IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ゼネラル・エレクトリック・カンパニイの特許一覧

<>
  • 特開-温度補償式トルクセンサ 図1
  • 特開-温度補償式トルクセンサ 図2
  • 特開-温度補償式トルクセンサ 図3
  • 特開-温度補償式トルクセンサ 図4A
  • 特開-温度補償式トルクセンサ 図4B
  • 特開-温度補償式トルクセンサ 図4C
  • 特開-温度補償式トルクセンサ 図4D
  • 特開-温度補償式トルクセンサ 図5
  • 特開-温度補償式トルクセンサ 図6
  • 特開-温度補償式トルクセンサ 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096436
(43)【公開日】2024-07-12
(54)【発明の名称】温度補償式トルクセンサ
(51)【国際特許分類】
   G01L 1/26 20060101AFI20240705BHJP
   G01L 3/10 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
G01L1/26 D
G01L3/10 301R
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024077325
(22)【出願日】2024-05-10
(62)【分割の表示】P 2022096489の分割
【原出願日】2018-07-09
(31)【優先権主張番号】15/648,422
(32)【優先日】2017-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダン・トゥ・ルー
(72)【発明者】
【氏名】ペッカ・タパニ・シピラ
(57)【要約】
【課題】温度補償式トルク検出システムおよびそれを用いる方法を提供する。
【解決手段】システムは、コントローラと電気通信するセンサヘッドを備えることができる。センサヘッドは、コア、駆動コイル、および検出コイルを備えるトルクセンサを収容することができる。センサヘッドは、センサヘッドに結合された温度センサを備えることもできる。トルクセンサは、ターゲットを通過する磁束に基づいてターゲットの選択部分に印加されるトルクを測定するように構成することができ、一方、温度センサは、ターゲット温度を同時に測定するように構成することができる。温度センサは、検出された磁束との干渉を防ぐように位置決めすることができる。コントローラは、ターゲット温度の変動によるターゲットの磁気特性の変化を補償するために温度測定値を用いて決定されたトルクを調整することができる。このようにして、トルク測定値の精度を高めることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端と遠位端との間に延びるセンサヘッド(202)を備え、
前記センサヘッド(202)は、
駆動極(312)であって、駆動電流(244)の受信に応じてターゲット(104)に作用するために前記センサヘッド(202)の前記遠位端を通って延びる第1の磁束(254)を発生させるように構成されている駆動コイル(212)が結合されている駆動極(312)と、
複数の検出極(314)であって、各々の前記検出極(314)が前記第1の磁束(254)とターゲット(104)の相互作用から結果として生じる第2の磁束に少なくとも基づいて第1の信号(248)を出力するように構成されている検出コイル(214)が結合されている、複数の検出極(314)と、
前記センサヘッド(202)の前記遠位端によって画定される平面内で延びる連続した長さの導電性ワイヤを含む測温抵抗体式の温度センサと、を含み、
前記温度センサは、前記センサヘッド(202)の前記遠位端に固定され、ターゲット(104)から受ける熱に基づいて第2の信号(252)を出力するように構成され、
前記複数の検出極(314)は、前記駆動極(312)の周方向に互いに離間して配置され、
前記導電性ワイヤは、前記平面上で一筆書き形状を形成し、当該一筆書き形状は、前記駆動極(312)と前記複数の検出極(314)の間の、前記第1の磁束と前記第2の磁束から磁気的に中立の領域に位置し、
前記導電性ワイヤの一対の端部は、前記平面上で、前記周方向において、第1の対の隣接する前記検出極の間に配置され、
前記一筆書き形状は、前記平面上で、一方の端部から前記駆動極(312)の周囲に沿って前記第1の対の隣接する検出極とは異なる第2の対の隣接する前記検出極の間まで延びる第1の部分と、前記第2の対の隣接する検出極の間で前記第1の部分に接続され前記第1の対の隣接する検出極の間まで折り返して延びる第2の部分と、前記第1の対の隣接する検出極の間で前記第2の部分に接続され前記駆動極(312)の周囲に沿って前記第2の対の隣接する検出極の間まで延びる第3の部分と、前記第2の対の隣接する検出極の間で前記第3の部分に接続され前記第1の対の隣接する検出極の間の他方の端部まで折り返して延びる第4の部分と、を有し、前記第1の部分及び前記第3の部分が、前記駆動極(312)の互いに異なる周囲部分に沿って延び、前記第1の部分が前記第2の部分と前記駆動極(312)の間に位置し、前記第3の部分が前記第4の部分と前記駆動極(312)の間に位置するように構成され、
前記導電性ワイヤの前記第2の部分及び前記第4の部分の各々が、前記第2の対の隣接する検出極とは異なる少なくとも一対の隣接する検出極(314)の間に少なくとも1つの外向きの凸部を形成し、
前記温度センサが非接触センサである、磁歪式センサ(102)。
【請求項2】
前記導電性ワイヤの前記第2の部分と前記第4の部分のそれぞれが、前記第2の対の隣接する検出極の間で、前記第2の対の隣接する検出極のうちより近くに位置する一方に向かって細長く伸びる領域を画成する、請求項1に記載の磁歪式センサ(102)。
【請求項3】
近位端と遠位端との間に延びるセンサヘッド(202)を備え、
前記センサヘッド(202)は、
駆動極(312)であって、駆動電流(244)の受信に応じてターゲット(104)に作用するために前記センサヘッド(202)の前記遠位端を通って延びる第1の磁束(254)を発生させるように構成されている駆動コイル(212)が結合されている駆動極(312)と、
複数の検出極(314)であって、各々の前記検出極(314)が前記第1の磁束(254)とターゲット(104)の相互作用から結果として生じる第2の磁束に少なくとも基づいて第1の信号(248)を出力するように構成されている検出コイル(214)が結合されている、複数の検出極(314)と、
前記センサヘッド(202)の前記遠位端によって画定される平面内で延びる連続した長さの導電性ワイヤを含む測温抵抗体式の温度センサと、を含み、
前記温度センサは、前記センサヘッド(202)の前記遠位端に固定され、ターゲット(104)から受ける熱に基づいて第2の信号(252)を出力するように構成され、
前記複数の検出極(314)は、前記駆動極(312)の周方向に互いに離間して配置され、
前記導電性ワイヤは、前記平面上で一筆書き形状を形成し、当該一筆書き形状は、前記駆動極(312)と前記複数の検出極(314)の間の、前記第1の磁束と前記第2の磁束から磁気的に中立の領域に位置し、
前記導電性ワイヤの一対の端部は、前記平面上で、前記周方向において、第1の対の隣接する前記検出極の間に配置され、
前記一筆書き形状は、前記平面上で、一方の端部から前記駆動極(312)の周囲に沿って前記第1の対の隣接する検出極とは異なる第2の対の隣接する前記検出極の間まで延びる第1の部分と、前記第2の対の隣接する検出極の間で前記第1の部分に接続され前記第1の対の隣接する検出極の間まで折り返して延びる第2の部分と、前記第1の対の隣接する検出極の間で前記第2の部分に接続され前記駆動極(312)の周囲に沿って前記第2の対の隣接する検出極の間まで延びる第3の部分と、前記第2の対の隣接する検出極の間で前記第3の部分に接続され前記第1の対の隣接する検出極の間の他方の端部まで折り返して延びる第4の部分と、を有し、前記第1の部分及び前記第3の部分が、前記駆動極(312)の互いに異なる周囲部分に沿って延び、前記第1の部分が前記第2の部分と前記駆動極(312)の間に位置し、前記第3の部分が前記第4の部分と前記駆動極(312)の間に位置するように構成され、
