(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096667
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】モータ固定子接続構造
(51)【国際特許分類】
H02K 5/22 20060101AFI20240709BHJP
H02K 3/50 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
H02K5/22
H02K3/50 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023191242
(22)【出願日】2023-11-09
(31)【優先権主張番号】112100261
(32)【優先日】2023-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】516145448
【氏名又は名称】群貿企業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】張 芳溥
【テーマコード(参考)】
5H604
5H605
【Fターム(参考)】
5H604AA08
5H604BB01
5H604CC01
5H604QB03
5H604QB16
5H605AA08
5H605BB05
5H605EC04
5H605GG02
5H605GG04
5H605GG05
(57)【要約】
【課題】モータ固定子接続構造であって、固定子ワイヤフレームと、連接具と、引出線群と、を含む。
【解決手段】固定子ワイヤフレームの一側に頸部が延伸し、頸部に固定子ワイヤフレームと垂直である連接部が延伸して設けられ、連接部に第一接合面が設けられる。ワイヤ群の各導線は、裸線段と、封止セグメントと、延伸セグメントとを有し、接続具の通路内に導線の封止セグメントが組み合わせられ、且つ接続部具の第二接合面は接続部の第一接合面に貼り付けられ、接合手段によって第二接合面と第一接合面を固定し、接続具を固定子ワイヤフレームに固定させる。固定子ワイヤフレームに複数のコイルが巻き付けられ、コイルの出線端はそれぞれ導線の裸線端に巻き付けられ並びに半田付けして固定される。これにより、生産プロセスを簡略化し、生産コストを削減し、且つ異なる寸法仕様のモータに対応して配線を調整することができるモータ固定子接続構造を実現する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ固定子接続構造であって、少なくとも、固定子ワイヤフレームと、連接具と、引出線群と、を含み、
前記固定子ワイヤフレームは、一側に頸部が延伸して設けられ、前記頸部に前記固定子ワイヤフレームに垂直な連接部が延伸して設けられ、前記連接部の前記固定子ワイヤフレームから離れた一側に第一接合面を有し、前記第一接合面に複数の凹部が設けられ、
前記連接具は、一側に前記第一接合面に接続される第二接合面を有し、内部に貫通する複数の通路を有し、前記第二接合面に複数の凸部が設けられ、
前記引出線群は、前記接続具内に設けられ、前記引出線群は複数の導線を有し、各前記導線の一端は裸線端を有し、前記裸線端に沿って順に封止セグメントと延長セグメントを延伸し、
その中で、前記封止セグメントは前記連接具の前記通路内に組み合わせられ、前記裸線端と前記延長セグメントはそれぞれ前記連接具を貫通し、前記第二接合面と前記第一接合面は接合手段によって固定され、前記複数の凹部と前記複数の凸部を接合させ、前記第一接合面と前記第二接合面の接合面積を増加させ、前記連接具を前記固定子ワイヤフレーム状に組み立てること、を特徴とするモータ固定子接続構造。
【請求項2】
前記接合手段は、高週波溶接、光硬化性接着剤による接着、低酸素接着剤(Thread-locking fluid)による接着、のうちの少なくとも1つの接続手段であること、を特徴とする請求項1に記載のモータ固定子接続構造。
【請求項3】
前記凸部は、ダブテールであり、前記凹部は、ダブテールスロットであること、を特徴とする請求項1に記載のモータ固定子接続構造。
【請求項4】
前記連接部の頂面に複数の分離部が設けられ、各前記導線の前記裸線端が前記連接具の外に延伸し、並びに前記分離部と同方向であること、を特徴とする請求項1に記載のモータ固定子接続構造。
