(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096671
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】チューリングパターンに従って成形された補強材を有するインフレータブル構造
(51)【国際特許分類】
F15B 15/10 20060101AFI20240709BHJP
A47C 11/00 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
F15B15/10 H
A47C11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023209933
(22)【出願日】2023-12-13
(31)【優先権主張番号】18/086,305
(32)【優先日】2022-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507342261
【氏名又は名称】トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】田中 真人
(72)【発明者】
【氏名】ソン ユイヤン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】補強材を有するインフレータブルを提供すること。
【解決手段】本インフレータブル100は、膨張チャンバ102を含む。膨張チャンバは、外面104と、第1の端106と、第1の端と実質的に反対側の第2の端108と、を有する。膨張チャンバは、収縮状態から膨張状態に膨張するように構成されている。膨張チャンバは、膨張状態で負荷がかかることが可能であって曲がることが可能である。インフレータブルはまた、補強材128を含む。補強材は、膨張チャンバが膨張状態であるときの外面の高応力領域に対応した補強部分を有する。補強材は、外面に取り付けられており、補強部分が外面の高応力領域上に配置されているときに膨張チャンバの負荷強度及び曲げ能力のうちの少なくとも一方を改善するように構成されている。補強材は、外面の高応力領域に基づいたチューリングパターンに従って成形されている。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インフレータブルであって、前記インフレータブルは、
膨張チャンバであって、前記膨張チャンバは、細長い本体及び外面を有し、前記膨張チャンバは、収縮状態から膨張状態に膨張するように構成されており、前記膨張チャンバは、前記膨張状態で負荷がかかることが可能であって曲がることが可能である、膨張チャンバと、
前記膨張チャンバが前記膨張状態であるときに前記外面の高応力領域に対応した補強部分を有する補強材であって、前記補強材は、前記外面に取り付けられており、前記補強材は、前記補強部分が前記外面の前記高応力領域上に配置されているときに前記膨張チャンバの負荷強度及び曲げ能力のうちの少なくとも一方を改善するように構成されており、前記補強材は、前記外面の前記高応力領域に基づいたチューリングパターンに従って成形されている、補強材と、
を備える、インフレータブル。
【請求項2】
前記チューリングパターンは、高応力領域を含む前記外面のトポロジー分析に基づいており、前記チューリングパターンは、前記補強材が前記高応力領域における応力を緩和するように、前記補強部分の少なくとも1つの材料の方位及び剛性分布に対応している、請求項1に記載のインフレータブル。
【請求項3】
前記少なくとも1つの材料は、布地である、請求項2に記載のインフレータブル。
【請求項4】
前記チューリングパターンのピッチ幅は少なくとも部分的に、前記方位及び剛性分布に基づいている、請求項2に記載のインフレータブル。
【請求項5】
前記膨張チャンバは、実質的に真っ直ぐな構成から、前記インフレータブルがU形状を形成した概ね曲がった構成に曲がることが可能であって、前記曲がった構成では、前記膨張チャンバは、引き伸ばされる引張側と、圧縮される圧縮側と、を有する、請求項1に記載のインフレータブル。
【請求項6】
引張詰込要素を含む前記引張側についての引張詰込チャンバであって、前記引張詰込要素は、前記引張詰込チャンバが実質的に真空下にあるときに前記引張詰込チャンバを硬くさせ、それによって、前記膨張チャンバの前記負荷強度及び前記曲げ能力のうちの少なくとも一方を改善する、引張詰込チャンバを更に備える、請求項5に記載のインフレータブル。
【請求項7】
前記引張詰込要素は、詰込層を含み、前記引張詰込チャンバが実質的に真空下にあるときに、前記詰込チャンバは、前記詰込層を一緒に圧縮し、それによって、前記詰込層間の摩擦を増加させ、前記引張詰込チャンバを硬くさせる、請求項6に記載のインフレータブル。
【請求項8】
圧縮詰込要素を含む前記圧縮側についての圧縮詰込チャンバであって、前記圧縮詰込要素は、前記圧縮詰込チャンバが実質的に真空下にあるときに前記圧縮詰込チャンバを硬くさせ、それによって、前記膨張チャンバの前記負荷強度及び前記曲げ能力のうちの少なくとも一方を改善する、圧縮詰込チャンバを更に備える、請求項5に記載のインフレータブル。
【請求項9】
前記圧縮詰込要素は、詰込粒子を含み、前記圧縮詰込チャンバが実質的に真空下にあるときに、前記圧縮詰込チャンバは、前記詰込粒子を一緒に圧縮し、それによって、前記詰込粒子間の摩擦を増加させ、前記圧縮詰込チャンバを硬くさせる、請求項8に記載のインフレータブル。
【請求項10】
インフレータブルであって、前記インフレータブルは、
膨張チャンバであって、前記膨張チャンバは、細長い本体及び外面を有し、前記膨張チャンバは、収縮状態から膨張状態に膨張するように構成されており、前記膨張チャンバは、前記膨張状態で負荷がかかることが可能であって曲がることが可能である、膨張チャンバと、
前記外面に取り付けられた布地補強材であって、前記布地補強材は、前記膨張チャンバが前記膨張状態であるときの前記外面の高応力領域に基づいたチューリングパターンに従って成形されており、前記補強材は、前記高応力領域に対応した補強部分を有し、前記補強材は、前記補強部分が前記外面の前記高応力領域上に配置されているときに前記膨張チャンバの負荷強度及び曲げ能力のうちの少なくとも一方を改善するように構成されており、前記チューリングパターンは、前記外面のトポロジー分析に基づいており、前記チューリングパターンは、前記補強材が前記高応力領域における応力を緩和するように、前記補強部分の少なくとも1つの材料の方位及び剛性分布に対応している、布地補強材と、
を備える、インフレータブル。
【請求項11】
前記チューリングパターンのピッチ幅は少なくとも部分的に、前記方位及び剛性分布に基づいている、請求項10に記載のインフレータブル。
【請求項12】
前記膨張チャンバは、実質的に真っ直ぐな構成から、前記インフレータブルがU形状を形成した概ね曲がった構成に曲がることが可能であって、前記曲がった構成では、前記膨張チャンバは、引き伸ばされる引張側と、圧縮される圧縮側と、を有する、請求項10に記載のインフレータブル。
【請求項13】
引張詰込要素を含む前記引張側についての引張詰込チャンバであって、前記引張詰込要素は、前記引張詰込チャンバが実質的に真空下にあるときに前記引張詰込チャンバを硬くさせ、それによって、前記膨張チャンバの前記負荷強度及び前記曲げ能力のうちの少なくとも一方を改善する、引張詰込チャンバを更に備える、請求項12に記載のインフレータブル。
【請求項14】
前記引張詰込要素は、詰込層を含み、前記引張詰込チャンバが実質的に真空下にあるときに、前記詰込チャンバは、前記詰込層を一緒に圧縮し、それによって、前記詰込層間の摩擦を増加させ、前記引張詰込チャンバを硬くさせる、請求項13に記載のインフレータブル。
【請求項15】
