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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096505
(43)【公開日】2024-07-12
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   F16H 25/20 20060101AFI20240705BHJP
   F16H 25/22 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
F16H25/20 F
F16H25/22
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024081978
(22)【出願日】2024-05-20
(62)【分割の表示】P 2020195907の分割
【原出願日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】P 2019227695
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】391008515
【氏名又は名称】株式会社アイエイアイ
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 幹人
(57)【要約】
【課題】メンテナンスの作業効率を向上させることができるアクチュエータを提供する。
【解決手段】アクチュエータ1は、ボールネジと、移動体と、移動体に対してその移動方向における一方側に配置されている第1の一方側中間サポート部材51を有し、移動体が、第1の一方側中間サポート部材51に当接して、移動体と共に移動する第1中間サポートユニットとを備える。第1の一方側中間サポート部材51は、移動方向に貫通すると共に、ボールネジ軸21が挿通される第1貫通孔51-1aと、第1貫通孔51-1aから外部まで切り欠かれている第1切欠き部51-1bと、が形成されている第1本体部51-1を有する。第1の一方側中間サポート部材51は、第1切欠き部51-1bにボールネジ軸21を通過させることによりボールネジ軸21から脱着可能に構成されている。
【選択図】図10B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの回転軸の回転運動と共に回転運動を行うボールネジ軸と、前記ボールネジ軸の回転運動に伴って直線運動を行うボールネジナットと、を有するボールネジと、
前記ボールネジナットに接続され、前記ボールネジナットの前記直線運動と共に移動する移動体と、
前記移動体に対してその移動方向における一方側に配置されている第1の一方側中間サポート部材を有し、前記移動体が、前記第1の一方側中間サポート部材に当接して、前記移動体と共に移動する第1中間サポートユニットと、
を備え、
前記第1の一方側中間サポート部材は、前記移動方向に貫通すると共に、前記ボールネジ軸が挿通される第1貫通孔と、前記第1貫通孔から外部まで切り欠かれている第1切欠き部と、が形成されている第1本体部を有し、
前記第1の一方側中間サポート部材は、前記第1切欠き部に前記ボールネジ軸を通過させることにより前記ボールネジ軸から脱着可能に構成されている、アクチュエータ。
【請求項2】
前記第1の一方側中間サポート部材は、前記第1貫通孔に配置されると共に、前記ボールネジ軸の外周上を摺動する円筒部材を有する、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記第1の一方側中間サポート部材は、前記移動方向に貫通し、前記円筒部材が嵌め込まれる円筒部材用孔が形成され、前記第1貫通孔に嵌め込まれ、前記第1本体部に前記円筒部材を固定するための固定部材を有し、
前記円筒部材は、樹脂より形成され、前記固定部材は、金属より形成されている、請求項2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記移動方向に沿って設けられている溝が形成されていると共に、前記移動体を移動可能に支持にするベースを有するアクチュエータハウジングを備え、
前記第1の一方側中間サポート部材は、前記溝を転動する転動部材を有することで、前記移動体と共に移動可能に前記ベースに支持され、
前記転動部材は、前記溝に嵌る第1位置と、前記溝から外れる第2位置と、に変更可能に設けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記移動体を移動可能に支持にすると共に、前記移動方向に沿って設けられている溝が形成されたベースを有するアクチュエータハウジングを備え、
前記第1の一方側中間サポート部材は、前記溝を摺動する摺動部材を有することで、前記移動体と共に移動可能に前記ベースに支持され、
前記摺動部材は、前記溝に嵌る第1位置と、前記溝から外れる第2位置と、に変更可能に設けられている、請求項1から3のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記第1中間サポートユニットは、前記移動体に対して前記移動方向における他方側に配置されている第1の他方側中間サポート部材と、前記第1の一方側中間サポート部材と前記第1の他方側中間サポート部材とを連結する第1連結部材と、を有し、
前記第1の他方側中間サポート部材は、前記移動方向に貫通すると共に、前記ボールネジ軸が挿通される第2貫通孔と、前記第2貫通孔から外部まで切り欠かれている第2切欠き部と、が形成されている第2本体部を有し、
前記第1の他方側中間サポート部材は、前記第2切欠き部を前記ボールネジ軸が通過することにより前記ボールネジ軸から脱着可能に構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アウタレール上をスライド移動する移動体(インナブロック)と、ねじ軸の撓みを抑制するために設けられている一対の支持部材とを備えるリニアアクチュエータが開示されている。支持部材は、移動体と同様に、アウタレールにスライド移動可能に支持されていると共に、棒状の連結部材によって互いが連結されている。特許文献1に記載のリニアアクチュエータにおいては、移動体が、一対の支持部材のうちの一つと当接すると、支持部材は、移動体と共に一体的にスライド移動するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-249120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のアクチュエータにおいては、ねじ軸の撓みを抑制するために設けられている一対の支持部材などのメンテナンス作業をする場合、作業者は、先ず、フロントのハウジングやリアのハウジング、その他の部品をねじ軸から外す。その後、支持部材をねじ軸から引き抜き、メンテナンス作業を行う必要がある。このため、アクチュエータのメンテナンスの作業効率が低いという課題があった。
【0005】
本発明は、上述の事情の下になされたもので、メンテナンスの作業効率を向上させることができるアクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明に係るアクチュエータは、
モータの回転軸の回転運動と共に回転運動を行うボールネジ軸と、前記ボールネジ軸の回転運動に伴って直線運動を行うボールネジナットと、を有するボールネジと、
前記ボールネジナットに接続され、前記ボールネジナットの前記直線運動と共に移動する移動体と、
前記移動体に対してその移動方向における一方側に配置されている第1の一方側中間サポート部材を有し、前記移動体が、前記第1の一方側中間サポート部材に当接して、前記移動体と共に移動する第1中間サポートユニットと、
を備え、
前記第1の一方側中間サポート部材は、前記移動方向に貫通すると共に、前記ボールネジ軸が挿通される第1貫通孔と、前記第1貫通孔から外部まで切り欠かれている第1切欠き部と、が形成されている第1本体部を有し、
前記第1の一方側中間サポート部材は、前記第1切欠き部に前記ボールネジ軸を通過させることにより前記ボールネジ軸から脱着可能に構成されている、アクチュエータ。
【0007】
前記第1の一方側中間サポート部材は、前記第1貫通孔に配置されると共に、前記ボールネジ軸の外周上を摺動する円筒部材を有していてもよい。
【0008】
前記第1の一方側中間サポート部材は、前記移動方向に貫通し、前記円筒部材が嵌め込まれる円筒部材用孔が形成され、前記第1貫通孔に嵌め込まれ、前記第1本体部に前記円筒部材を固定するための固定部材を有し、
前記円筒部材は、樹脂より形成され、前記固定部材は、金属より形成されていてもよい。
【0009】
前記移動方向に沿って設けられている溝が形成されていると共に、前記移動体を移動可能に支持にするベースを有するアクチュエータハウジングを備え、
前記第1の一方側中間サポート部材は、前記溝を転動する転動部材を有することで、前記移動体と共に移動可能に前記ベースに支持され、
前記転動部材は、前記溝に嵌る第1位置と、前記溝から外れる第2位置と、に変更可能に設けられていてもよい。
【0010】
前記移動体を移動可能に支持にすると共に、前記移動方向に沿って設けられている溝が形成されたベースを有するアクチュエータハウジングを備え、
前記第1の一方側中間サポート部材は、前記溝を摺動する摺動部材を有することで、前記移動体と共に移動可能に前記ベースに支持され、
前記摺動部材は、前記溝に嵌る第1位置と、前記溝から外れる第2位置と、に変更可能に設けられていてもよい。
【0011】
前記第1中間サポートユニットは、前記移動体に対して前記移動方向における他方側に配置されている第1の他方側中間サポート部材と、前記第1の一方側中間サポート部材と前記第1の他方側中間サポート部材とを連結する第1連結部材と、を有し、
前記第1の他方側中間サポート部材は、前記移動方向に貫通すると共に、前記ボールネジ軸が挿通される第2貫通孔と、前記第2貫通孔から外部まで切り欠かれている第2切欠き部と、が形成されている第2本体部を有し、
前記第1の他方側中間サポート部材は、前記第2切欠き部を前記ボールネジ軸が通過することにより前記ボールネジ軸から脱着可能に構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るアクチュエータにおいては、第1の一方側中間サポート部材の本体部に、貫通孔から外部まで切り欠かれている切欠き部が形成されている。このため、ボールネジ軸を切欠き部に通過させることにより、本体部をボールネジ軸から外すことができる。これにより、アクチュエータのメンテナンスの作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態1に係るアクチュエータの斜視図(その1)である。
図2】実施の形態1に係るアクチュエータの斜視図(その2)である。
図3】実施の形態1に係るアクチュエータの正面図である。
図4】(A)は、図3のA-A断面図である。(B)は、(A)の一部を拡大した断面図である。
図5】実施の形態1に係るアクチュエータの分解斜視図である。
図6A図5のBの部分を拡大した斜視図である。
図6B図5のCの部分を拡大した斜視図である。
図7】実施の形態1に係るアクチュエータを簡略して示した平面図である。
図8】アクチュエータハウジング、移動体、第1中間サポートユニット、及び第2中間サポートユニットの分解斜視図である。
図9】移動体、第1中間サポートユニット、及び第2中間サポートユニットの分解斜視図(その1)である。
図10A】(A)は、第1の一方側中間サポート部材の分解斜視図である。(B)は、第1の一方側中間サポート部材の作用を説明するための図である。
図10B】(A)は、第1の一方側中間サポート部材の本体部の正面図である。(B)は、第2の一方側中間サポート部材の本体部の正面図である。
図11】移動体、第1中間サポートユニット、及び第2中間サポートユニットの分解斜視図(その2)である。
図12】(A)は、第1の他方側中間サポート部材の本体部の正面図である。(B)は、第2の他方側中間サポート部材の本体部の正面図である。
図13】第1干渉防止部材及び第2干渉防止部材の正面図である。
図14】実施の形態1に係るアクチュエータの動作を説明するための図(その1)である。
図15】実施の形態1に係るアクチュエータの動作を説明するための図(その2)である。
図16】実施の形態1に係るアクチュエータの動作を説明するための図(その3)である。
図17】実施の形態1に係るアクチュエータの動作を説明するための図(その4)である。
図18】実施の形態1に係るアクチュエータの動作を説明するための図(その5)である。
図19】実施の形態1に係るアクチュエータの動作を説明するための図(その6)である。
図20】(A)は、第1の一方側中間サポート部材の本体部のローラ及びアジャストプレートを説明するための図(その1)である。(B)は、第1の一方側中間サポート部材の本体部のローラ及びアジャストプレートを説明するための図(その2)である。
図21】実施の形態1に係るアクチュエータのメンテナンス作業の方法を説明するための図(その1)である。
図22】従来のアクチュエータのメンテナンス作業の方法を説明するための図である。
図23】(A)は、実施の形態1に係るアクチュエータのメンテナンス作業の方法を説明するための図(その2)である。(B)は、実施の形態1に係るアクチュエータのメンテナンス作業の方法を説明するための図(その3)である。
図24】(A)は、実施の形態1に係るアクチュエータのメンテナンス作業の方法を説明するための図(その4)である。(B)は、実施の形態1に係るアクチュエータのメンテナンス作業の方法を説明するための図(その5)である。
図25】実施の形態2に係るアクチュエータの分解斜視図である。
図26】実施の形態2に係る第1干渉防止部材の正面図である。
図27】実施の形態3に係るアクチュエータの分解斜視図である。
図28】実施の形態3に係る移動体、第1中間サポートユニット、及び第2中間サポートユニットの分解斜視図である。
図29】実施の形態4に係る移動体、第1中間サポートユニット、及び第2中間サポートユニットの分解斜視図である。
図30】(A)は、実施の形態5に係る第1干渉防止部材及び第2干渉防止部材の正面図である。(B)は、実施の形態5に係る第1干渉防止部材の斜視図である。
図31】(A)は、実施の形態6に係る第1干渉防止部材及び第2干渉防止部材の正面図である。(B)は、実施の形態6に係る第1干渉防止部材の斜視図である。
