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特開2024-96267データ処理装置、およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096267
(43)【公開日】2024-07-12
(54)【発明の名称】データ処理装置、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/43 20240101AFI20240705BHJP
【FI】
G06Q50/43
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024073188
(22)【出願日】2024-04-26
(62)【分割の表示】P 2020047522の分割
【原出願日】2020-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】591069086
【氏名又は名称】パーク二四株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 敏
(74)【代理人】
【識別番号】100101384
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 成夫
(72)【発明者】
【氏名】表原 徹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健
(57)【要約】
【課題】 車両共有サービスにおいて、車両の貸し出しの際にIC運転免許証の携帯を確認するため技術を提供する。
【解決手段】 短距離データ通信装置に備えられ、携帯通信端末に備えられているカメラ機能が予約者に係る免許証を撮影した免許証撮影データを受信する免許証撮影データ受信手段と、予約データ等受信手段にて受信した予約者の免許証データと、免許証撮影データ受信手段にて受信した免許証撮影データとが一致するか否かを照合するデータ処理手段と、データ処理手段にて一致した場合に、車両のエンジンロックを解除するエンジンロック解除データを送信するエンジンロック解除データ送信手段と、を備える。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予約に係る車両に搭載されるデータ処理装置であって、
前記の車両に関する管理をする車両管理サーバから予約に係る車両の予約者IDを含む予約データおよび前記の予約者IDに紐付けられた予約者の免許証データを受信する予約データ等受信手段と、
短距離データ通信を実行する短距離データ通信装置と、
前記の車両の予約者に係る携帯通信端末から予約者IDを前記の短距離データ通信装置にて受信する予約者ID受信手段と、
前記の予約データ等受信手段にて受信した予約者IDが、前記の予約者ID受信手段にて受信した予約者IDと一致した場合に、前記の車両のドアロックを解除するドアロック解除データを送信するドアロック解除データ送信手段と、
前記の短距離データ通信装置に備えられ、前記の携帯通信端末に備えられているカメラ機能が前記の予約者に係る免許証を撮影した免許証撮影データを受信する免許証撮影データ受信手段と、
前記の予約データ等受信手段にて受信した予約者の免許証データと、前記の免許証撮影データ受信手段にて受信した免許証撮影データとが一致するか否かを照合するデータ処理手段と、
前記のデータ処理手段にて一致した場合に、前記の車両のエンジンロックを解除するエンジンロック解除データを送信するエンジンロック解除データ送信手段と、
を備えたデータ処理装置。
【請求項2】
前記のデータ処理手段にて照合される免許証撮影データは、前記の携帯通信端末のカメラ機能が撮影した画像データとした
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記のデータ処理手段にて照合される免許証撮影データは、前記の携帯通信端末のガメラ機能が撮影した画像データからOCR処理で得られたデータとした
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記の免許証撮影データ受信手段が受信する免許証撮影データは、前記のドアロック解除データ送信手段がドアロック解除データを送信した後に撮影されたデータとした
請求項1から請求項3のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項5】
予約に係る車両に搭載されるデータ処理装置であって、
前記の車両に関する管理をする車両管理サーバから予約に係る車両の予約者IDを含む予約データならびに前記の予約者IDに紐付けられた予約者の免許証データを受信する予約データ等受信手段と、
短距離データ通信を実行する短距離データ通信装置と、
前記の車両の予約者に係る携帯通信端末から予約者IDを前記の短距離データ通信装置にて受信する予約者ID受信手段と、
前記の予約データ等受信手段にて受信した予約者IDが、前記の予約者ID受信手段にて受信した予約者IDと一致した場合に、前記の車両のドアロックを解除するドアロック解除データを送信するドアロック解除データ送信手段と、
前記の短距離データ通信装置にて、IC免許証から免許証データを読み取って免許証読み取りデータを取得する免許証読み取りデータ受信手段と、
前記の予約データ等受信手段にて受信した予約者の免許証データと、前記の免許証読み取りデータ受信手段にて受信した免許証読み取りデータとが一致するか否かを照合するデータ処理手段と、
前記のデータ処理手段にて一致した場合に、前記の車両のエンジンロックを解除するエンジンロック解除データを送信するエンジンロック解除データ送信手段と、
を備えたデータ処理装置。
【請求項6】
前記の免許証読み取りデータ受信手段が受信する免許証読み取りデータは、非暗号化免許証データである、請求項5に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記の免許証読み取りデータ受信手段が受信する免許証読み取りデータは、暗号化免許証データである、請求項5に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
予約に係る車両に搭載されるデータ処理装置であって、
前記の車両に関する管理をする車両管理サーバから予約に係る車両の予約日時場所データおよび予約者IDを含む予約データならびに前記の予約者IDに紐付けられた予約者の免許証データを受信する予約データ等受信手段と、
短距離データ通信を実行する短距離データ通信装置と、
前記の車両の予約者に係る携帯通信端末のGPS機能を介して読み取った位置データを前記の短距離データ通信装置にて受信する位置データ受信手段と、
前記の予約データ等受信手段にて受信した予約日時場所データにおける場所データが、前記の位置データ受信手段にて受信した位置データと一致した場合に、前記の車両のドアロックを解除するドアロック解除データを送信するドアロック解除データ送信手段と、
前記の短距離データ通信装置に備えられ、前記の携帯通信端末に備えられているカメラ機能が前記の予約者に係る免許証を撮影した免許証撮影データを受信する免許証撮影データ受信手段と、
前記の予約データ等受信手段にて受信した予約者の免許証データと、前記の免許証撮影データ受信手段にて受信した免許証撮影データとが一致するか否かを照合するデータ処理手段と、
前記のデータ処理手段にて一致した場合に、前記の車両のエンジンロックを解除するエンジンロック解除データを送信するエンジンロック解除データ送信手段と、
を備えたデータ処理装置。
【請求項9】
前記のデータ処理手段にて照合される免許証撮影データは、前記の携帯通信端末のカメラ機能が撮影した画像データとした
請求項8に記載のデータ処理装置。
【請求項10】
前記のデータ処理手段にて照合される免許証撮影データは、前記の携帯通信端末のガメラ機能が撮影した画像データからOCR処理で得られたデータとした
請求項8に記載のデータ処理装置。
【請求項11】
前記の免許証撮影データ受信手段が受信する免許証撮影データは、前記のドアロック解除データ送信手段がドアロック解除データを送信した後に撮影されたデータとした
請求項8から請求項10のいずれかに記載のデータ処理装置。
【請求項12】
予約に係る車両に搭載されるデータ処理装置を制御するコンピュータプログラムであって、
前記のデータ処理装置には、短距離データ通信を実行する短距離データ通信装置を備えており、
