(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096580
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】光照射装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20240709BHJP
H01L 33/64 20100101ALI20240709BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20240709BHJP
F21V 29/56 20150101ALI20240709BHJP
F21V 29/76 20150101ALI20240709BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20240709BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240709BHJP
【FI】
B41J2/01 129
H01L33/64
H01L33/00 L
B41J2/01 301
F21V29/56
F21V29/76
F21V29/503
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023000150
(22)【出願日】2023-01-04
(71)【出願人】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】澤口 竜太
(72)【発明者】
【氏名】村山 恭一
【テーマコード(参考)】
2C056
5F142
【Fターム(参考)】
2C056FD20
2C056HA44
2C056HA60
5F142AA42
5F142BA32
5F142CA03
5F142CA13
5F142CB15
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD13
5F142CD18
5F142CF13
5F142CF32
5F142CF34
5F142CF42
5F142GA31
(57)【要約】
【課題】複数の発光素子を均一に冷却することができる光照射装置を提供する。
【解決手段】光照射装置において、冷却部20は、第1板状部21と、第2板状部22と、複数の第1壁部23と、複数の第2壁部24と、枠部25と、を含む。第1板状部21は、複数の発光素子と熱的に接続されている。各第1壁部と各第2壁部24とは、互いに離間した状態で交互に配置されている。各第1壁部23、各第2壁部24、及び枠部25は、第1板状部21及び第2板状部22のそれぞれと熱的に接続されている。各第1壁部23は、冷却液を通過させる複数の第1通過部23aを有する。各第2壁部24は、冷却液を通過させる複数の第2通過部24aを有する。複数の第1通過部23aは、X方向に並んでおり、Z方向において第2板状部22側に片寄っている。複数の第2通過部24aは、X方向に並んでおり、Z方向において第1板状部21側に片寄っている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に垂直な面に沿って二次元に配置された複数の発光素子を含む光照射部と、
流入口及び流出口を有し、前記流入口から前記流出口に冷却液を流通させることで前記複数の発光素子を冷却する冷却部と、を備え、
前記冷却部は、
前記複数の発光素子と熱的に接続された第1板状部と、
前記第1方向において前記第1板状部と向かい合っている第2板状部と、
前記第1板状部と前記第2板状部との間において、それぞれが前記第1方向に垂直な第2方向に延在しており、前記第1方向及び前記第2方向の両方向に垂直な第3方向に並んでいる複数の第1壁部と、
前記第1板状部と前記第2板状部との間において、それぞれが前記第2方向に延在しており、前記第3方向に並んでいる複数の第2壁部と、
前記第1板状部と前記第2板状部との間において、前記複数の第1壁部及び前記複数の第2壁部を囲んでいる枠部と、を含み、
前記流入口は、前記複数の第1壁部及び前記複数の第2壁部に対して前記第3方向における一方の側に配置されており、
前記流出口は、前記複数の第1壁部及び前記複数の第2壁部に対して前記第3方向における他方の側に配置されており、
前記複数の第1壁部のそれぞれと前記複数の第2壁部のそれぞれとは、互いに離間した状態で交互に配置されており、
前記複数の第1壁部のそれぞれは、前記第1板状部及び前記第2板状部のそれぞれと熱的に接続されており、
前記複数の第2壁部のそれぞれは、前記第1板状部及び前記第2板状部のそれぞれと熱的に接続されており、
前記枠部は、前記第1板状部及び前記第2板状部のそれぞれと熱的に接続されており、
前記複数の第1壁部のそれぞれは、前記冷却液を通過させる複数の第1通過部を有し、
前記複数の第2壁部のそれぞれは、前記冷却液を通過させる複数の第2通過部を有し、
前記複数の第1通過部は、前記第2方向に並んでおり、前記第1方向において前記第2板状部側に片寄っており、
前記複数の第2通過部は、前記第2方向に並んでおり、前記第1方向において前記第1板状部側に片寄っている、光照射装置。
【請求項2】
前記複数の第1壁部のそれぞれは、
前記第2方向に延在しており、前記第1板状部と熱的に接続された第1本体部と、
前記第2方向に並んでおり、それぞれが前記第2板状部と熱的に接続された複数の第1凸部と、を含み、
前記複数の第1通過部のそれぞれは、前記複数の第1凸部のうち隣り合う一対の第1凸部の間の領域であり、
