(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009675
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/42 20120101AFI20240116BHJP
G06Q 20/08 20120101ALI20240116BHJP
G06Q 20/32 20120101ALI20240116BHJP
【FI】
G06Q20/42
G06Q20/08 302
G06Q20/32 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111374
(22)【出願日】2022-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松藤 淳一
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055AA25
5L055AA64
5L055AA78
(57)【要約】
【課題】より適切な態様での代理決済を実現すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、第1端末を介して指定された決済先と対応する決済情報を第2端末から受け付ける受付部と、前記第2端末から受け付けた決済情報と対応する決済先に対して、前記第2端末で利用可能な電子的価値に対する請求を行う請求処理部と、前記第2端末で利用可能な電子的価値を前記第2端末に付与する付与部と、を有することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端末を介して指定された決済先と対応する決済情報を第2端末から受け付ける受付部と
前記第2端末から受け付けた決済情報と対応する決済先に対して、前記第2端末で利用可能な電子的価値に対する請求を行う請求処理部と、
前記第2端末で利用可能な電子的価値を前記第2端末に付与する付与部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1端末を介して指定された決済先と対応する決済情報を前記第1端末に提供する決済情報提供部
を有し、
前記請求処理部は、前記決済情報提供部により前記第1端末に提供された決済情報を前記第2端末から受け付けた場合は、当該決済情報と対応する決済先に対して、前記第2端末で利用可能な電子的価値に対する請求を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受付部は、前記第1端末を介して指定された決済先と、前記第1端末を介して指定された前記第2端末で利用可能な電子的価値とに対応する決済情報を前記第2端末から受け付け、
前記請求処理部は、前記決済情報と対応する決済先に対して、前記決済情報と対応する電子的価値を前記第2端末で利用可能にするための請求を行い、
前記付与部は、前記決済情報と対応する電子的価値を前記第2端末に付与する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記請求処理部は、前記第2端末を介して指定された電子的価値を前記第2端末で利用可能にするための請求を前記決済情報と対応する決済先に対して行い、
前記付与部は、前記第2端末を介して指定された電子的価値を前記第2端末に付与する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2端末で利用可能な電子的価値の指定を前記第2端末を介して受け付けた場合は、当該電子的価値と対応する価値情報を前記第2端末に提供する価値情報提供部と、
前記第2端末から前記価値情報を取得した前記第1端末を介して指定された決済先と対応する決済情報を前記第1端末に提供する決済情報提供部と
を有し、
前記請求処理部は、前記決済情報提供部により前記第1端末に提供された決済情報を前記第2端末から受け付けた場合は、当該決済情報と対応する決済先に対して、前記第2端末を介して指定された電子的価値に対する請求を行い、
前記付与部は、前記第2端末を介して指定された電子的価値を前記第2端末に付与する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第2端末で利用可能な電子的価値の指定と、当該電子的価値を利用する利用者の情報である利用者情報とを前記第2端末を介して受け付けた場合は、当該利用者情報が当該電子的価値と対応する所定の条件を満たすか否かを判定し、当該利用者情報が当該所定の条件を満たすと判定した場合は、当該電子的価値と対応する価値情報を前記第2端末に提供する価値情報提供部と、
前記第2端末から前記価値情報を取得した前記第1端末を介して指定された決済先と対応する決済情報を前記第1端末に提供する決済情報提供部と
を有し、
前記請求処理部は、前記決済情報提供部により前記第1端末に提供された決済情報を前記第2端末から受け付けた場合は、当該決済情報と対応する決済先に対して、前記第2端末を介して指定された電子的価値に対する請求を行い、
前記付与部は、前記第2端末を介して指定された電子的価値を前記第2端末に付与する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記付与部は、前記電子的価値として、所定の交通機関で利用可能な電子定期券のデータを前記第2端末に付与する
ことを特徴とする請求項1~6のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記付与部は、前記電子的価値として、前記第2端末で利用可能な電子マネーのデータを前記第2端末に付与する
ことを特徴とする請求項1~6のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
他の端末装置を介して指定された決済先と対応する決済情報を、当該他の端末装置から取得する取得手順と、
前記取得手順で取得された決済情報と対応する決済先を用いて、自装置で利用可能な電子的価値を提供する提供手順と
を端末装置が有するコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【請求項10】
前記取得手順は、前記他の端末装置に表示されたコード情報を撮影することで、前記決済情報を取得する
ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
前記自装置で利用可能な電子的価値の指定を受け付ける価値受付手順と、
指定された前記電子的価値と対応する価値情報を前記他の端末装置に提供する価値情報提供手順と、
を有し、
前記取得手順は、前記価値情報提供手順により価値情報が提供された前記他の端末装置から、前記決済情報を取得する
ことを特徴とする請求項9または10に記載の情報処理プログラム。
【請求項12】
他の端末装置で電子的価値を利用可能とする際の決済先の指定を受け付ける受付手順と、
前記受付手順で受け付けられた決済先と対応する決済情報を前記他の端末装置に対して提供する提供手順と
を端末装置が有するコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【請求項13】
前記受付手順は、前記他の端末装置で利用可能とする電子的価値の指定をさらに受け付け、
前記提供手順は、前記受付手順で受け付けられた決済先と、前記電子的価値とに対応する決済情報を提供する
ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理プログラム。
【請求項14】
前記他の端末装置から、当該他の端末装置で利用可能とする電子的価値と対応する価値情報を取得する取得手順と、
前記取得手順により取得された価値情報と対応する電子的価値に関する情報を表示する表示手順と
を前記端末装置が有するコンピュータに実行させるための情報処理プログラムであって、
前記提供手順は、前記価値情報の取得元となる前記他の端末装置で電子的価値を利用可能とする際の決済先と対応する決済情報を提供する
ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理プログラム。
【請求項15】
前記提供手順は、前記他の端末装置が撮影可能なコード情報を前記決済情報として提供する
ことを特徴とする請求項12~14のうちいずれか1つに記載の情報処理プログラム。
【請求項16】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
第1端末を介して指定された決済先と対応する決済情報を第2端末から受け付ける受付工程と
前記第2端末から受け付けた決済情報と対応する決済先に対して、前記第2端末で利用可能な電子的価値に対する請求を行う請求処理工程と、
前記第2端末で利用可能な電子的価値を前記第2端末に付与する付与工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項17】
第1端末を介して指定された決済先と対応する決済情報を第2端末から受け付ける受付手順と
前記第2端末から受け付けた決済情報と対応する決済先に対して、前記第2端末で利用可能な電子的価値に対する請求を行う請求処理手順と、
前記第2端末で利用可能な電子的価値を前記第2端末に付与する付与手順と
をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理プログラムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者の端末装置を用いた決済関連技術として、商品や役務等の購入対象を購入する利用者とは異なる決済者に対して請求を行う代理決済の技術が知られている。このような技術の一例として、ある利用者が商品を購入する際に、決済者に対して購入対象の情報を提供し、決済者が購入を許可した場合に、決済者に対する決済処理を実行する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術では、適切な態様での代理決済を実現しているとは言えない場合がある。
【0005】
例えば、利用者が購入対象を購入する場合には、不正購入の防止や教育的観点から、決済者に対して購入対象の購入を事前に相談させたいといった要望が考えられる。また、このような課題以外にも、利用者が購入対象を購入する場合は、決済者に対して直接的に事前の説明や承認を得たいといった要望が考えられる。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、より適切な態様での代理決済を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る情報処理装置は、第1端末を介して指定された決済先と対応する決済情報を第2端末から受け付ける受付部と、前記第2端末から受け付けた決済情報と対応する決済先に対して、前記第2端末で利用可能な電子的価値に対する請求を行う請求処理部と、前記第2端末で利用可能な電子的価値を前記第2端末に付与する付与部と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本願に係る情報処理プログラムは、端末装置が有するコンピュータに、他の端末装置を介して指定された決済先と対応する決済情報を、当該他の端末装置から取得する取得手順と、前記取得手順で取得された決済情報と対応する決済先を用いて、自装置で利用可能な電子的価値を提供する提供手順とを実行させる。
【0009】