【請求項5】
前記連接具は、射出成形または熱プレス成形によって前記引出線群に接合されること、を特徴とする請求項1に記載のモータ固定子接続構造。
【請求項6】
前記連接具は、複数のワイヤスロットを有する2つのクランプであり、前記複数の導線は、前記ワイヤスロット内にそれぞれ配置され、前記クランプは、前記引出線群を固定して結合すること、を特徴とする請求項1に記載のモータ固定子接続構造。
【請求項7】
前記裸線端は、さらに、アダプタが設けられていること、を特徴とする請求項1に記載のモータ固定子接続構造。
【請求項8】
前記固定子ワイヤフレームと、前記連接具と、前記引出線群と、の組み合わせのステップは以下を含み、
モールドを提供し、前記複数の導線の前記封止セグメントは前記モールド内に配置されることと、
前記裸線端と前記延長セグメントはそれぞれ前記モールドの外に延伸することと、
前記モールドは、材料注入、冷却、離型を経て前記連接具を完成することと、
前記連接具の前記第二接合面は、前記連接部の前記第一接合面に貼り付けられることと、
前記接合手段は、前記第二接合面を前記第一接合面に固定することと、
前記固定子ワイヤフレームは、複数のコイルが巻きつけられることと、
前記複数のコイルの出線端は、それぞれ各前記裸線端に巻き付けられることと、
前記出線端と該裸線端を半田付けして固定することと、を特徴とする請求項1に記載のモータ固定子接続構造。
【請求項9】
前記固定子ワイヤフレームと、前記連接具と、前記引出線群と、の組み合わせのステップは以下を含み、
複数のワイヤスロットが内部に設けられたクランプを提供することと、
前記複数の導線の前記封止セグメントは、前記複数のワイヤスロット内にそれぞれ配置されることと、
前記裸線端と前記延長セグメントはそれぞれ前記複数のクランプの外に延伸することと、
前記クランプを固定して、連接具を完成することと、
前記連接具の前記第二接合面は、前記連接部の前記第一接合面に貼り付けられることと、
前記接合手段は、前記第二接合面を前記第一接合面に固定することと、
前記固定子ワイヤフレームは、複数のコイルが巻きつけられることと、
前記複数のコイルの出線端は、それぞれ各前記裸線端に巻き付けられることと、
前記出線端と該裸線端を半田付けして固定することと、を特徴とする請求項1に記載のモータ固定子接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定子(ステータ)接続(配線)構造に関し、特に固定子ワイヤフレームの接続構造を簡略化し、且つコイル巻線の出線端が引出線群と直接接続できるようにすることで、生産工程を簡略化し、生産コストを削減し、且つ異なる寸法規格のモータに対応して配線を調整できるモータ固定子接続構造である。
【背景技術】
【0002】
モータは、日常生活でよく見られる電気機械製品であり、主な構造は、外部固定子と、軸に設置された回転子と、を含み、その中で、磁場によって回転する位置によって、大まかに、内部回転式モータ(Inner Rotor Motor)と、外部回転式モータ(Outer Rotor Motor、またはExternal Rotor Motor)に分けられる。
【0003】
内部回転式モータの主な特徴は、コイルが固定子のワイヤフレーム上に巻き付けられ、磁極が内部回転子にあることで、特徴として、極数が少なく、回転速度が高く、トルクが小さいことである。
【0004】
外部回転式モータの主な特徴は、磁極が固定子内壁に設置され、コイルが回転子に巻き付けられ、特徴として、極数が多く、回転速度が低く、トルクが大きいことである。
【0005】
いずれのモータでも、コイルを巻き終えた後、コイルの出線端をモータ外部に導出しなければ、起動コンデンサ、制御スイッチ、或いは速度制御回路等の部品/アセンブリに接続することができず、従来の固定子コイル接続構造、例えば
【特許文献1】台湾特許出願第091124382号「密閉型圧縮機」のように、前記特許は回路基板上に引出線群(給電端子、引出線等の組み合わせ)が設置され、回路基板は固定子ワイヤフレーム上に接続して組み合わせられ、コイルの引出端は回路基板に接続され、これにより、引出線群と回路基板を介してモータに必要な電力、或いは制御信号等を伝送する。しかしながら、前記特許にはまだ改善すべき多くの欠点が存在する。
【0006】
