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特開2024-96600システム設計支援情報検索装置、システム設計支援情報検索方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096600
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】システム設計支援情報検索装置、システム設計支援情報検索方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/907 20190101AFI20240709BHJP
【FI】
G06F16/907
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023000194
(22)【出願日】2023-01-04
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】依田 直也
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175FB03
5B175HB03
(57)【要約】
【課題】
システムを構成する構成要素のパラメータ設計の際に支援となる情報を取得することができるシステム設計支援情報検索装置を提供する。
【解決手段】
システムの過去の案件各々のシステムを構成する構成要素に関する構成要素情報と、案件各々の構成要素毎のパラメータ設計に関するシステム設計支援情報とが関連付けられて格納された記憶手段を用いるシステム設計支援情報検索装置であって、少なくとも1つの構成要素を示す検索条件を受け付ける検索要求受付手段と、過去の案件のうちで、システム構成情報から検索条件が示す構成要素と完全一致又は一部一致した構成要素を含む案件を類似案件として特定し、類似案件の構成要件毎のシステム設計支援情報の少なくとも一部を検索結果データとして出力する検索手段と、を有する。
【選択図】 図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムの過去の案件各々の前記システムを構成する構成要素に関する構成要素情報と、前記案件各々の前記構成要素毎のパラメータ設計に関するシステム設計支援情報とが関連付けられて格納された記憶手段を用いるシステム設計支援情報検索装置であって、
少なくとも1つの構成要素を示す検索条件を受け付ける検索要求受付手段と、
前記過去の案件のうちで、前記システム構成情報から前記検索条件が示す構成要素と完全一致又は一部一致した構成要素を含む案件を類似案件として特定し、前記類似案件の構成要件毎の前記システム設計支援情報の少なくとも一部を検索結果データとして出力する検索手段と、
を有することを特徴とするシステム設計支援情報検索装置。
【請求項2】
前記構成要素情報は、前記過去の案件の案件名、前記過去の案件の開始日、前記構成要素の要素名、前記構成要素の製品名、前記構成要素のバージョン、及び前記構成要素の種別を含み、
前記システム設計支援情報は、前記構成要素毎のパラメータ設計情報、パラメータ設計時の課題情報及びシステム構築後の障害情報を含むことを特徴とする請求項1記載のシステム設計支援情報検索装置。
【請求項3】
前記検索手段は、前記類似案件の構成要件毎の前記システム設計支援情報の少なくとも一部を得たとき前記システム設計支援情報の少なくとも一部として、前記パラメータ設計情報、前記課題情報及び前記障害情報のうちの少なくとも1つの情報を出力することを特徴とする請求項2記載のシステム設計支援情報検索装置。
【請求項4】
前記検索条件には前記構成要素の他に、前記少なくとも1つの情報と、前記製品名とが示されることを特徴とする請求項3記載のシステム設計支援情報検索装置。
【請求項5】
前記検索手段は、前記類似案件を特定することができなかったときには、類似案件なしを示す前記検索結果データを出力することを特徴とする請求項1記載のシステム設計支援情報検索装置。
【請求項6】
前記検索結果データが前記パラメータ設計情報、前記課題情報及び前記障害情報のうちのいずれであるかを判断し、当該判断結果に応じて前記検索結果データを加工する検索結果解析手段と、
前記検索結果データの加工結果のデータを通信データとして通信端末に出力する出力手段と、を更に含むことを特徴とする請求項2記載のシステム設計支援情報検索装置。
【請求項7】
前記通信端末は前記検索条件を発することを特徴とする請求項6記載のシステム設計支援情報検索装置。
【請求項8】
前記要素名は、前記案件と前記案件の前記構成要件とから計算され、かつ一意に決まるハッシュ値で示されることを特徴とする請求項2記載のシステム設計支援情報検索装置。
