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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096510
(43)【公開日】2024-07-16
(54)【発明の名称】戸板密着機構及びそれを含む戸
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/18 20060101AFI20240708BHJP
   E06B 7/215 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
E06B7/18 A
E06B7/215
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037090
(22)【出願日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】112100123
(32)【優先日】2023-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】516209256
【氏名又は名称】林 夏森
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】林夏森
【テーマコード(参考)】
2E036
【Fターム(参考)】
2E036AA01
2E036AA02
2E036AA04
2E036AA06
2E036BA01
2E036CA01
2E036DA02
2E036DA16
2E036EB02
2E036FA02
2E036FA04
2E036FB01
2E036GA02
2E036HB12
2E036HC02
2E036HC07
(57)【要約】
【課題】 戸板密着機構及びそれを含む戸を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明は、戸板密着機構及びそれを含む戸に関する。戸板密着機構は、少なくとも1つの作動装置と、密着装置とを含み、作動装置は弾性部材と、摺動部材と、第1連動部材と、第2連動部材とを含み、密着装置は作動装置の第2連動部材に連結される。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性部材と、
前記弾性部材に組み付けられた摺動部材と、
前記摺動部材に組み付けられ、ガイドレールを備えた第1連動部材と、
前記第1連動部材のガイドレールに組み付けられ、前記第1連動部材の前記ガイドレールに対応して設けられた凹溝を備えた第2連動部材とを含む2つの作動装置と、
前記2つの作動装置の前記第2連動部材にそれぞれ連結された密着装置と、
前記2つの作動装置の前記第1連動部材にそれぞれ連結された連動装置と
を含む戸板密着機構。
【請求項2】
前記作動装置は、第1開口部と、第2開口部と、第3開口部とを有する筐体をさらに含み、前記摺動部材は第1開口部に対応し、前記第2連動部材は第2開口部に対応し、かつ前記連動装置は前記第3開口部に貫設される請求項1に記載の戸板密着機構。
【請求項3】
前記作動装置は、筐体は第1チャンバーと、第2チャンバーとを有する筐体をさらに含み、前記弾性部材は前記第1チャンバーに収容され、前記第1連動部材は前記第2チャンバー内に収容される請求項1に記載の戸板密着機構。
【請求項4】
前記摺動部材は、第1貫通孔を備え、前記第1連動部材は前記第1貫通孔に組み付けられる請求項1に記載の戸板密着機構。
【請求項5】
前記摺動部材は、第2貫通孔を備え、前記第1連動部材は第2突起を備え、前記第2突起は前記第2貫通孔に組み付けられる請求項1に記載の戸板密着機構。
【請求項6】
前記摺動部材は、転動部材を備え、前記転動部材の回転軸は前記弾性部材の弾性力の付勢方向に対して垂直である請求項1に記載の戸板密着機構。
【請求項7】
前記第2連動部材は、第1固定具を介して前記第1連動部材の前記ガイドレールに組み付けられる請求項1に記載の戸板密着機構。
【請求項8】
