(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096517
(43)【公開日】2024-07-16
(54)【発明の名称】電気化学的なバッテリセル用のバッテリ電極
(51)【国際特許分類】
H01M 4/13 20100101AFI20240708BHJP
H01M 4/66 20060101ALI20240708BHJP
H01M 4/134 20100101ALI20240708BHJP
H01M 4/38 20060101ALI20240708BHJP
H01M 4/48 20100101ALI20240708BHJP
H01M 4/64 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
H01M4/13
H01M4/66 A
H01M4/134
H01M4/38 Z
H01M4/48
H01M4/64 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023190194
(22)【出願日】2023-11-07
(31)【優先権主張番号】10 2023 200 012.1
(32)【優先日】2023-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】591037096
【氏名又は名称】フオルクスワーゲン・アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】VOLKSWAGEN AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】イー・ジーハン
(72)【発明者】
【氏名】イェシカ・マリア・ヒュスカー
【テーマコード(参考)】
5H017
5H050
【Fターム(参考)】
5H017AA03
5H017CC01
5H017DD05
5H017EE01
5H017HH03
5H050AA02
5H050BA17
5H050CB02
5H050CB11
5H050DA04
5H050FA18
5H050GA22
5H050HA01
5H050HA04
5H050HA05
(57)【要約】
【課題】適切な電気化学的なバッテリセル用のバッテリ電極を提供する。
【解決手段】金属製の電流導体4と、該電流導体に設けられたプライマー層6とを備えた、電気化学的なバッテリセル用のバッテリ電極2’であって、プライマー層6が、導電性添加物8と、電気化学的に活性なシリコンベースのナノ活性材料10とを備えており、シリコンベースの活性材料層14がプライマー層6に塗布されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の電流導体(4)と、該電流導体に設けられたプライマー層(6)とを備えた、電気化学的なバッテリセル用のバッテリ電極(2,2’)であって、プライマー層(6)が、導電性添加物(8)と、電気化学的に活性なシリコンベースのナノ活性材料(10)とを備えていることを特徴とするバッテリ電極。
【請求項2】
シリコンベースの活性材料層(14)がプライマー層(6)に塗布されていることを特徴とする請求項1に記載のバッテリ電極(2’)。
【請求項3】
プライマー層(6)が、100nm~5μm、特に500nm~1.5μmの層厚を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のバッテリ電極(2,2’)。
【請求項4】
ナノ活性材料(10)が、50nm~500nm、特に50nm~250nmの平均サイズを有していることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のバッテリ電極(2,2’)。
【請求項5】
ナノ活性材料(10)が、純粋なケイ素、酸化ケイ素又はケイ素合金であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のバッテリ電極(2,2’)。
【請求項6】
プライマー層(6)が、99:1~1:99、特に75:20~50:50のナノ活性材料(10)に対する導電性添加物(8)の質量パーセント比率を有していることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のバッテリ電極(2,2’)。
【請求項7】
プライマー層(6)が、2~40質量%を有する結合剤(12)を更に有していることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のバッテリ電極(2,2’)。
【請求項8】
電流導体(4)が、銅フィルムとして構成されていることを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のバッテリ電極(2,2’)。
【請求項9】
