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特開2024-96540画像形成システム、画像形成システムの制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096540
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】画像形成システム、画像形成システムの制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/66 20060101AFI20240709BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240709BHJP
   B65H 37/04 20060101ALI20240709BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
B41J11/66
G03G15/00 430
B65H37/04 Z
G03G21/00 370
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023000024
(22)【出願日】2023-01-04
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小串 岳大
【テーマコード(参考)】
2C058
2H072
2H270
3F108
【Fターム(参考)】
2C058AB08
2C058AC08
2C058AE02
2C058AF51
2C058LA03
2C058LA18
2C058LC21
2H072AB15
2H072CB01
2H072GA05
2H270KA56
2H270KA57
2H270LC20
2H270MC61
2H270MC65
2H270MC67
2H270MD17
2H270PA38
2H270PA42
2H270ZC03
2H270ZC04
3F108GA04
3F108GB06
(57)【要約】
【課題】画像形成装置の製品寿命が低下することを防止できる画像形成システム、画像形成システムの制御方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】画像形成システム1は、画像形成装置2と、断裁装置5と、スタック装置4A、4Bと、制御部と、を備えている。スタック装置4A、4Bは、画像が形成された記録媒体が積載可能なスタック部41を有する。そして、制御部は、幅方向に沿って断裁処理を実施する場合、画像が形成された記録媒体をスタック部41に積載し、スタック部41に積載された記録媒体を断裁装置5に搬送する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成装置と、
画像が形成された前記記録媒体に対して断裁処理を実施する断裁装置と、
画像が形成された前記記録媒体が積載可能なスタック部を有するスタック装置と、
前記画像形成装置、前記断裁装置及び前記スタック装置を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、搬送方向と直交する幅方向に沿って断裁処理を実施する場合、画像が形成された前記記録媒体を前記スタック部に積載し、前記スタック部に積載された前記記録媒体を前記断裁装置に搬送する
画像形成システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記記録媒体に対して幅方向に沿って断裁処理を実施しない場合、前記画像形成装置により画像が形成された前記記録媒体を前記断裁装置に直接搬送する
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記スタック部に積載された前記記録媒体を前記断裁装置に搬送する間、前記画像形成装置の駆動を停止させる
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記スタック部に空きがあるか否かを判断し、前記スタック部に空きがあると判断した場合、前記画像形成装置による画像形成処理を実施させる
請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記スタック装置は、複数配置され、
前記制御部は、複数の前記スタック装置のうちいずれかのスタック部に空きがあると判断した場合、前記画像形成装置による画像形成処理を実施させる
請求項4に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記スタック部への積載枚数が、前記スタック部の積載枚数上限に達した場合、前記画像形成装置の駆動を停止させる
