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特開2024-96253売価管理装置、制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096253
(43)【公開日】2024-07-12
(54)【発明の名称】売価管理装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240705BHJP
   G06Q 30/0283 20230101ALI20240705BHJP
   G06Q 20/20 20120101ALI20240705BHJP
【FI】
G06Q30/0601 322
G06Q30/0283
G06Q20/20 300
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024072593
(22)【出願日】2024-04-26
(62)【分割の表示】P 2023077762の分割
【原出願日】2020-01-08
(31)【優先権主張番号】P 2019036248
(32)【優先日】2019-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】池澤 るみ
(57)【要約】
【課題】売価を的確に顧客の携帯端末に表示することが可能な売価管理装置、売価管理システム、制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】売価管理装置は、取得部と、第2受信部と、更新部と、確認部と、表示変更部とを備える。取得部は、商品の販売に関する情報を管理するPOSサーバから売価の変更に関する売価変更情報を受信する。第2受信部は、顧客が使用する携帯端末から顧客が入店した店において購入予定の商品を示す商品識別情報を受信する。更新部は、商品識別情報に基づき、購入予定の商品のリストである購入商品リストを生成又は更新する。確認部は、売価変更情報と、購入商品リストとに基づき、購入商品リストの商品に対する売価の変更要否を確認する。表示変更部は、上記の変更要否に基づき、携帯端末が表示する購入商品リストの商品に対する売価の表示を変更する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が使用する携帯端末から、前記顧客が入店した店に設けられたコード情報を前記携帯端末が読み取ることで取得された前記店の識別情報を受信する第1受信手段と、
前記識別情報が示す前記店での売価の変更に関する売価変更情報を取得する取得手段と、
前記携帯端末から前記店において前記顧客が購入予定の商品を示す商品識別情報を受信する第2受信手段と、
前記売価変更情報と、前記商品識別情報とに基づき、前記購入予定の商品に対する売価の変更が必要と判定した場合に、前記携帯端末が表示する前記購入予定の商品に対する売価の表示を変更させる表示変更手段と、
を有する売価管理サーバ。
【請求項2】
前記第1受信手段は、前記携帯端末を使用する顧客を識別する顧客識別情報をさらに受信し、
前記顧客識別情報に基づき、前記識別情報が示す前記店での前記顧客の会員登録の有無又は前記顧客の会員ランクを認識する認識手段を有し、
前記取得手段は、前記会員登録の有無又は前記会員ランクに基づく前記売価の変更に関する前記売価変更情報を取得し、
前記判定手段は、前記会員登録の有無又は前記会員ランクに基づく前記売価の変更に関する前記売価変更情報に基づいて前記変更要否を判定する、請求項1に記載の売価管理サーバ。
【請求項3】
前記商品識別情報に基づき、前記商品のリストである購入商品リストを生成又は更新する更新手段をさらに備える、請求項1または2に記載の売価管理サーバ。
【請求項4】
前記表示変更手段は、前記購入商品リストの更新があった場合であって、前記売価の変更が必要な場合に、当該売価の変更を、遅くとも、前記顧客が前記店において精算を行う前に、前記売価の表示に反映させる、請求項3に記載の売価管理サーバ。
【請求項5】
前記表示変更手段は、前記購入商品リストの更新があった場合であって、前記売価の変更が必要な場合に、当該売価の変更を、前記売価の表示に即時に反映させる、請求項4に記載の売価管理サーバ。
【請求項6】
前記表示変更手段は、前記購入商品リストの更新があった場合であって、前記売価の変更が必要な場合に、当該売価の変更を、前記携帯端末への所定の入力を検知した場合に、前記売価の表示に反映させる、請求項4に記載の売価管理サーバ。
【請求項7】
前記表示変更手段は、前記購入商品リストの更新があった場合であって、前記売価の変更が必要な場合に、当該売価の変更が生じた額を前記携帯端末に表示させる、請求項1~6のいずれか一項に記載の売価管理サーバ。
【請求項8】
前記売価変更情報は、合計額を条件とした値引又は割引に関する情報を含み、
前記表示変更手段は、前記値引又は割引が適用されるまでに必要な合計額と前記購入商品リストの商品に対する売価との差額を前記携帯端末に表示させる、請求項1~7のいずれか一項に記載の売価管理サーバ。
【請求項9】
売価管理サーバが実行する制御方法であって、
顧客が使用する携帯端末から、前記顧客が入店した店に設けられたコード情報を前記携帯端末が読み取ることで取得された前記店の識別情報を受信し、
前記識別情報が示す前記店での売価の変更に関する売価変更情報を取得し、
前記携帯端末から前記店において前記顧客が購入予定の商品を示す商品識別情報を受信し、
前記売価変更情報と、前記商品識別情報とに基づき、前記購入予定の商品に対する売価の変更が必要と判定した場合に、前記携帯端末が表示する前記購入予定の商品に対する売価の表示を変更させる、制御方法。
【請求項10】
コンピュータが実行するプログラムであって、
顧客が使用する携帯端末から、前記顧客が入店した店に設けられたコード情報を前記携帯端末が読み取ることで取得された前記店の識別情報を受信する第1受信手段と、
前記識別情報が示す前記店での売価の変更に関する売価変更情報を取得する取得手段と、
前記携帯端末から前記店において前記顧客が購入予定の商品を示す商品識別情報を受信する第2受信手段と、
