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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096224
(43)【公開日】2024-07-12
(54)【発明の名称】表示制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20240705BHJP
   H04M 9/00 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
H04N7/18 H
H04N7/18 U
H04M9/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024071487
(22)【出願日】2024-04-25
(62)【分割の表示】P 2023046006の分割
【原出願日】2018-12-26
(31)【優先権主張番号】62/611,109
(32)【優先日】2017-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】P 2018200429
(32)【優先日】2018-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】飯島 隆宏
(57)【要約】
【課題】対象物を配達する配達員が到着した際に、ユーザが次の行動を判断するための情報を効果的にユーザに提示することができる表示制御方法を提供する。
【解決手段】表示制御方法は、情報処理サーバ(100)を備えるシステム(10)を用いた表示制御方法であって、情報処理サーバ(100)は、(a)ユーザ(20)が存在する建物に対象物(40)を配達する配達員(50)の画像が建物の出入口(30)に設置されたカメラ(300)で撮影されたとき、調理機器(600)のオンオフ信号を取得し(S202)、(b)調理機器のオンオフ信号に基づいて、ユーザが調理機器を用いて調理中であるか否かを示すユーザ状態を推定し、(c)ユーザ状態に対応する少なくとも1つの提案内容を取得し(S301)、(d)建物内に配置された表示端末(200)に、配達員(50)の画像と、少なくとも1つの提案内容とを表示させる(S302)。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理サーバを備えるシステムを用いた表示制御方法であって、
前記情報処理サーバは、
(a)ユーザが存在する建物に対象物を配達する配達員の画像が前記建物の出入口に設置されたカメラで撮影されたとき、調理機器のオンオフ信号を取得し、
(b)前記調理機器のオンオフ信号に基づいて、前記ユーザが前記調理機器を用いて調理中であるか否かを示すユーザ状態を推定し、
(c)前記ユーザ状態に対応する少なくとも1つの提案内容を取得し、
(d)前記建物内に配置された表示端末に、前記配達員の画像と、前記少なくとも1つの提案内容とを表示させる、
表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザの建物に対象物を配達する配達員からの対象物の受け取りに関する提案内容の表示を制御する表示制御方法、情報処理サーバ及び表示端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の出入口に設置されたカメラで撮影された画像を建物内の表示端末に表示する技術がある。例えば、特許文献1では、室内親機と玄関子機との無線通信を安定して行うためのテレビドアホン装置が開示されている。このようなテレビドアホンでは、例えば、配達員が建物の出入口に到着してインターホンをオンした場合に、玄関子機で撮影された配達員の画像が室内親機の表示部に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-220795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、室内親機には配達員の画像しか表示されないため、ユーザが次の行動を判断するための情報を効果的にユーザに提示できない。
【0005】
そこで、本開示は、対象物を配達する配達員が到着した際に、ユーザが次の行動を判断するための情報を効果的にユーザに提示することができる表示制御方法等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る表示制御方法は、情報処理サーバを備えるシステムを用いた表示制御方法であって、前記情報処理サーバは、(a)ユーザが存在する建物に対象物を配達する配達員の画像が前記建物の出入口に設置されたカメラで撮影されたとき、調理機器のオンオフ信号を取得し、(b)前記調理機器のオンオフ信号に基づいて、前記ユーザが前記調理機器を用いて調理中であるか否かを示すユーザ状態を推定し、(c)前記ユーザ状態に対応する少なくとも1つの提案内容を取得し、(d)前記建物内に配置された表示端末に、前記配達員の画像と、前記少なくとも1つの提案内容とを表示させる。
【0007】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様に係る表示制御方法は、対象物を配達する配達員が到着した際に、ユーザが次の行動を判断するための情報を効果的にユーザに提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態1に係る情報処理システム及び周辺機器の外観図である。
図2図2は、実施の形態1に係る情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態1における第1のデータの一例を示す。
図4図4は、実施の形態1における第2のデータの一例を示す。
図5図5は、実施の形態1における第3のデータの一例を示す。
図6図6は、実施の形態1に係る情報処理システムの処理を示すフローチャートである。
図7図7は、実施の形態1におけるカメラ画像の一例を示す。
図8図8は、実施の形態1における第1の画面の一例を示す。
図9図9は、実施の形態1における第2の画面の一例を示す。
図10図10は、実施の形態1における第3の画面の一例を示す。
図11図11は、実施の形態1における第4の画面の一例を示す。
図12図12は、実施の形態1における第5の画面の一例を示す。
図13図13は、実施の形態1における他の画面の一例を示す。
図14図14は、実施の形態1における他の画面の一例を示す。
図15図15は、実施の形態1における他の画面の一例を示す。
図16図16は、実施の形態1における他の画面の一例を示す。
図17A図17Aは、実施の形態2におけるサービス提供システムの全体像を示す。
図17B図17Bは、実施の形態2におけるデータセンタ運営会社の一例を示す。
図17C図17Cは、実施の形態2におけるデータセンタ運営会社の一例を示す。
図18図18は、実施の形態2におけるサービスの類型1(自社データセンタ型)を示す。
図19図19は、実施の形態2におけるサービスの類型2(IaaS利用型)を示す。
図20図20は、実施の形態2におけるサービスの類型3(PaaS利用型)を示す。