前記密着装置は、第1密着部材と、第2密着部材とを含み、前記第1密着部材は前記密着装置の底面に組み付けられ、前記第2密着部材は前記密着装置の側面に組み付けられる請求項1に記載の戸板密着機構。
【請求項9】
前記第1密着部材及び前記第2密着部材は、ゴム、発泡体又はこれらの組み合わせである請求項8に記載の戸板密着機構。
【請求項10】
前記連動装置は、第1ロッドと、第2ロッドと、調整部材とをさらに含み、前記第1ロッドは前記2つの作動装置のうちの1つの前記第1連動部材と連結し、前記第2ロッドは前記2つの作動装置の他方の前記第1連動部材と連結し、前記調整部材は前記第1ロッドと前記第2ロッドとの間に組み付けられる請求項1に記載の戸板密着機構。
【請求項11】
戸板と、
前記戸板に組み付けられ、
弾性部材と、
前記弾性部材に組み付けられた摺動部材と、
前記摺動部材に組み付けられ、ガイドレールを備えた第1連動部材と、
前記第1連動部材のガイドレールに組み付けられ、前記第1連動部材の前記ガイドレールに対応して設けられた凹溝を備えた第2連動部材とを含む2つの作動装置と、
前記2つの作動装置の前記第2連動部材にそれぞれ連結された密着装置と、
前記2つの作動装置の前記第1連動部材にそれぞれ連結された連動装置とを含む戸板密着機構と
を含む戸。
【請求項12】
前記作動装置は、第1開口部と、第2開口部と、第3開口部とを有する筐体をさらに含み、前記摺動部材は第1開口部に対応し、前記第2連動部材は第2開口部に対応し、かつ前記連動装置は前記第3開口部に貫設される請求項11に記載の戸。
【請求項13】
前記作動装置は、筐体は第1チャンバーと、第2チャンバーとを有する筐体をさらに含み、前記弾性部材は前記第1チャンバーに収容され、前記第1連動部材は前記第2チャンバー内に収容される請求項11に記載の戸。
【請求項14】
前記摺動部材は、第1貫通孔を備え、前記第1連動部材は前記第1貫通孔に組み付けられる請求項11に記載の戸。
【請求項15】
前記摺動部材は、第2貫通孔を備え、前記第1連動部材は第2突起を備え、前記第2突起は前記第2貫通孔に組み付けられる請求項11に記載の戸。
【請求項16】
前記摺動部材は、転動部材を備え、前記転動部材の回転軸は前記弾性部材の弾性力の付勢方向に対して垂直である請求項11に記載の戸。
【請求項17】
前記第2連動部材は、第1固定具を介して前記第1連動部材の前記ガイドレールに組み付けられる請求項11に記載の戸。
【請求項18】
弾性部材と、
前記弾性部材に組み付けられた摺動部材と、
前記摺動部材に組み付けられ、ガイドレールを備えた第1連動部材と、
前記第1連動部材のガイドレールに組み付けられ、前記第1連動部材の前記ガイドレールに対応して設けられた凹溝を備えた第2連動部材とを含む少なくとも1つの作動装置と、
前記第2連動部材に連結された密着装置と、
を含む戸板密着機構。
【請求項19】
前記作動装置の数は、2つである請求項18に記載の戸板密着機構。
【請求項20】
前記戸板密着機構は、前記戸板に結合される請求項18に記載の戸板密着機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸板密着機構及びそれを含む戸に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の戸板は、床面に異物があることによりスムーズに開閉できないことを避けるため、床面と一定の隙間を残し、戸板の開閉に必要な回動スペースを確保する必要がある。またこの隙間の存在は、見栄えに影響する可能性があるだけではなく、消防法規の規定に適合することもできないため、従来の戸板は凸となる敷居を取り付け、戸板を敷居と戸枠に密着させることで、気密、防水、防虫、防煙或いは防火等のニーズを満たす必要がある。
【0003】
しかしながら、前述の先行技術において、戸板と敷居とを互いに合わせる必要があるため、施工難易度が高くなり、かつ敷居の設置が見栄えにも影響を与える可能性がある。なお、日常の使用中において、歩いている時凸となる敷居を蹴ることでつまずきやすくなり、住いの安全に影響を与えていた。
