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特開2024-96219運転評価システム、情報処理装置、運転評価方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096219
(43)【公開日】2024-07-12
(54)【発明の名称】運転評価システム、情報処理装置、運転評価方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240705BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240705BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20240705BHJP
   G16Y 40/50 20200101ALI20240705BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/50
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024071333
(22)【出願日】2024-04-25
(62)【分割の表示】P 2022546745の分割
【原出願日】2020-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】近藤 浩樹
(57)【要約】
【課題】車両が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者が手動運転で同一コースを走行する前記車両から走行データを取得し、当該取得した走行データ等に基づいて、予め定められた項目ごとに運転者の運転の可否を判定する。
【解決手段】運転判定装置50は、自動運転又は手動運転で走行することができる車両10が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者が手動運転で前記コースを走行する前記車両の走行データを取得する走行データ取得部52aと、前記走行データ取得部が取得した走行データと模範走行データとの差分、及び、前記走行データ取得部が取得した走行データのうち少なくとも一方と評価基準データとに基づいて、項目ごとに前記運転者の運転の可否を判定する項目判定部52bと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められたコースを走行する第1の運転者の走行データを取得する走行データ取得部と、
前記走行データ取得部が取得した前記第1の運転者の走行データと、前記予め定められたコースに対する模範的な第2の運転者の走行データに基づいて、前記第1の運転者の運転評価に関する情報を出力する出力部と、を備える運転評価システム。
【請求項2】
前記出力部は、前記第1の運転者の走行データと前記第2の運転者の走行データとの比較によって得られる前記第1の運転者の前記運転評価に関する情報を出力する、請求項1に記載の運転評価システム。
【請求項3】
前記出力部は、前記第1の運転者の走行データと前記第2の運転者の走行データ、及び、評価基準データに基づいて、前記第1の運転者の前記運転評価に関する情報を出力する、請求項1又は2に記載の運転評価システム。
【請求項4】
前記出力部は、前記第1の運転者の前記運転評価に関する情報を項目ごとに出力する、請求項1から3のいずれか1項に記載の運転評価システム。
【請求項5】
前記第1の運転者の走行データと前記第2の運転者の走行データ、及び、前記評価基準データに基づいて、前記第1の運転者の運転を評価する評価部と、を更に備える請求項3又は4に記載の運転評価システム。
【請求項6】
予め定められたコースを走行する第1の運転者の走行データを取得する走行データ取得部と、
前記走行データ取得部が取得した前記第1の運転者の走行データと、前記予め定められたコースに対する模範的な第2の運転者の走行データに基づいて、前記第1の運転者の運転評価に関する情報を出力する出力部と、を備える情報処理装置。
【請求項7】
予め定められたコースを走行する第1の運転者の走行データを取得する走行データ取得ステップと、
前記走行データ取得ステップが取得した前記第1の運転者の走行データと、前記予め定められたコースに対する模範的な第2の運転者の走行データに基づいて、前記第1の運転者の運転評価に関する情報を出力する出力ステップと、を備える運転評価方法。
【請求項8】
少なくとも1つのプロセッサを備えた電子デバイスに、
予め定められたコースを走行する第1の運転者の走行データを取得する走行データ取得処理と、
前記走行データ取得処理が取得した前記第1の運転者の走行データと、前記予め定められたコースに対する模範的な第2の運転者の走行データに基づいて、前記第1の運転者の運転評価に関する情報を出力する出力処理と、を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運転評価システム、情報処理装置、運転評価方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車教習所における運転者の車両に対する操作を示す挙動情報を取得し、模範的な運転の挙動パターンとの差異を計算し、運転者の挙動がどのくらい模範的な運転の挙動パターンと合致しているのか、あるいは、どのくらい離れているのかを数値化し、その数値により評価の減点数を決めることで、運転者の運転技能を評価する運転判定システムが例えば特許文献1に記載されている。
【0003】
