(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096256
(43)【公開日】2024-07-12
(54)【発明の名称】仮設資機材および仮設資機材システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20240705BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024072675
(22)【出願日】2024-04-26
(62)【分割の表示】P 2019152994の分割
【原出願日】2019-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】597144484
【氏名又は名称】ジー・オー・ピー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117857
【弁理士】
【氏名又は名称】南林 薫
(72)【発明者】
【氏名】千田 豊治
(57)【要約】
【課題】仮設資機材をレンタルしている業者を容易に識別できるようにすることを目的とする。
【解決手段】本発明は、建設現場で使用されるレンタル用の運搬台車1であって、運搬台車1をレンタルしている業者を識別するための識別部材60を有する。識別部材60は、運搬台車1をレンタルしている業者ごとに異なる色が付されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設現場で使用されるレンタル用の仮設資機材であって、
前記仮設資機材をレンタルしている業者を識別するための第1の識別部を有することを特徴とする仮設資機材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮設資機材および仮設資機材の出荷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建設現場では作業者がレンタル会社からレンタルした仮設資機材を使用して各種作業を行う場合がある。特許文献1には、レンタル状況を管理するための管理センタと、レンタルされる仮設資材を製造する工場と、工場から出荷された仮設資材を顧客の要求に応じて所定の現場へ配送する配送センタと、現場から返却された仮設資材を回収する回収センタと、回収された仮設資材の保守を行う保守センタとから構成される、設資材レンタルシステムが開示されている。
【0003】
一般的に、一つの建設現場では、電気工事を行う業者、空調設備工事を行う業者、衛生関連工事を行う業者、建造物の建築を行う建設会社等の複数の業者が、それぞれ別々に工事を請け負っている。各業者は、工事に必要な仮設資機材をそれぞれ別々にレンタル会社に注文する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、各業者が同じ種類の仮設資機材を同じレンタル会社に注文した場合、建設現場には同じ種類の仮設資機材が複数、存在してしまうことになる。この場合、何れの業者がレンタルしている仮設資機材であるかを識別できないという問題がある。
また、仮設資機材が紛失した場合には、一般的に紛失した仮設資機材をレンタルした業者が買い取るような契約がなされている。したがって、建設現場に同じ種類の仮設資機材が複数、存在している状態で仮設資機材が紛失した場合、何れの業者がレンタルしている仮設資機材が紛失したかを迅速に把握することが困難である。
【0006】
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、仮設資機材をレンタルしている業者を容易に識別できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、建設現場で使用されるレンタル用の仮設資機材であって、前記仮設資機材をレンタルしている業者を識別するための第1の識別部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、仮設資機材をレンタルしている業者を容易に識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】注文システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図4】注文システムの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】色情報DBおよび現場DBの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
以下、本実施形態に係るレンタル用の仮設資機材および仮設資機材の出荷方法について図面を参照して説明する。ここで、仮設資機材とは、工事をするときに建設現場で作業者が使用する物品である。本実施形態では、レンタル用の仮設資機材として運搬台車を例にして説明する。ただし、レンタル用の仮設資機材は建設現場で使用されるものであれば、どのような物品であってもよい。例えば、仮設資機材には、作業台や、フォークリスト等の重機も含まれる。
【0011】
図1は、運搬台車1の構成の一例を示す図である。
図1では、運搬台車1の進行方向を前後方向として、前側を「前」、後側を「後」、右側を「右」、左側を「左」、上側を「上」、下側を「下」で示している。なお、運搬台車1は、前側に限られず、前後左右を含め任意の方向に走行することができる。
運搬台車1は、台車本体部20、走行部30を備えている。
まず、台車本体部20について説明する。
台車本体部20は複数のフレーム部等が連結して構成され、運搬物を積載する。台車本体部20は、平面視において前後方向を長手方向とし、左右方向を短手方向とする矩形状である。台車本体部20は、前側フレーム部21a、後側フレーム部21b、右側フレーム部21c、左側フレーム部21d、コーナ部材22、補強フレーム部(補強部)25、載置板26等を有している。