【請求項9】
前記記憶手段は、前記案件毎の案件名、前記開始日、及び前記案件の構成要素各々の種別が案件情報として記憶される案件データベースと、
前記構成要素毎の要素名、製品名、及びバージョンが構成要素情報として記憶される構成要素データベースと、
製品毎の製品名、及び製品種別が製品情報として記憶される製品データベースと、
前記構成要素毎の要素名、及びパラメータ設計時の設計内容が前記設計情報として記憶される設計データベースと、
前記構成要素毎の要素名、及びパラメータ設計時の課題内容が前記課題情報として記憶される課題データベースと、
前記構成要素毎の要素名、及び前記システム構築後の障害内容が前記障害情報として記憶される障害データベースと、を含むことを特徴とする請求項2記載のシステム情報検索装置。
【請求項10】
システムの過去の案件各々の前記システムを構成する構成要素に関する構成要素情報と、前記案件各々の前記構成要素毎のパラメータ設計に関するシステム設計支援情報とが関連付けられて格納された記憶手段を用いる検索装置のシステム設計支援情報検索方法であって、
少なくとも1つの構成要素を示す検索条件を受け付ける検索要求受付ステップと、
前記過去の案件のうちで、前記システム構成情報から前記検索条件が示す構成要素と完全一致又は一部一致した構成要素を含む案件を類似案件として特定する第1検索ステップと、
前記類似案件の構成要件毎の前記システム設計支援情報の少なくとも一部を検索結果データとして出力する第2検索ステップと、
を含むことを特徴とするシステム設計支援情報検索方法。
【請求項11】
システムの過去の案件各々の前記システムを構成する構成要素に関する構成要素情報と、前記案件各々の前記構成要素毎のパラメータ設計に関するシステム設計支援情報とが関連付けられて格納された記憶手段を用いる検索装置のシステム設計支援情報検索方法のためのプログラムであって、
コンピュータに、
少なくとも1つの構成要素を示す検索条件を受け付ける検索要求受付ステップと、
前記過去の案件のうちで、前記システム構成情報から前記検索条件が示す構成要素と完全一致又は一部一致した構成要素を含む案件を類似案件として特定する第1検索ステップと、
前記類似案件の構成要件毎の前記システム設計支援情報の少なくとも一部を検索結果データとして出力する第2検索ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシステムを設計及び構築するためのシステム設計支援情報を検索するシステム設計支援情報検索装置、システム設計支援情報検索方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータシステム等のシステムを設計及び構築するためにパラメータ設計等の様々なシステム情報が必要となる。従来、そのようなシステム情報をシステム構築に従事する作業者向けに提供するものとしてシステム構築支援装置やシステム設計支援情報検索装置がある。
【0003】
特許文献1には、ナレッジ情報を出力する従来のシステム構築支援装置が開示されている。このシステム構築支援装置は、ナレッジ記憶部と出力部とから構成されている。ナレッジ記憶部はナレッジベースであり、システムのモデルであるシステムモデル情報からシステムを構築する際に用いられるナレッジ情報を記憶するデータベース(DB)である。出力部は2つのシステムモデル情報の差分に対応するナレッジ情報をナレッジ記憶部から検索し、結果を出力する。
【0004】
このような構成を有するシステム構築支援装置によって、作業者はシステムモデルの変更に伴って生じる留意点についてのナレッジを取得することができる。すなわち、作業者はシステムの変更において留意したほうがよい情報を認識した上で構築作業を行うことができるため、作業者の経験や知識のレベルに大きく依存せずにシステムを構築することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-045361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した従来のシステム構築支援装置においては、システムの構成における留意点を取得することはできても、構成要素のパラメータ設計における留意点を取得することはできないという問題があった。パラメータ設計は、システムの機能を最適化するために必要となる技術であり、システム自体の誤差要因の他にシステムの設置環境などの使用条件によって設計又は決定されるものである。
【0007】
