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特開2024-96346腫瘍を標的化するための近赤外色素およびコンジュゲート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096346
(43)【公開日】2024-07-12
(54)【発明の名称】腫瘍を標的化するための近赤外色素およびコンジュゲート
(51)【国際特許分類】
   A61K 47/54 20170101AFI20240705BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240705BHJP
   A61K 33/26 20060101ALI20240705BHJP
   A61K 31/704 20060101ALI20240705BHJP
   A61K 31/445 20060101ALI20240705BHJP
   A61K 31/7135 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
A61K47/54
A61P35/00
A61K33/26
A61K31/704
A61K31/445
A61K31/7135
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024075252
(22)【出願日】2024-05-07
(62)【分割の表示】P 2021555580の分割
【原出願日】2020-03-13
(31)【優先権主張番号】62/819,146
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/816,118
(32)【優先日】2020-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521420093
【氏名又は名称】ラージャヴィダ, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ライル ディー. スモール
(72)【発明者】
【氏名】ルイジェン ワン
(72)【発明者】
【氏名】シェーン エム. クリッペン
(57)【要約】
【課題】腫瘍を標的化するための近赤外色素およびコンジュゲートを提供すること。
【解決手段】近赤外(NIR)色素が治療剤および/または診断剤を腫瘍細胞に標的化するように機能し得る、腫瘍標的化NIR色素と、治療剤および/または診断剤とを含むコンジュゲートの設計、合成、および官能化。 一般に、本発明は、多様な治療剤と組み合わせた、腫瘍を標的とする近赤外(NIR)色素の使用を詳述する。特に、本発明は、様々ながんに潜在的に有効な処置として、腫瘍を標的とするNIR色素と結合した金属ナノ粒子、磁性ナノ粒子、いわゆる「損失性誘電体」、化学療法剤、ニトロキシドラジカル、光線力学治療剤、および光熱治療剤の使用を開示する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
国際特許協力条約に基づく本特許出願は、2019年3月15日出願の米国仮特許出願第62/819,146号の利益を主張する、2020年3月11日に出願された米国非仮特許出願第16/816,118号の継続出願であり、それぞれは参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
I. 背景
腫瘍細胞の処置または殺傷に最大の効力があり、非腫瘍細胞または健康な細胞への毒性が最小である、標的化がん治療剤は依然として必要とされている。さらに、標的化がん診断剤も必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
II. 発明の開示
一般に、本発明は、多様な治療剤と組み合わせた、腫瘍を標的とする近赤外(NIR)色素の使用を詳述する。特に、本発明は、様々ながんに潜在的に有効な処置として、腫瘍を標的とするNIR色素と結合した金属ナノ粒子、磁性ナノ粒子、いわゆる「損失性誘電体」、化学療法剤、ニトロキシドラジカル、光線力学治療剤、および光熱治療剤の使用を開示する。NIR色素は、健康な組織を迂回して体内の悪性のがん性細胞のみを標的とすることができ、治療剤を体内の適切な部位に送達することができるため、腫瘍標的化技術を用いずに使用した場合の多くの従来のがんの処置の有害な副作用を予防するかまたは最小限に抑えることができる。
【0004】
次に、本発明の特定の実施形態の広い目的は、治療剤を腫瘍細胞に標的化し、および/または送達するようにNIR色素が機能することができる、腫瘍標的化NIR色素と治療剤とを含むコンジュゲートを提供することであり得る。
【0005】
本発明の特定の実施形態のもう一つの広い目的は、診断剤を腫瘍細胞に標的化し、および/または送達するようにNIR色素が機能することができる、腫瘍標的化NIR色素と診断剤とを含むコンジュゲートを提供することであり得る。
【0006】
本発明の特定の実施形態の広い目的は、腫瘍標的化NIR色素と治療剤とを含むコンジュゲートを腫瘍細胞に標的化することによって、腫瘍細胞を処置または殺傷する方法を提供することであり得る。
【0007】
本発明の特定の実施形態のもう一つの広い目的は、腫瘍標的化NIR色素と診断剤とを含むコンジュゲートを、存在する場合には腫瘍細胞に標的化することにより、腫瘍細胞の存在を診断する方法を提供することであり得る。
【0008】
当然ながら、本発明のさらなる目的は、明細書、図面、写真、および特許請求の範囲の他の領域全体に開示されている。
III. 図面の簡単な説明
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明により企図されるコンジュゲートの特定の実施形態を示す図である。
図2図2は、本発明により企図されるコンジュゲートの特定の実施形態を示す図である。
図3図3は、本発明により企図されるコンジュゲートの特定の実施形態を示す図である。
図4図4は、本発明により企図されるコンジュゲートの特定の実施形態を示す図である。
図5図5は、本発明により企図されるコンジュゲートの特定の実施形態を示す図である。
図6図6は、本発明により企図されるコンジュゲートの特定の実施形態を示す図である。
図7図7は、本発明により企図されるコンジュゲートの特定の実施形態を示す図である。
図8図8は、本発明により企図されるコンジュゲートの特定の実施形態を示す図である。
図9図9は、コンジュゲートIの透過型電子顕微鏡(TEM)画像を示す。
図10図10は、IONP曲線およびNIRピークを含む紫外可視分光グラフを示す。
図11図11は、IRイメージングによる、結腸がんSW620オルガノイドにおける(i)コンジュゲートI、(ii)Au-NIR色素コンジュゲート、および(iii)ビヒクルの取り込みを示す。
図12図12は、(a)結腸がんSW620オルガノイドおよび(b)HuVec「正常」オルガノイドにおける(i)コンジュゲートI、(ii)Au-NIR色素コンジュゲート、(iii)IR-808、および(iv)dHOの取り込みのグラフを示す。
図13図13は、本発明の磁性ナノ粒子の実施形態の濃度の関数としての温度のグラフを示す。
