(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096746
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】エアロゾル発生のための喫煙装置および方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/48 20200101AFI20240709BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20240709BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20240709BHJP
A24F 40/57 20200101ALI20240709BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20240709BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20240709BHJP
【FI】
A24F40/48
A24F40/10
A24F40/40
A24F40/57
A24F40/46
A24F40/50
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024059165
(22)【出願日】2024-04-01
(62)【分割の表示】P 2023023373の分割
【原出願日】2017-02-28
(31)【優先権主張番号】16162973.8
(32)【優先日】2016-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】クルバ ジェローム クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ミロノフ オレク
(57)【要約】 (修正有)
【課題】エアロゾル発生のための喫煙装置および方法を提供する。
【解決手段】液体エアロゾル形成基体のエアロゾル発生のための喫煙装置は、液体エアロゾル形成基体のための液体貯蔵部分16を備える装置ハウジング10と、霧化領域40を備える表面弾性波アトマイザー(SAWアトマイザー15と、表面弾性波を発生してSAWアトマイザー15の表面に沿って伝搬するための少なくとも一つの変換器20と、少なくとも第二の変換器20と、液体エアロゾル形成基体を液体貯蔵部分16からSAWアトマイザー15上の霧化領域40に供給するために配置された供給要素30とを備える。装置は、霧化領域40内の液体エアロゾル形成基体を霧化してエアロゾルを発生するためのSAWアトマイザー15を動作するように構成された制御システム14をさらに備える。この喫煙装置用のカートリッジ、喫煙システム内でエアロゾルを発生するための方法もまた提供されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体エアロゾル形成基体のエアロゾル発生のための喫煙装置であって、
液体エアロゾル形成基体を保持するためのハウジングを備える液体貯蔵部分を備える装置ハウジングと、
霧化領域、前記霧化領域を含むSAWアトマイザーの表面に沿って伝搬する表面弾性波を発生するための少なくとも一つの変換器、および少なくとも第二の変換器を備える表面弾性波アトマイザー(SAWアトマイザー)と、
液体エアロゾル形成基体を前記液体貯蔵部分から前記SAWアトマイザー上の前記霧化領域に供給するように配置された供給要素と、
前記霧化領域内の前記液体エアロゾル形成基体を霧化してエアロゾルを発生するための前記SAWアトマイザーを動作するように構成された制御システムとを備える喫煙装置。
【請求項2】
前記少なくとも一つの変換器が、圧電基板上に配置された電極を備えるインターデジタル変換器である、請求項1に記載の喫煙装置。
【請求項3】
液体エアロゾル形成基体を加熱するように配置されたヒーターをさらに備える、請求項1~2のいずれか一項に記載の喫煙装置。
【請求項4】
前記制御システムは、液体エアロゾル形成基体を所定の温度へと加熱するために前記ヒーターを動作するように構成された、請求項3に記載の喫煙装置。
【請求項5】
前記SAWアトマイザーの表面上で、前記霧化領域の隣に、または前記霧化領域の反対側の前記SAWアトマイザーの表面上に前記ヒーターが配置される、請求項3または4のいずれか一項に記載の喫煙装置。
【請求項6】
前記供給要素の一部分が、前記SAWアトマイザーの前記霧化領域と隣接して配置され、かつ前記供給要素の別の部分が前記液体貯蔵部分に流体接続可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載の喫煙装置。
【請求項7】
前記供給要素が、前記SAWアトマイザーの前記霧化領域に供給される液体エアロゾル形成基体に対する毛細管作用を有する毛細管要素である、請求項1~6のいずれか一項に記載の喫煙装置。
【請求項8】
前記少なくとも第二の変換器が、前記霧化領域の物理的情報を表す電気的信号を発生するためのものである、またはさらなる表面弾性波を発生するものである、請求項1~7のいずれか一項に記載の喫煙装置。
【請求項9】
前記液体貯蔵部分、前記SAWアトマイザー、および前記供給要素がカートリッジの一部を形成し、かつ前記装置ハウジングが前記カートリッジを受けるためにくぼみを備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の喫煙装置。
【請求項10】
喫煙システム内にエアロゾルを発生するための方法であって、
霧化領域および少なくとも一つの変換器を備える表面弾性波アトマイザー(SAWアトマイザー)を提供することと、
前記SAWアトマイザーの前記霧化領域に液体エアロゾル形成基体を提供することと、 前記SAWアトマイザーを動作し、これによって前記少なくとも一つの変換器を用いて表面弾性波を発生し、前記表面弾性波が前記SAWアトマイザーの表面に沿って前記霧化領域へと伝搬し、かつ前記霧化領域内の前記液体エアロゾル形成基体へと伝搬し、これによって前記液体エアロゾル形成基体を霧化し、かつ前記エアロゾルを発生することと、を含む方法。
【請求項11】
前記霧化領域内の前記液体エアロゾル形成基体を室温より高い温度まで加熱する工程をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも第二の変換器を有する前記SAWアトマイザーを提供する工程と、
前記少なくとも一つの第二の変換器を用いて信号を出力する工程であって、前記出力信号が前記霧化領域内の物理的プロセスを表す、出力する工程、および
前記SAWアトマイザーの動作を制御するために前記出力信号を使用する工程のいずれかと、または
前記少なくとも第二の変換器を用いてさらなる表面弾性波を発生し、前記さらなる表面弾性波を前記SAWアトマイザーの前記表面に沿って前記霧化領域へと伝搬し、かつ前記霧化領域内の前記液体エアロゾル形成基体へと伝搬する工程とをさらに含む、請求項10~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1~9のいずれか一項に記載の喫煙装置と、液体エアロゾル形成基体とを備えるエアロゾル発生喫煙システムであって、供給要素が、前記喫煙装置の液体貯蔵部分のハウジングの中に備えられた前記液体エアロゾル形成基体と流体接続し、表面弾性波アトマイザー(SAWアトマイザー)上の霧化領域と流体接続する、エアロゾル発生喫煙システム。
【請求項14】