特に、システムの構築後に起こるトラブルの原因は、システムの構成によるものの他に、システムの構成要素におけるパラメータの設計誤りによるものも存在する。このことから、上記した従来のシステム構築支援装置を用いてシステムを構築する場合には、パラメータの設計誤りによって問題が発生する可能性を無視することになり、技術的に満足できるものではなかった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、このような課題に着目し、システムを構成する構成要素のパラメータ設計の際の設計支援となる情報を取得することができるシステム設計支援情報検索装置、システム設計支援情報検索方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のシステム設計支援情報検索装置は、システムの過去の案件各々の前記システムを構成する構成要素に関する構成要素情報と、前記案件各々の前記構成要素毎のパラメータ設計に関するシステム設計支援情報とが関連付けられて格納された記憶手段を用いるシステム設計支援情報検索装置であって、少なくとも1つの構成要素を示す検索条件を受け付ける検索要求受付手段と、前記過去の案件のうちで、前記システム構成情報から前記検索条件が示す構成要素と完全一致又は一部一致した構成要素を含む案件を類似案件として特定し、前記類似案件の構成要件毎の前記システム設計支援情報の少なくとも一部を検索結果データとして出力する検索手段と、を有することを特徴としている。
【0010】
本発明のシステム設計支援情報検索方法は、システムの過去の案件各々の前記システムを構成する構成要素に関する構成要素情報と、前記案件各々の前記構成要素毎のパラメータ設計に関するシステム設計支援情報とが関連付けられて格納された記憶手段を用いる検索装置のシステム設計支援情報検索方法であって、少なくとも1つの構成要素を示す検索条件を受け付ける検索要求受付ステップと、前記過去の案件のうちで、前記システム構成情報から前記検索条件が示す構成要素と完全一致又は一部一致した構成要素を含む案件を類似案件として特定する第1検索ステップと、前記類似案件の構成要件毎の前記システム設計支援情報の少なくとも一部を検索結果データとして出力する第2検索ステップと、を含むことを特徴としている。
【0011】
本発明のプログラムは、システムの過去の案件各々の前記システムを構成する構成要素に関する構成要素情報と、前記案件各々の前記構成要素毎のパラメータ設計に関するシステム設計支援情報とが関連付けられて格納された記憶手段を用いる検索装置のシステム設計支援情報検索方法のためのプログラムであって、コンピュータに、少なくとも1つの構成要素を示す検索条件を受け付ける検索要求受付ステップと、前記過去の案件のうちで、前記システム構成情報から前記検索条件が示す構成要素と完全一致又は一部一致した構成要素を含む案件を類似案件として特定する第1検索ステップと、前記類似案件の構成要件毎の前記システム設計支援情報の少なくとも一部を検索結果データとして出力する第2検索ステップと、を実行させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明のシステム設計支援情報検索装置、システム設計支援情報検索方法、及びプログラムによれば、システムの案件の際にシステムを構成する構成要素と完全一致又は一部一致した構成要素を含む過去の案件を類似案件として特定し、類似案件に含まれる構成要件毎のシステム設計支援情報を検索するので、検索したシステム設計支援情報から案件のシステムを構成する構成要素のパラメータ設計の際の支援となる情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のシステム設計支援情報検索装置を含むシステム設計支援装置の概略構成を示すブロック図である。
図2図1のシステム設計支援装置内のDBサーバの構成を示すブロック図である。
図3図1のシステム設計支援装置内の文書収集部の構成を示すブロック図である。
図4図1のシステム設計支援装置内の文書検索出力部の構成を示すブロック図である。
図5】DBサーバ内の課題データベースのデータ構造を例示する図である。
図6】DBサーバ内の設計データベースのデータ構造を例示する図である。
図7】DBサーバ内の障害データベースのデータ構造を例示する図である。
図8】DBサーバ内の案件データベースのデータ構造を例示する図である。
図9】DBサーバ内の構成要素データベースのデータ構造を例示する図である。
図10】DBサーバ内の製品データベースのデータ構造を例示する図である。
図11】文書収集部内のクローラーによるファイル取得処理を示すフローチャートである。
図12】文書収集部内の解析部による情報解析処理を示すフローチャートである。
図13】文書収集部内の文書登録部による文書登録処理を示すフローチャートである。