図21図21は、実施の形態2におけるサービスの類型4(SaaS利用型)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0011】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、請求の範囲を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0012】
本開示に係る情報処理システム及び方法の基礎となる知見を説明する。本発明者らは、配達員が訪れたときのユーザの対応について検討した。配達員が訪れた時、ユーザは、自身の状況に応じて、希望する対応が異なる。一方で、ユーザは、配達員に対して、早い対応が求められる。そこで、本開示に係る情報処理システム及び方法は、ユーザに、配達の状況を伝えるための情報を提供することで、ユーザが希望する対応を決定することを容易にしている。加えて、本開示に係る情報処理システム及び方法は、対応を早めるための提案内容を提供し、その表示に対するユーザの反応に応じて機器を制御することにより、ユーザの対応を簡易化している。つまり、本開示に係る情報処理システム及び方法は、配達の状況を伝えるための情報と対応を早めるための提案内容との両方を、一つの画面に表示することで、ユーザの状況理解と対応の簡易化とを両立する本発明に至った。
【0013】
(実施の形態1)
[情報処理システム及び周辺機器の構成]
まず、実施の形態1に係る情報処理システム及び周辺機器の構成について、図1図5を参照しながら説明する。図1は、実施の形態1に係る情報処理システム及び周辺機器の外観図である。図2は、実施の形態1に係る情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。
【0014】
情報処理システム10は、情報処理サーバ100と、表示端末200を含む1以上の表示端末と、を備える。情報処理サーバ100及び1以上の表示端末は、互いに通信可能に接続されている。以下では、1以上の表示端末を代表して表示端末200について説明し、他の表示端末の説明を省略する。
【0015】
また、情報処理システム10は、カメラ300、電子錠400、情報端末500、調理機器600、センサ700、第1のデータベース801、第2のデータベース802、及び第3のデータベース803と通信可能に接続されている。
【0016】
情報処理サーバ100は、例えばクラウドサーバであり、ユーザ状態に基づいて、表示端末200に少なくとも1つの提案内容を表示させる。
【0017】
表示端末200は、ディスプレイを有し、情報処理サーバ100から受信した少なくとも1つの提案内容をディスプレイに表示する。本実施の形態では、表示端末200は、建物内の壁面に取り付けられている。または、表示端末200は、携帯端末であってもよい。
【0018】
カメラ300は、建物の出入口30に設置される。図1では、カメラ300は、ドアホンに内蔵されている。例えば、カメラ300は、対象物40をユーザ20の建物に配達する配達員50の画像を撮影する。建物は、住居、集合住宅、複数の事務所を有するオフィスビル、複数の店舗を有する商業ビル、及び複数の部屋を有するホテルなどを含む。集合住宅の出入口30は、各住居の出入口、又は集合住宅の出入口であっても良い。オフィスビルの出入口30は、各事務所の出入口、オフィスビルの出入口であっても良い。同様に、商業ビルの出入口30は、各店舗の出入口、商業ビルの出入口であっても良い。
【0019】
電子錠400は、建物の出入口30の開閉操作を遠隔で制御可能な錠前である。電子錠400は、電子鍵と呼ばれる場合もある。電子錠400は、情報処理システム10からの施錠/開錠信号に基づいて出入口30の開閉操作を制御する。
【0020】
情報端末500は、配達員50が使用可能な端末である。情報端末500は、例えば配達員50に携帯されるハンディ端末である。例えば、情報端末500は、情報処理システム10から対象物40の再配達依頼を受信する。また例えば、情報端末500は、出入口30に設置されてもよい。
【0021】
調理機器600は、ユーザ20が調理時に使用する機器である。調理機器600は、例えば、電子レンジ及びコンロなどである。調理機器600は、情報処理システム10からの信号に基づいてオン/オフを制御することができる。
【0022】
センサ700は、ユーザ20が調理機器600を用いて調理中であるか否かを示すユーザ状態を取得するためのセンサ値を情報処理システム10に送信する。具体的には、センサ700は、例えば建物内に配置され、建物内の画像を撮影するイメージセンサである。また例えば、センサ700は、調理機器600のオン/オフを検知するオン/オフセンサであってもよい。
【0023】
第1のデータベース801は、複数のユーザの各々についてセンサ値とユーザ状態とが対応付けられた第1のデータ801aを記憶している記憶装置である。具体的には、第1のデータベース801は、例えばプロセッサ、メモリ及びハードディスクドライブを備えるデータベースサーバである。
【0024】
ここで、第1のデータ801aについて具体例を参照しながら説明する。図3は、実施の形態1における第1のデータ801aの一例を示す。
【0025】
図3では、第1のデータ801aは、ユーザ情報と、センサ値と、ユーザ状態と、を含む。ユーザ情報は、ユーザを識別する情報である。センサ値は、例えば画像パターンを表す。ユーザ状態は、ユーザが調理中か否かを示す。図3の第1のデータ801aによれば、例えば「USER1」で識別されるユーザの映像に「パターン1」が含まれていれば、ユーザ状態が調理中と判別される。
【0026】
第2のデータベース802は、複数の特定情報又は複数の配達予定時刻と複数の対象物の内容情報とが対応付けられた第2のデータ802aを記憶している記憶装置である。具体的には、第2のデータベース802は、例えばプロセッサ、メモリ及びハードディスクドライブを備えるデータベースサーバである。
【0027】
ここで、第2のデータ802aについて具体例を参照しながら説明する。図4は、実施の形態1における第2のデータ802aの一例を示す。
【0028】
図4では、第2のデータ802aは、IDと、配送予定日時と、画像情報と、急ぎフラグと、を含む。IDは、内容情報を特定するための特定情報の一例である。配送予定日時は、対象物の配送が予定されている日時を示す。
【0029】
画像情報は、対象物の画像を識別する識別情報(例えばURI(Uniform Resource Identifier)など)である。急ぎフラグは、対象物の配達が急ぎであるか否かを示す急ぎ情報の一例である。例えば、急ぎフラグは、ユーザがウェブサイトを介して対象物を購入する際にユーザによって設定される。ここでは、急ぎフラグにおいて、「1」は急ぎであることを示し、「0」が急ぎでないことを示す。これらの画像情報及び急ぎフラグが対象物の内容情報に対応する。
【0030】
図4の第2のデータ802aによれば、例えば「000001」で特定される対象物の画像が「・・・/image01.jpg」であり、その配達が急ぎであることがわかる。また、「2018年10月30日の12時」に配達予定の対象物の画像が「・・・/image01.jpg」であり、その配達が急ぎであることもわかる。
【0031】
第3のデータベース803は、ユーザ状態及び対象物の内容情報の複数の組合せと少なくとも1つの提案内容をそれぞれ含む複数の提案内容セットとが対応付けられた第3のデータ803aを記憶している記憶装置である。具体的には、第3のデータベース803は、例えばプロセッサ、メモリ及びハードディスクドライブを備えるデータベースサーバである。
