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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096670
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】非接触式スイッチ制御システム
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/945 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
H03K17/945 H
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023209521
(22)【出願日】2023-12-12
(31)【優先権主張番号】112100226
(32)【優先日】2023-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】517313512
【氏名又は名称】達運精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DARWIN PRECISIONS CORPORATION
【住所又は居所原語表記】No.20-1, Guangfu N. Rd., Hukou Township, Hsinchu County, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】游然▲しょう▼
(72)【発明者】
【氏名】柯雅涵
(72)【発明者】
【氏名】劉志宏
(72)【発明者】
【氏名】徐智平
【テーマコード(参考)】
5J050
【Fターム(参考)】
5J050AA12
5J050BB22
5J050CC11
5J050EE39
5J050FF00
5J050FF01
5J050FF25
(57)【要約】
【課題】非接触式スイッチ制御システムを提供する。
【解決手段】非接触式スイッチ制御システムは、検知対象の検知信号を受信するための第1非接触式スイッチと第2非接触式スイッチを含むスイッチ群と、制御プログラムを記憶するための記憶部と、スイッチ群と記憶部に接続され、制御プログラムを実行し、検知信号に基づいてスイッチ群を制御するための処理部と、を備える。前記制御プログラムは、第1の動作モードで第1非接触式スイッチが識別信号を受信したかどうかを判定し、第1の判定結果を取得する工程と、第1の判定結果が「はい」である場合、非接触式スイッチ制御システムは第2の動作モードに入り、第2非接触式スイッチを無効にする工程と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知対象の検知信号を受信するために用いられ、第1非接触式スイッチと第2非接触式スイッチが含まれるスイッチ群と、
制御プログラムを記憶するための記憶部と、
前記スイッチ群と前記記憶部に接続され、前記制御プログラムを実行し、前記検知信号に基づいて前記スイッチ群を制御するための処理部と、
を備える非接触式スイッチ制御システムであって、
前記制御プログラムは、
第1の動作モードにおいて、前記第1非接触式スイッチが識別信号を受信したかどうかを判定し、第1の判定結果を取得する工程と、
前記第1の判定結果が「はい」である場合、前記非接触式スイッチ制御システムは第2の動作モードに入り、前記第2非接触式スイッチを無効にする工程と、
を備えることを特徴とする非接触式スイッチ制御システム。
【請求項2】
前記処理部に接続され、第1の時間セグメントを計数するための計時ユニットを更に備える非接触式スイッチ制御システムであって、
前記制御プログラムは、
前記非接触式スイッチ制御システムが前記第2の動作モードに入った際、前記計時ユニットが前記第1の時間セグメントの計数を開始する工程と、
前記第1の時間セグメントの計数が終了した際、前記非接触式スイッチ制御システムが前記第1の動作モードに入る工程と、
を更に備えることを特徴とする、請求項1に記載された非接触式スイッチ制御システム。
【請求項3】
前記スイッチ群が、外部装置から送信される外部信号を含む前記識別信号を受信するための受信部を備えることを特徴とする、請求項1に記載された非接触式スイッチ制御システム。
【請求項4】
前記スイッチ群が照射部と受信部を備え、前記識別信号には内部信号の反射信号が含まれ、前記照射部が前記内部信号を前記検知対象に送信し、前記受信部が前記内部信号の前記反射信号を受信することを特徴とする、請求項1に記載された非接触式スイッチ制御システム。
【請求項5】
前記計時ユニットが第2の時間セグメントを計数するために更に用いられる非接触式スイッチ制御システムであって、
前記制御プログラムは、