これに対して、本発明者は、自動運転又は手動運転で走行することができる車両が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者(例えば、高齢者)が手動運転で同一コースを走行する前記車両から走行データを取得し、当該取得した走行データ等に基づいて、予め定められた項目ごとに運転者の運転の可否を判定し、その項目ごとの運転者の運転の可否の判定結果に基づいて、運転免許更新可否を判定することを検討した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2020/049737号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の運転判定システムにおいては、車両として自動運転又は手動運転で走行することができる車両を用いることが想定されていないため、車両が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者(例えば、自動車教習所において高齢者運転免許実技試験を行う高齢者)が手動運転で同一コースを走行する前記車両から走行データを取得し、当該取得した走行データ等に基づいて、予め定められた項目ごとに運転者の運転の可否を判定することができないという課題がある。また、その項目ごとの運転者の運転の可否の判定結果に基づいて、運転免許更新可否を判定することができないという課題もある。
【0006】
本開示の第1の目的は、上述した課題を鑑み、車両が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者が手動運転で同一コースを走行する前記車両から走行データを取得し、当該取得した走行データ等に基づいて、予め定められた項目ごとに運転者の運転の可否を判定することにある。また、本開示の第2の目的は、その項目ごとの運転者の運転の可否の判定結果に基づいて、運転免許更新可否を判定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様にかかる運転判定装置は、
自動運転又は手動運転で走行することができる車両が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者が手動運転で前記コースを走行する前記車両の走行データを取得する走行データ取得部と、
前記走行データ取得部が取得した走行データと模範走行データとの差分、及び、前記走行データ取得部が取得した走行データのうち少なくとも一方と評価基準データとに基づいて、項目ごとに前記運転者の運転の可否を判定する項目判定部と、を備える。
【0008】
本開示の第2の態様にかかる車載装置は、
自動運転又は手動運転で走行することができる車両が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者が手動運転で前記コースを走行する前記車両の走行データを検出する走行データ検出部と、
前記走行データ検出部により検出された走行データを外部に送信する通信部と、を備える。
【0009】
本開示の第3の態様にかかる運転判定システムは、
自動運転又は手動運転で走行することができる車両と、
サーバ装置と、を備え、
前記車両は、
前記車両が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者が手動運転で前記コースを走行する前記車両の走行データを検出する走行データ検出部と、
前記走行データ検出部により検出された走行データを前記サーバ装置に送信する通信部と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記車両から送信される前記走行データを取得する走行データ取得部と、
前記走行データ取得部が取得した走行データと模範走行データとの差分、及び、前記走行データ取得部が取得した走行データのうち少なくとも一方と評価基準データとに基づいて、項目ごとに前記運転者の運転の可否を判定する項目判定部と、を備える。
【0010】
本開示の第4の態様にかかる運転判定方法は、
自動運転又は手動運転で走行することができる車両が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者が手動運転で前記コースを走行する前記車両の走行データを取得する走行データ取得ステップと、
前記走行データ取得ステップで取得した走行データと模範走行データとの差分、及び、前記走行データ取得ステップで取得した走行データのうち少なくとも一方と評価基準データとに基づいて、項目ごとに前記運転者の運転の可否を判定する項目判定ステップと、を備える。
【0011】
本開示の第5の態様にかかるデータ送信方法は、
自動運転又は手動運転で走行することができる車両が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者が手動運転で前記コースを走行する前記車両の走行データを検出する走行データ検出ステップと、
前記走行データ検出ステップにより検出された走行データをサーバ装置に送信する通信ステップと、を備える。
【0012】
本開示の第6の態様にかかる記録媒体は、
少なくとも1つのプロセッサを備えた電子デバイスに、
自動運転又は手動運転で走行することができる車両が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者が手動運転で前記コースを走行する前記車両の走行データを取得する走行データ取得処理と、
前記走行データ取得処理で取得した走行データと模範走行データとの差分、及び、前記走行データ取得処理で取得した走行データのうち少なくとも一方と評価基準データとに基づいて、項目ごとに前記運転者の運転の可否を判定する項目判定処理と、を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体である。
【0013】
本開示の第7の態様にかかる記録媒体は、
少なくとも1つのプロセッサを備えた電子デバイスに、
自動運転又は手動運転で走行することができる車両が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者が手動運転で前記コースを走行する前記車両の走行データを検出する走行データ検出処理と、