前記導電性ワイヤの前記第2の部分及び前記第4の部分の少なくとも一方が、前記第2の対の隣接する検出極とは異なる少なくとも一対の隣接する検出極(314)の間に少なくとも1つの外向きの凸部を形成し、
前記温度センサが非接触センサである、磁歪式センサ(102)。
【請求項4】
前記導電性ワイヤの前記第2の部分又は前記第4の部分のそれぞれが、前記少なくとも一対の隣接する検出極(314)の間に複数の前記外向きの凸部を形成する、請求項3に記載の磁歪式センサ(102)。
【請求項5】
前記平面上で、前記第1の対の隣接する前記検出極(314)が、前記駆動極(312)を挟んで、前記第2の対の隣接する前記検出極(314)と反対側に配置される、請求項1から4のいずれか1項に記載の磁歪式センサ(102)。
【請求項6】
前記平面上で、前記複数の検出極(314)は、前記駆動極(312)に対して左右対称に又は前記駆動極(312)を中心として回転対称に配置される、請求項1から5のいずれか1項に記載の磁歪式センサ(102)。
【請求項7】
4個以上の前記複数の検出極(314)を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の磁歪式センサ(102)。
【請求項8】
前記温度センサは、前記駆動コイル(212)と前記検出コイル(214)の各々に磁気的に干渉するのを防ぐように構成されている、請求項1から7のいずれか1項記載の磁歪式センサ(102)。
【請求項9】
前記一筆書き形状は、前記センサヘッド(202)の長手方向軸に沿った前記駆動極(312)および前記検出極(314)のどちらの上にも重ならない、請求項1から8のいずれか1項記載の磁歪式センサ(102)。
【請求項10】
前記一筆書き形状は、前記センサヘッド(202)の前記遠位端の内側面に位置決めされる、請求項1から9のいずれか1項記載の磁歪式センサ(102)。
【請求項11】
前記一筆書き形状は、前記センサヘッド(202)の前記遠位端の外側面に位置決めされる、請求項1から9のいずれか1項記載の磁歪式センサ(102)。
【請求項12】
前記センサヘッド(202)の前記遠位端は積層されており、前記一筆書き形状は前記センサヘッド(202)の前記積層された遠位端の層間に位置決めされる、請求項1から9のいずれか1項記載の磁歪式センサ(102)。
【請求項13】
前記センサヘッド(202)と電気通信するコントローラ(204)を備え、当該コントローラ(204)が、
前記駆動電流(244)を前記駆動コイル(212)へ送信し、
前記第1および第2の信号(248、252)を受信し、
前記第1の信号(248)に基づいて前記ターゲット(104)に印加された力を決定し、
前記第2の信号(252)に基づいて前記ターゲット(104)の温度を決定し、
前記第2の信号(252)から決定された前記温度に基づいて前記第1の信号(248)から決定された前記力を調整する
ように構成されている、請求項1から12のいずれか1項記載の磁歪式センサ(102)。
【請求項14】
前記力はトルクである、請求項13記載の磁歪式センサ(102)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁歪式トルクセンサおよび検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
センサは、機材をモニタする様々な産業において使用され得る。一例として、トルクセンサは、回転機械部品(例えば、シャフト)をモニタし、被モニタ部品に印加されるトルクを表す信号を出力するために使用され得る。測定されたトルクを設計仕様と比較することによって、被モニタ部品がこれらの仕様の範囲内で動作しているか判定することができる。
【0003】
磁歪式トルクセンサは、トルクを測定するために磁場を用いるセンサの一種である。一般に、磁歪は、磁場の存在下で材料の形状(例えば、膨張または収縮)の変化を特徴付ける強磁性材料の特性である。逆に、透磁率(材料内の磁場の発生を支持する能力)などの強磁性材料の磁気特性は、材料に印加されるトルクに応じて変化し得る。磁歪式トルクセンサは、シャフトを透過する磁束を生成するとともに、磁束がシャフトと相互作用するときに、磁歪式トルクセンサが磁束を検出することができる。シャフトに印加されるトルクの量が変化するとき、磁歪式センサは、検出された磁束に基づいてシャフトに印加されるトルクを表す信号を出力することができる。
【0004】
しかしながら、材料の磁気特性は、材料の温度の変動によってやはり変わり得る。これらの磁気特性の変化は、印加されたトルクから独立している磁歪式トルクセンサによって検出される磁束の変動を引き起こし得る。したがって、検出された磁束に基づいて磁歪式トルクセンサによって取得されたトルク測定値は、シャフトに対する実際のトルクから逸れ得る。
【発明の概要】
【0005】
概して、トルクセンサなどの磁歪式センサを温度補償するシステムおよび方法が提供される。
【0006】
一実施形態では、磁歪式センサが提供され、磁歪式センサは、駆動極および検出極を備えたセンサヘッドを備えることができる。駆動極は、駆動電流の受信に応じてターゲットに作用するための第1の磁束を発生させるように構成することができる駆動コイルが結合され得る。検出極は、検出コイルが結合され得る。検出極は、第1の磁束とターゲットの相互作用から結果として生じる第2の磁束に少なくとも基づいて第1の信号(例えば、力信号)を出力し、ターゲットから受ける熱に基づいて第2の信号(例えば、温度信号)を出力するように構成することができる。第1の信号は、第2の信号に干渉しない。
【0007】
一実施形態では、検出コイルは、検出極の自由端の辺りに位置決めすることができる。
【0008】
別の実施形態では、センサは、センサヘッドと電気通信するコントローラを備えることができる。コントローラは、駆動電流を駆動コイルへ送信し、第1および第2の信号を受信し、第1の信号に基づいてターゲットに印加された力を決定し、第2の信号に基づいてターゲットの温度を決定し、第2の信号から決定された温度に基づいて第1の信号から決定された力を調整するように構成することができる。
【0009】
別の実施形態では、力は、トルクとすることができる。
【0010】
別の実施形態では、検出コイルは、第1の信号を受信するように構成された第1の回路、および第2の信号を受信するように構成された第2の回路と電気通信することができる。
【0011】
第1および第2の信号は、様々な構成を有することができる。いくつかの実施形態では、第1の信号は第1の交流電流とすることができ、第2の信号は第1の信号よりも低い周波数を有する第2の交流電流とすることができ、第2の交流電流は、検出コイルのインダクタンスから実質的に独立していることができる。別の実施形態では、第1の信号は第1の交流電流とすることができ、第2の信号は直流電流とすることができる。
【0012】
他の態様では、磁歪式センサを提供することができ、磁歪式センサは、近位端と遠位端との間に延びるセンサヘッドを備えることができる。センサヘッドは、駆動極、検出極、および温度センサを収容することができる。駆動極は、駆動電流の受信に応じてターゲットに作用するためのセンサヘッドの遠位端を通じて延びる第1の磁束を発生させるように構成することができる駆動コイルが結合され得る。検出極は、検出コイルが結合されていてもよく、検出極は、第1の磁束とターゲットの相互作用から結果として生じる第2の磁束に少なくとも基づいて第1の信号を出力するように構成することができる。温度センサは、センサヘッドの遠位端によって画定される平面内で延びる開放側部の形状を形成する連続した長さの導電性ワイヤを有することができる。温度センサは、センサヘッドの遠位端に固定することができ、温度センサは、ターゲットから受ける熱に基づいて第2の信号を出力するように構成することができる。
【0013】
温度センサは、様々な構成を有することができる。いくつかの実施形態では、温度センサは、駆動コイルと検出コイルの各々に機械的に干渉するのを防ぐように構成することができる。2つ以上の検出コイルを備える実施形態では、温度センサは、駆動コイルと全部の検出コイルの各々に磁気的に干渉するのを防ぐように構成することができる。他の実施形態では、開放側部の形状は、センサヘッドの長手方向軸に沿った駆動極および検出極のどちらの上にも重ならない。さらなる実施形態では、開放側部の形状は、センサヘッドの遠位端の内側面に位置決めすることができる。別の実施形態では、開放側部の形状は、センサヘッドの遠位端の外側面に位置決めすることができる。
