IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ライオン株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096412
(43)【公開日】2024-07-12
(54)【発明の名称】収容ケースおよび歯磨きセット
(51)【国際特許分類】
   A46B 17/00 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
A46B17/00
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024076644
(22)【出願日】2024-05-09
(62)【分割の表示】P 2021554214の分割
【原出願日】2020-09-30
(31)【優先権主張番号】P 2019193834
(32)【優先日】2019-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019193835
(32)【優先日】2019-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019193836
(32)【優先日】2019-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】原 浩喜
(72)【発明者】
【氏名】大貫 毅
(72)【発明者】
【氏名】森沢 亮介
(72)【発明者】
【氏名】畠中 拓朗
(57)【要約】
【課題】口腔内洗浄剤を収容した容器をケース本体に収容した際にケース部材に対する容器の位置を固定することができる収容ケースおよび歯磨きセットを提供する。
【解決手段】ケース本体は、容器を固定する固定部を備え、固定部は、ケース部材に設けられ、容器がケース部材の長手方向に移動することを抑制する保持部、および蓋部材に設けられ、容器が第1空間部内で回転することを抑制する固定リブ部、の少なくとも一方を有し、ケース部材は、第1空間部を、容器を収容する歯磨収容部と歯ブラシの一部を収容する歯ブラシ収容部とに仕切るようにケース部材の長手方向に沿って延びる仕切リブ部を有し、仕切リブ部は、ケース部材の内面から立設して設けられ、仕切リブ部は、ケース部材の長手方向の一端部側に位置する底面からケース部材の長手方向の他端部側に沿って延在している。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔内洗浄剤を収容した容器および歯ブラシの一部を収容可能な第1空間部と前記第1空間部から前記容器および前記歯ブラシの取り出しを可能にする開口部とを備えるケース部材と、前記開口部を開閉する蓋部材と、を備えるケース本体を有し、
前記ケース本体は、前記容器を固定する固定部を備え、
前記固定部は、
前記ケース部材の内面に設けられ、前記容器の少なくとも一部を保持することによって前記容器が前記ケース部材の長手方向に移動することを抑制する保持部、
および前記蓋部材の内面に設けられ、前記開口部を前記蓋部材によって閉じたときに前記容器に対して当接することによって前記容器が前記第1空間部内で回転することを抑制する固定リブ部、の少なくとも一方を有し、
前記ケース部材は、前記第1空間部を、前記容器を収容する歯磨収容部と前記歯ブラシの一部を収容する歯ブラシ収容部とに仕切るように前記ケース部材の長手方向に沿って延びる仕切リブ部を有し、
前記仕切リブ部は、前記ケース部材の内面から立設して設けられ、
前記仕切リブ部は、前記ケース部材の長手方向の一端部側に位置する底面から前記ケース部材の長手方向の他端部側に沿って延在している、収容ケース。
【請求項2】
前記保持部は、前記ケース部材の短手方向に延在するとともに前記容器の少なくとも一部と嵌合可能な溝部が形成されたフック部を有し、
前記固定リブ部は、前記開口部を前記蓋部材によって閉じたときに前記容器を前記ケース部材の内面側に押さえ込む凸部を有する、請求項1に記載の収容ケース。
【請求項3】
前記保持部は、前記ケース部材の短手方向の一端部側から前記仕切リブ部に向かって前記ケース部材の短手方向に延在し、かつ前記ケース部材の長手方向に直交する平面に設けられており、
前記固定リブ部は、前記仕切リブ部よりも、前記底部と反対側に位置する前記ケース部材の長手方向の一端部側の位置に配置されている、請求項2に記載の収容ケース。
【請求項4】
前記仕切リブ部は、前記ケース部材の短手方向における前記歯ブラシ収容部の幅が前記ケース部材の長手方向の一端部側から他端部側に向かって広くなるように、前記ケース部材の正面視において前記ケース部材の長手方向の一端部側から他端部側に向かって傾斜して設けられている、請求項1~3のいずれか1項に記載の収容ケース。
【請求項5】
前記第1空間部内へ前記開口部を介して前記容器を挿入する奥行方向に沿った前記歯磨収容部の深さ寸法の最大値は、前記ケース部材の短手方向に沿った前記歯磨収容部の幅寸法の最大値よりも大きく構成され、
前記歯磨収容部の幅寸法は、前記歯磨収容部の奥行方向において内面側に向けて漸減している、請求項1~4のいずれか1項に記載の収容ケース。
【請求項6】
前記ケース本体は、前記蓋部材により前記開口部が閉じられた状態で、前記第1空間部内に収容された前記容器に記載された製造番号および製造記号の少なくとも一方を前記ケース本体の外部から視認可能とする視認部をさらに有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の収容ケース。
【請求項7】
前記視認部は、前記ケース部材に設けられ、前記第1空間部と前記ケース本体の外部とを連通する第2開口部を有する、請求項6に記載の収容ケース。
【請求項8】
前記ケース本体は、不透明材料からなる、請求項1~7のいずれか1項に記載の収容ケース。
【請求項9】
前記ケース本体は、前記第1空間部と前記ケース本体の外部とを連通することによって通気性を確保する第3開口部を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の収容ケース。
【請求項10】
前記ケース本体の長手方向の一端部側で前記ケース本体に対して着脱可能に取り付けられるとともに、前記ケース本体に取り付けられた状態において、前記歯ブラシの前記第1空間部に収容された部分とは異なる部分を収容可能な第2空間部が形成されたキャップをさらに有し、
前記蓋部材は、前記ケース本体に前記キャップが取り付けられた状態において、前記開口部を開閉可能である、請求項1~9のいずれか1項に記載の収容ケース。
【請求項11】
前記容器の最大幅は、前記歯磨収容部の幅寸法及び前記歯磨収容部の深さ寸法より大きく、かつ前記歯磨収容部の幅寸法と前記歯磨収容部の深さ寸法が成す対角線寸法よりも小さい、請求項1~10のいずれか1項に記載の収容ケース。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の収容ケースと、
前記歯ブラシと、
前記容器と、を備える、歯磨きセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容ケースおよび歯磨きセットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歯ブラシの携帯に用いられるケースがあり、例えば特許文献1では、歯ブラシを収容するケース本体と、ケース本体の長手方向の一端部を塞ぐキャップと、を有する歯ブラシ容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭61-172074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、口腔内洗浄剤を収容した容器をケース本体に収容した際にケース部材に対する容器の位置を固定することができる収容ケースおよび歯磨きセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明の収容ケースは、口腔内洗浄剤を収容した容器および歯ブラシの一部を収容可能な第1空間部と前記第1空間部から前記容器および前記歯ブラシの取り出しを可能にする開口部とを備えるケース部材と、前記開口部を開閉する蓋部材と、を備えるケース本体を有し、前記ケース本体は、前記容器を固定する固定部を備え、前記固定部は、前記ケース部材の内面に設けられ、前記容器の少なくとも一部を保持することによって前記容器が前記ケース部材の長手方向に移動することを抑制する保持部、および前記蓋部材の内面に設けられ、前記開口部を前記蓋部材によって閉じたときに前記容器に対して当接することによって前記容器が前記第1空間部内で回転することを抑制する固定リブ部、の少なくとも一方を有し、前記ケース部材は、前記第1空間部を、前記容器を収容する歯磨収容部と前記歯ブラシの一部を収容する歯ブラシ収容部とに仕切るように前記ケース部材の長手方向に沿って延びる仕切リブ部を有し、前記仕切リブ部は、前記ケース部材の内面から立設して設けられ、前記仕切リブ部は、前記ケース部材の長手方向の一端部側に位置する底面から前記ケース部材の長手方向の他端部側に沿って延在している、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
上記構成を有する発明では、口腔内洗浄剤を収容した容器をケース本体に収容した際にケース部材に対する容器の位置を固定することができる。そのため、ケース部材に対して蓋部材を閉じたときに、ケース部材に収容された容器がケース本体内で移動することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1変形例に係る歯磨きセットを示す斜視図である。
図2】第1変形例に係る歯磨きセットを示す斜視図である。
図3】第1変形例に係る収容ケースを示す斜視図である。
図4】第1変形例に係る収容ケースを示す正面図である。
図5】第1変形例に係るケース本体を示す上面図である。
図6】第1変形例に係るケース本体の一部を拡大して示す斜視図である。
図7】第1変形例に係るケース本体の一部を拡大して示す斜視図である。
図8】本発明の一形態に係る歯磨きセットを示す斜視図である。
図9】本発明の一形態に係る歯磨きセットを示す斜視図である。
図10】本発明の一形態に係る収容ケースを示す斜視図である。
図11】本発明の一形態に係る収容ケースを示す正面図である。
図12】本発明の一形態に係る歯ブラシを示す正面図である。
図13】本発明の一形態に係る容器を示す正面図である。
図14】本発明の一形態に係るケース本体を示す上面図である。
図15】本発明の一形態に係る固定部を示すための歯磨きセットの断面図である。
図16】本発明の一形態に係る保持部を示す上面図である。
図17】第2変形例に係る歯磨きセットを示す斜視図である。
図18】第2変形例に係る歯磨きセットを示す斜視図である。
図19】第2変形例に係る収容ケースを示す斜視図である。
図20】第2変形例に係るケース本体を示す上面図である。
図21図19のY1方向から見たケース本体およびキャップの側面図である。
図22】第2変形例に係るキャップを外した歯磨きセットの斜視図である。
図23】第2変形例に係るキャップを外すとともにケース本体の蓋部材を開いた歯磨きセットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態および変形例を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる。
【0009】
図1図2は、歯ブラシセット1を示す斜視図である。図1は、ケース部材110の開口部115を蓋部材120により閉じた状態の斜視図を示し、図2は、ケース部材110の開口部115を開いた状態の斜視図を示す。図3は、収容ケース10を示す斜視図である。図3では、ケース部材110の開口部115を開いた状態を示している。図4は、収容ケース10を示す正面図である。図4では、ケース部材110の開口部115を開いた状態を示している。図5は、ケース本体100の上面図である。図6図7のそれぞれは、ケース本体100の一部を拡大して示す斜視図である。
【0010】
各図に示す矢印X1-X2はケース本体100の長手方向を示し、矢印Y1-Y2はケース本体100の幅方向(短手方向)を示し、矢印Z1-Z2はケース本体100の奥行方向を示す。収容ケース10の長手方向、ケース部材110の長手方向、および蓋部材120の長手方向は、ケース本体100の長手方向と略同一の方向である。
【0011】
図1に示すように、第1変形例の歯磨きセット1は、収容ケース10と、歯ブラシ300と、口腔内洗浄剤を収容した容器(以下、単に「容器」とする)400と、を備える。
【0012】
歯ブラシ300は、植毛が設けられたヘッド部と、使用者が手指で把持することが可能なハンドル部と、ヘッド部とハンドル部とを連結するネック部と、を有する。なお、歯ブラシ300の具体的な構成は特に限定されず、公知の歯ブラシと同様の構成のものを採用することができる。
【0013】
収容ケース10は、ケース本体100と、キャップ200と、を有する。
【0014】
ケース本体100は、第1空間部113と開口部115とを備えるケース部材110と、蓋部材120と、を有する。
【0015】