モータはカスタマイズされる製品であり、異なる家電、機械、設備、または器具などは、異なる寸法規格のモータを使用し、従って、モータ製造業者にとって、各規格のモータに対して対応する組み合わせの回路基板を生産製造する必要があり、生産コストの増加をもたらす。さらに、回路板が固定子ワイヤフレームのコイルを被覆し、さらにコイルの放熱に影響を与え、回路板上の回路により磁気干渉の発生を引き起こしやすく、及び、回路板にモータ内部空間を占有することで、モータのサイズを効果的に縮小することができない。
【0007】
さらに
【特許文献2】台湾特許出願第106145416号の「内蔵式コンデンサモータワイヤフレームの改良構造」のように、前記特許はまずコネクタで引出線群(分方向線、電源線等の組み合わせ)に接続され、同時に固定子ワイヤフレームにソケットが設置され、コイルの出線端がソケットに接続され、これにより、コネクタがソケットに挿入する構造により、コイルと引出線群に電力、或いは制御信号等の伝送を行わせる。しかしながら、前記特許には一部の欠点が依然として存在し、改善の余地がある。
【0008】
コネクタの内部に複数の管ピンが設置され、ソケットの内部に複数の針ピンが設置され、組み合わせる時、針ピンが管ピンの一端の開口から挿入された後に電気的導通を形成する。及び、管ピンの他端に金属クリップ(例えばU型クリップ)が設けられ、引出線群の複数の導線をそれぞれ金属クリップ内に入れ、金属クリップを折り曲げた後に導線をクリップし、なお、コネクタ及び内部構造は本発明の技術的特徴ではなく、ここではその構造のみを概略的に説明する。しかしながら、モータが動作する時に必ず振動の発生を伴い、トルクが大きいほど、回転数が高いほど、発生する振動が大きくなり、従って、上記針ピンと管ピン、管ピンと導線等の構造は、常にモータの長時間の振動に伴い、僅かな脱落が発生し、例えば、下記のとおりである。管ピンの内壁面と針ピンの外壁面との間の接触面には、僅かな隙間が形成されており、脱落しなくても、接触面間の僅かな隙間によってアークや放電等が発生する。また、例えば金属クリップはモータの振動を受けて一部のエッジが浮き上がり、浮き上がったエッジと導線との間に僅かな間隙が形成され、さらにアーク、放電等の危険をもたらす。
【0009】
さらに、前記説明のモータはカスタマイズされた製品であり、それによって、引出線群の導線の数も異なり、モータ製造業者は異なるモータの形態に応じて、専用のコネクタ及びソケットを製造する必要があり、特にこのようなコネクタ、ソケットはモータの訴求に制限され、一般的なコネクタ等では代替できず、それにより構造が複雑すぎ、生産コストを低減できず、製造プロセスを簡略化できない。
【0010】
また例えば、
【特許文献3】中国特許出願第201210357198.X号「電子機器用の端子接続構造」、及び
【特許文献4】中国特許出願第201410528653.7号「電子機器固定子アセンブリ構造」等の特許は、いずれも固定子ワイヤフレーム上にソケットが設置され、ソケットの針ピン(又は等価構造)がコイル出線端に接続され、及び、ソケットに組み合わせることができるコネクタを介して引出線群に接続され、引出線群の導線が管ピンの金属クリップ(又は等価構造)でクランプされ、従って、これらの特許の引出線群、管ピン、針ピン等は、依然としてモータの運転振動を受けた後に僅かな間隙が発生し、アーク、放電等の危険が発生する。さらに、モータの振動によるソケットとコネクタとの脱落の発生を防止するために、前記特許は極めて複雑な組み合わせ構造を用い、生産コストの増加をもたらし、且つモータのサイズを効果的に縮小することができない。
【0011】
従来の上記欠点に鑑みて、本案発明者は前記欠点に対する改良策を研究し、本発明に至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の第一の目的は、モータ固定子接続構造を提供することであり、連接具を利用して引出線群の複数の導線を予め組み合わせ、接合手段を介して連接具を固定子ワイヤフレームの連接部に組み合わせ、固定子ワイヤフレームにコイルが連続的に巻き付けられ、各コイルの出線端は各導線の裸線端に巻き付けられ且つ半田付けされることである。
【0013】
本発明の第二の目的は、上記モータ固定子接続構造に基づき、固定子ワイヤフレームの連接部に第一接合面が設置され、連接具に第二接合面が設置され、第二接合面と第一接合面が接合手段によって固定され、それにより連接具が固定子ワイヤフレームに固定されることである。