また、本願に係る情報処理プログラムは、端末装置が有するコンピュータに、他の端末装置で電子的価値を利用可能とする際の決済先の指定を受け付ける受付手順と、前記受付手順で受け付けられた決済先と対応する決済情報を前記他の端末装置に対して提供する提供手順とを実行させる。
【発明の効果】
【0010】
実施形態の一態様によれば、より適切な態様での代理決済を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る決済処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態における画面遷移の例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態において情報の送受信の一例を示すシーケンス図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る決済情報データベースに登録される情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る情報処理装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る決済者側の端末装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係る利用者側の端末装置が実行する処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。
【
図10】
図10は、第2の実施形態に係る決済処理の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態における画面遷移の例を示す図である。
【
図12】
図12は、第2の実施形態において情報の送受信の一例を示すシーケンス図である。
【
図13】
図13は、第2の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図14】
図14は、第2の実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
【
図15】
図15は、第2の実施形態に係る情報処理装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図16】
図16は、第2の実施形態に係る決済者側の端末装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、第2の実施形態に係る利用者側の端末装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理プログラムおよび情報処理方法を実施するための実施の形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、実施形態の記載は、本願に係る情報処理装置、情報処理プログラムおよび情報処理方法の一例を示すものであり、以下の記載をもって情報処理装置、情報処理プログラムおよび情報処理方法を限定的に解釈させるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0013】
[第1の実施形態]
〔1-1.情報処理装置および端末装置の概要について〕
まず、
図1を用いて、情報処理装置10、および端末装置110、120(以下、「端末装置100」と総称する場合がある。)が実行する決済処理の一例について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る決済処理の一例を示す図である。
図1に示す例では、利用者U1が決済者として、利用者U2が購入対象を購入する際の決済を行う際に情報処理装置10が実行する決済処理の一例について記載した。
【0014】
例えば、情報処理装置10は、インターネット等の所定のネットワークを介して、各種の装置と通信可能な情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。なお、情報処理装置10は、単体の情報処理装置である必要はない。例えば、情報処理装置10が発揮する機能は、複数台のサーバ装置等が連携して実現されるものであってもよい。
【0015】
端末装置110、120(以下、「端末装置100」と総称する場合がある。)は、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、3G(Generation)、LTE(Long Term Evolution)、5G(Generation)、無線LAN(Local Area Network)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。また、端末装置100は、液晶ディスプレイ等の画面であって、タッチパネルの機能を有する画面を有し、利用者から指やスタイラス等により各種操作を受け付ける機能を有する。また、端末装置100は、カメラを有し、各種写真等の撮影のみならず、バーコードやQRコード(登録商標)等、各種のコード情報を読み取る機能を有する。
【0016】
また、端末装置100は、情報処理装置10とインターネット等の所定のネットワークを介して通信可能となっている。なお、
図1に示す例では、2台の端末装置100と情報処理装置10とが通信を行う例について記載したが、情報処理装置10は、任意の数の端末装置100と通信可能であってよい。また、端末装置110は、利用者U1が利用する端末装置である。また、端末装置120は、利用者U2が利用する端末装置である。
【0017】
ここで、利用者U1は、利用者U2が購入対象を購入する際に決済を行う決済者であり、例えば、利用者U2の親である。また、利用者U2は、購入対象を購入し、利用する利用者であり、例えば、利用者U1の子である。なお、利用者U1、U2の関係性は、親子に限定されるものではなく、例えば、上司と部下等、利用者U1が利用者U2の代理決済を行う者であれば、任意の関係性であってよい。
【0018】
ここで、利用者U1、U2(以下、「利用者U」と総称する場合がある。)は、以下に説明する決済処理により、電車やバス等、各種公共交通機関を利用するための電子マネーや電子定期券(以下、「電子的価値」と総称する場合がある。)を購入対象として購入する。なお電子マネーは、各店舗において利用可能な電子マネーであってもよい。
【0019】
例えば、利用者U2が利用する端末装置120には、Felica(登録商標)等のNFC(Near field communication)チップが搭載されている。端末装置120は、後述する決済処理により、電子的価値に関する決済が完了した場合は、電子的価値のデータを情報処理装置10から取得し、取得した電子的価値のデータをNFCチップに書き込むことで、非接触で利用可能な電子マネーや電子定期券を利用可能にする機能を有する。なお、以下の説明では、各種電子的価値のデータをNFCチップに書き込み、利用可能とする処理を「チャージ」と総称し、チャージする電子マネーの額を「チャージ額」と総称する場合がある。また、端末装置110は、端末装置120と同様にNFCチップの機能を有していてもよく、有していなくともよい。
【0020】
〔1-2.代理決済について〕
ここで、情報処理装置10が実行する決済処理について説明する。情報処理装置10は、利用者U2が利用する電子的価値を端末装置120に提供する際、利用者U1のクレジットカード等を用いた決済処理、すなわち、代理決済を実行する。換言すると、情報処理装置10は、利用者U1が有する電子的価値(例えば、端末装置110に登録された電子的価値)を利用者U2に提供するような処理(いわゆる送金処理)ではなく、利用者U1を決済先として、利用者U2の端末装置120に直接提供される電子的価値の決済を実行する。
【0021】
ここで、従来技術では、利用者U2が購入対象を購入する際に、利用者U1に対して購入対象の情報を提供し、利用者U1が購入を許可した場合に、利用者U1に対する決済処理を実行していた。しかしながら、このような技術では、適切な態様での代理決済を実現できているとは言えない場合がある。
【0022】
例えば、従来技術では、実際に購入対象を購入するタイミングで利用者U1に対して許諾を求めるため、購入対象が適切な購入対象であるかを利用者U1が判断する時間的余裕があまりない。より具体的な例を挙げると、利用者U2が学生である場合、親である利用者U1を決済先として、利用者U2の端末装置120に通学等に用いる定期券や電子マネーをチャージしたいという要望が考えられる。しかしながら、このような定期券や電子マネーを利用しようとする際に利用者U1に許諾を求めた場合、利用までの時間的な余裕があまりなく、利用者U1が機械的に許諾を行ってしまう恐れがある。このため、利用者U2が電子マネーのチャージを他者から強要されている場合等に、利用者U1が代理決済を許諾してしまう恐れがある。
【0023】
このように、利用者U2が購入する購入対象が定期券や電子マネーである場合、電子的価値の不正防止、教育的な観点、安全性、および電子的価値の利用態様を考慮すると、利用者U2から利用者U1に電子的価値の利用説明等を事前に対面で行い、その場で利用者U1が許可した場合に、利用者U2の端末装置120に電子的価値をチャージさせたいという要望が考えらえる。
【0024】
そこで、情報処理装置10は、端末装置100と協調して動作することで、以下の決済処理を実行する。例えば、情報処理装置10は、端末装置110を介して指定された決済先と対応する決済情報を端末装置120から受け付ける。そして、情報処理装置10は、端末装置120から受け付けた決済情報と対応する決済先に対して、端末装置120で利用可能な電子的価値に対する請求を行い、端末装置120で利用可能な電子的価値を端末装置120に付与する。
【0025】
また、端末装置110、120は、所定のアプリケーションを実行することで、以下の処理を実行する。例えば、端末装置110は、端末装置120で電子的価値を利用可能とする際の決済先の指定を利用者U1から受け付ける。このような場合、端末装置110は、受け付けられた決済先と対応する決済情報を利用者U2の端末装置120に対して提供する。一方、端末装置120は、端末装置110を介して指定された決済先と対応する決済情報を、端末装置110から取得する。そして、端末装置120は、決済情報と対応する決済先を用いて、自装置で利用可能な電子的価値を取得する。
【0026】
〔1-3.決済処理の一例について〕
以下、
図1を用いて、決済処理の一例について説明する。まず利用者U2は、利用者U1に対し、購入対象となる電子的価値の説明を行う(ステップSB)。例えば、利用者U2は、通学に用いる定期券の内容や、必要な電子マネーの額、利用用途等を親である利用者U1に対して対面で行う。そして、利用者U1は、利用者U2の説明に納得し利用者U2に対して電子的価値を提供する場合は、端末装置110に対して決済先と、購入対象となる電子的価値の内容とを入力する(ステップS1)。例えば、利用者U1は、あらかじめ登録しておいたクレジットカード情報の選択や、クレジットカード番号の入力、決済用の銀行口座情報の入力等を行うことで、決済先を端末装置110に入力する。また、例えば、利用者U1は、チャージ額や定期券の内容等を入力する。
【0027】
このような場合、端末装置110は、決済先と電子的価値の内容とを情報処理装置10へと送信する(ステップS2)。すると、情報処理装置10は、決済先と対応する決済情報を生成する(ステップS3)。例えば、情報処理装置10は、ランダムな文字列やワンタイムパスワード等といった文字列を決済情報として生成する。そして、情報処理装置10は、生成した決済情報に対し、決済先情報と価値情報とを対応付けて保持する。
