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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096612
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】主回路ユニット及びスイッチギヤ
(51)【国際特許分類】
   H02B 13/035 20060101AFI20240709BHJP
   H02B 1/04 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
H02B13/035 A
H02B1/04 C
H02B13/035 301G
H02B13/035 301H
H02B13/035 301C
H02B13/035 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023000226
(22)【出願日】2023-01-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高山 頌
(72)【発明者】
【氏名】平本 武
(72)【発明者】
【氏名】高田 一
【テーマコード(参考)】
5G016
5G017
【Fターム(参考)】
5G016CD38
5G017AA26
5G017BB01
5G017BB02
5G017BB20
5G017GG01
(57)【要約】
【課題】接続部を主回路ユニットに一体化させると共に、当該接続部の配置構成並びに外形寸法を相互に同等化(統一化)させる。
【解決手段】受配電に供される電気機器3,4,5,6,7を収納したスイッチギヤ1に設けられ、電流の流れる主回路構造9を構築するための主回路ユニット3n,4n,5n,6n,7nであり、電気機器を構成する電気部品を備えたユニット本体部Pmと、ユニット本体部に一体化可能で予め設定された一定の外形寸法を有する1つ又は複数の接続部11,12,13,14,15と、ユニット本体部と接続部の双方を含む全体の外形輪郭を構成するように成型された絶縁樹脂層16とを備え、接続部を相互接続させることで、主回路ユニットが相互に組み合わされた主回路構造を構築した状態で、主回路ユニットは、予め設定された方向に沿って等間隔に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受配電に供される各種の電気機器を収納したスイッチギヤに設けられ、受配電時に電流の流れる主回路構造を構築するための主回路ユニットであって、
前記電気機器を構成するための電気部品を備えたユニット本体部と、
前記ユニット本体部に一体化させることが可能で、かつ、予め設定された一定の外形寸法を有する1つ又は複数の接続部と、
前記接続部が一体化された前記ユニット本体部並びに前記接続部の双方を含む全体の外形輪郭を構成するように成型された絶縁樹脂層と、を備え、
前記ユニット本体部に一体化した前記接続部を相互に接続させることで、複数の前記主回路ユニットが相互に組み合わされた前記主回路構造を構築した状態において、前記主回路ユニットは、予め設定された方向に沿って等間隔に配置されている主回路ユニット。
【請求項2】
前記ユニット本体部は、真っ直ぐに延びた仮想軸線に沿って延出し、かつ、前記仮想軸線を中心にして線対称な外形輪郭に構成され、
前記仮想軸線と重なり合って当該仮想軸線と平行に延在する1つの仮想平面に沿って、前記ユニット本体部には、前記仮想軸線を中心にしてその片側又は両側に1つ又は複数の接続部を一体化させることが可能であり、
複数の前記接続部が前記仮想軸線の片側又は両側に一体化された場合において、前記仮想軸線に沿った方向で見て、隣り合う2つの前記接続部の相互間のピッチは、予め設定された一定寸法に設定されている請求項1に記載の主回路ユニット。
【請求項3】
前記主回路ユニットを接続相手に接続させるために、前記接続部は、前記接続相手に対向するように前記仮想平面に直交する平坦状の接続面を有し、
前記仮想軸線に直交する方向で見て、前記接続面から前記仮想軸線までの距離寸法は、前記一定寸法に設定されている前記ピッチをAとすると、A/2なる関係を満足するように設定されている請求項2に記載の主回路ユニット。
【請求項4】
前記接続部は、前記ユニット本体部と一体で成型されることで、前記ユニット本体部に一体化させることが可能である請求項2に記載の主回路ユニット。
【請求項5】
前記接続部は、前記ユニット本体部と別体で成型され、前記ユニット本体部に後付けすることで、前記ユニット本体部に一体化させることが可能である請求項2に記載の主回路ユニット。
【請求項6】
前記ユニット本体部は、前記電気部品の存在しない気中空間を複数に分割するように、複数の樹脂製パーツを相互に接合させて構成され、
複数の前記樹脂製パーツには、単一の前記電気機器を構成するための前記電気部品が振り分けて配置され、
複数の前記樹脂製パーツを互いに接合させた状態において、前記電気部品相互間に単一の前記気中空間が構成されている請求項2に記載の主回路ユニット。
【請求項7】
請求項2~6のいずれか1項に記載された前記主回路ユニットを相互に組み合わせて前記主回路構造が構築された前記スイッチギヤであって、
複数の前記スイッチギヤを電気的に相互接続させるための盤間接続用の母線が設けられており、
前記母線の取合位置は、盤上部及び盤背面部の双方に設定することが可能であり、
前記盤上部及び前記盤背面部の双方において、前記母線は、
前記主回路ユニットに一体化した前記接続部に接続させることが可能な母線基端部と、
盤間接続させることが可能な母線先端部と、を備え、
前記接続部に接続させた前記母線基端部と前記母線先端部との位置関係を前記仮想平面上に投影した状態において、前記母線基端部と前記母線先端部との相互間の距離寸法は、前記一定寸法に設定されている前記接続部の相互間の前記ピッチをAとすると、A/2なる関係を満足するように設定されているスイッチギヤ。
【請求項8】
予め設定された盤配列方向に沿って複数の前記スイッチギヤが配列され、かつ、これら前記スイッチギヤに設けられた前記母線の前記母線基端部を前記主回路ユニットの前記接続部に接続させた状態において、
隣り合う2つの前記スイッチギヤを前記盤配列方向で見て、