【0032】
ここで、第3のデータ803aについて具体例を参照しながら説明する。図5は、実施の形態1における第3のデータ803aの一例を示す。
【0033】
図5では、第3のデータ803aは、ユーザ状態と、急ぎフラグと、第1の提案内容と、第2の提案内容と、を含む。ユーザ状態は、ユーザが調理中であるか否かを示す。急ぎフラグは、図4と同様に、対象物の配達が急ぎであるか否かを示す急ぎ情報の一例である。図5の第3のデータ803aによれば、例えばユーザ状態が「調理中」を示し、かつ急ぎ情報が「Yes」を示す場合に、「調理機器OFF」を提案する第1の提案内容及び「開錠」を提案する第2の提案内容が取得される。
【0034】
[情報処理サーバの構成]
次に、情報処理サーバ100の構成について説明する。図2に示すように、情報処理サーバ100は、プロセッサ101と、メモリ102と、通信部103と、を備える。
【0035】
プロセッサ101は、メモリ102に接続された電子回路である。プロセッサ101は、対象物40をユーザ20の建物に配達する配達員50の画像が建物の出入口30に設置されたカメラ300で撮影されたとき、センサ700によりユーザ20が調理機器600を用いて調理中であるか否かを示すユーザ状態を取得する。さらに、プロセッサ101は、対象物40の内容情報を取得する。それから、プロセッサ101は、ユーザ状態に対応する少なくとも1つの提案内容を取得し、表示端末200に、配達員50の画像と、対象物40の内容情報と、少なくとも1つの提案内容とを表示させる。これらの処理の詳細については、フローチャート等を用いて後述する。
【0036】
メモリ102は、例えば半導体メモリ及び/又はハードディスクドライブである。メモリ102は、ソフトウェアプログラム又はインストラクションを格納することができる。メモリ102に格納されたソフトウェアプログラム又はインストラクションが実行されたときに、プロセッサ101は上記処理を行うことができる。
【0037】
通信部103は、通信ネットワークを介して、表示端末200、カメラ300、電子錠400、情報端末500、調理機器600、センサ700、第1のデータベース801、第2のデータベース802及び第3のデータベース803と有線通信及び無線通信の一方又は両方を行うためのネットワークアダプタである。通信ネットワークとしては、例えばインターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、又は、これらの任意の組合せを用いることができる。無線通信としては、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、又は、これらの任意の組合せを用いることができる。
【0038】
[表示端末の構成]
次に、表示端末200の構成について説明する。図2に示すように、表示端末200は、プロセッサ201と、メモリ202と、通信部203と、ディスプレイ204と、入力部205と、を備える。
【0039】
プロセッサ201は、メモリ202に接続された電子回路である。プロセッサ201は、情報処理サーバ100から受信した、配達員50の画像、対象物40の内容情報及び少なくとも1つの提案内容を、ディスプレイ204に表示する。
【0040】
メモリ202は、例えば半導体メモリ及び/又はハードディスクドライブである。メモリ202は、ソフトウェアプログラム又はインストラクションを格納することができる。メモリ202に格納されたソフトウェアプログラム又はインストラクションが実行されたときに、プロセッサ201は各種処理を行う。
【0041】
通信部203は、通信ネットワークを介して情報処理サーバ100と有線通信及び無線通信の一方又は両方を行うためのネットワークアダプタである。
【0042】
ディスプレイ204は、情報処理サーバ100から受信した、配達員50の画像、対象物40の内容情報及び少なくとも1つの提案内容を表示する。例えば、ディスプレイ204は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイである。
【0043】
入力部205は、ユーザから入力を受けるための入力デバイスである。例えば、入力部205は、ディスプレイ204と一体に設けられたタッチパネル(つまり、タッチスクリーン)である。また例えば、入力部205は、機械式ボタン、マウス、キーボード、又は、これらとタッチパネルとの任意の組合せであってもよい。
【0044】
[情報処理システムの動作]
次に、以上のように構成された情報処理システム10の処理について、図6図12を参照しながら説明する。図6は、実施の形態1に係る情報処理システムの処理を示すフローチャートである。
【0045】
[ステップS101]
情報処理サーバ100のプロセッサ101は、カメラ300から配達員50の画像(以下、カメラ画像ともいう)を取得する。図7は、実施の形態1におけるカメラ画像301の一例である。図7において、カメラ画像301には、配達員50と対象物40とが含まれる。さらに、カメラ画像301には、対象物40の内容情報を特定するための特定情報が記載されたシート41が含まれている。例えば、特定情報は、バーコード及び/又は文字列でシート41に記載されている。
【0046】
[ステップS102]
情報処理サーバ100のプロセッサ101は、対象物40の内容情報を取得する。具体的には、プロセッサ101は、まず、カメラ画像301から特定情報を取得する。そして、プロセッサ101は、取得された特定情報に基づいて、第2のデータ802aを参照して、対象物40の内容情報を取得する。例えば、プロセッサ101は、カメラ画像301のシート41に記載されたバーコードを認識することにより、特定情報として「000001」を取得する。そして、プロセッサ101は、図4の第2のデータ802aを参照して、「000001」に対応する画像情報「・・・/image01.jpg」及び急ぎフラグ「1」を対象物40の内容情報として取得する。
【0047】
なお、プロセッサ101は、必ずしも、特定情報に基づいて対象物40の内容情報を取得する必要はない。例えば、プロセッサ101は、画像が取得された日時に基づいて、第2のデータ802aを参照して対象物40の内容情報を取得してもよい。例えば、カメラ画像301が撮影された日時が2018年10月30日11時55分であった場合に、プロセッサ101は、当該日時に最も近い配達予定日時「2018/10/30 12:00」に対応する画像情報「・・・/image01.jpg」及び急ぎフラグ「1」を対象物40の内容情報として取得してもよい。
【0048】
[ステップS201]
情報処理サーバ100のプロセッサ101は、センサ700の出力値であるセンサ値を取得する。例えば、センサ700がイメージセンサである場合、プロセッサ101は、画像データをセンサ値として取得する。また例えば、センサ700がオン/オフセンサである場合、プロセッサ101は、オン/オフ信号をセンサ値として取得する。
【0049】
[ステップS202]