【0012】
前側フレーム部21a、後側フレーム部21b、右側フレーム部21c、左側フレーム部21dは、例えばアルミニウム合金製の角状の中空状パイプ等を用いることができる。また、前側フレーム部21a、後側フレーム部21b、右側フレーム部21c、左側フレーム部21dは、例えばシルバー等の金属色である。
コーナ部材22は、例えば押出し成形により形成されるアルミニウム合金製である。コーナ部材22は、上方に開口する挿入孔23と、下方を閉塞するストッパ部とを有する。コーナ部材22の挿入孔23には、後述する手押部材40が挿入される。挿入孔23に挿入された手押部材40の下端はストッパ部によって支持される。
【0013】
前側フレーム部21a、後側フレーム部21b、右側フレーム部21c、左側フレーム部21dは、コーナ部材22により4つの角部で結合されることで、矩形状の四方のフレーム枠を構成する。フレーム枠内は複数の補強フレーム部25が前後左右方向に付き合わされ、ネジ、リベット、溶接等で接合されることで格子状に構成される。補強フレーム部25は、例えばアルミニウム合金製の角状の中空状パイプや断面凹凸状のプレート等を用いることができる。補強フレーム部25は、例えばシルバー等の金属色である。
載置板26は、運搬物を積載するための平面状の板である。載置板26は、各フレーム部や各補強フレーム部25にリベットやネジを介して結合される。また、載置板26は、例えばシルバー等の金属色である。
【0014】
走行部30は、台車本体部20および運搬物の荷重を支持しながら走行面を走行する。走行部30は、複数のキャスター31を有している。本実施形態では、走行部30は、台車本体部20の4隅に配置される4つのキャスター31と、前後方向の中央であって左右に離れて配置される2つのキャスター31との6つのキャスターを有する。キャスター31はそれぞれ取付板を介して台車本体部20に取り付けられる。
【0015】
また、本実施形態の運搬台車1は手押部材40が着脱可能に取り付けることができる。
手押部材40は、運搬台車1を走行させるときに使用者が手を掴むための部材である。使用者は手押部材40を手で掴み押したり引いたりすることで運搬台車1を走行させる。手押部材40は下端をコーナ部材22の挿入孔23に挿入することで、台車本体部20に取り付けられる。また、運搬台車1は4つの手押部材40を有し、各コーナ部材22の挿入孔23に挿入される。4つの手押部材40は、何れも略同一の構成である。だだし、4つの手押部材40を取り付ける場合に限られず、1つ、2つまたは3つの手押部材40を取り付けてもよい。また、手押部材40はコーナ部材22の挿入孔23から抜き出すことで、台車本体部20から取り外される。
【0016】
手押部材40は、本体部としての本体部材41と、保護部材43と、補強部材50とを有する。
本体部材41は、棒状、または、長尺状かつパイプ状の部材である。本体部材41は、例えばアルミニウム合金製であって、押し出し成形により形成される。本体部材41は、例えばシルバー等の金属色である。本体部材41は、強度を向上させるために内部が十字状に補強されている。
【0017】
保護部材43は、使用者が手押部材40を掴んだときに使用者の手が周囲の物体に接触しないように保護する。また、保護部材43は、運搬物を積載するときの最大積載高さを示す指標となる。保護部材43は、本体部材41の上側であって、上端から所定の距離離れた位置にボルトやリベット等で固定される。手押部材40のうち保護部材43よりも上側は使用者が手を掴むグリップ部として機能する。保護部材43は、本体部材41の外周面よりも外側に突出する円板状であり、本体部材41よりも大きい外径を有する。
また、保護部材43は、例えばナイロン等の樹脂材料からなり、射出成形によって一体に形成される。保護部材43は、例えば本体部材41と異なる色であり、樹脂材料に着色剤を混合させることで着色される。なお、保護部材43は、本体部材41と同じ色であってもよい。
【0018】
補強部材50は、本体部材41の下端、具体的には下端の近接した位置にボルトやリベット等で固定される。補強部材50は、本体部材41の強度を補強すると共に、本体部材41をコーナ部材22の挿入孔23に挿入したときに挿入孔23との間でガタ付きを抑制する。補強部材50は、例えばアルミニウム合金製であって、押し出し成形により形成される。補強部材50は、例えばシルバー等の金属色である。
【0019】
本実施形態のレンタル用の運搬台車1は、運搬台車1をレンタルしている業者を識別するための識別部材60を有する。識別部材60は、第1の識別部の一例に対応する。ここで、業者とは工事を請け負って、レンタル会社に仮設資機材を注文し、直接的または間接的に工事を行うものである。ここで、直接的に工事を行うとは、レンタル会社に仮設資機材を注文した業者が自ら工事を行うことである。一方、間接的に工事を行うとは、レンタル会社に仮設資機材を注文した業者が協力会社に依頼し、依頼した協力会社が実際に工事を行うことである。
ここで、建設現場では、例えば、電気工事を行う業者、空調設備工事を行う業者、衛生関連工事を行う業者、建造物の建築を行う建設会社等の複数の業者が並行して工事を行う。各業者は、運搬台車1をそれぞれ別々にレンタル会社からレンタルして使用する。したがって、建設現場には各業者からレンタルされた運搬台車1が混在しているために、どの業者がレンタルしているか運搬台車1であるかを一目で識別できることが好ましい。本実施形態では、識別部材60は運搬台車1をレンタルしている業者を識別するために業者ごとに異なる色が付されている。
【0020】
以下、識別部材60について説明する。
図2(a)は、識別部材60の一例を示す図であり、台車本体部20の左側フレーム部21dを左側から見た側面図である。