前記走行データ検出処理により検出された走行データをサーバ装置に送信する通信処理と、を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、車両が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者が手動運転で同一コースを走行する前記車両から走行データを取得し、当該取得した走行データ等に基づいて、予め定められた項目ごとに運転者の運転の可否を判定することができる。また、その項目ごとの運転者の運転の可否の判定結果に基づいて、運転免許更新可否を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】運転判定装置50の概略構成図である。
図2】運転判定装置50の動作例のフローチャートである。
図3】運転評価システム1の詳細構成図である。
図4】車両10の構成例である。
図5】サーバ装置50の構成例である。
図6】運転評価システム1の動作例のフローチャートである。
図7】運転者の運転の可否を判定する項目の一例である。
図8】運転者の運転の可否を判定する項目の一例である。
図9】運転者の運転の可否を判定する項目の一例である。
図10】運転者の運転の可否を判定する項目の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1である運転評価システム1を構成する運転判定装置50(以下、サーバ装置50とも呼ぶ)について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
【0017】
まず、図1を用いて、運転判定装置50の構成例について説明する。
【0018】
図1は、運転判定装置50の概略構成図である。
【0019】
図1に示すように、運転判定装置50は、自動運転又は手動運転で走行することができる車両10が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者が手動運転で前記コースを走行する車両10の走行データを取得する走行データ取得部52aと、走行データ取得部52aが取得した走行データと模範走行データとの差分、及び、走行データ取得部52aが取得した走行データのうち少なくとも一方と評価基準データとに基づいて、項目ごとに運転者の運転の可否を判定する項目判定部52bと、を備えている。
【0020】
次に、運転判定装置50の動作例について説明する。
【0021】
図2は、運転判定装置50の動作例のフローチャートである。
【0022】
まず、走行データ取得部52aが、車両10が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者が手動運転で前記コースを走行する車両10から所定タイミングで送信される走行データを取得する(ステップS1)。
【0023】
次に、項目判定部52bが、走行データ取得部52aが取得した走行データと模範走行データとの差分、及び、走行データ取得部52aが取得した走行データのうち少なくとも一方と評価基準データとに基づいて、項目ごとに運転者の運転の可否を判定する(ステップS2)。
【0024】
実施形態1によれば、車両10が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者が手動運転で同一コースを走行する前記車両10から走行データを取得し、当該取得した走行データ等に基づいて、予め定められた項目ごとに運転者の運転の可否を判定することができる。
【0025】
(実施形態2)
以下、本発明の実施形態2として、運転評価システム1についてさらに詳細に説明する。
【0026】
図3は、運転評価システム1の詳細構成図である。
【0027】
図3に示すように、運転評価システム1は、車両10と、サーバ装置50と、を備えている。
【0028】
図4は、車両10の構成例である。車両10は、自動運転又は手動運転で走行することができる車両である。自動運転又は手動運転で走行することができる車両については、例えば、特開2016-132352号公報に記載されている。
【0029】
図4に示すように、車両10は、車載装置20、走行データ検出部30、アクチュエータ40を備えている。
【0030】
車載装置20は、記憶部21、制御部22、メモリ23、通信部24、表示部25を備えている。
【0031】
記憶部21は、例えば、ハードディスク装置やROM等の不揮発性の記憶部である。記憶部21は、例えば、プログラム記憶部21a、模範走行データ記憶部21b、走行データ記憶部21cを有している。
【0032】
プログラム記憶部21aには、制御部22が実行するプログラムが記憶されている。模範走行データ記憶部21bには、車両10に自動運転で予め定められたコース(例えば、教習所内に設けられたコース。以下、教習コースと呼ぶ)を模範走行させるためのデータ(以下、模範走行データと呼ぶ)が記憶されている。走行データ記憶部21cには、走行データ検出部30により検出された走行データが記憶される。
【0033】
制御部22は、図示しないが、プロセッサを備えている。制御部22(プロセッサ)には、記憶部21、メモリ23、通信部24、表示部25、走行データ検出部30、アクチュエータ40が電気的に接続されている。プロセッサは、例えば、CPUである。プロセッサは、1つの場合もあるし、複数の場合もある。例えば、プロセッサは、記憶部21(プログラム記憶部21a)からRAM等のメモリ23に読み込まれたプログラムを実行することで、自動運転/手動運転切替部22a、走行制御部22b、走行データ取得部22c、走行データ記録部22d等として機能する。なお、これら各部は、ハードウェアにより実現してもよい。
【0034】
自動運転/手動運転切替部22aは、車両10を自動運転可能な状態又は手動運転可能な状態に切り替える。
【0035】
走行制御部22bは、記憶部21(模範走行データ記憶部21b)に記憶された模範走行データに基づいて、アクチュエータ40を制御することで、自動運転可能な状態に切り替えられた車両10に自動運転で教習コースを模範走行させる。
【0036】
走行データ取得部22cは、車両10が自動運転で教習コースを模範走行した後、運転者(例えば、高齢者)が手動運転で教習コース(自動運転で模範走行したのと同じ教習コース)を走行する車両10の走行データを取得する。具体的には、走行データ取得部22cは、走行データ検出部30から当該走行データ検出部30が検出した走行データを取得する。