図32】(A)は、実施の形態7に係る第1干渉防止部材及び第2干渉防止部材の正面図である。(B)は、実施の形態7に係る第1干渉防止部材の斜視図である。
図33】(A)は、実施の形態8に係る第1干渉防止部材及び第2干渉防止部材の正面図である。(B)は、実施の形態8に係る第1干渉防止部材の斜視図である。
図34】実施の形態9に係る移動体、第1中間サポートユニット、及び第2中間サポートユニットの分解斜視図(その1)である。
図35】実施の形態9に係る移動体、第1中間サポートユニット、及び第2中間サポートユニットの分解斜視図(その2)である。
図36】実施の形態10に係る移動体、第1中間サポートユニット、及び第2中間サポートユニットの分解斜視図(その1)である。
図37】実施の形態10に係る移動体、第1中間サポートユニット、及び第2中間サポートユニットの分解斜視図(その2)である。
図38】実施の形態11に係るアクチュエータの分解斜視図(その1)である。
図39】実施の形態11に係るアクチュエータの分解斜視図(その2)である。
図40】実施の形態11に係るアクチュエータのユニットの分解斜視図である。
図41】実施の形態11に係るアクチュエータの干渉防止部材ユニット及びユニット用ベースの分解斜視図である。
図42】実施の形態11に係るアクチュエータのユニットの正面図である。
図43】実施の形態12に係るアクチュエータの分解斜視図(その1)である。
図44】実施の形態12に係るアクチュエータの分解斜視図(その2)である。
図45】実施の形態12に係るアクチュエータのユニットの分解斜視図である。
図46】実施の形態12に係るアクチュエータの干渉防止部材ユニット及びユニット用ベースの分解斜視図である。
図47】実施の形態12に係るアクチュエータのユニットの正面図である。
図48】(A)は、実施の形態に係る衝撃緩和部材の平面図である。(B)は、変形例1に係る衝撃緩和部材の平面図である。(C)は、変形例2に係る衝撃緩和部材の平面図である。(D)は、変形例3に係る衝撃緩和部材の平面図である。(E)は、変形例4に係る衝撃緩和部材の平面図である。(F)は、変形例5に係る衝撃緩和部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係るアクチュエータ1について説明する。なお、図中のY軸方向は、図1及び図2に示すように、スライドテーブルTが進退する移動方向D1に平行な方向であり、X軸方向及びZ軸方向は、移動方向D1に直交する方向である。また、図中のXY平面は、アクチュエータ1が設置される面に平行な水平面である。
【0015】
アクチュエータ1は、スライドテーブルTが移動するスライダタイプのアクチュエータであり、スライドテーブルTの移動距離(Y軸方向の長さ)が比較的長いアクチュエータである。アクチュエータ1は、図3及び図4に示すように、スライドテーブルTに加え、モータ10と、ボールネジ20と、アクチュエータハウジング30と、移動体40と、第1中間サポートユニット50と、第2中間サポートユニット60とを備える。
【0016】
モータ10は、出力軸10a(回転軸)と、モータ本体11と、モータカバー12と、制御基板13とを有する。モータ10は、アクチュエータハウジング30から着脱可能な一つのユニットとして構成されている。
【0017】
モータ本体11は、例えば、サーボモータであり、ロータ、ステータ、エンコーダ14等を有している。モータ本体11には、電源から図示しないアクチェータケーブルを経由して電力が供給される。アクチェータケーブルは、モータ本体11に外部からの電力供給や制御信号の入出力等を行う。モータ本体11に電力が供給されることによって、モータ本体11のロータが回転する。このロータの回転運動は、出力軸10aに出力される。これにより、出力軸10aは回転する。出力軸10aには、カップリング10bが取り付けられている。なお、本実施の形態1では、モータ本体11は、サーボモータであるが、これに限られず、ステッピングモータであってもよい。また、本実施の形態1においては、モータ本体11のロータの回転運動は、出力軸10aに出力されるが、これに限られない。モータ本体11のロータの回転運動は、減速器によって所定の減速比で減速されてから、出力軸10aに出力されてもよい。
【0018】
モータカバー12は、図2に示すように、モータ本体11等を覆う略直方体形状のケースである。モータカバー12は、出力軸10aが突出した状態で、モータ本体11等を収容する。モータカバー12は、例えば、アルミニウム等の金属を押し出し加工することにより形成されている。モータカバー12をアルミニウム等の金属を押し出し加工することにより、Y軸方向の長さを調節して形成しやすくなるため、他のアクチュエータと共用することが容易になる。また、エンドカバー12cは、樹脂成形により形成されている。
【0019】
制御基板13は、図4に示すように、モータカバー12に収納されている。制御基板13は、例えば、配線基板であり、図示しないティーチングペンダント等によって設定されたモータ10の出力軸10aの回転を制御するための電子部品等が実装されている。また、制御基板13は、図示しないティーチングペンダントによって設定されたモータ10の出力軸10aの回転を制御するためのデータを記憶する記憶部を有する。また、本実施の形態1においては、制御基板13がモータカバー12に収納されているが、これに限られない。制御基板13をモータ10とは別体の制御装置に配置し、制御装置とモータとをケーブルで接続する形態でもよい。
【0020】
ボールネジ20は、ボールネジ軸21と、ボールネジナット22と、カップリング23とを有する。
【0021】
ボールネジ軸21は、ボールネジナット22との螺合に基づいて、回転するボールネジナット22を直線運動させる。ボールネジ軸21は、外周面が螺旋状のボールねじ面として構成されたボールネジ軸本体と、ボールネジ軸本体の先端部(-Y側の端部)及び後端部(+Y側の端部)に形成され、ボールネジ軸本体の径よりも小径となるように形成された小径部21a、21bとから構成される。
【0022】
ボールネジナット22は、ボールネジ軸21のボールネジ軸本体の外周に配置されている。ボールネジナット22は、ボールネジ軸21に複数のボールネジ用転動体を介して嵌め込まれる。このボールネジ用転動体が転動することにより、ボールネジ軸21の回転運動が、ボールネジナット22の直線運動に円滑に変換される。また、ボールネジナット22は、移動体40に対して+Y側から取り付けられて、ボルト等により固定されている。
【0023】
カップリング23は、小径部21bに取り付けられている。このカップリング23は、モータ10の出力軸10aに取り付けられているカップリング10bに接続され、回転するカップリング10bと共に回転する。このカップリング23が、カップリング10bと共に回転するように接続されることにより、小径部21bに出力軸10aの回転運動が伝達され、この結果、ボールネジ軸21は、出力軸10aと共に回転する。
【0024】
アクチュエータハウジング30は、図5に示すように、ボールネジ20と移動体40の一部とを収容すると共に、モータカバー12が固定されている。アクチュエータハウジング30は、ベース31と、メインカバー32と、フロントブラケット33と、リアブラケット34とを有する。
【0025】
ベース31は、底部分31aと一対の側壁部分31R、31Lと有することで、アクチュエータ1の内部の各構成部品を保護する。ベース31は、剛性を有する複数のリニアガイド用転動体を介して、移動体40を+Y方向及び-Y方向の双方向にスライド移動可能に支持する。ベース31は、例えば、アルミニウム等の金属を押出成形することによって形成されている。ベース31の一対の側壁部分の互いに対向する内面には、Y軸方向に延びる一対の線状の凹部が形成されている。この凹部のそれぞれには、転動体用ガイドレール31bが嵌め込まれている。転動体用ガイドレール31bは、例えば、ベース31の素材であるアルミニウムよりも硬い金属から形成されている。転動体用ガイドレール31bには、Y軸方向に延びる一対の線状の溝31cが形成されている。この転動体用ガイドレール31bの溝31cをリニアガイド用転動体が転動することにより、移動体40は、移動方向D1に円滑に往復運動をする。
【0026】
ベース31の側壁部分31R、31Lには、図5図6A及び図6Bに示すように、Z軸方向に貫通する複数の孔31dが形成されている。この孔31dは、従来のアクチュエータにおいて、ベース31の底部分31aに形成されていた孔の形成位置を変更したものである。孔31dを、側壁部分31R、31Lに形成することにより、メインカバー32を取り外さなくても、孔31dにボルト、ねじなどの留め具を挿入することが可能になり、アクチュエータ1の固定対象に取り付ける作業の効率性を向上させている。
【0027】
メインカバー32は、図5に示すように、アクチュエータハウジング30の天井壁部分を構成し、アクチュエータ1の回転機構部分を覆うスクリューカバーである。メインカバー32は、ねじやボルト等の留め具により、ベース31との間に所定の隙間36(図1図2参照)を有しつつ、フロントブラケット33及びリアブラケット34に固定されている。メインカバー32は、ベース31と共に、アクチュエータ1の内部の各構成部品を保護する。
【0028】
フロントブラケット33は、ベース31の先端側(-Y側)に固定されることで、アクチュエータハウジング30の-Y側の先端部分を構成する。フロントブラケット33は、例えば、アルミダイガストである本体部と、本体部に被せられると共に樹脂成形により形成されている加飾カバーと、本体部の内部に形成されているベアリング収容空間に配置されるベアリングとを有する。当該ベアリングは、例えば、ボールベアリングである。このベアリングによって、フロントブラケット33は、ボールネジ軸21の小径部21aを回転可能に支持する。また、フロントブラケット33には、弾性の素材より形成される衝撃緩和部材37が設けられている。衝撃緩和部材37は、後述する衝撃緩和部材91~94と同じ形状、サイズに形成されていると共に、同じ弾性素材より形成されている。
【0029】
リアブラケット34は、ベース31の基端側(+Y側)に固定されている。リアブラケット34は、例えば、アルミダイガストである本体部と、本体部に被せられると共に樹脂成形により形成されている連結部分カバー35と、ベアリング34aとを有する。本体部の内部には、図4に示すように、ボールネジ軸21を挿入するための貫通孔34bがY軸方向に貫通して形成されている。貫通孔34bの孔内には、ベアリング34aが配置されている。ベアリング34aは、例えば、ボールベアリングである。このベアリング34aによって、リアブラケット34は、ボールネジ軸21の小径部21bを回転可能に支持する。また、リアブラケット34には、図5に示すように、弾性の素材より形成される衝撃緩和部材38が設けられている。この衝撃緩和部材38は、後述する衝撃緩和部材91~94と同じ形状、サイズに形成されていると共に、同じ弾性素材より形成されている。
【0030】
連結部分カバー35は、リアブラケット34とモータ10との連結部分を覆うことで、当該連結部分を保護する。
【0031】
移動体40は、図4に示すように、ボールネジナット22と共に、+Y方向及び-Y方向の双方向にスライド移動する部材である。移動体40には、Y軸方向に貫通する貫通孔40aが形成されている。この貫通孔40aには、ボールネジ軸21が挿通されると共に、ボールネジナット22が+Y側から挿入されて固定されている。移動体40は、一対のテーブル取付け部41を有する。
【0032】
テーブル取付け部41は、図1及び図2に示すように、アクチュエータハウジング30のベース31とメインカバー32との間の一対の隙間36それぞれから外部に突出して形成されている。このテーブル取付け部41は、例えば、移動体40と共に移動するスライドテーブルTを取り付け可能な部品である。具体的には、テーブル取付け部41には、ネジ穴が形成されている。このネジ穴に、ねじやボルト等の留め具が捻じ込まれることで、テーブル取付け部41は、スライドテーブルTが取り付けることが可能に構成されている。なお、テーブル取付け部41に取り付けられる対象は、スライドテーブルTに限られない。テーブル取付け部41に取り付けられる対象は、アクチュエータ1の用途に応じて、スライドテーブルT以外のものに変更されてもよい。
【0033】
第1中間サポートユニット50は、図6A及び図6Bに示すように、ボールネジ軸21の撓みを抑制するために設けられており、特に、本発明の実施の形態1に係るアクチュエータ1のように、ボールネジ軸21のY軸方向の長さが長い場合には必要性の高い部材である。第1中間サポートユニット50は、第1の一方側中間サポート部材51と、第1の他方側中間サポート部材52と、連結部材53(第1連結部材)と、連結部材54(第3連結部材)とを有する。なお、図7に示すように、第1の一方側中間サポート部材51と第1の他方側中間サポート部材52との支点間距離L3は、ボールネジ軸21のボールネジ軸本体の支点間距離L1のおよそ1/3であることが望ましい(L3≒1/3×L1)。ただし、これに限られず、アクチュエータ1の用途や設置環境に応じて、支点間距離L3を適宜変更してもよい。
【0034】
第1の一方側中間サポート部材51は、図8に示すように、移動体40に対して移動方向D1における先端側(-Y側)に配置されている。第1の一方側中間サポート部材51は、図9図10A及び図10Bに示すように、本体部51-1(第1本体部)と、スライドブッシュ51-2(円筒部材)と、スライドブッシュサポート51-3(固定部材)と、ローラ51-4a(転動部材)と、ローラ51-4b、51-4cと、アジャストプレート51-5を有する。
【0035】
本体部51-1は、例えば、金属より形成されている。本体部51-1は、Y軸方向に貫通すると共に、ボールネジ軸21が挿通される貫通孔51-1aと、貫通孔51-1aから本体部51-1の外部まで切り欠かれている切欠き部51-1bと、が形成されている。この切欠き部51-1bは、ボールネジ軸21を通過させることによりボールネジ軸21から第1の一方側中間サポート部材51を脱着可能にするために形成されている。
【0036】
スライドブッシュ51-2は、貫通孔51-1aの孔内に配置されている。スライドブッシュ51-2は、-Y側の端部にフランジが形成されている円筒部材である。スライドブッシュ51-2は、潤滑性のある素材より形成され、ボールネジ軸21の外周上を摺動するすべり軸受として機能する。
