(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096603
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】マッサージ装置
(51)【国際特許分類】
A61H 19/00 20060101AFI20240709BHJP
A61H 23/02 20060101ALI20240709BHJP
A61H 23/04 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
A61H19/00
A61H23/02 332
A61H23/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023000201
(22)【出願日】2023-01-04
(71)【出願人】
【識別番号】512106517
【氏名又は名称】株式会社Rends
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡部 晴義
(72)【発明者】
【氏名】田中 幹弥
【テーマコード(参考)】
4C074
【Fターム(参考)】
4C074AA01
4C074BB10
4C074CC01
4C074CC18
4C074DD02
4C074FF01
4C074GG01
(57)【要約】
【課題】吸引口を任意の位置に適切に宛がうことのできるマッサージ装置を提供する。
【解決手段】マッサージ装置10は、人体に宛がうことで人体を吸引する吸引部63と、吸引部63に吸引力を付与する駆動部52と、吸引部63と駆動部52とが設けられる本体部12と、を備え、吸引部63は、本体部12における位置が可変とされている。吸引部63は、本体部12に着脱可能に設けられるアタッチメント11を有し、第2アタッチメント11Bの本体部12への取り付け姿勢を変化させることにより本体部12における位置が可変としてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体に宛がうことで前記人体を吸引する吸引部と、
前記吸引部に吸引力を付与する駆動部と、
前記吸引部と前記駆動部とが設けられる本体部と、を備え、
前記吸引部は、前記本体部における位置が可変とされていることを特徴とするマッサージ装置。
【請求項2】
前記吸引部は、前記本体部に着脱可能に設けられるアタッチメントを有し、前記アタッチメントの前記本体部への取り付け姿勢を変化させることにより前記本体部における位置が可変とされていることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ装置。
【請求項3】
前記アタッチメントは、宛がわれた箇所を吸引する吸引通路と、前記吸引通路を取り囲む位置に設けられた第1磁性部材と、を有し、
前記本体部には、前記アタッチメントが取り付けられる取付部が設けられ、
前記取付部は、前記駆動部により負圧とされる吸引空間と、前記吸引空間を取り囲む位置に設けられた第2磁性部材と、を有し、
前記アタッチメントは、前記第1磁性部材と前記第2磁性部材との磁力により前記取付部に取り付けることができ、
前記吸引通路は、前記取付部への取り付けの姿勢の変化に拘らず、前記取付部に取り付けると前記吸引空間に連結されることを特徴とする請求項2に記載のマッサージ装置。
【請求項4】
前記アタッチメントは、第1方向に長尺なアタッチメント取付面を有し、
前記取付部は、前記アタッチメント取付面と等しい形状の本体取付面を有し、
前記アタッチメントは、前記アタッチメント取付面を前記本体取付面に宛がうことで前記取付部に取り付けることができ、
前記吸引通路は、前記人体に宛がわれる吸引口と、前記アタッチメント取付面側に位置する連結口と、を有し、
前記吸引口は、前記アタッチメント取付面における前記第1方向での中心位置に対して前記第1方向へと偏って設けられ、
前記連結口は、前記アタッチメント取付面における前記中心位置に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のマッサージ装置。
【請求項5】
前記アタッチメントは、弾性を有する材料で形成されて前記吸引通路を形作るアタッチメント本体部と、前記アタッチメント取付面を形作る取付板部と、を有し、
前記取付板部は、前記吸引通路を受け入れる受入穴を有し、
前記アタッチメント本体部は、前記アタッチメント取付面の外周縁に沿いつつ前記アタッチメント取付面よりも突出する外周環状凸部と、前記連結口を形成しつつ前記受入穴から前記アタッチメント取付面よりも突出する内周環状凸部と、を有することを特徴とする請求項4に記載のマッサージ装置。
