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特開2024-96297モジュール式の独立起動される複数のピペットチャネルを有する液体ディスペンサ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096297
(43)【公開日】2024-07-12
(54)【発明の名称】モジュール式の独立起動される複数のピペットチャネルを有する液体ディスペンサ
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/10 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
G01N35/10 J
【審査請求】有
【請求項の数】77
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024074306
(22)【出願日】2024-05-01
(62)【分割の表示】P 2022033231の分割
【原出願日】2017-02-17
(31)【優先権主張番号】62/409,695
(32)【優先日】2016-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/340,296
(32)【優先日】2016-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】ラシャンス スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】シェドロスキー アリッサ
(72)【発明者】
【氏名】クラーク アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】アレム レディート ギルマ
(72)【発明者】
【氏名】バーク クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】ロトゥンド スティーヴン チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンシックラー マイケル ティー
(57)【要約】
【課題】流体を吸引及びディスペンスするための自動的なピペッティングのシステム及び方法が開示される。
【解決手段】ある特徴では、液体ディスペンサが、マニホルドと、1または複数のピペットチャネルと、を有する。マニホルドは、真空チャネルと、圧力チャネルと、複数のレーンと、を有する。各レーンは、電気コネクタと、圧力チャネルへのポートと、真空チャネルへのポートと、を有する。ピペットチャネルは、モジュール式であり得る。各ピペットチャネルは、単一のディスペンスヘッドを有し、前記複数のレーンのいずれか1つのレーンに選択的に独立に結合され得る。幾つかの特徴では、ピペットチャネル内のバルブが、マニホルドの圧力ポート及び真空ポートに同時に流体連通している。当該バルブは、マニホルドの電気コネクタを介して受容される制御信号に応答して、圧力下でのガス及び真空下でのガスを、選択的にディスペンスヘッドに向ける。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力チャネル、真空チャネル、複数の圧力クロスチャネル、及び、複数の真空クロスチャネルを有するマニホルドと、
前記マニホルドに結合された1または複数のピペットチャネルと、
前記マニホルドから前記1または複数のピペットチャネルに制御信号を伝達するように構成された電気接続部と、
を備え、
各圧力クロスチャネルは、前記圧力チャネルで始まって、前記マニホルドの外面で終わっており、
各真空クロスチャネルは、前記真空チャネルで始まって、前記マニホルドの前記外面で終わっており、
各ピペットチャネルは、ディスペンスヘッド、1つの圧力クロスチャネルから圧力下でのガスを受け取るように構成された圧力ポート、1つの真空クロスチャネルから真空下でのガスを受け取るように構成された真空ポート、並びに、前記圧力ポート及び前記真空ポートと同時に流体連通するバルブを含んでおり、
前記バルブは、圧力下でのガス、及び、真空下でのガスを、前記ディスペンスヘッドに選択的に向けるように動作可能であり、
各バルブの動作は、前記マニホルドから伝達される前記制御信号によって、任意の他のバルブから独立に調整される
ことを特徴とする流体ディスペンサ。
【請求項2】
前記1または複数のピペットチャネルの各々が、前記マニホルドに対して選択的かつ独立して結合される
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項3】
各ピペットチャネルについて、前記ディスペンスヘッドは、ピペットチップに結合されており、
前記ディスペンスヘッドは、前記バルブが真空下でのガスを前記ディスペンスヘッドに向ける時、液体を前記ピペットチップ内に吸引するように構成されており、かつ、前記バルブが圧力下でのガスを前記ディスペンスヘッドに向ける時、液体を前記ピペットチップからディスペンスするように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項4】
各ピペットチャネルは、単一のディスペンスヘッドを有している
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項5】
各バルブは、圧力下でのガス、及び、真空下でのガスを、前記圧力ポート及び前記真空ポートから、それぞれ、前記単一のディスペンスヘッドに選択的に分配するように構成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の流体ディスペンサ。
【請求項6】
各ピペットチャネルは、当該ピペットチャネルが前記マニホルドに結合される時に前記マニホルドに対して移動しない第1部分と、当該ピペットチャネルが前記マニホルドに結合される時に前記マニホルドに対して移動する第2部分と、を含んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項7】
前記バルブは、前記第1部分内に包囲されており、
前記ディスペンスヘッドは、前記第2部分に結合されており、
前記バルブと前記ディスペンスヘッドとを接続するチューブが、前記第2部分が前記第1部分に対して移動する時、前記第1部分内で移動するように構成されている
ことを特徴とする請求項6に記載の流体ディスペンサ。
【請求項8】
前記圧力チャネルは、入口圧力ポートで終わる第1端部及び第2端部を有しており、
前記入口圧力ポートは、圧力下でのガスの外部源に接続されており、
前記真空チャネルは、入口真空ポートで終わる第1端部及び第2端部を有しており、
前記入口真空ポートは、真空下でのガスの外部源に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項9】
前記マニホルドは、圧力下でのガス、及び、真空下でのガスを、それぞれ、前記入口圧力ポート及び前記入口真空ポートを介して受け入れるだけである
ことを特徴とする請求項8に記載の流体ディスペンサ。
【請求項10】
前記電気接続部は、更に、前記マニホルドから前記1または複数のピペットチャネルに電気信号を伝達するように構成されており、
各ピペットチャネルは、前記マニホルドから伝達される前記電気信号によってあらゆるピペットチャネルから独立して電力供給される
ことを特徴とする請求項8に記載の流体ディスペンサ。
【請求項11】
前記1または複数のピペットチャネルの各々は、前記マニホルドと前記電気接続部を介して制御信号及び電気信号を受信するだけである
ことを特徴とする請求項10に記載の流体ディスペンサ。
【請求項12】
各バルブは、3方向ソレノイドバルブである
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項13】
各バルブは、低圧ソレノイドバルブである
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項14】
各バルブは、10psi未満の定格のソレノイドバルブである
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項15】
少なくとも1つのピペットチャネルが、更に、磁気ブレーキを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項16】
前記磁気ブレーキは、前記マニホルドからの電気信号の喪失の際に、前記少なくとも1つのピペットチャネルのディスペンスヘッドの自由落下を低減するように構成されている
ことを特徴とする請求項15に記載の流体ディスペンサ。
【請求項17】
少なくとも1つのピペットチャネルは、更に、前記マニホルドに対して垂直方向に当該少なくとも1つのピペットチャネルのディスペンスヘッドを移動させるように構成されたボールネジを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項18】
前記少なくとも1つのピペットチャネルは、更に、前記ボールネジのミスアライメントを低減するように構成されたカップリングを有する
ことを特徴とする請求項17に記載の流体ディスペンサ。
【請求項19】
各圧力クロスチャネルによって各ピペットチャネルの圧力ポートに供給されるガスは、前記複数の圧力クロスチャネルの他の圧力クロスチャネルの各々によって提供されるガスと、同じ圧力である。
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項20】
前記マニホルドは、更に、複数の圧力クロスチャネルを含む第2圧力チャネルを有しており、
第1複数のピペットチャネルの各々の圧力ポートは、第1圧力チャネルの1つの圧力クロスチャネルに結合されており、
第2の異なる複数のピペットチャネルの各々の圧力ポートは、第2圧力チャネルの1つの圧力クロスチャネルに結合されており、
前記マニホルドは、第1圧力で前記第1複数のピペットチャネルに圧力下でのガスを提供し、同時に、第2の異なる圧力で前記第2複数のピペットチャネルにガスを提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項21】
各ピペットチャネルは、2つのネジを用いて前記マニホルドに選択的に取り付けられるように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項22】
前記2つのネジは、前記ピペットチャネルに捕捉される
ことを特徴とする請求項21に記載の流体ディスペンサ。
【請求項23】
少なくとも1つのピペットチャネルは、前記マニホルドの1または複数の開口部と整列するように構成された1または複数のペグを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項24】
前記1または複数のペグは、前記ピペットチャネル上の電気コネクタと前記マニホルド上の電気コネクタとが係合する前に、前記マニホルド内の前記1または複数の開口部と係合する
ことを特徴とする請求項23に記載の流体ディスペンサ。
【請求項25】
各ピペットチャネルは、各ピペットチャネルと前記マニホルドとの間にシールを提供するように構成された1または複数のOリングを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項26】
前記1または複数のOリングは、各ピペットチャネルの鳩尾形溝に捕捉される
ことを特徴とする請求項25に記載の流体ディスペンサ。
【請求項27】
当該液体ディスペンサは、更に、前記マニホルドに結合された第1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを備え、
前記第1ピペットチャネルは、ディスペンシングのための異なる較正設定を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項28】
2以上のピペットチャネルが、異なるディスペンスヘッドを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項29】
1つの圧力クロスチャネルと1つの真空クロスチャネルとがピペットチャネルに結合されておらず、
当該液体ディスペンサは、更に、ピペットチャネルに結合されていない前記マニホルドの前記1つの圧力クロスチャネル及び前記1つの真空クロスチャネルを閉じるように構成されたブランキングプレート含む
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項30】
前記圧力チャネル及び前記真空チャネルは、前記マニホルド内で互いに物理的及び流体的に隔離されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項31】
前記マニホルドは、単一の圧力チャネルおよび単一の真空チャネルを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項32】
各ピペットチャネルについて、前記バルブは、前記マニホルドの前記圧力チャネル及び前記真空チャネルと同時に流体連通するように構成されており、圧力下でのガス、及び、真空下でのガスを、選択的にディスペンスヘッドに向けるように動作可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項33】
各ピペットチャネルは、更に、前記バルブで終わる第1端部と前記ディスペンスヘッドで終わる第2端部とを有するチューブを有しており、
前記チューブは、前記バルブから前記ディスペンスヘッドへガスを導くよう構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項34】
前記チューブは、前記バルブと前記ディスペンスヘッドとの間の唯一の空気接続部である
ことを特徴とする請求項33に記載の流体ディスペンサ。
【請求項35】
前記チューブは、前記ディスペンスヘッドが前記マニホルドに対して垂直に移動する時に曲がるように構成されている
ことを特徴とする請求項33に記載の流体ディスペンサ。
【請求項36】
前記チューブは、前記ピペットチャネルの外側ハウジングによって包囲されている
ことを特徴とする請求項33に記載の流体ディスペンサ。
【請求項37】
各ピペットチャネルについて、前記ディスペンスヘッドが前記マニホルドに対して移動する時、前記バルブは前記マニホルドに対して移動しない
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項38】
各ピペットチャネルは、更に、前記マニホルドに対して前記ディスペンスヘッドと共に移動する第2バルブを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項39】
各第2バルブの動作は、前記マニホルドから伝達される制御信号によって、任意の他の第2バルブから独立に調整される
ことを特徴とする請求項38に記載の流体ディスペンサ。
【請求項40】
前記第2バルブは、前記ディスペンスヘッドの吸引動作及びディスペンス動作を制御するように構成されている
ことを特徴とする請求項38に記載の流体ディスペンサ。
【請求項41】
前記第2バルブは、ソレノイドバルブである
ことを特徴とする請求項38に記載の流体ディスペンサ。
【請求項42】
前記ディスペンスヘッドは、前記バルブが真空下でのガスを前記ディスペンスヘッドに向ける時に吸引動作を実行し、
前記ディスペンスヘッドは、前記バルブが圧力下でのガスを前記ディスペンスヘッドに向ける時にディスペンス動作を実行し、
前記第2バルブは、前記吸引動作及び前記ディスペンス動作の間、前記ディスペンスヘッドによって吸引及びディスペンスされる液体の量を制御するように構成されている
ことを特徴とする請求項38に記載の流体ディスペンサ。
【請求項43】
前記ディスペンスヘッドは、前記バルブが真空下でのガスを前記ディスペンスヘッドに向ける時に吸引動作を実行し、
前記ディスペンスヘッドは、前記バルブが圧力下でのガスを前記ディスペンスヘッドに向ける時にディスペンス動作を実行し、
前記第2バルブは、前記吸引動作及び前記ディスペンス動作のタイミングを制御するように構成されている
ことを特徴とする請求項38に記載の流体ディスペンサ。
【請求項44】
各第2バルブは、前記マニホルドから伝達される前記電気信号によってあらゆる他の第2バルブから独立して電力供給される
ことを特徴とする請求項38に記載の流体ディスペンサ。
【請求項45】
各ピペットチャネルは、前記マニホルドに結合される他のピペットチャネルとは独立して、前記マニホルドに結合され及び結合解除されるように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項46】
各ディスペンスヘッドは、前記マニホルドに結合される他のディスペンスヘッドとは独立して、前記マニホルドに対して垂直方向に沿って移動可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項47】
前記1または複数のピペットチャネルの各々が、モジュール式である
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項48】
前記1または複数のピペットチャネルは、前記マニホルドに結合された第1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを有し、
前記第1ピペットチャネルは、吸引動作およびディスペンス動作のための量に関する第1設定で較正され、
前記第2ピペットチャネルは、吸引動作およびディスペンス動作のための量に関する第2の異なる設定で較正される
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項49】
前記1または複数のピペットチャネルは、前記マニホルドに結合された第1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを有し、
前記第1ピペットチャネルは、吸引動作およびディスペンス動作のための圧力に関する第1設定で較正され、
前記第2ピペットチャネルは、吸引動作およびディスペンス動作のための圧力に関する第2の異なる設定で較正される
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項50】
前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、当該第1ピペットチャネル及び当該第2ピペットチャネルが前記マニホルドに結合される前に、較正される
ことを特徴とする請求項49に記載の流体ディスペンサ。
【請求項51】
前記1または複数のピペットチャネルは、第1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを有し、
前記第1ピペットチャネルの前記圧力ポート及び前記真空ポートは、前記第2ピペットチャネルの前記圧力ポート及び前記真空ポートと同じ向きを有している
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項52】
前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、1または複数の異なる寸法を有する
ことを特徴とする請求項51に記載の流体ディスペンサ。
【請求項53】
前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、異なる機能を同時に実行するように構成されている
ことを特徴とする請求項51に記載の流体ディスペンサ。
【請求項54】
当該液体ディスペンサは、前記マニホルドに結合された3つのピペットチャネルを有している
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項55】
当該液体ディスペンサは、前記マニホルドに結合された5つのピペットチャネルを有している
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項56】
各ピペットチャネルは、ピペットチップが前記ディスペンスヘッドと係合されているか否かを検出するように構成されたピペットチップセンサを有している
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項57】
各ピペットチャネルは、ディスペンスヘッドの垂直方向の動きが妨げられた時を検出するように構成されたセンサを有している
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項58】
前記1または複数のピペットチャネルは、2以上のピペットチャネルを有しており、
前記2以上のピペットチャネルの各バルブは、前記圧力下でのガスまたは前記真空下でのガスを選択的に前記マニホルドから各ディスペンスヘッドへと向けるように、独立に起動されるように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項59】
流体をディスペンシングして吸引する方法であって、
真空チャネル及び圧力チャネルを含むマニホルドを提供する工程と、
1または複数のピペットチャネルを提供する工程と、
前記1または複数のピペットチャネルを前記マニホルドに選択的に係合する工程と、
前記1または複数のピペットチャネルの第1ピペットチャネルに前記マニホルドから制御信号を伝達する工程と、
前記第1ピペットチャネルによって吸引動作及びディスペンス動作を実行する工程と、
を備え、
各ピペットチャネルは、ディスペンスヘッドと、真空ポートと、圧力ポートと、前記真空ポート及び前記圧力ポートとの同時流体連通状態にある独立制御バルブと、を有しており、
前記選択的に係合する工程は、前記1または複数のピペットチャネルの各真空ポートを前記マニホルドの前記真空チャネルに接続する工程を含んでおり、
前記制御信号を伝達する工程によって、前記第1ピペットチャネルの前記真空ポート及び前記圧力ポートを介して受容される真空下でのガスまたは圧力下でのガスを前記第1ピペットチャネルの前記ディスペンスヘッドへ選択的に向けるべく、前記独立制御バルブの動作が独立に制御され、
前記吸引動作及び前記ディスペンス動作は、前記第1ピペットチャネルの前記独立制御バルブから前記第1ピペットチャネルの前記ディスペンスヘッドへの、真空下でのガスまたは圧力下でのガスのそれぞれの受容に応じて、前記流体を吸引する工程または前記流体をディスペンスする工程を有している
ことを特徴とする方法。
【請求項60】
前記1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを前記マニホルドに選択的に係合する工程と、
前記第2ピペットチャネルに前記マニホルドから制御信号を伝達する工程と、
前記第2ピペットチャネルによって吸引動作及びディスペンス動作を実行する工程と、
を更に備え、
前記制御信号を伝達する工程によって、前記第2ピペットチャネルの前記真空ポート及び前記圧力ポートを介して受容される真空下でのガスまたは圧力下でのガスを前記第2ピペットチャネルの前記ディスペンスヘッドへ選択的に向けるべく、前記独立制御バルブの動作が独立に制御され、
前記吸引動作及び前記ディスペンス動作は、前記第2ピペットチャネルの前記独立制御バルブから前記第2ピペットチャネルの前記ディスペンスヘッドへの、真空下でのガスまたは圧力下でのガスのそれぞれの受容に応じて、第2流体を吸引する工程または第2流体をディスペンスする工程を有している
ことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルの前記吸引動作及び前記ディスペンス動作は、同時に行われる
ことを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルの前記吸引動作及び前記ディスペンス動作は、独立に行われる
ことを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記第1ピペットチャネルは、前記第2ピペットチャネルが吸引するのと同時に、ディスペンスする
ことを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項64】
前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、流体の異なる量を同時に吸引する
ことを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項65】
前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、流体の異なる量を同時にディスペンスする
ことを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項66】
前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、異なる圧力で流体のある量を同時に吸引する
ことを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項67】
前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、異なる圧力で流体のある量を同時にディスペンスする
ことを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項68】
前記第1ピペットチャネルの前記独立制御バルブは、前記第2ピペットチャネルの前記独立制御バルブが真空下でのガスを向けるのと同時に、圧力下でのガスを向ける
ことを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項69】
前記第1ピペットチャネルの前記独立制御バルブは、前記第2ピペットチャネルの前記独立制御バルブとは独立に、ガスを向ける動作を始動または停止する
ことを特徴とする請求項60に記載の方法。
【請求項70】
前記1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを前記マニホルドに選択的に係合する工程
を更に備え、
前記第2ピペットチャネルの前記バルブが前記第2ピペットチャネルの前記ディスペンスヘッドへ真空下でのガスを向けるのと同時に、前記第1ピペットチャネルの前記バルブが前記第1ピペットチャネルの前記ディスペンスヘッドへ圧力下でのガスを向けて、前記第2ピペットチャネルの前記ディスペンスヘッドが流体を吸引するのと同時に前記第1ピペットチャネルの前記ディスペンスヘッドがディスペンスする
ことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項71】
前記圧力チャネルは、複数の圧力クロスチャネルを含み、
前記真空チャネルは、複数の真空クロスチャネルを含み、
各ピペットチャネルは、当該ピペットチャネルが前記マニホルドに選択的に係合される時、1つの圧力クロスチャネルと1つの真空クロスチャネルとに接続するように構成されている
ことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項72】
前記マニホルドは、複数のレーンを有し、
各レーンは、1つの圧力クロスチャネルと1つの真空クロスチャネルとを含み、
前記選択的に係合する工程は、1つのピペットチャネルを前記複数のレーンのいずれか1つのレーンに係合する工程を含む
ことを特徴とする請求項71に記載の方法。
【請求項73】
順序通りに、前記第1ピペットチャネルの前記ディスペンスヘッドでの真空下でのガスの受容に応じて流体を吸引し、当該ディスペンスヘッドでの圧力下でのガスの受容に応じて流体をディスペンスする工程
を更に備えたことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項74】
単一の圧力下でのガス源と単一の真空下でのガス源とを前記マニホルドに結合する工程
を更に備えたことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項75】
前記圧力チャネルは、入口圧力ポートで終わっており、
前記真空チャネルは、入口真空ポートで終わっており、
前記マニホルドは、圧力下でのガス、及び、真空下でのガスを、それぞれ、前記入口圧力ポート及び前記入口真空ポートを介して受け入れるだけである
ことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項76】
前記ピペットチャネルは、圧力下でのガス、及び、真空下でのガスを、それぞれ、前記圧力ポート及び前記真空ポートを介して受け入れるだけである
ことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項77】
前記マニホルドから前記1または複数のピペットチャネルに電気信号を伝達する工程
を更に備え、
各ピペットチャネルは、前記マニホルドから伝達される前記電気信号によってあらゆるピペットチャネルから独立して電力供給される
ことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項78】
前記1または複数のピペットチャネルの各々は、前記マニホルドと前記電気接続部を介して制御信号及び電気信号を受信するだけである
ことを特徴とする請求項77に記載の方法。
【請求項79】
磁気ブレーキを介して、電気信号の喪失の際に、前記ディスペンスヘッドの自由落下を低減する工程
を更に備えたことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項80】
前記第1ピペットチャネルを前記マニホルドに選択的に係合する工程は、前記ピペットチャネルの1または複数のペグを前記マニホルドの1または複数の開口部と整列させる工程を含む
ことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項81】
前記第1ピペットチャネルを前記マニホルドに選択的に係合する工程は、前記ピペットチャネルの1または複数の捕捉的ネジを締結する工程を含む
ことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項82】
前記第1ピペットチャネルを前記マニホルドに選択的に係合する工程は、前記第1ピペットチャネルと前記マニホルドとの間でシールを圧縮する工程を含む
ことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項83】
前記シールは、前記ピペットチャネルの捕捉的Oリングである
ことを特徴とする請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記第1ピペットチャネルの前記圧力ポート及び前記真空ポートを介して受容される圧力下のガス及び真空下のガスを、チューブを介して前記第1ピペットチャネルの前記ディスペンスヘッドに選択的に案内する工程
を更に備えたことを特徴とする請求項59に記載の方法。
【請求項85】
前記チューブは、前記バルブと前記ディスペンスヘッドとの間の唯一の空気接続部である
ことを特徴とする請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記チューブは、前記ディスペンスヘッドが垂直に移動する時に曲がるように構成されている
ことを特徴とする請求項84に記載の方法。
【請求項87】
前記流体は、液体を含む
ことを特徴とする請求項59乃至86のいずれかに記載の方法。
【請求項88】
前記流体は、ガスを含む
ことを特徴とする請求項59乃至86のいずれかに記載の方法。
【請求項89】
真空チャネルと、圧力チャネルと、複数のレーンと、を含むマニホルドと、
1または複数のピペットチャネルと、
を備え、
各レーンは、電気コネクタと、前記圧力チャネルへのポートと、前記真空チャネルへのポートと、を含み、
各ピペットチャネルは、単一のディスペンスヘッドを含むと共に、前記複数のレーンの内のいずれか1つのレーンの前記電気コネクタ、前記圧力ポート及び前記真空ポートに結合するように構成されている。
ことを特徴とする流体ディスペンサ。
【請求項90】
各ピペットチャネルは、前記圧力ポート及び前記真空ポートからの圧力下でのガス及び真空下でのガスを、それぞれ前記単一のディスペンスヘッドに選択的に分配するように構成されたバルブを有している
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項91】
前記1または複数のピペットチャネルの各々が、前記複数のレーンのうちの1つのレーンに結合されており、
各ピペットチャネルについて、前記バルブの動作は、当該ピペットチャネルが結合されている1つのレーンの電気コネクタを介して当該バルブに伝達される信号によって、独立に制御される
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項92】
各ピペットチャネルは、当該ピペットチャネルが前記マニホルドに結合される時に前記マニホルドに対して移動しない第1部分と、当該ピペットチャネルが前記マニホルドに結合される時に前記マニホルドに対して移動する第2部分と、を含んでいる