【0037】
スライドブッシュサポート51-3は、本体部51-1にスライドブッシュ51-2を固定するための部材である。スライドブッシュサポート51-3は、-Y側の端部にフランジが形成されている円筒部材である。スライドブッシュサポート51-3は、金属より形成されている。スライドブッシュサポート51-3は、本体部51-1の貫通孔51-1aに嵌め込まれている。また、スライドブッシュサポート51-3には、Y軸方向に貫通する孔51-3a(円筒部材用孔)が形成されている。この孔51-3aには、スライドブッシュ51-2が嵌め込まれている。スライドブッシュサポート51-3は、ボルト、ねじなどの留め具により、スライドブッシュ51-2と共に、本体部51-1に固定される。
【0038】
ローラ51-4aは、アジャストプレート51-5を介して、Z軸を中心軸として回転可能に本体部51-1に取り付けられている。ローラ51-4b及びローラ51-4cは、Z軸を中心軸として回転可能に本体部51-1に直接取り付けられている。ローラ51-4a、51-4b、51-4cは、ベース31の転動体用ガイドレール31bの溝31cを転動する。これにより、第1中間サポートユニット50は、移動体40と共に移動可能にベース31に支持される。
【0039】
アジャストプレート51-5は、ローラ51-4aを、溝31cに嵌る第1位置から溝31cから外れる第2位置に変更するための部材である。アジャストプレート51-5は、直方形の板形状に形成されている。アジャストプレート51-5の中央付近には、ローラ51-4aがZ軸方向に回転可能に取り付けられている。アジャストプレート51-5の両端部には、2つのネジ孔が形成されている。この2つのネジ孔に、ボルト、ねじなどの2本の留め具が捻じ込まれることにより、アジャストプレート51-5は、ローラ51-4aと共に、本体部51-1に取り付けられる。ローラ51-4aを第1位置から第2位置に変更する場合には、ユーザは、2本の留め具のうち、一方の留め具を取り外してから、他方の留め具を回転軸として、Z軸を中心軸として回動させることにより、ローラ51-4aを溝31cから外れる第2位置に移動させる。
【0040】
第1の他方側中間サポート部材52は、図11及び図12に示すように、移動体40に対して移動方向D1における基端側(+Y側)に配置されている。第1の他方側中間サポート部材52は、第1の一方側中間サポート部材51と同一又は同等の構成を有し、具体的には、本体部52-1(第2本体部)と、スライドブッシュ52-2(円筒部材)と、スライドブッシュサポート52-3(固定部材)と、ローラ52-4a(転動部材)、とローラ52-4b、52-4cと、アジャストプレート52-5を有する。また、スライドブッシュサポート52-3には、Y軸方向に貫通し、スライドブッシュ52-2が嵌り込む円筒部材用孔が形成されている。
【0041】
本体部52-1は、Y軸方向に貫通すると共に、ボールネジ軸21が挿通される貫通孔52-1aと、貫通孔52-1aから本体部52-1の外部まで切り欠かれている切欠き部52-1bと、が形成されている。この切欠き部52-1bは、ボールネジ軸21を通過させることによりボールネジ軸21から第1の他方側中間サポート部材52を脱着可能にするために形成されている。
【0042】
連結部材53(第1連結部材)及び連結部材54(第3連結部材)は、第1の一方側中間サポート部材51と第1の他方側中間サポート部材52とを連結する。これにより、移動体40が、第1の一方側中間サポート部材51及び第1の他方側中間サポート部材52のいずれかに当接した場合、第1の一方側中間サポート部材51及び第1の他方側中間サポート部材52は一体的に移動する。連結部材53及び連結部材54は、例えば、金属製のパイプから構成されている。また、連結部材53と連結部材54とは、X軸方向に並列に設けられていると共に、Y軸方向に互いに平行に設けられている。
【0043】
第2中間サポートユニット60は、図6A及び図6Bに示すように、第1中間サポートユニット50と共に、ボールネジ軸21の撓みを更に抑制するために設けられており、特に、ボールネジ軸21のY軸方向の長さが長い場合には必須の部材である。第2中間サポートユニット60は、第2の一方側中間サポート部材61と、第2の他方側中間サポート部材62と、連結部材63(第2連結部材)と、連結部材64(第4連結部材)とを有する。なお、図7に示すように、第2の一方側中間サポート部材61と第2の他方側中間サポート部材62との支点間距離L2は、ボールネジ軸21のボールネジ軸本体の支点間距離L1のおよそ2/3、且つ、支点間距離L3のおよそ2倍であることが望ましい(L2≒2/3×L1≒2×L3)。ただし、これに限られず、アクチュエータ1の用途や設置環境に応じて、支点間距離L2を適宜変更してもよい。
【0044】
第2の一方側中間サポート部材61は、図8に示すように、移動体40に対して移動方向D1における先端側(-Y側)に配置されている。第2の一方側中間サポート部材61は、図9及び図10Bに示すように、第1の一方側中間サポート部材51と同一又は同等の構成を有し、具体的には、本体部61-1と、スライドブッシュ61-2(円筒部材)と、スライドブッシュサポート61-3(固定部材)と、ローラ61-4a(転動部材)と、ローラ61-4b、61-4cと、アジャストプレート61-5を有する。また、スライドブッシュサポート61-3には、スライドブッシュ61-2が嵌り込む円筒部材用孔が形成されている。
【0045】
本体部61-1は、Y軸方向に貫通すると共に、ボールネジ軸21が挿通される貫通孔61-1aと、貫通孔61-1aから本体部61-1の外部まで切り欠かれている切欠き部61-1bと、が形成されている。この切欠き部61-1bは、ボールネジ軸21を通過させることによりボールネジ軸21から第2の一方側中間サポート部材61を脱着可能にするために形成されている。
【0046】
第2の他方側中間サポート部材62は、図11及び図12に示すように、移動体40に対して移動方向D1における基端側(+Y側)に配置されている。第1の一方側中間サポート部材51と同一又は同等の構成を有し、具体的には、本体部62-1と、スライドブッシュ62-2(円筒部材)と、スライドブッシュサポート62-3(固定部材)と、ローラ62-4a(転動部材)と、ローラ62-4b、62-4cと、アジャストプレート62-5を有する。また、スライドブッシュサポート62-3には、Y軸方向に貫通し、スライドブッシュ62-2が嵌り込む円筒部材用孔が形成されている。
【0047】
本体部62-1は、Y軸方向に貫通すると共に、ボールネジ軸21が挿通される貫通孔62-1aと、貫通孔62-1aから本体部62-1の外部まで切り欠かれている切欠き部62-1bと、が形成されている。この切欠き部62-1bは、ボールネジ軸21を通過させることによりボールネジ軸21から第2の他方側中間サポート部材62を脱着可能にするために形成されている。
【0048】
連結部材63(第2連結部材)及び連結部材64(第4連結部材)は、第2の一方側中間サポート部材61と第2の他方側中間サポート部材62とを連結する。これにより、第1の一方側中間サポート部材51及び第1の他方側中間サポート部材52が、第2の一方側中間サポート部材61及び第2の他方側中間サポート部材62のいずれかに当接した場合、第2の一方側中間サポート部材61及び第2の他方側中間サポート部材62は一体的に移動する。連結部材63及び連結部材64は、例えば、金属製のパイプから構成されている。また、連結部材63と連結部材64とは、連結部材53と連結部材54と共に、X軸方向に並列に設けられていると共に、Y軸方向に互いに平行に設けられている。
【0049】
アクチュエータ1は、図3及び図4に示すように、上述したスライドテーブルT、モータ10、ボールネジ20、アクチュエータハウジング30、移動体40、第1中間サポートユニット50、及び第2中間サポートユニット60に加えて、更に、図9及び図11に示すように、第1干渉防止部材70と、第2干渉防止部材80と、複数の衝撃緩和部材91~94とを備える。
【0050】
第1干渉防止部材70は、移動体40に設けられ、連結部材53と少なくとも移動体40との干渉を防止するためのものである。第1干渉防止部材70は、潤滑性のある素材より形成され、ねじ等の留め具により、移動体40の+Z側の上面40b(XY平面に平行な面)に固定されている。この第1干渉防止部材70は、図13に示すように、第1部分71と、第2部分72と、第3部分73とを有する。
【0051】
第1部分71は、連結部材53から視て移動体40が設けられている-Z側(連結部材53の下側)に形成されている略板状の部分である。第1部分71は、主に、連結部材53と移動体40との干渉を防止するために形成されている。なお、本実施の形態1においては、第1部分71の+X側及び-X側の両端は、移動体40の上面40bから離れる方向にはねる形状に形成されている。しかしながら、これに限らず、第1部分71は、移動体40の上面40bに平行な板状部分のみから構成されていてもよい。
【0052】
第2部分72は、連結部材53から視て移動体40が設けられている-Z側とは反対の+Z側(連結部材53の上側)に形成されている板状の部分である。第2部分72は、XY平面に平行な板状に形成されている。第2部分72は、主に、連結部材53と、アクチュエータ1の構成部品、例えば、メインカバー32との干渉を防止するために形成されている。
【0053】
第3部分73は、連結部材53と連結部材63との間に形成されている板状の部分である。第3部分73は、第1部分71から+Z軸方向に延設されている。そして、第3部分73の延設された先端には、第2部分72が設けられている。第3部分73は、YZ平面に平行な板状に形成されている。第3部分73は、主に、連結部材53と連結部材63との干渉を防止するために形成されている。
【0054】
第2干渉防止部材80は、図9及び図11に示すように、移動体40に設けられ、連結部材54と少なくとも移動体40との干渉を防止するためのものである。第2干渉防止部材80は、潤滑性のある素材より形成され、ねじ等の留め具により、移動体40の+Z側の上面40b(XY平面に平行な面)に固定されている。この第2干渉防止部材80は、第1干渉防止部材70と同一又は同等の構成を有し、具体的には、図13に示すように、第1部分81と、第2部分82と、第3部分83とを有する。
【0055】
第1部分81は、連結部材54から視て移動体40が設けられている-Z側(連結部材54の下側)に形成されている板状の部分である。第1部分81は、主に、連結部材54と移動体40との干渉を防止するために形成されている。
【0056】
第2部分82は、連結部材54から視て移動体40が設けられている-Z側とは反対の+Z側(連結部材54の上側)に形成されている板状の部分である。第2部分82は、XY平面に平行な板状に形成されている。第2部分82は、主に、連結部材53と、アクチュエータ1の構成部品、例えば、メインカバー32との干渉を防止するために形成されている。
【0057】
第3部分83は、連結部材54と連結部材64との間に形成されている板状の部分である。第3部分83は、第1部分81から+Z軸方向に延設されている。そして、第3部分83の延設された先端には、第2部分82が設けられている。第3部分83は、YZ平面に平行な板状に形成されている。第3部分83は、主に、連結部材54と連結部材64との干渉を防止するために形成されている。
【0058】
本実施の形態において、第1干渉防止部材70及び第2干渉防止部材80は、同じものを用いている。
【0059】
衝撃緩和部材91は、図9に示すように、移動体40が-Y方向に移動して、第1の一方側中間サポート部材51に当接した場合の衝撃を緩和するために用いられる。衝撃緩和部材91は、第1の一方側中間サポート部材51の本体部51-1に形成されている被嵌め込み部51-6に嵌め込まれている。更に、+Z側からプレート91aが取り付けられ、ボルト、ねじ等の留め具91bにより、プレート91aが本体部51-1に固定されることで、衝撃緩和部材91は第1の一方側中間サポート部材51に固定される。衝撃緩和部材91は、弾性の素材より形成されている。衝撃緩和部材91は、その突出方向(+Y方向)における先端が先細り形状に形成されている衝撃緩和部材本体91-1と、被嵌め込み部51-6に嵌め込まれる直方体状の基部91-2とを有する。先端が先細り形状に形成されている衝撃緩和部材本体91-1により、移動体40との接触開始時の弾性変形は小さく、それ以降の弾性変形が徐々に大きくなる。このため、衝撃緩和部材91は、移動体40との当接に基づく衝撃を効果的に緩和することができる。また、移動体40の上面40bには、衝撃緩和部材91が当接する部分である被当接部分42が設けられている。被当接部分42は、例えば、アルミニウムなどの金属に切削加工を施すことにより形成され、ボルト、ねじなどの留め具により、移動体40の上面40bに固定されている。
【0060】
衝撃緩和部材92は、図11に示すように、移動体40が+Y方向に移動して、第1の他方側中間サポート部材52に当接した場合の衝撃を緩和するために用いられる。衝撃緩和部材92は、第1の他方側中間サポート部材52の本体部52-1に形成されている被嵌め込み部52-6に嵌め込まれている。更に、+Z側からプレート92aが取り付けられ、ボルト、ねじ等の留め具92bにより、プレート92aが本体部52-1に固定されることで、衝撃緩和部材92は第1の他方側中間サポート部材52に固定される。衝撃緩和部材92は、弾性の素材より形成されている。衝撃緩和部材92は、その突出方向(-Y方向)における先端が先細り形状に形成されている衝撃緩和部材本体92-1と、被嵌め込み部52-6に嵌め込まれる直方体状の基部92-2とを有する。先端が先細り形状に形成されている衝撃緩和部材本体92-1により、移動体40との接触開始時の弾性変形は小さく、それ以降の弾性変形が徐々に大きくなる。このため、衝撃緩和部材92は、移動体40との当接に基づく衝撃を効果的に緩和することができる。また、移動体40の上面40bには、衝撃緩和部材92が当接する部分である被当接部分43が設けられている。被当接部分43は、例えば、アルミニウムなどの金属に切削加工を施すことにより形成され、ボルト、ねじなどの留め具により、移動体40の上面40bに固定されている。
【0061】