【請求項6】
前記吸引部は、宛がわれた箇所を吸引する吸引通路を形作る枠状部と、前記枠状部を前記本体部に対してスライド移動可能に支持するスライド機構と、前記枠状部を被覆する被覆部と、を有し、前記スライド機構が前記被覆部に被覆された前記枠状部を前記本体部に対してスライド移動させることにより前記本体部における位置が可変とされていることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マッサージ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、人体における任意の位置に刺激を与えるマッサージ装置が知られている(特許文献1参照)。このようなマッサージ装置には、人体における任意の位置に吸引口を宛がった状態で動作させることで、宛がわれた任意の位置を吸引して刺激を与えるものがある。この従来のマッサージ装置は、任意の位置に宛がった吸引口(その内部空間)を負圧にすることにより、任意の位置を吸引することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、従来のマッサージ装置は、装置本体に吸引口が固定されていることから、吸引口を任意の位置に適切に宛がう観点から改善の余地がある。
【0005】
本開示は、上記の事情に鑑みて為されたもので、吸引口を任意の位置に適切に宛がうことのできるマッサージ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のマッサージ装置は、人体に宛がうことで前記人体を吸引する吸引部と、前記吸引部に吸引力を付与する駆動部と、前記吸引部と前記駆動部とが設けられる本体部と、を備え、前記吸引部は、前記本体部における位置が可変とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示のマッサージ装置によれば、吸引口を任意の位置に適切に宛がうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示に係る実施例1のマッサージ装置を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示すI-I線で得られる断面図である。
【
図3】
図2に示すII-II線で得られる断面図に相当する説明図であり、第1アタッチメントを取り付けていない様子を示している。
【
図4】マッサージ装置において第1アタッチメントを取り外した様子を示す斜視図である。
【
図5】第1アタッチメントの裏側を見た様子を示す斜視図である。
【
図6】第1アタッチメントを構成部品ごとに分解して裏側から見た様子を示す分解斜視図である。
【
図7】
図6の分解した状態を表側から見た様子を示す分解斜視図である。
【
図8】第2アタッチメントの表側を見た様子を示す斜視図である。
【
図9】マッサージ装置の駆動部の構成を説明するための説明図である。
【
図10】マッサージ装置において第2アタッチメントを第1姿勢で取り付けた様子を示す斜視図である。
【
図11】
図10に示すIII-III線で得られる断面図である。
【
図12】マッサージ装置において第2アタッチメントを第2姿勢で取り付けた様子を示す
図10と同様の断面図である。
【
図13】実施例2のマッサージ装置を示す断面図である。
【
図14】実施例2のマッサージ装置において枠状部(吸引口)を中央に位置させた状態を部分的に示す斜視図である。
【
図15】実施例2のマッサージ装置において枠状部(吸引口)を上側に位置させた状態を部分的に示す斜視図である。
【
図16】実施例2のマッサージ装置において枠状部(吸引口)を下側に位置させた状態を部分的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示に係る各実施例のマッサージ装置について
図1から
図16を参照しつつ説明する。なお、
図14から
図16では、スライド機構75により枠状部71が変位する様子の把握を容易とするために、被覆部72がない状態の本体部12Cの一端11a側を部分的に示している。
【実施例0010】
図1から
図4に示すマッサージ装置10は、例えば、陰核や乳首等の人体の任意の箇所にアタッチメント11を宛がうことで、その接した箇所をマッサージするものである。なお、以下の説明では、マッサージ装置10において、アタッチメント11を人体の任意の箇所に宛がう方向を前後方向(図面ではZとする)とし、前後方向に直交する面に沿う方向において直交する2つの方向の一方を第1方向(図面ではXとする)とし、他方を第2方向(図面ではYとする)とする。そして、前後方向では、