電流導体(4)が、1~20μm、特に4.5~10μmの層厚を有していることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のバッテリ電極(2,2’)。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のバッテリ電極(2,2’)を備えた電気化学式のバッテリセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属製の電流導体と、該電流導体に設けられたプライマー層とを備えた、電気化学的なバッテリセル用のバッテリ電極に関するものである。さらに、本発明は、このようなバッテリ電極を有する電気化学的なバッテリセルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば電動車両又はハイブリッド車両のような、電気式に、あるいは電気モータ式に駆動される、又は駆動可能な原動機付き車両は、通常、1つの車両アクスル又は両車両アクスルを駆動可能な電気モータを含んでいる。電気モータは、通常、電気エネルギーを供給するために、電気的なエネルギー貯蔵部としての車両内部の(高電圧)バッテリに接続されている。
【0003】
特に電気化学的なバッテリセルは、ここでは、及び以下では、特にいわゆる原動機付き車両の二次電池(セカンダリ電池)と理解され得る。このような(二次)車両バッテリにおいては、消費される化学エネルギーを電気的な充電(チャージ)過程を用いて繰返し生成可能である。このような車両バッテリは、例えば、電気化学的な蓄電池、特にリチウムイオン蓄電池として構成されている。
【0004】
このような車両バッテリは、十分に大きな動作電圧を生成及び提供するために、典型的には少なくとも1つのバッテリモジュール(バッテリセルモジュール)を備えており、当該バッテリモジュールでは、複数の個別のバッテリセルがモジュール式に配線されている。これに代えて、バッテリセルが車両バッテリへ直接相互接続され、特に並列接続され、あらかじめモジュールにまとめられない、いわゆるCell2Pack(セル・トゥ・パック)デザインが可能である。
【0005】
バッテリセルは、例えば、電気化学的な(薄)層セルとして構成されている。薄層セルは、カソード層(カソード)と、アノード層(アノード)と、これらの間に設けられるセパレータ層(セパレータ)とを有する積層された構造を備えている。ここで、アノード及びカソードは、典型的には、それぞれ特にフィルム状の、活性材料(電極材料)が設けられた電流導体(集電器、集電装置、電流コレクタ、電流アレスタ)を備えており、活性材料にはリチウムイオンを挿入(貯蔵)することができ、活性材料からリチウムイオンを脱離(取出し)させることが可能である。当該成分は、例えば、液体状の電解質(電解液)によって浸透され、当該電解質は、成分のイオン伝導性の結合あるいはチャージバランシングを生成する。リチウムイオンバッテリのエネルギー密度を高めるために、シリコンベース(Siベース)の活性材料が電極層のために、特にアノードのためにますます用いられている。
【0006】
さらに、リチウムイオンバッテリができる限り長い寿命及びできる限り高い急速充電性を有していることが望ましい。電流導体における電極コーティングの付着性を可能とし、又は改善し、これによって急速充電性を改善するために、特にアノードにおいて、いわゆるプライマー層又はプライマーコーティング(英語:Primer interlayer)を有する電流導体として銅フィルムが用いられる。プライマー層は、通常、導電性の炭素(例えば導電性すす)と、電流導体における付着を可能とする結合剤ポリマーとで構成されている。プライマー層は、これに設けられる活性材料層の付着性を改善するために、通常、大きな粗さを有している。
【0007】
ただし、このようなプライマー層は、欠点として、バッテリセルのエネルギー密度を低下させてしまう。なぜなら、プライマー層は、不活性材料(例えば結合剤)を含むとともに、Siベースの材料を含まないためである。したがって、通常、エネルギー密度へのネガティブな影響が低減されるように、プライマー層は、できる限り薄く、すなわちできる限り小さな層厚で塗布される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の基礎となる課題は、特に適切な電気化学的なバッテリセル用のバッテリ電極を提供することにある。さらに、本発明の基礎となる課題は、特に適切なバッテリセルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、本発明により、バッテリ電極に関しては請求項1の特徴によって解決され、バッテリセルに関しては請求項10の特徴によって解決される。有利な構成及び発展形態は、従属請求項の対象である。バッテリ電極に関して説明する利点及び構成は、同様に、バッテリセルに転用可能であり、またその逆も同様である。
【0010】
本発明によるバッテリ電極は、電気化学的なバッテリセルのために設けられているとともに、これに対して、適しているとともに構成されている。ここで、バッテリ電極は、金属製の、特にフィルム状の電流導体(集電器、集電装置、電流コレクタ、電流アレスタ)と、これに設けられたプライマー層とを備えている。プライマー層は、成分として、導電性添加物と、電気化学的に活性なシリコンベースのナノ活性材料とを備えている。これにより、特に適切なバッテリ電極が実現されている。