圧縮詰込要素を含む前記圧縮側についての圧縮詰込チャンバであって、前記圧縮詰込要素は、前記圧縮詰込チャンバが実質的に真空下にあるときに前記圧縮詰込チャンバを硬くさせ、それによって、前記膨張チャンバの前記負荷強度及び前記曲げ能力のうちの少なくとも一方を改善する、圧縮詰込チャンバを更に備える、請求項12に記載のインフレータブル。
【請求項16】
前記圧縮詰込要素は、詰込粒子を含み、前記圧縮詰込チャンバが実質的に真空下にあるときに、前記圧縮詰込チャンバは、前記詰込粒子を一緒に圧縮し、それによって、前記詰込粒子間の摩擦を増加させ、前記圧縮詰込チャンバを硬くさせる、請求項15に記載のインフレータブル。
【請求項17】
インフレータブルであって、前記インフレータブルは、
膨張チャンバであって、前記膨張チャンバは、細長い本体及び外面を有し、前記膨張チャンバは、収縮状態から膨張状態に膨張するように構成されており、前記膨張チャンバは、前記膨張状態で負荷がかかることが可能であって曲がることが可能であって、前記膨張チャンバは、実質的に真っ直ぐな構成から、前記インフレータブルがU形状を形成した概ね曲がった構成に曲がることが可能であって、前記曲がった構成では、前記膨張チャンバは、引き伸ばされる引張側と、圧縮される圧縮側と、を有する、膨張チャンバと、
前記外面に取り付けられた布地補強材であって、前記布地補強材は、前記膨張チャンバが前記膨張状態であるときの前記外面の高応力領域に基づいたチューリングパターンに従って成形されており、前記補強材は、前記高応力領域に対応した補強部分を有し、前記補強材は、前記補強部分が前記外面の前記高応力領域上に配置されているときに前記膨張チャンバの負荷強度及び曲げ能力のうちの少なくとも一方を改善するように構成されており、前記チューリングパターンは、前記外面のトポロジー分析に基づいており、前記チューリングパターンは、前記補強材が前記高応力領域における応力を緩和するように、前記補強部分の少なくとも1つの材料の方位及び剛性分布に対応している、布地補強材と、
前記引張側及び前記圧縮側のうちの少なくとも一方についての詰込要素であって、前記詰込要素は、前記膨張チャンバの前記負荷強度及び前記曲げ能力のうちの少なくとも一方を改善するように構成されている、詰込要素と、
を備える、インフレータブル。
【請求項18】
前記チューリングパターンのピッチ幅は少なくとも部分的に、前記方位及び剛性分布に基づいている、請求項17に記載のインフレータブル。
【請求項19】
前記引張側についての引張詰込チャンバであって、前記詰込要素は、前記引張詰込チャンバ内に配置された詰込層を含み、前記引張詰込チャンバが実質的に真空下にあるときに、前記引張詰込チャンバは、前記詰込層を一緒に圧縮し、それによって、前記詰込層間の摩擦を増加させ、前記引張詰込チャンバを硬くさせ、それによって、前記膨張チャンバの前記負荷強度及び前記曲げ能力のうちの少なくとも一方を改善する、引張詰込チャンバを更に備える、請求項17に記載のインフレータブル。
【請求項20】
前記圧縮側についての圧縮詰込チャンバであって、前記詰込要素は、前記圧縮詰込チャンバ内に配置された詰込粒子を含み、前記圧縮詰込チャンバが実質的に真空下にあるときに、前記圧縮詰込チャンバは、前記詰込粒子を一緒に圧縮し、それによって、前記詰込粒子間の摩擦を増加させ、前記圧縮詰込チャンバを硬くさせ、それによって、前記膨張チャンバの前記負荷強度及び前記曲げ能力のうちの少なくとも一方を改善する、圧縮詰込チャンバを更に備える、請求項17に記載のインフレータブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される主題は概して、インフレータブル構造についてのシステム及び方法に関し、より具体的には、インフレータブル構造の外面のトポロジー分析に基づいた設計を有する補強材に関し、補強材は、外面における高応力領域を緩和し、それによって、インフレータブルの負荷強度及び/又は曲げ能力を改善する。
【背景技術】
【0002】
インフレータブル構造は、多種多様な用途を有し得る。例えば、インフレータブル構造は、ソフトアクチュエータやエアバッグなどとして使用され得る。当該インフレータブル構造は、インフレータブル構造の形状を作成する内側バッフル、及び内側バッフルをカバーして当該構造内で膨張流体(例えば、空気)を保持するための布地の覆いを含み得る。負荷を支持するために使用される場合、インフレータブル構造の負荷保持能力は、内側バッフルの設計及び当該構造の内圧に依存し得る。より重い負荷を支持するために、一部のインフレータブル構造は、布地の覆いの強度を増加させるために、特別な機織り又は織込み技術などの特別な製造スキルを必要とする。
【発明の概要】
【0003】
本節は、本開示を概略的に要約したものであって、本開示の完全な範囲又は全ての本開示の特徴の包括的な説明ではない。
【0004】
一実施形態では、例示的なシステム及び方法は、インフレータブルの負荷強度及び/又は曲げ能力を改善するインフレータブル及び補強材に関する。前述のように、インフレータブル構造は、負荷を支持するために使用される場合があって、インフレータブルの負荷保持能力を改善することが有利であり得る。したがって、一実施形態では、インフレータブルは、補強材を含む。補強材は、インフレータブルの外面のトポロジー分析に基づいて設計される。外面は、トポロジー分析により識別される高応力領域を含み得る。補強材が外面に取り付けられるときに補強部分が高応力領域上に配置され、それによって、高応力領域を緩和してインフレータブルの負荷強度及び/又は曲げ能力を改善するように、補強材は、高応力領域に対応した補強部分を含む。
【0005】
一実施形態では、インフレータブルは、膨張チャンバを含む。膨張チャンバは、細長い本体及び外面を有する。膨張チャンバは、収縮状態から膨張状態に膨張するように構成されている。膨張チャンバは、膨張状態で負荷がかかることが可能であって曲がることが可能である。インフレータブルはまた、補強材を含む。補強材は、膨張チャンバが膨張状態であるときの外面の高応力領域に対応した補強部分を有する。補強材は、外面に取り付けられている。補強材は、補強部分が外面の高応力領域上に配置されているときに膨張チャンバの負荷強度及び曲げ能力のうちの少なくとも一方を改善するように構成されている。補強材は、外面の高応力領域に基づいたチューリングパターンに従って成形されている。
【0006】
別の実施形態では、インフレータブルは、膨張チャンバを含む。膨張チャンバは、細長い本体及び外面を有する。膨張チャンバは、収縮状態から膨張状態に膨張するように構成されている。膨張チャンバは、膨張状態で負荷がかかることが可能であって曲がることが可能である。インフレータブルはまた、外面に取り付けられた布地補強材を含む。布地補強材は、膨張チャンバが膨張状態であるときの外面の高応力領域に基づいたチューリングパターンに従って成形されている。補強材は、高応力領域に対応した補強部分を有する。補強材は、補強部分が外面の高応力領域上に配置されているときに膨張チャンバの負荷強度及び曲げ能力のうちの少なくとも一方を改善するように構成されている。チューリングパターンは、外面のトポロジー分析に基づいている。チューリングパターンは、補強材が高応力領域における応力を緩和するように、補強部分の少なくとも1つの材料の方位及び剛性分布に対応している。
【0007】