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項93】
前記バルブは、前記第1部分内に包囲されており、
前記ディスペンスヘッドは、前記第2部分に結合されており、
前記バルブと前記ディスペンスヘッドとを接続するチューブが、前記第2部分が前記第1部分に対して移動する時、前記第1部分内で移動するように構成されている
ことを特徴とする請求項92に記載の流体ディスペンサ。
【請求項94】
各ピペットチャネルは、電気コネクタと、圧力ポートと、真空ポートと、を含む
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項95】
各ピペットチャネルの前記電気コネクタ、前記圧力ポート及び前記真空ポートは、それぞれ、前記複数のレーンのうちのいずれか1つのレーンの前記電気コネクタ、前記圧力ポート及び前記真空ポートに結合するように構成されている
ことを特徴とする請求項94に記載の流体ディスペンサ。
【請求項96】
前記1または複数のピペットチャネルの前記電気コネクタ、前記圧力ポート及び前記真空ポートは、当該1または複数のピペットチャネルの前記電気コネクタ、前記圧力ポート及び前記真空ポートが前記マニホルドに結合される時、当該マニホルドに対して移動しない
ことを特徴とする請求項94に記載の流体ディスペンサ。
【請求項97】
前記1または複数のピペットチャネルの前記単一のディスペンスヘッドは、当該1または複数のピペットチャネルが前記マニホルドに結合される時、当該マニホルドに対して移動する
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項98】
複数のピペットチャネルを備え、
前記複数のレーンの各レーンは、前記複数のピペットチャネルのうちのいずれか1つのピペットチャネルに結合するように構成されている
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項99】
前記圧力チャネル及び前記真空チャネルは、前記マニホルド内で互いに物理的及び流体的に隔離されている
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項100】
前記マニホルドは、単一の圧力チャネルおよび単一の真空チャネルを有する
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項101】
各ピペットチャネルは、前記複数のレーンのうちのいずれか1つのレーンの前記電気コネクタ、前記圧力ポート及び前記真空ポートに選択的に結合および結合解除するように構成されている
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項102】
前記複数のレーンの各レーンの長手方向軸が、前記圧力チャネルを横断するように配向されている
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項103】
前記複数のレーンの各レーンの長手方向軸が、前記真空チャネルを横断するように配向されている
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項104】
前記1または複数のピペットチャネルは、複数のピペットチャネルを含み、
前記複数のピペットチャネルのうちの少なくとも1つのピペットチャネルは、前記複数のレーンのうちの1つのレーンに結合されており、
前記複数のピペットチャネルのうちの少なくとも1つのレーンが、前記複数のピペットチャネルのピペットチャネルに結合されていない
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項105】
前記複数のピペットチャネルのピペットチャネルに結合されていない前記少なくとも1つのレーンの前記圧力ポート及び前記真空ポートをシールするように構成されたカバー
を更に備えたことを特徴とする請求項104に記載の流体ディスペンサ。
【請求項106】
1つのみのピペットチャネルを含み、
前記ピペットチャネルは、前記複数のレーンの1つのレーンに結合され、
前記複数のレーンの残りのレーンの各々は、ピペットチャネルに結合されない
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項107】
各レーンは、前記圧力チャネルに対する単一のポートと、前記真空チャネルに対する単一のポートと、を含む
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項108】
前記複数のレーンの第1レーンに連結された第1ピペットチャネルと、前記複数のレーンの第2レーンに連結された第2ピペットチャネルと、を含み、
前記第1ピペットチャネルの前記単一のディスペンスヘッドは、前記第2ピペットチャネルの前記単一のディスペンスヘッドが流体をディスペンスするのと同時に、流体を吸引する
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項109】
前記1または複数のピペットチャネルは、吸引動作及びディスペンス動作の間のディスペンスヘッド内のガスの圧力に関連する異なる較正設定を有する2つのピペットチャネルを有する
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項110】
前記1または複数のピペットチャネルは、吸引動作及びディスペンス動作の間の吸引及びディスペンスされる流体の量に関連する異なる較正設定を有する2つのピペットチャネルを有する
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項111】
前記1または複数のピペットチャネルは、吸引動作及びディスペンス動作の速度に関連する異なる較正設定を有する2つのピペットチャネルを有する
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項112】
前記1または複数のピペットチャネルは、複数のピペットチャネルを含み、
前記複数のピペットチャネルの少なくとも2つは、同一である
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項113】
前記1または複数のピペットチャネルは、複数のピペットチャネルを含み、
前記複数のピペットチャネルの少なくとも2つは、異なっている
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項114】
前記少なくとも2つの異なるピペットチャネルは、1または複数の異なる寸法を有する
ことを特徴とする請求項113に記載の流体ディスペンサ。
【請求項115】
各ピペットチャネルは、各ピペットチャネル内のガスの流れを制御するように動作可能なバルブを有する
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項116】
各ピペットチャネルは、当該ピペットチャネルの単一のディスペンスヘッドの吸引動作及びディスペンス動作を制御するように動作可能なバルブを有する
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項117】
前記1または複数のピペットチャネルの各々は、前記マニホルドに選択的かつ独立して結合される
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項118】
前記圧力チャネルは、入口圧力ポートで終わる第1端部及び第2端部を有しており、
前記入口圧力ポートは、圧力下でのガスの外部源に接続されており、
前記真空チャネルは、入口真空ポートで終わる第1端部及び第2端部を有しており、
前記入口真空ポートは、真空下でのガスの外部源に接続されている
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項119】
前記マニホルドは、圧力下でのガス、及び、真空下でのガスを、それぞれ、前記入口圧力ポート及び前記入口真空ポートを介して受け入れるだけである
ことを特徴とする請求項118に記載の流体ディスペンサ。
【請求項120】
前記複数のレーンの各レーンの前記電気コネクタは、前記マニホルドから1つのピペットチャネルに電気信号を伝達するように構成されており、
各ピペットチャネルは、前記マニホルドに結合される時、前記マニホルドから伝達される前記電気信号によって前記マニホルドに結合された他のピペットチャネルから独立して電力供給されるように構成されている
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項121】
前記1または複数のピペットチャネルの各々が、前記マニホルドに結合され、
前記1または複数のピペットチャネルの各々は、それぞれのピペットチャネルが結合されるレーンの前記電気コネクタを介して制御信号及び電気信号を受信するだけである
ことを特徴とする請求項120に記載の流体ディスペンサ。
【請求項122】
少なくとも1つのピペットチャネルが、更に、磁気ブレーキを有する
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項123】
前記少なくとも1つのピペットチャネルの前記磁気ブレーキは、電気信号の喪失の際に、前記少なくとも1つのピペットチャネルの単一のディスペンスヘッドの自由落下を低減するように構成されている
ことを特徴とする請求項122に記載の流体ディスペンサ。
【請求項124】
少なくとも1つのピペットチャネルは、更に、前記マニホルドに対して垂直方向に当該少なくとも1つのピペットチャネルの単一のディスペンスヘッドを移動させるように構成されたボールネジを有する
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項125】
前記少なくとも1つのピペットチャネルは、更に、前記ボールネジのミスアライメントを低減するように構成されたカップリングを有する
ことを特徴とする請求項124に記載の流体ディスペンサ。
【請求項126】
前記マニホルドに結合された複数のピペットチャネルを含み、
前記圧力チャネルは、同じ圧力で前記マニホルドに結合された全てのピペットチャネルに圧力下でのガスを提供する
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項127】
前記マニホルドに結合された複数のピペットチャネルを含み、
前記真空チャネルは、同じ圧力で前記マニホルドに結合された全てのピペットチャネルに真空下でのガスを提供する
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項128】
前記マニホルドに結合された複数のピペットチャネルを含み、
前記マニホルドは、第1セットのピペットチャネルに圧力下でのガスを提供し、同時に、第2の異なるセットのピペットチャネルに第2の異なる圧力でガスを提供するように動作可能である
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項129】
各ピペットチャネルは、2つのネジを用いて前記マニホルドに選択的に取り付けられるように構成されている
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項130】
前記2つのネジは、前記ピペットチャネルに捕捉される
ことを特徴とする請求項129に記載の流体ディスペンサ。
【請求項131】
少なくとも1つのピペットチャネルは、前記マニホルドの1または複数の開口部と整列するように構成された1または複数のペグを有する
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項132】
前記1または複数のペグは、電気コネクタが前記ピペットチャネルと係合する前に、前記マニホルド内の前記1または複数の開口部と係合する
ことを特徴とする請求項131に記載の流体ディスペンサ。
【請求項133】
各ピペットチャネルは、各ピペットチャネルと前記マニホルドとの間にシールを提供するように構成された1または複数のOリングを有する
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項134】
前記1または複数のOリングは、各ピペットチャネルの鳩尾形溝に捕捉される
ことを特徴とする請求項133に記載の流体ディスペンサ。
【請求項135】
前記1または複数のピペットチャネルは、前記マニホルドに結合された第1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを有する
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項136】
前記第1ピペットチャネルは、ディスペンシングのための前記第2ピペットチャネルとは異なる較正設定を含む
ことを特徴とする請求項135に記載の流体ディスペンサ。
【請求項137】
前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、異なるディスペンスヘッドを有する
ことを特徴とする請求項135に記載の流体ディスペンサ。
【請求項138】
前記マニホルドの前記圧力チャネルへの1つのポート及び前記真空チャネルへの1つのポートを閉じるように構成されたブランキングプレート
を更に備えたことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項139】
各ピペットチャネルは、真空下でのガス及び圧力下でのガスを前記真空ポート及び前記圧力ポートから前記単一のディスペンスヘッドにそれぞれ選択的に分配するように構成されたバルブを有し、
各ピペットチャネルは、更に、前記バルブで終わる第1端部と前記ディスペンスヘッドで終わる第2端部とを有するチューブを有し、
前記チューブは、前記バルブから前記ディスペンスヘッドへガスを向けるように構成されている
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項140】
前記チューブは、前記バルブと前記ディスペンスヘッドとの間の唯一の空気接続部である
ことを特徴とする請求項139に記載の流体ディスペンサ。
【請求項141】
前記チューブは、前記ピペットチャネルが前記マニホルドに結合されている時、前記ディスペンスヘッドが前記マニホルドに対して垂直に移動する時に曲がるように構成されている
ことを特徴とする請求項139に記載の流体ディスペンサ。
【請求項142】
前記ピペットチャネルが前記マニホルドに結合されている時、前記バルブは前記マニホルドに対して垂直に移動せず、
前記チューブは、前記ディスペンスヘッドが前記マニホルドに対して垂直に移動する時、前記ピペットチャネルのハウジング内で曲がるように構成されている
ことを特徴とする請求項139に記載の流体ディスペンサ。
【請求項143】
前記チューブ及び前記バルブは、前記ピペットチャネルの第1ハウジング内に包囲されており、
前記ディスペンスヘッドは、第2バルブを包囲する前記ピペットチャネルの第2ハウジングに結合されている
ことを特徴とする請求項139に記載の流体ディスペンサ。
【請求項144】
前記チューブは、前記ピペットチャネルの外側ハウジング内に包囲されている
ことを特徴とする請求項139に記載の流体ディスペンサ。
【請求項145】
各ピペットチャネルは、真空下でのガス及び圧力下でのガスを前記真空ポート及び前記圧力ポートから前記単一のディスペンスヘッドにそれぞれ選択的に分配するように構成されたバルブを有し、
各ピペットチャネルは、更に、前記ピペットチャネルが前記マニホルドに結合されている時に前記ディスペンスヘッドと共に移動するように構成された第2バルブを有する
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項146】
各第2バルブの動作は、前記マニホルドから伝達される制御信号によって、任意の他の第2バルブから独立に調整される
ことを特徴とする請求項145に記載の流体ディスペンサ。
【請求項147】
前記第2バルブは、前記ディスペンスヘッドの吸引動作及びディスペンス動作を制御するように構成されている
ことを特徴とする請求項145に記載の流体ディスペンサ。
【請求項148】
前記第2バルブは、ソレノイドバルブである
ことを特徴とする請求項145に記載の流体ディスペンサ。
【請求項149】
前記第2バルブは、前記ディスペンスヘッドによって吸引またはディスペンスされる液体の量を制御するように構成されている
ことを特徴とする請求項145に記載の流体ディスペンサ。
【請求項150】
前記第2バルブは、前記ディスペンスヘッドによって吸引またはディスペンスされる液体のタイミングを制御するように構成されている
ことを特徴とする請求項145に記載の流体ディスペンサ。
【請求項151】
各第2バルブは、前記マニホルドから伝達される前記電気信号によってあらゆる他の第2バルブから独立して電力供給される
ことを特徴とする請求項145に記載の流体ディスペンサ。
【請求項152】
各ピペットチャネルは、圧力下でのガス及び真空下でのガスを前記圧力ポート及び前記真空ポートから前記単一のディスペンスヘッドにそれぞれ選択的に分配するように構成されたバルブを有し、
各バルブは、3方向ソレノイドバルブである
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項153】
各ピペットチャネルは、前記マニホルドに結合される他のピペットチャネルとは独立して、前記マニホルドに結合され及び結合解除されるように構成されている
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項154】
前記1または複数のピペットチャネルは、前記マニホルドに結合された複数のピペットチャネルを有しており、
前記複数のピペットチャネルの各ディスペンスヘッドは、前記マニホルドに結合される他のディスペンスヘッドとは独立して、前記マニホルドに対して垂直方向に沿って移動可能である
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項155】
前記1または複数のピペットチャネルは、モジュール式である
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項156】
前記1または複数のピペットチャネルは、複数の同一のピペットチャネルを有する
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項157】
前記1または複数のピペットチャネルは、前記マニホルドに結合された第1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを有し、
前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、液体のある量を吸引及びディスペンスするために較正され、
前記第1ピペットチャネルは、前記第2ピペットチャネルの体積較正設定とは異なる体積較正設定を有する
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項158】
前記1または複数のピペットチャネルは、前記マニホルドに結合された第1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを有し、
前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、液体をある圧力で吸引及びディスペンスするために較正され、
前記第1ピペットチャネルは、前記第2ピペットチャネルの圧力較正設定とは異なる圧力較正設定を有する
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項159】
前記1または複数のピペットチャネルは、各々が圧力ポート及び真空ポートを有する第1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを有し、
前記第1ピペットチャネルの前記圧力ポート及び前記真空ポートは、前記第2ピペットチャネルの前記圧力ポート及び前記真空ポートと同じ向きを有している
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項160】
前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、1または複数の異なる寸法を有する
ことを特徴とする請求項159に記載の流体ディスペンサ。
【請求項161】
前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、異なる機能を同時に実行する
ことを特徴とする請求項159に記載の流体ディスペンサ。
【請求項162】
当該液体ディスペンサは、前記マニホルドに結合された3つのピペットチャネルを有している
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項163】
当該液体ディスペンサは、前記マニホルドに結合された5つのピペットチャネルを有している
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項164】
各ディスペンスヘッドは、当該ディスペンスヘッドがそれぞれのピペットチャネルを介して前記マニホルドに結合されている時、前記マニホルドに対して垂直方向に独立に移動可能である
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項165】
各ピペットチャネルは、ピペットチップが前記ディスペンスヘッドと係合されているか否かを検出するように構成されたピペットチップセンサを有している
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項166】
各ピペットチャネルは、ディスペンスヘッドの垂直方向の動きが妨げられた時を検出するように構成されたセンサを有している
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項167】
前記マニホルドに結合された2以上のピペットチャネルを更に備えており、
前記2以上のピペットチャネルの各バルブは、圧力下でのガスまたは真空下でのガスを選択的に前記マニホルドから各ディスペンスヘッドへと向けるように、独立に起動されるように構成されている
ことを特徴とする請求項89に記載の流体ディスペンサ。
【請求項168】
圧力チャネルと、真空チャネルと、前記圧力チャネルで始まって前記マニホルドの外面で終わる1つの圧力サブチャネルと、前記真空チャネルで始まって前記マニホルドの前記外面で終わる1つの真空サブチャネルと、を有するマニホルドと、
前記マニホルドに結合された1つのピペットチャネルと、
前記マニホルドから前記ピペットチャネルに制御信号を伝達するように構成された電気接続部と、
を備え、
前記ピペットチャネルは、
単一のディスペンスヘッドと、
前記マニホルドの前記圧力サブチャネルから圧力下でのガスを受容するように構成された圧力ポートと、
前記マニホルドの前記真空サブチャネルから真空下でのガスを受容するように構成された真空ポートと、
前記圧力ポートおよび前記真空ポートと同時に流体連通するバルブと、
を有しており、
前記バルブは、圧力下でのガス及び真空下でのガスを前記ディスペンスヘッドに選択的に導くように動作可能であり、
前記バルブの動作は、前記マニホルドから伝達される前記制御信号によって排他的に調整される
ことを特徴とするシステム。
【請求項169】
前記マニホルドに結合されていない第2ピペットチャネル
を更に備え、
前記第2ピペットチャネルは、前記マニホルドに結合された前記ピペットチャネルと同一である
ことを特徴とする請求項168に記載のシステム。
【請求項170】
前記マニホルドに結合されていない第2ピペットチャネル
を更に備え、
前記第2ピペットチャネルは、前記マニホルドに結合された前記ピペットチャネルとは異なっている
ことを特徴とする請求項168に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の説明〕
本願は、2016年5月23日に出願された米国仮出願第62/340,296号及び2016年10月18日に出願された米国仮出願第62/409,695号の優先権を主張するものである。これらの仮出願は、当該参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔技術分野〕
本明細書に記載された技術は、一般に、サンプル(試料)、特には複数の生体サンプル、を含む流体の液体ディスペンス動作に関する流体処理動作を制御するためのシステム及び方法に関する。当該技術は、様々な吸引動作およびディスペンス動作を実施するための自動ピペットシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
生体サンプルの診断検査は、疾病を迅速かつ効果的に診断して治療するための医療業界の活動に役立っている。そのような診断検査を実施する臨床検査室は、既に数百個ないし数千個のサンプルを毎日受け付けているが、需要は更に増大している。そのような大量のサンプルを管理するという課題は、サンプル分析の自動化によって支援されている。自動化されたサンプル分析は、典型的には、診断結果を得るために生体サンプルに対して多段階プロセスを実行する、一般に自己完結型システムである自動分析器によって実施されている。
【0004】
サンプルフローが幾つかの重要なステップに分解されることを理解して、できるだけ多くのステップを自動化する方法を考慮することが望ましい。例えば、患者から抽出された生体サンプルは、処理方法に適した形態に置かれなければならない。幾つかの場合には、処理方法は、興味対象のベクターを増幅するために、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)または他の適切な技術を用いるDNA増幅を含んでいる。臨床検査室は、また、様々な処理方法を実施する様々な自動化臨床分析器をも有している。従って、様々なタイプの分析器に容易にカスタマイズされ得て実装され得るユニバーサル(普遍的)な液体ハンドリングシステムと共に、診断検査のためのサンプルを準備する必要がある。
【0005】
必要とされる複数の試薬のような複数の液体の数(種類)のために、及び、複数回の液体搬送動作(例えばピペット動作)の必要性のために、試料の準備は、部分的には労働集約的である(多くの労作を伴う)。従って、自動化されたピペット装置、特には複数のサンプルに対して並行して動作を行うことができるピペット装置、に対するニーズが存在している。
【0006】
本明細書の当該「背景技術」の項での議論は、本明細書に記載された発明の内容を説明するために含まれたものである。このことによって、言及された事情のいずれかが、特許請求の範囲の一部について、優先日よりも前に、公開されていた、知られていた、あるいは、一般的な技術常識であった、ということを自認するものであると解釈されてはならない。
【0007】
本明細書及び特許請求の範囲を通じて、「comprise(含む)」という用語並びに「comprising(含む)」及び「comprises(含む)」のようなその派生語は、他の添加物、成分、整数または工程を排除することを意図してはいない。
【発明の概要】
【0008】
本明細書に記載の液体ディスペンサは、圧力チャネル、真空チャネル、複数の圧力クロスチャネル、及び、複数の真空クロスチャネルを有するマニホルドを備えており、各圧力クロスチャネルは、前記圧力チャネルで始まって、前記マニホルドの外面で終わっており、各真空クロスチャネルは、前記真空チャネルで始まって、前記マニホルドの前記外面で終わっている。当該液体ディスペンサは、前記マニホルドに結合された1または複数のピペットチャネルを更に備え、各ピペットチャネルは、ディスペンスヘッド、1つの圧力クロスチャネルから圧力下でのガスを受け取るように構成された圧力ポート、1つの真空クロスチャネルから真空下でのガス(ガスに対する真空力)を受け取るように構成された真空ポート、並びに、前記圧力ポート及び前記真空ポートと同時に流体連通するバルブを含んでおり、当該バルブは、圧力下でのガス、及び、真空下でのガスを、前記ディスペンスヘッドに選択的に向けるように動作可能である。当該液体ディスペンサは、前記マニホルドから前記1または複数のピペットチャネルに制御信号を伝達するように構成された電気接続部を更に備え、各バルブの動作は、前記マニホルドから伝達される前記制御信号によって、任意の他のバルブから独立に調整される。
【0009】
幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルの各々が、前記マニホルドに対して選択的かつ独立して結合される。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルについて、前記ディスペンスヘッドは、ピペットチップに結合されており、前記ディスペンスヘッドは、前記バルブが真空下でのガスを前記ディスペンスヘッドに向ける時、液体を前記ピペットチップ内に吸引するように構成されており、かつ、前記バルブが圧力下でのガスを前記ディスペンスヘッドに向ける時、液体を前記ピペットチップからディスペンスするように構成されている。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、単一のディスペンスヘッドを有している。幾つかの実施形態では、各バルブは、圧力下でのガス、及び、真空下でのガスを、前記圧力ポート及び前記真空ポートから、それぞれ、前記単一のディスペンスヘッドに選択的に分配するように構成されている。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、当該ピペットチャネルが前記マニホルドに結合される時に前記マニホルドに対して移動しない第1部分と、当該ピペットチャネルが前記マニホルドに結合される時に前記マニホルドに対して移動する第2部分と、を含んでいる。幾つかの実施形態では、前記バルブは、前記第1部分内に包囲されており、前記ディスペンスヘッドは、前記第2部分に結合されており、前記バルブと前記ディスペンスヘッドとを接続するチューブが、前記第2部分が前記第1部分に対して移動する時、前記第1部分内で移動するように構成されている。幾つかの実施形態では、前記圧力チャネルは、入口圧力ポートで終わる第1端部及び第2端部を有しており、前記入口圧力ポートは、圧力下でのガスの外部源に接続されており、前記真空チャネルは、入口真空ポートで終わる第1端部及び第2端部を有しており、前記入口真空ポートは、真空下でのガスの外部源に接続されている。幾つかの実施形態では、前記マニホルドは、圧力下でのガス、及び、真空下でのガスを、それぞれ、前記入口圧力ポート及び前記入口真空ポートを介して受け入れるだけである幾つかの実施形態では、前記電気接続部は、更に、前記マニホルドから前記1または複数のピペットチャネルに電気信号を送信するように構成されており、各ピペットチャネルは、前記マニホルドから送信される前記電気信号によってあらゆるピペットチャネルから独立して電力供給される。幾つかの実施形態では、各バルブは、3方向ソレノイドバルブである。幾つかの実施形態では、各バルブは、低圧ソレノイドバルブである。幾つかの実施形態では、各バルブは、10psi未満の定格のソレノイドバルブである。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのピペットチャネルが、更に、磁気ブレーキを有する。幾つかの実施形態では、前記磁気ブレーキは、前記マニホルドからの電気信号の喪失の際に、前記少なくとも1つのピペットチャネルのディスペンスヘッドの自由落下を低減するように構成されている。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのピペットチャネルは、更に、前記マニホルドに対して垂直方向に当該少なくとも1つのピペットチャネルのディスペンスヘッドを移動させるように構成されたボールネジを有する。幾つかの実施形態では、前記少なくとも1つのピペットチャネルは、更に、前記ボールネジのミスアライメントを低減するように構成されたカップリングを有する。幾つかの実施形態では、各圧力クロスチャネルによって各ピペットチャネルの圧力ポートに供給されるガスは、前記複数の圧力クロスチャネルの他の圧力クロスチャネルの各々によって提供されるガスと、同じ圧力である。幾つかの実施形態では、前記マニホルドは、更に、複数の圧力クロスチャネルを含む第2圧力チャネルを有しており、第1複数のピペットチャネルの各々の圧力ポートは、第1圧力チャネルの1つの圧力クロスチャネルに結合されており、第2の異なる複数のピペットチャネルの各々の圧力ポートは、第2圧力チャネルの1つの圧力クロスチャネルに結合されており、前記マニホルドは、第1圧力で前記第1複数のピペットチャネルに圧力下でのガスを提供し、同時に、第2の異なる圧力で前記第2複数のピペットチャネルにガスを提供する。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、2つのネジを用いて前記マニホルドに選択的に取り付けられるように構成されている。幾つかの実施形態では、前記2つのネジは、前記ピペットチャネルに捕捉される。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのピペットチャネルは、前記マニホルドの1または複数の開口部と整列するように構成された1または複数のペグを有する。幾つかの実施形態では、前記1または複数のペグは、前記ピペットチャネル上の電気コネクタと前記マニホルド上の電気コネクタとが係合する前に、前記マニホルド内の前記1または複数の開口部と係合する。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、各ピペットチャネルと前記マニホルドとの間にシールを提供するように構成された1または複数のOリングを有する。幾つかの実施形態では、前記1または複数のOリングは、各ピペットチャネルの鳩尾形溝に捕捉される。幾つかの実施形態では、当該液体ディスペンサは、更に、前記マニホルドに結合された第1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを備え、前記第1ピペットチャネルは、ディスペンシングのための異なる較正設定を含む。幾つかの実施形態では、2以上のピペットチャネルが、異なるディスペンスヘッドを有する。幾つかの実施形態では、1つの圧力クロスチャネルと1つの真空クロスチャネルとがピペットチャネルに結合されておらず、当該液体ディスペンサは、更に、ピペットチャネルに結合されていない前記マニホルドの前記1つの圧力クロスチャネル及び前記1つの真空クロスチャネルを閉じるように構成されたブランキングプレート含む。幾つかの実施形態では、前記圧力チャネル及び前記真空チャネルは、前記マニホルド内で互いに物理的及び流体的に隔離されている。幾つかの実施形態では、前記マニホルドは、単一の圧力チャネルおよび単一の真空チャネルを有する。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルについて、前記バルブは、前記マニホルドの前記圧力チャネル及び前記真空チャネルと同時に流体連通するように構成されており、圧力下でのガス、及び、真空下でのガスを、選択的にディスペンスヘッドに向けるように動作可能である。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、更に、前記バルブで終わる第1端部と前記ディスペンスヘッドで終わる第2端部とを有するチューブを有しており、前記チューブは、前記バルブから前記ディスペンスヘッドへガスを導くよう構成されている。幾つかの実施形態では、前記チューブは、前記バルブと前記ディスペンスヘッドとの間の唯一の空気接続部である。幾つかの実施形態では、前記チューブは、前記ディスペンスヘッドが前記マニホルドに対して垂直に移動する時に曲がるように構成されている。幾つかの実施形態では、前記チューブは、前記ピペットチャネルの外側ハウジングによって包囲されている。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルについて、前記ディスペンスヘッドが前記マニホルドに対して移動する時、前記バルブは前記マニホルドに対して移動しない。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、更に、前記マニホルドに対して前記ディスペンスヘッドと共に移動する第2バルブを有する。幾つかの実施形態では、 各第2バルブの動作は、前記マニホルドから伝達される制御信号によって、任意の他の第2バルブから独立に調整される。幾つかの実施形態では、前記第2バルブは、前記ディスペンスヘッドの吸引動作及びディスペンス動作を制御するように構成されている。幾つかの実施形態では、前記第2バルブは、ソレノイドバルブである。幾つかの実施形態では、前記ディスペンスヘッドは、前記バルブが真空下でのガスを前記ディスペンスヘッドに向ける時に吸引動作を実行し、前記ディスペンスヘッドは、前記バルブが圧力下でのガスを前記ディスペンスヘッドに向ける時にディスペンス動作を実行し、前記第2バルブは、前記吸引動作及び前記ディスペンス動作の間、前記ディスペンスヘッドによって吸引及びディスペンスされる液体の量を制御するように構成されている。幾つかの実施形態では、前記ディスペンスヘッドは、前記バルブが真空下でのガスを前記ディスペンスヘッドに向ける時に吸引動作を実行し、前記ディスペンスヘッドは、前記バルブが圧力下でのガスを前記ディスペンスヘッドに向ける時にディスペンス動作を実行し、前記第2バルブは、前記吸引動作及び前記ディスペンス動作のタイミングを制御するように構成されている。幾つかの実施形態では、各第2バルブは、前記マニホルドから伝達される前記電気信号によってあらゆる他の第2バルブから独立して電力供給される。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、前記マニホルドに結合される他のピペットチャネルとは独立して、前記マニホルドに結合され及び結合解除されるように構成されている。幾つかの実施形態では、各ディスペンスヘッドは、前記マニホルドに結合される他のディスペンスヘッドとは独立して、前記マニホルドに対して垂直方向に沿って移動可能である。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルの各々が、モジュール式である。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルは、前記マニホルドに結合された第1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを有し、前記第1ピペットチャネルは、吸引動作およびディスペンス動作のための量に関する第1設定で較正され、前記第2ピペットチャネルは、吸引動作およびディスペンス動作のための量に関する第2の異なる設定で較正される。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルは、前記マニホルドに結合された第1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを有し、前記第1ピペットチャネルは、吸引動作およびディスペンス動作のための圧力に関する第1設定で較正され、前記第2ピペットチャネルは、吸引動作およびディスペンス動作のための圧力に関する第2の異なる設定で較正される。幾つかの実施形態では、前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、当該第1ピペットチャネル及び当該第2ピペットチャネルが前記マニホルドに結合される前に、較正される。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルは、第1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを有し、前記第1ピペットチャネルの前記圧力ポート及び前記真空ポートは、前記第2ピペットチャネルの前記圧力ポート及び前記真空ポートと同じ向きを有している。幾つかの実施形態では、前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、1または複数の異なる寸法を有する。幾つかの実施形態では、前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、異なる機能を同時に実行するように構成されている。幾つかの実施形態では、当該液体ディスペンサは、前記マニホルドに結合された3つのピペットチャネルを有している。幾つかの実施形態では、当該液体ディスペンサは、前記マニホルドに結合された5つのピペットチャネルを有している。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、ピペットチップが前記ディスペンスヘッドと係合されているか否かを検出するように構成されたピペットチップセンサを有している。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、ディスペンスヘッドの垂直方向の動きが妨げられた時を検出するように構成されたセンサを有している。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルは、2以上のピペットチャネルを有しており、前記2以上のピペットチャネルの各バルブは、前記圧力下でのガスまたは前記真空下でのガスを選択的に前記マニホルドから各ディスペンスヘッドへと向けるように、独立に起動されるように構成されている。
【0010】
流体をディスペンシングして吸引する方法が、本明細書において提供される。当該方法は、真空チャネル及び圧力チャネルを含むマニホルドを提供する工程と、1または複数のピペットチャネルを提供する工程と、前記1または複数のピペットチャネルを前記マニホルドに選択的に係合する工程と、前記1または複数のピペットチャネルの第1ピペットチャネルに前記マニホルドから制御信号を伝達する工程と、前記第1ピペットチャネルによって吸引動作及びディスペンス動作を実行する工程と、を備え、各ピペットチャネルは、ディスペンスヘッドと、真空ポートと、圧力ポートと、前記真空ポート及び前記圧力ポートとの同時流体連通状態にある独立制御バルブと、を有しており、前記選択的に係合する工程は、前記1または複数のピペットチャネルの各真空ポートを前記マニホルドの前記真空チャネルに接続する工程を含んでおり、前記制御信号を伝達する工程によって、前記第1ピペットチャネルの前記真空ポート及び前記圧力ポートを介して受容される真空下でのガスまたは圧力下でのガスを前記第1ピペットチャネルの前記ディスペンスヘッドへ選択的に向けるべく、前記独立制御バルブの動作が独立に制御され、前記吸引動作及び前記ディスペンス動作は、前記第1ピペットチャネルの前記独立制御バルブから前記第1ピペットチャネルの前記ディスペンスヘッドへの、真空下でのガスまたは圧力下でのガスのそれぞれの受容に応じて、前記流体を吸引する工程または前記流体をディスペンスする工程を有している。
【0011】
幾つかの実施形態では、本方法は、前記1ピペットチャネルまたは第2ピペットチャネルを前記マニホルドに選択的に係合する工程と、前記第2ピペットチャネルに前記マニホルドから制御信号を伝達する工程と、前記第2ピペットチャネルによって吸引動作及びディスペンス動作を実行する工程と、を更に備え、前記制御信号を伝達する工程によって、前記第2ピペットチャネルの前記真空ポート及び前記圧力ポートを介して受容される真空下でのガスまたは圧力下でのガスを前記第2ピペットチャネルの前記ディスペンスヘッドへ選択的に向けるべく、前記独立制御バルブの動作が独立に制御され、前記吸引動作及び前記ディスペンス動作は、前記第2ピペットチャネルの前記独立制御バルブから前記第2ピペットチャネルの前記ディスペンスヘッドへの、真空下でのガスまたは圧力下でのガスのそれぞれの受容に応じて、第2流体を吸引する工程または第2流体をディスペンスする工程を有している。幾つかの実施形態では、前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルの前記吸引動作及び前記ディスペンス動作は、同時に行われる。幾つかの実施形態では、前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルの前記吸引動作及び前記ディスペンス動作は、独立に行われる。幾つかの実施形態では、前記第1ピペットチャネルは、前記第2ピペットチャネルが吸引するのと同時に、ディスペンスする。幾つかの実施形態では、前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、流体の異なる量を同時に吸引する。幾つかの実施形態では、前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、流体の異なる量を同時にディスペンスする。幾つかの実施形態では、前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、異なる圧力で流体のある量を同時に吸引する。幾つかの実施形態では、前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、異なる圧力で流体のある量を同時にディスペンスする。幾つかの実施形態では、前記第1ピペットチャネルの前記独立制御バルブは、前記第2ピペットチャネルの前記独立制御バルブが真空下でのガスを向けるのと同時に、圧力下でのガスを向ける。幾つかの実施形態では、前記第1ピペットチャネルの前記独立制御バルブは、前記第2ピペットチャネルの前記独立制御バルブとは独立に、ガスを向ける動作を始動または停止する。幾つかの実施形態では、当該方法は、前記1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを前記マニホルドに選択的に係合する工程を更に備え、前記第2ピペットチャネルの前記バルブが前記第2ピペットチャネルの前記ディスペンスヘッドへ真空下でのガスを向けるのと同時に、前記第1ピペットチャネルの前記バルブが前記第1ピペットチャネルの前記ディスペンスヘッドへ圧力下でのガスを向けて、前記第2ピペットチャネルの前記ディスペンスヘッドが流体を吸引するのと同時に前記第1ピペットチャネルの前記ディスペンスヘッドがディスペンスする。幾つかの実施形態では、前記圧力チャネルは、複数の圧力クロスチャネルを含み、前記真空チャネルは、複数の真空クロスチャネルを含み、各ピペットチャネルは、当該ピペットチャネルが前記マニホルドに選択的に係合される時、1つの圧力クロスチャネルと1つの真空クロスチャネルとに接続するように構成されている。幾つかの実施形態では、前記マニホルドは、複数のレーンを有し、各レーンは、1つの圧力クロスチャネルと1つの真空クロスチャネルとを含み、前記選択的に係合する工程は、1つのピペットチャネルを前記複数のレーンのいずれか1つのレーンに係合する工程を含む。幾つかの実施形態では、当該方法は、順序通りに、前記第1ピペットチャネルの前記ディスペンスヘッドでの真空下でのガスの受容に応じて流体を吸引し、当該ディスペンスヘッドでの圧力下でのガスの受容に応じて流体をディスペンスする工程を更に備える。幾つかの実施形態では、当該方法は、単一の圧力下でのガス源と単一の真空下でのガス源とを前記マニホルドに結合する工程を更に備える。幾つかの実施形態では、前記圧力チャネルは、入口圧力ポートで終わっており、前記真空チャネルは、入口真空ポートで終わっており、前記マニホルドは、圧力下でのガス、及び、真空下でのガスを、それぞれ、前記入口圧力ポート及び前記入口真空ポートを介して受け入れるだけである。幾つかの実施形態では、前記ピペットチャネルは、圧力下でのガス、及び、真空下でのガスを、それぞれ、前記圧力ポート及び前記真空ポートを介して受け入れるだけである。幾つかの実施形態では、当該方法は、前記マニホルドから前記1または複数のピペットチャネルに電気信号を伝達する工程を更に備え、各ピペットチャネルは、前記マニホルドから伝達される前記電気信号によってあらゆるピペットチャネルから独立して電力供給される。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルの各々は、前記マニホルドと前記電気接続部を介して制御信号及び電気信号を受信するだけである。幾つかの実施形態では、当該方法は、磁気ブレーキを介して、電気信号の喪失の際に、前記ディスペンスヘッドの自由落下を低減する工程を更に備える。幾つかの実施形態では、前記第1ピペットチャネルを前記マニホルドに選択的に係合する工程は、前記ピペットチャネルの1または複数のペグを前記マニホルドの1または複数の開口部と整列させる工程を含む。幾つかの実施形態では、前記第1ピペットチャネルを前記マニホルドに選択的に係合する工程は、前記ピペットチャネルの1または複数の捕捉的ネジを締結する工程を含む。幾つかの実施形態では、前記第1ピペットチャネルを前記マニホルドに選択的に係合する工程は、前記第1ピペットチャネルと前記マニホルドとの間でシールを圧縮する工程を含む。幾つかの実施形態では、前記シールは、前記ピペットチャネルの捕捉的Oリングである。幾つかの実施形態では、当該方法は、前記第1ピペットチャネルの前記圧力ポート及び前記真空ポートを介して受容される圧力下でのガス及び真空下でのガスを、チューブを介して前記第1ピペットチャネルの前記ディスペンスヘッドに選択的に案内する工程を更に備える。幾つかの実施形態では、前記チューブは、前記バルブと前記ディスペンスヘッドとの間の唯一の空気接続部である。幾つかの実施形態では、前記チューブは、前記ディスペンスヘッドが垂直に移動する時に曲がるように構成されている。幾つかの実施形態では、前記流体は、液体を含む。幾つかの実施形態では、前記流体は、ガスを含む。
【0012】
本明細書に記載の液体ディスペンサは、真空チャネルと圧力チャネルと複数のレーンとを含むマニホルドと、1または複数のピペットチャネルと、を備え、各レーンは、電気コネクタと、前記圧力チャネルへのポートと、前記真空チャネルへのポートと、を含み、各ピペットチャネルは、単一のディスペンスヘッドを含むと共に、前記複数のレーンの内のいずれか1つのレーンの前記電気コネクタ、前記圧力ポート及び前記真空ポートに結合するように構成されている。
【0013】
幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、前記圧力ポート及び前記真空ポートからの圧力下でのガス及び真空下でのガスを、それぞれ前記単一のディスペンスヘッドに選択的に分配するように構成されたバルブを有している。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルの各々が、前記複数のレーンのうちの1つのレーンに結合されており、各ピペットチャネルについて、前記バルブの動作は、当該ピペットチャネルが結合されている1つのレーンの電気コネクタを介して当該バルブに伝達される信号によって、独立に制御される。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、当該ピペットチャネルが前記マニホルドに結合される時に前記マニホルドに対して移動しない第1部分と、当該ピペットチャネルが前記マニホルドに結合される時に前記マニホルドに対して移動する第2部分と、を含んでいる。幾つかの実施形態では、前記バルブは、前記第1部分内に包囲されており、前記ディスペンスヘッドは、前記第2部分に結合されており、前記バルブと前記ディスペンスヘッドとを接続するチューブが、前記第2部分が前記第1部分に対して移動する時、前記第1部分内で移動するように構成されている。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、電気コネクタと、圧力ポートと、真空ポートと、を含む。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルの前記電気コネクタ、前記圧力ポート及び前記真空ポートは、それぞれ、前記複数のレーンのうちのいずれか1つのレーンの前記電気コネクタ、前記圧力ポート及び前記真空ポートに結合するように構成されている。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルの前記電気コネクタ、前記圧力ポート及び前記真空ポートは、当該1または複数のピペットチャネルの前記電気コネクタ、前記圧力ポート及び前記真空ポートが前記マニホルドに結合される時、当該マニホルドに対して移動しない。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルの前記単一のディスペンスヘッドは、当該1または複数のピペットチャネルが前記マニホルドに結合される時、当該マニホルドに対して移動する。幾つかの実施形態では、当該流体ディスペンサは、複数のピペットチャネルを備え、前記複数のレーンの各レーンは、前記複数のピペットチャネルのうちのいずれか1つのピペットチャネルに結合するように構成されている。幾つかの実施形態では、前記圧力チャネル及び前記真空チャネルは、前記マニホルド内で互いに物理的及び流体的に隔離されている。幾つかの実施形態では、前記マニホルドは、単一の圧力チャネルおよび単一の真空チャネルを有する。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、前記複数のレーンのうちのいずれか1つのレーンの前記電気コネクタ、前記圧力ポート及び前記真空ポートに選択的に結合および結合解除するように構成されている。幾つかの実施形態では、前記複数のレーンの各レーンの長手方向軸が、前記圧力チャネルを横断するように配向されている。幾つかの実施形態では、前記複数のレーンの各レーンの長手方向軸が、前記真空チャネルを横断するように配向されている。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルは、複数のピペットチャネルを含み、前記複数のピペットチャネルのうちの少なくとも1つのピペットチャネルは、前記複数のレーンのうちの1つのレーンに結合されており、前記複数のピペットチャネルのうちの少なくとも1つのレーンが、前記複数のピペットチャネルのピペットチャネルに結合されていない。幾つかの実施形態では、当該流体ディスペンサは、前記複数のピペットチャネルのピペットチャネルに結合されていない前記少なくとも1つのレーンの前記圧力ポート及び前記真空ポートをシールするように構成されたカバーを更に備えている。幾つかの実施形態では、当該流体ディスペンサは、1つのみのピペットチャネルを含み、前記ピペットチャネルは、前記複数のレーンの1つのレーンに結合され、前記複数のレーンの残りのレーンの各々は、ピペットチャネルに結合されない。幾つかの実施形態では、各レーンは、前記圧力チャネルに対する単一のポートと、前記真空チャネルに対する単一のポートと、を含む。幾つかの実施形態では、当該流体ディスペンサは、前記複数のレーンの第1レーンに連結された第1ピペットチャネルと、前記複数のレーンの第2レーンに連結された第2ピペットチャネルと、を含み、前記第1ピペットチャネルの前記単一のディスペンスヘッドは、前記第2ピペットチャネルの前記単一のディスペンスヘッドが流体をディスペンスするのと同時に、流体を吸引する。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルは、吸引動作及びディスペンス動作の間のディスペンスヘッド内のガスの圧力に関連する異なる較正設定を有する2つのピペットチャネルを有する。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルは、吸引動作及びディスペンス動作の間の吸引及びディスペンスされる流体の量に関連する異なる較正設定を有する2つのピペットチャネルを有する。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルは、吸引動作及びディスペンス動作の速度に関連する異なる較正設定を有する2つのピペットチャネルを有する。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルは、複数のピペットチャネルを含み、前記複数のピペットチャネルの少なくとも2つは、同一である。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルは、複数のピペットチャネルを含み、前記複数のピペットチャネルの少なくとも2つは、異なっている。幾つかの実施形態では、前記少なくとも2つの異なるピペットチャネルは、1または複数の異なる寸法を有する。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、各ピペットチャネル内のガスの流れを制御するように動作可能なバルブを有する。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、当該ピペットチャネルの単一のディスペンスヘッドの吸引動作及びディスペンス動作を制御するように動作可能なバルブを有する。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルの各々は、前記マニホルドに選択的かつ独立して結合される。幾つかの実施形態では、前記圧力チャネルは、入口圧力ポートで終わる第1端部及び第2端部を有しており、前記入口圧力ポートは、圧力下でのガスの外部源に接続されており、前記真空チャネルは、入口真空ポートで終わる第1端部及び第2端部を有しており、前記入口真空ポートは、真空下でのガスの外部源に接続されている。幾つかの実施形態では、前記マニホルドは、圧力下でのガス、及び、真空下でのガスを、それぞれ、前記入口圧力ポート及び前記入口真空ポートを介して受け入れるだけである。幾つかの実施形態では、前記複数のレーンの各レーンの前記電気コネクタは、前記マニホルドから1つのピペットチャネルに電気信号を伝達するように構成されており、各ピペットチャネルは、前記マニホルドに結合される時、前記マニホルドから伝達される前記電気信号によって前記マニホルドに結合された他のピペットチャネルから独立して電力供給されるように構成されている。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルの各々が、前記マニホルドに結合され、前記1または複数のピペットチャネルの各々は、それぞれのピペットチャネルが結合されるレーンの前記電気コネクタを介して制御信号及び電気信号を受信するだけである。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのピペットチャネルが、更に、磁気ブレーキを有する。幾つかの実施形態では、前記少なくとも1つのピペットチャネルの前記磁気ブレーキは、電気信号の喪失の際に、前記少なくとも1つのピペットチャネルの単一のディスペンスヘッドの自由落下を低減するように構成されている。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのピペットチャネルは、更に、前記マニホルドに対して垂直方向に当該少なくとも1つのピペットチャネルの単一のディスペンスヘッドを移動させるように構成されたボールネジを有する。幾つかの実施形態では、前記少なくとも1つのピペットチャネルは、更に、前記ボールネジのミスアライメントを低減するように構成されたカップリングを有する。幾つかの実施形態では、当該流体ディスペンサは、前記マニホルドに結合された複数のピペットチャネルを含み、前記圧力チャネルは、同じ圧力で前記マニホルドに結合された全てのピペットチャネルに圧力下でのガスを提供する。
幾つかの実施形態では、当該流体ディスペンサは、前記マニホルドに結合された複数のピペットチャネルを含み、前記真空チャネルは、同じ圧力で前記マニホルドに結合された全てのピペットチャネルに真空下でのガスを提供する。幾つかの実施形態では、当該流体ディスペンサは、前記マニホルドに結合された複数のピペットチャネルを含み、前記マニホルドは、第1セットのピペットチャネルに圧力下でのガスを提供し、同時に、第2の異なるセットのピペットチャネルに第2の異なる圧力でガスを提供するように動作可能である。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、2つのネジを用いて前記マニホルドに選択的に取り付けられるように構成されている。幾つかの実施形態では、前記2つのネジは、前記ピペットチャネルに捕捉される。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのピペットチャネルは、前記マニホルドの1または複数の開口部と整列するように構成された1または複数のペグを有する。幾つかの実施形態では、前記1または複数のペグは、電気コネクタが前記ピペットチャネルと係合する前に、前記マニホルド内の前記1または複数の開口部と係合する。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、各ピペットチャネルと前記マニホルドとの間にシールを提供するように構成された1または複数のOリングを有する。幾つかの実施形態では、前記1または複数のOリングは、各ピペットチャネルの鳩尾形溝に捕捉される。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルは、前記マニホルドに結合された第1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを有する。幾つかの実施形態では、前記第1ピペットチャネルは、ディスペンシングのための前記第2ピペットチャネルとは異なる較正設定を含む。幾つかの実施形態では、前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、異なるディスペンスヘッドを有する。幾つかの実施形態では、当該流体ディスペンサは、前記マニホルドの前記圧力チャネルへの1つのポート及び前記真空チャネルへの1つのポートを閉じるように構成されたブランキングプレートを更に備える。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、真空下でのガス及び圧力下でのガスを前記真空ポート及び前記圧力ポートから前記単一のディスペンスヘッドにそれぞれ選択的に分配するように構成されたバルブを有し、各ピペットチャネルは、更に、前記バルブで終わる第1端部と前記ディスペンスヘッドで終わる第2端部とを有するチューブを有し、前記チューブは、前記バルブから前記ディスペンスヘッドへガスを向けるように構成されている。幾つかの実施形態では、前記チューブは、前記バルブと前記ディスペンスヘッドとの間の唯一の空気接続部である。幾つかの実施形態では、前記チューブは、前記ピペットチャネルが前記マニホルドに結合されている時、前記ディスペンスヘッドが前記マニホルドに対して垂直に移動する時に曲がるように構成されている。幾つかの実施形態では、前記ピペットチャネルが前記マニホルドに結合されている時、前記バルブは前記マニホルドに対して垂直に移動せず、前記チューブは、前記ディスペンスヘッドが前記マニホルドに対して垂直に移動する時、前記ピペットチャネルのハウジング内で曲がるように構成されている。幾つかの実施形態では、前記チューブ及び前記バルブは、前記ピペットチャネルの第1ハウジング内に包囲されており、前記ディスペンスヘッドは、第2バルブを包囲する前記ピペットチャネルの第2ハウジングに結合されている。幾つかの実施形態では、前記チューブは、前記ピペットチャネルの外側ハウジング内に包囲されている。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、真空下でのガス及び圧力下でのガスを前記真空ポート及び前記圧力ポートから前記単一のディスペンスヘッドにそれぞれ選択的に分配するように構成されたバルブを有し、各ピペットチャネルは、更に、前記ピペットチャネルが前記マニホルドに結合されている時に前記ディスペンスヘッドと共に移動するように構成された第2バルブを有する。幾つかの実施形態では、各第2バルブの動作は、前記マニホルドから伝達される制御信号によって、任意の他の第2バルブから独立に調整される。幾つかの実施形態では、前記第2バルブは、前記ディスペンスヘッドの吸引動作及びディスペンス動作を制御するように構成されている。幾つかの実施形態では、前記第2バルブは、ソレノイドバルブである。幾つかの実施形態では、前記第2バルブは、前記ディスペンスヘッドによって吸引またはディスペンスされる液体の量を制御するように構成されている。幾つかの実施形態では、前記第2バルブは、前記ディスペンスヘッドによって吸引またはディスペンスされる液体のタイミングを制御するように構成されている。幾つかの実施形態では、各第2バルブは、前記マニホルドから伝達される前記電気信号によってあらゆる他の第2バルブから独立して電力供給される。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、圧力下でのガス及び真空下でのガスを前記圧力ポート及び前記真空ポートから前記単一のディスペンスヘッドにそれぞれ選択的に分配するように構成されたバルブを有し、各バルブは、3方向ソレノイドバルブである。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、前記マニホルドに結合される他のピペットチャネルとは独立して、前記マニホルドに結合され及び結合解除されるように構成されている。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルは、前記マニホルドに結合された複数のピペットチャネルを有しており、前記複数のピペットチャネルの各ディスペンスヘッドは、前記マニホルドに結合される他のディスペンスヘッドとは独立して、前記マニホルドに対して垂直方向に沿って移動可能である。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルは、モジュール式である。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルは、複数の同一のピペットチャネルを有する。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルは、前記マニホルドに結合された第1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを有し、前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、液体のある量を吸引及びディスペンスするために較正され、前記第1ピペットチャネルは、前記第2ピペットチャネルの体積較正設定とは異なる体積較正設定を有する。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルは、前記マニホルドに結合された第1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを有し、前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、液体をある圧力で吸引及びディスペンスするために較正され、前記第1ピペットチャネルは、前記第2ピペットチャネルの圧力較正設定とは異なる圧力較正設定を有する。幾つかの実施形態では、前記1または複数のピペットチャネルは、各々が圧力ポート及び真空ポートを有する第1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを有し、前記第1ピペットチャネルの前記圧力ポート及び前記真空ポートは、前記第2ピペットチャネルの前記圧力ポート及び前記真空ポートと同じ向きを有している。幾つかの実施形態では、前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、1または複数の異なる寸法を有する。幾つかの実施形態では、前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、異なる機能を同時に実行する。幾つかの実施形態では、当該液体ディスペンサは、前記マニホルドに結合された3つのピペットチャネルを有している。幾つかの実施形態では、当該液体ディスペンサは、前記マニホルドに結合された5つのピペットチャネルを有している。幾つかの実施形態では、各ディスペンスヘッドは、当該ディスペンスヘッドがそれぞれのピペットチャネルを介して前記マニホルドに結合されている時、前記マニホルドに対して垂直方向に独立に移動可能である。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、ピペットチップが前記ディスペンスヘッドと係合されているか否かを検出するように構成されたピペットチップセンサを有している。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、ディスペンスヘッドの垂直方向の動きが妨げられた時を検出するように構成されたセンサを有している。幾つかの実施形態では、前記マニホルドに結合された2以上のピペットチャネルを更に備えており、前記2以上のピペットチャネルの各バルブは、圧力下でのガスまたは真空下でのガスを選択的に前記マニホルドから各ディスペンスヘッドへと向けるように、独立に起動されるように構成されている。