【0028】
そして、情報処理装置10は、生成した決済情報を示すQRコードを端末装置110に提供する(ステップS4)。このような場合、端末装置110は、情報処理装置10から受け付けたQRコード、すなわち、決済情報を表示する(ステップS5)。
【0029】
続いて、利用者U2は、端末装置120が有するカメラ機能を用いて、端末装置110に表示されたQRコードの読み取りを行う。すなわち、端末装置120は、端末装置110から決済情報を取得する(ステップS6)。そして、端末装置120は、QRコードが示す決済情報を情報処理装置10へと提供する(ステップS7)。
【0030】
ここで、情報処理装置10は、決済情報を端末装置120から受け付けた場合、受け付けた決済情報と対応づけた決済先および電子的価値の内容を特定する(ステップS8)。そして、情報処理装置10は、電子的価値の付与に対する決済処理を、特定した決済先に対して実行する(ステップS9)。その後、情報処理装置10は、決済処理が適切に完了した場合は、特定した内容の電子的価値のデータを端末装置120へと送信することで、電子的価値を端末装置120に付与する(ステップS10)。このような場合、端末装置120は、電子的価値をNFCチップに登録することで、電子的価値を利用可能とする(ステップS11)。
【0031】
〔1-4.画面遷移の一例について〕
続いて、
図2を用いて、上述した決済処理において各端末装置100が表示する画面の一例について説明する。
図2は、第1の実施形態における画面遷移の例を示す図である。
図2には、端末装置120に対して、端末装置110を介して指定された額の電子マネーをチャージさせる際に端末装置110が表示するコンテンツC1~C4と、端末装置120が表示するコンテンツC5~C7の一例について記載した。
【0032】
例えば、端末装置110は、利用者U1が代理決済を選択した場合、チャージ額の指定を受け付けるコンテンツC1を表示する。
図2に示す例では、コンテンツC1には、代理決済の対象となるチャージ額を示すとともに、チャージ額を変更を受け付けるボタンB1が配置されている。端末装置110は、利用者がボタンB1を選択した場合、チャージ額の指定を受け付けるコンテンツC2を表示する。そして、端末装置110は、コンテンツC2を介して利用者U1がチャージ額を指定した場合は、コンテンツC1を再度表示し、指定されたチャージ額を表示する。端末装置110は、このようなコンテンツC1、C2を介して、利用者U1から電子的価値の指定を受け付ける。なお、端末装置110は、例えば、テンキーなどを用いて、詳細なチャージ額の指定を受け付けてもよい。
【0033】
また、端末装置110は、「次へ」等といった文言が配置されたコンテンツC1のボタンB2が選択された場合、決済先としてクレジットカードの指定を受け付けるコンテンツC3を表示する。例えば、端末装置110は、情報処理装置10等にあらかじめ登録された利用者U1のクレジットカード情報を取得し、取得したクレジットカード情報を選択可能に表示するとともに、各種の決済手段を選択可能に表示する。端末装置110は、このようなコンテンツC3を介して、利用者から決済に用いるクレジットカードや決済手段の指定を受け付ける。
【0034】
また、端末装置110は、コンテンツC3のボタンB3が選択された場合、決済先と電子的価値とを情報処理装置10へと通知し、決済先および電子的価値と対応する決済情報、すなわち、決済情報を示すQRコードを取得する。そして、端末装置110は、取得したQRコードを含むコンテンツC4を表示する。
【0035】
一方、端末装置120は、端末装置110に表示されたQRコードを撮影するためのコンテンツC5を表示し、端末装置110に表示されたQRコードを利用者U2に撮影させる。そして、端末装置120は、QRコードが撮影された場合、撮影されたQRコードが示す決済情報を情報処理装置10へと送信する。このような場合、情報処理装置10は、端末装置120に対し、利用者U1が指定したチャージ額等、電子的価値の内容を示すコンテンツC6を配信し、表示させる。そして、端末装置120は、利用者U2がチャージ額等を確認し、受け取りを指示するボタンB4を選択した場合、情報処理装置10に対して、決済処理を要求する。この結果、情報処理装置10は、決済処理を行うとともに、電子的価値のデータを端末装置120に配信する。一方、端末装置120は、配信された電子的価値のデータをNFCチップに登録し、チャージが完了した旨を示すコンテンツC7を表示する。
【0036】
〔1-5.送受信される情報の例について〕
次に、
図3を用いて、情報処理装置10と端末装置110、120間で送受信される情報の一例について説明する。
図3は、第1の実施形態において情報の送受信の一例を示すシーケンス図である。例えば、端末装置110は、利用者が指定した決済先を示す情報I1と電子的価値の内容を示す情報I2とを情報処理装置10へと送信する。このような場合、情報処理装置10は、情報I1と情報I2とに対応付けられた決済情報I3、すなわち、決済先と電子的価値と対応する決済情報I3を生成し、決済情報I3を端末装置110に送信する。すると、端末装置110は、決済情報I4を端末装置120へと提供する。より具体的には、端末装置110は、決済情報I3であるQRコードを表示し、表示したQRコードを端末装置120に撮影させることで、決済情報I4を端末装置120へと提供する。
【0037】
一方、端末装置120は、端末装置110から取得した決済情報I4を情報処理装置10へと送信する。すると、情報処理装置10は、決済情報I4と対応する決済先に対して決済を行うとともに、決済情報I4と対応する電子的価値のデータI5を端末装置120へと送信する。そして、端末装置120は、電子的価値のデータI5をNFCチップに書き込むことで、チャージを実現する。このように、第1の実施形態においては、決済先の情報や電子的価値の情報が利用者U2の端末装置120に伝達されることなく、代理決済を実現することができる。また、第1の実施形態においては、端末装置110側で電子的価値を利用する端末装置120を指定するといった処理や、端末装置120側で決済先となる利用者U1の端末装置110を指定するといった処理を行ずとも、代理決済を実現することができる。
【0038】
〔1-6.情報処理装置の構成〕
以下、上記した情報処理装置10が有する機能構成の一例について説明する。
図4は、第1の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図4に示すように、情報処理装置10は、通信部20、記憶部30、および制御部40を有する。
【0039】
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。例えば、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、端末装置100との間で情報の送受信を行う。
【0040】
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される記憶装置である。なお、記憶部30は、情報処理装置10の外部に設置されたストレージシステム等により実現されてもよい。
図4に示す例では、記憶部30には、決済情報データベース31が登録されているが、これ以外にも、決済処理に関する各種の情報(例えば、端末装置100に表示させる各種コンテンツのデータ)等が登録されていてもよい。
【0041】
決済情報データベース31には、決済情報が決済先情報と価値情報とに紐づけて登録される。例えば、
図5は、第1の実施形態に係る決済情報データベースに登録される情報の一例を示す図である。例えば、
図5に示す例では、決済情報データベース31には、「決済情報ID(Identifier)」、「決済先情報」、「価値情報」、および「決済情報」といった項目を有する情報が登録されている。なお、決済情報データベース31には、
図5に示す情報以外にも、各種の情報が登録されていてもよい。
【0042】
「決済情報ID」とは、決済情報を示す識別子である。また、「決済先情報」とは、利用者U1によって指定された決済先を示す情報である。また、「価値情報」とは、利用者U1によって指定された電子的価値の内容を示す情報である。また、「決済情報」とは、端末装置110に対して提供され、端末装置120から受け付けた場合に決済を実行する情報、すなわち、決済情報であり、例えば、端末装置110に対して提供されるQRコードである。
【0043】
例えば、
図5に示す例では、決済情報ID「ID#1」、決済先情報「決済先#1」、価値情報「1000円」、および決済情報「QRコード#1」が対応付けて登録されている。かかる情報は、決済情報ID「ID#1」が示す決済情報が「QRコード#1」であり、決済先が「決済先#1」であり、チャージ額が「1000円」である旨を示す。なお、例えば、利用者UIにより指定された電子的価値が定期券である場合、
図5の決済情報ID「ID#2」と紐づけられた価値情報が示すように、定期券が利用可能な駅や期間といった定期券に関する情報が登録される。なお、「決済情報」は、QRコードの画像データであってもよく、例えば、QRコードが示す文字列、すなわち決済情報そのものであってもよい。
【0044】
図4に戻り、説明を続ける。制御部40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路等のプロセッサによって、情報処理装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。例えば、
図4に示す例では、制御部40は、インタフェース提供部41、決済情報提供部42、受付部43、請求処理部44、および付与部45の機能を発揮する。
【0045】
インタフェース提供部41は、端末装置100に対して、決済処理に関する各種のコンテンツを提供する。例えば、インタフェース提供部41は、利用者U1の操作に基づいて、
図2に示す各種コンテンツC1~C4を端末装置110に提供する。また、インタフェース提供部41は、利用者U2の操作に基づいて、
図2に示す各種コンテンツC5~C7を端末装置120に提供する。
【0046】
決済情報提供部42は、端末装置110を介して指定された決済先と対応する決済情報を端末装置110に提供する。また、決済情報提供部42は、端末装置110を介して指定された電子的価値と対応する決済情報を端末装置110に提供する。
【0047】
例えば、決済情報提供部42は、
図2に示すコンテンツC1~C3を介して利用者が指定した決済先を示す決済先情報と、電子的価値を示す価値情報とを取得する。このような場合、決済情報提供部42は、ランダムな文字列等を決済情報として生成し、決済情報と決済先情報と価値情報とを対応付けて決済情報データベース31に登録する。そして、決済情報提供部42は、生成した決済情報を示すQRコードを端末装置110に提供する。
【0048】
