(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096601
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】電動作業車
(51)【国際特許分類】
B60K 1/04 20190101AFI20240709BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20240709BHJP
B60L 53/16 20190101ALI20240709BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
B60L50/60
B60L53/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023000197
(22)【出願日】2023-01-04
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】山口 達也
(72)【発明者】
【氏名】小栗 健史
(72)【発明者】
【氏名】三ツ井 遥己
(72)【発明者】
【氏名】安井 大貴
【テーマコード(参考)】
3D235
5H125
【Fターム(参考)】
3D235AA14
3D235BB41
3D235CC12
3D235CC15
3D235DD33
3D235FF43
3D235HH02
3D235HH08
3D235HH09
5H125AA01
5H125AB01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC22
5H125BC24
5H125DD02
5H125FF12
(57)【要約】
【課題】作業者が電気配線の一端に設けられた接続部を電力ポートから誤って取り外してしまう事態を回避しやすい電動作業車を提供する。
【解決手段】電力ポートと電気的に繋がれた電気配線60と、電気配線60の一端に設けられると共に電力ポートに接続された接続部70と、接続部70を電力ポートに接続された状態でロック可能なロック機構80と、を備え、ロック機構80は、人為操作具84の操作に応じて、接続部70を電力ポートに接続された状態でロックするロック状態と、電力ポートからの接続部70の取り外しを許容するロック解除状態と、の間で切り替え可能に構成されており、人為操作具84の操作軌跡Kの途中に位置する規制部26を備え、規制部26は、工具を用いて着脱される固定具b1によって機体に固定されている。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと、
前記バッテリから供給される電力により駆動するモータと、
前記モータにより駆動される走行装置と、
前記バッテリの側部に設けられた電力ポートと、を備え、
前記電力ポートは、前記バッテリへの電力が入力される入力ポート、または、前記バッテリからの電力が出力される出力ポートであり、
前記電力ポートと電気的に繋がれた電気配線と、
前記電気配線の一端に設けられると共に前記電力ポートに接続された接続部と、
前記接続部を前記電力ポートに接続された状態でロック可能なロック機構と、を備え、
前記ロック機構は、人為操作具の操作に応じて、前記接続部を前記電力ポートに接続された状態でロックするロック状態と、前記電力ポートからの前記接続部の取り外しを許容するロック解除状態と、の間で切り替え可能に構成されており、
前記人為操作具の操作軌跡の途中に位置する規制部を備え、
前記規制部は、工具を用いて着脱される固定具によって機体に固定されている電動作業車。
【請求項2】
前記規制部は、前記固定具によって、前記バッテリに固定されている請求項1に記載の電動作業車。
【請求項3】
前記規制部は、前記接続部を覆う接続部カバーである請求項1または2に記載の電動作業車。
【請求項4】
前記規制部は、下方に開放された形状を有している請求項3に記載の電動作業車。
【請求項5】
前記規制部の上面は、傾斜している請求項1または2に記載の電動作業車。
【請求項6】
前記電力ポートと、前記電気配線と、前記接続部と、前記ロック機構と、前記人為操作具と、を含む配線構造体が、複数設けられており、
複数の前記人為操作具が、横並びの状態で配置されており、
前記規制部は、単一の部材により構成されると共に、前記複数の人為操作具の各前記操作軌跡に亘る状態で配置されている請求項1または2に記載の電動作業車。
【請求項7】
バッテリと、
前記バッテリから供給される電力により駆動するモータと、
前記モータにより駆動される走行装置と、
前記バッテリの側部に設けられた電力ポートと、を備え、
前記電力ポートは、前記バッテリへの電力が入力される入力ポート、または、前記バッテリからの電力が出力される出力ポートであり、
前記電力ポートと電気的に繋がれた電気配線と、
前記電気配線の一端に設けられると共に前記電力ポートに接続された接続部と、
前記接続部を覆う接続部カバーと、を備える電動作業車。
【請求項8】
前記接続部カバーは、前記バッテリに支持されている請求項7に記載の電動作業車。
【請求項9】
前記バッテリを覆うカバー部材を備え、
前記カバー部材は、機体の左右方向に沿う揺動軸芯周りに揺動することによって開閉可能に構成されており、
前記カバー部材に覆われた支持アームを備え、
前記支持アームは、前記支持アームの基端部を中心に上下揺動可能であり、且つ、前記支持アームが立ち上がった状態で前記支持アームの遊端部を前記カバー部材に下側から接当させることにより前記カバー部材を開状態で支持可能に構成されており、
前記支持アームは、前記接続部カバーに支持されている請求項7または8に記載の電動作業車。
【請求項10】
前記接続部カバーは、複数のカバー体に分割されている請求項7または8に記載の電動作業車。
【請求項11】
充電器を接続可能であると共に、前記電気配線を介して前記バッテリと電気的に繋がれた給電部を備え、
前記給電部は、前記接続部カバーに支持されている請求項7または8に記載の電動作業車。
【請求項12】
ラジエータと、
前記ラジエータを支持するラジエータフレームと、を備え、
前記接続部カバーは、前記ラジエータフレームに支持されている請求項7または8に記載の電動作業車。
【請求項13】
前記接続部カバーの上部は、前記バッテリの上部に載置されている請求項7または8に記載の電動作業車。
【請求項14】
前記接続部カバーは、垂直姿勢の第1壁部及び第2壁部を有しており、
前記第1壁部と前記第2壁部とは互いに対向しており、
前記第1壁部と前記第2壁部との間隔は、前記第1壁部と前記第2壁部との近接離間方向における前記バッテリの幅に対応しており、
前記接続部カバーが機体に取り付けられた状態において、前記第1壁部及び前記第2壁部は前記バッテリを挟んでいる請求項7または8に記載の電動作業車。
【請求項15】
複数の前記電力ポートと、前記複数の電力ポートに対応する複数の前記接続部と、を備え、
前記複数の接続部は、横並びの状態で配置されており、
前記接続部カバーは、単一の部材により構成されると共に、前記複数の接続部を覆う状態で配置されている請求項7または8に記載の電動作業車。
【請求項16】