請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記スタック装置は、前記記録媒体を搬送する搬送部を有し、
前記搬送部には、前記記録媒体を搬送する搬送路を前記スタック部又は前記断裁装置に切り替える切替部が設けられている
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項8】
記録媒体に画像を画像形成装置が形成する処理と、
画像が形成された前記記録媒体に対して断裁装置が断裁処理する処理と、を含み、
搬送方向と直交する幅方向に沿って断裁処理を実施する場合、画像が形成された前記記録媒体をスタック部に積載し、スタック部に積載された前記記録媒体を前記断裁装置に搬送する
画像形成システムの制御方法。
【請求項9】
記録媒体に画像を画像形成装置によって形成する手順と、
画像が形成された前記記録媒体に対して断裁装置によって断裁処理する手順と、
搬送方向と直交する幅方向に沿って断裁処理を実施する場合、画像が形成された前記記録媒体をスタック部に積載し、スタック部に積載された前記記録媒体を前記断裁装置に搬送する手順と、を
コンピューターに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙に画像を形成する画像形成システム、画像形成システムの制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、記録媒体に画像を形成する画像形成装置と、画像形成装置により画像が形成された記録媒体に対して断裁処理を行う断裁装置と、を備えた画像形成システムが知られている。そして、断裁装置は、画像形成装置における記録媒体の搬送方向の下流側に配置されている。
【0003】
従来の画像形成システムとしては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。特許文献1には、シートの搬送方向に関する断裁位置において、搬送方向に直交する幅方向にシートを断裁する第1断裁手段と、搬送路に設けられ、幅方向に関する断裁位置において、搬送方向にシートを断裁する第2断裁手段と、を備えた技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-199635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、記録媒体の搬送方向と直交する幅方向(CD方向)に沿って記録媒体に対して断裁処理を行う場合、断裁処理に必要な時間を確保するために記録媒体の搬送動作を停止させる必要があった。そのため、複数の記録媒体に対して処理を行うJOBが要求された場合、断裁処理の時間を確保するために、記録媒体の給紙の間隔を通常よりも長くしていた。また、記録媒体の搬送動作が停止している間も、画像形成装置は、画像形成動作を行うことなく、その駆動は継続していた。その結果、従来の画像形成システムでは、CD方向の断裁処理を多数実施すると、画像形成装置が駆動した状態で長時間待機することになり、画像形成装置の製品寿命が低下する、という問題を有していた。
【0006】
本発明は、上述のような従来の問題点に鑑み、画像形成装置の製品寿命が低下することを防止できる画像形成システム、画像形成システムの制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の画像形成システムは、記録媒体に画像を形成する画像形成装置と、画像が形成された記録媒体に対して断裁処理を実施する断裁装置と、を備えている。また、画像形成システムは、画像が形成された記録媒体が積載可能なスタック部を有するスタック装置と、画像形成装置、断裁装置及びスタック装置を制御する制御部と、を備えている。
そして、制御部は、搬送方向と直交する幅方向に沿って断裁処理を実施する場合、画像が形成された記録媒体をスタック部に積載し、スタック部に積載された記録媒体を断裁装置に搬送する。
【0008】
また、本発明の画像形成システムを制御する方法は、以下(1)から(2)に示す処理を含む。
(1)記録媒体に画像を画像形成装置が形成する処理。
(2)画像が形成された記録媒体に対して断裁装置が断裁処理する処理。
また、搬送方向と直交する幅方向に沿って断裁処理を実施する場合、画像が形成された記録媒体をスタック部に積載し、スタック部に積載された記録媒体を断裁装置に搬送する。
【0009】
さらに、本発明のプログラムは、次の手順をコンピューターに実行させる。
記録媒体に画像を画像形成装置によって形成する手順。
画像が形成された記録媒体に対して断裁装置によって断裁処理する手順。
搬送方向と直交する幅方向に沿って断裁処理を実施する場合、画像が形成された記録媒体をスタック部に積載し、スタック部に積載された記録媒体を断裁装置に搬送する手順。