前記第1非接触式スイッチが前記識別信号を受信すると、前記計時ユニットが前記第2の時間セグメントの計数を開始し、前記第1非接触式スイッチが前記第2の時間セグメント内において前記識別信号を受信し続けているかどうかを判定し、第2の判定結果を取得する工程と、
前記第2の判定結果が「はい」である場合、前記非接触式スイッチ制御システムは前記第2の動作モードに入り、前記第2非接触式スイッチを無効にする工程と、
を更に備えることを特徴とする、請求項2に記載された非接触式スイッチ制御システム。
【請求項6】
前記処理部に接続され、検知計数を計数するための計数ユニットを更に備え、
前記計時ユニットが第2の時間セグメントを計数するために更に用いられる非接触式スイッチ制御システムであって、
前記制御プログラムは、
前記第1非接触式スイッチが前記識別信号を受信すると、前記計時ユニットが前記第2の時間セグメントの計数を開始し、
前記第2の時間セグメント内における前記検知計数が検知計数の閾値以上であるかどうかを判定し、第3の判定結果を取得する工程と、
前記第3の判定結果が「はい」である場合、前記非接触式スイッチ制御システムは前記第2の動作モードに入り、前記第2非接触式スイッチを無効にする工程と、
を更に備えることを特徴とする、請求項2に記載された非接触式スイッチ制御システム。
【請求項7】
前記処理部に接続され、動作モードのプロンプトを提供するためのプロンプトユニットを更に備えることを特徴とする、請求項1に記載された非接触式スイッチ制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触式スイッチ制御システムに関するものであり、特に清掃作業に使用される機能を備えた非接触式スイッチ制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
非接触式の製品は、接触によるウイルスの感染リスクを避けることができるが、灰塵などの要因により、使用中に清掃が必要である。
【0003】
清掃員が、現行の非接触式スイッチ(例:フローティングタッチのスイッチなど)を清掃する際、清掃作業の必要性により、非接触式スイッチが清掃作業中に不必要に頻繁に誤って触られて起動することがよくある。
【発明の概要】
【0004】
そのために、本発明は非接触式スイッチ制御システムを提供するものである。前記非接触式スイッチ制御システムは、スイッチ群、記憶部、処理部を備える。スイッチ群には複数の非接触式スイッチが含まれ、複数の非接触式スイッチには、1つまたは複数の第1非接触式スイッチと1つまたは複数の第2非接触式スイッチが含まれる。本発明の非接触式スイッチ制御システムでは、第1の動作モード(待機モード)と第2の動作モード(清掃モード、無効化モード)を備えることができる。また、非接触式スイッチは、フローティングタッチエリアで検知対象の検知信号を受信し、その検知信号を処理部に送信することで、処理部は記憶部に記憶された制御プログラムを実行しスイッチの状態を変更することができる。検知対象は外部装置であってもよく、不特定の物体であってもよい。処理部は、複数の非接触式スイッチのうちの1つまたは複数を第1非接触式スイッチとして、また、1つまたは複数を第2非接触式スイッチとして用いることができ、第1非接触式スイッチが第1の動作モード(待機モード)で識別信号を受信すると、非接触式スイッチ制御システムは第2の動作モード(清掃モード、無効化モード)に入り、処理部は、例えば無効にする指令を送信することにより第2の動作モードにおける第2非接触式スイッチを無効にでき、複数の非接触式スイッチのうち第2非接触式スイッチとして指定された非接触式スイッチのスイッチ機能を失わせ、清掃員が清掃作業中に誤って触れて非接触式スイッチを起動させるのを防止することができる。
【0005】
本発明が提供する非接触式スイッチ制御システムは、検知対象の検知信号を受信するための第1非接触式スイッチと第2非接触式スイッチを含むスイッチ群と、制御プログラムを記憶するための記憶部と、スイッチ群と記憶部に接続され、制御プログラムを実行し、検知信号に基づいてスイッチ群を制御するための処理部と、を備える。前記制御プログラムは、第1の動作モードで第1非接触式スイッチが識別信号を受信したかどうかを判定し、第1の判定結果を取得する工程と、第1の判定結果が「はい」である場合、非接触式スイッチ制御システムは第2の動作モードに入り、第2非接触式スイッチを無効にする工程と、を備える。
【0006】
本発明の一実施例において、前記非接触式スイッチ制御システムは、処理部に接続され、第1の時間セグメントを計数するための計時ユニットを更に備える。前記制御プログラムは、非接触式スイッチ制御システムが第2の動作モードに入ると、計時ユニットが第1の時間セグメントの計数を開始する工程と、第1の時間セグメントの計数が終了すると、非接触式スイッチ制御システムが第1の動作モードに戻る工程と、を更に備える。
【0007】