前記複数の電力ポートは、強電用の前記電力ポートと、弱電用の前記電力ポートと、を含んでいる請求項15に記載の電動作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリと、バッテリから供給される電力により駆動するモータと、を備える電動作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような電動作業車として、例えば、特許文献1に記載のものが既に知られている。この電動作業車は、モータ(特許文献1では「電動モータ」)により駆動される走行装置(特許文献1では「前輪」及び「後輪」)によって走行する。バッテリからの電力は、電気配線(特許文献1では「電線」)を介して、モータへ供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、電気配線とバッテリとの接続部分の構造については、記載されていない。ここで、特許文献1に記載の電動作業車において、バッテリの側部に電力ポートが設けられると共に、電力ポートに接続部が接続される構成とすることが考えられる。尚、接続部は、電気配線の一端に設けられているものとする。
【0005】
この構成であれば、バッテリからの電力が電気配線を介してモータへ供給される構成を、比較的シンプルな構造により実現しやすい。しかしながら、この構成において、作業者が接続部を電力ポートから誤って取り外してしまうと、モータが駆動できなくなってしまう。これにより、例えば電動作業車が走行不能となってしまう等の事態が想定される。
【0006】
本発明の目的は、作業者が電気配線の一端に設けられた接続部を電力ポートから誤って取り外してしまう事態を回避しやすい電動作業車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の特徴は、バッテリと、前記バッテリから供給される電力により駆動するモータと、前記モータにより駆動される走行装置と、前記バッテリの側部に設けられた電力ポートと、を備え、前記電力ポートは、前記バッテリへの電力が入力される入力ポート、または、前記バッテリからの電力が出力される出力ポートであり、前記電力ポートと電気的に繋がれた電気配線と、前記電気配線の一端に設けられると共に前記電力ポートに接続された接続部と、前記接続部を前記電力ポートに接続された状態でロック可能なロック機構と、を備え、前記ロック機構は、人為操作具の操作に応じて、前記接続部を前記電力ポートに接続された状態でロックするロック状態と、前記電力ポートからの前記接続部の取り外しを許容するロック解除状態と、の間で切り替え可能に構成されており、前記人為操作具の操作軌跡の途中に位置する規制部を備え、前記規制部は、工具を用いて着脱される固定具によって機体に固定されていることにある。
【0008】
本構成によれば、接続部は、ロック機構により、電力ポートに接続された状態でロックされる。そのため、作業者は、接続部を電力ポートから取り外すためには、人為操作具を操作する必要がある。これにより、ロック機構及び人為操作具が設けられていない構成に比べて、作業者が接続部を電力ポートから誤って取り外してしまいにくい。
【0009】
さらに、本構成によれば、人為操作具の操作軌跡の途中に位置する規制部が備えられており、且つ、規制部は、工具を用いて着脱される固定具によって機体に固定されている。そのため、人為操作具を操作するためには、工具を用いて固定具を取り外してから、規制部を取り外す必要がある。これにより、作業者が人為操作具を誤って操作してしまう事態を回避しやすい。
【0010】
以上のことから、本構成によれば、作業者が電気配線の一端に設けられた接続部を電力ポートから誤って取り外してしまう事態を回避しやすい電動作業車を実現できる。
【0011】
さらに、本発明において、前記規制部は、前記固定具によって、前記バッテリに固定されていると好適である。
【0012】
本構成によれば、規制部がバッテリに支持される。これにより、規制部が安定的に支持されやすい。
【0013】
さらに、本発明において、前記規制部は、前記接続部を覆う接続部カバーであると好適である。
【0014】
本構成によれば、規制部によって接続部を保護することができる。これにより、規制部が、接続部を保護する機能を有することとなる。その結果、接続部の保護を実現しながらも、部材点数の増大を抑制しやすい。
【0015】
さらに、本発明において、前記規制部は、下方に開放された形状を有していると好適である。
【0016】
本構成によれば、規制部が下方に開放されていない形状を有している場合に比べて、規制部に覆われた空間に熱がこもりにくい。これにより、規制部に覆われた空間の熱を逃がすために、専用の部材を設ける必要がない。その結果、製造コストの増大を抑制しやすい。
【0017】
さらに、本発明において、前記規制部の上面は、傾斜していると好適である。
【0018】
本構成によれば、規制部の上面に接触した砂等の異物が、規制部の上面の傾斜に沿って落下しやすい。これにより、規制部の上面に砂等の異物が堆積しにくい。
【0019】
さらに、本発明において、前記電力ポートと、前記電気配線と、前記接続部と、前記ロック機構と、前記人為操作具と、を含む配線構造体が、複数設けられており、複数の前記人為操作具が、横並びの状態で配置されており、前記規制部は、単一の部材により構成されると共に、前記複数の人為操作具の各前記操作軌跡に亘る状態で配置されていると好適である。
【0020】
本構成によれば、単一の部材により構成された規制部によって、複数の人為操作具の操作が規制される。これにより、複数の人為操作具に対応する複数の規制部を設ける場合に比べて、部材点数が少なくなりやすい。
【0021】
本発明の別の特徴は、バッテリと、前記バッテリから供給される電力により駆動するモータと、前記モータにより駆動される走行装置と、前記バッテリの側部に設けられた電力ポートと、を備え、前記電力ポートは、前記バッテリへの電力が入力される入力ポート、または、前記バッテリからの電力が出力される出力ポートであり、前記電力ポートと電気的に繋がれた電気配線と、前記電気配線の一端に設けられると共に前記電力ポートに接続された接続部と、前記接続部を覆う接続部カバーと、を備えることにある。
【0022】
本構成によれば、接続部カバーによって接続部が覆われる。これにより、接続部カバーが設けられていない構成に比べて、作業者が接続部を電力ポートから誤って取り外してしまいにくい。
【0023】
従って、本構成によれば、作業者が電気配線の一端に設けられた接続部を電力ポートから誤って取り外してしまう事態を回避しやすい電動作業車を実現できる。
【0024】
さらに、本発明において、前記接続部カバーは、前記バッテリに支持されていると好適である。
【0025】
本構成によれば、接続部カバーが安定的に支持されやすい。
【0026】
さらに、本発明において、前記バッテリを覆うカバー部材を備え、前記カバー部材は、機体の左右方向に沿う揺動軸芯周りに揺動することによって開閉可能に構成されており、前記カバー部材に覆われた支持アームを備え、前記支持アームは、前記支持アームの基端部を中心に上下揺動可能であり、且つ、前記支持アームが立ち上がった状態で前記支持アームの遊端部を前記カバー部材に下側から接当させることにより前記カバー部材を開状態で支持可能に構成されており、前記支持アームは、前記接続部カバーに支持されていると好適である。
【0027】
本構成によれば、接続部カバーが、支持アームを支持する機能を有することとなる。その結果、支持アームの支持を実現しながらも、部材点数の増大を抑制しやすい。
【0028】
さらに、本発明において、前記接続部カバーは、複数のカバー体に分割されていると好適である。
【0029】
本構成によれば、複数のカバー体のうちの一つに覆われた部分のメンテナンス作業を行う場合、作業者は、当該一つを取り外すことにより、当該部分にアクセスすることができる。そのため、当該部分にアクセスするために、接続部カバーの全体を取り外す必要がない。これにより、メンテナンス作業が容易になりやすい。
【0030】
さらに、本発明において、充電器を接続可能であると共に、前記電気配線を介して前記バッテリと電気的に繋がれた給電部を備え、前記給電部は、前記接続部カバーに支持されていると好適である。