【0014】
別の実施形態では、センサヘッドの遠位端は積層することができ、開放側部の形状はセンサヘッドの積層された遠位端の層間に位置決めすることができる。
【0015】
別の実施形態では、センサは、センサヘッドと電気通信するコントローラを備えることができる。コントローラは、駆動電流を駆動コイルへ送信し、第1および第2の信号を受信し、第1の信号に基づいてターゲットに印加された力を決定し、第2の信号に基づいてターゲットの温度を決定し、第2の信号から決定された温度に基づいて第1の信号から決定された力を調整するように構成することができる。
【0016】
別の実施形態では、力は、トルクとすることができる。
【0017】
ターゲット温度の原因となるターゲットに印加される力の測定を補償する方法も提供される。一実施形態では、この方法は、磁歪式センサの駆動極に結合された駆動コイルを用いて第1の磁束を発生させるステップと、第1の磁束を強磁性ターゲットおよび磁歪式トルクセンサの検出極を貫くように向けるステップと、磁歪式センサの検出極に結合された検出コイルが第1の磁束とターゲットの相互作用から結果として生じる第2の磁束を検出するステップと、第1の磁束とターゲットの相互作用から結果として生じる第2の磁束に少なくとも基づいて検出コイルが第1の信号を出力するステップと、ターゲットから受ける熱に基づいて検出コイルが第2の信号を出力するステップとを含むことができる。
【0018】
一実施形態では、方法は、第1の信号に基づいてターゲットに印加された力を決定するステップと、第2の信号に基づいてターゲットの温度を決定するステップと、第2の信号から決定された温度に基づいて第1の信号から決定された力を調整するステップとを含むこともできる。
【0019】
他の態様では、温度センサは、ターゲットから離されていてもよい。
【0020】
別の実施形態では、ターゲットは回転式であってもよく、第1の信号はターゲットに印加されるトルクを表すことができる。
【0021】
別の実施形態では、第1の信号によって表されるトルク、および第2の信号によって表される温度は、ほぼ同時にターゲットの同じ領域の辺りで検出することができる。
【0022】
別の実施形態では、検出コイルは、検出極の自由端の辺りに位置決めすることができる。
【0023】
これらおよび他の特徴は、以下の添付図面と併せて見ると後述の詳細な説明からより容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】トルクセンサおよび温度センサを備えるセンサヘッドを有する磁歪式トルクセンサを含む動作環境の例示的な一実施形態を示す図である。
図2】コアと、駆動コイルと、検出コイルと、1つまたは複数の温度センサとを有するセンサヘッドを含む図1の磁歪式トルクセンサに係る例示的な一実施形態の断面図である。
図3図2の磁歪式トルクセンサのコアに係る例示的な実施形態の平面図である。
図4A図2のセンサヘッドのハウジングに係る例示的な実施形態の斜視図である。
図4B】センサヘッドの遠位端の内面に装着された温度センサを示す図4Aのハウジングの遠位端の透明な平面図である。
図4C】センサヘッドの遠位端の外面に装着された温度センサを示す図4Aのハウジングの遠位端の平面図である。
図4D】積層構造を有し、積層構造の層間に埋設された温度センサを示す図4Aのハウジングに係る別の例示的な実施形態の断面図である。
図5】ターゲット温度を測定するように構成されたコア、駆動コイル、および検出コイルを有するセンサヘッドを備える磁歪式トルクセンサに係る別の例示的な実施形態の断面図である。
図6】トルク検出部および温度検出部を備える電気回路に係る例示的な一実施形態を示す図である。
図7】ターゲットのトルクおよび温度を測定する方法に係る例示的な実施形態を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面は必ずしも一定の縮尺ではないことに留意されたい。図面は、本明細書中に開示した主題事項の典型的な態様のみを描くことを意図したものではなく、したがって、本開示の範囲を限定するものとみなされるべきではない。当業者は、本明細書中に特に説明されるとともに添付図面に示されるシステム、装置、および方法が、非限定の例示的な実施形態であり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定められることを理解されよう。
【0026】
次に、本明細書中に開示したシステム、装置、および方法の構造、機能、製造、および使用の原理の概要を与えるために、いくつかの例示的な実施形態を説明する。これらの実施形態の1つまたは複数の例は、添付図面に示されている。例示的な一実施形態に関連して例示または説明する特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされてもよい。そのような修正形態および変更形態は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。さらに、本開示において、類似の名称の実施形態の構成要素は、一般に、同様の特徴を有し、したがって、特定の実施形態の範囲内で、それぞれの類似の名称の実施形態の構成要素の各特徴は、必ずしも十分に詳しく説明されていない。
【0027】
トルクセンサなどの磁歪式センサは、磁束を発生させる駆動要素と、磁束がターゲット(例えば、回転機械シャフト)と相互作用するときに磁束を測定する検出要素とを備えることができる。いくつかの例では、ターゲットの温度が検出された磁束に基づくトルク測定値に影響を及ぼし得る場合、温度センサを使用してターゲット温度を測定し、トルク測定値を調整して温度を補償することもできる。しかしながら、温度センサ自体の位置は、トルク測定値の精度も低下させ得る。
【0028】
一態様では、温度センサが検出要素のあまりに近くに配置される場合、温度センサは、検出要素によって検出される磁束に干渉し得る。別の態様では、この干渉を防ぐために、温度センサが検出要素から遠く離れて位置決めされる場合、ターゲットからの熱がターゲットと温度センサを隔てる距離にわたって放散し得るので、温度センサによって測定される温度は、ターゲットの実際の温度とは異なる可能性がある。したがって、ターゲットの温度を正確に測定するためにターゲットに十分近くに残りつつも、ターゲットのトルクを測定するために使用される磁束との干渉を防ぐように位置決めされる温度センサを組み込むことができる温度補償式の磁歪式トルクセンサが提供される。
【0029】
回転機械部品のトルクを測定する検出システムの実施形態および対応する方法が本明細書で議論される。しかしながら、本開示の実施形態は、限定することなく回転機械部品または静止機械部品に加えられる他の力を測定するために用いられてもよい。
【0030】
図1は、温度補償式トルクセンサ102とターゲット104とを含む動作環境100の例示的な一実施形態を示す。温度補償式トルクセンサ102は、センサヘッド106と、
トルクセンサ110と、温度センサ112と、コントローラ114とを備える磁歪式トルクセンサであり得る。トルクセンサ110は、センサヘッド106内に位置決めすることができ、トルクセンサ110は、ターゲット104の選択部分に印加されるトルクを表す第1の信号110sを生成するように構成することができる。温度センサ112は、ターゲット104と熱的に連通するのを容易にするために、センサヘッド106の遠位端106dにまたはそれに隣接して位置決めすることができ、温度センサ112は、ターゲット104の選択部分の温度を表す第2の信号112sを生成するように構成することができる。
【0031】
使用に際して、センサヘッド106は、ターゲット104からトルクおよび温度測定値を取得するために(例えば、間隙Gだけ隔てられた)ターゲット104の近くに位置決めすることができる。コントローラ114は、第1および第2の信号110s、112sを受信し、ターゲット104の選択部分に印加されるトルクを決定するように構成することができ、それは、ターゲット104の選択部分内の温度変動によって引き起こされるターゲット104の磁気特性(例えば、透磁率)の変化を補償するために、温度測定値を使用して決定されたトルクを調整することができる。このようにして、トルク測定値の精度を向上させることができる。いくつかの実施形態では、センサヘッド106は、ターゲット104に対して所望の配向および/または位置でセンサヘッド106を位置決めし、間隙Gをほぼ一定に維持するために、フレームまたは他の固定取付具(図示せず)に結合することができる。他の実施形態では、トルク測定値および温度測定値は、ターゲット104が(例えば、長手方向軸Aを中心にして)回転している間、またはターゲットが静止している間に、ターゲット104から取得することができる。