情報処理サーバ100のプロセッサ101は、センサ700を用いてユーザ状態を取得する。具体的には、プロセッサ101は、例えば、センサ700により取得されたセンサ値に基づいてユーザ状態を取得する。より具体的には、プロセッサ101は、センサ値に基づいて、第1のデータ801aを参照してユーザ状態を取得する。このとき、プロセッサ101は、センサ値に基づいてユーザを特定し、特定されたユーザ及びセンサ値に基づいて、第1のデータ801aを参照してユーザ状態を取得してもよい。
【0050】
例えば、センサ700がイメージセンサである場合、プロセッサ101は、画像データからユーザを認識する。ユーザ認識方法としては、特に限定されず、従来技術が用いられてもよい。例えば、プロセッサ101は、ユーザ20を「USER1」と特定する。ここで、画像データに「パターン1」が含まれていれば、プロセッサ101は、図3の第1のデータ801aを参照して、ユーザ20が調理機器600を用いて調理中であることを示すユーザ状態を取得する。
【0051】
また例えば、センサ700がオン/オフセンサである場合にオン信号を取得したとき、プロセッサ101は、ユーザ20が調理機器600を用いて調理中であることを示すユーザ状態を取得する。一方、オフ信号を取得したとき、プロセッサ101は、ユーザ20が調理機器600を用いて調理中でないことを示すユーザ状態を取得する。
【0052】
[ステップS301]
情報処理サーバ100のプロセッサ101は、少なくとも1つの提案内容を決定する。具体的には、プロセッサ101は、ユーザ状態及び対象物40の内容情報に対応する少なくとも1つの提案内容を取得する。例えば、プロセッサ101は、第3のデータ803aを参照して、取得されたユーザ状態及び対象物40の内容情報に対応する少なくとも1つの提案内容を取得する。
【0053】
例えば、ユーザ状態が調理中であることを示し、かつ、対象物40の内容情報に含まれる急ぎ情報が急ぎであることを示す場合に、プロセッサ101は、図5の第3のデータ803aを参照して、調理機器600のオフを提案する第1の提案内容及び建物の出入口30の電子錠400の開錠を提案する第2の提案内容を取得する。また例えば、ユーザ状態が調理中であることを示し、かつ、急ぎ情報が急ぎでないことを示す場合に、プロセッサ101は、図5の第3のデータ803aを参照して、対象物40の再配達を提案する第1の提案内容及び対象物40の受け取りを提案する第2の提案内容を取得する。また例えば、ユーザ状態が調理中でないことを示し、かつ、急ぎ情報が急ぎであることを示す場合に、プロセッサ101は、図5の第3のデータ803aを参照して、建物の出入口30の電子錠400の開錠を提案する第1の提案内容を取得する。つまり、この場合、プロセッサ101は、単一の提案内容を取得する。また例えば、ユーザ状態が調理中でないことを示し、かつ、急ぎ情報が急ぎであることを示す場合に、プロセッサ101は、図5の第3のデータ803aを参照して、対象物40の受け取りを提案する第1の提案内容及び対象物40の再配達を提案する第2の提案内容を取得する。
【0054】
[ステップS302]
情報処理サーバ100のプロセッサ101は、決定された少なくとも1つの提案内容を表示端末200に表示させる。例えば、プロセッサ101は、少なくとも1つの提案内容を含む画面データを表示端末200に送信する。ここで、図8図12を参照しながら表示端末200に表示される画面の具体例について説明する。
【0055】
図8は、実施の形態1における第1の画面の一例を示す。第1の画面は、ユーザ状態が調理中であることを示し、かつ、急ぎ情報が急ぎであることを示す場合に表示される画面である。
【0056】
図8に示すように、ディスプレイ204には、左側から右側に、カメラ画像211と、対象物40の画像212と、調理機器600のオフを提案する第1の提案内容213及び出入口30の電子錠400の開錠を提案する第2の提案内容214とが順に表示されている。ここで、第1の提案内容213及び/又は第2の提案内容214の選択操作が行われた場合、選択された提案内容に対応する機器制御が行われる。つまり、ディスプレイ204の画面は分割されている。画面は、カメラ画像を表示する領域と、対象物の内容が表示される領域と、提案内容が表示される領域とを含む。また、ディスプレイ204には、上側に、現在日時、ログインユーザ及び各種状態が表示されている。これらの表示は、一例であり、これに限定されない。
【0057】
カメラ画像211と、対象物40の画像212と、第1の提案内容213及び第2の提案内容214とは、ディスプレイ204の水平方向に並ぶ3つの表示領域にそれぞれ表示されている。ここでは、3つの表示領域は、同一形状及び同一サイズを有する。3つの表示領域の各々は、ディスプレイ204の表示領域の約3分の1を占める正方形の領域である。なお、同一とは、厳密な同一に加えて、実質的な同一も含む。つまり、同一は、略同一を意味する。また、正方形は、厳密な正方形に加えて、厳密な正方形と実質的に同一とみなせる範囲内の形状を含む。例えば、画面は、3つの表示領域のみを含んでも良い。より限定された例では、ディスプレイ200の画面は、同一の大きさ及び形状を有する3つの表示領域のみを含んでいても良い。
【0058】
第1の提案内容213及び第2の提案内容214は、垂直方向に並んで配置されている。ここでは、第1の提案内容213が第2の提案内容214よりも上方に表示されることで、第1の提案内容213が優先表示されている。なお、優先表示の方法は、垂直方向の配置に限定されない。例えば、表示サイズ又は表示色などによって第1の提案内容213が優先表示されてもよい。
【0059】
これらのカメラ画像211と、対象物40の画像212と、第1の提案内容213及び第2の提案内容214とは、例えばディスプレイ204に同時に表示されてもよい。つまり、3つの情報の表示が同時に開始されてもよい。また例えば、カメラ画像211が表示された後に、対象物40の画像212と、第1の提案内容213及び第2の提案内容214とが、カメラ画像211と一緒に表示されてもよい。これにより、ユーザがカメラ画像211を認識した後に、対象物40の画像212と、第1の提案内容213及び第2の提案内容214とが表示されるため、ユーザは現在の状況を順番に理解しやすくなる。例えば、ユーザがカメラ画像211を見て宅配物が届いたことを認識し、ユーザが次の動作を考えた時に、対象物40の画像212と、第1の提案内容213及び第2の提案内容214とが表示されることにより、ユーザの状況に合わせた情報を提供することができる。例えば、住居、集合住宅などのユーザは、日常的に利用することになるため、ディスプレイ204に表示されるに内容を理解度が高まるため、一定以上の期間利用された場合には、カメラ画像211と、対象物40の画像212と、第1の提案内容213及び第2の提案内容214とを同時に表示することにしても良い。一定の期間の例は、1週間、1カ月、又は3カ月などである。オフィスビル、商業ビル、ホテルなどでは、ユーザが日常的に利用しない場合が考えられるため、習熟度が低いユーザが利用することになることが想定される。オフィスビル、商業ビル、ホテルなどでは、カメラ画像211を表示した後に、対象物40の画像212と、第1の提案内容213及び第2の提案内容214とを表示することで、習熟度が低いユーザにも理解しやすく表示しても良い。なお、対象物40の画像212と、第1の提案内容213及び第2の提案内容214とを同時に表示する例を説明したが、カメラ画像211と、対象物40の画像212と、第1の提案内容213及び第2の提案内容214とをそれぞれ順番に表示しても良い。