ケース部材110は、図4に示すように、長手方向に沿って延びる半割れの筒形状を有する。ケース部材110の幅方向の一端部(矢印Y2で示す側の端部)には後述するヒンジ部131、132を介して蓋部材120が接続されている。
【0016】
第1空間部113は、歯ブラシ300の一部301および容器400を収容可能である。第1空間部113は、ケース部材110の内側に形成されている。第1空間部113が収容する歯ブラシ300の一部301は、例えば、歯ブラシ300のハンドル部およびその周辺部を含む任意の部分である。
【0017】
ケース部材110には、第1空間部113を、歯ブラシ300を収容する領域と容器400を収容する領域とに仕切る仕切り板190を設けることができる。また、ケース部材110には、容器400のキャップの一部を嵌合させることが可能なキャップ保持部181を設けることができる。
【0018】
開口部115は、第1空間部113から歯ブラシ300および容器400の取り出しを可能にする。開口部115は、ケース部材110の長手方向の略全長に亘って形成されている。開口部115は、図4に示すように、略長方形の平面形状を有する。
【0019】
開口部115の長手方向に沿う寸法は、例えば、ケース本体100の長手方向に沿う全長(後述するキャップ取り付け部150までを含めたケース本体100の長手方向の全長)に対して、85%以上、96%以下で形成することができる。開口部115の長手方向に沿う寸法をこのような長さに設定することにより、ケース本体100にキャップ200を取り付けた状態においても、開口部115を介して第1空間部113から歯ブラシ300を簡単に出し入れすることができる。
【0020】
ケース本体100は、蓋部材120により開口部115が閉じられた状態において、略三角柱の外形を有する。ケース本体100の底面は略三角形の平面形状を有する。使用者は、ケース本体100の底面を机台等に載置することにより、収容ケース10を立てた状態で配置することができる。そのため、ケース本体100をより小さなスペースで保管することができる。また、ケース本体100が略三角柱の形状を有しているため、収容ケース10を横向きにして机台などに配置しても、収容ケース10が転がることを防止できる。
【0021】
蓋部材120は、開口部115を開閉可能に構成されている。蓋部材120の内側には空間部123が形成されている。蓋部材120により開口部115が閉じられると、ケース部材110の周縁に形成された割り面S1と蓋部材120の周縁に形成された割り面S2とが向かい合わせて配置される。また、蓋部材120により開口部115が閉じられると、開口部115からの歯ブラシ300および容器400の取り出しが制限される。
【0022】
キャップ200は、ケース本体100の長手方向の一端部(矢印X1で示す方向に位置する端部)側でケース本体100に対して着脱可能に取り付けられる。
【0023】
キャップ200は、ケース本体100に取り付けられた状態において、歯ブラシ300の第1空間部113に収容された部分301とは異なる部分302を収容可能な第2空間部203を備える。第2空間部203が収容する歯ブラシ300の一部302は、例えば、歯ブラシ300のヘッド部およびその周辺部を含む任意の部分である。
【0024】
収容ケース10は、図2に示すように、ケース本体100にキャップ200が取り付けられた状態において、蓋部材120により開口部115を開閉可能である。
【0025】
キャップ200は、図2図3に示すように、ケース本体100の長手方向に沿ってケース本体100の長手方向の一端部に対して相対的に接近離間させる操作に伴ってケース本体100に対して着脱可能である。
【0026】
キャップ200は、ケース本体100に向かう方向へ移動(図3中の矢印A1で示す方向への移動)させることにより、ケース本体100に対して取り付けることができる。また、キャップ200は、ケース本体100に取り付けられた状態で、ケース本体100から離間させる方向へ移動(図3中の矢印A2で示す方向への移動)させることにより、ケース本体100から取り外すことができる。
【0027】
蓋部材120は、ケース本体100の長手方向と交差する方向へ向けて当該蓋部材120の少なくとも一部をケース部材110に対して相対的に接近離間させる操作に伴って開口部115を開閉可能である。ケース本体100の長手方向と交差する方向は、例えば、幅方向、奥行方向、ケース本体100の長手方向に沿う軸線を回転軸D(図3を参照)とする軸周り方向である。
【0028】
収容ケース10は、図3図4に示すように、ヒンジ部131、132と、ロック部140と、を有する。
【0029】
ヒンジ部131、132は、ケース部材110と蓋部材120を接続するとともに、回動操作に伴って蓋部材120による開口部115の開閉を可能にする。ロック部140は、開口部115が蓋部材120により閉じられた状態を維持する。ヒンジ部131、132の回動方向は、図2図3において矢印R1-R2で示す。本変形例では、ケース本体100の長手方向に沿う回転軸Dの軸周り方向にヒンジ部131、132を回動させることにより、開口部115を蓋部材120により開閉することができる。
【0030】
ヒンジ部131、132は、ケース部材110の長手方向に沿って両者の間に所定の間隔を空けて配置されている。ヒンジ部131、132は、例えば、ケース部材110および蓋部材120と一体的に構成することができる。また、ヒンジ部は、例えば、回動可能な軸部と軸受けを有するヒンジ構造をケース部材110および蓋部材120に別途取り付けることにより、ケース本体100に組み付けてもよい。また、ケース本体100に設けるヒンジ部の個数は特に限定されない。
【0031】
蓋部材120を開閉させるための構造は、ヒンジ部131、132に限定されない。例えば、蓋部材120は、ケース部材110の長手方向の他端部(矢印X2で示す方向に位置する端部)へスライド移動させる操作、ケース部材110の幅方向へスライド移動させる操作、ケース部材110の開口部115から離間させる方向へ蓋部材120を持ち上げる操作などにより開口部115を開閉可能に構成してもよい。
【0032】
蓋部材120には、図3図4に示すように、蓋部材120により開口部115を閉じたときに、第1空間部113に収容された容器400を押さえ付けて、容器400が第1空間部113内で移動することを規制する規制部182を設けることができる。
【0033】
ロック部140は、図3図4に示すように、ケース部材(「一方の部材」に相当する)110に設けられた嵌合孔141と、蓋部材(「他方の部材」に相当する)120に設けられた突起部143と、を有する。突起部143は、嵌合孔141に対する嵌合および嵌合の解除が可能である。
【0034】
嵌合孔141は、ケース部材110の長手方向の略中心付近に設けられている。嵌合孔141は、ケース部材110の長手方向に沿って所定の長さで延びている。嵌合孔141は、ケース部材110の開口部115の周縁付近に形成している。
【0035】
突起部143は、蓋部材120においてケース部材110の嵌合孔141の設置位置に対応して配置されている。突起部143は、蓋部材120の長手方向の略中心付近に設けられている。
【0036】
嵌合孔141は、ケース部材110および蓋部材120の少なくとも一方の部材に設けられていればよい。例えば、嵌合孔141は、ケース部材110および蓋部材120の両方の部材に設けてもよいし、蓋部材120のみに設けてもよい。突起部143は、嵌合孔141に対応させてケース部材110および蓋部材120の少なくとも一方の部材に設けられていればよい。そのため、突起部143は、例えば、嵌合孔141と同様に、ケース部材110および蓋部材120の両方の部材に設けてもよいし、ケース部材110のみに設けてもよい。
【0037】
突起部143は、図7に示すように、フック部143aを有する。フック部143aは、蓋部材120により開口部115が閉じられたときに、ケース部材110の外面側を廻り込むようにして嵌合孔141に対して嵌め込まれる。
【0038】
フック部143aの突出方向の先端部は、蓋部材120の内面側に向けて湾曲している。フック部143aは、蓋部材120により開口部115が閉じられたときに、嵌合孔141に挿入されて、嵌合孔141に対して引っ掛けられる。
【0039】
突起部143は、嵌合孔141に嵌合可能な限り、具体的な形状は限定されない。突起部143は、例えば、嵌合孔141に嵌合可能な単純な凸形状(円錐形状や柱形状)を有していてもよい。
【0040】
ロック部140は、蓋部材120が開口部115を閉じた状態を維持することが可能な限り、具体的な構成は特に限定されない。ロック部140は、例えば、凹部および凸部の嵌合による機械的なロック機構、マグネットなどの磁力を有する部材を利用したロック機構、粘着性を有する部材を用いたロック機構などにより構成してもよい。
【0041】
蓋部材120は、図7に示すように、嵌合孔141にフック部143aが嵌め込まれたときに、フック部143aとの間でケース部材110の壁部を挟み込む嵌合リブ145a、145bを有する。
【0042】
嵌合リブ145aと嵌合リブ145bは、突起部143を間に挟んで蓋部材120の長手方向の異なる箇所にそれぞれ配置されている。嵌合リブ145a、145bは、蓋部材120の内面121側から蓋部材120の外方へ向けて突出している。蓋部材120により開口部115が閉じられると、フック部143aがケース部材110の外側から廻り込んで嵌合孔141に挿入される。また、蓋部材120により開口部115が閉じられると、各嵌合リブ145a、145bがケース部材110の内面111に当接する。ケース部材110の嵌合孔141付近に位置する壁部は、ケース部材110の外面側に廻り込んで配置されたフック部143aと、ケース部材110の内面側に配置された嵌合リブ145a、145bとにより挟み込まれる。
【0043】
蓋部材120は、図7に示すように、目隠し部128を有する。目隠し部128は、図1に示すように、嵌合孔141に突起部143が嵌合されて蓋部材120により開口部115が閉じられたときに、ケース部材110の割り面S1と蓋部材120の割り面S2よりもケース部材110側に延びて、嵌合孔141および突起部143を覆う。
【0044】
目隠し部128は、蓋部材120の長手方向の略中心付近に設けている。目隠し部128は、蓋部材120の長手方向の両端部側から中心側に向けて、蓋部材120の一部を、蓋部材120の内面121側から離間する方向へ向けて延ばすことで形成している。目隠し部128の内側には突起部143を配置している。
【0045】
ケース本体100は、蓋部材120により開口部115が閉じられた状態において、目隠し部128が形成された長手方向の略中心位置が幅方向に膨み、かつ、長手方向の略中心位置から長手方向の両端部側に向かって徐々に幅が狭くなるスカート形状を有する。
【0046】
目隠し部128の形状や目隠し部128を設ける位置は、蓋部材120により開口部115が閉じたられときに、嵌合孔141および突起部143を覆うことが可能な限り、特に限定されない。また、目隠し部128は、ケース部材110および蓋部材120のうち、突起部143が設けられる部材に設けることができる。例えば、突起部143がケース部材110に設けられ、嵌合孔141が蓋部材120に設けられる場合、目隠し部128はケース部材110に設けることができる。
【0047】
ケース部材110は、図3図4に示すように、第1リブ117a、117bを有する。
【0048】
第1リブ117aは、ケース部材110の長手方向の一端部(矢印X1で示す方向に位置する端部)に配置されている。第1リブ117aは、ケース部材110の内面111から突設されている。第1リブ117aは、ケース部材110の一端部に位置する両隅部110a、110bのうち、ヒンジ部131、132からケース部材110の幅方向に離間した側に位置する隅部110aに配置されている。
【0049】
第1リブ117bは、ケース部材110の長手方向の他端部(矢印X2で示す方向に位置する端部)に配置されている。第1リブ117bは、ケース部材110の内面111から突設されている。第1リブ117bは、ケース部材110の他端部に位置する両隅部110c、110dのうち、ヒンジ部131、132からケース部材110の幅方向に離間した側に位置する隅部110cに配置されている。
【0050】
第1リブ117aは、図4に示すように、ケース部材110の隅部110aに沿って延びる略L字の平面形状を有する。第1リブ117bは、図4に示すように、ケース部材110の隅部110cに沿って延びる略L字の平面形状を有する。
【0051】
蓋部材120は、図3図4に示すように、第2リブ127a、127bを有する。
【0052】
第2リブ127aは、第1リブ117aの設置位置に対応させて蓋部材120の長手方向の一端部(矢印X1で示す方向に位置する端部)に配置されている。第2リブ127aは、蓋部材120の内面121から突設されている。第2リブ127aは、蓋部材120の一端部に位置する両隅部120a、120bのうち、ヒンジ部131、132から蓋部材120の幅方向に離間した側に位置する隅部120aに配置されている。
【0053】