前記複数の第2壁部のそれぞれは、
前記第2方向に延在しており、前記第2板状部と熱的に接続された第2本体部と、
前記第2方向に並んでおり、それぞれが前記第1板状部と熱的に接続された複数の第2凸部と、を含み、
前記複数の第2通過部のそれぞれは、前記複数の第2凸部のうち隣り合う一対の第2凸部の間の領域である、請求項1に記載の光照射装置。
【請求項3】
前記第1本体部及び前記複数の第1凸部は、前記第1板状部と一体で形成されており、
前記複数の第1凸部のそれぞれは、ロウ材によって前記第2板状部と接合されており、
前記第2本体部及び前記複数の第2凸部は、前記第2板状部と一体で形成されており、
前記複数の第2凸部のそれぞれは、ロウ材によって前記第1板状部と接合されており、
前記枠部は、前記第1板状部及び前記第2板状部の一方と一体で形成されており、
前記枠部は、ロウ材によって前記第1板状部及び前記第2板状部の他方と接合されている、請求項2に記載の光照射装置。
【請求項4】
前記複数の第1凸部のそれぞれ及び前記複数の第2凸部のそれぞれは、四角柱状に形成されている、請求項2に記載の光照射装置。
【請求項5】
前記第2板状部の厚さは、前記第1板状部の厚さよりも大きい、請求項1に記載の光照射装置。
【請求項6】
前記第1方向から見た場合に、前記複数の発光素子が配置されている領域は、少なくとも前記第3方向において、前記複数の第1壁部及び前記複数の第2壁部が配置されている領域に含まれている、請求項1に記載の光照射装置。
【請求項7】
前記流入口は、前記第1方向において前記第1板状部と向かい合うように前記第2板状部に形成されている、請求項1に記載の光照射装置。
【請求項8】
前記冷却部は、前記第2板状部における前記第1板状部とは反対側の表面に設けられた複数の放熱フィンを更に含む、請求項1に記載の光照射装置。
【請求項9】
前記第2方向に並んだ前記複数の第1通過部のうちの両端の第1通過部、及び、前記第2方向に並んだ前記複数の第2通過部のうちの両端の第2通過部の少なくとも一方は、前記枠部に臨んでいる、請求項1に記載の光照射装置。
【請求項10】
前記第1方向から見た場合に、前記複数の発光素子のうちの一部の発光素子は、前記枠部と重なっている、請求項9に記載の光照射装置。
【請求項11】
前記流入口が前記第2板状部に形成されている場合には、前記複数の第1壁部及び前記複数の第2壁部のうち前記第3方向において前記流入口に最も近い壁部は第1壁部であり、
前記流入口が前記第1板状部に形成されている場合には、前記複数の第1壁部及び前記複数の第2壁部のうち前記第3方向において前記流入口に最も近い壁部は第2壁部である、請求項1に記載の光照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
所定方向に垂直な面に沿って二次元に配置された複数の発光素子を含む光照射部と、冷却液を流通させることで複数の発光素子を冷却する冷却部と、を備える光照射装置であって、冷却部において冷却液の流路が所定方向に垂直な面に沿って蛇行しているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような光照射装置では、流路の下流側ほど冷却液の温度が上昇するため、複数の発光素子を均一に冷却することが難しい。例えば、上述したような光照射装置が印刷物のインクを乾燥させるために用いられる場合、各発光素子の照度を均一にするために複数の発光素子を均一に冷却することは極めて重要である。
【0005】
本発明は、複数の発光素子を均一に冷却することができる光照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光照射装置は、[1]「第1方向に垂直な面に沿って二次元に配置された複数の発光素子を含む光照射部と、流入口及び流出口を有し、前記流入口から前記流出口に冷却液を流通させることで前記複数の発光素子を冷却する冷却部と、を備え、前記冷却部は、前記複数の発光素子と熱的に接続された第1板状部と、前記第1方向において前記第1板状部と向かい合っている第2板状部と、前記第1板状部と前記第2板状部との間において、それぞれが前記第1方向に垂直な第2方向に延在しており、前記第1方向及び前記第2方向の両方向に垂直な第3方向に並んでいる複数の第1壁部と、前記第1板状部と前記第2板状部との間において、それぞれが前記第2方向に延在しており、前記第3方向に並んでいる複数の第2壁部と、前記第1板状部と前記第2板状部との間において、前記複数の第1壁部及び前記複数の第2壁部を囲んでいる枠部と、を含み、前記流入口は、前記複数の第1壁部及び前記複数の第2壁部に対して前記第3方向における一方の側に配置されており、前記流出口は、前記複数の第1壁部及び前記複数の第2壁部に対して前記第3方向における他方の側に配置されており、前記複数の第1壁部のそれぞれと前記複数の第2壁部のそれぞれとは、互いに離間した状態で交互に配置されており、前記複数の第1壁部のそれぞれは、前記第1板状部及び前記第2板状部のそれぞれと熱的に接続されており、前記複数の第2壁部のそれぞれは、前記第1板状部及び前記第2板状部のそれぞれと熱的に接続されており、前記枠部は、前記第1板状部及び前記第2板状部のそれぞれと熱的に接続されており、前記複数の第1壁部のそれぞれは、前記冷却液を通過させる複数の第1通過部を有し、前記複数の第2壁部のそれぞれは、前記冷却液を通過させる複数の第2通過部を有し、前記複数の第1通過部は、前記第2方向に並んでおり、前記第1方向において前記第2板状部側に片寄っており、前記複数の第2通過部は、前記第2方向に並んでおり、前記第1方向において前記第1板状部側に片寄っている、光照射装置」である。