【0060】
ここで、第1の画面に、カメラ画像211と、対象物40の画像212と、第1の提案内容213及び第2の提案内容214と含まれている意味を説明する。建物の出入口30に配達員50が到着した場合、配達員50の到着をユーザ20に認識させるために、カメラ画像211が含まれる。配達員50が配達する対象物40の内容を示すために対象物40の画像212が含まれる。これにより、ユーザ20は、配達員50が配達する対象物40が何かを認識することができる。
【0061】
カメラ画像211と対象物40の画像212とに対応して、ユーザ20の次の行動を誘導するために、第1の画面は、第1の提案内容213及び第2の提案内容214を含む。対象物40の画像212に基づいたユーザ20の次の行動として、対象物40を受け取るための行動の可能性が高いため、第1の提案内容213及び第2の提案内容214を表示している。つまり、急ぎの対象物40を受け取るために調理機器600のOFF及び/又は電子錠400の開錠を行う可能性が高いという仮定に基づいて、第1の提案内容213及び第2の提案内容214が含まれている。
【0062】
つまり、第1の画面は、ユーザ20に配達される対象物40を容易に確認できるように、カメラ画像301及び対象物40の画像212を含む。さらに、カメラ画像301及び対象物40の画像212に基づいたユーザ20の次の行動として、第1の画面は、第1の提案内容213及び第2の提案内容214を含む。ユーザ20は、第1の画面を見ることにより、対象物40を配達する配達員50の到着、対象物40の内容、及び次の行動を一度に確認及び行動を実行することができる。
【0063】
図9は、実施の形態1における第2の画面の一例を示す。第2の画面は、ユーザ状態が調理中であることを示し、かつ、急ぎ情報が急ぎでないことを示す場合に表示される画面である。
【0064】
図9に示すように、ディスプレイ204には、左側から右側に、カメラ画像211と、対象物40の画像212と、対象物40の再配達を提案する第1の提案内容215及び対象物40の受け取りを提案する第2の提案内容216とが順に表示されている。ここで、第1の提案内容215の選択操作が行われた場合、例えば後述する第3の画面がディスプレイ204に表示される。一方、第2の提案内容216の選択操作が行われた場合、例えば図8の第1の画面が表示される。
【0065】
ユーザ20は、第2の画面を見ることにより、対象物40を配達する配達員50の到着、対象物40の内容、及び次の行動を一度に確認及び行動を実行することができる。
【0066】
図10は、実施の形態1における第3の画面の一例を示す。第3の画面は、対象物40の再配達を提案する提案内容が選択された後に表示される画面である。
【0067】
図10に示すように、ディスプレイ204には、左側から右側に、カメラ画像211と、対象物40の画像212と、再配達の時間を指定して配達員50の情報端末500に再配達依頼を送信するためのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)217とが順に表示されている。ユーザ20は、GUI217を操作することにより、再配達の時間を指定することができる。例えば、GUI217が押下された場合に、指定時間後に配達員50に対象物40の再配達を依頼する再配達依頼を情報端末500に送信することができる。つまり、対象物40の再配達を提案する提案内容の選択が受け付けられた場合に、情報端末500に対象物40の再配達依頼が送信される。
【0068】
図11は、実施の形態1における第4の画面の一例を示す。第4の画面は、ユーザ状態が調理中でないことを示し、かつ、急ぎ情報が急ぎであることを示す場合に表示される画面である。
【0069】
図11に示すように、ディスプレイ204には、左側から右側に、カメラ画像211と、対象物40の画像212と、出入口30の電子錠400の開錠を提案する第1の提案内容218とが順に表示されている。ここで、第1の提案内容218の選択操作が行われた場合、電子錠400が開錠される。
【0070】
ユーザ20は、第4の画面を見ることにより、対象物40を配達する配達員50の到着、対象物40の内容、及び次の行動を一度に確認及び行動を実行することができる。
【0071】
図12は、実施の形態1における第5の画面の一例を示す。第5の画面は、ユーザ状態が調理中でないことを示し、かつ、急ぎ情報が急ぎでないことを示す場合に表示される画面である。
【0072】
図12に示すように、ディスプレイ204には、左側から右側に、カメラ画像211と、対象物40の画像212と、対象物40の受け取りを提案する第1の提案内容219及び対象物40の再配達を提案する第2の提案内容220とが順に表示されている。ここで、第1の提案内容219の選択操作が行われた場合、例えば図11の第4の画面が表示される。一方、第2の提案内容220の選択操作が行われた場合、例えば図10の第3の画面が表示される。
【0073】
ユーザ20は、第5の画面を見ることにより、対象物40を配達する配達員50の到着、対象物40の内容、及び次の行動を一度に確認及び行動を実行することができる。
【0074】
[ステップS303]
情報処理サーバ100のプロセッサ101は、選択された提案内容に基づく制御を行う。例えば、表示端末200において出入口30の電子錠400の開錠を提案する提案内容(例えば図8の第2の提案内容214)の選択が受け付けられた場合、プロセッサ101は、電子錠400に開錠信号を送信する。これにより、電子錠400が開錠される。また例えば、表示端末200において調理機器600のオフを提案する提案内容(例えば図8の第1の提案内容213)の選択が受け付けられた場合、調理機器600にオフ信号を送信する。これにより、調理機器600が非稼働になる。出入口30が、集合住宅、オフィスビル、商業ビル、ホテルのパブリックスペースのドアの電子錠400の場合、開錠信号の受信後に、第1期間以下後に、電子錠400を開錠しても良い。第1期間の例は、通信に要する時間、又は数秒である。しかし、出入口30が、住居、事務所、店舗などのプライバシースペースに直接通じるドアである場合、ユーザが出入口30に到達する前に、宅配員50がプライバシースペースに侵入することができるようになるため、ユーザが安心して利用することができない可能性がある。そこで、プライバシースペースへの出入口30の電子錠40は、パブリックスペースの出入口30の電子錠40に比べて、開錠信号の受信後、第1期間よりも長い第2期間を設定しても良い。第2期間の例は、出入口30に移動に要する平均時間、又は30秒である。または、ユーザが設定できるようにしても良い。例えば、住居の場合、第2の期間をユーザからキッチンまでの距離対応する移動時間を設定しても良い。
【0075】
[効果等]
以上にように、本実施の形態に係る情報処理システム10において、情報処理サーバ100は、(a)対象物40をユーザ20の建物に配達する配達員50の画像が建物の出入口30に設置されたカメラ300で撮影されたとき、ユーザ20が調理機器600を用いて調理中であるか否かを示すユーザ状態をセンサ700を用いて取得し、(b)対象物40の内容情報を取得し、(c)ユーザ状態及び対象物40の内容情報に対応する少なくとも1つの提案内容を取得し、(d)建物内に配置された表示端末200に、配達員50の画像と、対象物40の内容情報と、少なくとも1つの提案内容とを表示させることができる。