【0031】
本構成によれば、接続部カバーが、給電部を支持する機能を有することとなる。その結果、給電部の支持を実現しながらも、部材点数の増大を抑制しやすい。
【0032】
さらに、本発明において、ラジエータと、前記ラジエータを支持するラジエータフレームと、を備え、前記接続部カバーは、前記ラジエータフレームに支持されていると好適である。
【0033】
本構成によれば、ラジエータフレームが、接続部カバーを支持する機能を有することとなる。その結果、接続部カバーの支持を実現しながらも、部材点数の増大を抑制しやすい。
【0034】
さらに、本発明において、前記接続部カバーの上部は、前記バッテリの上部に載置されていると好適である。
【0035】
本構成によれば、接続部カバーを機体に取り付ける際、作業者は、接続部カバーの上部を、バッテリの上部に載置することができる。これにより、接続部カバーを機体に取り付ける作業が容易になりやすい。
【0036】
さらに、本発明において、前記接続部カバーは、垂直姿勢の第1壁部及び第2壁部を有しており、前記第1壁部と前記第2壁部とは互いに対向しており、前記第1壁部と前記第2壁部との間隔は、前記第1壁部と前記第2壁部との近接離間方向における前記バッテリの幅に対応しており、前記接続部カバーが機体に取り付けられた状態において、前記第1壁部及び前記第2壁部は前記バッテリを挟んでいると好適である。
【0037】
本構成によれば、作業者が接続部カバーを機体に取り付ける際、第1壁部及び第2壁部がガイドとして機能することとなる。これにより、接続部カバーを機体に取り付ける作業が容易になりやすい。
【0038】
さらに、本発明において、複数の前記電力ポートと、前記複数の電力ポートに対応する複数の前記接続部と、を備え、前記複数の接続部は、横並びの状態で配置されており、前記接続部カバーは、単一の部材により構成されると共に、前記複数の接続部を覆う状態で配置されていると好適である。
【0039】
本構成によれば、単一の部材により構成された接続部カバーによって、複数の接続部が覆われる。これにより、複数の接続部に対応する複数の接続部カバーを設ける場合に比べて、部材点数が少なくなりやすい。
【0040】
さらに、本発明において、前記複数の電力ポートは、強電用の前記電力ポートと、弱電用の前記電力ポートと、を含んでいると好適である。
【0041】
本構成によれば、強電用の電力ポートに接続された接続部と、弱電用の電力ポートに接続された接続部と、が接続部カバーによって覆われる。これにより、強電用の電力ポートに接続された接続部だけでなく、弱電用の電力ポートに接続された接続部についても、作業者が誤って取り外してしまう事態を回避しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図4】充電器の接続方向視における給電部等の配置を示す図である。
【
図6】枠状部等の構成を示す一部破断正面図である。
【
図10】ポートカバー等の構成を示す左側面図である。
【
図11】ポートカバー等の構成を示す右側面図である。
【
図12】人為操作具等の構成を示す一部破断右側面図である。
【
図13】第1接続部及び第1ロック機構の構成を示す斜視図である。
【
図14】第1別実施形態におけるポートカバー等の構成を示す正面図である。
【
図15】第1別実施形態におけるポートカバー等の構成を示す左側面図である。
【
図16】第1別実施形態におけるポートカバー等の構成を示す右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、特に断りがない限り、図中の矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」として、図中の矢印Lの方向を「左」、矢印Rの方向を「右」とする。また、図中の矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
【0044】
〔トラクタの全体構成〕
以下では、本実施形態のトラクタA(本発明に係る「電動作業車」に相当)について説明する。
図1に示すように、トラクタAは、左右の前車輪10(本発明に係る「走行装置」に相当)、左右の後車輪11(本発明に係る「走行装置」に相当)、カバー部材12を備えている。
【0045】
また、トラクタAは、機体フレーム2及び運転部3を備えている。機体フレーム2は、左右の前車輪10及び左右の後車輪11に支持されている。
【0046】
カバー部材12は、機体前部に配置されている。そして、運転部3は、カバー部材12の後方に設けられている。言い換えれば、カバー部材12は、運転部3の前方に位置している。
【0047】
運転部3は、保護フレーム30、運転座席31、ステアリングホイール32を有している。オペレータ(作業者)は、運転座席31に着座可能である。これにより、オペレータは、運転部3に搭乗可能である。ステアリングホイール32の操作によって、左右の前車輪10は操向操作される。オペレータは、運転部3において、各種の運転操作を行うことができる。
【0048】
即ち、トラクタAは、オペレータが搭乗可能な運転部3を備えている。
【0049】
また、トラクタAは、バッテリ4、インバータ5、モータM、伝動装置T、前伝動機構FTを備えている。
【0050】
図1及び
図2に示すように、カバー部材12は、機体の左右方向に沿うカバー揺動軸芯Q(本発明に係る「揺動軸芯」に相当)周りに揺動可能に構成されている。これにより、カバー部材12は、開閉可能に構成されている。即ち、カバー部材12は、機体の左右方向に沿うカバー揺動軸芯Q周りに揺動することによって開閉可能に構成されている。尚、
図1及び
図2に示すように、カバー揺動軸芯Qは、カバー部材12の後部に位置している。
【0051】
そして、カバー部材12が閉状態であるとき、バッテリ4は、カバー部材12に覆われている。即ち、トラクタAは、バッテリ4を覆うカバー部材12を備えている。また、モータMは、バッテリ4の下方に配置されている。
【0052】
バッテリ4は、インバータ5へ電力を供給する。インバータ5は、バッテリ4からの直流電力を交流電力に変換してモータMへ供給する。そして、モータMは、インバータ5から供給される交流電力により駆動する。モータMの駆動力は、伝動装置Tへ伝達される。
【0053】
伝動装置Tは、バッテリ4よりも後側であり、且つ、モータMの後方に配置されている。また、前伝動機構FTは、伝動装置Tから前側に延びている。そして、伝動装置Tは、モータMから受け取った駆動力を変速し、左右の後車輪11に伝達する。また、駆動力は、伝動装置Tから、前伝動機構FTを介して、左右の前車輪10にも伝達される。これにより、左右の前車輪10及び左右の後車輪11は駆動される。
【0054】
即ち、トラクタAは、バッテリ4と、バッテリ4から供給される電力により駆動するモータMと、を備えている。また、トラクタAは、モータMにより駆動される左右の前車輪10及び左右の後車輪11を備えている。
【0055】
図1に示すように、トラクタAの後部に、リンク機構LNが設けられている。リンク機構LNに、例えば耕耘装置等の作業装置(図示せず)を連結することができる。
【0056】
伝動装置Tは、モータMから受け取った駆動力の一部を作業装置に伝達可能に構成されている。これにより、作業装置が駆動される。
【0057】
以上の構成により、トラクタAは、左右の前車輪10及び左右の後車輪11によって走行しながら、作業装置によって作業を行うことができる。
【0058】
〔給電部及び開口〕
図3及び
図4に示すように、トラクタAは、給電部20を備えている。
図5及び
図6に示すように、給電部20は、カバー部材12に覆われている。即ち、トラクタAは、バッテリ4及び給電部20を覆うカバー部材12を備えている。