【0032】
以下により詳細に論じるように、温度センサ112のいくつかの実施形態は、トルクセンサ110から隔てられていてもよいとともに、センサヘッド106の遠位端106dに装着されてもよい。他の実施形態では、温度センサ112は、トルクセンサ110の磁気検出要素と統合されてもよい。どちらの場合でも、温度センサは、トルクセンサ110によって検出された磁束との干渉をそれが実質的に防ぐように構成することができる。他の実施形態は、開示した主題事項の範囲内である。
【0033】
図2は、コントローラ204と電気通信するセンサヘッド202を備える温度補償式トルク検出システム200の例示的な一実施形態の断面図である。センサヘッド202は、コア210、駆動コイル212、および検出コイル214を備えるトルクセンサを収容するハウジング206を形成することができる。センサヘッド202は、センサヘッド202に結合された温度センサ216を備えることもできる。以下により詳細に論じるように、トルクセンサは、ターゲット222の選択部分220(例えば、センサヘッド202に対向して位置決めされるとともに間隙224によって隔てられているターゲット222の一部)に印加されるトルクを測定するように構成することができる。温度センサ216は、トルクセンサによって取得されるトルク測定値と同時に、ターゲット222の温度を測定するように構成することができる。
【0034】
ターゲット222は、回転するように構成されている任意の機械または機材226の構成要素とすることができる。回転部品の例には、シャフトおよびロータが含まれ得るが、これに限定されない。回転部品を組み込む機械および機材226の例には、ターボ機械(例えば、タービンエンジン、圧縮機、ポンプ、およびそれらの組み合わせ)、発電機、燃焼エンジン、およびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。力または負荷は、ターゲット222が回転し負荷を駆動することを可能にするために、ドライバ230(例えば、レシプロエンジン、燃焼エンジン、タービンエンジン、電気モータなど)によってターゲット222に加えることができる。ターゲット222は、鉄、鋼鉄、ニッケル、コバルト、およびそれらの合金などの強磁性材料を含む材料から形成することができるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、ターゲット222は、磁化され得ない。他の実施形態では、ターゲット222は、磁化され得る。
【0035】
コア210は、基部232と、少なくとも2つの細長い極234、236とを備えることができる。極234、236は、基部232から外側に延びることができ、極234、236は、選択した距離だけ互いから隔てられ得る。コア210は、任意の強磁性材料から形成することができる。例には、鉄、鋼鉄、ニッケル、コバルト、およびそれらの合金が含まれ得るが、これに限定されない。極232の一方は、駆動コイル212が巻き回される駆動極であり得る。極234の他方は、検出コイル214が巻き回される検出極であり得る。
【0036】
駆動コイル212および検出コイル214は、コントローラ204とそれぞれ電気通信することができる。図2に示すように、コントローラ204は、有線接続または無線接続によって励振源ES240に電気的に結合することができる。高周波(RF)送信機などの無線通信装置は、励振源ES240と一体化されたRF受信機へ信号を送信するために、コントローラ204と一体化され得る。やはり図2に示すように、コントローラ204は、センサヘッド202から遠く離れて位置決めされ得る。しかしながら、代替実施形態(図示せず)では、コントローラ204は、センサヘッド202内に位置決めすることができる。
【0037】
電源242(例えば、電気取出口、発電機、電池など)は、コントローラ204および励振源ES240に電力を供給することができる。励振源ES240は、駆動電流244(例えば、AC電流)を駆動コイル212に送り届けるように構成することができ、コントローラ204は、励振源ES240によって駆動コイル212へ送り届けられる駆動電流244の特性(例えば、周波数、振幅など)を制御するように構成することができる。コントローラ204は、汎用または特定用途向けのプロセッサ246を用いる任意のコンピューティング装置とすることができる。どちらの場合でも、コントローラ204は、周波数、振幅、およびそれらの組み合わせなどの駆動電流244の特性に関連した命令を記憶するメモリ250を備えることができる。メモリ250は、センサ信号(例えば、トルク信号248および温度信号252)を取り込み、温度信号252(例えば、ターゲット222の温度)に基づいてトルク測定値を補償するための命令およびアルゴリズムも備え得る。プロセッサ246は、1つまたは複数の処理装置を備えることができるとともに、メモリ250は、本明細書中に記載された方法および制御動作を実行するためのプロセッサ246によって実行可能な命令をまとめて記憶する1つまたは複数の有形の非一時的な機械可読媒体を備えることができる。
【0038】
駆動電流244は、駆動コイル212を通過して磁束254を発生させることができる。磁束254は、ターゲット222を透過し、検出コイル214を通過し、コア210(例えば、検出極)を介して駆動コイル212に戻ることができる。このようにして、磁気ループは、トルクセンサおよびターゲット222を通じて形成することができる。
【0039】
検出コイル214は、ターゲット222から出る磁束254を測定するために使用することができる。ターゲット222に加えられる力(例えば、圧縮、張力、ねじれなど)がターゲット222の透磁率を変え得るので、検出コイル214によって検出される磁束254は変わり得る。したがって、ターゲット222に印加されるトルクは、駆動コイル212によって発生された磁束254に対して検出コイル214によって受信された磁束254の変化に基づいて決定することができる。検出コイル214は、コントローラ204内の磁束254の変化(例えば、差)を示すトルク信号248を送信するように構成することができる。
【0040】
トルク信号248は、有線接続または無線接続によってコントローラ204(例えば、受信機256)と通信することができる。一例として、RF送信機などの無線通信装置は、コントローラ204と一体のRF受信機へ信号を送信するために、(例えば、検出コイル214の近くの)センサヘッド202と一体化されてもよい。受信機256は、トルク信号248をプロセッサ246へ送信する前に、トルク信号248を調整することができる電子部品(例えば、増幅器、フィルタなど)を備え得る。他の実施形態では、トルク信号248は、プロセッサ246によって処理された後に調整され得る。
【0041】
検出コイル214からトルク信号248を受信すると、プロセッサ246は、トルク信号248を処理して、ターゲット222に印加されるトルクを計算することができる。すなわち、プロセッサ246は、ターゲット222、センサヘッド202、および駆動電流244の各特性に基づいてターゲット222に印加されるトルクの大きさを計算するために、メモリ250に事前に記憶されたおよび/またはユーザが定義したアルゴリズムを実行することができる。
【0042】
上で論じたように、ターゲット222の温度(例えば、その外面あたりにおける温度)は、ターゲット222の透磁率に影響を及ぼす可能性があり、ひいてはトルク測定値に影響を及ぼし得る。したがって、トルクセンサによって検出される磁束254に基づいてターゲット222について決定されるトルク測定値は、ターゲット222に印加される実際のトルクから逸れ得る。この問題に対処するために、ターゲット222の温度(例えば、ターゲットから放たれる熱258)が測定され、温度変化によるターゲット222の磁気特性の変動を説明するためにトルク測定値を調整するために使用され得る。このようにして、温度センサ216は、トルク測定値の精度を改善し、ターゲット222を組み込む機械または機材226の熱制御をより良く制御することを可能にすることができる。