第2リブ127bは、第1リブ117bの設置位置に対応させて蓋部材120の長手方向の他端部(矢印X2で示す方向に位置する端部)に配置されている。第2リブ127bは、蓋部材120の内面121から突設されている。第2リブ127bは、蓋部材120の他端部に位置する両隅部120c、120dのうち、ヒンジ部131、132から蓋部材120の幅方向に離間した側に位置する隅部120cに配置されている。
【0054】
蓋部材120の内面121と第2リブ127aとの間には隙間g1が設けられている。第1リブ117aは、蓋部材120により開口部115が閉じられたときに、隙間g1に嵌合可能である。隙間g1は、第1リブ117aの平面形状に対応した平面形状を有する。隙間g1は、図4に示すように、略L字の平面形状を有する。隙間g1は、第2リブ127aにより周囲が囲まれている。
【0055】
蓋部材120の内面121と第2リブ127bとの間には隙間g2が設けられている。第1リブ117bは、蓋部材120により開口部115が閉じられたときに、隙間g2に嵌合可能である。隙間g2は、第1リブ117bの平面形状に対応した平面形状を有する。隙間g2は、図4に示すように、略L字の平面形状を有する。隙間g2は、第2リブ127bにより周囲が囲まれている。
【0056】
隙間g1、g2は、例えば、ケース部材110に設けてもよい。このように構成する場合、蓋部材120には各隙間g1、g2に嵌合可能なリブ(第1リブ117a、117bに相当するリブ)を設けることができる。
【0057】
第1リブ117aは、蓋部材120により開口部115が閉じられるときに、蓋部材120の隅部120aに設けられた隙間g1に入り込んで、第2リブ127aの内面に対して圧接される。また、第1リブ117bは、蓋部材120により開口部115が閉じられるときに、蓋部材120の隅部120cに設けられた隙間g2に入り込んで、第2リブ127bの内面に対して圧接される。
【0058】
ケース部材110または蓋部材120に設けられる隙間g1、g2の位置は、ケース部材110の長手方向の端部または蓋部材120の長手方向の端部であれば特に限定されない。同様に、ケース部材110または蓋部材120において隙間に嵌合可能なリブを設ける位置は、隙間に対応した位置である限り、特に限定されない。また、隙間の個数や形状も特に限定されない。隙間を形成するリブおよび隙間に嵌合可能なリブの個数や形状も特に限定されない。
【0059】
ケース部材110は、図4に示すように、補助リブ118a、118bを有する。
【0060】
補助リブ118aは、ケース部材110の長手方向の一端部に配置されている。補助リブ118aは、ケース部材110の内面111から突設されている。補助リブ118aは、ケース部材110の一端部に位置する両隅部110a、110bのうち、ケース部材110の幅方向のヒンジ部131、132側に位置する隅部110bに配置されている。
【0061】
補助リブ118bは、ケース部材110の長手方向の他端部に配置されている。補助リブ118bは、ケース部材110の内面111から突設されている。補助リブ118bは、ケース部材110の他端部に位置する両隅部110c、110dのうち、ケース部材110の幅方向のヒンジ部131、132側に位置する隅部110dに配置されている。
【0062】
補助リブ118aは、図4に示すように、ケース部材110の隅部110bに沿って延びる略L字の平面形状を有する。補助リブ118bは、図4に示すように、ケース部材110の隅部110dに沿って延びる略L字の平面形状を有する。
【0063】
補助リブ118aは、蓋部材120により開口部115が閉じられたときに、蓋部材120の隅部120bの内面に当接する。また、補助リブ118bは、蓋部材120により開口部115が閉じられたときに、蓋部材120の隅部120dの内面に当接する。
【0064】
補助リブ118a、118bは、例えば、蓋部材120に設けてもよい。また、補助リブ118a、118bは、ケース部材110および蓋部材120の両方の部材に設けてもよい。また、ケース部材110および蓋部材120において補助リブ118a、118bを設ける位置や個数は特に限定されない。
【0065】
本変形例では、各第1リブ117a、117bは、ヒンジ部131、132からケース部材110の幅方向に離間した側に位置する各隅部110a、110cに配置されている。また、各第2リブ127a、127bは、ヒンジ部131、132から蓋部材120の幅方向に離間した側に位置する各隅部120a、120cに配置されている。一方で、各補助リブ118a、118bは、ケース部材110の幅方向のヒンジ部131、132側に位置する隅部110b、110dに配置されている。これは、次のような理由による。
【0066】
ケース部材110および蓋部材120においてヒンジ部131、132から幅方向に離間した側に位置する各隅部110a、110c、120a、120cは、ヒンジ部131、132の回転軸Dおよびケース部材110と蓋部材120の接続位置から離れている。そのため、ケース部材110の嵌合孔141側に位置する隅部110a、110cおよび蓋部材120の突起部143側に位置する隅部120a、120cでは、ケース部材110と蓋部材120を嵌合させる際に位置のズレが生じ易い。また、上記各隅部110a、110c、120a、120cでは、蓋部材120により開口部115が閉じられた状態で収容ケース10に外部から衝撃が加わると、嵌合状態が解除され易くなる可能性がある。一方で、ケース部材110のヒンジ部131、132側に位置する隅部110b、110dおよび蓋部材120のヒンジ部131、132側に位置する隅部120b、120dは、蓋部材120を開閉操作するときの回転軸Dに近接した位置に配置されているため、ケース部材110と蓋部材120を嵌合する際に位置のズレが生じにくく、かつ、ケース部材110と蓋部材120の接続位置にも近いため、収容ケース10に外力が加わったとしても嵌合状態が解除され難い。したがって、本変形例では、ケース本体100の各隅部110a、110cにより大きな嵌合力を生じさせることができる第1リブ117a、117bを配置し、同様に、蓋部材120の各隅部120a、120cにより大きな嵌合力を生じさせることができる第2リブ127a、127bを配置している。一方で、ケース部材110と蓋部材120との間の嵌合力を補強する目的で、ケース部材110のヒンジ部131、132側に位置する各隅部110b、110dには、各リブ117a、117b、127a、127bよりも小さな嵌合力を生じさせる補助リブ118a、118bを配置している。
【0067】
ケース部材110は、図2図6に示すように、キャップ取り付け部150を有する。
【0068】
キャップ取り付け部150は、ケース部材110の長手方向の一端部に設けられている。キャップ取り付け部150は、ケース部材110の長手方向に向けて突出している。キャップ200は、キャップ取り付け部150に嵌合可能である。
【0069】
キャップ取り付け部150の内側には、図2に示すように、キャップ取り付け部150にキャップ200が嵌合したときに、歯ブラシ300の第1空間部113に収容された部分301とは異なる部分302の少なくとも一部を第2空間部203とともに収容可能な第3空間部153が形成されている。
【0070】
第3空間部153は、キャップ取り付け部150にキャップ200が嵌合したときに、第2空間部203の内側に配置される。キャップ取り付け部150の周方向の一部には、キャップ200を着脱する際に、キャップ取り付け部150の弾性変形を促すための切り欠きを設けることができる。また、キャップ取り付け部150の外周面には、キャップ取り付け部150に対するキャップ200の固定力を高めるためのリブを設けることができる。
【0071】
ケース部材110および蓋部材120は、図5図6に示すように、仕切り壁160を有する。仕切り壁160は、図1図5に示すように、蓋部材120により開口部115が閉じられたときに、第1空間部113と第3空間部153とを仕切る。
【0072】
仕切り壁160は、図5に示すように、ケース部材110に設けられた第1壁部161と、蓋部材120に設けられた第2壁部162と、を有する。
【0073】
第1壁部161と第2壁部162は、蓋部材120により開口部115が閉じられたときに、互いに当接して一体とすることにより、第1空間部113と第3空間部153とを仕切る壁部を形成する。
【0074】
仕切り壁160には、図5に示すように、第1空間部113と第3空間部153とを連通する連通部170が形成されている。
【0075】
連通部170は、図5に示すように、第1壁部161の一部に形成された第1凹部171と、第2壁部162の一部に形成された第2凹部172と、を有する。第1凹部171と第2凹部172は、蓋部材120により開口部115が閉じられたときに、互いに対向して配置される。第1凹部171と第2凹部172は、互いに対向して配置されると、第1空間部113と第3空間部153とを連通する孔部を形成する。図1図2に示すように、収容ケース10に歯ブラシ300を収容した際、歯ブラシ300のネック部側の一部302は、連通部170を通して、第2空間部203内および第3空間部153内に収容することができる。
【0076】
連通部170は、例えば、第1壁部161および第2壁部162の一方のみに設けられた貫通孔で構成してもよい。ただし、連通部170が貫通孔で構成されている場合、歯ブラシ300の一部302を第3空間部153内に収容する際、歯ブラシ300の一部(例えば、ネック部分)を貫通孔に挿入するように操作しなければならない。そのため、歯ブラシ300を収容する際の作業性が低下する。一方で、連通部170が凹部(第1凹部71や第2凹部172)で形成されている場合、歯ブラシ300の一部302を第3空間部153内に収容する際、歯ブラシ300を凹部に載せる簡単な作業により収容することができる。さらに、凹部に歯ブラシ300を載せることにより、凹部で歯ブラシ300の収容姿勢を定めることができる。また、歯ブラシ300を凹部に載せると、歯ブラシ300の一部(例えば、ネック部)がケース部材110の内面111から離間して浮いた状態で保持される。使用者は、歯ブラシ300のネック部からハンドル部にかけての部分を手指で掴み易くなる。そのため、歯ブラシ300をケース部材110から取り出し易くなる。したがって、連通部170は、貫通孔よりも凹部で形成することが好ましい。
【0077】
仕切り壁160は、例えば、ケース部材110および蓋部材120の一方の部材のみに設けることができる。このように構成する場合、仕切り壁160は、ケース部材110から蓋部材120側に突き出すように配置された一つの壁で構成したり、蓋部材120からケース部材110側に突き出すように配置された一つの壁で構成したりすることができる。また、仕切り壁160をケース部材110および蓋部材120の一方の部材のみに設ける場合、連通部170は、例えば、仕切り壁160を貫通して第1空間部113と第3空間部153とを連通する貫通孔で構成することができる。
【0078】
ケース部材110は、キャップ取り付け部150に近接した位置に第1壁部161が設けられているため、キャップ取り付け部150に対してキャップ200を嵌合させるとき、およびキャップ取り付け部150からキャップ200を取り外すとき、キャップ取り付け部150が過度に弾性変形することを抑制できる。そのため、使用者は、キャップ取り付け部150に対してキャップ200を円滑に着脱させることができる。
【0079】
なお、仕切り壁160を蓋部材120のみに設ける場合において、仕切り壁160を蓋部材120からケース部材110側に突き出すように配置した場合、蓋部材120により開口部115が閉じられたときに、仕切り壁160がケース部材110の内面111に当接することにより、上記と同様にキャップ取り付け部150の過度な弾性変形を抑制することができる。ただし、上記効果は、ケース部材110側に仕切り壁160が一体的に設けられている方がより高まる。したがって、収容ケース10に仕切り壁160を設ける場合、仕切り壁160は少なくともケース部材110に設けられていることが好ましい。
【0080】
仕切り壁160には、例えば、連通部170とは別に、歯ブラシ300以外の付属品(歯間ブラシなど)を第1空間部113、第2空間部203、第3空間部153で収容可能にするための貫通孔を設けることができる。
【0081】
収容ケース10では、キャップ200の第2空間部203により歯ブラシ300の一部302が収容される。そのため、ケース部材110は、当該ケース部材110の第1空間部113のみで歯ブラシ300を収容するように構成される場合と比較して、ケース部材110の長手方向の寸法を小さくすることができる。また、キャップ200をキャップ取り付け部150に取り付けた状態では、収容ケース10の長手方向において第2空間部203と第3空間部153とが部分的に重なる。そのため、キャップ取り付け部150よりも収容ケース10の長手方向のさらに一端部側でキャップ200が着脱されるような構造を採用した場合と比較して、収容ケース10の長手方向の全長を小さくすることができる。
【0082】
キャップ200は、ケース本体100から取り外された状態において、第2空間部203内で液体を保持できる。使用者は、例えば、第2空間部203内に水を保持することができる。使用者は、第2空間部203内で保持した水を使用して、歯ブラシ300を使用した歯磨き後に口腔内を洗い流すことができる。
【0083】
