(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096354
(43)【公開日】2024-07-12
(54)【発明の名称】顔認識管理システム及び管理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 21/32 20130101AFI20240705BHJP
G06Q 50/163 20240101ALI20240705BHJP
【FI】
G06F21/32
G06Q50/163
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024075309
(22)【出願日】2024-05-07
(62)【分割の表示】P 2020106301の分割
【原出願日】2020-06-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年2月18日~21日に、幕張メッセ国際展示場1~8ホール(千葉県千葉市美浜区中瀬2-1)にて開催された国際ホテル・レストラン・ショー2020で公表。
(71)【出願人】
【識別番号】000222624
【氏名又は名称】株式会社アルメックス
(74)【代理人】
【識別番号】100157118
【弁理士】
【氏名又は名称】南 義明
(72)【発明者】
【氏名】井上 晋
(57)【要約】
【課題】各種施設において実行される顔認識サービスの適切な管理を行う。
【解決手段】本発明に係る顔認識管理システムは、顔認識管理サーバと、複数の施設に設置された顔認識端末を備えた顔認識管理システムであって、顔認識管理サーバは、ユーザを認識するための顔認識情報を含む顔認識管理情報をユーザ毎に記憶し、顔認識管理サーバは、ユーザ端末からユーザが許可した施設に対して、顔認識情報を含む顔認識利用情報を送信し、施設に設置されている顔認識端末で当該ユーザの顔認識処理を実行可能とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔認識管理サーバと、複数の施設に設置された顔認識端末を備えた顔認識管理システムであって、
前記顔認識管理サーバは、ユーザを顔認識するための顔認識情報を含む顔認識管理情報をユーザ毎に記憶し、
前記顔認識管理サーバは、ユーザ端末からユーザが許可した前記施設に対して、顔認識情報を含む顔認識利用情報を送信し、前記施設に設置されている顔認識端末で当該ユーザの顔認識処理を実行可能とさせる
顔認識管理システム。
【請求項2】
前記顔認識管理サーバは、複数の前記施設毎に、ユーザの顔認識処理の許可、不許可を管理可能である
請求項1に記載の顔認識管理システム。
【請求項3】
顔認識情報には、利用期間が設けられており、
前記顔認識端末は、利用期間が経過した顔認識情報を削除する
請求項1に記載の顔認識管理システム。
【請求項4】
前記施設の利用予約が行われた場合、前記顔認識管理サーバは、前記ユーザ端末に対して、当該施設における顔認識処理の利用可否を確認する確認処理を実行する
請求項1に記載の顔認識管理システム。
【請求項5】
確認処理において、ユーザは顔認証処理の利用期間を指定することが可能である
請求項4に記載の顔認識管理システム。
【請求項6】
前記施設には、前記顔認識端末が通信接続された管理装置が設けられている
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の顔認識管理システム。
【請求項7】
前記管理装置は、前記顔認識端末に対応付けられた顔認識アクション情報を記憶し、
前記顔認識端末で顔認証が完了した場合、顔認識アクション情報を参照し、顔認識したユーザについて、顔認識された前記顔認識端末に対応付けられている処理を実行する
請求項6に記載の顔認識管理システム。
【請求項8】
顔認識アクション情報は、利用時間を含んで構成され、
前記管理装置は、前記顔認識端末で顔認証が完了した場合、顔認識アクション情報を参照し、顔認識したユーザについて、顔認識された前記顔認識端末、及び、利用時間に対応付けられている処理を実行する
請求項7に記載の顔認識管理システム。
【請求項9】
施設内の前記顔認識端末で、顔認識が実行された場合、顔認識されたユーザの前記ユーザ端末に通知する通知処理を実行する
請求項1に記載の顔認識管理システム。
【請求項10】
複数の施設に設置された顔認識端末と通信可能な顔認識管理サーバであって、
ユーザを顔認識するための顔認識情報を含む顔認識管理情報をユーザ毎に記憶し、
ユーザ端末からユーザが許可した施設に対して、顔認識情報を含む顔認識利用情報を送信し、施設に設置されている顔認識端末で当該ユーザの顔認識処理を実行可能とさせる
顔認識管理サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種施設において、顔認識サービスを提供可能な顔認識管理システム、並びに、顔認識管理サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラで撮影された顔画像を使用して、認証を行う顔認証システムが知られている。顔認証は、予め登録された顔情報を使用し、個人の特定を行うことが可能であり、例えば、スマートフォン等、ロックされた携帯端末を解錠する際に利用されている。
【0003】
特許文献1には、カメラ装置と顔認識サーバとが接続された顔認識システムであって、顔認識サーバは、カメラ装置により撮像された映像データに現れる人物の顔の特徴量を抽出し、抽出された顔の特徴量と所定期間保存された顔の特徴量とを比較し、これらの類似度が所定値未満となる場合、前記抽出された顔の特徴量を破棄することが開示されている。
【0004】
特許文献1に記載の顔認識システムによれば、複雑な判断を行うことなく、同一の人物が重複して含まれないように効率的に統計処理することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