前記のコンピュータプログラムは、
前記の車両に関する管理をする車両管理サーバから予約に係る車両の予約者IDを含む予約データおよび前記の予約者IDに紐付けられた予約者の免許証データを受信する予約データ等受信手順と、
前記の車両の予約者に係る携帯通信端末から予約者IDを前記の短距離データ通信装置にて受信する予約者ID受信手順と、
前記の予約データ等受信手順にて受信した予約者IDが、前記の予約者ID受信手順にて受信した予約者IDと一致した場合に、前記の車両のドアロックを解除するドアロック解除データを送信するドアロック解除データ送信手順と、
前記の携帯通信端末に備えられているカメラ機能が前記の予約者に係る免許証を撮影した免許証撮影データを前記の短距離データ通信装置にて受信する免許証撮影データ受信手順と、
前記の予約データ等受信手順にて受信した予約者の免許証データと、前記の免許証撮影データ受信手順にて受信した免許証撮影データとが一致するか否かを照合するデータ処理手順と、
前記のデータ処理手順にて一致した場合に、前記の車両のエンジンロックを解除するエンジンロック解除データを送信するエンジンロック解除データ送信手順と、
を前記のデータ処理装置に実行させることとしたコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記のデータ処理手順にて照合される免許証撮影データは、前記の携帯通信端末のカメラ機能が撮影した画像データとした
請求項12に記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
前記のデータ処理手順にて照合される免許証撮影データは、前記の携帯通信端末のガメラ機能が撮影した画像データからOCR処理で得られたデータとした
請求項12に記載のコンピュータプログラム。
【請求項15】
前記の免許証撮影データ受信手順にて受信する免許証撮影データは、前記のドアロック解除データ送信手順にてドアロック解除データを送信した後に撮影されたデータとした
請求項12から請求項14のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項16】
予約に係る車両に搭載されるデータ処理装置を制御するコンピュータプログラムであって、
前記のデータ処理装置には、短距離データ通信を実行する短距離データ通信装置を備えており、
前記のコンピュータプログラムは、
前記の車両に関する管理をする車両管理サーバから予約に係る車両の予約者IDを含む予約データならびに前記の予約者IDに紐付けられた予約者の免許証データを受信する予約データ等受信手順と、
前記の車両の予約者に係る携帯通信端末から予約者IDを前記の短距離データ通信装置にて受信する予約者ID受信手順と、
前記の予約データ等受信手順にて受信した予約者IDが、前記の予約者ID受信手順にて受信した予約者IDと一致した場合に、前記の車両のドアロックを解除するドアロック解除データを送信するドアロック解除データ送信手順と、
前記の短距離データ通信装置にて、IC免許証から免許証データを読み取って免許証読み取りデータを取得する免許証読み取りデータ受信手順と、
前記の予約データ等受信手順にて受信した予約者の免許証データと、前記の免許証読み取りデータ受信手順にて受信した免許証読み取りデータとが一致するか否かを照合するデータ処理手順と、
前記のデータ処理手順にて一致した場合に、前記の車両のエンジンロックを解除するエンジンロック解除データを送信するエンジンロック解除データ送信手順と、
を前記のデータ処理装置に実行させることとしたコンピュータプログラム。
【請求項17】
前記の免許証読み取りデータ受信手順にて受信する免許証読み取りデータは、非暗号化免許証データである、請求項16に記載のコンピュータプログラム。
【請求項18】
前記の免許証読み取りデータ受信手順にて受信する免許証読み取りデータは、暗号化免許証データである、請求項16に記載のコンピュータプログラム。
【請求項19】
予約に係る車両に搭載されるデータ処理装置を制御するコンピュータプログラムであって、
前記のデータ処理装置には、短距離データ通信を実行する短距離データ通信装置を備えており、
前記のコンピュータプログラムは、
前記の車両に関する管理をする車両管理サーバから予約に係る車両の予約日時場所データおよび予約者IDを含む予約データならびに前記の予約者IDに紐付けられた予約者の免許証データを受信する予約データ等受信手順と、
前記の車両の予約者に係る携帯通信端末のGPS機能を介して読み取った位置データを前記の短距離データ通信装置にて受信する位置データ受信手順と、
前記の予約データ等受信手順にて受信した予約日時場所データにおける場所データが、前記の位置データ受信手順にて受信した位置データと一致した場合に、前記の車両のドアロックを解除するドアロック解除データを送信するドアロック解除データ送信手順と、
前記の携帯通信端末に備えられているカメラ機能が前記の予約者に係る免許証を撮影した免許証撮影データを、前記の短距離データ通信装置にて受信する免許証撮影データ受信手順と、
前記の予約データ等受信手順にて受信した予約者の免許証データと、前記の免許証撮影データ受信手順にて受信した免許証撮影データとが一致するか否かを照合するデータ処理手順と、
前記のデータ処理手段にて一致した場合に、前記の車両のエンジンロックを解除するエンジンロック解除データを送信するエンジンロック解除データ送信手順と、
を前記のデータ処理装置に実行させることとしたコンピュータプログラム。
【請求項20】
前記のデータ処理手順にて照合される免許証撮影データは、前記の携帯通信端末のカメラ機能が撮影した画像データとした
請求項19に記載のコンピュータプログラム。
【請求項21】
前記のデータ処理手順にて照合される免許証撮影データは、前記の携帯通信端末のガメラ機能が撮影した画像データからOCR処理で得られたデータとした
請求項19に記載のコンピュータプログラム。
【請求項22】
前記の免許証撮影データ受信手順にて受信する免許証撮影データは、前記のドアロック解除データ送信手順にてドアロック解除データを送信した後に撮影されたデータとした
請求項19から請求項21のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の会員向けサービス(たとえば、カーシェアリング)における本人確認としてIC運転免許証(以下「IC免許証」と記す)を使用する場合の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
IC運転免許証による本人確認は、本人から提示された確認者が、IC運転免許証に貼付された顔写真を見た後、確認者が本人へ了解を取った上で運転免許証番号(以下「免許証番号」と記す)を控える、というやり方が多い。
書類審査においてインターネットを介して本人確認をする場合、審査を受ける本人が審査書類とともにIC運転免許証のスキャンデータを送信し、確認者は書類およびIC運転免許証の氏名住所などのデータとが一致しているかどうか、を確認する、というやり方が多い。
【0003】
カーシェアリングを事業として実施しているサービス業者としては、カーシェアリングの会員登録をしたユーザがシェアリングの対象となるシェアカーへ乗車する際に、サービス業者が発行している会員カードにてシェアカーのドア開閉を可能としている。すなわち、会員カードを携帯しているユーザが会員本人であるという推定に基づいてサービスを運営している。また、IC免許証を携帯しているか否かは、ユーザの責任としている。
【0004】
現在のIC免許証は、ICチップを内蔵したIC免許証となっており、本人が登録した2種類の暗証番号(4桁)とともに、本人を特定するための情報が記録されている。
暗証番号なしに読み出せる情報は、免許証の交付年月日と有効期限年月日である。カードリーダを介して一つ目の暗証番号の入力に伴って読み出せる情報は、免許証に記載されている情報、すなわち氏名、住所、免許証番号などである。二つ目の暗証番号を入力することによって読み出せる情報は、本籍地および免許証の顔写真である。
【0005】
特許文献1には、IC免許証に内蔵されたICチップなどに対して、ICカードの認証の際に、情報漏洩をより確実に抑えつつ、容易且つ迅速に暗証番号の入力作業を行える技術が開示されている。
特許文献2には、IDやパスワードを入力せず、予約サイトに表示された表示内容を利用者が検討しなくても、カーシェアリングの車両を予約可能な技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-15623号公報