ケース本体100(ケース部材110および蓋部材120)は、例えば、樹脂材料で構成することができる。ケース本体100を樹脂材料で構成する場合、不透明性を有するように樹脂材料に着色を施すことができる。また、ケース本体100を樹脂材料で構成する場合、樹脂材料には抗菌剤を練り込むことができる。樹脂材料としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等を用いることができる。また、抗菌剤としては、例えば銀系溶解性ガラス抗菌剤、銀系ガラス系抗菌剤、亜鉛系溶解性ガラス抗菌剤、銀系リン酸ジルコニウム抗菌剤等を用いることができる。ケース本体100が不透明性を有する場合、収容ケース10内に収容した歯ブラシ300および容器400の収容ケース10の外部からの視認性が低下する。そのため、収容ケース10を持ち運ぶ際などに、収容ケース10の外観の見映えが悪くなることを抑制できる。また、ケース部材110および蓋部材120が抗菌性を有する材料で形成されることによって、使用者は、長期間にわたって歯磨きセット1を衛生的に使用することができる。なお、ケース部材110と蓋部材120は異なる材料で構成してもよい。また、ケース部材110と蓋部材120には異なる色を着色してもよい。
【0084】
キャップ200は、例えば、ケース本体100と同一の材料で形成することができる。キャップ200は、不透明性を有するように構成することができる。また、キャップ200を構成する樹脂材料には抗菌剤を練り込むことができる。
【0085】
次に、本変形例の作用効果を述べる。
【0086】
図2に示すように、本変形例に係る収容ケース10では、歯ブラシ300および容器400を出し入れするための開口部115を開閉する操作は、ケース本体100にキャップ200が取り付けられた状態で行うことができる。そのため、使用者は、歯ブラシ300および容器400をケース本体100から出し入れする際、ケース本体100からキャップ200を取り外す必要がない。したがって、収容ケース10は、開口部115を開閉する際にケース本体100からキャップ200を取り外すことに伴って生じ得る利便性の低下を抑制することができる。
【0087】
キャップ200は、ケース本体100の長手方向に沿ってケース本体100の長手方向の一端部に対して相対的に接近離間させる操作に伴ってケース本体100に対して着脱可能である。蓋部材120は、ケース本体100の長手方向と交差する方向へ向けて当該蓋部材120の少なくとも一部をケース部材110に対して相対的に接近離間させる操作に伴って開口部115を開閉可能である。このような構成によれば、使用者は、ケース本体100の長手方向の一端部に対してキャップ200を相対的に接近離間させる簡単な操作により、ケース本体100に対してキャップ200を着脱させることができる。また、キャップ200を着脱するための操作がケース本体100の一端部側でケース本体100の長手方向に沿って行われる。一方で、開口部115を開閉する際には、ケース本体100の長手方向と交差する方向へ向けて蓋部材120が操作される。そのため、蓋部材120をキャップ200に対して干渉させることなく、開口部115を簡単に開閉させることができる。
【0088】
収容ケース10は、ケース部材110と蓋部材120を接続するとともに回動操作に伴って蓋部材120による開口部115の開閉を可能にするヒンジ部131、132と、開口部115が蓋部材120により閉じられた状態を維持するロック部140と、を有する。このような構成によれば、使用者は、蓋部材120を回動させる簡単な作業で開口部115を開閉させることができる。また、使用者は、ロック部140により、開口部115が蓋部材120により閉じられた状態を好適に維持することができる。また、使用者は、蓋部材120により開口部115が開かれた状態においても、ヒンジ部131、132により、蓋部材120がケース部材110に接続された状態を維持することができる。したがって、使用者は、開口部115を開いた際、蓋部材120を周囲の机台や洗面台に載置したり、蓋部材120を紛失することのないように保管したりする手間を省くことができる。
【0089】
ロック部140は、ケース部材110に設けられた嵌合孔141と、蓋部材120に設けられ、嵌合孔141に対する嵌合および嵌合の解除が可能な突起部143と、を有する。このような構成によれば、使用者は、蓋部材120により開口部115を閉じる操作を行うことにより、ケース部材110に設けられた嵌合孔141に対して蓋部材120に設けられた突起部143を嵌合させて、開口部115が閉じられた状態をロックすることができる。使用者は、蓋部材120を閉じる操作と蓋部材120をロックする操作を同時に行うことができるため、収容ケース10の利便性が向上する。また、使用者は、ロック部140によるロックを解除する際、ケース部材110から蓋部材120を相対的に離間させて、嵌合孔141から突起部143を抜き出す。そのため、使用者は、ロック部140によるロックを解除する際、ケース部材110に対して蓋部材120を捻じるような操作を行う必要がなく、蓋部材120を円滑に開くことができる。
【0090】
突起部143は、ケース部材110の外面側を廻り込むようにして嵌合孔141に対して嵌め込まれるフック部143aを有する。蓋部材120は、嵌合孔141にフック部143aが嵌め込まれたときに、フック部143aとの間でケース部材110の壁部を挟み込む嵌合リブ145a、145bを有する。このような構成によれば、嵌合孔141に対するフック部143aの嵌め込みにより嵌合強度を向上させることができる。また、フック部143aと嵌合リブ145a、145bとによりケース部材110の壁部を挟み込むことにより、蓋部材120により開口部115が閉じられたときに、ケース部材110から蓋部材120が浮き上がって隙間が形成されることを防止できる。
【0091】
蓋部材120は、嵌合孔141に突起部143が嵌合されて蓋部材120により開口部115が閉じられたときに、ケース部材110の割り面S1と蓋部材120の割り面S2よりもケース部材110側に延びて嵌合孔141および突起部143を覆う目隠し部128を有する。このような構成によれば、蓋部材120により開口部115が閉じられたときに、嵌合孔141および突起部143が外部に露出されることを防止できる。そのため、収容ケース10の外観の見映えが悪くなることを抑制できる。また、使用者が収容ケース10を持ち運ぶ際に、嵌合孔141および突起部143が使用者の手指などに接触して、使用者に不快感を与えることを防止できる。
【0092】
ケース部材110は、当該ケース部材110の長手方向の端部の少なくとも一か所に配置され、当該ケース部材110の内面111から突設された第1リブ117a、117bを有する。蓋部材120は、第1リブ117a、117bの設置位置に対応させて当該蓋部材120の長手方向の端部の少なくとも一か所に配置され、当該蓋部材120の内面121から突設された第2リブ127a、127bを有する。蓋部材120の内面121と第2リブ127a、127bとの間には、蓋部材120により開口部115が閉じられたときに第1リブ117a、117bが嵌合可能な隙間g1、g2が設けられている。このような構成によれば、蓋部材120により開口部115が閉じられたときに、各隙間g1、g2に各第1リブ117a、117bが挿入して嵌合される。そのため、ケース部材110と蓋部材120との間の嵌合力を高めることができ、蓋部材120が不用意に開いてしまうことを効果的に防止することができる。
【0093】
ケース部材110の長手方向の一端部には、ケース部材110の長手方向に向けて突出するとともにキャップ200が嵌合可能なキャップ取り付け部150が設けられている。キャップ取り付け部150の内側には、キャップ取り付け部150にキャップ200が嵌合したときに、歯ブラシ300の第1空間部113に収容された部分とは異なる部分302の少なくとも一部を第2空間部203とともに収容可能な第3空間部153が形成されている。ケース部材110および蓋部材120は、蓋部材120により開口部115が閉じられたときに、第1空間部113と第3空間部153とを仕切る仕切り壁160を有する。仕切り壁160には、第1空間部113と第3空間部153とを連通する連通部170が形成されている。このような構成によれば、第1空間部113に歯ブラシ300の一部301を収容した状態で、連通部170により、歯ブラシ300の他の一部302を第2空間部203および第3空間部153に収容することができる。また、仕切り壁160により、第1空間部113と第3空間部153の境界部付近におけるケース部材110の強度を高めることができる。
【0094】
キャップ200は、ケース本体100から取り外された状態において、第2空間部203内で液体を保持できる。このような構成によれば、使用者は、歯磨きを行う際に、キャップ200をコップとして使用することができる。したがって、収容ケース10の利便性がより一層向上したものとなる。
【0095】
歯磨きセット1は、収容ケース10と、収容ケース10に収容可能な歯ブラシ300と、収容ケース10に収容可能な容器と400、を備える。このような構成によれば、開口部115を開閉する際にケース本体100からキャップ200を取り外すことに伴って生じ得る利便性の低下が抑制された歯磨きセット1を提供することができる。
【0096】
<実施例>
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例の説明では、前述した変形例において説明した部材名称を援用する。
(実施例1)
実施例1として、下記構成1、2を有する収容ケースを準備した。
構成1:着脱可能なキャップ
構成2:キャップを取り付けた状態で開口部を開閉可能な蓋部材
(評価項目)
実施例1では、下記評価項目1、2について評価試験を実施した。
評価項目1:第1空間部からの歯ブラシの取り出し易さ
評価項目2:キャップの取り外し易さ
(比較例1)
比較例1として、表1に示す構成を有する収容ケースを準備した。比較例1の収容ケースは、キャップを取り外した状態とすることにより、収容ケースの長手方向の一端部側から歯ブラシを出し入れすることが可能な構造を有する。
【0097】
評価試験では、専門家パネル10人が実施例1、比較例1の収容ケースを使用し、下記評価基準にて評価した。各専門家パネルは10回の評価試験を実施した。評価点は10回の評価試験の平均点である。
(評価基準)
7点:非常に良い。
6点:かなり良い。
5点:やや良い。
4点:どちらとも言えない。
3点:やや良くない。
2点:かなり良くない。
1点:非常に良くない。
【0098】
【表1】
【0099】
表1に示されるように、実施例1の収容ケースは、評価項目1(第1空間部からの歯ブラシの取り出し易さ)、評価項目2(キャップの取り外し易さ)について、比較例1よりも高い評価点数を得た。特に、実施例1の収容ケースは、キャップを取り外すことなく開口部を開閉することが可能なため、キャップを取り外した状態でなければ歯ブラシを取り出すことができない比較例1の収容ケースと比較して、評価項目1で高い評価点数を得た。
(実施例2)
実施例2として、下記構成1~3を有する収容ケースを準備した。
構成1:着脱可能なキャップ
構成2:キャップを取り付けた状態で開口部を開閉可能な蓋部材
構成3:嵌合孔、フック部、目隠し部
(評価項目)
実施例2では、下記評価項目3、4について評価試験を実施した。
評価項目3:外観
評価項目4:蓋部材の開閉のし易さ
(比較例2)
比較例2として、表2に示す構成を有する収容ケースを準備した。比較例2の収容ケースが備える蓋部材は、ケース部材に対して捻る操作でロックが解除される構造を有する。また、比較例2の収容ケースは、着脱可能なキャップを有していない。
【0100】
評価試験は実施例1と同様に、専門家パネルが実施した。専門家パネルは、実施例1で示した評価基準に基づいて採点した。
【0101】
【表2】
【0102】
表2に示されるように、実施例2の収容ケースは、評価項目3(外観)、評価項目4(蓋部材の開閉のし易さ)について、比較例2の収容ケースよりも高い評価点数を得た。これは、次のよう理由が考えられる。比較例2の収容ケースの蓋部材は、ケース部材に対して捻る操作でロックが解除される。そのため、捻る操作を行うためのフック部が外部に露出されており、評価項目3の評価点数が低くなった。これに対して、実施例2の収容ケースは、目隠し部により嵌合孔およびフック部が覆われるため、外観が損なわれず、比較例2の収容ケースと比較して、評価項目3の評価点数が高い。
【0103】
また、比較例2の収容ケースの蓋部材は、ケース部材に対して捻る操作でロックを解除するため、蓋部材を開く際に使用者が煩わしさを感じことがある。一方で、実施例2の収容ケースは、蓋部材を引っ張る操作により篏合孔からフック部を取り外すことでロックを簡単に解除することができる。したがって、実施例2の収容ケースは、比較例2の収容ケースと比較して、評価項目4の評価点数が高い。
(実施例3)
実施例3として、下記構成1~5を有する収容ケースを準備した。
構成1:着脱可能なキャップ
構成2:キャップを取り付けた状態で開口部を開閉可能な蓋部材
構成3:嵌合孔、フック部、目隠し部
構成4:嵌合リブ(構成4は図4に示す配置及び形状を採用)
構成5:第1リブ、第2リブ、第1リブが嵌合可能な隙間、補助リブ(構成5は図4に示す配置及び形状を採用)
(評価項目)