顔認証は、個人を特定できる便利なサービスであり、今後、広く普及することが期待される。一方、広く普及した場合、顔認識に使用される顔情報が、ユーザの利用許可無く、勝手に利用されることは避けるべきである。特に、複数の顔認識を行うサービスが乱立した場合、ユーザは、サービス毎に、自己の顔情報の管理、あるいは、その使用の把握を行うことは困難になることが考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、本発明に係る顔認識管理システムは、以下の構成を採用したことを特徴とするものである。
第1の構成に係る顔認識管理システムは、
顔認識管理サーバと、複数の施設に設置された顔認識端末を備えた顔認識管理システムであって、
前記顔認識管理サーバは、ユーザを顔認識するための顔認識情報を含む顔認識管理情報をユーザ毎に記憶し、
前記顔認識管理サーバは、ユーザ端末からユーザが許可した前記施設に対して、顔認識情報を含む顔認識利用情報を送信し、前記施設に設置されている顔認識端末で当該ユーザの顔認識処理を実行可能とさせる。
【0008】
さらに、第2の構成に係る顔認識管理システムは、第1の構成に係る顔認識管理システムにおいて、
前記顔認識管理サーバは、複数の前記施設毎に、ユーザの顔認識処理の許可、不許可を管理可能である。
【0009】
さらに、第3の構成に係る顔認識管理システムは、第1または第2の構成に係る顔認識管理システムにおいて、
顔認識情報には、利用期間が設けられており、
前記顔認識端末は、利用期間が経過した顔認識情報を削除する。
【0010】
さらに、第4の構成に係る顔認識管理システムは、第1から第3の何れか1つの構成に係る顔認識管理システムにおいて、
前記施設の利用予約が行われた場合、前記顔認識管理サーバは、前記ユーザ端末に対して、当該施設における顔認識処理の利用可否を確認する確認処理を実行する。
【0011】
さらに、第5の構成に係る顔認識管理システムは、第4の構成に係る顔認識管理システムにおいて、
確認処理において、ユーザは顔認証処理の利用期間を指定することが可能である。
【0012】
さらに、第6の構成に係る顔認識管理システムは、第1から第5の何れか1つの構成に係る顔認識管理システムにおいて、
前記施設には、前記顔認識端末が通信接続された管理装置が設けられている。
【0013】
さらに、第7の構成に係る顔認識管理システムは、第6の構成に係る顔認識管理システムにおいて、
前記管理装置は、前記顔認識端末に対応付けられた顔認識アクション情報を記憶し、
前記顔認識端末で顔認証が完了した場合、顔認識アクション情報を参照し、顔認識したユーザについて、顔認識された前記顔認識端末に対応付けられている処理を実行する。
【0014】
さらに、第8の構成に係る顔認識管理システムは、第7の構成に係る顔認識管理システムにおいて、
顔認識アクション情報は、利用時間を含んで構成され、
前記管理装置は、前記顔認識端末で顔認証が完了した場合、顔認識アクション情報を参照し、顔認識したユーザについて、顔認識された前記顔認識端末、及び、利用時間に対応付けられている処理を実行する。
【0015】
さらに、第9の構成に係る顔認識管理システムは、第1から第8の何れか1つの構成に係る顔認識管理システムにおいて、
前記施設内の前記顔認識端末で、顔認識が実行された場合、顔認識されたユーザの前記ユーザ端末に通知する通知処理を実行する。
【0016】
また、第10の構成に係る顔認識管理システムは、
複数の施設に設置された顔認識端末と通信可能な顔認識管理サーバであって、
ユーザを顔認識するための顔認識情報を含む顔認識管理情報をユーザ毎に記憶し、
ユーザ端末からユーザが許可した施設に対して、顔認識情報を含む顔認識利用情報を送信し、施設に設置されている顔認識端末で当該ユーザの顔認識処理を実行可能とさせる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る顔認識管理システムによれば、ユーザは、複数の施設において顔認識サービスを適切に利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態に係る顔認識管理システムの構成を示す図
【
図2】本実施形態に係る施設内における顔認識システムの構成を示す図
【
図4】本実施形態に係る顔認識端末の構成を示すブロック図
【
図6】本実施形態に係る受付装置の構成を示すブロック図
【
図7】本実施形態に係る宿泊施設予約時における処理を示すフロー図
【
図8】本実施形態に係る各種情報のデータ構成を示す図
【
図9】本実施形態に係る携帯端末に表示される各種画面を示す図
【
図10】本実施形態に係る宿泊施設利用時における処理を示すフロー図
【
図11】本実施形態に係る利用確認メール画面を示すフロー図
【
図12】本実施形態に係る携帯端末に表示される各種画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本実施形態に係る顔認識管理システムの構成を示す図である。本実施形態の顔認識管理システムは、各種施設において、顧客等の顔認識処理を行い、本人確認が行われたことを条件として、各種決済、入場許可等を行うことを可能としている。
【0020】
本実施形態の顔認証管理システムは、インターネットに接続された顔認識管理サーバ1を備えて構成されている。また、顔認識管理サーバ1は、顔認識端末が設置された施設2A~2C…、の他、予約サーバ7a、7b…、ユーザが使用するパーソナルコンピュータ、携帯端末等のユーザ端末6a、6bと通信を行うことが可能である。
【0021】
図1の例では、ユーザ端末6bとしてのパーソナルコンピュータは、ルータ51を介してインターネットに接続されている。また、携帯端末(ユーザ端末6b)は、ルータ51に接続されたアクセスポイント52、あるいは、無線基地局53と無線通信を行うことが可能であって、無線通信を行うことで、インターネットに通信接続することが可能となっている。