【0043】
ターゲット222に対しての温度センサ216の位置は、トルクセンサによって取得されるトルク測定と温度センサ216によって取得される温度測定の両方を助けるように選択することができる。温度センサ216がターゲット222のあまりに近くに位置決めされる場合、駆動コイル212によって発生される磁束254は、検出コイル214によって検出された磁束254をかき乱す程度まで温度センサ216と相互作用することができる。代替として、温度センサ216がターゲット222からあまりに離れて位置決めされる場合、大きい熱勾配がターゲット222と温度センサ216の間に確立され得るとともに、温度センサ216によって測定される温度は、ターゲット222の実際の温度からかなり大きく逸れ得る。
【0044】
これらの考慮すべき事項の一方または両方に対処するために、温度センサ216は、温度センサ216とターゲット222の間の比較的低い温度勾配(例えば、閾値よりも低い温度勾配)を示すセンサヘッド202の磁気的に中立の領域262内の位置に位置決めされ得る。磁気的に中立の領域262は、極234、236およびターゲット222よりも低い透磁率を示し、ターゲット222に直接接触しないセンサヘッド202の任意の領域であり得る。すなわち、磁束254のより大きい部分は、磁気的に中間の領域262内よりも磁気的に中間の領域262の外側に存在し得、磁束254の望ましくない乱れの可能性を減少させる。磁気的に中立の領域262は、駆動極312と検出極314の間に位置し得る。温度センサ216とターゲット222の間の温度勾配は、磁気的に中立の領域262の境界内でターゲット222のできるだけ近くに温度センサ216を位置決めすることによって小さくすることができる。図2に示すように、温度センサ216は、センサヘッド202の遠位端202dに位置決めすることができる。
【0045】
温度センサ216は、ターゲット222と熱的に連通し、直接接触することなくターゲットの温度を測定するように構成されている非接触センサであり得る。温度センサ216の例には、熱電温度センサ(例えば、熱電対)、焦電温度センサ、圧電温度センサ、サーミスタ(例えば、Pt100)、およびジグザグのフィラメントワイヤが含まれ得るが、これらに限定されない。熱電温度センサ、焦電温度センサ、および圧電温度センサの場合には、温度センサ216にわたっての電圧は、温度に依存し得る。サーミスタ、およびジグザグのフィラメントワイヤの場合には、温度センサ216の電気抵抗は、その温度に依存し得る。温度センサ216は、処理のためにコントローラ204へ温度信号248(例えば、電圧信号、または電流信号)を出力するように構成されている電圧または電流検出回路を含むこともできる。
【0046】
温度信号252は、受信機256内でトルク信号248と混合され、それによって混合信号260を生成することができる。受信機256は、プロセッサ246へ温度信号252を送信する前に温度信号252を調整することができる電子部品(例えば、増幅器、フィルタなど)を含むことができる。他の実施形態では、温度信号252は、プロセッサ246によって処理された後に調整することができる。検出コイル214からのトルク信号248と同様に、温度信号252は、トルク信号248と混合する前もしくは後、またはプロセッサ246によって処理される前もしくは後に、増幅器、フィルタ等などの電子部品と調整することもできる。さらに、いくつかの実施形態では、信号248、252は、受信機256内ではなくプロセッサ246内で混合されてもよい。メモリ250は、信号248、252を混合して測定した温度(例えば、温度信号252)に基づいて測定されたトルクを補償するためのプロセッサ246によって実行可能な命令およびアルゴリズムを含むことができる。トルク信号248に関して上で論じたように、温度信号252は、有線接続または無線接続によってコントローラ204へ通信することができる。
【0047】
図3は、交差ヨーク部分304で交差軸ヨーク302を有するコア300を備えるトルクセンサの例示的な実施形態の平面図である。交差軸ヨーク302の4つの基部306a、306b、306c、306dは、交差ヨーク部分304から平面内で外側に放射状に延びることができる。4つの基部306a、306b、306c、306dは、交差ヨーク部分304の辺りで互いにほぼ直交し得る。4つの基部306a、306b、306c、306dの各々は、それぞれが本明細書中に記載されたように動作することを可能にする任意の構成でおよび任意の長さについて交差ヨーク部分304から延びることができる。いくつかの実施形態では、交差軸ヨーク302は、交差ヨーク部分304から放射状に延びる1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個以上などの任意の個数の部材を有することができる。基部306a、306b、306c、306dは、約10度から135度(例えば、10度、20度、30度、40度、45度、60度、75度、90度、120度、135度、またはそれらの任意の組み合わせ)の角度範囲だけ角度的に離間していることができる。図3に示すように、部306a、306b、306c、306dは、約90度だけ角度的に離間していることができる。センサヘッド300およびトルクセンサのさらなる実施形態は、米国特許第9,618,408号において論じられており、その全体が参照により本明細書中に組み込まれる。
【0048】
図4A図4Cは、温度センサ400の別の例示的な実施形態を含むセンサヘッド202を示す。図4Aに示すように、センサヘッド202の遠位端202dは、ほぼ平坦とすることができ、温度センサ400は、測温抵抗体(RTD)の形態をとり得る。RTDは、センサヘッド202の遠位端202dによって画定される平面内で延びる導電性ワイヤ(例えば、白金、銅など)とすることができ、それは、その温度(例えば、ターゲットから受ける熱)に基づいて温度信号を出力するように構成することができる。
【0049】
RTD温度センサ400は、様々な構成でセンサヘッド202に装着され得る。一実施形態では、RTD温度センサ400は、センサヘッド202の遠位端202d(図4B)の内側面402に結合することができる。別の実施形態では、RTD温度センサ400は、センサヘッド202の遠位端202d(図4C)の外側面404に結合することができる。図4Dに示されるさらなる実施形態では、センサヘッド202の遠位端202dは、2つ以上の層を有する積層450として形成することができ、RTD温度センサ400は、隣接した層間に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、RTD温度センサ400は、複数の層のうち1つまたは複数の層内に埋設することができる。どちらの場合でも、RTD温度センサ400の形状は、開放側部であり得る(例えば、RTDの自由端が電気的に接続されていない)。図4B図4Dにも示すように、RTD温度センサ400の経路は、駆動コイルまたは検出コイルのいずれかに重なるのを防ぐことができる。すなわち、RTDは、磁気的に中立の領域内に位置決めすることができる。このようにして、RTD温度センサ400は、トルクセンサによって検出される磁束の乱れを実質的に防ぐことができる。さらに、RTD温度センサ400は、センサヘッドの遠位端300にまたはセンサヘッドの遠位端300内に位置決めすることができるので、ターゲットから放たれる熱は、センサヘッド202がターゲット222の近くに位置決めされるとき、RTD温度センサ400によって正確に測定することができる。
【0050】
図5は、温度補償式トルク検出システム500の別の例示的な実施形態を示す断面図である。温度補償式トルク検出システム500は、それがターゲットに印加されるトルクならびにターゲットの温度の両方を測定するように構成されている検出コイル502を備えることができることを除いて、図2の温度補償式トルク検出システム200と同様であり得る。検出コイル502の少なくとも一部は、検出極236に巻き回されたままであり得るが、検出極236上のその位置は、遠位に進められ得る。図5に示すように、検出コイル502の遠位端は、検出極236の自由端(例えば、最遠位端)の辺りに位置決めされ得る。図示されていない別の実施形態では、検出コイルの遠位端は、検出極236の自由端を超えて遠位に位置決めされ得る。どちらの位置でも、検出コイル214は、ターゲット222と熱的に連通することができ、その温度は、センサヘッド202がターゲット222に隣接して位置決めされるときに、ターゲット温度とほぼ等しいものであり得る。