図14】文書収集部内のクローラーによる更新情報取得処理を示すフローチャートである。
図15】文書収集部内の解析部による更新情報解析処理を示すフローチャートである。
図16】文書収集部内の文書登録部による文書登録更新処理を示すフローチャートである。
図17】文書検索出力部内の検索部によるデータベース検索処理を示すフローチャートである。
図18】文書検索出力部内の検索結果解析部による検索結果解析処理を示すフローチャートである。
図19】文書検索出力部内のデータ出力部によるデータ出力処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明が適用されたシステム設計支援装置のブロック図である。
【0016】
本システム設計支援装置は、図1に示すように、DB(データベース)サーバ11と、文書収集部12と、文書検索出力部13とを有する。DBサーバ11は文書収集部12及び文書検索出力部13と接続されている。DBサーバ11は、パラメータ設計時の課題情報、パラメータの設計情報、システム構築後の障害情報等のシステム設計支援情報と、システム構築の案件情報、構成要素の情報、製品情報等のシステム構成情報とを格納している記憶手段である。DBサーバ11と文書検索出力部13とは本発明のシステム設計支援情報検索装置を構成する。
【0017】
文書収集部12は、ファイルサーバ15及びWebサーバ16等のサーバにネットワークを介して接続されている。本実施例では文書収集部12は、ファイルサーバ15及びWebサーバ16から情報を定期的に収集し、収集情報をデータとしてDBサーバ11に登録する。文書検索出力部13は、通信端末であるクライアントPC17に接続され、クライアントPC17からの命令に応じてDBサーバ11から課題情報、設計情報、及び障害情報を検索し、検索結果を通信データとしてクライアントPC17に出力する。
【0018】
クライアントPC17はパラメータ設計の担当者が操作するPC(パーソナルコンピュータ)である。クライアントPC17には、システムの構成要素となるOS(オペレーティング・システム)、Webサーバ、AP(アプリケーション)サーバ、DBサーバなどのパラメータ設計を行うソフトウエアがインストールされている。担当者は、必要に応じて文書検索出力部13にクライアントPC17を通じて検索クエリを送信することによって、特定のシステム構成で過去の案件にあった課題情報/障害情報/設計値を検索結果として取得することができる。なお、クライアントPC17はシステム設計支援情報検索装置の一部として設けても良い。
【0019】
図2は、図1におけるDBサーバ11の詳細を表している。DBサーバ11は、課題データベース11a、設計データベース11b、障害データベース11c、案件データベース11d、構成要素データベース11e、及び製品データベース11fを有している。課題データベース11aはパラメータ設計時の課題情報(内容)を格納する。設計データベース11bはパラメータの設計情報(内容)を格納する。障害データベース11cは構築後の障害情報(内容)を格納する。案件データベース11dはシステム構築の過去の案件の案件情報を格納する。過去の案件としては例えば、システムの開発案件や研究案件がある。構成要素データベース11eはシステムを構成する構成要素についての情報を格納する。製品データベース11fは構成要素毎の製品名等の製品情報を格納する。
【0020】
図3は、図 1における文書収集部12の詳細を表している。文書収集部12は、クローラー12a、解析部12b、及び文書登録部12cを有している。クローラー12aは、定期的にファイルサーバ15やWebサーバ16を探索する。クローラー12aは、ファイルサーバ15を探索し、その結果、課題情報、設計情報、障害時のログ等を示す特定のファイルを発見したときにはそのファイルについての情報(ファイルパス、ファイル名、拡張子)を解析部12bに送信する。クローラー12aは、Webサーバ16を探索し、その結果、案件情報や障害情報に更新があったときにその情報を解析部12bに送信する。
【0021】
なお、ファイルサーバ15には過去の案件における構成要素毎の課題情報、設計情報、障害時のログ等が格納されており、Webサーバ16には案件情報や障害情報等が格納されているものとしている。
【0022】
解析部12bはクローラー12aから受け取ったファイル情報又は更新情報に基づいてファイルを得てそのファイルの内容からDBサーバ11に登録すべき内容を判断し、情報を加工し、加工した情報をデータとして文書登録部12cに送信する。
【0023】
文書登録部12cは解析部12bから受け取ったデータをDBサーバ11に登録する。
【0024】