本発明の一実施例において、前記非接触式スイッチ制御システムのスイッチ群は、外部装置から送信される外部信号を含む識別信号を受信するための受信部を備える。
【0008】
本発明の一実施例において、前記非接触式スイッチ制御システムのスイッチ群は照射部と受信部を備え、識別信号は内部信号の反射信号を備える。照射部は検知対象に内部信号を送信し、受信部は内部信号の反射信号を受信する。
【0009】
本発明の一実施例において、前記非接触式スイッチ制御システムの計時ユニットは、第2の時間セグメントを計数するために更に用いられる。制御プログラムは、第1非接触式スイッチが識別信号を受信すると、計時ユニットが第2の時間セグメントの計数を開始し、第1非接触式スイッチが第2の時間セグメント内において識別信号を受信し続けているかどうかを判定し、第2の判定結果を取得する工程と、第2の判定結果が「はい」である場合、非接触式スイッチ制御システムは第2の動作モードに入り、第2非接触式スイッチを無効にする工程と、を更に備える。
【0010】
本発明の一実施例において、前記非接触式スイッチ制御システムは、処理部に接続され、検知計数を計数するための計数ユニットを更に備える。前記計時ユニットは第2の時間セグメントを計数するために更に用いられる。前記制御プログラムは、第1非接触式スイッチが識別信号を受信すると、計時ユニットが第2の時間セグメントの計数を開始し、第2の時間セグメント内における検知計数が検知計数の閾値以上であるかどうかを判定し、第3の判定結果を取得する工程と、第3の判定結果が「はい」である場合、非接触式スイッチ制御システムは第2の動作モードに入り、第2非接触式スイッチを無効にする工程と、を更に備える。
【0011】
本発明の一実施例において、前記非接触式スイッチ制御システムは、処理部に接続され、動作モードのプロンプトを提供するためのプロンプトユニットを更に備える。
【0012】
以上をまとめると、本発明の非接触式スイッチ制御システムは、複数の非接触式スイッチのうち1つまたは複数を第1非接触式スイッチとし、1つまたは複数を第2非接触式スイッチとして用いることができる。第1非接触式スイッチが第1の動作モード(待機モード)で識別信号を受信すると、非接触式スイッチ制御システムは第2の動作モード(清掃モード、無効化モード)に入り、処理部は、例えば無効にする指令を送信することにより、第2の動作モードにおける第2非接触式スイッチを無効にでき、複数の非接触式スイッチのうち第2非接触式スイッチとして指定された非接触式スイッチのスイッチ機能を失わせ、清掃員が清掃作業中に誤って触れて非接触式スイッチを起動させるのを防止することができる。本発明は、上記の構造により、清掃の過程で清掃員が誤って触れることによって非接触式スイッチが起動することはない。例えば、本発明は、エレベーターシステムに応用することができ、清掃員が清掃作業を行っている間、清掃作業によって本発明の非接触式スイッチが誤って触れられて作動することはない。したがって、エレベーターシステムなどに本発明を応用する場合、不要なエレベーターの呼び出し動作を減らすことができ、電力の節約や利用者の待ち時間の短縮などの技術的効果を有する。
【0013】
本発明の上述した、若しくはその他の目的、特徴、利点をより明確に理解できるように、以下に実施例を挙げ、添付された図面を参照しながら、以下のように詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施例が提供する非接触式スイッチ制御システムのブロック図である。
図2】本発明の一実施例が提供する非接触式スイッチのブロック図である。
図3】本発明の一実施例が提供するフローティングタッチディスプレイのスイッチの概略図である。
図4】本発明の一実施例が提供するフローチャートである。
図5】本発明の別の実施例が提供する非接触式スイッチ制御システムのブロック図である。
図6】本発明の別の実施例が提供するフローチャートである。
図7】本発明の更なる実施例が提供する非接触式スイッチ制御システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1と2を参照すると、図1は、本発明の一実施例が提供する非接触式スイッチ制御システムのブロック図であり、図2は、本発明の一実施例が提供する非接触式スイッチのブロック図である。
【0016】
本実施例において、本発明の非接触式スイッチ制御システム1は、スイッチ群SWS、処理部PU、記憶部SU、計時ユニットTUを備える。前記スイッチ群SWSには、複数の非接触式スイッチNCSWが含まれ、処理部PUは、複数の非接触式スイッチNCSW、記憶部SU、計時ユニットTUに接続する。
【0017】