【0022】
図2は、本実施形態に係る施設2A内における顔認識システムの構成を示す図であり、施設2Aとして宿泊施設(ホテル)の場合が示されている。施設2Aに設置された顔認識システムは、管理装置21、受付装置4、複数の顔認識端末3a~3dを有して構成されている。これら各装置は、LAN27を介して通信接続されている。また、LAN27にはルータ26が通信接続されており、各装置は、ルータ26を介してインターネットに通信接続されている。
【0023】
管理装置21は、宿泊施設内の各種管理を行う装置であって、本実施形態では、LAN通信部23、入力装置22、記憶部24、モニタ25が接続されている。受付装置4は、ユーザとしての宿泊客がチェックイン時に使用する装置である。なお、本実施形態の受付装置4では、顔認識処理を行うことが可能となっている。
【0024】
顔認識端末3a~3dは、施設内の各所(本実施形態では、フロント、レストランA、レストランB、大浴場等)に設置されており、顔認識処理を行うことが可能である。本実施形態の顔認識端末3a~3dは、顔認識端末3a~3dに予め記憶されたユーザの顔認識情報に基づき、撮影された顔が登録された何れのユーザ(顔認識情報)であるかを特定することが可能となっている。
【0025】
図3は、本実施形態に係る顔認識端末3の外観を示す図であり、
図4は本実施形態に係る顔認識端末3の構成を示すブロック図である。
図2で説明した顔認識端末3a~3dは何れも同一の構成である。そのため、
図3、
図4では、符号a~dを外した顔認識端末3として説明を行う。
【0026】
顔認識端末3は、スタンド32上に設けられた筐体31を有して構成されている。筐体31には、前面に表示部34、その上方に第1撮像部35a、第2撮像部35b、第3撮像部35cが設けられている。第1撮像部35aには、通常のカメラを使用している。また、第2撮像部35bには、被写体までの距離を計測可能なデプスカメラを使用している。そして、第3撮像部35cには、検温可能なサーモカメラを使用している。被写体までの距離を計測するデプスカメラを使用することが考えられる。このように、第1撮像部35a~第3撮像部35cといった複数の撮像部を使用することで、顔認識処理の精度向上を図ることが可能となっている。
【0027】
また、赤外線カメラで構成された第3撮像部35cを使用し、撮像されたユーザの体温検出を行うことも可能である。顔認識と同時に、ユーザの体温を検出することで、例えば、体温が閾値以上の場合、発熱の警告を通知することも可能である。発熱の通知には、表示部34に表示する形態の他、スピーカ38からの音声による通知等、各種携帯を採用することが可能である。現在、店舗等に入店する際、係員による発熱チェックが行われることがあるが、本実施形態の顔認識端末3では、顔認証と、発熱チェックを同時に行うことが可能となっている。なお、警告通知に代え、検出した体温を通知することとしてもよい。
【0028】
顔認識端末3は、表示部34を認識対象となるユーザ側に向くように設置される。第1撮像部35aには、第1撮像部35aで撮像した映像が表示される。したがって、ユーザは顔認識処理が行われる際、表示部34内に自己の顔が表示されるように移動することで、適切に顔認識処理を行うことが可能となる。
【0029】
図4のブロック図に示されるように、顔認識端末3は、制御部としてのCPU36a、ROM36b、RAM36c、画像処理部36d、音声処理部36fを備えて構成されている。画像処理部36dには、液晶表示装置等の表示部34が接続されている。音声処理部36fには、音声を出力するためのスピーカ38が接続されている。これらの各種構成は、バスを介して互いに通信接続されている。また、インターフェイス36dには、
図3で説明した第1撮像部35a、第2撮像部35b、第3撮像部35cが接続されている。本実施形態の顔認識端末3は、有線LANを使用して、LAN27に通信接続されている。そのため、LAN通信部37を備えている。なお、有線LANを使用することに代え、無線LAN、あるいは、その他の通信手段を使用することも可能である。
【0030】
図5は、本実施形態に係る受付装置4の外観を示す図であり、
図6は、本実施形態に係る受付装置4の構成を示すブロック図である。本実施形態の受付装置4は、宿泊客に対する受付(例えば、チェックイン、チェックアウトの少なくとも一方)を行う装置である。
【0031】
図5に示されるように、受付装置4は、各種情報を表示するとともに、ユーザの操作を受付可能なタッチパネルモニタ42、第1撮像部43a、第2撮像部43b、第3撮像部43c、カードリーダ44、スキャナ45a、2次元バーコードリーダ45b、レシートプリンタ46aを備えて構成されている。
【0032】
本実施形態の受付装置4は、
図3、
図4で説明した顔認識端末3と同様、顔認識処理を実行可能としている。そのため、第1撮像部43a、第2撮像部43b、第3撮像部43cは、受付装置4の前に立つユーザの顔を撮影する撮像手段として機能する。顔認識端末3の場合と同様、第1撮像部43aには、通常のカメラを使用し、第2撮像部43bには、被写体までの距離を計測するデプスカメラを使用し、第3撮像部35cには、検温可能なサーモカメラを使用している。このように、受付装置4においても第1撮像部43a~第3撮像部43cといった複数の撮像部を使用することで、顔認識処理の精度向上を図ることが可能となっている。また、第3撮像部43cを使用することで、ユーザの体温を測定することも可能となっている。
【0033】
図6は、本実施形態に係る受付装置4の構成を示すブロック図である。受付装置4は、制御部としてのCPU41a、ROM41b、RAM41c、画像処理部41dを備えて構成されている。画像処理部41dには、タッチパネルモニタ42が接続されている。タッチパネルモニタ42は、表示部422とタッチパネル421を有して構成されている。また、受付装置4は、記憶部としてのハードディスク48、そして、スピーカ49へ音声を出力するための音声処理部41eを備えて構成されている。
