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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096775
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/436 20110101AFI20240709BHJP
【FI】
H04N21/436
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024060518
(22)【出願日】2024-04-04
(62)【分割の表示】P 2022190872の分割
【原出願日】2007-10-17
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】栗田 俊之
(72)【発明者】
【氏名】尾鷲 仁朗
(57)【要約】
【課題】
カメラや携帯電話などの持ち運びが可能な映像機器で得られた映像を表示装置に表示させる際の利便性を向上させる。
【解決手段】
表示装置に所定のインタフェースを介して接続された外部機器から取得される画像情報に基づく第1画像または第2画像または第3の画像を選択して表示部に表示可能にする。表示部は、第1のインタフェース部を介して外部機器から入力された圧縮画像情報を伸張部で伸張した画像情報に基づく複数の第1の画像を用いた所定時間間隔のスライドショー表示を行う。また、表示部は、第2のインタフェース部を介して入力された非圧縮画像情報に基づく複数の第2の画像を用いた所定時間間隔のスライドショー表示を行う。表示部による画像の表示とともに音声出力部で音声出力を行う。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビジョン表示装置において、
外部機器から無線により圧縮画像情報が入力可能な第1のインタフェース部と、
外部機器から有線により非圧縮画像情報が入力可能な第2のインタフェース部と、
外部機器から有線により圧縮画像情報が入力可能な第3のインタフェース部と、
前記第1のインタフェース部又は前記第3のインタフェース部に入力された圧縮画像情報を伸張可能な伸張部と、
前記第1のインタフェース部に入力された圧縮画像情報を前記伸張部で伸張した画像情報に基づく第1の画像、前記第2のインタフェース部に入力された非圧縮画像情報に基づく第2の画像、又は前記第3のインタフェース部に入力された圧縮画像情報を前記伸長部で伸張した画像情報に基づく第3の画像を表示可能な表示部と、
音声を出力する音声出力部、を備え、
前記表示部は、更に、受信されたテレビ放送番組を表示可能に構成されており、
前記表示装置の入力装置に対する操作に応じて、前記第1の画像を前記表示部に表示させるか、前記第2の画像を前記表示部に表示させるか、前記第3の画像を前記表示部に表示させるかを選択可能であり、
前記第1の画像を表示させることが選択された場合において、前記表示装置の入力装置に対するスライドショー表示のための操作に基づいて、
前記第1のインタフェース部が、外部機器から圧縮画像情報を出力させるための第1の信号を無線により該外部機器に送信し、該外部機器から出力された圧縮画像情報を無線により入力することにより、前記表示部は、該入力された圧縮画像情報を前記伸張部で伸張した画像情報に基づく複数の第1の画像を用いた所定時間間隔のスライドショー表示を行い、
前記第2の画像を表示させることが選択された場合において、前記表示装置の入力装置に対するスライドショー表示のための操作に基づいて、
前記第2のインタフェース部が外部機器により圧縮画像情報を非圧縮画像情報に変換させて出力させるための第2の信号を有線により該外部機器に送信し、該外部機器から出力された非圧縮画像情報を有線により入力することにより、前記表示部は、該入力された非圧縮画像情報に基づく複数の第2の画像を用いた所定時間間隔のスライドショー表示を行い、
前記表示部による画像の表示とともに前記音声出力部で音声出力を行う、
ことを特徴とするテレビジョン表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インタフェースを介して表示装置に接続された映像機器からの映像情報を当該表示装置に表示するための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
映像機器と、他の映像機器である映像表示装置とを接続して映像などを視聴するために、アナログ接続をして映像信号と音声信号を伝送する方法が用いられてきた。しかしながら、デジタル機器の普及に伴い、画質劣化防止の視点、著作権保護の視点から、デジタル接続をし、映像信号と音声信号とを暗号化して伝送する方法が用いられている。
【0003】
デジタル伝送の一例として、IEEE1394規格に準拠した1本のケーブルを用いるものが知られている。これは、送受信を行う機器間で相互認証を行い、その認証後に映像信号と音声信号を多重し、その多重データをDTCPと呼ばれる暗号処理をして送信するものである。
【0004】
他の例としては、HDMI方式が知られている。HDMI方式では、高精細映像信号のベースバンド信号と音声信号を時分割多重して、HDCPと呼ばれる暗号化処理をして送信可能とするものである。
【0005】
このような、デジタル化した映像信号と音声信号とを多重化して送信する従来技術としては、例えば下記特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-232377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記IEEE1394規格は、ネットワークとして使用され、その送受信できる伝送レートも限られているため、情報量の多い高精細映像信号をそのままベースバンド信号の状態で送ることができない。このため、IEEE1394規格においては、ベースバンド信号を圧縮して伝送レートを低減して伝送しなければならないという問題がある。一方、HDMI方式では、伝送された高精細映像信号を受信する機器が、その受信した信号を記録することについては考慮されていない。
【0008】
また、これらの方式では、いずれも家庭内におかれた据え置き機器間の接続を前提にしており、デジタルカメラや携帯電話などの持ち運びが可能な機器と映像表示装置とを便利に接続することに対する配慮が充分ではなかった。
【0009】
本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、例えばカメラや携帯電話などの持ち運びが可能な映像機器で得られた映像を表示装置に表示させる際の利便性を向上させるための技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、表示装置に所定のインタフェースを介して接続された外部の映像機器に対し、外部映像機器から前記映像情報を取得するための映像取得要求を所定周期間隔で外部映像機器に送信することにより、該外部機器から複数の映像情報を取得して表示可能にしたことを特徴とするものである。
【0011】