図14図14は、本発明の磁性ナノ粒子の実施形態の2つの周波数に対する温度のグラフを示す。
図15図15は、本発明を使用する方法の特定の実施形態を示す。
図16図16は、本発明を使用する方法の特定の実施形態を示す。
図17図17は、本発明を使用する方法の特定の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
IV. 発明を実施するための形態
本発明は、(i)腫瘍細胞を標的化し、および/または(ii)腫瘍細胞を殺傷し、および/または(iii)腫瘍細胞をイメージングするための、腫瘍を標的とする近赤外(NIR)色素と様々ながん治療剤および/またはがん診断剤とを組み合わせた、有効で用途の広い送達方法を提供し得る。
【0011】
特定の実施形態に関して、本発明は、腫瘍標的化蛍光NIR色素と様々な薬剤とを組み合わせて、様々ながんを処置および/または検出するためのコンジュゲートを作製することができる。これにより、非特異的に送達され得るために重大な有害な副作用を引き起こし得る従来の薬剤とは対照的に、これらのコンジュゲートは、腫瘍部位に直接送達することができる。次に、これらのコンジュゲートは、(i)多様な有効な治療様式、および/または(ii)例えば、NIRイメージングを用いる多様な診断様式を提供することができる。前者には、金属ナノ粒子(金ナノ粒子など)および/または磁性ナノ粒子(酸化鉄ナノ粒子など)を使用する電磁放射による温熱治療、化学療法剤(従来の化学療法剤を含み得る)、ニトロキシドラジカルによる化学療法、NIRレーザー照射による光線力学治療、ならびに/あるいはレーザー照射による光熱治療が含まれてよく、それにより、腫瘍の部位にかかわらず、照射の深部浸透特性によってこの療法を広く適用可能にすることが
できる。
【0012】
特定の実施形態に関して、本発明には、図1および2にそれぞれに示されるように、腫瘍標的化蛍光シアニン色素などの腫瘍標的化蛍光NIR色素と、リンカーを介してNIR色素に共有結合される、治療剤または診断剤を含む、新規な組成物またはコンジュゲートが含まれ得る。
【0013】
特定の実施形態に関して、NIR色素は、以下のような式Iを有し得る:
【化1】
(式中、nは、0または1であり得、Yは、Cl、置換C、O、S、またはNであり得る)。
【0014】
特定の実施形態に関して、NIR色素は、650nm~1200nmの領域に吸収波長を有し得る。
【0015】
特定の実施形態に関して、NIR色素は、対称性であり得る。例示的な一つの例として、本発明で有用であり得る対称性NIR色素の特定の実施形態は、下記スキームIに従って合成することができる。
【0016】
他の特定の実施形態に関して、NIR色素は、非対称性であり得る。例示的な一つの例として、本発明で有用であり得る非対称性NIR色素の特定の実施形態は、下記スキームIIに従って合成することができる。
【化2】
【0017】
NIR色素には、リンカーを介して治療剤または診断剤を結合させることができる複数の部位が存在することがある。例えば、連結部位は、中央の環(中央のシクロヘキシル環など)を介する、インドール部分の窒素を介する、ジェミナル位置を介する、または芳香環を介するものであり得る。特定の実施形態に関して、式Iに示されるように、R~R
またはYの1つまたは1つより多くを連結部位として使用して、リンカーと治療剤または診断剤とをNIR色素に共有結合させ、本発明のコンジュゲートを形成することができる。
【0018】
特定の実施形態に関して、連結部位は、式IIに示されるように、炭素、酸素、硫黄、または窒素誘導体によって置換された反応性塩素を使用して、中央のシクロヘキシル環を介するものであり得る。
【化3】
【0019】
例示的な一つの例として、本発明で有用であり得る、中心のシクロヘキシル環に反応性官能基を有するNIR色素の特定の実施形態は、以下のスキームIIIに従って合成することができる。
【化4】
【0020】
他の特定の実施形態に関して、連結部位は、インドール部分の窒素を介するものであってよく、それにより治療剤または診断剤は、以下の式IIIに示されるように、単連結されたものまたは二連結されたもののいずれかとなり得る。
【化5】
【0021】
例示的な一つの例として、本発明で有用であり得る、インドール部分の窒素を介する連結部位を有するNIR色素の特定の実施形態は、以下のスキームIVに従って合成することができる。
【化6】
【0022】
治療様式
本発明によれば、様々な治療様式を使用することができる。温熱治療に関して、温熱治療剤として機能し得る金属ナノ粒子は、本発明のように、NIR色素に結合された場合に治療剤として有用であることがあり、これは、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる米国特許第10,030,036号によって裏付けられ得る。例示的な一つの例とし
て、金属ナノ粒子は、金(Au)ナノ粒子を含み得る。
【0023】
ここで、主に図3を参照すると、特定の実施形態に関して、温熱治療剤として機能することのできる磁性ナノ粒子(MNP)は、本発明のようにNIR色素に結合した場合に治療剤として有用である場合がある。次に、本発明のようにMNP-NIR色素コンジュゲートは、腫瘍細胞を標的とすることができる。
【0024】
Feなどの酸化鉄ナノ粒子(IONP)に基づく材料、またはFeCo、FePt、もしくはFe1-xSiなどの材料を含み得るMNPは、(i)診断剤(例えば、磁気共鳴画像法(MRI)の造影剤)として、および/または(ii)そのようなMNPに印加された交流磁場(~kHz-MHz)は、熱の生成をもたらすことがあり、したがって温熱治療剤として機能するため、処置する深部組織腫瘍への治療剤として有用であり得る。したがって、MNPを本発明の腫瘍標的化NIR色素に結合させることにより、MRI診断と温熱治療の両方について腫瘍細胞でのMNPの選択的蓄積が大幅に改善される可能性がある。それにより、後者に関しては、本発明のコンジュゲートは、MNPを腫瘍細胞に標的化でき、その後、電磁放射を熱に変換して腫瘍細胞を殺傷することができる。
【0025】
例示的な一つの例として、本発明で有用であり得るNIR色素に結合させたIONPの特定の実施形態は、以下のスキームVに従って合成することができる。それにより、この合成には対称性IONP-NIR色素コンジュゲートが含まれる。IONPは、コンジュゲートの所望の特徴に応じて、長さと厚さが異なり得る多様なリンカーでコーティングすることができる。特定の実施形態に関して、IONPの直径は、約10ナノメートルから約35ナノメートルの範囲であり得る。第1の例示的な例として、IONPの直径は、約15ナノメートルであり得る。第2の例示的な例として、IONPの直径は、約20ナノメートルであり得る。第3の例示的な例として、IONPの直径は、約30ナノメートルであり得る。
【化7】
【0026】
もう一つの例示的な例として、本発明で有用であり得るNIR色素に結合させたIONPの特定の実施形態は、以下のスキームVIに従って合成することができる。それにより、この合成には非対称性IONP-NIR色素コンジュゲートが含まれる。IONPは、コンジュゲートの所望の特徴に応じて、長さと厚さが異なり得る多様なリンカーでコーティングすることができる。特定の実施形態に関して、IONPの直径は、約10ナノメー