識別部材60は、運搬台車1の外観面上に配置されている。具体的には、
図1に示すように、識別部材60は、台車本体部20の前側フレーム部21a、後側フレーム部21b、右側フレーム部21c、左側フレーム部21dの側面等に取り付けられている。なお、
図1では、前側フレーム部21aおよび右側フレーム部21cにより隠れているために、前側フレーム部21aおよび右側フレーム部21cに取り付けられた識別部材60は図示されていない。
【0021】
識別部材60は、表面全体に同じ色が付されたシート状である。本実施形態の識別部材60は、裏面に糊等の粘着部材が積層されたシールが用いられる。したがって、識別部材60は、運搬台車1に対して着脱可能、すなわち取り付けたり取り外したりすることができる。ただし、識別部材60は着脱可能である場合に限られず、運搬台車1に固定されていてもよい。
【0022】
ここで、識別部材60は、業者ごとに異なる色が付されている。本実施形態の識別部材60は、業者ごとに、例えば、黄、緑、青等のうち一色が付されている。一例として、電気工事を行う業者には黄色、空調設備工事を行う業者には緑色、衛生関連工事を行う業者には青色が割り当てられる。また、一例として、建造物の建築を行う建設会社には色が割り当てられていない。
なお、識別部材60に付される色は、識別部材60を取り付ける位置の色と異なる色である。すなわち、本実施形態では、識別部材60に付される色が、前側フレーム部21a、後側フレーム部21b、右側フレーム部21c、左側フレーム部21dの側面と異なる色である。
【0023】
上述した一例によれば、電気工事を行う業者がレンタルしている運搬台車1の識別部材60は黄色が付されている。また、空調設備工事を行う業者がレンタルしている運搬台車1の識別部材60は緑色が付されている。また、衛生関連工事を行う業者がレンタルしている運搬台車1の識別部材60は青色が付されている。一方、例えば、建造物の建築を行う建設会社がレンタルしている運搬台車1は識別部材60を有していない。
【0024】
このように本実施形態の運搬台車1は、運搬台車1をレンタルしている業者を識別するための識別部材60を有する。したがって、レンタルしている業者が異なる運搬台車1が混在していても、業者が識別部材60を視認することで、レンタルしている業者を容易に識別することができる。
このように運搬台車1をレンタルしている業者を識別できることで業者ごとに、レンタルしている運搬台車1の数量を集計できるために、何れの業者が紛失したのかを容易に特定することができる。また、業者が識別部材60を視認することで、自らがレンタルしている運搬台車1を容易に特定することができるので、使用が終了した場合に自らがレンタルした運搬台車1のみをレンタル会社に返却することができる。
【0025】
また、本実施形態では、少なくとも3つの業者があり、第1の業者がレンタルしている運搬台車1に付される識別部材60は第1の色であり、第2の業者がレンタルしている運搬台車1に付される識別部材60は第2の色であり、第3の業者がレンタルしている運搬台車1には識別部材60が付されていない。したがって、識別部材60を有しない運搬台車1をレンタルしている業者は、他の業者であること、すなわち識別部材60を有する運搬台車1をレンタルしている第1の業者および第2の業者とは異なる第3の業者であることを容易に識別することができる。このように、第3の業者がレンタルしている運搬台車1に識別部材60を付されないことで、識別部材60を運搬台車1に取り付ける作業を省くことができる。
【0026】
次に、本実施形態のレンタル用の運搬台車1は、運搬台車1を実際に使用する使用者を識別するための使用者識別部材70を有する。使用者識別部材70は、第2の識別部の一例に対応する。ここで、使用者とは、レンタル会社に仮設資機材を注文した業者から依頼されて工事を行うもの、すなわち仮設資機材を注文した業者の協力会社である。本実施形態では、協力会社が複数ある場合を想定する。一例として、電気工事を請け負って、レンタル会社に複数の運搬台車1を注文した業者をA社とする。A社が実際の工事をα社およびβ社に依頼して、複数の運搬台車1のうち一方のグループの運搬台車1をα社に使用させ、他方のグループの運搬台車1をβ社に使用させる場合、α社およびβ社が使用者である。このとき、A社に加えてα社およびβ社は、A社がレンタルしている複数の運搬台車1の使用者を一目で識別できることが好ましい。本実施形態では、使用者識別部材70により運搬台車1を使用する使用者を識別することができる。
【0027】
以下、使用者識別部材70について説明する。
図2(b)は、使用者識別部材70の一例を示す図であり、台車本体部20の左側フレーム部21dを左側から見た側面図である。なお、
図1では、使用者識別部材70を省略している。
使用者識別部材70は、運搬台車1の外観面上に配置されている。具体的には、使用者識別部材70は、上述した識別部材60の表面に重畳して配置されている。また、使用者識別部材70は、識別部材60の全てを覆わないように配置される。すなわち、使用者識別部材70が識別部材60の表面に配置されたとしても、少なくとも識別部材60に付された色を視認可能である。ただし、識別部材60を有さない運搬台車1では、台車本体部20に直接、配置することができる。また、識別部材60の有無に関わらず、使用者識別部材70は台車本体部20に直接、配置してもよい。
【0028】
使用者識別部材70は、印刷装置等により表面に印刷可能なシート状である。本実施形態の使用者識別部材70は、裏面に糊等の粘着部材が積層されたシールが用いられる。したがって、使用者識別部材70は、識別部材60の表面に対して着脱可能、すなわち本実施形態では取り付けたり取り外したりすることができる。
【0029】
