(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096631
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】フレーム部材の曲げ耐力算出方法及びフレーム部材
(51)【国際特許分類】
E04C 3/08 20060101AFI20240709BHJP
E04C 2/38 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
E04C3/08
E04C2/38 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023000265
(22)【出願日】2023-01-04
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久積 綾那
(72)【発明者】
【氏名】中安 誠明
(72)【発明者】
【氏名】長津 朋幸
(72)【発明者】
【氏名】小橋 知季
【テーマコード(参考)】
2E162
2E163
【Fターム(参考)】
2E162BA02
2E162BB03
2E162CA16
2E162CC01
2E163FA02
2E163FA06
2E163FA12
2E163FA14
2E163FA18
2E163FB04
2E163FB23
(57)【要約】
【課題】曲げ耐力を算出する際の解析作業の負担を低減できる。
【解決手段】フレーム部材の曲げ耐力算出方法は、パネル材用のフレーム部材であって、材軸方向に沿って複数のスリットを含む列が形成されたウェブを備える溝形鋼のフレーム部材の解析モデルを作成する際、溝形鋼の設計板厚に、補正係数:
R√{a/(a+b)}(但し、R=1~3,a:スリット間隔,b:スリット長)を乗じることによって等価板厚を算出し、算出された等価板厚を解析モデルの断面形状の中でスリットに対応する位置の板厚として設定し、等価板厚が設定された解析モデルを用いて二次元解析を実行することによってフレーム部材の曲げに対する弾性座屈強度を算出し、算出された弾性座屈強度に基づいて曲げ耐力を算出する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル材用のフレーム部材であって、材軸方向に沿って複数のスリットを含む列が形成されたウェブを備える溝形鋼のフレーム部材の解析モデルを作成する際、
前記溝形鋼の設計板厚に以下の補正係数を乗じることによって等価板厚を算出し、
算出された前記等価板厚を前記解析モデルの断面形状の中で前記スリットに対応する位置の板厚として設定し、
前記等価板厚が設定された前記解析モデルを用いて二次元解析を実行することによって前記フレーム部材の曲げに対する弾性座屈強度を算出し、
算出された弾性座屈強度に基づいて曲げ耐力を算出する、
フレーム部材の曲げ耐力算出方法。
補正係数:R√{a/(a+b)}
(但し、R=1~3,a:スリット間隔,b:スリット長)
【請求項2】
R=3である場合の前記補正係数を用いて前記等価板厚を算出する、
請求項1に記載のフレーム部材の曲げ耐力算出方法。
【請求項3】
前記スリットの前記列は、複数であり、
前記解析モデルの前記断面形状の中で前記ウェブの高さ方向における前記スリットの複数の前記列のうち前記高さ方向の一端に位置する前記列と他端に位置する前記列との間の部分全体を開口部と設定し、
前記開口部が除かれた領域を用いて前記解析モデルの前記断面形状の有効断面係数を算出し、
算出された前記有効断面係数に基づいて前記曲げ耐力を算出する、
請求項1又は2に記載のフレーム部材の曲げ耐力算出方法。
【請求項4】
材軸方向に沿って複数のスリットを含む列が形成されたウェブを備える溝形鋼が用いられた、パネル材用のフレーム部材であって、
前記溝形鋼の設計板厚に以下の補正係数を乗じることによって等価板厚が算出され、算出された前記等価板厚が解析モデルの断面形状の中で前記スリットに対応する位置の板厚として設定され、前記等価板厚が設定された前記解析モデルを用いて二次元解析が実行されることによって前記フレーム部材の曲げに対する弾性座屈強度が算出され、算出された前記弾性座屈強度に基づいて算出された曲げ耐力、を有する
フレーム部材。
補正係数:R√{a/(a+b)}