実施例3では、下記評価項目5について評価試験を実施した。
評価項目5:落下時の蓋部材の開きにくさ。
【0104】
評価試験は、実施例1、2と同様に専門家パネルが実施した。専門家パネルは、蓋部材を閉めた状態で20cm~60cmの高さから実施例3の収容ケースを落下させた。60cmの高さから落としても開かなかった場合、評価試験の結果を◎とし、20cm~40cmの高さから落としても開かなかった場合、〇とし、20cm未満の高さで開いてしまった場合、△とした。
【0105】
【表3】
【0106】
表3に示されるように、実施例3の収容ケースは、60cmの高さから落としても開かなかった。これは、特に、実施例3の収容ケースに設けられた構成5により、ケース部材と蓋部材との間の嵌合力が高められていることが要因であると考えられる。
【0107】
次に、図8図16を参照して、一の実施形態に係る歯磨きセット1および収容ケース10を説明する。
【0108】
各図に示す矢印X1-X2は、ケース本体100の長手方向を示し、矢印Y1-Y2は、ケース本体100の短手(幅)方向を示し、矢印Z1-Z2は、ケース本体100の奥行(深さ)方向を示す。ケース部材110の長手方向および蓋部材120の長手方向は、ケース本体100の長手方向と略同一の方向である。また、各図に示す方向θは、ケース本体100の長手方向を軸として回転する方向(角度)を示す。
【0109】
<歯磨きセット>
図8に示すように、実施形態に係る歯磨きセット1は、収容ケース10と、歯ブラシ300と、口腔内洗浄剤を収容した容器(以下、単に「容器」とする)400と、を備える。
【0110】
<歯ブラシ>
図12に示すように、歯ブラシ300の大きさを規定する主要な寸法は、長さL3、幅W3、およびグリップ310の厚さ(図示省略)である。これらの寸法は、任意に規定することができる。実施形態に係る歯ブラシ300は、次のように各寸法が規定される。長さL3は、歯ブラシ300の長手方向における最も長い部分の寸法であり、ヘッド320の先端とグリップ310の先端との間の距離である。幅W3は、歯ブラシ300の短手方向における最も広い部分の寸法であり、グリップ310における最大の幅である。グリップ310の厚さは、歯ブラシ300のグリップ310における最大の厚さである。
【0111】
歯ブラシ300が大人用である場合、長さL3は、例えば180mmである。歯ブラシ300が大人用である場合、幅W3は、例えば9mmである。歯ブラシ300が大人用である場合、グリップ310の厚さは、例えば10mmである。なお、歯ブラシ300のグリップ310、ヘッド320の厚さ方向に沿う断面形状は任意に選択でき、例えば、略円形、楕円形、多角形(矩形や三角形等)に形成することができる。
【0112】
歯ブラシ300について説明のない構造については、公知の歯ブラシと同様の構造を採用することができる。
【0113】
<容器>
図13に示すように、容器400の大きさを規定する主要な寸法は長さL4、幅W4、および外径H4である。これらの寸法は、任意に規定することができる。実施形態に係る容器400は、次のように各寸法が規定される。長さL4は、容器400の長手方向における最も長い部分の寸法である。幅W4は、容器400の短手方向における最も広い部分の寸法であり、ラミネート加工部430の幅である。外径H4は、容器400のキャップ部440の外径寸法である。
【0114】
長さL4は、例えば113mmである。幅W4は、例えば35mmである。外径H4は、例えば22mmである。
【0115】
なお、容器400について説明のない構造については、公知の容器と同様の構造を採用することができる。
【0116】
<収容ケース>
収容ケース10は、ケース本体100と、キャップ200と、を有する。
【0117】
図8に示すように、収容ケース10の大きさを規定する主要な寸法は、長手方向の寸法L1、L2、短手方向の寸法W1、および奥行方向の寸法D1である。これらの寸法は、歯ブラシ300および容器400を収容ケース10に出し入れするときの作業性、および、歯磨きセット1の携帯性等を考慮して設定される。なお、長さL1は、ケース本体100にキャップ200を取り付けた状態の長手方向の全長である。また、長さL2は、キャップ200の全長である。
【0118】
長さL1は、例えば190mmである。長さL2は、例えば55mmである。幅W1は、例えば45mmである。奥行D1は、例えば45mmである。ケース本体100は、第1空間部113と開口部115とを備えるケース部材110と、蓋部材120と、を有する。
【0119】
ケース部材110は、図11に示すように、長手方向に沿って延びる半割れの筒形状を有する。ケース部材110の幅方向の一端部(矢印Y2で示す側の端部)には後述するヒンジ部130を介して蓋部材120が接続されている。
【0120】
第1空間部113は、歯ブラシ300のグリップ310側および容器400を収容可能である。第1空間部113は、ケース部材110の内側に形成されている。歯ブラシ300において第1空間部113に収容される具体的な範囲は特に限定されない。
【0121】
第1空間部113には、容器400をケース本体100に収容した際にケース部材110に対する容器400の位置を固定することができる固定部180として保持部181を設けることができる。また、第1空間部113には、歯ブラシ300のグリップ310側を収容する領域(歯ブラシ収容部113B)と容器400を収容する領域(歯磨収容部113A)とを仕切る仕切リブ部190を設けることができる。保持部181や仕切リブ部190の構造については、後述する。
【0122】
開口部115は、第1空間部113から歯ブラシ300および容器400の取り出しを可能にする。開口部115は、ケース部材110の長手方向の略全長に亘って形成されている。開口部115は、図11に示すように、略長方形の平面形状を有する。
【0123】
開口部115の長手方向に沿う寸法は、例えば、ケース本体100の長手方向に沿う全長(後述するキャップ取り付け部150までを含めたケース本体100の長手方向の全長)に対して、85%以上、96%以下で形成することができる。開口部115の長手方向に沿う寸法をこのような長さに設定することにより、ケース本体100にキャップ200を取り付けた状態においても、開口部115を介して第1空間部113から歯ブラシ300を簡単に出し入れすることができる。
【0124】
ケース本体100は、蓋部材120により開口部115が閉じられた状態において、略三角柱の外形を有する。ケース本体100の底面(図中の矢印X2で示す側の端面)は略三角形の平面形状を有する。使用者は、ケース本体100の底面を机台等に載置することにより、収容ケース10を立てた状態で配置することができる。そのため、ケース本体100をより小さなスペースで保管することができる。また、ケース本体100が略三角柱の形状を有しているため、仮に収容ケース10を横向きにして机台などに配置しても、収容ケース10が転がることを防止できる。
【0125】
蓋部材120は、開口部115を開閉可能に構成されている。蓋部材120の内側には凹状の空間部が形成されている。蓋部材120が開口部115を閉じると、ケース部材110の周縁に沿って形成された割り面と蓋部材120の周縁に形成された割り面とが向かい合わせて配置される。蓋部材120が開口部115を閉じると、開口部115からの歯ブラシ300および容器400の取り出しが制限される。
【0126】
蓋部材120には、容器400をケース本体100に収容し、蓋部材120により開口部115を閉じた際にケース部材110に対する容器400の位置を固定することができる固定部180として固定リブ部182を設けることができる。固定リブ部182の構造については、後述する。
【0127】
また、ケース本体100は、ヒンジ部130と、ロック部140と、を有する。
【0128】
ヒンジ部130は、ケース部材110と蓋部材120を接続するとともに、回動操作に伴って蓋部材120による開口部115の開閉を可能にする。ロック部140は、開口部115が蓋部材120により閉じられた状態を維持する。本実施形態では、ケース本体100の長手方向を回転軸とする軸周り方向の回動操作により、蓋部材120が開口部115を開閉する。
【0129】
ヒンジ部130は、複数設けられ、ケース部材110の長手方向に沿って両者の間に所定の間隔を空けて並べて配置されている。ヒンジ部130は、例えば、ケース部材110および蓋部材120と一体的に構成することができる。
【0130】
ロック部140は、ケース部材110に設けられた嵌合孔141と、蓋部材120に設けられた突起部143と、を有する。
【0131】
また、ケース部材110は、図9図14に示すように、キャップ取り付け部150を有する。
【0132】
キャップ取り付け部150は、ケース部材110の長手方向の一端部(矢印X1で示す方向に位置する端部)に設けられている。キャップ取り付け部150は、ケース部材110の長手方向に向けて突出している。キャップ200は、キャップ取り付け部150に嵌合可能である。
【0133】
キャップ200は、ケース本体100に取り付けられた状態において、歯ブラシ300の第1空間部113に収容された部分とは異なる部分を収容可能な第2空間部203を備えており、キャップ取り付け部150の内側には、図9図10に示すように、キャップ取り付け部150にキャップ200が嵌合したときに、歯ブラシ300のヘッド320側の少なくとも一部を第2空間部203とともに収容可能な第3空間部153が形成されている。第3空間部153は、キャップ取り付け部150にキャップ200が嵌合したときに、第2空間部203の内側に配置される。キャップ取り付け部150の周方向の一部には、キャップ200を着脱する際に、キャップ取り付け部150の弾性変形を促すための切り欠きを設けることができる。また、キャップ取り付け部150の外周面には、キャップ取り付け部150に対するキャップ200の固定力を高めるためのリブを設けることができる。
【0134】
また、ケース部材110および蓋部材120は、図14に示すように、仕切り壁160と、連通部170と、を有する。
【0135】
仕切り壁160は、蓋部材120により開口部115が閉じられたときに(図8を参照)、第1空間部113と第3空間部153とを仕切ることができる。また、仕切り壁160には、図14に示すように、第1空間部113と第3空間部153とを連通する連通部170が形成されている。
【0136】
仕切り壁160は、図10図11図14に示すように、ケース部材110に設けられた第1壁部161と、蓋部材120に設けられた第2壁部162と、を有する。
【0137】
第1壁部161と第2壁部162は、蓋部材120により開口部115が閉じられたときに、互いに当接することにより、第1空間部113と第3空間部153とを仕切る一つの壁部を形成することができる。
【0138】
仕切り壁160には、図14に示すように、第1空間部113と第3空間部153とを連通する連通部170が形成されている。
【0139】
連通部170は、図10図14に示すように、第1壁部161の一部に形成された第1凹部171と、第2壁部162の一部に形成された第2凹部172と、を有する。第1凹部171と第2凹部172は、蓋部材120が開口部115を閉じたときに、互いに対向して配置される。第1凹部171と第2凹部172は、互いに対向して配置されると、第1空間部113と第3空間部153とを連通する孔部を形成する。
【0140】
収容ケース10に歯ブラシ300を収容した状態(図8図9を参照)において、歯ブラシ300の一部301(歯ブラシ300のグリップ310側)は、第1空間部113内に収容することができる。歯ブラシ300のヘッド320側は、連通部170を通して、第2空間部203内および第3空間部153内に配置することができる。
【0141】
収容ケース10では、キャップ200の第2空間部203により歯ブラシ300のヘッド320側が収容される。そのため、ケース部材110は、当該ケース部材110の第1空間部113のみで歯ブラシ300を収容するように構成される場合と比較して、ケース部材110の長手方向の寸法を小さくすることができる。また、キャップ200をキャップ取り付け部150に取り付けた状態では、収容ケース10の長手方向において第2空間部203と第3空間部153とが部分的に重なる。そのため、キャップ取り付け部150よりも収容ケース10の長手方向のさらに一端部側でキャップ200が着脱されるような構造を採用した場合と比較して、収容ケース10の長手方向の全長を小さくすることができる。
【0142】
また、ケース部材110は、図9に示すように、視認部Mを有する。
【0143】
視認部Mは、ケース部材110を形成する第1面110Aに形成された第1空間部113とケース本体100の外部とを連通する貫通孔(第2開口部)115Bである。視認部Mは、ケース部材110の底面(図中の矢印X2で示す側の端面)から長手方向に対して所定距離離れた箇所に設けられている(図9を参照)。所定距離とは、容器400の長さL4に依存して設定され、ケース部材110に収容された容器400のラミネート加工部430に記載された文字列(製造番号および製造記号の少なくとも一方)Pが視認部Mから視認できる位置に設定されている。使用者は、例えば歯磨きセット1を購入する際に、ラミネート加工部430に記載された文字列Pをケース本体100の外部から視認部Mを介して視認することができる。