ここで、使用者識別部材70は、使用者の名称が表示されている。上述したように、レンタル会社に複数の運搬台車1を注文したA社が、複数の運搬台車1のうち一方のグループの運搬台車をα社に使用させ、他方のグループの運搬台車をβ社に使用させる場合を想定する。この場合には、一方のグループの運搬台車1の使用者識別部材70にα社の名称が表示され、他方のグループの運搬台車1の使用者識別部材70にβ社の名称が表示される。
図2(b)に示す使用者識別部材70は、運搬台車1をレンタルした業者であるA社を識別するために黄色が付された識別部材60の表面に、運搬台車1の使用者であるα社が表示されている。
【0030】
このように本実施形態の運搬台車1は、運搬台車1を使用する使用者を識別するための使用者識別部材70を有する。したがって、レンタルしている業者が運搬台車1の使用者を決めて使用させる場合に、使用者が使用者識別部材70を視認することで、運搬台車1の使用者を容易に識別することができる。
このように運搬台車1の使用者を識別できることで使用者ごとに、レンタルしている運搬台車1の数量を集計できるために、何れの使用者が紛失したのかを容易に特定することができる。なお、使用者識別部材70は全ての識別部材60上に配置する必要はなく、一つあるいはいくつかの識別部材60上に配置されていればよい。
【0031】
次に、レンタル会社で行う主な処理について説明する。
上述した識別部材60および使用者識別部材70は、運搬台車1をレンタルしている業者ではなく、レンタルの注文を受け付けたレンタル会社(レンタル会社から依頼を受けた者を含む)が運搬台車1に取り付けて出荷する。
ここでは、業者の担当者が仮設資機材の注文システム10により仮設資機材のレンタルを注文し、レンタル会社が識別部材60および使用者識別部材70を付した仮設資機材を出荷するまでの流れについて説明する。
【0032】
図3は、本実施形態の注文システム10のシステム構成の一例を示す図である。
注文システム10は、携帯型情報端末としてのスマートフォン100と、レンタル会社が管理するサーバとしての管理サーバ200とを有する。また、管理サーバ200には印刷装置300が接続されている。スマートフォン100および管理サーバ200はインターネット等のネットワーク400を介して通信可能に接続される。
スマートフォン100は、業者の担当者が所有するものを想定している。また、管理サーバ200は、レンタル会社に設置されるものを想定している。なお、管理サーバ200は、複数の情報処理装置を含むクラウドシステムで構成してもよい。クラウドシステムとは、ネットワークを介して接続された複数の情報処理装置を含み、これらの情報処理装置が相互に連携して処理を行うことで、様々な機能を提供することができるシステムである。
【0033】
スマートフォン100は、制御部101、撮像部102、不揮発性メモリ103、揮発性メモリ104、操作部105、表示部106、記録媒体107、通信部108、近距離無線通信部109等を備える。
制御部101は、操作部105を介した操作に応じて基本的なソフトウェアであるOS(オペレーティングシステム)を実行することでスマートフォン100の各部を制御する。また、制御部101は、OSと協働してアプリケーション(以下、アプリという)を実行することで、後述するフローチャートの処理を実現する。
【0034】
撮像部102は、レンズおよび撮像素子を備え、被写体像を撮影する。
不揮発性メモリ103は、電気的に消去および記録可能なメモリである。不揮発性メモリ103には、OSおよびアプリ(プログラム)等が格納される。揮発性メモリ104は、制御部101の作業領域として用いられるメモリである。
操作部105は、ユーザからの指示を受け付ける。操作部105には、表示部106と一体で構成されるタッチパネルが含まれる。表示部106は、ユーザとの間で対話的に操作できるように表示アイテム等を表示する。このように、操作部105および表示部106によってユーザはスマートフォン100を直感的に操作することができる。
記録媒体107は、スマートフォン100に着脱可能あるいはスマートフォン100に内蔵された記録メディアである。記録媒体107は、例えばSDカードである。
【0035】
通信部108は、ネットワーク400を介して管理サーバ200との間でデータを送受信するためのインターフェースである。
近距離無線通信部109は、ネットワーク400を介さず外部装置との間でデータを送受信するためのインターフェースである。近距離無線通信部109は、例えば、無線LANによる通信プロトコル、Bluetooth(登録商標)による通信プロトコルにより通信を実現することができる。
【0036】
管理サーバ200は、制御部201、不揮発性メモリ202、揮発性メモリ203、操作部204、表示部205、データベース206、通信部207等を備える。
制御部201は、不揮発性メモリ202に格納されたプログラムを実行することで管理サーバ200の各部を制御する。また、制御部201は、不揮発性メモリ202に格納されたプログラムを実行することで、後述するフローチャートの処理を実現する。
【0037】
不揮発性メモリ202は、電気的に消去および記録可能なメモリである。不揮発性メモリ202には、制御部201が実行するプログラム等が格納される。揮発性メモリ203は、制御部201の作業領域として用いられるメモリである。
操作部204は、例えば管理者からの指示を受け付ける。操作部204は、例えばキーボード、マウス等である。表示部205は、制御部201により実行された結果を表示する。表示部205は、例えば、液晶ディスプレイ等である。
データベース206は、注文システム10を実現する上で必要なデータベースが格納される。データベース206には、ユーザDB、色情報DB、現場DB等が格納される。なお、データベース206は、データベースサーバとして構成してもよい。
通信部207は、ネットワーク400を介してスマートフォン100との間でデータを送受信するためのインターフェースである。