なお、決済情報提供部42は、任意のロジックによる決済情報の生成を行ってよい。例えば、決済情報提供部42は、決済先情報と価値情報とを示すQRコード、すなわち、端末装置100が読み取った際に決済先情報と価値情報とを閲覧可能なQRコードを生成してもよく、例えば、決済先情報のみを示すQRコードを生成してもよい。しかしながら、このようなQRコードを生成した場合、利用者U2がQRコードを保持あるいは解析することで、利用者U1の決済先情報を取得することができる。そこで、決済情報提供部42は、例えば、暗号化した決済先情報を示すQRコード等、直接的に決済先情報を取得することができない決済情報を生成する。また、決済情報提供部42は、例えば、決済先情報と価値情報とは独立したロジックで生成した文字列や、決済先情報と価値情報(もしくはその一方)のハッシュ値等を決済情報として生成し、生成した決済情報を示すQRコードを端末装置110に提供してもよい。
【0049】
なお、決済情報提供部42が生成する文字列は、決済処理を行うたびに新規な文字列であることが望ましい。また、決済情報提供部42は、決済先情報や価値情報以外にも、例えば、処理日時やその他各種の情報に基づいて、決済処理ごとに一意な決済情報を生成してもよい。
【0050】
受付部43は、端末装置110を介して指定された決済先と対応する決済情報を端末装置120から受け付ける。より具体的には、受付部43は、端末装置110を介して指定された決済先と、端末装置120で利用可能な電子的価値とに対応する決済情報を端末装置120から受け付ける。例えば、受付部43は、端末装置110に対して提供したQRコードを読み取った端末装置120から、QRコードが示す決済情報を受け付ける。
【0051】
請求処理部44は、端末装置120から受け付けた決済情報と対応する決済先に対して、端末装置120で利用可能な電子的価値に対する請求を行う。より具体的には、請求処理部44は、決済情報提供部42により端末装置110に提供された決済情報を、端末装置110とは異なる端末装置120から受け付けた場合は、決済情報と対応する決済先に対して、前記端末装置120で利用可能な電子的価値に対する請求を行う。ここで、請求処理部44は、決済情報と価値情報とが紐づけられている場合、決済情報と対応する価値情報が示す電子的価値を端末装置120で利用可能にするための請求を行う。
【0052】
例えば、請求処理部44は、端末装置120から決済情報を受け付けた場合、決済情報データベース31を参照し、決済情報と紐づけられた価値情報と決済先情報とを特定する。そして、請求処理部44は、例えば、各種の決済処理を行う決済サーバ200と通信し、特定した決済先情報が示す決済先に対し、価値情報が示す電子的価値に対する対価の請求処理を行う。
【0053】
付与部45は、端末装置120で利用可能な電子的価値を端末装置120に付与する。より具体的には、付与部45は、決済情報と対応する電子的価値を端末装置120に付与する。例えば、付与部45は、請求処理部44により決済が適切に行われた場合は、価値情報が示す電子的価値として、所定の交通機関や各種店舗で利用可能な電子マネーのデータや、定期券のデータを端末装置120に送信し、端末装置120が有するNFCチップに登録させる。
【0054】
〔1-7.端末装置の構成〕
次に、
図6を用いて、端末装置100が有する機能構成の一例について説明する。
図6は、第1の実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
図6に示すように、端末装置100は、通信部130、記憶部140、カメラ150、表示部151、NFCユニット152、および制御部160を有する。
【0055】
通信部130は、例えば、LTEや5G、無線LAN等を介して通信を行うための通信ユニットであり、各種の通信用チップ等により実現される。記憶部140は、例えば、RAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子等によって実現される記憶装置である。
図4に示す例では、記憶部140には、決済処理を実現するための決済アプリケーションとして動作するプログラムのデータであるアプリケーションデータ141が登録されている。
【0056】
カメラ150は、端末装置100に搭載された撮像装置であり、各種の半導体撮像装置により実現される。表示部151は、各種情報を表示するための表示装置であり、例えば、各種の液晶パネルや有機EL(Electro-Luminescence)パネル等により実現される。なお、表示部151は、利用者Uの操作を受け付けるいわゆるタッチパネルであってもよい。
【0057】
NFCユニット152は、近距離無線通信を介して、各種の情報を登録および更新可能な半導体集積回路である。例えば、NFCユニット152は、アンテナ、およびアンテナを介して供給された電力を用いて外部の装置と通信し、各種情報の記憶および更新が可能ななNFCチップにより構成されている。
【0058】
制御部160は、例えば、CPU、MPU、ASIC、FPGA等の集積回路等のプロセッサによって、記憶部140に記憶されている各種プログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。例えば、
図6に示す例では、制御部160は、各種のプログラムデータを実行することで、OS等の第1アプリケーション170としての機能を発揮する。また、制御部160は、アプリケーションデータ141をロードし、実行することで、決済アプリケーション180としての機能を発揮する。
図6に示す例では、決済アプリケーション180は、受付部181、提供部182、決済情報取得部183、および価値提供部184として制御部160を動作させる。
【0059】
受付部181は、他の端末装置で電子的価値を利用可能とする際の決済先の指定を受け付ける。また、受付部181は、他の端末装置で利用可能とする電子的価値の指定をさらに受け付ける。例えば、受付部181は、端末装置100が決済者である利用者U1の端末装置110として動作する場合、利用者U1から、電子的価値を利用する利用者U2の端末装置120にチャージする電子マネーのチャージ額や定期券等、電子的価値の指定等を受け付ける。また、受付部181は、利用者U1から、決済に用いるクレジットカードの指定等、決済先の指定を受け付ける。
【0060】
提供部182は、決済先や電子的価値と対応する決済情報を他の端末装置に対して提供する。例えば、提供部182は、端末装置100が決済者である利用者U1の端末装置110として動作する場合、受付部181が受け付けた電子的価値の内容や決済先の情報を情報処理装置10へと送信し、決済情報を受け付ける。そして、提供部182は、受け付けた決済情報を端末装置120に対して提供する。例えば、提供部182は、決済情報と対応するQRコードを表示部151に表示させる。
【0061】
決済情報取得部183は、他の端末装置を介して指定された決済先と対応する決済情報を、他の端末装置から取得する。具体的には、決済情報取得部183は、他の端末装置に表示されたコード情報を撮影することで、決済情報を取得する。例えば、決済情報取得部183は、端末装置100が利用者U2の端末装置120として動作する場合、カメラ150を起動させ、端末装置110が表示するQRコードの撮影を行う。そして、決済情報取得部183は、QRコードが示す情報を決済情報として取得する。
【0062】
価値提供部184は、取得された決済情報が示す決済先を用いて、自装置で利用可能な電子的価値を取得する。例えば、価値提供部184は、決済情報取得部183により取得された決済情報を情報処理装置10へと送信する。そして、価値提供部184は、情報処理装置10から電子的価値のデータを受信すると、受信した電子的価値のデータをNFCユニット152が有するNFCチップに登録させることで、電子的価値を利用可能とする。
【0063】
〔1-8.決済処理の流れの一例〕
続いて、
図7~
図9を用いて、決済処理の流れの一例について説明する。
【0064】
〔1-8-1.情報処理装置10が実行する決済処理の流れの一例〕
まず、
図7を用いて、情報処理装置10が実行する処理の流れについて説明する。
図7は、第1の実施形態に係る情報処理装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0065】
まず、情報処理装置10は、端末装置110から代理決済要求を受け付けたかを判定し(ステップS101)、受け付けていない場合は(ステップS101:No)、受け付けるまで処理を待機する。一方、情報処理装置10は、端末装置110から代理決済要求を受け付けた場合は(ステップS101:Yes)、端末装置110から決済先情報と価値情報とを受け付ける(ステップS102)。このような場合、情報処理装置10は、決済先情報と価値情報とに対応する決済情報を端末装置110に提供する(ステップS103)。
【0066】
このような場合、情報処理装置10は、端末装置120から決済情報を受け付けたか否かを判定し(ステップS104)、受け付けていない場合は(ステップS104:No)、受け付けるまで待機する。そして、情報処理装置10は、端末装置120から決済情報を受け付けた場合は(ステップS104:Yes)、決済情報に基づく決済先情報を用いて決済処理を実行し(ステップS105)、価値情報が示す電子的価値を端末装置120に付与して(ステップS106)、処理を終了する。
【0067】
〔1-8-2.端末装置110が実行する決済処理の流れの一例〕
次に、
図8を用いて、端末装置110が実行する処理の流れについて説明する。
図8は、第1の実施形態に係る決済者側の端末装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8に示す例では、端末装置110は、利用者から代理決済要求を受け付けたか否かを判定し(ステップS201)、受け付けていない場合は(ステップS201:No)、受け付けるまで待機する。そして、端末装置110は、代理決済要求を受け付けた場合は(ステップS201:Yes)、決済先情報と価値情報とを利用者から受け付ける(ステップS202)。続いて、端末装置110は、決済先情報と価値情報とを情報処理装置10へと送信し、決済情報を取得する(ステップS203)。そして、端末装置110は、取得した決済情報を画面上に表示し(ステップS204)、処理を終了する。
【0068】
〔1-8-3.端末装置120が実行する決済処理の流れの一例〕
次に、
図9を用いて、端末装置120が実行する処理の流れについて説明する。
図9は、第1の実施形態に係る利用者側の端末装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9に示す例では、端末装置120は、カメラ等を用いて、端末装置110に表示された決済情報を取得したか否かを判定し(ステップS301)、取得していない場合は(ステップS301:No)、取得するまで待機する。そして、端末装置120は、決済情報を取得した場合は(ステップS301:Yes)、決済情報を情報処理装置10へと送信する(ステップS302)。続いて、端末装置120は、情報処理装置10から電子的価値のデータを取得し(ステップS303)、電子的価値をNFCチップにチャージして(ステップS304)、処理を終了する。
【0069】
〔1-9.第1の実施形態における効果の一例について〕
このように、第1の実施形態において、情報処理装置10は、決済情報となるQRコードを端末装置110の画面上に表示させ、この画面を端末装置120に撮影させることで、決済情報を端末装置120へと伝達する。このような処理の結果、情報処理装置10は、端末装置110の利用者である利用者U1の近傍に、端末装置120の利用者である利用者U2が所在することを決済時に求めることができるので、対面を前提とした代理決済を実現することができる。
【0070】