前記液体エアロゾル形成基体が少なくとも一つのエアロゾル形成体および液体添加剤を備える、請求項13に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項15】
エアロゾル発生のための喫煙装置用カートリッジであって、
液体エアロゾル形成基体を保持するためのハウジングを備える液体貯蔵部分と、
霧化領域、前記霧化領域を含む前記SAWアトマイザーの表面に沿って伝搬する表面弾性波を発生するための少なくとも一つの変換器、および少なくとも第二の変換器を備える表面弾性波アトマイザー(SAWアトマイザー)と、
液体エアロゾル形成基体を前記液体貯蔵部分のハウジングから前記SAWアトマイザー上の前記霧化領域に供給するように配置された供給要素とを備える、カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体エアロゾル形成基体のエアロゾル発生のための喫煙装置、方法、および喫煙システム、ならびにこうした喫煙装置用のカートリッジに関する。喫煙装置およびエアロゾル発生システムは、電気的に作動する装置およびシステムである。
【背景技術】
【0002】
電気的に作動する喫煙システムでは、例えば液体エアロゾル形成基体が霧化されてエアロゾルを形成する。典型的には、アトマイザーでは、液体エアロゾル形成基体の中に浸された細長い芯の周りに加熱ワイヤーのコイルが巻かれる。他のタイプのアトマイザーは、液体基体を霧化するために、熱ではなく超音波振動を使用する。その中で、液体をメッシュを通して押し出して、または引き出して、霧化するために振動が使用される。超音波振動を使用するほとんどのアトマイザーに伴う問題は、これらが電気的に作動する喫煙システムで典型的に使用されるような粘性の高い液体を霧化することができないことである。さらに、数多くのアトマイザーは、望ましい霧化レートを達成するために高電力を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの問題を改善する、液体エアロゾル形成基体のエアロゾル発生のための喫煙装置に対するニーズがある。効率的な霧化を達成するために小さい電力しか必要としない、液体エアロゾル基体のエアロゾル発生のための喫煙装置に対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第一の態様によると、液体エアロゾル形成基体のエアロゾル発生のための喫煙装置が提供されている。喫煙装置は、液体エアロゾル形成基体を保持するためのハウジングを備える液体貯蔵部分を備える装置ハウジングを備える。装置ハウジングは、例えばカートリッジを受けるためのくぼみを備えてもよく、カートリッジは液体エアロゾル形成基体を備える。喫煙装置は、霧化領域と、霧化領域を含むSAWアトマイザーの表面に沿って伝搬する表面弾性波を発生するための少なくとも一つの変換器と、少なくとも第二の変換器とを備える表面弾性波アトマイザー(SAWアトマイザー)をさらに備える。供給要素は、液体エアロゾル形成基体を液体貯蔵部分からSAWアトマイザー上の霧化領域に供給するように配置されている。供給要素は、液体貯蔵部分、例えばカートリッジと、SAWアトマイザー、特にSAWアトマイザー上の霧化領域とを流体接続してもよい。制御システムは、霧化領域内の液体エアロゾル形成基体を霧化してエアロゾルを発生するためのSAWアトマイザーを動作するように構成されている。制御システムは、例えばSAWアトマイザーに接続された電源および制御電子回路を備えてもよい。制御システムは、例えばRF信号を少なくとも一つの変換器に提供するように適合されている。発生したエアロゾルはその後、装置ハウジング内で喫煙装置の下流端へと移動され、喫煙装置のユーザーへと移動されてもよい。
【0005】
使用時、ユーザーはスイッチを操作することによって、または装置のマウスピースを吸うことによって装置を動作してもよい。電力がSAWアトマイザーに提供され、SAWアトマイザーが少なくとも一つの変換器を起動して、SAWアトマイザーの表面に沿って伝搬する表面弾性波(レイリー波)を発生してもよい。これらの表面弾性波のエネルギーは、霧化領域に供給される液体エアロゾル形成基体へと伝達される。液体に供給されたエネルギーは、液体エアロゾル形成基体のエアロゾル液滴を形成させ、ひいては霧化領域から液体エアロゾル形成基体を霧化する。液体へと伝達された表面弾性波は基本的に、SAWアトマイザーの表面上の液体の液滴を不安定化し、その結果液滴の表面が破裂し、エアロゾル液滴のミストを形成する。
【0006】
エアロゾルを発生するこのやり方は、好都合な喫煙の体験のために、液体エアロゾル形成基体から確かな一貫した量のエアロゾルを提供することが証明されている。さらに、エアロゾル発生には、周知の振動要素(例えば、熱を使用する要素)を用いて発生する時よりも少ない電力しか必要としない。
【0007】
SAWアトマイザーとしては、一般的に知られているSAWセンサーチップを使用してもよい。これらは典型的に、圧電基板上に配置された(例えば、基板上に印刷された)(金属)電極を備える少なくともインターデジタル(またはインターデジタル化した)変換器を備える。変換器電極の個々の「フィンガー」に印加されたAC電圧は、フィンガーの間で圧電基板内の引張歪みと圧縮歪みとの交互の領域に起因して、圧電基板に機械的な変形を発生させる。変換器の同一の側にあるフィンガーは、圧縮または引張の同一のレベルにあるので、これらの間の空間(ピッチとして知られる)は機械的波動の波長に対応する。
【0008】
そのように発生した波動は典型的に、ナノメートルサイズの振幅を有し、かつMHz周波数で圧電基板の表面に沿って伝搬する。
【0009】
本発明による喫煙装置で使用されるSAWアトマイザーの少なくとも一つの変換器は、圧電基板上に配置された電極を備えるインターデジタル変換器であることが好ましい。
【0010】
変換器は、発生した表面弾性波の方向性を一方向へと支持するように反射器を備えてもよい。これによって、システムの電力効率が上がる場合がある。
【0011】
変換器は、例えば平行に配置された真っ直ぐな電極のアレイによって、平行波を発生するように構成されてもよい。
【0012】
変換器は、発生した波動の焦点合わせ効果を有するように構成されてもよい。例えば、変換器には、発生した波動を小さいゾーンへと集中させるなどのために、平行であるが湾曲した形状を有する電極が提供されてもよい。
【0013】
変換器は反射器を備え、かつ焦点合わせ効果を有することが好ましい。
【0014】
喫煙装置の制御システムは、SAWアトマイザーを動作して、所定の周波数で表面弾性波を発生するように構成されている。所定の周波数は約20MHz以上であってもよく、例えば20MHz~約100MHzであってもよく、または約20MHz~約80MHzであってもよい。このことは、良好なユーザーの体験のための所望のエアロゾル出力レートおよび所望の液滴サイズを提供してもよい。
【0015】
制御システムは、SAWアトマイザーおよび電源に接続された電気回路を備えてもよい。
【0016】
電気回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラム可能マイクロプロセッサであってもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路はSAWアトマイザーへの電力供給を調節するように構成されてもよい。電力は装置の起動後、SAWアトマイザーに連続的に供給されてもよく、断続的に供給(例えば、吸煙するごとに供給)されてもよい。