本実施例において、本発明の非接触式スイッチ制御システム1の動作モードには、第1の動作モード(待機モード)と第2の動作モード(清掃モード、無効化モード)が含まれ、非接触式スイッチ制御システム1は、非接触式スイッチNCSWによってフローティングタッチエリア内で検知対象STの検知信号を受信し、その検知信号を処理部PUに送信することができる。その後、処理部PUは、記憶部SUに記憶された制御プログラムを実行して各非接触式スイッチNCSWのスイッチの状態を変更または判定する。前記検知対象STは、外部装置EDであっても、不特定の物体OB(例えば、検知対象STは、無線信号送信装置、リモコン、人体、人体の一部、他の検知信号を送信する機能を有する装置または物体などであってもよい。検知対象STの検知信号は、通信プロトコルによって送信される無線信号、人体の静電容量値、赤外光、超音波反射信号などであってもよい)であってもよい。処理部PUは、複数の非接触式スイッチNCSWのうちの少なくとも1つを第1非接触式スイッチ(またはトリガスイッチと言ってもよい)として用いることができ、また、1つまたは複数を第2非接触式スイッチ(つまり、システムで無効にされる非接触式スイッチNCSW)として用いることができる。第1非接触式スイッチが第1の動作モード(待機モード)で識別信号を受信すると、非接触式スイッチ制御システムは第2の動作モード(清掃モード、無効化モード)に入り、処理部は、例えば無効にする指令を送信することにより、第2の動作モードにおける第2非接触式スイッチを無効にでき、複数の非接触式スイッチのうち第2非接触式スイッチとして指定された非接触式スイッチのスイッチ機能を失わせることができる。
【0018】
名詞の定義の不明確性を避けるため、以下では、先に本発明の実施例で用いられる特定の名詞について説明する。
【0019】
本発明において、第1非接触式スイッチとは、第2の動作モード(清掃モード、無効化モード)をトリガするための非接触式スイッチNCSWを指す。非接触式スイッチ制御システム1において、第1非接触式スイッチは、トリガスイッチとして指定または予め設定された非接触スイッチNCSWであってもよい。つまり、第1非接触式スイッチは、スイッチ群SWS内の複数の非接触式スイッチNCSWの中から1つまたは複数が選択され、スイッチ群SWS内の各非接触式スイッチNCSWは、いずれも第1非接触式スイッチとして指定または予め設定される可能性がある。
【0020】
本発明において、第2非接触式スイッチとは、第2の動作モード(清掃モード、無効化モード)において無効にされる非接触式スイッチNCSWを指す。つまり、第2非接触式スイッチは、スイッチ群SWS内の複数の非接触式スイッチNCSWの中から選ばれ、且つ第2非接触式スイッチは、1つであっても複数であってもよい。スイッチ群SWS内の各非接触式スイッチNCSWは、どれも第2非接触式スイッチとして指定または予め設定される可能性がある。一実施例において、スイッチ群SWS内の各非接触式スイッチNCSWは、第1非接触式スイッチと第2非接触式スイッチとして同時に指定または予め設定されてもよい。
【0021】
本発明において、「無効にする」とは、部材がシステム内で元々持っていた機能を失わせる動作を指す。例えば、第2非接触式スイッチを無効にするとは、処理部PUに第2非接触式スイッチからの信号を無視させる動作であったり、処理部PUが制御信号を送信して第2非接触式スイッチに一時的に指令を無視させる動作を指す。一実施例において、処理部PUは停止指令を送信して第2非接触式スイッチの照射部EUに無線信号の送信を停止させ、これにより第2非接触式スイッチが無線信号の反射信号(つまり検知対象STの検知信号)を受信できなくすることで、第2非接触式スイッチNCSW2を無効にすることができ、誤作動を回避する技術効果が得られる。なお、「無効にする」とは、部材がシステム内で元々持っていた機能を失わせる動作(例えばスイッチにトリガ機能を失わせる)を指し、本発明はこの点において実施形態を制限しない。
【0022】
本発明において、識別信号とは、第2の動作モード(清掃モード、無効化モード)をトリガするための信号を指す。例えば、識別信号は、外部装置EDから送信される外部信号(または無線信号と呼んでもよい)であってもよく、第1非接触式スイッチの照射部EUが検知対象STに内部信号を送信してから、検知対象STによって反射された反射信号であってもよい。つまり、識別信号は、内部信号の反射信号であってもよい。識別信号は、外部装置EDから送信される外部信号や内部信号の反射信号を含むことができる。
【0023】
次に、以下の非接触式スイッチNCSWの検知モジュールSMについて説明する。
【0024】
本発明の一実施例において、非接触式スイッチNCSWは、検知モジュールSMとスイッチモジュールSWMを備える。前記検知モジュールSMは、照射部EUと受信部RUを更に含むことができる。
【0025】
例えば、検知モジュールSMは静電容量式検知モジュールであってもよい。検知モジュールSMが静電容量式検知モジュールである場合、検知対象STは人体、人体の一部であっても、検知モジュールSMが検知する容量値を任意に変更させることができる物体OBであってもよい。静電容量式検知モジュールは人体の容量値を検知することができ、処理部PUは容量値の変化に基づいて第1制御信号を送信してスイッチモジュールSWMを制御することができる。