このようにして得られた複数の画像を、例えば所定周期間隔で切り換えられて表示することにより、いわゆるスライドショー形式で表示するようにしてもよい。また、これら複数の映像情報から複数のサムネイル画像を生成し、これらを前記表示部の一画面上に並べて表示するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、例えばカメラや携帯電話などの持ち運びが可能な映像機器で得られた映像を表示装置に表示させる際の利便性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る映像機器と映像表示装置を含むシステムの一例を示す図。
図2】本発明の実施形態に係る映像機器100の一例を示す図。
図3】圧縮信号処理の順番を示した説明図である。
図4】本発明の実施形態に係る映像表示装置200の一例を示す図。
図5】本発明の実施形態に係る映像表示装置200の他の例を示す図。
図6】2つの映像機器同士を接続したシステムの一例を示す図。
図7】映像表示装置と映像機器を接続したシステムの一例を示す図
図8】2つの映像機器同士を無線接続したシステムの一例を示す図。
図9】2つの映像機器同士を無線接続したシステムの他の例を示す図。
図10】本発明に係る映像表示装置の一実施例を示す図。
図11】本発明に係る映像表示装置の他の実施例を示す図。
図12】本実施例におけるサムネイル表示の一例を示す図。
図13】本実施例におけるサムネイル表示の他の例を示す図。
図14】本実施例におけるサムネイル表示の他の例を示す図。
図15】映像機器1020のメモリ1018に記憶された各静止画像に対応する属性情報の一例を示す図。
図16】HDMIインタフェースの一構成例を示す図。
図17】リモコンコードのフォーマットの一例を示す図。
図18】リモコンコードをCECラインにより伝送する方法の一例を示す図。
図19】映像表示装置200に記憶された各インタフェースに対応するメーカコード及び機器コードのテーブルの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を用いて説明する。
【実施例0015】
図1は、本発明の第1実施例を示している。図1では、映像機器として例えば3つの映像機器を示している。一つは、携帯電話の基地局アンテナ20または放送送信タワー30からのデジタル放送信号を受信可能な例えば可搬型の映像機器である映像機器100、一つは映像表示装置200、更にもう一つは、例えばチューナなどの、放送送信タワー30からのデジタル放送信号を受信可能な受信機300である。映像機器100と映像表示装置200は例えば双方向インタフェース10で接続され、更に映像表示装置200と受信機300は別の双方向インタフェース11で接続されている。これにより、各機器間において、映像信号やその他情報、信号の双方向通信を可能としている。
【0016】
本実施例において、持ち運びのできる映像機器100は、具体的にはデジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話機、ゲーム機、パーソナルメディアプレーヤなどである。それぞれの形態に応じて必要な構成要素は必ずしも同じではないが、図1に示す実施例では主に外部との入出力として必要な構成要素を記載している。
【0017】
図1において、携帯電話の基地局アンテナ20と映像機器100のアンテナ102は信号の送受信を行う。映像機器100を携帯電話として使用する場合には、通常の携帯電話としての信号処理が行われる。また、映像機器100は、携帯電話の基地局アンテナ20から送信された映画などのコンテンツを受信することもできる。この場合、コンテンツを映像機器100に内蔵した表示装置、音声出力装置で視聴することもできるし、端子101、接続ケーブル10、端子201を介して外部の映像表示装置200で、大画面で視聴することもできる。さらには、コンテンツを視聴しながら、あるいは後でコンテンツを視聴するために、該コンテンツを映像機器100に内蔵された蓄積媒体、あるいは映像機器100に接続された蓄積媒体(例えば、メモリ121)に記録することもできる。メモリ121は映画などの記録のための記録媒体として使用することもできる。
【0018】
同様に、放送送信タワー30から放送された番組は、映像機器100の放送受信機180で受信され、映像機器100で視聴することもできるし、映像機器100に内蔵された蓄積媒体(図示せず)、あるいは接続された蓄積媒体(例えば、メモリ121)に記録することもできる。さらに、端子101、接続ケーブル10、端子201を介して映像表示装置200で視聴することもできる。
【0019】
また、放送送信タワー30から放送された番組は、受信機300に接続された受信アンテナ310で受信され、アンテナ端子302を介して受信機300に入力され、適宜信号処理をされた後、端子301、接続ケーブル11、端子202を介して映像表示装置200で視聴される。また、視聴と同時に、あるいは、視聴とは別に選択した番組について内蔵された蓄積媒体(図示せず)やメモリインタフェース320を介してメモリ321に蓄積することもできる。受信機300で記録されたメモリ321を映像機器100のメモリインタフェース120に接続することもできる。映像機器100を宅外に持ち出して映像機器100に内蔵された表示装置(図示せず)に表示させれば、家庭で録画した番組を宅外で視聴することもできる。
【0020】
さらにはまた、映像機器100に撮像装置110、マイク112を搭載することで、音声とともに静止画、動画を撮影することができ、適宜内蔵された蓄積媒体(図示せず)やメモリ121に蓄積できる。内蔵された蓄積媒体やメモリ121に蓄積した映像、音声は端子101、接続ケーブル10、端子201を介して、映像表示装置200で視聴できる。
【0021】
図1に示す実施例では、映像機器100の端子101と映像表示装置200の端子201、受信機300の端子301と映像表示装置200の端子201をそれぞれ接続ケーブル10、11などの有線ケーブルで接続する場合について示している。しかしながら、これら映像機器間で信号の送受信を行う場合に、有線ケーブルを用いて接続する必要性はなく、無線で接続しても良い。無線接続とすれば、配線のわずらわしさ、配線の整理が不要である。接続ケーブルを用いた場合には、無線接続の場合に比べて、雑音などの妨害に対して強いという利点がある。
【0022】
図2は、本発明の第1実施例を示すものであって、図1の映像機器100の具体的な構成を示したものである。図2において、撮像装置110では、光学系を通して入力された動画や静止画画像を取り込み、電気信号に変換する。圧縮回路111では、動画の場合には、例えばMPEG2、MPEG4、AVC/H.264などの圧縮方式を用いて、また、静止画の場合には、例えばJPEGなどの圧縮方式を用いて、取り込まれた画像を効率よくビット圧縮する。
【0023】
一方、マイク112では音波を電気信号に変換する。圧縮回路113では、例えばMPEGオーディオなどの圧縮方式を用いて、取り込んだ音声信号を効率よくビット圧縮する。
【0024】
映像機器100で静止画を撮影する場合に、撮影する対象に応じて映像機器を回転させ、横位置で使用したり、縦位置で使用したりして撮影を行う。センサ114は映像機器100を横位置で撮影に使用したか、縦位置で撮影に使用したかを検出する。縦位置で使用した場合には、映像機器100の右を上にしたか左を上にしたかも同時に検出する。センサ114で検出された情報はマイクロプロセッサ115に入力される。
【0025】
多重回路116には圧縮回路111、113からのビット圧縮された映像信号、音声信号、さらには、マイクロプロセッサ115からの各種情報が入力され、所定のフォーマットに従い多重される。静止画を撮影した場合には、通常は音声信号を取り込まないが、静止画撮影に合わせて音声信号を多重しても良い。