【0011】
したがって、本発明によれば、Siベースのナノ活性材料が追加的にプライマー層へ共に導入されている。当該Siベースのナノ活性材料は、電気化学的に活性であり、したがって、バッテリ電極の容量に貢献し、これにより、バッテリセルのエネルギー密度が高められる。Siベースのナノ活性材料は、プライマー層へ直接導入されるため、バッテリセルの寿命にわたるSiベースの活性材料の良好な付着性が更に保証されている。
【0012】
ここで、ナノ活性材料は、ナノスコピックな材料又は粒子の形態の活性材料と理解され得る。ナノ活性材料は、例えば、ナノ粒子若しくはナノチューブ(Nanotubes)若しくはナノワイヤ(Nanowire)又はこれらの混合物で形成されている。
【0013】
バッテリ電極は特にアノードであり、ナノ活性材料は、対応してナノアノード活性材料と理解され得る。導電性添加物として、典型的には、例えば導電性すす、カーボンブラック、ケッチェンブラック、ナノチューブなどのような、バッテリアノード又はプライマー層において用いられる導電性添加物が使用される。
【0014】
このとき、プライマー層は、コーティングされていなくてよい。換言すれば、バッテリ電極は、プライマー化された電流導体によって形成されることが可能である。しかし、好ましくは、活性材料層、特にシリコンベースの活性材料層がプライマー層に設けられている(塗布されている)。したがって、プライマー層には、例えばアノード活性材料が設けられる(塗布される)ため、バッテリ電極は、バッテリセルにおいてアノードとして用いられることが可能である。バッテリ電極におけるペーストあるいは活性材料層の導電性及び付着性は、プライマー層によって改善されている。
【0015】
ナノ活性材料の添加によっても、プライマー層は、バッテリセルのエネルギー密度にはわずかにしか影響を有さない。有利な構成では、当該影響を更に低減するために、プライマー層は、100nm(ナノメートル)~5μm(マイクロメートル)のみの層厚を有している。特に、500nm~1.5μmの層厚が設定されている。
【0016】
したがって、適切な一構成では、ナノ活性材料、すなわちナノスコピックな材料又は粒子は、50~500nm、特に50~250nmの平均サイズを有している。換言すれば、プライマー層は、いくつかのナノ活性材料層から単層までの層厚を有している。これにより、バッテリ電極の寿命が有利に延長される。なぜなら、いわゆる粒子亀裂及び粒子脱離が回避されるためである。したがって、さらに、不都合な中間相(SEI)の形成も有利に回避される。
【0017】
考えられる一形態では、ナノ活性材料は、純粋なケイ素(Si)、酸化ケイ素(SiOx)又はケイ素合金(Si-合金)である。例えば、ナノ活性材料は、Siナノ粒子、Siナノチューブ、Siナノワイヤ又はリチウム(Li)若しくはマグネシウム(Mg)でドープされたSiOxナノ材料で形成されている。
【0018】
合目的な一発展形態では、プライマー層は、ナノ活性材料に対する導電性添加物の質量パーセント(英語:wt%)についての99:1~1:99の割合を有している。好ましくは、ナノ活性材料に対する導電性添加物の質量パーセント比率は75:25~50:50に設定されている。
【0019】
プライマー層は、結合剤なしに、すなわち結合剤を有さずに構成されることが可能である。このような結合剤なしのプライマー層についてのコーティング方法として、例えば、化学蒸着(英語:Chemical Vapor Deposition、CVD)、物理蒸着(英語:Physical Vapor Deposition、PVD)、スパッタリング又は原子層蒸着(原子層堆積)(英語:Atomic Layer Deposition、ALD)が用いられる。
【0020】
しかし、プライマー層は、追加的な結合剤をもって構成されることも可能である。このような一構成では、プライマー層は、2~40質量%の結合剤割合を有している。ここで、結合剤として、例えば、バッテリアノード又はプライマー層において知られた典型的なポリマー結合剤(例えばCMC、SBR、PAA、PVdF、PTFE・・・)が用いられる。結合剤を有するプライマー層には、コーティング方法として、例えば、スロット第コーティング(英語:slot-die coating)、ドクタブレードコーティング(英語:doctor blade coating)又は混合プロセス中の粒子構造(superstructures)の自己組織化(英語:self assembly)の活用を用いることが可能である。このとき、コーティングプロセスは、水ベースで、又は溶媒ベースで行われることが可能である。これに代えて、乾式コーティング方法も考えられる。
【0021】
好ましい一態様によれば、電流導体は銅フィルムとして構成されている。好ましくは、電流導体あるいは銅フィルムは、1~20μm、特に4.5~10μm、例えば6μmの層厚(フィルム厚さ)を有している。