【発明の効果】
【0010】
上記構成の画像形成システム、画像形成システムを制御する方法及びプログラムによれば、画像形成装置の製品寿命が低下することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムの全体構成を示す概略構成図である。
図2】本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムのハードウエア構成を示すブロック図である。
図3】従来の画像形成システムにおける画像形成部の駆動時間を説明する概念図であり、図3Aは後処理(断裁処理)を行わないJOBの動作例を示し、図3Bは後処理(断裁処理)を行うJOBの動作例を示す図である。
図4】本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける画像形成部の駆動時間を説明する概念図である。
図5】本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける画像形成部の駆動時間の他の例を示す説明する概念図である。
図6】本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける画像形成動作の第1の動作例を示すフローチャートである。
図7】本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける画像形成動作の第2の動作例を示すフローチャートである。
図8】本発明の実施の形態例にかかる画像形成システムにおける画像形成動作の第3の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の画像形成システム、方法及びプログラムを実施するための形態について、図1図8を参照しながら説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。また、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
【0013】
1.実施の形態例
1-1.画像形成システムの構成
まず、本発明の実施の形態例(以下、「本例」という。)にかかる画像形成システムの全体構成について図1及び図2を参照して説明する。図1は、本例の画像形成システム1の概略構成図である。図2は、画像形成システム1の各装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、画像形成システム1は、用紙を給紙ユニット3と、画像形成装置2と、第1スタック装置4Aと、第2スタック装置4Bと、断裁装置5とを有している。図2に示すように、給紙ユニット3、画像形成装置2、第1スタック装置4A、第2スタック装置4B及び断裁装置5は、LAN等のネットワークに接続され、ネットワークを介して相互に接続されている。また、画像形成システム1は、用紙の搬送経路の上流側から、給紙ユニット3、画像形成装置2、第1スタック装置4A、第2スタック装置4B、断裁装置5の順に並べて配置され、直列的に連なって接続されている。
【0015】
給紙ユニット3は、画像形成システム1の最上流に配置されている。複数の給紙トレイ11を備え、大量の用紙を収納可能に構成されている。給紙ユニット3の給紙トレイ11には、給紙部12が設けられている。給紙部12は、給紙トレイ11に収納された用紙を下流側の装置である画像形成装置2に給紙する。
【0016】
画像形成装置2は、出力されたジョブ情報及び画像データに基づいて、給紙された用紙に対して画像を形成する。また、画像形成装置2は、例えば電子写真方式により用紙に画像を形成する装置である。画像形成装置2は、搬送部27と、画像形成部21と、定着部25と、制御部20(図2参照)とを備えている。搬送部27は、給紙部12から給紙された用紙を、画像形成部21、定着部25及び下流側の装置である第1スタック装置4Aに搬送する。
【0017】
画像形成部21は、例えば、例えば、複数色(シアン、マゼンダ、イエロー、ブラック等)の画像形成ユニット22と、一次転写部24と、二次転写部23と、を備えている。そして、画像形成ユニット22は、一次転写部24にトナー画像を転写させる。一次転写部24には、複数の画像形成ユニット22によりトナー画像が重なり合ったカラー画像が形成される。二次転写部23は、搬送部27によって搬送された用紙に対して、一次転写部24に形成されたカラーのトナー画像を転写する。二次転写部23によりトナー画像が転写された用紙は、定着部25に搬送される。
【0018】
定着部25は、搬送された用紙を加圧及び加熱することにより、用紙に転写されたトナー画像を用紙に定着する。定着部25により定着処理が行われた用紙は、搬送部27により、第1スタック装置4A及び第2スタック装置4Bに搬送される。