【0026】
マイクロプロセッサ115からの各種情報としては、センサ114を使用した位置情報(横、右縦、左縦)、日付、撮影時の露出情報、その他などである。
【0027】
図3は、画像圧縮で一般に行われているブロックごとの信号処理の順番を示した図である。図3の(a)に示すように、画像の上段左から右へ順番に信号処理を行い、次いで2段目の左から右へ順番に信号処理を行う。図3の(b)に示すように映像機器100の右を上に縦位置にした場合には、左列の下から上へ、次いで左から2列目の下から上に信号処理を行う。図3の(c)に示すように、映像機器100の左を上に縦位置にした場合には、右列の上から下へ、次いで右から2列目の上から下に信号処理を行う。
【0028】
撮影時に縦位置にした場合には、左右のどちらを上にしたかの情報がないと、撮影した映像を表示装置に示すときに撮影したとおりに表示することができない。そのために、上述のように映像信号及び音声信号に、マイクロプロセッサから115からの各種情報として位置情報を多重するのである。圧縮信号を伸張し、表示装置の出力に合わせて、位置情報を用いて伸張した画像を90度回転の信号処理を行うことで、撮影したとおりの表示を行うことができる。
【0029】
また、位置情報を多重するのではなく、図2において、マイクロプロセッサ115から圧縮回路111へ向かう点線で示されるように、マイクロプロセッサ115から圧縮回路111に位置情報を与え圧縮回路111を制御する。これにより圧縮回路111は、圧縮信号処理自体を映像の撮影動作や映像機器100の撮影位置に従って行うことで、再生時に回転処理をする必要をなくすことができる。例えば、図3の(d)、(e)に示すように、位置情報を元に、撮影時の画像の上段左から右へ、続いて2段目の左から右へ圧縮信号処理を行うことで、再生時に撮影したとおりの表示を行うことができる。
【0030】
映像機器100で、静止画と動画の両方を撮影できる場合、前記したように静止画を撮影する場合に横位置で撮影したり、縦位置で撮影したりする。同様に、動画撮影の場合でも映像機器100を縦位置で使用することを考える使用者がいる。
【0031】
動画像の場合には、回転の信号処理は一般には準備されておらず、そのまま映像表示装置200で表示すると横に回転した映像を表示することになり、使用者にとって意図しない撮影になってしまう。
そこで、動画モードで撮像する場合において、使用者が映像機器100を回転させて使用した場合、センサ114が縦位置での使用を検出し、マイクロプロセッサ115にて表示装置160に注意を喚起するメッセージを表示する。表示装置160は撮像装置110で撮像している画像のモニタとして使用しており、撮影しながらメッセージを確認することが容易に行え、意図しない場合には使用者が通常の横位置での撮影に変更するように注意を喚起する。
【0032】
また、同時に、縦位置での使用の場合には、マイクロプロセッサ115から圧縮回路111に位置情報を送り圧縮回路111を制御する。これにより、例えば圧縮回路111は圧縮の信号処理を例えば図3の(d)、(e)に示すように、映像の撮影動作や映像機器100の撮影位置に従って再生できるように、縦位置の最上段、左から右に向け圧縮信号処理を行う。これにより、現行のテレビにおいても縦位置で視聴することができる。その詳細説明は後で行う。
【0033】
図2で、多重回路116で多重された信号は暗号/暗号復号回路140を介して蓄積装置130に蓄積される。蓄積装置として、例えば、ハードディスク装置、光ディスク装置、半導体メモリ装置などを使用することが可能であり、どのような蓄積装置を用いるかは、所望の蓄積容量、大きさ、蓄積媒体の取り出しの容易性、価格などを考慮して決めれば良い。また、信号処理回路124、メモリインタフェース120を介してメモリ121に蓄積することもできる。
【0034】
個人で撮影した情報に関しては、撮影した本人に著作権があるため、通常は、蓄積に際し、暗号化は不要である。しかし、蓄積装置130で蓄積した媒体を紛失する可能性もあるので、多重回路116の出力信号を暗号/暗号復号回路140で暗号化した後、蓄積装置130、あるいはメモリ121に蓄積することで、安全性を高めることができる。
【0035】
映像機器100が取り外しのできる(リムーバブル)メモリに対応している場合や、携帯電話機能や無線LAN機能を有する場合もある。メモリインタフェース120はリムーバブルなメモリ121のインタフェースであり、他の機器で静止画や動画の映像、音声コンテンツをメモリ121に記録し、それをインタフェース120に接続することで信号処理回路124、暗号/暗号復号回路140を介して蓄積装置130に記録することができる。
【0036】
この時、メモリ121に記録されたコンテンツが著作権保護されており、複製が制限されている否かを、信号処理回路124で検出し、条件に従って暗号/暗号復号回路140で暗号化して蓄積装置130に移動する。
【0037】
同様に、静止画や動画の映像、音声コンテンツが無線インタフェース122で受信され、入力された場合にも、信号処理回路124、暗号/暗号復号回路140を介して蓄積装置130に記録される。この場合にも、コンテンツの著作権保護、複製制限の条件に従い、必要に応じて暗号/暗号復号回路140で暗号化する。
【0038】
蓄積装置130に蓄積されたコンテンツを再生して視聴する場合には、図示しない入力キーやリモコンなどを用いて視聴したいコンテンツを選択し、選択されたコンテンツは蓄積装置130から読み出されて、暗号/暗号復号回路140で暗号を復号し、逆多重回路141で映像信号と音声信号に分離される。
【0039】
また、放送受信機180で放送を受信した場合には、放送のための暗号を暗号/暗号復号回路140で解き、必要に応じ、蓄積のための暗号化処理を同じく暗号/暗号復号回路140で行って、蓄積装置130、メモリ121に記録する。受信放送を直接視聴する場合には逆多重回路141映像信号と音声信号に分離される。
【0040】
分離され圧縮された映像信号は伸張回路142で伸張され、信号処理回路150に入力される。信号処理回路150では、表示装置160の走査線に合わせて走査線変換を行い、表示装置160に出力する。
【0041】
分離され圧縮された音声信号は伸張回路143で伸張され、音声出力装置161に出力される。このように、映像機器100は表示装置160と音声出力装置161を有するので、外部に映像表示装置を接続することなくそのまま視聴することも可能である。なお、映像信号と音声信号の伸張処理に要する時間の違い、走査線変換処理の有無などにより映像表示、音声出力などに時間差があると違和感が生じる。特に、映像信号処理に時間を要し、音声信号が映像信号に先行すると違和感が大きくなるので、例えば伸張処理内で音声信号の遅延処理を行い、いわゆるリップシンク合わせを行う。これにより、映像信号と音声信号のずれによる違和感をなくすことができる。
【0042】
これに対し、映像信号及び音声信号を外部の映像表示装置200で視聴する場合には、映像表示装置200の対応可能な走査線を確認し、表示する映像信号の走査線と一致する場合にはそのまま出力し、異なる場合には、信号処理回路150において必要な走査線に変換した後、多重回路170により、信号処理回路151で処理された音声信号と時間軸多重を行う。信号処理回路151では映像信号のブランキング期間に相当する期間に音声信号を時間軸圧縮するとともに、必要に応じリップシンク合わせのための時間調整を行う。多重回路170で多重された映像信号と音声信号は暗号回路171に入力され、映像機器100と映像表示装置200の間を伝送するために必要な暗号処理を行い、インタフェース172、端子101を介して映像表示装置200へ出力する。