【0007】
上記[1]に記載の光照射装置では、第1板状部と第2板状部との間且つ枠部の内側において、複数の第1壁部のそれぞれと複数の第2壁部のそれぞれとが、互いに離間した状態で交互に配置されており、複数の第1壁部のそれぞれでは、複数の第1通過部が第2板状部側に片寄っており、複数の第2壁部のそれぞれでは、複数の第2通過部が第1板状部側に片寄っている。これにより、流入口から流出口に至る冷却液の流速が均一化され、その結果、冷却部による冷却効果が第1方向に垂直な面に沿って均一化される。更に、冷却液の流れの向きが第1方向においてジグザグ状に変えられるため、冷却部において冷却液との接触面積が増加すると共に冷却液の流れに乱流が発生しやすくなり、その結果、冷却部による冷却効率が向上する。また、上記[1]に記載の光照射装置では、複数の第1壁部のそれぞれ、複数の第2壁部のそれぞれ、及び枠部が、第1板状部及び第2板状部のそれぞれと熱的に接続されている。これにより、複数の発光素子で発生した熱が、複数の第1壁部のそれぞれ、複数の第2壁部のそれぞれ、及び枠部を介して第1板状部側から第2板状部側に移動しやすくなり、その結果、冷却部による冷却効率が向上する。以上により、上記[1]に記載の光照射装置によれば、複数の発光素子を均一に冷却することができる。
【0008】
本発明の光照射装置は、[2]「前記複数の第1壁部のそれぞれは、前記第2方向に延在しており、前記第1板状部と熱的に接続された第1本体部と、前記第2方向に並んでおり、それぞれが前記第2板状部と熱的に接続された複数の第1凸部と、を含み、前記複数の第1通過部のそれぞれは、前記複数の第1凸部のうち隣り合う一対の第1凸部の間の領域であり、前記複数の第2壁部のそれぞれは、前記第2方向に延在しており、前記第2板状部と熱的に接続された第2本体部と、前記第2方向に並んでおり、それぞれが前記第1板状部と熱的に接続された複数の第2凸部と、を含み、前記複数の第2通過部のそれぞれは、前記複数の第2凸部のうち隣り合う一対の第2凸部の間の領域である、上記[1]に記載の光照射装置」であってもよい。当該[2]に記載の光照射装置によれば、複数の第1壁部のそれぞれにおいて複数の第1通過部が第2板状部側に片寄っており且つ複数の第2壁部のそれぞれにおいて複数の第2通過部が第1板状部側に片寄っている構成を簡易な構造で実現することができる。
【0009】
本発明の光照射装置は、[3]「前記第1本体部及び前記複数の第1凸部は、前記第1板状部と一体で形成されており、前記複数の第1凸部のそれぞれは、ロウ材によって前記第2板状部と接合されており、前記第2本体部及び前記複数の第2凸部は、前記第2板状部と一体で形成されており、前記複数の第2凸部のそれぞれは、ロウ材によって前記第1板状部と接合されており、前記枠部は、前記第1板状部及び前記第2板状部の一方と一体で形成されており、前記枠部は、ロウ材によって前記第1板状部及び前記第2板状部の他方と接合されている、上記[2]に記載の光照射装置」であってもよい。当該[3]に記載の光照射装置によれば、複数の第1壁部のそれぞれ、複数の第2壁部のそれぞれ、及び枠部が、第1板状部及び第2板状部のそれぞれと熱的に接続されている構成を簡易な構造で実現することができる。更に、複数の発光素子で発生した熱を、複数の第1壁部のそれぞれ、複数の第2壁部のそれぞれ、及び枠部を介して第1板状部側から第2板状部側に、効率良く且つ確実に移動させることができる。
【0010】
本発明の光照射装置は、[4]「前記複数の第1凸部のそれぞれ及び前記複数の第2凸部のそれぞれは、四角柱状に形成されている、上記[2]又は[3]に記載の光照射装置」であってもよい。当該[4]に記載の光照射装置によれば、冷却液の流れに乱流が発生しやすくなるため、冷却部による冷却効率を向上させることができる。また、冷却部の製造を容易化することができる。
【0011】
本発明の光照射装置は、[5]「前記第2板状部の厚さは、前記第1板状部の厚さよりも大きい、上記[1]~[4]のいずれか一つに記載の光照射装置」であってもよい。当該[5]に記載の光照射装置によれば、第2板状部の熱容量が第1板状部の熱容量よりも大きくなるため、複数の発光素子で発生した熱を第1板状部から第2板状部に効率良く且つ確実に移動させることができる。
【0012】
本発明の光照射装置は、[6]「前記第1方向から見た場合に、前記複数の発光素子が配置されている領域は、少なくとも前記第3方向において、前記複数の第1壁部及び前記複数の第2壁部が配置されている領域に含まれている、上記[1]~[5]のいずれか一つに記載の光照射装置」であってもよい。当該[6]に記載の光照射装置によれば、複数の発光素子を効率良く且つ均一に冷却することができる。
【0013】
本発明の光照射装置は、[7]「前記流入口は、前記第1方向において前記第1板状部と向かい合うように前記第2板状部に形成されている、上記[1]~[6]のいずれか一つに記載の光照射装置」であってもよい。当該[7]に記載の光照射装置によれば、流入口から流入した冷却液が第1板状部に衝突するように流れるため、複数の発光素子をより効率良く冷却することができる。
【0014】
本発明の光照射装置は、[8]「前記冷却部は、前記第2板状部における前記第1板状部とは反対側の表面に設けられた複数の放熱フィンを更に含む、上記[1]~[7]のいずれか一つに記載の光照射装置」であってもよい。当該[8]に記載の光照射装置によれば、第2板状部での放熱性が向上するため、複数の発光素子で発生した熱を第1板状部側から第2板状部側に効率良く且つ確実に移動させることができる。