更に別の実施形態では、インフレータブルは、膨張チャンバを含む。膨張チャンバは、細長い本体及び外面を有する。膨張チャンバは、収縮状態から膨張状態に膨張するように構成されている。膨張チャンバは、膨張状態で負荷がかかることが可能であって曲がることが可能である。膨張チャンバは、実質的に真っ直ぐな構成から、インフレータブルがU形状を形成した概ね曲がった構成に曲がることが可能である。曲がった構成では、膨張チャンバは、引き伸ばされる引張側と、圧縮される圧縮側と、を有する。インフレータブルはまた、外面に取り付けられた布地補強材を含む。布地補強材は、膨張チャンバが膨張状態であるときの外面の高応力領域に基づいたチューリングパターンに従って成形されている。補強材は、高応力領域に対応した補強部分を有する。補強材は、補強部分が外面の高応力領域上に配置されているときに膨張チャンバの負荷強度及び曲げ能力のうちの少なくとも一方を改善するように構成されている。チューリングパターンは、外面のトポロジー分析に基づいている。チューリングパターンは、補強材が高応力領域における応力を緩和するように、補強部分の少なくとも1つの材料の方位及び剛性分布に対応している。インフレータブルはまた、引張側及び圧縮側のうちの少なくとも一方についての詰込要素を含む。詰込要素は、膨張チャンバの負荷強度及び曲げ能力のうちの少なくとも一方を改善するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書の一部において援用され本明細書の一部を構成する添付図面は、本開示の様々なシステム、方法、及び他の実施形態を示す。図において示される要素の境界(例えば、ボックス、ボックスのグループ、又は他の形状)は、境界の一実施形態を表すことが理解されるであろう。一部の実施形態では、1つの要素は、複数の要素として設計されてもよく、又は複数の要素は、1つの要素として設計されてもよい。一部の実施形態では、別の要素の内部構成要素として示される要素は、外部構成要素として実装されてもよく、逆もまた同様である。更に、要素は、縮尺通りに描かれていない場合がある。
【0009】
【
図1A】収縮状態及び真っ直ぐな構成のインフレータブルの例を示す図である。
【
図1B】膨張状態及び真っ直ぐな構成のインフレータブルの例を示す図である。
【
図1C】収縮状態及び曲がった構成のインフレータブルの例を示す図である。
【
図1D】膨張状態及び曲がった構成のインフレータブルの例を示す図である。
【
図2A】補強材無しのインフレータブルの膨張チャンバの例を示す図である。
【
図2B】トポロジー分析を使用して取得される膨張チャンバの外面の方位剛性分布の例を示す図である。
【
図2C】方位及び剛性分布に基づいて生成される空間充填チューリングパターンの例を示す図である。
【
図2D】空間充填チューリングパターンに基づいて作成された外面の補強材の例を示す図である。
【
図3】チューリングパターンに従って補強材を設計する方法のフローチャートを示す図である。
【
図4A】詰込(ジャミング)要素を含む詰込チャンバを含む、真っ直ぐな構成の
図1A及び
図1Bのインフレータブルの例を示す図である。
【
図4D】
図4Cのインフレータブルの例を示し、ここで、詰込チャンバは実質的に真空下にあって、詰込要素は圧縮されている図である。
【
図5】詰込チャンバの圧力が低下するときの、詰込構成対非詰込構成のインフレータブルの引張剛性比を描写したグラフを示す図である。
【
図6】インフレータブルを動作させるインフレータブル作動システムを示す図である。
【
図7】インフレータブル作動システムを動作させる方法を示す図である。
【
図8A】ベンチシートとして構成されたインフレータブルの例を示す図である。
【
図8B】ソフトロボットアームとして構成されたインフレータブルの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
インフレータブルの1つ以上の特性を改善することに関連するシステム、方法、及び他の実施形態が本明細書に開示される。1つ以上の機構では、インフレータブルは、管状の細長い本体を有し、当該本体は、インフレータブルベンチシート、ソフトロボットアーム、又は記載された改善の恩恵を受ける別のタイプのインフレータブルデバイスとして構成され得る。概略的な説明として、インフレータブルは、外面を有し、インフレータブルを膨張させているとき、高応力領域が外面に存在し得る。外面に高応力領域が存在することにより、その上に配置されるオブジェクトなどからの負荷を受ける場合、及び/又は曲げられる場合、インフレータブルが弱くなり得る。インフレータブルが応力に対応する方法を改善するために、本開示の手法は、外面のトポロジー分析により高応力領域の場所を識別することを含む。したがって、1つ以上の機構では、インフレータブルの構造は、外面に対する補強材の取り付けを含む。概して、補強材の形態は、高応力領域を緩和するように設計される。1つ以上の機構では、補強材を外面に取り付けることで、高応力領域内の応力を緩和し、したがって、補強材の負荷強度及び/又は曲げ能力を改善するように、補強材は、高応力領域に対応した補強部分を含む。
【0011】
図1A~
図1Dを参照すると、インフレータブル100の例が示されている。インフレータブル100は、補強材を含み、当該補強材は、トポロジー分析により設計されており、補強材の負荷強度及び/又は曲げ能力を改善するように構成されている。インフレータブル100は、膨張チャンバ102を有する。一部の機構では、示されているように、インフレータブル100は、細長い本体を有する。膨張チャンバ102は、外面104と、第1の端106と、第2の端108と、を有する。膨張チャンバ102は、任意の好適なソフトでフレキシブルな材料から作られている。例えば、膨張チャンバ102は、布地又はプラスチックから作られている。細長い本体により、人が座るベンチシート、アイテムをつかむソフトロボットアーム、又は別のタイプの曲がることが可能な細長いデバイスとしてインフレータブル100を使用することが可能になり得る。
【0012】
様々な構成では、膨張チャンバ102は、膨張及び収縮するように提供される。したがって、膨張チャンバ102は、
図1B及び
図1Dで描写される膨張状態110と、
図1A及び
図1Cで描写される収縮状態112と、を有する。膨張状態110では、膨張チャンバ102は実質的に、流体で満たされている。膨張状態110では、膨張チャンバ102は実質的に、インフレータブル100が負荷を受けて著しく変形することなく負荷を支持できるように加圧されている。好適な流体を用いて膨張チャンバ102を膨張させることができ、例えば、気体(例えば、空気)又は液体を用いて膨張チャンバ102を膨張させることができる。収縮状態112では、膨張チャンバ102は実質的に、流体で満たされていない。換言すれば、収縮状態112では、膨張チャンバ102は、流体を含まないか、又は部分的に流体で満たされている。膨張チャンバ102が部分的に流体で満たされている場合、膨張チャンバ102は、膨張しているが、膨張チャンバ102が負荷を支持することができる状態までは膨張していない。収縮状態112では、膨張チャンバ102は実質的に加圧されておらず、インフレータブル100は、負荷を支持することができない場合がある。収縮状態112では、膨張チャンバ102は、フレキシブルで折り畳み可能であって、その結果、インフレータブル100は、保管のために容易にコンパクトにされる。インフレータブル100は、膨張ポート114を含み、膨張ポート114は、膨張チャンバ102に流体接続されており、
図6に示される膨張ポンプに接続可能である。膨張ポンプは、膨張ポート114を通じて膨張チャンバ102内にポンプで流体を入れて膨張チャンバ102を膨張させるように動作可能であって、膨張ポート114を通じて膨張チャンバ102からポンプで流体を出して膨張チャンバ102を収縮させるようにも動作可能である。
【0013】
一部の例では、インフレータブル100は、例えば、膨張状態110であるときにインフレータブル100上に置かれる1つ以上のオブジェクトを支持することによって負荷がかかるように構成されている。したがって、膨張チャンバ102は、負荷強度を有する。一部の例では、負荷強度は、インフレータブル100が著しい変形又は壊滅的な崩壊を伴うことなく支持することが可能であり得る重量に対応している。著しい変形の例には、インフレータブル100が負荷を支持することができない例、又はインフレータブル100が負荷を支持することができるが、負荷がインフレータブル100上で安定して支持されない例が含まれ得る。一部の例では、インフレータブル100はまた、曲がることが可能であるように構成されている。例えば、インフレータブル100は、インフレータブル100が略直線形状を有する、
