(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096567
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】栽培用ハウス用のドアホールド
(51)【国際特許分類】
A01G 9/14 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
A01G9/14 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023000125
(22)【出願日】2023-01-04
(71)【出願人】
【識別番号】000218362
【氏名又は名称】渡辺パイプ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162396
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100122954
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷部 善太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100194803
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 理弘
(72)【発明者】
【氏名】阿部 茂喜
【テーマコード(参考)】
2B029
【Fターム(参考)】
2B029AA01
2B029BB11
2B029BB13
2B029GA02
(57)【要約】
【課題】栽培用ハウスの閉鎖した出入口に隙間ができないように閉鎖して、風に対して閉鎖抵抗の強い手段を開発する。
【解決手段】
ドア取付部材11は、栽培用ハウス4側に取り付けられる本体21と本体21から水平方向に折り曲げて設けられた差込穴26を有する連結片25を有し、
ドア取付部材11に設けられた連結片25は、本体21の一側方に設けられており、
ドア取付部材11を取り付けたドアを閉めた状態で、前記差込穴26と同軸上に、固定棒15が差込穴26と打込管12に挿入できる位置に打込管12が設置されている栽培用ハウス用のドアホールド。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドア取付部材と一本の打込管と一本の固定棒からなる栽培用ハウス用のドアホールドであって、
ドア取付部材は、栽培用ハウス側に取り付けられる本体と本体から水平方向に折り曲げて設けられた差込穴を有する連結片を有し、
ドア取付部材に設けられた連結片は、本体の一側方に設けられており、
ドア取付部材を取り付けたドアを閉めた状態で、前記差込穴と同軸上に、固定棒が差込穴と打込管に挿入できる位置に打込管が設置されていること、
を特徴とする栽培用ハウス用のドアホールド。
【請求項2】
ドア取付部材を一対備えたドアホールドであって、
ドア取付部材の本体には、取付ボルトの挿入用の長穴が設けられており、
ドア取付部材の連結片には、一対の取付部材の連結片を対向させた場合に、双方の差込穴が同軸上になるように差込穴が設けられており、
打込管は、上部に開口した管口、とがった管端を有する地面に打込まれる管体であり、
固定棒は、差込穴よりも太い頭部を有し、差込穴と管口に挿入できる太さの挿入部を有する棒体であり、
一対のドア取付部材を栽培用ハウスの出入口の開閉部に取り付けた状態で二つの差込穴と地面に打込まれた打込管の管口が同軸上に配置できること、
を特徴とする請求項1記載の栽培用ハウス用のドアホールド。
【請求項3】
ドア取付部材は、栽培用ハウス側に取付られる固定ブレードを有し、
固定ブレードは、本体側に挿入される突起と取付ボルト螺着用のメネジを有しており、、
ドア取付部材の本体には、長穴の幅以内に突起用穴が設けられており、
固定ブレードの突起を突起用穴に挿入し、ボルトを長穴から通して本体と固定用ブレードが螺合できることを特徴とする請求項1又は2記載の栽培用ハウス用のドアホールド。
【請求項4】
請求項1又は2に記載された栽培用ハウス用のドアホールドを出入口に取り付けたことを特徴とする栽培用ハウス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業用の栽培用ハウスに関する技術である。特に、栽培用ハウスの出入口の補強に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
栽培用ハウスは、施設農業として、注目されており、普及している。
ハウス栽培は、天候変動の影響を緩和して、栽培環境をコントロールし、計画栽培、安定出荷の手段として有効である。農業の課題を解決する技術的に有効な手段の1つである。