【0037】
走行データ取得部22cが取得する走行データとしては、例えば、第1カメラ30aにより撮像された画像に対して所定画像処理を実行することで検出される信号機(例えば、信号機の位置や信号色)、一時停止標識(例えば、一時停止標識の位置)、停止線(例えば、停止線の位置)、第2カメラ30bにより撮像された画像に対して所定画像処理を実行することで検出される運転者の視線や運転者の運転姿勢、加速度センサ30cにより検出される加速度、車速センサ30dにより検出される車速、舵角センサ30eにより検出される舵角、ウインカー状態検出センサ30fにより検出されるウインカーのオンオフ状態、GPS受信機30gが受信したGPS衛星からの電波等に基づいて決定される車両10の現在位置(走行軌跡)がある。
【0038】
走行データ記録部22dは、走行データ取得部22cが取得した走行データを記憶部21(走行データ記憶部21c)に記憶する。
【0039】
通信部24は、サーバ装置50との間で通信回線NW(例えば、インターネット)を介して無線通信する通信装置である。
【0040】
表示部25は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置である。
【0041】
走行データ検出部30は、例えば、第1カメラ30a、第2カメラ30b、加速度センサ30c、車速センサ30d、舵角センサ30e、ウインカー状態検出センサ30f、GPS受信機30gである。
【0042】
第1カメラ30aは、車両10の前方を撮像するカメラで、例えば、車両10の車室内に設けられており、フロントガラス越しに車両10の前方を撮像する。第1カメラ30aにより撮像された画像に対して所定画像処理を実行することで、信号機(例えば、信号機の位置や信号色)、一時停止標識(例えば、一時停止標識の位置)、停止線(例えば、停止線の位置)が検出される。第2カメラ30bは、車両10の運転席に着座した運転者を撮像するカメラで、例えば、車両10の車室内に設けられている。第2カメラ30bにより撮像された画像に対して所定画像処理を実行することで検出される運転者の視線や運転者の運転姿勢が検出される。
【0043】
加速度センサ30cは、車両10の加速度を検出するセンサである。車速センサ30dは、車両10の車速を検出するセンサである。舵角センサ30eは、車両10のステアリングの舵角を検出するセンサである。ウインカー状態検出センサ30fは、車両10のウインカーのオンオフ状態を検出するセンサである。GPS受信機30gは、車両10に取り付けられたアンテナ(図示せず)を介してGPS衛星から車両10に到達する電波を受信する。
【0044】
アクチュエータ40は、スロットルアクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、ステアリングアクチュエータを含む。走行制御部22bによりアクチュエータ40が制御されることで、車両10の自動運転が実現される。
【0045】
図5は、サーバ装置50の構成例である。
【0046】
図5に示すように、サーバ装置50は、記憶部51、制御部52、メモリ53、通信部54を備えている。
【0047】
記憶部51は、例えば、ハードディスク装置やROM等の不揮発性の記憶部である。記憶部51は、例えば、プログラム記憶部51a、判定用模範走行データ記憶部51b、評価基準データ記憶部51c、運転免許更新条件記憶部51dを有している。
【0048】
プログラム記憶部51aには、制御部52が実行するプログラムが記憶されている。判定用模範走行データ記憶部51bには、模範的な走行データ(例えば、熟練の運転者が手動運転で教習コースを模範走行した際の車両10の走行データ。以下、判定用模範走行データと呼ぶ)が記憶されている。
【0049】
評価基準データ記憶部51cには、項目ごとに運転者の運転の可否を判定するためのデータ(以下、評価基準データと呼ぶ)が記憶されている。図7図10は、運転者の運転の可否を判定する項目の一例である。
【0050】
運転免許更新条件記憶部51dには、運転免許更新の可否の判定に用いられる運転免許更新条件が記憶されている。
【0051】
制御部52は、図示しないが、プロセッサを備えている。制御部52(プロセッサ)には、記憶部51、メモリ53、通信部54が電気的に接続されている。プロセッサは、例えば、CPUである。プロセッサは、1つの場合もあるし、複数の場合もある。例えば、プロセッサは、記憶部51(プログラム記憶部51a)からRAM等のメモリ53に読み込まれたプログラムを実行することで、走行データ取得部52a、項目判定部52b、運転免許更新判定部52c、項目判定結果出力部52d、運転免許更新判定結果出力部52e等として機能する。なお、これら各部は、ハードウェアにより実現してもよい。
【0052】
走行データ取得部52aは、車両10から送信される走行データを通信部54を介して取得する。
【0053】
項目判定部52bは、走行データ取得部52aが取得した走行データと判定用模範走行データ記憶部51bに記憶された判定用模範走行データとの差分、及び、走行データ取得部52aが取得した走行データのうち少なくとも一方と評価基準データ記憶部51cに記憶された評価基準データとに基づいて、項目ごとに運転者の運転の可否を判定する。
【0054】
項目判定部52bが判定する項目としては、例えば、図7図10に示すように、「信号機手前での減速」、「信号の確認」、「交差点手前での徐行」、「一時標識の確認」、「交差道路の安全確認」、「二段階停止」、「合図の期間」、「安全確認」、「緩やかな進路変更」、「カーブ手前での減速」、「曲がり具合に応じた速度」、「ふらつきのない運転」、「正しい運転姿勢」がある。これらの項目については、項目判定部52bは、走行データ取得部52aが取得した走行データと判定用模範走行データ記憶部51bに記憶された判定用模範走行データとの差分と、評価基準データ記憶部51cに記憶された評価基準データ(例えば、閾値)とに基づいて、判定する。
【0055】