衝撃緩和部材93は、図9に示すように、第1の一方側中間サポート部材51が-Y方向に移動して、第2の一方側中間サポート部材61に当接した場合の衝撃を緩和するために用いられる。衝撃緩和部材93は、第2の一方側中間サポート部材61の本体部61-1に形成されている被嵌め込み部61-6に嵌め込まれている。更に、+Z側からプレート93aが取り付けられ、ボルト、ねじ等の留め具93bにより、プレート93aが本体部61-1に固定されることで、衝撃緩和部材93は第2の一方側中間サポート部材61に固定される。衝撃緩和部材93は、弾性の素材より形成されている。衝撃緩和部材93は、その突出方向(+Y方向)における先端が先細り形状に形成されている衝撃緩和部材本体93-1と、被嵌め込み部61-6に嵌め込まれる直方体状の基部93-2とを有する。先端が先細り形状に形成されている衝撃緩和部材本体93-1により、第1の一方側中間サポート部材51との接触開始時の弾性変形は小さく、それ以降の弾性変形が徐々に大きくなる。このため、衝撃緩和部材93は、第1の一方側中間サポート部材51との当接に基づく衝撃を効果的に緩和することができる。なお、衝撃緩和部材93の衝撃緩和部材本体93-1は、衝撃緩和部材91の基部91-2の後端部(-Y側の端部)に当接する。
【0062】
衝撃緩和部材94は、図11に示すように、第1の他方側中間サポート部材52が+Y方向に移動して、第2の他方側中間サポート部材62に当接した場合の衝撃を緩和するために用いられる。衝撃緩和部材94は、第2の他方側中間サポート部材62の本体部62-1に形成されている被嵌め込み部62-6に嵌め込まれている。更に、+Z側からプレート94aが取り付けられ、ボルト、ねじ等の留め具94bにより、プレート94aが本体部62-1に固定されることで、衝撃緩和部材94は第2の他方側中間サポート部材62に固定される。衝撃緩和部材94は、弾性の素材より形成されている。衝撃緩和部材94は、その突出方向(-Y方向)における先端が先細り形状に形成されている衝撃緩和部材本体94-1と、被嵌め込み部62-6に嵌め込まれる直方体状の基部94-2とを有する。先端が先細り形状に形成されている衝撃緩和部材本体94-1により、移動体40との接触開始時の弾性変形は小さく、それ以降の弾性変形が徐々に大きくなる。このため、衝撃緩和部材94は、第1の他方側中間サポート部材52との当接に基づく衝撃を効果的に緩和することができる。なお、衝撃緩和部材94の衝撃緩和部材本体94-1は、衝撃緩和部材92の基部92-2の後端部(+Y側の端部)に当接する。
【0063】
本実施の形態において、衝撃緩和部材91~94、37、38は、全て同じものを用いている。
【0064】
上述のように構成されたアクチュエータ1の動作について、図14図19を参照しつつ説明する。先ず、モータ10のモータ本体11に電源が供給されることによって、図14の矢印A1に示すように、出力軸10aが回転する。出力軸10aが回転(正転)すると、カップリング10b、23が互いに接続されているため、出力軸10aに接続されているボールネジ軸21が、図14の矢印A2に示すように、出力軸10aと共に回転する。
【0065】
ボールネジ軸21が回転すると、ボールネジナット22及び移動体40が、図15の矢印A3に示すように、移動方向D1に直線運動する。このとき、移動体40は、ベース31に複数のリニアガイド用転動体を介して支持されているため、リニアガイド用転動体の転動によって円滑に移動する。
【0066】
移動体40が、矢印A3に示すように直線運動していくと、やがて、図16に示すように、移動体40は、第1の一方側中間サポート部材51に当接する。このとき、第1の一方側中間サポート部材51に固定されている衝撃緩和部材91が、移動体40に固定されている被当接部分42に当接することにより、衝撃緩和部材91は、移動体40と第1の一方側中間サポート部材51との当接に起因する衝撃を緩和する。移動体40が、第1の一方側中間サポート部材51に当接すると、移動体40は、第1の一方側中間サポート部材51と共に、矢印A3に示すように直線運動する。このとき、第1の他方側中間サポート部材52は、連結部材53、54によって、第1の一方側中間サポート部材51に連結されているため、第1の他方側中間サポート部材52も共に、矢印A3に示すように直線運動する。また、第1の一方側中間サポート部材51及び第1の他方側中間サポート部材52は、ベース31にローラ51-4a~51-4c、52-4a~52-4cを介して支持されているため、(図9及び図11参照)、ローラ51-4a~51-4c、52-4a~52-4cの回転によって円滑に移動する。
【0067】
更に、移動体40が、矢印A3に示すように直線運動していくと、やがて、図17に示すように、第1の一方側中間サポート部材51は、第2の一方側中間サポート部材61に当接する。このとき、第2の一方側中間サポート部材61に固定されている衝撃緩和部材93が、第1の一方側中間サポート部材51に固定されている衝撃緩和部材91に当接することにより、衝撃緩和部材93は、第1の一方側中間サポート部材51と第2の一方側中間サポート部材61との当接に起因する衝撃を緩和する。第1の一方側中間サポート部材51が、第2の一方側中間サポート部材61に当接すると、移動体40は、第1の一方側中間サポート部材51及び第2の一方側中間サポート部材61と共に、矢印A3に示すように直線運動する。このとき、第2の他方側中間サポート部材62は、連結部材63、64によって、第2の一方側中間サポート部材61に連結されているため、第2の他方側中間サポート部材62も共に、矢印A3に示すように直線運動する。また、第2の一方側中間サポート部材61及び第2の他方側中間サポート部材62は、ベース31にローラ61-4a~61-4c、62-4a~62-4cを介して支持されているため、(図9及び図11参照)、ローラ61-4a~61-4c、62-4a~62-4cの回転によって円滑に移動する。
【0068】
更に、移動体40が、矢印A3に示すように直線運動していくと、やがて、図18に示すように、第2の一方側中間サポート部材61は、フロントブラケット33に当接する。このとき、フロントブラケット33に固定されている衝撃緩和部材37が、第2の一方側中間サポート部材61に固定されている衝撃緩和部材93に当接することにより、衝撃緩和部材37は、第2の一方側中間サポート部材61とフロントブラケット33との当接に起因する衝撃を緩和する。第2の一方側中間サポート部材61が、フロントブラケット33に当接すると、移動体40は、移動を停止する。
【0069】
続いて、ボールネジ軸21が回転(逆転)すると、ボールネジナット22及び移動体40が、図19の矢印A4に示すように、直線運動する。移動体40は、第1の他方側中間サポート部材52に当接する。更に、移動体40が直線運動していくと、第1の他方側中間サポート部材52は、第2の他方側中間サポート部材62に当接する。更に、移動体40が直線運動していくと、第2の他方側中間サポート部材62は、リアブラケット34に当接し、移動体40は、移動を停止する。それぞれの当接時には、衝撃緩和部材92、94、38が、当該当接に起因する衝撃を緩和する。
【0070】
次に、アクチュエータのメンテナンスの作業方法の一部について、図10A(B)、図20及び図21を参照しつつ説明する。先ず、図10A(B)に示すように、メンテナンスを行う作業者は、アジャストプレート51-5を本体部51-1に固定している2本の留め具のうち、一方の留め具を取り外す。続いて、作業者は、図20の矢印A4に示すように、他方の留め具を回転軸として、アジャストプレート51-5をZ軸回りに回動させる。これにより、ローラ51-4aは、溝31cに嵌る第1位置から、溝31cから外れる第2位置に移動する。続いて、作業者は、図21に示すように、本体部51-1を、スライドブッシュ51-2、スライドブッシュサポート51-3及びボールネジ軸21を切欠き部51-1bに通過させることにより、ボールネジ軸21から脱着する。この後、必要に応じて、アクチュエータの各構成部品の取り換えを行ったり、清掃を行ったりする。なお、以上の作業工程は一例であり、アクチュエータの設置環境等に応じて、工程の順番を入れ替えてもよい。
【0071】
以上、説明したように、本実施の形態1に係るアクチュエータ1は、図13に示すように、連結部材53、54、63、64と少なくとも移動体40との干渉を防止するための第1干渉防止部材70及び第2干渉防止部材80を備える。そして、第1干渉防止部材70及び第2干渉防止部材80は、連結部材53、54、63、64から視て移動体40が設けられている-Z側に形成されている第1部分71、81を有する。これにより、連結部材53、54、63、64との干渉に起因して、移動体40の移動が阻害されることないため、移動体40を円滑に移動することができる。また、アクチュエータ1は、第1中間サポートユニット50及び第2中間サポートユニット60を備えるため、移動体40の規定最高速度の低下を抑制しつつ、移動体40を円滑に移動することができる。
【0072】
また、本実施の形態1においては、第1干渉防止部材70及び第2干渉防止部材80は、連結部材53、54、63、64から視て移動体40が設けられている-Z側とは反対の+Z側に形成されている第2部分72、82を有する。これにより、連結部材53、54、63、64と、アクチュエータ1の構成部品、例えば、メインカバー32との干渉を防止することができる。第1干渉防止部材70及び第2干渉防止部材80は、移動体40に設けられているため、連結部材53、54、63、64とメインカバー32との干渉を防止することにより、移動体40の移動が阻害されることがなくなる。その結果、移動体40の規格上(設計上)の最高速度の低下を抑制しつつ、移動体40を円滑に移動することができる。また、連結部材53、54、63、64とメインカバー32との間隔を狭くすることができるため、アクチュエータ1の高さ(Z軸方向の長さ)を小さくすることができる。ひいては、アクチュエータ1の小型化を実現することができる。
【0073】
また、本実施の形態1においては、第1干渉防止部材70及び第2干渉防止部材80は、連結部材53、63と連結部材54、64との間に、第3部分73、83が形成されている。これにより、連結部材53と連結部材63との干渉、及び、連結部材54と連結部材64との干渉を防止することができる。その結果、移動体40の規定最高速度の低下を抑制しつつ、移動体40を円滑に移動することができる。また、連結部材53と連結部材63との間隔、連結部材54と連結部材64との間隔を狭くすることができるため、アクチュエータ1の幅(X軸方向の長さ)を小さくすることができる。ひいては、アクチュエータ1の小型化を実現することができる。
【0074】
また、本実施の形態1においては、第1の一方側中間サポート部材51の本体部51-1には、図10Aに示すように、貫通孔51-1aから外部まで切り欠かれている切欠き部51-1bが形成されている。このため、図21に示すように、本体部51-1を、スライドブッシュ51-2、スライドブッシュサポート51-3及びボールネジ軸21を切欠き部51-1bに通過させることにより、ボールネジ軸21から脱着することができる。
【0075】
例えば、図22に示す比較例に係るアクチュエータ100においては、第1の一方側中間サポート部材51の本体部51-1には、切欠き部51-1bが形成されていない。このため、フロントブラケット33やその周囲の部品をベース31から外してから、第1の一方側中間サポート部材51を引き抜く必要があった。このため、アクチュエータ100のメンテナンスの作業効率が低いという課題があった。
【0076】
これに対して、本実施の形態1においては、図23(A)に示すように、フロントブラケットやその周囲の部品をベースから外さなくても、本体部51-1をボールネジ軸21から脱着することができる。これにより、アクチュエータのメンテナンスの作業効率を向上させることができる。
【0077】
また、本実施の形態1においては、本体部51-1と同様に、図23(B)に示すように、本体部61-1にも、貫通孔61-1aから外部まで切り欠かれている切欠き部61-1bが形成されている。このため、フロントブラケットやその周囲の部品をベースから外さなくても、本体部61-1をボールネジ軸21から脱着することができる。
さらに、図24に示すように、本体部52-1、62-1にも、貫通孔52-1a、62-1aから外部まで切り欠かれている切欠き部52-1b、62-1bが形成されている。このため、リアブラケットやモータ、それらの周囲の部品をベースから外さなくても、本体部52-1、62-1をボールネジ軸21から脱着することができる。
このため、アクチュエータのメンテナンスの作業効率を向上させることができる。
【0078】
また、本実施の形態1に係るアクチュエータ1は、図9及び図11に示すように、第1の一方側中間サポート部材51に設けられている衝撃緩和部材91と、第1の他方側中間サポート部材52に設けられている衝撃緩和部材92とを備える。このため、衝撃緩和部材91、92が、移動体40と第1中間サポートユニット50との当接の衝撃を吸収する。この結果、移動体40と第1中間サポートユニット50との当接に基づく衝突音を低減することができる。
【0079】
また、衝撃緩和部材91、92は、先端が先細り形状に形成されている衝撃緩和部材本体91-1、92-1を有する。移動体40と第1中間サポートユニット50との接触開始時の弾性変形は小さく、それ以降の弾性変形が徐々に大きくなる。これにより、衝撃緩和部材91、92は、移動体40と第1中間サポートユニット50との当接に基づく衝撃を効果的に緩和することができる。
【0080】
また、アクチュエータ1は、図9及び図11に示すように、第2の一方側中間サポート部材61に設けられている衝撃緩和部材93と、第2の他方側中間サポート部材62に設けられている衝撃緩和部材94とを備える。このため、第1中間サポートユニット50と第2中間サポートユニット60との当接の衝撃を吸収することができる。この結果、第1中間サポートユニット50と第2中間サポートユニット60との当接に基づく衝突音を低減することができる。
【0081】
また、衝撃緩和部材93、94は、先端が先細り形状に形成されている衝撃緩和部材本体93-1、94-1を有する。第1中間サポートユニット50と第2中間サポートユニット60との接触開始時の弾性変形は小さく、それ以降の弾性変形が徐々に大きくなる。これにより、衝撃緩和部材93、94は、第1中間サポートユニット50と第2中間サポートユニット60との当接に基づく衝撃を効果的に緩和することができる。
【0082】
以上、本発明の実施の形態1について説明したが、本発明は上記実施の形態によって限定されるものではない。
【0083】
実施の形態2.