【0017】
SAWアトマイザーは任意の適切な形状とすることができる。SAWアトマイザーは、実質的に円形または楕円形であってもよい。SAWアトマイザーは、実質的に三角形状、または正方形状、または任意の規則的な形状もしくは不規則な形状であってもよい。SAWアトマイザーは実質的に平坦であることが好ましい。SAWアトマイザーは、湾曲していてもよい。SAWアトマイザーは、ドーム形状であってもよい。SAWアトマイザーは、実質的に正方形のプレートであってもよい。SAWアトマイザーは、実質的に円形または楕円形のディスクであってもよい。
【0018】
SAWアトマイザーは、再使用可能であってもよい。SAWアトマイザーは、使い捨てであってもよい。SAWアトマイザーは、以下に説明するように、別個の要素であってもよく、またはカートリッジの一部であってもよい。
【0019】
SAWアトマイザーは、一般的に小さく、かつ軽量である。さらに、SAWアトマイザー、特に電気的に作動する喫煙装置での使用に適しているサイズを有するSAWアトマイザーは、周知の振動要素(例えば、エアロゾル生成に熱を使用する要素)の場合よりも少ない電力を使用する。なおさらに、SAWアトマイザーは一般的に、小さい液滴サイズのエアロゾルを発生する能力を有する。SAWアトマイザーのこれらの利点は、本発明の喫煙装置を改善し、かつ効率的で経済的な喫煙装置の提供を可能にする。
【0020】
本発明による喫煙装置は、液体エアロゾル形成基体、好ましくは霧化領域内の液体エアロゾル形成基体を加熱するために配置されたヒーターをさらに備えてもよい。ヒーターは、SAWアトマイザーの少なくとも一部分を加熱するように、またこれによってSAWアトマイザー上のエアロゾル形成基体を加熱するように配置されてもよい。ヒーターは、少なくともSAWアトマイザーの霧化領域を加熱するように、またこれによって霧化領域内のエアロゾル形成基体を加熱するように配置されることが好ましい。
【0021】
ヒーターは、液体エアロゾル形成基体を加熱し、液体の粘性および表面張力を減少してもよい。好ましくは霧化の前だけでなく、霧化の間も液体を加熱することによって、ヒーターは霧化のレートを上げる場合がある。エアロゾル形成基体を加熱すること、および液体エアロゾル形成基体の粘性を減少することは、装置または喫煙システムの信頼性をそれぞれ高める場合がある。
【0022】
ヒーターは、霧化のために液体エアロゾル形成基体を一貫性のある所定の温度まで加熱してもよい。このことは、一定の粘性での液体エアロゾル形成基体の霧化を可能にし、また装置による一定の霧化のレートでのエアロゾルの生成を可能にする場合がある。これはユーザーの体験を改善する。
【0023】
液体エアロゾル形成基体の粘性は、霧化のレート、および装置またはシステムによって生成したエアロゾルの液滴サイズに対して効果がありうる。従って、霧化の前に液体エアロゾル形成基体を一貫性のある所定の温度に加熱することは、一貫性のある液滴サイズの分布を有するエアロゾルの生成を容易にする場合がある。
【0024】
霧化の前に液体エアロゾル基体を周囲温度より高い温度に加熱することはまた、周囲温度における変動に対するシステムの感度を減少し、各使用においてユーザーに一貫性のあるエアロゾルを提供する場合がある。
【0025】
本明細書で使用される「液滴サイズ」という用語は、問題の液滴と同一の速度になる球状の単位密度液滴のサイズである空気力学的な液滴サイズを意味するために使用される。
エアロゾルの液滴サイズを説明するために当該技術分野において、いくつかの測定が使用される。これらは、質量中央径(MMD)および空気力学的質量中央径(MMAD)を含む。本明細書で使用される「質量中央径(MMD)」という用語は、半分の質量のエアロゾルが小径の液滴に含まれ、また半分の大径の液滴に含まれるような液滴の直径を意味するために使用される。本明細書で使用される「空気力学的質量中央径(MMAD)」という用語は、エアロゾルの中央質量の液滴と同一の空気力学的特性を有する単位密度の球の直径を意味するために使用される。
【0026】
本発明の喫煙装置およびシステムによって発生した液滴の空気力学的質量中央径(MMAD)は、約1μm~約10μmであってもよく、またはそのMMADは、約1μm~約5μmであってもよい。液滴のMMADは、3μm以下であってもよい。本発明の喫煙装置によって発生した液滴の所望の液滴サイズは、上述の任意のMMADであってもよい。所望の液滴サイズ(MMAD)は、3μm以下であってもよい。
【0027】
喫煙装置の制御システムは、好ましくはSAWアトマイザーの少なくとも一部分を所定の温度まで加熱することによって、ヒーターを動作して液体エアロゾル形成基体を所定の温度まで加熱するように構成されてもよい。所定の温度は周囲温度より高くてもよい。所定の温度は室温より高くてもよい。このことは、未加熱のエアロゾル形成基体の粘性と比較してエアロゾル形成基体の粘性を減少させるだけでなく、表面張力も減少させる場合がある。このことは、霧化のレートを増加する場合があり、また所望の液滴サイズを有するエアロゾルの発生を促進する場合がある。このことは、周囲温度における変動に対するシステムの感度を減らす場合がある。所定の温度は、液体エアロゾル形成基体の気化温度未満であってもよく、または沸点より低くてもよい。所定の温度は、摂氏18度~摂氏80度、または摂氏30度~摂氏60度、または摂氏35度~摂氏45度であってもよい。所定の温度は、摂氏20度~摂氏30度、摂氏30度~摂氏40度、摂氏40度~摂氏50度、摂氏50度~摂氏60度、摂氏60度~摂氏70度、または摂氏70度~摂氏80度であってもよい。SAWアトマイザーの加熱された部分の所定の温度は、霧化領域内の液体エアロゾル形成基体の所定の温度に対応することが好ましい。
【0028】
本明細書で使用される「周囲温度」という用語は、エアロゾル発生装置またはエアロゾル発生システムが用いられる周囲の環境の空気温度を意味する。周囲温度は典型的には摂氏約10度~摂氏35度の温度に対応する。本明細書で使用される「室温」という用語は、標準的な周囲温度および圧力、典型的には摂氏約25度の温度および約100kPa(1atm)の絶対圧力を指す。
【0029】
ヒーターを動作するように構成された制御システムは、喫煙装置の制御システムと一体型であってもよく、または分離していてもよい。
【0030】
制御システムは、ヒーターおよび電源に接続された電気回路を備えてもよい。電気回路は、ヒーターの電気抵抗をモニターし、かつヒーターの電気抵抗に応じてヒーターへの電力供給を制御するように構成されてもよい。電気回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラム可能マイクロプロセッサであってもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路はヒーターへの電力供給を調節するように構成されてもよい。電力は装置の起動後、ヒーターに連続的に供給されてもよく、断続的に供給(例えば、吸煙するごとに供給)されてもよい。電力は、電流パルスの形態でヒーターに供給されてもよい。
【0031】
ヒーターは、SAWアトマイザーの表面上に、好ましくは霧化領域の隣、または霧化領域の反対側に配置されてもよい。例えば、ヒーターは、霧化領域とSAWアトマイザーの同一の表面上に配置されてもよい。こうした配置は、ヒーターと加熱される液体エアロゾル形成基体との直接的な物理的接触または密接な接触が、特に霧化領域の近くで起こるのを可能にする。ヒーターは、例えば霧化領域内でエアロゾル形成基体を囲んでもよく、または部分的に囲んでもよい。