【特許文献2】特開2016-151982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
カーシェアリングの会員であっても、会員カードの携帯を忘れる、という事態は少なくない。この場合、コールセンターにて本人確認を実行することとなる(そのことは本発明に直接関係ないので、それ以上の説明を省略する)。
会員カードの携帯を忘れる、という事態となってもシェアカーのドア開閉を可能とするために、IC免許証を用いること(IC免許証を会員カードに代用する)とすれば、免許証の不携帯という前述した事態も解消できることとなる。しかし、IC免許証のみで、カーシェアリングサービスの運用をするには、「本人確認」という点で、以下のような問題がある。
【0008】
IC免許証を暗証番号なしに読み出せる情報は、前述したように、免許証の交付年月日と有効期限年月日のみである。この2つのデータであっても、そのIC免許証を持参した人間が、カーシェアリングの予約をした本人である、という確認には、会員の数が多い場合には、精度が低い。
たとえば、会員数が90万人いる場合、有効期限年月日が重なる会員は、平均で493人となってしまうこととなる。会員登録をしていないのに、シェアカーのドア開閉をしようとする、いわゆる愉快犯を考慮すると、IC免許証を保有する8200万人が対象となるので、約4万5千人ずつが重なってしまう。
【0009】
先行技術として列挙した特許文献2では、IC免許証に登録された2つの暗証番号(4桁の数字)を使うことで、本人特定をする技術が開示されている。しかし、この技術を運用するのは現実的ではない。会員ユーザが2つの暗証番号を、いつまでも記憶しているとは限らないからである。
【0010】
前述の課題は、サービス提供者側の無人化が進むレンタカーサービスでも、ほぼ同様の問題を抱えている。以下、本願では、カーシェアリングサービスとレンタカーサービスとを併せて、「車両共有サービス」として説明する。
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、車両共有サービスなど会員向けサービスにおいて、車両の貸し出しの際に会員ユーザがIC免許証を携帯していることを確認するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した課題を解決するため、車両に搭載されるデータ処理装置に係る第一の発明、第一に係るデータ処理装置を制御するコンピュータプログラムに係る第二の発明、第一の発明に係るデータ処理装置と非接触通信をする携帯通信端末を制御するコンピュータプログラムに係る第三の発明を提供する。
【0013】
(第一の発明)
第一の発明は、予約に係る車両に搭載されるデータ処理装置に係る。
予約に係る車両に搭載されるデータ処理装置であって、
前記の車両に関する管理をする車両管理サーバから予約に係る車両の予約日時場所データおよび予約者IDを含む予約データならびに前記の予約者IDに紐付けられた予約者の免許証を確認するための免許証確認用データを受信する予約データ等受信手段と、
予約者に係るIC免許証から免許証データを読み取る短距離データ通信装置と 前記の予約データ等受信手段が受信した前記の予約データ、前記の免許証確認データおよび前記の免許証データが一致するか否かを照合するデータ処理手段と、
そのデータ処理手段の照合結果に基づいて前記の車両のドアロックを解除するドアロック解除データを送信するドアロック解除データ送信手段と、
前記のデータ処理手段の照合結果に基づいて前記の車両のエンジン制御装置に対してエンジンを作動可能とするエンジンロック解除データを送信するエンジン制御データ送信手段、
を備える。
前記のデータ処理手段は、前記の免許証確認用データおよび前記の免許証データが一致するか否かを照合するとともに、 一致した場合に前記のドアロック解除データおよび前記のエンジンロック解除データを送信することとした。第一の発明は、以上のようなデータ処理装置に係る(図2参照)。
【0014】
(用語説明)
「車両」とは、車両共有サービスの事業において用いられるサービス対象車両のことであり、車両共有サービスがカーシェアリングであればカーシェアリング対象車両であり、
車両共有サービスがレンタカーサービスであればレンタカーとなる。
「予約者ID」とは、予約者の氏名のほか、予約者の氏名と紐付けられたコードなどである。コードを用いるには、予約者となるための登録が必要である。
「免許証」とは、前記の「車両」を運転するための運転免許である。IC免許証は、免許証番号などのデータを格納し、短距離通信(非接触通信)などが可能なICチップを組み込んだ免許証である。
「免許証確認用データ」とは、暗証番号入力無しに短距離データ通信装置にて読み出せる数字や文字列などの電子データであり、そのより具体的には、交付年月日、有効期限の末日などである(IC免許証の場合、持ち主の暗証番号入力がないと読み出せないデータ(たとえば免許証番号)がある)。
【0015】
「短距離データ通信装置」は、短距離データ通信(非接触通信)によって携帯通信端末との通信が可能な機器である。リーダライター、カードリーダなどと称される。ここで「短距離データ通信」とは、例えば、Bluetooth(登録商標)などのデータ通信である。
「エンジンロック解除データ」とは、シェアカーにおけるエンジン始動をエンジン制御装置にて制御している場合には、エンジンロック解除データであり、車両におけるエンジン始動をエンジンキーの収納場所であるキーボックスのロックにて間接的に制御している場合には、キーボックスのロック解除データとなる。
【0016】
(作用)
車両に関する管理をする車両管理サーバから予約に係る車両の予約日時場所データおよび予約者IDを含む予約データならびに前記の予約者IDに紐付けられた予約者の免許証を確認するための免許証確認用データを、予約データ等受信手段が受信する。予約者に係るIC免許証から免許証データを短距離データ通信装置が読み取る。
データ処理手段は、免許証確認用データおよび免許証データが一致するか否かを照合する。そして、一致した場合には、ドアロック解除データおよびエンジンロック解除データを送信する。
【0017】
ドアロックが解除されれば予約者は車両へ乗り込むことができ、エンジンロックが解除されれば予約者は車両のエンジンを始動させることができる。すなわち、予約者は、IC免許証を持っていれば、会員カードを携帯していなくても予約に係る車両に乗り込み、運転することができる。
車両の提供者は、予約者へ車両を提供するに際して、運転免許証を携帯していることを確認することを兼ねることができる。すなわち、IC免許証を携帯していない予約者は、車両のエンジンを始動させることができないので、結果として免許証不携帯のドライバーが運転することは、未然に防止できる。
【0018】
(第一の発明のバリエーション)
第一の発明は、以下のように形成してもよい。
すなわち、前記の短距離データ通信装置は、予約者に係るICカードから予約者IDを読み取ることとし、
前記のデータ処理手段は、前記の短距離データ通信装置の読み取った予約者IDが前記の予約データ等受信手段の受信した予約者IDと一致した場合にドアロック解除データを送信するとともに、前記の免許証確認用データおよび前記の免許証データが一致した場合に前記のエンジンロック解除データを送信することするのである(図4参照)。
【0019】
(用語説明)
ICカードは、予約者となれる登録者(会員)に予め発行されており、属性情報や運転免許証に関わる各種データを予め登録することで発行される。このICカードに格納されている予約者ID(会員ID)は、短距離通信によって読み出せる。なお、短距離無線通信の機能を備えた、たとえばスマートフォンなどの携帯通信機器で代用することもできる。
【0020】
(作用)
予約者は、自らに係るICカードを短距離データ通信装置に読み取らせ、短距離データ通信装置は、予約者に係るICカードから予約者IDを読み取る。その予約者IDと、予約データ等受信手段が予め受信している予約データに含まれる予約者IDとをデータ処理手段が判断し、一致していた場合には、ドアロック解除データが車両のドアに対して送信される。すると、予約者は、車両に乗り込むことができる。
IC免許証を携帯していない予約者はドアロックを解除できないので、結果として免許証不携帯のドライバーが運転することを未然に防止できる。予約者としては、ICカードおよび運転免許証の両方が必要となる一方、予約遂行の確実性が増す。