【0015】
本発明の光照射装置は、[9]「前記第2方向に並んだ前記複数の第1通過部のうちの両端の第1通過部、及び、前記第2方向に並んだ前記複数の第2通過部のうちの両端の第2通過部の少なくとも一方は、前記枠部に臨んでいる、上記[1]~[8]のいずれか一つに記載の光照射装置」であってもよい。当該[9]に記載の光照射装置によれば、複数の発光素子で発生した熱を枠部から冷却液にも効果的に移動させることができる。
【0016】
本発明の光照射装置は、[10]「前記第1方向から見た場合に、前記複数の発光素子のうちの一部の発光素子は、前記枠部と重なっている、上記[9]に記載の光照射装置」であってもよい。当該[10]に記載の光照射装置によれば、複数の発光素子が配置される領域を広げて、光照射部の発光面積を広げることができる。また、複数の発光素子が配置される密度を高めて、光照射部の全体としての発光強度を高めることができる。更に、複数の光照射部がアレイ状に並べられる場合には、隣り合う光照射部の間に、発光素子の配置が疎になる領域が生じにくくなるため、複数の光照射部の全体として均一な発光面を得ることができる。
【0017】
本発明の光照射装置は、[11]「前記流入口が前記第2板状部に形成されている場合には、前記複数の第1壁部及び前記複数の第2壁部のうち前記第3方向において前記流入口に最も近い壁部は第1壁部であり、前記流入口が前記第1板状部に形成されている場合には、前記複数の第1壁部及び前記複数の第2壁部のうち前記第3方向において前記流入口に最も近い壁部は第2壁部である、上記[1]~[10]のいずれか一つに記載の光照射装置」であってもよい。当該[11]に記載の光照射装置によれば、流入口が第2板状部に形成されている場合、流入口から流入した冷却液が、流入口に最も近い第1壁部が有する複数の第1通過部に向かう際に、冷却液の流れの向きが大きく変えられることとなり、第2方向において冷却液の流速が均一化されるため、複数の発光素子をより均一に冷却することができる。同様に、流入口が第1板状部に形成されている場合、流入口から流入した冷却液が、流入口に最も近い第2壁部が有する複数の第2通過部に向かう際に、冷却液の流れの向きが大きく変えられることとなり、第2方向において冷却液の流速が均一化されるため、複数の発光素子をより均一に冷却することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複数の発光素子を均一に冷却することができる光照射装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】
図2に示されるIII-III線に沿っての光照射部の断面図である。
【
図5】
図4に示されるX方向に垂直な面に沿っての冷却部の断面図である。
【
図6】
図4に示されるX方向に垂直な面に沿っての冷却部の一部分の断面図である。
【
図7】
図4に示されるY方向に垂直な面に沿っての第1壁部の一部分の断面図である。
【
図8】
図4に示されるY方向に垂直な面に沿っての第2壁部の一部分の断面図である。
【
図12】X方向に垂直な面に沿っての変形例の冷却部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
図1に示されるように、光照射装置1は、光照射ユニット2と、電源ユニット3と、チラー4と、を備えている。光照射ユニット2は、光照射部10及び冷却部20によって構成されている。光照射部10は、Z方向(第1方向)に垂直な面に沿って二次元に配置された複数の発光素子11を含んでいる。冷却部20は、流入口20a及び流出口20bを有している。冷却部20は、流入口20aから流出口20bに冷却液を流通させることで複数の発光素子11を冷却する。電源ユニット3は、光照射部10と電気的に接続されている。電源ユニット3は、光照射部10に電力を供給する。チラー4は、配管5を介して冷却部20の流入口20aと接続されていると共に、配管6を介して冷却部20の流出口20bと接続されている。チラー4は、冷却液を冷却しつつ、冷却部20に冷却液を循環供給する。一例として、光照射装置1は、Z方向に垂直な面に沿って搬送される印刷物に対して、複数の発光素子11から出射された紫外線を照射することで、当該印刷物のインクを乾燥させるために用いられる。
【0022】
図2に示されるように、光照射部10では、複数のベース12によって複数の発光素子11が支持されている。各発光素子11は、例えば、紫外線を出射するLED素子である。複数のベース12は、X方向(第1方向に垂直な第2方向)に並んでいる。各ベース12は、例えば、Z方向を厚さ方向として矩形板状に形成されている。各ベース12は、熱伝導性に優れた材料(例えば、銅、アルミニウム、窒化アルミニウム等)によって形成されている。各ベース12において、複数の発光素子11は、例えば、X方向を行方向とし且つY方向(第1方向及び第2方向の両方向に垂直な第3方向)を列方向としてマトリックス状に配置されている。複数の発光素子11が配置されている領域R1は、例えば、X方向を長辺方向とする矩形状である。
【0023】
光照射部10の構成の一例について、より詳細に説明する。
図3は、
図2に示されるIII-III線に沿っての光照射部10の断面図である。