図1を正面視して左側(図面のZにおける正方向)を前側とする。
【0011】
マッサージ装置10は、アタッチメント11(
図2等参照)が本体部12に設けられて構成されている。アタッチメント11は、陰核等の人体に宛がわれる箇所であり、宛がわれた箇所を局所的に吸引するための吸引口24を有するものである。このアタッチメント11は、第1方向および第2方向の中心位置を通り前後方向に伸びる中心軸線に関して点対称な構成とされている。アタッチメント11は、
図5から
図7に示すように、アタッチメント本体部21に取付板部22が取り付けられて構成されている。
【0012】
アタッチメント本体部21は、人体への接触を柔らかなものとする弾性部材で形成されており、一例としてシリコンゴム等のエラストマーが用いられている。アタッチメント本体部21は、吸引のための吸引通路23を形成する。この吸引通路23は、アタッチメント本体部21を前後方向に貫通する穴とされており、前後方向の前側が人体に宛がわれる吸引口24となり、後側が後述するアタッチメント取付面32側に位置する連結口25となる。吸引通路23は、吸引口24から連結口25に至るまでが略等しい径寸法とされている。その連結口25は、後述する板部収容凹部26における中心位置に設けられており、後述する内周環状凸部28により規定されている。吸引口24は、前後方向で連結口25の前側の位置(板部収容凹部26における中心位置に相当)で環状に突出しており、人体における任意の局所的な箇所を取り囲むように宛がうことが可能とされている。
【0013】
アタッチメント本体部21は、吸引口24から前後方向の後側に向かうに連れて、前後方向に直交する方向での寸法が大きくなる末広がりな形状とされている。このアタッチメント本体部21は、第1方向および第2方向の中心位置を通り前後方向に伸びる中心軸線に関して点対称な構成とされている。そして、アタッチメント本体部21では、
図6に示すように、前後方向の後側に、板部収容凹部26と外周環状凸部27と内周環状凸部28とが設けられている。板部収容凹部26は、取付板部22を取り付けるための空間であり、凹状とされて形成されている。
【0014】
外周環状凸部27は、板部収容凹部26に取り付けられる取付板部22(その後述するアタッチメント取付面32)の外周縁に沿いつつ前後方向の後側に突出される。このため、外周環状凸部27は、取付板部22(アタッチメント取付面32)を取り囲むものとされており、実施例1では第1方向に長尺な円形とされている。
【0015】
内周環状凸部28は、板部収容凹部26に取り付けられる取付板部22(アタッチメント取付面32)の後述する受入穴31に沿いつつ前後方向の後側に突出される。このため、内周環状凸部28は、取付板部22(アタッチメント取付面32)の中央において受入穴31を取り囲むものとされており、実施例1では円形とされている。
【0016】
この外周環状凸部27と内周環状凸部28とには、取付溝29が形成されている。この各取付溝29は、外周環状凸部27の内側および内周環状凸部28の内側が凹まされた溝であり、環状に形成されている。外周環状凸部27に形成された取付溝29は、取付板部22の外周縁22aを嵌め入れることが可能とされている。内周環状凸部28に形成された取付溝29は、取付板部22の受入穴31の内周縁31aを嵌め入れることが可能とされている。
【0017】
取付板部22は、プラスチック材料で形成され、第1方向に長尺な円形で平坦な板状とされており、その外周縁22aが外周環状凸部27に沿う長尺な円形とされている。この取付板部22は、中心に受入穴31が設けられている。受入穴31は、取付板部22を前後方向に貫通して形成されている。この受入穴31は、内周環状凸部28に沿う円形とされており、内周縁31aも円形とされている。
【0018】
この取付板部22は、外周縁22aを外周環状凸部27の取付溝29に嵌め入れつつ受入穴31の内周縁31aを内周環状凸部28の取付溝29に嵌め入れて、板部収容凹部26に取り付ける。すると、取付板部22は、アタッチメント本体部21から前後方向の後側に露出されることとなり、その露出された平坦な面がアタッチメント取付面32となる。この取付板部22では、外周縁22aを取り囲むように外周環状凸部27が位置するとともに、受入穴31(その内周縁31a)を縁取るように内周環状凸部28が位置する。その外周環状凸部27と内周環状凸部28とは、アタッチメント取付面32よりも前後方向の後側へと突出されている。
【0019】
取付板部22では、