また、第1の実施形態においては、決済先情報や価値情報が直接的に端末装置120に通知されることなく、利用者U1を決済先として利用者U2が利用する電子的価値の代理決済を実現することができる。このため、利用者U2が利用者U1のクレジットカード情報等を保持し、不正な電子的価値のチャージ等を行うといった行為を防ぐことができる。また、情報処理装置10は、決済ごとに新たな決済情報を生成し、生成した決済情報を、端末装置110を介して、電子的価値を利用する端末装置120へと提供させる。このため、情報処理装置10は、例えば、利用者U2が決済情報であるQRコードを仮にキャプチャしていたとしても、キャプチャしたQRコードを用いた再度の決済を防ぐことができる。
【0071】
また、情報処理装置10は、決済情報を端末装置110へと提供し、端末装置110から端末装置120へと提供させるので、端末装置110が実行するアプリケーションに対し、決済先の情報を事前に登録したり連絡帳等の機能をアプリケーションに搭載する手間を削減することができる。
【0072】
また、情報処理装置10は、決済者である利用者U1が指定した電子的価値を示す価値情報を端末装置110から取得し、価値情報と対応する決済情報を提供する。そして、情報処理装置10は、端末装置120から決済情報を取得した場合は、決済情報と対応する価値情報が示す電子的価値を端末装置120に付与する。このような処理の結果、情報処理装置10は、利用者U2ではなく利用者U1が指定した電子的価値を利用者U2に対して付与することができるので、例えば、利用者U2が利用者U1に対して説明した電子的価値とは異なる電子的価値を利用するといった不正利用を防ぐことができる。
【0073】
[第2の実施形態]
〔2-1.電子的価値の指定について〕
上述した第1の実施形態においては、親である利用者U1(すなわち、決済者)が子である利用者U2に提供される電子的価値の指定を行った。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。利用者U2が購入対象となる電子的価値を選択し、選択した電子的価値の決済を利用者U1にさせた方が利用しやすい状況も考えられる。例えば、利用者U2が自ら利用する定期券の区間や期間を選択しておく方が、利用者U1が選択するよりも、間違いを防ぐことができる。
【0074】
一方で、このように電子的価値の選択を利用者U2が行う場合、利用者U2が利用者U1に対して嘘をつき、説明した電子的価値と同額の異なる電子的価値を購入してしまうといった事態も考えられる。そこで、第2の実施形態において、情報処理装置10aは、利用者U2が選択した電子的価値の情報を、近傍に所在する利用者U1に提供し、利用者U1の許諾が得られた場合に、利用者U1を決済者として利用者U2に電子的価値の付与を行う。
【0075】
例えば、
図10は、第2の実施形態に係る決済処理の一例を示す図である。なお、
図10に示す情報処理装置10aは、
図1に示す情報処理装置10と同様に、各種の決済処理を実行する。
図10に示す端末装置110aは、
図1に示す端末装置110と同様に利用者U1が利用する端末装置であり、
図10に示す端末装置120aは、
図1に示す端末装置120と同様に利用者U2が利用する端末装置である。
【0076】
図10に示す例において、まず利用者U2は、端末装置120aを介して、購入対象となる電子的価値の選択を行う(ステップS21)。このような場合、端末装置120aは、選択された電子的価値の情報、すなわち、価値情報を情報処理装置10aへと送信する(ステップS22)。すると、情報処理装置10aは、価値情報と対応するQRコードを生成し(ステップS23)、QRコードを端末装置120aへと提供する(ステップS24)。例えば、情報処理装置10aは、電子的価値を直接的に認識可能な文字列をQRコードに変換すればよい。このような場合、端末装置120aは、画面上に電子的価値と対応するQRコードを表示する(ステップS25)。
【0077】
そして、利用者U2は、利用者U1に対し、電子的価値の購入や、QRコードの読み取りを依頼する(ステップS26)。このような場合、利用者U1は、端末装置110aが有するカメラ機能を用いて、端末装置120aに表示されたQRコードの読み取りを行う。すなわち、端末装置110aは、端末装置120aから価値情報を取得する(ステップS27)。そして、端末装置110aは、画面上に価値情報が示す電子的価値の内容を表示する(ステップS28)。
【0078】
ここで、利用者U1は、電子的価値の内容を確認した場合、端末装置110aに対して決済先を示す決済先を入力する(ステップS29)。このような場合、端末装置110aは、決済先を示す決済先情報を情報処理装置10aへと送信する(ステップS30)。すると、情報処理装置10aは、決済先情報と対応する決済情報を生成し(ステップS31)、生成した決済情報を示すQRコードを端末装置110aに提供する(ステップS32)。なお、端末装置110aは、端末装置120aから取得した価値情報と決済先情報とを情報処理装置10aへと送信してもよい。このような場合、情報処理装置10aは、価値情報と決済先情報とに対応する決済情報を提供することとなる。
【0079】
端末装置110aは、情報処理装置10aから受け付けたQRコード、すなわち、決済情報を表示する(ステップS33)。このような場合、端末装置120aは、端末装置110aに表示されたQRコードを撮影することで、決済情報を取得する(ステップS34)。そして、端末装置120aは、QRコードが示す決済情報を情報処理装置10aへと提供する(ステップS35)。すると、情報処理装置10aは、受け付けた決済情報と紐づけた決済先情報を特定し、ステップS22にて受け付けた電子的価値の付与に対する決済処理を、決済先情報を用いて実行する(ステップS36)。その後、情報処理装置10aは、決済処理が適切に完了した場合は、電子的価値のデータを端末装置120aへと送信することで、電子的価値を端末装置120aに付与する(ステップS37)。例えば、情報処理装置10aは、ステップS22にて端末装置120aから受け付けた価値情報が示す電子的価値の付与を行ってもよい。また、情報処理装置10aは、決済情報が価値情報にも対応付けられている場合は、決済情報と対応付けられた価値情報が示す電子的価値を付与してもよい。そして、端末装置120aは、電子的価値をNFCチップに登録することで、電子的価値を利用可能とする(ステップS38)。
【0080】
なお、端末装置120aが自装置内で電子的価値を示すQRコードを生成する場合、ステップS22~ステップS24の処理は、実行されずともよい。また、ステップS23にて、情報処理装置10aは、電子的価値とは個別に文字列を生成し、生成した文字列をQRコードに変換し、ステップS24にてQRコードを端末装置120aへと提供してもよい。このような場合、ステップS28にて、端末装置110aは、QRコードが示す文字列を情報処理装置10aへと送信し、情報処理装置10aから、送信した文字列と紐づけられた電子的価値を示す価値情報を取得し、画面上に価値情報が示す電子的価値の情報を表示することとなる。
【0081】
〔2-2.第2の実施形態における画面遷移の一例について〕
続いて、
図11を用いて、上述した決済処理において端末装置110a、120a(以下、「端末装置100a」と総称する場合がある。)が表示する画面の一例について説明する。
図11は、第2の実施形態における画面遷移の例を示す図である。
図11には、端末装置120aに対して、端末装置120aを介して指定された定期券をチャージさせる際に端末装置120aが表示するコンテンツC10~C12、C16、C17と、端末装置110aが表示するコンテンツC13~C15の一例について記載した。
【0082】
例えば、端末装置120aは、利用者U2から購入対象となる定期券の指定を受け付けるコンテンツC10を表示する。なお、
図11に示す例では、定期券を購入する例について記載したが、端末装置120aは、利用者U2から購入対象としてチャージ額の指定を受け付けるコンテンツを表示してもよい。そして、端末装置120aは、決済方法を選択させるボタンB10を選択した場合、決済方法の選択を受け付けるためのコンテンツC11を表示する。
【0083】
ここで、端末装置120aは、利用者が代理決済を選択し、次にボタンB11を選択した場合は、価値情報を情報処理装置10aへと送信し、価値情報を示すQRコードを受け付ける。そして、端末装置120aは、受け付けたQRコードを含むコンテンツC12を表示する。このような場合、端末装置110aは、端末装置120aに表示されたQRコードを利用者U1に撮影させる。そして、端末装置110aは、QRコードが撮影された場合、撮影されたQRコードが示す価値情報を示すコンテンツC13を表示する。このようなコンテンツC13を表示することで、端末装置110aは、利用者U2が購入しようとしてる電子的価値が、利用者U2が説明した通りのものであるかを利用者U1に確認させることができる。
【0084】
なお、端末装置120aは、価値情報を情報処理装置10aへと送信し、価値情報を直接的に変換したQRコードではなく、価値情報と紐づけられた文字列を示すQRコードを取得して表示してもよい。このような場合、端末装置110aは、QRコードが示す文字列を情報処理装置10aへと送信し、文字列と紐づけられた価値情報を取得することで、利用者U2が購入しようとしている電子的価値を表示することができる。
【0085】
続いて、端末装置110aは、利用者U1が電子的価値の購入を承諾した場合、決済先としてクレジットカードの指定を受け付けるコンテンツC14を表示する。そして、端末装置110aは、決済先が選択された場合は、決済先情報を情報処理装置10aへと送信し、決済先情報と紐づけられたQRコード、すなわち決済情報を示すQRコードを取得する。そして、端末装置110aは、取得したQRコードを含むコンテンツC15を表示する。
【0086】
一方、端末装置120aは、端末装置110aに表示されたQRコードを利用者U2に撮影させる。そして、端末装置120aは、QRコードが撮影された場合、撮影されたQRコードが示す決済情報を情報処理装置10aへと送信する。このような場合、情報処理装置10aは、端末装置120aに対し、購入対象を示すコンテンツC16を表示させる。そして、端末装置120aは、利用者U2が購入対象を確認し、受け取りを指示するボタンを選択した場合、情報処理装置10aに対して、決済処理を要求する。この結果、情報処理装置10aは、決済処理を行うとともに、電子的価値のデータを端末装置120aに配信する。一方、端末装置120aは、配信された電子的価値のデータをNFCチップに登録し、チャージが完了した旨を示すコンテンツC18を表示する。
【0087】
〔2-3.第2の実施形態において送受信される情報の例について〕
次に、
図12を用いて、情報処理装置10aと端末装置100aとの間で送受信される情報の一例について説明する。
図12は、第2の実施形態において情報の送受信の一例を示すシーケンス図である。例えば、端末装置120aは、購入対象となる電子的価値を示す価値情報I10を情報処理装置10aへと送信する。このような場合、情報処理装置10aは、電子的価値と対応する価値情報I11をQRコードに変換し、QRコードを端末装置120aへと提供する。
【0088】
一方、端末装置120aは、QRコードを画面上に表示し、端末装置110aに撮影させることで、価値情報I11を端末装置110aに提供する。そして、端末装置110aは、購入対象となる電子的価値の内容を画面上に表示する。例えば、端末装置110aは、QRコードが電子的価値の内容を直接的に示す場合、かかる内容を画面上に表示すればよい。また、端末装置110aは、QRコードが示す価値情報を情報処理装置10aへと提供し、情報処理装置10aから、価値情報と紐づけられた電子的価値の内容を取得して表示してもよい。