トルから約35ナノメートルの範囲であり得る。第1の例示的な例として、IONPの直径は、約15ナノメートルであり得る。第2の例示的な例として、IONPの直径は、約20ナノメートルであり得る。第3の例示的な例として、IONPの直径は、約30ナノメートルであり得る。
【化8】
【0027】
もう一つの例示的な例として、本発明で有用であり得るNIR色素に結合させたIONPの特定の実施形態は、以下のスキームVIIに従って合成することができる。それにより、IONPは、中央の環を介してNIR色素に連結される。IONPは、コンジュゲートの所望の特徴に応じて、長さと厚さが異なり得る多様なリンカーでコーティングすることができる。特定の実施形態に関して、IONPの直径は、約10ナノメートルから約35ナノメートルの範囲であり得る。第1の例示的な例として、IONPの直径は、約15ナノメートルであり得る。第2の例示的な例として、IONPの直径は、約20ナノメートルであり得る。第3の例示的な例として、IONPの直径は、約30ナノメートルであり得る。
【化9】
【0028】
もう一つの例示的な例として、本発明で有用であり得るNIR色素に結合させたIONPの特定の実施形態は、以下のスキームVIIIに従って合成することができる。それにより、IONP-NIR色素コンジュゲートは、カルボキシレート官能化IONPに基づくことができる。IONPは、コンジュゲートの所望の特徴に応じて、長さと厚さが異なり得る多様なリンカーでコーティングすることができる。特定の実施形態に関して、IO
NPの直径は、約10ナノメートルから約35ナノメートルの範囲であり得る。第1の例示的な例として、IONPの直径は、約15ナノメートルであり得る。第2の例示的な例として、IONPの直径は、約20ナノメートルであり得る。第3の例示的な例として、IONPの直径は、約30ナノメートルであり得る。
【化10】
【0029】
もう一つの例示的な例として、本発明で有用であり得るNIR色素に結合させたIONPの特定の実施形態は、以下のスキームIXに従って合成することができる。それにより、IONP-NIR色素コンジュゲートは、単官能化NIR色素とカルボキシレート官能化IONPに基づくことができる。IONPは、コンジュゲートの所望の特徴に応じて、長さと厚さが異なり得る多様なリンカーでコーティングすることができる。特定の実施形態に関して、IONPの直径は、約10ナノメートルから約35ナノメートルの範囲であり得る。第1の例示的な例として、IONPの直径は、約15ナノメートルであり得る。第2の例示的な例として、IONPの直径は、約20ナノメートルであり得る。第3の例示的な例として、IONPの直径は、約30ナノメートルであり得る。
【化11】
【0030】
もう一つの例示的な例として、本発明で有用であり得るNIR色素に結合させたIONPの特定の実施形態は、以下のスキームXに従って合成することができる。それにより、IONP-NIR色素コンジュゲートは、中央環官能化NIR色素とカルボキシレート官
能化IONPに基づくことができる。IONPは、コンジュゲートの所望の特徴に応じて、長さと厚さが異なり得る多様なリンカーでコーティングすることができる。特定の実施形態に関して、IONPの直径は、約10ナノメートルから約35ナノメートルの範囲であり得る。第1の例示的な例として、IONPの直径は、約15ナノメートルであり得る。第2の例示的な例として、IONPの直径は、約20ナノメートルであり得る。第3の例示的な例として、IONPの直径は、約30ナノメートルであり得る。
【化12】
【0031】
特定の実施形態に関して、シリカシェルはIONPコアを取り囲むことができ、それによりIONPコアとNIR色素との間のリンカーの厚さ、コンジュゲートの全体的なサイズ、および/またはコンジュゲートの親水性/疎水性(生体適合性に影響を及ぼす可能性
がある)の制御が可能になる。これにより、IONPコアを取り囲んでいるシリカシェルにNIR色素が組み込まれるかまたは結合されることができる。
【0032】
例示的な一つの例として、アミノ官能基がその表面に結合したシリカシェルをIONPコアの周囲に形成することができる。次に、以下のスキームXIに示されるように、NIR色素を、アミノ官能基を介してシリカシェルに、例えばEDCカップリング反応によって共有結合させて、IONP-NIR色素コンジュゲートを形成することができる。
【化13】
【0033】
第2の例示的な例として、IONPの周囲に形成されたシリカシェルに共有結合したN
IR色素を含むコンジュゲートは、単一のステップのみを含み得る以下のスキームXIIに従って合成することができる。
【化14】
【0034】
同様に、金ナノ粒子の周囲に形成されたシリカシェルに共有結合したNIR色素を含むコンジュゲートは、以下のスキームXIIIに従って合成することができる。
【化15】
【0035】
ここで、主に図4を参照すると、もう一つの例示的な例として、温熱治療剤として機能することができるカーボンナノ粒子、例えばカーボンナノスフェア、カーボンナノシェル、カーボンナノチューブ、他のいわゆる「損失性誘電体」材料などは、本発明のようにカーボンナノ粒子-NIR色素コンジュゲートを腫瘍細胞に標的化することができるNIR色素と結合させた場合に、治療剤として有用であり得る。
【0036】
電流が材料を流れると、そのエネルギーの一部は熱に変換され得る(その後、エネルギーは電磁波または電流から失われ得る)。それに応じて、中程度の導電率をもつ材料は、損失性材料または損失性誘電体と呼ばれることがある。これにより、中程度の導電率をも
つ損失性材料の例は炭素である。
【0037】
単層カーボンナノチューブ(SWNT)は、一般に、継ぎ目のない円筒に巻かれたハニカムパターンのカーボンを含む1次元構造に起因する広いダイナミックレンジの電磁波吸収を有し得る。SWNTは、電磁放射に曝されると、腫瘍細胞を処置または殺傷するのに十分であり得る大量の熱を放出する可能性がある。特定の実施形態に関して、電磁放射下でのSWNTの熱特性は、深部組織腫瘍を処置するために有用であり得る。
【0038】
注目すべきことに、カーボンナノチューブは、標的化部分(NIR色素など)への直接共有結合官能化、または標的化部分(NIR色素など)の非共有結合ラッピングのいずれかによって特定の細胞を標的とすることができる。
【0039】