【0038】
本実施形態では、仮設資機材をレンタルする業者の担当者(以下、担当者という)が、例えば自身の所有するスマートフォン100を用いて仮設資機材のレンタルの注文を行うことができる。なお、業者の担当者は予めスマートフォン100にレンタル会社が提供するアプリをネットワーク400からダウンロードする。したがって、スマートフォン100の不揮発性メモリ103にはアプリが格納されている。
【0039】
図4は、スマートフォン100および管理サーバ200の処理の一例を示すフローチャートである。
図4のフローチャートのうち、管理サーバ200の処理は制御部201が不揮発性メモリ202に記録されたプログラムを実行することにより実現される。
S101では、担当者は操作部105を介してアプリを起動する操作を行う。スマートフォン100の制御部101は担当者の操作に応じて不揮発性メモリ103に格納したアプリを揮発性メモリ104に展開することでアプリを起動する。制御部101は表示部106にトップ画面を表示する。
【0040】
S102は、担当者はログイン121を選択する。スマートフォン100の制御部101はログイン121の選択に応じて表示部106にログイン画面を表示する。担当者はログインするために予め入手している、建設現場に対応する現場情報、および現場情報に応じたパスワードを入力してログインボタンを選択する。本実施形態では、担当者は建設現場に対応する現場情報として現場IDを選択あるいは入力する。スマートフォン100の制御部101はログインボタンの選択に応じて通信部108を介して現場情報およびパスワードの情報を管理サーバ200に送信する。
【0041】
S201では、管理サーバ200の制御部201はスマートフォン100から現場情報およびパスワードの情報を受信してログインの認証を行う。データベース206に格納されたユーザDBには現場情報に応じたパスワードが設定されている。したがって、制御部201はユーザDBに基づいてログインの認証を行う。なお、認証に失敗した場合には管理サーバ200の制御部201は成功するまでスマートフォン100からの操作に応じた処理を実行しないようにする。
【0042】
S103では、担当者はトップ画面から業者選択を選択する。スマートフォン100の制御部101は業者選択の選択に応じて業者選択画面を表示する。担当者は業者の認証をするために予め入手している、自身の業者に対応する業者情報、および業者情報に応じたパスワードを入力して送信ボタンを選択する。本実施形態では、担当者は業者に対応する業者情報として業者名を選択あるいは入力する。スマートフォン100の制御部101は通信部108を介して業者情報およびパスワードの情報を管理サーバ200に送信する。
【0043】
S202では、管理サーバ200の制御部201はスマートフォン100から業者情報およびパスワードの情報を受信して業者の認証を行う。データベース206に格納されたユーザDBには現場情報ごとに、業者に応じたパスワードが設定されている。したがって、制御部201はユーザDBに基づいて業者の認証を行う。なお、制御部201は業者の認証に失敗した場合には制御部201は成功するまでスマートフォン100からの操作に応じた処理を実行しないようにする。
【0044】
S104では、担当者はトップ画面から仮設資機材登録を選択する。スマートフォン100の制御部101は仮設資機材登録の選択に応じて仮設資機材登録画面を表示する。担当者はレンタルの注文をする仮設資機材を仮設資機材登録画面から登録する。また、担当者は選択した仮設資機材ごとに関連付けて、仮設資機材を使用させる使用者に対応する使用者情報を選択あるいは入力する。なお、仮設資機材を使用させる使用者が決まっていない場合、あるいは自身の業者で使用する場合等には、担当者は使用者情報の選択あるいは入力を省略する。本実施形態では、担当者は使用者に対応する使用者情報として使用者名を選択あるいは入力する。スマートフォン100の制御部101は通信部108を介して仮設資機材の情報および使用者情報を管理サーバ200に送信する。
【0045】
S105では、スマートフォン100の制御部101は担当者により仮設資機材の選択の終了が操作されたか否かを判定し、終了しない場合にはS104の処理に戻る。一方、終了する場合にはログアウトをすることにより処理を終了する。
【0046】
S203では、管理サーバ200の制御部201はスマートフォン100から仮設資機材の情報および使用者情報を受信することで、業者から仮設資機材のレンタルの注文を受け付ける。
S204では、管理サーバ200の制御部201はS202において受信した業者情報から、注文を行った業者に対応する色を特定する。ここで特定された色が、仮設資機材を使用している業者を識別するための識別部材60に付される。データベース206に格納された色情報DB500には、業者情報に関連付けられた色情報が記憶されている。
【0047】
図5(a)は、色情報DB500の一例を示す図である。
色情報DB500には、業者名501、色情報502が記憶されている。業者名501は、業者情報の一例であり、仮設資機材のレンタルを注文する業者の名称を示している。色情報502は、識別部材60に付す色を示している。なお、色情報DB500は、業者情報ごとに色情報が関連付けられていればよく、業者名自体の情報あるいは色自体の情報が記憶されていなくてもよい。
図5(a)に示す色情報DB500には、例えば、電気工事を行う業者であるA社、B社等には黄色の色情報が関連付けられ、空調設備工事を行う業者であるC社、D社等には緑色の色情報が関連付けられ、衛生関連工事を行う業者であるE社、F社等には青色の色情報が関連付けられている。また、建造物の建築を行う建設会社であるG社、H社等には色情報が関連付けられていない。
管理サーバ200の制御部201は、色情報DB500を参照して、受信した業者情報に関連付けられた色情報を取得することで、業者に対応する色を特定することができる。