【0034】
また、受付装置4における各種構成は、バスを介して通信接続されており、バスにはインターフェイス47が接続されている。インターフェイス47には、
図6で説明したカードリーダ44、第1撮像部43a、第2撮像部43b、スキャナ45a、2次元バーコードリーダ45b、レシートプリンタ46aが接続されている。また、インターフェイス47には、有線LAN通信を行うためのLAN通信部47aも接続されている。
【0035】
受付装置4では、2次元バーコードリーダ45bにより、ユーザの携帯端末画面に表示される2次元バーコード、あるいは、紙に印字された2次元バーコードを読み取ることで、チェックインを行うことが可能である。また、ユーザが、予め顔認証処理を行うことを登録している場合、顔認証処理によるチェックインを行うことも可能となっている。また、カードリーダ44は、クレジットカードを読み取ることが可能であり、受付装置4はカード決済を行うことが可能である。また、スキャナ45aは、宿泊客が外国人である場合、宿泊客の提示するパスポートの読取りを実行する。読み取られたパスポートは、電子的な宿帳として、各種情報とともに管理装置21等で記憶管理される。
【0036】
図7は、本実施形態に係る宿泊施設予約時における処理を示すフロー図である。本実施形態では、
図1で説明した施設2Aについて、
図2~
図6を使用して説明した宿泊施設を例にとって説明する。
【0037】
宿泊施設を予約する場合、宿泊客であるユーザは、携帯端末、パーソナルコンピュータ等のユーザ端末6a、6b(この例では、携帯端末を使用)を使用して、例えば、予約サーバ7aにアクセスし、希望の宿泊施設(例えば、施設2A)の予約を行う(S101)。予約サーバ7aはユーザによる予約が完了すると予約に関する各種情報を含む予約情報を登録する(S121)。また、予約サーバ7aは、予約情報を宿泊対象となる施設2Aの管理装置21に送信する。管理装置21は、受信した予約情報に基づき、客室の確保等、各種管理を実行する。
【0038】
ここで、本実施形態の顔認識管理システムは、施設2Aに設けられた顔認識システムについて、ユーザ(この場合、予約する顧客)による管理を行うことが可能となっている。また、予約サーバ7aには、施設2Aに顔認識システムが設けられていることが、予め登録されており、ユーザからの予約情報を受信した場合、施設2Aの顔認識システムを管理する顔認識管理サーバ1に対して、予約関連情報の送信を行う(S123)。また、予約サーバ7aは、ユーザ端末6aに対して、予約確認メールを送信する(S124)。ユーザは、予約確認メールを受信したこと(S102)に基づき、予約が適切に行われたことを確認する。
【0039】
ここで、顔認識管理サーバ1について説明しておく。顔認識管理サーバ1は、施設2A~2C…に設置された顔認識システムにおける顔認識情報、すなわち、顔認証処理において使用される個人の顔写真、あるいは、顔の特徴を示す情報を管理するサーバである。ユーザは、顔認識管理サーバ1に、顔認識管理情報を登録しておくことで、各施設2A~2C…において、顔認証処理を使用した各種サービス(顔認識サービス)を受けることが可能となっている。
【0040】
図8は、本実施形態に係る各種情報のデータ構成を示す図である。
図8(A)は、顔認識管理サーバ1に登録される顔認識管理情報のデータ構成である。顔認識管理情報は、ユーザID、パスワード、顔認識処理を実行するのに必要となる顔認識情報、氏名、メールアドレス、電話番号等を含んで構成されている。
図8(B)は、顔認識管理サーバ1に登録されているクライアント管理情報のデータ構成である。クライアント管理情報は、クライアント、すなわち、顔認識管理サーバ1の運営会社の顧客である施設2A~2C…に関する情報であって、クライアントID、パスワード、施設名等を含んで構成されている。
【0041】
図8(C)は、予約関連情報、すなわち、
図7で説明した予約サーバ7aから顔認識管理サーバ1に送信される情報である。予約関連情報は、予約情報等に基づいて形成される情報であって、施設2A~2Cを識別するクライアントID、予約したユーザの識別に用いられるメールアドレス、利用期間(宿泊施設の場合は宿泊期間)、予約関連情報を識別するための伝票ID、秘匿化されたカプセル化情報を含んで構成されている。
【0042】
ここで、カプセル化情報とは、クライアント、すなわち、利用対象となる施設2A~2C…で開封可能な情報であって、例えば、施設2AにおけるユーザID、そして、施設2Aにおける予約ID等を含んで構成されている。ここで、開封とは、秘匿化されていることであって、例えば、管理装置21に記憶された鍵情報を使用して、秘匿化を解除することが可能である。あるいは、顔認識処理において、あるユーザの顔認識が行われたことを条件として、当該ユーザのカプセル化情報の秘匿化を解除することとしてもよい。このように、カプセル化情報は、利用対象となる施設2Aでのみ開封可能な情報であるため、顔認識管理サーバ1側等では、その内容を把握することができない。したがって、ユーザの個人情報等、重要な情報は、途中介在する顔認識管理サーバ1等において秘匿化することが可能となっている。
【0043】
図7のフロー図に戻り、予約関連情報を受信(S161)した顔認識管理サーバ1は、予約関連情報に含まれるメールアドレス、すなわち、施設2Aの利用者に対して顔認識利用確認メールを送信する(S162)。
図9(A)には、ユーザ(施設2Aの利用者)が所持するユーザ端末6aのタッチパネル75に表示される顔認識利用確認メールが示されている。
図9に示される表示された顔認識利用確認メールは、通常のメールソフトで表示された例であって、画面には、メール一覧に戻るためのボタン75aが表示されている。
【0044】
