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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096558
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】発電システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20240709BHJP
   H01M 8/0432 20160101ALI20240709BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20240709BHJP
   H01M 8/04313 20160101ALI20240709BHJP
   H01M 8/10 20160101ALI20240709BHJP
【FI】
H01M8/04 J
H01M8/0432
H01M8/04746
H01M8/04313
H01M8/04 N
H01M8/10 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023000111
(22)【出願日】2023-01-04
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】當山 広幸
(72)【発明者】
【氏名】高橋 邦幸
(72)【発明者】
【氏名】福村 琢
(72)【発明者】
【氏名】三上 誠
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA06
5H127BA02
5H127BB02
5H127CC07
5H127DB74
5H127DC76
(57)【要約】
【課題】燃料電池装置を冷却して、冷却装置に戻ってきた冷却液の温度を、所望の範囲に調整できる発電システムを提供する。
【解決手段】燃料電池セルを備える燃料電池装置と、前記燃料電池セルを冷却するために、前記燃料電池装置に冷却液を供給し、前記燃料電池装置から回収した前記冷却液を冷却する冷却装置と、前記冷却装置と前記燃料電池装置とを接続し、前記冷却装置から前記燃料電池装置に供給される前記冷却液が流れる第1流路と、前記燃料電池装置と前記冷却装置とを接続し、前記燃料電池装置から前記冷却装置に回収される前記冷却液が流れる第2流路と、前記第1流路を流れる前記冷却液を前記第2流路に流すバイパス流路と、前記バイパス流路に設けられ、前記バイパス流路を流れる前記冷却液の流量を調整するバイパス弁と、を備える発電システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池セルを備える燃料電池装置と、
前記燃料電池セルを冷却するために、前記燃料電池装置に冷却液を供給し、前記燃料電池装置から回収した前記冷却液を冷却する冷却装置と、
前記冷却装置と前記燃料電池装置とを接続し、前記冷却装置から前記燃料電池装置に供給される前記冷却液が流れる第1流路と、
前記燃料電池装置と前記冷却装置とを接続し、前記燃料電池装置から前記冷却装置に回収される前記冷却液が流れる第2流路と、
前記第1流路を流れる前記冷却液を前記第2流路に流すバイパス流路と、
前記バイパス流路に設けられ、前記バイパス流路を流れる前記冷却液の流量を調整するバイパス弁と、
を備える、
発電システム。
【請求項2】
前記第2流路を流れる前記冷却液の温度を検出する温度検出器を更に備え、
前記バイパス弁の開度は、前記温度検出器が検出した温度に基づいて調整される、
請求項1に記載の発電システム。
【請求項3】
前記第1流路に前記冷却液を前記燃料電池装置に送るポンプを備える、
請求項1又は請求項2に記載の発電システム。
【請求項4】
前記第1流路に調節弁を備え、前記バイパス弁は、前記調節弁の開度について時間当たりの変動率が大きい場合に、前記調節弁により変動した流量を補償するように開度が制御される、
請求項1又は請求項2に記載の発電システム。
【請求項5】
前記第1流路に、前記冷却液を貯蔵する第1液槽を備える、
請求項1に記載の発電システム。
【請求項6】
複数の前記燃料電池装置を備え、
前記第1液槽から複数の前記燃料電池装置のそれぞれに前記冷却液を送るポンプを備える、
請求項5に記載の発電システム。
【請求項7】
前記第2流路に、第2液槽を備える。
請求項1に記載の発電システム。
【請求項8】
前記第2液槽に前記冷却液を散布する散布部を備える。
請求項7に記載の発電システム。
【請求項9】
前記散布部は、複数の細孔を備える。
請求項8に記載の発電システム。
【請求項10】
前記第2液槽から前記冷却装置に前記冷却液を送るポンプを備える。
請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、燃料電池スタックと、燃料電池スタックを駆動させる複数の補機と、複数のメンテナンス部品と、燃料電池スタック、複数の補機及び複数のメンテナンス部品を支持するフレームと、を備えた燃料電池モジュールが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-086272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料電池セルを冷却するために、冷却装置が用いられる。冷却装置に戻ってくる冷却液は、燃料電池セルにより加熱されて温度が上昇する。燃料電池セルにおける発電量が増加して、燃料電池セルを冷却して冷却装置に戻ってくる冷却液の温度が高くなると、戻ってきた冷却液の温度が冷却装置の仕様範囲から外れてしまう場合がある。
【0005】