【0014】
本明細書に開示されるシステムは、圧力チャネルと、真空チャネルと、前記圧力チャネルで始まって前記マニホルドの外面で終わる1つの圧力サブチャネルと、前記真空チャネルで始まって前記マニホルドの前記外面で終わる1つの真空サブチャネルと、を有するマニホルドを備える。当該システムは、前記マニホルドに結合された1つのピペットチャネルを備え、当該ピペットチャネルは、単一のディスペンスヘッドと、前記マニホルドの前記圧力サブチャネルから圧力下でのガスを受容するように構成された圧力ポートと、前記マニホルドの前記真空サブチャネルから真空下でのガスを受容するように構成された真空ポートと、前記圧力ポートおよび前記真空ポートと同時に流体連通するバルブと、を有し、当該バルブは、圧力下でのガス及び真空下でのガスを前記ディスペンスヘッドに選択的に導くように動作可能である。当該システムは、前記マニホルドから前記ピペットチャネルに制御信号を伝達するように構成された電気接続部を備え、前記バルブの動作は、前記マニホルドから伝達される前記制御信号によって排他的に調整される。
【0015】
幾つかの実施形態では、当該システムは、前記マニホルドに結合されていない第2ピペットチャネルを更に備え、前記第2ピペットチャネルは、前記マニホルドに結合された前記ピペットチャネルと同一である。幾つかの実施形態では、当該システムは、前記マニホルドに結合されていない第2ピペットチャネルを更に備え、前記第2ピペットチャネルは、前記マニホルドに結合された前記ピペットチャネルとは異なっている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】第1実施形態による液体ディスペンサの概略図である。
【0017】
図1B】第2実施形態による液体ディスペンサの図である。
図2】第2実施形態による液体ディスペンサの図である。
図3】第2実施形態による液体ディスペンサの図である。
図4】第2実施形態による液体ディスペンサの図である。
【0018】
図5】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図6】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図7】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図8】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図9】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図10】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図11】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図12】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図13】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図14】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図15】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図16】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図17】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図18】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図19】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図20】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図21】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図22】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図23】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図24】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図25】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図26】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図27】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図28】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図29】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図30】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図31】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図32】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図33】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図34A】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図34B】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図34C】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
図34D】第3実施形態による液体ディスペンサの図である。
【0019】
図35】第4実施形態による液体ディスペンサの図である。
図36】第4実施形態による液体ディスペンサの図である。
図37】第4実施形態による液体ディスペンサの図である。
図38】第4実施形態による液体ディスペンサの図である。
図39】第4実施形態による液体ディスペンサの図である。
図40】第4実施形態による液体ディスペンサの図である。
図41】第4実施形態による液体ディスペンサの図である。
図42】第4実施形態による液体ディスペンサの図である。
図43】第4実施形態による液体ディスペンサの図である。
図44】第4実施形態による液体ディスペンサの図である。
図45】第4実施形態による液体ディスペンサの図である。
図46】第4実施形態による液体ディスペンサの図である。
図47】第4実施形態による液体ディスペンサの図である。
図48】第4実施形態による液体ディスペンサの図である。
図49】第4実施形態による液体ディスペンサの図である。
図50】第4実施形態による液体ディスペンサの図である。
図51】第4実施形態による液体ディスペンサの図である。
図52】第4実施形態による液体ディスペンサの図である。
図53】第4実施形態による液体ディスペンサの図である。
図54】第4実施形態による液体ディスペンサの図である。
図55】第4実施形態による液体ディスペンサの図である。
【0020】
図56】第5実施形態による液体ディスペンサの図である。
図57】第5実施形態による液体ディスペンサの図である。
【0021】
図58】第3実施形態の図である。
図59】第3実施形態の図である。
図60】第3実施形態の図である。
【0022】
図61】第4実施形態の図である。
図62】第4実施形態の図である。
図63】第4実施形態の図である。
図64】第4実施形態の図である。
【0023】
図65A】マニホルドの図である。
図65B】マニホルドの図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書に記載されるあらゆる特徴ないし特徴の組合せは、そのような組合せに含まれる特徴同士が当該文脈、当該説明及び当業者の知識から明らかであるように相互矛盾しない限り、本開示の範囲内に含まれる。また、あらゆる特徴ないし特徴の組合せは、本開示の任意の実施形態から具体的に除外されてもよい。本開示内容を要約するという目的で、本開示内容の特定の態様、利点及び新規な特徴が、本明細書において説明される。もっとも、そのような態様、利点ないし特徴の全てが本開示内容の特定の実施形態において存在するとは限らない、ということが理解されるべきである。
【0025】
本明細書に提示される実施形態は、例示であって、限定するものではないことが理解されるべきである。以下の詳細な説明の意図は、例示的な実施形態を論じているが、本開示の精神および範囲内に入る可能性のある実施形態の全ての改変、代替及び等価物を包含するものと解釈されるべきである。
【0026】
図1Aは、本開示内容の実施形態による液体ディスペンサ1の一実施形態の概略図である。図1Aは、模式的な図であり、縮尺通りには描かれていない。液体ディスペンサ1は、圧力下でのガスを送達するための圧力チャネル4と真空下でのガスを送達するための真空チャネル5とを有するマニホルド2を備えている。図1Aに図示されるように、マニホルド2は、複数の圧力クロスチャネル6を含み、各圧力クロスチャネル6は、圧力チャネル4で始まってマニホルド2の外面で終わっている。図1Aに図示されるように、マニホルド2は、また、複数の真空クロスチャネル7を含み、各真空クロスチャネル7は、真空チャネル5で始まってマニホルド2の前記外面で終わっている。圧力チャネル4は、第1端部と、入口圧力ポート4Bで終わる第2端部と、を含んでいる。入口圧力ポート4Bは、圧力下でのガスの外部源に接続されている。真空チャネル5は、第1端部と、真空圧力ポート5Bで終わる第2端部と、を含んでいる。入口真空ポート5Bは、真空下でのガスの外部源に接続されている。圧力チャネル4及び真空チャネル5は、マニホルド2内で互いから物理的かつ流体的に隔離されている。本明細書に記載された幾つかの実施形態では、マニホルド2の外面で終わる圧力クロスチャネル6の端部が、圧力チャネル4へのポートと呼ばれ、マニホルド2の当該外面で終わる真空クロスチャネル7の端部が、真空チャネル5へのポートと呼ばれる。
【0027】
液体ディスペンサ1は、1または複数のピペットチャネルを含んでいる。図示の実施形態では、液体ディスペンサは、3つのピペットチャネル、すなわちピペットチャネル8A、8B、8Cを含んでいる。各ピペットチャネルは、マニホルド2に選択的に結合し、マニホルド2から選択的に結合解除するように設計されている。図1Aは、ピペットチャネル8A、8B、8Cがマニホルド2に選択的に結合される前の、あるいは、ピペットチャネル8A、8B、8Cがマニホルド2から選択的に結合解除された後の、当該ピペットチャネル8A、8B、8Cを図示している。任意の1つのピペットチャネル8A、8B、8Cが、任意の他のピペットチャネルの状態とは独立に、マニホルド2の1つのレーン3に選択的に結合され得て、また、結合解除され得る。各ピペットチャネル8A、8B、8Cは、ディスペンス動作及び吸引動作を行うように設計されたディスペンスヘッド9を含んでいる。各ピペットチャネル8A、8B、8Cは、1つの圧力クロスチャネル6から圧力下でのガスを受容するように設計された圧力ポート10を含んでいる。各ピペットチャネル8A、8B、8Cは、また、1つの真空クロスチャネル7から真空下でのガスを受容するように設計された真空ポート11を含んでいる。各ピペットチャネル8A、8B、8Cは、圧力ポート10及び真空ポート11と同時に流体連通するバルブ12を含んでいる。バルブ12は、圧力下でのガス及び真空下でのガスをディスペンスヘッド9に選択的に振り向ける(方向転換させる)ように動作可能である。バルブ12は、圧力下でのガスをディスペンスヘッド9に導くように設計されている。バルブ12は、また、真空下でのガスをディスペンスヘッド9に分配するように設計されている。バルブ12は、また、圧力下でのガス及び真空下でのガスがマニホルド2によって同時に供給される間に、圧力下でのガスまたは真空下でのガスのいずれかをディスペンスヘッド9に振り向けるように設計されている。各ピペットチャネル8A、8B、8Cにおいて、ディスペンスヘッド9は、ピペットチップ(不図示)に連結されている。ディスペンスヘッド9は、バルブ12が圧力下でのガスをディスペンスヘッド9に振り向ける時に、ピペットチップから液体をディスペンスするように設計されている。ディスペンスヘッド9は、バルブ12が真空下でのガスをディスペンスヘッド9に振り向ける時に、液体をピペットチップ内に吸引するように設計されている。
【0028】
液体ディスペンサ1は、マニホルド2からピペットチャネル8A、8B、8Cに制御信号を伝達するように設計されたマニホルド2上の電気コネクタ12を含んでいる。各バルブ12の動作は、マニホルド2から伝達される制御信号によって、他のバルブ12からは独立して調整される。各々の独立に制御可能なバルブ12は、ピペットチャネル内に収容されている。独立に制御可能なバルブ12は、少なくとも部分的に制御信号に基づいて、加圧下でのガス及び真空下でのガスを選択的に振り向ける。各々の独立に制御可能なバルブ12は、当該独立に制御可能なバルブ12を有するそれぞれのピペットチャネル(ピペットチャネル8A,8B、8C)がマニホルド2に結合されている時、圧力チャネル4及び真空チャネル5に同時のアクセスを有する。
【0029】
前述したように、ピペットチャネル8A、8B、8Cの各々は、マニホルド2に選択的かつ独立して結合されている。幾つかの実施形態では、マニホルド2は、複数のレーン3を有し、各レーン3は、1つの圧力クロスチャネル6と1つの真空クロスチャネル7を含んでいる。各レーンは、電気コネクタ13を含んでいる。設置の間に、各ピペットチャネル8A、8B、8Cは、複数のレーン3のうちの1つのレーンに、選択的に係合される。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネル8A、8B、8Cは、複数のレーン3のうちのいずれか1つのレーンに選択的に係合される。各ピペットチャネル8A、8B、8Cは、単一のディスペンスヘッド9を有している。幾つかの実施形態では、各レーン3は、以下の特徴の1または複数によって規定され得る:単一の圧力クロスチャネル6、単一の真空クロスチャネル7、電気コネクタ13、単一のピペットチャネル8A、8B、8C、それに結合された単一のディスペンスヘッド9等。
【0030】
図1Aは、ピペットチャネル8A、8B、8Cの断面図を示す。各ピペットチャネル8A、8B、8Cは、対応する電気コネクタ14を含んでいる。制御信号に加えて、電気コネクタ13、14は、更に、マニホルド2からピペットチャネル8A、8B、8Cに電気信号を伝達するように設計されている。各ピペットチャネル8A、8B、8Cは、マニホルド2から伝達される電気信号によって、他のピペットチャネル8A、8B、8Cとは独立して電力が供給される。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネル8A、8B、8Cは、制御信号及び電気信号を電気コネクタ14からピペットチャネル8A、8B、8Cの1または複数の構成要素に伝達するケーブル15を含んでいる。図示の実施形態では、ケーブル15は、制御信号及び電気信号を電気コネクタ14からバルブ12に伝達(送信)する。ケーブル15は、バルブ12からディスペンスヘッド9まで継続することができ、あるいは、電気コネクタ14をディスペンスヘッド9に接続するための別のケーブルが使用され得る。他の構成も考えられる。ピペットチャネル8A、8B、8Cの電気コネクタ14を介して伝達され得る多くの信号が存在する。バルブ12は、制御信号によって制御され得るが、他の構成要素も同様に制御され得る。幾つかの実施形態では、電気コネクタ14は、バックプレーンコネクタと考えられる。電気コネクタ14は、ピペットチャネル8A、8B、8Cの回路基板に一体化することができる。バルブ12は、1または複数のケーブルを介する等して、回路基板に接続することができる。ピペットチャネル8A、8B、8Cは、当該回路基板をディスペンスヘッド9の上方の別の回路基板に接続するケーブルを含むことができる。この時、ディスペンスヘッド9は、当該別の(第2)回路基板に別のケーブルセットを介して接続される。液体ディスペンサ1は、本明細書に記載の機能を実行するために必要な、任意の数のケーブル及び回路基板を含むことができる。
【0031】
各ピペットチャネル8A、8B、8Cは、チューブ16を有している。当該チューブ16は、バルブ12で終わっている第1端部と、ディスペンスヘッド9で終わっている第2端部と、を有している。チューブ16は、バルブ12からディスペンスヘッド9にガスを導くように設計されている。幾つかの実施形態では、チューブ16は、バルブ12とディスペンスヘッド9との間の唯一の空気接続部である。チューブ16は、ピペットチャンネル8A、8B、8Cの外側ハウジングの内部に完全に包囲されている。図1Aに示すように、チューブ16は、ディスペンスヘッド9が垂直方向に移動する時に曲がるように設計されている。ディスペンスヘッド9は、レーン3に係合されているピペットチャネル8A、8B、8Cの一部分に対するディスペンスヘッド9の独立した垂直運動を示すために、様々な垂直位置で示されている。チューブ16は、ディスペンスヘッド9が上下に移動する時、必要に応じてピペットチャネル8A、8B、8C内で屈曲する。
【0032】
図1Aに示されるような幾つかの場合、マニホルド2上にピペットチャネルよりも多い数のレーン3が存在する。システム1は、ピペットチャネルに結合されていないマニホルド2の部分をシールするように構成されたブランキングプレート17のような、1または複数のブランキングプレートを含むことができる。例えば、1つのブランキングプレート17が、マニホルド2の1つのレーン3に結合して、当該ブランキングプレート17が結合される当該レーン3の1つの圧力クロスチャネル6及び1つの真空クロスチャネル7をシールする、というように構成され得る。当該システム1は、それぞれ1つのレーン3の圧力クロスチャネル6及び真空クロスチャネル7を封止するように構成された2つのブランキングプレート17を含んでいる。3つのピペットチャネル8A、8B、8Cの各々、及び、2つのブランキングプレート17の各々が、マニホルド2の1つのレーン3に結合されると、圧力クロスチャネル6の各々、及び、真空クロスチャネル7の各々が、周囲環境に対してシール(密封)される。入口圧力ポート4B及び入口真空ポート5Bのみが、周囲環境に対して開放されている。前述したように、圧力下でのガスの外部源が入口圧力ポート4Bにおいてマニホルド2に結合され得て、真空下でのガスの外部源が入口真空ポート5Bにおいてマニホルド2に結合され得る。場合によっては、システム1は、2以上のレーンの圧力クロスチャネル及び真空クロスチャネルをシールするように構成されたブランキングプレート(不図示)を含むことができる。
【0033】
本明細書に記載されたバルブ12の実施形態は、3方向ソレノイドバルブ(三方電磁弁)を含み得る。バルブ12は、非常に少ない部品を含み得て、摩耗点はほとんどない。非限定的な一例のバルブ12は、Mac(登録商標)によるBullet Valve(登録商標)(部品番号BV309A-CC1-00またはVC309A-CD1-00)である。バルブ12は、3方向ノーマルクローズバルブまたは3方向ユニバーサルバルブとして実装され得る。バルブ12の作動上の利点は、高いシフト力での短いストローク、バランスのとれたポペット弁性能、及び、正確な信頼性、のうちの1または複数を含む。バルブ12は、締結具なしで取り付けられ得る。バルブ12は、圧力変動に対して影響を受けないようにできる。ソレノイドは、汚染された空気から隔離され得る。バルブ12には、12VDCまたは24VDCの電圧を供給することができる。バルブ12は、圧縮空気、真空及び/または不活性ガスを含む様々な流体に対して作動することができる。圧力範囲は、真空から20psiまでとすることができる。バルブ12は、圧力下でのガスが#3ポートに入り、真空下でのガスが#1ポートに入る選択バルブとして動作することができる。本明細書では、バルブ12の実施形態を3方向ソレノイド弁に関して説明しているが、他のタイプのバルブが実装されてもよい。
【0034】
図1B乃至図4は、本発明の一実施形態による液体ディスペンサ100の図を示している。液体ディスペンサ100は、前部104、後部106及び側部108を有するマニホルド102を備えている。マニホルド102は、1または複数のピペットチャネル110を受容するように構成されており、各ピペットチャネル110は、吸引動作及びディスペンス動作で使用される様々な構成要素を収容している。ピペットチャネル110は、前部112、背部114及び側部116を有している。
【0035】
液体ディスペンサ100はモジュラー式であり、これによって、マニホルド102に対して1または複数のピペットチャネル110を配置する際の柔軟性及び汎用性を可能にしている。図示の実施形態では、ピペットチャネル110の前面112が、ピペットモジュール120を含んでいる。ピペットモジュール120は、ピペットチップ122から流体を吸入してディスペンスするために、真空下での空気及び加圧空気を使用するピペット機構を含んでいる。非限定的な一例のピペットチップ(ピペットチップ)120は、Seyonic(登録商標)によるAir Driven OEM Channel Pipettor(部品番号PCNC-0061-00)である。ピペットチップ122は、使い捨てであってもよい。各ピペットモジュール120は、チップアダプタ118を含むことができ、各チップアダプタ118は、ピペットチップ122を受け入れるように構成される。ピペットチップ122は、例えばピペットチップ122に対するピペットモジュール120のZ方向の移動によって、チップアダプタ118に取り付けることができる。ピペットチップ122は、例えばピペットストリッパ(不図示)に対するピペットモジュール120の移動によって、チップアダプタ118から取り外すことができる。液体ディスペンサ100は、独立したピペットチップ122の取り付けまたは取り外しを含むことができる。ピペットチャネル110の背部114は、本明細書で説明されるように、マニホルド102の前部104に可逆的に接続するか、またはこれと嵌合するように構成されている。
【0036】
本実施形態におけるマニホルド102は、5つまでのピペットチャネル110を受け入れるように構成されている。マニホルド102は、1つ、2つ、3つ、または4つのピペットチャネルのような、5つ未満のピペットチャネルを受け入れることができ、オペレータの特定の液体ディスペンシング要件に基づいて、オペレータによって有利にカスタマイズ可能である。図1に示される液体ディスペンサ100は、最大5つのピペットチャネル110を受け入れる能力を有するが、他の構成も考えられる。液体ディスペンサ100は、最大で、1つのピペットチャネル、2つのピペットチャネル、3つのピペットチャネル、4つのピペットチャネル、5つのピペットチャネル、6つのピペットチャネル、7つのピペットチャネル、8つのピペットチャネル、9つのピペットチャネル、10個のピペットチャネル、11個のピペットチャネル、12個のピペットチャンネル、13個のピペットチャンネル、14個のピペットチャンネル、15個のピペットチャンネル、16個のピペットチャンネル、17個のピペットチャンネル、18個のピペットチャンネル、19個のピペットチャンネル、20個のピペットチャンネル等、を受け入れるように構成されてもよい。1または複数のピペットチャネル110が、マニホルド104から取り外され得る。幾つかの実施形態では、1つのピペットチャネル110を、別のピペットチャネル110を除去することなく、取り外すことができる。例えば、マニホルド102から別のピペットチャネル110を取り外すことなく、1つのピペットチャネル110を取り外して交換することができる。
【0037】
ピペットチャネル110とマニホルド102との間の嵌合構成は、当該技術分野において公知の任意の構成を有することができる。図1B乃至図4に示される非限定的な実施形態では、液体ディスペンサ100は、1または複数のペグ(当該図では不可視)を含んでいる。図示された実施形態では、各ピペットチャネル110は、当該ピペットチャネル110の上部近くにペグを有し、当該ピペットチャネル110の底部近くにペグを有する。当該ペグは、ピペットチャネル10の背部114とマニホルド102の前部104との間の整列(位置合せ)を案内することができる。当該ペグは、だぼピン(ノックピン)であり得る。マニホルド102は、前記ペグの各々を受け入れるための対応するスロット(不図示)を含むことができる。スロットは、ペグの挿入を容易化するための面取りされた縁を含むことができる。幾つかの実施形態では、マニホルド102は、ピペットチャネル110の縁部とマニホルド102との整列を容易化するために、少なくとも1つのマーキング(不図示)を含むことができる。幾つかの実施形態では、マニホルド102は、ピペットチャネルの対応する縁部(例えば、上端、底端など)と整列する少なくとも1つの縁部(例えば、上端、底端など)を有する。
【0038】
ピペットチャネル110は、1または複数の締結具124を含むことができる。幾つかの実施形態では、締結具124は、捕捉的ネジ(拘束ネジ)である。図示された実施形態では、各ピペットチャネル110は、ピペットチャネル110の上部付近に締結具124を有し、ピペットチャネル110の底部近くに締結具124を有する。幾つかの実施形態では、締結具124は、ペグの近くに配置することができる。幾つかの実施形態では、オペレータがピペットチャネル110をマニホルド102にしっかりと締結することができるように、締結具124はネジが切られている。幾つかの実施形態では、ピペットチャネル110をマニホルド102に固定する締結具124及びペグは、マニホルド102と嵌合される別のピペットチャネル110の動作ないし接続に影響を与えることなく、オペレータによって容易に調整可能及び/または取り外し可能である。一例では、誤動作しているか、調整を必要としているか、または定期的なメンテナンスないし検査が必要な第1ピペットチャネル110が、マニホルド102と嵌合される他のピペットチャネル110の動作ないし接続に影響を及ぼすことなく、オペレータによって取り外され得る。幾つかのケースでは、オペレータは、第1(現在取り外された)ピペットチャネル110によって以前に占有されていた位置のペグを用いて、マニホルド102に第2ピペットチャネルを接続することによって、第1(現在取り外された)ピペットチャネル11を第2ピペットチャネルで円滑に交換する。
【0039】
ピペットチャネル110は、マニホルド102の所定の位置に固定することができる。マニホルド102は、当該マニホルド102を空間内で移動させることができるロボットアーム(不図示)に結合され得る。ロボットアームの動きは、6自由度を有し得る。例えば、ロボットアームは、1並進自由度、2並進自由度、3並進自由度、1回転自由度、2回転自由度、3回転自由度、または、これらの任意の組合せ、を含むことができる。幾つかの実施形態では、マニホルド102は、自動サンプル分析システムのガントリー(不図示)に連結されている。当該ガントリーは、自動サンプル分析システムのX軸(「X方向」)に沿ったマニホルド102の移動を許容するバーまたはレールを含み得る。当該ガントリーは、また、自動サンプル分析システムのY軸(「Y方向」)に沿ったマニホルド102の移動を許容するバーまたはレールをも含み得る。このような相対運動は、限定されないが、歯車装置、ラック及びピニオンアセンブリ、リードスクリュー、ベルト駆動装置、またはリニアモータ等の、任意の好適な機械的移動装置によって、達成され得る。幾つかの実施形態では、マニホルド102は、自動サンプル分析システムのZ軸(「Z方向」)に沿って移動可能である。他の実施形態では、マニホルド102のZ方向への移動は防止される。
【0040】
幾つかの実施形態では、Z方向の移動は、ピペットチャネル110によって提供される。モジュール120は、フランジ126を含むことができる。フランジ126は、カップリング128に固定して取り付けられ得る。カップリング128は、軌道(トラック)130に沿って移動可能である。カップリング128の移動は、軌道130に対するモジュール120のZ方向の移動を引き起こす。軌道130は、ピペットチャネル110の基部132に固定して取り付けられている。ピペットチャネルの基部132は、マニホルド102に対して静止している。カップリング128の移動は、ピペットチャネル110の基部132に対するモジュール120のZ方向の移動を引き起こす。カップリング128の移動は、マニホルド102に対するモジュール120のZ方向の移動を引き起こす。
【0041】
図3は、図2の3-3線に沿った液体ディスペンサ100の断面図を示す。幾つかの実施形態では、カップリング128は、ボアを含むナット134に結合可能である。複数のボールベアリングが、ナット134内のボア周りに配置されており、ボールネジ136と相互作用する際の摩擦を低減している。幾つかの実施形態では、カップリング128は、ボールネジ136と相互作用するように構成されたナット134と一体的であり得る。他の実施形態では、ボア134がネジ切りされていて、リードネジ(不図示)と相互作用する。ボールネジ136は、モータ138によって回転され得る。ボールネジ136は、ベアリング140に結合され得る。ベアリング140は、ボールネジ136を並進なしに回転させ得る。ボールネジ136が(本実施形態ではモータ138によって)回転されると、カップリング128がボールネジ136に沿って並進(平行移動)する。カップリング128は、軌道130に沿ってZ方向に案内される。ボールネジ136の第1方向への回転は、カップリング128を軌道130に沿って下方に並進させる。ボールネジ136の第2反対方向への回転は、カップリング128を軌道130に沿って上方に並進させる。