顔認識利用確認メールは、施設2Aを予約したユーザに対して、顔認識サービスの利用可否を問うために送信された通知である。顔認識利用確認メールには、予約した利用施設の名称、利用期間、そして、利用確認を行うためのURLが表示されている。URLには、伝票IDを含んだ顔認識管理サーバ1のアドレスが表示されている。ユーザは、利用確認のためのURLを選択操作することで、顔認識管理サーバ1にアクセスし、当該施設での顔認識サービスの可否を選択することが可能である。その際、URLに含まれる伝票IDに基づき、該当する予約関連情報を特定することが可能となっている。
【0045】
顔認識利用確認メールを受信(S103)したユーザ端末6aにおいて、利用確認のためのURLが選択され、顔認識管理サーバ1にアクセスした場合(S104:Yes)、ログイン状況が判定される(S105)。ユーザ端末6aで顔認識管理サーバ1にログインしていない場合(S105:No)、ユーザ端末6aには、
図9(B)に示されるログイン画面が表示される。ログイン画面には、ユーザID入力欄、パスワード入力欄75c、ログインボタンが設けられており、ユーザは、ユーザID、パスワードを入力した上で、ログインボタンを操作し、顔認識管理サーバ1にログインを要求する。なお、ユーザには顔認識サービスのユーザ登録を行っていないことも考えられる。その場合、ユーザは、新規登録を操作し、新規登録画面(図示せず)で各種情報を入力することで、顔認識管理サーバ1で提供する顔認識サービスに新たに登録(参加)することが可能である。
【0046】
顔認識管理サーバ1は、ログイン要求を受信すると、記憶している顔認識管理情報に基づき、ログイン認証を行う(S163)。顔認識管理サーバ1は、ログイン認証できた場合(S164:Yes)、予約関連情報と顔認識関連情報の対応付を行う。このように、ユーザがログインしたことを条件として、予約関連情報と顔認識情報の対応付を行うことで、顔認識サービスのセキュリティ向上を図ることが可能となっている。その後、顔認識管理サーバ1は、利用確認画面を送信(S165)し、ユーザ端末6aに表示させる(S106)。
図9(C)には、ユーザ端末6aに表示される利用確認画面が表示されている。利用確認画面には、利用対象となる施設において、顔認識サービスの利用許可を選択することが可能となっている。本実施形態では、2つのラジオボタン75e、75fが設けられており、ユーザは、宿泊期間のみ顔認識サービスの利用を許可するラジオボタン75e、宿泊期間、及び、宿泊期間以降も顔認識サービスの利用を許可するラジオボタン75fが設けられている。
【0047】
ユーザは、自己の選択に基づきラジオボタン75e、75fのどちらかを選択し、送信ボタン75gを操作することで、顔認識管理サーバ1に利用要求を送信する(S107)。一方、施設において、顔認識サービスの利用を行わない場合、ユーザは、送信ボタン75gを操作することなく処理を終了する。なお、このような形態に代え、顔認識サービスの利用を行わない旨を、顔認識管理サーバ1に通知するようにしてもよい。利用要求を受信した顔認識管理サーバ1は、施設において、指定された期間(宿泊期間のみ、あるいは、宿泊期間、及び、宿泊期間以降)、顔認識サービスを利用する旨を利用登録情報として記録する(S166)。
【0048】
以上、ユーザによる施設予約時における顔認識サービスの利用可否を説明したが、本実施形態の顔認識管理システムによれば、顔認識サービスを提供可能な施設の利用前において、ユーザは、当該施設における顔認識サービスの利用可否を選択することが可能となっている。また、
図1に示されるように、顔認識管理サーバ1は、複数の施設2A~2C…を管理するため、ユーザは、顔認識管理サーバ1に一度登録するだけで、複数の施設2A~2C…において、顔認識サービスを受けることが可能となる。また、各施設2A~2C…毎に、顔認識サービスの利用可否を選択することも可能となる。このように本実施形態の顔認識管理システムでは、顔認識情報を統括的に管理できるため、ユーザは煩雑な管理を行う必要が無く、顔認識サービスの信頼性向上を図ることも可能となっている。
【0049】
次に、施設における顔認識サービスの提供について説明する。
図10は、本実施形態に係る施設(宿泊施設)利用時における処理を示すフロー図である。顔認識管理サーバ1は、利用期間(宿泊期間)が、所定時間以内となった場合(S171:Yes)、顔認識利用情報を、該当する施設の管理装置に送信する(S172)。
【0050】
図8(D)は、顔認識利用情報のデータ構成を示す図である。顔認識利用情報は、宛先となる施設を特定するクライアントID、有効期間、伝票ID、顔認識情報、カプセル化情報を含んで構成される情報である。なお、伝票IDは、顔認識情報を識別可能な情報であればよく、顔認識情報のファイル名とする等、各種形態を採用することが可能である。顔認識管理サーバ1は、利用対象となる施設に対して、利用期間前に前もって顔認識利用情報を送信しておくことで、施設における顔認識サービスの提供を確実なものとしている。
【0051】
顔認識利用情報を受信(S151)した施設側の管理装置21は、受信した顔認識利用情報を記憶管理し、利用期間開始の到来まで待つ(S152)。利用期間開始が到来した場合(S152:Yes)、管理装置21は、
図8(E)に示される顔認識端末情報を施設内に設置された顔認識端末3a~3dに送信する。顔認識端末情報は、顔認識利用情報に含まれる情報で構成された情報であって、この例では、顔認識情報、伝票IDを含んで構成されている。
図2の場合、受付装置4においても顔認識サービスを提供可能とするため、受付装置4に対しても顔認識端末情報を送信する(S153)。顔認識端末情報を受信(S181)した顔認識端末3a~3d、あるいは、受付装置4では、当該顔認識端末情報のユーザを認識することが可能となる。なお、受付装置4においても顔認識端末3a~3dと同様、顔認識処理を実行することが可能であるが、以降の説明では、受付装置4における処理については省略する。
【0052】