【0026】
例えば、検知モジュールSMは赤外光検知モジュールであってもよい。検知モジュールSMは照射部EUと受信部RUを備えることができる。検知モジュールSMが赤外光検知モジュールである場合、検知対象STは人体、人体の一部であっても、赤外光を照射するための照射部EUから照射される赤外光(つまり、内部信号の反射信号)を反射する物体OBであってもよい。検知モジュールSMの受信部RUは、照射部EUが照射し物体OBによって反射された赤外光を受信することができる。処理部PUは、受信部RUが受信した検知対象の検知信号(つまり内部信号の反射信号)に基づいて制御信号を送信してスイッチモジュールSWMを制御することができる。一実施例において、検知モジュールSMの受信部RUは、検知対象STの検知信号を受信することができる。前記検知信号は、外部装置EDから送信される外部信号を含む。前記外部装置EDには、赤外光無線信号を送信するための送信部が含まれる。
【0027】
例えば、検知モジュールSMは超音波検知モジュールであってもよく、検知モジュールSMは照射部EUと受信部RUを備えることができる。検知モジュールSMが超音波検知モジュールである場合、検知対象STは人体、人体の一部であっても、超音波無線信号を送信するための照射部EUから送信される超音波無線信号(つまり、内部信号の反射信号)を反射する物体OBであってもよい。検知モジュールSMの受信部RUは、照射部EUが照射し物体OBによって反射された超音波無線信号を受信することができる。処理部PUは、受信部RUが受信した検知対象の検知信号(つまり内部信号の反射信号)に基づいて制御信号を送信してスイッチモジュールSWMを制御することができる。一実施例において、検知モジュールSMの受信部RUは、検知対象STの検知信号を受信することができる。前記検知信号は、外部装置EDから送信される外部信号を含む。前記外部装置EDには、超音波無線信号を送信するための送信部が含まれる。
【0028】
一実施例において、内部信号と外部信号は同じ通信プロトコルを使用でき、異なる値のデータを送信することによって、処理部PUは内部信号と外部信号を識別できる。16ビットデータの例を挙げると、送信される内部信号が0x55の場合、外部信号は0x99と定義でき、これにより内部信号と外部信号を区別し、スイッチモジュールSWMのスイッチの状態を制御したり、非接触式スイッチ制御システム1をトリガして第2の動作モードに移行させたりするために使用できる。
【0029】
次に、図3を参照すると、一実施例において、非接触式スイッチNCSWはフローティングタッチディスプレイのスイッチとして実施され、図3は本発明の一実施例が提供するフローティングタッチディスプレイのスイッチの概略図である。前記フローティングタッチディスプレイのスイッチは、フローティングディスプレイモジュールFDMとフローティングタッチモジュールFTMを備える。フローティングディスプレイモジュールFDMは、マイクロレンズアレイMLA、撮像プレートIP、平面レンズPlate、回路基板PCBA、発光ダイオードLED、コネクタCを備える。本実施例のフローティングタッチディスプレイのスイッチは、フローティングタッチモジュールFTM(フローティングタッチモジュールFTMは検知モジュールSMを備える)によってフローティングタッチエリアFTRにおける検知対象STの検知信号を受信することができる。前記フローティングタッチエリアは検知距離と検知角度を含むことができる。検知距離は、検知モジュールSMの検知面から検知対象STまでの距離であり、例えば0から10cmの範囲内で変動することができる。検知角度は、検知モジュールSMの検知面の外縁(例えば0cm)の任意の点から検知失効点(つまり、検知対象STに反応しなくなる距離、例えば10cm)まで内側に収縮することによって形成される角度であり、例えば80度から45度までの範囲内で変動することができる。
【0030】
上記の例は、本発明の非接触式スイッチNCSWの例示的な実施例に過ぎない。本発明は、列挙された実施例に限定されるものではなく、如何なる非接触式スイッチNCSWも検知対象の検知信号を受信するフローティングタッチエリアを提供でき、また、処理部PUによってスイッチモジュールSWMのスイッチの状態を制御する装置であれば、全て本発明の非接触式スイッチNCSWとして用いることができる。
【0031】
次に、以下では、非接触式スイッチNCSWのスイッチモジュールSWMについて説明する。
【0032】