【0014】
本発明の第三の目的は、上記モータ固定子接続構造に基づき、導線の封止セグメントがモールド内に配置され、モールドは材料注入、冷却、離型を経て連接具を完成することである。
【0015】
本発明の第四の目的は、上記モータ固定子接続構造に基づき、導線の封止セグメントがそれぞれ二つのクランプの複数のワイヤスロット内に配置され、クランプで固定して前記連接具を完成することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的及び効果を達成するために、本発明は、固定子ワイヤフレームと、連接具と、引出線群と、を含む。
【0017】
前記固定子ワイヤフレームは、一側に頸部が延伸して設けられ、前記頸部に前記固定子ワイヤフレームに垂直な連接部が延伸して設けられ、前記連接部の前記固定子ワイヤフレームから離れた一側に第一接合面を有する。
【0018】
前記連接具は、一側に前記第一接合面に接続される第二接合面を有し、内部に貫通する複数の通路を有する。
【0019】
前記引出線群は、複数の導線を有し、各前記導線の一端は裸線端を有し、前記裸線端に沿って順に封止セグメントと延長セグメントを延伸する。
【0020】
その中で、前記封止セグメントは前記連接具内に組み合わせられ、前記裸線端と前記延長セグメントはそれぞれ前記連接具を貫通し、前記第二接合面と前記第一接合面は接合手段によって固定されることで、前記連接具は前記固定子ワイヤフレーム上に組み立てられる。
【0021】
さらに、前記接合手段は高週波溶接、光硬化性接着剤による接着、低酸素接着剤(Thread-locking fluid)による接着のうちの少なくとも一つの前記接合手段である。
【0022】
さらに、前記第一接合面に複数の凹部が設けられ、前記第二接合面に複数の凸部が設けられ、前記第一接合面と前記第二接合面との接合面積を増加させる。
【0023】
さらに、前記連接具の頂面に複数の分離部が設けられ、各前記導線の前記裸線端は前記連接具の外に延伸し、並びに前記分離部と同じ方向である。
【0024】
さらに、前記連接具は、射出成形または熱プレス成形によって引出線群と結合される。
【0025】
さらに、前記連接具は複数のワイヤスロットを有する二つのクランプであり、前記複数の導線はそれぞれ前記複数のワイヤスロット内に配置され、前記複数のクランプは前記引出線群を固定して結合する。
【0026】
さらに、前記裸線端は、さらに、アダプタが設けられる。
【0027】
上記目的および効果に基づいて、前記モータ固定子接続ステップは以下を含む。
【0028】
S11:モールドを提供し、前記複数の導線の前記封止セグメントは前記モールド内に配置される。
【0029】
S12:前記裸線端と前記延長セグメントはそれぞれ前記モールドの外に延伸する。
【0030】
S13:前記モールドは、材料注入、冷却、離型を経て前記連接具を完成する。
【0031】
S14:前記連接具の前記第二接合面は、前記連接部の前記第一接合面に貼り付けられる。
【0032】
S15:前記接合手段は、前記第二接合面を前記第一接合面に固定する。
【0033】
S16:前記固定子ワイヤフレームは、複数のコイルが巻きつけられる。
【0034】
S17:前記複数のコイルの出線端は、それぞれ各前記裸線端に巻き付けられる。
【0035】
S18:前記出線端と該裸線端を半田付けして固定する。
【0036】
上記目的および効果に基づいて、前記モータ固定子接続ステップは以下を含む。
【0037】
S21:複数のワイヤスロットが内部に設けられたクランプを提供する。
【0038】
S22:前記複数の導線の前記封止セグメントは、前記複数のワイヤスロット内にそれぞれ配置される。
【0039】
S23:前記裸線端と前記延長セグメントはそれぞれ前記複数のクランプの外に延伸する。
【0040】
S24:前記クランプを固定して、連接具を完成する。
【0041】
S25:前記連接具の前記第二接合面は、前記連接部の前記第一接合面に貼り付けられる。
【0042】
S26:前記接合手段は、前記第二接合面を前記第一接合面に固定する。
【0043】
S27:前記固定子ワイヤフレームは、複数のコイルが巻きつけられる。
【0044】