本開示は、燃料電池装置を冷却して、冷却装置に戻ってきた冷却液の温度を、所望の範囲に調整できる発電システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一の態様によれば、燃料電池セルを備える燃料電池装置と、前記燃料電池セルを冷却するために、前記燃料電池装置に冷却液を供給し、前記燃料電池装置から回収した前記冷却液を冷却する冷却装置と、前記冷却装置と前記燃料電池装置とを接続し、前記冷却装置から前記燃料電池装置に供給される前記冷却液が流れる第1流路と、前記燃料電池装置と前記冷却装置とを接続し、前記燃料電池装置から前記冷却装置に回収される前記冷却液が流れる第2流路と、前記第1流路を流れる前記冷却液を前記第2流路に流すバイパス流路と、前記バイパス流路に設けられ、前記バイパス流路を流れる前記冷却液の流量を調整するバイパス弁と、を備える発電システムを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の発電システムによれば、燃料電池装置を冷却して、冷却装置に戻ってきた冷却液の温度を、所望の範囲に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る発電システムの概略を示す図である。
図2図2は、第2実施形態に係る発電システムの概略を示す図である。
図3図3は、第3実施形態に係る発電システムの概略を示す図である。
図4図4は、第4実施形態に係る発電システムの概略を示す図である。
図5図5は、第5実施形態に係る発電システムの概略を示す図である。
図6図6は、第6実施形態に係る発電システムの概略を示す図である。
図7図7は、第7実施形態に係る発電システムの概略を示す図である。
図8図8は、第8実施形態に係る発電システムの概略を示す図である。
図9図9は、第9実施形態に係る発電システムの概略を示す図である。
図10図10は、本実施形態に係る発電システムに用いられる冷却装置に関する変形例を示す図である。
図11図11は、本実施形態に係る発電システムに用いられる冷却装置に関する変形例を示す図である。
図12図12は、本実施形態に係る発電システムに用いられる燃料電池装置に関する変形例を示す図である。
図13図13は、本実施形態に係る発電システムに用いられる燃料電池装置に関する変形例を示す図である。
図14図14は、本実施形態に係る発電システムに用いられる燃料電池装置に関する変形例を示す図である。
図15図15は、本実施形態に係る発電システムに用いられる燃料電池装置に関する変形例を示す図である。
図16図16は、本実施形態に係る発電システムの動作例を説明するための発電システムの概要を示す図である。
図17図17は、本実施形態に係る発電システムの動作例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0010】
なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の又は対応する機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する場合がある。また、理解を容易にするために、図面における各部の縮尺は、実際とは異なる場合がある。
【0011】
平行、直角、直交、水平、垂直、上下、左右及び前後等の方向には、実施形態の効果を損なわない程度のずれが許容される。角部の形状は、直角に限られず、丸みを帯びてもよい。平行、直角、直交、水平、垂直には、それぞれ略平行、略直角、略直交、略水平、略垂直が含まれてもよい。
【0012】
例えば、略平行は、2つの線あるいは2つの面が互いに完全に平行でなくても、製造上許容される範囲内であれば互いに平行として扱うことができることを意味する。他の略直角、略直交、略水平及び略垂直のそれぞれについても、略平行と同様に、2つの線又は2つの面の相互の位置関係が製造上許容される範囲内であればそれぞれに該当することが意図される。
【0013】
≪第1実施形態≫
第1実施形態に係る発電システムについて説明する。図1は、第1実施形態に係る発電装置の一例である発電システム1の概略図である。発電システム1は、燃料電池を用いた発電システムである。
【0014】
<発電システム1>
発電システム1は、燃料電池装置10と、冷却装置20と、を備える。燃料電池装置10は、冷却装置20との間で循環する冷却液RFにより冷却される。冷却液RFは、例えば、水である。また、発電システム1は、ポンプ30と、バイパス弁40と、温度検出器50と、を備える。さらに、発電システム1は、冷却液RFが流れる流路FP1、流路FP2及びバイパス流路FPbを備える。
【0015】
発電システム1は、冷却装置20と燃料電池装置10とを接続し、冷却装置20から燃料電池装置10に供給される冷却液RFである冷却液RF1が流れる流路FP1を備える。また、発電システム1は、燃料電池装置10と冷却装置20とを接続し、燃料電池装置10から冷却装置20に回収される冷却液RFである冷却液RF2が流れる流路FP2を備える。
【0016】
発電システム1は、流路FP1を流れる冷却液RF1の一部又は全部である冷却液RF1bを流路FP2に流すバイパス流路FPbを備える。バイパス流路FPbは、ポンプ30の下流において流路FP1から分岐する。そして、バイパス流路FPbは、流路FP2に合流する。
【0017】
発電システム1において、冷却液RF1からバイパス流路FPbに流れる冷却液RF1bを除く残りの冷却液RF1aは、燃料電池装置10に供給される。そして、燃料電池装置10において、燃料電池セル11を冷却することによって、温度が上昇した冷却液RF2aは、流路FP2において、バイパス流路FPbと合流することにより、冷却液RF1bと混合して冷却液RF2として冷却装置20に戻る。
【0018】
[燃料電池装置10]
燃料電池装置10は、水素と酸素を化学反応させることにより電気を発生させる。燃料電池装置10は、燃料電池セル11を備える。
【0019】
燃料電池セル11は、供給される水素と、空気に含まれる酸素とを化学反応させることにより電気を発生させる。燃料電池セル11は、例えば、固体高分子形燃料電池(PEFC:Polymer Electrolyte Fuel Cell)である。固体高分子形燃料電池である燃料電池セル11は、多数の単セルを積層したスタック構造を有する。