前記売価変更情報と、前記商品識別情報とに基づき、前記購入予定の商品に対する売価の変更が必要と判定した場合に、前記携帯端末が表示する前記購入予定の商品に対する売価の表示を変更させる表示変更手段
として前記コンピュータを機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、売価を管理する売価管理装置、売価管理システム、制御方法及びプログラムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
来店した顧客が商品を購入するための商品販売システムとして、顧客が所有するスマートフォンなどの携帯端末を用いて、顧客が商品のバーコードを読み取って商品登録を行い、精算を行うシステムが知られている。例えば、特許文献1には、購入対象となる商品の商品情報を取得し、取得した全ての商品情報を含む精算情報を管理サーバに送信する携帯端末と、精算情報に含まれる商品情報に基づいて、各商品名を価格の高い順に列記したソート明細情報を生成及び出力する管理サーバとを備えたセルフショッピングシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-41354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
商品の売価は、セット販売などの所定の条件に応じて変更されることがある。このような商品の売価が生じた場合に、特許文献1に記載のセルフショッピングシステム等では、顧客は、精算時になるまで正しい売価を知ることができないという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、上述した課題を鑑み、売価を的確に顧客の携帯端末に表示することが可能な売価管理装置、売価管理システム、制御方法及びプログラムを提供することを主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
売価管理装置の一の態様は、売価管理サーバであって、顧客が使用する携帯端末から、前記顧客が入店した店に設けられたコード情報を前記携帯端末が読み取ることで取得された前記店の識別情報を受信する第1受信手段と、前記識別情報が示す前記店での売価の変更に関する売価変更情報を取得する取得手段と、前記携帯端末から前記店において前記顧客が購入予定の商品を示す商品識別情報を受信する第2受信手段と、前記売価変更情報と、前記商品識別情報とに基づき、前記購入予定の商品に対する売価の変更が必要と判定した場合に、前記携帯端末が表示する前記購入予定の商品に対する売価の表示を変更させる表示変更手段と、を有する。
【0007】
制御方法の一の態様は、売価管理サーバが実行する制御方法であって、顧客が使用する携帯端末から、前記顧客が入店した店に設けられたコード情報を前記携帯端末が読み取ることで取得された前記店の識別情報を受信し、前記識別情報が示す前記店での売価の変更に関する売価変更情報を取得し、前記携帯端末から前記店において前記顧客が購入予定の商品を示す商品識別情報を受信し、前記売価変更情報と、前記商品識別情報とに基づき、前記購入予定の商品に対する売価の変更が必要と判定した場合に、前記携帯端末が表示する前記購入予定の商品に対する売価の表示を変更させる。
【0008】
プログラムの一の態様は、コンピュータが実行するプログラムであって、顧客が使用する携帯端末から、前記顧客が入店した店に設けられたコード情報を前記携帯端末が読み取ることで取得された前記店の識別情報を受信する第1受信手段と、前記識別情報が示す前記店での売価の変更に関する売価変更情報を取得する取得手段と、前記携帯端末から前記店において前記顧客が購入予定の商品を示す商品識別情報を受信する第2受信手段と、前記売価変更情報と、前記商品識別情報とに基づき、前記購入予定の商品に対する売価の変更が必要と判定した場合に、前記携帯端末が表示する前記購入予定の商品に対する売価の表示を変更させる表示変更手段として前記コンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、購入予定の商品に対する売価を、顧客が使用する携帯端末に的確に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る売価管理システムの構成を示す。
図2】POSサーバの概略構成を示す。
図3】売価管理サーバの概略構成を示す。
図4】携帯端末の概略構成を示す。
図5】売価変更情報のデータ構造の一例である。
図6】購入商品リスト画面の表示に関する売価管理サーバ及び携帯端末の機能ブロック図である。
図7】購入商品リスト画面の表示に関するフローチャートの一例である。
図8】購入商品リストがいずれの売価変更条件にも該当しない場合の購入商品リスト画面の表示例である。
図9図8に示す状態から商品「パン」が購入商品として追加された場合の購入商品リスト画面の表示例である。
図10図8に示す状態から商品「パン」が購入商品として追加された場合の購入商品リスト画面の第2の表示例である。
図11】変形例1における購入商品リスト画面の表示例である。
図12図11においてユーザがディスカウント反映ボタンをタップした直後の購入商品リスト画面の表示例を示す。
図13】変形例2における売価管理システムの構成例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、売価管理装置、売価管理システム、制御方法及びプログラムの実施形態について説明する。
【0012】
[売価管理システムの構成]
図1は、本実施形態に係る売価管理システム100の構成を示す。売価管理システム100は、主に、POSサーバ1と、売価管理サーバ2と、携帯端末3と、精算機5とを備える。売価管理システム100では、携帯端末3を使用する顧客は、商品の販売を行う店8内において商品のバーコード7を読み取ることで、購入予定の商品(「購入商品」とも呼ぶ。)の登録を行い、店8内の精算機5を用いて、又は電子決済により、精算を行う。
【0013】