【0042】
モジュール120は、吸引動作及びディスペンス動作を提供する機構を含んでいる。幾つかの実施形態では、サンプルは、ピペットチップ122を介して当該システム内に導入されるだけである。カップリング128の移動は、サンプルないし他の液体を吸引及び/またはディスペンスするために、ピペットチップ122が容器内に下降されることを許容する。当該容器内でサンプルないし他の液体を吸引またはディスペンスした後、カップリング128の移動は、ピペットチップ122が当該容器の上方に持ち上げられることを許容して、ピペットチップ122を例えば自動サンプル分析システムの第2容器の上方の別の場所へと移動する。
【0043】
モジュール120の吸引動作及びディスペンス動作は、部分的に、空気圧または真空の適用によって制御され得る。マニホルド102は、入口圧力ポート142を含み得る。マニホルド102は、入口真空ポート144を含み得る。入口圧力ポート142は、マニホルド102の前部104、後部106または側部108に配置することができる。入口真空ポート144は、マニホルド102の前部104、後部106または側部108に配置することができる。入口圧力ポート142及び入口真空ポート144は、図1B乃至図4の実施形態では、マニホルド102の前部104に配置されているが、他の構成も考えられる。
【0044】
マニホルド102は、圧力チャネル146及び真空チャネル148を含んでいる。圧力チャネル146は、入口圧力ポート142と流体連通している。幾つかの実施形態では、入口圧力ポート142は、圧力チャネル146への唯一の入口を提供する。圧力チャネル146は、本明細書に記載された1または複数の圧力クロスチャネル150へと出ていく。入口圧力ポート142は、幾つかの場合、圧力チャネル146をシール(密封)可能である。真空チャネル148は、入口真空ポート144と流体連通している。幾つかの実施形態では、入口真空ポート144は、真空チャネル148への唯一の入口を提供する。真空チャネル148は、本明細書に記載された1または複数の真空クロスチャネル152へと出ていく。入口真空ポート144は、幾つかの場合、真空チャネル148をシール(密封)可能である。幾つかの製造方法では、圧力チャネル146及び/または真空チャネル148は、マニホルド102の一側面108からマニホルド102の他側面108に向けて孔(ボア)を穿孔することによって形成される。幾つかの実施形態では、当該孔は貫通孔である。当該孔は、マニホルド102の側面108にてプラグ差し込みされ得るか、さもなければシールされ得る。クロスチャネルは、少なくとも部分的に圧力チャネルまたは真空チャネルに接続する任意の形状のサブチャネルであり得る。クロスチャネルは、30度、45度、60度、75度及び90度などを含んで、圧力チャネルまたは真空チャネルと任意の角度を形成し得る。クロスチャネルという用語は、当該クロスチャネルが必ずしも圧力チャネルまたは真空チャネルと90度の交差を形成すること、を示唆するものではない。
【0045】
入口圧力ポート142は、配管(不図示)を介して加圧ガス源(不図示)に接続され得る。加圧ガスなどの加圧流体は、入口圧力ポート142から圧力チャネル146を通って移動することができる。圧力チャネル146は、マニホルド102に接続された各ピペットチャネル110に圧力下でのガスを供給することができる。
【0046】
同様に、入口真空ポート144は、配管(不図示)を介して真空源(不図示)に接続され得る。真空チャネル148内のガスには、入口真空ポート144及び真空源を介して真空下でのガスが供給され得る。真空チャネル148は、マニホルド102に接続された各ピペットチャネル110に真空下でのガスを供給することができる。圧力チャネル146及び真空チャネル148は、図示されているように、マニホルド102を通る平行な孔であり得る。入口圧力ポート142及び入口真空ポート144は、例えば好適な空気圧配管と嵌合する業界標準のコネクタ等の、標準的なコネクタを有し得る。
【0047】
図4を参照すると、圧力チャネル146は、マニホルド102を通って延びるように図示されている。圧力チャネル146は、圧力クロスチャネル150に接続されている。圧力クロスチャネル150は、マニホルド102内の圧力チャネル146からピペットチャネル110の基部132まで延びている。圧力クロスチャネル150は、マニホルド102の前部からピペットチャネル110の後部まで延びている。圧力クロスチャネル150は、圧力チャネル146に対して垂直であり得る。
【0048】
同様に、真空チャネル148は、マニホルド102を通って延びるように図示されている。真空チャネル148は、真空クロスチャネル152に接続されている。真空クロスチャネル152は、マニホルド102内の真空チャネル148からピペットチャネル110の基部132まで延びている。真空クロスチャネル152は、マニホルド102の前部からピペットチャネル110の後部まで延びている。真空クロスチャネル152は、真空チャネル148に対して垂直であり得る。幾つかの実施形態では、1つのピペットチャネル110が、液体ディスペンサ100から取り外され得る(例えば、マニホルド102の前面104から接続解除され得る)。対応する露出された圧力クロスチャネル150及び真空クロスチャネル152が、覆われる必要があるかもしれない。例えば、1つのピペットチャネル110が取り外された場合、ユーザは、露出された圧力クロスチャネル150及び真空クロスチャネル152を覆うブランキングプレート(不図示)を設置することができる。ブランキングプレートは、当該ブランキングプレートの頂部近くにペグを含み得て、当該ブランキングプレートの底部近くにペグを含み得る。また、ブランキングプレートは、当該ブランキングプレートの頂部近くに締結具124を含み得て、ブランキングプレートの底部近くに締結具124を含み得る。1または複数の圧力クロスチャネル150及び真空クロスチャネル152を覆うように構成された他の機構も考えられ、シール、プラグ、接着剤などを含む。マニホルド102と嵌合される他のピペットチャネル110の吸引動作及びディスペンス動作に不利な影響を与えることなく1または複数のピペットチャネル110が取り外され得る、というように、圧力クロスチャネル150及び真空クロスチャネル152はシールされ得る。
【0049】
本明細書で説明されるように、ピペットチャネル110はモジュール式であり、ピペットチャネル110が可逆的にマニホルド102に対して固定されること及びマニホルド102から接続解除されることを許容する。圧力クロスチャネル150及び真空クロスチャネル152は、マニホルド102内の構成である。各ピペットチャネル110に関連する圧力クロスチャネル150は、当該ピペットチャネル110がマニホルド102の前部104に固定されている時、圧力チャネル146と当該ピペットチャネル110の背部114上の圧力ポート156との間の距離に及んでいる。各ピペットチャネル110に関連する真空クロスチャネル152は、当該ピペットチャネル110がマニホルド102の前部104に固定されている時、真空チャネル148と当該ピペットチャネル110の背部114上の真空ポート157との間の距離に及んでいる。幾つかの実施形態では、液体ディスペンサ100は、ピペットチャネル110とマニホルド102との間のシール性能を改善するための1または複数の特徴部を含む。幾つかの実施形態では、Oリング154が、ピペットチャネル110とマニホルド102との間の流体接続(例えば、ガスの移送について)をシールする。当該Oリング154は、圧力クロスチャネル150及び真空クロスチャネル152の近くに配置することができる。
【0050】
本明細書で説明される圧力チャネル110の実施形態は、マニホルド102から当該圧力チャネル110のモジュール120へのガスの流れを制御するように構成された、個別に起動可能なソレノイドバルブ(電磁弁)158を含んでいる。マニホルド102の1つの圧力クロスチャネル150と1つの真空クロスチャネル152とは、対応するピペットチャネル110がマニホルド102に結合されている時、当該ピペットチャネル110のソレノイドバルブ158にそれぞれ接続される。ソレノイドバルブ158は、ピペットチャネル110の基部132内に配置することができる。ソレノイドバルブ158は、真空と圧力との間のセレクタとして働く。
【0051】
第1位置において、ソレノイドバルブ158は、圧力下でのガスのような加圧流体を、圧力クロスチャネル150からチューブ160を介して導く。チューブ160は、ソレノイドバルブ158からモジュール120まで延びている。ソレノイドバルブ158の当該第1位置において、チューブ160は加圧流体をモジュール120に供給する。幾つかの実施形態では、加圧流体が、ピペットチップ122から流体をディスペンスするべくモジュール120内のピストンに作用することができる。幾つかの実施形態では、モジュール120は、吸引動作またはディスペンス動作を制御するように構成された第2バルブ(不図示)を含むことができる。第2バルブは、ソレノイドバルブであり得る。第2バルブは、吸引動作またはディスペンス動作を制御するために圧力及び/または真空を使用する。モジュール120は、吸引された量またはディスペンスされた量を決定するためのフローセンサを含むことができる。
【0052】
第2位置において、ソレノイドバルブ158は、真空下でのガスのような真空下流体を、真空クロスチャネル152からチューブ160を介して導く。他の実施形態では、真空下のガスは、第2チューブ152を介して導かれる。第2チューブ162は、ソレノイドバルブ158からモジュール120まで延びている。ソレノイドバルブ158の当該第2位置において、チューブ160(またはチューブ162、実装状態に依存)は真空下でのガスをモジュール120に供給する。例えば、真空下でのガスは、ピペットチップ122内に流体を吸引するべくモジュール120内の第2バルブに供給され得る。
【0053】
ソレノイドバルブ158は、ピペットチャネル110の基部132内に一体化されている。有利なことに、液体ディスペンサ100の単一のピペットチャネル110内のソレノイドバルブが誤動作して、メンテナンス、試験、検査、またはソレノイドバルブ158へのアクセスを要する他の任意の処理を要求する場合、当該影響されたソレノイドバルブ158を有するピペットチャネル110の全体が液体ディスペンサ110から取り外され得て、他のピペットチャネル110と交換され得る。ピペットチャネル110は、圧力及び/または真空がマニホルド102からピペットチャネル110に伝達され得るように、マニホルド102とのシールを形成する。ピペットチャネル110の設置中にペグがマニホルドと整列されると、圧力クロスチャネル150及び真空クロスチャネル152は、加圧下でのガス及び真空下でのガスのための連続経路を形成する。ピペットチャネル110及びマニホルド102は、圧力クロスチャネル150及び真空クロスチャネル152を介して空気圧接続を形成する。当該空気圧接続は、ピペットチャネル110がマニホルド102と嵌合する(噛み合う)時に形成される物理的接続であり得る。
【0054】
マニホルド102は、真空下での流体及び加圧流体を各ピペットチャネル110に供給するための空気圧マニホルドであり得る。幾つかの実施形態では、空気圧ソレノイドバルブ158が、各ピペットチャネル110内に一体化され、真空と圧力との間のセレクタとして機能する。空気圧配管は、本発明のマニホルド102及びピペットチャネル110内の統合されたモジュール式経路によって低減または排除される。統合された経路は、マニホルド102とピペットチャネル110との間の界面においてOリングでシールされ得る。ソレノイドバルブ158とピペットチャネル110との間の配管は、ピペットチャネル110の基部132内にソレノイドバルブ158を配置することによって排除され得る。
【0055】
ピペットチャネル110は、マニホルド102との電気的接続を形成することができる。当該電気的接続は、ピペットチャネル110がマニホルド102と嵌合する(噛み合う)時に形成される物理的接続を含むことができる。図3に示すように、ピペットチャネル110は、当該ピペットチャネル110の背面114に、電気コネクタ166を含むことができる。当該電気コネクタ166は、ピペットチャネル110内の回路基板168に結合され得る。各ピペットチャネル110は、回路基板168及び対応する電気コネクタ166を含むことができる。マニホルド102は、当該マニホルド102の前面104に、1または複数の電気コネクタ170を含むことができる。各電気コネクタ170は、マニホルド102と嵌合する(噛み合う)ピペットチャネル110の対応する回路基板168に電気的に接続するように構成されている。電気コネクタ170は、バックプレーンコネクタと考えることができる。マニホルド102は、回路基板172を含むことができる。電気コネクタ166、170は、マニホルド102とピペットチャネル110との間での電気信号及び制御信号の通信を許容し得る。本明細書で説明されるように、制御信号は、ピペットチャネル110の1または複数の動作を制御するように設計されたデータ信号であり得る。電気信号は、AC/DC電気のような、ピペットチャネル100の構成要素への電力を含み得る。電気コネクタ166、170は、回路基板168、172の間での電気信号の通信を許容し得る。回路基板168、172は、プリント回路基板であり得る。嵌合電気コネクタ166、170は、マニホルド102とピペットチャネル110との間の電気的接続を形成するために必要な電気ケーブル及び/または接続を排除または低減することができる。モジュール120は、回路基板164を含み得る。回路基板164は、吸引動作及びディスペンス動作と関連付けられ得る。回路基板164、168及び/または172は、電気的に接続され得る。幾つかの実施形態では、回路基板164及び168は、リボンケーブル176を介して物理的に接続される。リボンケーブル176は、ピペットチャネル110とモジュール120との間の界面においてカップリング128に沿って延びることができる。リボンケーブル176は、制御信号及び電気信号を伝達することができる。幾つかの実施形態では、モジュール120に係合されたピペットチップ122のZ方向の動きが、例えば回路基板168によって制御されるピペットチャネル110内に収容された特徴部によって制御される。z軸制御ハードウェアは、ピペットチャネル内、例えば回路基板168上に配置され得る。幾つかの実施形態では、回路基板164は、相互接続ボードとして機能し、容量性検出回路を含む。
【0056】
マニホルド102は、1または複数の追加の電気コネクタ174を含み得る。図1B乃至図4において、マニホルドは、3つの電気コネクタ174を含む。電気コネクタ174は、様々な電気的接続に対応するために様々な形態及び形状を含み得る。電気コネクタ174は、イーサネット(登録商標)接続を含み得る。イーサネット(登録商標)接続は、回路基板168、172に信号を提供することができる。電気コネクタ174は、電源コネクタを含み得る。電源コネクタは、それらがマニホルド102に嵌合する時、ピペットチャネル110の各々内のモータ138及びソレノイドバルブ158に電力を供給し得る。電気コネクタ174は、モジュール接続を含み得る。モジュール接続は、モジュール120、例えばモジュール120の吸引動作及びディスペンス動作、を制御することができる。他の電気コネクタ174も考えられる。1または複数の電気コネクタ174が、マニホルド102の前部104、背面106または側面108に配置され得る。図示された実施形態では、全ての電気コネクタ174がマニホルド102の前部104に配置されている。幾つかの実施形態では、電気コネクタ174の数がピペットチャネル110の数に依存しない。例えば、図示の実施形態では、マニホルド102が受け入れることができるピペットチャネル110の最大数にかかわらず、3つの電気コネクタ174が含まれる。
【0057】
ピペットチャネル110は、内部配線および配管を収容するように設計され得る。ピペットチャネル110は、ソレノイドバルブ158からモジュール120に延びるチューブ(管)160、162を収容することができる。ピペットチャネル110は、電気信号及び制御信号を伝達するリボンケーブル176を含み得る。電気信号は、電気コネクタ174からの信号を含み得る。リボンケーブル176は、ピペットチャネルの背面114上の電気コネクタ166からモジュール120まで延在することができる。チューブ160、チューブ162(含まれる場合)及びリボンケーブル176は、それぞれ曲げ部178を含み得る。チューブ160、162及びリボンケーブル176内の曲げ部178は、図4の上方位置に示されている。チューブ160、162及びリボンケーブル176における曲げ部178の上方位置は、モジュール120の上方位置に対応している。モジュール120が下方に移動すると、チューブ160、162及びリボンケーブル176の曲げ部178は、ピペットチャネル110の基部132内を下方に移動する。チューブ160、162及びリボンケーブル176の曲げ部178は、ピペットチャネル110の基部132の溝180内に収容され得る。
【0058】
図示の実施形態では、5つのピペットチャネル110が、電気コネクタ174、入口圧力ポート142及び入口真空ポート144の左側に配置されている。本明細書に記載されたマニホルド102の実装態様は、追加のピペットチャネル110を受け入れるように構成され得るが、これは、マニホルドのX方向の幅を増大させ得る。一方、マニホルド102が受け入れるように構成されるピペットチャネル110の数を減らすことは、マニホルド102のX方向の幅を減少させ得る。ピペットチャネル110は、ピペットチップ122が整列されるように配置され得る。隣接するピペットチップ122間の距離は、吸引動作及びディスペンス動作のための関連する容器の間隔に適応するように設計され得る。図示の実施形態では、ピペットチップ122は、中心から中心まで18mm離れている。関連する容器は、中心から中心まで9mm離れている。従って、当該非限定的な配置では、ピペットチップ122は、第1位置にある他の各々の容器(例えば、容器の第1サブセット)に作用可能である。液体ディスペンサ100は、X方向に9mmだけ右または左に移動され得て、他の各々の容器(例えば、容器の第2サブセット)に作用可能である。
【0059】
図示されていない実施形態では、マニホルド102の特徴部が互いに隣接する積層形態で恒久的に固定された複数のピペットチャネル110内に組み込まれ得て、それによってマニホルド102を排除する。各ピペットチャネル110の電気コネクタ166は、隣接するピペットチャネル110との間で信号を通信するために、当該ピペットチャネル110の側面116に配置され得る。圧力チャネル146は、積層ピペットチャネル110を通って延びることができる。真空チャネル148も、積層ピペットチャネル110を通って延びることができる。1または複数のOリング154が、積層されたピペットチャネル110間で圧力チャネル146及び/または真空チャネル148を密封することができる。圧力チャネル146及び真空チャネル148は、本明細書で説明されるように、圧力クロスチャネル150及び真空クロスチャネル152に接続することができる。
【0060】
本明細書に記載された実施形態は、有利には、複数のモジュール120の各々のZ軸方向に沿っての独立の移動を可能にし、複数のサンプルの各々の独立かつ同時の液体ディスペンサ100内での吸引及びディスペンスを許容する。複数のピペットチャネルを含む形態では、複数のピペットチャネルの各々は、ボールネジ136に沿って移動して(他のモジュール120とは独立に)モジュール120をピペットチャネル110の基部132に対して平行移動させる個別作動可能カップリング128を含む。
【0061】
本明細書に記載された実施形態はまた、有利には、空気圧チューブをモジュール式の個別作動可能ピペットチャネルにまで縮小する。互いに隣接して配置された複数のピペットチャネル110を独立に作動させることは、典型的には、共通の空気圧源及び真空源から各ピペットチャネル110に至る複数の空気圧チューブを必要とする。共通の空気圧源及び真空源は、遠隔に取り付けられたソレノイドバルブマニホルドであり得る。遠隔に取り付けられたソレノイドバルブマニホルドは、配管を各ピペットチャネル110にまで経路付けることを困難にする。そのような構成では、各ピペットチャネル110に通じる空気圧チューブは、目に見えてしまうし煩雑である。更に、当該複数の空気圧チューブは、ガントリーに沿った液体ディスペンサの動きなどを妨げる可能性がある。遠隔に取り付けられたソレノイドバルブマニホルドは、当該遠隔に取り付けられたソレノイドバルブマニホルドから各ピペットチャネル110まで及ぶために、はるかに長いチューブまたは複数のチューブセクションを必要とする。対照的に、本明細書に記載された液体ディスペンサは、空気圧チューブをマニホルド102に接続する2つの空気圧チューブにまで縮小する:すなわち、入口圧力ポート142に接続する1つの空気圧チューブ(不図示)と、入口真空ポート144に接続する1つの空気圧チューブ(不図示)と、にまで縮小する。各ピペットチャネル110には、圧力チャネル146及び真空チャネル148を介して、加圧ガス及び真空下でのガスがそれぞれ供給される。これにより、各ピペットチャネル110への別個の空気圧配管が不要になる。他の実施形態では、別個の空気圧配管が各ピペットチャネル110に提供される。幾つかの実施形態では、モジュール120をソレノイドバルブ158に接続する各ピペットチャネル110の内側に別個の空気圧チューブ160、162が設けられる。そのような実施形態は、配管160、162が非常に短くピペットチャネル110及びモジュール120の内部で自己完結しているため、遠隔に取り付けられたソレノイドマニホルドを使用するシステムよりも依然として有利である。
【0062】
本明細書に記載された実施形態はまた、有利には、電気的接続をモジュール式の個別作動可能ピペットチャネルにまで縮小する。互いに隣接して配置された複数のピペットチャネル110を独立に作動させることは、典型的には、共通のコントローラから各ピペットチャネル110に至る複数の電気ケーブルを必要とする。本明細書に記載された実施形態は、電気ケーブルを、マニホルド102に接続する3つの電気コネクタ174にまで縮小する。各ピペットチャネル110は、電気コネクタ174に電気的に接続されている。例えば、イーサネット(登録商標)接続からの信号が、マニホルド102と交換可能に嵌合する各ピペットチャネル110に送られる。別の例では、モジュール接続部からの信号が、マニホルド102に交換可能に嵌合する複数のピペットチャネル110の各モジュール120に送られる。これにより、各ピペットチャネル110への別個のケーブル接続が不要になる。他の実施形態では、別個の電気的接続が各ピペットチャネル110に提供される。
【0063】
本明細書に記載された実施形態はまた、電磁弁158とピペットチャネル110との間の空気圧配管も排除する。典型的には、別個の空気圧ソレノイドマニホルドが、ピペットチャネル110に近接して取り付けられ得て、空気圧配管が、当該ソレノイドマニホルドを各ピペットチャネル110に接続するであろう。対照的に、本開示の幾つかの実施形態では、ソレノイドバルブ158がピペットチャネル110内に一体化されて(組み込まれて)いる。各ピペットチャネル110が、ソレノイドバルブ158を含み得る。これにより、別個のソレノイドマニホルドと、当該別個のソレノイドマニホルドから各ピペットチャネル110に至る関連の空気圧配管と、が排除される。本開示の他の実施形態では、ソレノイドバルブ158がピペットチャネル110内に配置されていない。ソレノイドバルブは、マニホルド102内に配置され得る。前述のものと同様の空気圧クロスチャネルが、マニホルド102内のソレノイドバルブをマニホルド102に結合されたピペットチャネル110内のチャネルに接続することができる。これらの代替の実施形態では、ピペットチャネル110がマニホルド102に結合されるときに、マニホルド102とモジュール式の個別作動可能なピペットチャネル110との間の空気圧クロスチャネルが形成されるため、空気圧配管が依然として排除される。
【0064】
本明細書に記載された幾つかの実施形態の1つの利点は、各ピペットチャネル110の独立した動作を含む。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネル110は、ピペットモジュール120のZ移動を独立して制御可能である。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネル110は、ピペットモジュール120の吸引動作及び/またはディスペンス動作を独立して制御可能である。幾つかの実施形態では、各ピペットモジュール120が独立して制御される。幾つかの実施形態では、2以上のピペットモジュール120が、同一または異なる動作において同時に移動可能である。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネル110が、真空と圧力との間で選択する1または複数のソレノイドバルブ158を含む。幾つかの実施形態では、モジュール120内の第2バルブが、吸引動作及びディスペンス動作を独立して制御する。
【0065】
本明細書に記載された幾つかの実施形態の別の利点は、より小さい全体的なパッケージサイズ(の実現)を含む。本明細書に記載されたモジュール式ピペットチャネル110、210、310、410はコンパクトであり得る。1つの非限定的な例では、本発明による単一のピペットチャネル110、210、310、410は、X方向に0.689インチ(または17.5mm)の幅、Y方向に7.020インチ(または178.3mm)の奥行、Z方向に13.228インチ(または336mm)の高さ、である。本明細書に記載されたマニホルド102、202、302、402の実装はコンパクトであり得る。1つの非限定的な例において、本発明によるマニホルド202は、X方向に3.8583インチ(または98mm)の幅、Y方向に2.0472インチ(または52mm)の奥行、Z方向に15.1969インチ386mm)の高さ、である。1つの非限定的な例において、本発明によるマニホルド402は、X方向に3.295インチ(または83.7mm)の幅、Y方向に0.8268インチ(または21mm)の奥行、Z方向に13.2283インチ(または336mm)の高さ、である。モジュール120、220、320、420はコンパクトであり得る。1つの非限定的な例において、本発明によるモジュール120、220、320、420は、X方向に0.6693インチ(または17mm)の幅、Y方向に3.0551インチ(または77.6mm)の奥行、チップアダプタ118、218、318、418を含んでZ方向に10.2441インチ(または260.2mm)の高さ、である。本明細書に記載されたピペットチャネル、マニホルド及びモジュールのコンパクトな性質の結果として、配管及び/または配線の長さを短縮することができる。幾つかの実施形態では、ソレノイドバルブ158がモジュール120に近接しているため、真空と圧力との間のより速い切り替えが達成され得る。
【0066】
本明細書に記載された実施形態の更に別の利点は、ピペットチャネル110のモジュール性を含む。1または複数の隣接するピペットチャネル110を取り外すことなく、1または複数のピペットチャネル110が除去及び/または交換され得る。幾つかの実施形態では、個々のピペットチャネル110を迅速に交換する能力がある。
【0067】
図1B乃至図4に示された液体ディスペンサ100を参照して前述された利点は、本発明の他の液体ディスペンサ、例えば以下に詳細に説明される液体ディスペンサ1、液体ディスペンサ200、液体ディスペンサ300、液体ディスペンサ400、液体ディスペンサ500、にも適用可能である。
【0068】
図5乃至図34は、本発明の別の実施形態による液体ディスペンサ200の図を示す。液体ディスペンサ200は、液体ディスペンサ100に関して前述された特徴と実質的に同様の特徴を含み得る。例えば、液体ディスペンサ200は、前部204、背部206及び側部208を有するマニホルド202の特徴を含み得る。液体ディスペンサ200は、前部212、背部214及び側部216を有する1または複数のピペットチャネル210の特徴を含み得る。液体ディスペンサ200は、フランジ226、カップリング228、ピペットチップ222及びチップアダプタ218を有するモジュール220の特徴を含み得る。液体ディスペンサ200は、軌道230および基部232の特徴を含み得る。液体ディスペンサ200は、ボールネジ236、モータ238及びベアリング240と相互作用するように構成されたナット234の特徴を含み得る。液体ディスペンサ200は、入口圧力ポート242、入口真空ポート244、圧力チャネル246、真空チャネル248、圧力クロスチャネル250、真空クロスチャネル252、圧力ポート256、真空ポート257、1または複数のOリング254、の特徴を含み得る。液体ディスペンサ200は、ソレノイドバルブ258及び1または複数のチューブ260、262の特徴を含み得る。液体ディスペンサ200は、ピペットチャネル210のコネクタ266および回路基板268の特徴を含み得る。液体ディスペンサ200は、マニホルド202のコネクタ270及び回路基板272の特徴部を含み得る。液体ディスペンサ200は、モジュール220の回路基板264の特徴部を含み得る。液体ディスペンサ200は、電気コネクタ274の特徴を含み得る。液体ディスペンサ200は、リボンケーブル276、曲げ部278及び溝280の特徴を含み得る。液体ディスペンサ200は、本明細書に記載された液体ディスペンサの特徴のいずれかを含み得る。
【0069】
当該非限定的な実施形態では、液体ディスペンサ200の入口圧力ポート242及び入口真空ポート244が、マニホルド202の背部206に配置されている。電気コネクタ274も、マニホルド202の背部206に配置されている。当該形態を採用する本明細書に記載された液体ディスペンサの実施形態は、有利なことに、液体ディスペンサ200のX方向に沿った幅を減少させる。モジュール220の回路基板264は、図1B乃至図4の実施形態よりもZ方向に短くされ得る。回路基板264及びモジュール220は、ハウジング内に封入され得る。
【0070】
液体ディスペンサ200は、図30及び図31に示すように、複数のピペットチップ222のうちの単一のピペットチップを排出(イジェクト)するように構成された機構を含み得る。液体ディスペンサは、チップ排出モータ282を含み得る。チップ排出モータ282は、チップアダプタ218の一部を包む並進スリーブ284に接続され得る。チップ排出モータ282は、回転可能であり、これは、スリーブ284に下向きの力を作用させて、これをチップアダプタ218に対して相対的にZ方向に移動させる。スリーブ284の下向きの力は、ピペットチップ222がチップアダプタ218から排出されるか、または係合解除されるように、ピペットチップ222とチップアダプタ218との間の摩擦嵌合を克服する。
【0071】
液体ディスペンサ200は、ピペットチップ222がモジュール220と係合されているか否かを感知する機能を含み得る。液体ディスペンサ200は、センサ286を含み得る。幾つかの実施形態では、センサ290は、磁界を感知するREEDセンサである。スリーブ284等のピペットチップ222に関連する構成要素は、磁石286を含み得る。ピペットチップ222は、モータ238がモジュール220全体を下方に駆動してピペットチップ222と係合する時に、係合される。当該実施形態のモータ238は、主z軸モータである。モジュール220がピペットチップ222に係合する時、スリーブ284がピペットチップ222との接触から上方へ平行移動し、ピペットチップ222がチップアダプタ218と係合することを許容する。ピペットチップ222に係合するために、モジュール220は、Z方向に下方に並進し、ピペットチップ222が嵌合するか、摩擦嵌合を形成するか、さもなければチップアダプタ218と係合するまで、ピペットチップ222を押し下げる。ピペットチップ222がモジュール220上に装填され、スリーブ284が当該第1「係合」位置にあるとき、磁石286はセンサ290に近接している。ピペットチップ222は、本明細書に記載されているように、排出され得る。ピペットチップ222は、液体ディスペンサ200の動作中に誤って係合解除される可能性がある。そのような場合、スリーブ284及び磁石286は、重力の影響下でZ方向に下向きに落下し、ピペットチップ222が係合解除される前のスリーブ284が第1「係合」位置にあった時よりもセンサ290からより遠くに磁石286を位置させる。センサ290は、当該センサ290と磁石286との間の距離に基づいて、ピペットチップ222がスリーブ284に係合されているか否かを示すことができる。センサ290は、ピペットチップ222が先端アダプタ218上に存在しているか否かを判定することができる。
【0072】