図3に示されるように、ベース12上には、絶縁層13が形成されており、絶縁層13上には、第1電極パターン14、第2電極パターン15、及び複数の実装パターン16が形成されている。第1電極パターン14及び第2電極パターン15は、それぞれ、X方向に延在している。複数の実装パターン16は、第1電極パターン14と第2電極パターン15との間において、X方向を行方向とし且つY方向を列方向としてマトリックス状に配置されている。複数の実装パターン16のうち、第1電極パターン14に隣接した状態でX方向に並んでいる複数の実装パターン16は、第1電極パターン14と一体で形成されている。
【0024】
各発光素子11は、接合層17を介して各実装パターン16上に配置されている。接合層17は、例えば、半田層であり、発光素子11のアノードと実装パターン16とを接合している。隣り合う一対の発光素子11に着目すると、第1電極パターン14側の発光素子11のカソードと、第2電極パターン15側の発光素子11が配置された実装パターン16とには、ワイヤ18が掛け渡されている。第2電極パターンに隣接している発光素子11については、当該発光素子11のカソードと第2電極パターン15とにワイヤ18が掛け渡されている。電源ユニット3(
図1参照)は、第1電極パターン14及び第2電極パターン15を介して複数の発光素子11に電力を供給し、複数の発光素子11を点灯させる。なお、接合層17は、半田層に限定されず、ロウ材等の金属接合材からなる層であってもよい。また、各発光素子11は、バンプ接合等の接合方法によって各実装パターン16上に実装されていてもよい。
【0025】
図4及び
図5に示されるように、冷却部20は、第1板状部21と、第2板状部22と、複数の第1壁部23と、複数の第2壁部24と、枠部25と、を含んでいる。第1板状部21、第2板状部22、複数の第1壁部23、複数の第2壁部24、及び枠部25は、熱伝導性及び加工性に優れた材料(例えば、銅、アルミニウム等)によって中実で形成されている。
【0026】
第1板状部21及び第2板状部22は、Z方向において向かい合っている。第1板状部21及び第2板状部22は、それぞれ、例えば、Z方向を厚さ方向とし且つX方向を長辺方向として矩形板状に形成されている。第2板状部22の厚さは、第1板状部21の厚さよりも大きい。第1板状部21は、複数の発光素子11(
図3参照)と熱的に接続されている。より具体的には、第1板状部21は、第2板状部22とは反対側から第1板状部21に複数のベース12(
図3参照)が接触させられることで、複数の発光素子11と熱的に接続されている。第1板状部21と各ベース12との間には、サーマルグリース等の熱伝導部材が配置されてもよい。なお、
図4では、見易さの観点から、後述する複数の第1凸部27及び複数の第2凸部29にハッチングを付している。
【0027】
各第1壁部23は、第1板状部21と第2板状部22との間においてX方向に延在している。複数の第1壁部23は、第1板状部21と第2板状部22との間においてY方向に並んでいる。各第2壁部24は、第1板状部21と第2板状部22との間においてX方向に延在している。複数の第2壁部24は、第1板状部21と第2板状部22との間においてY方向に並んでいる。各第1壁部23と各第2壁部24とは、互いに離間した状態で交互に配置されている。枠部25は、第1板状部21と第2板状部22との間において、複数の第1壁部23及び複数の第2壁部24を囲んでいる。枠部25は、例えば、X方向を長辺方向として矩形枠状に形成されている。枠部25における内側の側面の各隅部には、ラウンド状の面取りが施されている。一例として、Z方向における各第1壁部23の高さ、Z方向における各第2壁部24の高さ、及びZ方向における枠部25の高さは、実質的に等しい。
【0028】
流入口20aは、複数の第1壁部23及び複数の第2壁部24に対してY方向における一方の側に配置されている。流出口20bは、複数の第1壁部23及び複数の第2壁部24に対してY方向における他方の側に配置されている。本実施形態では、流入口20a及び流出口20bは、それぞれ、Z方向において第1板状部21と向かい合うように第2板状部22に形成されている。流入口20a及び流出口20bは、Z方向から見た場合に、X方向における枠部25の中心においてY方向に並んでいる。
【0029】
各第1壁部23は、冷却液を通過させる複数の第1通過部23aを有している。各第2壁部24は、冷却液を通過させる複数の第2通過部24aを有している。複数の第1通過部23aは、X方向に並んでおり、Z方向において第2板状部22側に片寄っている。つまり、Z方向における各第1通過部23aの中心は、Z方向における第1壁部23の中心に対して第2板状部22側に位置している。複数の第2通過部24aは、X方向に並んでおり、Z方向において第1板状部21側に片寄っている。つまり、Z方向における各第2通過部24aの中心は、Z方向における第2壁部24の中心に対して第1板状部21側に位置している。
【0030】
図4、
図6及び