【0003】
ハウスの例としては、丸パイプをアーチ型に曲げたパイプフレームを60~100cm程度の間隔で多数立列設し、水平材や斜材を組み合わせた骨組みをビニールで覆った栽培用ハウスがある。
自然災害による農業用の栽培用ハウスの被害状況は、風害83%、雪害8%、その他9%という統計もある。そして、風害を受ける栽培用ハウスの部位は、フィルム41%、屋根部13%、妻部13%、側面部14%、ハウス全体19%となっており、屋根や妻部などの躯体はほぼ同じ割合の被害となっている。
栽培用ハウスは、大型化しており、また、強風の風害による倒壊などが発生している。温室の出入用の出入口は妻側に設けられることが多く、出入口は可動部であり、風圧を受けて破られることもある。栽培用ハウスは一か所が破られると、その部分から風が入り込み、内部風圧が高まり、浮力が大きくなって、倒壊しやすくなる。あるいは、被覆材に穴などがあると、そこから破れが大きくなる。
【0004】
特許文献1(実開平4-74939号公報)には、吊りドア式のスライドドアの例が開示されている。
本出願人は、出入口の補強手段として、閂手段に関する提案を特許文献2(特開2020-191788号公報)として、提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平4-74939号公報
【特許文献1】特開2020-191788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、栽培用ハウスの閉鎖した出入口に隙間ができないように閉鎖して、風に対して閉鎖抵抗の強い手段を開発することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1.ドア取付部材と一本の打込管と一本の固定棒からなる栽培用ハウス用のドアホールドであって、
ドア取付部材は、栽培用ハウス側に取り付けられる本体と本体から水平方向に折り曲げて設けられた差込穴を有する連結片を有し、
ドア取付部材に設けられた連結片は、本体の一側方に設けられており、
ドア取付部材を取り付けたドアを閉めた状態で、前記差込穴と同軸上に、固定棒が差込穴と打込管に挿入できる位置に打込管が設置されていること、
を特徴とする栽培用ハウス用のドアホールド。
2.ドア取付部材を一対備えたドアホールドであって、
ドア取付部材の本体には、取付ボルトの挿入用の長穴が設けられており、
ドア取付部材の連結片には、一対の取付部材の連結片を対向させた場合に、双方の差込穴が同軸上になるように差込穴が設けられており、
打込管は、上部に開口した管口、とがった管端を有する地面に打込まれる管体であり、
固定棒は、差込穴よりも太い頭部を有し、差込穴と管口に挿入できる太さの挿入部を有する棒体であり、
一対のドア取付部材を栽培用ハウスの出入口の開閉部に取り付けた状態で二つの差込穴と地面に打込まれた打込管の管口が同軸上に配置できること、
を特徴とする1.記載の栽培用ハウス用のドアホールド。
3.ドア取付部材は、栽培用ハウス側に取付られる固定ブレードを有し、
固定ブレードは、本体側に挿入される突起と取付ボルト螺着用のメネジを有しており、
ドア取付部材の本体には、長穴の幅以内に突起用穴が設けられており、
固定ブレードの突起を突起用穴に挿入し、ボルトを長穴から通して本体と固定用ブレードが螺合できることを特徴とする1.又は2.記載の栽培用ハウス用のドアホールド。
4.1.又は2.に記載された栽培用ハウス用のドアホールドを出入口に取り付けたことを特徴とする栽培用ハウス。
【発明の効果】
【0008】
1. 栽培用ハウスの閉鎖した出入口に隙間ができないように閉鎖して、風に対して閉鎖抵抗の強いドアホールドを開発することができた。本発明では、ドアの間に隙間が生じないように、閉めたドアに取り付けられたドア取付部材と地中に埋め込まれた打込管とを固定棒で固定する栽培用ハウス用のドアホールドによって、ドアが強風を受けても、ドアに隙間が生じない。
2.本発明は、片開きドア、両開きドアでも適用できる。両開きのドアで、両側に設けたドア取付部材の連結片の差込穴を固定部材でくし刺しにして、地中に受け込んだ打込管に支持させたので、しっかりとロックできる機構を実現している。この強固なロックによって強風を受けても両側のドアに隙間が生じない。
3.本発明のドアホールドは、出入口の外側に設置することができるので、強風の恐れがあるときに、外側から施工することができる。