POSサーバ1は、店8で販売される商品に関する価格、在庫状況などを含む商品情報、店8の売上情報などの種々の販売情報を管理するサーバである。POSサーバ1は、売価管理サーバ2及び精算機5とネットワーク等を介して通信可能である。なお、POSサーバ1は、店8を含む系列店舗の販売情報を一括して管理するものであってもよく、店舗毎に存在し、店8の販売情報のみを管理するものであってもよい。
【0014】
売価管理サーバ2は、携帯端末3の表示制御を行うサーバ装置であり、携帯端末3及びPOSサーバ1とネットワーク等を介して通信可能となっている。売価管理サーバ2は、携帯端末3の表示制御に必要な情報をPOSサーバ1から取得し、記憶している。売価管理サーバ2は、携帯端末3が各種画面を表示するための表示情報を携帯端末3に送信する。上述の各種画面には、携帯端末3がバーコード7を読み取ることで登録された購入商品のリスト(「購入商品リスト」とも呼ぶ。)を、売価と共に表示する画面(「購入商品リスト画面」とも呼ぶ。)が含まれる。
【0015】
なお、売価管理サーバ2は、複数のサーバ装置により構成されてもよい。例えば、売価管理サーバ2は、携帯端末3とのデータ授受などの携帯端末3とのインターフェース動作を主に行うサーバ装置と、POSサーバ1から取得する情報及び購入商品リストなどの種々の情報を記憶・管理するサーバ装置とから構成されてもよい。この場合、前者のサーバ装置は、所謂アプリケーションサーバとして機能し、後者のサーバ装置は、所謂データベースサーバとして機能する。この場合、これらのサーバ装置は、それぞれが割り当てられた処理を実行するのに必要な情報の授受を、ネットワーク等を介して行う。
【0016】
携帯端末3は、店8で買い物を行う顧客が使用する携帯端末であり、商品に付されたバーコード7を読み取る機能、売価管理サーバ2と通信を行うことで購入商品リスト画面などの各種画面を表示する機能などを有する。なお、図1では、説明の便宜上、携帯端末3は1つのみ表示されているが、店8に入店している顧客の数だけ実際には存在している。
【0017】
精算機5は、顧客が携帯端末3を用いて精算を行うための精算機(所謂セルフ精算機)である。精算機5は、POSサーバ1と通信可能であって、精算に必要な種々の情報の授受をPOSサーバ1と行う。
【0018】
[装置構成]
次に、POSサーバ1、売価管理サーバ2、携帯端末3の各構成について図2図4を参照して説明する。
【0019】
図2は、POSサーバ1の概略構成を示す。POSサーバ1は、主に、記憶部13と、データ通信を行う通信部14と、制御部15とを備える。
【0020】
記憶部13は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部13は、制御部15が実行するプログラム、及び、制御部15がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。本実施形態では、記憶部13は、売価変更情報17と、商品情報DB(Database)18と、商品の売上に関する情報である売上情報19とを含んでいる。なお、記憶部13は、売価変更情報17、商品情報DB18、売上情報19以外の種々の販売に関する情報を記憶してもよい。
【0021】
商品情報DB18は、店8又は店8を含む系列店舗で取り扱う商品に関する情報のデータベースである。商品情報DB18は、例えば、商品の価格、JAN(Japanese Article Number)コードなどの商品を識別するための情報(「商品識別情報」とも呼ぶ。)、商品の分類情報、商品の在庫状況などの各種情報を含む。
【0022】
売価変更情報17は、売価の変更に関する情報である。図5は、売価変更情報17のデータ構造の一例である。売価変更情報17は、分類別割引情報、バンドル割引情報、セット割引情報、合計額割引情報、分類別値引情報、バンドル値引情報、セット値引情報、及び合計額値引情報などの任意の割引情報又は値引情報の少なくとも1つを含んでいる。
【0023】
分類別割引情報は、特定の分類(例えば冷凍食品等)に属する商品に対する割引の情報であり、例えば、割引の対象となる分類を示す分類情報と割引率とが関連付けられている。バンドル割引情報は、特定の商品を複数個購入した際に付与される割引の情報であり、例えば、割引の対象となる商品(詳しくは商品識別情報)とその個数と割引率とが関連付けられている。セット割引情報は、特定の商品の組合せに対する割引の情報であり、例えば、割引の対象となる商品の組合せと割引率が関連付けられている。合計額割引情報は、購入した商品の合計額が所定金額以上の場合に生じる割引の情報であり、例えば、割引の対象となる合計額と割引率とが関連付けられている。分類別値引情報、バンドル値引情報、セット値引情報、合計額値引情報は、それぞれ、分類別割引情報、バンドル割引情報、セット割引情報、合計額割引情報に対応する値引情報である。
【0024】
このように、売価変更情報17は、割引又は値引による売価変更に該当する条件(「売価変更条件」とも呼ぶ。)と、当該変更の度合との組合せを示した情報である。なお、以後では、値引及び割引は、割戻しを含むものとする。
【0025】
再び図2を参照してPOSサーバ1の構成について説明する。制御部15は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などを備え、POSサーバ1内の各構成要素に対して種々の制御を行う。例えば、制御部15は、通信部14を介して精算機5と通信を行うことで、精算に関する処理を行い、売上情報19の更新等を行う。また、制御部15は、通信部14を介して売価管理サーバ2と通信を行うことで、売価変更情報17及び商品情報DB18に関する情報を売価管理サーバ2に送信する。
【0026】
図3は、売価管理サーバ2の概略構成を示す。売価管理サーバ2は、主に、記憶部23と、通信部24と、制御部25とを備える。これらの各要素は、バスライン20を介して相互に接続されている。
【0027】
記憶部23は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部23は、制御部25が実行するプログラム、及び、制御部25がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。本実施形態では、記憶部23は、売価変更情報27と、商品情報DB28と、購入商品リストDB29とを記憶する。