S28:前記複数のコイルの出線端は、それぞれ各前記裸線端に巻き付けられる。
【0045】
S29:前記出線端と該裸線端を半田付けして固定する。
【0046】
本発明の目的、特徴及び効果を十分に理解していただくために、以下に具体的な実施例を示し、添付の図面とともに、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図2】本発明の実施例1における立体分解図である。
【
図7】本発明の実施例3における部分分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本発明中では、「一」または「1つ」という表現を用いて要素や部品を説明している。これらは単に説明の便宜上のためであり、本発明の範囲に一般的な意味を提供するものである。したがって、明らかに別の意味を示す場合を除いて、このような表現は一つまたは少なくとも一つを含むものと理解され、単数は複数を含むものとする。
【0049】
本文中では、「含む」、「有する」またはその他の類似の用語は、排他的ではない包含物を意味するものとする。例えば、複数の要件を含む要素や構造、製品、装置は、本文で示されたこれらの要件に限定されず、当該要素、構造、製品または装置に通常内在するが明確に示されていない他の要件も含むことができる。さらに、そうでないことが明示的に述べられない限り、「または」という用語は、包括的な「または」を指し、排他的な「または」を指さない。
【0050】
図1、
図2を参照されたい。本発明の構造は主に以下を含む。固定子ワイヤフレーム1、連接具2、引出線群3。
【0051】
固定子ワイヤフレーム1の内部は中空状であり、固定子ワイヤフレーム1の内壁に沿って複数のポール11が内側に延びており、各ポール11は後の製造時にコイル4を巻き付けるために用いられる。固定子ワイヤフレーム1の一側に頸部12が延伸して設けられ、頸部12に連接部13が延伸し、前記連接部13は固定子ワイヤフレーム1と互いに垂直であり、即ち固定子ワイヤフレーム1が水平に配置される時、連接部13は固定子ワイヤフレーム1に対して直立し、連接部13の固定子ワイヤフレーム1から離れる一側に第一接合面131を有し、並びに連接部13の頂面に複数の分離部132が設けられる。
【0052】
連接具2の一側に第二接合面21を有し、内部に貫通する複数の通路22を有し、なお、連接具2は、モールド5を結合して射出成形、又はホットプレス成形して製造されるか(
図4を参照されたい)、或いは内部に複数のワイヤスロット61が設けられる二つのクランプ6であってもよい(
図7を参照されたい)。
【0053】
および、引出線群3は、複数の導線31を有し、各導線31の一端は裸線端311を有し、前記裸線端311に沿って順に封止セグメント312と延長セグメント313を延伸する。なお、各導線31はモータの組み立てが完了した後、実際の使用ニーズに応じて、延長セグメント313を必要な装置に電気的に接続し、例えば、起動コンデンサ、電源(直流、単方向交流、双方向交流、または三相交流など)、回転速度コントローラ、トルクコントローラなどである。
【0054】
上記構成を組み合わせる時、各導線31の封止セグメント312は連接具2内に組み合わせられ、裸線端311と延長セグメント313はそれぞれ連接具2を貫通し、且つ裸線端311と連接部13の分離部132は同じ方向であり、即ち裸線端311と分離部132の延伸方向は互いに平行である。次に、連接具2の第二接合面21を連接部13の第一接合面131に貼り合わせ、接合手段によって第二接合面21と第一接合面131を固定し、連接具2を固定子ワイヤフレーム1上に固定させる。説明すべきこととして、前記接合手段は高週波溶接、光硬化性接着剤による接着、低酸素接着剤(Thread-locking fluid)による接着のうちの少なくとも一つの接合手段であり、即ち接合手段は非機械的な組み合わせ技術によって第二接合面21と第一接合面131を固定する。
【0055】
固定子ワイヤフレーム1に連接具2を固定した後、コイル4をそれぞれポール11に巻き付け、巻き付けが完了した後のコイル4はそれぞれ出線端41を有し、出線端41は頸部12と連接部13の頂面に沿って延伸して各導線31の裸線端311に巻き付けられ、並びに半田付け等の方式で出線端41を裸線端311(