4.本発明のドアホールドを取り付けた栽培用ハウスは、入り口のドア部分から風の侵入を防止でき、風の吹込みによる倒壊などの損傷に強い栽培用ハウスを構築することができる。ドアホールドは、特にドアの下側の隙間からの強風対策に有効である。特に、栽培用ハウスの大型化に伴い大型機器の出入りすることができる出入口の風対策に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明のドアホールドを設置した栽培用ハウスの出入口の例である。
【
図2】
図2は、本発明のドアホールドを取り付けた栽培用ハウスの出入口を例示す図である。
【
図3】
図3は、本発明のドアホールドの構成部品の図である。
【
図4】
図4は、ドアホールドの設置工程を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明のドアホールドを栽培用ハウスに適用した実施例の概略斜視図である。
【
図6】
図6は、栽培用ハウスの出入口の従来例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、栽培用ハウスの大型化に伴い、出入口に設置する風圧抵抗力が高いドアホールドである。
栽培用ハウスは大型化に伴い、トラクターなど大型の作業機器の出入りのために、両開きのドアが設けられている。例えば、特許文献1に開示されているような吊りドアタイプのスライドドアである。このようなスライドドアでは、閉めた合わせ面に強風が当たり、風が栽培用ハウスの内側に吹き込んで、栽培用ハウスに損傷を与える危険がある。
出入口は、可動部であり、風圧に弱い部分となって、強風時にこの部分から風が入り込むと、温室内部の風圧が高くなって、吹き上げられたり、シートの破れが拡大するなどの被害が発生しやすい。
本発明では、両側にドアの間に隙間が生じないように、しっかりとロックできる機構を実現している。本発明のドアホールドは、片開ドアに設置しても、強風対策として有効である。
【0011】
本発明の一実態様を示す
図1~4を参照して、本発明のドアホールドについて説明する。
図2にドアホールド1を設置した開閉ドアを示す。(a)は開閉ドアにドアホールド1を設置した状態を示し、(b)はドアホールド1を設置した部分の拡大図を示す。
ドアホールド1は、ドア取付部材11と、地中に埋め込まれた打込管12と、ドア取付部材11を打込管12に固定する固定棒15から構成されている。
ドア取付部材11は左右の開閉ドア51、51それぞれのドア縦枠材53に取り付けられている。左右の開閉ドアが閉まっているとき左右のドア取付部材11(11a、11b)に設けられている差込穴26が重なっており、固定棒15を差込穴26から地中に埋設されている打込管12に挿入して、固定されている。これによって左右のドアは離れないように連結されており、地中に保持されている。
【0012】
図1に本発明のドアホールド1を栽培用ハウス4の妻部6の出入口5に適用した例を示す。
図示の栽培用ハウス4は、単棟で示されているが、連棟にも適用できる。
柱部43と屋根アーチ42からなるアーチ部材41を棟方向に多数並べ、これらのアーチ部材と、棟方向に設けられた棟木44と棟方向に設けられた桁材とを連結し、前後に妻部6を形成して基本の骨格が形成される。この骨格の表面にシートを張って栽培用ハウスが形成される。シートは、屋根シート48、側面シート49などで形成される。これらのシートは、例えば、シート定着材の溝にスプリング材で固定される。図示しないが、側面シートは巻き上げ装置で、開閉できる構造を設けることができる。
妻部6には、高い開口をとることができるので妻部に栽培用ハウスへの出入口を設けるのが一般的である。
【0013】
妻部6には、妻部柱61と妻部桁62を縦横に組み合わせて、格子状の骨格が形成され、その表面に妻部シート46が張ってある。妻部の地面に接する位置には妻部地際桁63が設けられている。
妻部6の中央には左右に開く開閉ドア51が設置された出入口5が設けられている。開閉ドア51は、枠体53とドア横桟55から構成され、表面にシートが張ってある。出入口5を設ける開口部の周囲は、開口枠用の柱や桁材で枠状に形成される。
出入口5の中央下部には本発明のドアホールド1が設けられている。また、通常用いられているドアロック57を中間高さに設けることもできる。さらに、本例では、ドアレール54が図示されているが、ドアレールが設けられない例も可能である。栽培用ハウスの出入用のドアの従来例は、
図6に記載されている。
【0014】
図2に、本発明のドアホールド1を取り付けた栽培用ハウスの出入口の例を示す。
図2(a)は開閉ドア51、51の中央下部にドアホールド1を設けた図であり、
図2(b)はその拡大図である。
開閉ドア51、51の中央に位置する左右のドアのドア縦枠53、53にドアホールド1が設けられる。ドア取付部材11bが右側の開閉ドアのドア縦枠53bに取り付けられ、ドア取付部材11aが左側の開閉ドアのドア縦枠53aに取り付けられており、両側に開閉ドアが閉じられた状態で、両側のドア取付部材11a、11bの差込穴26が重なった状態になっており、その差込穴26の直下に打込管12が土中に埋め込まれている。差込穴26から固定棒15を差し込んで、打込管12に挿入してある。