【0032】
ヒーターが霧化領域とは反対側のSAWアトマイザーの表面上に配置される配置において、エアロゾル形成基体の霧化領域への供給はヒーターの存在によって変化しない。さらに、ヒーターは、霧化領域の位置に配置されてもよいが、SAWアトマイザーの基体の反対側に配置されてもよい。ヒーターのサイズは、SAWアトマイザーのサイズに対応してもよい。ヒーターのサイズは、霧化領域のサイズに制限される場合がある。ヒーターのサイズは、少なくとも霧化領域のサイズに対応してもよい。ヒーターの位置は、供給要素の方向に移されてもよい。これによって、液体が霧化領域に入る前に液体を加熱できるようになる。ヒーターの熱は、SAWアトマイザーの基体を通して熱伝導によって伝達されることが好ましい。
【0033】
説明の通り、ヒーターの位置は、SAWアトマイザー上のヒーターと液体エアロゾル形成基体との間の熱伝達を改善する場合がある。
【0034】
ヒーターは、SAWアトマイザーに取り付けられた、またはSAWアトマイザーの隣もしくは近くに配置された別個のヒーターであってもよい。
【0035】
ヒーターは、SAWアトマイザーと一体型であってもよい。このことは、装置の構成要素部品の数を減らし、また単純な製造を容易にする場合がある。
【0036】
ヒーターは、SAWアトマイザーと熱伝導の関係にあることが好ましい。
【0037】
ヒーターは、液体貯蔵部分のハウジング上に、またはハウジング内に配置されてもよい。その後、液体エアロゾル形成基体は、液体貯蔵部分からSAWアトマイザーに供給された時に高温になる。
【0038】
ヒーターは、液体エアロゾル形成基体を加熱する能力を有する任意の適切なヒーターであってもよい。ヒーターは電気的に作動するヒーターであってもよい。ヒーターは抵抗ヒーターであってもよい。ヒーターは誘導加熱手段を含んでもよい。ヒーターは、単純な製造ができるように、実質的に平坦としてもよい。本明細書で使用される「実質的に平坦」という用語は、単一の平面内に形成され、かつ湾曲した形状またはその他の非平面形状に巻かれたりまたはその形状に適合するようになっていなかったりすることを意味する。平坦なヒーターは、製造時に簡単に取り扱える場合があり、丈夫な構造を提供する。
【0039】
ヒーターは、電気的に絶縁された基体上に一つ以上の導電性トラックを備えてもよい。電気的に絶縁された基体は、任意の適切な材料を備えてもよく、また高温(摂氏150度を超える)および急激な温度変化に耐えることができる材料であってもよい。適切な材料の一例は、Kapton(登録商標)などのポリイミド膜である。
【0040】
ヒーターもしくはSAWアトマイザーまたは両者を動作するように構成された制御システムは、周囲温度を検出するために、周囲温度センサーを備えてもよい。制御システムは、霧化領域内の液体エアロゾル形成基体の温度を検出するためにSAWアトマイザー上に温度センサーを備えてもよい。一つ以上の温度センサーは、エアロゾル発生装置の制御電子回路と連動して、制御電子回路が液体エアロゾル形成基体の温度を所定の温度に維持できるようにしてもよい。一つ以上の温度センサーは、熱電対または抵抗温度センサーであってもよい。ヒーターは、温度に関する情報を提供するために使用されてもよい。ヒーターの温度に依存する抵抗の特性は周知であり、少なくとも一つのヒーターの温度を当業者にとって周知の方法で決定するために使用されてもよい。
【0041】
本発明による喫煙装置では、供給要素の一部分は、SAWアトマイザーの霧化領域と隣接して配置されてもよく、一方で供給要素の別の部分は液体貯蔵部分に流体接続可能であってもよい。霧化領域に隣接して配置された供給要素の部分は霧化領域の中に延びてもよい。喫煙装置の使用準備完了状態では、供給要素は、液体貯蔵部分、例えばカートリッジの中から霧化領域への液体エアロゾル形成基体の搬送を容認してもよい。これによって、供給要素のもう一方の部分は、液体貯蔵部分へと直接的に接続(例えば、液体貯蔵部分の内容物の中へと挿入)されてもよく、またはこれと隣接して配置されてもよい。しかし、エアロゾル形成基体はまた、液体貯蔵部分の外へと、例えば液体通路内で搬送されてもよく、また供給要素の貯蔵部分からSAWアトマイザーへの液体搬送のさらに下流にあるもう一方の部分と流体接続してもよい。液体搬送の分離は、液体貯蔵部分からSAWアトマイザーへの液体搬送手段の変動および最適化を強化する場合がある。特に、液体エアロゾル形成基体のSAWアトマイザーへの供給のための供給要素は、霧化領域への液体の供給および霧化領域にわたる分配のために最適化される場合がある。一方で液体貯蔵部分の外での液体搬送は最適化されてもよい。
【0042】
供給要素は、例えば芯または紙の細片、液体エアロゾル形成基体を収容するカートリッジを貫通するための毛細管または貫通要素などの毛細管要素であってもよいが、これに限定されない。
【0043】
供給要素は、液体エアロゾル形成基体に対する毛細管作用を有する毛細管要素であることが好ましい。毛細管要素の形態の供給要素は、液体エアロゾル形成基体がSAWアトマイザーの霧化領域に供給されることを可能にすることが好ましい。毛細管要素は、液体エアロゾル形成基体が毛細管効果によって移動されるような材料から成る、またはそのような材料を含む。毛細管材料は、液体を材料の一方の端から他方へ能動的に運ぶ材料である。有利なことに、毛細管材料は装置内で、液体エアロゾル形成基体をSAWアトマイザーの表面上の霧化領域へと運ぶように方向付けられる。毛細管材料は繊維質構造を有してもよく、または海綿状構造を有してもよい。毛細管材料は、毛細管、複数の繊維、複数の糸の束を含んでもよく、または微細チューブを含んでもよい。毛細管材料は、繊維と糸と微細チューブとの組み合わせを含んでもよい。繊維、糸、および微細チューブは一般的に、液体をSAWアトマイザーへと運ぶように整列されてもよい。毛細管材料は海綿体様材料を含んでもよく、または発泡体様材料を含んでもよい。毛細管材料の構造は複数の小さな穴またはチューブを形成してもよく、それを通して液体を毛細管作用によって搬送することができる。
【0044】
毛細管材料は、適切な任意の材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、スポンジまたは発泡体材料、繊維または焼結粉末の形態のセラミックベース、紙ベース、またはグラファイトベースの材料、発泡性の金属またはプラスチック材料、シート材料、例えば紡がれたかまたは押し出された繊維(セルロースアセテート、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレンまたはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)でできた繊維性材料がある。毛細管材料は紙ベースであってもよい。毛細管材料は、異なる液体物理特性で使用されるように、任意の適切な毛細管現象および空隙率を有してもよい。
【0045】
液体エアロゾル形成基体は、液体が毛細管作用によって毛細管要素の毛細管材料を通って移動されることを可能にする粘性、表面張力、密度、熱伝導率、および沸点を含むがこれに限定されない物理的特性を有する。毛細管要素は液体エアロゾル形成基体をSAWアトマイザーの霧化領域へと運ぶように構成されてもよい。毛細管要素はシートの形態であってもよい。一部の毛細管材料(例えば、紙ベースの芯材料など)は、液体からの汚染の濾過の能力をさらに有する場合があり、それ故に純粋な液体エアロゾル形成基体の霧化を支持する。
【0046】