【0004】
従来の戸板には、上述の多くの問題が存在し、上記問題を排除又は緩和するための全く新しい戸板密着機構の提案が急務になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記事情に鑑み、本発明の観点により、戸板に敷居を追加で設ける必要がなく、容易な施工、見栄え、或いは安全等の利点を兼ね備える戸板密着機構を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の戸板密着機構は、2つの作動装置と、密着装置と、連動装置とを含む。作動装置は、弾性部材と、摺動部材と、第1連動部材と、第2連動部材とを含む。前記摺動部材は、弾性部材に組み付けられため、摺動部材が力を受けて移動する時弾性部材を圧縮でき、逆に、摺動部材が力を受けないとき、弾性部材が弾性力を提供して摺動部材を復帰させる。第1連動部材は、摺動部材に組み付けられ、ガイドレールを備え、第2連動部材は第1連動部材のガイドレールに組み付けられ、第1連動部材のガイドレールに対応して設けられた凹溝を備える。なお、密着装置は、前記2つの作動装置の第2連動部材にそれぞれ連結され、連動装置は前記2つの作動装置の第1連動部材にそれぞれ連結されるため、摺動部材は第1連動部材及び連動装置と連動して、第2連動部材を同時に押し、第2連動部材と連結する密着装置を同時に移動させることで、戸板を床面と密着させる。
【0007】
本発明の別の観点により、戸板と、前記戸板密着機構とを含む戸を提案する。戸板密着機構の構造、用途及び効果は、上述のものと同じであるため、ここでその説明を省略する。ここで、戸板密着機構は、戸板に組み付けられ、より詳しく言えば、戸板密着機構は戸板の底部に設けられるが、本発明はこれに限定されず、実際のニーズに応じて戸板密着機構の配置位置を調整できる。
【0008】
本発明において、作動装置は、筐体をさらに含み得、筐体は第1開口部と、第2開口部と、第3開口部とを有することができ、摺動部材は第1開口部に対応でき、第2連動部材は第2開口部に対応でき、かつ連動装置は第3開口部に貫設されることができるが、本発明はこれに限定されない。より詳しく言えば、摺動部材は、第1開口部から突出することも突出しないこともでき、第2連動部材が第2開口部から突出できることで、摺動部材は、戸が閉じられた時戸枠に接触することによって第1連動部材、第2連動部材、連動装置及び密着装置を連動させることができる。
【0009】
本発明において、作動装置は、筐体をさらに含み得、筐体は第1チャンバーと、第2チャンバーとを有することができ、弾性部材は第1チャンバーに収容され得、第1連動部材は第2チャンバー内に収容されてもよいものとするが、本発明はこれに限定されない。
【0010】
本発明において、摺動部材は、第1突起を備えることができ、第1突起は弾性部材に組み付けられが、本発明はこれに限定されず、これにより摺動部材を弾性部材と連動させることができる。
【0011】
本発明において、摺動部材は、第1貫通孔を備えることができ、第1連動部材は第1貫通孔に組み付けられることができるが、本発明はこれに限定されず、これにより摺動部材を第1連動部材と連動させることができる。
【0012】
本発明において、摺動部材は、第2貫通孔を備えることができ、第1連動部材は第2突起を備えることができ、第2突起は第2貫通孔に組み付けられることができるが、本発明はこれに限定されず、これにより第1連動部材の凸部を摺動部材の第1貫通孔に組み付けさせることができる。
【0013】
本発明において、摺動部材は、転動部材を備えることができ、転動部材の回転軸は弾性部材の弾性力の付勢方向に対して垂直であることができるが、本発明はこれに限定されず、これにより転動部材は戸枠に対応して設けられることができ、転動部材が戸枠に接触することによって力を受け、摺動部材を同時に移動させる。本発明において、転動部材は、ユニバーサルボールであり得るが、本発明はこれに限定されない。
【0014】