ここで、主に図5を参照すると、もう一つの例示的な例として、化学療法剤は、本発明のように、NIR色素に結合させると、治療剤として有用であり得、この治療剤は、化学療法剤-NIR色素コンジュゲートを腫瘍細胞に標的化することができる。例えば、本発明のように、NIR色素に結合させることができる少数の従来の化学療法剤としては、アクチノマイシン、オールトランスレチノイン酸、アザシチジン、アザチオプリン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、カルボプラチン、カペシタビン、シスプラチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、シタラビン、ダウノルビシン、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エトポシド、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イマチニブ、イリノテカン、メクロレタミン、メトトレキサート、ミトキサントロン、ナイトロジェンマスタード、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、テニポシド、チオグアニン、トポテカン、バルルビシン、ベムラフェニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、およびビンデシンを挙げることができる。
【0040】
例示的な一つの例として、本発明で有用であり得るNIR色素に結合させた化学療法剤、すなわちドキソルビシン(DOX)の特定の実施形態は、以下のスキームXIVに従って合成することができる。DOXは、一般的に使用される臨床抗がん剤である。しかし、ほとんどの従来の化学療法剤のように、DOXは非特異的である可能性があるため、DOXは、正常細胞、特に心臓、肝臓、および腎臓の細胞に対して有毒である可能性がある。続いて、本発明のNIR色素を介してDOXを腫瘍部位/腫瘍細胞に標的化する本発明により、DOXの有害な副作用を低減、最小化、または除去することができることが本明細書において企図されている。注目すべきことに、以下の例では、DOX-NIR色素コンジュゲートが酸性であり得る腫瘍部位または腫瘍細胞に入ると、酸に不安定なヒドラジン結合が切断され得、標的位置でDOXが放出され得る。
【化16】
【0041】
さらに、本発明で有用であり得るNIR色素に連結されたDOXを含む他のコンジュゲートが、以下のように式IVおよびVに示される。
【化17】
【0042】
ここで、主に図6を参照すると、もう一つの例示的な例として、ニトロキシドラジカルは、本発明のように、NIR色素に結合させると、治療剤として有用であり得、この治療剤は、ニトロキシドラジカル-NIR色素コンジュゲートを腫瘍細胞に標的化することができる。
【0043】
がん細胞は、様々な細胞イベントの調節不全に関連する活発な代謝のために、正常細胞よりも高いレベルのフリーラジカルを生成することがあるため、これらの細胞は一定の酸
化ストレス下にある可能性がある。高レベルのフリーラジカルの過剰産生は、有害な細胞損傷および最終的には細胞死をもたらす可能性があるが、中程度のレベルであればがん細胞の生存を容易にし、腫瘍の成長を促進する可能性がある。次に、がん細胞は、活性酸素種(reactive oxidative species:ROS)の細胞内レベルを許容できる閾値内に維持し、したがってこれらの細胞を損傷から保護するために、抗酸化酵素およびその他の適応抗酸化防御に大きく依存することがある。
【0044】
これに対応して、ニトロキシドラジカルは、これらの化合物が、単独で、または別の治療法(化学療法など)と組み合わせた場合に、がん細胞の酸化ストレスを強める可能性があり、細胞死につながる可能性があるため、適したがん治療剤であり得る。
【0045】
本発明で有用であり得るNIR色素に連結されたニトロキシドラジカルを含む例示的なコンジュゲートは、以下のように式VI、VII、およびVIIIに示される。
【化18】
【化19】
【0046】
ここで、主に図7を参照すると、もう一つの例示的な例として、光線力学治療(PDT)剤は、本発明のように、NIR色素に結合させると、治療剤として有用であり得、この治療剤は、PDT剤-NIR色素コンジュゲートを腫瘍細胞に標的化することができる。一般に、PDTには、例えば、血流への注射または皮膚の患部への適用による、光増感剤の投与が含まれる。光によって光増感剤が活性化されると、腫瘍細胞死をもたらし得る1つまたは1つより多くのプロセスが開始され得る。しかし、腫瘍細胞での従来の光増感剤の蓄積は、低くなる可能性があり、そのようなPDT剤の一例は、クロリン-e6 PSであり得る。本明細書では、本発明が腫瘍細胞でのPDT剤の蓄積を増加させることができることが企図されている。
【0047】
本発明で有用であり得るNIR色素に結合したPDT剤を含む例示的なコンジュゲートは、以下のように式IX、X、およびXIに示されている。
【化20】
【化21】
【0048】
ここで、主に図8を参照すると、もう一つの例示的な例として、光熱治療(PTT)剤は、本発明のように、NIR色素に結合させると、治療剤として有用であり得、この治療剤は、PTT剤-NIR色素コンジュゲートを腫瘍細胞に標的化することができる。そのようなPTT剤の一つは、金ナノ粒子であり得る。
【0049】
リンカー
本発明で有用なリンカーは、ヘテロ二官能性であるため、NIR色素と治療剤または診断剤との両方と反応してコンジュゲートを形成することができる。これにより、その例示
的な例として、リンカーは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリマー、ペプチド、DNA、シリカナノ粒子などであり得る。
【0050】
本発明の腫瘍標的化NIR色素と治療剤または診断剤とを共有結合させるために使用される特定のリンカーは、コンジュゲートの有効性に大きな影響を与え得る。第一に、リンカーの疎水性および/または親水性は、コンジュゲートの生体適合性および循環時間に影響を与え得る。第二に、リンカーの長さ、厚さ、柔軟性、および剛性は、NIR蛍光に影響を与え、それに応じて腫瘍細胞の検出に影響を与える可能性がある。
【0051】
特定の実施形態に関して、比較的剛性の高いリンカーが好ましい場合があり、酸化鉄またはシリカのようなシェル構造として構成され得る。
【0052】
他の特定の実施形態に関して、比較的柔軟なリンカーは、好ましい可能性があり、生体適合性PEGから形成することができ、様々な長さを有することがある。PEG化は、コンジュゲートの循環時間を延長するのに有用であり得る。これは、血液循環時間が長いコンジュゲートのほうが腫瘍部位に送達される可能性が高いと想定されるため、有益であり得る。
【0053】
特定の実施形態に関して、いくつかの治療剤または診断剤は、効果的であるために、コンジュゲートの他の部分を含まない必要がある。そのため、腫瘍細胞への侵入後に「自己破壊」することができるリンカーは有利であり得る。例えば、特定のリンカーは、結合の性質に応じて、酵素、求核試薬、還元剤/酸化剤、光照射、または酸性環境で切断することができる。これらの活性化可能/切断可能リンカーを含むコンジュゲートは、腫瘍細胞と正常細胞の違い、例えば特定の酵素および/またはpHの違いなどを利用するように製剤化することができる。
【0054】
上述のように、特定の実施形態に関して、ヘテロ二官能性リンカーは、本発明に有用であり、一つの例示的な例として、IONPを含むコンジュゲートに有用であり得る。これにより、リンカーの一端は、IONPに対して高い親和性を有する官能基、例えばホスホン酸、カルボキシレート、シリカナノシェル、金ナノシェル、カテコール、または二官能性ポリマーなどを有することができる。リンカーのもう一方の端は、NIR色素に対して高い親和性を有する官能基、例えば、アミノ基、カルボキシレート、アルコール、アジド、またはアセチレン基などを有することができる。