【0076】
これにより、ユーザ状態及び対象物40の内容情報に応じた提案内容を表示端末200に表示することができる。つまり、ユーザ20及び対象物40に適した提案内容をユーザ20に提示することができる。さらに、配達員50の画像に加えて、対象物40の内容情報も表示することができるので、ユーザ20は、対象物40の内容に応じて次の行動を判断することができる。したがって、対象物40を配達する配達員50が到着した際に、ユーザ20が次の行動を判断するための情報を効果的にユーザ20に提示することができる。
【0077】
また、本実施の形態に係る情報処理システム10において、対象物40の内容情報は、対象物40の配達が急ぎであるか否かを示す急ぎ情報を含み、情報処理サーバ100は、上記(c)において、ユーザ状態が調理中であることを示し、かつ、急ぎ情報が急ぎであることを示す場合に、少なくとも1つの提案内容として、調理機器600のオフを提案する提案内容及び建物の出入口30の電子錠400の開錠を提案する提案内容を取得することができる。
【0078】
これにより、ユーザ20が調理中に急ぎ配達の対象物40が到着した場合に、対象物40を安全に受け取るために必要な行動を提案する提案内容をユーザに提示することができる。つまり、急ぎ配達の対象物40の受け取りの延期を防ぎつつ、調理機器600による事故の発生を抑制するための行動を提案する提案内容をユーザに提示することができ、ユーザ20が次の行動を判断するための情報をより効果的にユーザ20に提示することが可能となる。
【0079】
また、本実施の形態に係る情報処理システム10において、情報処理サーバ100は、上記(c)において、ユーザ状態が調理中であることを示し、かつ、急ぎ情報が急ぎでないことを示す場合に、少なくとも1つの提案内容として、対象物40の再配達を提案する提案内容及び対象物40の受け取りを提案する提案内容を取得することができる。
【0080】
これにより、ユーザ20が調理中に非急ぎ配達の対象物40が到着した場合に、対象物40の再配達及び受け取りの中から次の行動を選択可能な提案内容を提示することができる。つまり、ユーザ20は、対象物40の内容情報を参照して、対象物40の再配達及び受け取りを個別に判断することができる。すなわち、情報処理サーバ100は、ユーザ20が次の行動を判断するための情報をより効果的にユーザ20に提示することができる。
【0081】
また、本実施の形態に係る情報処理システム10において、情報処理サーバ100は、上記(c)において、ユーザ状態が調理中でないことを示し、かつ、急ぎ情報が急ぎであることを示す場合に、少なくとも1つの提案内容として、建物の出入口30の電子錠の開錠を提案する提案内容を取得することができる。
【0082】
これにより、ユーザ20が非調理中に急ぎ配達の対象物40が到着した場合に、対象物40を受け取るために必要な行動を提案する提案内容をユーザに提示することができる。このような場合には、ユーザ20の次の行動として、対象物40の再配達の依頼が選択される可能性が低いため、ユーザ20が次の行動を判断するための情報をより効果的にユーザ20に提示することができる。
【0083】
また、本実施の形態に係る情報処理システム10において、情報処理サーバ100は、上記(c)において、ユーザ状態が調理中でないことを示し、かつ、急ぎ情報が急ぎであることを示す場合に、少なくとも1つの提案内容として、対象物40の受け取りを提案する提案内容及び対象物40の再配達を提案する提案内容を取得することができる。
【0084】
これにより、ユーザ20が非調理中に非急ぎ配達の対象物40が到着した場合に、対象物40の受け取り及び再配達の中から次の行動を選択可能な提案内容を提示することができる。つまり、ユーザ20は、対象物40の内容情報を参照して、対象物40の受け取り及び再配達を個別に判断することができる。すなわち、情報処理サーバ100は、ユーザ20が次の行動を判断するための情報をより効果的にユーザ20に提示することができる。
【0085】
なお、本実施の形態において、対象物40の内容情報は、急ぎ情報を含んでいたが、これに限られない。例えば、対象物40の内容情報は、対象物40の種別を含んでもよい。対象物40の種別は、例えば生鮮食品及び冷凍食品などに対象物40を分類する。この場合、ユーザ状態と対象物40の種別とに基づいて少なくとも1つの提案内容が取得される。
【0086】
なお、本実施の形態において、対象物40の内容情報は、対象物40の画像を含んでいたが、対象物40の画像の代わりに対象物40の商品名を含んでもよい。また、対象物40の内容情報は、対象物40の画像及び対象物40の商品名の両方を含んでもよい。
【0087】
なお、本実施の形態において図示された画面及びデータは、一例であり、これに限定されない。例えば、3つの情報の表示領域のサイズ及び形状は同一でなくてもよい。また、図5におけるユーザ状態及び急ぎフラグと第1の提案内容及び第2の提案内容との組み合わせは一例であり、これに限定されない。ユーザ状態及び急ぎフラグに対して、図5とは異なる第1の提案内容及び第2の提案内容が対応付けられてもよい。
【0088】
例えば、図13に示すように、第1の提案内容及び第2の提案内容として、「開錠」及び「後で受け取る」が用いられてもよい。また例えば、図14に示すように、第1の提案内容及び第2の提案内容として、「調理機器OFF」及び「後で受け取る」が用いられてもよい。また例えば、図15に示すように、第1の提案内容及び第2の提案内容として、「今受け取る」及び「再配達時間の指定」が用いられてもよい。また例えば、図16に示すように、第1の提案内容及び第2の提案内容として、「開錠&調理機器OFF」及び「後で受け取る」が用いられてもよい。
【0089】
なお、図8図16の画面例が表示されるユーザ状態及び急ぎフラグの値は、特に限定される必要はなく、任意のユーザ状態及び急ぎフラグの値に対して図8図16の画面例を表示することができる。
【0090】
なお、本実施の形態では、第1のデータ801a、第2のデータ802a及び第3のデータ803aが参照されていたが、これに限定されない。例えば、第1のデータ801aは参照されなくてもよい。この場合、例えば、調理機器600のオン/オフ信号から調理中か否かが直接的に判定されてもよい。また、第2のデータ802aは参照されなくてもよい。この場合、例えば、カメラ画像から対象物40の内容情報が直接的に取得されてもよい。また、第3のデータ803aは参照されなくてもよい。この場合、第3のデータ803aがハードコーディングされてもよい。
【0091】
なお、本実施の形態において、図6のフローチャートにおける処理の順序は、一例であり、これに限定されない。例えば、ステップS101、S102よりも前にステップS201、S202が実行されてもよい。
【0092】
また、サービス提供システムが一定期間の経過された後であり、かつ、ステップS303の終了後に、ステップS302でディスプレイ200の画面に、各表示領域に順番に表示する方法、又は同時に表示する方法の選択画面を表示し、ユーザの希望を確認しても良い。ユーザの選択した表示方法に基づいて、次回のサービス提供時のステップS302の表示の方法を決定する。
【0093】