図7に示されるように、各第1壁部23は、第1本体部26と、複数の第1凸部27と、を含んでいる。第1本体部26は、X方向に延在している。複数の第1凸部27は、X方向に並んでいる。各第1凸部27は、第1本体部26から第2板状部22側に突出しており、四角柱状に形成されている。各第1通過部23aは、隣り合う一対の第1凸部27の間の領域である。第1本体部26及び複数の第1凸部27は、第1板状部21と一体で形成されている。これにより、第1本体部26は、第1板状部21と熱的に接続されている。各第1凸部27は、ロウ材31によって第2板状部22と接合されている。ロウ材31は、各第1凸部27の頂面27aと、第2板状部22における第1板状部21側の表面22aとの間に配置されている。これにより、各第1凸部27は、第2板状部22と熱的に接続されている。つまり、各第1壁部23は、第1板状部21及び第2板状部22のそれぞれと熱的に接続されている。各第1壁部23において、X方向に並んだ複数の第1通過部23aのうちの両端の第1通過部23aは、枠部25に臨んでいる。つまり、両端の第1通過部23aのそれぞれにおいては、枠部25の内側の面が当該第1通過部23aに露出している。
【0031】
図4、
図6及び
図8に示されるように、各第2壁部24は、第2本体部28と、複数の第2凸部29と、を含んでいる。第2本体部28は、X方向に延在している。複数の第2凸部29は、X方向に並んでいる。各第2凸部29は、第2本体部28から第1板状部21側に突出しており、四角柱状に形成されている。各第2通過部24aは、隣り合う一対の第2凸部29の間の領域である。第2本体部28及び複数の第2凸部29は、第2板状部22と一体で形成されている。これにより、第2本体部28は、第2板状部22と熱的に接続されている。各第2凸部29は、ロウ材31によって第1板状部21と接合されている。ロウ材31は、各第2凸部29の頂面29aと、第1板状部21における第2板状部22側の表面21aとの間に配置されている。これにより、各第2凸部29は、第1板状部21と熱的に接続されている。つまり、各第2壁部24は、第1板状部21及び第2板状部22のそれぞれと熱的に接続されている。各第2壁部24において、X方向に並んだ複数の第2通過部24aのうちの両端の第2通過部24aは、枠部25に臨んでいる。つまり、両端の第2通過部24aのそれぞれにおいては、枠部25の内側の面が当該第2通過部24aに露出している。
【0032】
枠部25は、第1板状部21と一体で形成されている。枠部25は、ロウ材31によって第2板状部22と接合されている。ロウ材31は、枠部25における第2板状部22側の表面25aと、第2板状部22の表面22aとの間に配置されている。これにより、枠部25は、第1板状部21及び第2板状部22のそれぞれと熱的に接続されている。なお、各第1本体部26の両端部、及び各第2本体部28の両端部は、枠部25に接続されている。
【0033】
図4に示されるように、Z方向から見た場合に、各第1通過部23a及び各第2通過部24aは、Y方向に平行なラインに沿って一直線状に交互に並んでいる。X方向における複数の第1通過部23aの配列ピッチと、X方向における複数の第2通過部24aの配列ピッチとは、実質的に等しい。
図5に示されるように、X方向から見た場合に、各第1通過部23a及び各第2通過部24aは、Y方向に平行なラインに沿ってジグザグ状に交互に並んでいる。
図4及び
図5に示されるように、光照射装置1では、流入口20aが第2板状部22に形成されており、複数の第1壁部23及び複数の第2壁部24のうちY方向において流入口20aに最も近い壁部が第1壁部23である。
図4に示されるように、Z方向から見た場合に、複数の発光素子11が配置されている領域R1は、少なくともY方向において、複数の第1壁部23及び複数の第2壁部24が配置されている領域R2に含まれている。本実施形態では、Z方向から見た場合に、複数の発光素子11のうちの一部の発光素子11が、枠部25と重なっている。
【0034】
一例として、Z方向から見た場合に、第1板状部21の外縁、第2板状部22の外縁、及び枠部25の外縁は、互いに一致している。一例として、第1板状部21、第2板状部22、複数の第1壁部23、複数の第2壁部24、及び枠部25において、冷却液に晒される表面には、Niメッキ膜等の腐食防止層が設けられている。一例として、ロウ材31を構成する材料の熱伝導率は、第1板状部21、第2板状部22、複数の第1壁部23、複数の第2壁部24、及び枠部25の材料を構成する材料の熱伝導率よりも高い。
【0035】
以上のように構成された光照射装置1では、電源ユニット3から光照射部10に電力が供給されることで複数の発光素子11が点灯させられている間、チラー4によって冷却部20に冷却液が循環供給される。これにより、冷却液は、冷却部20において、流入口20aから流入し、複数の第1通過部23a及び複数の第2通過部24aを通過し、流出口20bから流出する。このとき、
図5に矢印で示されるように、冷却液の流れの向きがZ方向においてジグザグ状に変えられる。複数の発光素子11で発生した熱は、ベース12を介して第1板状部21に伝わり、各第1壁部23、各第2壁部24、及び枠部25を介して第1板状部21側から第2板状部22側に移動しつつ、冷却液に伝わる。このようにして、複数の発光素子11で発生した熱が除去される。
【0036】
以上説明したように、光照射装置1では、第1板状部21と第2板状部22との間且つ枠部25の内側において、各第1壁部23と各第2壁部24とが、互いに離間した状態で交互に配置されており、各第1壁部23では、複数の第1通過部23aが第2板状部22側に片寄っており、各第2壁部24では、複数の第2通過部24aが第1板状部21側に片寄っている。これにより、流入口20aから流出口20bに至る冷却液の流速が均一化され、その結果、冷却部20による冷却効果がZ方向に垂直な面に沿って均一化される。更に、冷却液の流れの向きがZ方向においてジグザグ状に変えられるため、冷却部20において冷却液との接触面積が増加すると共に冷却液の流れに乱流が発生しやすくなり、その結果、冷却部20による冷却効率が向上する。また、光照射装置1では、各第1壁部23、各第2壁部24、及び枠部25が、第1板状部21及び第2板状部22のそれぞれと熱的に接続されている。これにより、複数の発光素子11で発生した熱が、各第1壁部23、各第2壁部24、及び枠部25を介して第1板状部21側から第2板状部22側に移動しやすくなり、その結果、冷却部20による冷却効率が向上する。以上により、光照射装置1によれば、複数の発光素子11を均一に冷却することができる。