【0055】
例示的な一つの例として、本発明で有用であり得るヘテロ二官能性(heterobiofunctional)PEGリンカーの特定の実施形態は、以下のスキームXVに従って合成することができる。
【化22】
【0056】
本発明で有用であり得る例示的なリンカーは、以下の式XII、XIII、XIV、およびXVに示され、これにより、nの特定の実施形態の例示的な例は、3、5、8、12、22、45、または113であり得る。
【化23】
【実施例0057】
実施例1
一例として、本発明で有用であり得る、コンジュゲートIと呼ばれるIONP-NIR色素コンジュゲートの特定の実施形態が以下の式XVIに示され、これにより、IONPの直径は約30ナノメートルであり得る。
【化24】
【0058】
ここで、主に図9を参照すると、コンジュゲートIの透過型電子顕微鏡(TEM)画像が示されている。
【0059】
ここで、主に図10を参照すると、IONP曲線と790ナノメートルでのNIRピークを含む紫外可視分光グラフが示されている。
【0060】
ここで、主に図11を参照すると、結腸がんSW620オルガノイドにおける(i)コンジュゲートI、(ii)Au-NIR色素コンジュゲート、および(iii)ビヒクルの取り込みがIRイメージングによって示されており、これにより、コンジュゲートIの取り込みは、Au-NIR色素コンジュゲートとビヒクルの取り込みよりも大きい。
【0061】
ここで、主に図12を参照すると、(a)結腸がんSW620オルガノイドおよび(b)HuVec「正常な」オルガノイドにおける24時間後の(i)コンジュゲートI、(ii)Au-NIR色素コンジュゲート、(iii)IR-808、および(iv)dHOの取り込みのグラフが示されており、これにより、コンジュゲートIの取り込みは、結腸がんSW620オルガノイドのほうがHuVec「正常な」オルガノイドよりも大きい。
【0062】
実施例2
本発明のコンジュゲートの温熱治療の特性を研究するため、誘導加熱システムを使用して約100kHz~約400kHzの周波数で0~約50mTの磁場を生成することができる。これにより、磁場は、磁性ナノ粒子の種類、磁性粒子の濃度、磁場の強度、および/または磁場の周波数に基づいて、IONPなどの磁性ナノ粒子を加熱することができる。
【0063】
ここで、主に図13を参照すると、実験パラメータに4.5kWおよび187kHzが含まれる、0.5mLの試験管内の磁性ナノ粒子の濃度の関数としての温度のグラフが示される。温度は、磁性ナノ粒子の濃度が高くなるにつれて高くなることが分かる。
【0064】
ここで、主に図14を参照すると、2つの周波数、すなわち187kHzと259kHzに対する温度のグラフが示される。これにより、この実験には0.5mLの試験管内で5mg/mLの濃度の磁性ナノ粒子を実験パラメータに10分間曝すことが含まれた。
【0065】
方法
特定の実施形態に関して、本発明は、がん細胞を殺傷する方法で使用することができ、その方法は、(i)がん細胞を有することが疑われる生物に本発明のコンジュゲートの実施形態を導入し、それにより、コンジュゲートががん細胞に標的化されること、および(ii)コンジュゲートを介してがん細胞を殺傷することを含み得る。
【0066】
特定の実施形態に関して、本発明は、がん細胞を殺傷する方法で使用することができ、その方法は、がん細胞を有することが疑われる生物に本発明のコンジュゲートの実施形態を導入すること、がん細胞を有することが疑われる領域にNIR光を照射すること、コンジュゲートからの蛍光を検出してがん細胞を位置づけること、および領域を照射してがん細胞に温熱治療を導入することを含むことができる。
【0067】
特定の実施形態に関して、本発明は、がん細胞を検出する方法で使用することができ、その方法は、(i)がん細胞を有することが疑われる生物に本発明のコンジュゲートの実施形態を導入し、それにより、コンジュゲートががん細胞に標的化されること、および(ii)コンジュゲートを介して腫瘍細胞を検出することを含み得る。
【0068】
前述のことから容易に理解できるように、本発明の基本的な概念は、多様な方法で具体化され得る。本発明には、NIR色素および関連するコンジュゲートの多数の変化した実施形態、ならびにそのようなNIR色素および関連するコンジュゲートを作製および使用するための方法が含まれる。
【0069】
したがって、本明細書によって開示されるか、あるいは本出願に付随する図面または表に示される本発明の特定の実施形態または要素は、限定を意図するものではなく、本発明に一般に包含される多数の変化した実施形態またはその特定の要素に関して包含される均等物の例示を意図する。その上、本発明の単一の実施形態または要素の具体的な説明は、可能なすべての実施形態または要素を明示的に説明しない場合がある。多くの代替案は、本明細書および図によって暗に開示されている。
【0070】
装置の各要素または方法の各ステップが装置の用語または方法の用語によって説明され得ることは当然理解される。そのような用語は、本発明が権利を有する暗に広い範囲を明確にするために必要な場合に、置き換えることができる。一例として、方法のすべてのステップは、動作、その動作を実行するための手段、またはその動作を引き起こす要素として開示され得ることを理解されたい。同様に、装置の各要素は、物理的要素として、またはその物理的要素が促進する動作として開示され得る。一例として、「治療」の開示は、明示的に議論されているか否かにかかわらず、「治療を提供する」行為の開示を包含すると理解されるべきであり、逆に、「治療を提供する」行為が効果的に開示されていた場合、そのような開示は、「治療」、さらには「治療を提供するための手段」の開示を包含すると理解されるべきである。それぞれの要素またはステップに対するそのような代替用語は、本明細書の中に明示的に含まれていると理解されるべきである。
【0071】
また、使用される各用語に関して、本出願での使用がそのような解釈と矛盾しない限り、一般的な辞書の定義は、Random House Webster’s Unabridged Dictionary、第2版に含まれている各用語の説明に含まれていると理解されるべきであり、各定義は参照により本明細書に組み込まれる。
【0072】
本明細書中のすべての数値は、明示的に示されているかどうかにかかわらず、「約」という用語によって修飾されると想定されている。本発明の目的において、範囲は、「約」で修飾されるある特定の値から、「約」で修飾される別の特定の値までとして表され得る。そのような範囲が表される場合、別の実施形態は、ある特定の値から他の特定の値まで