【0043】
前記したように、動画像にもかかわらず、映像機器100を縦位置で使用し、信号処理を図3の(d)、(e)に示すように圧縮信号処理を行った場合には、信号処理150にて走査線変換を行い、映像表示装置200の撮像可能な走査線数に変換して出力する。その場合、画面の左右には信号の映出されない部分が生じる。いわゆるサイドパネルの状態で表示装置160に表示される。
【0044】
なお、端子101から出力した信号をその受信先で蓄積する場合には、圧縮された信号を伸張することなく出力する。この場合には、暗号/暗号復号回路140から圧縮された信号を暗号回路171に入力し、伝送に必要な暗号化を行った後インタフェース172、端子101を介して出力する。
上記の説明では、撮像装置110、マイク112から取り込まれた映像信号、音声信号、ならびに、メモリ121、無線インタフェース122から入力されたコンテンツは、一度蓄積装置130に記録された後に、再生されるようにした。しかしながら、蓄積が不要な場合や、直接視聴する場合には暗号/暗号復号回路140での蓄積のための暗号化や暗号複合化処理を行うことなく逆多重回路141で処理を行えばよい。こうすることにより、映像機器100に内蔵された表示装置160と音声出力装置161とを用いて、映像及び音声を視聴したり、出力インタフェース172を介して外部に繋がれた受像機で視聴したりすることが可能になる。
【0045】
図4は、図1に示す映像表示装置200の具体的な構成を示したものである。同一部分には同一の符号を付し、その詳細は説明しない。
【0046】
初めに、端子201または端子202から入力された信号が、圧縮されていない動画のベースバンド信号である場合について説明する。端子201または端子202から入力された信号は入出力インタフェース210を介して暗号復号回路211に入力される。暗号復号回路211では、図2に示す暗号回路171の暗号化に対応しており、暗号回路171で暗号化されたものを暗号復号する。暗号復号された信号は逆多重回路250に入力され、映像信号と音声信号はそれぞれ信号処理回路251、252に入力される。信号処理回路251では、ディスプレイ260の表示可能な画素数に合わせて走査線変換、解像度変換を行う。信号処理回路252では、映像信号のブランキングに時間軸圧縮されて多重された音声信号の時間軸を伸張し、さらに、必要に応じ、リップシンク合わせ、音質調整などを行う。信号処理回路251、252の出力信号はそれぞれディスプレイ260、音声出力装置270に入力され、視聴される。
【0047】
次に、端子201あるいは端子202から圧縮された動画信号が入力された場合について説明する。圧縮された信号を入力する目的は、映像表示装置側200に内蔵された蓄積装置230にその動画信号を蓄積することにある。
【0048】
端子201あるいは端子202から入力された信号は入出力インタフェース210を介して暗号復号回路211に入力される。暗号復号回路211は図2に示す暗号回路171の暗号化に対応しており、暗号回路171で暗号化されたものを暗号復号する。暗号復号された信号は暗号/暗号復号回路240に入力される。暗号/暗号復号回路240では、蓄積しようとするコンテンツのコピー制御情報を読み出し、それに応じて蓄積のための暗号化処理を行う。暗号化された信号は蓄積装置230に入力され圧縮されたまま蓄積される。
【0049】
端子201あるいは端子202より入力された圧縮された信号を蓄積しながら視聴する場合には、まず暗号復号回路211で暗号を解かれた圧縮信号に相当する信号が暗号/暗号復号回路240から逆多重回路241に入力される。続いて、逆多重回路241において、圧縮された映像信号と音声信号に分離される。分離された映像及び音声信号は、それぞれ伸張回路242、243で伸張され、ベースバンドに戻された後、それぞれ信号処理回路251、252に入力される。以下同様にディスプレイ260、音声出力装置270に入力され視聴される。
【0050】
蓄積装置230に蓄えられたコンテンツを再生して視聴する場合には、蓄積装置230に蓄えられているコンテンツのタイトルなどをディスプレイ260に表示して、選択し、選択したコンテンツの信号を蓄積装置230から暗号/暗号復号回路240に入力する。暗号/暗号復号回路240で選択コンテンツの信号の暗号を復号し、逆多重回路241に入力し、以下同様に処理することで視聴することができる。
【0051】
同様にメモリ221に蓄積されたコンテンツの再生も行うことができる。蓄積装置230に蓄えられたコンテンツの再生と同様に、メモリ221に蓄えられたコンテンツから視聴したいコンテンツを選択し、選択したコンテンツをメモリインタフェース220、信号処理回路224を介して暗号/暗号復号回路240に入力する。信号処理回路224では、メモリ221からコンテンツを読み出すのに必要な処理を行い、圧縮され、多重された映像信号と音声信号を暗号/暗号復号回路240に入力する。後の信号処理は蓄積装置230からコンテンツを読み出した場合と同様である。
【0052】
また、蓄積装置230に蓄積するのと同様に、メモリ221にコンテンツを蓄積することもできる。その場合の処理の詳細説明は省略するが、暗号/暗号復号回路240で暗号化されたコンテンツは信号処理回路224、メモリインタフェース220を介してメモリ221に蓄積される。
【0053】
無線で送られてくるコンテンツを視聴したり、蓄積したりする場合も同様の処理を行う。無線で送られてきた圧縮されたコンテンツは無線インタフェース222、信号処理回路224を介して暗号/暗号復号回路240に入力される。暗号/暗号復号回路240では、無線伝送に必要な暗号化処理の暗号を復号する。後の処理は、蓄積装置230からの再生時の処理と同様である。
【0054】
端子201あるいは端子202から非圧縮のベースバンド信号が入力された場合にも、蓄積装置230、メモリ221にコンテンツを効率よく蓄積することができる。以下、その場合の動作について説明する。
【0055】
端子201あるいは端子202から入力されたコンテンツは入出力インタフェース210、暗号復号回路211、逆多重回路250を介して、映像信号と音声信号に分離される。分離された映像信号と音声信号は複製制御回路280を経て、圧縮回路281、282に入力される。複製制御回路280には入力されたコンテンツに多重された複製制御情報を読み取り、複製の可否判断をする。複製制御情報は、指定された部分にビットを割り当てる場合や、電子透かし技術を用いて、映像情報あるいは音声情報そのものに多重することもできる。
【0056】
圧縮回路281は、映像信号を例えばMPEG2、MPEG4、AVC/H.264などの圧縮方式を用いて圧縮する。また圧縮回路282では、音声信号を例えばMPEGオーディオなどの圧縮方式を用いて圧縮する。圧縮された映像信号、音声信号は多重回路283に入力され、多重された後、暗号/暗号復号回路に入力され、以下同様に蓄積装置230、メモリ221に蓄積することができる。これにより、著作権情報に従って、効率よくコンテンツを長時間録画することができる。
【0057】