【0021】
(第二の発明)
第二の発明も、予約に係る車両に搭載されるデータ処理装置に係る。第一の発明のバリエーションとの相違点は、暗証番号入力手段を備えることによって、IC免許証に格納された免許証番号を読み取ることとしている点である。
すなわち、前記の車両に関する管理をする車両管理サーバから予約に係る車両の予約日時場所データおよび予約者IDを含む予約データならびに前記の予約者IDに紐付けられた予約者の免許証番号を受信する予約データ等受信手段と、
予約者に係るIC免許証の暗証番号の入力を受け付けた暗証番号入力手段から暗証番号データを受信する暗証番号データ受信手段と、
予約者に係るICカードから予約者IDを読み取るとともに前記の暗証番号データを受信した場合に予約者に係るIC免許証から免許証番号を受信することとした短距離データ通信装置と、
前記の予約データ等受信手段が受信した前記の予約者IDと前記の短距離データ通信装置が受信した予約者IDとの一致、並びに予約データ等受信手段が受信した免許証番号と前記の短距離データ通信装置が受信した免許証番号とを照合するデータ処理手段と、
そのデータ処理手段が照合して一致した場合に前記の車両のドアロックを解除するドアロック解除データを送信するドアロック解除データ送信手段と、
前記のデータ処理手段が照合して一致した場合に前記の車両のエンジン制御装置に対してエンジンを作動可能とするエンジンロック解除データを送信するエンジン制御データ送信手段と、
を備えたデータ処理装置である(図3参照)。
【0022】
(用語説明)
「暗証番号入力手段」とは、たとえば、後述する実施形態においては、カーナビゲーション装置の液晶画面のタッチパネルに表示させるテンキーとしているが、カーナビゲーション装置とは別にテンキー入力装置を備えることとしてもよい。乗車した際に操作可能であるように、車両の中に備えられているのが一般的である。
【0023】
(作用)
ICカードの予約者IDと、予め受信していた予約データに含まれる予約者IDとが一致した場合、ドアロックが解除される。そこで予約者は車両に乗り込むことができる。
暗証番号入力手段を用いて予約者が暗証番号を入力すると、短距離データ通信装置は免許証番号を読み出すことができる。その免許証番号が予約データ等受信手段の予め受信していた免許証番号と一致していると、データ処理手段が照合した場合には、車両のエンジン制御装置に対してエンジンを作動可能とするエンジンロック解除データが送信され、予約者はエンジンを始動させることができる。
車両の提供者は、予約者へ車両を提供するに際して、運転免許証を携帯していることを確認することを兼ねることができる。たとえば、運転免許証の更新期間中の利用、運転免許証の更新直後の利用、といった場面において有効に機能する。
【0024】
(第三の発明)
第三の発明も、予約に係る車両に搭載されるデータ処理装置に係る。第二の発明にて用いたICカードの代わりに、予約情報をインストールした予約者に係る携帯通信端末と、その携帯通信端末の撮影機能にてIC免許証を撮影したデータとを用いる(図5参照)。
すなわち、前記の車両に関する管理をする車両管理サーバから予約に係る車両の予約日時場所データおよび予約者IDを含む予約データならびに前記の予約者IDに紐付けられた予約者の免許証番号を受信した当該予約者に係る携帯通信端末との短距離通信を実行する短距離データ通信装置と、
その短距離データ通信装置から所定のデータを受信して処理するデータ処理手段と、
そのデータ処理手段にて処理されたデータに基づいて、車両のドアロック解除データを受信した場合に車両のドアロックを解除するドアロック手段と、
前記のデータ処理手段にて処理されたデータに基づいて、車両のエンジンロック解除データを受信した場合に車両のエンジンが掛かる状態とするエンジン制御装置と、
を備える。
前記の短距離データ通信装置は、前記の携帯通信端末に備えられているカメラ機能にてIC免許証を撮影して得た免許証の撮影データを受信して前記のデータ処理手段へ送信し、
前記のデータ処理手段は、受信した免許証の撮影データと前記の車両管理サーバから受信した予約データおよび予約者の免許証番号とが一致しているか否かを検証する。一致している場合には、前記のドアロック手段へドアロック解除データを送信するとともに、前記のエンジン制御装置へエンジンロック解除データを送信することとする。
【0025】
(用語説明)
「携帯通信端末」とは、いわゆるスマートフォンが一般的である。タブレット端末、ノート型パソコンでも良い。短距離通信(非接触通信)が可能なICチップを搭載するとともに、インターネット接続が可能であること、およびカメラ機能があることが、その端末の機能として求められる。
【0026】
「免許証撮影データ」をデータ処理手段が扱う場合として、画像データにおける一部(例えば、免許証番号、交付年月日、有効期限末日)をデジタル化して扱う場合のほか、データ処理手段が画像データとして扱う場合(図9,10参照)も含む。この場合、予約データ等受信手段が受信する免許証データは、免許証撮影データとの照合がしやすいデータ(たとえば免許証の画像データ)であることが望ましい。加えて、撮影データと画像データとを用いて照合する場合、テキストデータのような完全一致ではなくても一致する(たとえば、所定の解像度で9割以上の一致にて是とするなど)として判断するアルゴリズムを採用することが一般的である。
【0027】
(作用)
車両に関する管理をする車両管理サーバから予約に係る車両の予約日時場所データおよび予約者IDを含む予約データ、ならびに前記の予約者IDに紐付けられた予約者の免許証データを、会員ユーザに係る携帯通信端末が受信する(1)。そして、その携帯通信端末との短距離データ通信によって予約データにおける予約者IDを、短距離データ通信手段が受信する(2)。
【0028】
一方、携帯通信端末のカメラ機能を用いて会員ユーザは自らのIC免許証を撮影し、その撮影データを、前記の短距離データ通信手段が受信する(3)。
短距離データ通信手段が受信した予約データおよび免許証データと免許証撮影データとをデータ処理手段が照合する(4)。免許証の撮影データと予約データおよび予約者の免許証番号とが一致した場合には、車両のドアロックを解除するドアロック解除データを、ドアロック解除データ送信手段が送信する(5)。データ処理手段が照合して前記の免許証データおよび前記の免許証撮影データが一致した場合には、前記の車両のエンジン制御装置に対してエンジンを作動可能とするエンジンロック解除データをエンジン制御データ送信手段が送信する(6)。
【0029】
予約者IDを含む予約データを格納した携帯通信端末によって予約者は、車両へ乗り込むことができ、IC免許証を撮影した撮影データに基づいてエンジンロックを解除できる。
車両の提供者は、予約者へ車両を提供するに際して、運転免許証を携帯していることを確認することを兼ねることができる。 免許証の携帯確認として免許証撮影データを用いるので、IC運転免許証のように電子データを内蔵していない、例えば国際運転免許証であっても、対応可能である。
【0030】
(第四の発明)
第四の発明は、会員ユーザに係る携帯通信端末にてドアロックを解除でき、その後、IC運転免許証のデータにてエンジンロックを解除できるデータ処理装置に係る(図13参照)。
すなわち、車両に関する管理をする車両管理サーバから予約に係る車両の予約日時場所データおよび予約者IDを含む予約データならびに前記の予約者IDに紐付けられた予約者の免許証を確認するための免許証確認用データを受信する予約データ等受信手段と、
予約に係る車両の予約日時場所データおよび予約者IDを含む予約データならびに前記の予約者IDに紐付けられた予約者の免許証データを受信した当該予約者に係る携帯通信端末との短距離通信を実行する短距離データ通信装置と、
前記の予約データ等受信手段が受信した前記の予約データおよび前記の短距離データ通信装置が受信した予約データが一致するか否かを照合するデータ処理手段と、
そのデータ処理手段の照合結果に基づいて前記の車両のドアロックを解除するドアロック解除データを送信するドアロック解除データ送信手段と、
前記のデータ処理手段の照合結果に基づいて前記の車両のエンジン制御装置に対してエンジンを作動可能とするエンジンロック解除データを送信するエンジン制御データ送信手段と、
を備える。
前記の短距離データ通信装置は、予約者に係るIC免許証から免許証データを読み取ることとし、