図1A及び
図1Bで描写されるような実質的に真っ直ぐな構成116から、インフレータブル100が略U形状を有する、
図1C及び
図1Dで描写されるような(例えば、約3度を超えて)実質的に曲がった構成118に曲がることが可能である。曲がった構成118では、インフレータブル100は、引張側120と、圧縮側122と、を有する。引張側120は、インフレータブル100が曲がった構成118であるときにインフレータブル100において概ね引き伸ばされている側であって、圧縮側122は、インフレータブル100が曲がった構成118であるときにインフレータブル100において概ね圧縮されている側である。したがって、膨張チャンバ102は、曲げ能力を有する。一部の例では、曲げ能力は、インフレータブル100のねじれ又はインフレータブル100の材料の引き裂きなどのインフレータブル100に対する損傷をインフレータブル100が伴わないように構成された曲げ量に対応している。
【0014】
一部の例では、インフレータブル100が膨張状態110であるときに、低応力領域124及び高応力領域126が外面104に存在し得る。外面104における低応力領域124及び高応力領域126の存在は、膨張チャンバ102内の内圧の不均一な分布によるものであり得る。低応力領域124は、膨張チャンバ102が著しく引き伸ばされていないか、応力を加えられていないか、圧縮されていないか、又は他の場合には引っ張られていない外面104の領域に対応し得る一方、高応力領域126は、膨張チャンバ102が著しく引き伸ばされているか、応力を加えられているか、圧縮されているか、又は他の場合には引っ張られている外面104の領域に対応し得る。一部の例では、高応力領域126の存在は、膨張チャンバ102の負荷強度及び/又は曲げ能力を低下させる。
【0015】
したがって、膨張チャンバ102の負荷強度及び/又は曲げ能力を改善することが有利であり得る。したがって、少なくとも1つの構成では、インフレータブル100は、補強材128を含む。ある手法では、補強材128は、外面104に取り付けられる。示されているように、補強材128は、高応力領域126に対応した補強部分130を含む。補強材128が外面104に取り付けられる場合、補強部分130は、高応力領域126に対応するように配置され、その結果、補強材128は、高応力領域126における応力を緩和する。このようにして、膨張チャンバ102の負荷強度及び/又は曲げ能力が改善される。補強材128は、任意の好適な材料(例えば、補強材料)で作られ、例えば、補強材128は、布地又はプラスチックで作られる。一部の例では、補強材128は、膨張チャンバ102と同じ材料で作られる。更に、一部の例では、補強材128は、複数の異なる材料で作られ得る。補強材128は、任意の好適な方法で外面104に取り付けられ得、例えば、補強材128は、接着、縫製、布地接着などによって外面104に取り付けられ得る。
【0016】
高応力領域126は、外面104に焦点を当てた分析プロセスを介して識別され得る。計算デバイスは、分析プロセスを行い得る。一例では、計算デバイスは、外面104において行われるトポロジー分析を使用して高応力領域126を識別する。インフレータブルが収縮状態112であるときに高応力領域126が外面104に存在しない場合があるため、計算デバイスは、インフレータブル100が膨張状態110であるときに外面104においてトポロジー分析を行い得る。
図2A~
図2Cに示されるように、計算デバイスは、インフレータブルが真っ直ぐな構成116であるときの外面104に基づいてトポロジー分析を行うが、他の例では、計算デバイスは、インフレータブルが曲がった構成118であるときの外面104に基づいてトポロジー分析を行う。
【0017】
ここで、
図2Aを参照すると、膨張チャンバ102の例が示されている。
図2Aに示されるように、膨張チャンバ102は、真っ直ぐな構成116及び膨張状態110である。計算デバイスは、補強材128の材料の最適な方位及び剛性分布200を取得するように外面104においてトポロジー分析を行い得る。方位及び剛性分布200は、補強部分130の方位及び補強材料の剛性を示す。方位及び剛性分布200の例が
図2Bに示されている。描写されているように、方位及び剛性分布200は、方位線210を含む。各線の方向は、補強材128の材料の方位を示しており、各線の陰影は、補強材128の材料の剛性値を示している。例えば、より暗い陰影は、より硬い材料を示し得る一方、より明るい陰影は、より軟らかい材料を示し得る。ある手法では、方位及び剛性分布200が取得されると、計算デバイスは、方位及び剛性分布200を空間充填チューリングパターン220に変換する。
図2Cは、
図2Bの方位及び剛性分布200に基づいて生成される空間充填ターンパターンの例を示す。一例では、計算デバイスは、反応拡散方程式のシミュレーションを使用して、方位及び剛性分布200を空間充填チューリングパターン220に変換する。一部の例では、反応拡散シミュレーションで、トポロジー分析から取得される異方性弾性特性は、異方性拡散特性と見なされる。一部の例では、計算デバイスが反応拡散方程式を解くと、計算デバイスは、空間充填チューリングパターン220を自動的に生成する。更に、一部の例では、計算デバイスは、反応拡散方程式のパラメータを制御して方位及び剛性分布200を使用することによってチューリングパターン220のピッチ幅を変更し得る。計算デバイスが空間充填チューリングパターン220を生成すると、補強材128は、チューリングパターン220に基づいて作成される。
図2Dは、
図2Cのチューリングパターン220に基づいて成形された補強材128の例を示す。
【0018】
ここで、
図3を参照すると、補強材128を設計する例示的な方法が示されている。これは、方法300を実装する単なる一例であることを理解されたい。ある手法では、
図2A~
図2Dと関連して上述した計算デバイスは、方法300を行い得る。ある手法では、ステップ310で、計算デバイスは、方位及び剛性分布200を取得するようにトポロジー分析を行う。上述のように、一部の例では、計算デバイスは、インフレータブル100が膨張状態110であるときに外面104においてトポロジー分析を行う。計算デバイスは、インフレータブルが真っ直ぐな構成116であるときの外面104に基づいてトポロジー分析を行い得るが、他の例では、計算デバイスは、インフレータブルが曲がった構成118であるときの外面104に基づいてトポロジー分析を行う。方位及び剛性分布200は、補強部分130の方位及び補強材128の材料の剛性を示す。
【0019】
ステップ320で、計算デバイスは、方位及び剛性分布200を空間充填チューリングパターン220に変換する。一例では、計算デバイスは、反応拡散方程式のシミュレーションを使用して、方位及び剛性分布200を空間充填チューリングパターン220に変換する。一部の例では、反応拡散シミュレーションで、トポロジー分析から取得される異方性弾性特性は、異方性拡散特性と見なされる。一部の例では、計算デバイスが反応拡散方程式を解くと、計算デバイスは、空間充填チューリングパターン220を自動的に生成する。更に、一部の例では、計算デバイスは、反応拡散方程式のパラメータを制御して方位及び剛性分布200を使用することによってチューリングパターン220のピッチ幅を変更し得る。
【0020】
ステップ330で、方法300は、チューリングパターン220に基づいて補強材128を作成することを含む。一部の例では、チューリングパターン220に基づいて機械が補強材を作成する。他の例では、チューリングパターン220に基づいて人が補強材を作成する。ステップ340で、方法300は、補強材128をインフレータブル100の外面104に適用することを含む。一部の例では、人が、補強材を外面104に適用する。他の例では、機械が、補強材を外面104に適用する。補強材128は、任意の好適な方法で外面104に取り付けられ得、例えば、補強材128は、接着、縫製、布地接着などによって外面104に取り付けられる。方法300は、ステップ350で終了する。