一方の前記スイッチギヤの前記母線先端部と、他方の前記スイッチギヤの前記母線先端部とが対向している場合、双方の前記母線先端部をそのまま接続させることで、盤間接続させることが可能であり、
一方の前記スイッチギヤの前記母線先端部と、他方の前記スイッチギヤの前記母線先端部とが対向していない場合、いずれか一方或いは双方の前記母線基端部の向きを反転させて前記主回路ユニットの前記接続部に接続させることで、双方の前記母線先端部が対向し、これにより、盤間接続させることが可能である請求項7に記載のスイッチギヤ。
【請求項9】
前記スイッチギヤは、その内部が仕切り壁によって区画され、
前記仕切り壁の一方側には、前記主回路構造が収納されていると共に、前記仕切り壁の他方側には、前記主回路構造を操作することで電流の流れを制御する操作構造が収納され、
各種の前記電気機器は、それぞれ、前記主回路構造を構築するための前記主回路ユニットと、前記操作構造を構築するための操作ユニットとに振り分けられて構成され、
前記操作ユニットは、前記主回路ユニットと同一方向に沿って等間隔に配置され、前記主回路ユニットを操作可能に構成されている請求項7に記載のスイッチギヤ。
【請求項10】
互いに異なる前記主回路構造が構築された複数の前記スイッチギヤが前記盤配列方向に沿って配列されている状態において、
前記主回路ユニットは、複数の前記スイッチギヤの相互の異なる前記主回路構造を構築するために、そのまま流用することが可能に構成されている請求項8に記載のスイッチギヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、主回路ユニット及びスイッチギヤに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ビルや大型施設に設けられる受配電用の開閉装置として、接地された金属製の筐体(盤とも言う)の内部に、受配電に供される各種の電気機器を収納したスイッチギヤが知られている。電気機器としては、例えば、接地装置(ES)、断路器(DS)、真空遮断器(VCB)、接地装置付き断路器(DS/ES)などの各種の開閉器、並びに、避雷器(SAR)や変流器(CT)などが想定され、これらの電気機器は、筐体(盤)の内部に沿って多段積みされた状態で配置されている。
【0003】
筐体(盤)の内部は、仕切り壁によって区画されている。仕切り壁の一方側には、受配電時に電流の流れる主回路構造が収納されている。仕切り壁の他方側には、主回路構造を操作することで電流の流れを制御する操作構造が収納されている。上記した各種の電気機器は、それぞれ、主回路構造を構築するための主回路ユニットと、操作構造を構築するための操作ユニットとに振り分けられて構成されている。
【0004】
主回路ユニットは、例えば、導体で構成された接続部によって、互いに電気的に接続されている。これにより、主回路構造には、受配電時に電流の流れる一連の電気回路が構成されている。操作ユニットは、主回路ユニットを操作可能に構成されている。
【0005】
このような構成において、操作ユニットによって主回路ユニットを操作することで、例えば、事故電流の遮断や負荷電流の開閉が行われ、その結果、スイッチギヤから電力が安定して供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010-041859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来のスイッチギヤにおいて、上記した主回路構造を構築するための各種の主回路ユニットの輪郭形状は、主回路ユニット毎に任意に設定されている。このため、当該輪郭形状を規定する外形寸法(例えば、長さ、幅)も、主回路ユニット毎に異なったものとなっている。この場合、上記した電気機器を筐体(盤)の内部に沿って多段積みした状態において、隣り合う主回路ユニットの相互間のピッチ(以下、ユニット間ピッチという)は、互いに異なったものとなる。
【0008】
そうすると、主回路ユニットを相互に接続するための接続部については、異なるユニット間ピッチ毎に、長さの異なる接続部を個別に用意しなければならず、これにより、主回路構造を構築するための部品点数が増加し、その結果、スイッチギヤの製造コストが上昇してしまう。
【0009】
ここで、ユニット間ピッチを互いに等しくすれば、長さの異なる接続部を個別に用意する必要はなくなるが、ユニット間ピッチの配置及び個数は、増減変更されないので、用意すべき長さの等しい接続部の個数は、長さの異なる場合と同数となる。
【0010】
そうすると、長さの等しいユニット間ピッチ毎に、長さの等しい接続部を個別に用意しなければならず、これにより、上記した長さの異なる場合と同様に、主回路構造を構築するための部品点数が増加し、その結果、スイッチギヤの製造コストが上昇してしまう。
【0011】
更に、スイッチギヤには、例えば、盤間接続のための母線が設けられている。しかしながら、母線の取合位置は、上記したユニット間ピッチの影響を受け難い盤上部に限定されている。このため、盤構成について、一定の制限があった。
【0012】
本発明の目的は、主回路ユニットを相互に接続するための接続部を当該主回路ユニットに一体化させると共に、当該主回路ユニットにおける接続部の配置構成並びに外形寸法を相互に同等化(統一化)させることで、部品点数を削減し、これにより、製造コストを低減させると共に、母線の取合位置の自由度を向上させ、これにより、盤構成をし易くさせる主回路ユニット及びスイッチギヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
実施形態によれば、受配電に供される電気機器を収納したスイッチギヤに設けられ、電流の流れる主回路構造を構築するための主回路ユニットであり、電気機器を構成する電気部品を備えたユニット本体部と、ユニット本体部に一体化可能で予め設定された一定の外形寸法を有する1つ又は複数の接続部と、ユニット本体部と接続部の双方を含む全体の外形輪郭を構成するように成型された絶縁樹脂層とを備え、接続部を相互接続させることで、主回路ユニットが相互に組み合わされた主回路構造を構築した状態で、主回路ユニットは、予め設定された方向に沿って等間隔に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態において、必要な接続部を選択して一体化させた主回路ユニットによって主回路構造が構築されたスイッチギヤの全体構成を示す部分断面図。