【0019】
第1スタック装置4A及び第2スタック装置4Bは、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは第1スタック装置4Aについて説明する。なお、第1スタック装置4Aを単にスタック装置4と称す。
【0020】
スタック装置4は、用紙を搬送する搬送部47と、スタック部41とを有している。スタック部41は、用紙が積載可能に構成されている。そして、スタック部41には、画像形成装置2により画像が形成された用紙が一時的に積載される。搬送部47は、画像形成装置2から搬送された用紙をスタック部41や、断裁装置5に搬送する。搬送部47には、用紙を搬送する搬送路をスタック部41又は断裁装置5に切り替える切替部が設けられている。
【0021】
図2に示すように、断裁装置5は、用紙を搬送する搬送部57と、断裁部51と、排出部58とを備えている。断裁部51は、搬送部57によって搬送された用紙に対して断裁処理を行う。また、断裁部51は、用紙を搬送方向(FD方向)に沿って断裁するだけでなく、用紙を搬送方向と直交する幅方向(CD方向)に沿って断裁することも可能に構成されている。断裁部51によって断裁された用紙は、排出部58によって断裁装置5の外部に排出される。
【0022】
ここで、断裁部51で用紙を幅方向(CD方向)に沿って断裁する場合、用紙の搬送を一旦止めて、断裁処理にかかる時間を確保する必要がある。そのため、断裁部51で断裁処理にかかる時間は、FD方向に沿って断裁する場合よりもCD方向に沿って断裁する場合のほうがかかる。
【0023】
なお、図1に示す画像形成システム1では、用紙を収納する給紙ユニット3を設けた例を説明したが、これに限定されるものではなく、画像形成装置2に用紙を収納する給紙トレイ11を設けてもよい。
【0024】
1-2.ハードウエア構成
次に、図2を参照して画像形成システム1のハードウエア構成について説明する。
図2に示すように、制御部20は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有している。また、制御部20は、RAM等の揮発性メモリ又は大容量の不揮性メモリを有しており、制御部20が実行するプログラム等が格納されている。また、制御部20には、不図示の操作部や通信部を介してJOB情報が入力される。
【0025】
そして、制御部20は、入力されたJOB情報に基づいて、画像形成部21、給紙部12、定着部25及び搬送部27を制御し、用紙に対して画像形成処理(プリント動作)を行う。さらに、制御部20は、入力されたJOB情報に基づいて、スタック装置4及び断裁装置5を制御する。すなわち、本例では、画像形成装置2の制御部20が画像形成システム1全体を制御する。
【0026】
スタック装置4の搬送部47は画像形成装置2から搬送された用紙を、断裁装置5に搬送、又はスタック部41に搬送する。また、搬送部47は、スタック部41に積載された用紙を断裁装置5に搬送する。断裁装置5は、制御部20の指示に基づいて、用紙に対して所定の断裁処理を実施する。
【0027】
1-3.画像形成装置の画像形成部の駆動時間について
次に、図3から図5を参照して本例の画像形成システム1における画像形成部21の駆動時間と、従来の画像形成システムにおける画像形成部の駆動時間について説明する。
図3A及び図3Bは、従来の画像形成システムにおける画像形成部の駆動時間を説明する概念図である。図4及び図5は、本例の画像形成システムにおける画像形成部の駆動時間を説明する概念図である。なお、図3Aは、後処理(断裁処理)を行わないJOBの動作例を示し、図3Bは後処理(断裁処理)を行うJOBの動作例を示す図である。なお、以下の説明で実施される断裁処理は、CD方向の断裁処理について説明する。
【0028】
図3Aに示すように、後処理(断裁処理)を行わない場合、制御部20から出力されるJOBは、用紙一枚の長さである用紙長101から画像形成に必要な時間(以下、「紙間」と称す)102をあけて、次の用紙が給紙部12から画像形成部21に給紙される。紙間102を設けることで、用紙を搬送する時間と、画像形成処理を安定して実施する時間を確保している。そして、後処理(断裁処理)を行わない場合、画像形成部21の駆動時間T1は、JOBで要求された枚数の用紙に対して画像形成処理(作像)が実施するまでの時間である。
【0029】
図3Bに示すように、後処理(断裁処理)を行う場合、給紙部12から画像形成部21に次の用紙を給紙する間隔には、紙間102に加えて、断裁処理にかかる時間103が必要となる。すなわち、給紙部12は、作像+後処理に必要な時間t3を加味して、用紙を給紙している。
【0030】