(但し、R=1~3,a:スリット間隔,b:スリット長)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フレーム部材の曲げ耐力算出方法及びフレーム部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パネル材に含まれるフレーム部材として、溝形鋼等の鋼材が使用される。なお、本開示では、フレーム部材は、建築用の外装材又は床材等として用いられるパネル材の胴縁部材や枠材等を含む。フレーム部材の溝形鋼の断熱性能を向上させるため、特許文献1のように、材軸方向に沿って複数のスリットを含む列が形成されたウェブを有する低伝熱形鋼が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、低伝熱形鋼の溝形鋼を設計する際、曲げ耐力を算出する手段として、例えば、有限要素数値解析法(FEM)のような三次元解析法が知られている。しかし、三次元解析法の場合、解析に用いられる解析モデルが三次元構造を有するため、解析モデルを作製する手間がかかる。また、解析モデルを作製した後、三次元解析の実行時間も長くなる。すなわち、三次元解析法では全体的に、解析作業の負担が大きい。このため、解析によって溝形鋼のフレーム部材の曲げ耐力を算出する際における、解析作業の負担を低減できる新規な技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、上記に着目してなされたものであって、曲げ耐力を算出する際の解析作業の負担を低減できる、フレーム部材の曲げ耐力算出方法及びフレーム部材を提供する。
【0006】
本開示の第1の態様に係るフレーム部材の曲げ耐力算出方法は、パネル材用のフレーム部材であって、材軸方向に沿って複数のスリットを含む列が形成されたウェブを備える溝形鋼のフレーム部材の解析モデルを作成する際、溝形鋼の設計板厚に以下の補正係数を乗じることによって等価板厚を算出し、算出された等価板厚を解析モデルの断面形状の中でスリットに対応する位置の板厚として設定し、等価板厚が設定された解析モデルを用いて二次元解析を実行することによってフレーム部材の曲げに対する弾性座屈強度を算出し、算出された弾性座屈強度に基づいて曲げ耐力を算出する。
補正係数:R√{a/(a+b)}
(但し、R=1~3,a:スリット間隔,b:スリット長)
【0007】
本開示の第2の態様に係るフレーム部材は、材軸方向に沿って複数のスリットを含む列が形成されたウェブを備える溝形鋼が用いられた、パネル材用のフレーム部材であって、溝形鋼の設計板厚に以下の補正係数を乗じることによって等価板厚が算出され、算出された等価板厚が解析モデルの断面形状の中でスリットに対応する位置の板厚として設定され、等価板厚が設定された解析モデルを用いて二次元解析が実行されることによってフレーム部材の曲げに対する弾性座屈強度が算出され、算出された弾性座屈強度に基づいて算出された曲げ耐力、を有する。
補正係数:R√{a/(a+b)}
(但し、R=1~3,a:スリット間隔,b:スリット長)
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、曲げ耐力を算出する際の解析作業の負担を低減できる、フレーム部材の曲げ耐力算出方法及びフレーム部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施形態に係るフレーム部材が用いられるパネル材を説明する斜視図である。
【
図2】
図2(A)は、本実施形態に係るフレーム部材のリップ溝形鋼のウェブの外面を正面から見た図であり、
図2(B)は、
図2(A)中の2B-2B線断面図である。
【
図3】本実施形態に係るフレーム部材の曲げ耐力算出方法を説明するフローチャートである。
【
図4】第1試験例に係る実験用の試験装置を説明する図である。
【
図5】
図5(A)は、第1試験例に係る試験体のスリットの仕様1を説明する図であり、
図5(B)は、第1試験例に係る試験体のスリットの仕様2を説明する図であり、
図5(C)は、第1試験例に係る試験体のスリットの仕様3を説明する図である。
【
図6】
図6(A)は、第1試験例の8つの試験体において、補正係数のRが1、2、3及び4である場合にそれぞれ算出された、短期曲げ耐力に対する実験値最大曲げ耐力の比を説明するグラフであり、
図6(B)は、
図6(A)中において短期曲げ耐力に対する実験値最大曲げ耐力の比が1.0~1.9である範囲を拡大して説明するグラフである。
【
図7】第2試験例に係るFEM用の解析モデルを説明する斜視図である。
【
図8】第2試験例に係る複数の試験体のそれぞれについて、FEMで算出されたFEM最大曲げ耐力とFSMで算出された短期曲げ耐力とを説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一の部分及び類似の部分には、同一の符号又は類似の符号を付している。ただし、図面における厚みと平面寸法との関係、各装置や各部材の厚みの比率等は現実のものとは異なる。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判定すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0011】