図2】接続部を一体化させた主回路ユニットを成型する金型内部の空間構成図。
図3図2の金型で成型した主回路ユニットの一例(DS)を示す断面図。
図4図2の金型で成型した主回路ユニットの一例(VCB)を示す断面図。
図5】盤上部における母線の盤間相互の同列接続を示す上面図。
図6】盤上部における母線の盤間相互の異列接続を示す上面図。
図7】盤背面部における母線の盤間相互の同列接続を示す背面図。
図8】盤背面部における母線の盤間相互の異列接続を示す背面図。
図9】第2実施形態において、別体で成型された複数の接続部から必要な接続部を選択して一体化させることが可能な主回路ユニットの外観図。
図10】第1変形例に係る2分割タイプの主回路ユニットの断面図。
図11】第2変形例に係る3分割タイプの主回路ユニットの断面図。
図12】第3変形例において、全ての接続部を一体化させた主回路ユニットによって主回路構造を構築している状態を部分的に示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
「第1実施形態」
図1は、第1実施形態に係るスイッチギヤ1の内部構造図である。図1には、3つの軸(X軸、Y軸、Z軸)が示されている。これらX軸、Y軸、Z軸は、互いに直交する方向に延びており、Z軸方向に沿って上下方向が規定されている。
【0016】
スイッチギヤ1には、接地された金属製の筐体2(盤とも言う)の内部(即ち、XYZ軸で規定された三次元空間)に、受配電に供される各種の電気機器が収納されている。電気機器としては、例えば、接地装置(ES)、断路器(DS)、真空遮断器(VCB)、接地装置付き断路器(DS/ES)などの受配電専用の開閉器、並びに、開閉器以外の避雷器(SAR)や変流器(CT)などが想定され、これらの電気機器は、筐体(盤)の内部に沿って多段積みされた状態で配置されている。
【0017】
図1では一例として、筐体2(盤)の下方から上方に向かってZ軸方向に、5種類の電気機器3,4,5,6,7が多段積みされた状態で配置されている。多段積みされた電気機器3,4,5,6,7は、下から上に向かって順番に、第1段目に接地装置3(ES)、第2段目に断路器4(DS)、第3段目に真空遮断器5(VCB)、第4段目に断路器6(DS)、第5段目に接地装置付き断路器7(DS/ES)が配置されている。
【0018】
なお、このような電気機器3,4,5,6,7の配列は、あくまで一例であって、使用環境や用途に応じて任意の電気機器を選択して多段積みできることは言うまでもない。例えば、接地装置3(ES)に代えて、図示しない避雷器(SAR)や変流器(CT)を配置させてもよい。
【0019】
図1に示すように、筐体2(盤)の内部は、仕切り壁8によって区画されている。仕切り壁8の一方側には、受配電時に電流の流れる主回路構造9が収納されている。仕切り壁8の他方側には、主回路構造9を操作することで電流の流れを制御する操作構造10が収納されている。
【0020】
上記した5種類の電気機器3,4,5,6,7は、それぞれ、主回路構造9を構築するための主回路ユニット3n,4n,5n,6n,7nと、操作構造10を構築するための操作ユニット3p,4p,5p,6p,7pとに振り分けられて構成されている。この構成において、操作ユニット3p~7pによって主回路ユニット3n~7nを操作することで、例えば、事故電流の遮断や負荷電流の開閉が行われ、その結果、スイッチギヤ1から電力が安定して供給される。
【0021】
主回路ユニット3n~7nは、ユニット本体部Pmと、ユニット本体部Pmに一体化させることが可能な接続部11,12,13,14,15と、絶縁樹脂層16とを備えている。絶縁樹脂層16は、接続部11~15が一体化されたユニット本体部Pm並びに接続部11~15の双方を含む全体の外形輪郭を構成するように成型されている。絶縁樹脂層16は、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などの絶縁樹脂材料で成型することができる。
【0022】
まず、ユニット本体部Pmは、真っ直ぐに延びた仮想軸線Lに沿って延出し、かつ、絶縁樹脂層16によって、仮想軸線Lを中心にして線対称な外形輪郭に構成されている。ユニット本体部Pmは、上記した電気機器3~7を構成するための電気部品を備えている。電気部品は、その全体が絶縁樹脂層16によって被覆され、これにより、外界からの電気的影響を受けない絶縁状態に維持されている。
【0023】
第1段目の接地装置3(ES)のユニット本体部Pmは、電気部品として、仮想軸線Lに沿って間隔を存して配置された2つの固定電極17,18と、固定電極17,18相互間に配置された真空バルブ19と、真空バルブ19内に突出した固定電極18に対して離接可能な可動電極20とを備え、仕切り壁8寄りには、絶縁樹脂層16によって気中空間21が成型されている。
【0024】
第2段目及び第4段目の断路器4,6(DS)のユニット本体部Pmは、電気部品として、仮想軸線Lに沿って間隔を存して配置された2つの固定電極17,18と、固定電極17,18相互間を移動可能な可動電極20とを備え、仕切り壁8寄り、並びに、固定電極17,18相互間には、絶縁樹脂層16によって気中空間21,22が成型されている。
【0025】
第3段目の真空遮断器5(VCB)のユニット本体部Pmは、電気部品として、仮想軸線Lに沿って間隔を存して配置された2つの固定電極17,18と、固定電極17,18相互間に配置された真空バルブ19と、真空バルブ19内に突出した固定電極18に対して離接可能な可動電極20とを備え、仕切り壁8寄りには、絶縁樹脂層16によって気中空間21が成型されている。
【0026】
第5段目の接地装置付き断路器7(DS/ES)のユニット本体部Pmは、電気部品として、仮想軸線Lに沿って間隔を存して配置された2つの固定電極17,18と、固定電極17,18相互間を移動可能な可動電極20とを備え、仕切り壁8寄り、並びに、固定電極17,18相互間、並びに、固定電極18と後述する接地電極23との間には、絶縁樹脂層16によって気中空間21,22が成型されている。
【0027】
次に、接続部11~15は、このようなユニット本体部Pmに一体化させることが可能に構成されている。図1では一例として、接続部11~15は、ユニット本体部Pmと一体で成型され、これにより、ユニット本体部Pmに一体化されている。接続部11~15には、例えば、断面円形状の導体Eが延在されている。このため、接続部11~15をユニット本体部Pmに一体化した状態において、導体Eは、その基端が上記した固定電極17,18に電気的に接続し、その先端が後述する接続面Mに露出する。