ユーザが施設を訪れ、顔認識端末3a~3dの前に位置した場合、顔認識端末3a~3dは、顔認識処理を実行する(S182)。顔認識端末3a~3dが記憶する顔認識端末情報中、該当するユーザの顔認識端末情報(具体的には、顔認識情報)が存在している場合、顔認識端末3a~3dは、認識完了情報を管理装置23に送信する(S183)。
図8(F)には、認識完了情報のデータ構成が示されている。認識管理情報は、顔認識を行った顔認識端末3a~3dを識別可能な顔認識端末ID、認識ユーザに対応する伝票ID,顔認識を行った日時である認識日時を含んで構成されている。
【0053】
認識完了情報を受信した管理装置23は、受信した顔認識完了情報中、伝票IDを参照し、
図8(D)の顔認識利用情報内のカプセル化情報を開封する。カプセル化情報には、施設の会員ID、予約IDが含まれているため、カプセル化情報を開封することで、ユーザを特定することが可能となる。なお、本実施形態では、顔認識が完了したことを条件としてカプセル化情報の開封を行うこととしているが、このような形態に代え、管理装置21は、予約関連情報を受信後、管理装置21で管理する鍵情報に基づき、カプセル化情報を開封して管理してもよい。
【0054】
管理装置23は、受信した顔認識完了情報に基づき、顔認識端末3a~3dに対応する処理を実行する。顔認識完了情報には、顔認識端末IDが含まれているため、管理装置23は、どの顔認識端末3a~3dで認識を行ったのかを特定することが可能である。ここで、管理装置23には、顔認識アクション情報が記憶管理されている。顔認識アクション情報は、顔認識端末3a~3d毎に、認識時に行う処理(アクション)を規定した情報である。
【0055】
図8(G)に示されるように、顔認識アクション情報は、顔認識端末ID、利用場所、利用時間、アクション内容を含んで構成されている。例えば、認識したユーザのチェックイン日において、フロントに設置される顔認識端末3aで顔認識が行われた場合、当該ユーザのチェックイン処理を実行する。管理装置23でチェックイン処理が完了すると、管理装置23は、認識を行った顔認識端末23aにチェックイン完了の旨を送信する。顔認識端末23aでは、チェックイン完了の旨を表示部34に表示、あるいは、スピーカ38から放音することで通知を行う。なお、本実施形態の顔認識端末3では、第3撮像部35cによる体温測定を行うことが可能となっている。そのため、例えば、ユーザの体温が閾値を超えている場合、警告通知を併せて行うこととしてもよい。あるいは、第1撮像部35aの撮像結果に基づき、マスクの着用、非着用を検出し、マスク着用が必要な場所において、マスクが非着用の場合、マスクを着用するように通知を行うこととしてもよい。
【0056】
また、顔認識端末23aにおいて、チェックアウト日にフロントで認識された場合、当該ユーザのチェックアウト処理を実行する。この場合もチェックイン処理と同様、顔認識端末23aでは、チェックアウト処理の結果が、顔認識端末23aで通知される。
【0057】
また、大浴場に設置されている顔認識端末3a~3dでユーザの顔認識が実行された場合、当該ユーザに対して入浴料が課金される。この場合、管理装置23は、大浴場3dの入口近傍に設置された顔認識端末3dから、顔認識完了情報を受信する。管理装置23は、顔認識完了情報中に含まれる顔認識端末IDに基づき、対応する顔認識アクション情報中のアクション内容を実行する。この場合、会員IDもしくは予約IDに対応するユーザに対して入浴料の課金を行う。その後、管理装置23は、顔認識端末3dに、入浴料の課金完了の旨を送信する。そして、顔認識端末3dは、入浴料の課金が完了したことを通知する。
【0058】
また、6:00~10:00の時間帯において、レストラン(レストランA、レストランBのどちらも可能)の入口近傍に設置される顔認識端末3b、もしくは、顔認識端末3cで顔認識された場合、顔認識端末3b、3cは、管理装置23に顔認識完了情報を送信する。管理装置23は、顔認識完了情報に含まれる顔認識端末IDに基づき、朝食券の消し込み処理を実行する。まず、管理装置23は、顔認識完了情報の伝票IDに基づき、カプセル化情報を開封し、予約IDを取得する。そして、予約IDに対応する予約プランに朝食券が含まれているか否かを確認し、朝食券が含まれている場合には、当該朝食券を使用済みに変更、顔認識を行った顔認識端末3a、もしくは、顔認識端末3bに朝食の許可を送信する。朝食の許可を受け取った顔認識端末3a、もしくは、顔認識端末3bは、その旨を通知する。
【0059】
一方、予約IDに対応する予約プランに朝食券が含まれていない場合、あるいは、朝食券が使用済みの場合、管理装置23は、顔認識を行った顔認識端末3a、もしくは、顔認識端末3bに朝食の不許可を送信する。朝食の不許可を受け取った顔認識端末3a、もしくは、顔認識端末3bは、その旨を通知する。
【0060】
また、レストランAもしくはレストランBに設置される顔認識端末3b、3cにおいて、6:00~10:00以外の時間帯に、顔認識が実行された場合、ユーザに対して食事料金の課金を行うこととしている。
【0061】
このように、本実施形態では、顔認識が行われた顔認識端末3a~3d毎に処理内容が設定されている。また、顔認識アクション情報には、顔認識端末3a~3d毎の処理内容に加え、利用時間を設定しておくことで、利用時間で異なる処理を実行させることも可能となっている。
【0062】
管理装置23は、顔認識完了情報を受信し、顔認識アクション情報に基づき、顔認識端末に3a~3d対応する処理を実行する(S155)。その際、少なくともどの施設において顔認識が行われたかを示す認識履歴を顔認識管理サーバ1に送信する(S156)。顔認識管理サーバ1は、認識履歴を受信(S173)し、ユーザ毎に認識履歴をログに記録する(S174)。更に、本実施形態では、ユーザ端末6aに認識履歴を通知する。本実施形態では、顔認識管理情報に登録されているメールアドレスを使用してメール送信することとで、ユーザに通知することとしている。