【0059】
給電部20は、バッテリ4の前方に位置している。また、給電部20は、カバー部材12に覆われた空間のうち、左前部分に位置している。尚、本発明はこれに限定されず、給電部20は、カバー部材12に覆われた空間のうち、何れの部分に位置していても良い。例えば、給電部20は、カバー部材12に覆われた空間のうち、右前部分に位置していても良い。
【0060】
トラクタAは、第1ハーネス61(
図8参照)を備えている。給電部20は、第1ハーネス61を介してバッテリ4と電気的に繋がれている。尚、
図4に示すように、給電部20には、着脱可能なキャップ21が取り付けられていても良い。キャップ21には、作業者が把持可能なつまみ部21aが設けられていても良い。
【0061】
図4から
図6に示すように、カバー部材12のうち給電部20に対向する部分に開口13が形成されている。作業者は、開口13を介して、給電部20にアクセス可能である。給電部20にキャップ21が取り付けられている場合、作業者は、開口13に手を入れて、キャップ21の着脱作業を行うことができる。
【0062】
本実施形態において、開口13は、カバー部材12の左側部に形成されている。ただし、本発明はこれに限定されない。給電部20が、カバー部材12に覆われた空間のうち右前部分に位置している場合、開口13は、カバー部材12の右側部に形成されていても良い。即ち、開口13は、カバー部材12の左側部または右側部に形成されている。
【0063】
図6に示すように、給電部20には、充電施設等に備わる充電器Gを接続可能である。作業者が給電部20に充電器Gを接続する際、充電器Gは、開口13を通過した状態となる。尚、充電器G及び給電部20の規格は、特に限定されないが、例えば、CHAdeMO(チャデモ)であっても良い。
【0064】
即ち、トラクタAは、充電器Gを接続可能であると共に、バッテリ4と電気的に繋がれた給電部20を備えている。より具体的には、トラクタAは、充電器Gを接続可能であると共に、第1ハーネス61を介してバッテリ4と電気的に繋がれた給電部20を備えている。
【0065】
充電器Gを給電部20に接続することにより、第1ハーネス61を介して、バッテリ4へ電力が供給される。これにより、バッテリ4が充電される。
【0066】
図6に示すように、給電部20は、第1方向C1に向く姿勢で配置されている。第1方向C1は、斜め上方である。より具体的には、第1方向C1は、左上方である。即ち、給電部20は、斜め上方に向く姿勢で配置されている。
【0067】
図6に示すように、開口13は、第2方向C2へ向けて開口している。第2方向C2は、斜め上方である。より具体的には、第2方向C2は、左上方である。
【0068】
水平方向に対する第1方向C1の傾きは、第1角度E1である。水平方向に対する第2方向C2の傾きは、第2角度E2である。第2角度E2は、第1角度E1よりも小さい。即ち、水平方向に対する開口13の向きの傾きは、水平方向に対する給電部20の向きの傾きよりも小さい。
【0069】
図3には、第1高さ位置H1、第2高さ位置H2、第3高さ位置H3、第4高さ位置H4が示されている。第1高さ位置H1は、開口13の上端の高さ位置である。第2高さ位置H2は、給電部20の上端の高さ位置である。第3高さ位置H3は、給電部20の下端の高さ位置である。第4高さ位置H4は、開口13の下端の高さ位置である。
【0070】
第2高さ位置H2は、第1高さ位置H1よりも低い位置に位置している。即ち、給電部20の上端は、開口13の上端よりも低い位置に位置している。
【0071】
第3高さ位置H3は、第4高さ位置H4よりも高い位置に位置している。即ち、給電部20の下端は、開口13の下端よりも高い位置に位置している。
【0072】
〔蓋部及び枠状部〕
図3から
図5に示すように、トラクタAは、蓋部14を備えている。蓋部14は、開口13を塞ぐ状態で設けられている。
図3及び
図4に示すように、蓋部14は、蓋揺動軸芯P周りに揺動することによって開状態と閉状態との間で状態変更可能である。
図3に示す蓋部14は、閉状態である。
図4及び
図5に示す蓋部14は、開状態である。蓋部14の開き方向は、前側である。
【0073】
蓋部14が開状態となると、開口13が開放される。蓋部14が閉状態となると、開口13が蓋部14により塞がれる。この構成により、蓋部14は、開口13を開閉可能である。即ち、トラクタAは、開口13を開閉可能な蓋部14を備えている。
【0074】
図3に示すように、蓋揺動軸芯Pは、蓋部14の前端部に位置している。従って、蓋部14の揺動の基端部は、蓋部14の前端部である。また、蓋部14の揺動の遊端部は、蓋部14の後端部である。
【0075】
また、
図3に示すように、蓋揺動軸芯Pは、前上がりに傾斜している。即ち、蓋揺動軸芯Pは、鉛直方向に対して蓋部14の開き方向に傾斜している。
【0076】
また、
図3に示すように、蓋部14の縁部14aは、緩傾斜部15と急傾斜部16とを有している。緩傾斜部15及び急傾斜部16は、何れも、後上がりに傾斜している。緩傾斜部15の傾斜は、急傾斜部16の傾斜よりも緩やかである。
【0077】
緩傾斜部15は、縁部14aにおける下端部に位置している。緩傾斜部15の後端部は、急傾斜部16の前端部に接続している。言い換えれば、緩傾斜部15の上端部は、急傾斜部16の下端部に接続している。
【0078】
以上の構成により、緩傾斜部15は、急傾斜部16に近いほど上側に位置するように傾斜している。即ち、緩傾斜部15は、縁部14aにおける下端部に位置すると共に、急傾斜部16に近いほど上側に位置するように傾斜している。また、急傾斜部16は、緩傾斜部15に近いほど下側に位置するように傾斜している。
【0079】
図3に示すように、給電部20は、側面視で緩傾斜部15の上方に位置している。
【0080】
図4に示すように、カバー部材12は、枠状部40を有している。枠状部40は、開口13を囲んでいる。即ち、カバー部材12は、開口13を囲む枠状部40を有している。
【0081】
また、
図4において、蓋部14は開状態であると共に、枠状部40は給電部20に重複していない。このように、開口13及び給電部20は、蓋部14が開状態であるときに、充電器Gの接続方向視において、枠状部40が給電部20に重複しないように配置されている。
【0082】
図5に示すように、枠状部40は、開状態の蓋部14に接当するように構成されている。また、枠状部40のうち、開状態の蓋部14と対向する部分に面取り部41が形成されている。面取り部41は、角が落とされた形状を有している。面取り部41は、例えば平坦面により構成されていても良いし、丸みを帯びた形状を有していても良い。
【0083】
この構成により、開状態の蓋部14は、面取り部41に接当する。
【0084】
図6に示すように、枠状部40は、壁状の延出部42を有している。延出部42は、開口13に対してカバー部材12の内側へ向けて延びている。言い換えれば、延出部42は、開口13に対して給電部20の位置する側へ延びている。即ち、枠状部40は、開口13に対して給電部20の位置する側へ延びる延出部42を有している。
【0085】
尚、延出部42は、開口13の全周に対応して筒状に設けられていても良いし、開口13の一部のみに対応して設けられていても良い。例えば、延出部42は、開口13の下部のみに対応して設けられていても良い。この場合、延出部42は、略水平姿勢の壁状であっても良い。
【0086】
図4に示すように、枠状部40は、壁状部43を有している。壁状部43は、枠状部40の下部に位置している。壁状部43は、上方へ向けて延びるように形成された壁状の部位である。この構成により、壁状部43は、充電器Gの接続方向視において給電部20へ向けて延びている。