【0048】
S205では、管理サーバ200の制御部201はS204で特定した色に基づいて、識別部材60を生成する。具体的には、制御部201は印刷装置300を用いて、既存のシールの表面を、S204で特定した色で印刷することにより識別部材60を発行する。なお、仮設資機材の種類に応じて、取り付ける識別部材60の数が異なることから、制御部201は仮設資機材の種類に応じた数の識別部材60を発行する。例えば、上述した運搬台車1では、台車本体部20の前側フレーム部21a、後側フレーム部21b、右側フレーム部21c、左側フレーム部21dの4箇所に識別部材60が取り付けられることから、制御部201は1台の運搬台車1につき4つの識別部材60を発行する。データベース206には仮設資機材の種類に関連付けて、識別部材60を取り付ける数の情報が記憶されたDBが格納されている。
【0049】
また、制御部201はS203で使用者情報を受信した場合には、受信した使用者情報に基づいて使用者識別部材70を生成する。具体的には、制御部201は印刷装置300を用いて、既存のシールの表面に使用者名を印刷することにより使用者識別部材70を発行する。このとき、制御部201は、識別部材60と同様に、仮設資機材の種類に応じた数の使用者識別部材70を発行する。データベース206には、仮設資機材の種類に関連付けて、使用者識別部材70を取り付ける数の情報が記憶されたDBが格納されている。
【0050】
S206では、管理サーバ200の制御部201は出荷伝票を生成する。具体的には、制御部201は、S202およびS203で受信した情報に基づいて、仮設資機材の種類と共に、仮設資機材に取り付けられる識別部材の色を、それぞれ印刷装置300を用いて印刷することにより出荷伝票を発行する。なお、制御部201は、S203で使用者情報を受信した場合には、使用者情報に基づいて使用者名も出荷伝票に印刷する。また、制御部201は仮設資機材の種類ごとに識別部材60あるいは使用者識別部材70を取り付ける数を印刷してもよい。
管理サーバ200の制御部201は出荷伝票を生成することで処理を終了する。
【0051】
次に、レンタル会社の作業者は生成された出荷伝票に基づいて、注文を受け付けた仮設資機材を出荷する準備を行う。具体的に、作業者は出荷伝票に記載された仮設資機材を倉庫から抽出して、仮設資機材の所定の位置に識別部材60を取り付ける。例えば、上述した運搬台車1では、作業者は、台車本体部20の前側フレーム部21a、後側フレーム部21b、右側フレーム部21c、左側フレーム部21dの4箇所に識別部材60を取り付ける。また、作業者は使用者識別部材70が発行されている場合には、識別部材60の表面上に使用者識別部材70を取り付ける。最後に作業者は出荷する準備を終えた仮設資機材を出荷する。
【0052】
このように出荷された仮設資機材は、建設現場に納品された時点で既に識別部材60が取り付けられている。したがって、納品された時点でレンタルしている業者を識別することができる。また、仮設資機材を使用させる使用者が決まっている場合には、建設現場に納品された時点で既に使用者識別部材70が取り付けられている。したがって、納品された時点で仮設資機材の使用者を識別することができる。
この場合、レンタルしている業者は自身で識別部材60あるいは使用者識別部材70を取り付ける必要がないことから、納品されると直ぐに仮設資機材を使用する作業に専念することができる。
なお、仮設資機材がレンタル会社に返却された場合、レンタル会社の作業者は仮設資機材に取り付けられた識別部材60を取り外した状態で保管する。このとき、使用者識別部材70が識別部材60に取り付けられていることから、識別部材60を仮設資機材から取り外すと同時に使用者識別部材70も取り外すことができるので、作業者は作業の効率化を図ることができる。
【0053】
<第2の実施形態>
上述した実施形態では、運搬台車1が識別部材60および使用者識別部材70を有する場合について説明したが、この場合に限られず、手押部材40が識別部を有していてもよい。
図1に示す4つの手押部材40は、それぞれ手押部材40をレンタルしている業者を識別するための識別部材80を有する。識別部材80は、第1の識別部の一例に対応する。ここで、識別部材80は、識別部材60と同様に業者ごとに異なる色が付され、更に同一の業者に対して同一の色が付されている。
【0054】
すなわち、上述した一例によれば、電気工事を行う業者がレンタルしている手押部材40の識別部材80は、運搬台車1の識別部材60と同一の色である黄色が付されている。また、空調設備工事を行う業者がレンタルしている手押部材40の識別部材80は、運搬台車1の識別部材60と同一の色である緑色が付されている。また、衛生関連工事を行う業者がレンタルしている手押部材40の識別部材80は、運搬台車1の識別部材60と同一の色である青色が付されている。一方、例えば、建造物の建築を行う建設会社がレンタルしている手押部材40は、運搬台車1と同様に識別部材80を有していない。
このように、同一の業者がレンタルする仮設資機材には、仮設資機材の種類によらずに同一の色の識別部材80が取り付けられていることで、レンタルしている業者を容易に識別することができる。
【0055】
<第3の実施形態>
上述した実施形態では、識別部材60がシート状である場合について説明したが、この場合に限られず、立体的な部材であってもよい。
図6は、本実施形態の識別部材90の一例を示す図である。手押部材40は、手押部材40をレンタルしている業者を識別するための識別部材90を有する。識別部材90は、第1の識別部の一例に対応する。
【0056】