液体ディスペンサ200は、容量感知を提供する特徴を含むことができる。容量感知は、モジュール220上の小基板(不図示)上に配置される電気回路によって実施される。基板は、ワイヤ、ケーブル、または可撓性回路を介して、先端アダプタ218に接続される。チップアダプタ218が液体または他の物体と接触する時、回路は変化に出会う。チップアダプタ218は、回路基板に向かうワイヤを除いて、モジュール220の残りの部分から電気的に絶縁され得る。液体ディスペンサ200は、ピペットチップ内の液体レベルなどの液体レベルを決定する他の特徴を含み得る。容量検出回路は、ディスペンスまたは吸引されるサンプルを含む容器に対するモジュール220のZ方向の高さまたは距離を決定し得る。液体ディスペンサ200は、Z方向の高さ、例えば関連容器への高さ、に関する情報を示す信号を感知ないし受信するか、場合によっては格納するように構成され得る。液体ディスペンサ200は、異なる容器に関連する複数の高さに関する情報を示す信号を感知ないし受信するか、場合によっては格納するように構成され得る。液体ディスペンサ200は、吸引動作及びディスペンス動作中に格納された高さに戻ることができる。液体ディスペンサ100、液体ディスペンサ300、液体ディスペンサ400、液体ディスペンサ500等の本明細書に記載された液体ディスペンサの他の実施形態も、容量感知の特徴を含み得る。
【0073】
液体ディスペンサ200は、図34A及び図34Bに示すように、ヒステリシスブレーキ等の磁気ブレーキを提供する特徴(機構)を含み得る。ボールネジ236は、ディスク294を含み得るか、または、ディスク294に結合され得る。ボールねじ236は、連結部237を含み得る。図34Aでは、連結部237がネジ切られている。連結部237は、ディスク294のネジ穴に挿入され得る。連結部237は、ベアリング239のネジ穴に挿入され得る。ベアリング239は、ボールネジ236とディスク296との間の整列を容易化することができる。図34Bでは、連結部237は、1または複数の溝を含む。幾つかの実施形態では、ディスク294は、溝に係合するように設計された1または複数の突起を含む。幾つかの実施形態では、ディスク294は、結合部237をディスク294に結合するように設計された機構を含む。ボールネジ236とディスク294とを結合する他の構成も考えられる。幾つかの実施形態では、ボールネジ236の回転がディスク294の回転を引き起こすように、ボールネジ236及びディスク294が回転結合される。
【0074】
ベアリング239またはピペットチャネル210の他の部分は、ディスク296を含み得る。ディスク296は、1または複数の磁石298を含み得る。幾つかの実施形態では、ディスク296内の複数の磁石298が全て同じ極性を有し得る。幾つかの実施形態では、ディスク296内の磁石298は反対の極性を有する。幾つかの実施形態では、ディスク296内の磁石298は交互の極性を有する。幾つかの実施形態では、隣接する磁石298が反対の極性を有し得る。ディスク294は、ヒステリシスディスクであり得る。幾つかの実施形態では、ディスク296のみが磁石298を含む。モータ238の影響下でボールネジ236が回転する間、当該モータ238は、ディスク294、296の磁気的相互作用によって生成される磁力を克服する。モータ238が停止すると、ディスク296内の磁石298は、ディスク294に引き寄せられる。当該磁力は、ボールネジ236の回転を低減及び/または防止するようにボールネジ236にトルクを適用するのに十分である。当該磁力は、また、ピペットチャネル210への電力の損失の場合に、軌道230に沿ったカップリング228の自由落下を低減及び/または防止するのに十分であり得る。液体ディスペンサ100、液体ディスペンサ300、液体ディスペンサ400、液体ディスペンサ500等の本明細書に記載された液体ディスペンサの他の実施形態も、磁気ブレーキ機能を含み得る。図34Bは、変更設計例を示しており、ディスク296がブロック299と結合され得る、あるいは、一体的に形成され得る。ブロック299は、ディスク296をピペットチャネル210に固定し得る。ブロック299は、ペグまたは締結具と結合するための取り付け部を含み得る。当該取り付け部は、1または複数の湾曲コーナーを含み得る。ブロック299は、多角形または略多角形であり得る。図示の実施形態では、ブロック299は、角が丸められた菱形である。
【0075】
図34C及び図34Dは、液体ディスペンサの他の特徴を示している。ボールネジ236は、モータ238によって回転され得る。カップリング228は、ボア229を含むナットを含み得る。幾つかの実施形態では、ナット内のボア229の周りに複数のボールベアリング(不図示)が配置され、ボールネジと相互作用する際の摩擦を低減している。ボールベアリングは、ボールネジ236の螺旋溝内で回転可能である。一例として、ボールネジ236が回転すると、ボールベアリングがボールネジ236の溝内及びナットの溝内でボールネジ236周りを移動する。ボールベアリングがナットの頂部に達すると、ボールベアリングは、カップリング228(不図示)内のチャネルを下方へナットの底部に向けて送り込まれる。ボールネジ236は、ボールベアリングがカップリング228内のチャネルを上方へ送り込まれるように、反対方向に回転されてもよい。図34C及び図34Dは、カップリング228がボールネジ236にどのように取り付けられているかを示している。図34C及び図34Dはまた、モータ238及びボールネジ236がどのように結合されているかを示している。幾つかの実施形態では、ピペットチャネル210は、モータ238、エンコーダ及びボールネジ236のうちの1または複数を含み得る一体化されたボールネジアセンブリを含み得る。幾つかの実施形態では、モータ238及びエンコーダは、アセンブリとして結合されるか、または一体的に形成される。
【0076】
図34Cは、シャフトカップリング241を示している。シャフトカップリング241は、ボールネジ236のシャフトとモータ238のシャフトとを連結している。シャフトカップリング241は、ボールネジ236とモータ238との間のある程度のミスアライメント(ずれ)を許容可能である。シャフトカップリング241は、ボールネジ236とモータ238のシャフトとの間のミスアライメントを考慮(補償)する。シャフトカップリング241は、ある程度の角度のミスアライメントを許容可能である。シャフトカップリング241は、ボールネジ236とモータ238との間の軸方向のミスアライメントを処理するように設計され得る。幾つかの実施形態では、シャフトカップリング241は、1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、10度、11度、12度、13度、14度、15度、0度~5度の間、0度~10度の間、などのミスアライメントを許容し得る。
【0077】
液体ディスペンサ200は、1または複数のベアリング245を含み得る。ベアリング245は、ボールネジ236の端部を支持し得る。ベアリング245は、一組のアンギュラコンタクトベアリングを含み得る。ベアリング245は、径方向及び軸方向の両方でボールネジ236を支持可能である。幾つかの実施形態では、ベアリング245は、ボールネジが並進なしに回転することを許容する。幾つかの実施形態では、ベアリング245は、モータ238とボールネジ236との間の軸方向のミスアライメントを低減する。
【0078】
本明細書で説明されるように、カップリング228は、ボールネジ236と相互作用する部分、及び、軌道230と相互作用する部分、を含み得る。図34Dは、これらの2つの部分の実施形態を示す。幾つかの実施形態では、カップリング228は、軌道230とボールネジ236との間の接続が自己調節または浮動することを許容する浮動カップリングであり得る。浮動カップリングは、軌道230とボールネジ236とが完全に位置合わせされていない場合に、膠着(拘束)を防止する柔軟性を提供する。幾つかの実施形態では、ベアリングは、ボールネジを軸方向及び径方向に支持する。幾つかの実施形態では、1または複数のベアリングがモータ238と一体化される。他の実施形態では、1または複数のベアリングは、モータ238とは別個の構成要素である。
【0079】
本明細書に記載された磁気ブレーキの実施形態は、ピペットチップの不所望の動きを有利に制限する。別の利点は、磁気ブレーキがピペットチップへの損傷を制限することである。加えて、本明細書に記載された磁気ブレーキの実施形態は、より大きな駆動精度を有利に提供する。更に別の利点は、磁気ブレーキが容器に対するピペットチップの制御された移動のみを許容することである。幾つかの実施形態では、磁気ブレーキは、ピペットチップの動きを制限するように機能する。幾つかの実施形態では、磁気ブレーキによって生成される力が、モータ238が停止した時、モジュール220の下方または上方への移動を制限する。
【0080】
図35乃至図55は、本発明の別の実施形態による液体ディスペンサ300の図を示す。液体ディスペンサ300は、液体ディスペンサ100及び液体ディスペンサ200に関して前述された特徴と実質的に同様の特徴を含み得る。例えば、液体ディスペンサ300は、前部304、背部306及び側部308を有するマニホルド302の特徴を含み得る。液体ディスペンサ300は、前部312、背部314及び側部316を有する1または複数のピペットチャネル310の特徴を含み得る。液体ディスペンサ300は、フランジ326、カップリング328、ピペットチップ(不図示であるが、ピペットチップ122、222と同様)及びチップアダプタ318を有するモジュール320の特徴を含み得る。液体ディスペンサ300は、軌道330および基部332の特徴を含み得る。液体ディスペンサ300は、ボールネジ336、モータ338及びベアリング340と相互作用するように構成されたナット334の特徴を含み得る。液体ディスペンサ300は、入口圧力ポート342、入口真空ポート344、圧力チャネル346、真空チャネル348、圧力クロスチャネル350、真空クロスチャネル352、圧力ポート356、真空ポート357、1または複数のOリング354、の特徴を含み得る。液体ディスペンサ300は、ソレノイドバルブ358及び1または複数のチューブ360、362の特徴を含み得る。液体ディスペンサ300は、ピペットチャネル310のコネクタ366および回路基板368の特徴を含み得る。液体ディスペンサ300は、マニホルド302のコネクタ370及び回路基板372の特徴部を含み得る。液体ディスペンサ300は、モジュール320の回路基板364の特徴部を含み得る。液体ディスペンサ300は、電気コネクタ374の特徴を含み得る。液体ディスペンサ300は、リボンケーブル376、曲げ部378及び溝380の特徴を含み得る。液体ディスペンサ300は、チップ排出モータ382とスリーブ384とを有する、ピペットチップを排出する特徴を含み得る。液体ディスペンサ300は、本明細書に記載された液体ディスペンサの特徴のいずれかを含み得る。
【0081】
この非限定的な実施形態において、ピペットモジュール320は、液体ディスペンサ300のX軸に沿ってピペットチャネル310の側部316に隣接して取り付けられている。この形態を採用する本明細書に記載された液体ディスペンサの実施形態は、Y軸に沿ったピペットチャネル310の深さを減少させる。また、この形態を採用する本明細書に記載された液体ディスペンサの実施形態は、X軸に沿ったピペットチャネル310の幅を増大させ得る。ピペットチャネル310の背部314は、本明細書で説明されるように、マニホルド302の前部304と嵌合するように構成される。
【0082】
図39は、マニホルド302の分解図を示す。モジュール320の吸引動作及びディスペンス動作は、部分的に、圧力下のガスまたは真空下のガスの適用によって制御され得る。マニホルド302は、入口圧力ポート342を含み得る。マニホルド302は、入口真空ポート344を含み得る。入口圧力ポート342は、マニホルド302の前部312に配置され得る。入口真空ポート344も、マニホルド302の前部312に配置され得る。入口圧力ポート342及び入口真空ポート344は、図示のようにハウジング内に封入され得る。電気コネクタ374は、マニホルド302の前部312に配置され得る。電気コネクタ374も、図示のようにハウジング内に封入され得る。
【0083】
マニホルド302内の圧力チャネル346及び真空チャネル348は、限定されるものではないが例えばL字形チャネルまたはU字形チャネルなどの、例えば当該チャネルの長さに沿って1または複数の曲げ部または湾曲部を有する非直線形であり得る。マニホルド302内の圧力クロスチャネル350及び真空クロスチャネル352は、非直線形であり得る。圧力チャネル346及び真空チャネル348は、入口圧力ポート342及び入口真空ポート344からそれぞれ圧力クロスチャネル350及び真空クロスチャネル352まで延在し得る。圧力チャネル346、真空チャネル348、圧力クロスチャネル350及び真空クロスチャネル352は、ピペットチャネル310の圧力ポート356及び真空ポート357と整列するようないかなる態様でも設計され得る。
【0084】
マニホルド302は、1または複数のピペットチャネル310を受け入れるように構成される。図示の実施形態の液体ディスペンサ300は、1つのピペットチャネル30を受け入れるように構成されているが、他の構成も考えられる。ピペットチャネル310は、例えばペグ324によって、ピペットモジュール320の動作中にマニホルド302の所定の位置に固定され得る。入口圧力ポート342は、圧力下でのガスを1つの圧力クロスチャネル350に供給することができる。入口真空ポート344は、真空下でのガスを1つの真空クロスチャネル352に供給することができる。
【0085】
ピペットモジュール320は、ピペットチャネル310の側部316に隣接して取り付けられている。フランジ326及びカップリング328は、この形態に適合するように成形され得る。幾つかの実施形態では、フランジ326及び/またはカップリング328は、モジュール320に対して垂直である。フランジ326は、カップリング328に固定して取り付けられ得る。カップリング328は、軌道330に沿って移動可能である。カップリング328の移動は、モジュール330の軌道330に対してZ方向の移動を引き起こす。軌道330は、ピペットチャネル310の基部332に固定して取り付けられている。ピペットチャネルの基部332は、マニホルド302に対して静止している。カップリング328の移動は、ピペットチャネル310の基部332及びマニホルド302に対する、モジュール320のZ方向の移動を引き起こす。カップリング328は、本発明の他の実施形態を参照して本明細書で説明されるように、ボールネジ336と相互作用することができる。
【0086】
図56及び図57は、本発明の別の実施形態による液体ディスペンサ400の図を示す。液体ディスペンサ400は、液体ディスペンサ100、液体ディスペンサ200及び液体ディスペンサ300に関して前述された特徴と実質的に同様の特徴を含み得る。例えば、液体ディスペンサ400は、前部404、背部406及び側部408を有するマニホルド402の特徴を含み得る。液体ディスペンサ400は、前部412、背部414及び側部416を有する1または複数のピペットチャネル410の特徴を含み得る。液体ディスペンサ400は、フランジ426、カップリング428、ピペットチップ422及びチップアダプタ418を有するモジュール420の特徴を含み得る。液体ディスペンサ400は、軌道430及び基部432の特徴を含み得る。液体ディスペンサ400は、ボールネジ、モータ438及びベアリングと相互作用するように構成されたナットの特徴を含み得る。液体ディスペンサ400は、入口圧力ポート、入口真空ポート、圧力チャネル、真空チャネル、圧力クロスチャネル、真空クロスチャネル、圧力ポート、真空ポート、1または複数のOリング、の特徴を含み得る。液体ディスペンサ400は、ソレノイドバルブ及び1または複数のチューブの特徴を含み得る。液体ディスペンサ400は、ピペットチャネル410のコネクタ及び回路基板の特徴を含み得る。液体ディスペンサ400は、マニホルド402のコネクタ及び回路基板の特徴部を含み得る。液体ディスペンサ400は、モジュール420の回路基板の特徴部を含み得る。液体ディスペンサ400は、電気コネクタの特徴を含み得る。液体ディスペンサ400は、リボンケーブル、曲げ部及び溝の特徴を含み得る。液体ディスペンサ400は、本明細書に記載された液体ディスペンサの特徴のいずれかを含み得る。
【0087】
所定の特徴が図56及び図57には図示されていないが、これらの特徴の例示的な実装例は、液体ディスペンサ1、100、200、300を参照して前述されている。例えば、ナット、ボールネジ、ベアリング、入口圧力ポート、入口真空ポート、圧力チャネル、真空チャネル、圧力クロスチャネル、真空クロスチャネル、圧力ポート、真空ポート、1または複数のOリング、ソレノイドバルブ、1または複数のチューブ、マニホルドのコネクタ、マニホルドの回路基板、モジュールの回路基板、電気コネクタ、リボンケーブル、曲げ部及び溝は、図56及び図57には図示されていないが、これらの特徴の例示的な実装例は、液体ディスペンサ1、100、200、300を参照して前述されており、液体ディスペンサ400にも適用可能であることが理解される。
【0088】
幾つかの実施形態では、液体ディスペンサ400は、ピペットチャネル210と同様のピペットチャネル10を含み得る。幾つかの実施形態では、液体ディスペンサ400は、マニホルド302と同様のマニホルド402を含み得る。マニホルド402は、1または複数のピペットチャネル410を受け入れるように構成される。入口圧力ポート442は、圧力下でのガスを1または複数の圧力クロスチャネルに供給可能である。入口真空ポート444は、真空下でのガスを1または複数の真空クロスチャネルに供給可能である。
【0089】
[本発明による例示的な液体ディスペンサ]
図58乃至図60は、ロボット500に動作可能に結合された前述の液体ディスペンサ200の図を示す。当該実施形態のロボット500は、診断試験システム内で様々な機能を実施するために利用される別個のロボットアセンブリである。例えば、例示的な診断試験システム内でPCRプレートをピックアップするために利用される。ロボット500は、液体ディスペンサ200と共に移動する。幾つかの実施形態では、ロボット500は、液体ディスペンサの動きを制御しない。幾つかの実施形態では、液体ディスペンサ200及びロボット500は、3自由度を有するロボットガントリー(不図示)に連結される。当該自由度は、X方向、Y方向及び回転の移動を含み得る。図58では、カラム600がロボットガントリー(不図示)に接続され得る。本明細書に記載された液体ディスペンサのいずれも、ロボット500に動作可能に結合され得る。マニホルド102、202、302、402は、当該マニホルドを空間内で移動可能なロボット500のロボットアームに結合され得る。ロボットアームの動きは、6自由度を有し得る。例えば、ロボットアームは、1自由度の並進自由度、2自由度の並進自由度、3自由度の並進自由度、1自由度の回転自由度、2自由度の回転自由度、3自由度の回転自由度、またはこれらの任意の組合せ、を含み得る。
【0090】
図61乃至図64は、前述の液体ディスペンサ300の幾つかの特徴の内部の図を示す。ピペットチャネル310は、内部配線および配管を収容するように設計され得る。ピペットチャネル310は、ソレノイドバルブ358からモジュール320に延びるチューブ(管)360、362を収容することができる。ピペットチャネル310は、電気信号及び制御信号を伝達するリボンケーブル376を含み得る。リボンケーブル376は、コネクタ366からモジュール320まで延在することができる。チューブ360、362及びリボンケーブル376は、それぞれ、曲げ部378を含み得て、当該曲げ部378は、図61に下向き位置で示されている。チューブ360、362及びリボンケーブル376における曲げ部378の下方位置は、モジュール320の下方位置に対応している。曲げ部378は、図62で上向き位置に示されている。曲下部378の上向き位置は、モジュール320の上向き位置に対応している。モジュール320が軌道330に沿ってZ方向に下方に移動すると、チューブ360、362及びリボンケーブル376の曲げ部378は、ピペットチャネル310の基部332内を下方に移動する。曲げ部378は、ピペットチャネル310の基部332の溝380内に収容され得る。
【0091】
幾つかの実施形態では、マニホルド302に対してモジュール320に係合されたピペットチップのZ方向の動きが、ピペットチャネル310内に収容された特徴によって制御される。モジュール320は、フランジ326を含み得る。フランジ326は、カップリング328に固定して取り付けられ得る。カップリング328は、軌道330に沿って移動可能である。カップリング328がZ方向に移動すると、モジュール320が軌道330に対してZ方向に移動する。カップリング328がZ方向に移動すると、ピペットチャネル310の基部332に対してモジュール320がZ方向に移動する。
【0092】
カップリング328は、ナット334を含み得る。ナット334は、ボールネジ336と相互作用するように構成される。ナット334は、ボールネジ336と相互作用する際の摩擦を低減するボールベアリングを含み得る。他の実施形態では、ナット334は、ネジ切りされて、当該実施形態のボールネジ336ではなくリードネジ(不図示)と相互作用する。ボールネジ336は、モータ338によって回転され得る。ボールネジ336が回転すると、カップリング328がボールネジ336に沿って平行移動する。カップリング328は、軌道330に沿ってZ方向に案内される。ボールネジ336を第1方向に回転させると、カップリング328は軌道330に沿ってZ方向に下方に並進する。第2反対方向のボールネジ336の回転は、カップリング328を軌道330に沿ってZ方向に上方に並進させる。
【0093】
[本明細書に記載された液体ディスペンサの追加の特徴]
本明細書に記載された液体ディスペンサは、各ピペットチャネルが独立して液体を吸引してディスペンスするよう作用するべく、ピペット動作を並行して実施するように構成され得る。各ピペットチャネルは、液体ディスペンサに取り付けられた別のピペットチップの動きとは無関係に、液体ディスペンサのz軸に沿って対応するピペットチップを移動させる能力を有する。従って、本明細書に記載された液体ディスペンサは、溶液に対してこのようなピペッティング動作を実施するべく一緒に協働するピペットチャネルのアセンブリである。このように、液体ディスペンサは、典型的には、必要に応じてピペットチップをピックアップして係合解除することができ、また、そのようなピペットチップ内に所定量の液体を吸引し、当該所定量の液体をディスペンスすることができる。液体ディスペンサの動き及び動作は、典型的には、ピペッディング動作が自動化され得るよう、プロセッサによって制御される。有利なことに、液体ディスペンサは、ピペットチップを例えば容器またはカートリッジ入口穴と整列させるように、構成され得る。
【0094】
有利には、液体ディスペンサは、モジュール回路基板、センサ(限定されないが、例えば、ピペットチップの存在を検出するセンサ、ピペッティング中にピペットチップに作用する力を検出するセンサ)、チップ排出モータ、スリーブ、ピペットチップ、及び他の物品がモジュールとしてユニットとして移動するように構成され得て、それにより、使用中に器具を横切って移動する制御ラインの数を最小化し、モジュールの運動中にかかる制御ラインが絡んでしまう可能性を低減し、モジュールがピペットチャネルの基部及びマニホルドのような予備的または診断的装置内の様々なポイントに固定された他の構成要素と通信状態を維持する可能性を高める。
【0095】
図面内の構成要素のレイアウトは、単に便宜上のものであり、当業者であれば、環境及び他の要因に応じて他の配置が可能であることを理解するであろう。モータ、ポンプ及びバルブを含む電気部品は、プロセッサ(不図示)から指示を受容可能である。プロセッサは、液体ディスペンサ上に配置され得るし、あるいは、液体ディスペンサから遠隔に配置され得る。
【0096】
本明細書に記載された液体ディスペンサの実施形態は、モジュールの垂直方向の動きが妨げられた時を検知し、適切な信号をプロセッサに直接供給するか(不図示)またはプリント回路基板を介して間接的に供給する(不図示)ように構成されたセンサをも含み得る。当該センサは、モジュールまたはピペットチャネルの別の構成要素に取り付けられ得る。
【0097】
選択的に、液体ディスペンサ内にスキャナ(不図示)が含まれる。当該スキャナは、液体を保持する容器、試料管、試薬ホルダ、マイクロ流体カートリッジ、または他の任意の容器、の1または複数から情報(限定されないが、例えば、試料及び患者情報)を読み取るように構成され得る。当該スキャナは、プロセッサに直接電気的に接続され得るし、あるいは、プリント回路基板を介して間接的に接続され得る。
【0098】
本明細書に記載された液体ディスペンサの実施形態は、空気圧ソレノイドバルブを含むが、他のバルブも考えられる。バルブは、各ピペットチャネルに関連付けられ得て、例えば、圧力を減少させ、それによって吸引動作を引き起こす時、または、圧力を増大させ、それによってディスペンス動作を引き起こす時、を制御すること等によって、各モジュールの動作を制御するように作用する。各バルブは、当該バルブからモジュールに延びる1または複数の内部チューブを介してモジュールに接続される(流体連通を含む)。
【0099】
本明細書に記載された液体ディスペンサのマニホルドは、空気ラインまたは配管(不図示)を介して入口圧力ポート及び入口真空ポートにポンプ(不図示)に接続され得る。本明細書で説明されるように、入口圧力ポート及び入口真空ポートは、マニホルド内の1または複数のチャネル及びクロスチャネルを介して、ピペットチャネルのポートに接続されている。ピペットチャネルのポートは、圧力下でのガスまたは真空下でのガスをピペットチャネル内に配置されたバルブに供給する。各ピペットチャネルは、独立して制御可能なソレノイドバルブを含み、当該ソレノイドバルブは、ポンプから、当該ピペットチャネルに関連するモジュール、したがって対応するピペットチップ、へと選択的に空気を指し向ける。
【0100】
液体ディスペンサの動作は、典型的には、モジュール120内の回路基板164を含む1または複数の回路基板(PCB)によって制御される。PCBは、更に、電気コネクタ170を含む電気コネクタから電気信号を受信することができる。従って、吸引動作及びディスペンス動作は、PCBからの信号によって正確に制御され得て、正確な容積制御が達成される。幾つかの実施形態では、液体ディスペンサの較正が、所望量(所望体積)の液体をディスペンスまたは吸引するために必要とされるガスの強制排出時間または吸引時間の量(長さ)が知られるように、必要とされる。このように、一例によれば、信号によって制御されるバルブ開放とバルブ閉鎖との間の時間が知られて、制御ソフトウェアに組み込まれ得る。液体ディスペンス動作は、液体ディスペンサ内に配置されたハードウェア及びソフトウェアによって制御され得る。幾つかの実施形態では、液体ディスペンス動作は、モジュール120内に配置されたハードウェア及びソフトウェアによって制御され得る。
【0101】
モジュール120は、本明細書で説明されるように、第2バルブを含むことができる。モジュール120は、その動作を制御するポンプ(不図示)及びモータ(不図示)を含み得る。幾つかの実施形態では、ポンプは、入力として電気信号及び/または制御信号を受け取るステッパモータによって制御される平行移動プランジャを含む。モジュール120は、吸引動作及びディスペンス動作を完了するように構成された任意のハードウェア及び/またはソフトウェアを含み得る。
【0102】
前述の実施形態は例示であり、本発明はこれらの実施形態に限定されない。前述の説明を考慮して、開示された実施形態に対する複数の変形及び修正が、相互に排他的ではない範囲で、当業者によって行われるであろう。更に、他の組み合わせ、省略、置換および変更が、本明細書の開示を考慮して、当業者には明らかであろう。従って、本発明は、開示された実施形態によって限定されることが意図されていない。
【0103】
本明細書に記載されたピペットチャネルの実施形態は、有利にはモジュール式設計であり、従って、任意の数のマニホルド及びモジュールと互換性がある。図示の実施形態では、マニホルドは、ピペットチャネルを受け入れる1または複数の位置を含み得る。単一のピペットチャネルを受け入れるマニホルド上の位置は、レーンと考えることができる。各マニホルドは、1または複数のレーン(例えば、1つのレーン、2つのレーン、3つのレーン、4つのレーン、5つのレーン、6つのレーン、複数のレーンなど)を含み得る。幾つかの実施形態では、マニホルドは2以上のレーンを含む。幾つかの実施形態では、各レーンは別のレーンに隣接している。幾つかの実施形態では、各レーンは、単一の向きでピペットチャネルを受け入れるように構成される。
【0104】
幾つかの実施形態では、各レーンが、複数のピペットチャネルのうちの任意のピペットチャネルを受け入れるように構成される。一例として、1つのレーン内の最初のピペットチャネルが別のレーンに移動され得る。幾つかの実施形態では、各レーンは、特定のピペットチャネルを受け入れるように構成される。一例として、試薬にのみ吸引動作及びディスペンス動作を実行するように構成されたピペットチャネルが、マニホルドの1つの特定のレーンまたは複数の特定のレーンのうちの1つに受け入れられ得る。試薬は、試薬のみを含有してサンプルスワブ(スワブ先端など)を含有しないチューブから吸引されディスペンスされ得る。別の例として、サンプルのみに吸引動作及びディスペンス動作を実行するように構成されたピペットチャネルが、マニホルドの1つの特定のレーンまたは複数の特定のレーンのうちの1つに受け入れられ得る。サンプルは、サンプル及びサンプルスワブ(スワブチップなど)を含むチューブから吸引されディスペンスされ得る。1つのタイプのピペットチャネル(例えば、試薬チューブから流体を吸引してディスペンスするように構成されたピペットチャネル)を第1レーン内に受け入れるようにマニホルドを構成する能力、及び、第2の異なるタイプのピペットチャネル(例えば、試料管から流体を吸引してディスペンスするように構成されたピペットチャネル)を第2レーン内に受け入れるようにマニホルドを構成する能力、が特に有利である。以下でより詳細に説明される一例では、試薬チューブ内の流体に吸引機能及びディスペンス機能を実行するように構成されたピペットチャネルが、サンプルチューブ内の流体に吸引機能及びディスペンス機能を実行するように構成されたピペットチャネルよりも小さな力で、関連のピペットチップがチップアダプタに結合されることを要求する。
【0105】
幾つかの実施形態では、レーンが、マニホルド上の1または複数の構造によって画定され得る。レーンは、ピペットチャネルの締結具を受け入れるように構成された1または複数の開口部によって画定され得る。レーンは、ピペットチャネルのペグを受け入れるように構成された1または複数の開口部によって画定され得る。レーンは、マニホルドと嵌合されるピペットチャネルの対応する電気コネクタに電気的に接続するように構成された電気コネクタによって画定され得る。幾つかの実施形態では、レーンは1つの電気コネクタのみを含み得る。レーンは、マニホルドと嵌合されるピペットチャネルの対応する圧力クロスチャネルに空気圧接続するように構成された圧力チャネルによって画定され得る。幾つかの実施形態では、レーンは、1つの圧力チャネルのみを含み得る。レーンは、マニホルドと嵌合されるピペットチャネルの対応する真空クロスチャネルに空気圧接続するように構成された真空チャネルによって画定され得る。幾つかの実施形態では、レーンは1つの真空チャネルのみを含み得る。
【0106】
幾つかの実施形態では、レーンは、液体ディスペンサの1または複数の構成要素を受け入れるように構成され得る。レーンは、ピペットチャネルを受け入れるように構成された位置によって画定され得る。幾つかの実施形態では、各レーンが単一のピペットチャネルを受け入れるように構成される。幾つかの実施形態では、レーンは、1つのピペットチャネルのみを受け入れるように構成される。レーンは、モジュールを受け入れるように構成された位置によって画定され得る。幾つかの実施形態では、各レーンが単一のモジュールを受け入れるように構成される。幾つかの実施形態では、レーンは、1つのモジュールのみを受け入れるように構成される。
【0107】
幾つかの実施形態では、レーン及びその上に受容される液体ディスペンサの1または複数の構成要素が、ユニットと見なされ得る。幾つかの実施形態では、ユニットは機能によって画定され得る。ユニットは、吸引動作及びディスペンス動作を実行する能力によって画定され得る。液体ディスペンサの2つのユニットが、同じ吸引動作及びディスペンス動作を同時に行うことが可能である。液体ディスペンサの2つのユニットが、異なる吸引動作及びディスペンス動作を同時に行うことが可能である。液体ディスペンサの2つのユニットは、同じ吸引および分配動作を同時に行うことが可能である。液体ディスペンサの2つのユニットは、同じ吸引動作及びディスペンス動作を同時に行うことが可能である。液体ディスペンサの2つのユニットは、吸引動作及びディスペンス動作を独立して制御することが可能である。液体ディスペンサの2つのユニットが、吸引動作及びディスペンス動作を独立して実行する2つのモジュールを含むことが可能である。液体ディスペンサの2つのユニットは、Z方向の動きを独立して制御することが可能である。一例では、ユニットは、マニホルドのレーンと、当該レーン内に受容された選択的に受け入れ可能な構成要素と、を含む。当該選択的に受け入れ可能な構成要素は、ピペットチャネル、ピペットモジュール、ピペットモジュールに結合されたピペットチャネル、またはブランキングプレート、を含むことが可能である。