例えば、上記実施の形態1に係るアクチュエータ1は、図8に示すように、第2中間サポートユニット60を備える。しかしながら、これに限られない。例えば、図25に示す実施の形態2のように、アクチュエータ2は、第2中間サポートユニット60を備えていなくてもよい。この場合、第2干渉防止部材80を割愛することができる。また、図26に示すように、第1干渉防止部材70を、連結部材53と連結部材54との干渉を防止するように形成することができる。アクチュエータ2においても、本実施の形態1と同等の効果を有することができる。なお、アクチュエータ2において、アクチュエータ1と同一又は同等の構成については、同一の符号を用いて、その説明を省略する。
【0084】
実施の形態3.
また、上記実施の形態1、2に係るアクチュエータ1、2においては、図6Aに示すように、第1干渉防止部材70及び第2干渉防止部材80は、移動体40に設けられている。しかしながら、これに限られない。例えば、図27及び図28に示す実施の形態3に係るアクチュエータ3のように、第1干渉防止部材70及び第2干渉防止部材80は、移動体40ではなく、第1の一方側中間サポート部材51に設けられていてもよい。さらに、第1干渉防止部材70及び第2干渉防止部材80は、第1の他方側中間サポート部材52にも設けられていてもよい。アクチュエータ3においても、本実施の形態1、2と同等の効果を有することができる。なお、アクチュエータ3において、アクチュエータ1、2と同一又は同等の構成については、同一の符号を用いて、その説明を省略する。
【0085】
実施の形態4.
アクチュエータ1、2においては、図6Aに示すように、第1干渉防止部材70及び第2干渉防止部材80は、移動体40に設けられ、アクチュエータ3においては、図27及び図28に示すように、第1干渉防止部材70、及び第2干渉防止部材80は、第1中間サポートユニット50の第1の一方側中間サポート部材51及び第1の他方側中間サポート部材52の少なくとも一方の部材に設けられている。しかしながら、これに限られない。例えば、図29に示す実施の形態4に係るアクチュエータ4のように、第1干渉防止部材70及び第2干渉防止部材80は、移動体40と、第1中間サポートユニット50とのいずれにも設けられていてもよい。アクチュエータ4においても、本実施の形態1~3と同等の効果を有することができる。なお、アクチュエータ4において、アクチュエータ1~3と同一又は同等の構成については、同一の符号を用いて、その説明を省略する。
【0086】
実施の形態5.
上記実施の形態においては、第1干渉防止部材70は、図13に示すように、第1部分71と、第2部分72と、第3部分73とを有する。しかしながら、これに限られない。第1干渉防止部材70は、図30に示すように、第2部分72を有さなくてもよい。しかしながら、連結部材53、63とメインカバー32との干渉を防止する観点から、第1干渉防止部材70は、第2部分72を有していたほうがよい。
【0087】
同様に、第2干渉防止部材80も、第2部分82を有さなくてもよい。しかしながら、連結部材54、64とメインカバー32との干渉を防止する観点から、第2干渉防止部材80は、第2部分82を有していたほうがよい。なお、アクチュエータ5において、アクチュエータ1~4と同一又は同等の構成については、同一の符号を用いて、その説明を省略する。
【0088】
実施の形態6.
上記実施の形態においては、第1干渉防止部材70は、図13に示すように、第1部分71と、第2部分72と、第3部分73とを有する。しかしながら、これに限られない。第1干渉防止部材70は、図31に示すように、これらの部分に加えて、第1部分71、第2部分72、第3部分73以外の箇所に形成されている部分を有していてもよい。例えば、第1干渉防止部材70は、連結部材63から視て連結部材53が設けられている+X側とは反対の-X側に形成されている第4部分74と、連結部材53から視て連結部材63が設けられている-X側とは反対の+X側に形成されている第5部分75とを有していてもよい。この第4部分74及び第5部分75は、第2部分72の+X側及び-X側の両側から下方(-Z方向)に延設されて形成されている。また、第4部分74及び第5部分75の延設された先端は、第1部分71には接続されずに、隙間が形成されている。この場合、連結部材53、63と、アクチュエータ6を構成する他の部材、例えば、移動体40のテーブル取付け部41との干渉を防止することができる。なお、実施の形態6に係る第1干渉防止部材70は、第4部分74と第5部分75との双方を有しているが、第4部分74と第5部分75とのうち一方を有していてもよい。
【0089】
また、第4部分74及び第5部分75は、第2部分72から延設されて、第4部分74及び第5部分75の延設された先端と第1部分71との間には、隙間が形成されている。しかしながら、これに限られない。第4部分74及び第5部分75は、第1部分71から上方(+Z方向)に延設されて、第4部分74及び第5部分75の延設された先端と第2部分72との間に、隙間が形成されていてもよい。また、第4部分74及び第5部分75は、第1部分71と第2部分72との両方に接続されていてもよい。
【0090】
また、第4部分74及び第5部分75が、第1部分71と第2部分72との両方に接続されている場合は、第3部分73は、第1部分71と第2部分72とのいずれかに接続されていてもよい。
【0091】
同様に、第2干渉防止部材80も、第1部分81、第2部分82、及び第3部分83に加えて、これらの部分81~83以外の箇所に形成されている部分を有していてもよい。例えば、第2干渉防止部材80は、連結部材64から視て連結部材54が設けられている-X側とは反対の+X側に形成されている第4部分84と、連結部材54から視て連結部材64が設けられている+X側とは反対の-X側に形成されている第5部分85とを有していてもよい。この第4部分84及び第5部分85は、第2部分82の+X側及び-X側の両側から下方(-Z方向)に延設されて形成されている。また、第4部分84及び第5部分85の延設された先端は、第1部分81には接続されずに、隙間が形成されている。この場合、連結部材54、64と、アクチュエータ6を構成する他の部材、例えば、移動体40のテーブル取付け部41との干渉を防止することができる。なお、実施の形態6に係る第2干渉防止部材80は、第4部分84と第5部分85との双方を有しているが、第4部分84と第5部分85とのうち一方を有していてもよい。
【0092】
また、第4部分84及び第5部分85は、第2部分82から延設されて、第4部分84及び第5部分85の延設された先端と第1部分81との間には、隙間が形成されている。しかしながら、これに限られない。第4部分84及び第5部分85は、第1部分81から上方(+Z方向)に延設されて、第4部分84及び第5部分85の延設された先端と第2部分82との間に、隙間が形成されていてもよい。また、第4部分84及び第5部分85は、第1部分81と第2部分82との両方に接続されていてもよい。
【0093】
また、第4部分84及び第5部分85が、第1部分81と第2部分82との両方に接続されている場合は、第3部分83は、第1部分81と第2部分82とのいずれかに接続されていてもよい。なお、アクチュエータ6において、アクチュエータ1~5と同一又は同等の構成については、同一の符号を用いて、その説明を省略する。
【0094】
実施の形態7.
上記実施の形態6においては、第1干渉防止部材70は、第1~5部分71~75を有することで、第1~5部分71~75によって区画され、連結部材53、63が配置される連結部材配置空間70aが、略四角筒形状に形成されている。しかしながら、これに限られない。図32に示すアクチュエータ7のように、連結部材53、63の円筒形状に対応して、第1~5部分71~75によって区画される連結部材配置空間70aは、円筒形状に形成されていてもよい。また、連結部材配置空間70aは、略四角筒形状、円筒形状以外の形状であってもよい。
【0095】
同様に、第2干渉防止部材80は、第1~5部分81~85を有することで、第1~5部分81~85によって区画され、連結部材54、64が配置される連結部材配置空間80aが、略四角筒形状に形成されている。しかしながら、これに限られない。図32に示すアクチュエータ7のように、連結部材54、64の円筒形状に対応して、第1~5部分81~85によって区画される連結部材配置空間80aは、円筒形状に形成されていてもよい。また、連結部材配置空間80aは、略四角筒形状、円筒形状以外の形状であってもよい。
【0096】
実施の形態8.
図33に示すアクチュエータ8のように、第1干渉防止部材70及び第2干渉防止部材80の移動方向(Y軸方向)の長さは、長ければ長い方が好ましい。移動方向(Y軸方向)の長さが長ければ、移動体40の規定最高速度の低下をより抑制しつつ、移動体40をより円滑に移動することが可能になる。
【0097】
その他の変形例
上記実施の形態では、移動体40は、図5に示すように、ベース31の転動体用ガイドレール31bの溝31cをリニアガイド用転動体が転動することにより、移動方向D1に円滑に往復運動をする。しかしながら、これに限られない。リニアガイド用転動体に代えて、移動体40は、潤滑性の素材からなる摺動部材を有し、この摺動部材が、溝31cを摺動することにより、移動方向D1に円滑に往復運動をするようにしてもよい。
【0098】
上記実施の形態では、第1の一方側中間サポート部材51は、ベース31の転動体用ガイドレール31bの溝31cをローラ51-4a、51-4b、51-4cが転動することにより、移動方向D1に円滑に往復運動をする。しかしながら、これに限られない。ローラ51-4a~51-4cに代えて、第1の一方側中間サポート部材51は、潤滑性の素材からなる摺動部材を有し、この摺動部材が、溝31cを摺動することにより、移動方向D1に円滑に往復運動をするようにしてもよい。
【0099】
同様に、第1の他方側中間サポート部材52は、ベース31の転動体用ガイドレール31bの溝31cをローラ52-4a、52-4b、52-4cが転動することにより、移動方向D1に円滑に往復運動をする。しかしながら、これに限られない。ローラ52-4a~52-4cに代えて、第1の他方側中間サポート部材52は、潤滑性の素材からなる摺動部材を有し、この摺動部材が、溝31cを摺動することにより、移動方向D1に円滑に往復運動をするようにしてもよい。
【0100】
同様に、第2の一方側中間サポート部材61は、ベース31の転動体用ガイドレール31bの溝31cをローラ61-4a、61-4b、61-4cが転動することにより、移動方向D1に円滑に往復運動をする。しかしながら、これに限られない。ローラ61-4a~61-4cに代えて、第2の一方側中間サポート部材61は、潤滑性の素材からなる摺動部材を有し、この摺動部材が、溝31cを摺動することにより、移動方向D1に円滑に往復運動をするようにしてもよい。
【0101】
同様に、第2の他方側中間サポート部材62は、ベース31の転動体用ガイドレール31bの溝31cをローラ62-4a、62-4b、62-4cが転動することにより、移動方向D1に円滑に往復運動をする。しかしながら、これに限られない。ローラ62-4a~62-4cに代えて、第2の他方側中間サポート部材62は、潤滑性の素材からなる摺動部材を有し、この摺動部材が、溝31cを摺動することにより、移動方向D1に円滑に往復運動をするようにしてもよい。
【0102】
実施の形態9.
上記実施の形態では、図9に示すように、衝撃緩和部材91、93は、+Y方向に先細りとなるように、第1の一方側中間サポート部材51、第2の一方側中間サポート部材61の被嵌め込み部51-6、61-6に嵌め込まれている。しかしながら、これに限られない。図34に示す実施の形態9に係るアクチュエータ9Aのように、衝撃緩和部材91、93は、+Y方向とは反対の-Y方向に先細りとなるように、第1の一方側中間サポート部材51、第2の一方側中間サポート部材61の被嵌め込み部51-6、61-6に嵌め込まれてもよい。
【0103】
同様に、図11に示すように、衝撃緩和部材92、94は、-Y方向に先細りとなるように、第1の他方側中間サポート部材52、第2の他方側中間サポート部材62の被嵌め込み部52-6、62-6に嵌め込まれている。しかしながら、これに限られない。図35に示す実施の形態9に係るアクチュエータ9Aのように、衝撃緩和部材92、94は、-Y方向とは反対の+Y方向に先細りとなるように、第1の他方側中間サポート部材52、第2の他方側中間サポート部材62の被嵌め込み部52-6、62-6に嵌め込まれてもよい。
【0104】
実施の形態10.