識別部材90は、キャップ状、ここでは有底の円筒状の部材である。識別部材90は、例えばナイロン等の樹脂材料からなり、射出成形によって一体で形成される。識別部材90は、例えば本体部材41と異なる色であり、樹脂材料に着色剤を混合させることで全体が着色される。識別部材90は、業者ごとに異なる色が付されている。本実施形態の識別部材90は、例えば、黄、緑、青等のうち一色が付されている。
【0057】
識別部材90は、筒部91と、端部92とを有する。
筒部91は、円筒状であって、本体部材41の上端を挿入するために下側に向かって開口する取付穴93を有する。端部92は、略板状であって、筒部91の上端に位置し、取付穴93を上側から閉塞する。なお、筒部91と端部92との境界のうち外側面は曲面によって連結されている。
【0058】
識別部材90を本体部材41に取り付ける場合には、識別部材90の取付穴93に本体部材41の上端を挿入することで取り付ける。識別部材90が本体部材41に取り付けられた状態では、本体部材41の上端が識別部材90によって覆われる。なお、識別部材90は、本体部材41に対して圧入することで取り付けられる。したがって、本体部材41から引き抜くことで識別部材90を取り外すことができ、識別部材90は本体部材41に対して着脱可能である。このように着脱可能にすることで異なる色の識別部材90に容易に交換することができる。
このように、識別部材90は立体的な形状であることから、手押部材40の周囲360°の何れの位置からでも識別部材90を視認することができる。また、識別部材90は、本体部材41の上端を覆うことから手押部材40の美感を向上させることができる。
【0059】
<第4の実施形態>
上述した実施形態では、管理サーバ200の制御部201は業者情報ごとに関連付けられた色情報が記憶された色情報DB500を参照することで、業者に対応する色を特定する場合について説明したが、この場合に限られない。
建設現場によっては、建設現場で決めた色により業者を識別したい場合や同じ種類の工事を行う業者が複数存在する場合(例えば、電気工事を行う業者が2社存在する場合)がある。このとき、管理サーバ200の制御部201が色情報DB500を参照することで、業者に対応する色を特定する方法では対応することができない。
本実施形態では、業者情報に関連付けられた色情報が建設現場の現場情報ごとに記憶された現場DB600を参照して、業者に対応する色を特定する場合について説明する。
【0060】
図5(b)は、現場DB600の一例を示す図である。
現場DB600には、現場ID601、業者名602、色情報603が記憶されている。現場ID601は、建設現場に対応する現場情報の一例である。業者名602および色情報603は、それぞれ
図5(a)に示す業者名501および色情報502と同様の情報である。
図5(b)に示す現場ID「001」の建設現場では、例えば、電気工事を行う業者がA社とB社との2社存在しており、同じ種類の工事を行う業者が複数存在する。そのために、現場DB600では、A社に黄色の色情報が関連付けられ、B社に赤色の色情報が関連付けられている。なお、
図5(b)に示す現場DB600は、レンタル会社における管理サーバ200の管理者等が、建設現場から聴取した内容に基づいて生成して、データベース206に格納する。
【0061】
次に、現場DB600を参照して、業者に対応する色を特定する場合について説明する。
図4に示すS204では、管理サーバ200の制御部201は現場DB600を参照して、現場DB600に記憶された現場ID601のうち、S201において受信した現場IDと同じ現場IDがあるか否かを判定する。同じ現場IDがない場合には、上述したS204と同様に、制御部201は、
図5(a)に示す色情報DB500を参照することで業者に対応する色を特定する。
一方、同じ現場IDがある場合には、制御部201は、現場DB600のうち同じ現場ID601において、S202で受信した業者情報に関連付けられた色情報を取得することで、建設現場ごとに業者に対応する色を特定する。例えば、
図5(b)の現場DB600において、現場ID601が「001」であり、業者名がB社であった場合には、制御部201は、B社に対応する色として赤を特定する。その後の処理は、上述した
図4に示すS204以降の処理と同様である。
【0062】
このように、業者情報に関連付けられた色情報が現場情報ごとに記憶された現場DB600を参照して業者に対応する色を特定することで、建設現場で決めた色により業者を識別したい場合や同じ種類の工事を行う業者が複数存在する場合があっても、レンタルしている業者を容易に識別することができる。
【0063】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明したが、上述した実施形態は、本発明の実施にあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をしたり、各実施形態を組み合せたりすることが可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0064】
上述した各実施形態では業者を識別するための識別部材に、黄、緑、青等のうち一色を付す場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、黄、緑、青以外に、赤、白、オレンジ、グレー、ピンク等を加えてもよく、黄、緑、青のうち少なくとも一色をなくしてもよい。
【0065】
上述した各実施形態では、スマートフォン100から仮設資機材のレンタルの注文を行う、いわゆるオンライン注文である場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、電話やFAXにより仮設資機材のレンタルの注文を行う、いわゆるオフライン注文であってもよい。この場合、管理サーバ200は、現場情報、業者情報、仮設資機材の情報、使用者情報を、レンタル会社の操作者が操作部204を用いて入力したり外部装置から受信したりすることで受け付ける。その後、管理サーバ200の制御部201は、
