなくボリューム型のセンサなど、他のセンサを用いてもよい。ストロークセンサ171は、上部空間USに配置される場合に限らず、下部空間LSに配置されてもよいし、フットレバー100の左右方向に配置されてもよい。ストロークセンサ171は、第1領域100rの位置を検出する例に限らず、第2領域100fの位置を検出してもよいし、軸115の回動量を検出してもよい。
【0172】
(4)フットレバー100-1、100-2、100-3のうち少なくとも2つのフットレバーは、以下の点の少なくとも1つが異なる形状を有していてもよい。
(a)軸115の半径(曲率半径DD)
(b)弾性部材155が第1領域100rに与える力の大きさ
(c)反力追加部材165による反力の大きさ
(d)反力追加部材165の有無
【0173】
(a)の場合について、一例を説明する。フットレバー100-1、100-2、100-3における曲率半径DDをそれぞれ第1距離DD1、第2距離DD2、第3距離DD3と定義する。第1距離DD1は、第2距離DD2および第3距離DD3の少なくとも一方と異なっていてもよい。シフトペダルの反力の大きさを強調するため、第3距離DD3が第1距離DD1および第2距離DD2のいずれよりも大きくてもよい。
【符号の説明】
【0174】
1:電子鍵盤装置、10,10A,10B,10C,10D,10K:ペダルユニット、91:鍵盤本体、93:支持板、95:支持柱、81:制御部、82:記憶部、83:操作部、84:音源部、85:表示部、86:スピーカ、88:鍵盤部、89:押鍵検出部、93:支持板、95:支持柱、100,100A,100B:フットレバー、100c,100cA:中央領域、100r:第1領域、100f:第2領域、100s1:上面、100s2:下面、100fe:上面先端部分、111,111B,111F:軸支持部、112A,112K:軸受支持部、112E:軸支持部、115,115A,115B,115E,115F,115J,115K:軸、115J-1:内側軸部、115J-2:外側軸部、115J-3:連結部、120,120A,120B,120E,120G,120H,120J:軸受、120G-1:底面、120G-2:前斜面、120G-3:後斜面、120K-1:第1軸受、120K-2:第2軸受、125,125A,125E,125H,125J,125K-1,125K-2:接触部、125H-1:補強部、125H-2:高摩擦部、125J-1:内側接触部、125J-2:外側接触部、141D:力補助部材、151,151B,151C,151L,151M,151N,151P,151Q,151R,151W,151X,151Y,151Z:支持部材、151L1,151M1,151N1,151P1,151Q1,151R1,151W1,151X1,151Y1,151Z1:土台部、151L2,151M2,151N2,151P2,151Q2,151R2,151W2,151X2,151Y2,151Z2:突出部、153,153B,153C,153L,153M,153N,153P,153Q,153R,153W,153X,153Y,153Z:支持部材、153L1,153M1,153N1,153P1,153Q1,153R1,153W1,153X1,153Y1,153Z1:土台部、153L2,153M2,153N2,153P2,153Q2,153R2,153W2,153X2,153Y2,153Z2:突出部、155,155B,155C,155L,155M,155N,155P,155Q,155R,155W,155X,155Y,155Z:弾性部材、155La,155Ma,155Na,155Pa,155Qa,155Ra,155Wa,155Xa,155Ya,155Za:第1端部、161:突出部、165,165B:反力追加部材、171,171C:ストロークセンサ、173:接触センサ、181,181B:下部ストッパ、183,183B:上部ストッパ、190,190A,190B,190C,190D:ケース、190b,190bA,190bB,190bC,190bE,190bG:底部、190u,190uB:天井部、190f,190fB,190fD:前部、190r,190rB:後部、191A:軸支持部、192,192B,192J:軸受支持部、192J-1:内側軸受支持部、192J-2:外側軸受支持部、195:補助具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33