本発明において、第2連動部材は、第1固定具を介して第1連動部材のガイドレールに組み付けられることができ、第2連動部材は凹溝を備えることができ、凹溝は第1連動部材のガイドレールに対応して設けられることができるが、本発明はこれに限定されず、これにより第2連動部材は第1連動部材のガイドレールに沿って移動でき、第2連動部材と連結する密着装置を同時に移動させることで、戸板を床面と密着させる効果を奏する。
【0015】
本発明において、密着装置は、第1密着部材と、第2密着部材とを含み得、第1密着部材は密着装置の底面に組み付けられることができ、第2密着部材は密着装置の側面に組み付けられることがきるが、本発明はこれに限定されず、これにより密着効果を向上させる。
【0016】
本発明において、第1密着部材及び第2密着部材は、ゴム、発泡体又はこれらの組み合わせであり得るが、本発明はこれに限定されない。
【0017】
本発明において、弾性部材は、ばねであり得るが、本発明はこれに限定されない。
【0018】
本発明において、連動装置は、第1ロッドと、第2ロッドと、調整部材とをさらに含み得、第1ロッドは前記2つの作動装置のうちの1つの第1連動部材と連結でき、第2ロッドは前記2つの作動装置の他方の第1連動部材と連結でき、調整部材は第1ロッドと第2ロッドとの間に組み付けられることができ、これにより摺動部材の受けた力を伝達する。
【0019】
本発明において、戸板と床面との間の隙間は、1~5cm、好ましくは1~4cm、より好ましくは1~3cm、最も好ましくは1~2cmであり得るが、本発明はこれに限定されない。
【0020】
以下、図面を参照しつつ詳細に説明することで、本発明の他の目的、利点及び新規な特徴をより明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る戸板密着機構を示す断面図である。
図2-5】本発明の一実施形態に係る戸板密着機構の作動メカニズムを示す概略図である。
図6】本発明の一実施形態に係る戸板密着機構を示す概略図である。
図7】本発明の一実施形態に係る戸を示す概略図である。
図8】本発明の別の実施形態に係る戸板密着機構を示す断面図である。
図9】本発明の別の実施形態に係る戸板密着機構を示す概略図である。
図10】本発明の別の実施形態に係る戸を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の異なる実施形態を以下に提供する。これらの実施形態は、あくまでも本発明の技術的内容を明らかにするものであって、本発明の権利範囲を限定するものではない。一つの実施形態の特徴は、適切な潤色、置換、組み合わせ、分離を通じてその他の実施形態に応用されることができる。
【0023】
本明細書において、特記しない限り、「1つの」要素を備えることは、単一の要素を備えることに限定されず、1つ以上の要素を備えることができることに留意されたい。
【0024】
なお、本明細書において、特記しない限り、「第1」、「第2」等の序数は、同名の複数の要素を区別するためにのみ使用され、これらの要素間にレベル、階層、執行順序、或いは工程順序があることを意味するものではない。「第1」要素及び「第2」要素は、同じ部材内に一緒に現れる場合もあれば、異なる部材に個別に現れる場合もある。より高い序数を持つ要素の存在は、より低い序数を持つ別の要素の存在を必ずしも示さない。
【0025】
本明細書において、特記しない限り、いわゆる特徴甲「又は」(or)或いは「及び/又は」(and/or)特徴乙は、甲が単独で存在すること、乙が単独で存在すること、若しくは甲と乙が同時に存在することを意味する。いわゆる特徴甲「及び」(and)又は「と」(and)或いは「かつ」(and)特徴乙は、甲と乙が同時に存在することを意味する。いわゆる「包括」、「含む」、「備える」、「含有」は、含むがこれに限定されないことを意味する。
【0026】
なお、本明細書において、いわゆる「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、又は「の間」等の用語は、複数の要素間の相対的な位置を説明するためにのみ使用され、平行移動、回転、又はミラーリングを含む状況に解釈が拡張される場合がある。