図4に示すS204以降の処理を行うことができる。
【0066】
上述した各実施形態では、仮設資機材をレンタルしている業者を識別するために識別部材に色を付す場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、識別部材に業者ごとに異なるマークや模様を付してもよく、識別部材自体を業者ごとに異なる形状にしてもよい。この場合には、
図5(a)に示す色情報DB500に記憶された色情報、あるいは
図5(b)に示す現場DB600に記憶された色情報に代えて、マーク、模様、形状を示す情報が記憶される。したがって、識別部材は業者ごとに異なるマークや模様が付されたり、業者ごとに異なる形状に形成されたりする。
【0067】
上述した第3の実施形態では、識別部材90がキャップ状である場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、識別部材90は筒部91のみの形状であってもよい。また、筒部91の形状は、平面視において円に限られず、多角形であってもよい。また、保護部材43自体を識別部としてもよい。すなわち、手押部材40は、使用者ごとに色が付された保護部材43を有していてもよい。また、手押部材40は補強部材50を省略し、本体部材41の下端を直接、挿入孔23に挿入するようにしてもよい。
【0068】
上述した実施形態では、S205において、管理サーバ200の制御部201がS204で特定した色に基づいて識別部材60を生成し、仮設資機材の所定の位置に識別部材60を取り付ける場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、仮設資機材には、仮設資機材をレンタルしている業者を識別するための識別部材60を予め取り付けておいてもよい。なお、識別部材60は仮設資機材に対して着脱可能であってもよく、固定されていてもよい。
この場合には、S205のうち、制御部201による識別部材60を生成する処理を省略することができる。レンタル会社の作業者は出荷伝票に記載された仮設資機材を倉庫から抽出するときに、出荷伝票に記載された識別部材の色が予め取り付けられた仮設資機材を抽出する。したがって、管理サーバ200の制御部201が識別部材60を生成する処理を省略することができる。
【0069】
上述した第4の実施形態では、S205において、管理サーバ200の制御部201がS204で特定した色に基づいて、識別部材60を生成する場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、レンタル会社では予め色の異なる識別部材60を準備しておいてもよい。
この場合には、S205のうち、制御部201による識別部材60を生成する処理を省略することができる。レンタル会社の作業者は出荷伝票に記載された仮設資機材を倉庫から抽出して、仮設資機材の所定の位置に、予め準備された識別部材60のうち出荷伝票に記載された識別部材の色と同一の色の識別部材60を取り付ける。したがって、管理サーバ200の制御部201が識別部材60を生成する処理を省略することができる。
【符号の説明】
【0070】
1:運搬台車 20:台車本体部 30:走行部 40:手押部材 60:識別部材 70:使用者識別部材 80:識別部材 90:識別部材
【手続補正書】
【提出日】2024-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設現場で使用されるレンタル用の仮設資機材であって、
前記仮設資機材をレンタルしている業者を識別するための第1の識別部を有することを特徴とする仮設資機材。
【請求項2】
前記仮設資機材を使用する使用者を識別するための第2の識別部を有し、
前記第1の識別部と前記第2の識別部とは、異なる部材によって構成され、該仮設資機材に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1に記載の仮設資機材。
【請求項3】
前記第2の識別部は、
前記仮設資機材を使用させる使用者の名称が付されていることを特徴とする請求項2に記載の仮設資機材。
【請求項4】
前記仮設資機材は、運搬台車であることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の仮設資機材。
【請求項5】
前記仮設資機材は、運搬台車に着脱可能に取り付けられ、前記運搬台車を走行させるときに使用者が手で掴むための手押部材であることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の仮設資機材。
【請求項6】
請求項1ないし3の何れか1項に記載の仮設資機材と、
前記仮設資機材を第1の仮設資機材とすると、前記第1の仮設資機材と異なる種類の第2の仮設資機材と、を備える仮設資機材システムであって、
前記第1の仮設資機材および前記第2の仮設資機材がそれぞれ有する前記第1の識別部は、前記第1の仮設資機材および前記第2の仮設資機材をレンタルしている業者ごとに同一の色または同一のマークが付されている、あるいは、同一の形状であることを特徴とする仮設資機材システム。
【請求項7】
請求項1ないし3の何れか1項に記載の仮設資機材と、
前記仮設資機材を第1の仮設資機材とすると、前記第1の仮設資機材と同一の種類の第2の仮設資機材と、を備える仮設資機材システムであって、
前記第2の仮設資機材は、
前記第2の仮設資機材を使用する使用者を識別するための第2の識別部を有し、
前記第2の仮設資機材をレンタルしている業者を識別するための第1の識別部を有していないことを特徴とする仮設資機材システム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、仮設資機材および仮設資機材システムに関する。