【0087】
即ち、枠状部40は、充電器Gの接続方向視において給電部20へ向けて延びる壁状部43を有している。
【0088】
図3及び
図4に示すように、枠状部40は、外枠部44を有している。
図3に示すように、外枠部44は、側面視において、閉状態の蓋部14を囲む枠状の形状を有している。
図4及び
図6に示すように、壁状部43は、外枠部44の下部から、上方へ向けて延びている。
【0089】
〔プッシュラッチ〕
図4に示すように、トラクタAは、プッシュラッチ17を備えている。プッシュラッチ17は、ラッチ本体17a及び受け部17bを有している。
【0090】
ラッチ本体17aは、枠状部40に形成された凹部45に取り付けられている。凹部45は、カバー部材12の内側へ向けて凹入している。また、凹部45は、閉状態の蓋部14の遊端部に対応する位置に形成されている。これにより、ラッチ本体17aは、閉状態の蓋部14の遊端部に対応する位置に配置されている。
【0091】
受け部17bは、蓋部14の遊端部に取り付けられている。
【0092】
図4に示す状態から、蓋部14を閉じることにより、ラッチ本体17aに受け部17bが係合する。これにより、蓋部14の遊端部が、プッシュラッチ17によって枠状部40に係止される。即ち、トラクタAは、蓋部14の遊端部を枠状部40に係止可能なプッシュラッチ17を備えている。
【0093】
図3に示すように、蓋部14には、指標18が設けられている。特に限定されないが、指標18は、例えば、複数の小さな突起により構成されていても良い。指標18は、蓋部14の表面のうち、プッシュラッチ17に対応する箇所に設けられている。即ち、蓋部14の表面のうちプッシュラッチ17に対応する箇所に指標18が設けられている。
【0094】
図3に示す状態では、蓋部14の遊端部が、プッシュラッチ17によって枠状部40に係止されている。この状態で、作業者が、蓋部14のうち指標18の部分を押すと、ラッチ本体17aと受け部17bとの係合が解除される。その結果、枠状部40に対する蓋部14の遊端部の係止が解除される。
【0095】
この構成により、蓋部14の遊端部は、プッシュラッチ17によって枠状部40に係脱可能である。
【0096】
〔電力ポート〕
図7に示すように、バッテリ4の前側部には、第1ポート51、第2ポート52、第3ポート53、第4ポート54が設けられている。第1ポート51、第2ポート52、第3ポート53、第4ポート54は、何れも、電力ポート50である。即ち、トラクタAは、バッテリ4の側部に設けられた電力ポート50を備えている。
【0097】
第1ポート51は、バッテリ4への電力が入力される入力ポートである。第2ポート52、第3ポート53、第4ポート54は、何れも、バッテリ4からの電力が出力される出力ポートである。即ち、電力ポート50は、バッテリ4への電力が入力される入力ポート、または、バッテリ4からの電力が出力される出力ポートである。
【0098】
〔接続部及び電気配線〕
図7及び
図8に示すように、各電力ポート50には、それぞれ、接続部70が接続されている。より具体的には、第1ポート51に前側から第1接続部71が接続されている。第2ポート52に前側から第2接続部72が接続されている。第3ポート53に下側から第3接続部73が接続されている。第4ポート54に前側から第4接続部74が接続されている。
【0099】
第1接続部71、第2接続部72、第3接続部73、第4接続部74は、何れも接続部70である。これらの接続部70は、左右方向に並ぶ状態で設けられている。
【0100】
このように、トラクタAは、複数の電力ポート50と、複数の電力ポート50に対応する複数の接続部70と、を備えている。複数の接続部70は、横並びの状態で配置されている。
【0101】
図7及び
図8に示すように、各接続部70は、それぞれ、電気配線60の一端に設けられている。各電気配線60は、それぞれ、接続部70を介して、対応する電力ポート50と電気的に繋がれている。即ち、トラクタAは、電力ポート50と電気的に繋がれた電気配線60を備えている。また、トラクタAは、電気配線60の一端に設けられると共に電力ポート50に接続された接続部70を備えている。
【0102】
より具体的には、トラクタAは、第1ハーネス61、第2ハーネス62、第3ハーネス63、第4ハーネス64を備えている。第1ハーネス61、第2ハーネス62、第3ハーネス63、第4ハーネス64は、何れも電気配線60である。
【0103】
ここで、トラクタAの機体の前部の構成について説明する。
図9から
図11に示すように、トラクタAの機体の前部には、ラジエータ6、冷却ファン7、補機用バッテリ8、電圧コンバータ9、リザーブタンク(図示せず)、オイルクーラ(図示せず)が備えられている。カバー部材12が閉状態であるとき、ラジエータ6、冷却ファン7、補機用バッテリ8、電圧コンバータ9、リザーブタンク、オイルクーラは、カバー部材12に覆われている。
【0104】
リザーブタンクは、冷却水を貯留することができる。ラジエータ6及びウォータポンプ(図示せず)は、トラクタAにおける冷却水経路に含まれている。ウォータポンプが冷却水を圧送することにより、冷却水が、この冷却水経路を循環する。そして、冷却水は、ラジエータ6を通過することにより冷却される。
【0105】
ラジエータ6は、ラジエータフレーム19により支持されている。ラジエータフレーム19は、ラジエータ6の左右側部を覆う門型に構成されている。即ち、トラクタAは、ラジエータ6と、ラジエータ6を支持するラジエータフレーム19と、を備えている。
【0106】
冷却ファン7は、ラジエータ6の後方に配置されている。冷却ファン7は、後側へ冷却風を送る。これにより、外気が、カバー部材12の前部に設けられた外気導入部12a(
図2参照)を介してカバー部材12の内側へ導入され、ラジエータ6を通過する。その結果、ラジエータ6が冷却される。
【0107】
補機用バッテリ8は、各種補機に電力を供給する。また、バッテリ4から、電圧コンバータ9へ電力が送られる。そして、電圧コンバータ9は、バッテリ4からの電力を降圧して補機用バッテリ8へ供給する。
【0108】
トラクタAにおける作動油は、オイルクーラを通過することにより冷却される。
【0109】
また、
図8及び
図11に示すように、バッテリ4の前方に、ヒューズボックス23が配置されている。ヒューズボックス23の上部に、ボックスカバー24が設けられている。作業者は、ボックスカバー24を上方へ取り外すことにより、ヒューズボックス23の内部にアクセスすることができる。
【0110】
図8に示すように、第1接続部71は、第1ハーネス61の一端に設けられている。第1ハーネス61の他端は、給電部20に接続されている。充電器G(
図6参照)を給電部20に接続することにより、給電部20、第1ハーネス61、第1接続部71を介して、バッテリ4へ電力が供給される。これにより、バッテリ4が充電される。即ち、第1ポート51は、強電用の電力ポート50である。
【0111】
第2接続部72は、第2ハーネス62の一端に設けられている。第2ハーネス62の他端は、インバータ5に接続されている。バッテリ4からの電力は、第2接続部72及び第2ハーネス62を介して、インバータ5へ供給される。即ち、第2ポート52は、強電用の電力ポート50である。
【0112】
第3接続部73は、第3ハーネス63の一端に設けられている。第3ハーネス63の他端は、電圧コンバータ9に接続されている。バッテリ4からの電力は、第3接続部73及び第3ハーネス63を介して、電圧コンバータ9へ送られる。即ち、第3ポート53は、強電用の電力ポート50である。
【0113】