前記のデータ処理手段は、前記の短距離データ通信装置が読み取った免許証データと前記の予約者に係る携帯通信端末から受信した免許証データとが一致した場合に前記のドアロック解除データ送信手段へドアロック解除データを送信することとする。
【0031】
(作用)
会員ユーザは、自らに係る携帯通信端末にてまずドアロックを解除できる。そして、予約に係る車両へ乗車した後、IC運転免許証を短距離データ通信装置と通信させることでエンジンロックを解除できる。
【0032】
(第三および第四の発明のバリエーション)
第三および第四の発明は、以下のように形成してもよい。
すなわち、前記の短距離データ通信手段は、会員ユーザに係る携帯通信端末のGPS機能を介して読み取った位置データを受信することとし、
前記のデータ処理手段は、前記の位置データと前記の予約データ等受信手段が受信した予約日時場所データにおける場所データとが一致した場合にドアロック解除データを送信することとしてもよい(図7参照)。
【0033】
(作用)
会員ユーザに係る携帯通信端末のGPS機能を介して読み取った位置データを、短距離データ通信手段が受信する。その位置データは、予約データ等受信手段が受信した予約日時場所データにおける場所データとの一致をデータ処理手段が判断し、一致した場合にドアロック解除データを送信する。
【0034】
(第一から第四の発明のバリエーション)
前記のデータ処理手段において受信した免許証確認データおよび免許証データは、所定時間が経過したら削除することとすると、より好ましい。データ漏洩の危険性を下げることに寄与するからである。
【0035】
データ削除のタイミングは、所定時間の経過の他、エンジン制御装置へのエンジンロック解除データの送信が終わったことをトリガーとするなど、様々なバリエーションがあり得る。
また、漏洩を防ぎたいデータとしては、免許証確認データ、免許証データ以外のデータを含めることとしてもよい。
【0036】
(第五の発明)
第五の発明は、第一に係るデータ処理装置を制御するコンピュータプログラムに係る(図2参照)。
すなわち、 前記の予約に係る車両の予約日時場所データおよび予約者IDを含む予約データならびに前記の予約者IDに紐付けられた予約者の免許証を確認するための免許証確認用データを車両に関する管理をする車両管理サーバから受信する予約データ等受信手順と、
前記の短距離データ通信装置にて予約者に係るIC免許証から免許証データを読み取る免許証データ読み取り手順と、
その免許証データ読み取り手順にて読み取った免許証データおよび前記の予約データ等受信手順にて受信した免許証確認用データが一致するか否かを検証するデータ処理手順と、
そのデータ処理手順にてデータが一致した場合に前記の車両のドアロックを解除するドアロック解除データを送信するドアロック解除データ送信手順と、
前記のデータ処理手順にてデータが一致した場合に前記の車両のエンジン制御装置に対してエンジンを作動可能とするエンジンロック解除データを送信するエンジン制御データ送信手順と、
を前記のデータ処理装置に実行させることとしたコンピュータプログラムに係る。
【0037】
(第五の発明のバリエーション)
第五の発明は、以下のように形成してもよい。
すなわち、前記の短距離データ通信装置から予約者に係るICカードから予約者IDを読み取る予約者ID読み取り手順を前記のデータ処理装置に実行させる。
そして、前記のデータ処理手順においては、前記の短距離データ通信装置から読み取った予約者IDが前記の予約データ等受信手順において受信した予約者IDと一致した場合にドアロック解除データを送信し、
前記の免許証確認用データおよび前記の免許証データが一致した場合に前記のエンジンロック解除データを送信することとしてもよい。
【0038】
(第六の発明)
第六の発明もまた、データ処理装置を制御するコンピュータプログラムに係る。
すなわち、前記のデータ処理装置は、予約者に係るIC免許証から免許証データを読み取る短距離データ通信装置と、IC免許証の暗証番号の入力を受け付ける暗証番号入力手段と、を備えている。
前記のコンピュータプログラムは、
前記の車両に関する管理をする車両管理サーバから予約に係る車両の予約日時場所データおよび予約者IDを含む予約データならびに前記の予約者IDに紐付けられた予約者の免許証番号を受信する予約データ等受信手順と、
前記の短距離データ通信装置にて予約者に係るICカードから予約者IDを受信する予約者ID受信手順と、
前記の予約データ等受信手順にて受信した予約者IDと前記の短距離データ通信装置が受信した予約者IDとが一致した場合に前記の車両のドアロックを解除するドアロック解除データを送信するドアロック解除データ送信手順と、
前記の暗証番号入力手段から予約者に係るIC運転免許証の暗証番号データを受信する暗証番号データ受信手順と、
その暗証番号データ受信手順にて暗証番号データ受信した場合に予約者に係るIC免許証から免許証番号を受信する免許証番号受信手順と、
前記の予約データ等受信手段が受信した免許証番号と前記の短距離データ通信装置が受信した免許証番号とを照合して一致した場合には前記の車両のエンジン制御装置に対してエンジンを作動可能とするエンジンロック解除データを送信するエンジン制御データ送信手順と、
を前記のデータ処理装置に実行させることとしたコンピュータプログラムである。
【0039】
(第七の発明)
第七の発明もまた、データ処理装置を制御するコンピュータプログラムに係る。
前記のデータ処理装置は、予約者に係るカメラ機能付きの携帯通信端末との無線通信によって各種データを受可能な短距離データ通信手段を備えている。
コンピュータプログラムは、
前記の車両に関する管理をする車両管理サーバから予約に係る車両の予約日時場所データおよび予約者IDを含む予約データならびに前記の予約者IDに紐付けられた予約者の免許証番号を受信した当該予約者に係る携帯通信端末との短距離通信にて前記の短距離データ受信手段を介して受信する予約データ等受信手順と、
前記の携帯通信端末に備えられているカメラ機能にてIC免許証を撮影して得た免許証撮影データを受信する免許証撮影データ受信手順と、
その免許証撮影データ受信手順にて受信した免許証撮影データおよび前記の予約データ等受信手順にて受信した免許証データが一致するか否かを検証する免許証データ照合手順と、
その免許証データ照合手順にて免許証データが一致した場合に当該車両のドアロック手段に対してドアロック解除データを送信するドアロック解除セータ送信手順と、
その免許証撮影データ受信手順にて受信した免許証撮影データおよび前記の予約データ等受信手順にて受信した免許証データが一致するか否かを照合し、一致した場合に前記の車両のエンジン制御装置に対してエンジンを作動可能とするエンジンロック解除データを送信するエンジン制御データ送信手順と、
を前記のデータ処理装置に実行させることとしたコンピュータプログラムである。
【0040】
第八の発明もまた、データ処理装置を制御するコンピュータプログラムに係る。
前記のデータ処理装置は、予約者に係る携帯通信端末との無線通信によって各種データを受可能な短距離データ通信手段を備えている。
コンピュータプログラムは、 前記の車両に関する管理をする車両管理サーバから予約に係る車両の予約日時場所データおよび予約者IDを含む予約データならびに前記の予約者IDに紐付けられた予約者の免許証を確認するための免許証確認用データを受信する予約データ等受信手順と、
前記の車両管理サーバから前記の予約データおよび前記の免許証確認用データを受信した予約者に係る携帯通信端末が前記の予約データおよび前記の免許証確認用データを、前記の短距離データ通信手段を介して受信する端末データ受信手順と、
その端末データ受信手順にて受信した予約データが前記の予約データ等受信手順にて受信した予約データと一致した場合に当該車両のドアロック手段に対してドアロック解除データを送信するドアロック解除セータ送信手順と、
前記の短距離データ通信手段を介して予約者に係るIC免許証から免許証データを読み取る免許証データ受信手順と、
その免許証データ受信手順にて受信した免許証データが前記の予約データ等受信手順にて受信した免許証確認用データと一致した場合に前記の車両のエンジン制御装置に対してエンジンを作動可能とするエンジンロック解除データを送信するエンジン制御データ送信手順と、
を前記のデータ処理装置に実行させることとしたコンピュータプログラムである。
【0041】
(第七および第八の発明のバリエーション)
第七および第八の発明は、以下のように形成してもよい。