<フレーム部材の構造>
まず、本実施形態に係るフレーム部材12をパネル材10と共に、
図1~
図2を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るパネル材10は、フレーム部材12と、上側のフランジ12Bに接合された面材14と、下側のフランジ12Bに接合された面材22と、を有する。上側の面材14と下側の面材22との間には、充填部材24が配置されている。なお、
図1中では、フレーム部材12の見易さのため、面材14,22の一部が例示的に分断されている。
【0012】
(面材)
図1に示すように、面材14は、板面を正面から見て、矩形状の建築部材である。面材14は、例えば、板状の下地部材や石膏ボード等である。本実施形態では、面材14は、外壁材であるが、本開示では、これに限定されず、例えば床材等の他のパネル材であってよい。また、本実施形態では、面材は、一対のフランジ12Bの両方に接合された場合が例示されたが、本開示では、これに限定されず、
図1中の上側のフランジ12Bのみに接合されてもよいし、下側のフランジ12Bのみに接合されてもよい。
【0013】
また、
図1中の上側の面材14と下側の面材22とは、同様の機能を有する部材であってもよいし、異なる機能を有する部材であってもよい。面材14は、接合部材20によって、少なくとも一方のフランジ12Bの板面に接合されればよい。すなわち、本開示の「フレーム部材」には、面材を有さない溝形鋼だけでなく、少なくとも一方のフランジの板面に面材が接合された状態の溝形鋼も含まれる。
【0014】
(充填部材)
本実施形態では、充填部材24は、例えばグラスウールやセルロースファイバー等の断熱材であるが、本開示では、これに限定されず、適宜変更できる。また、本開示では、充填部材は、必須ではない。
【0015】
(接合部材)
接合部材20は、例えばビス等であって、フランジ12Bと面材14とを接合する建築部材である。
図1中には、面材14の壁面を正面から見て、複数の接合部材20がフレーム部材12の材軸方向に沿って直線状に配置されている。なお、本開示では、接合部材20の列の個数は、1列、又は2列以上、任意に設定できる。
【0016】
(フレーム部材)
フレーム部材12は、ウェブ12Aと一対のフランジ12Bと一対のリップ12Cとを有するリップ溝形鋼である。なお、本開示では、フレーム部材は、リップを有さない溝形鋼であってもよい。フレーム部材12は、一枚の鋼板から、例えば折り曲げ成形によって作製できる。本実施形態では、鋼板の板厚は、例えば2.3mm以下であるが、本開示では、鋼板の板厚は、2.3mm以下に限定されず、適宜変更できる。
【0017】
本実施形態では、フレーム部材12は、500MPa以上の高強度鋼板を用いて形成されてもよい。本明細書では「高強度鋼板」とは、強度としてのF値が、500MPa以上、1000MPa以下である鋼板(すなわち、鋼材)を意味する。また、「高強度鋼板」との対比において、F値が500MPa未満の鋼板を「通常鋼板」と称する場合がある。本実施形態では、例えば、通常鋼板としての400材のF値は、280MPaである。また、例えば、高強度鋼板のF値が500MPaである鋼材を使用してもよい。
【0018】
(リップ)
本実施形態では、一対のリップ12Cのリップ長さLは、互いに等しいが、本開示では、一対のリップのリップ長さが、互いに異なってもよい。本実施形態では、フレーム部材12の断面は、フレーム部材12が材軸方向Dに直交する面で切断された場合のウェブ12Aの断面を意味する。なお、「材軸方向D」は、フレーム部材12のウェブ12Aとフランジ12Bとが、
図2(A)中の左右方向に沿って延びる方向である。すなわち、材軸方向Dは、長手方向と等しい。
【0019】
「リップ長さL」は、
図2(B)に示すように、断面中で測ったリップ12Cの最大長さである。すなわち、「リップ長さL」は、
図2(B)中のリップ12Cにおける一方のフランジ12B側の端部から他方のリップ12Cの端部までの間の上下方向の直線距離である。例えば、
図2(B)中の上側のリップ12Cのリップ長さLは、上側のフランジ12Bの上面と同じ高さに位置する上端部の上面と、この上側のリップ12Cの下端部の下面との間の直線距離である。
【0020】
(ウェブ及びスリット)
図2(A)に示すように、本実施形態では、ウェブ12Aには、材軸方向Dに沿ってほぼ等しいスリット間隔aで直線状に配置された複数のスリット16が含まれる列が設けられる。
【0021】
図2(B)に示すように、「ウェブ高さHW」は、一方のフランジ12B側の端部から他方のフランジ12B側の端部までの間の上下方向の直線距離である。また、「フランジ幅WF」は、
図2(B)中で、ウェブ12A側の端部からリップ12C側の端部までの間の左右方向の直線距離である。