【0028】
図1には、接続部11~15の配置構成の一例が示されている。この場合、仮想軸線Lと重なり合って当該仮想軸線Lと平行に延在する1つの仮想平面(YZ平面)を想定すると、ユニット本体部Pmは、YZ軸方向に延在する仮想平面に沿って、かつ、仮想軸線Lを中心にしてその片側又は両側に、1つ又は複数の接続部11~15を配置させて構成されている。
【0029】
ここで、第5段目の接地装置付き断路器7(DS/ES)に着目すると、そのユニット本体部Pmには、仮想軸線Lを中心にして、Z軸方向の上方側に2つの接続部(第1接続部11、第2接続部12)が一体化され、Z軸方向の下方側に1つの接続部(第3接続部13)が一体化されている。更に、第5段目のユニット本体部Pmには、仮想軸線Lに沿った盤背面部2p側の端部に1つの補助接続部15が一体化され、この補助接続部15には、接地電極23が取り付けられている。
【0030】
第5段目の配置構成において、第1接続部11は、仕切り壁8寄りに位置付けられ、第2接続部12は、盤背面部2p寄りに位置付けられている。第1接続部11と第2接続部12との相互間のピッチ(距離)は、仮想軸線Lに沿った方向で見て、予め設定された一定寸法(例えば、寸法値=A)に設定されている。また、第1接続部11と第3接続部13とは、Z軸方向で上下に整列した位置関係を有している。
【0031】
これら3つの接続部(第1接続部11、第2接続部12、第3接続部13)は、それぞれ、主回路ユニット7nを接続相手に接続させるための接続面Mを有している。これらの接続面Mは、接続相手に対向するように、上記した仮想平面に直交する平坦状を成している。
【0032】
なお、接続面Mの形状は、例えば、円形、矩形など任意の形状を適用することができる。また、接続相手として、第1及び第2接続部11,12(接続面M)には、後述する母線25,26が接続され、第3接続部13(接続面M)には、後述する第4段目の断路器6(DS)が接続される。
【0033】
これら3つの接続部(第1接続部11、第2接続部12、第3接続部13)は、それぞれ、予め設定された一定の外形寸法を有している。即ち、仮想軸線Lに直交する方向で見て、接続面Mから仮想軸線Lまでの距離寸法は、上記した第1接続部11と第2接続部12との相互間のピッチ(距離、寸法値)Aに対して、A/2なる関係を満足するように設定されている。なお、図1では一例として、ピッチ(距離、寸法値)Aは、双方の接続部11,12(導体E)の中心相互の間隔値として規定されている。
【0034】
次に、第4段目の断路器6(DS)に着目すると、そのユニット本体部Pmには、上記した第5段目の第2接続部12と第3接続部13は成型されていない。即ち、このユニット本体部Pmには、仮想軸線Lを中心にして、Z軸方向の上方側に1つの接続部(第1接続部11)が一体化され、Z軸方向の下方側に1つの接続部(第4接続部14)が一体化されている。更に、第4段目のユニット本体部Pmには、仮想軸線Lに沿った盤背面部2p側の端部に1つの補助接続部15が一体化され、この補助接続部15には、後述する母線27が接続されている。
【0035】
第4段目の配置構成において、第1接続部11は、仕切り壁8寄りに位置付けられ、第4接続部14は、盤背面部2p寄りに位置付けられている。第1接続部11は、上記した第5段目の第3接続部13とZ軸方向で上下に整列した位置関係を有している。第4接続部14は、上記した第5段目の第2接続部12とZ軸方向で上下に整列した位置関係を有している。
【0036】
これら2つの接続部(第1接続部11、第4接続部14)は、それぞれ、主回路ユニット6nを接続相手に接続させるための接続面Mを有している。これらの接続面Mは、接続相手に対向するように、上記した仮想平面に直交する平坦状を成している。
【0037】
なお、接続面Mの形状は、例えば、円形、矩形など任意の形状を適用することができる。また、接続相手として、第1接続部11(接続面M)には、上記した第5段目の第3接続部13(接続面M)が接続され、第4接続部14(接続面M)には、後述する第3段目の真空遮断器5(VCB)が接続される。
【0038】
これら2つの接続部(第1接続部11、第4接続部14)は、それぞれ、予め設定された一定の外形寸法を有している。即ち、仮想軸線Lに直交する方向で見て、接続面Mから仮想軸線Lまでの距離寸法は、上記した第5段目の第1接続部11と第2接続部12との相互間のピッチ(距離、寸法値)Aに対して、A/2なる関係を満足するように設定されている。
【0039】
次に、第3段目の真空遮断器5(VCB)に着目すると、そのユニット本体部Pmには、上記した第4段目の第1接続部11と第4接続部14は成型されていない。即ち、このユニット本体部Pmには、仮想軸線Lを中心にして、Z軸方向の上方側に1つの接続部(第2接続部12)が一体化され、Z軸方向の下方側に1つの接続部(第3接続部13)が一体化されている。なお、第3段目のユニット本体部Pmには、仮想軸線Lに沿った盤背面部2p側の端部に、上記したような補助接続部15は成型されていない。
【0040】
第3段目の配置構成において、第2接続部12は、盤背面部2p寄りに位置付けられ、第3接続部13は、仕切り壁8寄りに位置付けられている。第2接続部12は、上記した第4段目の第4接続部14とZ軸方向で上下に整列した位置関係を有している。第3接続部13は、上記した第4段目の第1接続部11とZ軸方向で上下に整列した位置関係を有している。
【0041】
これら2つの接続部(第2接続部12、第3接続部13)は、それぞれ、主回路ユニット5nを接続相手に接続させるための接続面Mを有している。これらの接続面Mは、接続相手に対向するように、上記した仮想平面に直交する平坦状を成している。
【0042】
なお、接続面Mの形状は、例えば、円形、矩形など任意の形状を適用することができる。また、接続相手として、第2接続面12には、上記した第4段目の第4接続部14(接続面M)が接続され、第3接続部13(接続面M)には、後述する第2段目の断路器4(DS)が接続される。
【0043】