すなわち、 予約者に係る携帯通信端末のGPS機能を介して読み取った位置データを受信する位置データ受信手順をも前記のデータ処理装置に実行させるとともに、
前記のドアロック解除データ送信手順においては、前記の位置データ受信手順にて受信した位置データと前記の予約データ等受信手順にて受信した予約日時場所データにおける場所データとが一致した場合にドアロック解除データを送信することとしてもよい。
【0042】
(第五から第八の発明のバリエーション)
第五から第八の発明においては、 前記のドアロック解除データ送信手順にてドアロック解除データをエンジン制御装置へ送信した後に、データ処理手段における免許証確認用データおよび免許証データを削除するデータ削除手順を含めると、好ましい。
【0043】
第五から第八の発明に係るコンピュータプログラムを、記録媒体へ記憶させて提供することもできる。
ここで、「記録媒体」とは、それ自身では空間を占有し得ないプログラムを担持することができる媒体である。例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-R、CD-RW、MO(光磁気ディスク)、DVD-R、DVD-RW、フラッシュメモリなどである。
また、この発明に係るプログラムを格納したコンピュータまたはデータ処理装置から、通信回線を通じて他のデータ処理装置へ伝送することも可能である。
【0044】
(第九の発明)
通信機能、非接触通信機能、およびカメラ機能を備えたユーザに係る携帯通信端末へインストールされるコンピュータプログラム(アプリケーションソフトウェア)に係る。
すなわち、受信する予約データ等受信手順と、
前記の非接触通信機能を用いて所定のデータリーダへ前記の予約データを送信する予約データ送信手順と、
前記のカメラ機能に基づいて前記のユーザに係る証明書類をユーザが撮影した画像データを取得する画像データ取得手順と、
その画像データ取得手順にて取得した画像データにおける必要箇所をデジタルデータに変換するデータ変換手段と、
そのデータ変換手段が変換したデジタルデータを前記のデータリーダへ送信する変換データ送信手順と、
を前記の携帯通信端末に実行させることとしたコンピュータプログラムである。
【0045】
(用語説明)
「通信機能、非接触通信機能、およびカメラ機能を備えたユーザに係る携帯通信端末」とは、スマートフォン、タブレット型端末、ノートパソコンなどである。
「予約データ」とは、たとえば、サービスの予約内容を示すデータであり、日時データ、予約者を特定するためのデータ(氏名、会員ID)などが含まれる。
「所定のサーバ」とは、ユーザに対して提供するサービスに関する管理データを蓄積したり、予約を受け付けたり、必要なデータをユーザに係る端末などへ送信したりするデータ管理サーバである。
【0046】
「データリーダ」とは、非接触通信チップを内蔵したICカードや携帯通信端末との非接触通信をしてデータの送受信が可能な機器であり、短距離データ通信装置が代表的である。後述する実施形態においては、サービス対象車両の車内に搭載され、車外にいるユーザに係る携帯通信端末との非接触通信が可能である。
「証明書類」とは、後述する実施形態においては運転免許証であるが、本願発明としてはパスポート、健康保険証なども含むこととする。
「画像データにおける必要箇所」とは、後述する実施形態においては運転免許証における交付年月日、有効期限などである。証明書類がパスポートである場合には、パスポート番号などである。
【0047】
(第九の発明のバリエーション)
第九の発明は、以下のように形成してもよい。
すなわち、 前記の携帯通信端末には、GPS機能を備えることとし、
前記の予約データには、予約に係るサービスの提供場所に関する場所データを含み、
前記の予約データ送信手順においては、前記のGPS機能を用いて取得した位置データをも前記のサーバへ送信することとするのである。
【0048】
第七の発明に係るコンピュータプログラムは、所定のサーバから携帯通信端末へダウンロード可能としたり、記録媒体へ記憶させて提供したりすることができる。
ここで、「記録媒体」とは、それ自身では空間を占有し得ないプログラムを担持することができる媒体である。例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-R、CD-RW、MO(光磁気ディスク)、DVD-R、DVD-RW、フラッシュメモリなどである。
また、この発明に係るプログラムを格納した通信端末から、通信回線を通じて携帯通信端末へ伝送することも可能である。
【発明の効果】
【0049】
第一から第四の発明によれば、車両共有サービスにおいて、車両の貸し出しの際にIC免許証の携帯を確認するために利用可能なデータ処理装置を提供することができた。
第五から第八の発明によれば、車両共有サービスにおいて、車両の貸し出しの際にIC免許証の携帯を確認するために利用可能なデータ処理装置を制御するコンピュータプログラムを提供することができた。
第九の発明によれば、車両共有サービスにおいて、車両の貸し出しの際にIC免許証の携帯を確認するために利用可能な携帯情報端末を制御するアプリケーションプログラムを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】本発明の第一の実施形態に係る車両管理サーバおよびサービス対象車両のデータ処理装置の全体を示す概略説明図である。
図2】本発明の第一の実施形態に係る車両管理サーバおよびサービス対象車両のデータ処理装置のブロック図である。
図3】本発明の第二の実施形態に係る車両管理サーバおよびサービス対象車両のデータ処理装置のブロック図である。
図4】本発明の第三の実施形態に係る車両管理サーバおよびサービス対象車両のデータ処理装置のブロック図である。
図5】本発明の第四の実施形態に係る車両管理サーバおよびサービス対象車両のデータ処理装置のブロック図である。
図6】本発明の第四の実施形態に係るフローチャートである。
図7】本発明の第五の実施形態に係る車両管理サーバおよびサービス対象車両のデータ処理装置のブロック図である。
図8】本発明の第五の実施形態に係るフローチャートである。
図9】本発明の第六の実施形態に係る車両管理サーバおよびサービス対象車両のデータ処理装置のブロック図である。
図10】本発明の第六の実施形態に係るフローチャートである。
図11】本発明の第七の実施形態に係る車両管理サーバおよびサービス対象車両のデータ処理装置のブロック図である。
図12】本発明の第八の実施形態に係る車両管理サーバおよびサービス対象車両のデータ処理装置のブロック図である。
図13】本発明の第九の実施形態に係る車両管理サーバおよびサービス対象車両のデータ処理装置のブロック図である。
図14】車両へ搭載された機器と車両外の機器やサーバとの関係を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、本発明の実施形態について、図面(図1から図14)を参照して説明する。本発明は、実施形態に限定されるものではなく、本発明を解釈するための形態である。たとえば以下の実施形態では、カーシェアリングを例示しているが、本発明は、レンタカーサービスにも適用可能である。
【0052】
図1
図1は、車両管理サーバと、その車両管理サーバとの双方向通信によって管理対象となっているサービス対象車両(シェアカー)に搭載されるデータ処理装置と、予め会員登録をした会員ユーザが保有している会員カードおよび当該会員ユーザに係るIC運転免許証と、の関係を示している。図中、有線通信を実線で、無線通信を二点破線で示している。
【0053】
車両管理サーバは、予め会員登録をした会員の管理データ蓄積やカーシェアリングに用いるシェアカーの管理データ蓄積、シェアカーのデータ処理装置との通信、会員ユーザに係る通信端末との通信を実行する。
【0054】
サービス対象車両(シェアカー)に搭載されたデータ処理装置(カーシェア車載機)は、通信ネットワーク経由でデータの送受信をするデータ送受信機(図示を省略)、短距離無線通信が可能なカードリーダ(短距離データ通信装置)、車両のドアをロックするドアロック装置、車両のエンジンを制御するエンジン制御装置、多機能カーナビゲーション装置を備える。そして、各装置の中心となるのがデータ処理手段である、として図示している。
本願発明では、サービス対象車両には、前述の多機能カーナビゲーション装置に加えてGPSも搭載されており、車両の現在位置データを間欠的にカーシェアリング管理サーバへ送信している。
【0055】