【0027】
なお、本明細書において、特記しない限り、「ある要素が別の要素の上にある」又は類似の記述は、必ずしも該要素が該別の要素に接触していることを意味するものではない。
【0028】
(戸板密着機構100の構造)
図1は、本発明の一実施形態に係る戸板密着機構100を示す断面図である。
【0029】
図6は、本発明の一実施形態に係る戸板密着機構100を示す断面図である。
【0030】
図1及び図6に示すように、本実施形態の戸板密着機構100は、第1作動装置10と、第2作動装置10’と、密着装置20と、連動装置30とを含む。第1作動装置10は、筐体1と、弾性部材2と、摺動部材3と、第1連動部材4と、第2連動部材5とを含み、筐体1は第1開口部11と、第2開口部12と、第3開口部13と、第1チャンバー14と、第2チャンバー15とを有し、摺動部材3は第1開口部11から突出され、第2連動部材5は第2開口部12から突出され、連動装置30は第3開口部13に貫設され、第3開口部13が弾性部材2の近くに設けられ、弾性部材2は筐体1の第1チャンバー14内に収容され、第1連動部材4は第2チャンバー15内に収容される。
【0031】
摺動部材3は、第1貫通孔31と、第2貫通孔32と、転動部材33と、第1突起34とを備え、摺動部材3の転動部材33は戸枠92に対応して設けられ、転動部材33の回転軸Rが弾性部材2の弾性力の付勢方向Eに垂直であり、転動部材33の設置を介して戸枠92との接触により力を受けた時に生じる抵抗を減少させることができるため、ユーザー体験を向上させる。なお、摺動部材3の内部にねじ付き調整棒35が設けられ、摺動部材3が力を受けた際の移動距離を微調整するために用いられる。さらに、摺動部材3の第1突起34は、弾性部材2に組み付けられ、第1連動部材4の第2突起43は摺動部材3の第2貫通孔32に組み付けられ、第1連動部材4の凸部42を摺動部材3の第1貫通孔31に組み付けて固定させることができる。本実施形態において、転動部材33は、ユニバーサルボールであるが、これに限定されるものではない。
【0032】
第1連動部材4は、ガイドレール41を備え、第2連動部材5は第1連動部材4のガイドレール41に対応して設けられた凹溝51を備える。第1連動部材4は、第2連動部材5の凹溝51内に設けられ、第2連動部材5は第1固定具71を介して第1連動部材4のガイドレール41に組み付けられる。
【0033】
なお、第2作動装置10’の構造は、第1作動装置10と類似し、同様に筐体1’と、弾性部材2’と、摺動部材3’と、第1連動部材4’と、第2連動部材5’とを含み、筐体1’は、第1開口部11’と、第2開口部12’と、第3開口部13’と、第1チャンバー14’と、第2チャンバー15’とを有し、摺動部材3’は第1貫通孔31’と、第2貫通孔32’と、第1突起34’とを備え、第1連動部材4’はガイドレール41’と、凸部42’と、第2突起43’とを有し、第2連動部材5’は凹溝51’を備え、かつ第2連動部材5’は第1固定具71’を介して第1連動部材4’のガイドレール41’に組み付けられる。
【0034】
上記筐体1’、弾性部材2’、摺動部材3’、第1連動部材4’及び第2連動部材5’の特徴は、それぞれ第1作動装置10内の筐体1、弾性部材2、摺動部材3、第1連動部材4及び第2連動部材5と類似しているため、ここでその説明を省略する。第2作動装置10’と第1作動装置10との相違点は、摺動部材3’が第1開口部11’から突出せず、転動部材33及びねじ付き調整棒35を備えず、第3開口部13’が第1連動部材4’の近くに設けられることである。
【0035】