【0063】
ユーザ端末6aでは、認識履歴を受信(S111)し、ユーザに対して認識履歴が通知される。認識履歴には、少なくともどの施設で顔認識が行われたかが記載されているため、ユーザは、自己の顔認識情報が使用されたことを認識することが可能となる。また、意図しない利用の場合、顔認識管理サーバ1にアクセスし、該当する施設での使用中止を設定することも可能である。
【0064】
なお、本実施形態では、顔認識管理サーバ1からユーザ端末6aに対して、認識履歴を送信しているが、ユーザ端末6aに対する認識履歴は、管理装置21からユーザ端末6aに送信されることとしてもよい。
【0065】
図10に示される破線枠部分を、繰り返し実行することで、施設における顔認識サービスが行われる。予めユーザが設定した利用期間の終了が到来した場合(S157:Yes)、かまず、管理装置21は、顔認識端末3a~3dに対して、利用期間が終了したユーザの顔認識端末情報の削除指令を送信する(S158)。顔認識端末3a~3dでは、受信した削除指令に該当する顔認識端末情報を削除する(S184)。また、管理装置21は、記憶部24に記憶している利用期間終了が到来した顔認識利用情報も削除(S159)し、削除完了を顔認識管理サーバ1に通知する。
【0066】
削除完了を受信(S176)した顔認識管理サーバ1は、ユーザ端末6aに対して、削除完了を通知する(S177)。本実施形態では、顔認識管理情報に登録されているメールアドレスを使用してメール送信することとで、ユーザに通知することとしている。ユーザは、削除完了を受信(S113)し、削除完了が通知される(S114)ことで、自己の意図に沿って、自己の顔認識情報が適切に管理されていることを確認することが可能となる。
【0067】
以上、説明したように、本実施形態の顔認識管理システムによれば、ユーザが許可した施設において、顔認識サービスを受けることが可能となる。また、顔認識が行われたことを示す認識履歴、あるいは、顔認識利用情報の削除を確認することが可能であり、安心して顔認識サービスを利用することが可能となる。
【0068】
図12は、本実施形態に係るユーザ端末6aに表示される各種画面を示す図である。本実施形態では、ユーザ端末6a(あるいは6b)を使用して、顔認識管理サーバ1にアクセスし、各種管理を行うことが可能である。
【0069】
図12(A)は、顔認識管理サーバ1にアクセスした際に表示されるトップ画面である。このトップ画面には、利用中のサービス確認、サービスの再開、利用確認、各種設定を行うためのボタンが表示されている。
【0070】
利用中のサービス確認が選択された場合、
図12(B)に示される画面に遷移する。
図12(B)中、戻るボタン75jは、
図12(A)のトップ画面に戻る際、操作されるボタンである。画面には、現在利用中の顔認識サービスに関する情報が表示されている。ここで、本実施形態では、現在利用中の顔認識サービスには次の2種類が存在する。
(1)既に顔認識端末3a~3dに顔認識情報が記憶済みであって、当該顔認識端末3a~3dで顔認識を実行可能な状態。
(2)顔認識端末3a~3dには、顔認識情報は記憶されていないが、今後、顔認識端末3a~3dで顔認識が行われる予定の状態(
図12(B)の例では、「○○観光サービス」、「××コンサート」がこの状態相当する)。
【0071】
図12(B)には、(1)の場合について、施設名「Almexホテル」が示されている。施設名の右側には、詳細ボタン、中止ボタンが設けられている。詳細ボタンが操作された場合、利用施設に関する説明、並びに、顔認識サービスの利用開始日時等、現在の状況が表示される。また、中止ボタンが操作された場合には、当該施設における顔認識サービスの利用が中止、この場合、既に送信されている顔認識端末3a~3dから顔認識情報が直ちに削除され、顔認識端末3a~3dにおいて、顔認識を行うことができない状態となる。なお、本実施形態では、管理装置21にも顔認識情報が記憶されているため、管理装置21から顔認識情報を削除してもよい。あるいは、顔認識サービスを再開する場合に備え、管理装置21の顔認識情報等、必要な情報は残すこととしてもよい。
【0072】
一方、
図12(B)には、(2)の場合について、施設名「○○観光サービス」、「××コンサート」が示されている。施設名の右側には、詳細ボタン、取消ボタンが設けられている。詳細ボタンが操作された場合、利用施設に関する説明、並びに、顔認識サービスの利用開始日時等、現在の状況が表示される。また、取消ボタンが操作された場合には、当該施設における顔認識サービスの利用が取り消される。
【0073】
また、本実施形態では、一旦、中止、あるいは、取り消した顔認識サービスを再開することも可能である。
図12(A)のトップ画面には、「サービスの再開」と表記されたボタンが設けられており、このボタンを操作することで一旦、中止、あるいは、取消した顔認識サービスの再開を設定することが可能である。この場合、顔認識サービスを中止、あるいは、取り消した施設名が表示された顔認識サービス再開画面(図示せず)に遷移し、当該施設について、顔認識サービスの再開を設定することが可能である。
【0074】
サービスが中止されている場合、すなわち、(1)の場合において、再開が指示されると、顔認識管理サーバ1は、該当する施設に顔認識利用情報を送信する。そして、管理装置21は、顔認識端末3a~3dに顔認識端末情報を送信し、直ちに顔認識端末3a~3dを使用した顔認識を行うことが可能となる。なお、顔認識サービスの中止において、管理装置21に顔認識情報を含む各種情報を残している場合、管理装置21から顔認識端末3a~3dに顔認識端末情報を送信するのみでよい。
【0075】
一方、サービスが取り消されている場合、すなわち、(2)の場合において、再開が指示されると、利用期間の到来とともに、顔認識利用情報が顔認識端末3a~3dに送信され、当該顔認識端末3a~3dにおいて、顔認識を行うことが可能となる。