本実施例において、本発明の非接触式スイッチNCSWのスイッチモジュールSWMとは、回路内でスイッチとして使用される装置を指す。スイッチモジュールSWMはスイッチの状態を有する。スイッチの状態とは、スイッチモジュールSWMの回路内でのスイッチの状態を指す。スイッチの状態は、例えば、オープン状態とショート状態を含むことができる。処理部PUは、例えば制御信号を送信してスイッチモジュールSWMのスイッチの状態を切り替えることができる。スイッチモジュールSWMは、他の外部回路に接続でき、処理部PUがスイッチモジュールSWMのスイッチの状態によって外部回路を制御することができる。例えば、スイッチモジュールSWMは、多段式切換スイッチ(回路をオープンまたはショートさせる)であってもよく、トランジスタスイッチ(電圧または電流を制御することによってトランジスタがカットオフ領域または飽和領域に作用し、トランジスタがカットオフ領域に作用する場合には、スイッチの状態は本発明のオープン状態と見なされ、トランジスタが飽和領域に作用する場合は、スイッチの状態は本発明のショート状態と見なされる)であってもよく、論理回路であってもよい。しかし、本発明はこれらに限定されることなく、スイッチの状態を切り替えることにより外部回路を制御できる装置であれば、全て本発明のスイッチモジュールSWMとして用いることができる。
【0033】
本発明の非接触式スイッチ制御システム1は、計時ユニットTUを備える。前記計時ユニットTUとは処理部PUに接続され、時間セグメントを計算するための装置である。例えば、計時ユニットTUは、モーターやコイルなどの部材を用いて、オンオフを繰り返し行い、また、接点のオープンまたはショートの回数を計数することによって時間単位(秒、分、時間など)を計算する計時装置であってもよい。しかし、本発明はこれらに限定されることなく、時間を計算できる装置であれば、全て本発明の計時ユニットTUとして用いることができる。
【0034】
本発明の非接触式スイッチ制御システム1は、記憶部SUを備える。前記記憶部SUとは処理部PUに接続され、制御プログラムを記憶するための装置を指す。前記制御プログラムは、第1の動作モードにおいて、第1非接触式スイッチが識別信号を受信したかどうかを判定し、第1の判定結果を取得する工程と、第1の判定結果が「はい」である場合、非接触式スイッチ制御システムは第2の動作モードに入り、第2非接触式スイッチを無効にする工程と、非接触式スイッチ制御システムが第2の動作モードに入ると、計時ユニットが第1の時間セグメントの計数を開始する工程と、第1の時間セグメントの計数が終了すると、非接触式スイッチ制御システムが第1の動作モードに戻る工程と、第1非接触式スイッチが識別信号を受信すると、計時ユニットが第2の時間セグメントの計数を開始し、第1非接触式スイッチが第2の時間セグメント内において識別信号を受信し続けているかどうかを判定し、第2の判定結果を取得する工程と、第2の判定結果が「はい」である場合、非接触式スイッチ制御システムは第2の動作モードに入り、第2非接触式スイッチを無効にする工程と、第1非接触式スイッチが識別信号を受信すると、計時ユニットは第2の時間セグメントの計数を開始し、第2の時間セグメント内において検知計数が検知計数の閾値以上であるかどうかを判定し、第3の判定結果を取得する工程と、第3の判定結果が「はい」である場合、非接触式スイッチ制御システムは第2の動作モードに入り、第2非接触式スイッチを無効にする工程と、を備える。処理部PUは、制御プログラムを実行するために更に用いられる。例えば、記憶部SUは、不揮発性メモリ、メモリカード、レジスタなどでもよく、または同様の機能を有する他の装置であってもよい。列挙された記憶デバイスの種類は単なる例に過ぎず、本発明はこれらに限定されることなく、同様の機能を有する全ての記憶デバイスは、本発明の記憶部SUとして用いることができる。
【0035】
本発明の非接触式スイッチ制御システム1は処理部PUを備え、前記処理部PUとは、スイッチ群SWS、記憶部SU、計時ユニットTUに接続する装置の処理コアとして用いられ、記憶部SUに記憶された制御プログラムを実行し、スイッチモジュールSWMのスイッチの状態を制御するための装置を指す。例えば、処理部PUは、ワンチップマイコン(MCU、MicroController Unit)、中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)などであってもよく、または同様の機能を有する他の装置であってもよい。列挙された処理部の種類は単なる例に過ぎず、本発明はこれらに限定されることなく、記憶部SUに記憶された制御プログラムを実行し、スイッチモジュールSWMのスイッチの状態を制御できる装置であれば、全て本発明の処理部PUとして用いることができる。
【0036】
次に、図4を参照すると、図4は、本発明の一実施例が提供するフローチャートである。
【0037】