これら2つの接続部(第2接続部12、第3接続部13)は、それぞれ、予め設定された一定の外形寸法を有している。即ち、仮想軸線Lに直交する方向で見て、接続面Mから仮想軸線Lまでの距離寸法は、上記した第5段目の第1接続部11と第2接続部12との相互間のピッチ(距離、寸法値)Aに対して、A/2なる関係を満足するように設定されている。
【0044】
次に、第2段目の断路器4(DS)に着目すると、そのユニット本体部Pmには、上記した第3段目の第2接続部12と第3接続部13は成型されていない。即ち、このユニット本体部Pmには、仮想軸線Lを中心にして、Z軸方向の上方側に1つの接続部(第1接続部11)が一体化され、Z軸方向の下方側に1つの接続部(第4接続部14)が一体化されている。更に、第2段目のユニット本体部Pmには、仮想軸線Lに沿った盤背面部2p側の端部に1つの補助接続部15が一体化され、この補助接続部15には、外部電源からの電力を取り込むための電力供給ライン24が接続されている。
【0045】
第2段目の配置構成において、第1接続部11は、仕切り壁8寄りに位置付けられ、第4接続部14は、盤背面部2p寄りに位置付けられている。第1接続部11は、上記した第3段目の第3接続部13とZ軸方向で上下に整列した位置関係を有している。第4接続部14は、上記した第3段目の第2接続部12とZ軸方向で上下に整列した位置関係を有している。
【0046】
これら2つの接続部(第1接続部11、第4接続部14)は、それぞれ、主回路ユニット4nを接続相手に接続させるための接続面Mを有している。これらの接続面Mは、接続相手に対向するように、上記した仮想平面に直交する平坦状を成している。
【0047】
なお、接続面Mの形状は、例えば、円形、矩形など任意の形状を適用することができる。また、接続相手として、第1接続部11(接続面M)には、上記した第3段目の第3接続部13(接続面M)が接続され、第4接続部14(接続面M)には、後述する第1段目の接地装置3(ES)が接続される。
【0048】
これら2つの接続部(第1接続部11、第4接続部14)は、それぞれ、予め設定された一定の外形寸法を有している。即ち、仮想軸線Lに直交する方向で見て、接続面Mから仮想軸線Lまでの距離寸法は、上記した第5段目の第1接続部11と第2接続部12との相互間のピッチ(距離、寸法値)Aに対して、A/2なる関係を満足するように設定されている。
【0049】
最後に、第1段目の接地装置3(ES)に着目すると、そのユニット本体部Pmには、上記した第2段目の第1接続部11と第4接続部14、並びに、上記した第3段目の第3接続部13は成型されていない。即ち、このユニット本体部Pmには、仮想軸線Lを中心にして、Z軸方向の上方側に1つの接続部(第2接続部12)が一体化されている。なお、第1段目のユニット本体部Pmには、仮想軸線Lに沿った盤背面部2p側の端部に、上記したような補助接続部15は成型されていない。
【0050】
第1段目の配置構成において、第2接続部12は、盤背面部2p寄りに位置付けられている。第2接続部12は、上記した第2段目の第4接続部14とZ軸方向で上下に整列した位置関係を有している。
【0051】
この1つの第2接続部12は、主回路ユニット3nを接続相手に接続させるための接続面Mを有している。この接続面Mは、接続相手に対向するように、上記した仮想平面に直交する平坦状を成している。
【0052】
なお、接続面Mの形状は、例えば、円形、矩形など任意の形状を適用することができる。また、接続相手として、第2接続部12(接続面M)には、上記した第2段目の第4接続部14(接続面M)が接続される。
【0053】
第2接続部12は、予め設定された一定の外形寸法を有している。即ち、仮想軸線Lに直交する方向で見て、接続面Mから仮想軸線Lまでの距離寸法は、上記した第5段目の第1接続部11と第2接続部12との相互間のピッチ(距離、寸法値)Aに対して、A/2なる関係を満足するように設定されている。
【0054】
このような主回路構造9によれば、一定の外形寸法(A/2)を有する接続部11~14を相互に接続させることで、複数の主回路ユニット3n~7nが相互に組み合わされている。これにより、複数の主回路ユニット3n~7nは、筐体2(盤)の下方から上方に向かってZ軸方向に等間隔に配置されている。この結果、操作ユニット3p~7pも、主回路ユニット3n~7nと同一方向に沿って等間隔に配置され、主回路ユニット3n~7nを操作可能に構成されている。
【0055】
なお、操作ユニット3p~7pとしては、筐体2(盤)の下から上に向かって順番に、第1段目に接地装置(ES)用操作ユニット3p、第2段目に断路器(DS)用操作ユニット4p、第3段目に真空遮断器(VCB)用操作ユニット5p、第4段目に断路器(DS)用操作ユニット6p、第5段目に接地装置付き断路器(DS/ES)用操作ユニット7pが配置されている。
【0056】
加えて、上記したスイッチギヤ1には、複数のスイッチギヤ1を電気的に相互接続させるための盤間接続用の母線25,26,27が設けられている。母線25,26,27の取合位置は、盤上部2t及び盤背面部2pの双方に設定することが可能である。
【0057】
図1では一例として、盤上部2tの母線(第1母線25、第2母線26)は、上記した第5段目のユニット本体部Pmに一体化した第1及び第2接続部11,12(接続面M)に接続されている。盤背面部2pの母線(第3母線27)は、上記した第4段目のユニット本体部Pmに一体化した補助接続部15に接続されている。これら3つの母線25,26,27は、3相(R相、S相、T相)で構成され、後述する母線先端部25b,26b,27bが互いに異なる位置関係となるように設定されている。
【0058】
更に、盤上部2t及び盤背面部2pの双方において、母線25,26,27は、ユニット本体部Pmに一体化した接続部11,12,15に接続させることが可能な母線基端部25a,26a,27aと、盤間接続させることが可能な母線先端部25b,26b,27bと、を備えている。
【0059】
図1では一例として、第1母線25において、母線先端部25bは、母線基端部25aに対して-Y軸方向にずれた位置に設定されている。第2母線26において、母線先端部26bは、母線基端部26aに対して+Y軸方向にずれた位置に設定されている。第3母線27において、母線先端部27bは、母線基端部27aに対して+Z軸方向にずれた位置に設定されている。
【0060】