これによって、左右の開閉ドア51、51は固定され、強風にさらされても、左右のドアの合わせ部に隙間ができず、ドアの合わせ部から風が栽培用ハウスの内部に吹き込むことを防止できる。
【0015】
図3に、ドアホールド1の部品構成例を示す。
ドアホールド1は、同形状の一対のドア取付部材11、一本の打込管12と一本の固定棒15を備えている。
図示のドア取付部材11は、取付金具20と取付金具20をドア枠に取り付ける固定ブレード22を備えている。固定ブレード22は、表面シートを張る開閉ドアのシート固定部材56の溝に嵌め込む形状をしている。なお、固定ブレード22を用いずに、取付金具20を直接ドア縦枠にビス止めすることもできる。
取付金具20には、ボルト用の長穴27を有する本体21と、本体21から水平方向に折り曲げれた連結片25を有し、連結片25には差込穴26が設けられている。
長穴27と差込穴26は左右に離れて設けられている。連結片25の差込穴26は、本体の一方の側方に片寄って設けられていて、左右の取付金具20a、20bを上下に重ねたときに、左右の差込穴26、26の軸が一致するように設定されている。そして、一対の取付金具20a、20bの差込穴26、26を同軸上に重ねた状態で長穴27が出入口5の左右の開閉部の枠体上になる位置に、長穴27が本体21の側方に片寄って設けられる。取付金具20の本体21の上方には、長穴27と同じ幅の範囲内に複数の突起用穴28が設けられている。
固定ブレード22は、突起22aとメネジ22bを有している。
固定ブレード22の突起22aを本体21の突起用穴28に挿入し、取付ボルト23を長穴27から通して本体21と固定ブレード22を螺合することができる。
【0016】
打込管12は、上部に開口した管口13、先端がとがった管端14を有する地面に打込まれる管体である。
固定棒15は、差込穴26よりも太い頭部16を有し、差込穴26と管口13に挿入できる太さの挿入部18を備えている。頭部16には、操作環17が設けられている。
一対のドア取付部材11を栽培用ハウスの出入口の開閉部に取り付けた状態で二つの差込穴26と地面に打込まれた打込管12を同軸上に配置して、固定棒15を挿入できるようにする。
【0017】
図4にドアホールド1の設置工程を示す。
図4(a)に開閉ドアのシート固定部材56に嵌め込んだ固定ブレード22にドア取付部材11a、11bを取り付けた状態が示されている。
この工程では、まず固定ブレード22をシート固定部材56に嵌め込んで位置決めする。その固定ブレード22の突起を取付金具の突起用穴28に差し込んで仮止めする。
突起用穴28を複数設けてあるので、左の開閉ドア51aと右の開閉ドア51bの種類に応じて選択することができる。左側のドア取付部材11aは、連結片25を下側にして取り付け、右側のドア取付部材11bは、連結片25を上側にして取り付けて、左右の連結片の差込穴26、26が上下に一致するようにする。
【0018】
図4(b)に左右の開閉ドア51a、51bを閉じた状態を示している。
左の開閉ドア51aと右の開閉ドア51bを閉じるとそれぞれの開閉ドアに取り付けられているドア取付部材11a、11bの差込穴26が上下に一致する。その差込穴の直下の地面に打込管12を打ち込み、管口13を地上にのぞかせた状態とする。
【0019】
図4(c)に上下の差込穴26から打込管12に固定棒15を差し込んだ状態を示している。
左右の開閉ドア51a、51bを閉じて、固定棒15を取付部材11a、11bの差込穴26に差込、直下の打込管12の管口に固定棒15を挿入する。固定棒15の頭部16を差込穴26より大きく形成しているので、固定棒15は差込穴26に係止された状態となる。この状態で、左右の開閉ドア51a、51bはぴったりと閉じられた状態となり、強風にあっても、隙間はできず、左右の開閉ドア51a、51bの合わせ部から栽培用ハウスの内部に風が入り込むことを防止できる。
風が左右の開閉ドア51a、51bを揺さぶる圧力は、地面に打ち込まれた直管が受け止めるので、可動部である開閉ドア51をしっかりと支えることができる。
【0020】
図4(d)に栽培用ハウスの通常の状態を示す。
固定棒15を打込管12に挿入した状態にしておく。固定棒15の頭部16が管口13よりも大きく形成してあるので、操作環17が設けられた頭部16が地面から露出している。
【0021】
特に、開閉ドア51a、51bを上部に吊る形式の場合は、ドアの下側の支えが弱く、本発明のドアホールドは、このような、栽培用ハウスの出入口が抱える風圧に対する弱点を補強できる。