【0089】
なお、端末装置120aは、電子的価値の内容のみならず、利用者U2をさらに示すQRコードを表示してもよい。例えば、端末装置120aは、利用者U2のユーザ名やユーザID、もしくは、利用者U1と利用者U2との交渉の際に取り決めた文字列情報等と、電子的価値の内容とに対応するQRコードを生成し、端末装置110aに提供する。このような場合、端末装置110aは、画面上に、電子的価値の内容とともに、それを購入しようとする利用者U2の情報(ユーザ名、ユーザID、もしくは文字列情報等)を表示することができる。
【0090】
続いて、端末装置110aは、決済先を示す決済先情報I12を情報処理装置10aへと送信する。このような場合、情報処理装置10aは、決済先情報I12に紐づけられた決済情報I13を生成する。そして、情報処理装置10aは、決済情報I13を端末装置110に送信する。すると、端末装置110aは、決済情報I13を端末装置120aへと提供する。一方、端末装置120aは、端末装置110aから取得した決済情報I13を情報処理装置10aへと送信する。すると、情報処理装置10aは、決済情報I13と対応する決済先情報I12に基づいて決済を行うとともに、価値情報I11が示す電子的価値のデータI14を端末装置120aへと送信する。そして、端末装置120aは、電子的価値のデータI14をNFCチップに書き込むことで、チャージを実現する。
【0091】
なお、情報処理装置10aは、端末装置120aから受け付けた価値情報I10が示す電子的価値を付与してもよい。また、例えば、情報処理装置10aは、決済先とともに、端末装置120aから端末装置110aが読み取った価値情報を決済先情報I12とともに受け付けてもよい。このような場合、情報処理装置10aは、価値情報および決済先情報と対応する決済情報I13を生成すればよい。また、情報処理装置10aは、端末装置120aから決済情報I13とともに価値情報を取得し、取得した価値情報が示す電子的価値を提供してもよい。
【0092】
ここで、価値情報I11となるQRコードを生成した場合、利用者U2は、利用者U1に同様の電子的価値を繰り返し購入させるといった不正が生じる恐れがある。情報処理装置10aは、このような不正を防ぐため、例えば、ランダムな文字列やワンタイムパスワード等の文字列を生成し、生成した文字列を価値情報として、電子的価値の内容と紐づけてもよい。このような場合、情報処理装置10aは、価値情報をQRコードに変換し、QRコードを価値情報I11として提供する。すると、端末装置110aは、QRコードが示す文字列を情報処理装置10aへと送信し、文字列に紐づけられた電子的価値の内容を取得して、画面上に表示してもよい。
【0093】
〔2-4.第2の実施形態に係る情報処理装置の構成〕
以下、上記した情報処理装置10aが有する機能構成の一例について説明する。
図13は、第2の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。なお、
図13に示す情報処理装置10aが有する機能構成のうち、
図4に示す情報処理装置10が有する機能構成と同様の機能を発揮するものについては、
図4に示す機能構成と同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0094】
制御部40aは、制御部40と同様に、集積回路等のプロセッサによって、情報処理装置10a内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。例えば、
図13に示す例では、制御部40aは、インタフェース提供部41a、決済情報提供部42a、受付部43a、請求処理部44a、付与部45a、および価値情報提供部46の機能を発揮する。以下、インタフェース提供部41a、価値情報提供部46、決済情報提供部42a、受付部43a、請求処理部44a、および付与部45aの順に、機能の一例を説明する。
【0095】
インタフェース提供部41aは、
図4に示すインタフェース提供部41と同様の機能を発揮する。また、インタフェース提供部41aは、
図11に示すコンテンツC10~C17を端末装置100に提供する。
【0096】
価値情報提供部46は、端末装置120aを介して指定された電子的価値と対応する価値情報を端末装置120aに提供する。例えば、受付部43aは、端末装置120で利用可能な電子的価値の指定を端末装置120から受け付ける。このような場合、価値情報提供部46は、電子的価値を示す文字列を価値情報としてQRコードに変換し、QRコードを端末装置120aへと提供する。この結果、端末装置120aは、電子的価値を示すQRコードを表示し、端末装置110aに電子的価値の内容を提供することができる。
【0097】
なお、価値情報提供部46は、ランダムな文字列やワンタイムパスワード等の文字列を生成し、生成した文字列を価値情報として、電子的価値の内容と対応付けて決済情報データベース31に登録してもよい。このような場合、価値情報提供部46は、生成した文字列をQRコードに変換し、QRコードを端末装置120aへと提供することで、価値情報を端末装置120aに提供する。そして、価値情報提供部46は、端末装置110aから価値情報となる文字列を受け付けると、受け付けた文字列と対応する電子的価値の内容を端末装置110aに提供することで、端末装置110aに電子的価値の内容を提供することができる。なお、価値情報提供部46は、電子的価値の内容のみならず、利用者U2の情報とさらに対応付けられた価値情報を示すQRコードを提供してもよい。
【0098】
決済情報提供部42aは、
図4に示す決済情報提供部42と同様の機能を発揮する。例えば、端末装置110aは、価値情報提供部46により価値情報を示すQRコードを端末装置120aから読み取る。そして、端末装置110aは、利用者から指定された決済先を示す決済先情報と、読み取った価値情報とを情報処理装置10aへと提供する。このような場合、決済情報提供部42aは、価値情報と決済先情報と対応する決済情報を生成し、生成した決済情報を示すQRコードを端末装置110aへと提供する。
【0099】
このような処理の結果、決済情報提供部42aは、端末装置110aを介して指定された決済先、および、端末装置120aを介して指定された電子的価値の内容と対応する決済情報を端末装置110aに提供する。そして、受付部43aは、端末装置110aを介して指定された決済先、および、端末装置120aを介して指定された電子的価値の内容と対応する決済情報を端末装置120aから受け付けることとなる。
【0100】
また、請求処理部44aは、端末装置120aを介して指定された電子的価値を端末装置120aで利用可能にするための請求を、端末装置110aを介して指定された決済先に対して行う。そして、付与部45aは、端末装置120aを介して指定された電子的価値を、端末装置120aに対して付与する。
【0101】
〔2-5.第2の実施形態に係る端末装置の構成〕
次に、
図14を用いて、端末装置100aが有する機能構成の一例について説明する。
図14は、第2の実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
図14に示す例では、
図6と同様の機能を発揮する機能構成について、
図6と同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0102】
図14に示す例では、記憶部140には、第2の実施形態に係る決済処理を実現するためのアプリケーションデータ141aが登録されている。制御部160は、アプリケーションデータ141aをロードし、実行することで、決済アプリケーション180aとしての機能を発揮する。
図14に示す例では、決済アプリケーション180aは、受付部181a、提供部182a、決済情報取得部183、価値提供部184、および価値情報取得部185として制御部160を動作させる。
【0103】
受付部181a、提供部182aは、
図6に示す受付部181、提供部182と同様の機能を発揮する。また、受付部181aは、端末装置100aが利用者U2が利用する端末装置120aとして動作する場合、端末装置120aで利用可能な電子的価値の指定を受け付ける。このような場合、提供部182aは、指定された電子的価値を情報処理装置10aへと提供し、電子的価値と対応するQRコードを取得する。そして、表示部151にQRコードを表示させることで、端末装置110aに、指定された電子的価値を示す価値情報を提供する。
【0104】
一方、端末装置100aが利用者U1が利用する端末装置110aとして動作する場合、価値情報取得部185は、カメラ150を起動させ、端末装置120aが表示するQRコードの撮影を行う。そして、価値情報取得部185は、QRコードが示す情報を価値情報として取得し、取得した価値情報を表示部151に表示させる。
【0105】
また、受付部181aは、端末装置100が利用者U1の端末装置110aとして動作する場合、利用者U1から、決済先の指定を受け付ける。すると、提供部182aは、価値情報取得部185が取得した価値情報と、指定された決済先とを情報処理装置10aに送信し、決済情報を受け付ける。そして、提供部182aは、受け付けた決済情報と対応するQRコードを表示部151に表示させる。
【0106】
上述した処理の結果、決済情報取得部183は、端末装置100aが利用者U2の端末装置120aとして動作する場合、カメラ150を起動させ、端末装置110aが表示するQRコードの撮影を行い決済情報を取得する。そして、価値提供部184は、取得された決済情報が示す決済先を用いて、自装置で利用可能な電子的価値を取得することができる。
【0107】
〔2-6.第2の実施形態に係る決済処理の流れの一例〕
続いて、
図15~
図17を用いて、決済処理の流れの一例について説明する。
【0108】
〔2-6-1.情報処理装置10aが実行する決済処理の流れの一例〕
まず、
図15を用いて、情報処理装置10aが実行する処理の流れについて説明する。
図15は、第2の実施形態に係る情報処理装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0109】
まず、情報処理装置10は、端末装置120aから代理決済要求を受け付けたかを判定し(ステップS401)、受け付けていない場合は(ステップS401:No)、受け付けるまで処理を待機する。一方、情報処理装置10aは、端末装置120aから代理決済要求を受け付けた場合は(ステップS401:Yes)、端末装置120aから価値情報を受け付ける(ステップS402)。このような場合、情報処理装置10aは、価値情報を示すQRコードを端末装置120aに提供する(ステップS403)。
【0110】
また、情報処理装置10aは、端末装置110aから決済先情報と価値情報とを受け付けたか否かを判定し(ステップS404)、受け付けていない場合は(ステップS404:No)、受け付けるまで待機する。そして、情報処理装置10aは、端末装置110aから決済先情報と価値情報とを受け付けた場合は(ステップS404:Yes)、決済先情報と価値情報とに対応する決済情報を端末装置110aに提供する(ステップS405)。
【0111】