を含む。エンドポイントによる数値範囲の列挙には、その範囲内に含まれるすべての数値が含まれる。1から5の数値範囲には、例えば、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5、などが含まれる。各範囲のエンドポイントは、他のエンドポイントとの関連で、そして他のエンドポイントと独立して、の両方で重要であることはさらに理解される。値が「約」という先行詞を使用して近似値として表される場合、特定の値は別の実施形態を形成することが理解されよう。「約」という用語は、一般に、当業者が、列挙された数値と同等であるか、または同じ機能または結果を有するとみなす数値の範囲を指す。同様に、「実質的に」という先行詞は、完全にではないが大部分が同じ形態、様式または程度を意味し、特定の要素は、当業者が同じ機能または結果を有すると考える範囲の構成を有することになる。特定の要素が「実質的に」という先行詞を使用して近似値として表される場合、特定の要素は別の実施形態を形成することが理解されよう。
【0073】
さらに、本発明の目的において、「a」または「an」という用語で修飾される実体は、特に限定されない限り、その実体の1つまたは1つより多くを指す。したがって、「a」または「an」、「one or more(1つまたは1つより多くの)」および「at least one(少なくとも1つの)」という用語は、本明細書において同義的に使用することができる。
【0074】
このように、1または複数の出願人は、少なくとも以下のことを主張すると理解されるべきである:i)本明細書に開示および記載されているNIR色素および関連するコンジュゲートの各々、ii)開示および記載されている関連する方法、iii)これらのデバイスおよび方法の各々の類似した、同等の、さらには暗黙の変形形態、iv)示され、開示され、または記載される機能の各々を達成する代替の実施形態、v)開示および記載されている機能を達成するために暗黙のうちに示されている機能の各々を達成する代替の設計および方法、vi)別々の独立した発明として示されている各機能、成分、およびステップ、vii)開示される様々なシステムまたは成分によって強化されたアプリケーション、viii)そのようなシステムまたは成分によって生成された結果として得られる生成物、ix)本明細書の上文に実質的に記載されている通りであり、添付の実施例のいずれかを参照した方法および装置、x)開示される前の要素の各々の様々な組合せおよび並べ替え。
【0075】
本特許出願の背景技術の項は、もしあれば、本発明が関連する試みの分野の記述を提供する。この項は、本発明が関心をもつ技術の状態に関する情報、問題、または懸念を関連付ける際に有用な、特定の米国特許、特許出願、刊行物、または特許請求された発明の主題の言い換えを組み込んだり、含んだりすることもある。本明細書において引用されるかまたは組み込まれる米国特許、特許出願、刊行物、陳述または他の情報が、本発明に関する先行技術として解釈され、理解され、または認められるとみなされることは意図されない。
【0076】
本明細書に記載された特許請求の範囲は、もしあれば、本発明のこの説明の一部として参照により本明細書に組み込まれ、そして出願人は、特許請求の範囲の一部または全部、あるいはその要素または成分を裏付ける追加の説明として、かかる特許請求の範囲の組み込まれた内容の全部または一部を使用する権利を明示的に留保し、さらに出願人は、本出願により、またはそのいかなる後続の出願、継続出願、分割出願、もしくは一部継続出願により保護を求める事項を定義するために必要な場合、あるいは、いかなる国または条約の特許法、規則、または規制のいかなる利益、それに従う料金の削減を得るかまたはそれらを遵守するために必要な場合に、かかる特許請求の範囲の組み込まれた説明の一部または全部、あるいはそのいかなる要素または成分を本明細書から特許請求の範囲に移動させる、またはその逆を行う権利を明示的に留保し、さらに、参照により組み込まれるそのような内容は、そのいかなる後続の継続出願、分割出願、もしくは一部継続出願、またはそ
れらの再発行や延長を含め、本出願の全係属期間にわたって存続するものとする。
【0077】
さらに、本明細書に記載された特許請求の範囲は、もしあれば、本発明の限られた数の好ましい実施形態の境界および限度を記載することをさらに意図しており、特許請求され得る本発明の最も広い実施形態または本発明の実施形態の完全なリストとして解釈されるべきではない。出願人は、いかなる継続出願、分割出願、一部継続出願、または同様の出願の一部として、上記の説明に基づいてさらなる特許請求の範囲を作成する権利を放棄するものではない。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
腫瘍を標的とする近赤外色素;および
治療剤;
を含む組成物であって、
前記色素が、前記治療剤を腫瘍細胞に標的化する、組成物。
(項目2)
前記色素がリンカーを介して前記治療剤に共有結合される、項目1に記載の組成物。
(項目3)
前記色素がシアニン色素を含む、項目2に記載の組成物。
(項目4)
前記色素が約650nm~約1200nmの領域に吸収波長を有する、項目3に記載の組成物。
(項目5)
前記色素が次式:
【化25】

(式中、
nは0または1であり;そして
YはCl、置換C、O、S、またはNである)
を有する、項目4に記載の組成物。
(項目6)
前記色素が対称性である、項目5に記載の組成物。
(項目7)
前記色素が非対称性である、項目5に記載の組成物。
(項目8)
前記治療剤が、前記色素の中央のシクロヘキシル環を介して前記色素に共有結合される、項目5に記載の組成物。
(項目9)
前記治療剤が、前記色素のインドール部分の窒素を介して前記色素に共有結合される、項目5に記載の組成物。
(項目10)
前記治療剤が温熱治療剤を含む、項目5に記載の組成物。
(項目11)
前記温熱治療剤が金属ナノ粒子を含む、項目10に記載の組成物。
(項目12)
前記金属ナノ粒子が金ナノ粒子を含む、項目11に記載の組成物。
(項目13)
前記温熱治療剤が磁性ナノ粒子を含む、項目10に記載の組成物。
(項目14)
前記磁性ナノ粒子が酸化鉄ナノ粒子を含む、項目13に記載の組成物。
(項目15)
前記磁性ナノ粒子がFeを含む、項目13に記載の組成物。
(項目16)
前記磁性ナノ粒子がFeCoを含む、項目13に記載の組成物。
(項目17)
前記磁性ナノ粒子がFePtを含む、項目13に記載の組成物。
(項目18)
前記磁性ナノ粒子がFe1-xSiを含む、項目13に記載の組成物。
(項目19)
前記磁性ナノ粒子が、約10ナノメートルから約35ナノメートルの範囲の直径を有する、項目13に記載の組成物。
(項目20)
前記磁性ナノ粒子が、約15ナノメートルの直径を有する、項目13に記載の組成物。(項目21)
前記磁性ナノ粒子が、約20ナノメートルの直径を有する、項目13に記載の組成物。(項目22)
前記磁性ナノ粒子が、約30ナノメートルの直径を有する、項目13に記載の組成物。(項目23)
前記色素に連結された前記磁性ナノ粒子を含むコンジュゲートが、対称性色素-磁性ナノ粒子コンジュゲートを含む、項目13に記載の組成物。
(項目24)
前記色素に連結された前記磁性ナノ粒子を含むコンジュゲートが、非対称性色素-磁性ナノ粒子コンジュゲートを含む、項目13に記載の組成物。
(項目25)
前記磁性ナノ粒子が、前記色素の前記中央のシクロヘキシル環を介して前記色素に連結される、項目13に記載の組成物。
(項目26)
前記磁性ナノ粒子が、前記色素のインドール部分の窒素を介して前記色素に連結される、項目13に記載の組成物。
(項目27)