【0144】
また、ケース部材110は、図9に示すように、複数の換気部Nを有する。
【0145】
換気部Nは、ケース部材110を形成する第1面110Aに形成された第1空間部113とケース本体100の外部とを連通する貫通孔(第3開口部)115Cである。換気部Nは、視認部Mの上部(図9中の矢印X1で示す側)に複数設けられている。複数の換気部Nは、第1空間部113内の通気性を確保することができる。そのため、使用者は、使用した歯ブラシ300および容器400をケース本体100に収容しケース部材110に対して蓋部材120を閉じたときに、複数の換気部Nを介して歯ブラシ300および容器400を乾燥させることができる。
【0146】
なお、換気部Nの個数は、複数であってもよく、1つであってもよい。
【0147】
次に、図11図15図16を参照して、固定部180と、仕切リブ部190の構造について説明する。
【0148】
(固定部)
固定部180は、容器400をケース本体100に収容した際にケース部材110に対する容器400の位置を固定することができる。そのため、ケース部材110に対して蓋部材120を閉じたときに、ケース部材110に収容された容器400がケース本体100内で移動することを抑制できる。例えば、固定部180を備えない収容ケースを使用した場合、出荷される際に収容ケースが傾けられたり、収容ケースに衝撃が与えられたりすると、容器400がその動作方向(例えば、収容ケースの長手方向や回転方向)に揺動することがある。そのため、収容ケース内における容器400の位置が安定しないといった課題が生じる。
【0149】
(保持部)
保持部181は、図10に示すように、ケース部材110の内面に設けられたフック部181Bを有している。フック部181Bには、容器400のキャップ部440と嵌合可能な溝部181Aが形成されている。使用者は、開口部115から溝部181Aに向けてキャップ部440を案内することができる。フック部181Bは、溝部181Aに挿入されたキャップ部440をキャップ部440の周方向に対して部分的に挟み込むことができる(図15中のE-E断面図を参照)。そのため、保持部181は、ケース部材110に収容された容器400がケース部材110の長手方向に移動することを抑制することができる。したがって、保持部181は、ケース部材110に収容された容器400がケース本体100内で移動することを抑制できる。
【0150】
本実施形態に係る保持部181は、図11に示すように、ケース部材110の短手方向の一端部側(図中の矢印Y1で示す側)から仕切リブ部190に向かってケース部材110の短手方向に延在し、ケース部材110の長手方向に直交する平面に設けられている。
【0151】
溝部181Aは、図16に示すように、U字形状である。溝部181Aは、略矩形状の入り口側と略半円形状の奥側を備えている。
【0152】
保持部181の大きさを規定する主要な寸法は、溝部181Aの幅W18、および溝部181Aの深さD18である。これらの寸法は、任意に規定することができる。本実施形態に係る溝部181Aは、次のように各寸法が規定される。幅W18は、溝部181Aの入り口側の開口寸法であり、ケース部材110の短手方向に沿った寸法である。深さD18は、幅W18に直交する寸法であり、ケース部材110の奥行(深さ)方向に沿った寸法である。
【0153】
溝部181Aの幅W18は、例えばキャップ部440の外径H4より僅かに狭く設定されている。この場合、溝部181Aを形成する保持部181の内周面は、キャップ部440の外周面に対して摺動抵抗を与えることができる。使用者は、容器400のキャップ部440によって溝部181Aを押し広げながらフック部181Bにキャップ部440を案内することによって、容器400のキャップ部440を保持部181に嵌め込むことができる。
【0154】
なお、溝部181Aの幅W18は、容器400のキャップ部440を嵌合可能な寸法である限り限定されない。溝部181Aの幅W18は、使用者が容器400を収容ケース10に出し入れするときの作業性が考慮されており、フック部181Bが容器400のキャップ部440の外周面に対して摺動抵抗を与えることができ、かつ使用者の作業性が阻害されない範囲に設定されていることが好ましい。
【0155】
また、溝部181Aの深さD18は、容器400のキャップ部440を嵌合可能な寸法であり、使用者がケース部材110に対して蓋部材120を開閉する行為を保持部181に嵌め込まれた容器400が阻害しない限り、特に限定されない。
【0156】
また、溝部181Aの形状は、容器400のキャップ部440を嵌合可能である限り、特に限定されない。例えば、溝部181Aは、楕円形や多角形(矩形や三角形等)を組み合わせた形状であってもよい。
【0157】
(固定リブ部)
固定リブ部182は、図10に示すように、蓋部材120の内面から立設して設けられ、蓋部材120の短手方向に沿って延在している。固定リブ部182は、蓋部材120の正面視(図11を参照)において蓋部材120短手方向の一端部側(図中の矢印Y2で示す側)から他端部側(図中の矢印Y1で示す側)に向かって設けられている。
【0158】
固定リブ部182は、ケース部材110に対して蓋部材120が閉じられたときに、固定リブ部182を形成する凸部の端面182aによってケース本体100に収容された容器400の面400bと部分的に当接し、容器400をケース部材110の内面側に押さえ込むことができる(図15中のC-C断面図を参照)。そのため、固定リブ部182は、容器400が歯磨収容部113A内で回転することを抑制できる。
【0159】
以上、固定部180について説明したが、保持部181と固定リブ部182が本発明の効果を奏する限り、種々変更することができる。
【0160】
例えば、保持部181とキャップ部440の接触関係は特に限定されない。フック部181Bとキャップ部440は、面接触であってもよく、線接触であってもよく、点接触であってもよい。
【0161】
また、保持部181や固定リブ部182の厚さは、特に限定されない。保持部181および固定リブ部182の厚さは、ケース本体100の長手方向に沿って規定される寸法である。保持部181や固定リブ部182の厚さは、容器400のキャップ部440を嵌合すること、または容器400を押さえ込むことが可能な寸法であり、リブとしての強度が確保され、ケース本体100を成型する際にケース本体100の外観面に影響を与えない程度の厚さである限り、特に限定されない。
【0162】
また、保持部181や固定リブ部182は、長手方向に直交する平面に設けられていることが好ましいが、YZ平面に対して傾けて設けられていてもよい。
【0163】
(仕切リブ部)
仕切リブ部190は、図10図11に示すように、ケース部材110の内面から立設して設けられ、ケース部材110の底面(図中の矢印X2で示す側の端面)からケース部材110の長手方向に沿って延在している。仕切リブ部190は、第1空間部113を、容器400を収容する歯磨収容部113Aと、歯ブラシ300のグリップ310側を収容する歯ブラシ収容部113Bと、に仕切ることができる。
【0164】
歯磨収容部113Aと歯ブラシ収容部113Bの大きさを規定する主要な寸法は、ケース部材110の短手方向に対応する歯ブラシ収容部113Bの幅W20、および歯ブラシ収容部113Bの幅W21である。これらの寸法は、任意に規定することができる。本実施形態に係る仕切リブ部190は、次のように各寸法が規定される。幅W20および幅W21は、ケース部材110の短手方向に沿って規定された寸法である。幅W20は、ケース部材110の正面視(図11を参照)において歯ブラシ収容部113Bの上面側(図中の矢印X1で示す側)に設けられた寸法である。幅W21は、ケース部材110の底面側(図中の矢印X2で示す側)に設けられた寸法である。
【0165】
仕切リブ部190は、ケース部材110の正面視(図11を参照)においてケース部材110の長手方向の一端部側(図中の矢印X2で示す側)から他端部側(図中の矢印X1で示す側)に向かって傾斜して設けられている。そのため、歯ブラシ収容部113Bの幅は、幅W21から幅W20に向かって広くなっている。
【0166】
使用者は、歯ブラシ300の一部をケース本体100の上面側(図中の矢印X1で示す側)から連通部170を介してケース本体100へ収容する際に、または開口部115を介してケース本体100へ収容する際に、第1空間部113内の歯ブラシ300の位置を仕切リブ部190によって制限することができる。使用者は、歯ブラシ300の収容場所(第1空間部113内の位置)と容器400の収容場所を区別し、歯ブラシ300と容器400を互いに干渉させることなくケース本体100へ収容することができる。
【0167】
歯ブラシ収容部113Bは、上述したようにケース部材110の底面側に向かって先細り形状である。そのため、このような構造によれば、ケース本体100は、使用者が歯ブラシ300のグリップ310側をケース本体100の上面側から連通部170を介して歯ブラシ収容部113Bへ挿入する際の挿入性を確保することができる。
【0168】
また、仕切リブ部190は、歯ブラシ収容部113BのW20が幅W21より広く設定されていることを利用して歯磨収容部113Aに収容された容器400と部分的に当接することができる。そのため、仕切リブ部190は、容器400が歯磨収容部113A内で回転することを抑制できる。
【0169】
歯ブラシ収容部113Bの幅W20や幅W21の寸法は、特に限定されない。ただし、幅W21は、使用者が歯ブラシ300を収容ケース10に出し入れするときの作業性を考慮して歯ブラシ300の幅W3やグリップ310の厚さより大きく設定されていることが好ましい。歯ブラシ収容部113Bの幅W20は、使用者が容器400を収容ケース10に出し入れするときの作業性が考慮されており、仕切リブ部190が容器400の外周面に対して摺動抵抗を与えることができ、かつ使用者の作業性を阻害しない範囲に設定されていることが好ましい。
【0170】
また、第1空間部113内へ開口部115を介して容器400を挿入する挿入方向(ケース部材110の奥行方向)に沿った歯磨収容部113Aの深さ寸法(歯磨収容部113Aの深さ寸法の最大値)D22は、ケース部材110の短手方向に沿った歯磨収容部113Aの幅寸法(歯磨収容部113Aの幅寸法の最大値)W22よりも大きく構成され、歯磨収容部113Aの幅寸法W22は、歯磨収容部113Aの奥行方向において内面側に向けて漸減するように設定されている(図16を参照)。
【0171】
本実施形態において容器400の最大幅である幅W4は、歯磨収容部113Aの幅寸法W22や歯磨収容部113Aの深さ寸法D22より大きく、歯磨収容部113Aの幅寸法W22と歯磨収容部113Aの深さ寸法D22が成す対角線寸法T22よりは小さい。また、歯磨収容部113Aの幅寸法W22は、歯磨収容部113Aの奥行方向において内面側に向けて漸減するように設定されている。そのため、容器400は、歯磨収容部113Aへ挿入(収容)される際に、容器400の短手方向の一端側400a(図15中のC-C断面図、D-D断面図を参照)がケース部材110と仕切リブ部190が交差する端部113Cへ向かうように収容される。そのため、容器400のラミネート加工部430は、ケース本体100の長手方向を軸として回転する方向θについて、XZ平面に対して所定の角度θ1(図15図16を参照)に傾けられた状態で歯磨収容部113Aへ収容される。
【0172】
角度θ1は特に制限されないが、ケース本体100の形状が略正三角柱の場合、30度程度であることが好ましい。本実施形態に係る容器400は、歯磨収容部113Aへ収容される際に、容器400のラミネート加工部430がケース部材110を形成する第1面110Aに沿うように配置される。そのため、角度θ1は、ケース本体100の形状に合わせて種々変更することができる。
【0173】
次に、図10図11を参照して、キャップ200を構成する各構成要素の構造について説明する。
【0174】
キャップ200は、ケース本体100の長手方向の一端部側(図中の矢印X1で示す側の端部)でケース本体100に対して着脱可能に取り付けられる。キャップ200は、ケース本体100に取り付けられた状態において、歯ブラシ300のヘッド320側(第1空間部113に収容された部分とは異なる部分)を収容可能な第2空間部203を備える。ただし、歯ブラシ300において第2空間部203に収容される具体的な範囲は特に限定されない。
【0175】
<使用方法>
収容ケース10は、図8図9に示すように、ケース本体100にキャップ200が取り付けられた状態において、蓋部材120により開口部115を開閉可能である。
【0176】
キャップ200は、図10に示すように、ケース本体100の長手方向に沿ってケース本体100の長手方向の一端部に対して相対的に接近離間させる操作に伴ってケース本体100に対して着脱可能である。
【0177】
キャップ200は、ケース本体100に向かう方向へスライド移動(図10中の矢印A1で示す方向の移動)させることにより、ケース本体100に対して取り付けることができる。また、キャップ200は、ケース本体100に取り付けられた状態で、ケース本体100から離間させる方向へスライド移動(図10中の矢印A2で示す方向の移動)させることにより、ケース本体100から取り外すことができる。