【0020】
固体高分子形燃料電池である燃料電池セル11における単セルは、高分子電解質膜と、高分子電解質膜の両側面に設けられた一対の電極と、を備える膜-電極アッセンブリ(MEA:Membrane Electrode Assembly)を備える。高分子電解質膜は、水素イオンを選択的に輸送する。また、一つの電極のそれぞれは、多孔質材料により形成される。一対の電極のそれぞれは、例えば、白金系の金属触媒(電極触媒)を担持するカーボン粉末を主成分とする触媒層と、通気性及び電子導電性を併せ持つガス拡散層と、を有する。さらに、単セルは、膜-電極アッセンブリ(MEA)を両側から挟み込む一対のセパレータを有する。
【0021】
燃料電池セル11により発生した電気は、昇圧コンバータにより昇圧されて燃料電池装置10から出力される。
【0022】
燃料電池セル11は、発電する際に熱を発生する。燃料電池セル11は、発生する熱により温度が上昇するため冷却する必要がある。燃料電池装置10は、冷却装置20から流路FP1を通って供給される冷却液RF(冷却液RF1a)を用いて燃料電池セル11を冷却する。そして、燃料電池装置10は、燃料電池セル11を冷却して温度が上昇した冷却液RF(冷却液RF2a)を流路FP2を通して冷却装置20に戻す。
【0023】
発電システム1において、燃料電池セル11は、冷却装置20から供給される冷却液RF(冷却液RF1a)によって冷却される。燃料電池セル11は、冷却液RF(冷却液RF1a)により直接冷却されてもよいし、熱交換器において、冷却液RF(冷却液RF1a)と熱交換した冷却液によって冷却することにより、冷却液RF(冷却液RF1a)により間接的に冷却されてもよい。
【0024】
[冷却装置20]
冷却装置20は、燃料電池セル11を冷却するための冷却液を燃料電池装置10に供給する。また、冷却装置20は、燃料電池セル11を冷却した冷却液を燃料電池装置10から回収する。そして、冷却装置20は、回収した冷却液を冷却する。
【0025】
冷却装置20は、例えば、冷却塔(クーリングタワー)である。冷却塔は、冷却液(水)を空気と接触させて、冷却液(水)の気化熱により、冷却液(水)を冷却する。
【0026】
冷却装置20の冷却能力(除熱量)は、燃料電池装置10に必要な除熱量に余裕度、例えば、1.2から1.5の定数、を掛けて算出される。燃料電池装置10に必要な除熱量は、例えば、燃料電池装置10が最大出力における必要な除熱量としてもよい。なお、後述するように、燃料電池装置が複数ある場合は、冷却装置20の冷却能力(除熱量)は、燃料電池装置の台数を燃料電池装置10のそれぞれに必要な除熱量に掛けて、更に、余裕度を掛けることにより算出される。なお、複数の燃料電池装置10のそれぞれに必要な除熱量が異なる場合は、複数の燃料電池装置10のそれぞれに必要な除熱量を足しあわせて、冷却装置20の冷却能力(除熱量)を計算してもよい。
【0027】
[ポンプ30]
ポンプ30は、流路FP1に設けられる。ポンプ30は、バイパス流路FPbで分岐される上流に設けられる。ポンプ30は、燃料電池装置10と冷却装置20との間で冷却液RFを循環させる。ポンプ30は、冷却装置20において冷却されて排出された冷却液RF1を燃料電池装置10に送る。
【0028】
[バイパス弁40]
バイパス弁40は、バイパス流路FPbを流れる冷却液RF1bの流量を調整する。バイパス弁40は、弁の開度を調整することにより、冷却液RF1bの流量を調整する。バイパス弁40の種類は限定されない。バイパス弁40は、例えば、バタフライ弁、グローブ弁、仕切弁又はボール弁である。また、バイパス弁40の開度は、手動で調整してもよいし、自動で調整してもよい。
【0029】
[温度検出器50]
温度検出器50は、冷却液RF2の温度を検出する。温度検出器50は、例えば、測温抵抗体、熱電対又はサーミスタである。発電システム1は温度検出器50の出力に基づいて、バイパス弁40の開度を調整してもよい。また、発電システム1を利用する利用者又は発電システム1を運用する運用者は、温度検出器50の出力を見ながら、バイパス弁40の開度を調整してもよい。
【0030】
[流路FP1、流路FP2及びバイパス流路FPb]
流路FP1、流路FP2及びバイパス流路FPbのそれぞれは、冷却液RFが流れる流路である。流路FP1、流路FP2及びバイパス流路FPbのそれぞれは、1本の配管又は複数の配管を接続して形成される。配管は、ステンレス、アルミニウム、銅、鋼等の金属又は樹脂により形成される。流路FP1とバイパス流路FPbとの分岐又は流路FP2とバイパス流路FPbとの分岐には、例えば、分岐管を用いてもよい。
【0031】
<発電システム1における温度>
冷却装置20において、回収した冷却液RF2の温度を所望の範囲内にする必要がある。例えば、燃料電池装置10において燃料電池セル11を冷却した冷却液RF2の温度が、冷却装置20における耐熱温度を超える可能性がある。
【0032】
発電システム1は、バイパス流路FPbを備えることにより、冷却液RF2aと、冷却液RF2aより温度の低い冷却液RF1bとを混合させて冷却液RF2として冷却装置20に回収される。冷却液RF2aと、冷却液RF2aより温度の低い冷却液RF1bとを混合させて冷却液RF2として冷却装置20に回収されることにより、冷却装置20に戻る冷却液RF2の温度を下げて、冷却液RF2の温度を冷却装置20における仕様範囲内の温度にできる。
【0033】
<まとめ>
第1実施形態に係る発電システムによれば、燃料電池装置を冷却して、冷却装置に戻ってきた冷却液の温度を、所望の範囲に調整できる。
【0034】
冷却装置20における耐熱温度を超えることを防止するために、例えば、冷却装置20を高温対応の仕様の冷却装置に変更することが考えられる。しかしながら、高温対応の仕様を有する冷却装置に変更すると、冷却装置の価格が高くなる。
【0035】