【0051】
図6は、温度補償式トルク検出システム500の例示的な電気回路600を示す概略図である。電気回路600は、トルク検出回路602と温度検出回路604とを備えることができる。トルク検出回路602は、受信機256と検出コイル502とを備えることができ、ただし後者は抵抗器R1およびインダクタLによって表すことができる。温度検出回路604は、受信機256と、検出コイル502と、追加のドライブVと、ドライブVのノード606間に介在させられる抵抗器R2とを備えることができる。
【0052】
センサコイル502は、温度に依存する電気抵抗を有する材料から形成することもできる。トルク検出回路602は、図2に関して上で論じたように動作し、検出コイルは、磁束254を検出し、トルク信号248(例えば、第1の交流電流)を受信機256へ出力することができる。ドライブVが、検出コイル502の抵抗を測定するために直流電流DCまたは第2の交流電流ACのどちらかを供給することができる。この測定された抵抗は温度信号252であり得るとともに、それは受信機256へ送信され得る。プロセッサ246は、ターゲット222の透磁率に対する温度変動の影響に少なくとも一部基づいてトルク測定値を補償するように、トルク信号248および温度信号252を調整および混合することができる。温度補償式トルク検出システム200と同様に、温度補償式トルク検出システム500によって生成されるトルク測定値は、一体化された温度センサを有さないトルク検出システムと比較してより精確であり得る。
【0053】
電気回路600は、トルク信号248と温度信号252との間の干渉を防ぐように構成することができる。直流電流DCがドライブVによって供給される状況では、トルク検出回路602(例えば、受信機256)の部分は、この直流電流DCをフィルタ処理するように構成することができ、それによってそれはトルク信号248に干渉しない。同様に、
第2の交流電流ACがドライブVによって供給される状況において、第2の交流電流の周波数は、トルク信号248の第1の交流電流よりも小さいものであり得る。結果として、第2の交流電流は、検出コイル502のインダクタンスから実質的に独立することができる。すなわち、第2の交流電流は、検出コイル502によって検出される磁束254との干渉を実質的に防ぐことができる。
【0054】
図6の実施形態は、検出コイルの抵抗の測定が、測定される電圧で電圧駆動される状況を示す。しかしながら、測定される電流で電流駆動される他の実施形態も可能である。
【0055】
図7は、本明細書中で論じた検出システムのいずれかを用いてターゲットの力(例えば、トルク)および温度を測定する方法700の例示的な実施形態を示す流れ図である。方法700は、図2の温度補償式トルク検出システム200に関して以下に説明される。しかしながら、方法700は、温度補償式トルク検出システム200と共に使用することに限定されず、方法700は、任意の磁歪式トルクセンサおよび温度センサ(例えば、500)と共に用いられてもよい。いくつかの態様では、方法700の実施形態は、図7に示されるものよりも多いまたは少ない動作を含んでもよく、図7に示されたものとは異なる順序で実行されてもよい。
【0056】
図7に示すように、動作702において、温度補償式トルク検出システム(例えば、200)は、ターゲット(例えば、222)の近くに位置決めすることができる。上で論じたように、温度補償式トルク検出システム200は、トルクセンサおよび温度センサ216を備えることができる。動作702において、温度補償式トルク検出システム200は、ターゲット222の近くに位置決めすることができる。動作704~706において、第1の磁束は、トルクセンサ(例えば、駆動コイル212によって)によって発生させられ、ターゲット222および検出極236を貫くように向けることができる。動作710~712において、第1の磁束とターゲット222の正味の相互作用を表す第2の磁束は、トルクセンサ(例えば、検出コイル214、502)によって検出することができ、第1の信号(例えば、トルク信号248)は、第2の磁束に基づいてトルクセンサによって出力することができる。動作714において、第2の信号(例えば、温度信号252)は、ターゲット222の温度に基づいて温度センサ216によって出力することができる。動作716において、ターゲット222に加えられる力(例えば、トルク)は、第1の信号248に基づいて決定することができ、ターゲット222の温度は、第2の信号252に基づいて決定することができる。動作720において、決定されたトルクは、決定された温度に基づいて調整することができる。
【0057】
本明細書中に記載された方法、システム、および装置の例示的な技術的効果は、非限定の例によって、トルク測定値の温度補償を含む。1つまたは複数の温度センサを力検出システム(例えば、トルク検出システム)に組み込むことで、以下の非限定の技術的効果のうちの1つまたは複数を、任意の組み合わせでもたらすことができる。(1)温度測定値とトルク測定値の取得の間の干渉を防ぐ。別個またはスタンドアロンの温度センサは、トルクセンサにあまりに近く位置決めされる場合にトルクを測定するために用いられる磁場を妨げ得る金属製ハウジング(例えば、ステンレス鋼)内に設けることができる。(2)温度測定値の精度の改善。磁気的な干渉を防ぐために、別個またはスタンドアロンの温度センサがトルクセンサから離されている場合、測定された温度は、温度センサがトルクセンサにより近く(例えば、ターゲットにより近く)位置決めされる場合とは異なり得る。(3)トルク測定値のより正確な温度補正。トルク信号が測定される位置のより近くでターゲット(例えば、シャフト)の表面温度の取得。(4)トルク検出信号と温度検出信号に関する信号対ノイズ比の改善。相互接続用ケーブルを通じて共にもたらされる別個の温度検出信号とトルク検出信号が、場のノイズを拾い上げる場合がある。(5)2つの別個のセンサよりも1つの一体化されたセンサの方が設置費用がより低い。(6)2つの別個のセンサよりも1つの一体化されたセンサの方が開発および安全性の承認証明費用がより低い。(7)2つの別個のセンサよりも1つの一体化されたセンサの方がエンドユーザによりアピールする設計となる。
【0058】
本明細書中に記載された主題事項は、本明細書に開示した構造的手段、およびその構造的均等物、またはそれらの組み合わせを含むデジタル電子回路、またはコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェアで実装することができる。本明細書中に記載された主題事項は、データ処理装置(例えば、プログラム可能プロセッサ、1つのコンピュータ、または複数のコンピュータ)の動作を制御することによってまたはそうするように実行するために、情報キャリアに(例えば、機械可読記憶装置に)有形に具体化された、または伝搬信号に具現化された、1つまたは複数のコンピュータプログラムなどの1つまたは複数のコンピュータプログラム製品として実装することができる。(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとしても知られている)コンピュータプログラムは、コンパイル言語またはインタプリタ言語を含む任意の形態のプログラミング言語で記述することができ、このコンピュータプログラムは、スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、もしくはコンピューティング環境における使用に適した他のユニットとして含まれる任意の形態で展開され得る。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルに対応するわけではない。プログラムは、他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部に記憶されてもよく、当該プログラムに専用の単一ファイルに記憶されてもよく、または複数の連係したファイル(例えば、1つまたは複数のモジュール、サブプログラム、またはコードの部分を記憶するファイル)に記憶されてもよい。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で実行されるように展開されてもよく、あるいは一箇所にありまたは複数箇所にわたって分散しており通信ネットワークによって相互接続されている複数のコンピュータ上で実行されるように実施されてもよい。