例えば、「信号機手前での減速」については、項目判定部52bは、走行データ取得部52aが取得した走行データ中の信号機手前の加速度(加速度の変化)と判定用模範走行データ記憶部51bに記憶された判定用模範走行データ中の信号機手前の加速度(加速度の変化)との差分が、評価基準データ記憶部51cに記憶された評価基準データ(例えば、閾値)を下回っている場合、可と判定し、一方、その差分が閾値を上回っている場合、不可と判定する。なお、加速度の変化とは、加速度の時系列的な変化を含んでもよい。
【0056】
「信号の確認」については、項目判定部52bは、走行データ取得部52aが取得した走行データ中の運転者の視線が信号機に向けられた時間と判定用模範走行データ記憶部51bに記憶された判定用模範走行データ中の運転者の視線が信号機に向けられた時間との差分が、評価基準データ記憶部51cに記憶された評価基準データ(例えば、閾値)を下回っている場合、可と判定し、一方、その差分が閾値を上回っている場合、不可と判定する。
【0057】
「交差点手前での徐行」については、項目判定部52bは、走行データ取得部52aが取得した走行データ中の交差点手前の加速度(加速度の変化)と判定用模範走行データ記憶部51bに記憶された判定用模範走行データ中の交差点手前の加速度(加速度の変化)との差分が、評価基準データ記憶部51cに記憶された評価基準データ(例えば、閾値)を下回っている場合、可と判定し、一方、その差分が閾値を上回っている場合、不可と判定する。
【0058】
「一時停止標識の確認」については、項目判定部52bは、走行データ取得部52aが取得した走行データ中の運転者の視線が一時停止標識に向けられた時間と判定用模範走行データ記憶部51bに記憶された判定用模範走行データ中の運転者の視線が一時停止標識に向けられた時間との差分が、評価基準データ記憶部51cに記憶された評価基準データ(例えば、閾値)を下回っている場合、可と判定し、一方、その差分が閾値を上回っている場合、不可と判定する。
【0059】
「交差道路の安全確認」については、項目判定部52bは、走行データ取得部52aが取得した走行データ中の運転者の交差道路を通過する際の視線移動パターンと判定用模範走行データ記憶部51bに記憶された判定用模範走行データ中の運転者の交差道路を通過する際の視線移動パターンとの差分が、評価基準データ記憶部51cに記憶された評価基準データ(例えば、閾値)を下回っている場合、可と判定し、一方、その差分が閾値を上回っている場合、不可と判定する。
【0060】
「二段階停止」については、項目判定部52bは、走行データ取得部52aが取得した走行データ中の交差点手前の速度(速度の変化)と判定用模範走行データ記憶部51bに記憶された判定用模範走行データ中の交差点手前の速度(速度の変化)との差分が、評価基準データ記憶部51cに記憶された評価基準データ(例えば、閾値)を下回っている場合、可と判定し、一方、その差分が閾値を上回っている場合、不可と判定する。
【0061】
「合図の時期」については、項目判定部52bは、走行データ取得部52aが取得した走行データ中のウインカーをオン又はオフしたタイミングと判定用模範走行データ記憶部51bに記憶された判定用模範走行データ中のウインカーをオン又はオフしたタイミングとの差分が、評価基準データ記憶部51cに記憶された評価基準データ(例えば、閾値)を下回っている場合、可と判定し、一方、その差分が閾値を上回っている場合、不可と判定する。
【0062】
「安全確認」については、項目判定部52bは、走行データ取得部52aが取得した走行データ中の運転者の進路変更する際の視線移動パターンと判定用模範走行データ記憶部51bに記憶された判定用模範走行データ中の運転者の進路変更する際の視線移動パターンとの差分が、評価基準データ記憶部51cに記憶された評価基準データ(例えば、閾値)を下回っている場合、可と判定し、一方、その差分が閾値を上回っている場合、不可と判定する。
【0063】
「緩やかな進路変更」については、項目判定部52bは、走行データ取得部52aが取得した走行データ中の運転者の進路変更する際の舵角(舵角の変化)と判定用模範走行データ記憶部51bに記憶された判定用模範走行データ中の運転者の進路変更する際の舵角(舵角の変化)との差分が、評価基準データ記憶部51cに記憶された評価基準データ(例えば、閾値)を下回っている場合、可と判定し、一方、その差分が閾値を上回っている場合、不可と判定する。
【0064】
「カーブ手前での減速」については、項目判定部52bは、走行データ取得部52aが取得した走行データ中のカーブ手前の加速度(加速度の変化)と判定用模範走行データ記憶部51bに記憶された判定用模範走行データ中のカーブ手前の加速度(加速度の変化)との差分が、評価基準データ記憶部51cに記憶された評価基準データ(例えば、閾値)を下回っている場合、可と判定し、一方、その差分が閾値を上回っている場合、不可と判定する。
【0065】
「曲がり具合に応じた速度」については、項目判定部52bは、走行データ取得部52aが取得した走行データ中の曲がり具合に応じた速度(速度の変化)と判定用模範走行データ記憶部51bに記憶された判定用模範走行データ中の曲がり具合に応じた速度(速度の変化)との差分が、評価基準データ記憶部51cに記憶された評価基準データ(例えば、閾値)を下回っている場合、可と判定し、一方、その差分が閾値を上回っている場合、不可と判定する。
【0066】
「ふらつきのない運転」については、項目判定部52bは、走行データ取得部52aが取得した走行データ中の走行軌跡と判定用模範走行データ記憶部51bに記憶された判定用模範走行データ中の走行軌跡との差分が、評価基準データ記憶部51cに記憶された評価基準データ(例えば、閾値)を下回っている場合、可と判定し、一方、その差分が閾値を上回っている場合、不可と判定する。
【0067】
「正しい運転姿勢」については、項目判定部52bは、走行データ取得部52aが取得した走行データ中の運転姿勢と判定用模範走行データ記憶部51bに記憶された判定用模範走行データ中の運転姿勢との差分が、評価基準データ記憶部51cに記憶された評価基準データ(例えば、閾値)を下回っている場合、可と判定し、一方、その差分が閾値を上回っている場合、不可と判定する。