なお、ユーザが、図8図12に示す第1の画面から第5の画面のいずれを表示するかを選択できるようにしても良い。例えば、第1の画面を表示する初期設定がされており、図6に示すフローチャートの処理を終了した後に、ユーザに、ディスプレイ200に、第1の画面から第5の画面と、次回以降に表示を希望する画面の選択を要望するメッセージとを表示しても良い。次回以降、ユーザに選択された画面に基づいてユーザに提案内容を表示する。例えば、第1の画面から第5の画面は、時間的に順番に表示される。また、ユーザが希望する画面で一定回数の処理が実行された後、再度、ディスプレイ200に、第1の画面から第5の画面と、次回以降に表示を希望する画面の選択を要望するメッセージとを表示しても良い。一定回数の例は、10回、30回、又は50回である。一定回数ごとに表示画面の選択要望を繰り返し、連続して同じ画面が選択された場合には、その後は、希望する画面の選択を要望しなくても良い。
【0094】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。本実施の形態では、表示端末に表示する画面の情報の提供を含むサービスを提供するサービス提供システムについて説明する。
【0095】
[提供するサービスの全体像]
図17Aには、実施の形態2におけるサービス提供システムの全体像が示されている。
【0096】
グループ1000は、例えば企業、団体、家庭等であり、その規模を問わない。グループ1000には、複数の機器1010に含まれる機器A、機器B及びホームゲートウェイ1020が存在する。例えば、機器Aは、上記実施の形態1における調理機器600である。複数の機器1010には、インターネットと接続可能な機器(例えば、スマートフォン、PC、TV等)もあれば、それ自身ではインターネットと接続不可能な機器(例えば、照明、洗濯機等)も存在する。それ自身ではインターネットと接続不可能な機器であっても、ホームゲートウェイ1020を介してインターネットと接続可能となる機器が存在してもよい。またグループ1000には複数の機器1010を使用するユーザ990Aが存在する。
【0097】
データセンタ運営会社1100には、クラウドサーバ1110が存在する。クラウドサーバ1110とはインターネットを介して様々な機器と連携する仮想化サーバである。例えば、クラウドサーバ1110は、上記実施の形態1における情報処理サーバ100である。クラウドサーバ1110は、主に通常のデータベース管理ツール等で扱うことが困難な巨大なデータ(ビッグデータ)等を管理する。データセンタ運営会社1100は、データ管理やクラウドサーバ1110の管理、それらを行うデータセンタの運営等を行っている。データセンタ運営会社1100が行っている役務については詳細を後述する。ここで、データセンタ運営会社1100は、データ管理やクラウドサーバ1110の運営等のみを行っている会社に限らない。例えば複数の機器1010のうちの1つの機器を開発・製造している機器メーカが、併せてデータ管理やクラウドサーバ1110の管理等を行っている場合は、機器メーカがデータセンタ運営会社1100に該当する(図17B)。また、データセンタ運営会社1100は1つの会社に限らない。例えば機器メーカ及び他の管理会社が共同もしくは分担してデータ管理やクラウドサーバ1110の運営を行っている場合は、両者もしくはいずれか一方がデータセンタ運営会社1100に該当するものとする(図17C)。
【0098】
サービスプロバイダ1200は、サーバ1210を保有している。ここで言うサーバ1210とは、その規模は問わず例えば、個人用PC内のメモリ等も含む。また、サービスプロバイダがサーバ1210を保有していない場合もある。
【0099】
なお、上記サービスにおいてホームゲートウェイ1020は必須ではない。例えば、クラウドサーバ1110が全てのデータ管理を行っている場合等は、ホームゲートウェイ1020は不要となる。また、家庭内のあらゆる機器がインターネットに接続されている場合のように、それ自身ではインターネットと接続不可能な機器は存在しない場合もある。
【0100】
次に、上記サービスにおける情報の流れを説明する。
【0101】
まず、グループ1000の機器A又は機器Bは、各機器で得られた情報をデータセンタ運営会社1100のクラウドサーバ1110に送信する。クラウドサーバ1110は機器A又は機器Bの情報を集積する(図17Aの(a))。ここで集積される情報は、複数の機器1010の、例えば運転状況や動作日時、動作モード、位置等を示す情報である。例えば、テレビの視聴履歴やレコーダの録画予約情報、洗濯機の運転日時・洗濯物の量、冷蔵庫の開閉日時・開閉回数、冷蔵庫内の食品の量などであるが、これらのものに限らずあらゆる機器から取得が可能なすべての情報をいう。情報は、インターネットを介して複数の機器1010自体から直接クラウドサーバ1110に提供される場合もある。また複数の機器1010から一旦ホームゲートウェイ1020に情報が集積され、ホームゲートウェイ1020からクラウドサーバ1110に提供されてもよい。
【0102】
次に、データセンタ運営会社1100のクラウドサーバ1110は、集積した情報を一定の単位でサービスプロバイダ1200に提供する。ここで、一定の単位は、データセンタ運営会社が集積した情報を整理してサービスプロバイダ1200に提供することのできる単位でもいいし、サービスプロバイダ1200が要求した単位でもいい。一定の単位と記載したが一定でなくてもよく、状況に応じて提供する情報量が変化する場合もある。情報は、必要に応じてサービスプロバイダ1200が保有するサーバ1210に保存される(図17Aの(b))。そして、サービスプロバイダ1200は、情報をユーザに提供するサービスに適合する情報に整理し、ユーザに提供する。提供するユーザは、複数の機器1010を使用するユーザ990Aでもよいし、外部のユーザ990Bでもよい。ユーザへのサービス提供方法は、例えば、サービスプロバイダから直接ユーザへ提供されてもよい(図17Aの(e)、(f))。また、ユーザへのサービス提供方法は、例えば、データセンタ運営会社1100のクラウドサーバ1110を再度経由して、ユーザに提供されてもよい(図17Aの(c)、(d))。また、データセンタ運営会社1100のクラウドサーバ1110が情報をユーザに提供するサービスに適合する情報に整理し、サービスプロバイダ1200に提供してもよい。
【0103】
なお、ユーザ990Aとユーザ990Bとは、別でも同一でもよい。
【0104】
上記態様において説明された技術は、例えば、以下のクラウドサービスの類型において実現されうる。しかし、上記態様において説明された技術が実現される類型はこれに限られるものでない。
【0105】
[サービスの類型1:自社データセンタ型]
図18は、サービスの類型1(自社データセンタ型)を示す。本類型は、サービスプロバイダ1200がグループ1000から情報を取得し、ユーザに対してサービスを提供する類型である。本類型では、サービスプロバイダ1200が、データセンタ運営会社の機能を有している。即ち、サービスプロバイダが、ビッグデータの管理をするクラウドサーバ1110を保有している。したがって、データセンタ運営会社は存在しない。
【0106】
本類型では、サービスプロバイダ1200は、データセンタ903(クラウドサーバ1110)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ1200は、OS902及びアプリケーション901を管理する。サービスプロバイダ1200は、サービスプロバイダ1200が管理するOS902及びアプリケーション901を用いてサービス904の提供を行う。