【0021】
ここで、
図4A~
図4Dを参照して、一部の機構では、インフレータブル100はまた、膨張チャンバ102の負荷強度及び/又は曲げ能力を改善するように構成された詰込技術を含む。詰込技術は、1つ以上の詰込要素を含む。一緒に圧縮されると、詰込要素間の摩擦は増加し、インフレータブル100を硬くする。互いに分離されると、詰込要素間の摩擦は減少し、インフレータブル100を軟らかくする。詰込要素は、1つ以上の詰込チャンバ内に配置されている。詰込チャンバは、詰込要素を一緒に圧縮して詰込要素間の摩擦を増加させインフレータブル100を硬くするように構成されている。詰込チャンバはまた、詰込要素が互いに分離されることを可能にして詰込要素間の摩擦を減少させインフレータブル100を軟らかくするように構成されている。一部の例では、詰込チャンバは、膨張チャンバ102に対して、例えば、外面104に対して取り付けられる。他の例では、詰込チャンバは、膨張チャンバ102と一体的に形成される。インフレータブル100は、好適な数の詰込要素及び詰込チャンバを含む。
【0022】
ある構成では、示されているように、インフレータブル100は、引張側120に配置された引張詰込チャンバ400と、圧縮側122に配置された圧縮詰込チャンバ410と、を含む。一例では、示されているように、引張詰込チャンバ400及び/又は圧縮詰込チャンバ410は、膨張チャンバ102に取り付けられるように構成された別々の膨張チャンバ102である。しかしながら、他の機構では、引張詰込チャンバ400及び/又は圧縮詰込チャンバ410は、膨張チャンバ102と一体的に形成される。例えば、膨張チャンバ102は、引張詰込チャンバ400及び/又は圧縮詰込チャンバ410と共に、同じピースの材料から形成され得る。
【0023】
一例では、引張詰込チャンバ400は、詰込層420を含む。一部の機構では、詰込層420は、平坦で薄いピースの材料である。一例では、詰込層420は、セグメント化された弾性フィブリルであるが、詰込層420は、サンドペーパのシート、複数個の糸などの他の好適なタイプの詰込層420であり得る。以下で更に詳細に記載されるように、詰込層420が一緒に圧縮される(例えば、詰め込まれる)場合、詰込層420は、引張詰込チャンバ400を硬くさせるように構成されている。詰込層420が一緒に圧縮されていない(例えば、詰め込まれていない)場合、引張詰込チャンバ400は硬くない場合がある。
【0024】
一例では、圧縮詰込チャンバ410は、詰込粒子430を含む。一部の機構では、詰込粒子430は、実質的に球形の小さいピースの材料である。一例では、詰込粒子430は、コーヒー豆であるが、詰込粒子430は、プラスチックビーズ、砂利、米などの他の好適なタイプの詰込粒子430であり得る。以下で更に詳細に記載されるように、詰込粒子430が一緒に圧縮される(例えば、詰め込まれる)場合、詰込粒子430は、圧縮詰込チャンバ410を硬くさせるように構成されている。詰込粒子430が一緒に圧縮されていない(例えば、詰め込まれていない)場合、圧縮詰込チャンバ410は硬くない場合がある。
【0025】
図4A~
図4Dは、詰込層420を有するものとしての引張詰込チャンバ400、及び詰込粒子430を有するものとしての圧縮詰込チャンバ410を示しているが、引張詰込チャンバ400は詰込層420を有するものに限定されず、圧縮詰込チャンバ410は詰込粒子430を有するものに限定されないことを理解されたい。実際、引張詰込チャンバ400は、詰込粒子430を有していてもよく、圧縮詰込チャンバ410は、詰込層420を有していてもよい。更に、一部の機構では、引張詰込チャンバ400及び/又は圧縮詰込チャンバ410は各々、詰込層420及び詰込粒子430の両方を有していてもよい。
【0026】
詰込チャンバは、詰込チャンバに流体接続された1つ以上の詰込チャンバ膨張ポート114を含み得る。一例では、
図4A~
図4Dに示されるように、引張詰込チャンバ400は、引張詰込チャンバ膨張ポート440を含み、引張詰込チャンバ膨張ポート440は、引張詰込チャンバ400に流体接続されており、
図6に示される引張詰込チャンバポンプ630に接続されるように構成されている。引張詰込チャンバポンプ630は、引張詰込チャンバ膨張ポート440を通じて引張詰込チャンバ400内にポンプで流体を入れて引張詰込チャンバ400を膨張させるように動作可能であって、引張詰込チャンバ膨張ポート440を通じて引張詰込チャンバ400からポンプで流体を出して引張詰込チャンバ400を収縮させるようにも動作可能である。同様に、一例では、圧縮詰込チャンバ410は、圧縮詰込チャンバ膨張ポート450を含み得、圧縮詰込チャンバ膨張ポート450は、圧縮詰込チャンバ410に流体接続されており、
図6に示される圧縮詰込チャンバポンプ640に接続されるように構成されている。圧縮詰込チャンバポンプ640は、圧縮詰込チャンバ膨張ポート450を通じて圧縮詰込チャンバ410内にポンプで流体を入れて圧縮詰込チャンバ410を膨張させるように動作可能であって、圧縮詰込チャンバ膨張ポート450を通じて圧縮詰込チャンバ410からポンプで流体を出して圧縮詰込チャンバ410を収縮させるようにも動作可能である。
【0027】
一部の機構では、詰込チャンバは、
図4B及び
図4Dで描写されるような硬い状態460と、
図4A及び
図4Cで描写されるような軟らかい状態470と、を有する。硬い状態460では、詰込チャンバポンプは、詰込チャンバから実質的に全ての流体をポンプで出す(例えば、詰込チャンバを収縮させる)ように動作し、詰込チャンバに対して詰込要素を一緒に圧縮させて詰込要素間の摩擦を増加させ、したがって、詰込チャンバを硬くさせる。引張詰込チャンバ400を参照して、硬い状態460では、引張詰込チャンバポンプ630は、引張詰込チャンバ400から実質的に全ての流体をポンプで出して引張詰込チャンバ400を実質的に真空下にするように動作する。引張詰込チャンバ400が実質的に真空下にある場合、引張詰込チャンバ400は、詰込層420を一緒に圧縮し、詰込層420間の摩擦を増加させ、したがって、引張詰込チャンバ400を硬くさせる。圧縮詰込チャンバ410を参照して、硬い状態460では、圧縮詰込チャンバポンプ640は、圧縮詰込チャンバ410から実質的に全ての流体をポンプで出して圧縮詰込チャンバ410を実質的に真空下にするように動作する。圧縮詰込チャンバ410が実質的に真空下にある場合、圧縮詰込チャンバ410は、詰込粒子430を一緒に圧縮し、詰込粒子430間の摩擦を増加させ、したがって、圧縮詰込チャンバ410を硬くさせる。
【0028】
軟らかい状態470では、詰込チャンバポンプは、詰込チャンバ内にポンプで流体を入れて(例えば、詰込チャンバを膨張させて)詰込要素を分離させ詰込要素間の摩擦を低減するように動作し、したがって、詰込チャンバを軟らかくさせる。引張詰込チャンバ400を参照して、軟らかい状態470では、引張詰込チャンバポンプ630は、引張詰込チャンバ400内にポンプで流体を入れて引張詰込チャンバ400を真空下にしないように動作する。引張詰込チャンバ400が真空下にない場合、詰込層420は分離され、詰込層420間の摩擦は減少し、したがって、引張詰込チャンバ400を軟らかくさせる。圧縮詰込チャンバ410を参照して、軟らかい状態470では、圧縮詰込チャンバポンプ640は、圧縮詰込チャンバ410内にポンプで流体を入れて圧縮詰込チャンバ410を真空下にしないように動作する。圧縮詰込チャンバ410が真空下にない場合、詰込粒子430は分離され、詰込粒子430間の摩擦は減少し、したがって、圧縮詰込チャンバ410を軟らかくさせる。
【0029】