【0076】
また、本実施形態では、顔認識の履歴を参照することも可能である。
図12(A)のトップ画面に表示される「履歴確認」と表記されたボタンが操作された場合、
図12(C)に示される画面に遷移する。この履歴確認画面には、いつ(日時)、どこで(施設名)、顔認識処理が行われたかが表示されている。ユーザは、履歴確認画面を参照し、過去に行われた顔認識処理を確認することが可能である。なお、詳細ボタン75kを操作することで、顔認識処理に関する詳細情報を表示することも可能である。なお、履歴確認画面に表示できない履歴については、前頁ボタン75h、次頁ボタン75iを操作することで表示させることが可能である。
【0077】
このように本実施形態の顔認識管理システムでは、複数の施設において提供される顔認識サービスを一括して管理することが可能である。ユーザは、所持するユーザ端末6a、6bを使用して、顔認識管理サーバ1にアクセスすることで、現在、利用中の顔認識サービスの管理(中止、あるいは、再開等)すること、あるいは、顔認識サービスの利用履歴を一括して管理することが可能である。
【0078】
なお、本実施形態の顔認識管理システムにおいて、顔認識サービスの利用対象となる施設は、前述した宿泊施設のみならず、各種施設を対象とすることが可能である。例えば、
図12(C)の利用確認画面にも示されているように、病院、クリニック等の医療関連施設、タクシー、観光バス、あるいは、電車等の各種交通関連施設、あるいは、レストラン等の飲食施設、あるいは、試験会場、コンサート施設の入場時における本人確認に使用することも可能である。また、本実施形態の顔認識端末3は、第3撮像部35cによる体温測定を行うことが可能であるため、本人確認と同時に体温測定を行い、発熱が確認された場合、その旨を通知することで、感染症の拡大を事前に防ぐことも可能となっている。
【0079】
また、本実施形態に係る顔認識管理システムは、以下の変形例を採用することもできる。本実施形態では、施設に管理装置21を設置する形態としているが、顔認識端末3a~3dが管理装置21の機能を兼ね備えてもよい。
図2の例のように複数の顔認識端末3a~3dが設置されている場合には、何れか1つの顔認識装置3aが管理装置21の機能を有することで、別途、管理装置21を設置する必要がなくなる。あるいは、施設に1台のみ顔認識装置3aを設置する場合、管理装置3aを設置するだけでよい。例えば、コンサート会場の入場管理に使用する場合、管理装置21のみで顔認識、及び、入場の可否判断を行うことが可能となる。
【0080】
以上、本発明に係る発明について、各種実施形態について説明を行ったが、本発明はこれら各種実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの各種実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した形態も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0081】
1:顔認識管理サーバ 41d:画像処理部
2A~2C:施設 41e:音声処理部
3(3a~3d):顔認識端末 42:タッチパネルモニタ
4:受付装置 43a:第1撮像部
6a:ユーザ端末 43b:第2撮像部
6b:ユーザ端末 44:カードリーダ
7a、7b:予約サーバ 45a:スキャナ
21:管理装置 45b:2次元バーコードリーダ
22:入力装置 46a:レシートプリンタ
23:LAN通信部 47:インターフェイス
24:記憶部 47a:LAN通信部
25:モニタ 48:ハードディスク
26:ルータ 51:ルータ
31:筐体 52:アクセスポイント
31d:画像処理部 53:無線基地局
32:スタンド 75:タッチパネル
34:表示部 75a:ボタン
35a:第1撮像部 75c:パスワード入力欄
35b:第2撮像部 75e:ラジオボタン
36a:CPU 75f:ラジオボタン
36b:ROM 75g:送信ボタン
36c:RAM 75h:前頁ボタン
36d:インターフェイス 75i:次頁ボタン
37:LAN通信部 75j:ボタン
41a:CPU 75k:詳細ボタン
41b:ROM 421:タッチパネル
41c:RAM 422:表示部
【手続補正書】
【提出日】2024-06-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に設置された顔認識端末と、前記顔認識端末が通信接続された管理装置を備えた顔認識管理システムであって、
前記顔認識端末は、顔認識情報を含む顔認識利用情報に基づき、ユーザの顔認識処理を
実行可能とし、
前記管理装置は、前記顔認識端末に対応付けられた顔認識アクション情報を記憶し、
前記顔認識端末で顔認証が完了した場合、顔認識アクション情報を参照し、顔認識した
ユーザについて、顔認識された前記顔認識端末に対応付けられている処理を実行する
顔認識管理システム。
【請求項2】
顔認識アクション情報は、利用時間を含んで構成され、
前記管理装置は、前記顔認識端末で顔認証が完了した場合、顔認識アクション情報を参照し、顔認識したユーザについて、顔認識された前記顔認識端末、及び、利用時間に対応付けられている処理を実行する
請求項1に記載の顔認識管理システム。
【請求項3】
施設内の前記顔認識端末で、顔認識が実行された場合、顔認識されたユーザの前記ユーザ端末に通知する通知処理を実行する
請求項1に記載の顔認識管理システム。
【請求項4】
施設に設置された顔認識端末と通信可能な管理装置であって、
前記顔認識端末は、顔認識情報を含む顔認識利用情報に基づき、ユーザの顔認識処理を
実行可能とし、
前記管理装置は、前記顔認識端末に対応付けられた顔認識アクション情報を記憶し、
前記顔認識端末で顔認証が完了した場合、顔認識アクション情報を参照し、顔認識した
ユーザについて、顔認識された前記顔認識端末に対応付けられている処理を実行する
管理装置。