【0022】
複数のスリット16は、溝形鋼の断熱性能を向上させる孔である。複数のスリット16が含まれる列は、
図2(A)中の上下方向に沿ってほぼ等しい間隔で3列形成される。また、
図2(A)に示すように、本実施形態では、すべてのスリット16の
図2(A)中の上下方向に沿って測ったスリット幅WSは、一定である。なお、本開示では、複数のスリット幅は、それぞれ異なってもよく、それぞれを任意に設定できる。
【0023】
また、本開示では、スリット16が含まれる列の個数は、3列に限定されず、1列であってもよいし、或いは5列等、2列以上の任意の複数であってよい。なお、断熱性能の向上の観点から、3つ以上のスリット16の列が形成されることが望ましい。
【0024】
また、本実施形態では、1つの列中で隣接するスリット16同士の材軸方向Dのスリット間隔aが等しい場合が例示されたが、本開示ではこれに限定されず、それぞれのスリット間隔は、異なってよい。また、本開示では、ウェブ高さ方向で隣接する列と列との間隔も、それぞれが互いに等しい場合に限定されず、互いに異なってよい。また、スリット16の材軸方向Dの端部の形状は、応力集中を避けるため、
図2(A)中に例示したように、円弧状が好ましい。
【0025】
(結合部)
本実施形態では、直線状のスリット16は、一定のスリット長bを有する。また、ウェブ12Aの材軸方向Dにおける1つの列中で隣接するスリット16同士のスリット間隔aが形成される部分に、結合部18が構成される。結合部18は、ウェブ12Aの板部材を高さ方向に結合する。
【0026】
なお、本開示では、1つの列に含まれるスリットの個数は、2つ以上であれば任意である。本開示では、部材としての必要な強度が確保できる限り、少なくとも1つの結合部が形成されればよい。
【0027】
図2(A)に示すように、本実施形態では、ウェブ12Aの板面を正面から見た平面視で、3つのスリット16の列に含まれる複数の結合部18の配置パターンは、千鳥配置である。具体的には、3つの列にそれぞれ含まれるスリット16は、ウェブ高さ方向に沿った直線上で重ならないようにずれて配置される。
【0028】
換言すると、スリット16が千鳥配置である場合、ウェブ12Aの板面を正面から見て、一方のフランジ12B側から他方のフランジ12B側に向かって熱が移動する経路の長さがウェブ高さHWと同じ最短距離である状態が、形成されない。熱が移動する経路の長さがウェブ高さHWと同じ最短距離である状態とは、例えば、スリット16同士が、ウェブ高さ方向(
図2(A)中の上下方向)に沿った同一直線上に揃うように配置された直列配置である。
【0029】
なお、本開示では、複数のスリットの配置パターンは、千鳥配置に限定されない。スリット16同士が、ウェブ高さ方向に沿った同一直線上に揃うように配置された直列配置であってもよい。
【0030】
また、「スリット16が千鳥配置である」場合には「結合部18が千鳥配置である」場合が生じ得る。また、本開示では「スリットが千鳥配置である状態」とは、ウェブ12Aに形成されたスリット16の列のすべてにおいて、スリットが千鳥配置である場合に限定されない。本開示では、スリットが千鳥配置である状態が、材軸方向D及びウェブ高さ方向の少なくとも一方において部分的に形成された場合も「スリットが千鳥配置である状態」に含まれ得る。
【0031】
<フレーム部材の曲げ耐力算出方法>
次に、本実施形態に係るフレーム部材の曲げ耐力算出方法を、
図3を参照して、設計者がプロセッサを有するコンピュータ等の演算装置を操作することによって行う場合を例示的に説明する。本実施形態に係るフレーム部材12が有する実際の曲げ耐力は、二次元解析によって算出された曲げ耐力に基づいて設定される。また、二次元解析では「等価板厚」の概念が用いられる。等価板厚については以下のステップS11で具体的に説明する。
【0032】
(ステップS11:弾性座屈強度の算出)
まず、設計者は、
図3中のステップS11に示すように、等価板厚が設定された溝形鋼の解析モデルを用いて二次元解析を実行することによって、弾性座屈強度σbを算出する。二次元解析としては、例えばFSM等の有限帯板法による座屈固有値解析を採用できる。
【0033】
[等価板厚の設定方法]
二次元解析は、
図2(A)及び
図2(B)中に例示されたリップ溝形鋼のフレーム部材12と同様の仕様を有する解析モデルを用いて実行される。解析モデルを作成する際、設計者は、リップ溝形鋼の設計板厚に以下の補正係数を乗じることによって等価板厚を算出する。
補正係数:
R√{a/(a+b)}
(但し、R=1~3,a:スリット間隔,b:スリット長)
【0034】