上記実施の形態では、図9に示すように、衝撃緩和部材91、93は、+Y方向に先細りとなるように、第1の一方側中間サポート部材51、第2の一方側中間サポート部材61の被嵌め込み部51-6、61-6に嵌め込まれている。しかしながら、これに限られない。図36に示す実施の形態10に係るアクチュエータ9Bのように、衝撃緩和部材91、93は、+Y方向と-Y方向との双方向に先細りとなるように形成され、第1の一方側中間サポート部材51、第2の一方側中間サポート部材61の被嵌め込み部51-6、61-6に嵌め込まれてもよい。
【0105】
同様に、図11に示すように、衝撃緩和部材92、94は、-Y方向に先細りとなるように、第1の他方側中間サポート部材52、第2の他方側中間サポート部材62の被嵌め込み部52-6、62-6に嵌め込まれている。しかしながら、これに限られない。図37に示す実施の形態10に係るアクチュエータ9Bのように、衝撃緩和部材92、94は、+Y方向と-Y方向との双方向に先細りとなるように形成され、第1の他方側中間サポート部材52、第2の他方側中間サポート部材62の被嵌め込み部52-6、62-6に嵌め込まれてもよい。
【0106】
実施の形態11.
上記実施の形態1では、図8及び図9に示すように、第1干渉防止部材70及び第2干渉防止部材80は、別体に形成されている。しかしながら、これに限られない。図38図42に示す実施の形態11のように、第1干渉防止部材70は、第2干渉防止部材80に一体に形成されていてもよい。そして、第1干渉防止部材70及び第2干渉防止部材80は、ユニット用ベース120に取り付けられることにより、移動体40から脱着可能な一つのユニット300として構成されていてもよい。以下、そのようなユニット300を備える実施の形態11に係るアクチュエータ200について、図38図42を用いて説明する。なお、アクチュエータ200において、アクチュエータ1と同一又は同等の構成については、同一の符号を用いて、その説明を省略する。
【0107】
アクチュエータ200は、図38及び図39に示すように、上述した移動体40、第1、第2中間サポートユニット50、60、第1、第2干渉防止部材70、80、衝撃緩和部材91~94等に加えて、更に、ユニット用ベース120と、衝撃緩和部材131(一方側の衝撃緩和部材)と、衝撃緩和部材132(他方側の衝撃緩和部材)とを備える。
【0108】
第1干渉防止部材70は、本実施の形態においては、図40に示すように、第2干渉防止部材80と一体に形成されることで、一つの干渉防止部材ユニット110として構成されている。干渉防止部材ユニット110は、実施の形態1と同等の形状、構造の第1干渉防止部材70及び第2干渉防止部材80をそのまま含んで構成されると共に、第1干渉防止部材70と第2干渉防止部材80とを連結する中央連結部分111を更に有する。なお、本実施の形態においては、第1干渉防止部材70は、移動体40に直接的に設けられてはおらず、干渉防止部材ユニット110として、ユニット用ベース120を介して、移動体40に間接的に設けられている。
【0109】
中央連結部分111は、図41及び図42に示すように、XY平面に概ね平行な板状に形成されている。具体的には、中央連結部分111は、第1干渉防止部材70の第5部分75と、第2干渉防止部材80の第5部分85とを連結するように形成されている。中央連結部分111には、上方(+Z方向)に突出する突起112が形成されている。この突起112は、メインカバー32が撓んだ場合において、移動体40又はユニット用ベース120と、メインカバー32との干渉を防止するために形成されている。また、中央連結部分111には、Z軸方向に貫通する貫通孔が形成されている。この貫通孔は、例えば、ボルト、ねじ等の留め具110aが挿入されることで、干渉防止部材ユニット110を、ユニット用ベース120に固定するために用いられる。
【0110】
また、干渉防止部材ユニット110の中央連結部分111には、下方(-Z方向)に突出する凸部115が形成されている。凸部115は、板状に形成され、2つ設けられている。
【0111】
ユニット用ベース120は、例えば、金属からなり、好ましくは、アルミニウムからなる。ただし、ユニット用ベース120の素材は、これに限られない。ユニット用ベース120は、金属以外の素材からなっていてもよい。ユニット用ベース120は、図40図42に示すように、Y軸方向を長手方向とする略直方体状に形成されている。ユニット用ベース120の-Y側の端部には、衝撃緩和部材131を嵌め込むことが可能な被嵌め込み部121aが形成されている。ユニット用ベース120の+Y側の端部には、衝撃緩和部材132を嵌め込むことが可能な被嵌め込み部121bが形成されている。また、ユニット用ベース120には、Z軸方向に貫通する貫通孔122が4つ形成されている。貫通孔122は、例えば、ボルト、ねじ等の留め具が挿入されることで、ユニット用ベース120を、移動体40の上面40bに固定するために用いられる。ユニット用ベース120の-Y側の端部には、ユニット用ベース120の底面から-Z方向に突出する突出部123aが形成されている。同様に、ユニット用ベース120の+Y側の端部には、ユニット用ベース120の底面から-Z方向に突出する突出部123bが形成されている。突出部123a、123bは、移動体40にユニット用ベース120を取り付ける際に、移動体40の上面40bに対するユニット用ベース120のY軸方向の位置決めをするために用いられる。
【0112】
また、ユニット用ベース120には、その上面(+Z側の面)において窪む凹部125が形成されている。凹部125は、干渉防止部材ユニット110の中央連結部分111の凸部115が嵌ることで、ユニット用ベース120に対する干渉防止部材ユニット110の位置を規定するために形成されている。
【0113】
衝撃緩和部材131(一方側の衝撃緩和部材)は、図39及び図40に示すように、移動体40が-Y方向に移動して、第1の一方側中間サポート部材51に当接した場合の衝撃を緩和するために用いられる。衝撃緩和部材131は、実施の形態1における被当接部分42の代わりに設けられている。衝撃緩和部材131は、被嵌め込み部121aに嵌め込まれている。更に、+Z側からプレート131aが取り付けられ、ボルト、ねじ等の留め具131bにより、プレート131aがユニット用ベース120に固定されることで、衝撃緩和部材131はユニット用ベース120に固定される。衝撃緩和部材131は、弾性の素材より形成されている。衝撃緩和部材131は、例えば、実施の形態1に係る衝撃緩和部材91~94の素材と同じ素材より形成されている。衝撃緩和部材131は、そのXY断面がT字形状となるように形成されている。また、プレート131aは、剛性の高い素材からなり、例えば、金属からなる。
【0114】
衝撃緩和部材132(他方側の衝撃緩和部材)は、移動体40が+Y方向に移動して、第1の他方側中間サポート部材52に当接した場合の衝撃を緩和するために用いられる。衝撃緩和部材132は、実施の形態1における被当接部分43の代わりに設けられている。衝撃緩和部材132は、被嵌め込み部121bに嵌め込まれている。更に、+Z側からプレート132aが取り付けられ、ボルト、ねじ等の留め具132bにより、プレート132aがユニット用ベース120に固定されることで、衝撃緩和部材132はユニット用ベース120に固定される。衝撃緩和部材132は、弾性の素材より形成されている。衝撃緩和部材132は、例えば、実施の形態1に係る衝撃緩和部材91~94の素材と同じ素材より形成されている。衝撃緩和部材132は、そのXY断面がT字形状となるように形成されている。また、プレート132aは、剛性の高い素材からなり、例えば、金属からなる。
【0115】
上述した干渉防止部材ユニット110、ユニット用ベース120、及び、衝撃緩和部材131、132は、互いに固定されている。そして、互いに固定されたこれらは、移動体40に対して、ボルト、ねじ等の留め具によって取り付けられている。これにより、干渉防止部材ユニット110、ユニット用ベース120、及び、衝撃緩和部材131、132は、移動体40に対して、脱着可能な一つのユニット300として構成されている。
【0116】
以上、説明したように、本実施の形態11に係るアクチュエータ200においては、図38及び図39に示すように、干渉防止部材ユニット110、ユニット用ベース120、及び、衝撃緩和部材131、132は、移動体40に対して、脱着可能な一つのユニット300として構成されている。このため、作業者は、ユニット300を移動体40から容易に外すことができる。これにより、比較的劣化しやすい素材からなる干渉防止部材ユニット110及び衝撃緩和部材131、132を容易に交換することができる。ひいては、アクチュエータ200のメンテナンスの作業効率を向上させることができる。また、アクチュエータ200の組立て効率を向上させることができる。また、このアクチュエータ200においても、本実施の形態1と同等の効果を有することができる。
【0117】
本実施の形態11においては、干渉防止部材ユニット110の中央連結部分111には、凸部115が形成されている。そして、ユニット用ベース120には、凸部115が嵌る凹部125が形成されている。しかしながら、これに限られない。例えば、干渉防止部材ユニット110の中央連結部分111には、凹部が形成され、ユニット用ベース120には、凸部が形成されていてもよい。
【0118】
また、本実施の形態11においては、第1干渉防止部材70は、第2干渉防止部材80と一体に形成されることで、一つの干渉防止部材ユニット110として構成されている。しかしながら、これに限られない。第1干渉防止部材70は、第2干渉防止部材80とは別体に形成されて、それぞれが、ユニット用ベース120に取り付けられていてもよい。
【0119】
また、本実施の形態11においては、第1干渉防止部材70は、第2部分72と第4部分74とを有する。しかしながら、第2部分72と第4部分74とのうち、少なくとも一つが割愛されていてもよい。
【0120】
また、本実施の形態11においては、第2干渉防止部材80は、第2部分82と第4部分84とを有する。しかしながら、第2部分82と第4部分84とのうち、少なくとも一つが割愛されていてもよい。
【0121】
実施の形態12.
上記実施の形態2では、図25に示すように、第1干渉防止部材70は、移動体40に直接的に設けられている。しかしながら、これに限られない。第1干渉防止部材70は、ユニット用ベース120を介して、移動体40に間接的に設けられていてもよい。そして、第1干渉防止部材70は、ユニット用ベース120に取り付けられることにより、移動体40に対して、脱着可能な一つのユニット300として構成されていてもよい。以下、実施の形態12に係るアクチュエータ201について、図43図47を用いて説明する。なお、アクチュエータ201において、アクチュエータ2と同一又は同等の構成については、同一の符号を用いて、その説明を省略する。
【0122】
アクチュエータ201は、図43及び図44に示すように、上述した移動体40、第1中間サポートユニット50、第1干渉防止部材70等に加えて、更に、ユニット用ベース120と、衝撃緩和部材131(一方側の衝撃緩和部材)と、衝撃緩和部材132(他方側の衝撃緩和部材)とを備える。
【0123】
第1干渉防止部材70には、その第3部分73において、図45図47に示すように、ユニット用ベース120に嵌め込むことが可能な形状の被嵌め込み部76が形成されている。また、第1干渉防止部材70には、上方(+Z方向)に突出する突起112が形成されている。この突起112は、メインカバー32が撓んだ場合において、移動体40又はユニット用ベース120と、メインカバー32との干渉を防止するために形成されている。また、第1干渉防止部材70には、Z軸方向に貫通する貫通孔が形成されている。この貫通孔は、例えば、ボルト、ねじ等の留め具110aが挿入されることで、第1干渉防止部材70を、ユニット用ベース120に固定するために用いられる。
【0124】
また、第1干渉防止部材70には、その被嵌め込み部76の内部において、下方(-Z方向)に突出する凸部115が形成されている。凸部115は、板状に形成され、2つ設けられている。
【0125】
ユニット用ベース120は、実施の形態11のものと同等のものである。
【0126】
また、ユニット用ベース120には、その上面(+Z側の面)において窪む凹部125が形成されている。凹部125は、第1干渉防止部材70の凸部115が嵌ることで、ユニット用ベース120に対する第1干渉防止部材70の位置を規定するために用いられる。
【0127】
衝撃緩和部材131(一方側の衝撃緩和部材)及び衝撃緩和部材132(他方側の衝撃緩和部材)は、実施の形態11のものと同等のものである。
【0128】
上述した第1干渉防止部材70、ユニット用ベース120、及び、衝撃緩和部材131、132は、互いに固定されている。そして、互いに固定されたこれらは、移動体40に対して、ボルト、ねじ等の留め具によって取り付けられている。これにより、第1干渉防止部材70、ユニット用ベース120、及び、衝撃緩和部材131、132は、移動体40に対して、脱着可能な一つのユニット300として構成されている。
【0129】
以上、説明したように、本実施の形態11に係るアクチュエータ201においては、図43及び図44に示すように、第1干渉防止部材70、ユニット用ベース120、及び、衝撃緩和部材131、132は、移動体40に対して、脱着可能な一つのユニット300として構成されている。このため、作業者は、ユニット300を移動体40から容易に外すことができる。これにより、比較的劣化しやすい素材からなる第1干渉防止部材70及び衝撃緩和部材131、132を容易に交換できる。ひいては、アクチュエータ201のメンテナンスの作業効率を向上させることができる。また、アクチュエータ201の組立て効率を向上させることができる。また、このアクチュエータ201においても、本実施の形態2と同等の効果を有することができる。