一部の機構では、引張詰込チャンバ400及び/又は圧縮詰込チャンバ410を硬くさせることはまた、インフレータブル100を全体的に硬くさせ、したがって、膨張チャンバ102の負荷強度及び/又は曲げ能力を改善する。例えば、膨張状態110で硬い場合、インフレータブル100は、インフレータブル100が膨張状態110で軟らかい場合よりも高い負荷を支持することが可能であり得る。同様に、引張詰込チャンバ400及び/又は圧縮詰込チャンバ410を軟らかくさせることはまた、インフレータブル100を全体的に軟らかくさせる。ここで、
図4B及び
図4Dを参照して、インフレータブル100が膨張状態110である場合、インフレータブル100は、
図4Bで描写されるような真っ直ぐな構成116、又は
図4Dで描写されるような曲がった構成118で硬くなり得る。
図4Bは、膨張状態110、真っ直ぐな構成116、及び硬い状態460のインフレータブル100を示す。
図4Dは、膨張状態110、曲がった構成118、及び硬い状態460のインフレータブル100を示す。ここで、
図4A及び
図4Cを参照して、インフレータブル100が収縮状態112である場合、インフレータブル100は、
図4Aで描写されるような真っ直ぐな構成116、又は
図4Cで描写されるような曲がった構成118で軟らかくなり得る。
図4Aは、収縮状態112、真っ直ぐな構成116、及び軟らかい状態470のインフレータブル100を示す。
図4Cは、収縮状態112、曲がった構成118、及び軟らかい状態470のインフレータブル100を示す。
【0030】
図4A~
図4Dに示されるように、引張詰込チャンバポンプ630及び圧縮詰込チャンバポンプ640は、別々のポンプである。このようにして、引張詰込チャンバ400及び圧縮詰込チャンバ410を独立して膨張及び/又は収縮させることができる。しかしながら、一部の機構では、引張詰込チャンバポンプ630及び圧縮詰込チャンバポンプ640は、引張詰込チャンバ400及び圧縮詰込チャンバ410を同時に膨張及び/又は収縮させることができるように、一体の同じポンプであってもよいことを理解されたい。膨張チャンバポンプ620、引張詰込チャンバポンプ630、及び/又は圧縮詰込チャンバポンプ640は全体として、
図6に示されるインフレータブル100用のポンプシステム610を形成し得る。
【0031】
引張詰込チャンバ400及び/又は圧縮詰込チャンバ410が硬い場合、引張詰込要素及び/又は圧縮詰込要素は、詰込剛性値を有し得る。同様に、引張詰込チャンバ400及び/又は圧縮詰込チャンバ410が硬くない場合、引張詰込要素及び/又は圧縮詰込要素は、非詰込剛性値を有し得る。
図5は、詰込チャンバ内の真空圧力が低下するときの、インフレータブル100の詰込対非詰込剛性比の例を示す。一部の機構では、真空圧力が0kPaである場合、剛性比は0である。真空圧力が~10kPaである場合、剛性比は、約3から約13までであり得る。一例では、真空圧力が~10kPaである場合、剛性比は約8である。真空圧力が~20kPaである場合、剛性比は、約12から約20までであり得る。一例では、真空圧力が~20kPaである場合、剛性比は約16である。真空圧力が~40kPaである場合、剛性比は、約17から約27までであり得る。一例では、真空圧力が~40kPaである場合、剛性比は約23である。
【0032】
一実施形態では、インフレータブル100は、インフレータブル作動システム600の一部であり得る。
図6を参照して、上述のように、インフレータブル作動システム600は、インフレータブル100と、ポンプシステム610と、を含む。ポンプシステム610は、膨張チャンバポンプ620、引張詰込チャンバポンプ630、及び/又は圧縮詰込チャンバポンプ640を含む。インフレータブル作動システム600はまた、プロセッサ660と、メモリ670と、ポンプシステム610が通信可能に接続された制御モジュール680と、を含む。プロセッサ660、メモリ670、及び制御モジュール680は全体として、計算デバイス650として機能し、その制御モジュール680は、全体的に又は部分的に、インフレータブル作動システム600の動作を編成するように採用可能である。具体的には、制御モジュール680は、プロセッサ660によって受信される1つ以上の信号に基づいてインフレータブル作動システム600を動作させる。
【0033】
制御モジュール680は、グローバル制御モジュールであり得る。それに関連して、中央制御システムの一部として、インフレータブル作動システム600は、制御モジュール680が通信可能に接続されたグローバル制御ユニット(GCU)を含み得る。代替的に、制御モジュール680は、グローバル制御モジュールであり得る。それに関連して、中央制御システムの一部として、インフレータブル作動システム600は、制御モジュール680が属するグローバル制御ユニット(GCU)を含み得る。示されているようなインフレータブル作動システム600は、1つの制御モジュール680を含むが、本開示は原則的に、複数の制御モジュールを含む他の場合の同様のインフレータブル作動システムに対して適用可能であることが理解されるであろう。更に、制御モジュール680は、インフレータブル作動システム600の一部として示されているが、制御モジュール680は、インフレータブル作動システム600と別々に配置され得ることが理解されるであろう。制御モジュール680は、プロセッサ660によって実行されると、本明細書に記載されるプロセスのうちの1つ以上を実行するコンピュータ可読プログラムコードとして実装され得る。このようなコンピュータ可読プログラムコードは、メモリ670に記憶され得る。制御モジュール680は、プロセッサ660の一部であり得るか、又はプロセッサ660に通信可能に接続され得る。
【0034】
プロセッサ660は、本明細書に記載されるプロセスのうちのいずれか、又はこのようなプロセスを実行するか若しくはこのようなプロセスを行わせる任意の形態の命令を実行するように構成され得る。プロセッサ660は、1つ以上の汎用プロセッサ又は専用プロセッサを用いて実装され得る。好適なプロセッサの例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ、又はソフトウェアを実行する他の形態の回路が含まれる。好適なプロセッサの他の例には、中央処理装置(CPU)、アレイプロセッサ、ベクトルプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジック回路、又はコントローラが含まれるが、これらに限定されない。プロセッサ660は、プログラムコード内に含まれる命令を実行するように構成された少なくとも1つのハードウェア回路(例えば、集積回路)を含み得る。複数のプロセッサが存在する機構では、プロセッサは、互いに独立して機能し得るか、又は互いに組み合わさって機能し得る。更に、プロセッサ660は、インフレータブル作動システム600の一部として示されているが、プロセッサ660は、インフレータブル作動システム600と別々に配置され得ることが理解されるであろう。好適なメモリ670の例には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(RPOM)、消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハードドライブ、若しくは任意の他の好適な記憶媒体、又はこれらの任意の組合せが含まれる。メモリ670は、プログラムコードに記憶命令を含む。このような命令は、プロセッサ660又は制御モジュール680によって実行可能である。メモリ670は、プロセッサ660若しくは制御モジュール680の一部であり得るか、又はプロセッサ660に対して通信可能に接続され得る。一般的に言うと、制御モジュール680は、プロセッサ660によって実行され得る命令を含む。
【0035】