補正係数は、{a/(a+b)}のR乗根、すなわち(1/R)乗である。なお、本実施形態では、補正係数が、{a/(a+b)}の1乗根である場合、{a/(a+b)}の2乗根である場合、又は{a/(a+b)}の3乗根である場合、すなわち、Rが整数である場合が、例示的に説明される。しかし、本開示では、Rの値は、整数に限定されず、1以上、3以下の範囲内の任意の実数を採用できる。
【0035】
具体的には例えば、補正係数が{a/(a+b)}の1.5乗根(すなわち、R=1.5)である場合や、補正係数が{a/(a+b)}の2.5乗根(すなわち、R=2.5)である場合のように、Rは小数であってもよい。本開示では、整数以外の値であっても実数であれば本開示に含まれる。
【0036】
次に、設計者は、算出された等価板厚を解析モデルの断面形状の中でスリット16に対応する位置の板厚として設定する。すなわち、
図2(B)中で、ウェブ12Aの部分については2種類の板厚が使用される。2種類の板厚は、3つのスリット16の位置に適用される等価板厚と、3つのスリット16以外の位置に適用される設計板厚とである。なお、具体的には例えば、低伝熱形鋼が所望の曲げ耐力を有するように、設計板厚、フランジ幅WF、ウェブ高さHW、スリット長b、スリット間隔a、スリット16の列の個数、リップの有無、リップ長L等を調整できる。
【0037】
なお、本実施形態では、設計板厚は、素材の鋼板の公称板厚の値に0.9を乗じること(公称板厚×0.9)によって設定される。本開示では、設計板厚は、これに限定されず、適宜変更できる。そして、設計者は、等価板厚が設定された解析モデルを用いてFSMを実行することによって、弾性座屈強度σbを算出する。すなわち、本実施形態では、フレーム部材12の短期曲げ耐力は、算出された弾性座屈強度σbに基づいて算出される。
【0038】
(ステップS12:一般化有効細長比の算出)
次に、設計者は、
図3中のステップS12に示すように、弾性座屈強度σbと溝形鋼のF値とを以下の式1に用いて、一般化有効細長比
bλを算出する。
[式1]
bλ=√(F/σ
b)
【0039】
(ステップS13:長期許容曲げ応力度の算出)
次に、設計者は、
図3中のステップS13に示すように、一般化有効細長比
bλを以下の式2に用いて、長期許容曲げ応力度f
bを算出する。なお、長期許容曲げ応力度f
bの算出方法は「薄板軽量形鋼造建築物設計の手引き 第2版」(一般社団法人 日本鉄鋼連盟)P.62に記載されている許容曲げ応力度の算出方法と同じとする。
[式2]
bλ≦1.3の場合、f
b=F{(1-0.24・
bλ
2)/1.5}またはF/1.5の数値のうちいずれか小さい方の数値
bλ>1.3の場合、f
b=(1/1.5)・(F/
bλ
2)またはF/1.5の数値のうちいずれか小さい方の数値
【0040】
(ステップS14:短期許容曲げ応力度を算出)
次に、設計者は、
図3中のステップS14に示すように、ステップS13で算出された長期許容曲げ応力度に、1.5を乗じることによって、短期許容曲げ応力度を算出する。
【0041】
(ステップS15:有効断面係数の算出)
次に、設計者は、
図3中のステップS15に示すように、溝形鋼の解析モデルを用いて、有効断面係数Zeを算出する。すなわち、本実施形態では、フレーム部材12の短期曲げ耐力は、算出された有効断面係数Zeに基づいて算出される。具体的には、解析モデルの断面形状の有効断面係数Zeを算出する際、断面形状の中でウェブ12Aの高さ方向におけるスリット16の複数の列のうち高さ方向の一端に位置する列と他端に位置する列との間の部分全体が、開口部と設定される。
【0042】
図2(B)中には、ウェブ12Aの高さ方向における3つのスリット16の列のうち、高さ方向の上端に位置するスリット16の列と、下端に位置するスリット16の列との間の幅が、開口部のせいWOとして例示されている。
【0043】
また、有効断面係数Zeの算出において、解析モデルでは、材軸方向D全体に亘って一定の列数が形成される。すなわち、材軸方向Dにおける局所的な位置に、列数が他の位置とは異なる状態は形成されない。
【0044】
そして、設計者は、せいWOを有する開口部が除かれることによって残った領域、すなわち、開口部を両側から挟むそれぞれのウェブ12Aの領域のみを有する解析モデルを用いて、溝形鋼の有効断面係数Zeを算出する。なお、本実施形態では、説明の便宜のため、設定された開口部を両側から挟むそれぞれのウェブ12Aの領域を「非スリット領域」とも称する。
【0045】
(非スリット領域の長さ)
なお、本実施形態では、設定板厚をtg[mm]、溝形鋼の鋼材のF値をF[N/mm
2]としたとき、設定された非スリット領域の長さが、(240/√F)・tg[mm]以上に設定される。本実施形態では、
図2(B)に示すように、開口部の上側のウェブ12Aでスリット16が形成されていない非スリット領域16Nの長さWRと、開口部の下側のウェブ12Aの非スリット領域16Nの長さWRとは、ほぼ同じである。