【0028】
売価変更情報27は、売価変更情報17と同様、値引又は割引に伴う売価の変更に関する情報である。売価変更情報27は、制御部25の制御に基づき、POSサーバ1が記憶する売価変更情報17と同期するように定期又は不定期に更新される。商品情報DB28は、商品情報DB18と同様、商品に関する情報のデータベースである。商品情報DB28は、制御部25の制御に基づき、POSサーバ1が記憶する商品情報DB18と同期するように定期又は不定期に更新される。
【0029】
購入商品リストDB29は、店8において買い物を行っている顧客の携帯端末3毎の購入商品リストのデータベースである。購入商品リストは、例えば、購入予定の商品を示す商品識別情報と、その商品に対する購入予定の個数とを少なくとも含む組合せのリストであり、携帯端末3又は携帯端末3を使用する顧客を識別する情報(「顧客識別情報」とも呼ぶ。)と関連付けられている。そして、購入商品リストは、携帯端末3の操作に基づき行われる購入商品の追加、削除、又は個数変更が発生する度に更新される。
【0030】
制御部25は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、売価管理サーバ2内の各構成要素に対して種々の制御を行う。制御部25が実行する制御については、図6を参照して詳しく説明する。
【0031】
図4は、携帯端末3の概略構成を示す。携帯端末3は、主に、表示部31と、入力部32と、記憶部33と、通信部34と、制御部35と、読取り部36とを備える。これらの各要素は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0032】
表示部31は、制御部35の制御に基づき、購入商品リスト画面などの各種情報の表示を行う。入力部32は、ユーザの入力を受け付けるインターフェースであり、例えば、タッチパネル、ボタン、音声入力装置などが該当する。
【0033】
記憶部33は、ハードディスク又はフラッシュメモリといったメモリによって構成される。記憶部33は、制御部35が実行するプログラム、及び、制御部35がプログラムを実行することで所定の処理を実行するのに必要な情報を記憶する。例えば、記憶部33には、店8において買い物を行う際に起動され、購入商品リスト画面などの種々の画面の表示を制御するための専用のアプリケーションプログラムが記憶されている。
【0034】
制御部35は、図示しないCPU、ROM及びRAMなどを備え、携帯端末3内の各構成要素に対して種々の制御を行う。制御部35が実行する制御については、図6を参照して詳しく説明する。
【0035】
読取り部36は、例えばカメラなどの光学機器であり、商品に付されたバーコード7を読取り、読み取った情報を制御部35に供給する。本実施形態では、制御部35は、読取り部36が出力する情報に基づき、商品に付されたバーコード7からJANコードなどの商品識別情報を取得する。
【0036】
[購入商品リスト画面]
次に、購入商品リスト画面の表示に関する機能ブロック、処理フロー及び表示例について順に説明する。
【0037】
(1)機能ブロック
図6は、購入商品リスト画面の表示に関する売価管理サーバ2及び携帯端末3の機能ブロック図である。図6に示すように、携帯端末3の制御部35は、機能的には、商品識別情報取得部55と、商品識別情報送信部56と、表示制御部57とを有する。
【0038】
携帯端末3の商品識別情報取得部55は、読取り部36が取得したバーコード7の画像等から、当該バーコード7が付された商品の商品識別情報を取得する。この場合、商品識別情報送信部56は、購入商品リスト変更要求「S1」を、通信部34を介して売価管理サーバ2に送信する。この場合、購入商品リスト変更要求には、商品識別情報取得部55が取得した商品識別情報と、購入商品の追加を指示する情報と、顧客識別情報と、が含まれる。
【0039】
なお、商品識別情報送信部56は、商品識別情報の取得後直ちに当該購入商品リスト変更要求S1を売価管理サーバ2に送信する代わりに、商品識別情報を取得した商品を購入商品とする旨のユーザ入力を検知した場合に、購入商品リスト変更要求S1を売価管理サーバ2に送信してもよい。この場合、例えば、表示部31は、商品識別情報の取得後、当該商品識別情報が示す商品を購入商品リストに登録するか否かをユーザ入力により指定する画面を表示する。
【0040】
また、商品識別情報送信部56は、入力部32により購入商品の個数の変更又は購入商品の削除を指定する入力があった場合、対象となる購入商品の商品識別情報と、対象となる購入商品の個数の変更又は削除を示す情報と、顧客識別情報とを含む購入商品リスト変更要求S1を売価管理サーバ2へ送信する。
【0041】
表示制御部57は、通信部34を介して売価管理サーバ2から、更新した購入商品リスト画面を表示するための表示情報「S2」を受信した場合に、表示情報S2に基づき購入商品リスト画面を表示部31に表示させる。
【0042】
売価管理サーバ2の制御部25は、機能的には、取得部50と、第2受信部51と、更新部52と、判定部53と、表示変更部54とを有する。
【0043】
取得部50は、商品情報DB28及び売価変更情報27が最新の状態に保たれるのに必要な情報をPOSサーバ1から受信し、売価変更情報27及び商品情報DB28の更新を行う。第2受信部51は、通信部24を介して携帯端末3から送信される購入商品リスト変更要求S1を受信する。そして、第2受信部51は、受信した購入商品リスト変更要求S1を更新部52に供給する。
【0044】
更新部52は、購入商品リスト変更要求S1に含まれる顧客識別情報に対応する購入商品リストを購入商品リストDB29から抽出し、当該購入商品リストを更新する。この場合、更新部52は、購入商品リスト変更要求S1が購入商品リストへの追加を示す場合、購入商品リスト変更要求S1に含まれる商品識別情報が示す購入商品を、抽出した購入商品リストに追加する。また、更新部52は、購入商品リスト変更要求S1が購入商品リストへの削除を示す場合、購入商品リスト変更要求S1に含まれる商品識別情報が示す購入商品を、抽出した購入商品リストから削除する。また、更新部52は、購入商品リスト変更要求S1が購入商品リストへの個数の変更を示す場合、抽出した購入商品リストにおいて登録されている対象の購入商品の個数を、購入商品リスト変更要求S1が示す個数となるように変更する。そして、更新部52は、更新した購入商品リストを判定部53へ供給する。