第1実施形態に係る発電システムよれば、高温対応の仕様を有する冷却装置を用いることなく、高温の冷却液に対応できる。
【0036】
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態に係る発電システムについて説明する。図2は、第2実施形態に係る発電システムの一例である発電システム2の概略を示す図である。
【0037】
<発電システム2>
発電システム2は、発電システム1のバイパス弁40に換えて、バイパス弁140を備える。また、発電システム2は、発電システム1に、調節器160を更に備える。
【0038】
[バイパス弁140]
バイパス弁140は、バイパス流路FPbを流れる冷却液RF1bの流量を調整する。バイパス弁140は、弁の開度を調整することにより、冷却液RF1bの流量を調整する。バイパス弁140は、自動調節弁である。バイパス弁140は、空気圧、電力、油圧を動力源とし、開度を変更するアクチュエータを備える。バイパス弁140は、調節器160の出力に基づいてアクチュエータを動作させることにより弁の開度を調節する。
【0039】
[調節器160]
調節器160は、温度検出器50で検出した温度に基づいて、バイパス弁140の開度を調整する制御信号をバイパス弁140に出力する。調節器160は、例えば、冷却液RF2の温度が、冷却装置20の仕様範囲内の温度となるように、バイパス弁140の開度を制御する。
【0040】
<まとめ>
第2実施形態に係る発電システムによれば、燃料電池装置を冷却して、冷却装置に戻ってきた冷却液の温度を、所望の範囲に調整できる。また、第2実施形態に係る発電システムによれば、燃料電池装置を冷却した冷却液の温度が冷却装置の仕様範囲の温度となるようにバイパス弁を制御できる。
【0041】
≪第3実施形態≫
次に、第3実施形態に係る発電システムについて説明する。図3は、第3実施形態に係る発電システムの一例である発電システム3の概略を示す図である。
【0042】
<発電システム3>
発電システム3は、発電システム2に、調節弁241と、調節器261と、を備える。また、発電システム3は、発電システム2の燃料電池装置10に換えて、燃料電池装置210を備える。
【0043】
[燃料電池装置210]
燃料電池装置210は、燃料電池装置10に、更に温度検出器212を備える。温度検出器212は、燃料電池セル11に関連する温度を測定する。温度検出器212は、例えば、燃料電池セル11を冷却する冷却液の温度を測定する。
【0044】
[調節弁241]
調節弁241は、流路FP1におけるバイパス流路FPbとの分岐の下流に設けられる。調節弁241は、冷却液RF1aの流量を制御する。調節弁241は、自動調節弁である。調節弁241は、空気圧、電力、油圧を動力源とし、開度を変更するアクチュエータを備える。調節弁241は、調節器261の出力に基づいてアクチュエータを動作させることにより弁の開度を調節する。
【0045】
[調節器261]
調節器261は、温度検出器212で検出した温度に基づいて、調節弁241の開度を調整する制御信号を調節弁241に出力する。調節器261は、例えば、温度検出器212で検出した温度が、所望の温度となるように、調節弁241の開度を制御する。
【0046】
なお、例えば、調節弁241が、急激に変動した場合に、言い換えると、調節弁241の開度について時間当たりの変動率が大きい場合に、調節弁241により変動した流量を補償するようにバイパス弁140の開度を制御してもよい。
【0047】
また、調節弁241は、ウォータハンマが生じないように、閉め切り性のないバタフライ弁を使用してもよい。また、調節器261は、制御信号において、調節弁241の開度に下限値を設けて、一定の開度以下にはならないように制御してもよい。なお、調節弁241の開度に下限値は、例えば、全開度を100%とすると、10%から20%の間で適宜定めてもよい。
【0048】
<まとめ>
第3実施形態に係る発電システムによれば、燃料電池装置を冷却して、冷却装置に戻ってきた冷却液の温度を、所望の範囲に調整できる。また、第3実施形態に係る発電システムによれば、燃料電池装置を冷却した冷却液の温度が冷却装置における仕様範囲となるようにバイパス弁を制御できる。さらに、第3実施形態に係る発電システムによれば、燃料電池セルを安定して冷却できる。さらにまた、第3実施形態に係る発電システムによれば、バイパス流路を備えることにより、調節弁によって流量が変動しても、変動分をバッファとして調整できる。
【0049】
≪第4実施形態≫
次に、第4実施形態に係る発電システムについて説明する。図4は、第4実施形態に係る発電システムの一例である発電システム4の概略を示す図である。
【0050】
<発電システム4>
発電システム4は、発電システム3において、複数の燃料電池装置210を備える。発電システム4は、例えば、n台(nは2以上の整数)の燃料電池装置210を備える。図4においては、nが3以上の例を示す。なお、図4における符号に付した括弧の数字について説明する。例えば、「(i)」におけるi(ただし、iは1以上n以下の整数)としたときを例に説明すると、符号に付した括弧の番号は、i番目の符号が示す装置、機器等であることを表す。例えば、燃料電池装置210(i)は、i番目の燃料電池装置210を示す。調節弁241(i)は、i番目の燃料電池装置210(210(i))に接続する調節弁241を示す。調節器261(i)は、i番目の燃料電池装置210(210(i))に接続する調節器261を示す。
【0051】
なお、例えば、n台の調節弁241の少なくとも一つが、急激に変動した場合に、言い換えると、n台の調節弁241の少なくとも一つの調節弁241の開度について時間当たりの変動率が大きい場合に、バイパス弁140の開度を制御してもよい。例えば、バイパス弁140の開度をn台の調節弁241の少なくとも一つの調節弁241により変動した流量を補償するように制御してもよい。
【0052】
<まとめ>