このような場合、情報処理装置10aは、端末装置120aから決済情報を受け付けたか否かを判定し(ステップS406)、受け付けていない場合は(ステップS406:No)、受け付けるまで待機する。そして、情報処理装置10aは、端末装置120aから決済情報を受け付けた場合は(ステップS406:Yes)、決済情報に基づく決済先情報を用いて決済処理を実行し(ステップS407)、価値情報が示す電子的価値を端末装置120aに付与して(ステップS408)、処理を終了する。
【0112】
〔2-6-2.端末装置110aが実行する決済処理の流れの一例〕
次に、
図16を用いて、端末装置110aが実行する処理の流れについて説明する。
図16は、第2の実施形態に係る決済者側の端末装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図16に示す例では、端末装置110aは、端末装置120から価値情報を示すQRコードを受け付けたか否かを判定し(ステップS501)、受け付けていない場合は(ステップS501:No)、受け付けるまで待機する。そして、端末装置110aは、価値情報を示すQRコードを受け付けた場合は(ステップS501:Yes)、価値情報の内容を表示する(ステップS502)。続いて、端末装置110aは、利用者かから決済先を利用者から受け付けたか否かを判定し(ステップS503)、受け付けていない場合は(ステップS503:No)、受け付けるまで待機する。そして、端末装置110aは、決済先を受け付けた場合は(ステップS503:Yes)、決済先情報と価値情報とを情報処理装置10へと送信し、決済情報を取得する(ステップS504)。そして、端末装置110aは、取得した決済情報を画面上に表示し(ステップS505)、処理を終了する。
【0113】
〔2-6-3.端末装置120aが実行する決済処理の流れの一例〕
次に、
図17を用いて、端末装置120aが実行する処理の流れについて説明する。
図17は、第2の実施形態に係る利用者側の端末装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図17に示す例では、端末装置120aは、利用者から代理決済要求を受け付けたか否かを判定し(ステップS601)、受け付けていない場合は(ステップS601:No)、受け付けるまで待機する。そして、端末装置120aは、利用者から代理決済要求を受け付けた場合は(ステップS601:Yes)、利用者U2が指定した電子的価値を示す価値情報を受け付け(ステップS602)、受け付けた価値情報を示すQRコードを表示する(ステップS603)。
【0114】
続いて、端末装置120aは、カメラ等を用いて、端末装置110aに表示された決済情報を取得したか否かを判定し(ステップS604)、取得していない場合は(ステップS604:No)、取得するまで待機する。そして、端末装置120aは、決済情報を取得した場合は(ステップS604:Yes)、決済情報を情報処理装置10aへと送信する(ステップS605)。続いて、端末装置120aは、情報処理装置10aから電子的価値のデータを取得し(ステップS606)、電子的価値をNFCチップにチャージして(ステップS607)、処理を終了する。
【0115】
〔2-7.第2の実施形態における効果の一例について〕
このように、第2の実施形態において、情報処理装置10aは、端末装置120aを介して指定された電子的価値を端末装置120aで利用可能にするための請求を、端末装置110aを介して指定された決済先に対して行い、電子的価値を端末装置120aに対して付与する。このため、情報処理装置10aは、電子的価値を利用する利用者U2から電子的価値の指定を受け付け、電子的価値の付与を実現することができる。
【0116】
また、情報処理装置10aは、端末装置120aで利用可能な電子的価値の指定を端末装置120aを介して受け付けた場合は、電子的価値と対応する価値情報を端末装置120aに提供する。また、情報処理装置10aは、端末装置120aから価値情報を取得した端末装置110aから決済先の指定を受け付けると、端末装置110aに対して、指定された決済先と対応する決済情報を端末装置110aに提供する。そして、情報処理装置10aは、端末装置110aに提供された決済情報を端末装置120aから受け付けた場合は、決済情報と対応する決済先に対して、端末装置120aを介して指定された電子的価値に対する請求を行い、電子的価値を端末装置120aに付与する。
【0117】
このような処理の結果、情報処理装置10aは、端末装置120aを介して指定された電子的価値の情報を、決済者である利用者U1に提示させることができるので、利用者U2に対して提供される電子的価値の内容を利用者U1に確認させることができる。また、情報処理装置10aは、電子的価値の内容を確認した利用者U1が決済先を指定すると、決済先と対応する決済情報を利用者U1へと提供し、利用者U1から利用者U2へと伝達させる。そして、情報処理装置10aは、利用者U2から決済情報を受け付けた場合に、電子的価値を利用者U2に提供するので、利用者U1と利用者U2との直接的な交渉による電子的価値の提供や、利用者U1と利用者U2とが近傍に位置することを要件とした代理決済を実現することができる。
【0118】
なお、端末装置120aに対して電子的価値のデータを書き込む処理を確実に行うには、端末装置120aが情報処理装置10aと通信可能である必要がある。そこで、情報処理装置10aは、価値情報を取得した端末装置110aから決済先が指定された時点では電子的価値の付与を行わずに、いったん決済情報を端末装置110aに提供し、端末装置120aから決済情報を受け付けた際に、電子的価値の付与を行う。このため、情報処理装置10aは、端末装置120aが確実に情報処理装置10aと通信可能なタイミングで、電子的価値の付与を行うことができる。
【0119】
また、第2の実施形態では、端末装置110aが決済先の指定を受け付け、端末装置120aが電子的価値の指定を受け付けるだけでよい。このため、利用者U2は、購入したい電子的価値を指定し、利用者U1は、電子的価値の確認後、決済先を指定するだけで、電子的価値を利用者U2に提供することができる。
【0120】
ここで、利用者U2が学生である場合、電子的価値として学生用に割引された定期を購入したいといった要望が考えられる。このような学生用の定期券を購入する場合は、例えば、利用者U2の学生証の画像を情報処理装置10aへとアップロードすることが要件となりえる。しかしながら、端末装置110aを介して電子的価値の指定を受け付けようとすると、親である利用者U1が、子である利用者U2の学生証を撮影し、アップロードするといった手間が増える。そこで、第2の実施形態では、情報処理装置10aは、端末装置120aを介して電子的価値の指定を受け付ける際に、学生証等、電子的価値の利用に伴う追加情報をさらに端末装置120aから受け付けてもよい。このような場合、親である利用者U1は、学生証の画像のアップロード等といった操作を行わずとも、利用者U2に電子的価値の付与を行うことができる。
【0121】
以下、学生証を用いた電子的価値の付与について詳細に説明する。例えば、利用者U2は、
図10のステップS21において、学生用に料金が通常よりも割り引かれている学生定期を指定するとともに、利用者U2の学生証の写真を登録する。すなわち、端末装置120aは、利用者U2から、電子的価値と、その電子的価値を利用する利用者U2の情報である利用者情報を取得する。なお、端末装置120aは、学生証の写真以外にも、利用者U2の氏名や生年月日、通学している学校の名称等といったテキストデータを利用者情報として取得してもよい。
【0122】
そして、端末装置120aは、価値情報と利用者情報とを情報処理装置10aへと送信する(ステップS22)。このような場合、情報処理装置10aが有する受付部43aは、価値情報と利用者情報とを受け付ける。そして、情報処理装置10aが有する価値情報提供部46は、利用者情報が所定の条件を満たすか否かを判定する。例えば、価値情報提供部46は、価値情報が示す電子的価値を利用するための条件を、利用者情報が示す利用者が満たすか否かを判定する。より具体的な例を挙げると、価値情報提供部46は、利用者情報が示す利用者が、学生定期を利用可能な学生であるか否かを判定する。
【0123】
そして、価値情報提供部46は、利用者情報が所定の条件を満たすと判定した場合は、指定された電子的価値と対応する価値情報を端末装置120aに提供する(
図10中ステップS24)。このような処理の結果、端末装置120aは、学生定期等、利用者U2が所定の条件を満たした場合にのみ利用可能な電子的価値を示す価値情報を端末装置110aに提供し、端末装置110aから、価値情報が示す電子的価値の決済を行うための決済情報を取得する。
【0124】
このような処理を行った場合、情報処理装置10aや端末装置120aは、学生定期を購入する際など、事前に学生証等をアップロードをする必要がある場合に、アップロード作業をあらかじめ子が行い、学生料金が認められる状態まで子がおこなうことで親の作業負担を低減することができる。
【0125】
また、端末装置110aは、端末装置120aから、端末装置120aで利用可能とする電子的価値と対応する価値情報を取得すると、取得された価値情報と対応する電子的価値に関する情報を表示する。このため、端末装置110aは、利用者U2に対して提供される電子的価値の内容を利用者U1に確認させることができる。また、端末装置110aは、価値情報の取得元となる端末装置120aで電子的価値を利用可能とする際の決済先と対応する決済情報を端末装置120aに提供する。このため、端末装置110aは、利用者U2が指定した電子的価値の購入を利用者U1が許諾した場合に、利用者U1を決済先とするための決済情報を利用者U2に提供し、利用者U2に電子的価値を提供することができる。
【0126】
また、端末装置120aは、電子的価値の指定を受け付けると、電子的価値と対応する価値情報を端末装置110aに提供する。そして、端末装置120aは、価値情報が提供された端末装置120aから、決済情報を取得し、取得した決済情報を用いて、電子的価値を取得する。このため、端末装置120aは、利用者U2が選択した電子的価値の内容を利用者U1に確認させ、その後、利用者U1が選択した決済先を用いて、電子的価値を取得することができる。
【0127】
〔3.変形例〕
上記では、情報処理装置10、10a、端末装置110、110a、および端末装置120、120aによる処理の一例について説明した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。以下、情報処理装置10、10a、端末装置110、110a、および端末装置120、120aが実行する処理のバリエーションについて説明する。なお、以下の説明においては、情報処理装置10、10aを情報処理装置10と総称し、端末装置110、110aを端末装置110と総称し、端末装置120、120aを端末装置120とする。
【0128】
〔3-1.QRコードについて〕
上述した例では、端末装置110、120は、QRコードを表示し、表示されたQRコードを撮影することで、価値情報および決済情報の提供や取得を実現した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、端末装置110、120は、バーコード等の各種2次元コードを用いて、価値情報および決済情報の提供や取得を実現してもよい。また、端末装置110、120は、音や光等を介した任意の通信手段を用いて、価値情報および決済情報の提供や取得を実現してもよい。
【0129】