【0045】
判定部53は、更新部52から供給される購入商品リストと、売価変更情報27とに基づき、対象の購入商品リストの購入商品に対する売価の変更要否の判定を行う。言い換えると、判定部53は、更新部52から供給される購入商品リストが示す、各購入商品の商品情報及び購入個数に基づき、売価変更情報27が示すいずれかの売価変更条件に該当するか判定する。そして、判定部53は、売価変更情報27が示す売価変更条件のいずれかに該当する場合、該当した売価変更条件に関連付けられた割引率又は/及び値引額を、表示変更部54に通知する。また、判定部53は、売価変更情報27に合計額割引(値引)情報等が含まれる場合、購入商品リストが示す合計額と合計額割引(値引)情報等が示す売価変更条件とを比較し、当該売価変更条件を満たす場合には、対応する割引率又は/及び値引額を、表示変更部54に通知する。
【0046】
表示変更部54は、購入商品リスト画面の表示情報「S2」を携帯端末3に送信することで、携帯端末3が表示する購入商品リスト画面を変更させる。具体的には、表示変更部54は、更新部52が更新した購入商品リストと、商品情報DB28から取得される各購入商品の価格情報と、判定部53から通知された割引率又は/及び値引額とに基づき、購入商品リストの商品に対する売価を算出する。そして、表示変更部54は、購入商品リストと、算出した売価とに基づき、携帯端末3に表示させるべき購入商品リスト画面の表示情報「S2」を生成する。このとき、表示変更部54は、判定部53から割引率又は/及び値引額が通知された場合には、割引率又は/及び値引額を反映した売価の情報を含む表示情報S2を生成する。そして、表示変更部54は、生成した表示情報S2を、通信部24を介して携帯端末3へ送信する。
【0047】
(2)処理フロー
図7は、購入商品リスト画面の表示に関するフローチャートの一例である。図7は、一例として、商品のバーコード7から商品識別情報を読み取った場合の購入商品リスト画面の表示処理のフローチャートを示している。
【0048】
まず、携帯端末3は、ユーザ操作に基づき読取り部36を起動し、商品のバーコードから商品識別情報の読み取りを行う(ステップS11)。なお、店8が複数店舗を有する企業の一店舗である場合、携帯端末3は、例えば、ユーザ操作に基づき、店8に入店時にお買い物カート等に取り付けられたバーコードの読み取りを行うことで、店8の識別情報を取得してもよい。又は、携帯端末3は、携帯端末3の位置情報に基づき、複数店舗の中から店8を自動で選択し、店8の識別情報を取得してもよい。この場合、携帯端末3は、店8の識別情報を顧客識別情報と共に売価管理サーバ2に送信する。そして、売価管理サーバ2は、携帯端末3のユーザが店8に入店したことを認識し、店8に対応する売価変更情報27及び商品情報DB28を参照することで、以後の処理を行う。
【0049】
携帯端末3は、ステップS11で読み取った商品識別情報を含む購入商品リスト変更要求S1を売価管理サーバ2へ送信する(ステップS12)。
【0050】
この場合、売価管理サーバ2は、携帯端末3が送信した購入商品リスト変更要求S1を受信する(ステップS21)。そして、売価管理サーバ2は、購入商品リスト変更要求S1に含まれる顧客識別情報等を参照することで、該当する購入商品リストを購入商品リストDB29から取得し、購入商品リスト変更要求S1に基づき当該購入商品リストを更新する(ステップS22)。具体的には、売価管理サーバ2は、対象の購入商品リストに購入商品リスト変更要求S1に含まれる商品識別情報が示す商品を追加し、更新後の購入商品リストを購入商品リストDB29に記憶する。なお、売価管理サーバ2は、該当する購入商品リストが存在しない場合には、購入商品リスト変更要求S1に含まれる顧客識別情報と関連付けた購入商品リストを新たに生成して購入商品リストDB29に記憶する。
【0051】
そして、売価管理サーバ2は、ステップS22で更新した購入商品リストが、売価変更情報27が示すいずれかの売価変更条件に該当するか否か判定する(ステップS23)。そして、売価管理サーバ2は、更新後の購入商品リストが、売価変更情報27が示すいずれかの売価変更条件に該当する場合(ステップS23;Yes)、該当した売価変更条件に関連付けられた割引又は値引による売価変更を反映した購入商品リスト画面の表示情報S2を生成する(ステップS24)。一方、売価管理サーバ2は、購入商品リストが示す購入商品の組合せが、売価変更情報27が示すいずれの売価変更条件にも該当しない場合(ステップS23;No)、売価変更を考慮しない購入商品リスト画面の表示情報S2を生成する(ステップS25)。
【0052】
そして、売価管理サーバ2は、ステップS24又はステップS25で生成した表示情報S2を購入商品リスト変更要求S1の送信元である携帯端末3に送信する(ステップS26)。この場合、ステップS12で購入商品リスト変更要求S1を送信した携帯端末3は、売価管理サーバ2から表示情報S2を受信する(ステップS13)。そして、携帯端末3は、受信した表示情報S2に基づき、購入商品リスト画面を表示する(ステップS14)。
【0053】
(3)表示例
次に、購入商品リスト画面の表示例について、図8図11を参照して説明する。
【0054】
図8は、購入商品リストが示す購入商品の組み合わせがいずれの売価変更条件にも該当しない場合の購入商品リスト画面の表示例である。図8の例では、携帯端末3は、売価管理サーバ2から送信される購入商品リスト変更要求S1に基づき、商品読取ボタン40と、購入商品リスト表示欄41と、小計表示欄42と、合計額表示欄43と、ホーム画面遷移ボタン44と、支払(精算)画面遷移ボタン45と、取引中止ボタン46とを有する。
【0055】