この場合、接続部11,12,15に接続させた母線基端部25a,26a,27aと母線先端部25b,26b,27bとの位置関係を仮想平面上に投影した状態において、母線基端部25a,26a,27aと母線先端部25b,26b,27bとの相互間の距離寸法は、上記した第1接続部11と第2接続部12との相互間のピッチ(距離、寸法値)Aに対して、A/2なる関係を満足するように設定されている。なお、母線先端部25b,26b,27bは、X軸方向で見て、その両側から接続相手に接続させることが可能に構成されているが、当該構成については、図5図8を参照して後述する。
【0061】
図2は、上記した5種類の電気機器3~7の主回路ユニット3n~7nを成型するための金型の内部構成図である。図2では一例として、金型内部は、ユニット本体部Pmを成型するための本体部成型空間領域Pmfと、5つの接続部11~15を成型するための接続部成型空間領域11f,12f,13f,14f,15fとを相互に連通させて構成されている。
【0062】
図2に示すように、本体部成型空間領域Pmfは、上記した仮想軸線Lに一致した空間中心線Lfに沿って延出し、かつ、この空間中心線Lfを中心にして線対称な外形輪郭に構成されている。接続部成型空間領域11f~15fは、空間中心線Lfと重なり合って当該空間中心線Lfと平行に延在する1つの仮想平面に沿って、当該空間中心線Lfを中心にしてその両側に2つずつ構成されている。
【0063】
即ち、空間中心線Lfを中心にして、その一方側に第1及び第2接続部成型空間領域11f,12fが構成され、その他方側に第3及び第4接続部成型空間領域13f,14fが構成されている。更に、この空間中心線Lfに沿った本体部成型空間領域Pmfの端部には、1つの補助接続部成型空間領域15fが構成されている。
【0064】
空間中心線Lfの両側に構成された2つの接続部成型空間領域(11fと13f、12fと14f)は、当該空間中心線Lfに直交する方向で見て、互いに対向した位置関係を有して整列している。そして、空間中心線Lfに沿って構成された2つの接続部成型空間領域(11fと12f、13fと14f)の相互間のピッチ(距離)は、空間中心線Lfに沿った方向で見て、上記した第1接続部11と第2接続部12との相互間のピッチ(距離、寸法値)Aに一致している。更に、各接続部成型空間領域11f~15fの外形寸法は、空間中心線Lfに直交する方向にA/2なる関係を満足している。
【0065】
図3は、図2の金型内部に絶縁樹脂材料を注入して成型した注型品の一例である。図3では一例として、第2及び第3接続部成型空間領域12f,13fを閉鎖した状態において、本体部成型空間領域Pmfに断路器(DS)用の電気部品をセットして絶縁樹脂材料を注入する。
【0066】
これにより、図3に示すような注型品が成型される。即ち、図1に示された第2段目及び第4段目の断路器4,6(DS)の主回路ユニット4n,6n(ユニット本体部Pm、第1及び第4接続部11,14、補助接続部15)に一致した注型品が成型される。
【0067】
図4は、図2の金型内部に絶縁樹脂材料を注入して成型した注型品の一例である。図4では一例として、第1及び第4接続部成型空間領域11f,14f、補助接続部成型空間領域15fを閉鎖した状態において、本体部成型空間領域Pmに真空遮断器(VCB)用の電気部品をセットして絶縁樹脂材料を注入する。
【0068】
これにより、図4に示すような注型品が成型される。即ち、図1に示された第3段目の真空遮断器5(VCB)の主回路ユニット5n(ユニット本体部Pm、第2及び第3接続部12,13)に一致した注型品が成型される。
【0069】
図5は、盤上部2tにおける盤間相互の第1母線25同士の同列接続図である。図5には、予め設定された盤配列方向(即ち、X軸方向)に沿って2つのスイッチギヤ1が配列され、かつ、双方のスイッチギヤ1に設けられた第1母線25の母線基端部25aを主回路ユニット7nの第1接続部11(接続面M)に接続させた状態が示されている(図1参照)。
【0070】
図5に示すように、隣り合う2つのスイッチギヤ1を盤配列方向で見て、一方のスイッチギヤ1の母線先端部25bと、他方のスイッチギヤ1の母線先端部25bとが対向している場合、接続ライン28を介して、双方の母線先端部25bをそのまま接続させる。この場合、双方の母線先端部25bは、Z軸方向の位置が互いに相違し、かつ、X軸方向の位置が互いに対向して配置される。このとき、X軸方向で見て、双方の母線先端部25bにおける同一相(R相、S相、T相)同士が対向して位置付けられる。これにより、接続ライン28相互を干渉させること無く、第1母線25同士を盤間接続させることが可能となる。
【0071】
図6は、盤上部2tにおける盤間相互の第1母線25と第2母線26との異列接続図である。図6には、予め設定された盤配列方向(即ち、X軸方向)に沿って2つのスイッチギヤ1が配列され、かつ、一方のスイッチギヤ1に設けられた第1母線25の母線基端部25aを主回路ユニット7nの第1接続部11(接続面M)に接続させると共に、他方のスイッチギヤ1に設けられた第2母線26の母線基端部26aを主回路ユニット7nの第2接続部12(接続面M)に接続させた状態が示されている(図1参照)。
【0072】
図6に示すように、隣り合う2つのスイッチギヤ1を盤配列方向で見て、一方のスイッチギヤ1の母線先端部25bと、他方のスイッチギヤ1の母線先端部26bとが対向していない場合、母線先端部25bを母線基端部25a(図1参照)に対して+Y方向に、母線先端部26bを母線基端部26a(図1参照)に対して-Y方向に配置させて主回路ユニット7nの接続部11,12に接続させる。
【0073】
このとき、図6に示すように、双方の母線先端部25b,26bが対向して位置付けられる。この場合、双方の母線先端部25b,26bは、Z軸方向の位置が互いに相違し、かつ、X軸方向の位置が互いに対向して配置される。このとき、X軸方向で見て、双方の母線先端部25b,26bにおける同一相(R相、S相、T相)同士が対向して位置付けられる。これにより、接続ライン28相互を干渉させること無く、第1母線25と第2母線26とを盤間接続させることが可能となる。
【0074】
図7は、盤背面部2pにおける盤間相互の第3母線27同士の同列接続図である。図7には、予め設定された盤配列方向(即ち、X軸方向)に沿って2つのスイッチギヤ1が配列され、かつ、双方のスイッチギヤ1に設けられた第3母線27の母線基端部27aを主回路ユニット6nの第4段目の補助接続部15に接続させた状態が示されている(図1参照)。