図7に示すように、アタッチメント取付面32とは反対側の裏面に2つの設置凹所33が設けられている。2つの設置凹所33は、受入穴31を挟んで第1方向で対を為して設けられており、実施例1では第1方向の両端近傍に位置されている。両設置凹所33は、それぞれ第1磁性部材34を嵌め入れることが可能とされている。この両第1磁性部材34は、円柱状とされた永久磁石で形成され、それぞれの設置凹所33に嵌め入れられることで、取付板部22に設けることができる。両第1磁性部材34は、取付板部22がアタッチメント本体部21の板部収容凹部26に取り付けられると、アタッチメント取付面32の裏側に位置される(
図2等参照)。
【0020】
マッサージ装置10では、
図4から
図7に示すアタッチメント11とは交換して使用できるアタッチメント(11B)が用意されている。以下では、個別に示す際には上記したものを第1アタッチメント11Aとし、交換できるものを第2アタッチメント11B(
図8、
図9参照)とする。この第2アタッチメント11Bは、基本的な構成は第1アタッチメント11Aと同様であるので、等しい構成の箇所には同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。そして、両アタッチメント11(11A、11B)では、構成が異なる箇所を個別に示す際には、第1アタッチメント11Aの符号の末尾にAを付すとともに、第2アタッチメント11Bの符号の末尾にBを付して示す。第2アタッチメント11Bは、第1アタッチメント11Aと比較して、アタッチメント本体部21Bにおける吸引通路23Bの構成が異なるものとされている。
【0021】
この吸引通路23Bでは、連結口25が、第1アタッチメント11Aと同様に、板部収容凹部26における中心位置に設けられて内周環状凸部28により規定されている(
図11、
図12参照)。そして、吸引通路23Bでは、吸引口24Bが、第1アタッチメント11Aと比較して、第1方向に偏って設けられている。これに伴って、吸引通路23Bは、連結口25から吸引口24Bに向けて、前後方向に対して第1方向側に傾斜している(
図11、
図12参照)。
【0022】
この第2アタッチメント11Bは、吸引口24Bの位置を含む吸引通路23Bの構成を除くと、第1アタッチメント11Aと同様に、連結口25も含めて第1方向および第2方向の中心位置を通り前後方向に伸びる中心軸線に関して点対称な構成とされている。このため、第2アタッチメント11Bは、上記の中心軸線を中心として180度回転させることにより、吸引通路23Bの吸引口24Bの位置が第1方向の反対側に移動しつつ、他の構成は変化がない状態となる(
図11、
図12参照)。ここで、例えば、吸引口24Bが第1方向の上側に位置する姿勢(
図11参照)を第1姿勢とし、吸引口24Bが第1方向の下側に位置する姿勢(
図12参照)を第2姿勢とする。そして、第1アタッチメント11Aは、上記した中心軸線上に吸引口24Aが位置している(
図2等参照)。このため、第1アタッチメント11Aを用いる場合と、第2アタッチメント11Bを用いて中心軸線を中心に180度回転させて姿勢を切り替えた2通りの場合と、を使い分けることにより、吸引口24A、24Bの第1方向での位置を3段階に変化させることができる(
図2、
図11、
図12参照)。
【0023】
この両アタッチメント11(11A、11B)は、
図1から
図4に示すように、本体部12への取り付けが可能とされている。その本体部12は、弾性部材で形成された長尺な棒状とされ、略L字形状に湾曲されている。本体部12では、一端11aの近傍に取付部51が設けられ、その取付部51の奥に駆動部52(
図2等参照)が設けられ、他端11bの近傍に振動部53(
図2等参照)が設けられている。
【0024】
取付部51は、
図2から
図4等に示すように、各アタッチメント11を取り付ける(装着する)箇所であり、アタッチメント取付面32と等しい形状の本体取付面54が設けられている。この本体取付面54は、本体部12が部分的に薄い円柱状に凹まされた平坦な底面により形成されており、アタッチメント取付面32を面で宛がうことが可能とされている。この本体取付面54には、中心位置に吸引凹所55が設けられている。
【0025】
この吸引凹所55は、本体部12におけるアタッチメント取付面32の中心箇所が、部分的に後側へと円柱状に凹まされて形成されている。吸引凹所55は、その断面が各アタッチメント11の吸引通路23の連結口25と略等しい大きさとされている。吸引凹所55を形成する後側の後壁部55aには、後述する伝達片59の基端部59aが取り付けられている。この吸引凹所55は、伝達片59(その基端部59a)の変位に合わせて後壁部55aが変位することにより、容積の変動が可能とされている。
【0026】