図4は、図1における文書検索出力部13の詳細を表している。文書検索出力部13は検索部13a、検索結果解析部13b、及びデータ出力部13cを有している。検索手段である検索部13aは、クライアントPC17から受け取った入力情報をもとにDBサーバ内を検索し、検索結果を検索結果解析部13bに送信する。検索結果解析部13bは、検索部13aから受け取った検索結果を加工してデータ出力部13cに送信する。データ出力部13cは、検索結果解析部13bから受け取ったデータを整形し、クライアントPC17に送信する。
【0025】
図5図10はDBサーバ11内のデータベース11a~11f各々のデータ構造を例示している。
【0026】
課題データベース11aは、図5に示すように、識別子ある「ID」毎に構成要素の「要素名」と「課題情報」とが格納されるデータ構造を有している。すなわち、「ID」に対して「要素名」と「課題情報」とが互いに関連付けられた状態で格納される。「要素名」は、課題が発生した案件名と当該案件名のシステムの構成要素とから計算され、かつ一意に決まる値(ハッシュ値)で示される。なお、図5において「要素名」はハッシュ値ではなく、「案件名.構成要素」という形式で示している。このことは後述の図6図7及び図9においても同様である。「課題情報」は発生した課題の内容{設計時の課題}である。
【0027】
設計データベース11bは、図6に示すように、「ID」毎に「要素名」と「設計情報」とが格納されるデータ構造を有している。すなわち、「ID」に対して「要素名」と「設計情報」とが互いに関連付けられた状態で格納される。「要素名」は図5に示した課題データベース11aのデータ構造の「要素名」と同様にハッシュ値である。「設計情報」は設計値の組み合わせである。
【0028】
障害データベース11cは、図7に示すように、「ID」毎に「要素名」と「障害情報」とが格納されるデータ構造を有している。すなわち、「ID」に対して「要素名」と「障害情報」とが互いに関連付けられた状態で格納される。「要素名」は図5に示した課題データベース11aのデータ構造の「要素名」と同様にハッシュ値である。「障害情報」は発生した障害の内容である。
【0029】
案件データベース11dは、図8に示すように、「ID」毎に「案件名」と「開始日」と「構成要素」とが格納されるデータ構造を有している。すなわち、「ID」に対して「案件名」と「開始日」と「構成要素」とが互いに関連付けられた状態で格納される。「案件名」は案件の名称である。「開始日」は案件を開始した年月日である。「構成要素」は、案件のシステム構成を示し、図5の「要素名」の要素とその種別との組み合わせである。種別とは、OS、Webサーバ、APサーバ、DBサーバなどの製品の種別である。「構成要素」の欄において、「OS」はオペレーションシステムを示し、「OS」としては「OS#1」と、「OS#2」とが示している。「AP」はアプリケーションサーバを示し、「AP」として「APサーバ#1」と、「APサーバ#2」とが示している。「DB」はデータベースサーバを示し、「DB」として「DBサーバ#1」が示している。例えば、図8において「A案件」の「構成要素」の欄にある「OS:A案件.OS#1」は、OSとしてはA案件では「OS#1」が使用されていることを意味している。
【0030】
構成要素データベース11eは、図9に示すように、「ID」毎に「要素名」と「製品名」と「バージョン」とが格納されるデータ構造を有している。すなわち、「ID」に対して「要素名」と「製品名」と「バージョン」とが互いに関連付けられた状態で格納される。「要素名」は図5に示した課題データベース11aのデータ構造の「要素名」と同様にハッシュ値である。「製品名」は「要素名」に対応する製品の名称である。「バージョン」は、「要素名」に対応する製品のバージョンである。
【0031】
製品データベース11fは、図10に示すように、「ID」毎に「製品名」と「種別」とが格納されるデータ構造を有している。すなわち、「ID」に対して「製品名」と「種別」とが互いに関連付けられた状態で格納される。「製品名」は、図9に示した「製品名」と同様に製品の名称である。「種別」は、製品の種別(例えば、OS、Webサーバ、APサーバ、DBサーバなど)である。
【0032】
なお、データベース11a~11f各々で用いられる「ID」はデータベース11a~11fで共通化されておらず、各データベース単体のものである。
【0033】
次に、上記した構成を有するシステム設計支援装置の動作について説明する。
【0034】
図11は文書収集部12内のクローラー12aがファイルサーバ15からファイルを取得するファイル取得処理を示している。
【0035】