供給要素は別個の要素であってもよく、またはSAWアトマイザーの一部であってもよい。供給要素はSAWアトマイザーの一部である(例えば、一体型である)ことが好ましい。
【0047】
供給要素は、液体を搬送するために毛細管効果を使用する、当該技術分野において周知の芯要素であってもよい。供給要素はまた、液体を霧化領域に搬送するために、例えばベンチュリ効果も使用してもよい。供給要素は、例えばSAWアトマイザーの基板の中へと組み込まれたマイクロチャネル、または上述の供給要素の任意の組み合わせであってもよい。
【0048】
SAWアトマイザーは、少なくとも一つの圧電変換器を備えてもよい。SAWアトマイザーは、少なくとも一つのインターデジタル変換器を備えてもよい。圧電変換器は、単結晶材料を含むことが好ましいが、多結晶材料も含んでもよい。圧電変換器は、石英、セラミック、チタン酸バリウム(BaTiO3)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)を含んでもよい。セラミックは、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を含んでもよい。セラミックは、Ni、Bi、La、Nd、またはNbイオンなどのドーピング材料を含んでもよい。圧電変換器は極性化されてもよい。圧電変換器は極性化されていなくてもよい。圧電変換器は、極性化された圧電材料と極性化されていない圧電材料の両方を含んでもよい。
【0049】
SAWアトマイザーは、表面弾性波を発生するために一つの変換器を備えてもよい。SAWアトマイザーは、表面弾性波を発生するために二つ以上の変換器を備えてもよい。表面弾性波を発生する変換器は、入力変換器と呼ばれる。入力変換器は電気的信号を受け、入力信号に従って表面弾性波を発生する。二つ以上の入力変換器は、相互に干渉する表面弾性波を発生してもよく、霧化領域へのエネルギー入力を強化する有益な干渉をすることが好ましい。追加的な入力変換器は、霧化領域内の液体を集めるために、または一般的に液体を小さいゾーン内に集めるために使用されてもよい。
【0050】
SAWアトマイザーが二つ以上の変換器を備える場合、二つ以上の変換器のうちの少なくとも一つは電気的信号を発生するために使用されてもよい。
【0051】
電気的信号を発生する変換器は出力変換器と呼ばれる。出力変換器は表面弾性波を出力信号へと変換する。出力変換器によって受けられる表面弾性波は、少なくとも一つの入力変換器によって発生され、SAWアトマイザーの霧化領域に沿って出力変換器へと伝搬する。出力信号は、霧化領域における物理的プロセスに関する情報(例えば、霧化領域内に存在する液体の量)を含んでもよい。それ故に、SAWアトマイザーは、霧化プロセスに関する情報を得るSAWセンサーとして使用されてもよい。この情報は霧化プロセスを制御するために使用されてもよい。センサー情報は、例えばSAWアトマイザーの動作を制御する、または例えばヒーターを制御する制御システムで使用されてもよい。霧化プロセスの制御は、例えばSAWアトマイザーに供給される電力の調整を通して達成されてもよい。
【0052】
SAWアトマイザーは少なくとも第二の変換器を備える。少なくとも第二の変換器は、霧化領域の物理的情報を表す電気的信号を発生するために使用されてもよい。別の方法として、少なくとも第二の変換器は、さらなる表面弾性波を発生するために使用されてもよい。
【0053】
二つの変換器が存在する場合、二つの変換器は、二つの変換器の間に配置される霧化領域によって、互いに向かい合って配置されることが好ましい。二つの変換器のうちの第一の変換器は、入力変換器である。二つの変換器のうちの第二の変換器は、入力変換器であっても、または出力変換器であってもよい。
【0054】
本発明による喫煙装置では、液体貯蔵部分、SAWアトマイザー、および供給要素はカートリッジの一部を形成しうる。SAWアトマイザーおよび供給要素を含むまたは含まないカートリッジは、予め製造されてもよい。カートリッジは、取り外し可能であってもよく、交換可能であってもよく、再使用可能であってもよく、または使い捨てであってもよい。カートリッジは、液体エアロゾル形成基体を再充填可能であってもよい。再充填可能な液体貯蔵部分を用いると、または特に交換可能なカートリッジを用いると、喫煙装置は再使用可能になる。カートリッジは毎回の使用後に再充填可能ではなく、また交換されないことが好ましい。
【0055】
装置ハウジングは、カートリッジを受けるためのくぼみを備えてもよい。
【0056】
カートリッジは、エアロゾル発生装置に取り外し可能に結合されてもよい。カートリッジは、エアロゾル形成基体が消費された時にエアロゾル発生装置から取り外されてもよい。本明細書で使用される「取り外し可能に結合される」という用語は、装置またはカートリッジのいずれも著しく損傷することなく、カートリッジおよび装置が互いに結合および分離できることを意味するように使用される。
【0057】
カートリッジは、低コストで、信頼性があり、かつ再現可能な方法で製造されてもよい。カートリッジは単純な設計を有してもよい。カートリッジはハウジングを有してもよく、その中にエアロゾル形成基体が保持される。
【0058】
カートリッジは、エアロゾル形成液体を保持する液体保有材料を備えてもよい。カートリッジは、液体で充填されたタンクシステムであってもよい。
【0059】
カートリッジハウジングは剛直なハウジングであってもよい。本明細書で使用される「剛直なハウジング」とは、自立型のハウジングを意味する。ハウジングは液体に対して不透過性の材料を含んでもよい。
【0060】
カートリッジはリッドを備えてもよい。リッドは、カートリッジをエアロゾル発生装置に結合する前に剥がすことができるものであってもよい。リッドは、例えば供給要素によって貫通可能であってもよい。
【0061】
供給要素およびSAWアトマイザーを備えるカートリッジは、カートリッジが交換された時はいつでも完全に「新鮮」な霧化プロセスが可能である。供給要素内またはSAWアトマイザー上の付着物または残渣は、カートリッジを交換する際に取り除かれうる。供給要素を含むSAWアトマイザーは、再使用可能で、かつ好ましくは喫煙装置に固定して取り付けられた要素であってもよい。これによって、廃棄物および材料のコストは低減しうる。
【0062】
本発明の別の態様によると、喫煙システム中でエアロゾルを発生する方法が提供されている。方法は、霧化領域と、少なくとも一つの変換器と、少なくとも第二の変換器とを備える表面弾性波アトマイザー(SAWアトマイザー)を提供することを含む。方法は、液体エアロゾル形成基体をSAWアトマイザーの霧化領域に提供して、SAWアトマイザーを動作し、これによって少なくとも一つの変換器を用いて表面弾性波を発生し、表面弾性波がSAWアトマイザーの表面に沿って霧化領域へと伝搬し、かつ霧化領域内の液体エアロゾル形成基体へと伝搬し、これによって液体エアロゾル形成基体を霧化し、かつエアロゾルを発生する工程をさらに備える。方法は、本発明の他の態様による喫煙装置、喫煙システム、およびカートリッジを使用して実施されてもよい。
【0063】
方法は、本発明の他の態様に関連して説明されたすべての利点を有する場合がある。SAWアトマイザーの特徴(例えば、動作モードなど)、供給要素の特徴(例えば、その配置および構造など)、ヒーターの特徴(例えば、所定の温度)は、本発明の他の態様に関して説明されたものと同一であってもよい。
【0064】
方法は、液体貯蔵部分(例えば、液体エアロゾル形成基体を含むカートリッジ)をSAWアトマイザーの霧化領域と流体連結する工程を含んでもよい。