また、取付部51では、本体取付面54の裏側に2つの第2磁性部材56が設けられている。この2つの第2磁性部材56は、円柱状とされた永久磁石で形成され、吸引凹所55を挟んで第1方向で対を為して設けられている。両第2磁性部材56は、各アタッチメント11の両第1磁性部材34と前後方向で並列させることができる位置関係とされている。
【0027】
駆動部52は、吸引凹所55の容積を変動させるために設けられ、モータ57と振動片58と伝達片59とを有する。モータ57は、振動片58を回転駆動するもので、本体部12内で固定されて設けられているとともに、その出力軸57aが振動片58に固定されている。モータ57は、図示を略すが充電池に接続されている。本体部12では、取付部51の裏側(前後方向の後側)に電源スイッチ61(
図2、
図3等参照)が設けられている。モータ57は、電源スイッチ61がON状態とされると充電池から駆動電力が供給され、電源スイッチ61がOFF状態とされると駆動電力の供給が停止される。モータ57は、駆動電力が供給されると、出力軸57aをその軸線回りに回転させる。また、本体部12では、電源スイッチ61の近傍に3つの点灯部62(
図2等参照)が設けられており、モータ57の駆動状態や充電池の充電状態に応じて適宜点灯される。なお、電力供給源は、電源ケーブルを介して繋がれた商用電源でもよく、本体部12に内蔵するバッテリーでもよい。
【0028】
振動片58は、
図3、
図9に示すように、モータ57の出力軸57aに固定される固定部58aと、そこから第1方向に突出する振動軸部58bと、を有する。固定部58aは、固定された出力軸57aが回転されると、その出力軸57aとともに回転する。振動軸部58bは、固定部58aから第1方向へと突出する細長い円柱状とされており、固定部58aに固定された出力軸57aとは第1方向に直交する方向に偏心する位置関係とされている。このため、振動片58は、モータ57が駆動されると、振動軸部58bが出力軸57a(その軸線)を中心としつつその出力軸57aを取り巻く軌道に沿って周回移動することとなる。
【0029】
伝達片59は、モータ57からの駆動力を、振動片58を介して吸引凹所55(その後壁部55a)に伝達するものである。この伝達片59は、吸引凹所55の後壁部55aに固定される基端部59aと、そこから前後方向の後側に位置する軸受部59bと、を有する。この基端部59aは、吸引凹所55の後壁部55aに固定されてはいるが、その後壁部55aが弾性部材で形成された本体部12が部分的に凹まされて形成されているので、後壁部55aとともに傾くことが可能とされている。
【0030】
軸受部59bは、円筒形状とされ、その中心に軸受穴59cが設けられている。軸受部59bは、軸受穴59cに振動軸部58bが通されることでその振動軸部58bに固定され、その振動軸部58bが移動されるとその振動軸部58bとともに回転する。ここで、振動軸部58bは、モータ57の駆動により出力軸57a(その軸線)を中心としつつその出力軸57aを取り巻く軌道に沿って移動するので、軸受部59bは、前後方向で後壁部55aに近づいたり離れたりする往復移動しつつ第2方向にも往復移動することとなる。
【0031】
このため、振動片58は、モータ57が回転駆動することにより、吸引凹所55の後壁部55aを第2方向への捩れを含みつつ前後方向に振動させて、吸引凹所55の容積を増減させる。このことから、駆動部52は、電源スイッチ61がON状態とされると、吸引凹所55の容積を増減させることができる。
【0032】
振動部53は、
図2、
図3等に示すように、他端11b側の内部に設けられてモータの駆動により振動を発生させるもので、本体部12の他端11b側を振動させる。この他端11bは、細長い形状とされるとともに角のない滑らかな形状とされており、膣等の人体の穴への挿入が可能とされている。振動部53は、他端11bが人体の穴に挿入された状態において他端11b側を振動させることにより、その人体の穴に振動による刺激を与えることができる。この振動部53の構成は、従来と同様であるので、その詳細な説明は省略する。なお、本体部12では、他端11b側に振動部53が設けられていなくてもよい。
【0033】
このマッサージ装置10では、
図1、
図4等に示すように、本体部12の取付部51に、各アタッチメント11を取り付けることができる。すなわち、各アタッチメント11は、そのアタッチメント取付面32を取付部51の本体取付面54に宛がうように近づけると、互いの両第1磁性部材34と両第2磁性部材56とが引き合うことで、取付部51に取り付けられる。このとき、各アタッチメント11では、
図2、
図11、