【0046】
そして、
図2(B)中のウェブ12Aの中で、開口部の上側の非スリット領域16Nの長さWRと下側の非スリット領域16Nの長さWRとを用いて、有効断面係数Zeの算出で使用される有効幅が設定される。有効幅は、例えば「薄板軽量形鋼造建築物設計の手引き 第2版」(一般社団法人 日本鉄鋼連盟)P.69の「3.9 ウェブ開口とその設計」の記載に基づいて設計できる。
【0047】
本実施形態では、それぞれの非スリット領域16Nの長さWRが、(240/√F)・tg[mm]以上に設定されることによって、フレーム部材12の曲げ耐力を有効に確保し易くなる。ただし、本開示では、断熱性能向上の方を優先する観点から、非スリット領域の長さは、(240/√F)・tg[mm]未満であってもよい。
【0048】
(ステップS16:短期曲げ耐力の算出)
次に、設計者は、
図3中のステップS16に示すように、ステップS14で算出された短期許容曲げ応力度と、ステップS15で算出された有効断面係数Zeとを乗じることによって、フレーム部材12の短期曲げ耐力を算出する。上記の一連の処理が実行されることによって、本実施形態に係るフレーム部材の曲げ耐力算出方法を構成できる。
【0049】
なお、本開示では、フレーム部材12の短期曲げ耐力だけでなく、フレーム部材12の長期曲げ耐力も、長期曲げ応力度と有効断面係数とを乗じることによって、本実施形態の場合と同様に算出できる。すなわち、本開示の「曲げ耐力」は、短期曲げ耐力と長期曲げ耐力との両方を含む。
【実施例0050】
(第1試験例)
次に、本実施形態で算出された短期曲げ耐力の解析精度を確認するために、4点曲げ試験の実験で得られた最大曲げ耐力と、二次元解析としてのFSMを用いて算出された短期曲げ耐力とを比較する第1試験例を、
図4~
図6を参照して説明する。
【0051】
図4に示すように、試験装置30において、材軸方向が水平に配置された状態であるフレーム部材の試験体32の両端は、2つの試験治具34によって支持された。試験体32の材軸方向における中央の2点間の試験区間Aの両端に、
図4中の上側で天井等に固定された支持部材36を介して支持された裁荷梁38から、荷重Pが負荷されることによって、試験区間Aにおける試験体32の等曲げ状態が形成された。等曲げ試験が実施された8つの試験体の仕様の一覧を表1に示す。
【0052】
【0053】
表1中の8つの試験体中、No.4~8の5個の試験体は、高強度鋼板(いわゆるハイテン材)であった。また、表1中の8つの試験体のスリットの仕様は、
図5中に示す仕様1、仕様2、及び仕様3のうちのいずれかに設定された。
【0054】
以下では、説明の便宜のため、実験で得られた最大曲げ耐力を「実験値最大曲げ耐力」と称すると共に、FSMで算出された短期曲げ耐力を単に「短期曲げ耐力」とも称する。また、短期曲げ耐力に対する実験値最大曲げ耐力の比を「第1耐力比」とも称する。
【0055】
図6(A)に示すように、高強度鋼板であるNo.4~8の5個の試験体について、補正係数のRが1乗根である場合の算出では、補正係数のRが2乗根、3乗根、又は4乗根である場合と比べ、第1耐力比がいずれも、1.0から離れて大きくなることが分かった。具体的には、補正係数のRが1乗根である場合、第1耐力比は、約1.52~6.40であった。
【0056】
すなわち、補正係数のRが1乗根である場合、FSMで算出された短期曲げ耐力が、実験値最大曲げ耐力から離れる傾向が生じることが分かった。これは、Rが1乗根である場合の算出では、弾性座屈強度の算出において、等価板厚が過少に(すなわち、安全側に)算出された結果、FSMで算出された短期曲げ耐力が小さくなったためである。
【0057】
一方、補正係数のRが2乗根、3乗根、又は4乗根である場合の算出では、補正係数のRが1乗根である場合と比べ、8つの試験体の第1耐力比が、いずれも1.0により近付くことが分かった。具体的には、補正係数のRが2乗根である場合、第1耐力比は、約1.29~1.80であった。また、補正係数のRが3乗根である場合、第1耐力比は、3乗根で約1.25~1.39であった。
【0058】
また、補正係数のRが4乗根である場合、第1耐力比は、4乗根で約1.19~1.37であった。すなわち、補正係数のRが2乗根、3乗根、又は4乗根である場合、FSMで算出された短期曲げ耐力は、補正係数のRが1乗根である場合より、実験値最大曲げ耐力により近付くことが分かった。
【0059】
特に、
図6(B)に示すように、補正係数のRが3乗根である場合、補正係数のRが2乗根である場合と比べ、8つの試験体の第1耐力比はいずれも、1.0に一層近付いた。また、補正係数のRが4乗根である場合、補正係数のRが3乗根である場合と比べ、8つの試験体の第1耐力比はいずれも、1.0に更に近付いた。