インフレータブル作動システム600は、1つ以上の信号に応答してポンプシステム610を動作させるように構成されている。信号は、膨張信号と、収縮信号と、硬化信号と、非硬化信号と、を含み得る。膨張信号は、インフレータブル作動システム600に対して膨張チャンバ102を膨張させる。収縮信号は、インフレータブル作動システム600に対して膨張チャンバ102を収縮させる。硬化信号は、インフレータブル作動システム600に対して、インフレータブル100が硬くなるように引張詰込チャンバ400及び/又は圧縮詰込チャンバ410を硬くさせる。非硬化信号は、インフレータブル作動システム600に対して、インフレータブル100が軟らかくなるように引張詰込チャンバ400及び圧縮詰込チャンバ410を軟らかくさせる。
【0036】
プロセッサ660が膨張信号を受信すると、プロセッサ660は、膨張チャンバ102を膨張させるように膨張ポンプを動作させ、引張詰込チャンバ400を膨張させるように引張詰込チャンバ400膨張ポンプを動作させるように構成されている。プロセッサ660が収縮信号を受信すると、プロセッサ660は、膨張チャンバ102を収縮させるように膨張ポンプを動作させ、引張詰込チャンバ400を収縮させるように引張詰込チャンバ400膨張ポンプを動作させるように構成されている。プロセッサ660が硬化信号を受信すると、プロセッサ660は、引張詰込チャンバ400を実質的に真空下にするように引張詰込チャンバ400膨張ポンプを動作させ、及び/又は圧縮詰込チャンバ410を実質的に真空下にするように圧縮詰込チャンバ410膨張ポンプを動作させるように構成されている。プロセッサ660が非硬化信号を受信すると、プロセッサ660は、引張詰込チャンバ400を膨張させるように引張詰込チャンバ400膨張ポンプを動作させ、及び/又は圧縮詰込チャンバ410を膨張させるように圧縮詰込チャンバ410膨張ポンプを動作させるように構成されている。
【0037】
ここで、
図7を参照すると、インフレータブル作動システム600を動作させる方法700の例が示されている。計算デバイス650は、方法700を実行するように構成され得る。ステップ702で、ある手法では、計算デバイス650は、膨張チャンバ102が膨張状態110であるかどうかを決定する。例えば、計算デバイス650は、膨張チャンバ102が実質的に流体で満たされているかどうかを決定し得る。膨張チャンバ102が膨張状態110でない(例えば、インフレータブル100が収縮状態112であって実質的に流体で満たされていない)場合、方法700は、ステップ704に進み得る。ステップ704で、計算デバイス650は、膨張信号が受信されたかどうかを決定し得る。膨張信号は、膨張チャンバ102を膨張させるように制御モジュール680に命令する、プロセッサ660によって受信される信号であり得る。膨張信号が受信される場合、方法700は、ステップ706に進み得る。ステップ706で、計算デバイス650は、膨張チャンバ102を膨張させる。例えば、計算デバイス650は、膨張チャンバ102内にポンプで流体を入れるように膨張チャンバポンプ620を動作させる。膨張信号が受信されない場合、方法700は、ステップ702に戻り得る。インフレータブル100が膨張状態110である場合、方法700は、ステップ708に進み得る。ステップ708で、計算デバイス650は、収縮信号が受信されたかどうかを決定する。収縮信号は、膨張チャンバ102を収縮させるように制御モジュール680に命令する、プロセッサ660によって受信される信号であり得る。収縮信号が受信される場合、方法700は、ステップ710に進み得る。ステップ710で、計算デバイス650は、膨張チャンバ102を収縮させる。例えば、計算デバイス650は、膨張チャンバ102からポンプで流体を出すように膨張チャンバポンプ620を動作させる。収縮信号が受信されない場合、方法700は、ステップ702に戻り得る。
【0038】
方法700は、ステップ706又は710からステップ712に進み得る。ステップ712で、ある手法では、計算デバイス650は、インフレータブル100が硬いかどうか(例えば、インフレータブル100が硬い状態460であるかどうか)を決定する。これは、詰込要素が一緒に圧縮され、したがって硬くなるように、引張詰込チャンバ400及び/又は圧縮詰込チャンバ410が実質的に真空下にあるかどうかを決定することを含み得る。インフレータブル100が硬くない場合、方法700は、ステップ714に進み得る。ステップ714で、計算デバイス650は、硬化信号が受信されたかどうかを決定することを含む。硬化信号は、インフレータブル100を硬くさせるように制御モジュール680に命令する、プロセッサ660によって受信される信号であり得る。硬化信号が受信された場合、方法700は、ステップ716に進み得る。ステップ716で、計算デバイス650は、インフレータブル100を硬くさせる。例えば、プロセッサ660によって受信されると、硬化信号は、制御モジュール680に命令して、引張詰込チャンバ400及び/又は圧縮詰込チャンバ410を実質的に真空下にするようにポンプシステム610を動作させ、それによって、詰込要素を一緒に圧縮してインフレータブル100を硬くし得る。次いで、方法700は、開始に戻り得る。硬化信号が受信されなかった場合、方法700は、ステップ712に戻り得る。
【0039】
インフレータブル100が硬い場合、方法700は、ステップ718に進み得る。ステップ718で、計算デバイス650は、非硬化信号が受信されたかどうかを決定する。非硬化信号は、インフレータブル100を軟らかくさせるように制御モジュール680に命令する、プロセッサ660によって受信される信号であり得る。非硬化信号が受信された場合、方法700は、ステップ720に進み得る。ステップ720で、計算デバイス650は、インフレータブル100を軟らかくさせる。例えば、プロセッサ660によって受信されると、非硬化信号は、制御モジュール680に命令して、引張詰込チャンバ400及び圧縮詰込チャンバ410を膨張させるようにポンプシステム610を動作させ、それによって、詰込要素を分離してインフレータブル100を軟らかくし得る。次いで、方法700は、開始に戻り得る。非硬化信号が受信されなかった場合、方法700は、ステップ712に戻り得る。
【0040】
インフレータブル100及び/又はインフレータブル作動システム600は、様々な用途で使用され得る。例えば、
図8Aに示されるように、インフレータブル100は、インフレータブル100ベンチ800として使用され得る。これは、以下の理由、すなわち、収縮且つ軟らかい状態470で、保管のためにベンチ800を容易に平らにできるか、折り畳めるか、又は他の場合にはコンパクトにでき、膨張且つ硬い状態460で、ベンチ800上に座る人810を支持する備品としてベンチ800を使用できるため、有利であり得る。別の例では、
図8Bに示されるように、インフレータブル100は、ソフトロボットアーム820として使用され得る。これは、以下の理由、すなわち、収縮且つ軟らかい状態470で、保管のためにアーム820を容易に平らにできるか、折り畳めるか、又は他の場合にはコンパクトにでき、膨張且つ硬い状態460で、ボールなどのアイテム830をつかむためにアーム820を使用できるため、有利であり得る。
【0041】
本明細書に記載される機構は、インフレータブルの負荷強度及び/又は曲げ能力を改善する利点を有する。一部の機構では、負荷強度の改善の結果、インフレータブルは、ベンチシートとして使用される場合に、より重い負荷を支持するように構成される。他の機構では、曲げ能力の改善の結果、インフレータブルは、ソフトロボットアームとして使用される場合に、より大きい及び/又はより重いアイテムをつかむように構成される。しかしながら、本明細書に記載される用途に限定されないことを理解されたい。インフレータブルは、他の好適な用途に使用され得る。
【0042】