本発明のドアホールドは、スライド方式による引き戸、蝶番などによる開き戸のいずれにも使用できる。また、両開きあるいは片開の開閉部にも使用できる。
さらに、本発明のドアホールドは、栽培用ハウスの新設時でも、後付けでも設置することができる。
【0022】
図5に強風対策用にドアホールド1と巻上軸ホールド110を栽培用ハウス4に適用した例を示す。
栽培用ハウス4は、単棟式の典型的な例である。
柱部43と屋根アーチ42からなるアーチ部材41を棟方向に多数並べ、棟方向に棟材などの桁材を設けてアーチ部材を連結し、前後に妻部6を形成した骨格が形成される。この骨格の表面に、シートを張って栽培用ハウスが形成される。シートは、屋根シート48、側面シート49、裾シート132、サイドシート135などから形成される。これらのシートは、例えば、シート定着材161の溝にスプリング材で固定される。側面シート49は、開閉可能となるように、上辺が固定され、下辺が巻上軸120に巻き付けられるようになっている。
巻上軸120は、妻側に設けられている巻上機122で回転操作される。巻上機122は、垂直に立てられたガイドロッド123に案内されて、シートの巻取りにしたがって上がり、巻き戻しによって下がることとなる。ガイドロッドは、必要に応じて、反対の妻側にも設けられることがある。
栽培用ハウス4の側面にはバンド162が、上下に設けたバンドフック163に掛けて、ジグザクに張設されている。側面シート49はバンド162と柱部43の間を上下する。側面シート49が巻き戻された状態で、バンド162が側面シート49を押さえているので、通常状態では、風が栽培用ハウスの中に入り込むことは無い。バンドフック163は、上は母屋材145、下は裾シートを押さえているシート定着材161に取り付けられている。
【0023】
本例では、巻上軸120を巻き戻した状態で、巻上軸を押さえることができるように、巻上軸ホールド110を柱部43に取り付けている。取り付け箇所は、棟の長手方向に複数設けることができる。特に、端側を安定させることが重要なので、ガイドロッド123に近い(妻部に近い)柱には取り付ける。
巻上軸120は、栽培ハウスの側面から出っ張っているので、巻上軸を巻上軸ホールド110より下にいったん下げて、少し巻き上げると、巻上軸120がホールドの湾曲空間に納まる。
ただし、巻上軸が長く、シートが不均等に巻き付くと、巻上軸がゆがむことがあるが、本発明のホールドは、連続体ではなく、基本的には巻上機側の2、3番目の柱部材に設置するので、巻上機の操作で巻上軸を湾曲空間に設置することができる。あるいは、ホールドを巻上軸の反対側の妻側の柱部材や中間の柱部材にも設置することができる。
【0024】
妻部6には、妻部の骨格に妻部シート46が張設されており、中央に開閉ドア51が設置されていて、栽培用ハウス4への出入口5が設けられる。
妻部6の構成及び開閉ドア51、ドアホールド1の構成は、
図1と同様である。
妻部6の中央には左右に開く開閉ドア51が設置された出入口5が設けられている。
中央下部には本発明のドアホールド1が設けられている。
【0025】
本発明のドアホールドを取り付けた栽培用ハウスは、入り口のドア部分から風の侵入を防止でき、風の吹込みによる栽培用ハウスの倒壊などの損傷に強い栽培用ハウスを構築することができ、栽培用ハウスの大型化に伴い大型機器の出入りすることができる出入口の強風対策に対応できる。
さらに、換気用の側面シートを開閉する巻上軸ホールドと本発明のドアホールドを併用した栽培用ハウスは、風の進入路となる妻側と側面の2か所を効果的に塞ぐことができるので、栽培用ハウスの大型化に伴う風対策として有効である。
【符号の説明】
【0026】
1 ドアホールド
11、11a、11b ドア取付部材
12 打込管
13 管口
14 管端
15 固定棒
16 頭部
17 操作環
18 挿入部
20、20a、20b 取付金具、
21、21a、21b 本体
22 固定ブレード
22a 突起
22b メネジ
23 取付ボルト
24 本体
25 連結片
26 差込穴
27 長穴
28 突起用穴
4 栽培用ハウス
41 アーチ部材
42 屋根アーチ
43 柱部
44 棟木
46 妻部シート
48 屋根シート
49 側面シート
5 出入口
51、51a、51b 開閉ドア
52 ドア枠
53、53a、53b 枠体
54 ドアレール
55 ドア横桟
56 シート固定部材
57 ドアロック
6 妻部
61 妻部柱
62 妻部桁
63 妻部地際桁
110 巻上軸ホールド
120 巻上軸
122 巻上機
123 ガイドロッド
135 サイドシート
132 裾シート
145 母屋材
153 開口部
161 シート定着材
162 バンド
163 バンドフック