【0059】
本明細書中に記載された主題事項の方法ステップを含む本明細書に記載されたプロセスおよび論理の流れは、入力データに関して動作し出力を生成することで本明細書中に記載された主題事項の機能を実行するための1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラム可能プロセッサによって行うことができる。プロセスおよび論理の流れは、専用論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によって実行することもでき、本明細書中に記載された主題事項の装置は、専用論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)として実装することもできる。
【0060】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサには、例として、汎用マイクロプロセッサと専用マイクロプロセッサの両方、および任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つまたは複数のプロセッサが含まれる。概して、プロセッサは、リードオンリメモリ、またはランダムアクセスメモリ、あるいは両方から命令およびデータを受信する。コンピュータの必須の要素は、命令を実行するためのプロセッサ、ならびに命令およびデータを記憶するための1つまたは複数のメモリデバイスである。概して、コンピュータは、データを記憶するための1つまたは複数の大容量記憶装置、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、または光ディスクも備え、あるいはこれからデータを受信しもしくはこれにデータを転送し、またはその両方をするように動作可能に結合する。コンピュータプログラム命令およびデータを具現化するのに適した情報キャリアには、例として、半導体メモリデバイス(例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイス)、磁気ディスク(例えば、内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスク)、光磁気ディスク、および光ディスク(例えば、CDディスク、およびDVDディスク)を含む不揮発性メモリの全形態が含まれる。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路によって補足することができ、または専用論理回路に組み込むことができる。
【0061】
ユーザとの対話を行うために、本明細書中に記載された主題事項は、ユーザに情報を表示するための表示装置、例えば、CRT(ブラウン管)、またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタと、キーボード、およびポインティングデバイス(例えば、マウス、またはトラックボール)とを有するコンピュータ上で実装することができ、これによってユーザは、コンピュータへの入力を行うことができる。他の種類の装置が、同様にユーザとの対話を行うために用いられてもよい。例えば、ユーザに与えられるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック、(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)とすることができ、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力、または触覚入力を含む任意の形態で受信することができる。
【0062】
本明細書中に記載された技法は、1つまたは複数のモジュールを用いて実装することができる。本明細書中に使用されるとき、用語「モジュール」は、コンピューティングソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、および/またはそれらの様々な組み合わせを指す。しかしながら、最低でも、モジュールは、ハードウェア、ファームウェア上で実装されない、または非一時的なプロセッサ可読追記型記憶媒体上に記録されないソフトウェアと解釈されるべきでない(すなわち、モジュールは、それ自体がソフトウェアではない)。実際には、「モジュール」は、少なくとも、プロセッサまたはコンピュータの一部などのある物理的で非一時的なハードウェアを常に含むと解釈されるべきである。2つの異なるモジュールは、同じ物理的ハードウェアを共有することができる(例えば、2つの異なるモジュールは、同じプロセッサおよびネットワークインタフェースを使用することができる)。本明細書中に記載されたモジュールは、様々なアプリケーションをサポートするように組み合わされ、組み込まれ、分離され、および/または複製され得る。また、特定のモジュールで実行されるものとして本明細書中に記載された機能は、特定のモジュールで実行される機能に代えてまたはそれに加えて、1つまたは複数の他のモジュールでおよび/または1つまたは複数の他の装置によって実行することができる。さらに、モジュールは、互いにローカルまたはリモートの複数の装置および/または他の構成要素にわたって実装することができる。さらに、モジュールは、ある装置から移動され、別の装置に加えられてもよく、ならびに/または両装置に含まれてもよい。
【0063】
本明細書中に記載された主題事項は、バックエンドコンポーネント(例えば、データサーバ)、ミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーションサーバ)、またはフロントエンドコンポーネント(例えば、ユーザが本明細書中に記載された主題事項を実装するものと交信することができるグラフィカルユーザインタフェースまたはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)、あるいはそのようなバックエンドコンポーネント、ミドルウェアコンポーネント、およびフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムにおいて実装することができる。このシステムのコンポーネントは、デジタルデータ通信の任意の形態または媒体、例えば、通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークの例には、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、および広域ネットワーク(「WAN」)、例えば、インターネットが含まれる。
【0064】
近似表現は、本明細書および特許請求の範囲の全体を通じて本明細書中に使用されるとき、任意の定量的表現を修正するために適用することができ、これはそれと関連している基本機能を変更する結果となることなく許容可能に変化し得る。したがって、「約」および「実質的に、ほぼ」などの1つまたは複数の用語によって修正される値は、特定された精確な値に限定されるべきではない。少なくとも一部の例では、近似表現は、値を測定する計器の精度に対応し得る。ここでおよび本明細書および特許請求の範囲の全体を通じて、範囲限定は、組み合わされてもよくおよび/または交換されてもよく、そのような範囲が特定され、文脈上または表現上他に示すものがない限りそこに含まれる全ての部分範囲を含む。
【0065】
当業者は、上記の実施形態に基づいて本発明のさらなる特徴および利点を理解されよう。したがって、本出願は、添付の特許請求の範囲によって示されるときを除いて、特に図示および説明されたものによって限定されるべきではない。本明細書中に引用された全ての刊行物および参考文献は、参照により全体として明確に組み込まれる。
【0066】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
[実施形態1]
駆動極(312)であって、駆動電流(244)の受信に応じてターゲット(104)に作用するための第1の磁束(254)を発生させるように構成されている駆動コイル(212)が結合されている駆動極(312)と、
検出極であって、前記第1の磁束(254)とターゲット(104)の相互作用から結果として生じる第2の磁束に少なくとも基づいて第1の信号(248)を出力し、