本実施例において、処理部PUは制御プログラムを実行でき、非接触式スイッチ制御システム1に対して以下の工程を実行させる。ステップS100:工程の開始、次にステップS101へ進む。ステップS101:非接触式スイッチ制御システム1が第1の動作モードに入り(つまり、待機モードに入る)、次にステップS103へ進む。ステップS103:第1非接触式スイッチが識別信号を受信したかどうかを判定し、第1の判定結果を取得する(「はい」または「いいえ」)。第1の判定結果が「いいえ」である場合、ステップS101に戻る(つまり、待機モードに戻り、第1非接触式スイッチが識別信号を受信したかどうかをポーリングすることにより判定する)。第1の判定結果が「はい」である場合、ステップS105へ進む。ステップS105:第1の判定結果が「はい」である場合、非接触式スイッチ制御システム1は第2の動作モードに入り(つまり、清掃モード、無効化モードに入る)、次にステップS107へ進む。ステップS107:計時ユニットが第1の時間セグメントの計数を開始する。次にステップS109へ進む。ステップS109:第2非接触式スイッチを無効にしてステップS111へ進む。ステップS111:第1の時間セグメントの計数が終了すると、前記非接触式スイッチ制御システムは第1の動作モードに戻る(つまり、非接触式スイッチ制御システム1は第2の動作モードに入り、予め設定された時間の計数を開始し、予め設定された時間が経過した後に待機モードに戻る)。
【0038】
次に、図5を参照すると、図5は、本発明の別の実施例が提供する非接触式スイッチ制御システム1'のブロック図である。
【0039】
本発明は複数の実施形態を提供する。本発明の各実施例において、同じ符合を使用した部材または装置は、その部材または装置の機能が他の実施例と同じであることを示す。したがって、本発明の各実施例では、同じ機能に関しては繰り返し説明せず、他の実施例と異なる点についてのみ説明を行うものとする。また、各実施例で言及されている事柄と工程は、重複しない限り再配置および組み合わせが可能であり、各実施例に応用することができる。本発明は、列挙された実施例に限定されるものではない。
【0040】
本実施例において、本発明の非接触式スイッチ制御システム1'は、スイッチ群SWS、処理部PU、記憶部SU、計時ユニットTU、計数ユニットCUを備える。スイッチ群SWSには複数の非接触式スイッチNCSWが含まれ、処理部PUは複数の非接触式スイッチNCSW、記憶部SU、計時ユニットTU、計数ユニットCUに接続される。
【0041】
本実施例において、本発明の非接触式スイッチ制御システム1'は計数ユニットCUを更に備え、前記計数ユニットCUとは処理部PUに接続され、識別信号の検知計数を計数するための装置を指す。本発明は、計数ユニットCUによって識別信号の検知計数を計数することができる。例えば、本実施例において、利用者は手で第1非接触式スイッチを複数回トリガでき、計数ユニットCUの検知計数が検知計数の閾値以上になると、非接触式スイッチ制御システム1'を第2の動作モードに移行させることができる。
【0042】
次に、図6を参照すると、図6は、本発明の別の実施例が提供するフローチャートである。
【0043】
本実施例において、処理部PUは制御プログラムを実行でき、非接触式スイッチ制御システム1'に対して以下の工程を実行させる。ステップS200:工程の開始、次にステップS201へ進む。ステップS201:非接触式スイッチ制御システム1'が第1の動作モードに入り(つまり、待機モードに入る)、次にステップS203へ進む。ステップS203:第1非接触式スイッチが識別信号を受信したかどうかを判定し、第1の判定結果を取得する(「はい」または「いいえ」)。第1の判定結果が「いいえ」である場合、ステップS201へ戻る(つまり、待機モードに戻り、第1非接触式スイッチが識別信号を受信したかどうかをポーリングすることにより判定する)。第1の判定結果が「はい」である場合、ステップS204へ進む。ステップS204:計時ユニットが第2の時間セグメントの計数を開始し、次にステップS2041またはS2042へ進む(利用者の必要に応じて、ステップS2041またはステップS2042のいずれか一方のみを含むことができる。或いは、ステップS2041とステップS2042の両方を同時に含んでいてもよい)。ステップS2041:第1非接触式スイッチが第2の時間セグメント内において識別信号を受信し続けているか(例えば手を検知モジュールSMのフローティングタッチエリアに置き続ける)どうかを判定し、第2の判定結果を取得する。第2の判定結果が「いいえ」である場合、ステップS201へ進み、第2の判定結果が「はい」である場合、ステップS205へ進む。ステップS2042:第2の時間セグメント内において検知計数が検知計数の閾値以上であるかどうかを判定し、第3の判定結果を取得する。第3の判定結果が「いいえ」である場合、ステップS201へ進み、第3の判定結果が「はい」である場合、ステップS205へ進む。ステップS205:非接触式スイッチ制御システム1'が第2の動作モードに入り(つまり、清掃モード、無効化モードに入る)、次にステップS207へ進む。ステップS207:計時ユニットが第1の時間セグメントの計数を開始し、次にステップS209へ進む。ステップS209:第2非接触式スイッチを無効にしてステップS211へ進む。ステップS211:第1の時間セグメントの計数が終了すると、非接触式スイッチ制御システム1'は第1の動作モードに入る。