【0068】
項目判定部52bが判定する項目としては、上記以外に、例えば、「信号に従った運転」(図7参照)、「確実な停止」(図8参照)、「停止位置」(図8参照)、「合図の有無」(図9参照)がある。これらの項目については、項目判定部52bは、走行データ取得部52aが取得した走行データと、評価基準データ記憶部51cに記憶された評価基準データ(例えば、閾値)とに基づいて、判定する。
【0069】
例えば、「信号に従った運転」については、項目判定部52bは、走行データ取得部52aが取得した走行データ中の信号機色が赤で、かつ、信号機手前の車速(車速の変化)が評価基準データ記憶部51cに記憶された評価基準データ(例えば、閾値)を下回っている場合、可と判定し、一方、閾値を上回っている場合、不可と判定する。
【0070】
「確実な停止」については、項目判定部52bは、走行データ取得部52aが取得した走行データ中の一時停止標識手前の車速(車速の変化)が評価基準データ記憶部51cに記憶された評価基準データ(例えば、閾値)を下回っている場合、可と判定し、一方、閾値を上回っている場合、不可と判定する。
【0071】
「停止位置」については、項目判定部52bは、走行データ取得部52aが取得した走行データ中の停止線の位置と車両停止位置との距離が評価基準データ記憶部51cに記憶された評価基準データ(例えば、閾値)を下回っている場合、可と判定し、一方、閾値を上回っている場合、不可と判定する。
【0072】
「合図の有無」については、項目判定部52bは、走行データ取得部52aが取得した走行データ中に交差点手前でウインカーをオンした履歴がある場合、可と判定し、一方、無い場合、不可と判定する。
【0073】
運転免許更新判定部52cは、項目判定部52bの判定結果と運転免許更新条件記憶部51dに記憶された運転免許更新条件とに基づいて、運転者の運転免許更新の可否を判定する。
【0074】
例えば、運転免許更新判定部52cは、項目判定部52bの判定結果が運転免許更新条件記憶部51dに記憶された運転免許更新条件を満たす場合、運転免許更新可と判定し、一方、満たさない場合、運転免許更新不可と判定する。
【0075】
例えば、項目ごとに、当該項目が可の場合の点数(例えば、加点)、当該項目が不可の場合の点数(例えば、減点)を定めておく。そして、全項目の合計点数が運転免許更新条件(例えば、閾値)を超えている場合、運転免許更新判定部52cは、運転免許更新可と判定し、一方、全項目の合計点数が運転免許更新条件(例えば、閾値)を超えていない場合、運転免許更新不可と判定する。
【0076】
その際、運転免許更新判定部52cは、項目ごとの重み付けを考慮して、項目判定部52bの判定結果が運転免許更新条件記憶部51dに記憶された運転免許更新条件を満たすか否かを判定してもよい。
【0077】
また、運転免許更新判定部52cは、特定の項目(例えば、「信号に従った運転」)が不可の場合、合計点数が運転免許更新条件(例えば、閾値)を超えているか否かにかかわらず、運転免許更新不可(運転免許失効)と判定してもよい。
【0078】
項目判定結果出力部52dは、項目判定部52bの判定結果を出力する。例えば、項目判定結果出力部52dは、項目判定部52bの判定結果を通信部54を介して車両10に送信し、車両10に設けられた表示部25に表示する。また、項目判定結果出力部52dは、項目判定部52bの判定結果をサーバ装置50に接続されたプリンタ(図示せず)により印刷してもよい。
【0079】
運転免許更新判定結果出力部52eは、運転免許更新判定部52cの判定結果を出力する。例えば、運転免許更新判定結果出力部52eは、運転免許更新判定部52cの判定結果を通信部54を介して車両10に送信し、車両10に設けられた表示部25に表示する。また、運転免許更新判定結果出力部52eは、運転免許更新判定部52cの判定結果をサーバ装置50に接続されたプリンタ(図示せず)により印刷してもよい。
【0080】
通信部54は、車両10との間で通信回線NW(例えば、インターネット)を介して無線通信する通信装置である。
【0081】
次に、上記構成の運転評価システム1の動作例について説明する。
【0082】
図6は、運転評価システム1の動作例のフローチャートである。
【0083】
以下、運転評価システム1を用いて、高齢者運転免許実技試験を行う例について説明する。高齢者運転免許実技試験においては、実技試験を行う高齢者(以下、運転者と呼ぶ)が運転席に着座した状態の車両10が自動運転で教習コースを模範走行した後、その運転者が手動運転で教習コースを走行する。
【0084】
まず、自動運転可能な状態に切り替えられ、後ほど実技試験を行う運転者が運転席に着座した状態の車両10が、自動運転で教習コースを模範走行する(ステップS10)。これは、走行制御部22bが、記憶部21(模範走行データ記憶部21b)に記憶された模範走行データに基づいて、アクチュエータ40を制御することで実現される。なお、模範走行の間、運転者は、ステアリング等を操作することなく、後ほど実技試験で走行するルートを確認する。
【0085】
次に、車両10がスタート地点からゴール地点に到達した場合、すなわち、自動運転(模範走行)が終了した場合(ステップS11:YES)、車両10は、自動運転可能な状態から手動運転可能な状態に切り替えられる(ステップS12)。この切り替えは、車両10がスタート地点からゴール地点に到達したタイミングで自動的に行ってもよいし、手動で行ってもよい。
【0086】
次に、運転者が手動運転可能な状態に切り替えられた車両10を手動運転して教習コース(自動運転で模範走行したのと同じ教習コース)を走行(実技試験)する(ステップS13)。その間、走行データ取得部22cが、運転者が手動運転で教習コースを走行する車両10の走行データを取得し、走行データ記録部22dが、走行データ取得部22cが取得した走行データを記憶部21(走行データ記憶部21c)に記憶する(ステップS14)。
【0087】
ステップS14の処理は、車両10がスタート地点からゴール地点に到達するまで、すなわち、手動運転(実技試験)が終了するまで(ステップS15:YES)繰り返し実行される。