【0075】
図7に示すように、隣り合う2つのスイッチギヤ1を盤配列方向で見て、一方のスイッチギヤ1の母線先端部27bと、他方のスイッチギヤ1の母線先端部27bとが対向している場合、接続ライン28を介して、双方の母線先端部27bをそのまま接続させる。この場合、双方の母線先端部27bは、Y軸方向の位置が互いに相違し、かつ、X軸方向の位置が互いに対向して配置される。このとき、X軸方向で見て、双方の母線先端部27bにおける同一相(R相、S相、T相)同士が対向して位置付けられる。これにより、接続ライン28相互を干渉させること無く、第3母線27同士を盤間接続させることが可能となる。
【0076】
図8は、盤背面部2pにおける盤間相互の第3母線27同士の異列接続図である。図8には、予め設定された盤配列方向(即ち、X軸方向)に沿って2つのスイッチギヤ1が配列され、かつ、一方のスイッチギヤ1に設けられた第3母線27の母線基端部27aを主回路ユニット6nの第4段目の補助接続部15に接続させると共に、他方のスイッチギヤ1に設けられた第3母線27の母線基端部27aを主回路ユニット5nの第3段目の補助接続部(図示しない)に接続させた状態が示されている(図1参照)。
【0077】
図8に示すように、隣り合う2つのスイッチギヤ1を盤配列方向で見て、一方のスイッチギヤ1の母線先端部27bと、他方のスイッチギヤ1の母線先端部27bとが対向していない場合、一方の母線先端部27bを母線基端部27a(図1参照)に対して-Z方向に、他方の母線先端部27bを母線基端部27a(図1参照)に対して+Z方向に配置させて主回路ユニット5n,6nの補助接続部15に接続させる。
【0078】
このとき、図8に示すように、双方の母線先端部27bが対向して位置付けられる。この場合、双方の母線先端部27bは、Y軸方向の位置が互いに相違し、かつ、X軸方向の位置が互いに対向して配置される。このとき、X軸方向で見て、双方の母線先端部27bにおける同一相(R相、S相、T相)同士が対向して位置付けられる。これにより、接続ライン28相互を干渉させること無く、第3母線27同士を盤間接続させることが可能となる。
【0079】
以上、本実施形態によれば、主回路ユニット3n~7nを相互に接続するための接続部11~14をユニット本体部Pmに一体化させることができる。これにより、従来に比べて部品点数が格段に削減され、その結果、製造コストを大幅に低減させることができる。
【0080】
本実施形態によれば、主回路ユニット3n~7nにおける接続部11~14の配置構成並びに外形寸法を相互に同等化(統一化)させることができる。これにより、主回路ユニット3n~7nを、予め設定された方向に沿って統一の取れた間隔(例えば、等間隔)に配列させることができる。この結果、従来に比べて盤構成をし易くさせることができる。
【0081】
本実施形態によれば、主回路ユニット3n~7nを統一の取れた間隔(即ち、等間隔)に配列することで、その分だけ、当該主回路ユニット3n~7nを収容する筐体2ないしスイッチギヤ1の小型化を図ることができる。
【0082】
本実施形態によれば、特に接続部11~14の配置構成並びに外形寸法を相互に同等化(統一化)したことで、母線25~27の取合位置を、盤上部2tのみならず盤背面部2pに亘る広範囲に拡大することができる。これにより、母線25~27の取合位置の自由度が向上し、その結果、より盤構成をし易くさせることができる。
【0083】
本実施形態によれば、互いに異なる主回路構造9が構築された複数のスイッチギヤ1が盤配列方向に沿って配列されている状態において、主回路ユニット3n~7nは、複数のスイッチギヤ1の相互の異なる主回路構造9を構築する際に、そのまま流用することが可能に構成されている。これにより、盤構成に要する手間やコストを従来よりも削減することができる。
【0084】
「第2実施形態」
図9は、第2実施形態に係る主回路ユニット3n~7nを実現するための基本構造図である。上記した第1実施形態では、必要な接続部11~15を予め一体化させた主回路ユニット3n~7nを想定したが、本実施形態において、接続部(第1~第4接続部11~14、補助接続部15)は、ユニット本体部Pmとは別体で成型されている。図9には一例として、別体で成型された全ての接続部11~15が、ユニット本体部Pmに後付けされた状態が示されている。
【0085】
図9に示すように、それぞれの接続部11~15は、互いに同一の外形寸法を有している。この場合、例えば、図2に示された金型内部の本体部成型空間領域を閉鎖した状態において、各接続部成型空間領域11f~15fにのみ絶縁樹脂材料を注入する。これにより、同一の輪郭形状を有する複数の接続部11~15を同時に成型することができる。
【0086】
そして、これら複数の接続部11~15から必要な接続部(例えば、第1接続部11と第4接続部14)を選択し、ユニット本体部Pmに後付けで一体化させる。この結果、図3に示すような断路器4,6(DS)の主回路ユニット4n,6n(ユニット本体部Pm、第1及び第4接続部11,14)に一致した注型品を実現することができる。なお、後付け法としては、例えば、ねじ止め、溶接、溶着などの方法を適用することができる。
【0087】
以上、本実施形態によれば、同一の輪郭形状を有する複数の接続部11~15を予め用意することができると共に、その後は、当該接続部11~15をユニット本体部Pmに後付けするだけで、ニーズに対応した主回路ユニット3n~7nを簡単かつ短時間に実現することができる。これにより、盤構成の効率化ないし円滑化を飛躍的に高めることができる。なお、他の構成並びに効果は、上記した第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0088】
「第1変形例」
図10は、第1変形例の分割タイプに係る主回路ユニットの断面構成図である。図10には一例として、2分割されたユニット本体部Pmを備えた断路器4,6(DS)の主回路ユニット4n,6nが示されている。ユニット本体部Pmは、電気部品の存在しない気中空間22を2分割するように、2つの樹脂製パーツPm1,Pm2を相互に接合させて構成されている。
【0089】