このように、従来の画像形成システムでは、画像形成部21の駆動時間T3は、図3Aに示す駆動時間T1よりも長くなる。また、時間103の間、画像形成装置2は、画像形成部21や定着部25で画像形成を行わない状態で、駆動させる必要があった。すなわち、伸びた時間103は、画像形成装置2側としては、空回し時間となり、画像形成を行っていない状態で画像形成部21や定着部25の製品寿命を消費している。その結果、画像形成部21や定着部25が画像形成(印字)できる狙いの寿命枚数よりも用紙枚数が減る。
【0031】
これに対して、本例の画像形成システム1では、後処理(断裁処理)を行う場合、まず図4(a)に示すように、後処理なしの間隔、紙間102で用紙を給紙部12から画像形成部21に給紙し、画像形成処理を行っている。また、画像形成処理を行った用紙は、スタック装置4のスタック部41に積載される。
【0032】
そして、JOBで要求された枚数の用紙に対して画像形成処理が終了又は、スタック部41が満載すると、画像形成装置2の駆動を停止させている。すなわち、給紙部12は、作像に必要な時間t1だけを考慮して、用紙を給紙している。そのため、図4(a)に示すように、画像形成部21の駆動時間T1は、後処理(断裁処理)を行いない場合の駆動時間T1と等しくなる。その結果、画像形成装置2の製品寿命が断裁処理により低下することを防止することができる。
【0033】
次に、スタック部41に積載された用紙を断裁装置5の断裁部51に搬送し、断裁処理を行う。なお、断裁部51には、スタック部41から紙間202に加えて、断裁処理にかかる時間203をあけて給紙される。なお、断裁部51による断裁処理にかかる時間T2の間、画像形成装置2は停止しているため、断裁処理にかかる時間T2が画像形成部21や定着部25の製品寿命に影響を与えることがない。
【0034】
また、図4に示す例では、画像形成処理が終了してからスタック部41に積載された用紙を断裁装置5に給紙する例を説明したが、これに限定されるものではない。図5(a)及び図5(b)に示すように、画像形成処理を行った用紙がスタック部41に所定枚数積載された時点で、スタック部41から断裁装置5に用紙を給紙してもよい。これにより、断裁処理を開始するタイミングを早めることができ、一つのJOBにかかる時間を短縮させることができる。
【0035】
2.画像形成システムの動作例
次に、上述した構成を有する画像形成システム1の動作例について図6から図8を参照して説明する。
2-1.第1の動作例
まず、図6を参照して第1の動作例について説明する。図6は、第1の動作例を示すフローチャートである。
【0036】
図6に示すように、まず、制御部20は、要求されたJOBがCD断裁ありのJOBであるか否かを判断する(ステップS11)。ステップS11の処理において、CD断裁なしのJOBであると判断した場合(ステップS11のNO判定)、後述するステップS13の処理に移行する。これに対して、ステップS11の処理において、CD断裁ありのJOBであると判断した場合(ステップS11のYES判定)、制御部20は、用紙の出力(搬送先)の内容を変更する(ステップS12)。
【0037】
ステップS12の処理において、変更前では、用紙の出力先は、画像形成装置2からスタック装置4のスタック部41を経由せずに、直接断裁装置5に出力される。そして、制御部20により変更されると、用紙の出力先は、画像形成装置2からスタック装置4のスタック部41になる。そして、制御部20は、設定した出力先となるように、各搬送部27、47を制御する。
【0038】
出力内容の変更処理が終了すると、制御部20は、画像形成部21及び定着部25を駆動し、プリント動作(画像形成動作)を実施する(ステップS13)。次に、制御部20は、JOBで要求された枚数全ての印字処理が完了したか否かを判断する(ステップS14)。ステップS14の処理において、印字処理が完了していないと判断した場合(ステップS14のNO判定)、ステップS13の処理に戻り、印字処理を継続させる。
【0039】
また、ステップS14の処理において、印字処理が完了したと判断した場合(ステップS14のYES判定)、制御部20は、プリント停止処理を行う(ステップS15)。すなわち、ステップS15の処理では、画像形成部21や定着部25の駆動を停止させる。
【0040】
次に、制御部20は、CD断裁ありのJOBであるか否かを判断する(ステップS16)。ステップS16の処理において、CD断裁なしのJOBであると判断した場合(ステップS16のNO判定)、要求されたJOBが完了する。
【0041】
これに対して、ステップS16の処理において、CD断裁ありのJOBであると判断した場合(ステップS16のYES判定)、制御部20は、搬送部47を制御し、スタック部41に積載された用紙を断裁装置5に給紙させる(ステップS17)。そして、断裁装置5は、スタック部41から給紙された用紙に対してCD断裁を実施する(ステップS18)。