【0178】
キャップ200は、ケース本体100から取り外された状態において、第2空間部203内で液体を保持できる。使用者は、例えば、第2空間部203内に水を保持することができる。使用者は、第2空間部203内で保持した水を使用して、歯ブラシ300を使用した歯磨き後に口腔内を洗い流すことができる。
【0179】
以上、ケース本体100を説明したが、ケース本体100(ケース部材110および蓋部材120)は、例えば、樹脂材料で構成することができる。また、ケース本体100を樹脂材料で構成する場合、不透明性を有するように樹脂材料に着色を施すことができる。また、ケース本体100を樹脂材料で構成する場合、樹脂材料には抗菌剤を練り込むことができる。樹脂材料としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等を挙げることができる。また、抗菌剤としては、例えば銀系溶解性ガラス抗菌剤、銀系ガラス系抗菌剤、亜鉛系溶解性ガラス抗菌剤、銀系リン酸ジルコニウム抗菌剤等を挙げることができる。ケース本体100が不透明性を有する場合、収容ケース10に収容した歯ブラシ300および容器400の視認性が低下する。そのため、収容ケース10を持ち運ぶ際、収容ケース10の意匠外観が損なわれることを抑制できる。また、ケース部材110および蓋部材120が抗菌性を有する材料で形成されることによって、使用者は、長期間にわたって歯磨きセット1を衛生的に使用することができる。なお、ケース部材110と蓋部材120は、異なる材料で構成してもよい。また、ケース部材110と蓋部材120には異なる色を着色してもよい。
【0180】
キャップ200は、例えば、ケース本体100と同一の材料で形成することができる。キャップ200は、不透明性を有するように構成することができる。また、キャップ200を構成する樹脂材料には抗菌剤を練り込むことができる。
【0181】
次に、本実施形態の作用効果を述べる。
【0182】
本実施形態に係る収容ケース10は、容器400および歯ブラシ300の一部を収容可能な第1空間部113と第1空間部113から容器400および歯ブラシ300の取り出しを可能にする開口部115とを備えるケース部材110と、開口部115を開閉する蓋部材120と、を備えるケース本体100を有する。ケース本体100は、容器400を固定する固定部180を備える。固定部180は、ケース部材110の内面に設けられ、容器400の少なくとも一部を保持することによって容器400がケース部材110の長手方向に移動することを抑制する保持部181、および蓋部材120の内面に設けられ、開口部115を蓋部材120によって閉じたときに容器400に対して当接することによって容器400が第1空間部113内で回転することを抑制する固定リブ部182、の少なくとも一方を有する。
【0183】
上記のように構成した収容ケース10によれば、容器400をケース本体100に収容した際にケース部材110に対する容器400の位置を固定することができる。そのため、ケース部材110に対して蓋部材120を閉じたときに、ケース部材110に収容された容器400がケース本体100内で移動することを抑制できる。
【0184】
また、保持部181は、ケース部材110の短手方向に延在するとともに容器400のキャップ部440の少なくとも一部と嵌合可能な溝部181Aが形成されたフック部181Bを有する。固定リブ部182は、開口部115を蓋部材120によって閉じたときに容器400をケース部材110の内面側に押さえ込む凸部を有する。これにより、固定リブ部182は、容器400が歯磨収容部113A内で回転することを抑制することができる。
【0185】
また、ケース部材110は、第1空間部113を、容器400を収容する歯磨収容部113Aと歯ブラシ300の一部を収容する歯ブラシ収容部113Bとに仕切るようにケース部材110の長手方向に沿って延びる仕切リブ部190を有する。これにより、使用者は、歯ブラシ300の収容場所と容器400の収容場所を区別することができる。また、ケース本体100は、使用者が歯ブラシ300のグリップ310側をケース本体100の上面側から連通部170を介して歯ブラシ収容部113Bへ挿入する際の挿入性を確保することができる。また、仕切リブ部190は、容器400と部分的に当接することによって容器400が歯磨収容部113A内で回転することを抑制することができる。
【0186】
また、仕切リブ部190は、ケース部材110の内面から立設して設けられる。第1空間部113内へ開口部115を介して容器400を挿入する挿入方向(ケース部材110の奥行方向)に沿った歯磨収容部113Aの深さ寸法(歯磨収容部113Aの深さ寸法の最大値)D22は、ケース部材110の短手方向に沿った前記歯磨収容部113Aの幅寸法(歯磨収容部113Aの幅寸法の最大値)W22よりも大きく構成され、歯磨収容部113Aの幅寸法W22は、歯磨収容部113Aの奥行方向において内面側に向けて漸減している。これにより、容器400のラミネート加工部430を、ケース本体100の長手方向を軸として回転する方向θについて、XZ平面に対して所定の角度θ1に傾けられた状態で歯磨収容部113Aへ収容することができる。
【0187】
また、ケース本体100は、蓋部材120により開口部115が閉じられた状態で、第1空間部113内に収容された容器400に記載された文字列(製造番号および製造記号の少なくとも一方)Pをケース本体100の外部から視認可能とする視認部Mをさらに有する。これにより、使用者は、例えば歯磨きセット1を購入する際に、ラミネート加工部430に記載された文字列Pをケース本体100の外部から視認部Mを介して視認することができる。
【0188】
また、視認部Mは、ケース部材110に設けられ、第1空間部113とケース本体100の外部とを連通する第2開口部115Bを有する。これにより、使用者は、例えば歯磨きセット1を購入する際に、ラミネート加工部430に記載された文字列Pをケース本体100の外部から第2開口部115Bを通して視認することができる。
【0189】
また、ケース本体100は、不透明材料からなる。これにより、ケース本体100に収容された歯ブラシ300および容器400がケース本体100の外部から視えないことにより、ケース本体100の外観意匠を保つことができる。
【0190】
また、ケース本体100は、第1空間部113とケース本体100の外部とを連通することによって通気性を確保する第3開口部115Cを有する。これにより、使用者は、使用した歯ブラシ300および容器400をケース本体100に収容しケース部材110に対して蓋部材120を閉じたときに、第3開口部115Cを介して歯ブラシ300および容器400を乾燥させることができる。
【0191】
また、ケース本体100の長手方向の一端部側でケース本体100に対して着脱可能に取り付けられるとともに、ケース本体100に取り付けられた状態において、歯ブラシ300の第1空間部113に収容された部分とは異なる部分を収容可能な第2空間部203が形成されたキャップ200をさらに有する。蓋部材120は、ケース本体100にキャップ200が取り付けられた状態において、開口部115を開閉可能である。そのため、使用者は、歯ブラシ300および容器400をケース本体100から出し入れする際、ケース本体100からキャップ200を取り外す必要がない。したがって、収容ケース10は、歯ブラシ300および容器400をケース本体100から出し入れする際に、ケース本体100からキャップ200を取り外すことに伴って生じ得る利便性の低下を抑制することができる。
【0192】
また、キャップ200は、ケース本体100から取り外された状態において、第2空間部203に液体を保持できる。これにより、使用者は、歯磨きを行う際に、キャップ200をコップとして使用することができる。したがって、収容ケース10の利便性がより一層向上したものとなる。
【0193】
また、歯磨きセット1は、収容ケース10と、収容ケース10に収容可能な歯ブラシ300と、収容ケース10に収容可能な容器400と、を備える。このような構成によれば、ケース部材110に対して蓋部材120を閉じたときに、ケース部材110に収容された容器400がケース本体100内で移動することを抑制できる歯磨きセット1を提供することができる。
【0194】
<実施例>
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例の説明では、前述した実施形態において説明した部材名称を援用する。
【0195】
下記の実施例及び比較例について、下記評価項目1の評価試験を実施した。
【0196】
(評価項目1)収容ケースに収容された容器の回転しにくさ
実施例1、2、3として、下記構成1、2が表4に示す構成である収容ケースを準備した。
構成1:保持部
構成2:固定リブ部
比較例1として、下記構成1、2を有さない収容ケースを準備した。
構成1:保持部
構成2:固定リブ部
評価試験では、専門家パネル10人が実施例1、2、3、比較例1の収容ケースを使用し、10回の評価試験を実施した。評価点は10回の評価試験の平均点である。
(評価基準)
7点:非常に良い。
6点:かなり良い。
5点:やや良い。
4点:どちらとも言えない。
3点:やや良くない。
2点:かなり良くない。
1点:非常に良くない。
【0197】
【表4】
【0198】
本実施例による評価結果について説明する。
【0199】
実施例1と比較例1を比較すると、固定リブ部は、収容ケースに収容された容器の回転に対する抑制力を高められることがわかる。
【0200】
実施例2と比較例1を比較すると、保持部は、収容ケースに収容された容器の回転に対する抑制力を高められることがわかる。
【0201】
実施例1と実施例2を比較すると、保持部は、固定リブ部より収容ケースに収容された容器の回転を抑制できることがわかる。
【0202】
本実施例により、収容ケースは、保持部および固定リブ部のどちらか一方を備えることによって収容ケースに収容された容器の回転を抑制できることが実証された。
【0203】
また、実施例3と、実施例1または実施例2と、を比較すると、保持部と固定リブ部の両方を備えている場合は、保持部および固定リブ部のどちらか一方を備えている場合と比較して、収容ケースに収容された容器の回転に対する抑制力をさらに高められることが実証された。
【0204】
本実施形態は、特許請求の範囲内で種々改変できる。例えば、視認部は、貫通孔(開口部)によって形成されていなくてもよい。収容ケースは不透明材料から形成されているが、視認部は透明材料によって形成されていてもよい。視認部の構成は、貫通孔に限定されず、発明の効果を発揮し得る限り種々変更することができる。
【0205】
次に、図17図23を参照して、第2変形例に係る歯磨きセット1および収容ケース10を説明する。
【0206】
各図に示す矢印X1-X2は、ケース本体100の長手方向を示し、矢印Y1-Y2は、ケース本体100の幅方向(短手方向)を示し、矢印Z1-Z2は、ケース本体100の奥行方向を示す。収容ケース10の長手方向、ケース部材110の長手方向、および蓋部材120の長手方向は、ケース本体100の長手方向と略同一の方向である。
【0207】
図17に示すように、本変形例の歯磨きセット1は、収容ケース10と、歯ブラシ300と、口腔内洗浄剤を収容した容器(以下、単に「容器」とする)400と、を備える。
【0208】
収容ケース10は、ケース本体100と、キャップ200と、を有する。
【0209】
ケース本体100は、歯ブラシ300の一部301および容器400を収容可能な第1空間部113を内部に備える。キャップ200は、ケース本体100の長手方向の一端部側でケース本体100に対して着脱可能に取り付けられる。キャップ200は、ケース本体100に取り付けられた状態において、歯ブラシ300の第1空間部113に収容された部分301とは異なる部分302を収容可能な第2空間部203を内部に備える。
【0210】
図18に示すように、ケース本体100は、ケース部材110、および蓋部材120を備える。また、ケース本体100には、ヒンジ部131、132、およびロック部140が設けられている。
【0211】
また、ケース本体100には、容器400が第1空間部113内で長手方向に移動したり長手方向まわりに回転したりするのを防ぐ固定リブ等の構造が、内部に設けられていてもよいし、通気や容器400を視認するため、外周壁に内部と連通する開口が形成されていてもよいが、ケース本体100の内部や外面にどのような構造を設けるかは、特に限定されない。
【0212】
ケース本体100の長手方向の一端部(矢印X1で示す方向に位置する端部)には、ケース本体100の長手方向へ突出するとともにキャップ200が嵌合可能なキャップ取り付け部150が設けられている。キャップ取り付け部150の内側には、キャップ取り付け部150にキャップ200が嵌合したときに、歯ブラシ300の第1空間部113に収容された部分301とは異なる部分302の一部を第2空間部203とともに収容可能な第3空間部153が形成されている。第3空間部153は、キャップ取り付け部150にキャップ200が嵌合したときに、第2空間部203の内側に配置される。
【0213】