【0065】
方法は、無線周波数信号を少なくとも一つの変換器に提供する工程を含んでもよい。
【0066】
この方法は、ある量の液体エアロゾル形成基体をSAWアトマイザーに供給する工程をさらに含んでもよく、液体の量は1回の吸煙に対応する。
【0067】
方法は、霧化領域内の液体エアロゾル形成基体を、好ましくは霧化の前に室温より高い温度まで加熱する工程を含んでもよい。加熱は、霧化される液体の温度が摂氏50度より高い温度、例えば摂氏50~80度となるように実施されてもよい。
【0068】
本発明による方法は、少なくとも第二の変換器を用いてSAWアトマイザーを提供する工程をさらに含んでもよい。
【0069】
方法はその後、少なくとも一つの第二の変換器を用いて信号を出力する工程を含んでもよい。出力信号は、霧化領域内の物理的プロセスを表すものである。前記出力信号は、SAWアトマイザーの動作を制御するために使用されてもよい。例えば、出力信号は、SAWアトマイザーまたはヒーターを制御するための制御システムへの入力信号として使用されてもよい。
【0070】
別の方法として、方法は、少なくとも第二の変換器を用いてさらなる表面弾性波を発生し、さらなる表面弾性波をSAWアトマイザーの表面に沿って霧化領域へと伝搬し、かつ霧化領域内の液体エアロゾル形成基体へと伝搬する工程を含んでもよい。
【0071】
本発明の別の態様によると、本明細書に記載の喫煙装置を備えるエアロゾル発生喫煙システムが提供されている。システムは液体エアロゾル形成基体を備えてもよい。供給要素は、喫煙装置の液体貯蔵部分のハウジング内に備えられた液体エアロゾル形成基体と、表面弾性波アトマイザー(SAWアトマイザー)上の霧化領域と、を流体接続する。
【0072】
液体エアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体および液体添加剤を備える。エアロゾル形成体は、例えばプロピレングリコールまたはグリセロールであってもよい。
【0073】
液体エアロゾル形成基体は水を含んでもよい。
【0074】
液体添加剤は、液体風味または液体刺激物質のうちのいずれか一つまたは任意の組み合わせであってもよい。液体風味は、例えばたばこ風味、たばこ抽出物、果実風味、またはコーヒー風味を含んでもよい。液体添加剤は、例えばスイート系の液体(例えば、バニラ、キャラメル、およびココアなど)、ハーブ液、スパイス系の液体、または刺激的な液体(例えば、カフェイン、タウリン、ニコチン、もしくは食品業界で使用される周知の他の刺激剤を含有する液体)であってもよい。
【0075】
本発明のなお別の態様によると、エアロゾル発生のための喫煙装置用カートリッジが提供されている。カートリッジは、液体エアロゾル形成基体を保持するためのハウジングを備える液体貯蔵部分を備える。カートリッジは、霧化領域と、霧化領域を含むSAWアトマイザーの表面に沿って伝搬する表面弾性波を発生するための少なくとも一つの変換器と、少なくとも第二の変換器とを備える表面弾性波アトマイザー(SAWアトマイザー)をさらに備える。供給要素は、液体エアロゾル形成基体を液体貯蔵部分のハウジングからSAWアトマイザー上の霧化領域に供給するように提供され、かつ配置されている。
【0076】
本明細書に記載の通り、液体貯蔵部分、SAWアトマイザー、供給要素、またはヒーターは、任意の特徴を備えてもよく、またはエアロゾル発生装置の液体貯蔵部分、SAWアトマイザー、供給要素、およびヒーターに関して上述の通り任意の構成で配置されてもよい。カートリッジの利点および特徴は、喫煙装置に関して説明されており、繰り返さない。
【0077】
さらなる態様によると、液体エアロゾル形成基体のエアロゾル発生のための喫煙装置が提供されている。喫煙装置は、液体エアロゾル形成基体を保持するためのハウジングを備える液体貯蔵部分を備える装置ハウジングを備える。装置ハウジングは、例えばカートリッジを受けるためのくぼみを備えてもよく、カートリッジは液体エアロゾル形成基体を備える。喫煙装置は、霧化領域と、霧化領域を含むSAWアトマイザーの表面に沿って伝搬する表面弾性波を発生するための少なくとも一つの変換器とを備える表面弾性波アトマイザー(SAWアトマイザー)をさらに備える。供給要素は、液体エアロゾル形成基体を液体貯蔵部分からSAWアトマイザー上の霧化領域に供給するように配置されている。供給要素は、液体貯蔵部分、例えばカートリッジと、SAWアトマイザー、特にSAWアトマイザー上の霧化領域とを流体接続してもよい。制御システムは、霧化領域内の液体エアロゾル形成基体を霧化してエアロゾルを発生するためのSAWアトマイザーを動作するように構成されている。制御システムは、例えばSAWアトマイザーに接続された電源および制御電子回路を備えてもよい。制御システムは、例えばRF信号を少なくとも一つの変換器に提供するように適合されている。発生したエアロゾルはその後、装置ハウジング内で喫煙装置の下流端へと移動され、喫煙装置のユーザーへと移動されてもよい。
【0078】
本発明は、単なる例証として、添付図面を参照しながら、さらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【
図1】
図1は、貫通可能なカートリッジを有するエアロゾル発生装置、および焦点合わせ変換器を備えるSAWアトマイザーを概略的に図示する。
【
図2】
図2は、二つの焦点合わせ変換器を備えるSAWアトマイザーを有するエアロゾル発生装置を概略的に図示する。
【
図3】
図3は、貫通可能なカートリッジを有するエアロゾル発生装置、および焦点合わせ変換器を備える尖ったSAWアトマイザーを概略的に図示する。
【
図4】
図4は、真っ直ぐな変換器を有するSAWアトマイザーを示す。
【
図5】
図5は、反射器を有する
図4のSAWアトマイザーを示す。
【
図6】
図6は、異なる反射器および追加的な発熱体を有する真っ直ぐな変換器を備えるSAWアトマイザーを示す。
【
図7】
図7は、焦点合わせ変換器を有するSAWアトマイザーを示す。
【
図8】
図8は、焦点合わせ変換器、発熱体、および毛細管要素を有するSAWアトマイザーの上面図を示す。
【
図9】
図9は、
図8のSAWアトマイザーの(中央線A~Aに沿った)断面を示す。
【
図10】
図10は、発熱体を有するSAWアトマイザーのさらなる実施形態の中央線に沿った断面を示す。
【
図11】
図11は、発熱体を有するSAWアトマイザーのさらなる実施形態の中央線に沿った断面を示す。
【
図12】
図12は、二つの焦点合わせ変換器を有するSAWアトマイザーの上面図を示す。
【
図14】
図14は、マイクロチャネルを備える供給要素を有するSAWアトマイザーの上面図を示す。
【
図16】
図16は、カウンターサンク供給要素を有するSAWアトマイザーの上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0080】
図1は、ハウジング10およびマウスピース11を備える電子エアロゾル発生装置を示す。ハウジングは、エアロゾル形成液体を収容するカートリッジ16と、表面弾性波アトマイザー(SAWアトマイザー)チップ15と、SAWアトマイザーを動作および制御するための電子機器14と、電子機器14およびSAWアトマイザー15に電力を提供する電池13とを備える。SAWアトマイザーチップ15は、反射器を含む焦点合わせインターデジタル変換器20を備える長方形のチップであり、これは以下で、より詳細に説明される。
【0081】