これまで本実施例について、主に映像機器100から出力される映像信号と音声信号とを、映像表示装置200へ伝送する場合に関し説明した。さらに、本実施例について、2つの映像機器100が互いに接続される場合に関し、図6を用いて説明する。図6において、映像機器1、映像機器2は、双方とも例えば携帯電話やデジタルカメラ等の可搬型の映像機器100により構成されており、それぞれの端子101の間を、双方向インタフェースである接続ケーブル10により接続されている。このように構成することにより、携帯電話の基地局アンテナ20からの映画などのコンテンツについて、映像機器1で受信したものを、接続ケーブル10を介し、映像機器2へ伝送し、映像機器2の中の表示装置160を用いて表示したり、映像機器2の中の音声出力装置161を用いて音声出力したりすることが可能である。また、映像機器1の中の蓄積装置130に蓄積されたコンテンツを伝送する場合には、映像機器2からの制御信号の内容に基づいて、所望のコンテンツを蓄積装置130から読み出し、暗号/暗号復号回路140で暗号を復号する。それから暗号回路171にて、外部に伝送するために必要となる暗号処理を行った後、インタフェース172、端子101を介し出力する。このときの、映像機器2からの制御信号としては、映像機器1と映像機器2が正規の機器であることを確認するための相互認証や、信号処理の同期をとるための同期制御信号や、送信要求信号、映像機器1であることを示す識別信号などが用いられる。なお、必要に応じ、映像機器1から映像機器2へも制御信号が送信される。
【0058】
映像機器1と2映像機器2とで送受信する信号は、このように携帯電話の基地局アンテナ20からの信号を受信したものだけでなく、放送受信機180により放送波を受信したものや、蓄積装置130上にある蓄積されたコンテンツやメモリ121上にあるコンテンツなどでもよい。
【0059】
映像機器1と映像機器2とは、例えば同一の映像機器100である。そして、これらの映像機器同士は、上述のように双方向インタフェースで互いに接続されている。映像機器1から映像機器2に対して映像や音声等の情報を送る場合もあるが、反対に映像機器2から映像機器1へ映像や音声等の情報を送ることも可能である。ここで、映像機器1から映像機器2へ情報を送信する方向を「上り」と称し、逆に、映像機器2から映像機器1への情報を送信する方向を「下り」と定義するものとする。勿論、これとは逆方向をそれぞれ「上り」、「下り」と称してもよい。そして、映像機器1と映像機器2とを互いに接続する双方向インタフェースは、上りと下りとで伝送レートが非対称、すなわち互いに伝送レートが異なるようにされている。そして、上り方向、すなわち映像機器1から映像機器2へ、広帯域の映像や音声等の情報を送る場合は、映像機器2から映像機器1へ(映像や音声等と比較して)狭帯域の制御信号が送られる。反対に、下り方向、すなわち映像機器2から映像機器1へ広帯域の映像や音声等の情報を送る場合は、映像機器1から映像機器2へ狭帯域の制御信号が送られる。よって、上りと下りのうち、広帯域の映像や音声を送信する方向の伝送レートが高くされ、一方、狭帯域の制御信号を送信する方向の伝送レートは低くされる。このように本実施例では、異なる複数の映像機器間において、上りと下りとで異なる帯域の情報や信号を伝送するようにしているので、伝送するのに広帯域が必要な映像信号と、狭帯域でもよい制御信号とを同時に限られた周波数帯域において用いることができ、電波の使用効率を上げられるという効果がある。なお、制御信号は、一方の機器からのみ送信されるのではなく、反対側の機器からも必要に応じて送信される。
【0060】
図7は、第1実施例について、映像表示装置200と映像機器100とを無線で接続した場合の構成図である。図7において、説明の簡便化のために、入出力インタフェース210と、インタフェース172以外は図示していない。このように、映像機器同士を接続する双方向インタフェースは有線ケーブルに限られるものではなく、無線により双方向インタフェースを構成してもよい。この場合には各機器の配置の自由度が高まる。
【0061】
図8は、映像機器100と映像表示装置200とを無線で接続した場合の説明図である。図8において、映像機器100、映像表示装置200はそれぞれ図1図2で説明したものと同一である。説明の簡便化のために、図8において、映像機器100の構成要件については、インタフェース回路172のみを記載してあり、その他の構成要件については図示していない。また、映像表示装置200については入出力インタフェース210のみを記載してあり、その他の構成要件については図示していない。ここで、インタフェース回路172、入出力インタフェース210は、共に双方向インタフェースであり、上記の例と同様に上りと下りとで伝送レートが非対称とされている。図8においては、アンテナ81、84間、アンテナ82、85間はそれぞれ映像信号、音声信号、コンテンツの著作権保護や複製制限条件を示す制御信号を双方向伝送するためのチャネルである。これに対し、アンテナ83、86間のチャネルは、機器間制御信号を伝送するためのものである。
また、ビット選択回路811、812は、映像信号、音声信号、コンテンツの著作権保護や複製制限条件を示す制御信号、機器間制御信号が入力される。上述した変復調方式について、QPSK変復調方式は、64QAM変復調方式に比して、伝送誤りに対する耐性が高い。一方、伝送効率については、64QAM変復調方式の方がQPSK変復調方式よりも効率が高い。ここで、映像機器100から映像表示装置200へ、映像と音声と、これらに関連するコンテンツの著作権保護や複製制限条件を示す制御信号を送る場合について説明する。ここで、映像機器100から映像表示装置200へ情報を送信する方向を上りとし、逆に、映像表示装置200から映像機器100へ情報を送信する方向を下りする。
【0062】
映像機器100が情報の送信を行うために、まず、搬送波検出回路(図示せず)により、使用チャネルが既に他の機器が占有しているか否かを調査する。この搬送波検出は、所定の期間、所定の周波数帯に搬送波が存在するか否かを検出することにより行われる。搬送波検出回路が、他の機器がそのチャネルを使用していることを検出したときは、暫く時間を空け、再度、チャネルの空き状態を調べる。その後、当該チャネルが他の機器により使用されていないことを検出したときは、チャネルが空いたことを映像機器100のマイクロプロセッサ115へ通知する。マイクロプロセッサ115は機器間制御信号として、チャネル使用要求信号をQPSK変復調回路803から出力し、チャネルの使用権を確保する。次にマイクロプロセッサ115は、送信要求信号をビット選択回路811へ出力する。誤り制御回路843はこの送信要求信号に対し、誤り検出・訂正用の誤り制御ビットを付加しQPSK変復調回路803へ送る。QPSK変復調回路803はQPSK変調を行い、アンテナ83を介し、映像表示装置200へ無線信号を送信する。一方、映像表示装置200は、アンテナ86により受信した無線信号をQPSK変復調回路806によりQPSK復調し、誤り制御回路847により、誤り検出・訂正制御を行うことにより機器間制御信号を出力し、ビット選択回路812へ伝える。
【0063】