【0107】
[サービスの類型2:IaaS利用型]
図19は、サービスの類型2(IaaS利用型)を示す。ここでIaaSとはインフラストラクチャー・アズ・ア・サービスの略であり、コンピュータシステムを構築及び稼動させるための基盤そのものを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
【0108】
本類型では、データセンタ運営会社1100がデータセンタ903(クラウドサーバ1110)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ1200は、OS902及びアプリケーション901を管理する。サービスプロバイダ1200は、サービスプロバイダ1200が管理するOS902及びアプリケーション901を用いてサービス904の提供を行う。
【0109】
[サービスの類型3:PaaS利用型]
図20は、サービスの類型3(PaaS利用型)を示す。ここでPaaSとはプラットフォーム・アズ・ア・サービスの略であり、ソフトウエアを構築及び稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
【0110】
本類型では、データセンタ運営会社1100は、OS902を管理し、データセンタ903(クラウドサーバ1110)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ1200は、アプリケーション901を管理する。サービスプロバイダ1200は、データセンタ運営会社が管理するOS902及びサービスプロバイダ1200が管理するアプリケーション901を用いてサービス904の提供を行う。
【0111】
[サービスの類型4:SaaS利用型]
図21は、サービスの類型4(SaaS利用型)を示す。ここでSaaSとはソフトウエア・アズ・ア・サービスの略である。例えばデータセンタ(クラウドサーバ)を保有しているプラットフォーム提供者が提供するアプリケーションを、データセンタ(クラウドサーバ)を保有していない会社・個人(利用者)がインターネットなどのネットワーク経由で使用できる機能を有するクラウドサービス提供モデルである。
【0112】
本類型では、データセンタ運営会社1100は、アプリケーション901を管理し、OS902を管理し、データセンタ903(クラウドサーバ1110)を運営、管理している。また、サービスプロバイダ1200は、データセンタ運営会社1100が管理するOS902及びアプリケーション901を用いてサービス904の提供を行う。
【0113】
以上いずれの類型においても、サービスプロバイダ1200がサービス提供行為を行ったものとする。また例えば、サービスプロバイダもしくはデータセンタ運営会社は、OS、アプリケーションもしくはビッグデータのデータベース等を自ら開発してもよいし、また、第三者に外注させてもよい。
【0114】
(他の実施の形態)
以上、本開示の1つまたは複数の態様に係る情報処理システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の1つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0115】
例えば、本開示の一態様は、このような情報処理システムだけではなく、情報処理システムに含まれるプロセッサが行う処理をステップとする表示制御方法であってもよい。また、本開示の一態様は、表示制御方法に含まれる特徴的な各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであってもよい。また、本開示の一態様は、そのようなコンピュータプログラムが記録された、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体であってもよい。
【0116】
このようなプログラムは、コンピュータに、(a)対象物をユーザの建物に配達する配達員の画像が前記建物の出入口に設置されたカメラで撮影されたとき、前記ユーザが調理機器を用いて調理中であるか否かを示すユーザ状態をセンサを用いて取得し、(b)前記対象物の内容情報を取得し、(c)前記ユーザ状態及び前記対象物の内容情報に対応する少なくとも1つの提案内容を取得し、(d)前記建物内に配置された表示端末に、前記配達員の画像と、前記対象物の内容情報と、前記少なくとも1つの提案内容とを表示させる。
【0117】
本開示において、ユニット、デバイスの全部又は一部、又は図2に示されるブロック図の機能ブロックの全部又は一部は、半導体装置、半導体集積回路(IC)、又はLSI(large scale integration)を含む1つ又は1つ以上の電子回路によって実行されてもよい。LSI又はICは、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップを組み合わせて構成されてもよい。例えば、記憶素子以外の機能ブロックは、1つのチップに集積されてもよい。ここでは、LSIやICと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、若しくはULSI(ultra large scale integration)と呼ばれるかもしれない。LSIの製造後にプログラムされる、Field Programmable Gate Array(FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができるreconfigurable logic deviceも同じ目的で使うことができる。
【0118】
さらに、ユニット、装置、又は装置の一部の、全部又は一部の機能又は操作は、ソフトウエア処理によって実行することが可能である。この場合、ソフトウエアは1つ又は1つ以上のROM、光学ディスク、ハードディスクドライブ、などの非一時的記録媒体に記録され、ソフトウエアが、処理装置(processor)によって実行された場合に、ソフトウエアは、ソフトウエア内の特定の機能を、処理装置(processor)と周辺のデバイスに実行させる。システム又は装置は、ソフトウエアが記録されている1つ又は1つ以上の非一時的記録媒体、処理装置(processor)、及び必要とされるハードウエアデバイス、例えばインターフェース、を備えていても良い。
【産業上の利用可能性】
【0119】
対象物を配達する配達員がユーザの建物に到着したときにユーザの行動を提案する情報処理システムに利用できる。
【符号の説明】
【0120】
10 情報処理システム
20 ユーザ
30 出入口
40 対象物
50 配達員
100 情報処理サーバ
101、201 プロセッサ
102、202 メモリ
103、203 通信部
200 表示端末
204 ディスプレイ
205 入力部
300 カメラ
400 電子錠
500 情報端末
600 調理機器
700 センサ
801 第1のデータベース
801a 第1のデータ
802 第2のデータベース
802a 第2のデータ
803 第3のデータベース
803a 第3のデータ
図1
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