先ず、クローラー12aは、ファイル取得処理を開始すると、ファイルサーバ15にアクセスし、ファイルを探索する(ステップS11)。探索の結果、課題情報、設計情報、障害時のログ等のファイルを発見したか否かを判別する(ステップS12)。ファイルを発見した場合には、ファイルパス、ファイル名、拡張子を含むファイル情報を解析部12bに送信する(ステップS13)。ファイルを発見できなかった場合には、ファイル取得処理を終了する。ファイルが課題情報、設計情報、障害時のログ等の情報を有するファイルであるかどうかは、ファイルサーバ15内のファイルパス及びファイルに付けられたファイル名から分かるようになっている。例えば、ファイルサーバ15内において課題情報を有するファイルは第1のファイルパスで指定される場所に保存され、設計情報を有するファイルは第2のファイルパスで指定される場所に保存され、障害時のログを有するファイルは第3のファイルパスで指定される場所に保存されることが予め定められている。
拡張子はファイルの種類を特定するものである。また、ファイル自体にどの種類の情報を有するファイルであるかを示す探索用の情報を含んでも良い。
【0036】
図12は、文書収集部12内の解析部12bがファイル取得処理によってファイル情報を受け取った際に実行する情報解析処理を示している。
【0037】
解析部12bは、情報解析処理では先ず、クローラー12aから送信されたファイル情報(ファイルパス、ファイル名、拡張子)を受け取る(ステップS21)。次に、受け取ったファイル情報に基づいて課題データベース11a、設計データベース11b、及び障害データベース11cのうちのどのデータベースにデータを登録するかを判断する(ステップS22)。
【0038】
課題データベース11aにデータ登録する場合には、解析部12bは、ファイル情報で特定されるファイル内に含まれている課題情報を抜き出す(ステップS23)。設計データベース11bにデータ登録する場合には、解析部12bは、ファイル情報で特定されるファイル内に含まれている設計情報を抜き出す(ステップS24)。障害データベース11cにデータ登録する場合には、解析部12bは、ファイル情報で特定されるファイル内に含まれている障害情報を抜き出す(ステップS25)。なお、解析部12bは課題情報等の情報を抜き出すためにファイル情報に基づいてファイルをダウンロードして得ても良い。
【0039】
課題情報、設計情報、及び障害情報のいずれか1を抜き出すと、登録するカテゴリ、ファイルパス、ファイル名、加工したデータ(抜き出し情報)を含む解析結果データを文書登録部12cに送信する(ステップS26)。ステップS22においてデータ登録すべきデータベースがいずれにも当てはまらない場合には、情報解析処理を直ちに終了する。
【0040】
図13は、文書登録部12cが情報解析処理によってデータを受け取った際に実行するの文書登録処理を示している。
【0041】
文書登録部12cは、文書登録処理では、先ず、解析部12bから送信された解析結果データ(登録するカテゴリ、ファイルパス、ファイル名、加工したデータ)を受け取る(ステップS31)。次に、受け取ったファイルパスとファイル名から、データベースDBへの登録に用いる要素「案件名」、「要素名」、「製品名」、及び「バージョン」を決定する(ステップS32)。「要素名」については、ファイル名+登録日時などの一意な値からハッシュ値を計算して求める。
【0042】
次に、決定した要素「案件名」で案件データベース11dを検索し、既存の案件かどうかの判定を行う(ステップS33)。決定した「案件名」が既存の案件ではない場合には、案件の新規登録を行う必要があるのでWebサーバ16の探索を行う(ステップS34)。なお、Webサーバ16の探索については図14図16の処理を行っている。Webサーバ16内にも案件情報が見つからない場合は、データ登録時のエラーとして管理者に連絡が行く。
【0043】
次いで、決定した要素「製品名」で製品データベース11fを検索し、既存の製品かどうかの判定を行う(ステップS35)。決定した要素「製品名」が既存の製品ではない場合には、新製品として製品データベース11fに登録を行う(ステップS36)。
【0044】
次に、構成要素データベース11eへの登録と案件データベース11dの更新を行う(ステップS37)。決定した「要素名」、「製品名」、及び「バージョン」を用いて構成要素データベース11eの登録を行う。また、決定した「案件名」及び「要素名」を用いて、案件データベース11dの「構成要素」に製品情報を追加する。
【0045】
最後に、「登録するカテゴリ」「要素名」「加工したデータ」を用いて、課題データベース11a、設計データベース11b、及び障害データベース11cのいずれかにデータを登録する(ステップS38)。