第4実施形態に係る発電システムによれば、複数台の燃料電池装置を冷却して、冷却装置に戻ってきた冷却液の温度を、所望の範囲に調整できる。また、第4実施形態に係る発電システムによれば、燃料電池装置を冷却した冷却液の温度が冷却装置における仕様範囲となるようにバイパス弁を制御できる。さらに、第4実施形態に係る発電システムによれば、燃料電池セルを安定して冷却できる。さらにまた、第4実施形態に係る発電システムによれば、バイパス流路を備えることにより、調節弁によって流量が変動しても、変動分をバッファとして調整できる。
【0053】
≪第5実施形態≫
次に、第5実施形態に係る発電システムについて説明する。図5は、第5実施形態に係る発電システムの一例である発電システム5の概略を示す図である。
【0054】
<発電システム5>
発電システム5は、発電システム3において、流路FP1に冷水槽470を備える。また、発電システム5は、ポンプ30に換えて、ポンプ431を備える。
【0055】
[冷水槽470]
冷水槽470は、冷却装置20から供給される冷却液RF1aを貯蔵する。冷水槽470は、流路FP1におけるバイパス流路FPbの分岐の下流に設けられる。冷水槽470は、予め定められた量の冷却液RF(冷却液RF1a)を貯蔵する。
【0056】
[ポンプ431]
ポンプ431は、冷水槽470に貯蔵された冷却液RF1aをくみ上げて燃料電池装置10に供給する。
【0057】
<まとめ>
第5実施形態に係る発電システムによれば、燃料電池装置を冷却して、冷却装置に戻ってきた冷却液の温度を、所望の範囲に調整できる。また、第5実施形態に係る発電システムによれば、燃料電池装置を冷却した冷却液の温度が冷却装置における仕様範囲となるようにバイパス弁を制御できる。さらに、第5実施形態に係る発電システムによれば、燃料電池セルを安定して冷却できる。
【0058】
≪第6実施形態≫
次に、第6実施形態に係る発電システムについて説明する。図6は、第6実施形態に係る発電システムの一例である発電システム6の概略を示す図である。
【0059】
<発電システム6>
発電システム6は、発電システム5において、調節器261に換えて、調節器562を備える。また、発電システム6は、発電システム5において、調節弁241及びポンプ431に換えて、ポンプ532を備える。
【0060】
[調節器562]
調節器562は、温度検出器212における温度検出結果に基づいて、ポンプ532を制御する制御信号を出力する。調節器562は、例えば、温度検出器212により検出した温度が、予め定められた温度になるように、ポンプ532の回転数を制御する。
【0061】
[ポンプ532]
ポンプ532は、冷水槽470に貯蔵された冷却液RF1aを、くみ上げて燃料電池装置10に供給する。ポンプ532は、調節器562が出力する制御信号に基づいて動作する。ポンプ532の回転数を制御して燃料電池装置210への冷却液の量を制御することにより、エネルギーの損失を少なくして消費電力を低減できる。
【0062】
<まとめ>
第6実施形態に係る発電システムによれば、燃料電池装置を冷却して、冷却装置に戻ってきた冷却液の温度を、所望の範囲に調整できる。また、第6実施形態に係る発電システムによれば、燃料電池装置を冷却した冷却液の温度が冷却装置における仕様範囲となるようにバイパス弁を制御できる。さらに、第6実施形態に係る発電システムによれば、燃料電池セルを安定して冷却できる。さらにまた、第6実施形態に係る発電システムによれば、少ない消費電力で稼働することができる。
【0063】
≪第7実施形態≫
次に、第7実施形態に係る発電システムについて説明する。図7は、第7実施形態に係る発電システムの一例である発電システム7の概略を示す図である。
【0064】
<発電システム7>
発電システム7は、発電システム6において、複数の燃料電池装置210を備える。発電システム7は、例えば、n台(nは2以上の整数)の燃料電池装置210を備える。図7においては、nが3以上の例を示す。なお、図7における符号に付した括弧の数字については、第4実施形態と同様である。
【0065】
<まとめ>
第7実施形態に係る発電システムによれば、複数の燃料電池装置を冷却して、冷却装置に戻ってきた冷却液の温度を、所望の範囲に調整できる。また、第7実施形態に係る発電システムによれば、燃料電池装置を冷却した冷却液の温度が冷却装置における仕様範囲となるようにバイパス弁を制御できる。さらに、第7実施形態に係る発電システムによれば、燃料電池セルを安定して冷却できる。さらにまた、第7実施形態に係る発電システムによれば、少ない消費電力で稼働することができる。
【0066】
≪第8実施形態≫
次に、第8実施形態に係る発電システムについて説明する。図8は、第8実施形態に係る発電システムの一例である発電システム8の概略を示す図である。
【0067】
<発電システム8>
発電システム8は、発電システム6において、流路FP2に温水槽780及びポンプ733を更に備える。なお、図8において、発電システム8は、流路FP1及び流路FP2を備え、バイパス流路FPbを備えていないが、バイパス流路FPbを備えるようにしてもよい。
【0068】
[温水槽780]
温水槽780は、燃料電池装置10から排出された冷却液RF2を貯蔵する。温水槽780は、流路FP2に設けられる。温水槽780は、予め定められた量の冷却液RF(冷却液RF2)を貯蔵する。
【0069】
温水槽780は、散水ノズル781を備える。散水ノズル781は、冷却液RF2を散水するために、言い換えると、冷却液RF2を温水槽780の内部に散布するために、複数の細孔を備える。散水ノズル781から、冷却液RF2が温水槽780の内部にシャワー状に散水される。冷却液RF2が温水槽780の内部にシャワー状に散水されることにより、冷却液RF2が放熱して冷却される。
【0070】
発電システム8は、温水槽780を備えることにより、冷却装置20に戻る冷却液RF2の温度を低下させることができる。
【0071】
[ポンプ733]
ポンプ733は、温水槽780に貯蔵された冷却液RF2を、くみ上げて冷却装置20に供給する。