携帯端末3は、商品読取ボタン40がタップ操作等により選択されたことを検知した場合、商品読取画面へ表示部31の表示を切り替える。商品読取画面では、携帯端末3は、起動した読取り部36から取得される画像等を表示する。これにより、携帯端末3のユーザは、バーコード7が読取り部36の読み取り範囲内に位置するように商品又は携帯端末3を移動させる。
【0056】
また、携帯端末3は、購入商品リスト表示欄41には、購入商品毎に、購入商品の名称、個数、価格を表示している。また、携帯端末3は、購入商品リスト表示欄41内の各購入商品に対し、個数デクリメントボタン47と、個数インクリメントボタン48とを表示している。そして、携帯端末3は、個数デクリメントボタン47又は個数インクリメントボタン48により購入商品の個数の変更を受け付けた場合、例えば、個数が変更された購入商品の商品識別情報及び変更後の個数の情報を含む商品リスト変更要求S1を売価管理サーバ2に送信する。
【0057】
また、携帯端末3は、小計表示欄42に、購入商品リストの全商品に対する売価の税抜きの小計を表示し、合計額表示欄43には、購入商品リストの全商品に対する売価の税込みの合計額を表示する。売価管理サーバ2は、これらの小計又は合計額を、商品情報DB28に登録された購入商品の価格に基づき算出している。
【0058】
また、携帯端末3は、ホーム画面遷移ボタン44が選択されたことを検知した場合、ホーム画面の表示要求を売価管理サーバ2に送信し、その応答として受信する表示情報に基づき所定のホーム画面を表示する。ホーム画面は、店8での割引や値引の情報、携帯端末3の顧客の登録情報等を表示するものであってもよい。
【0059】
また、携帯端末3は、支払い画面遷移ボタン45が選択されたことを検知した場合、支払い画面の表示要求を売価管理サーバ2に送信し、その応答として受信する表示情報に基づき所定の支払い画面を表示する。支払い画面は、例えば購入商品の合計数及び合計額等を確認する表示と、支払い(精算)方法を指定するためのボタンや入力欄などの表示とを含む。なお、クレジットカードや電子マネーなどの支払いが選択された場合、携帯端末3は、電子商取引に基づく決済処理に必要なデータの授受を売価管理サーバ2等と行い、精算を完了させる。
【0060】
また、現金の支払いが選択された場合、携帯端末3は、例えば精算機5が読取り可能なバーコードを表示し、バーコードを精算機5に読み取らせることで精算を行う。この場合、精算機5は、上述のバーコードを読み取ることで購入対象となる購入商品及び個数等を認識し、携帯端末3のユーザが支払うべき合計額を算出する。なお、この場合、精算機5が算出する合計額は、合計額表示欄43に表示される合計額と等しくなる。
【0061】
また、携帯端末3は、取引中止ボタン46が選択されたことを検知した場合、取引中止を通知する情報を売価管理サーバ2に送信する。この場合、売価管理サーバ2は、携帯端末3に対応する顧客識別情報の購入商品リストを削除する。
【0062】
図9は、図8に示す状態から商品「パン」が購入商品として追加された場合の購入商品リスト画面の表示例である。この例では、携帯端末3は、図8において商品読取ボタン40が選択され、商品「パン」に付されたバーコード7を読み取ることで商品「パン」を登録している。
【0063】
この場合、売価管理サーバ2は、売価変更情報27が示す売価変更条件として、牛乳とパンの同時購入が存在し、この売価変更条件に対して50円の値引が関連付けられている。そして、この場合、売価管理サーバ2は、購入商品として購入商品リスト表示欄41にパンの項目を追加すると共に、牛乳とパンの同時購入に基づく50円の値引の項目を設けている。また、売価管理サーバ2は、上述の50円の値引を反映した小計と合計額をそれぞれ算出し、小計表示欄42及び合計額表示欄43にそれぞれ表示させる。
【0064】
このように、売価管理サーバ2は、購入商品が追加されることにより売価変更情報27に基づく割引又は値引が発生した場合に、その後に表示させる購入商品リスト画面において、割引又は値引を反映させた合計額を携帯端末3に即時に表示させる。これにより、売価管理サーバ2は、現時点における正確な売価を携帯端末3のユーザに認識させることができる。また、売価管理サーバ2は、売価の変更が生じた額(図9の例では-50円)を購入商品リスト画面上で明示することで、値引又は割引の存在を好適に携帯端末3の顧客に認識させることができる。
【0065】
なお、バーコード7の読取り後、バーコード読取り画面から購入商品リスト画面へ遷移せずにホーム画面などの購入商品リスト画面以外の画面へ遷移する仕様である場合、売価管理サーバ2は、購入商品リスト画面の表示要求を携帯端末3から受信した時点において上述の割引又は値引の算出を行ってもよい。即ち、売価管理サーバ2は、図7のステップS23及びそれ以後の処理を、購入商品リスト画面の表示要求を携帯端末3から受信した時点で実行してもよい。
【0066】
図10は、図8に示す状態から商品「パン」が購入商品として追加された場合の購入商品リスト画面の第2の表示例である。この例では、売価変更情報27には、牛乳とパンの同時購入で50円値引というセット値引情報に加え、合計額が3000円以上で5%割引という合計額割引情報がさらに含まれているものとする。
【0067】
この場合、売価管理サーバ2は、図9の表示例と同様に、牛乳とパンの同時購入に基づく50円の値引を購入商品リスト表示欄41、小計表示欄42及び合計額表示欄43での表示にそれぞれ反映させる。また、売価管理サーバ2は、合計額割引情報の価格変更条件(合計額3000円以上)に所定額以内に近づいたことから、合計額が3000円以上で5%割引という合計額割引情報の存在を購入商品リスト画面上で明示している。ここでは、売価管理サーバ2は、合計額割引情報の価格変更条件を満たすのに必要な合計額の基準額(ここでは3000円)と現時点での購入商品リストの商品に対する売価(ここでは2957円)との差額(43円)を明示している。このように、売価管理サーバ2は、価格変更条件に近づいた場合、当該価格変更条件及び当該価格変更条件を満たすのに必要な条件を購入商品リスト画面上に表示してもよい。なお、価格変更条件に近づいた場合とは、例えば、基準の合計額まで所定金額以内に近づいた場合、又はあと1個特定の商品を購入商品として追加することで価格変更条件が満たされる場合などが該当する。