【0046】
図14は、クローラー12aがWebサーバ16から更新情報を取得する更新情報取得処理を示している。
【0047】
クローラー12aは、更新情報取得処理では先ず、Webサーバ16にアクセスし(ステップS41)、案件情報や障害情報に更新があるかどうかを探索する(ステップS42)。案件情報や障害情報の更新があった場合には、解析部12bに更新情報を送信する(ステップS43)。ここでの「更新情報」とは、前回のアクセスから今回のアクセスまでの間にWebサーバ16内で更新された情報のことである。更新情報が見つからなかった場合は、更新情報取得処理を終了する。
【0048】
図15は、解析部12bが、クローラー12aの更新情報取得処理によって更新情報を受け取った際の更新情報解析処理を示している。
【0049】
解析部12bは、更新情報解析処理では先ず、クローラー12aから送信された更新情報を受け取る(ステップS51)。
【0050】
次に、更新情報の中身から、案件データベース11dと障害データベース11cとのうちどちらにファイルを登録するかを判断する(ステップS52)。次に、登録するデータベースに応じてデータを加工する。案件データベース11dに登録する場合は、案件名、開始日、詳細情報などを抜き出す(ステップS53)。障害データベースの場合、障害情報を抜き出す(ステップS54)。
【0051】
最後に、登録カテゴリ及び抜き出した情報を含む解析結果データを文書登録部12cへ送信する(ステップS55)。ステップS52の判断で案件データベース11dと障害データベース11cとのいずれにも更新情報が当てはまらなかった場合には、更新情報解析処理を終了する。
【0052】
図16は、文書登録部12cが、解析部12bの更新情報解析処理によって解析結果データを受け取った際の文書登録更新処理を示している。
【0053】
文書登録部12cは、文書登録更新処理では先ず、解析部から送信された解析結果データ(登録カテゴリ、抜き出した情報)を受け取る(ステップS61)。
【0054】
次に、解析結果データ内の登録カテゴリに基づいて、案件データベース11dと障害データベース11cとのうちどちらにデータを登録するかを判断する(ステップS62)。その後、案件データベース11dへ登録すべきデータならば、抜き出した情報を案件データベース11dに登録する(ステップS63)。一方、障害データベース11cへ登録すべきデータならば、抜き出した情報を障害データベース11cに登録する(ステップS64)。
【0055】
図17は、検索部13aが、クライアントPC17から入力情報を受け取った際のデータベース検索処理を示している。
【0056】
検索部13aは、データベース検索処理では先ず、クライアントPC17から入力情報を受け取る(ステップS71)。ここでは、入力情報は「案件の構成情報」、「取得したい製品名」、及び「出力したい情報」からなる検索要求である。この入力情報はクライアントPC17の担当者による例えば、キーボード(図示せず)の操作に応じて生成される。ステップS71の実行が検索要求受付手段を形成する。
【0057】
次に、検索部13aは、受け取った入力情報である「出力したい情報」から、検索する内容を決定する(ステップS72)。なお、ここでは「出力したい情報」としては「課題/障害情報」と「設計情報」とのどちらかとするが、これに限定されず他の情報でも良いことは勿論である。
【0058】
次に、検索部13aは、入力情報である「案件の構成情報」と類似した構成の案件(類似案件)を検索する(ステップS73)。類似案件は、案件データベース11dの「構成要素」と構成要素データベース11eの「製品名」から案件毎のシステム構成が分かるので、検索部13aはステップS73では入力情報と完全又は部分一致する構成の案件、すなわち類似案件を案件データベース11d及び構成要素データベース11eから探し出す。
【0059】
検索部13aは、ステップS73の検索の結果、類似案件が見つかった場合には、その案件名を「類似案件名」とする(ステップS74)。ステップS73及びS74が第1検索ステップである。
次いで、検索部13aは、「類似案件名」と「製品名」とを検索パラメータとして、課題データベース11a及び障害データベース11cの検索、又は設計データベース11bの検索を実行する(ステップS75)。検索部13aはステップS75の検索結果として、「課題情報及び障害情報」と「設計情報」とのどちらかを取得する。最後に、その検索結果を示すデータ(検索結果データ)を検索結果解析部13bに送信する(ステップS76)。ステップS75及びS76が第2検索ステップである。
【0060】