【0042】
次に、制御部20は、スタック部41に積載された全ての用紙に対して断裁処理が完了したか否かを判断する(ステップS19)。ステップS19の処理において、全ての用紙に対する断裁処理が完了していないと判断した場合(ステップS19のNO判定)、ステップS17の処理に戻る。これに対して、全ての用紙に対する断裁処理が完了したと判断した場合(ステップS19のYES判定)、要求されたJOBが完了する。なお、制御部20は、JOBが完了すると、用紙の出力先を通常の断裁装置5に戻す。
【0043】
2-2.第2の動作例
次に、図7を参照して第2の動作例について説明する。図7は、第2の動作例を示すフローチャートである。
【0044】
第2の動作例におけるステップS11からステップS16の処理は、図6に示す第1の動作例と同様であるため、その説明は省略する。図7に示すように、ステップS16の処理において、CD断裁ありのJOBであると判断した場合(ステップS16のYES判定)、制御部20は、搬送部47を制御し、スタック部41に積載された用紙を断裁装置5に給紙させる(ステップS21)。
【0045】
次に、制御部20は、スタック部41に積載された用紙が全て排出されたか否かを判断する(ステップS22)。ステップS22の処理において、スタック部41から全ての用紙の排出処理が完了していないと判断した場合(ステップS22のNO判定)、後述するステップS24の処理に移行する。これに対して、ステップS22の処理において、スタック部41から全ての用紙が排出されたと判断した場合(ステップS22のYES判定)、制御部20は、後続JOBの開始許可情報をセットする(ステップS23)。
【0046】
すなわち、ステップS23の処理では、現在実施されているJOBの次に実施するJOBを実施してもよいことを許可する。これにより、断裁装置5で断裁処理を実施しながら、次のJOBを実施、すなわち画像形成装置2を駆動することができ、画像形成システム1での処理効率を向上させることができる。
【0047】
なお、上述したステップS22及びステップS23の処理では、全てのスタック部41における用紙の排出が完了してから、後続JOBの開始許可を出力する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図1に示す画像形成システム1のように、複数のスタック装置4A、4Bを有する画像形成システムの場合、複数のスタック装置4A、4Bのうちいずれかのスタック装置に空きがでた状態で、後続JOBの開始許可を出力してもよい。また、スタック部41から用紙が全て排出されるまでに、スタック部41に所定枚数の空きが出た状態で、後続JOBの開始許可を出力してもよい。すなわち、スタック装置4は、スタック部41に用紙を積載しながら、スタック部41から断裁装置5に用紙を排出する。
【0048】
次に、断裁装置5は、スタック部41から給紙された用紙に対してCD断裁を実施する(ステップS24)。そして、制御部20は、スタック部41に積載された全ての用紙に対して断裁処理が完了したか否かを判断する(ステップS25)、ステップS19の処理において、全ての用紙に対する断裁処理が完了していないと判断した場合(ステップS25のNO判定)、ステップS21の処理に戻る。これに対して、全ての用紙に対する断裁処理が完了したと判断した場合(ステップS25のYES判定)、要求されたJOBが完了する。
【0049】
2-3.第3の動作例
次に、図8を参照して第3の動作例について説明する。図8は、第3の動作例を示すフローチャートである。
【0050】
図8に示すように、制御部20は、要求されたJOBがCD断裁ありのJOBであるか否かを判断する(ステップS31)。ステップS31の処理において、CD断裁なしのJOBであると判断した場合(ステップS31のNO判定)、後述するステップS33の処理に移行する。これに対して、ステップS31の処理において、CD断裁ありのJOBであると判断した場合(ステップS31のYES判定)、制御部20は、用紙の出力(搬送先)の内容を変更する(ステップS32)。出力内容の変更処理が終了すると、制御部20は、画像形成部21及び定着部25を駆動し、プリント動作(画像形成動作)を実施する(ステップS33)。
【0051】
次に、制御部20は、CD断裁ありのJOBであるか否かを判断する(ステップS34)。ステップS34の処理において、CD断裁なしのJOBであると判断した場合、制御部20は、後述するステップS37の処理に移行する。また、ステップS34の処理において、CD断裁ありのJOBであると判断した場合、制御部20は、スタック部41に空きがあるか否かを判断する(ステップS35)。
【0052】