【0130】
また、本実施の形態12においては、第1干渉防止部材70は、第2部分72と第4部分74と第5部分75を有する。しかしながら、第2部分72と第4部分74と第5部分75のうち、少なくとも一つが割愛されていてもよい。
【0131】
更にその他の変形例
また、上記実施の形態では、衝撃緩和部材91は、図48(A)に示すように、Z軸方向に視て、略三角形状の部分を有している。しかしながら、衝撃緩和部材91は、Y軸方向における先端が先細り形状に形成されていれば、これに限られない。例えば、衝撃緩和部材91は、図48(B)に示すように、Z軸方向に視て、半円形状の部分を有していてもよい。更に、図48(C)に示すように、衝撃緩和部材91には、Z軸方向に貫通する孔91cが形成され、先端部分を柔らかくすることにより、接触開始時の弾性変形が小さく、それ以降の弾性変形が徐々に大きくなるように形成されていてもよい。また、図48(D)に示すように、衝撃緩和部材91は、Z軸方向に視て、角のアールを比較的大きくした略四角形状の部分を有し、且つ、この略四角形状の部分に孔91cが形成されてもよい。また、図48(C)に示す衝撃緩和部材91の孔91cがX軸方向に長い楕円であったのに対し、図48(E)に示すように、衝撃緩和部材91は、Y軸方向に長い長孔からなる孔91cが形成された半円形状の部分を有するようにしてもよい。また、図48(F)に示すように、衝撃緩和部材91は、樹脂からなり、Y軸方向に突出するアーチ部分91dと、アーチ部分91dの素材よりも硬い素材からなるブロック部分91eとを組み合わせたものであってもよい。なお、衝撃緩和部材92~94についても、図48(B)~(F)に示す形状を適用してもよい。
【0132】
また、実施の形態11、12に係る衝撃緩和部材131、132についても、図48(A)~(F)に示す形状を適用してもよい。
【0133】
また、上記実施の形態では、アクチュエータハウジングに、モータのモータカバーが直接固定されているものとして例示されている。しかしながら、これに限られない。アクチュエータは、ベルトが、モータ10の出力軸の回転運動を、ボールネジのボールネジ軸に伝達する、折り返しタイプのアクチュエータであってもよい。
【0134】
本実施の形態において、衝撃緩和部材91~94、37、38は、図5図9、及び図11に示すように、中間サポート部材51、52、61、62、フロントブラケット33、リアブラケット34にそれぞれ設けられている。しかしながら、これに限られない。衝撃緩和部材91~94、37、38は、移動体40に設けられていてもよい。この場合、例えば、衝撃緩和部材91~94、37、38は、移動体40の被当接部分42、43が設けられている位置に、被当接部分42、43に代えて設けられる。
【0135】
また、本実施の形態11、12において、図38及び図43に示すように、ユニット300は、移動体40に取り付けられている。しかしながら、これに限られない。ユニット300は、第1の一方側中間サポート部材51、第1の他方側中間サポート部材52、第2の一方側中間サポート部材61、第2の他方側中間サポート部材62の少なくともいずれかに取り付けられていてもよい。
【0136】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。ただし、以下の付記に限られるものではない。
【0137】
(付記1に係る発明が解決しようとする課題)
特許文献1に記載のアクチュエータにおいては、ねじ軸の撓みを抑制するために設けられている一対の支持部材などのメンテナンス作業をする場合、作業者は、先ず、フロントのハウジングやリアのハウジング、その他の部品をねじ軸から外す。その後、支持部材をねじ軸から引き抜き、メンテナンス作業を行う必要がある。このため、アクチュエータのメンテナンスの作業効率が低いという課題があった。
【0138】
付記1に係る発明は、上述の事情の下になされたもので、メンテナンスの作業効率を向上させることができるアクチュエータを提供することを目的とする。
【0139】
[付記1-1]
モータ(10)の回転軸(出力軸10a)の回転運動と共に回転運動を行うボールネジ軸(21)と、前記ボールネジ軸(21)の回転運動に伴って直線運動を行うボールネジナット(22)と、を有するボールネジ(20)と、
前記ボールネジナット(22)に接続され、前記ボールネジナット(22)の前記直線運動と共に移動する移動体(40)と、
前記移動体(40)に対してその移動方向(D1)における一方側(先端側、-Y側)に配置されている第1の一方側中間サポート部材(51)を有し、前記移動体(40)が、前記第1の一方側中間サポート部材(51)に当接して、前記移動体(40)と共に移動する第1中間サポートユニット(50)と、
を備え、
前記第1の一方側中間サポート部材(51)は、前記移動方向(D1)に貫通すると共に、前記ボールネジ軸(21)が挿通される第1貫通孔(51-1a)と、前記第1貫通孔(51-1a)から外部まで切り欠かれている第1切欠き部(51-1b)と、が形成されている第1本体部(51-1)を有し、
前記第1の一方側中間サポート部材(51)は、前記第1切欠き部(51-1b)に前記ボールネジ軸(21)を通過させることにより前記ボールネジ軸(21)から脱着可能に構成されている、アクチュエータ。
【0140】
[付記1-2]
前記第1の一方側中間サポート部材(51)は、前記第1貫通孔(51-1a)に配置されると共に、前記ボールネジ軸(21)の外周上を摺動する円筒部材(51-2)を有する、付記1-1に記載のアクチュエータ。
【0141】
[付記1-3]
前記第1の一方側中間サポート部材(51)は、前記移動方向(D1)に貫通し、前記円筒部材(51-2)が嵌め込まれる円筒部材用孔(51-3a)が形成され、前記第1貫通孔(51-1a)に嵌め込まれ、前記第1本体部(51-1)に前記円筒部材(51-2)を固定するための固定部材(51-3)を有し、
前記円筒部材(51-2)は、樹脂より形成され、前記固定部材(51-3)は、金属より形成されている、付記1-2に記載のアクチュエータ。
【0142】
[付記1-4]
前記移動方向(D1)に沿って設けられている溝が形成されていると共に、前記移動体(40)を移動可能に支持にするベース(31)を有するアクチュエータハウジング(30)を備え、
前記第1の一方側中間サポート部材(51)は、前記溝を転動する転動部材を有することで、前記移動体(40)と共に移動可能に前記ベース(31)に支持され、
前記転動部材は、前記溝に嵌る第1位置と、前記溝から外れる第2位置と、に変更可能に設けられている、付記1-1から付記1-3のいずれか一つに記載のアクチュエータ。
【0143】
[付記1-5]
前記移動体(40)を移動可能に支持にすると共に、前記移動方向(D1)に沿って設けられている溝が形成されたベース(31)を有するアクチュエータハウジング(30)を備え、
前記第1の一方側中間サポート部材(51)は、前記溝を摺動する摺動部材を有することで、前記移動体(40)と共に移動可能に前記ベース(31)に支持され、
前記摺動部材は、前記溝に嵌る第1位置と、前記溝から外れる第2位置と、に変更可能に設けられている、付記1-1から付記1-3のいずれか一つに記載のアクチュエータ。
【0144】
[付記1-6]
前記第1中間サポートユニット(50)は、前記移動体(40)に対して前記移動方向(D1)における他方側(基端側、+Y側)に配置されている第1の他方側中間サポート部材(52)と、前記第1の一方側中間サポート部材(51)と前記第1の他方側中間サポート部材(52)とを連結する第1連結部材(53)と、を有し、
前記第1の他方側中間サポート部材(52)は、前記移動方向(D1)に貫通すると共に、前記ボールネジ軸(21)が挿通される第2貫通孔(52-1a)と、前記第2貫通孔(52-1a)から外部まで切り欠かれている第2切欠き部(52-1b)と、が形成されている第2本体部(52-1)を有し、
前記第1の他方側中間サポート部材(52)は、前記第2切欠き部(52-1b)を前記ボールネジ軸(21)が通過することにより前記ボールネジ軸(21)から脱着可能に構成されている、付記1-1から付記1-5のいずれか一つに記載のアクチュエータ。
【0145】
(付記1に係る発明の効果)
付記1に係るアクチュエータにおいては、第1の一方側中間サポート部材の本体部に、貫通孔から外部まで切り欠かれている切欠き部が形成されている。このため、ボールネジ軸を切欠き部に通過させることにより、本体部をボールネジ軸から外すことができる。これにより、アクチュエータのメンテナンスの作業効率を向上させることができる。
【0146】
(付記2に係る発明が解決しようとする課題)
特許文献1に記載のアクチュエータにおいては、移動体(インナブロック)と、ねじ軸の撓みを抑制するために設けられている一対の支持部材とが当接する際に、衝撃音が生ずるおそれがある。特に、移動体(インナブロック)の移動方向が垂直となるように、アクチュエータを設置した場合、移動体(インナブロック)が下方に移動すると、重力によって勢いが増し、衝撃音が更に大きくなるおそれがある。このため、衝撃音を抑制できるアクチュエータが望まれる。
【0147】
付記2に係る発明は、上述の事情の下になされたもので、静音化を実現することを目的とする。
【0148】
[付記2-1]
モータ(10)の回転軸(出力軸10a)の回転運動と共に回転運動を行うボールネジ軸(21)と、前記ボールネジ軸(21)の回転運動に伴って直線運動を行うボールネジナット(22)と、を有するボールネジ(20)と、
前記ボールネジナット(22)に接続され、前記ボールネジナット(22)の前記直線運動と共に移動する移動体(40)と、
前記移動体(40)に対してその移動方向(D1)における一方側(先端側、-Y側)に配置されている第1の一方側中間サポート部材(51)を有し、前記移動体(40)が、前記第1の一方側中間サポート部材(51)に当接して、前記移動体(40)と共に移動する第1中間サポートユニット(50)と、
前記移動体(40)と前記第1の一方側中間サポート部材(51)との少なくとも一方に設けられ、前記移動体(40)と前記第1の一方側中間サポート部材(51)との当接の衝撃を吸収し、弾性の素材より形成され、先細り形状に形成されている第1衝撃緩和部材(91)と、
を備える、アクチュエータ。
【0149】
[付記2-2]
前記第1中間サポートユニット(50)は、前記移動体(40)に対して前記移動方向(D1)における他方側(基端側、+Y側)に配置されている第1の他方側中間サポート部材(52)と、前記第1の一方側中間サポート部材(51)と前記第1の他方側中間サポート部材(52)とを連結する第1連結部材(53)と、を有し、前記移動体(40)が、前記第1の他方側中間サポート部材(52)に当接して、前記移動体(40)と共に移動し、
前記アクチュエータは、前記移動体(40)と前記第1の他方側中間サポート部材(52)との少なくとも一方に設けられ、前記移動体(40)と前記第1の他方側中間サポート部材(52)との当接の衝撃を吸収し、弾性の素材より形成され、先細り形状に形成されている第3衝撃緩和部材(92)を備える、付記2-1に記載のアクチュエータ。
【0150】
[付記2-3]
前記第1の一方側中間サポート部材(51)に対して前記一方側(先端側、-Y側)に配置されている第2の一方側中間サポート部材(61)を有し、前記第1の一方側中間サポート部材(51)が前記第2の一方側中間サポート部材(61)に当接して、前記第1中間サポートユニット(50)と共に移動する第2中間サポートユニット(60)と、
前記第1の一方側中間サポート部材(51)と前記第2の一方側中間サポート部材(61)との少なくとも一方に設けられ、前記第1の一方側中間サポート部材(51)と前記第2の一方側中間サポート部材(61)との当接の衝撃を吸収し、弾性の素材より形成され、先細り形状に形成されている第2衝撃緩和部材(93)と、
を備える、付記2-2に記載のアクチュエータ。
【0151】
[付記2-4]
前記第2中間サポートユニット(60)は、前記第1の他方側中間サポート部材(52)に対して前記他方側(基端側、+Y側)に配置されている第2の他方側中間サポート部材(62)と、前記第2の一方側中間サポート部材(61)と前記第2の他方側中間サポート部材(62)とを連結する第2連結部材(63)と、を有し、前記第1の他方側中間サポート部材(52)が、前記第2の他方側中間サポート部材(62)に当接して、前記第1中間サポートユニット(50)と共に移動し、
前記アクチュエータは、前記第1の他方側中間サポート部材(52)と前記第2の他方側中間サポート部材(62)との少なくとも一方に設けられ、前記第1の他方側中間サポート部材(52)と前記第2の他方側中間サポート部材(62)との当接の衝撃を吸収し、弾性の素材より形成され、先細り形状に形成されている第4衝撃緩和部材(94)を備える、付記2-3に記載のアクチュエータ。
【0152】
(付記2に係る発明の効果)
付記2に係るアクチュエータは、移動体(40)と第1の一方側中間サポート部材(51)との少なくとも一方に第1衝撃緩和部材(91)が設けられている。このため、第1衝撃緩和部材(91)が、移動体(40)と第1中間サポートユニット(50)との当接の衝撃を吸収する。これにより、移動体(40)と第1中間サポートユニット(50)との当接に基づく衝突音を低減することができる。この結果、アクチュエータの静音化を実現することができる。
【0153】
(付記3に係る発明が解決しようとする課題)
特許文献1に記載のものにおいては、移動体がスライド移動する際に、移動体と支持部材同士を連結する連結部材とが干渉するおそれがある。この結果、移動体の円滑な移動が阻害される。
【0154】
付記3に係る発明は、上述の事情の下になされたもので、移動体を円滑に移動することができるアクチュエータを提供することを目的とする。
【0155】