映像表示装置200の中のマイクロプロセッサは、受信した機器間制御信号を解読し、映像機器100からの送信要求信号とともに、映像機器100に関する機器カテゴリ情報(表示装置なのか記録装置なのか等のカテゴリを識別するための情報)、映像機器100の機器識別番号を受け取る。映像表示装置200の表示画面には、映像機器100との接続を行うか否かの表示が行われるので、この表示をもとに、使用者は映像表示装置200のリモコン等の入力機器を用いて、接続を許可する指示を出す。この後、映像機器100と、映像表示装置200との間で、互いの機器カテゴリ情報、互いの機器を識別するための識別番号などを交換し、コンテンツの著作権保護や複製制限条件を遵守するための情報交換を実行し、問題がない場合には互いの接続が許可される。ここで、互いの機器が入力専用機器である場合や、出力専用機器の場合など接続することに意味がない場合、また、コンテンツの著作権保護や複製制限条件に違反する場合などは接続処理を中止し、その旨の表示がそれぞれの機器に表示される。以下、コンテンツの著作権保護や複製制限条件に問題がない場合の説明を行う。
【0064】
インタフェース回路172に入力された、映像信号と、音声信号と、これらに関連するコンテンツの著作権保護や複製制限条件を示す制御信号のうち、映像信号のMSBから2ビットを選択し、その2ビットに対し、誤り制御回路841により、誤り検出・訂正用の制御ビットを付加し、QPSK変復調回路801へ送る。そしてこの信号に対し、QPSK変復調回路801はQPSK変調し、アンテナ81から無線信号を送出する。また、残りの3ビット目から8ビット目までのビットに対しては、誤り制御回路842により、誤り検出・訂正用の制御ビットを付加し、64QAM変復調回路802へ送る。そしてこの信号に対し、64QAM変復調回路802は、64QAM変調し、アンテナ82から無線信号を送出する。
【0065】
映像表示装置200では、アンテナ84により受信された信号に対し、QPSK変復調回路804は、QPSK復調し、誤り制御回路845により誤り制御を行った後、映像信号の上位2ビットをビット制御回路812へ出力する。アンテナ85により受信された残りの信号に対し、64QAM変復調回路805は、64QAM復調し、誤り制御回路846により誤り制御を行った後、ビット制御回路812へ出力する。
【0066】
ここで、機器間制御信号について説明する。機器間制御信号は、下り方向、すなわち映像表示装置200から映像機器100へ信号を送出する場合には、ビット選択回路812から、誤り制御回路847を介し、QPSK変復調回路806により変調してアンテナ86から出力する。映像機器100は、この信号を、アンテナ83で受信し、QPSK変復調回路83を介し、QPSK変復調回路803によりQPSK復調し、そして誤り制御回路843により誤り検出・訂正を行った後、ビット選択回路811へ伝送する。反対に、機器間制御信号を上り方向、すなわち映像機器100から映像表示装置200へ信号を送出する場合には、ビット選択回路811から、誤り制御回路843を介し、QPSK変復調回路803により変調してアンテナ83から出力する。映像表示装置200は、この信号を、アンテナ86で受信し、QPSK変復調回路806によりQPSK復調し、そして誤り制御回路847により誤り検出・訂正を行った後、ビット選択回路812へ伝送する。このようにすることにより、システムを構築するうえで重要な機器間制御信号に対し、雑音が多い環境においても誤動作が少なくなるという効果がある。
【0067】
本実施例の構成ではデジタル信号の上位2ビットについて、伝送レートは低いが耐雑音性能に優れた伝送を行うことが可能となる。つまり、映像信号の上位ビットの方が画質に与える影響が大きいことを利用し、映像信号のMSBから順に2ビットを取り出し、これらの情報に対し、QPSK変調を用いた伝送路を割り当てて、画質の劣化を少なくするものである。ところで、映像より音声情報のほうが重要なシステムにおいては、音声信号の重要な(例えば上位)2ビットに対し、QPSK変調を用いた伝送路に割り当てることも可能である。
【0068】
さらに、人間が画像を認識する場合、画面の水平方向の周波数成分と画面垂直方向の周波数成分の夫々について、低域成分に対し高域成分は、比較的気にならないという傾向がある。また、画面内で動く物体のうち、早い動きに対しては人間の眼がついていかないという傾向がある。これらの傾向を利用し、画面の水平方向について、低周波成分と高周波成分に分け、低周波成分に対してQPSK変調を用い、高周波成分に対しては64QAM変調を用いるようにしてもよい。このようにすることにより、限られた伝送帯域の中で、重要な情報に対しての雑音耐性を高めるとともに、全体の伝送容量を確保することが可能となる。同様に、画面の垂直方向についても、低周波成分と高周波成分に分け、低周波成分に対してQPSK変調を用い、高周波成分に対しては64QAM変調を用いるようにしてもよい。このようにすることにより、限られた伝送帯域の中で、重要な情報に対しての雑音耐性を高めるとともに、全体の伝送容量を確保することが可能となる。さらに、画面の水平方向に対する周波数成分の取り扱いと、垂直方向とに対する周波数成分の取り扱いとを組み合わせ、所望の重要な情報に対しての雑音耐性を高めることも可能である。
【0069】
上述の説明では、誤り制御回路841、842、843は、誤り制御回路841、842、843に入力された夫々のビット対し、誤り制御情報を付加するように説明したが、誤り制御回路841、842、843に入力されたビットをまとめて一語として扱い、この一語に対し誤り制御情報を付加してもよい。このように構成すると、誤り制御回路が簡単になり構成しやすい。
【0070】
図8に示された構成によって、例えば映像機器1により撮像した複数の静止画像を、所定の周期として例えば1秒ごとに切り替えて、映像表示装置200または映像機器2へ伝送し、その伝送された複数の静止画像を映像表示装置200または映像機器2で表示することができる。映像表示装置200または映像機器2からは、映像機器1に対して画像を送出するための映像要求信号を送り、この映像要求信号に基づいて、映像機器1は複数の静止画像を切り替えて静止画を映像表示装置200または映像機器2へ伝送する。このように構成することにより、映像表示装置200または映像機器2において画像が再生できない場合は、映像要求信号を再度、映像機器1へ送出することにより、画像を正しく受け取れるまで繰り返すことが可能となる。この場合も、映像要求信号はQPSK変調を用いているので、耐雑音性能に優れている。
【0071】
かかる映像要求信号を用いて映像機器1から画像を取得して表示装置に表示するための一実施例について、図10を参照して説明する。本実施例は、映像機器1により撮像した複数の静止画像を切り替えて映像表示装置200に表示する場合を例にして説明されるが、映像機器2に表示する場合も同様にして行うことが可能である。
【0072】
図10は、映像機器1からの静止画像を表示するように構成された表示装置の一実施例を示しており、本実施例において、表示装置として高精細のHDディスプレイ1002を備えたテレビジョン表示装置を用いている。図10において、映像機器1020は、具体的にはデジタルカメラ、携帯電話機、ゲーム機、パーソナルメディアプレーヤなどである。本実施例において、この映像機器1020からは、2つのインタフェースを介して静止画像が映像表示装置200(テレビジョン表示装置)に送信される。一つは、静止画像をベースバンド映像情報として送信するためのHDMIであり、もう一つは、静止画像を圧縮映像情報として送信するためのUSBである。ここで、USBで送信される圧縮映像情報は、JPEG形式で圧縮されているものとする。
【0073】