前記色素に連結された前記磁性ナノ粒子を含むコンジュゲートが、カルボキシレート官能化磁性ナノ粒子に基づく、項目13に記載の組成物。
(項目28)
前記色素に連結された前記磁性ナノ粒子を含むコンジュゲートが、単官能化色素およびカルボキシレート官能化磁性ナノ粒子に基づく、項目13に記載の組成物。
(項目29)
前記色素に連結された前記磁性ナノ粒子を含むコンジュゲートが、中央環官能化色素およびカルボキシレート官能化磁性ナノ粒子に基づく、項目13に記載の組成物。
(項目30)
シリカシェルが前記磁性ナノ粒子を取り囲む、項目13に記載の組成物。
(項目31)
前記色素が、前記シリカシェルを介して前記磁性粒子に連結される、項目30に記載の組成物。
(項目32)
前記温熱治療剤がカーボンナノ粒子を含む、項目10に記載の組成物。
(項目33)
前記温熱治療剤がカーボンナノチューブを含む、項目10に記載の組成物。
(項目34)
前記治療剤が化学療法剤を含む、項目5に記載の組成物。
(項目35)
前記化学療法剤がドキソルビシンを含む、項目34に記載の組成物。
(項目36)
前記治療剤がニトロキシドラジカルを含む、項目5に記載の組成物。
(項目37)
前記治療剤が光線力学治療剤を含む、項目5に記載の組成物。
(項目38)
前記治療剤が光熱治療剤を含む、項目5に記載の組成物。
(項目39)
前記リンカーがヘテロ二官能性である、項目5に記載の組成物。
(項目40)
前記リンカーがポリエチレングリコールを含む、項目5に記載の組成物。
(項目41)
前記リンカーが、前記腫瘍細胞への侵入後に切断可能である、項目5に記載の組成物。(項目42)
腫瘍を標的とする近赤外色素;および
診断剤;
を含む組成物であって、
前記色素が、前記診断剤を腫瘍細胞に標的化する、組成物。
(項目43)
前記色素が、リンカーを介して前記診断剤に共有結合される、項目42に記載の組成物。
(項目44)
前記色素がシアニン色素を含む、項目43に記載の組成物。
(項目45)
前記色素が約650nm~約1200nmの領域に吸収波長を有する、項目44に記載の組成物。
(項目46)
前記色素が次式:
【化26】

(式中、
nは0または1であり;そして
YはCl、置換C、O、S、またはNである)
を有する、項目45に記載の組成物。
(項目47)
腫瘍細胞を処置または殺傷する方法であって、
腫瘍を標的とする近赤外色素と治療剤とを含むコンジュゲートを前記腫瘍細胞に標的化するステップを含む、方法。
(項目48)
前記色素がリンカーを介して前記治療剤に共有結合される、項目47に記載の方法。
(項目49)
前記色素がシアニン色素を含む、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記色素が次式:
【化27】

(式中、
nは0または1であり;そして
YはCl、置換C、O、S、またはNである)
を有する、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記コンジュゲートを被験体に投与することをさらに含む、項目50に記載の方法。
(項目52)
前記治療剤が温熱治療剤を含む、項目51に記載の方法。
(項目53)
前記温熱治療剤が磁性ナノ粒子を含む、項目52に記載の方法。
(項目54)
前記磁性ナノ粒子が酸化鉄を含む、項目53に記載の方法。
(項目55)
電磁放射を介して前記腫瘍細胞に温熱治療を誘導することをさらに含む、項目52に記載の方法。
(項目56)
前記治療剤が化学療法剤を含む、項目51に記載の方法。
(項目57)
前記治療剤がニトロキシドラジカルを含む、項目51に記載の方法。
(項目58)
前記治療剤が光線力学治療剤を含む、項目51に記載の方法。
(項目59)
前記腫瘍細胞の光増感を誘導することをさらに含む、項目58に記載の方法。
(項目60)
近赤外レーザーを介して前記腫瘍細胞の前記光増感を誘導することをさらに含む、項目59に記載の方法。
(項目61)
前記治療剤が光熱治療剤を含む、項目51に記載の方法。
(項目62)
腫瘍細胞の存在を診断する方法であって、
腫瘍を標的とする近赤外色素と診断剤とを含むコンジュゲートを前記腫瘍細胞に標的化するステップを含む方法。
(項目63)
前記色素がリンカーを介して前記診断剤に共有結合される、項目62に記載の方法。
(項目64)
前記色素がシアニン色素を含む、項目63に記載の方法。
(項目65)
前記色素が次式:
【化28】

(式中、
nは0または1であり;そして
YはCl、置換C、O、S、またはNである)
を有する、項目64に記載の方法。
(項目66)
前記コンジュゲートを被験体に投与することをさらに含む、項目65に記載の方法。
(項目67)
前記式I~XVIの組成物の1つまたは1つより多くを含む、腫瘍を標的とするコンジュゲート。
(項目68)
スキームI~XVIから得られる前記組成物の1つまたは1つより多くを含む、腫瘍を標的とするコンジュゲート。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2024-06-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腫瘍細胞を処置または殺傷する方法において使用するための組成物であって、
腫瘍を標的とするコンジュゲートであって、前記コンジュゲートが、リンカーを介して磁性ナノ粒子に共有結合されたヘプタメチンシアニン色素を含む、コンジュゲート
を含み、
ここで、前記コンジュゲートの前記腫瘍を標的とする成分が、前記ヘプタメチンシアニン色素からなり、そして
ここで、前記方法が、
前記組成物を被験体に投与すること、および
キロヘルツまたはメガヘルツを含む周波数を有する電磁放射を介して前記腫瘍細胞に温熱治療を誘導すること
を包含し、
ここで、前記リンカーが、以下の組成物:
【化29】

【化30】

(ここで、nは、3、5、8、12、22、45、または113である)
のうちの1つを含む、
組成物。
【請求項2】
前記磁性ナノ粒子が、酸化鉄を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記電磁放射が、前記磁性ナノ粒子による熱の生成をもたらす、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記電磁放射が、交流磁場を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記磁性ナノ粒子が、10ナノメートルから35ナノメートルの範囲の直径を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
前記磁性ナノ粒子が、前記ヘプタメチンシアニン色素の中央のシクロヘキシル環を介して前記ヘプタメチンシアニン色素に連結される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記磁性ナノ粒子が、前記ヘプタメチンシアニン色素のインドール部分の窒素を介して前記ヘプタメチンシアニン色素に連結される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記リンカーが、前記腫瘍細胞内への侵入後に切断可能である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記ヘプタメチンシアニン色素が、以下の組成物:
【化31】

のうちの1つを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記ヘプタメチンシアニン色素が、以下の組成物:
【化32】

のうちの1つを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記コンジュゲートが、以下の組成物:
【化33】

を含み、ここで、各波線が、請求項1に記載の前記リンカーのうちの少なくとも1つを表す、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記コンジュゲートが、以下の組成物:
【化34】

【化35】

【化36】

のうちの1つを含み、ここで、各波線が、請求項1に記載の前記リンカーのうちの少なくとも1つを表す、請求項1に記載の組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
例示的な一つの例として、本発明で有用であり得るNIR色素に結合させたIONPの特定の実施形態は、以下のスキームVに従って合成することができる。それにより、この合成には対称性IONP-NIR色素コンジュゲートが含まれる。IONPは、コンジュゲートの所望の特徴に応じて、長さと厚さが異なり得る多様なリンカーでコーティングすることができる。特定の実施形態に関して、IONPの直径は、約10ナノメートルから約35ナノメートルの範囲であり得る。第1の例示的な例として、IONPの直径は、約15ナノメートルであり得る。第2の例示的な例として、IONPの直径は、約20ナノメートルであり得る。第3の例示的な例として、IONPの直径は、約30ナノメートルであり得る。
【化7】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
もう一つの例示的な例として、本発明で有用であり得るNIR色素に結合させたIONPの特定の実施形態は、以下のスキームVIに従って合成することができる。それにより、この合成には非対称性IONP-NIR色素コンジュゲートが含まれる。IONPは、コンジュゲートの所望の特徴に応じて、長さと厚さが異なり得る多様なリンカーでコーティングすることができる。特定の実施形態に関して、IONPの直径は、約10ナノメートルから約35ナノメートルの範囲であり得る。第1の例示的な例として、IONPの直径は、約15ナノメートルであり得る。第2の例示的な例として、IONPの直径は、約20ナノメートルであり得る。第3の例示的な例として、IONPの直径は、約30ナノメートルであり得る。
【化8】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
もう一つの例示的な例として、本発明で有用であり得るNIR色素に結合させたIONPの特定の実施形態は、以下のスキームVIIに従って合成することができる。それにより、IONPは、中央の環を介してNIR色素に連結される。IONPは、コンジュゲートの所望の特徴に応じて、長さと厚さが異なり得る多様なリンカーでコーティングすることができる。特定の実施形態に関して、IONPの直径は、約10ナノメートルから約35ナノメートルの範囲であり得る。第1の例示的な例として、IONPの直径は、約15ナノメートルであり得る。第2の例示的な例として、IONPの直径は、約20ナノメートルであり得る。第3の例示的な例として、IONPの直径は、約30ナノメートルであり得る。
【化9】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
もう一つの例示的な例として、本発明で有用であり得るNIR色素に結合させたIONPの特定の実施形態は、以下のスキームVIIIに従って合成することができる。それにより、IONP-NIR色素コンジュゲートは、カルボキシレート官能化IONPに基づくことができる。IONPは、コンジュゲートの所望の特徴に応じて、長さと厚さが異なり得る多様なリンカーでコーティングすることができる。特定の実施形態に関して、IONPの直径は、約10ナノメートルから約35ナノメートルの範囲であり得る。第1の例示的な例として、IONPの直径は、約15ナノメートルであり得る。第2の例示的な例として、IONPの直径は、約20ナノメートルであり得る。第3の例示的な例として、IONPの直径は、約30ナノメートルであり得る。
【化10】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
もう一つの例示的な例として、本発明で有用であり得るNIR色素に結合させたIONPの特定の実施形態は、以下のスキームIXに従って合成することができる。それにより、IONP-NIR色素コンジュゲートは、単官能化NIR色素とカルボキシレート官能化IONPに基づくことができる。IONPは、コンジュゲートの所望の特徴に応じて、長さと厚さが異なり得る多様なリンカーでコーティングすることができる。特定の実施形態に関して、IONPの直径は、約10ナノメートルから約35ナノメートルの範囲であり得る。第1の例示的な例として、IONPの直径は、約15ナノメートルであり得る。第2の例示的な例として、IONPの直径は、約20ナノメートルであり得る。第3の例示的な例として、IONPの直径は、約30ナノメートルであり得る。
【化11】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
もう一つの例示的な例として、本発明で有用であり得るNIR色素に結合させたIONPの特定の実施形態は、以下のスキームXに従って合成することができる。それにより、IONP-NIR色素コンジュゲートは、中央環官能化NIR色素とカルボキシレート官能化IONPに基づくことができる。IONPは、コンジュゲートの所望の特徴に応じて、長さと厚さが異なり得る多様なリンカーでコーティングすることができる。特定の実施形態に関して、IONPの直径は、約10ナノメートルから約35ナノメートルの範囲であり得る。第1の例示的な例として、IONPの直径は、約15ナノメートルであり得る。第2の例示的な例として、IONPの直径は、約20ナノメートルであり得る。第3の例示的な例として、IONPの直径は、約30ナノメートルであり得る。
【化12】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
例示的な一つの例として、アミノ官能基がその表面に結合したシリカシェルをIONPコアの周囲に形成することができる。次に、以下のスキームXIに示されるように、NIR色素を、アミノ官能基を介してシリカシェルに、例えばEDCカップリング反応によって共有結合させて、IONP-NIR色素コンジュゲートを形成することができる。
【化13】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
第2の例示的な例として、IONPの周囲に形成されたシリカシェルに共有結合したNIR色素を含むコンジュゲートは、単一のステップのみを含み得る以下のスキームXIIに従って合成することができる。
【化14】