【0022】
本発明による電気化学的なバッテリセルは、上述のバッテリ電極を備えている。ここで、バッテリ電極は、アノードとしてバッテリセルのセルスタックに収容されている。これにより、特に高いエネルギー密度を有する特に適切なバッテリセルが保証されている。
【0023】
以下に、図面に基づき、本発明の実施例を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】プライマー化された電流導体を有するバッテリ電極を概略的かつ簡略化して示す図である。
【
図2】アノードとして構成されたバッテリ電極を概略的かつ簡略化して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
全ての図において、互いに対応する部分又はサイズには同一の符号が付されている。
【0026】
図1に図示されたバッテリ電極2は、不図示の電気化学的なバッテリセルのために設けられているとともに、これに対して、適しているとともに構成されている。ここで、バッテリ電極2は、金属製の、特にフィルム状の電流導体(集電器、集電装置、電流コレクタ、電流アレスタ)4と、これに設けられたプライマー層6とを備えている。
【0027】
電流導体4は、好ましくは銅フィルムとして構成されている。このとき、電流導体4は、1~20μm、特に4.5~10μm、例えば6μmの層厚(フィルム厚さ)を有している。
【0028】
プライマー層6は、100nm~5μmの層厚を有している。特に、層厚は、500nm~1.5μmの間に寸法設定されている。プライマー層6は、導電性添加物8と、電気化学的に活性なシリコンベースのナノ活性材料10とを備えている。導電性添加物8は、例えば、導電性すす、カーボンブラック、ケッチェンブラック、ナノチューブ又はこれらの混合物である。ナノ活性材料10は、例えば、純粋なケイ素(Si)、酸化ケイ素(SiOx)又はケイ素合金(Si-合金)である。例えば、ナノ活性材料は、Siナノ粒子、Siナノチューブ、Siナノワイヤ又はリチウム(Li)若しくはマグネシウム(Mg)でドープされたSiOxナノ材料又はこれらの混合物で形成されている。このとき、ナノ活性材料10は、50~500nm、特に50~250nmの平均サイズを有している。
【0029】
プライマー層6におけるナノ活性材料10に対する導電性添加物8の(質量パーセント)比率は、99:1~1:99である。好ましくは、ナノ活性材料10に対する導電性添加物8の比率は75:25~50:50に設定されている。
【0030】
プライマー層6は、結合剤なしに、すなわち結合剤12を有さずに構成されることが可能である。このような結合剤なしのプライマー層6についてのコーティング方法として、例えば、化学蒸着(英語:Chemical Vapor Deposition、CVD)、物理蒸着(英語:Physical Vapor Deposition、PVD)、スパッタリング又は原子層蒸着(原子層堆積)(英語:Atomic Layer Deposition、ALD)が用いられる。
【0031】
しかし、プライマー層6は、オプションで、結合剤12をもって構成されることも可能である。このような一構成では、プライマー層6は、2~40質量%の結合剤割合を有している。ここで、結合剤12として、例えば、バッテリアノード又はプライマー層において知られた典型的なポリマー結合剤(例えばCMC、SBR、PAA、PVdF、PTFE・・・)又は混合物が用いられる。結合剤12を有するプライマー層6には、コーティング方法として、例えば、スロット第コーティング(英語:slot-die coating)、ドクタブレードコーティング(英語:doctor blade coating)又は混合プロセス中の粒子構造(superstructures)の自己組織化(英語:self assembly)の活用を用いることが可能である。このとき、コーティングプロセスは、水ベースで、又は溶媒ベースで行われることが可能である。これに代えて、乾式コーティング方法も考えられる。
【0032】
図2にはアノードとして構成されたバッテリ電極2’が示されており、当該バッテリ電極では、プライマー層6は、シリコンベースの活性材料層14のための接着層として作用する。したがって、プライマー層6には、活性材料層14としてアノード活性材料が塗布されるため、バッテリ電極2’は、バッテリセルにおいてアノードとして用いられることが可能である。
【0033】
特許請求される発明は、上述の実施例に限定されていない。むしろ、特許請求される発明の対象から逸脱することなく、本発明の他の態様も、開示された特許請求の範囲において当業者によって導出されることが可能である。また、特に、上述の実施例と関連して説明される開示された特許請求の範囲における全ての個々の特徴は、特許請求される発明の対象から逸脱することなく、他の態様でも組み合わされることが可能である。
【符号の説明】
【0034】
2,2’ バッテリ電極
4 電流導体
6 プライマー層
8 導電性添加物
10 ナノ活性材料