まず、映像機器1020側の構成、動作について説明する。圧縮映像情報の静止画像を送信する場合、映像機器1020は、例えばフラッシュメモリ等で構成されたメモリ1018からJPEG形式で圧縮された静止画像を読み出す。これを伸張処理等の信号処理を施さずに、USBマスストレージインタフェース回路1019から、映像表示装置200の第1の入力部であるUSB端子1012に供給する。
【0074】
一方、ベースバンド映像情報の静止画像を送信する場合、映像機器1020は、先ず、メモリ1018から静止画像を読み出す。この静止画像はJPEG形式で圧縮されているため、信号処理回路1016で圧縮画像を伸張するための信号処理を施し、ベースバンド映像情報を生成する。このベースバンド映像情報は、HDMIインタフェース回路1017から映像表示装置200の第2の入力部であるHDMI端子1005に送信される。
【0075】
続いて、映像表示装置200側の構成、動作について説明する。第1の入力部であるUSB端子1012に入力された圧縮映像情報の静止画像は、USBホストインタフェース回路1011を介して画像処理回路1006に供給される。画像処理回路1006は、JPEGデータファイルアクセス回路1010、JPEGデコード回路1009、リサイズ・エフェクト付加回路1008、及び画像ストリーム信号化回路1007を含んでいる。USB端子1012に入力された静止画像は、JPEGデータファイルアクセス回路1010を経由してJPEGデコード回路1009に供給され、当該回路でJPEG形式により圧縮された静止画像がデコード、すなわち伸張処理が為される。この伸張処理が為された静止画像は、リサイズ・エフェクト付加回路1008によって、その表示サイズ(水平、垂直方向の画素数)が変更されるとともに、所望のエフェクト処理(例えば回転処理等)が施される。リサイズ・エフェクト付加回路1008でサイズ変更などの処理が為された静止画像は、画像ストリーム信号化回路1007により表示用の画像信号に変換され、切替回路1003を介してHDディスプレイ1002に供給される。これによって、USBホストインタフェース回路1011を介して入力された圧縮静止画像の表示がHDディスプレイ1002の画面上に表示される。
【0076】
尚、本実施例では、圧縮映像情報が入力される第1の入力部として、無線LAN、有線LAN、インターネットなどの各種ネットワーク1015と接続可能なLAN端子1014を備えている。従って、本実施例では、USBインタフェースのみならず、ネットワーク1015を通じて圧縮映像を取得することが可能である。LAN端子1014に入力された圧縮映像情報は、LAN・DLNA(Digital Living Network Alliance)インタフェース回路を介して画像処理回路1006に入力される。この画像処理回路1006における処理は、上述された、USB端子1012を介して入力された圧縮映像情報に対する処理と同じであるので、ここでは重複した説明を省略する。
【0077】
一方、第2の入力部であるHDMI端子1005に入力されたベースバンド映像情報の静止画像は、HDMIインタフェース/デコード回路1004で所定のデコード処理(暗号解除処理)が施される。この暗号解除処理が為された静止画像は、切替回路1003を介してHDディスプレイ1002に供給され、HDディスプレイ1002の画面上に静止画像が表示される。
【0078】
上記切替回路1003は、HDMI端子1005に入力された静止画像か、USB端子またはLAN端子1014に入力された静止画像のいずれか一方を選択してHDディスプレイ1002に供給するものであり、例えば、映像表示装置200のためのリモコンに対する使用者の操作によって制御される。従って、使用者は、好みに応じて圧縮映像情報かベースバンド映像情報かを選択してHDディスプレイ1002に表示させることができる。
【0079】
上記実施例では、映像機器1020と接続するためのインタフェースとしてHDMI、及びUSBインタフェースを用いているが、当然、他の規格のインタフェースを用いてもよい。
【0080】
ここで、映像要求信号に基づく本実施例の動作を説明する前に、HDMIインタフェースについて、補足説明する。図16は、HDMIインタフェースの一構成例を示しており、主として送信側と受信側とで構成されている。送信側は、送信部1601及び送信部1601を制御する送信側制御部1603を含んでおり、送信部1601は、映像信号(Y、Pb、Pr)と音声信号をエンコードし受信部1604へ出力するように構成されている。更に送信部1601はTMDSエンコード回路1602を含んでおり、映像信号(Y、Pb、Pr)と音声信号を、それぞれシリアル映像データとシリアル音声データに変換する。一方、受信側は、受信部1604及び受信部1604を制御する送信側制御部1606を含んでおり、受信部1604は、送信部1601から送られてきた映像データ、音声データをTMDSデコード1605によりTMDSデコードし、ベースバンドの映像データ、音声データを再生する。CECライン1607は、機器用の制御信号を伝送する機器制御ラインを構成しており、またDDCと呼ばれるディスプレイ仕様情報は、DDCライン1608を介して伝送される。また、受信側は送信側に対し、送信側機器と受信側機器とが接続されたことを示すHPD(Hot Plug Detect)信号1609が送信される。
【0081】
上記CECライン1607により伝送される、リモコンコードのフォーマットの一例を図17に示す。図17のように、リモコンコードは48ビット長で、その中にメーカを識別する16ビットのメーカコード、機器の機種番号や製造番号などの機器を識別するための12ビットの機器コードが含まれる。リモコンコードのフォーマットは図17以外のものでも構わない。また、リモコンコード長も48ビット長に限らず、別のビット長としても構わない。次にこのリモコンコードをCECラインにより伝送する方法の一例について、図18を参照しつつ説明する。まず、映像機器と表示装置とを接続すると、表示装置から映像機器に対し、両機器が接続されたことを示すHPD信号1609が送られる。そうすると、次に表示装置200は、映像機器のメーカコードおよび機器コードを、HDMIケーブルのCECライン1607を介し読み込む。それから、読み込んだメーカコードおよび機器コードが、表示装置200に受信インタフェース番号とともに記憶される。このメーカコードおよび機器コードは、表示装置200の例えば図示しないマイコン内のメモリに記憶するようにしてもよい。他のHDMIケーブルが接続されていた場合は、そのHDMIケーブルに対しても同様の処理がなされ、対応するメーカコードおよび機器コードを表示装置に、受信インタフェース番号とともに記録する。このようにして読み込まれたメーカコード、機器コードは、図19に示されるテーブルとして記憶される。このように構成することで、例えば、互いに接続される表示装置200と映像機器1020とのメーカが互いに異なる場合であっても、記憶されたメーカコードおよび機器コードを参照することで両者の通信を確立することができ、映像機器1020側から表示装置200を制御することや、表示装置200から映像機器1020へディスプレイ仕様情報(DDC)を送信することができる。
【0082】