図12等に示すように、弾性部材で形成された外周環状凸部27と内周環状凸部28とがアタッチメント取付面32よりも前後方向の後側へと突出されており、その外周環状凸部27と内周環状凸部28とがアタッチメント取付面32と本体取付面54との間で圧し潰される。これにより、各アタッチメント11は、取付部51との間で水密性を確保した状態で本体部12に取り付けることができるとともに、密閉性を確保した状態で吸引通路23(その連結口25)と吸引凹所55とを繋げることができる。
【0034】
このマッサージ装置10は、各アタッチメント11の吸引通路23の吸引口24を人体の任意の箇所に宛がうことで、吸引通路23から吸引凹所55に至る空間を密閉されたものにできる。マッサージ装置10は、その状態において、電源スイッチ61がON状態とされると、駆動部52により吸引凹所55の容積が増減されることとなり、その吸引凹所55から吸引通路23に至る空間を負圧とすることと正圧とすることとを繰り返すことができる。これにより、マッサージ装置10は、人体の任意の箇所を吸引したりそれを解除したりを繰り返すことができ、その任意の箇所に刺激を与えることができる。このため、マッサージ装置10では、吸引凹所55により形成された空間が、駆動部52により負圧とされる吸引空間となり、各アタッチメント11が、吸引凹所55と協働して駆動部52により吸引力が付与される吸引部63として機能する。
【0035】
ここで、マッサージ装置10では、一例として、本体部12の他端11b側が膣へと挿入された状態で、陰核に吸引口24(吸引部63)を宛がって使用することが考えられる。ところが、人によって膣と陰核との位置関係が異なることから、他端11bに対する吸引口24の位置が一定であると、上記のような使用状態では吸引口24(吸引部63)を陰核に適切に宛がうことが困難となることが考えられる。ところが、マッサージ装置10では、2つのアタッチメント11(11A、11B)が用意されており、互いの吸引口24の第1方向での位置が異なるものとされている。加えて、第2アタッチメント11Bでは、取付部51(本体部12)への取り付けの姿勢を180度回転させることにより、吸引通路23Bの吸引口24Bの位置を第1方向の反対側に移動させることができる(
図11、
図12参照)。このため、マッサージ装置10では、第1アタッチメント11Aを用いる場合と、第2アタッチメント11Bを用いて中心軸線を中心に180度回転させた2通りの場合と、を使い分けることにより、吸引口24A、24Bの第1方向での位置を3段階に変化させることができる(
図2、
図11、
図12参照)。換言すると、マッサージ装置10は、2つのアタッチメント11(11A、11B)の種類を変えることと、第2アタッチメント11Bの取り付け姿勢を変化させることと、により、吸引口24の位置を調整できる。これにより、利用者は、膣と陰核との位置関係に応じて吸引口24A、24Bの位置を上記の3段階で調整することで、上記のような使用状態において吸引口24(吸引部63)を陰核に適切に宛がうことができ、適切に刺激を得ることができる。また、マッサージ装置10は、吸引口24A、24Bの位置に拘らず各アタッチメント11を取付部51(本体部12)に同様に取り付けることができるので、吸引口24A、24Bの位置に拘らず使い勝手を等しくできる。
【0036】
また、マッサージ装置10では、吸引部63に各アタッチメント11を用いているので、その各アタッチメント11を取付部51(本体部12)から取り外して、各アタッチメント11や取付部51等を別々に洗浄できる。このため、マッサージ装置10は、吸引力が付与するための吸引通路23や吸引凹所55の中に付着した体液やローション等であっても、適切にかつ容易に洗浄できる。
【0037】
さらに、マッサージ装置10では、各アタッチメント11において、弾性部材で形成された内周環状凸部28をアタッチメント取付面32よりも前後方向の後側へと突出させている。このため、マッサージ装置10は、各アタッチメント11を取付部51に取り付けると、内周環状凸部28と本体取付面54との間で内周環状凸部28を圧し潰すことができ、吸引通路23と吸引凹所55との間の密閉性を確保できる。これにより、マッサージ装置10は、吸引部63に各アタッチメント11を用いても、吸引部63における吸引力を適切に発揮させることができる。
【0038】
実施例1のマッサージ装置10は、以下の各作用効果を得ることができる。
【0039】
マッサージ装置10は、人体に宛がうことで人体を吸引する吸引部63と、吸引部63に吸引力を付与する駆動部52と、吸引部63と駆動部52とが設けられる本体部12と、を備え、本体部12における吸引部63の位置が可変とされている。このため、マッサージ装置10は、宛がう箇所に応じて吸引部63の位置を調整することにより、任意の箇所に吸引部63を適切に宛がって使用でき、適切に刺激を与えることができる。