会員ユーザは、自らに係る通信端末にて、カーシェアリングサービスを利用するための予約を入れるほか、シェアカーを利用する際には、短距離無線通信が可能なICおよび会員である会員IDをデータとして格納したICを備えた会員カード(ICカード)と、IC運転免許証とを必要とする。
なお、会員カードは、携帯通信端末に代用させることも可能である。
【0056】
会員ユーザに係る携帯通信端末は、カーシェアリングサービスの予約をするためのデータ通信を車両管理サーバと実行し、予約確認のためのデータを車両管理サーバから受信する、などの機能をなす。
【0057】
図2
図2に示すのは、会員ユーザが自らに係る携帯通信端末を用いて、予約を申し込み、その予約が完了してから、その予約遂行時に、予約に係るシェアカーのドアロックを解除し、エンジンを掛けられるようになるまでを示した実施形態である。
【0058】
図2に示す実施形態では、シェアカーに搭載されたデータ処理装置(図中では「シェアカー車載機」と表示)が、IC運転免許証からのデータ読み込みを実行する旨を、カッコ書きの数字による動作の手順とともに示している。
【0059】
前提として、会員ユーザは、カーシェアリングの会員登録を済ませており、カーシェアリング運営会社から提供されたICカードたる会員カードを保持している。その会員カードに記載された会員番号を用いて、カーシェアリングの予約を完了している(1)。
【0060】
車両管理サーバ(の会員データベース)は、その予約に関わる予約データと免許証データとを予約に係るシェアカー車載機に対し、当該予約が遂行される前までに送信している(2)。ここで、予約データとは、会員ID、予約に係る日時、駐車場の場所を含む。また、免許証データとは、交付年月日データ、有効期限の末日である。
有効期限の末日というデータは、IC運転免許証が更新されれば変更されるが、変更された後の有効期限は、会員ユーザの生年月日との関係で割り出せる。
【0061】
予約者である会員ユーザは、その予約の日時になったら、予約に係るシェアカーが停められている駐車場へ出向き、予約に係るシェアカーの短距離データ通信装置(車両の後部座席の内側窓に固定されている)へIC運転免許証をかざす(3)。短距離データ通信装置は、IC運転免許証との短距離無線通信を介して交付年月日データおよび有効期限の末日を読み込む。この交付年月日データおよび有効期限の末日は、暗証番号の入力無しに読み出すことができる。
【0062】
短距離データ通信装置が読み込んだ交付年月日データおよび有効期限の末日は、データ処理手段において、車両管理サーバから受信した交付年月日データおよび有効期限の末日と照合する(4)。一致した場合には、データ処理手段がドアロック解除データをドアロック手段へ送信する(5)とともに、エンジン制御装置に対して、エンジンロック解除データを送信する(6)。会員ユーザは、車両に乗り込むことができ、エンジンを始動させることができるようになる。
【0063】
本実施形態によれば、会員ユーザは、IC運転免許証のみで(会員カードなしに)予約した車両に乗り込み、運転を開始することができる。換言すれば、運転免許証を携帯していない運転を許さないこととなる。
交付年月日データおよび有効期限の末日を照合するのみでは、会員ユーザを一義的に特定することにはならないが、運用上は無視できる可能性が高い。
【0064】
図3
図3に示すのは、会員カードにて車両のドアを解錠し、IC運転免許証でエンジンを掛けられるようになるまでを示した実施形態である。
車両管理サーバからは、会員IDおよび予約日時場所データを含んだ予約情報が予め、該当するシェアカーの車載機へ送信されている(1)。
【0065】
予約者である会員ユーザは、その予約の日時になったら、予約に係るシェアカーが停められている駐車場へ出向き、予約に係るシェアカーの短距離データ通信装置へ会員カードをかざす(2)。短距離データ通信装置は、会員カードに格納された会員IDを読み込む。
【0066】
短距離データ通信装置が読み込んだ会員IDは、データ処理手段に送られる(3)。そして、車両管理サーバから受信した会員IDと照合する。一致した場合には、データ処理手段がドアロック解除データをドアロック手段へ送信する(4)。これで、会員ユーザは、車両へ乗り込むことができる(図中、縦方向の中央付近において仕切り線を入れており、その上下で場面が異なる旨を示す)。
【0067】
車両管理サーバからは、予約情報とともにその予約に係る会員IDに紐付けられた免許証番号をデータ処理手段は受信しており、予約情報とともに予め取得している(1)。
会員ユーザが車両へ乗り込むと、多機能カーナビゲーション装置の液晶画面にテンキーが表示されるので、会員ユーザは、IC運転免許証に係る暗証番号を入力する(5)。入力された暗証番号は短距離データ通信装置に送られる(6)。この後、会員ユーザは、IC運転免許証を短距離データ通信装置へかざす。すると、短距離データ通信装置は、免許証番号を引き出す(7)。
【0068】
データ処理手段は、短距離データ通信装置からデータ処理手段に送られた免許証番号を受信し(8)、車両管理サーバから送られた免許証番号と照合する。一致している場合には、エンジンロック解除データをエンジン制御装置へ送信する(9)。この時点で会員ユーザは、車両のエンジンを始動させることができるようになる。
【0069】
この実施形態によれば、会員ユーザは、会員カードおよびIC運転免許証によって予約した車両に乗り込み、運転を開始することができる。換言すれば、運転免許証を携帯していない運転を許さないこととなる。
また、IC運転免許証から免許証番号を用いた照合を実行するので、会員ユーザを一義的に特定することができる。
【0070】
図4
図4に示すのは、会員カードおよびIC運転免許証にて車両のドアを解錠し、且つエンジンを掛けられるようになるまでを示した実施形態である。
車両管理サーバからは、会員IDおよび予約日時場所データを含んだ予約情報と、免許証データとが予め、該当するシェアカーの車載機へ送信されている(1)。
【0071】
予約者である会員ユーザは、その予約の日時になったら、予約に係るシェアカーが停められている駐車場へ出向き、予約に係るシェアカーの短距離データ通信装置へ会員カードおよびIC運転免許証をかざす(2)。短距離データ通信装置は、会員カードから会員IDを、IC運転免許証からは交付年月日データおよび有効期限の末日を読み込む(3,4)。
【0072】
データ処理手段によって、車両管理サーバから受信した予約情報に係る会員IDと短距離データ通信装置が読み込んだ会員IDとが一致した場合には、ドアロック解除データがドアロック手段に対して出力される(5)。
また、車両管理サーバから受信した免許証データにおける交付年月日および有効期限の末日と短距離データ通信装置が読み込んだものと一致した場合には、エンジンロック解除データがエンジン制御装置に対して出力される(6)。
【0073】
交付年月日データおよび有効期限の末日は、データ処理手段において、車両管理サーバから受信した交付年月日データおよび有効期限の末日と照合する(4)。一致した場合には、データ処理手段がドアロック解除データをドアロック手段へ送信する(5)とともに、エンジン制御装置に対して、エンジンロック解除データを送信する(6)。会員ユーザは、車両に乗り込むことができ、エンジンを始動させることができるようになる。
【0074】
本実施形態によれば、会員ユーザは、会員カードにて予約した車両に乗り込み、IC運転免許証にて運転を開始することができる。運転免許証を携帯していない運転を許さないこととなる。
交付年月日データおよび有効期限の末日を照合するのみでは、会員ユーザを一義的に特定することにはならないが、会員ユーザであることをICカードにて確認しているので、本人認証はその段階で実行できている。
【0075】
図5
図5に示すのは、会員ユーザにかかる携帯通信端末およびそれで撮影したIC運転免許証の撮影データにて車両のドアを解錠し、且つエンジンを掛けられるようになるまでを示した実施形態である。
【0076】
本実施形態を実行するには、図6に示すフローチャートを実行可能な専用アプリケーションプログラム(チェックイン用アプリケーションプログラム。以下、「チェックイン用アプリ」と略記)を、会員ユーザに係る携帯通信端末へ予めダウンロードしておく必要がある。その携帯情報端末は、インターネットでの通信機能、短距離無線通信の機能に加え、カメラ機能が必要である。以下、図6図5とともに参照させながら説明する。
【0077】