【0108】
有利には、本明細書に記載されたシステム及び方法の実施形態は、液体ディスペンサの動きを制御する能力を含み、場合によっては、他の構成要素とは独立して液体ディスペンサの特定の構成要素の動きを制御する能力を含む。図示の実施形態では、マニホルドに連結された各ピペットチャネルは、マニホルドと一体として移動する。幾つかの実施形態では、マニホルドは、当該マニホルドの幅に沿ってX方向に移動可能である。マニホルドのX方向の移動は、マニホルドに連結された各ピペットチャネルのX方向の移動を引き起こす。幾つかの実施形態では、マニホルドは、当該マニホルドの厚さに沿ってY方向に移動可能である。マニホルドのY方向の移動は、マニホルドに結合された各ピペットチャネルのY方向に移動を引き起こす。幾つかの実施形態では、マニホルドは、当該マニホルドの高さに沿ってZ方向に移動可能である。マニホルドのZ方向の移動は、マニホルドに結合された各ピペットチャネルのZ方向の移動を引き起こす。幾つかの実施形態では、ピペットチャネルが、マニホルドの移動とは独立してZ方向に移動可能である。幾つかの実施形態では、マニホルドに連結されたピペットチャネルが、マニホルドの移動と同じ方向にZ方向に移動可能である。幾つかの実施形態では、マニホルドに連結されたピペットチャネルが、マニホルドの移動とは反対の方向にZ方向に移動可能である。
【0109】
幾つかの実施形態では、一つの利点は、マニホルドの変更を全く無しまたは殆ど無しで、多様なガントリーシステムのいずれかにマニホルドを取り付ける能力である。幾つかの実施形態では、マニホルドは、1または複数のベルト駆動装置によって制御されるガントリーに連結される。幾つかの実施形態では、ガントリーは、1または複数のステッパモータによって制御される。幾つかの実施形態では、ガントリーは、1または複数のリニアモータによって制御される。一例では、液体ディスペンサシステムは、各々が当該システムのY軸に沿って移動するように構成された別個のレールに取り付けられた3つのマニホルドを含む。そのような実施形態では、リニアモータが、有利なことに、別個のY方向レール上に取り付けられた複数のマニホルドが同じX方向レールに沿って移動することを許容する。幾つかの実施形態では、一つの利点は、リニアモータが、3つの別個のY方向レール上に取り付けられた3つのマニホルドが同じX方向レールに沿って移動することを許容することである。
【0110】
幾つかの実施形態では、ピペットチャネルは、特定の機能について較正される。幾つかの実施形態では、ピペットチャネルは、特定の機能のための形状または設計で構成される。幾つかの実施形態では、ピペットチャネルは、特定のレーン割り当てのために構成される。ピペットチャネルは、当該ピペットチャネルが配置されるレーンを指示可能である。幾つかの実施形態では、マニホルドに結合された2つのピペットチャネルが、同じ較正設定を有する。幾つかの実施形態では、マニホルドに結合された2つのピペットチャネルが、異なる較正設定を有する。幾つかの実施形態では、2以上の液体ディスペンサの2つのピペットチャネルが同じ較正設定を有する。幾つかの実施形態では、2以上の液体ディスペンサの2つのピペットチャネルが異なる較正設定を有する。
【0111】
幾つかの実施形態において、一つの利点は、容量に関連する異なる較正設定を有する2つのピペットチャネルの間で選択する能力である。マニホルドは、選択された較正設定を有する1つのピペットチャネル、同じ選択された較正設定で構成された複数のピペットチャネル、または異なる選択された較正設定で構成された複数のピペットチャネル、を含み得る。一例として、ピペットチャネルは、同じマニホルドに取り付けられた別のピペットチャネルよりも小さな体積をディスペンスするように較正され得る。別の例として、ピペットチャネルは、同じマニホルドに取り付けられた別のピペットチャネルより大きな体積をディスペンスするように較正され得る。幾つかの実施形態では、ピペットチップは、1mLの液体をディスペンスするように構成されたピペットチャネルに取り付けられる。幾つかの実施形態において、ピペットチップは、5mLの液体をディスペンスするように構成されたピペットチャネルに取り付けられる。幾つかの実施形態において、ピペットチップは、0.5mLと1mLとの間の液体をディスペンスするように構成されたピペットチャネルに取り付けられる。幾つかの実施形態では、ピペットチップは、1mLと5mLとの間の液体をディスペンスするように構成されたピペットチャネルに取り付けられる。各々が特定の体積または特定の体積範囲をディスペンスするように独立して構成された複数のピペットチャネルが、当該マニホルドが設置されるシステムの特定の液体ディスペンス要件に基づいて選択され得てマニホルドに取り付けられ得る。
【0112】
幾つかの実施形態において、一つの利点は、圧力に関連する異なる較正設定を有する2つのピペットチャネルの間で選択する能力である。マニホルドは、選択された較正設定を有する1つのピペットチャネル、同じ選択された較正設定で構成された複数のピペットチャネル、または異なる選択された較正設定で構成された複数のピペットチャネル、を含み得る。幾つかの実施形態では、ピペットチップは、500ミリバールで液体をディスペンスするように構成されたピペットチャネルに取り付けられる。幾つかの実施形態では、ピペットチップは、250ミリバールと750ミリバールとの間で液体をディスペンスするように構成されたピペットチャネルに取り付けられる。幾つかの実施形態では、ピペットチップは、750ミリバール未満で液体をディスペンスするように構成されたピペットチャネルに取り付けられる。幾つかの実施形態では、ピペットチップは、500ミリバール未満で液体をディスペンスするように構成されたピペットチャネルに取り付けられる。幾つかの実施形態では、ピペットチップは、250ミリバール未満で液体をディスペンスするように構成されたピペットチャネルに取り付けられる。幾つかの実施形態において、圧力は圧力コントローラによって設定される。圧力コントローラは、マニホルドに真空と圧力とを提供可能である。圧力コントローラは、マニホルドに供給される真空及び圧力を制御するための指示を提供可能である。幾つかの実施形態では、単一のマニホルドに連結された全てのピペットチャネルに同じ圧力でガスが提供される。例えば、システムは、マニホルドにガスを供給する1つの圧力コントローラを含み得て、マニホルドに結合された全てのピペットチャネルに同じ圧力でガスが提供される。圧力コントローラは、マニホルドに連結された全てのピペットチャネルに提供されるガスの圧力を変化させることができる。
【0113】
図65A及び図65Bは、マニホルド600の実施形態を示している。その特徴は、本明細書に記載された任意のマニホルドと組み合わせて使用され得る。幾つかの実施形態において、マニホルド600は、単一のマニホルドに連結された第1組のピペットチャネルに第1圧力でガスを供給し、同時に、同一の単一マニホルドに連結された第2の異なる組のピペットチャネルに第2の異なる圧力でガスを供給するように設計されている。変化する圧力下でのガスを供給するように構成されたマニホルドを実装するには、いくつかの方法がある。例えば、システムは、2以上の別々の圧力コントローラを含み得て、同じ単一のマニホルドに同時に異なる圧力でガスを供給する。他の構成も可能である。1つの圧力入口及び1つの真空入口の代わりに、複数の圧力入口及び/または様々な真空入口が存在し得る。例えば、幾つかの実施形態では、対応する入口、例えばマニホルド600の圧力入口602、圧力入口604、真空入口606及び真空入口608等、に接続された2つの圧力源及び2つの真空源が存在する。各圧力源は単一の圧力チャネルに接続され、各真空源は単一の真空チャネルに接続され、マニホルドは、2つの圧力チャネル612、614と2つの真空チャネル616、618とを有する。マニホルドは分割されており、第1圧力源及び第1真空源はマニホルドの第1組のレーンにガスを供給し、第2圧力源及び第2真空源はマニホルドの第2の異なる組のレーンにガスを供給する。マニホルドは、様々な組み合わせで分割され得る。幾つかの実施形態では、同じ圧力チャネル及び同じ真空圧力チャネルからガスを受け取るピペットチャネルが隣接している。真空チャネル及び圧力チャネルのための対のクロスチャネル、すなわち圧力クロスチャネル620及び真空クロスチャネル622は、本明細書に記載された他の実施形態と同じ位置であり得る。クロスチャネル620、622は、マニホルド内に配置された圧力チャネル及び真空チャネルの数または位置にかかわらず、同じ位置にあり得る。
【0114】
別の実施形態(不図示)では、マニホルドは、第2圧力チャネルから物理的及び流体的に隔離された第1圧力チャネルを含み、それらの両方が、マニホルド内の真空チャネルから物理的及び流体的に隔離されている。ピペットチャネルのバルブは、第1圧力チャネル、第2圧力チャネル及び真空チャネルに連結され、第1圧力チャネルからの第1圧力のガス、第2圧力チャネルからのより高い第2圧力のガス、または、真空下でのガス、をディスペンスヘッドに導くためにチャネル間を切り替えるように設計されている。幾つかの実施形態では、ピペットチャネルのバルブは、マニホルド内の2以上の真空チャネル間を切り替えるように設計され得る。従って、幾つかの実施形態において、ピペットチャネルのバルブは、圧力下でのガス及び/または真空下でのガスを供給する3以上のチャネル間を切り替えるように設計され得る。幾つかの実施形態では、各バルブが3つのチャネル間を切り替えることを許容するべく、ピペットチャネルは、圧力下でのガスまたは真空下でのガスを分配するために各ピペットチャネル内に2つのソレノイドバルブを含む。3つのガス源の選択肢は、2つの圧力源と1つの真空源、1つの圧力源と2つの真空源、等を含むが、これらに限定されない。2つの圧力源と2つの真空源の場合、ピペットチャネルは、圧力下でのガスまたは真空下でのガスを分配するために各ピペットチャネル内に3つのソレノイドバルブを含み得る。ピペットチャネルは、ガスを圧力下で、またはガスを真空下で分配するために、各ピペットチャネル内に3つのソレノイド弁を含むことができる。マニホルドは、2以上のピペットチャネルのバルブに圧力下でのガス及び真空下でのガスを別々に供給する別のタイプの圧力源にも連結され得る。各々が異なる圧力または異なる圧力範囲で液体をディスペンスするように独立に構成された複数のピペットチャネルが、当該マニホルドが設置されるシステムの特定の液体ディスペンス要件に基づいて選択され得てマニホルドに取り付けられ得る。
【0115】
幾つかの実施形態において、一つの利点は、速度に関連する異なる較正設定を有する2つのピペットチャネル間で選択する能力である。マニホルドは、選択された較正設定を有する1つのピペットチャネル、同じ選択された較正設定で構成された複数のピペットチャネル、または異なる選択された較正設定で構成された複数のピペットチャネル、を含み得る。一例として、ピペットチャネルは、高速動作などのように、別のピペットチャネルよりも速い吸引動作及びディスペンス動作のための較正を含み得る。一例として、ピペットチャネルは、別のピペットチャネルよりも低速の吸引動作及びディスペンス動作のための較正を含み得る。
【0116】
幾つかの実施形態において、一つの利点は、力に関連する異なる較正設定を有する2つのピペットチャネル間で選択する能力である。マニホルドは、選択された較正設定を有する1つのピペットチャネル、同じ選択された較正設定で構成された複数のピペットチャネル、または異なる選択された較正設定で構成された複数のピペットチャネル、を含み得る。一例として、ピペットチャネルは、同じマニホルドに取り付けられた別のピペットチャネルよりも大きな力でピペットチップに係合ないし係合解除するように較正され得る。非限定的な一実施形態において、1または複数のサンプルと相互作用する第1ピペットチャネルは、サンプルチューブ内のスワブによるチップアダプタからのピペットチップの不注意な離脱を防止するために、より大きな力で当該ピペットチップに係合するように構成される。別の非限定的な例において、試薬チューブ内の試薬と相互作用する第2ピペットチャネルは、当該第2ピペットチャネルがピペットチップを不注意に係合解除させ得る、サンプルスワブのような、試薬チューブ内の対象物と相互作用することがないため、第1ピペットチャネルよりも小さな力でピペットチップと係合するよう構成される。
【0117】
幾つかの実施形態において、一つの利点は、異なる形態を有する2つのピペットチャネル間で選択する能力である。一例として、2つのピペットチップは、異なるサイズのピペットチップアダプタに関連する異なる形態を有することができる。マニホルドは、選択された較正設定を有する1つのピペットチャネル、同じ選択された較正設定で構成された複数のピペットチャネル、または異なる選択された較正設定で構成された複数のピペットチャネル、を含み得る。幾つかの実施形態では、2つのピペットチャネルは、異なるチップアダプタを含み得る。一例として、ピペットチャネルは、別のピペットチャネルより、より大きなピペットチップのためのより大きなチップアダプタを含み得る。別の例として、ピペットチャネルは、別のより低コストのピペットチャネルより、より多くの特徴を含み得る。別の例として、2つのピペットチャネルは、例えば、図35に示すように、ピペットモジュールの異なる形態を有することができ、ピペットモジュール320は、液体ディスペンサ300のX軸に沿って、ピペットチャネル310の側部316に隣接して取り付けられ得る。
【0118】
幾つかの実施形態において、一つの利点は、限定されるものではないが例えば異なる較正設定や形態などの、異なる特徴を有する2つ以上のピペットチャネルを受け入れるように構成された液体ディスペンサを設計する能力である。幾つかの実施形態では、2つ以上の異なるピペットチャネルは、マニホルドの電気コネクタと嵌合するように設計された同一の形態の電気コネクタを有し得る。幾つかの実施形態では、2つ以上の異なるピペットチャネルは、1または複数の異なる寸法(例えば、高さ、厚さ、幅)を有し得る。幾つかの実施形態では、2つ以上の異なるピペットチャネルは、異なるモジュールを有し得る。幾つかの実施形態では、2つ以上の異なるピペットチャネルは、異なるサイズのピペットチップを受け入れることができる。幾つかの実施形態では、2つ以上の異なるピペットチャネルは、異なるチップアダプタを有し得る。幾つかの実施形態では、2つ以上の異なるピペットチャネルは、限定されるものではないが例えば異なる量(体積)の流体をディスペンスするよう較正される、または、異なる圧力で流体をディスペンスするよう較正される等、異なる態様で流体をディスペンスするよう較正され得る。幾つかの実施形態では、2つ以上の異なるピペットチャネルは、マニホルドの任意のレーン上で受け入れられるように構成され得る。
【0119】
幾つかの実施形態において、一つの利点は、2つ以上の異なるレーンを含み、各レーンが同一であるピペットチャネルを受け入れるように構成される、というマニホルドを設計する能力である。幾つかの実施形態では、2つ以上の異なるレーンは、当該レーン内で同一形態の電気コネクタを有し得る。幾つかの実施形態では、2つ以上の異なるレーンは、同一形態の空気接続を有し得る。幾つかの実施形態では、2つ以上の異なるレーンは、1または複数の異なる寸法(例えば、高さ、厚さ、幅)を有し得る。幾つかの実施形態において、一つの利点は、2つ以上の異なるレーンを含み、各レーンは他のレーンに取り付けられるピペットチャネルとは異なるピペットチャネルを受け入れるように構成される、というマニホルドを設計する能力である。
【0120】
幾つかの実施形態において、一つの利点は、異なるマニホルドを有する2つ以上の異なる液体ディスペンサを含むシステムを設計する能力である。異なるマニホルドは、共通する特定の特徴と異なる特定の特徴とを有し得る。一例では、2つ以上の異なるマニホルドの各々の1つのレーンが、当該レーン内に同一形態の電気コネクタを有し得る。別の例では、2つ以上の異なるマニホルドの各々の1つのレーンが、同一形態の空気接続を有し得る。幾つかの実施形態では、同じシステム内の2つ以上の異なるマニホルドの各々の1つのレーンが、1つ以上の異なる寸法(例えば、高さ、厚さ、幅)を有し得る。
【0121】
幾つかの実施形態において、一つの利点は、特定数のピペットチャネルを受け入れるように構成されたマニホルドを設計する能力である。一実施形態では、液体ディスペンサは、1つのピペットチャネルを含み得るが、2つ以上のピペットチャネルを含むように構成され得る。別の実施形態では、液体ディスペンサは、1つのピペットチャネルのみを含むように構成され得る。別の実施形態では、液体ディスペンサは、3つのピペットチャネルを含み得るが、4つ以上のピペットチャネルを含むように構成され得る。別の実施形態では、液体ディスペンサは、3つのピペットチャネルのみを含むように構成さ得る。更に別の実施形態では、液体ディスペンサは、5つのピペットチャネルを含み得るが、6つ以上のピペットチャネルを含むように構成され得る。別の実施形態では、液体ディスペンサは、5つのピペットチャネルのみを含むように構成され得る。
【0122】
幾つかの実施形態において、一つの利点は、ピペットチャネル内のバルブによってガスの流れを制御する能力である。図示の実施形態では、ピペットチャネルは、個別に起動可能なソレノイドバルブを含む。幾つかの実施形態では、ソレノイドバルブは、低圧ソレノイドバルブである。幾つかの実施形態では、ソレノイドバルブの定格は、30psi未満である。幾つかの実施形態では、ソレノイドバルブの定格は、20psi未満である。幾つかの実施形態では、ソレノイドバルブの定格は、10psi未満である。幾つかの実施形態では、ソレノイドバルブの定格は、5~10psiである。幾つかの実施形態では、ソレノイドバルブの定格は、1~15psiである。幾つかの実施形態では、ソレノイドバルブの定格は、1~20psiである。幾つかの実施形態では、ソレノイドバルブは、低圧用途に最適化されている。幾つかの実施形態では、ソレノイドバルブは、ダイヤフラムシールを含む。幾つかの実施形態では、ソレノイドバルブは、可撓性シールを含む。図示された実施形態では、ソレノイドバルブは、ピペットチャネルのハウジング内に配置されている。ソレノイドバルブは、マニホルドからピペットチャネルのモジュールまでのガスの流れを制御するように構成される。ソレノイドバルブは、真空と圧力との間のセレクタとして作用する。
【0123】
幾つかの実施形態において、一つの利点は、ピペットチャネル内の吸引動作及びディスペンス動作を制御する能力である。幾つかの実施形態において、ピペットチャネルのモジュールは、吸引動作及びディスペンス動作を制御するように構成された第2バルブを含み得る。第2バルブは、ピペットチャネルのソレノイドバルブからの圧力及び真空を利用して、吸引動作またはディスペンス動作を制御する。有利には、本明細書に記載された幾つかのシステムでは、単一のマニホルドに取り付けられた各モジュールが、圧力への同時のアクセスを有する。本明細書に記載された幾つかのシステムでは、搭載された各モジュールは、真空への同時のアクセスを有する。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルは、モジュールを当該ピペットチャネルのソレノイドバルブに接続する独立したエアライン含む。本明細書に記載のエアラインは、限定されるものではないが例えば大気または窒素などの任意の適切なガスを受け入れることができる。図示の実施形態では、モジュールをソレノイドバルブに接続する独立したラインが、ピペットチャネルのハウジング内に封入されている。幾つかの実施形態では、独立したラインが、マニホルドからモジュールまで圧力及び真空の両方を供給する。
【0124】
幾つかの実施形態において、一つの利点は、各モジュールがマニホルドへの独立した結合を含むという点である。図示の実施形態では、各ピペットチャネルが、単一のモジュールを含む。図示の実施形態では、各モジュールが、マニホルドの単一のレーンに結合される。本明細書で説明されるように、各レーンは、モジュールのための独立した電気的接続を含み得る。本明細書で説明されるように、各レーンは、モジュールのための独立した空気接続を含み得る。
【0125】
幾つかの実施形態において、一つの利点は、特定のプロセスに合わせて調整され得るシステムを有する能力である。本明細書に記載のシステムは、実験室の要求に合わせて調整され得る。一例として、システムは、使用される液体ディスペンサの数に基づいて調整され得る。幾つかの実施形態では、システムは、1つの液体ディスペンサ、2つの液体ディスペンサ、3つの液体ディスペンサ、4つの液体ディスペンサ、5つの液体ディスペンサ、6つの液体ディスペンサ、7つの液体ディスペンサ、8つの液体ディスペンサ、9つの液体ディスペンサ、10の液体ディスペンサ、等を含み得る。幾つかの実施形態では、各液体ディスペンサが、単一のマニホルドを含む。幾つかの実施形態では、各マニホルドが、1または複数のピペットチャネルを含む。幾つかの実施形態では、各ピペットチャネルが、単一のピペットモジュールを含む。
【0126】
本明細書に記載のシステムは、有利には、液体ディスペンサの数及びピペットチャネルの数を選択するユーザによって設計され得る。システムの2つの液体ディスペンサが、同一数のピペットチャネルを有し得る(例えば、各々が1つのピペットチャネルを有する2つの液体ディスペンサを含むシステム、各々が2つのピペットチャネルを有する2つの液体ディスペンサを含むシステム、各々が3つのピペットチャネルを有する2つの液体ディスペンサを含むシステム、各々が4つのピペットチャネルを有する2つの液体ディスペンサを含むシステム、または、各々が5つのピペットチャネルを有する2つの液体ディスペンサを含むシステム、など)。システムの2つの液体ディスペンサが、異なる数のピペットチャネルを有し得る(例えば、2つのピペットチャネル、3つのピペットチャネル、4つのピペットチャネルまたは5つのピペットチャネルを有する液体ディスペンサと組み合わせての1つのピペットチャネルを有する液体ディスペンサを含むシステム、3つのピペットチャネル、4つのピペットチャネルまたは5つのピペットチャネルを有する液体ディスペンサと組み合わせての2つのピペットチャネルを有する液体ディスペンサを含むシステムと、4つのピペットチャネルまたは5つのピペットチャネルを有する液体ディスペンサと組み合わせての3つのピペットチャネルを有する液体ディスペンサを含むシステム、または、5つのピペットチャネルを有する液体ディスペンサと組み合わせての4つのピペットチャネルを有する液体ディスペンサを含むシステム、など)。
【0127】
幾つかの実施形態において、一つの利点は、システムの2つ以上の液体ディスペンサに同一の機能を実行させる能力である。幾つかの使用方法では、システムの2つ以上の液体ディスペンサがプロセッサから指示(命令)を受け取ることができる。システムの2つ以上の液体ディスペンサは、同一の方法を実行するために同一の指示(命令)を受け取ることができる。一例として、2つ以上の液体ディスペンサは、同じ運動パターンで移動可能である。一例として、2つ以上の液体ディスペンサは、同一の時間に亘って同一の方法を実行可能である。一例として、2つ以上の液体ディスペンサの1または複数のピペットチャネルは、同一の吸引動作及びディスペンス動作を実行可能である。
【0128】
幾つかの実施形態において、一つの利点は、システムの2つ以上の液体ディスペンサに異なる機能を実行させる能力である。システムの2つ以上の液体ディスペンサは、プロセッサから指示(命令)を受け取ることができる。システムの2つ以上の液体ディスペンサは、異なる方法を実行するために異なる指示(命令)を受け取ることができる。一例として、システムの1つの液体ディスペンサが、サンプルチューブに含まれる1または複数の患者の1または複数の生体サンプルと相互作用し得る。システムの別の液体ディスペンサが、試薬チューブに含まれる1または複数の試薬と相互作用し得る。システムの2つ以上の液体ディスペンサは、本明細書で説明されるように、異なる較正設定を含み得る。一例として、1または複数の生体サンプルと相互作用するシステムの液体ディスペンサは、1または複数の試薬と相互作用するシステムの液体ディスペンサよりも、ピペットチップと係合及び係合解除するためにより大きな力を必要とするように較正され得る。利点は、当該より大きな力が、サンプルチューブ内のスワブ(綿棒)によってピペットチップが係合解除してしまうこと(頻度)を減少させ得ることである。幾つかの実施形態では、1または複数の生体サンプルと相互作用するピペットチャネルは、チップアダプタに対してピペットチップを係合または係合解除するために少なくとも5ポンドの力を必要とし得る。幾つかの実施形態では、1または複数の生体サンプルと相互作用するピペットチャネルは、チップアダプタに対してピペットチップを係合または係合解除するために少なくとも10ポンドの力を必要とし得る。幾つかの実施形態では、試薬チューブに含まれる1または複数の試薬と相互作用するピペットチャネルは、チップアダプタに対してピペットチップを係合または係合解除するために5ポンド未満の力を必要とし得る。幾つかの実施形態では、試薬チューブに含まれる1または複数の試薬と相互作用するピペットチャネルは、チップアダプタに対してピペットチップを係合または係合解除するために10ポンド未満の力を必要とし得る。
【0129】
本明細書に記載の液体ディスペンサは、有利には、特定のプロセスに合わせて調整され得る。幾つかの実施形態では、マニホルドに結合された2つのピペットチャネルが、類似または同一である。一例として、液体ディスペンサの2つ以上のピペットチャネルは、(同一の)機能を実行可能である(例えば、両方のピペットチャネルが、サンプルチューブ内の1または複数のサンプルと相互作用し、両方のピペットチャネルが、試薬チューブ内の1または複数の試薬と相互作用する)。別の例として、液体ディスペンサの2つ以上のピペットチャネルが、同一の形状または形態を有し得る。更なる例として、液体ディスペンサの2つ以上のピペットチャネルが、同一の較正設定を有し得る。
【0130】
幾つかの実施形態において、マニホルドに結合された2つのピペットチャネルが、異なる特徴を有する。一例として、液体ディスペンサの2つ以上のピペットチャネルは、異なる機能を実行可能である(例えば、一つのピペットチャネルがサンプルチューブ内の1または複数のサンプルと相互作用し、同一のマニホルドに結合された(他の)一つのピペットチャネルが試薬チューブ内の1または複数の試薬と相互作用する)。別の例として、液体ディスペンサの2つ以上のピペットチャネルは、異なる較正設定で構成され得る。サンプルチューブ内の1または複数の生体サンプルと相互作用するピペットチャネルは、試薬チューブ内の1または複数の試薬と相互作用する液体ディスペンサのピペットチャネルより、より大きな力でピペットチップに対して係合及び係合解除するように較正され得る。更なる例として、液体ディスペンサの2つ以上のピペットチャネルは、異なる形状または形態を有し得る。更に別の例として、液体ディスペンサは、混合目的のピペットチャネルを有し得る。
【0131】
本明細書で説明されるシステムのプロセッサは、ピペットチャネル及びレーンに関連する指示(命令)を送信可能である。幾つかの実施形態では、プロセッサは、マニホルドの別のレーンに送られた指示(命令)とは独立に、各レーン及び当該レーンに結合されたコンポーネントに指示(命令)を送信する。幾つかの実施形態では、プロセッサは、2つ以上のレーン及び当該2つ以上のレーンに結合されたコンポーネントに、同時に指示(命令)を送信する。幾つかの実施形態では、システムは、マニホルドに取り付けられた各ピペットチャネルの識別を必要とし得る。幾つかの実施形態では、システムは、マニホルドに取り付けられた各ピペットチャネル及び各ピペットチャネルが取り付けられている対応レーンの識別を必要とし得る。
【0132】
幾つかの実施形態では、プロセッサは、サンプルをある容器から別の容器に移すように、マニホルドに結合された1または複数のピペットチャネルを案内する指示(命令)を送る。幾つかの実施形態では、指示(命令)は、試薬をある容器から別の容器に移すように、液体ディスペンサの1または複数のピペットチャネルのうちの一つのピペットチャネルを用いる。指示(命令)は、以下のような指示(命令)を含み得る、すなわち、サンプル容器から試薬ホルダにサンプルを移すようにピペットチャネルを使用する指示(命令)、サンプル容器からマイクロ流体ネットワークにサンプルを移すようにピペットチャネルを使用する指示(命令)、サンプル容器から1または複数の追加の容器にサンプルを案内するようにピペットチャネルを使用する指示(命令)、ピペットチップをサンプルに接触させる指示(命令)、ピペットチップを試薬に接触させる指示(命令)、ピペットチップを容器内に配置する指示(命令)、使用済みのピペットチップを外すか廃棄して未使用のピペットチップを係合させる指示(命令)、を含み得る。様々な実施形態において、コンピュータプログラム製品が、1または複数の液体ディスペンサを動作するためのコンピュータ可読命令を含む。幾つかの実施形態において、コンピュータプログラム製品が、様々な吸引動作及びディスペンス動作をシステムに実行させるためのコンピュータ可読命令を含む。
【0133】
本明細書に記載の液体ディスペンサは、マニホルドに結合されたピペットチャネルを認識可能である。幾つかの実施形態において、一つの利点は、マニホルドに結合されたピペットチャネルの検証及び認証を行う液体ディスペンサの能力である。幾つかの実施形態において、一つの利点は、検証及び認証プロセス中に得られる情報に基づいて、2つ以上のピペットチャネルのうちの単一のピペットチャネルに命令を導く液体ディスペンサの能力である。幾つかの実施形態では、一つの利点は、マニホルドのどのレーンにピペットチャネルが取り付けられているか、を認識する液体ディスペンサの能力である。幾つかの実施形態において、一つの利点は、どのレーンにピペットチャネルが搭載されているかに関する情報に基づいて、2つ以上のレーンのうちの一つのレーンに命令を導く液体ディスペンサの能力である。
【0134】
本明細書に記載の液体ディスペンサは、有利には、機械停止時間を短縮する。停止時間(ダウンタイム)は、システムにおいて、動作の停止と電源の遮断とを要求し得る。システムは、限定されないが例えば、液体ディスペンサ(または液体ディスペンサの構成要素)が適切に動作していないとか、定期的メンテナンスとか、マニホルドに取り付けられていたピペットチャネルを異なる特徴を有する(別の)ピペットチャネルに変更するとか、マニホルドに既に取り付けられていたピペットチャネルの較正設定を変更するとか、等の理由のために、電源遮断され得る。一例として、本明細書に記載された液体ディスペンサの1つのピペットチャネルを交換することは、1分未満で済む可能性がある。幾つかの使用方法では、液体ディスペンサの1つのピペットチャネルを交換することは、5分未満で済む可能性がある。幾つかの使用方法では、液体ディスペンサの1つのピペットチャネルを交換することは、3分未満で済む可能性がある。対照的に、従来の液体ディスペンサのディスペンスヘッドの交換は、空気接続部の接続及び切断、電気接続部の接続及び切断、並びに/または、ハードウェア接続部の接続及び切断、を含み得る。伝統的な液体ディスペンサのディスペンスヘッドの交換は、1時間以上かかる。すなわち、(本発明の幾つかの実施形態の)一つの利点は、機械停止時間が95%以上短縮されることである。幾つかの実施形態では、本明細書に記載の液体ディスペンサは、1日に24時間、1週間に7日、稼働可能であるように構成される。幾つかの実施形態では、本明細書に記載の液体ディスペンサは、1日にほぼ24時間、1週間に7日、稼働可能するように、迅速に修繕されるように構成される。
【0135】
幾つかの実施形態において、1つのピペットチャネルを交換する方法は、1または複数の締結具を緩める工程を含み得る。幾つかの実施形態では、締結具は、2本のネジである。幾つかの実施形態では、2本のネジは、捕捉的(captive)ネジである。一つの利点は、ネジがピペットチャネルと共に残存することで、当該ネジの紛失を防止できることである。一つの利点は、ネジがピペットチャネルと共に残存することで、誤ったハードウェアの使用を防げることである。一つの利点は、捕捉的ネジが、ピペットチャネルが交換され得る速度を高めることである。幾つかの実施形態では、1つのピペットチャネルを交換する方法は、当該ピペットチャネルをマニホルドから引き離す工程を含み得る。幾つかの実施形態では、1つのピペットチャネルを交換する方法は、当該ピペットチャネルの1または複数のペグをマニホルドから係合解除する工程を含み得る。
【0136】