【0044】
次に、図7を参照すると、図7は、本発明の一実施例が提供する非接触式スイッチ制御システム1''のブロック図である。
【0045】
本実施例において、本発明の非接触式スイッチ制御システム1''はプロンプトユニットPSUを更に備える。前記プロンプトユニットPSUは処理部PUに接続され、動作モードのプロンプトを提供するために用いられる。前記プロンプトユニットPSUは、非接触式スイッチNCSW内に含まれていてもよく、独立した装置であってもよい。前記プロンプトユニットPSUは、ブザー、発光ダイオード、液晶表示装置などの装置であってもよい。システムが異なる動作モードに入ると、プロンプトユニットPSUは異なるプロンプト情報を提供したり、特定の動作モードでのみプロンプト情報を提供したりすることができる。例えば、清掃員が制御スイッチをトリガしてシステムを第1の動作モードに入れると、プロンプトユニットPSUはプロンプト情報(音声情報、テキスト情報、色の情報など)を送信でき、音を出す、異なる色の発光ダイオードを点灯させる、テキストを表示させるなどの方法で、現在のシステムが清掃モードに入っていること、指定された非接触スイッチNCSWが無効な状態であることを清掃員に通知し、第1の動作モードが終了した後に(つまり、待機モードに入った時)、プロンプト情報の送信を停止する。一実施例において、プロンプトユニットPSUは、異なる動作モードに対してそれぞれ異なるプロンプト情報を送信することもできる。例えば、非接触式スイッチ制御システム1''は、複数の異なる色の発光ダイオードを備えることができ、第1の動作モード、第2の動作モード、待機モードの時にそれぞれ異なる色の発光ダイオードを点灯させ、清掃員に異なる色の発光ダイオードで通知し、現在のシステムの動作モードを迅速に知らせることができ、システムの動作モードを迅速に確認できる技術的効果を実現する。
【0046】
以上をまとめると、本発明の非接触式スイッチ制御システムは、複数の非接触式スイッチのうち1つまたは複数を第1非接触式スイッチとし、1つまたは複数を第2非接触式スイッチとして用いることができる。第1非接触式スイッチが第1の動作モード(待機モード)で識別信号を受信すると、非接触式スイッチ制御システムは第2の動作モード(清掃モード、無効化モード)に入り、処理部は、例えば無効にする指令を送信することにより、第2の動作モードにおける第2非接触式スイッチを無効にでき、複数の非接触式スイッチのうち第2非接触式スイッチとして指定された非接触式スイッチのスイッチ機能を失わせ、清掃員が清掃作業中に誤って触れて非接触式スイッチを起動させるのを防止することができる。本発明は、上記の構造により、清掃の過程で清掃員が誤って触れることによって非接触式スイッチが起動することはない。例えば、本発明は、エレベーターシステムに応用することができ、清掃員が清掃作業を行っている間、清掃作業によって本発明の非接触式スイッチが誤って触れられて作動することはない。したがって、エレベーターシステムなどに本発明を応用する場合、不要なエレベーターの呼び出し動作を減らすことができ、電力の節約や利用者の待ち時間の短縮などの技術的効果を有する。
【0047】
以上、実施例を用いて本発明を開示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者は、本発明の精神範囲から逸脱することなく、いくつかの変更修飾を行うことができる。したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲により限定されるものとする。
【符号の説明】
【0048】
1、1'、1'':非接触式スイッチ制御システム
SWS:スイッチ群
NCSW:非接触式スイッチ
PU:処理部
SU:記憶部
TU:計時ユニット
CU:計数ユニット
PSU:プロンプトユニット
ST:検知対象
OB:物体
ED:外部装置
SM:検知モジュール
EU:照射部
RU:受信部
SWM:スイッチモジュール
FDM:フローティングディスプレイモジュール
FTM:フローティングタッチモジュール
FTR:フローティングタッチエリア
FI:浮動画像
MLA:マイクロレンズアレイ
IP:撮像プレート
Plate:平面レンズ
PCBA:回路基板
C:コネクタ
LED:発光ダイオード
S100~S111:ステップ
S200~S211:ステップ
S2041、S2042:ステップ


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7