第4接続部74は、第4ハーネス64の一端に設けられている。第4ハーネス64の他端は、例えばトラクタAのECU(Electronic Control Unit)等の電子制御装置に接続されている。バッテリ4からの電力は、第4接続部74及び第4ハーネス64を介して、電子制御装置へ送られる。即ち、第4ポート54は、弱電用の電力ポート50である。
【0114】
このように、
図7に示す複数の電力ポート50は、強電用の電力ポート50と、弱電用の電力ポート50と、を含んでいる。
【0115】
〔ロック機構〕
図8、
図12、
図13に示すように、トラクタAは、ロック機構80を備えている。ロック機構80は、接続部70を電力ポート50に接続された状態でロック可能である。即ち、トラクタAは、接続部70を電力ポート50に接続された状態でロック可能なロック機構80を備えている。
【0116】
より具体的には、第1接続部71は、第1ロック機構81によって、第1ポート51に接続された状態でロックされている。第2接続部72は、第2ロック機構82によって、第2ポート52に接続された状態でロックされている。第1ロック機構81及び第2ロック機構82は、何れもロック機構80である。
【0117】
第1ロック機構81及び第2ロック機構82は、互いに同一の構造を有している。以下では、第1ロック機構81の構造について詳述する。尚、以下の記載における第1ロック機構81の構造についての説明は、第2ロック機構82にも同様に当てはまる。
【0118】
図7、
図12、
図13に示すように、第1ロック機構81は、左右の突出部50a、人為操作具84、スライド部89を有している。
図7に示すように、第1ロック機構81における左右の突出部50aは、第1ポート51から左右に突出している。尚、第2ロック機構82における左右の突出部50aは、第2ポート52から左右に突出している。
【0119】
図12及び
図13に示すように、人為操作具84は、左右のアーム部85及び連結部86を含んでいる。左右のアーム部85は、前後方向に延びている。また、左のアーム部85の前端部と、右のアーム部85の前端部と、が連結部86を介して連結されている。連結部86は、左右方向に延びている。尚、左右のアーム部85及び連結部86は、一体的に形成されていても良いし、互いに別体であっても良い。
【0120】
左右のアーム部85には、それぞれ、溝部87及び孔部88が形成されている。
図12に示すように、溝部87は、左右方向に延びる操作軸芯Yを中心とする円弧状の溝である。
図13に示すように、孔部88は、アーム部85の上端部に形成されている。孔部88は、溝部87に連通している。
【0121】
図12及び
図13に示すように、左右の突出部50aが、それぞれ、溝部87に入り込んでいる。左右の突出部50aが、それぞれ、溝部87に入り込んだ状態で、人為操作具84は、操作軸芯Y周りに揺動可能である。人為操作具84は、操作軸芯Y周りに揺動することにより、第1姿勢と、第2姿勢と、の間で姿勢変更可能である。
図12では、第1姿勢の人為操作具84が、実線で示されている。また、第2姿勢の人為操作具84が、仮想線で示されている。
【0122】
図12に示すように、スライド部89は、上下方向にスライド操作可能に構成されている。スライド部89は、上下方向にスライド移動することにより、固定姿勢と、解除姿勢と、の間で姿勢変更可能である。
図12では、固定姿勢のスライド部89が、実線で示されている。また、解除姿勢のスライド部89が、仮想線で示されている。
【0123】
人為操作具84が第1姿勢であり、且つ、スライド部89が固定姿勢であるとき、第1ロック機構81は、ロック状態である。ロック状態とは、接続部70を電力ポート50に接続された状態でロックする状態である。
【0124】
スライド部89は、第1ロック機構81がロック状態であるとき、人為操作具84の揺動を規制するように構成されている。即ち、ロック状態においては、スライド部89により、人為操作具84の揺動は規制されている。この状態から、スライド部89を解除姿勢とすると、人為操作具84は揺動可能となる。作業者が人為操作具84を揺動させて、第2姿勢とすると、第1ロック機構81は、ロック解除状態となる。ロック解除状態とは、電力ポート50からの接続部70の取り外しを許容する状態である。
【0125】
即ち、ロック機構80は、人為操作具84の操作に応じて、接続部70を電力ポート50に接続された状態でロックするロック状態と、電力ポート50からの接続部70の取り外しを許容するロック解除状態と、の間で切り替え可能に構成されている。
【0126】
尚、ロック解除状態では、第1接続部71と共に人為操作具84を前方へ引っ張ることにより、左右の突出部50aが孔部88を通過する。その結果、左右の突出部50aが溝部87から外れる。
【0127】
ここで、
図7、
図8、
図12、
図13に示すように、トラクタAは、複数の配線構造体25を備えている。配線構造体25には、電力ポート50と、電気配線60と、接続部70と、ロック機構80と、人為操作具84と、が含まれている。
【0128】
即ち、本実施形態においては、電力ポート50と、電気配線60と、接続部70と、ロック機構80と、人為操作具84と、を含む配線構造体25が、複数設けられている。
【0129】
より具体的には、本実施形態においては、二つの配線構造体25が設けられている。一方の配線構造体25は、第1ポート51と、第1ハーネス61と、第1接続部71と、第1ロック機構81と、第1ロック機構81の人為操作具84と、を含んでいる。他方の配線構造体25は、第2ポート52と、第2ハーネス62と、第2接続部72と、第2ロック機構82と、第2ロック機構82の人為操作具84と、を含んでいる。
【0130】
尚、配線構造体25の設けられる個数は、二つに限定されず、一つであっても良いし、三つ以上であっても良い。
【0131】
また、
図8に示すように、本実施形態においては、複数の人為操作具84が、横並びの状態で配置されている。より具体的には、二つの人為操作具84が、横並びの状態で配置されている。一方の人為操作具84は、第1ロック機構81の人為操作具84である。他方の人為操作具84は、第2ロック機構82の人為操作具84である。
【0132】
尚、人為操作具84の設けられる個数は、二つに限定されず、一つであっても良いし、三つ以上であっても良い。
【0133】
〔ポートカバー〕
図8に示すように、トラクタAは、ポートカバー26(本発明に係る「規制部」、「接続部カバー」に相当)を備えている。ポートカバー26は、単一の板状部材を折り曲げることにより形成されている。
図8及び
図9に示すように、ポートカバー26は、第1接続部71、第2接続部72、第3接続部73、第4接続部74を覆っている。
【0134】
即ち、ポートカバー26は、単一の部材により構成されると共に、複数の接続部70を覆う状態で配置されている。また、ポートカバー26は、接続部70を覆う接続部カバーである。言い換えれば、トラクタAは、接続部70を覆うポートカバー26を備えている。
【0135】
図12に示すように、ポートカバー26は、下方に開放された形状を有している。
【0136】
図8から
図12に示すように、ポートカバー26は、上壁部33、傾斜部34、前壁部35、左壁部36(本発明に係る「第1壁部」に相当)、右壁部37(本発明に係る「第2壁部」に相当)を有している。
【0137】
上壁部33は、水平姿勢の壁状の部位である。傾斜部34は、上壁部33の前端部から前下方へ延びる壁状の部位である。傾斜部34が設けられていることにより、ポートカバー26の上面は、傾斜している。
【0138】
前壁部35は、傾斜部34の下端部から下方へ延びる壁状の部位である。左壁部36及び右壁部37は、何れも、垂直姿勢の壁状の部位である。即ち、ポートカバー26は、垂直姿勢の左壁部36及び右壁部37を有している。