【0088】
次に、手動運転が終了すると(ステップS15:YES)、記憶部21(走行データ記憶部21c)に記憶された走行データが通信部24を介してサーバ装置50に送信される(ステップS16)。なお、走行データは、走行データ取得部22cが取得するごとにサーバ装置50に送信してもよい。また、車両10に判定用模範走行データ記憶部51bを設け、記憶部21(走行データ記憶部21c)に記憶された走行データと当該判定用模範走行データ記憶部51bに記憶された判定用模範走行データとの差分のみをサーバ装置50に送信してもよい。
【0089】
次に、サーバ装置50の走行データ取得部52aが、車両10から送信される走行データを通信部54を介して取得(受信)する(ステップS17)。
【0090】
次に、サーバ装置50の項目判定部52bが、走行データ取得部52aが取得した走行データと判定用模範走行データ記憶部51bに記憶された判定用模範走行データとの差分、及び、走行データ取得部52aが取得した走行データのうち少なくとも一方と評価基準データ記憶部51cに記憶された評価基準データとに基づいて、項目ごとに運転者の運転の可否を判定する(ステップS18)。
【0091】
次に、サーバ装置50の運転免許更新判定部52cが、項目判定部52bの判定結果と運転免許更新条件記憶部51dに記憶された運転免許更新条件とに基づいて、運転者の運転免許更新の可否を判定する(ステップS19)。
【0092】
次に、サーバ装置50の運転免許更新判定結果出力部52eが、運転免許更新判定部52cの判定結果を出力する。出力される判定結果は、例えば、運転免許更新可、又は、運転免許更新不可である。その際、サーバ装置50の項目判定結果出力部52dも、項目判定部52bの判定結果を出力してもよい。なお、出力された判定結果は、車両10に設けられた表示部25に表示されることで、又は、プリンタ(図示せず)により印刷されることで(あるいは、その他の形態で)、運転者に提示される。
【0093】
以上説明したように、実施形態2によれば、車両10が自動運転で予め定められた教習コースを模範走行した後、運転者が手動運転で同一の教習コースを走行する車両10から走行データを取得し、当該取得した走行データ等に基づいて、予め定められた項目ごとに運転者の運転の可否を判定することができる(ステップS18)。また、実施形態2によれば、その項目ごとの運転者の運転の可否の判定結果に基づいて、運転免許更新可否を判定することができる(ステップS19)。すなわち、高齢者運転免許実技試験の自動化が可能となる。
【0094】
また、実施形態2によれば、試験官によらず運転免許更新可否を自動的に判定することができるため、高齢者運転免許実技試験を担当する試験官が不要となる。
【0095】
また、実施形態2によれば、試験官によらず運転免許更新可否を自動的に判定することができるため、運転者ごとにばらつきがなく客観的な運転免許更新可否の判定が可能となる。
【0096】
また、実施形態2によれば、実技試験を行う運転者が運転席に着座した状態の車両10が、自動運転で教習コースを模範走行するため、すなわち、試験官の同乗が不要となるため、効率的に実技試験を行うことができる。
【0097】
また、実施形態2によれば、実技試験を行う運転者が運転席に着座した状態の車両10が、自動運転で教習コースを模範走行することで、事前に正解の運転(模範走行)を明確に示すことができる。
【0098】
また、実施形態2によれば、事前に正解の運転(模範走行)を明確に示せるため、合否(運転免許更新可否)に関するトラブルを軽減することができる。
【0099】
次に、変形例について説明する。
【0100】
上記実施形態2では、サーバ装置50の運転免許更新判定部52cが、項目判定部52bの判定結果と運転免許更新条件記憶部51dに記憶された運転免許更新条件とに基づいて、運転者の運転免許更新の可否を判定し(ステップS19)、サーバ装置50の運転免許更新判定結果出力部52eが、運転免許更新判定部52cの判定結果を出力する(ステップS20)例について説明したが、これに限らない。
【0101】
例えば、実技試験の内容によっては、運転免許更新の可否の判定(ステップS19)、運転免許更新判定部52cの判定結果の出力(ステップS20)を省略し、項目ごとの運転者の運転の可否判定(ステップS18)、項目判定部52bの判定結果の出力のみを実行してもよい。
【0102】
また、表示部25は、自動運転による模範走行中(ステップS10)に、実技試験を受ける受験者(運転者)に対し、走行ルートに関するガイダンスを表示してもよい。ガイダンスとは、走行ルート上の要所における、「信号機手前での減速」、「信号の確認」、「交差点手前での徐行」、「一時標識の確認」、「交差道路の安全確認」、「二段階停止」、「合図の期間」、「安全確認」、「緩やかな進路変更」、「カーブ手前での減速」、「曲がり具合に応じた速度」、「ふらつきのない運転」、「正しい運転姿勢」を行うべき箇所であることを受験者(自動運転中の運転者)に確認させるものが例示されるが、上記に限定されない。なお、表示部25の一部機能を不図示の出力部に代替し、音声によるガイダンスを行うように設計してもよい。
【0103】
上記実施形態1、2において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0104】
上記実施形態で示した数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができるのは無論である。
【0105】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記実施形態の記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【0106】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0107】
(付記1)
自動運転又は手動運転で走行することができる車両が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者が手動運転で前記コースを走行する前記車両の走行データを取得する走行データ取得部と、