また、端末装置110、120は、Bluetooth(登録商標)や各種NFC等の近距離無線通信技術を用いて、近傍に位置する他の端末装置110、120に対し、価値情報や決済情報の提供を行ってもよい。すなわち、端末装置110、120は、利用者U1、U2が直接的に電子的価値の購入に関する説明や許諾を行えるように、価値情報や決済情報を利用者U1、U2間でやり取りすることができるのであれば、任意の提供態様で、価値情報や決済情報のやり取りを実現してよい。
【0130】
〔3-2.宛先の指定について〕
上述した例では、情報処理装置10、および端末装置110、120は、価値情報や決済情報を端末装置間で提供させることで、宛先の指定なしでの代理決済を実現した。このような処理の結果、情報処理装置10、および端末装置110、120は、端末装置110、120側で実行するアプリケーションに宛先管理機能を実装せずとも、代理決済を実現することができる。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。
【0131】
例えば、情報処理装置10、および端末装置110、120は、宛先をさらに用いた決済処理を行ってもよい。例えば、第1の実施形態や第2の実施形態において、端末装置110は、情報処理装置10に対し、決済先とともに宛先である利用者U2や端末装置120を通知する。このような場合、情報処理装置10は、決済先と宛先とに対応付けた決済情報を端末装置110へと提供する。一方、情報処理装置10は、端末装置120から決済情報を受け付けた場合は、決済情報と対応する宛先と、端末装置120とが一致するか否かの突合せを行い、一致する場合にのみ、端末装置120に対して電子的価値を付与してもよい。
【0132】
また、第2の実施形態において、端末装置120は、利用者U2や端末装置120の情報を宛先とし、宛先と指定された電子的価値と対応する価値情報を端末装置110へと提供する。このような場合、端末装置110は、宛先と電子的価値とを表示することで、利用者U1に、電子的価値の内容と電子的価値の提供先とを認識させてもよい。そして、端末装置110は、電子的価値の内容と宛先と決済先とを情報処理装置10へと送信し、電子的価値と宛先と決済先とに対応付けられた決済情報を取得してもよい。
【0133】
〔3-3.タイムアウトについて〕
情報処理装置10は、決済情報を端末装置110に提供してから所定の時間内に端末装置120から決済情報が得られなかった場合は、決済処理をキャンセルしてもよい。例えば、情報処理装置10は、決済情報を端末装置110に提供してから5分以上経過した場合は、端末装置120から決済情報が得られたとしても、決済を行わずに最初から決済処理を行うように端末装置120に通知してもよい。
【0134】
また、情報処理装置10は、価値情報を端末装置120に提供してから所定の時間内に端末装置110から決済先の指定を得られなかった場合は、決済処理をキャンセルしてもよい。例えば、情報処理装置10は、端末装置120から電子的価値の指定を受け付けた場合、価値情報を生成し、生成した価値情報を電子的価値とを対応付けた状態で、価値情報を端末装置120へと提供する。一方、端末装置110は、端末装置120から価値情報を取得し、利用者U1から決済先を受け付けた場合、価値情報と決済先とを情報処理装置10へと送信する。ここで、情報処理装置10は、端末装置120に価値情報を提供してから端末装置110から価値情報を取得するまでの期間を特定し、特定した期間が所定の閾値を超える場合(例えば、5分を超える場合)や、同じ価値情報をすでに受信済みである場合は、決済処理をキャンセルし、端末装置110、120に、決済処理を最初から行うように通知してもよい。このような処理を行うことで、情報処理装置10は、例えば、価値情報となるQRコードを保持しておき、くりかえし利用するといった利用者U2の不正行為を防ぐことができる。
【0135】
〔3-4.チャージについて〕
上述した例では、情報処理装置10は、端末装置120内に配置されたNFCチップに対して各種の電子的価値のデータを登録させた。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、サーバ側で管理する台帳を用いて電子的価値の利用などが行われる場合、情報処理装置10は、台帳を管理するサーバ装置に対して、端末装置120と電子的価値の情報とを提供することで、台帳を更新させ、端末装置120に対して電子的価値の付与を実現してもよい。
【0136】
また、情報処理装置10は、端末装置120内のNFCチップではなく、端末装置120と紐づく他の端末装置(例えば、NFCチップを内蔵する腕時計型の端末)に対して、電子的価値を付与してもよい。例えば、情報処理装置10は、電子的価値のデータを端末装置120へと提供し、端末装置120を介して、他の端末装置が有するNFCチップにチャージさせてもよい。
【0137】
〔3-5.QRコードの内容について〕
上述した例では、情報処理装置10は、決済先を直接的に示すQRコードではなく、決済先と対応する決済情報をQRコード化することで、利用者U2に対して決済先の秘匿を実現した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。情報処理装置10は、決済先を直接的に示すQRコードを生成してもよい。
【0138】
また、情報処理装置10は、決済先と紐づけたURL(Uniform Resource Locator)を決済情報として生成し、URLを示すQRコードを提供してもよい。例えば、情報処理装置10は、端末装置110から決済先の指定を受け付けると、情報処理装置10にアクセス可能なユニークなURLを決済情報として生成し、生成したURLを示すQRコードを端末装置110へと提供する。このような場合、端末装置120は、端末装置110から読み取ったQRコードが示すURLにアクセスする。すると、情報処理装置10は、アクセスされたURLと対応づけられた決済先を用いて、電子的価値の付与を行う。すなわち、情報処理装置10が決済情報を受け付ける処理とは、決済情報のデータそのものを受け付ける処理のみならず、決済情報として設定されたURLに対して端末装置120のアクセスを認識する処理をも含む概念である。
【0139】
〔3-6.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、手動的に実現されてもよい。逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部は、公知の方法で自動的に実現されてもよい。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0140】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的または機能構成的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置や機能構成の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。また、上記してきた各実施形態や、各実施形態において実施される処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせてよい。
【0141】
〔3-7.プログラム〕
また、上述した実施形態に係る情報処理装置10、端末装置100は、例えば
図18に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図18は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、表示装置1010、入力装置1020と接続され、中央演算装置1030、メモリ1040、ストレージ1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、通信インタフェース1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0142】
中央演算装置1030は、メモリ1040やストレージ1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。メモリ1040は、RAM等、中央演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、ストレージ1050は、中央演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0143】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、カメラ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。なお、入力装置1020は、光学記録媒体、光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置やUSBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0144】
通信インタフェース1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して中央演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して通信演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。中央演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、中央演算装置1030は、入力装置1020やストレージ1050からプログラムをメモリ1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0145】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置10として機能する場合、コンピュータ1000の中央演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。また、コンピュータ1000が端末装置100として機能する場合、コンピュータ1000の中央演算装置1030は、メモリ1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部160の機能を実現する。
【0146】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施してよい。また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、付与部は、付与手段や付与回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0147】
10、10a 情報処理装置
20 通信部
30 記憶部
31 決済情報データベース
40 制御部
41 インタフェース提供部
42 決済情報提供部
43 受付部
44 請求処理部
45 付与部
100、110、110a、120、120a 端末装置
130 通信部
140 記憶部
141、141a アプリケーションデータ
150 カメラ
151 表示部
152 NFCユニット
160 制御部
170 第1アプリケーション
180、180a 決済アプリケーション
181、181a 受付部
182、182a 提供部
183 決済情報取得部
184 価値提供部
185 価値情報取得部