【0040】
また、マッサージ装置10は、吸引部63が、本体部12に着脱可能に設けられる各アタッチメント11を有し、第2アタッチメント11Bの本体部12への取り付け姿勢を変化させることにより本体部12における位置が可変とされている。このため、マッサージ装置10は、第2アタッチメント11Bの取り付け姿勢を変化させるだけで吸引部63の位置を調整できるとともに、各アタッチメント11を取り外すことにより吸引部63の内部を容易にかつ適切に洗浄できる。
【0041】
さらに、マッサージ装置10は、各アタッチメント11を、第1磁性部材34と第2磁性部材56との磁力により取付部51に取り付けることができ、各アタッチメント11の取付部51への取り付けの姿勢の変化に拘らず、取付部51に取り付けると吸引通路23が吸引凹所55に連結される。このため、マッサージ装置10は、各アタッチメント11の取付部51への取り付けを容易なものにできるとともに、各アタッチメント11の本体部12への取り付け姿勢に拘らず適切に取り付けることができる。
【0042】
マッサージ装置10では、各アタッチメント11が第1方向に長尺なアタッチメント取付面32を有し、取付部51がアタッチメント取付面32と等しい形状の本体取付面54を有し、アタッチメント11がアタッチメント取付面32を本体取付面54に宛がって取付部51に取り付けられる。また、マッサージ装置10では、第2アタッチメント11Bにおいて、吸引通路23Bの吸引口24Bが、アタッチメント取付面32における第1方向での中心位置に対して第1方向へと偏って設けられ、吸引通路23Bの連結口25が、アタッチメント取付面32における第1方向での中心位置に設けられている。このため、マッサージ装置10は、上下を反転させるように第2アタッチメント11Bの取付部51に対する姿勢を変化させることにより、連結口25を吸引凹所55に連結させつつ、吸引口24Bの位置を第1方向に変化させることができる。これにより、マッサージ装置10は、容易に吸引口24Bの位置を変化させつつ、その吸引口24B(吸引部63)による吸引を適切なものにでき、使い勝手を向上させることができる。
【0043】
マッサージ装置10では、各アタッチメント11が、弾性を有する材料で形成されて吸引通路23を形作るアタッチメント本体部21と、アタッチメント取付面32を形作る取付板部22と、を有し、その取付板部22が吸引通路23を受け入れる受入穴31を有する。また、マッサージ装置10では、アタッチメント本体部21が、アタッチメント取付面32の外周縁に沿いつつアタッチメント取付面32よりも突出する外周環状凸部27と、連結口25を形成しつつ受入穴31からアタッチメント取付面32よりも突出する内周環状凸部28と、を有する。このため、マッサージ装置10は、アタッチメント取付面32と本体取付面54との間で外周環状凸部27と内周環状凸部28とを圧し潰すことができ、取付部51との間で水密性を確保した状態で本体部12に取り付けることができるとともに、密閉性を確保した状態で吸引通路23(その連結口25)と吸引凹所55とを繋げることができる。
【0044】
したがって、本開示に係る実施例1のマッサージ装置10は、吸引口24を任意の位置に適切に宛がうことができる。
この本体部12Cでは、各アタッチメント11を用いないことから、一端11aの近傍には取付部51に変えて、吸引口24Cが設けられている。この吸引口24Cは、実施例1の各アタッチメント11の吸引口24と同様に、前後方向の前側に設けられている。吸引口24Cは、本体部12Cにおける一端11aの表面が部分的に凹まされることにより、その前側から内側へ向けて吸引通路23Cに通じており、その奥側(後側)の端部が吸引凹所55Cとされている。このため、本体部12Cでは、吸引通路23Cと吸引凹所55Cと一体的な構成とされており、その前側の端部が吸引口24Cとされている。
また、本体部12Cでは、第2方向で枠状部71を挟むように一対の溝部74が設けられている。この両溝部74は、前後方向で枠状部71よりも後側に位置されており、それぞれが第1方向に伸びるものとされている。両溝部74は、波状の壁部74aで形成されており、第1方向で見て幅寸法(第2方向での寸法)の増減が繰り返すものとされている。両溝部74は、それぞれ対応する支持軸73を受け入れることが可能とされており、幅寸法が広い位置で固定できるとともに、幅寸法が狭い箇所を乗り越えて隣の幅寸法が広い位置に移動できるものとされている。このため、両支持軸73は、それぞれが対応する溝部74に支持された状態で、第1方向に移動できるとともにその第1方向の任意の位置で固定できる。