【0037】
光照射装置1では、各第1壁部23が、第1板状部21と熱的に接続された第1本体部26と、第2板状部22と熱的に接続された複数の第1凸部27と、を含んでおり、各第1通過部23aが、隣り合う一対の第1凸部27の間の領域である。また、各第2壁部24が、第2板状部22と熱的に接続された第2本体部28と、第1板状部21と熱的に接続された複数の第2凸部29と、を含んでおり、各第2通過部24aが、隣り合う一対の第2凸部29の間の領域である。これにより、各第1壁部23において複数の第1通過部23aが第2板状部22側に片寄っており且つ各第2壁部24において複数の第2通過部24aが第1板状部21側に片寄っている構成を簡易な構造で実現することができる。
【0038】
光照射装置1では、第1本体部26及び複数の第1凸部27が、第1板状部21と一体で形成されており、各第1凸部27が、ロウ材31によって第2板状部22と接合されている。また、第2本体部28及び複数の第2凸部29が、第2板状部22と一体で形成されており、各第2凸部29が、ロウ材31によって第1板状部21と接合されている。更に、枠部25が、第1板状部21と一体で形成されており、ロウ材31によって第2板状部22と接合されている。これにより、各第1壁部23、各第2壁部24、及び枠部25が、第1板状部21及び第2板状部22のそれぞれと熱的に接続されている構成を簡易な構造で実現することができる。更に、複数の発光素子11で発生した熱を、各第1壁部23、各第2壁部24、及び枠部25を介して第1板状部21側から第2板状部22側に、効率良く且つ確実に移動させることができる。
【0039】
光照射装置1では、各第1凸部27及び各第2凸部29が四角柱状に形成されている。これにより、冷却液の流れに乱流が発生しやすくなるため、冷却部20による冷却効率を向上させることができる。また、冷却部20の製造を容易化することができる。
【0040】
光照射装置1では、第2板状部22の厚さが第1板状部21の厚さよりも大きい。これにより、第2板状部22の熱容量が第1板状部21の熱容量よりも大きくなるため、複数の発光素子11で発生した熱を第1板状部21から第2板状部22に効率良く且つ確実に移動させることができる。
【0041】
光照射装置1では、Z方向から見た場合に、複数の発光素子11が配置されている領域R1が、少なくともY方向において、複数の第1壁部23及び複数の第2壁部24が配置されている領域R2に含まれている。これにより、複数の発光素子11を効率良く且つ均一に冷却することができる。
【0042】
光照射装置1では、流入口20aが、Z方向において第1板状部21と向かい合うように第2板状部22に形成されている。これにより、流入口20aから流入した冷却液が第1板状部21に衝突するように流れるため、複数の発光素子11をより効率良く冷却することができる。
【0043】
光照射装置1では、X方向に並んだ複数の第1通過部23aのうちの両端の第1通過部23a、及び、X方向に並んだ複数の第2通過部24aのうちの両端の第2通過部24aが、枠部25に臨んでいる。これにより、複数の発光素子11で発生した熱を枠部25から冷却液にも効果的に移動させることができる。
【0044】
光照射装置1では、Z方向から見た場合に、複数の発光素子11のうちの一部の発光素子11が、枠部25と重なっている。これにより、複数の発光素子11が配置される領域R1を広げて、光照射部10の発光面積を広げることができる。また、複数の発光素子11が配置される密度を高めて、光照射部10の全体としての発光強度を高めることができる。更に、複数の光照射部10がアレイ状に並べられる場合には、隣り合う光照射部10の間に、発光素子11の配置が疎になる領域が生じにくくなるため、複数の光照射部10の全体として均一な発光面を得ることができる。
【0045】
光照射装置1では、流入口20aが第2板状部22に形成されており、複数の第1壁部23及び複数の第2壁部24のうちY方向において流入口20aに最も近い壁部が第1壁部23である。これにより、第2板状部22に形成された流入口20aから流入した冷却液が、流入口20aに最も近い第1壁部23が有する複数の第1通過部23aに向かう際に、冷却液の流れの向きが大きく変えられることとなり、X方向において冷却液の流速が均一化されるため、複数の発光素子11をより均一に冷却することができる。
【0046】
本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、光照射装置1は、光照射ユニット2及び電源ユニット3を備え、チラー4を備えていなくてもよい。その場合、チラー4は、外部構成として用意される。或いは、光照射装置1は、光照射ユニット2を備え、電源ユニット3及びチラー4を備えていなくてもよい。その場合、電源ユニット3及びチラー4は、外部構成として用意される。また、光照射ユニット2は、内部構成としてチラー4を含んでいてもよい。また、各発光素子11は、紫外線以外の波長を有する光を出射する素子であってもよい。
【0047】