図8に示す)に固定し、また、各出線端41の間は連接部13の分離部132を介して隔離される。上記方式により、固定子ワイヤフレーム1の接続構造を確実に簡略化することができ、且つコイル4の出線端41は引出線群3に直接接続することができ、生産プロセスを簡略化し、生産コストを削減し、且つ異なる寸法規格のモータに迅速に対応して調整して接続することができる。同時に、本発明の構造によって、従来技術における僅かな間隙、脱落などの問題をより確実に避け、モータの使用寿命を向上させる。
【実施例0056】
図1~
図4を参照されたい。本発明の実施例1のモータ固定子接続(すなわち、固定子ワイヤフレーム1、連接具2と引出線群3の組み合わせ)のステップは、以下を含む。
【0057】
S11:モールドを提供し、前記複数の導線の前記封止セグメントは前記モールド内に配置される。
【0058】
S12:前記裸線端と前記延長セグメントはそれぞれ前記モールドの外に延伸する。
【0059】
S13:前記モールドは、材料注入、冷却、離型を経て前記連接具を完成する。
【0060】
上記ステップを行う時に、各導線31の封止セグメント312をモールド5内に配置し、モールド5の内部に注入スペース51が形成され、封止セグメント312が注入スペース51内に位置し、裸線端311及び延長セグメント313がそれぞれ貫通し且つモールド5の外部に延伸する。溶融状態のプラスチックをモールド5の注入スペース51に注入、充填し、プラスチックが冷却した後にモールド5を取り外すと、硬化後のプラスチックはすなわち連接具2であり、同時に連接具2と引出線群3との組み合わせを完成する。なお、プラスチック成形の技術的特徴、例えば射出成形、ホットプレス成形は本発明の技術的特徴ではなく、本発明はプラスチック成形によって連接具2を一体成形し且つ同時に引出線群3を結合する構造であり、鋳造成形(Casting)、含浸成形(Dip Molding)、中空鋳型法(Slush Molding)、回転成形(Rotational Molding)、ブロー成形(Blow Molding)、押出成形(Extrusion)、熱間成形(Thermoforming)、圧縮成形(Compression Molding)、真空成形(Vacuum Forming)、射出成形(Injection Molding)、溶接(Welding)又は発泡成形(Foaming)等のプラスチック成形技術を参照することで、本発明の連接具2を一体成形し且つ同時に引出線群3を結合する構造を完成することができ、いずれも本発明の特許範囲に限定される範囲に属すべきである。
【0061】
S15:前記連接具の前記第二接合面は、前記連接部の前記第一接合面に貼り付けられる。
【0062】
S16:前記接合手段は、前記第二接合面を前記第一接合面に固定する。
【0063】
S17:前記固定子ワイヤフレームは、複数のコイルが巻きつけられる。
【0064】
S18:前記複数のコイルの出線端は、それぞれ各前記裸線端に巻き付けられる。
【0065】
S19:前記出線端と該裸線端を半田付けして固定する。
【0066】
連接具2が引出線群3に結合した後、固定子ワイヤフレーム1は連接具2を巻線、溶接等のステップまで固定する。これについては、前記段落[0053]、[0054]の説明を参照し、ここでは説明を省略する。
上記ステップを行う時、一組のクランプ6を提供し、クランプ6は複数のワイヤスロット61を有し、導線31の封止セグメント312はワイヤスロット61内に収容され、裸線端311と延長セグメント313はそれぞれ貫通し且つクランプ6の外部に延伸し、固定後のクランプ6は連接具2であり、ワイヤスロット61は結合して通路22になる。同時に、連接具2と引出線群3との組み合わせが完成する。なお、本実施例において、二つのクランプ6は構造的に対応する組み合わせであり、本発明のクランプ6の形式と構造に限定されるものではなく、機械的構造を組み合わせて二つのクランプ6を設け、導線31を収容するワイヤスロットを有するものであればよく、本発明の連接具2のクランプ6を固定し、同時に引出線群3の構造を結合することができれば、いずれも本発明の特許範囲に限定される範疇に属すべきである。
連接具2が引出線群3に結合した後、固定子ワイヤフレーム1は連接具2を巻線、溶接等のステップまで固定する。これについては、前記段落[0053]、[0054]の説明を参照し、ここでは説明を省略する。