【0139】
左壁部36と右壁部37とは互いに対向している。左壁部36と右壁部37との間隔は、左壁部36と右壁部37との近接離間方向におけるバッテリ4の幅に対応している。尚、本実施形態において、左壁部36と右壁部37との近接離間方向は、左右方向である。
【0140】
図8、
図10、
図11に示すように、ポートカバー26がトラクタAの機体に取り付けられた状態において、左壁部36はバッテリ4の左側壁4aに接当しており、右壁部37はバッテリ4の右側壁4bに接当している。即ち、ポートカバー26が機体に取り付けられた状態において、左壁部36及び右壁部37はバッテリ4を挟んでいる。
【0141】
また、上壁部33は、バッテリ4の前端部における上部に載置されている。即ち、ポートカバー26の上部は、バッテリ4の上部に載置されている。
【0142】
図8及び
図9に示すように、上壁部33の左端部は、第1ボルトb1(本発明に係る「固定具」に相当)によって、バッテリ4に固定されている。上壁部33の右端部は、第2ボルトb2(本発明に係る「固定具」に相当)によって、バッテリ4に固定されている。また、
図11に示すように、右壁部37の後端部は、第3ボルトb3(本発明に係る「固定具」に相当)によって、バッテリ4に固定されている。第1ボルトb1、第2ボルトb2、第3ボルトb3は、何れも、工具(例えばスパナやレンチ)を用いて着脱されるものである。
【0143】
即ち、ポートカバー26は、工具を用いて着脱される第1ボルトb1、第2ボルトb2、第3ボルトb3によって機体に固定されている。また、ポートカバー26は、第1ボルトb1、第2ボルトb2、第3ボルトb3によってバッテリ4に固定されている。これにより、ポートカバー26は、バッテリ4に支持されている。
【0144】
図12に示すように、前壁部35は、第1ロック機構81の人為操作具84の操作軌跡Kの途中に位置している。また、このことは、第2ロック機構82の人為操作具84にも同様に当てはまる。即ち、前壁部35は、第1ロック機構81の人為操作具84及び第2ロック機構82の人為操作具84の各操作軌跡Kに亘る状態で配置されている。
【0145】
このように、トラクタAは、人為操作具84の操作軌跡Kの途中に位置するポートカバー26を備えている。また、ポートカバー26は、単一の部材により構成されると共に、複数の人為操作具84の各操作軌跡Kに亘る状態で配置されている。
【0146】
尚、
図8及び
図11に示すように、ヒューズボックス23は、ポートカバー26の下方であって、ポートカバー26の近傍に位置している。機体にポートカバー26が取り付けられた状態において、作業者がボックスカバー24を上方へ取り外そうとした際、ボックスカバー24がポートカバー26に干渉するように構成されていても良い。これにより、機体にポートカバー26が取り付けられた状態において、ボックスカバー24の取り外しが困難あるいは不可能であっても良い。
【0147】
〔支持アーム〕
図2及び
図9に示すように、トラクタAは、支持アーム46を備えている。カバー部材12が閉状態であるとき、支持アーム46は、カバー部材12に覆われている。
【0148】
即ち、トラクタAは、カバー部材12に覆われた支持アーム46を備えている。
【0149】
また、
図2に示すように、カバー部材12は、アーム連係部12bを有している。
【0150】
支持アーム46は、基端部46aを中心に上下揺動可能に構成されている。そして、カバー部材12を開状態にしたままで、支持アーム46を立ち上がった状態にして、遊端部46bをアーム連係部12bに連係させることにより、遊端部46bはカバー部材12に下側から接当した状態となる。これにより、支持アーム46は、カバー部材12を開状態で支持する状態となる。
【0151】
このように、支持アーム46は、支持アーム46の基端部46aを中心に上下揺動可能であり、且つ、支持アーム46が立ち上がった状態で支持アーム46の遊端部46bをカバー部材12に下側から接当させることによりカバー部材12を開状態で支持可能に構成されている。
【0152】
図8から
図10に示すように、トラクタAは、第1ステー55及び第2ステー56を備えている。第1ステー55は、バッテリ4の左端部における前端部から、右前側へ向かって延びる稲妻形状の部材である。第1ステー55の後端部は、バッテリ4に固定されている。第1ステー55の前端部は、第2ステー56に接続している。
【0153】
第2ステー56は、上下方向に延びる湾曲した部材である。第2ステー56の下端部は、第1ステー55の前端部に接続している。支持アーム46の基端部46aは、第2ステー56の上端部に、相対回転可能な状態で接続している。これにより、支持アーム46の基端部46aは、第2ステー56及び第1ステー55を介して、バッテリ4の左端部における前端部に支持されている。
【0154】
また、
図8から
図10に示すように、トラクタAは、第3ステー57を備えている。第3ステー57は、前壁部35から前上方へ延びている。第3ステー57の上端部に、保持部58が支持されている。保持部58は、支持アーム46を挟持することにより、支持アーム46を水平姿勢で保持する。作業者は、支持アーム46を保持部58から外して、支持アーム46を立ち上げることができる。
【0155】
この構成により、支持アーム46は、保持部58及び第3ステー57を介して、前壁部35に支持されている。即ち、支持アーム46は、ポートカバー26に支持されている。
【0156】
図8から
図10に示すように、トラクタAは、第4ステー59を備えている。第4ステー59は、前後方向に延びている。第4ステー59の後端部は、第1ステー55の前端部に接続している。第4ステー59の前端部は、ラジエータフレーム19に支持されている。
【0157】
〔給電部の支持構造〕
図8から
図10に示すように、給電部20は、支持フレーム65に支持されている。支持フレーム65は、折り曲げられた板状の部材である。給電部20は、支持フレーム65を貫通した状態で配置されている。
【0158】
支持フレーム65の上端部は、第1ステー55に支持されている。支持フレーム65の後端部は、第5ステー66に支持されている。支持フレーム65の下端部における前端部は、第6ステー67に支持されている。
【0159】
図5に示すように、第5ステー66は、バッテリ4の左端部における前端部から、右前側へ向かって延びる稲妻形状の部材である。第5ステー66の後端部は、バッテリ4に固定されている。第5ステー66の前端部は、支持フレーム65に接続している。
【0160】
図5、
図8、
図10に示すように、第6ステー67は、前後方向に延びる部材である。第6ステー67の後端部は、支持フレーム65に接続している。第6ステー67の前端部は、ラジエータフレーム19に接続している。
【0161】
尚、
図8及び
図10に示すように、ポートカバー26には、切り欠きJ1が形成されている。切り欠きJ1は、前壁部35の左下部から、左壁部36の下部に亘って形成されている。第1ステー55及び支持フレーム65は、切り欠きJ1に入り込む位置に配置されている。
【0162】
また、
図8に示すように、前壁部35は、第1接続部71及び第2接続部72の下端位置よりも下側まで延びている。
【0163】
以上で説明した構成によれば、接続部70は、ロック機構80により、電力ポート50に接続された状態でロックされる。そのため、作業者は、接続部70を電力ポート50から取り外すためには、人為操作具84を操作する必要がある。これにより、ロック機構80及び人為操作具84が設けられていない構成に比べて、作業者が接続部70を電力ポート50から誤って取り外してしまいにくい。