【0068】
このように、図10の例によれば、携帯端末3のユーザは、精算前に購入商品リスト画面において正確な売価を把握することができ、かつ、合計額に応じた割引又は値引が存在する場合に、割引又は値引を受けるのに必要な差額を好適に把握することができる。
【0069】
[変形例]
次に、本実施形態に好適な変形例について説明する。以下の変形例は任意に組み合わせて上述の実施形態に適用されてもよい。
【0070】
(変形例1)
売価管理サーバ2は、売価変更情報27に基づく割引又は値引が生じる購入商品の追加が発生した場合、即時に購入商品リスト画面に売価変更情報27に基づく割引又は値引を反映させた。これに代えて、売価管理サーバ2は、購入商品リスト画面への売価変更情報27に基づく割引又は値引への反映を指示する携帯端末3への所定の入力を検知した場合に、売価変更情報27に基づく割引又は値引を購入商品リスト画面に反映させてもよい。
【0071】
図11は、変形例1における購入商品リスト画面の表示例である。図11に示す購入商品リスト画面は、売価変更情報27に基づく割引又は値引を購入商品リスト画面に反映させるためのユーザインタフェースであるディスカウント反映ボタン49を有している。
【0072】
このように、図11の例では、ディスカウント反映ボタン49の選択前では、売価管理サーバ2は、売価変更情報27に基づく割引又は値引を考慮せずに生成した表示情報S2を携帯端末3に送信する。これにより、売価管理サーバ2は、売価変更情報27に基づく割引又は値引が反映されていない購入商品リスト画面を携帯端末3に表示させる。この場合、売価管理サーバ2の判定部53(図6参照)は割引又は値引の判定処理を実行せず、表示変更部54は、更新部52が更新した購入商品リストと商品情報DB28に含まれる価格情報等に基づき、表示情報S2を生成する。
【0073】
図12は、図11においてユーザがディスカウント反映ボタン49をタップした直後の購入商品リスト画面の表示例を示す。図12に示すように、この場合、携帯端末3は、売価管理サーバ2から受信した表示情報S2に基づき、購入商品リスト表示欄41、小計表示欄42、合計額表示欄43を、それぞれ図9の購入商品リスト表示欄41、小計表示欄42、合計額表示欄43と同一表示になるように購入商品リスト画面を更新している。
【0074】
具体的には、携帯端末3は、ディスカウント反映ボタン49の選択を検知した場合、売価変更情報27に基づく割引又は値引の購入商品リスト画面への反映要求を売価管理サーバ2に送信する。そして、売価管理サーバ2(詳しくは図6の判定部53)は、上述の反映要求を通信部24が受信した場合、送信元の携帯端末3に対応する購入商品リストと、当該購入商品リストに含まれる商品の商品情報とに基づき、売価変更情報27に基づく割引又は値引の有無を判定する。そして、判定部53は、この場合、売価変更情報27が示す売価変更条件として、牛乳とパンの同時購入が存在することから、この売価変更条件に対する50円の値引を認識し、50円の値引を表示変更部54に通知する。そして、表示変更部54は、通知された50円の値引を反映するための表示情報S2を携帯端末3へ送信する。この場合、携帯端末3の表示制御部57は、受信した表示情報S2に基づき購入商品リスト画面を更新する。
【0075】
本変形例によれば、携帯端末3は、ユーザが指定した任意のタイミングにより、精算前において購入商品リスト画面に売価変更情報27に基づく値引又は割引を反映させることができ、ユーザに割引又は値引の存在を精算前に好適に認識させることができる。
【0076】
(変形例2)
売価変更情報17及び売価変更情報27は、会員である場合に付与される割引又は値引を示す会員割引情報又は会員値引情報、又は/及び、会員のランクに応じて付与される割引又は値引を示す会員ランク割引情報又は会員ランク値引情報をさらに有してもよい。
【0077】
図13は、変形例2における売価管理システム100Aの構成例である。売価管理システム100Aは、会員情報を記憶する会員サーバ4を有している。会員サーバ4は、ネットワーク等を介して売価管理サーバ2と通信が可能である。売価管理サーバ2は、携帯端末3を有する顧客が店8に入店した場合に、携帯端末3から送信される顧客識別情報等に基づき会員サーバ4に問い合わせを行うことで、対象の携帯端末3の顧客が会員であるか否か、又は/及び、対象の携帯端末3の顧客の会員のランク(グレード)を認識する。そして、売価管理サーバ2の判定部53は、認識した会員登録の有無又は認識した会員ランクに基づき、会員ランク割引情報又は会員ランク値引情報を参照することで、割引又は値引の有無を判定する。この例によれば、売価管理サーバ2は、会員に関する売価変更情報27に基づく値引又は割引についても、購入商品リスト画面に好適に反映させることができる。
【0078】
他の例では、売価変更情報17及び売価変更情報27は、月別合計額割引情報又は月別合計額値引情報を有してもよい。この場合、月別合計額割引情報は、月毎の店8(又は店8を含む系列店舗)での購入額が所定金額以上の場合に生じる割引の情報であり、例えば、割引の対象となる合計額と割引率とが関連付けられている。月別合計額値引情報は、月別合計額割引情報に対応する値引情報である。また、この場合、POSサーバ1は、顧客毎の過去の店8又は店8を含む系列店舗での買い物に対する購入履歴情報を記憶しており、売価管理サーバ2は、POSサーバ1からこの購入履歴情報を定期又は不定期により同期を行うことで顧客毎の購入履歴情報を記憶する。そして、売価管理サーバ2の判定部53は、購入履歴情報と、商品情報DB28と、購入商品リストDB29とを参照することで、過去の買い物における購入金額と現在の買い物における合計額とを合算し、月別合計額割引情報又は月別合計額値引情報が示す価格変更条件を満たすか否か判定する。この例によれば、売価管理サーバ2は、月別合計額割引情報又は月別合計額値引情報に基づく値引又は割引についても購入商品リスト画面に好適に反映させることができる。
【0079】
(変形例3)