詳細な実施形態が本明細書に開示されている。しかしながら、本開示の実施形態が単なる例として意図されることを理解されたい。したがって、本明細書に開示される具体的な構造的及び機能的な詳細は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、単に、特許請求の範囲に対する根拠として、及び実質的に任意の適切な詳細構造で本明細書の態様を種々に採用するように当業者に教示する代表的な根拠として解釈されるべきである。更に、本明細書で使用される用語及びフレーズは、限定的であるように意図されるのではなく、むしろ、考えられる実装態様の理解可能な説明を提供するように意図される。様々な実施形態が
図1A~
図8Bに示されているが、当該実施形態は、示された構造又は用途に限定されない。
【0043】
図におけるフローチャート及びブロック図は、様々な実施形態に係るシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の考えられる実装態様のアーキテクチャ、機能、及び動作を示す。この点で、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、指定された論理機能を実装する1つ以上の実行可能命令を備えるコードのモジュール、セグメント、又は一部を表し得る。一部の代替的な実装態様では、ブロックに記される機能は、図に記される順序と関係なく生じ得ることにも留意されたい。例えば、連続して示される2つのブロックは実際、実質的に同時に実行され得るか、又はブロックは時には、関連する機能に応じて、逆順で実行され得る。
【0044】
上述のシステム、構成要素、及び/又はプロセスは、ハードウェア又はハードウェア及びソフトウェアの組合せで実現でき、1つの処理システム内の中央集中方式、又は異なる要素がいくつかの相互接続された処理システムにわたって広がっている分散方式で実現できる。本明細書に記載される方法を実行するように構成された任意の種類の処理システム又は別の装置が適合される。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組合せは、ロード及び実行されているとき、処理システムが本明細書に記載される方法を実行するように処理システムを制御するコンピュータ使用可能プログラムコードを有する処理システムであり得る。システム、構成要素、及び/又はプロセスはまた、本明細書に記載される方法及びプロセスを行うために機械によって実行可能な命令のプログラムを有体的に具現化した、機械によって読み取り可能な、コンピュータプログラム製品又は他のデータプログラム記憶デバイスなどのコンピュータ可読ストレージに組み込まれ得る。これらの要素はまた、本明細書に記載される方法の実装を可能にし、且つ処理システムでロードされると当該方法を実行することができる全ての特徴を備えるアプリケーション製品に組み込まれ得る。
【0045】
更に、本明細書に記載される機構は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化、例えば記憶された1つ以上のコンピュータ可読媒体において具現化されたコンピュータプログラム製品の形態を取り得る。1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組合せが利用され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であり得る。「コンピュータ可読記憶媒体」というフレーズは、非一時的記憶媒体を意味する。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光、電磁気、赤外線、若しくは半導体のシステム、装置、若しくはデバイス、又は以上のものの任意の好適な組合せであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、以下のもの、すなわち、携帯型コンピュータディスケット、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM若しくはフラッシュメモリ)、携帯型コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又は以上のものの任意の好適な組合せを含む。本明細書の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はこれらとの関連で使用されるプログラムを含み得るか又は記憶し得る任意の有体の媒体であり得る。
【0046】
概して、本明細書で使用される「モジュール」という用語は、特定のタスクを行うか、又は特定のデータタイプを実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。更なる態様では、メモリは概して、記されたモジュールを記憶する。モジュールに対応付けられるメモリは、プロセッサ内に組み込まれたバッファ若しくはキャッシュ、RAM、ROM、フラッシュメモリ、又は別の好適な電子記憶媒体であり得る。また更なる態様では、本開示によって構想されるモジュールは、特定用途向け集積回路(ASIC)として、システムオンチップ(SoC)のハードウェア構成要素として、プログラマブルロジックアレイ(PLA)として、又は本開示の機能を行うために定められた構成セット(例えば、命令)が組み込まれた別の好適なハードウェア構成要素として実装される。
【0047】
コンピュータ可読媒体上で具現化されるプログラムコードは、無線、有線、光ファイバ、ケーブル、RFなど、又は以上のものの任意の好適な組合せを含むが、これらに限定されない任意の適切な媒体を使用して送信され得る。本機構の態様についての動作を実行するコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++、又は同種のものなどのオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組合せで書かれ得る。プログラムコードは、ユーザのコンピュータ上で完全に実行され得るか、ユーザのコンピュータ上で部分的に実行され得るか、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして実行され得るか、ユーザのコンピュータ上で部分的に且つリモートコンピュータ上で部分的に実行され得るか、又はリモートコンピュータ若しくはサーバ上で完全に実行され得る。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)若しくはワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続され得るか、又は(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)外部コンピュータへの接続が行われ得る。
【0048】
本明細書で使用される「1つ(a)」及び「1つ(an)」という用語は、1つ又は1つよりも多いものとして定義される。本明細書で使用される「複数」という用語は、2つ又は2つよりも多いものとして定義される。本明細書で使用される「別の」という用語は、少なくとも第2の又はより多くのものとして定義される。本明細書で使用される「含む」及び/又は「有する」という用語は、備える(comprising)(すなわち、オープンランゲージ)として定義される。本明細書で使用される「~及び~のうちの少なくとも1つ」というフレーズは、対応付けられる列挙事項のうちの1つ以上の任意の全ての考えられる組合せを指し、それを包含する。例として、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」というフレーズは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、又はそれらの任意の組合せ(例えば、AB、AC、BC、若しくはABC)を含む。
【0049】
本明細書における態様は、趣旨又はその本質的属性から逸脱することなく他の形態で具現化され得る。したがって、この範囲を示すものとして、以上の明細書ではなく以下の特許請求の範囲を参照すべきである。
【外国語明細書】