幾つかの実施形態では、1つのピペットチャネルを交換する方法は、交換用ピペットチャネルの1または複数のペグをマニホルドに整列させる工程を含み得る。幾つかの実施形態では、1または複数のペグは、2つのペグを含む。幾つかの実施形態では、1または複数のペグは、マニホルド内の対応する開口と係合する。幾つかの実施形態では、交換用ピペットチャネルの1または複数のペグを整列させることによって、ピペットチャネルの1または複数の電気コネクタがマニホルドの1または複数の電気コネクタと整列される。幾つかの実施形態では、1または複数のペグは、ピペットチャネルの電気コネクタを超えて、y軸方向に延在する。一例として、図47参照。一つの利点は、ピペットチャネルの電気コネクタがマニホルドに係合する前に、ピペットチャネルのペグがマニホルドに係合することである。一つの利点は、1または複数のペグが、電気コネクタへの損傷を防ぐという点である。幾つかの実施形態では、交換用ピペットチャネルの1または複数のペグを整列させることによって、ピペットチャネルの1または複数の空気接続部がマニホルドと整列される。幾つかの実施形態では、交換用ピペットチャネルの1または複数のペグを整列させることによって、マニホルドの圧力チャネルがピペットチャネルの圧力クロスチャネル内に整列される。幾つかの実施形態では、交換用ピペットチャネルの1または複数のペグを整列させることによって、マニホルドの真空チャネルがピペットチャネルの真空クロスチャネル内に整列される。幾つかの実施形態では、1つのピペットチャネルを交換する方法は、当該ピペットチャネルをマニホルドに向けて押す工程を含み得る。幾つかの実施形態では、1つのピペットチャネルを交換する方法は、2本のネジをねじ込む工程を含み得る。幾つかの実施形態では、2本のネジをねじ込む工程は、2つ以上のOリングを圧縮する工程をも含む。一つの利点は、Oリングが、マニホルドの圧力チャネルとピペットチャネルの圧力クロスチャネルとの間のシールを増大させることである。一つの利点は、Oリングが、マニホルドの真空チャネルとピペットチャネルの真空クロスチャネルとの間のシールを増大させることである。
【0137】
本明細書に記載された液体ディスペンサの実施形態は、有利には、当該レーンが使用されていない時に、マニホルドの1つのレーン内の特徴部がブロックされることを許容する。幾つかの実施形態では、ピペットチャネルが当該レーン内に取り付けられていない時、ブランキングプレートがマニホルドの当該レーン内に設置され得て、当該レーン内の特徴部をブロックまたはシールし得る。ブランキングプレートは、1または複数のペグを含み得る。ブランキングプレートは、1または複数のネジを含み得る。ブランキングプレートは、レーンの空気接続部を覆うことができ、それによって当該空気接続部を閉鎖または密閉し得る。ブランキングプレートは、レーンの1または複数の電気コネクタを覆うことができる。一つの利点は、ブランキングプレートによって、使用されていない時のレーン内の特徴部に対する損傷を防ぐことができるという点である。幾つかの使用方法では、ブランキングプレートが試作用途のために設置される。幾つかの使用方法では、ブランキングプレートがトラブルシューティングのために設置される。幾つかの使用方法では、マニホルドの他のレーンが稼働しているか否かを判定するためにブランキングプレートが設置され得る。幾つかの使用方法では、レーンを隔離するために、1または複数のブランキングプレートが設置され得る。
【0138】
本明細書に記載のシステムは、液体ディスペンサが容易かつ迅速に再構成されることを可能にする。一例として、1または複数のピペットチャネルが動作不能になった場合に、液体ディスペンサは再構成され得る。幾つかの実施形態では、1または複数のピペットチャネルが一つのブランキングプレートで置換され得る。ブランキングプレートは、マニホルドの圧力チャネルからの圧力の損失を制限し得る。ブランキングプレートは、マニホルドの真空チャネルからの真空度の損失を制限し得る。ブランキングプレートは、1または複数の残りのピペットチャネルを有する液体ディスペンサの動作を可能にすることができる。
【0139】
幾つかの実施形態において、一つの利点は、マニホルドに対して残りのピペットチャネルを再配列する能力である。幾つかの実施形態では、2つ以上のピペットチャネルが異なる機能を実行する。一つの利点は、ユーザが、ある機能を実行するピペットチャネルを取り外し得て、当該ピペットチャネルをブランキングプレートで置換し得る点である。一つの利点は、ユーザが、第2の異なる機能を実行するために、第1機能を実行するピペットチャネルをマニホルドの別の位置、例えば別のレーン、に移動し得る点である。
【0140】
本明細書に記載のピペットチャネルの幾つかの実施形態では、Oリングが捕捉的(captive)である。一つの利点は、Oリングがピペットチャンネルと共に残存することで、当該Oリングの紛失を防止できることである。別の利点は、Oリングがピペットチャネルと共に残存することで、誤った寸法のOリングの使用を妨げることである。補足的Oリングは、ピペットチャネルが交換され得る速度を高めることができる。幾つかの実施形態では、ピペットチャネルは、鳩尾形のOリング溝を含む。幾つかの実施形態では、Oリング溝の開口は、Oリングよりも直径が小さい。幾つかの実施形態では、Oリング溝の開口部は、1または複数のテーパ状突起を含み、それは、Oリングが当該Oリング溝内に入ると、より大きな直径の当該Oリングと嵌合する(噛み合う)。
【0141】
本明細書に記載のシステムは、ピペットチャネルとマニホルドとの間の電気コネクタの誤った接続の可能性を実質的に低減し、電気コネクタの損傷のリスクを低減する。図示された実施形態では、ピペットチャネルの電気コネクタは、ピペットチャネルのペグが整列される時に、マニホルドの電気コネクタと自動的に整列される。
【0142】
幾つかの実施形態において、一つの利点は、ピペットチャネルを電源に誤って接続する可能性を実質的に低減する能力である。図示の実施形態では、マニホルドは、1または複数の外部供給源(例えば、イーサネット(登録商標)コネクタ、電源コネクタ、ピペット通信コネクタ)に接続される。図示の実施形態では、1または複数のピペットチャネルが、マニホルドを介して外部供給源に接続される。図示の実施形態では、マニホルドは、これらの接続部をピペットチャネルの各々に分配するための内部システムを含む。対照的に、伝統的な液体ディスペンサは、各ディスペンスヘッドまたはピペットのために別個の電源を含み得る。例えば、5つのピペッターを有する伝統的な液体ディスペンサは、5つ以上の別個の電源を有し得る。設置または修繕中に、これらの別個の電源は、誤ったピペッターに接続され得るし、いずれのピペッターにも接続されない可能性もある。(本発明の幾つかの実施形態の)一つの利点は、1または複数のピペットチャネルに電源を誤って接続する可能性を低減することである。
【0143】
幾つかの実施形態において、一つの利点は、ピペットチャネルとマニホルドとの間の空気接続部を誤って接続する可能性を実質的に低減する能力である。図示の実施形態では、ピペットチャネルのペグが整列される時、ピペットチャネルの空気接続部がマニホルドと自動的に整列される。図示の実施形態では、ピペットチャネルのペグが整列される時、ピペットチャネルの圧力クロスチャネルがマニホルドの圧力チャネルと自動的に整列される。図示の実施形態では、ピペットチャネルのペグが整列される時、ピペットチャネルの真空クロスチャネルがマニホルドの真空チャネルと自動的に整列される。
【0144】
幾つかの実施形態において、一つの利点は、空気圧源を誤って接続する可能性を実質的に低減する能力である。図示の実施形態では、マニホルドは、(例えば、入口圧力ポート及び入口真空ポートを介して)1または複数の外部ガス源に接続される。図示の実施形態では、1または複数のピペットチャネルが、マニホルドを介して圧力及び真空に接続される。図示の実施形態では、マニホルドは、ピペットチャネルの各々に圧力及び真空を分配するためのチャネルの内部システムを含む。対照的に、伝統的な液体ディスペンサは、各ディスペンスヘッドまたはピペッターのために独立して接続された別個の空気圧源を含み得る。例えば、5つのピペッターを有する伝統的な液体ディスペンサは、5つの別個の圧力源及び/または5つの別個の真空源を有し得る。設置または修繕中に、これらの別個の空気圧源は、誤ったピペッターに接続され得るし、いずれのピペッターにも接続されない可能性もある。(本発明の幾つかの実施形態の)一つの利点は、1または複数のピペットチャネルに空気圧源を誤って接続する可能性を低減することである。
【0145】
本明細書に記載のシステムは、有利には、組み立てられたモジュー式ピペットチャネルがエンドユーザに供給されることを許容する。図示の実施形態では、ピペットチャネルは、圧力下でのガスまたは真空下でのガスのいずれがピペットチャネルのモジュールに供給されるか、を制御するソレノイドバルブを封入している。図示の実施形態では、ピペットチャネルは、モジュール内の吸引動作及びディスペンス動作を制御するために、ソレノイドバルブのような二次バルブを封入している。幾つかの実施形態において、一つの利点は、組み立てられたモジュー式ピペットチャネルを製造業者に戻す能力である。有利には、本明細書に記載のシステムは、マニホルドから離された機能不全または動作不能なピペットチャネルをトラブルシューティングする能力を含む。幾つかの場合には、マニホルドから取り外されたピペットチャネルにトラブルシューティングが行われ、マニホルドに取り付けられた残りのピペットチャネルは吸引動作及びディスペンス動作を継続する。一つの非限定的な例では、機能不全または動作不能なピペットチャネルが、1分以内にマニホルドから取り外され、新しいピペットチャネル(またはブランキングプレート)が1分以内に当該マニホルドの空にされたレーンに設置され得る。従って、本明細書に記載のシステムの幾つかの実施形態では、液体ディスペンサは、機能不全または動作不能なピペットチャネルを交換するために、2分以下のダウンタイムを経験(実現)することができる。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34A
図34B
図34C
図34D
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
図58
図59
図60
図61
図62
図63
図64
図65A
図65B
【手続補正書】
【提出日】2024-05-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空チャネルと、圧力チャネルと、複数のレーンと、を含むマニホルドと、
1または複数のピペットチャネルと、
を備え、
各レーンは、電気コネクタと、前記圧力チャネルへのポートと、前記真空チャネルへのポートと、を含み、
各ピペットチャネルは、単一のディスペンスヘッドを含むと共に、前記複数のレーンの内のいずれか1つのレーンの前記電気コネクタ、前記圧力ポート及び前記真空ポートに結合するように構成されており、
各ピペットチャネルは、当該ピペットチャネルが前記マニホルドに結合される時に前記マニホルドに対して移動しない第1部分と、当該ピペットチャネルが前記マニホルドに結合される時に前記マニホルドに対して移動する第2部分と、を含んでおり、
バルブが、前記第1部分内に包囲されており、
前記ディスペンスヘッドは、前記第2部分に結合されており、
前記バルブと前記ディスペンスヘッドとを接続するチューブが、前記第2部分が前記第1部分に対して移動する時、前記第1部分内で移動するように構成されている
ことを特徴とする流体ディスペンサ。
【請求項2】
前記バルブは、前記圧力ポート及び前記真空ポートからの圧力下でのガス及び真空下でのガスを、それぞれ前記単一のディスペンスヘッドに選択的に分配するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項3】
前記1または複数のピペットチャネルの各々が、前記複数のレーンのうちの1つのレーンに結合されており、
各ピペットチャネルについて、前記バルブの動作は、当該ピペットチャネルが結合されている1つのレーンの電気コネクタを介して当該バルブに伝達される信号によって、独立に制御される
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項4】
各ピペットチャネルは、対応する電気コネクタと、対応する圧力ポートと、対応する真空ポートと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項5】
各ピペットチャネルの前記対応する電気コネクタ、前記対応する圧力ポート及び前記対応する真空ポートは、それぞれ、前記複数のレーンのうちのいずれか1つのレーンの前記電気コネクタ、前記圧力ポート及び前記真空ポートに結合するように構成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の流体ディスペンサ。
【請求項6】
前記1または複数のピペットチャネルの前記対応する電気コネクタ、前記対応する圧力ポート及び前記対応する真空ポートは、当該1または複数のピペットチャネルの前記電気コネクタ、前記圧力ポート及び前記真空ポートが前記マニホルドに結合される時、当該マニホルドに対して移動しない
ことを特徴とする請求項4に記載の流体ディスペンサ。
【請求項7】
前記1または複数のピペットチャネルの前記単一のディスペンスヘッドは、当該1または複数のピペットチャネルが前記マニホルドに結合される時、当該マニホルドに対して移動する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項8】
複数のピペットチャネルを備え、
前記複数のレーンの各レーンは、前記複数のピペットチャネルのうちのいずれか1つのピペットチャネルに結合するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項9】
前記圧力チャネル及び前記真空チャネルは、前記マニホルド内で互いに物理的及び流体的に隔離されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項10】
前記マニホルドは、単一の圧力チャネルおよび単一の真空チャネルを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項11】
各ピペットチャネルは、前記複数のレーンのうちのいずれか1つのレーンの前記電気コネクタ、前記圧力ポート及び前記真空ポートに選択的に結合および結合解除するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項12】
前記複数のレーンの各レーンの長手方向軸が、前記圧力チャネルを横断するように配向されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項13】
前記複数のレーンの各レーンの長手方向軸が、前記真空チャネルを横断するように配向されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項14】
前記1または複数のピペットチャネルは、複数のピペットチャネルを含み、
前記複数のピペットチャネルのうちの少なくとも1つのピペットチャネルは、前記複数のレーンのうちの1つのレーンに結合されており、
前記複数のピペットチャネルのうちの少なくとも1つのレーンが、前記複数のピペットチャネルのピペットチャネルに結合されていない
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項15】
前記複数のピペットチャネルのピペットチャネルに結合されていない前記少なくとも1つのレーンの前記圧力ポート及び前記真空ポートをシールするように構成されたカバー
を更に備えたことを特徴とする請求項14に記載の流体ディスペンサ。
【請求項16】
1つのみのピペットチャネルを含み、
前記ピペットチャネルは、前記複数のレーンの1つのレーンに結合され、
前記複数のレーンの残りのレーンの各々は、ピペットチャネルに結合されない
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項17】
各レーンは、前記圧力チャネルに対する単一のポートと、前記真空チャネルに対する単一のポートと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項18】
前記複数のレーンの第1レーンに連結された第1ピペットチャネルと、前記複数のレーンの第2レーンに連結された第2ピペットチャネルと、を含み、
前記第1ピペットチャネルの前記単一のディスペンスヘッドは、前記第2ピペットチャネルの前記単一のディスペンスヘッドが流体をディスペンスするのと同時に、流体を吸引する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項19】
前記1または複数のピペットチャネルは、吸引動作及びディスペンス動作の間のディスペンスヘッド内のガスの圧力に関連する異なる較正設定を有する2つのピペットチャネルを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項20】
前記1または複数のピペットチャネルは、吸引動作及びディスペンス動作の間の吸引及びディスペンスされる流体の量に関連する異なる較正設定を有する2つのピペットチャネルを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項21】
前記1または複数のピペットチャネルは、吸引動作及びディスペンス動作の速度に関連する異なる較正設定を有する2つのピペットチャネルを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項22】
前記1または複数のピペットチャネルは、複数のピペットチャネルを含み、
前記複数のピペットチャネルの少なくとも2つは、同一である
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項23】
前記1または複数のピペットチャネルは、複数のピペットチャネルを含み、
前記複数のピペットチャネルの少なくとも2つは、異なっている
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項24】
前記少なくとも2つの異なるピペットチャネルは、1または複数の異なる寸法を有する
ことを特徴とする請求項23に記載の流体ディスペンサ。
【請求項25】
各ピペットチャネルは、各ピペットチャネル内のガスの流れを制御するように動作可能な前記バルブを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項26】
各ピペットチャネルは、当該ピペットチャネルの単一のディスペンスヘッドの吸引動作及びディスペンス動作を制御するように動作可能なバルブを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項27】
前記1または複数のピペットチャネルの各々は、前記マニホルドに選択的かつ独立して結合される
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項28】
前記圧力チャネルは、入口圧力ポートで終わる第1端部及び第2端部を有しており、
前記入口圧力ポートは、圧力下でのガスの外部源に接続されており、
前記真空チャネルは、入口真空ポートで終わる第1端部及び第2端部を有しており、
前記入口真空ポートは、真空下でのガスの外部源に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項29】
前記マニホルドは、圧力下でのガス、及び、真空下でのガスを、それぞれ、前記入口圧力ポート及び前記入口真空ポートを介して受け入れるだけである
ことを特徴とする請求項28に記載の流体ディスペンサ。
【請求項30】
前記複数のレーンの各レーンの前記電気コネクタは、前記マニホルドから1つのピペットチャネルに電気信号を伝達するように構成されており、
各ピペットチャネルは、前記マニホルドに結合される時、前記マニホルドから伝達される前記電気信号によって前記マニホルドに結合された他のピペットチャネルから独立して電力供給されるように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項31】
前記1または複数のピペットチャネルの各々が、前記マニホルドに結合され、
前記1または複数のピペットチャネルの各々は、それぞれのピペットチャネルが結合されるレーンの前記電気コネクタを介して制御信号及び電気信号を受信するだけである
ことを特徴とする請求項30に記載の流体ディスペンサ。
【請求項32】
少なくとも1つのピペットチャネルが、更に、磁気ブレーキを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項33】
前記少なくとも1つのピペットチャネルの前記磁気ブレーキは、電気信号の喪失の際に、前記少なくとも1つのピペットチャネルの単一のディスペンスヘッドの自由落下を低減するように構成されている
ことを特徴とする請求項32に記載の流体ディスペンサ。
【請求項34】
少なくとも1つのピペットチャネルは、更に、前記マニホルドに対して垂直方向に当該少なくとも1つのピペットチャネルの単一のディスペンスヘッドを移動させるように構成されたボールネジを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項35】
前記少なくとも1つのピペットチャネルは、更に、前記ボールネジのミスアライメントを低減するように構成されたカップリングを有する
ことを特徴とする請求項34に記載の流体ディスペンサ。
【請求項36】
前記マニホルドに結合された複数のピペットチャネルを含み、
前記圧力チャネルは、同じ圧力で前記マニホルドに結合された全てのピペットチャネルに圧力下でのガスを提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項37】
前記マニホルドに結合された複数のピペットチャネルを含み、
前記真空チャネルは、同じ圧力で前記マニホルドに結合された全てのピペットチャネルに真空下でのガスを提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項38】
前記マニホルドに結合された複数のピペットチャネルを含み、
前記マニホルドは、第1セットのピペットチャネルに圧力下でのガスを提供し、同時に、第2の異なるセットのピペットチャネルに第2の異なる圧力でガスを提供するように動作可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項39】
各ピペットチャネルは、2つのネジを用いて前記マニホルドに選択的に取り付けられるように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項40】
前記2つのネジは、前記ピペットチャネルに捕捉される
ことを特徴とする請求項39に記載の流体ディスペンサ。
【請求項41】
少なくとも1つのピペットチャネルは、前記マニホルドの1または複数の開口部と整列するように構成された1または複数のペグを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項42】
前記1または複数のペグは、電気コネクタが前記ピペットチャネルと係合する前に、前記マニホルド内の前記1または複数の開口部と係合する
ことを特徴とする請求項41に記載の流体ディスペンサ。
【請求項43】
各ピペットチャネルは、各ピペットチャネルと前記マニホルドとの間にシールを提供するように構成された1または複数のOリングを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項44】
前記1または複数のOリングは、各ピペットチャネルの鳩尾形溝に捕捉される
ことを特徴とする請求項43に記載の流体ディスペンサ。
【請求項45】
前記1または複数のピペットチャネルは、前記マニホルドに結合された第1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項46】
前記第1ピペットチャネルは、ディスペンシングのための前記第2ピペットチャネルとは異なる較正設定を含む
ことを特徴とする請求項45に記載の流体ディスペンサ。
【請求項47】
前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、異なるディスペンスヘッドを有する
ことを特徴とする請求項45に記載の流体ディスペンサ。
【請求項48】
前記マニホルドの前記圧力チャネルへの1つのポート及び前記真空チャネルへの1つのポートを閉じるように構成されたブランキングプレート
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項49】
各ピペットチャネルは、真空下でのガス及び圧力下でのガスを前記真空ポート及び前記圧力ポートから前記単一のディスペンスヘッドにそれぞれ選択的に分配するように構成されたバルブを有し、
各ピペットチャネルは、更に、前記バルブで終わる第1端部と前記ディスペンスヘッドで終わる第2端部とを有するチューブを有し、
前記チューブは、前記バルブから前記ディスペンスヘッドへガスを向けるように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項50】
前記チューブは、前記バルブと前記ディスペンスヘッドとの間の唯一の空気接続部である
ことを特徴とする請求項49に記載の流体ディスペンサ。
【請求項51】
前記チューブは、前記ピペットチャネルが前記マニホルドに結合されている時、前記ディスペンスヘッドが前記マニホルドに対して垂直に移動する時に曲がるように構成されている
ことを特徴とする請求項49に記載の流体ディスペンサ。
【請求項52】
前記ピペットチャネルが前記マニホルドに結合されている時、前記バルブは前記マニホルドに対して垂直に移動せず、
前記チューブは、前記ディスペンスヘッドが前記マニホルドに対して垂直に移動する時、前記ピペットチャネルのハウジング内で曲がるように構成されている
ことを特徴とする請求項49に記載の流体ディスペンサ。
【請求項53】
前記チューブ及び前記バルブは、前記ピペットチャネルの第1ハウジング内に包囲されており、
前記ディスペンスヘッドは、第2バルブを包囲する前記ピペットチャネルの第2ハウジングに結合されている
ことを特徴とする請求項49に記載の流体ディスペンサ。
【請求項54】
前記チューブは、前記ピペットチャネルの外側ハウジング内に包囲されている
ことを特徴とする請求項49に記載の流体ディスペンサ。
【請求項55】
各ピペットチャネルは、真空下でのガス及び圧力下でのガスを前記真空ポート及び前記圧力ポートから前記単一のディスペンスヘッドにそれぞれ選択的に分配するように構成されたバルブを有し、
各ピペットチャネルは、更に、前記ピペットチャネルが前記マニホルドに結合されている時に前記ディスペンスヘッドと共に移動するように構成された第2バルブを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項56】
各第2バルブの動作は、前記マニホルドから伝達される制御信号によって、任意の他の第2バルブから独立に調整される
ことを特徴とする請求項55に記載の流体ディスペンサ。
【請求項57】
前記第2バルブは、前記ディスペンスヘッドの吸引動作及びディスペンス動作を制御するように構成されている
ことを特徴とする請求項55に記載の流体ディスペンサ。
【請求項58】
前記第2バルブは、ソレノイドバルブである
ことを特徴とする請求項55に記載の流体ディスペンサ。
【請求項59】
前記第2バルブは、前記ディスペンスヘッドによって吸引またはディスペンスされる液体の量を制御するように構成されている
ことを特徴とする請求項55に記載の流体ディスペンサ。
【請求項60】
前記第2バルブは、前記ディスペンスヘッドによって吸引またはディスペンスされる液体のタイミングを制御するように構成されている
ことを特徴とする請求項55に記載の流体ディスペンサ。
【請求項61】
各第2バルブは、前記マニホルドから伝達される前記電気信号によってあらゆる他の第2バルブから独立して電力供給される
ことを特徴とする請求項55に記載の流体ディスペンサ。
【請求項62】
各ピペットチャネルは、圧力下でのガス及び真空下でのガスを前記圧力ポート及び前記真空ポートから前記単一のディスペンスヘッドにそれぞれ選択的に分配するように構成された前記バルブを有し、
各バルブは、3方向ソレノイドバルブである
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項63】
各ピペットチャネルは、前記マニホルドに結合される他のピペットチャネルとは独立して、前記マニホルドに結合され及び結合解除されるように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項64】
前記1または複数のピペットチャネルは、前記マニホルドに結合された複数のピペットチャネルを有しており、
前記複数のピペットチャネルの各ディスペンスヘッドは、前記マニホルドに結合される他のディスペンスヘッドとは独立して、前記マニホルドに対して垂直方向に沿って移動可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項65】
前記1または複数のピペットチャネルは、モジュール式である
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項66】
前記1または複数のピペットチャネルは、複数の同一のピペットチャネルを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項67】
前記1または複数のピペットチャネルは、前記マニホルドに結合された第1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを有し、
前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、液体のある量を吸引及びディスペンスするために較正され、
前記第1ピペットチャネルは、前記第2ピペットチャネルの体積較正設定とは異なる体積較正設定を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項68】
前記1または複数のピペットチャネルは、前記マニホルドに結合された第1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを有し、
前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、液体をある圧力で吸引及びディスペンスするために較正され、
前記第1ピペットチャネルは、前記第2ピペットチャネルの圧力較正設定とは異なる圧力較正設定を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項69】
前記1または複数のピペットチャネルは、各々が圧力ポート及び真空ポートを有する第1ピペットチャネル及び第2ピペットチャネルを有し、
前記第1ピペットチャネルの前記圧力ポート及び前記真空ポートは、前記第2ピペットチャネルの前記圧力ポート及び前記真空ポートと同じ向きを有している
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項70】
前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、1または複数の異なる寸法を有する
ことを特徴とする請求項69に記載の流体ディスペンサ。
【請求項71】
前記第1ピペットチャネル及び前記第2ピペットチャネルは、異なる機能を同時に実行する
ことを特徴とする請求項69に記載の流体ディスペンサ。
【請求項72】
当該液体ディスペンサは、前記マニホルドに結合された3つのピペットチャネルを有している
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項73】
当該液体ディスペンサは、前記マニホルドに結合された5つのピペットチャネルを有している
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項74】
各ディスペンスヘッドは、当該ディスペンスヘッドがそれぞれのピペットチャネルを介して前記マニホルドに結合されている時、前記マニホルドに対して垂直方向に独立に移動可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項75】
各ピペットチャネルは、ピペットチップが前記ディスペンスヘッドと係合されているか否かを検出するように構成されたピペットチップセンサを有している
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項76】
各ピペットチャネルは、ディスペンスヘッドの垂直方向の動きが妨げられた時を検出するように構成されたセンサを有している
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。
【請求項77】
前記マニホルドに結合された2以上のピペットチャネルを更に備えており、
前記2以上のピペットチャネルの各バルブは、圧力下でのガスまたは真空下でのガスを選択的に前記マニホルドから各ディスペンスヘッドへと向けるように、独立に起動されるように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の流体ディスペンサ。