ケース本体100(ケース部材110および蓋部材120)は、例えば、樹脂材料で構成できる。また、ケース本体100を樹脂材料で構成する場合、不透明性を有するように樹脂材料に着色を施すことができる。また、ケース本体100を樹脂材料で構成する場合、樹脂材料には抗菌剤を練り込むことができる。樹脂材料としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等を挙げることができる。また、抗菌剤としては、例えば銀系溶解性ガラス抗菌剤、銀系ガラス系抗菌剤、亜鉛系溶解性ガラス抗菌剤、銀系リン酸ジルコニウム抗菌剤等を挙げることができる。ケース本体100が不透明性を有する場合、収容ケース10に収容した歯ブラシ300および容器400の視認性が低下する。そのため、収容ケース10を持ち運ぶ際、収容ケース10の意匠外観が損なわれることを抑制できる。また、ケース部材110および蓋部材120が抗菌性を有する材料で形成されることによって、使用者は、長期間にわたって歯磨きセット1を衛生的に使用することができる。なお、ケース部材110と蓋部材120は、異なる材料で構成してもよい。また、ケース部材110と蓋部材120には異なる色を着色してもよい。
【0214】
ケース部材110には、第1空間部113から歯ブラシ300および容器400の取り出しを可能にする開口部115が設けられている。
【0215】
ケース本体100は、蓋部材120により開口部115が閉じられた状態において、略三角柱の外形を有する。ケース本体100の底面は略三角形の平面形状を有する。使用者は、ケース本体100の底面を机台等に載置することにより、収容ケース10を立てた状態で配置することができる。そのため、ケース本体100をより小さいスペースで保管することができる。また、ケース本体100が略三角柱の形状を有しているため、仮に収容ケース10を横向きにして机台などに配置しても、収容ケース10が転がることを防止できる。
【0216】
蓋部材120は、ケース部材110に対し、ヒンジ部131、132を介して回動可能に接続しており、開口部115を開閉する。蓋部材120は、キャップ取り付け部150にキャップ200が取り付けられた状態において、開口部115を開閉可能である。
【0217】
ヒンジ部131、132は、ケース部材110の長手方向に沿って所定の間隔を空けて並べて配置されている。各ヒンジ部131、132は、例えば、ケース部材110および蓋部材120と一体的に構成することができる。また、各ヒンジ部131、132は、例えば、回動可能な軸部と軸受けを有するヒンジ構造をケース部材110および蓋部材120に別途取り付けることでケース本体100に組み付けてもよい。
【0218】
ロック部140は、ケース部材110に設けられた嵌合孔141と、蓋部材120に設けられた突起部143と、を有する。突起部143は、嵌合孔141に対する嵌合および嵌合の解除が可能である。ロック部140は、蓋部材120が閉じた際、突起部143が嵌合孔141に嵌合することによって、蓋部材120が不用意に開くのを防ぐ。使用者は、突起部143と嵌合孔141との嵌合を解除することによって、蓋部材120を開けることができる。
【0219】
ロック部140以外にも、蓋部材120が不用意に開くのを防止する構造がケース本体100に設けられていてもよく、例えば、ケース部材110および蓋部材120の各々の角部に、蓋部材120が閉じた際に互いに嵌合する構造を設けてもよい。
【0220】
図19に示すように、キャップ200は、ケース本体100の長手方向に沿って長手方向の一端部に対して相対的に接近離間させる操作に伴って、ケース本体100に対して着脱可能である。
【0221】
キャップ200は、キャップ取り付け部150に嵌合することによってケース本体100に装着される。キャップ取り付け部150に取り付けられたキャップ200は、ケース本体100の長手方向に沿って引っ張られることによってキャップ取り付け部150から外れ、ケース本体100と分離される。キャップ200は、キャップ取り付け部150から取り外された状態において、内側に液体を保持でき、コップとして使用可能である。
【0222】
キャップ200は、例えば、ケース本体100と同一の材料で形成することができる。キャップ200は、不透明性を有するように構成することができる。また、キャップ200を構成する樹脂材料には抗菌剤を練り込むことができる。
【0223】
キャップ取り付け部150では、内側の第3空間部153が第1空間部113と連通しているとともに、第3空間部153のまわりの側壁151が途切れた開放部152が形成されている。開放部152、および開口部115は、ケース本体100の長手方向と交差する同一方向側(Z1方向側)に形成されている。
【0224】
キャップ取り付け部150では、キャップ200がキャップ取り付け部150に嵌合した状態において、キャップ200の内側と当接する凸部として、横リブ154、縦リブ155、およびボス156が、側壁151の外面に設けられている。
【0225】
横リブ154は、側壁151の周方向に延在している。縦リブ155は、ケース本体100の長手方向に延在している。ボス156は、縦リブ155におけるケース本体100の長手方向の他端部側の一端(矢印X2で示す方向に位置する端部)から突出している。
【0226】
図20に示すように、横リブ154は、キャップ取り付け部150の周方向に略等間隔に離間して3箇所設けられているが、何箇所設けられるかは特に限定されず、また、横リブ154同士の間隔も等間隔に限定されず異なっていてもよい。また、周方向における横リブ154の幅も特に限定されない。また、周方向全体にわたって横リブ154が延在している形態も、本発明の範囲に含まれる。
【0227】
縦リブ155は、キャップ取り付け部150において開放部152に近接する箇所に設けられているが、キャップ取り付け部150の何処に設けられるかは本変形例に限定されず、また、何箇所設けられるかも限定されない。
【0228】
図21に示すように、縦リブ155は、キャップ200側へ窄まるように傾斜した端部157を有する。端部157の形状はこの形態に限定されないが、端部157がキャップ200側へ窄まるように傾斜した形状を有していれば、キャップ200をキャップ取り付け部150に取り付ける際、端部157にキャップ200が引っ掛かり難いため、円滑にキャップ200を取り付けられる。
【0229】
キャップ200の内側には、ボス156と嵌合する窪み204が形成されている。窪み204は、キャップ200の内側の全周にわたって形成されているが、ボス156と嵌合可能な位置に形成されていればよく、キャップ200の内側の周方向の一部に形成されている形態も本発明の範囲に含まれる。
【0230】
また、窪み204は、キャップ200の開口に近接して形成されているが、ボス156と嵌合可能な位置であれば、キャップ200の深さ方向においてどの位置に形成されるかは特に限定されない。本変形例のように、窪み204をキャップ200の開口に近接した位置に形成するようにすれば、キャップ200の成型の際に脱型が容易である。
【0231】
次に、本変形例の作用効果を述べる。
【0232】
図22に示すように、本変形例では、ケース本体100のキャップ取り付け部150に側壁151の途切れた開放部152が形成されており、歯ブラシ300が出し入れされる際にキャップ取り付け部150と干渉し難いため、歯ブラシ300を出し入れし易い。
【0233】
例えば、従来のケース本体を備える歯ブラシ容器を使用する場合、使用者は、ケース本体の一端部に嵌合しているキャップを一旦外し、ケース本体の一端部を通じて歯ブラシを出し入れするが、歯ブラシ全体がケース本体の内部に収まるため、ケース本体の一端部からケース本体内部に指を突っ込むようにして歯ブラシを出し入れしなければならず、歯ブラシを出し入れし難い。このような課題に対して、歯ブラシの出し入れを容易にするため、例えばケース本体の一端部の側壁を部分的に切り欠いたとすると、ケース本体とキャップとが全周で嵌合しなくなり、キャップの嵌合強度が低下してキャップが不用意に外れ易くなる虞がある。
【0234】
本変形例に係るケース本体100のキャップ取り付け部150は、開放部152が形成されているため、キャップ200と全周で嵌合しないものの、キャップ200の内側と当接する凸部として、横リブ154、縦リブ155、およびボス156が設けられており、これらとキャップ200の内側とが互いに押し合うように干渉することによって嵌合強度が増すため、キャップ取り付け部150に取り付けられたキャップ200は、不用意に外れ難い。
【0235】
横リブ154は、側壁151の周方向に延在しており、長手方向(X1-X2方向)の特定の位置(本変形例ではキャップ取り付け部150の下端)では、キャップ200の内側と周方向に幅を持って接触して広い干渉範囲を有する。このため、キャップ200の内側と当接する凸部として横リブ154が設けられていれば、長手方向(X1-X2方向)の特定の位置(本変形例ではキャップ取り付け部150の下端)で、嵌合強度を特に効果的に向上できる。
【0236】
縦リブ155は、長手方向(X1-X2方向)に延在しており、長手方向(X1-X2方向)においてキャップ200の内側と広範囲に接触して干渉する。このため、キャップ200の内側と当接する凸部として縦リブ155が設けられていれば、長手方向(X1-X2方向)の広い範囲で嵌合強度を高められる。
【0237】
さらに、縦リブ155の下端にはボス156が設けられており、これがキャップ200の内側の窪み204と嵌合することによってキャップ200の抜けを妨げるため、キャップ200をより確実に固定できる。
【0238】
本変形例の収容ケース10では、図18に示したように、歯ブラシ300および容器400を出し入れするための開口部115を開閉する操作は、ケース本体100にキャップ200が取り付けられた状態で行うことができる。そのため、使用者は、歯ブラシ300および容器400をケース本体100から出し入れする際、必ずしもケース本体100からキャップ200を取り外す必要がない。キャップ200を取り外して使用することも可能であるが、その場合、例えば、取り外したキャップ200を周囲の机台や洗面台に載置したり、キャップ200を紛失することのないように保管したりする等の必要が生じる。一方、本変形例では、必ずしもキャップ200を取り外す必要がないため、利便性に優れる。
【0239】
キャップ200は、キャップ取り付け部150から取り外された状態において、内側に液体を保持できる。このような構成によれば、使用者は、歯磨きを行う際、キャップ200をコップとして使用でき、収容ケース10の利便性を向上できる。
【0240】
図23に示すように、開放部152と開口部115とは、長手方向(X1-X2方向)と交差する同一方向側(Z1方向側)に形成されており、蓋部材120が開けられた際、同方向側にケース部材110全体でスペースができるため、歯ブラシ300をより出し入れし易くなる。
【0241】
本変形例は、特許請求の範囲内で種々改変できる。例えば、上記変形例のケース本体100では、ケース部材110に対し蓋部材120がヒンジ部131、132によって回動して開閉するが、開閉機構は、これに限定されず他の形態であってもよく、例えば、ケース部材と蓋部材とが相対的にスライドして開閉する形態等も本発明の範囲に含まれる。さらに、本発明のケース本体は、必ずしも開閉する必要はなく、例えば、ケース本体が開閉しない単純な筒体である形態も本発明の範囲に含まれる。
【0242】
また、上記変形例では、キャップ200の内側と当接する凸部として、横リブ154、縦リブ155、およびボス156が開示されているが、これら全てが設けられている形態に限定されない。例えば、凸部として横リブおよび縦リブが設けられているがボスのない形態、凸部として横リブのみが設けられている形態、凸部として縦リブのみが設けられている形態、凸部として縦リブおよびボスが設けられているが横リブのない形態も、本発明の範囲に含まれる。
【0243】
本出願は、2019年10月24日に出願された日本国特許出願第2019-193834号、2019年10月24日に出願された日本国特許出願第2019-193835号、2019年10月24日に出願された日本国特許出願第2019-193836号に基づいており、その開示内容は、参照により全体として引用されている。
1 歯磨きセット
10 収容ケース
100 ケース本体
110 ケース部材
111 ケース部材の内面
113 第1空間部
115 開口部
117a、117b 第1リブ
118a、118b 補助リブ
120 蓋部材
121 蓋部材の内面
127a、127b 第2リブ
128 目隠し部
131、132 ヒンジ部
140 ロック部
141 嵌合孔
143 突起部
143a フック部
145a、145b 嵌合リブ
150 キャップ取り付け部
151 側壁
152 開放部
153 第3空間部
154 横リブ(凸部)
155 縦リブ(凸部)
156 ボス(凸部)
160 仕切り壁
170 連通部
180 固定部
181 保持部
182 固定リブ
190 仕切りリブ
200 キャップ
203 第2空間部
204 窪み
300 歯ブラシ
301 第1空間部に収容される歯ブラシの一部
302 第2空間部に収容される歯ブラシの一部
400 口腔内洗浄剤を収容した容器
S1 ケース部材の割り面
S2 蓋部材の割り面
g1、g2 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23