スタック部41に空きがあると判断した場合(ステップS35のYES判定)、後述するステップS37の処理に移行する。これに対して、スタック部41に空きがない、すなわちスタック部41が満タン(積載枚数の上限)であると判断した場合(ステップS35のNO判定)、制御部20は、「再印字実施情報」をセットし、後述するステップS38の処理に移行する。
【0053】
ステップS37の処理では、制御部20は、JOBで要求された枚数全ての印字処理が完了したか否かを判断する。ステップS37の処理において、印字処理が完了していないと判断した場合(ステップS37のNO判定)、ステップS33の処理に戻り、印字処理を継続させる。また、ステップS37の処理において、印字処理が完了したと判断した場合(ステップS37のYES判定)、制御部20は、ステップS38の処理に移行する。
【0054】
ステップS38の処理において、制御部20は、プリント停止処理を行う。このように、第3の動作例では、スタック部41が満タンになった際に、画像形成装置2による画像形成処理を停止させている。
【0055】
次に、制御部20は、CD断裁ありのJOBであるか否かを判断する(ステップS39)。ステップS39の処理において、CD断裁なしのJOBであると判断した場合(ステップS39のNO判定)、要求されたJOBが完了する。
【0056】
これに対して、ステップS39の処理において、CD断裁ありのJOBであると判断した場合(ステップS39のYES判定)、制御部20は、搬送部47を制御し、スタック部41に積載された用紙を断裁装置5に給紙させる(ステップS40)。そして、断裁装置5は、スタック部41から給紙された用紙に対してCD断裁を実施する(ステップS41)。
【0057】
次に、制御部20は、スタック部41に積載された全ての用紙に対して断裁処理が完了したか否かを判断する(ステップS42)。ステップS42の処理において、全ての用紙に対する断裁処理が完了していないと判断した場合(ステップS42のNO判定)、ステップS40の処理に戻る。これに対して、全ての用紙に対する断裁処理が完了したと判断した場合(ステップS42のYES判定)、制御部20は、「再印字実施情報」がセットされているか否かを判断する(ステップS43)。
【0058】
ステップS43の処理において、「再印字実施情報」がセットされていない、すなわちJOBで要求された枚数の用紙が全て印字されていると判断した場合(ステップS43のNO判定)、要求されたJOBが完了する。
【0059】
これに対して、ステップS43の処理において、「再印字実施情報」がセットされていると判断した場合(ステップS43のYES判定)、制御部20は、JOBで要求された枚数の用紙が全て印字されていないと判断する。そして、制御部20は、「再印字実施情報」をクリアにし(ステップS44)、ステップS33の処理に戻る。これにより、スタック部41に空きが発生した状態で、JOBで要求された印字処理(画像形成処理)を再開することができる。
【0060】
以上、実施の形態例について、その作用効果も含めて説明した。しかしながら、上述の実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0061】
上述した実施の形態例では、4組の画像形成ユニットを用いてカラー画像を形成する構成としたが、本発明にかかる画像形成装置としては、1つの画像形成ユニットを用いて単色画像を形成する構成としてもよい。
【0062】
また、記録媒体として用紙を適用した例を説明したが、これに限定されるものではなく、記録媒体としては、フィルムや布地等その他各種のものが適用可能である。
【0063】
また、上記の各構成要素、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路の設計などによりハードウエアで実現してもよい。また、上記の各構成要素、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウエアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又はICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【符号の説明】
【0064】
1…画像形成システム、 2…画像形成装置、 3…給紙ユニット、 4、4A、4B…スタック装置、 5…断裁装置、 11…給紙トレイ、 12…給紙部、 20…制御部、 21…画像形成部、 22…画像形成ユニット、 23…二次転写部、 24…一次転写部、 25…定着部、 27…搬送部、 41…スタック部、 47…搬送部、 51…断裁部、 57…搬送部、 58…排出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8