【0060】
一方、8つの試験体のそれぞれの変動係数を算出した結果、補正係数のRが1乗根である場合、変動係数は、0.409であった。補正係数のRが2乗根である場合、変動係数は、0.108であった。補正係数のRが3乗根である場合、変動係数は、0.036であった。補正係数のRが4乗根である場合、変動係数は、0.042であった。
【0061】
変動係数の算出結果より、第1試験例では、変動係数が最小となる3乗根が、実験結果を最も精度よく推定できると判断できた。すなわち、本実施形態では、R=1、2、及び3の場合が実施例であると共に、R=4の場合は比較例に対応する。なお、本開示では、補正係数のRが3を超える場合も除外されない。
【0062】
(第2試験例)
次に、本実施形態に係る二次元解析としてのFSMで算出された短期曲げ耐力の解析精度を確認するために、三次元解析としてのFEMで算出された最大曲げ耐力と、FSMで算出された短期曲げ耐力とを比較する第2試験例を、
図7~
図8を参照して説明する。
【0063】
(FEM用の解析モデル)
図7中に例示された解析モデルでは、
図4中に例示された試験体32の中央の2点間の等曲げの試験区間Aに対応する部分のデータが、部分的に表現されている。第2試験例の解析ではフレーム部材の材軸方向の周囲に強制的に回転するような等曲げ状態が設定された。また、第2試験例では複数の解析モデルが設定され、それぞれの解析モデルの仕様は、以下のように設定された。
【0064】
材軸方向の長さ:1000mm~2800mm
板厚t :1.2mm~2.3mm
ウェブ高さHW:100mm~120mm
フランジ幅WF:50mm
リップ長L :12mm~20mm
スリット長b :60mm~120mm
スリット間隔a:6mm
スリット幅WS:4mm
スリットの列数:3列~5列
【0065】
図8中には、複数の解析モデルのそれぞれの、FEMで算出されたフレーム部材の最大曲げ耐力と、FSMで算出された短期曲げ耐力との値の組み合わせを示すデータ点が例示されている。なお、以下、説明の便宜のため、FEMで算出されたフレーム部材の最大曲げ耐力を「FEM最大曲げ耐力」とも称する。
【0066】
図8中では、複数のデータ点のうち、複数のデータ点が配置された正方形状の領域の中で、左下のコーナー部と右上のコーナー部との間に描かれた破線に近いデータ点ほど、短期曲げ耐力の値が、FEM最大曲げ耐力の値に近いことを意味する。また、第2試験例では、短期曲げ耐力に対するFEM最大曲げ耐力の比を「第2耐力比」とも称する。
【0067】
第2試験例では、補正係数のRが1乗根である場合、第2耐力比は、約1.29~6.43倍であった。また、補正係数のRが2乗根である場合、第2耐力比は、約1.15~1.85倍であった。また、補正係数のRが3乗根である場合、第2耐力比は、約1.03~1.58倍であった。また、補正係数のRが4乗根である場合、第2耐力比は、約0.81~1.58倍であった。
【0068】
また、補正係数のRが1乗根である場合、変動係数は、0.439であった。また、補正係数のRが2乗根である場合、変動係数は、0.136であった。また、補正係数のRが3乗根である場合、変動係数は、0.108であった。また、補正係数のRが4乗根である場合、変動係数は、0.181であった。このため、変動係数が最小となる、補正係数のRが3乗根である場合、FSMで算出された短期曲げ耐力の解析結果を、一般的な二次元解析よりも解析精度が高いとされる三次元解析のFEMの解析結果に、より近付けられることがわかった。
【0069】
また、
図8中の破線で囲まれた4つの三角印(△)のデータ点のように、補正係数のRが4乗根である場合、FSMで算出された短期曲げ耐力が、FEMで算出された最大曲げ耐力より大きく算出される場合があることが分かった。すなわち、補正係数のRが4乗根である場合を除き、Rが1以上、3以内の範囲内であることが、設計値としての安全率を確保する観点から好ましいことが確認された。
【0070】
(解析作業の負担の低減効果)
また、第2試験例におけるFSMの解析時間とFEMの解析時間とのそれぞれを測定した結果、三次元解析としてのFEMでは、解析モデルの作製時間は、約1時間であった。一方、二次元解析としてのFSMでは、解析モデルの作製時間は、約5分であった。また、FEMでは、解析の実行時間は、1~3時間であった。一方、FSMでは、解析の実行時間は、約1分であった。このため、二次元解析が用いられる本実施形態では、三次元解析が用いられる場合に比べ、解析作業の負担を低減できることが確認された。
【0071】
(作用効果)