流入口20aは、Z方向において第1板状部21と向かい合うように第2板状部22に形成されていなくてもよい。一例として、流入口20aは、枠部25に形成されていてもよいし、或いは、Z方向において第2板状部22と向かい合うように第1板状部21に形成されていてもよい。同様に、流出口20bは、Z方向において第1板状部21と向かい合うように第2板状部22に形成されていなくてもよい。一例として、流出口20bは、枠部25に形成されていてもよいし、或いは、Z方向において第2板状部22と向かい合うように第1板状部21に形成されていてもよい。また、冷却部20は、複数の流入口20aを有していてもよい。同様に、冷却部20は、複数の流出口20bを有していてもよい。また、第2板状部22の厚さは、第1板状部21の厚さと等しくてもよいし、或いは、第1板状部21の厚さよりも小さくてもよい。
【0048】
複数の第1通過部23aは、X方向に並んでおり、Z方向において第2板状部22側に片寄っているものであれば、隣り合う一対の第1凸部27の間の領域でなくてもよい。同様に、複数の第2通過部24aは、X方向に並んでおり、Z方向において第1板状部21側に片寄っているものであれば、隣り合う一対の第2凸部29の間の領域でなくてもよい。
【0049】
各第1壁部23は、第1板状部21及び第2板状部22のそれぞれと熱的に接続されているものであれば、第1板状部21と別体で形成されていてもよいし、第2板状部22と一体で形成されていてもよい。同様に、各第2壁部24は、第1板状部21及び第2板状部22のそれぞれと熱的に接続されているものであれば、第1板状部21と一体で形成されていてもよいし、第2板状部22と別体で形成されていてもよい。
【0050】
枠部25は、第1板状部21及び第2板状部22のそれぞれと熱的に接続されているものであれば、第1板状部21と別体で形成されていてもよいし、第2板状部22と一体で形成されていてもよい。一例として、枠部25は、第2板状部22と一体で形成されており、ロウ材31によって第1板状部21と接合されていてもよい。
【0051】
Z方向から見た場合に、複数の発光素子11が配置されている領域R1は、Y方向だけでなく、X方向においても、複数の第1壁部23及び複数の第2壁部24が配置されている領域R2に含まれていてもよい。つまり、Z方向から見た場合に領域R1の全体が領域R2に含まれていてもよい。
【0052】
図9に示されるように、各第1凸部27の側面の角角部、及び各第2凸部29の側面の角角部には、ラウンド状の面取りが施されていてもよい。また、
図10に示されるように、各第1凸部27及び各第2凸部29は、円柱状に形成されていてもよい。これらによれば、各第1通過部23a及び各第2通過部24aにおいて、冷却液を滑らかに流通させることができる。
【0053】
図11に示されるように、Z方向から見た場合に、各第1通過部23a及び各第2通過部24aは、Y方向に平行なラインに沿ってジグザグ状に交互に並んでいてもよい。これによれば、冷却液の流れの向きがZ方向だけでなくX方向においてもジグザグ状に変えられるため、冷却部20において冷却液との接触面積がより増加すると共に冷却液の流れに乱流がより発生しやすくなり、その結果、冷却部20による冷却効率をより向上させることができる。
【0054】
冷却部20では、X方向における複数の第1通過部23aの配列ピッチと、X方向における複数の第2通過部24aの配列ピッチとは、実質的に等しくなくてもよい。一例として、X方向における複数の第1通過部23aの配列ピッチ、及びX方向における複数の第2通過部24aの配列ピッチが、流入口20a及び流出口20bに近付くほど疎(換言すれば、流入口20a及び流出口20bから離れるほど密)となっていてもよい。その場合、複数の発光素子11をより均一に冷却することができる。
【0055】
図12に示されるように、冷却部20は、複数の放熱フィン32を含んでいてもよい。複数の放熱フィン32は、第2板状部22における第1板状部21とは反対側の表面22bに設けられている。これによれば、第2板状部22での放熱性が向上するため、複数の発光素子11で発生した熱を第1板状部21側から第2板状部22側に効率良く且つ確実に移動させることができる。
【0056】
光照射装置1では、「X方向に並んだ複数の第1通過部23aのうちの両端の第1通過部23a」及び「X方向に並んだ複数の第2通過部24aのうちの両端の第2通過部24a」の少なくとも一方が枠部25に臨んでいれば、複数の発光素子11で発生した熱を枠部25から冷却液にも効果的に移動させることができる。また、光照射装置1では、流入口20aが第1板状部21に形成されている場合、複数の第1壁部23及び複数の第2壁部24のうちY方向において流入口20aに最も近い壁部が第2壁部24であってもよい。これによれば、第1板状部21に形成された流入口20aから流入した冷却液が、流入口20aに最も近い第2壁部24が有する複数の第2通過部24aに向かう際に、冷却液の流れの向きが大きく変えられることとなり、X方向において冷却液の流速が均一化されるため、複数の発光素子11をより均一に冷却することができる。
【符号の説明】
【0057】
1…光照射装置、10…光照射部、11…発光素子、20…冷却部、20a…流入口、20b…流出口、21…第1板状部、22…第2板状部、23…第1壁部、23a…第1通過部、24…第2壁部、24a…第2通過部、25…枠部、26…第1本体部、27…第1凸部、28…第2本体部、29…第2凸部、31…ロウ材、32…放熱フィン、R1,R2…領域。