12 結合剤
14 活性材料層
【手続補正書】
【提出日】2024-03-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
特許請求される発明は、上述の実施例に限定されていない。むしろ、特許請求される発明の対象から逸脱することなく、本発明の他の態様も、開示された特許請求の範囲において当業者によって導出されることが可能である。また、特に、上述の実施例と関連して説明される開示された特許請求の範囲における全ての個々の特徴は、特許請求される発明の対象から逸脱することなく、他の態様でも組み合わされることが可能である。
なお、本発明は、以下の態様も包含し得る:
1.金属製の電流導体(4)と、該電流導体に設けられたプライマー層(6)とを備えた、電気化学的なバッテリセル用のバッテリ電極(2,2’)であって、プライマー層(6)が、導電性添加物(8)と、電気化学的に活性なシリコンベースのナノ活性材料(10)とを備えていることを特徴とするバッテリ電極。
2.シリコンベースの活性材料層(14)がプライマー層(6)に塗布されていることを特徴とする上記1.に記載のバッテリ電極(2’)。
3.プライマー層(6)が、100nm~5μm、特に500nm~1.5μmの層厚を有していることを特徴とする上記1.又は2.に記載のバッテリ電極(2,2’)。
4.ナノ活性材料(10)が、50nm~500nm、特に50nm~250nmの平均サイズを有していることを特徴とする上記1.~3.のいずれか1つに記載のバッテリ電極(2,2’)。
5.ナノ活性材料(10)が、純粋なケイ素、酸化ケイ素又はケイ素合金であることを特徴とする上記1.~4.のいずれか1つに記載のバッテリ電極(2,2’)。
6.プライマー層(6)が、99:1~1:99、特に75:20~50:50のナノ活性材料(10)に対する導電性添加物(8)の質量パーセント比率を有していることを特徴とする上記1.~5.のいずれか1つに記載のバッテリ電極(2,2’)。
7.プライマー層(6)が、2~40質量%を有する結合剤(12)を更に有していることを特徴とする上記1.~6.のいずれか1つに記載のバッテリ電極(2,2’)。
8.電流導体(4)が、銅フィルムとして構成されていることを特徴とする上記1.~7.のいずれか1つに記載のバッテリ電極(2,2’)。
9.電流導体(4)が、1~20μm、特に4.5~10μmの層厚を有していることを特徴とする上記1.~8.のいずれか1つに記載のバッテリ電極(2,2’)。
10.上記1.~9.のいずれか1つに記載のバッテリ電極(2,2’)を備えた電気化学式のバッテリセル。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の電流導体(4)と、該電流導体に設けられたプライマー層(6)とを備えた、電気化学的なバッテリセル用のバッテリ電極(2,2’)であって、プライマー層(6)が、導電性添加物(8)と、電気化学的に活性なシリコンベースのナノ活性材料(10)とを備えていることを特徴とするバッテリ電極。
【請求項2】
シリコンベースの活性材料層(14)がプライマー層(6)に塗布されていることを特徴とする請求項1に記載のバッテリ電極(2’)。
【請求項3】
プライマー層(6)が、100nm~5μm、特に500nm~1.5μmの層厚を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のバッテリ電極(2,2’)。
【請求項4】
ナノ活性材料(10)が、50nm~500nm、特に50nm~250nmの平均サイズを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のバッテリ電極(2,2’)。
【請求項5】
ナノ活性材料(10)が、純粋なケイ素、酸化ケイ素又はケイ素合金であることを特徴とする請求項1又は2に記載のバッテリ電極(2,2’)。
【請求項6】
プライマー層(6)が、99:1~1:99、特に75:20~50:50のナノ活性材料(10)に対する導電性添加物(8)の質量パーセント比率を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のバッテリ電極(2,2’)。
【請求項7】
プライマー層(6)が、2~40質量%の結合剤(12)の割合を更に有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のバッテリ電極(2,2’)。
【請求項8】
電流導体(4)が、銅フィルムとして構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバッテリ電極(2,2’)。
【請求項9】
電流導体(4)が、1~20μm、特に4.5~10μmの層厚を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のバッテリ電極(2,2’)。
【請求項10】
請求項1又は2に記載のバッテリ電極(2,2’)を備えた電気化学式のバッテリセル。
【外国語明細書】