【0072】
<まとめ>
第8実施形態に係る発電システムによれば、燃料電池装置を冷却して、冷却装置に戻ってきた冷却液の温度を、所望の範囲に調整できる。
【0073】
≪第9実施形態≫
次に、第9実施形態に係る発電システムについて説明する。図9は、第9実施形態に係る発電システムの一例である発電システム9の概略を示す図である。
【0074】
<発電システム9>
発電システム1から発電システム8のそれぞれは、冷却装置20において冷却された冷却液を用いて燃料電池装置における燃料電池セルの冷却を行っている。発電システムの使用環境において、温度が低い大量の冷却水、例えば、海水、河川水、地下水、池水又は湖水がある場合は、当該冷却水を、燃料電池装置を冷却する冷却液として利用できる。
【0075】
発電システム9は、発電システム7において、冷却液として、使用環境における冷却水を用いる。図9に示す水源WSは、例えば、海、川、地下、池又は湖である。発電システム9は、水源から、例えば、海水、河川水、地下水、池水又は湖水をくみ上げて、燃料電池セルを冷却する冷却水として使用する。
【0076】
ポンプ532(i)は、水源WSから冷却水W1をくみ上げて、燃料電池装置210(i)に供給する。なお、iは、1以上n以下の整数である。そして、燃料電池装置210(i)は、燃料電池セル11を冷却して温度が上昇した冷却水W2を、水源WSに排出する。
【0077】
<まとめ>
第9実施形態に係る発電システムによれば、冷却装置を冷却できる。
【0078】
なお、流路FP1が第1流路の一例、流路FP2が第2流路の一例、冷水槽470が第1液槽の一例、温水槽780が第2液槽の一例、散水ノズル781が散布部の一例、である。
【0079】
≪変形例≫
各実施形態に適用可能な変形例について説明する。
【0080】
<変形例1>
流路FP1に設けられるポンプ30について、ポンプ30の吐出流量を制御してもよい。図10は、本実施形態に係る発電システムに用いられる冷却装置に関する変形例を示す図である。
【0081】
冷却装置20から出力される冷却液RF1の温度を制御するために、流路FP2における冷却液RF2の温度に基づいて、ポンプ30の回転数を制御してもよい。図10において、流路FP2における温度検出器51による冷却液RF2の温度に基づいて、ポンプ30の回転数を制御してもよい。例えば、温度検出器51の検出結果に基づいて、調節器63が、所望の流量になるようにポンプ30を制御してもよい。
【0082】
<変形例2>
冷却装置を冷却液RF1の温度に基づいて制御してもよい。図11は、本実施形態に係る発電システムに用いられる冷却装置に関する変形例を示す図である。
【0083】
冷却装置として、ファン21aを備える冷却装置21を用いる例について説明する。冷却装置21は、例えば、冷却塔である。ファン21aは、冷却塔である冷却装置21において、冷却液を冷却するために流される空気を供給するファンである。ファン21aによる空気の流量が増えると、冷却液を冷却する能力が高くなる。
【0084】
変形例2において、冷却装置21から出力される冷却液RF1の温度を制御するために、流路FP1における冷却液RF1の温度に基づいて、ファン21aの回転数を制御してもよい。図11において、流路FP1における温度検出器52による冷却液RF1の温度に基づいて、ファン21aの回転数を制御してもよい。例えば、温度検出器52の検出結果に基づいて、調節器64が、所望の回転数になるようにファン21aの回転数を制御してもよい。
【0085】
<変形例3>
燃料電池装置において、熱交換器を用いる例について説明する。図12は、本実施形態に係る発電システムに用いられる燃料電池装置に関する変形例を示す図である。
【0086】
燃料電池装置310は、燃料電池セル11と、熱交換器313と、を備える。熱交換器313は、冷却液RFと、燃料電池装置310の内部において燃料電池セル11を冷却する内部冷却液RFnとの間で熱交換を行う。
【0087】
<変形例4>
燃料電池装置において、熱交換器を用いる例(変形例3)において、内部冷却液RFnの温度に基づいて、調節弁241の開度を調整してもよい。
【0088】
変形例4において、燃料電池装置410は、内部冷却液RFnの温度を制御するために、内部冷却液RFnの温度を検出する温度検出器412を備える。温度検出器412により検出した温度に基づいて、調節弁241の開度を制御してもよい。図13において、温度検出器412による内部冷却液RFnの温度に基づいて、調節弁241の開度を制御してもよい。例えば、温度検出器412の検出結果に基づいて、調節器261が、所望の開度になるように調節弁241を制御してもよい。
【0089】
<変形例5>
燃料電池装置において、燃料電池セルとは別の機器を冷却するようにしてもよい。
【0090】
変形例5において、燃料電池装置510は、補助回路511を冷却するために、熱交換器513を備える。熱交換器513は、冷却液RFと、燃料電池装置510の内部において補助回路511を冷却する内部冷却液RFmとの間で熱交換を行う。補助回路511は、例えば、昇圧コンバータ又はコンプレッサ用モータである。
【0091】
変形例5において、燃料電池装置510は、内部冷却液RFn及び内部冷却液RFmの温度を制御するために、内部冷却液RFnの温度を検出する温度検出器412に加えて温度検出器512を備える。図14において、温度検出器412による内部冷却液RFnの温度及び温度検出器512による内部冷却液RFmの温度に基づいて、調節弁241の開度を制御してもよい。例えば、温度検出器412の検出結果及び温度検出器512の検出結果に基づいて、調節器562が、所望の開度になるように調節弁241を制御してもよい。
【0092】
<変形例6>
燃料電池装置において、燃料電池セルとは別の機器を冷却するようにしてもよい。別の機器を冷却する場合に、温度制御を省略してもよい。
【0093】