車両管理サーバから、予約情報(会員ID、予約日時場所)および免許証情報(交付年月日、有効期限末日)が、会員ユーザに係る携帯通信端末へインストールされている(1,S1)。
【0078】
予約者である会員ユーザは、その予約の日時になったら、予約に係るシェアカーが停められている駐車場へ出向き(S2)、予約に係るシェアカーの短距離データ通信装置へ携帯通信端末をかざす(2)。また、会員ユーザは、自らに係るスマートフォンのチェックイン用アプリを起動させる(S3、S4)。
【0079】
上記のデータ送受信が終わったら、チェックイン用アプリがスマートフォンのカメラを起動させ、IC運転免許証の撮影を会員ユーザに促す(S4)。撮影の手法(たとえば、液晶画面を横長にする、取得したいデータ部分がはっきり映るようにする、といった指示)や、再撮影の指示などをアプリが実行し、スマートフォンが運転免許証の撮影データを取得する。
【0080】
短距離データ通信装置は、携帯通信端末から会員IDを吸い上げる(4,S5)。そして、吸い上げた会員IDが車両管理サーバから受信した会員IDと一致したら、ドアロック解除データをドアロック手段へ送信する(5)。
【0081】
取得した運転免許証の撮影データとしての画像データから免許証番号を認識し、その部分をOCR処理してテキストデータとして取得する(S6)。その処理が終了すると、チェックイン用アプリはスマートフォンを短距離データ通信装置へ近づけるように、会員ユーザを促す。すると、取得した免許証番号のテキストデータは、短距離データ通信装置が吸い上げ(S7)、データ処理手段が車両管理サーバから取得していた免許証データと照合する。一致していたら、エンジンロック解除データをエンジン制御装置へ送信する(6,S8)。
【0082】
チェックイン用アプリは、過去に撮影したIC運転免許証の画像データを使えないようにしている。それにより、免許証を不携帯である会員ユーザが車両を運転することを未然に阻止している。
【0083】
本実施形態によれば、会員ユーザは、携帯通信端末とIC運転免許証のみで(会員カードなしで)予約した車両に乗り込み、運転を開始することができる。また、IC運転免許証のように電子データを現状では内蔵していない、例えば国際運転免許証であっても、対応可能である。
【0084】
図7
図7に示すのもまた、会員ユーザにかかる携帯通信端末およびそれで撮影したIC運転免許証の撮影データにて車両のドアを解錠し、且つエンジンを掛けられるようになるまでを示した実施形態である。
【0085】
図7に示す実施形態における図5との相違点は、携帯通信端末が取得した位置データを用いている点である。チェックイン用アプリの作動手順を示す図8とともに、相違点を中心に説明する。
【0086】
チェックイン用アプリを起動させると、スマートフォンのGPS機能によって取得した位置データを短距離データ通信装置へ送信する(2,3,S13,14)。
データ処理手段においては、車両管理サーバから取得していた予約情報のうち、予約場所に関するデータと前記の位置データとが一致しているか否かを検証し、一致している場合には、ドアロック解除データをドアロック手段へ送信する(4)。このとき、会員IDの一致についても検証すると、より正確な検証が可能である。位置データにはズレが存在する可能性があるからである。
【0087】
この後、IC運転免許証の画像データを取得するなどの動作は、図5,6に示した実施形態と同じであるので、説明を省略する。
この実施形態によっても、会員ユーザは、IC運転免許証のみで予約した車両に乗り込み、運転を開始することができる。
【0088】
図9
図9に示すのもまた、会員ユーザにかかる携帯通信端末およびそれで撮影したIC運転免許証の撮影データにて車両のドアを解錠し、且つエンジンを掛けられるようになるまでを示した実施形態である。
【0089】
図9に示す実施形態における図5との相違点は、携帯通信端末が取得した免許証の撮影データを、チェックイン用アプリにてOCR処理しない点である。図10に示したフローチャートとともに説明する。
【0090】
車両管理サーバからデータ処理手段が予め受信するデータは、予約情報のほか、運転免許証の画像データとする(1)。そして、会員ユーザがIC運転免許証を撮影したら(4,S25,S26)、その撮影データを短距離通信装置に読み込ませ(S27)、データ処理手段において撮影データと画像データとの一致を検証する(6)。一致したら、ドアロック解除データをドアロック手段へ送信する(6,S28)。
【0091】
IC運転免許証の撮影データを画像データとして扱うので、OCR処理を実行する図5に示した実施形態よりも、検証の精度が落ちる可能性はある。しかし、この検証は、会員ユーザが運転免許証を携帯せずに運転することを未然に防ぐのが一番の趣旨であり、その趣旨は達成できると考えられる。
【0092】
図11
図11に示すのもまた、会員ユーザにかかる携帯通信端末およびそれで撮影したIC運転免許証の撮影データにて車両のドアを解錠し、且つエンジンを掛けられるようになるまでを示した実施形態である。
【0093】
図11に示す実施形態における図5との相違点は、携帯通信端末が車両管理サーバから事前にデータ受信をすることなく、IC運転免許証の画像データからOCR処理を施して取得した交付年月日データおよび有効期限の末日のみを検証し、ドアロック、エンジンロック解除を事項する点である。
【0094】
この実施形態は、図2に示した実施形態と同じように、IC運転免許証による交付年月日データおよび有効期限の末日の検証のみでドアロックの解除、エンジンの始動が可能である。
【0095】
図12
図12に示すのもまた、会員ユーザにかかる携帯通信端末およびそれで撮影したIC運転免許証の撮影データにて車両のドアを解錠し、且つエンジンを掛けられるようになるまでを示した実施形態である。
【0096】
図12に示す実施形態における図11との相違点は、携帯通信端末が位置データを取得し、その位置データに基づいてドアロック解除データを得た後に、免許証の撮影データにてエンジンロック解除データを得ることとしている点である。
【0097】
この実施形態は、図2に示した実施形態と同じように、IC運転免許証による交付年月日データおよび有効期限の末日の検証のみでドアロックの解除、エンジンの始動が可能である。
図11に示す実施形態よりも、本人認証の精度を高められる、という効果がある。
【0098】
図12の実施形態でも、IC運転免許証の画像データをOCR処理することとして説明しているが、位置データによる本人認証ができている。したがって、OCR処理を省略した撮影データと、車両管理サーバから取得した免許証の画像データとの一致を検証することとしてもよい。
【0099】
図13
図13に示す実施形態では、携帯通信端末が予約データや免許証データを予約遂行前に受信し(1)、その受信したデータを予約車両に係る短距離データ通信装置に読み込ませたら(3)、データ処理装置が予約データとの一致を検証し、一致したらドアロックが解除され(4)、その予約車両へ載ることができるようにしている。
【0100】
予約者が免許証を携帯しているか否かについての検証は、車両へ乗り込んだ後でも実行できる。すなわち、短距離データ通信装置にIC運転免許証をかざすことで、交付年月日および有効期限末日を読み取り(5)、予め受信していた免許証データを用いて検証し(6)、一致していれば免許証を携帯していると判断してエンジンロックを解除するのである(7)。
【0101】
図14
図14では、車両へ搭載されている短距離データ通信装置、データ処理装置、エンジン制御装置、およびドアロック装置と、車両外にある車両管理サーバと、予約者に係る携帯通信端末との関係を示す。
短距離データ通信装置は、車両における後ろのウィンドウ付近に固定されているが、車両に乗り込む前でも乗り込んだ後でも、IC運転免許証からのデータ取得は可能である。
【0102】
図示はしなかったが、免許証データなどの個人情報は、予約が遂行された後に車両内(データ処理装置)からは削除することとしている。個人情報の漏洩の危険性を下げるためである。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、会員制のサービス、たとえばカーシェアリング事業、レンタカー事業、駐車場の管理業、通信機器の製造業、データ通信におけるデータ管理業、スマートフォンなどの通信機器におけるアプリケーションソフトウェアの開発業、などにおいて利用可能性を有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14