前記走行データ取得部が取得した走行データと模範走行データとの差分、及び、前記走行データ取得部が取得した走行データのうち少なくとも一方と評価基準データとに基づいて、項目ごとに前記運転者の運転の可否を判定する項目判定部と、を備える運転判定装置。
【0108】
(付記2)
運転免許更新の可否の判定に用いられる運転免許更新条件を記憶した運転免許更新条件記憶部と、
前記項目判定部の判定結果と前記運転免許更新条件記憶部に記憶された前記運転免許更新条件とに基づいて、前記運転者の運転免許更新の可否を判定する運転免許更新判定部と、をさらに備える、付記1に記載の運転判定装置。
【0109】
(付記3)
前記運転免許更新判定部の判定結果を出力する運転免許更新判定結果出力部をさらに備える、付記2に記載の運転判定装置。
【0110】
(付記4)
前記運転免許更新判定部は、前記項目ごとの重み付けを考慮して、前記項目判定部の判定結果が前記運転免許更新条件記憶部に記憶された前記運転免許更新条件を満たすか否かを判定する付記1から3のいずれか1項に記載の運転判定装置。
【0111】
(付記5)
前記項目判定部の判定結果を出力する項目判定結果出力部を備える付記1から4のいずれか1項に記載の運転判定装置。
【0112】
(付記6)
自動運転又は手動運転で走行することができる車両が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者が手動運転で前記コースを走行する前記車両の走行データを検出する走行データ検出部と、
前記走行データ検出部により検出された走行データを前記サーバ装置に送信する通信部と、を備える、車載装置。
【0113】
(付記7)
自動運転又は手動運転で走行することができる車両と、
サーバ装置と、を備え、
前記車両は、
前記車両が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者が手動運転で前記コースを走行する前記車両の走行データを検出する走行データ検出部と、
前記走行データ検出部により検出された走行データを前記サーバ装置に送信する通信部と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記車両から送信される前記走行データを取得する走行データ取得部と、
前記走行データ取得部が取得した走行データと模範走行データとの差分、及び、前記走行データ取得部が取得した走行データのうち少なくとも一方と評価基準データとに基づいて、項目ごとに前記運転者の運転の可否を判定する項目判定部と、を備える、運転判定システム。
【0114】
(付記8)
自動運転又は手動運転で走行することができる車両が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者が手動運転で前記コースを走行する前記車両の走行データを取得する走行データ取得ステップと、
前記走行データ取得ステップで取得した走行データと模範走行データとの差分、及び、前記走行データ取得ステップで取得した走行データのうち少なくとも一方と評価基準データとに基づいて、項目ごとに前記運転者の運転の可否を判定する項目判定ステップと、を備える運転判定方法。
【0115】
(付記9)
自動運転又は手動運転で走行することができる車両が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者が手動運転で前記コースを走行する前記車両の走行データを検出する走行データ検出ステップと、
前記走行データ検出ステップにより検出された走行データをサーバ装置に送信する通信ステップと、を備える、データ送信方法。
【0116】
(付記10)
少なくとも1つのプロセッサを備えた電子デバイスに、
自動運転又は手動運転で走行することができる車両が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者が手動運転で前記コースを走行する前記車両の走行データを取得する走行データ取得処理と、
前記走行データ取得処理で取得した走行データと模範走行データとの差分、及び、前記走行データ取得処理で取得した走行データのうち少なくとも一方と評価基準データとに基づいて、項目ごとに前記運転者の運転の可否を判定する項目判定処理と、を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【0117】
(付記11)
少なくとも1つのプロセッサを備えた電子デバイスに、
自動運転又は手動運転で走行することができる車両が自動運転で予め定められたコースを模範走行した後、運転者が手動運転で前記コースを走行する前記車両の走行データを検出する走行データ検出処理と、
前記走行データ検出処理により検出された走行データをサーバ装置に送信する通信処理と、を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【符号の説明】
【0118】
1…運転評価システム
10…車両
20…車載装置
21…記憶部
21a…プログラム記憶部
21b…模範走行データ記憶部
21c…走行データ記憶部
22…制御部
22a…自動運転/手動運転切替部
22b…走行制御部
22c…走行データ取得部
22d…走行データ記録部
23…メモリ
24…通信部
30…走行データ検出部
30a…第1カメラ
30b…第2カメラ
30c…加速度センサ
30d…車速センサ
30e…舵角センサ
30f…ウインカー状態検出センサ
30g…GPS受信機
40…アクチュエータ
50…運転判定装置(サーバ装置)
51…記憶部
51a…プログラム記憶部
51b…判定用模範走行データ記憶部
51c…評価基準データ記憶部
51d…運転免許更新条件記憶部
52…制御部
52a…走行データ取得部
52b…項目判定部
52c…運転免許更新判定部
52d…項目判定結果出力部
52e…運転免許更新判定結果出力部
53…メモリ
54…通信部
NW…通信回線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10