変形例6において、燃料電池装置610における内部冷却液RFnの温度を制御するために、温度検出器412が検出した温度に基づいて、調節弁241の開度を制御してもよい。図15において、温度検出器412の検出結果に基づいて、調節器663が、所望の開度になるように調節弁241を制御してもよい。なお、熱交換器513に流れる冷却液RFの流量は、手動弁である手動弁242により調整してもよい。
【0094】
<本実施形態に係る発電システムの動作例>
本実施形態に係る発電システムを動作させた時の動作例について説明する。本実施形態に係る発電システムを動作させた時の動作例を説明するために、図16に示す発電システムEXを用いる。図16は、本実施形態に係る発電システムの動作例を説明するための発電システムEXの概要を示す図である。
【0095】
発電システムEXは、第2実施形態に係る発電システムの一例である発電システム2において、2台の燃料電池装置10、すなわち、燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)を備える。そして、発電システムEXは、変形例1のように、ポンプ30の流量を制御する。
【0096】
発電システムEXは、燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)と、冷却装置20と、を備える。また、発電システムEXは、ポンプ30と、バイパス弁140と、温度検出器50と、調節器65と、制御部66と、を備える。さらに、発電システム1は、冷却液RFが流れる流路FP1、流路FP2及びバイパス流路FPbを備える。
【0097】
前出の構成要素については、上記の説明を参照することとして説明を省略する。
【0098】
[調節器65]
調節器65は、第2実施形態に係る発電システムの一例である発電システム2における調節器160及び変形例1における調節器63の機能を有する。調節器65は、温度検出器50の出力に基づいて、バイパス弁140の開度を制御するとともに、ポンプ30の回転数を制御する。
【0099】
[制御部66]
制御部66は、発電システムEXにおける燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)のそれぞれの出力を制御する。
【0100】
次に、発電システムEXを用いて、本実施形態に係る発電システムの動作例について説明する。図17は、本実施形態に係る発電システムの動作例を説明するための図である。図17は、発電システムEXの処理を説明するフロー図CHARTと、動作時の発電システムの状態を示す表TBLを含む。なお、表TBLは、フロー図CHARTのステップに対応して記載している。
【0101】
表TBLにおける項目について説明する。燃料電池出力は、燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)の出力(単位:キロワット(kW))の和を示す。冷却液温度は、温度検出器50で検出された冷却液RF2の温度(単位:度(℃))を示す。ポンプ流量は、ポンプ30から排出される冷却液RF1の流量(単位:リットル毎分(L/min))を示す。バイパス弁は、バイパス弁140が開いている(開)か又は閉じている(閉)かを示す。バイパス流量は、バイパス流路FBbを流れる冷却液RFbの流量(単位:リットル毎分(L/min))を示す。
【0102】
なお、発電システムEXにおいて、冷却装置20に戻される冷却液RF2の仕様温度は、45℃であるとする。したがって、発電システムEXにおける冷却液温度の目標温度は、45℃とする。
【0103】
(ステップS10)
最初に、発電システムEXは、燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)のそれぞれの動作を開始させる。具体的には、制御部66は、燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)のそれぞれを、起動するように制御する。燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)のそれぞれは、起動後、発電を開始して、発生した電力を出力する。ステップS10において、出力が安定した時点での発電システムEXの状態を表TBLのaに示す。
【0104】
ここでは、例として、燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)のそれぞれは、30キロワットの電力を出力する。例えば、燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)のそれぞれの最大出力は60キロワットとして、燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)のそれぞれは、最大出力の50パーセントの出力を出力する。
【0105】
燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)のそれぞれが起動すると、燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)のそれぞれが備える燃料電池セル11の温度が上昇する。燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)のそれぞれが備える燃料電池セル11を冷却するために、冷却装置20から冷却液RF1が燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)のそれぞれに供給される。
【0106】
冷却装置20から燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)のそれぞれに冷却液RF1を供給するために、ポンプ30は100リットル毎分の冷却液RF1を排出する。
【0107】