ターゲット(104)から受ける熱に基づいて第2の信号(252)を出力する
ように構成されている検出コイル(214)が結合されている検出極(314)と
を備えたセンサヘッド(202)
を備える磁歪式センサ(102)。
[実施形態2]
前記第1の信号(248)は、前記第2の信号(252)に干渉しない、実施形態1記載の磁歪式センサ(102)。
[実施形態3]
前記検出コイル(214)は、前記検出極(314)の自由端の辺りに位置決めされる、実施形態1記載のセンサ(102)。
[実施形態4]
前記センサヘッド(202)と電気通信するコントローラ(204)を備え、
前記駆動電流(244)を前記駆動コイル(212)へ送信し、
前記第1および第2の信号(248、252)を受信し、
前記第1の信号(248)に基づいて前記ターゲット(104)に印加された力を決定し、
前記第2の信号(252)に基づいて前記ターゲット(104)の温度を決定し、
前記第2の信号(252)から決定された前記温度に基づいて前記第1の信号(248)から決定された前記力を調整する
ように構成されている、実施形態1記載のセンサ(102)。
[実施形態5]
前記力はトルクである、実施形態4記載のセンサ(102)。
[実施形態6]
前記検出コイル(214)は、前記第1の信号(248)を受信するように構成された第1の回路、および前記第2の信号(252)を受信するように構成された第2の回路と電気通信する、実施形態1記載のセンサ(102)。
[実施形態7]
前記第1の信号(248)は第1の交流電流であり、前記第2の信号(252)は前記第1の信号(248)よりも低い周波数を有する第2の交流電流であり、前記第2の交流電流は、前記検出コイル(214)のインダクタンスから実質的に独立しているようになっている、実施形態6記載のセンサ(102)。
[実施形態8]
前記第1の信号(248)は第1の交流電流であり、前記第2の信号(252)は直流電流である、実施形態6記載のセンサ(102)。
[実施形態9]
近位端と遠位端との間に延びるセンサヘッド(202)を備え、前記センサヘッド(202)は、
駆動極(312)であって、駆動電流(244)の受信に応じてターゲット(104)に作用するための前記センサヘッド(202)の前記遠位端を通じて延びる第1の磁束(254)を発生させるように構成されている駆動コイル(212)が結合されている駆動極(312)と、
検出極(314)であって、前記第1の磁束(254)とターゲット(104)の相互作用から結果として生じる第2の磁束に少なくとも基づいて第1の信号(248)を出力するように構成されている検出コイル(214)が結合されている検出極(314)と、
前記センサヘッド(202)の前記遠位端によって画定される平面内で延びる開放側部の形状を形成する連続した長さの導電性ワイヤを含む温度センサとを収容し、前記温度センサは、前記センサヘッド(202)の前記遠位端に固定され、ターゲット(104)から受ける熱に基づいて第2の信号(252)を出力するように構成されている、磁歪式センサ(102)。
[実施形態10]
前記温度センサは、前記駆動コイル(212)と前記検出コイル(214)の各々に磁気的に干渉するのを防ぐように構成されている、実施形態9記載のセンサ(102)。
[実施形態11]
前記開放側部の形状は、前記センサヘッド(202)の長手方向軸に沿った前記駆動極(312)および前記検出極(314)のどちらの上にも重ならない、実施形態9記載のセンサ(102)。
[実施形態12]
前記開放側部の形状は、前記センサヘッド(202)の前記遠位端の内側面に位置決めされる、実施形態9記載のセンサ(102)。
[実施形態13]
前記開放側部の形状は、前記センサヘッド(202)の前記遠位端の外側面に位置決めされる、実施形態9記載のセンサ(102)。
[実施形態14]
前記センサヘッド(202)の前記遠位端は積層されており、前記開放側部の形状は前記センサヘッド(202)の前記積層された遠位端の層間に位置決めされる、実施形態9記載のセンサ(102)。
[実施形態15]
前記センサヘッド(202)と電気通信するコントローラ(204)を備え、
前記駆動電流(244)を前記駆動コイル(212)へ送信し、
前記第1および第2の信号(248、252)を受信し、
前記第1の信号(248)に基づいて前記ターゲット(104)に印加された力を決定し、
前記第2の信号(252)に基づいて前記ターゲット(104)の温度を決定し、
前記第2の信号(252)から決定された前記温度に基づいて前記第1の信号(248)から決定された前記力を調整する
ように構成されている、実施形態9記載のセンサ(102)。
[実施形態16]
前記力はトルクである、実施形態15記載のセンサ(102)。
[実施形態17]
磁歪式センサの駆動極(312)に結合された駆動コイル(212)を用いて第1の磁束(254)を発生させるステップと、
前記第1の磁束(254)を強磁性ターゲット(104)および前記磁歪式センサの検出極(314)を貫くように向けるステップと、
前記磁歪式センサの検出極(314)に結合された検出コイル(214)が前記第1の磁束(254)とターゲット(104)の相互作用から結果として生じる第2の磁束を検出するステップと、
前記第1の磁束(254)とターゲット(104)の相互作用から結果として生じる第2の磁束に少なくとも基づいて前記検出コイル(214)が第1の信号(248)を出力するステップと、
前記ターゲット(104)から受ける熱に基づいて前記検出コイル(214)が第2の信号(252)を出力するステップと
を含む、検出方法。
[実施形態18]
前記第1の信号(248)に基づいて前記ターゲット(104)に印加された力を決定するステップと、
前記第2の信号(252)に基づいて前記ターゲット(104)の温度を決定するステップと、
前記第2の信号(252)から決定された前記温度に基づいて前記第1の信号(248)から決定された前記力を調整するステップと
をさらに含む、実施形態17記載の方法。
[実施形態19]
前記ターゲット(104)は回転式であり、前記第1の信号(248)は前記ターゲット(104)に印加されるトルクを表す、実施形態18記載の方法。
[実施形態20]
前記第1の信号(248)によって表される前記トルク、および前記第2の信号(252)によって表される前記温度は、ほぼ同時に前記ターゲット(104)の同じ領域の辺りで検出される、実施形態19記載の方法。
[実施形態21]
前記検出コイル(214)は、前記ターゲット(104)から離されている、実施形態17記載の方法。
[実施形態22]
前記検出コイル(214)は、前記検出極(314)の自由端の辺りに位置決めされる、実施形態21記載の方法。
【符号の説明】
【0067】
100 動作環境
102 温度補償式トルクセンサ
104 ターゲット
106 センサヘッド
106d 遠位端
110 トルクセンサ
110s 第1の信号
112 温度センサ
112s 第2の信号
114 コントローラ
200 温度補償式トルク検出システム
202 センサヘッド
202d 遠位端
204 コントローラ
206 ハウジング
210 コア
212 駆動コイル
214 検出コイル
216 温度センサ
220 選択部分
222 ターゲット
224 間隙
226 機械または機材、機械および機材
230 ドライバ
232 基部、極
234 細長い極、極
236 細長い極、極、検出極
240 励振源ES
242 電源
244 駆動電流
246 汎用または特定用途向けのプロセッサ、プロセッサ
248 トルク信号、温度信号、信号、第1の信号
250 メモリ
252 温度信号、信号、第2の信号
254 磁束
256 受信機
258 熱
260 混合信号
262 磁気的に中間の領域
300 コア、センサヘッド
302 交差軸ヨーク
304 交差ヨーク部分
306a 基部
306b 基部
306c 基部
306d 基部
312 駆動極
314 検出極
400 RTD温度センサ
450 積層
500 温度補償式トルク検出システム
502 検出コイル、センサコイル
600 電気回路
602 トルク検出回路
604 温度検出回路
606 ノード
700 方法
A 長手方向軸
G 間隙
L インダクタ
R1 抵抗器
R2 抵抗器
V 追加のドライブ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7