このマッサージ装置10Cでは、吸引通路23Cの吸引口24Cを人体の任意の箇所に宛がうことで、吸引通路23Cから吸引凹所55Cに至る空間を密閉されたものにできる。マッサージ装置10Cは、その状態において、電源スイッチ61がON状態とされると、駆動部52により吸引凹所55Cの容積が増減されることとなり、その吸引凹所55Cから吸引通路23Cに至る空間を負圧とすることと正圧とすることとを繰り返すことができる。このため、マッサージ装置10Cは、人体の任意の箇所を吸引したりそれを解除したりを繰り返すことができ、その任意の箇所に刺激を与えることができる。このため、マッサージ装置10Cでは、吸引通路23C(吸引口24C)と吸引凹所55Cとが、駆動部52により吸引力が付与される吸引部63Cとして機能する。
そして、マッサージ装置10Cは、枠状部71が一対の支持軸73を介して一対の溝部74に支持されており、その両支持軸73が両溝部74の中で第1方向に移動できるとともにその第1方向の任意の位置で固定できるものとされている。このため、マッサージ装置10Cは、両溝部74に沿って両支持軸73を第1方向に変位させることにより、枠状部71を第1方向の任意の位置で固定でき、その枠状部71が形作る吸引口24Cの位置を第1方向の任意の位置で固定できる。このことから、マッサージ装置10Cでは、一対の支持軸73と一対の溝部74とが、枠状部71を本体部12Cに対してスライド移動可能に支持するスライド機構75として機能する。
このため、マッサージ装置10Cは、吸引口24C(枠状部71)を摘まんだ状態において、その吸引口24C(枠状部71)を本体部12Cに対して第1方向に変位させることにより、その吸引口24Cの第1方向での位置を調整できる。よって、利用者は、本体部12Cの他端11b側が膣へと挿入された状態であっても、吸引口24C(吸引部63C)を陰核に適切に宛がうことができ、刺激を得ることができる。また、マッサージ装置10Cは、本体部12Cに対して吸引口24C(枠状部71)を第1方向に移動可能な構成であることから、吸引口24Cの位置を調整しても使い勝手を等しくできる。
本開示に係る実施例2のマッサージ装置10Cは、以下の各作用効果を得ることができる。このマッサージ装置10Cは、基本的に実施例1のマッサージ装置10と同様の構成であるので、実施例1と同様の効果を得られる。
それに加えて、マッサージ装置10Cでは、吸引部63Cを、吸引通路23Cを形作る枠状部71と、枠状部71を本体部12Cに対してスライド移動可能に支持するスライド機構75と、枠状部71を被覆する被覆部72と、を有するものとしている。そして、マッサージ装置10Cでは、スライド機構75が被覆部72に被覆された枠状部71を本体部12Cに対してスライド移動させることにより本体部12Cにおける位置が可変とされている。このため、マッサージ装置10Cは、吸引口24C(枠状部71)を摘まんだ状態において、その吸引口24C(枠状部71)を本体部12Cに対して変位させることにより、その吸引口24Cの位置を調整できる。よって、利用者は、本体部12Cの他端11b側が膣へと挿入された状態であっても、吸引口24C(吸引部63C)を陰核に適切に宛がうことができ、刺激を得ることができる。
以上、本開示のマッサージ装置を各実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については各実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
なお、マッサージ装置は、各実施例では、両マッサージ装置10、10Cを上記のような全体の形状や構成としている。しかしながら、マッサージ装置は、人体を吸引する吸引部と、そこに吸引力を付与する駆動部と、それらが設けられる本体部と、を備えて、本体部における吸引部の位置が可変とされているものであれば、全体の形状や構成は適宜設定すればよく、各実施例に限定されない。
また、マッサージ装置は、各実施例では、本体部12、12Cに対して吸引部63、63Cを第1方向に変位できるものとしている。しかしながら、マッサージ装置は、本体部に対して吸引部を変位できるものであれば、その変位の方向は適宜設定すればよく、また2種類の方向に変位可能としてもよく、各実施例の構成に限定されない。
さらに、マッサージ装置は、実施例1では、2種類のアタッチメント11A、11Bを用いるものとしている。しかしながら、アタッチメントは、本体部の取付部への選択的な取り付けを可能とするものであれば、その個数や形状は適宜設定すればよく、実施例1の構成に限定されない。そのとき、アタッチメントは、少なくとも1つは本体部(取付部)への取り付け姿勢を変化させることにより、本体部における吸引部の位置を変化させることができるものとすることが望ましい。