なお、燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)のそれぞれの出力が30キロワットの状態では、冷却液RF2の温度は、目標温度と同じ45℃になるとする。また、バイパス弁は閉じられているとする。したがって、バイパス流量は0リットル毎分である。
【0108】
(ステップS20)
次に、発電システムEXは、燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)のそれぞれの出力を最大出力まで増加させる。具体的には、制御部66は、燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)のそれぞれを、出力が最大になるように制御する。燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)のそれぞれは、60キロワットの電力を出力する。ステップS20において、出力が安定した時点での発電システムEXの状態を表TBLのbに示す。なお、下線は、表TBLの上に隣接する行(ここではa)と異なることを示す。
【0109】
燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)のそれぞれの出力を増加させると、冷却液RF2の温度は上昇する(表TBLのc参照)。発電システムEXは、冷却液RF2を冷却させるために最初にポンプ30が排出する流量を制御する。
【0110】
(ステップS30)
次に、発電システムEXは、ポンプ30のポンプ流量を増加させる。具体的には、調節器65は、ポンプ30のモータの回転数を増加させるように制御する。そして、ポンプ30は、排出する流量(ポンプ流量)を増加させる。ステップS20において、ポンプ流量が安定した時点での発電システムEXの状態を表TBLのdに示す。
【0111】
ここでは、調節器65は、ポンプ30のポンプ流量を220リットル毎分となるように制御する。
【0112】
ポンプ30のポンプ流量が増えると、冷却液RF2の温度は低下する(表TBLのe参照)。
【0113】
燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)のそれぞれが備える燃料電池セル11は、出力が大きくなるほど発熱が大きくなる。例えば、燃料電池装置10(1)及び燃料電池装置10(2)のそれぞれの出力が60キロワットの時に必要な除熱量は、出力が30キロワットの時に必要な除熱量の2倍以上、例えば、2.6倍程度必要となる。したがって、ステップS30において、ポンプ流量を出力が30キロワットの時の2倍以上にしているが、冷却液RF2の温度は目標温度より高い47℃となっている。
【0114】
そこで、発電システムEXは、バイパス弁140に冷却液RF1(冷却液RF1b)を流すことにより、冷却液RF2の温度を低下させる。
【0115】
(ステップS40)
発電システムEXは、冷却液RF2の温度が、目標温度以下かどうか判定する。具体的には、調節器65は、温度検出器50により検出した冷却液RF2の温度が目標温度以下かどうか判定する。
【0116】
冷却液RF2の温度が、目標温度より高い場合(ステップS40のNO)、調節器65はステップS50に処理を進める。冷却液RF2の温度が、目標温度以下である場合(ステップS40のYES)、調節器65は処理を終了する。
【0117】
(ステップS50)
ステップS40において、冷却液RF2の温度が目標温度より高いと判定した場合、調節器65は、バイパス弁140を開けて、バイパス流路FPbに冷却液RF1bを流す。また、調節器65は、バイパス流路FPbに流す流量分だけ、ポンプの流量を増加させる。ステップS50において、バイパス弁140を開いた直後の発電システムEXの状態を表TBLのfに示す。
【0118】
調節器65は、例えば、バイパス弁140を開いて、バイパス流路FPbに50リットル毎分の冷却液RF1bを流すように制御する。また、調節器65は、バイパス流路FPbに流す冷却液RF1bの流量分だけポンプ流量を増やして、ポンプ流量が270リットル毎分となるように制御する。
【0119】
発電システムEXは、バイパス流路FPbに冷却液RF1(冷却液RF1b)を流すことによって、冷却液RF2の温度を低下させる。冷却液RF2の温度が低下すると、表TBLのgに示すように、冷却液RF2の温度が目標温度以下になって、処理を終了する。
【0120】
なお、上記の動作例は、本実施形態に係る発電システムにおける動作の一例であって、本実施形態に係る発電システムは、上記の動作に限定されない。また、上記の動作例で示した数値についても、本実施形態に係る発電システムにおける動作を説明するために例として用いる数値であって、本実施形態に係る発電システムにおける動作は、当該数値に限定されない。
【0121】
以上、発電システムを実施形態により説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。他の実施形態の一部又は全部との組み合わせや置換などの種々の変形及び改良が、本開示の範囲内で可能である。
【符号の説明】
【0122】
1、2、3、4、5、6、7、8、9、EX 発電システム
10、210、310、410、510、610 燃料電池装置
11 燃料電池セル
20、21 冷却装置
21a ファン
30 ポンプ
40、140 バイパス弁
50、51、52 温度検出器
63、64、65、160、161 調節器
66 制御部
212、412、512 温度検出器
241 調節弁
242 手動弁
261、562、663 調節器
313、513 熱交換器
431、532、733 ポンプ
470 冷水槽
511 補助回路
780 温水槽
781 散水ノズル
FP1 流路
FP2 流路
FPb バイパス流路
RF、RF1、RF1a、RF1b、RF2、RF2a 冷却液
RFm、RFn 内部冷却液
W1、W2 冷却水
WS 水源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17