【0164】
さらに、以上で説明した構成によれば、人為操作具84の操作軌跡Kの途中に位置するポートカバー26が備えられており、且つ、ポートカバー26は、工具を用いて着脱される第1ボルトb1、第2ボルトb2、第3ボルトb3によって機体に固定されている。そのため、人為操作具84を操作するためには、工具を用いて第1ボルトb1、第2ボルトb2、第3ボルトb3を取り外してから、ポートカバー26を取り外す必要がある。これにより、作業者が人為操作具84を誤って操作してしまう事態を回避しやすい。
【0165】
以上のことから、本構成によれば、作業者が電気配線60の一端に設けられた接続部70を電力ポート50から誤って取り外してしまう事態を回避しやすいトラクタAを実現できる。
【0166】
〔第1別実施形態〕
上記実施形態においては、ポートカバー26は、単一の部材により構成されている。
【0167】
しかしながら、本発明はこれに限定されない。以下では、本発明に係る第1別実施形態について、上記実施形態とは異なる点を中心に説明する。以下で説明している部分以外の構成は、上記実施形態と同様である。また、上記実施形態と同様の構成については、同じ符号を付している。
【0168】
図14から
図16に示すように、第1別実施形態においては、ポートカバー26は、第1カバー体91及び第2カバー体92の二つのカバー体に分割されている。尚、本発明はこれに限定されず、ポートカバー26は、三つ以上のカバー体に分割されていても良い。
【0169】
即ち、ポートカバー26は、複数のカバー体に分割されている。
【0170】
第1カバー体91及び第2カバー体92は、横並びの状態で配置されている。第1カバー体91は、第2カバー体92の右方に位置している。
【0171】
図14及び
図16に示すように、第1カバー体91は、上壁部93、傾斜部94、前壁部95、右壁部97を有している。
【0172】
上壁部93は、水平姿勢の壁状の部位である。傾斜部94は、上壁部93の前端部から前下方へ延びる壁状の部位である。傾斜部94が設けられていることにより、第1カバー体91の上面は、傾斜している。
【0173】
前壁部95は、傾斜部94の下端部から下方へ延びる壁状の部位である。右壁部97は、垂直姿勢の壁状の部位である。
【0174】
図14及び
図15に示すように、第2カバー体92は、上壁部90及び前壁部98を有している。上壁部90は、水平姿勢の壁状の部位である。前壁部98は、上壁部90の前端部から下方へ延びる壁状の部位である。
【0175】
第1カバー体91及び第2カバー体92は、何れも、下方に開放された形状を有している。また、第2カバー体92は、左方にも開放された形状を有している。
【0176】
第1カバー体91は、第1接続部71及び第2接続部72を覆っている。第2カバー体92は、第3接続部73及び第4接続部74を覆っている。
【0177】
第1カバー体91は、第2ボルトb2及び第3ボルトb3により、バッテリ4に固定されている。第2カバー体92は、第1ボルトb1により、バッテリ4に固定されている。
【0178】
第1別実施形態において、トラクタAは、第7ステー68、第8ステー69、第9ステー75を備えている。
図14から
図16に示すように、第7ステー68は、正面視で階段状の形状を有している。第7ステー68は、前壁部98の前面に固定されている。
【0179】
第8ステー69は、前後方向に延びる部材である。第8ステー69の後部は、第7ステー68の下端部に固定されている。第8ステー69の前部は、ラジエータフレーム19に固定されている。
【0180】
この構成により、第2カバー体92は、第7ステー68及び第8ステー69を介して、ラジエータフレーム19に支持されている。即ち、ポートカバー26は、ラジエータフレーム19に支持されている。
【0181】
また、第7ステー68の上端部に、保持部58及び第9ステー75が支持されている。第9ステー75は、左右方向に延びる部材である。第9ステー75の右部は、第7ステー68の上端部に固定されている。支持アーム46の基端部46aは、第9ステー75の左端部に、相対回転可能な状態で接続している。
【0182】
また、
図14及び
図15に示すように、第1別実施形態において、支持フレーム65は、上側へ延びる延出支持部76を有している。延出支持部76の上端部は、第7ステー68に固定されている。
【0183】
この構成により、給電部20は、支持フレーム65及び第7ステー68を介して、第2カバー体92に支持されている。即ち、給電部20は、ポートカバー26に支持されている。
【0184】
図15に示すように、支持フレーム65の後端部における上部に、切り欠きJ2が形成されている。前壁部98は、切り欠きJ2に入り込んでいる。
【0185】
〔その他の実施形態〕
(1)電力ポート50は、バッテリ4の後側部、右側部、左側部の何れかに設けられていても良い。
【0186】
(2)人為操作具84は、ロック機構80に含まれていなくても良い。
【0187】
(3)エンジンが設けられていても良い。この場合、前車輪10及び後車輪11は、モータM及びエンジンにより駆動されても良い。
【0188】
(4)カバー部材12は、運転部3の前方以外の位置に配置されていても良い。例えば、カバー部材12は、運転部3の後方に位置していても良い。
【0189】
(5)給電部20は、側面視で急傾斜部16の上方に位置していても良い。
【0190】
(6)蓋部14は、いかなる形状であっても良い。例えば、蓋部14の縁部14aは、緩傾斜部15と急傾斜部16とを有していなくても良い。
【0191】
(7)蓋部14は、揺動以外の方法によって開状態と閉状態との間で状態変更可能であっても良い。例えば、蓋部14は、機体の前後方向または上下方向にスライド移動することによって、開状態と閉状態との間で状態変更可能であっても良い。
【0192】
(8)ポートカバー26は、上壁部33を有していなくても良いし、傾斜部34を有していなくても良い。即ち、ポートカバー26は、上方に開放された形状を有していても良い。
【0193】
(9)ポートカバー26は、第1ボルトb1、第2ボルトb2、第3ボルトb3によって、機体のうちバッテリ4以外の部分に固定されていても良い。
【0194】
(10)ポートカバー26に代えて、人為操作具84の操作軌跡Kの途中に位置する揺動規制部が設けられていても良い。揺動規制部は、接続部70を覆っていなくても良い。揺動規制部は、工具(例えばスパナやレンチ)を用いて着脱される固定具(例えばボルト)によって機体に固定されていると好適である。この場合、揺動規制部は、本発明に係る「規制部」に相当する。
【0195】
(11)支持アーム46は、ポートカバー26に支持されていなくても良い。
【0196】
尚、上述の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0197】
本発明は、トラクタだけではなく、コンバイン、田植機、建設作業機等の種々の電動作業車に利用可能である。
【符号の説明】
【0198】
4 :バッテリ
6 :ラジエータ
10 :前車輪(走行装置)
11 :後車輪(走行装置)
12 :カバー部材
19 :ラジエータフレーム
20 :給電部
25 :配線構造体
26 :ポートカバー(規制部、接続部カバー)
36 :左壁部(第1壁部)
37 :右壁部(第2壁部)
46 :支持アーム
46a :基端部
46b :遊端部
50 :電力ポート
60 :電気配線
70 :接続部
80 :ロック機構
84 :人為操作具
A :トラクタ(電動作業車)
b1 :第1ボルト(固定具)
b2 :第2ボルト(固定具)
b3 :第3ボルト(固定具)
G :充電器
K :操作軌跡
M :モータ
Q :カバー揺動軸芯(揺動軸芯)