さらに、密着装置20は、第1作動装置10の第2連動部材5及び第2作動装置10’の第2連動部材5’とそれぞれ連結され、かつ密着装置20は第1密着部材201と、第2密着部材202と、第3密着部材205とを含み、第1密着部材201は密着装置20の底面203に組み付けられ、第2密着部材202は密着装置20の側面204に組み付けられ,第3密着部材205は密着装置20に組み付けられ、第1密着部材201及び第2密着部材202を密封するために用いられる。本実施形態において、密着装置20は、2つの第1密着部材201と、2つの第2密着部材202と、2つの第3密着部材205とを備え、第1密着部材201及び第2密着部材202はゴム、第3密着部材205は気密シールストリップ、弾性部材2はばねである。より詳しく言えば、第1密着部材201及び第2密着部材202は、中空のゴムパッドである。本発明の別の実施形態において、第1密着部材201及び第2密着部材202は、発泡体である。
【0036】
また、連動装置30は、第1ロッド301と、第2ロッド302と、調整部材303とを含み、第1ロッド301は第2固定具3011を介して第1作動装置10の第1連動部材4と連結し、第2ロッド302は第3固定具3021を介して第2作動装置10’の第1連動部材4’と連結し、調整部材303は第1ロッド301と第2ロッド302との間に組み付けられ、調整部材303を微調整することによって、第2作動装置10’の第1連動部材4’の移動距離を調整できることで、密着装置20を均等に移動させ、優れた密着効果を奏することができる。
【0037】
(戸板密着機構100の作動メカニズム)
図2図5は、本発明の一実施形態に係る戸板密着機構100の作動メカニズムを示す概略図である。
【0038】
図2及び図3に示すように、図1を併せて参照すると、この時、戸板91がまだ閉じられていない状態(すなわち、戸板91が開いた状態)であるため、戸板91と床面Fとの間には隙間Gがあり、第1作動装置10の摺動部材3は初期状態にあって、筐体1の第1開口部11から突出され、密着装置20はまだ作動されず、戸板91の内部に収容される。ここで、隙間Gは、2cmである。
【0039】
図4及び図5に示すように、図1を併せて参照すると、この時、戸板91が閉じられた状態(すなわち、戸板91が閉じた状態)であるため、第1開口部11から突出されていた第1作動装置10の摺動部材3上の転動部材33は戸枠92に接触し、転動部材33を介して戸板91を閉じる際の抵抗を減らしてユーザー体験を向上し、摺動部材3を方向D1に沿って移動させて、弾性部材2を圧縮する。なお、第1連動部材4の凸部42は、摺動部材3の第1貫通孔31内に組み付けられ、連動装置30は第1連動部材4、4’とそれぞれ連結するため、摺動部材3は第1連動部材4、4’及び連動装置30と連動し、第1作動装置10の摺動部材3が方向D1に沿って移動する時、第1連動部材4、4’及び連動装置30を方向D1に沿って移動させるよう同時に連動する。また、第2連動部材5、5’は、第1固定具71、71’を介して第1連動部材4、4’のガイドレール41、41’にそれぞれ組み付けられるため、第1連動部材4、4’のガイドレール41、41’に沿って移動でき、第1連動部材4、4’が方向D1に沿って移動する時、第2連動部材5、5’が同時に方向D3に沿って移動し、第2連動部材5、5’と連結する密着装置20を同時に方向D3に沿って移動させることで、密着装置20に組み付けられた第1密着部材201及び第2密着部材202を介して戸板91を床面Fに密着させる効果を奏する。
【0040】
逆に第1作動装置10の摺動部材3が力を受けていない時(すなわち、第1作動装置10の摺動部材3は、戸枠92と接触しない時)、弾性部材2、2’は弾性力を提供して摺動部材3、3’を元の位置に戻ることで、摺動部材3、3’と連動する第1連動部材4、4’、第2連動部材5、5’、密着装置20及び連動装置30を元の位置に戻らせ、戸板91と床面Fとの間に隙間G(図3)があり、戸板91の開閉に必要な回動スペースを確保する。
【0041】
(戸9の構造)
図7は、本発明の一実施形態に係る戸9を示す概略図である。
【0042】
図7に示すように、図1を併せて参照すると、戸9は、戸板91と、戸枠92と、戸板密着機構100とを含み、戸板密着機構100は戸板91に組み付けられ、密着装置20が戸板密着機構100に組み付けられ、同時に第2連動部材5、5’と連結し、戸板密着機構100の構造及び作動メカニズムは上述のものと同じであるため、ここでその説明を省略する。