[付記3-1]
モータの回転軸の回転運動と共に回転運動を行うボールネジ軸と、前記ボールネジ軸の回転運動に伴って直線運動を行うボールネジナットと、を有するボールネジと、
前記ボールネジナットに接続され、前記ボールネジナットの前記直線運動と共に移動する移動体と、
前記移動体に対してその移動方向における一方側に配置されている第1の一方側中間サポート部材と、前記移動体に対して前記移動方向における他方側に配置されている第1の他方側中間サポート部材と、前記第1の一方側中間サポート部材と前記第1の他方側中間サポート部材とを連結する第1連結部材と、を有し、前記移動体が、前記第1の一方側中間サポート部材及び前記第1の他方側中間サポート部材のいずれかに当接して、前記移動体と共に移動する第1中間サポートユニットと、
前記移動体に設けられ、前記第1連結部材と少なくとも前記移動体との干渉を防止するための第1干渉防止部材と、
を備える、アクチュエータ。
【0156】
[付記3-2]
前記第1干渉防止部材は、前記第1連結部材から視て前記移動体が設けられている側に形成されている第1部分を有する、付記3-1に記載のアクチュエータ。
【0157】
[付記3-3]
前記第1干渉防止部材は、前記第1連結部材から視て前記移動体が設けられている側とは反対側に形成されている第2部分を有する、付記3-1又は付記3-2に記載のアクチュエータ。
【0158】
[付記3-4]
前記第1の一方側中間サポート部材に対して前記一方側に配置されている第2の一方側中間サポート部材と、前記第1の他方側中間サポート部材に対して前記他方側に配置されている第2の他方側中間サポート部材と、前記第2の一方側中間サポート部材と前記第2の他方側中間サポート部材とを連結する第2連結部材と、を有し、前記第1の一方側中間サポート部材が前記第2の一方側中間サポート部材に当接して、又は、前記第1の他方側中間サポート部材が前記第2の他方側中間サポート部材に当接して、前記第1中間サポートユニットと共に移動する第2中間サポートユニットを備え、
前記第1干渉防止部材は、前記移動体と前記第2連結部材との干渉を防止すると共に、前記第1連結部材と前記第2連結部材との干渉を防止するように形成されている、付記3-1から付記3-3のいずれか一つに記載のアクチュエータ。
【0159】
[付記3-5]
前記第1干渉防止部材は、前記第1連結部材と前記第2連結部材との間に形成されている第3部分を有する、付記3-4に記載のアクチュエータ。
【0160】
[付記3-6]
前記第1干渉防止部材は、前記第2連結部材から視て前記第1連結部材が設けられている側とは反対側に形成されている第4部分を有する、付記3-4又は付記3-5に記載のアクチュエータ。
【0161】
[付記3-7]
前記第1干渉防止部材は、前記第1連結部材から視て前記第2連結部材が設けられている側とは反対側に形成されている第5部分を有する、付記3-4から付記3-6のいずれか一つに記載のアクチュエータ。
【0162】
[付記3-8]
前記移動体の少なくとも一部と前記ボールネジとを覆うアクチュエータハウジングを備え、
前記第1干渉防止部材は、前記第1連結部材と前記アクチュエータハウジングとの干渉を防止するように形成されている、付記3-1から付記3-7のいずれか一つに記載のアクチュエータ。
【0163】
[付記3-9]
前記移動体は、前記アクチュエータハウジングが有する隙間から外部に突出すると共に、前記移動体と共に移動するスライドテーブルを取り付けることが可能なテーブル取付け部を有し、
前記第1干渉防止部材は、前記第1連結部材と前記テーブル取付け部との干渉を防止するように形成されている、付記3-8に記載のアクチュエータ。
【0164】
[付記3-10]
前記第1中間サポートユニットは、前記第1の一方側中間サポート部材と前記第1の他方側中間サポート部材とを、前記第1連結部材と共に連結する第3連結部材を有し、
前記アクチュエータは、前記移動体に設けられ、前記第3連結部材と少なくとも前記移動体との干渉を防止するための第2干渉防止部材を備える、付記3-1から付記3-9のいずれか一つに記載のアクチュエータ。
【0165】
[付記3-11]
前記第1干渉防止部材は、前記第2干渉防止部材と一体に形成されることで、一つの干渉防止部材ユニットとして構成されている、付記3-10に記載のアクチュエータ。
【0166】
[付記3-12]
前記移動体に取り付けられると共に、前記干渉防止部材ユニットが取り付けられているユニット用ベースと、
前記ユニット用ベースに取り付けられ、前記移動体と前記第1の一方側中間サポート部材との当接の衝撃を吸収し、弾性の素材より形成されている一方側の衝撃緩和部材と、
を備え、
前記干渉防止部材ユニット、前記ユニット用ベース、及び前記一方側の衝撃緩和部材は、前記移動体に対して、脱着可能な一つのユニットとして構成されている、付記3-11に記載のアクチュエータ。
【0167】
[付記3-13]
前記ユニット用ベースに取り付けられ、前記移動体と前記第1の他方側中間サポート部材との当接の衝撃を吸収し、弾性の素材より形成されている他方側の衝撃緩和部材を備え、
前記他方側の衝撃緩和部材は、前記干渉防止部材ユニットと共に、前記移動体に対して、脱着可能な一つのユニットとして構成されている、付記3-12に記載のアクチュエータ。
【0168】
[付記3-14]
前記第1中間サポートユニットは、前記第1の一方側中間サポート部材と前記第1の他方側中間サポート部材とを、前記第1連結部材と共に連結する第3連結部材を有し、
前記第1干渉防止部材は、前記第1連結部材と前記第3連結部材との干渉を防止するように形成されている、付記3-1から付記3-3のいずれか一つに記載のアクチュエータ。
【0169】
[付記3-15]
前記移動体に取り付けられると共に、前記第1干渉防止部材が取り付けられているユニット用ベースと、
前記ユニット用ベースに取り付けられ、前記移動体と前記第1の一方側中間サポート部材との当接の衝撃を吸収し、弾性の素材より形成されている一方側の衝撃緩和部材と、
を備え、
前記第1干渉防止部材、前記ユニット用ベース、及び前記一方側の衝撃緩和部材は、前記移動体に対して、脱着可能な一つのユニットとして構成されている、付記3-14に記載のアクチュエータ。
【0170】
[付記3-16]
前記ユニット用ベースに取り付けられ、前記移動体と前記第1の他方側中間サポート部材との当接の衝撃を吸収し、弾性の素材より形成されている他方側の衝撃緩和部材を備え、
前記他方側の衝撃緩和部材は、前記第1干渉防止部材と共に、前記移動体に対して、脱着可能な一つのユニットとして構成されている、付記3-15に記載のアクチュエータ。
【0171】
[付記3-17]
モータの回転軸の回転運動と共に回転運動を行うボールネジ軸と、前記ボールネジ軸の回転運動に伴って直線運動を行うボールネジナットと、を有するボールネジと、
前記ボールネジナットに接続され、前記ボールネジナットの前記直線運動と共に移動する移動体と、
前記移動体に対してその移動方向における一方側に配置されている第1の一方側中間サポート部材と、前記移動体に対して前記移動方向における他方側に配置されている第1の他方側中間サポート部材と、前記第1の一方側中間サポート部材と前記第1の他方側中間サポート部材とを連結する第1連結部材と、を有し、前記移動体が、前記第1の一方側中間サポート部材及び前記第1の他方側中間サポート部材のいずれかに当接して、前記移動体と共に移動する第1中間サポートユニットと、
前記第1の一方側中間サポート部材に対して前記一方側に配置されている第2の一方側中間サポート部材と、前記第1の他方側中間サポート部材に対して前記他方側に配置されている第2の他方側中間サポート部材と、前記第2の一方側中間サポート部材と前記第2の他方側中間サポート部材とを連結する第2連結部材と、を有し、前記第1の一方側中間サポート部材が前記第2の一方側中間サポート部材に当接して、又は、前記第1の他方側中間サポート部材が前記第2の他方側中間サポート部材に当接して、前記第1中間サポートユニットと共に移動する第2中間サポートユニットと、
前記第1の一方側中間サポート部材及び前記第1の他方側中間サポート部材の少なくとも一方に設けられ、前記第2連結部材と少なくとも前記移動体との干渉を防止するための第1干渉防止部材と、
を備える、アクチュエータ。
【0172】
[付記3-18]
前記第1干渉防止部材は、前記第1連結部材から視て前記移動体が設けられている側に形成されている第1部分を有する、付記3-17に記載のアクチュエータ。
【0173】
[付記3-19]
前記第1干渉防止部材は、前記第1連結部材から視て前記移動体が設けられている側とは反対側に形成されている第2部分を有する、付記3-17又は付記3-18に記載のアクチュエータ。
【0174】
[付記3-20]
前記第1干渉防止部材は、前記第1連結部材と前記第2連結部材との間に形成されている第3部分を有する、付記3-17から付記3-19のいずれか一つに記載のアクチュエータ。
【0175】
[付記3-21]
前記第1干渉防止部材は、前記第2連結部材から視て前記第1連結部材が設けられている側とは反対側に形成されている第4部分を有する、付記3-17から付記3-20のいずれか一つに記載のアクチュエータ。
【0176】
[付記3-22]
前記第1干渉防止部材は、前記第1連結部材から視て前記第2連結部材が設けられている側とは反対側に形成されている第5部分を有する、付記3-17から付記3-21のいずれか一つに記載のアクチュエータ。
【0177】
[付記3-23]
前記回転軸を有する前記モータを備える、付記3-1から付記3-22のいずれか一つに記載のアクチュエータ。
【0178】
(付記3に係る発明の効果)
付記3に係る発明に係るアクチュエータは、第1連結部材と少なくとも移動体との干渉を防止するための第1干渉防止部材を備える。これにより、連結部材との干渉に起因して、移動体の移動が阻害されることないため、移動体を円滑に移動することができるアクチュエータを提供することができる。
【0179】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0180】
1,2,3,4,5,6,7,8,9A,9B,100,200,201:アクチュエータ
10:モータ
10a:出力軸(回転軸)
10b,23:カップリング
11:モータ本体
12:モータカバー
12c:エンドカバー
13:制御基板
14:エンコーダ
20:ボールネジ
21:ボールネジ軸
21a,21b:小径部
22:ボールネジナット
30:アクチュエータハウジング
31:ベース
31R,31L:側壁部分
31a:底部分
31b:転動体用ガイドレール
31c:溝
31d:孔
32:メインカバー(スクリューカバー)
33:フロントブラケット
34:リアブラケット
34a:ベアリング
34b:貫通孔
35:連結部分カバー
36:隙間
37,38:衝撃緩和部材
40:移動体
40a:貫通孔
40b:上面
41:テーブル取付け部
42,43:被当接部分
50:第1中間サポートユニット
51:第1の一方側中間サポート部材
51-1:本体部(第1本体部)
51-1a:貫通孔(第1貫通孔)
51-1b:切欠き部(第1切欠き部)
51-2:スライドブッシュ(円筒部材)
51-3:スライドブッシュサポート(固定部材)
51-3a:孔(円筒部材用孔)
51-4a:ローラ(転動部材)
51-4b,51-4c:ローラ
51-5:アジャストプレート
51-6:被嵌め込み部
52:第1の他方側中間サポート部材
52-1:本体部(第2本体部)
52-1a:貫通孔(第2貫通孔)
52-1b:切欠き部(第2切欠き部)
52-2:スライドブッシュ(円筒部材)
52-3:スライドブッシュサポート(固定部材)
52-4a:ローラ(転動部材)
52-4b,52-4c:ローラ
52-5:アジャストプレート
52-6:被嵌め込み部
53:連結部材(第1連結部材)
54:連結部材(第3連結部材)
60:第2中間サポートユニット
61:第2の一方側中間サポート部材
61-1:本体部
61-1a:貫通孔
61-1b:切欠き部
61-2:スライドブッシュ
61-3:スライドブッシュサポート
61-4a:ローラ(転動部材)
61-4b,61-4c:ローラ
61-5:アジャストプレート
61-6:被嵌め込み部
62:第2の他方側中間サポート部材
62-1:本体部
62-1a:貫通孔
62-1b:切欠き部
62-2:スライドブッシュ
62-3:スライドブッシュサポート
62-4a:ローラ(転動部材)
62-4b,62-4c:ローラ
62-5:アジャストプレート
62-6:被嵌め込み部
63:連結部材(第2連結部材)
64:連結部材(第4連結部材)
70:第1干渉防止部材
70a:連結部材配置空間
71:第1部分
72:第2部分
73:第3部分
74:第4部分
75:第5部分
76:被嵌め込み部
80:第2干渉防止部材
80a:連結部材配置空間
81:第1部分
82:第2部分
83:第3部分
84:第4部分
85:第5部分
91,92,93,94:衝撃緩和部材
91-1,92-1,93-1,94-1:衝撃緩和部材本体
91-2,92-2,93-2,94-2:基部
91a,92a,93a,94a:プレート
91b,92b,93b,94b:留め具
91c:孔
91d:アーチ部分
91e:ブロック部分
110:干渉防止部材ユニット
110a:留め具
111:中央連結部分
112:突起
115:凸部
120:ユニット用ベース
121a,121b:被嵌め込み部
122:貫通孔
123a,123b:突出部
125:凹部
131:衝撃緩和部材(一方側の衝撃緩和部材)
131a,132a:プレート
131b,132b:留め具
132:衝撃緩和部材(他方側の衝撃緩和部材)
300:ユニット
T:スライドテーブル
D1:移動方向
L1,L2,L3:支点間距離
A1,A2,A3,A4:矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47
図48