POSサーバ1と、売価管理サーバ2とは、1つのサーバ装置により構成されてもよい。この場合、例えば、売価管理サーバ2は、POSサーバ1が記憶するデータを、携帯端末3から直接アクセスできない態様により記憶する。例えば、この場合、売価管理サーバ2は、実施形態において説明した売価変更情報17、商品情報DB18、売上情報19等のデータを、携帯端末3から直接アクセスできない第1のメモリに記憶する。また、売価管理サーバ2は、実施形態において説明した売価変更情報27、商品情報DB28、購入商品リスト29を、携帯端末3からアクセス可能な第2のメモリに記憶する。そして、売価管理サーバ2は、第1のメモリを参照し、第2のメモリに記憶した売価変更情報27及び商品情報DB28等の更新を、定期又は不定期に実行する。
【0080】
その他、上記の各実施形態(変形例を含む、以下同じ)の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが以下には限られない。
【0081】
[付記1]
売価の変更に関する売価変更情報を取得する取得部と、
顧客が使用する携帯端末から前記顧客が入店した店において購入予定の商品を示す商品識別情報を受信する受信部と、

前記売価変更情報と、前記商品のリストである購入商品リストとに基づき、前記購入商品リストの商品に対する売価の変更要否を判定する判定部と、
前記売価の変更が必要な場合に、前記携帯端末が表示する前記購入商品リストの商品に対する売価の表示を変更させる表示変更部と、
を有する売価管理サーバ。
【0082】
[付記2]
前記商品識別情報に基づき、前記商品のリストである購入商品リストを生成又は更新する更新部をさらに備える、付記1に記載の売価管理サーバ。
【0083】
[付記3]
前記表示変更部は、前記購入商品リストの更新があった場合であって、前記売価の変更が必要な場合に、当該売価の変更を、遅くとも、前記顧客が前記店において精算を行う前に、前記売価の表示に反映させる、付記2に記載の売価管理サーバ。
【0084】
[付記4]
前記表示変更部は、前記購入商品リストの更新があった場合であって、前記売価の変更が必要な場合に、当該売価の変更を、前記売価の表示に即時に反映させる、付記3に記載の売価管理サーバ。
【0085】
[付記5]
前記表示変更部は、前記購入商品リストの更新があった場合であって、前記売価の変更が必要な場合に、当該売価の変更を、前記携帯端末への所定の入力を検知した場合に、前記売価の表示に反映させる、付記3に記載の売価管理サーバ。
【0086】
[付記6]
前記売価変更情報は、商品の数を条件とした値引又は割引、商品の組み合わせを条件とした値引又は割引、合計額を条件とした値引又は割引、特定の種類の商品に対する値引又は割引、前記顧客が会員であるか否か又は当該会員のランクを条件とした値引又は割引の少なくともいずれか一つを示す、付記1~5のいずれか一項に記載の売価管理サーバ。
【0087】
[付記7]
前記表示変更部は、前記購入商品リストの更新があった場合であって、前記売価の変更が必要な場合に、当該売価の変更が生じた額を前記携帯端末に表示させる、付記1~6のいずれか一項に記載の売価管理サーバ。
【0088】
[付記8]
前記売価変更情報は、合計額を条件とした値引又は割引に関する情報を含み、
前記表示変更部は、前記値引又は割引が適用されるまでに必要な合計額と前記購入商品リストの商品に対する売価との差額を前記携帯端末に表示させる、付記1~7のいずれか一項に記載の売価管理サーバ。
【0089】
[付記9]
顧客が使用する携帯端末と、
前記顧客が入店した店において購入予定の商品のリストである購入商品リストの売価を管理する売価管理サーバと、を有する売価管理システムであって、
前記携帯端末は、
前記顧客が入店した店において購入予定の商品を示す商品識別情報を取得する商品識別情報取得部と、
前記商品識別情報を前記売価管理サーバへ送信する商品識別情報送信部と、
前記売価管理サーバから受信する表示情報に基づき表示部の表示を更新する表示制御部と、を有し、
前記売価管理サーバは、
売価の変更に関する売価変更情報を取得する取得部と、
前記携帯端末から前記商品識別情報を受信する受信部と、
前記売価変更情報と、前記購入商品リストとに基づき、前記購入商品リストの商品に対する売価の変更要否を判定する判定部と、
前記売価の変更が必要な場合に、前記携帯端末が表示する前記購入商品リストの商品に対する売価の表示を変更させるための前記表示情報を前記携帯端末に送信する表示変更部と、
を有する売価管理システム。
【0090】
[付記10]
売価管理サーバが実行する制御方法であって、
売価の変更に関する売価変更情報を取得し、
顧客が使用する携帯端末から前記顧客が入店した店において購入予定の商品を示す商品識別情報を受信し、
前記売価変更情報と、前記商品のリストである購入商品リストとに基づき、前記購入商品リストの商品に対する売価の変更要否を判定し、
前記売価の変更が必要な場合に、前記携帯端末が表示する前記購入商品リストの商品に対する売価の表示を変更させる、制御方法。
【0091】
[付記11]
コンピュータが実行するプログラムであって、
売価の変更に関する売価変更情報を取得する取得部と、
顧客が使用する携帯端末から前記顧客が入店した店において購入予定の商品を示す商品識別情報を受信する受信部と、
前記売価変更情報と、前記商品のリストである購入商品リストとに基づき、前記購入商品リストの商品に対する売価の変更要否を判定する判定部と、
前記売価の変更が必要な場合に、前記携帯端末が表示する前記購入商品リストの商品に対する売価の表示を変更させる表示変更部
として前記コンピュータを機能させる、プログラム。
【0092】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。すなわち、本願発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。
【符号の説明】
【0093】
1 POSサーバ
2 売価管理サーバ
3 携帯端末
4 会員サーバ
5 精算機
100、100A 売価管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13