【0043】
(別の実施形態の戸板密着機構100の構造)
図8は、本発明の別の実施形態に係る戸板密着機構100を示す断面図である。
【0044】
図9は、本発明の別の実施形態に係る戸板密着機構100を示す概略図である。
【0045】
本実施形態の戸板密着機構100は、2つの作動装置10と、密着装置20とを含む。作動装置10は、筐体1と、弾性部材2と、摺動部材3と、第1連動部材4と、第2連動部材5とを含み、筐体1は第1開口部11と、第2開口部12と、第1チャンバー14と、第2チャンバー15とを有し、摺動部材3は第1開口部11から突出され、第2連動部材5は第2開口部12から突出され、弾性部材2は筐体1の第1チャンバー14に収容され、第1連動部材4は第2チャンバー15に収容される。
【0046】
摺動部材3は、第1貫通孔31と、第2貫通孔32と、第1突起34とを備え、ここで摺動部材3は戸枠92に対応して設けられる(図10)。なお、弾性部材2は、摺動部材3の第1突起34を嵌め込み、第1連動部材4の第2突起43は摺動部材3の第2貫通孔32に組み付けられ、第1連動部材4の凸部42を摺動部材3の第1貫通孔31に組み付けて固定させることができる。
【0047】
第1連動部材4は、ガイドレール41を備え、第2連動部材5は凹溝51を備え、第1連動部材4のガイドレール41と凹溝51とが対応して設けられる。第2連動部材5の凹溝51は第1連動部材4を収容し、第2連動部材5は第1固定具71を介して第1連動部材4のガイドレール41に組み付けられる。本実施形態において、戸板密着機構100は、戸板91に結合される。また、本実施形態の戸板密着機構100の作動メカニズムは上述のものと同じであるため、ここでその説明を省略する。
【0048】
(別の実施形態の戸9の構造)
図10は、本発明の別の実施形態に係る戸を示す概略図である。
【0049】
図10に示すように、図8を併せて参照すると、戸9は、戸板91と、戸枠92と、戸板密着機構100とを含み、戸板密着機構100は戸板91に結合され、密着装置20が戸板密着機構100に組み付けられ、同時に第2連動部材5と連結し、戸板密着機構100の構造及び作動メカニズムは上述のものと同じであるため、ここでその説明を省略する。
【0050】
要するに、本実施形態の戸板密着機構及び戸板密着機構を含む戸は、戸に敷居を追加で設ける必要がないため、敷居の設置による多くの不便さを克服でき、容易な施工、見栄え、或いは安全等の利点を有し、かつ気密、防水、防虫、防煙或いは防火等の効果を奏することができる。なお、連動装置の設置を介して、戸板密着機構の構造を大幅に簡略化でき、これにより戸板密着機構の安定性を高める、或いはユーザー体験を向上する。
【0051】
本発明では実施形態を前述の通り開示したが、本発明の精神及び特許請求の範囲で主張するものを脱しない範囲内で各種の変動や潤色を加えることができることを理解されたい。
【符号の説明】
【0052】
100 戸板密着機構
10,10’ 作動装置
1,1’ 筐体
11,11’ 第1開口部
12,12’ 第2開口部
13,13’ 第3開口部
14,14’ 第1チャンバー
15,15’ 第2チャンバー
20 密着装置
2,2’ 弾性部材
201 第1密着部材
202 第2密着部材
203 底面
204 側面
205 第3密着部材
30 連動装置
3,3’ 摺動部材
301 第1ロッド
302 第2ロッド
303 調整部材
3011 第2固定具
3021 第3固定具
31,31’ 第1貫通孔
32,32’ 第2貫通孔
33 転動部材
34,34’ 第1突起
35 ねじ付き調整棒
4,4’ 第1連動部材
41,41’ ガイドレール
42,42’ 凸部
43,43’ 第2突起
5,5’ 第2連動部材
51,51’ 凹溝
71,71’ 第1固定具
9 戸
91 戸板
92 戸枠
D1、D3 方向
E 弾性力の付勢方向
F 床面
G 隙間
R 回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10