ステップS73の検索の結果、検索部13aは、類似案件が見つけ出せなかった場合には、類似案件無しとし、ステップS76に移行して類似案件の「該当なし」という検索結果を示すデータを検索結果解析部13bに送信する(ステップS77)。
【0061】
図18は、検索結果解析部13bが、検索部13aからデータベース検索処理の検索結果を示すデータを受け取った際の検索結果解析処理を示している。
【0062】
検索結果解析部13bは、検索結果解析処理では先ず、検索部13aから送信された検索結果を示すデータを受け取る(ステップS81)。
【0063】
次に、検索結果解析部13bは、検索結果の形式からデータが「課題情報及び障害情報」、「設計情報」、及び「該当なし」のうちのどれにあたるかを判断する(ステップS82)。
【0064】
次に、検索結果解析部13bは、ステップS82の判断結果に応じてデータを加工する(ステップS83、S84)。具体的に言うと、「課題情報及び障害情報」のデータの場合には、ステップS83において「類似案件名」と、「製品名」と、「課題情報」と、「障害情報」との組み合わせとなるようにデータを加工する。「設計情報」のデータの場合には、ステップS84において「類似案件名」と、「製品名」と、「設計情報」との組み合わせとなるようにデータを加工する(ステップS84)。最後に、データ出力部13cに加工したデータを検索結果解析データとして送信する(ステップS85)。
【0065】
検索結果解析部13bは、ステップS82の判断結果が「該当なし」である場合には、ステップS85に移行して「該当なし」を示す検索結果解析データをデータ出力部13cに送信する(ステップS86)。
【0066】
図19は、データ出力部13cが、検索結果解析部13bから検索結果解析処理によるデータを受け取った際のデータ出力処理を示している。
【0067】
データ出力部13cは、データ出力処理では先ず、検索結果解析部13bから送信された検索結果解析データを受け取る(ステップS91)。次に、検索結果解析データの内容を判断する(ステップS92)。検索結果解析データが「課題情報及び障害情報」又は「設計情報」を示す場合には、その検索結果解析データをそのままクライアントPC17に送信する(ステップS93)。一方、検索結果解析データが「該当なし」を示す場合には、エラーメッセージを示すデータをクライアントPC17に送信する(ステップS94)。
【0068】
データ出力処理によりクライアントPC17では「課題情報及び障害情報」又は「設計情報」を獲得することができるので、その獲得情報はクライアントPC17のディスプレイ(図示せず)に表示され、クライアントPC17の担当者は「課題情報及び障害情報」又は「設計情報」を視認することができる。
【0069】
以上のように、実施例によれば、システムを設計及び構築する際に、過去の案件のうちで完全一致又は部分一致の構成要素を含む案件を類似案件として特定し、類似案件の構成要素各々のパラメータ設計誤りによる指摘事項や構築後に発生したトラブル等のシステム設計支援情報を検索して得ることができる。よって、クライアントPC17の担当者は検索結果として得られた構成要素毎のトラブル等に留意してパラメータ設計作業を行うことができる。
【0070】
なお、上記した実施例では、入力情報として出力したい情報が指定されているが、出力したい情報の指定をすることなく、類似案件の構成要素各々の課題情報、障害情報、及び設計情報の全て又は一部を出力しても良い。
【0071】
また、上記した実施例では、記憶手段であるDBサーバ11には課題データベース11a、設計データベース11b、障害データベース11c、案件データベース11d、構成要素データベース11e、及び製品データベース11fが個別に設けられているが、課題データベース11a、設計データベース11b、及び障害データベース11cを1つのデータベースとし、案件データベース11d、構成要素データベース11e、及び製品データベース11fを別の1つのデータベースとしても良い。すなわち、構成要素に関する構成要素情報が格納されたデータベースと、構成要素毎のパラメータ設計に関するシステム設計支援情報が格納されたデータベースとに分けても良い。
【符号の説明】
【0072】
11 DBサーバ
11a 課題データベース
11b 設計データベース
11c 障害データベース
11d 案件データベース
11e 構成要素データベース
11f 製品データベース
12 文書収集部
12a クローラー
12b 解析部
12c 文書登録部
13 文書検索出力部
13a 検索部
13b 検索結果解析部
13c データ出力部
15 ファイルサーバ
16 Webサーバ
17 クライアントPC
図1
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