円筒形状のカートリッジ16は、SAWアトマイザーチップに面するその遠位端において密封要素(例えば、貫通可能なまたは穿孔可能な箔160)で閉鎖されている。密封要素は、尖った毛細管要素30(例えば、針または紙片)の形態の供給要素によって貫通される。もう一方の、毛細管要素30の遠位端は、チップ上の変換器20の焦点合わせゾーンに達し、焦点合わせゾーンはチップ15上の霧化領域40または気化領域に対応する。
【0082】
図2は、電子エアロゾル発生装置の別の実施形態を示し、同一のまたは類似の要素に対して同一の参照番号が使用される。
図2では、SAWアトマイザー15は、互いに向かい合って配置された二つの焦点合わせインターデジタル変換器20を備える。霧化領域40は二つの変換器20の間にある。
【0083】
両方の変換器は、表面弾性波を発生するように動作されてもよい。これによって、霧化領域40内の霧化が強化される場合があり、または同一の気化レートを達成するために必要な電力はより少ない場合がある。別の方法として、二つの変換器のうちの一つは、霧化領域内での効果または状態(例えば、気化レートまたは液体の存在もしくは不在)を表す信号を提供するために動作されてもよい。前記信号は、電子機器14内で霧化プロセスを制御し、かつ場合によっては適合するために使用されてもよい。
【0084】
図2の実施形態において、カートリッジ16の遠位端は、多孔性材料161の層によって閉鎖されている。多孔性材料は、芯31(例えば、繊維もしくは紙片の細片またはより糸)と接触し、芯31は多孔性材料161からチップ15上の霧化領域40に延びる。装置の長軸方向軸に実質的に垂直な波動伝搬方向を有する二つの変換器20の配置に起因して、芯31は二つの変換器の間にある。
【0085】
図3は、
図1に示したものと類似の電子エアロゾル発生装置のなお別の実施形態を示し、同一のまたは類似の要素に対して同一の参照番号が使用される。
図3では、SAWアトマイザーチップ15は、カートリッジの貫通可能な膜160の貫通を支持する尖った先端部分150を備える。毛細管32は、カートリッジ16の内側とチップ15の霧化領域40との間に延びるように配置されている。毛細管32は、例えばマイクロチャネルであってもよい。
【0086】
随意的なヒーターは、毛細管の各々の側面上に、毛細管の上に、またはチップの裏側面上に配置されてもよい。
【0087】
図4~
図17は、SAWアトマイザーチップ15の実施形態、ならびに変換器、毛細管要素、および発熱体の配置および実施形態の異なる実施例を示す。
【0088】
図4では一つのインターデジタル変換器21が圧電基板の側方の表面部分上に配置されている。変換器21は、平行に配置された一連の真っ直ぐな、組み合わさっている電極210を備える(真っ直ぐな変換器)。霧化領域40は破線によって示され、また変換器の近くに、しかし圧電基板の反対側の側方表面部分上に配置されている。
図5では、同一の変換器21が反射器電極215を有して提供されている。真っ直ぐな反射器電極215は、変換器21の電極210と平行に配置され、かつ霧化領域40に面する側とは反対側の変換器の側に隣接して配置されている。反射器電極は、表面弾性波を意図される伝搬方向(図では右側へ)へと戻るように反射してもよい。変換器21は、例えばLiNbO
3基体上に配置された20個の電極対および32個の反射器電極215を有してもよい。電極材料は金であってもよい。
【0089】
図6の真っ直ぐな変換器は、変換器電極210の間に配置された反射器電極216を備える。発熱体、例えば印刷回路経路の形態の抵抗ヒーター50は、霧化領域40とは反対側の基体上に配置されている。
【0090】
図7は、発生した波動を基体の表面上の小さい焦点合わせゾーン200上へと焦点合わせする、湾曲した、かつテーパー付きの電極211を有する焦点合わせインターデジタル変換器20の実施例である。変換器電極211の間に、湾曲した反射器電極214が、変換器電極と平行に配置されている。
【0091】
図8は、チップの表面上の組み込みヒーター50と、変換器21によって発生した波動の伝搬方向の方向に実質的に沿ってヒーター50を覆って配置される細片の形態の毛細管要素31(例えば、芯または毛細管)とを有する
図7のSAWチップ15を示す。
【0092】
図9は、
図8のチップの断面である。変換器20およびヒーター50は、圧電基板151、例えばニオブ酸リチウム基板の同一の表面(上面)上に配置されている。芯31は、芯31の中をカートリッジ(図示せず)から変換器20とヒーター50との間に配置された霧化領域に搬送される液体の加熱を支持するように、ヒーターを覆ってこれと密接な接触で部分的に配置されている。
【0093】
図10および
図11は、SAWチップ15のさらなる実施形態の断面を示す。
図10では、ヒーター50は基体151の反対側(裏側)に配置されている。ヒーターは、霧化領域へと「延び」、かつ芯31と「重なる」ように位置するが、その間に基体151を有する。熱が、芯31の中または霧化領域内の液体に到達するために基体を通過しなければならない道のりを減らすために、圧電基板の厚さを薄くしてもよい。
図11では、変換器20および芯31は、圧電層152、例えばLiNbO
3、ZnO、AlN、またはSAWアトマイザー用途のための層に適した他の圧電材料の表面上に配置されている。ヒーター50は、
図10に説明されかつ示された同一の位置において、層152の裏側に配置されている。
【0094】
層152は、支持体153(例えば、ガラス、セラミック、シリコン、または金属で作製された基体)上に配置されている。製造上の理由により、ヒーターは基体153に適用されてもよく、その後この基体には圧電層152が提供されている。
【0095】
ヒーターはチップ上に配置されるように示されてきたが、一方でヒーターもまた、例えばチップとエアロゾル形成液体を含むカートリッジとの間の毛細管材料またはチャネルに沿って配置されてもよい。
【0096】
図12および
図13では、反射器電極が提供された二つの焦点合わせ変換器20は、圧電基板151上で互いに向かい合って配置されている。二つの変換器20は、変換器の間に共通の焦点合わせゾーン200を有する。焦点合わせゾーン200では、基体151には貫通穴155が提供され、この貫通穴を通してエアロゾル形成液体が基体151の上面に供給されてもよい。毛細管要素33は、貫通穴155の下部への液体供給のために、基体151の下方に配置されている。随意的に、貫通穴155は毛細管材料で充填されてもよい。この実施形態において、霧化区域41は、基体151の表面において貫通穴155の縁に集められる。鋭い縁は、非常に薄いエアロゾル形成液体層の形成を支持し、これがその気化を促進する。
【0097】
図14および
図15では、エアロゾル形成液体は、芯材料34のシートの形態の毛細管要素を介してチップに供給される。シート34は基体151の表面上に延び、かつ基体表面内に提供された一連の平行なマイクロチャネル35を部分的に覆う。マイクロチャネルは真っ直ぐな変換器21の霧化領域へと延び、この変換器も基体表面上に配置されている。しかし、霧化区域41はマイクロチャネルの縁の上へと集められている。
【0098】
図16および
図17に示されるように、霧化領域41が基体縁156上に集められる場合にも、カウンターサンク毛細管要素36によって類似した結果が達成される場合がある。基体表面の一部分が、例えばエッチングによって取り除かれている。液体を縁156に搬送できるように、この低いレベルの表面部分上に、毛細管要素(例えば、一片の紙など)を、低い部分の縁156と同一平面上に配置する。
【0099】