本実施形態では、リップ溝形鋼のフレーム部材の設計板厚に、補正係数であるR√{a/(a+b)}を乗じることによって等価板厚を算出し、算出された等価板厚が設定された解析モデルを用いて二次元解析としてのFSMが実行される。そして、実行されたFSMによって算出された弾性座屈強度に基づいて、フレーム部材の短期曲げ耐力が、精度よく算出される。このため、本実施形態の解析では、三次元解析用の解析モデルを作製する必要がないと共に、三次元解析を実行する必要が生じない。結果、三次元解析の場合と比べて、解析時間を短縮できる。よって、本実施形態では、曲げ耐力を算出する際の解析作業の負担を低減できる。
【0072】
また、本実施形態では、等価板厚は、スリット間隔とスリット長と設定板厚とに基づいて設定された補正係数を用いて算出される。算出された等価板厚は、解析モデルの断面形状の中で、スリット16に対応する位置の板厚として設定される。すなわち、スリット16に起因する曲げ耐力の低下が考慮されるように補正された板厚が、断面形状の中で部分的に使用される。このため、設計されるリップ溝形鋼の曲げ耐力が、設計に基づいて製造される実際のリップ溝形鋼の曲げ耐力に近似し、結果、曲げ耐力の算出精度を高めることができる。
【0073】
また、本実施形態によれば、精度よく設定された曲げ耐力を備えると共に、設計時の解析作業の負担を低減できる、フレーム部材12を提供できる。
【0074】
また、本実施形態では、R=3である場合の補正係数が用いられる。このため、
図6(A)、
図6(B)及び
図8を用いて説明したように、曲げ耐力の算出精度を向上できるとともに、設計値としての安全率を確保することができる。
【0075】
また、本実施形態では、ステップS15の有効断面係数の算出において説明したように、断面形状の中でウェブの高さ方向におけるスリット16の複数の列のうち高さ方向の一端に位置する列と他端に位置する列との間の部分全体が、開口部と設定される。すなわち、開口部が、複数のスリットの列の部分だけでなく、複数のスリットの列と列との間に存在するウェブの肉部分も含む。このため、有効断面積の算出の際、複数のスリットの列と列との間に存在するウェブの肉部分を考慮する必要が生じない。よって、有効断面積を簡易に算出できる。
【0076】
<その他の実施形態>
本開示は、上記の実施形態によって説明されたが、この説明は、本開示を限定するものではない。本開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになると考えられるべきである。本開示は、上記に記載していない様々な実施の形態等を含むと共に、本開示の技術的範囲は、上記の説明から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0077】
≪付記≫
本明細書からは、以下の態様が概念化される。
【0078】
態様1は、
パネル材用のフレーム部材であって、材軸方向に沿って複数のスリットを含む列が形成されたウェブを備える溝形鋼のフレーム部材の解析モデルを作成する際、
前記溝形鋼の設計板厚に以下の補正係数を乗じることによって等価板厚を算出し、
算出された前記等価板厚を前記解析モデルの断面形状の中で前記スリットに対応する位置の板厚として設定し、
前記等価板厚が設定された前記解析モデルを用いて二次元解析を実行することによって前記フレーム部材の曲げに対する弾性座屈強度を算出し、
算出された弾性座屈強度に基づいて曲げ耐力を算出する、
フレーム部材の曲げ耐力算出方法。
補正係数:R√{a/(a+b)}
(但し、R=1~3,a:スリット間隔,b:スリット長)
【0079】
態様2は、
R=3である場合の前記補正係数を用いて前記等価板厚を算出する、
態様1のフレーム部材の曲げ耐力算出方法。
【0080】
態様3は、
前記スリットの前記列は、複数であり、
前記解析モデルの前記断面形状の中で前記ウェブの高さ方向における前記スリットの複数の前記列のうち前記高さ方向の一端に位置する前記列と他端に位置する前記列との間の部分全体を開口部と設定し、
前記開口部が除かれた領域を用いて前記解析モデルの前記断面形状の前記有効断面係数を算出し、
算出された前記有効断面係数に基づいて前記曲げ耐力を算出する、
態様1又は2のフレーム部材の曲げ耐力算出方法。
【0081】
態様4は、
材軸方向に沿って複数のスリットを含む列が形成されたウェブを備える溝形鋼が用いられた、パネル材用のフレーム部材であって、
前記溝形鋼の設計板厚に以下の補正係数を乗じることによって等価板厚が算出され、算出された前記等価板厚が解析モデルの断面形状の中で前記スリットに対応する位置の板厚として設定され、前記等価板厚が設定された前記解析モデルを用いて二次元解析が実行されることによって前記フレーム部材の曲げに対する弾性座屈強度が算出され、算出された前記弾性座屈強度に基づいて算出された曲げ耐力、を有する、
フレーム部材。
補正係数:R√{a/(a+b)}
(但し、R=1~3,a:スリット間隔,b:スリット長)