図10に示すように、双方の樹脂製パーツPm1,Pm2には、単一の電気機器を構成するための電気部品が振り分けて配置され、それぞれの電気部品を覆うように成型された絶縁樹脂層16が設けられている。更に、それぞれの樹脂製パーツPm1,Pm2には、その接合部位に、気中空間22の構成要素としての空間が設けられている。そして、双方の樹脂製パーツPm1,Pm2を互いに接合させた状態において、電気部品相互間に単一の気中空間22が構成されている。
【0090】
この場合、2分割されたユニット本体部Pm(樹脂製パーツPm1,Pm2)を成型する方法としては、例えば、図2に示された金型内部において、一時的に可動電極20を回避させた状態で絶縁樹脂材料を注入して、2つの樹脂製パーツPm1,Pm2を成型する。
【0091】
この後、双方の樹脂製パーツPm1,Pm2を接合することで、図1に示された第2段目及び第4段目の断路器4,6(DS)の主回路ユニット4n,6n(ユニット本体部Pm、第1及び第4接続部11,14)に一致した注型品を成型する。
【0092】
以上、第1変形例によれば、気中空間22を2分割するように2つの樹脂製パーツPm1,Pm2を相互に接合させたことで、気中空間22を構成するための金型を容易に脱型することが可能となり、その結果、当該樹脂製パーツPm1,Pm2の製造効率を向上させることができる。なお、他の構成並びに効果は、上記した第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0093】
「第2変形例」
図11は、第2変形例の分割タイプに係る主回路ユニットの断面構成図である。図11には一例として、3分割されたユニット本体部Pmを備えた断路器4,6(DS)の主回路ユニット4n,6nが示されている。ユニット本体部Pmは、電気部品の存在しない気中空間22を3分割するように、3つの樹脂製パーツPm3,Pm4,Pm5を相互に接合させて構成されている。具体的には、2つの樹脂製パーツPm3,Pm4の相互間に1つの樹脂製パーツPm5が接合されている。
【0094】
図11に示すように、2つの樹脂製パーツPm3,Pm4には、単一の電気機器を構成するための電気部品が振り分けて配置され、それぞれの電気部品を覆うように成型された絶縁樹脂層16が設けられている。1つの樹脂製パーツPm5には、気中空間22の構成要素としての空間のみが設けられていると共に、当該空間のみを覆うように成型された絶縁樹脂層16が設けられている。更に、それぞれの樹脂製パーツPm3,Pm4には、その接合部位に、気中空間22の構成要素としての空間が設けられている。そして、2つの樹脂製パーツPm3,Pm4の相互間に1つの樹脂製パーツPm5を接合させた状態において、電気部品相互間に単一の気中空間22が構成されている。
【0095】
この場合、3分割されたユニット本体部Pm(樹脂製パーツPm3,Pm4,Pm5)を成型する方法としては、例えば、図2に示された金型内部において、一時的に可動電極20を回避させた状態で絶縁樹脂材料を注入して、3つの樹脂製パーツPm3,Pm4,Pm5を成型する。
【0096】
この後、3つの樹脂製パーツPm3,Pm4,Pm5を接合させることで、図1に示された第2段目及び第4段目の断路器4,6(DS)の主回路ユニット4n,6n(ユニット本体部Pm、第1及び第4接続部11,14)に一致した注型品を成型する。
【0097】
以上、第2変形例によれば、気中空間22を3分割するように3つの樹脂製パーツPm3,Pm4,Pm5を相互に接合させたことで、気中空間22を構成するための金型を容易に脱型することが可能となり、その結果、当該樹脂製パーツPm3,Pm4,Pm5の製造効率を向上させることができる。なお、他の構成並びに効果は、上記した第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0098】
「第3変形例」
図12は、第3変形例に係る主回路ユニットの組立て構成図である。図12に示すように、本変形例では、全ての接続部11~15を一体化したユニット本体部Pmを備えた主回路ユニット3n~7nを用意すればよい。そして、主回路構造9を構築する際は、接続部11~15の接続面M同士を接触させるように、主回路ユニット3n~7nを単純に積み重ねるだけである。
【0099】
このとき、使用しない接続部11~15については、当該接続部の接続面Mの相互間に絶縁材29を介挿させればよい。図12の例では、第2接続部12と第4接続部14との間(接続面M相互間)に絶縁材29を介挿させる。このようなプロセスを繰り返すことで、例えば、図1に示すような主回路構造9を構築することができる。
【0100】
以上、本変形例によれば、使用しない接続部を考慮すること無く、例えば、図2に示された金型内部(本体部成型空間領域Pmf、接続部成型空間領域11f~15f)に絶縁樹脂材料を注入すればよい。このため、主回路ユニット3n~7nの製造プロセスの単純化並びに短時間化が達成され、その結果、製造コストを大幅に低減することができる。加えて、金型も1種類で足りるので、金型の保管場所にも困らない。なお、他の構成並びに効果は、上記した第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0101】
以上、本発明の一実施形態及びいくつかの変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態及び変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及び変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0102】
1…スイッチギヤ、2…筐体(盤)、2t…盤上部、2p…盤背面部、3…接地装置(ES)、4,6…断路器(DS)、5…真空遮断器(VCB)、7…接地装置付き断路器(DS/ES)、8…仕切り壁、9…主回路構造、10…操作構造、11,12,13,14,15…接続部、16…絶縁樹脂層、17,18…固定電極、19…真空バルブ、20…可動電極、21,22…気中空間、23…接地電極、24…電力供給ライン、25,26,27…母線、28…接続ライン、L…仮想軸線、M…接続面、Pm…ユニット本体部、Pmf…本体部成型空間領域、11f,12f,13f,14f,15f…接続部成型空間領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12