基体151の表面処理も、薄いエアロゾル形成液体層の形成を支持する場合がある。表面処理はまた、こうした層の局在化も支持する場合がある。例えば、および
図18に示すように、霧化領域40(破線によって示される)は、親水性区域を形成するように処理されてもよく、その一方で、へこみを付けた霧化領域の外側の領域は疎水性区域158であってもよい。
【0100】
本発明によるエアロゾル発生装置内の一つまたは二つの変換器を備えるSAWチップを動作するための例示的な電力範囲は、5ワット~15ワットであり、20ワット未満であることが好ましい。典型的な変換器の電極距離は、約100マイクロメートルの範囲内であり(真っ直ぐな変換器)、その一方で反射器の距離は約50マイクロメートルの範囲内であってもよい。
【0101】
二つの変換器を備える長方形のSAWチップのサイズは、約50mm×20mm~55mm×25mmである。
【0102】
例示的なエアロゾル形成液体組成は、40パーセント~80パーセントがプロピレングリコール、20パーセントが水、そして0パーセント~40パーセントがグリセロールであった。エアロゾル発生液体は約65℃まで加熱された。20秒未満の間に約5マイクロリットルの量のこうした液体が霧化または気化され、1秒当たり約0.2~0.3マイクロリットル以上の気化レートを達成した。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、前記エアロゾル発生装置は、
液体エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵部分と、
液体エアロゾル形成基体を霧化してエアロゾルを発生させるための表面弾性波アトマイザーと、を備え、
前記表面弾性波アトマイザーは、
霧化領域と、
前記霧化領域を含む前記表面弾性波アトマイザーの表面に沿って伝搬する表面弾性波を発生させるように構成された少なくとも1つの変換器と、を備え、
前記エアロゾル発生装置は、
液体エアロゾル形成基体を加熱するように配置されたヒーターと、
液体エアロゾル形成基体を前記液体貯蔵部分から前記霧化領域に供給するように配置された供給要素と、
前記表面弾性波アトマイザーの動作を制御するように構成された制御システムと、を更に備える、
エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記制御システムは、液体エアロゾル形成基体を所定の温度へと加熱するために前記ヒーターを動作するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記ヒーターは、前記表面弾性波アトマイザーと一体型である、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記ヒーターは、前記霧化領域と前記表面弾性波アトマイザーの同一の表面上に配置される、請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記ヒーターは、前記霧化領域が配置される前記表面弾性波アトマイザーの表面の反対側の前記表面弾性波アトマイザーの表面上に配置される、請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記供給要素の少なくとも一部は、前記ヒーターを覆って配置される、請求項1から5のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記少なくとも一つの変換器は、圧電基板上に配置された電極を備えるインターデジタル変換器である、請求項1から6のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの変換器は、前記発生した表面弾性波を前記霧化領域に位置する焦点合わせゾーンに焦点を合わせる湾曲した電極を備える焦点合わせ変換器である、請求項1から7のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記霧化領域は、更に親水性区域を含む、請求項1から8のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記霧化領域の外側の前記表面弾性波アトマイザーの少なくとも1つの領域は、疎水性である、請求項1から9のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記霧化領域は、へこみを付けられている、請求項1から10のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記霧化領域は、前記表面弾性波アトマイザーの縁まで延びる、請求項1から11のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記供給要素の一部分は、前記表面弾性波アトマイザーの前記霧化領域と隣接して配置され、かつ前記供給要素の別の部分は前記液体貯蔵部分に流体接続可能である、請求項1から12のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記供給要素は、前記表面弾性波アトマイザーの前記霧化領域に液体エアロゾル形成基体を供給するための毛細管作用を有する毛細管要素である、請求項1から13のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
前記表面弾性波アトマイザーは、更に第2の変換器を備え、前記第2の変換器は、前記霧化領域の物理的情報を表す電気的信号を発生させるように、又はさらなる表面弾性波を発生させるように構成される、請求項1から14のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項16】
前記電気信号に従って前記表面弾性波アトマイザーの動作を制御するように構成される、請求項15に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項17】
前記液体貯蔵部分、前記表面弾性波アトマイザー、及び前記供給要素は、カートリッジの一部を形成し、かつ前記エアロゾル発生装置は前記カートリッジを受けるためのくぼみを有するハウジングを更に備える、請求項1から16のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項18】
エアロゾル発生システムのためのカートリッジであって、前記カートリッジは、
液体エアロゾル形成基体を保持するための液体貯蔵部分と、
液体エアロゾル形成基体を霧化してエアロゾルを発生させるための表面弾性波アトマイザーと、を備え、
前記表面弾性波アトマイザーは、
霧化領域と、
前記霧化領域を含む前記表面弾性波アトマイザーの表面に沿って伝搬する表面弾性波を発生させるように構成された少なくとも1つの変換器と、を備え、
前記カートリッジは、
液体エアロゾル形成基体を加熱するように配置されたヒーターと、
液体エアロゾル形成基体を前記液体貯蔵部分から前記霧化領域に供給するように配置された供給要素と、を更に備える、
カートリッジ。
【請求項19】
請求項18に記載のカートリッジを備えるエアロゾル発生システムであって、エアロゾル発生装置が、
前記カートリッジを受けるためのくぼみを有するハウジングと、
前記表面弾性波アトマイザーの動作を制御するように構成された制御システムと、
を備える、エアロゾル発生システム。
【請求項20】
前記カートリッジは、前記エアロゾル発生装置に取り外し可能に結合されることができる、請求項19に記載のエアロゾル発生システム。
【外国語明細書】