再び図10に戻り、映像要求信号に基づく本実施例の動作について説明する。図10おいて、使用者は映像表示装置200のリモコンやキーボードなどの入力装置を操作することで、当該入力装置から、上述したような静止画像を切り替え表示するための表示モードになるよう制御コマンドを出力させる。この制御コマンドにしたがって、映像表示装置200のJPEGデータファイルアクセス回路1010は、USBホストインタフェース回路1011及びUSB端子1012を介し、外部の映像機器1020に対して、圧縮映像情報である静止画像を出力するように映像要求信号を送信する。すなわち、本例においては、JPEGデータファイルアクセス回路1010が映像要求信号を外部の映像機器1020へ送信するための送信部としての機能を持つ。かかる映像要求信号は、所定周期で(例えば1秒おきに)映像表示装置200から映像機器1020に送信される。この映像要求信号を受けて、映像機器1020は、メモリ1018に記録された静止画像データを、USBマスストレージインタフェース回路1019を介し出力する。USBホストインタフェース回路1011は、この静止画像データをUSB端子1012により取り込む。その後、JPEGデコード回路1009は読み込んだJPEGデータをJPEGデコードし元の画像データに戻す。そして、リサイズ・エフェクト付加回路1008により、リサイズおよびエフェクト処理し、画像ストリーム信号化回路1007により表示用の画像信号に変換しHDディスプレイ1002に表示する。
【0083】
上述した映像要求信号の送信から画像ストリーム信号化回路1007による表示用画像信号の変換処理までの処理を、所定の周期(例えば1秒)ごとに繰り返すことにより、スライドショーと呼ばれる、映像機器1020から取得した複数の静止画像を所定の間隔ごとに切り替えて表示する画像表示方法を行うことが可能である。当然、この時間の間隔は、1秒ではなく他の時間とすることも可能であり、この間隔は、上述した入力装置によって、使用者により適宜変更可能である。また、上記映像要求信号は、映像機器1020から全ての静止画像が読み出されるまで繰り返し出力されるようにしてもよいが、所定期間(例えば10秒~1分間)を定め、その所定期間内において所定周期で映像要求信号を送信するようにしてもよい。
【0084】
また、映像表示装置200のマイコン(図示せず)から、映像機器1020に対し、HDMIインタフェース/デコード回路1004及びHDMI端子1005を介し、上述の映像要求信号を送ることも可能である。この場合、HDMIインタフェースでは、伝送形式として、動画像を伝送するインタフェースなので、特定の制御がない限り、時間的に変化しない動画像が送られる。
【0085】
まず、使用者は映像表示装置200のリモコンやキーボードなどの入力装置を操作することで、当該入力装置から、上記表示モードになるよう制御コマンドを出力させる。この制御コマンドに従い、HDMIインタフェース/デコード回路1004は、HDMI端子1005の中のCECラインを介し、映像要求信号を映像機器1020へ伝送する。すなわち、この例では、HDMIインタフェース/デコード回路1004が映像要求信号を外部の映像機器1020へ送信するための送信部としての機能を持つ。この映像要求信号は、上述した例と同様に、例えば数秒~1分間、所定周期間隔(例えば1秒おきに)映像表示装置200から映像機器1020に送信される。これを受けて、映像機器1020はメモリ1018に記録された静止画像データを、信号処理回路1016により動画像として表示可能な信号形式に変換し、HDMIインタフェース回路1017を介し出力する。映像表示装置200は、このデータを、HDMI端子1005、HDMIインタフェース回路/デコード回路1004を介し受取り、HDディスプレイに表示する。所定の時間ごとにこの処理を繰り返すことにより、同様にスライドショーと呼ぶ画像表示が可能となる。当然、この時間間隔は、上記と同様に使用者により適宜変更可能に構成されてもよい。また、上記映像要求信号は、映像機器1020から全ての静止画像が読み出されるまで繰り返し出力されるようにしてもよいし、上述のように所定期間内において所定周期で映像要求信号を送信するようにしてもよい。
【0086】
また、これまでの説明は映像機器1020からの画像情報を映像表示装置200に表示する方法について行ってきたが、画像情報がネットワーク1015上に存在する場合についても、同じような方法でスライドショー表示を行うことが可能である。この場合、映像表示装置200のJPEGデータファイルアクセス回路1010は、入力装置からの制御コマンドを受けて、LAN・DLNAインタフェース回路1013及びLAN端子1014を介してネットワーク1015に送信する。この場合、かかる映像要求信号には、ネットワークに接続された映像機器のネットワーク上のアドレス(例えばIPアドレス等)が付加される。この映像要求信号に付加されたアドレスに対応する映像信号は、該映像要求信号を受けて圧縮映像情報としての静止画像データを送信する。この静止画像データは、LAN端子1014、LAN・DLNAインタフェース回路1013を介して入力されて、JPEGデコード回路1009に供給される。以降の処理は、前述したUSB端子1012に入力された静止画像に対する処理と同様であるので、ここでは重複した説明を省略する。
【0087】
このネットワーク機能を実現するために本実施例では、LAN端子1014、LAN・DLNAインタフェース回路1013を設けているが、HDMIインタフェースまたは、USBインタフェースを拡張して、同様の機能をもたせることも可能である。
【0088】
図11は、本発明に係る別の実施例の構成を示したものである。図11において図10と同じ構成要素については、図10と同じ番号をつけてある。図11の構成と図10からの相違点は、図10における表示装置200に対し、USB端子1012からの信号経路およびLAN端子1014からの信号経路を削除していることである。また、映像機器1020の構成において、USBマスストレージインタフェース回路1019の代わりに、PTP(デジタルカメラとPC等とをUSBで接続し、画像の転送や制御を行うためのプロトコル)制御回路1101、LANインタフェース回路1102を新たに設けている点も異なる。動作については、図10図11とではHDMI端子の経路に関しては同様に働き、スライドショーを行うことが可能である。図11の構成を用いると、表示装置200の構成が簡単になり、煩雑な接続を行わないで済むため、使用者の利便性が高まるという効果がある。すなわち、本実施形態は、第1の入力部のみを設けた構成、つまりバースバンド映像情報の静止画像を表示する構成にも適用することが可能である。また、本例ではHDMIインタフェースは1系統としているが、2以上の系統を設けてもよい。
【0089】
ここで、さらに図10を用い、映像機器1により撮像した複数の静止画像の、映像表示装置200における別の表示形態を説明する。かかる表示形態は、HDディスプレイ1002の一画面上に、複数の静止画像を縮小して同時に表示するものである。
【0090】
図10において、映像表示装置200のJPEGデータファイルアクセス回路1010は、USBホストインタフェース回路1011、USB端子1012を介し、映像機器1020に対して静止画像の映像取得要求を送る。これを受けて、映像機器1020はメモリ1018に記録された圧縮映像情報である静止画像データを、USBマスストレージインタフェース回路1019を介し出力する。USBホストインタフェース回路1011はこの静止画像データを、USB端子1012を介し読み込む。その後、JPEGデコード回路1009は読み込んだJPEGデータをJPEGデコードし元の画像データに戻す。そして、リサイズ・エフェクト付加回路1008により、リサイズおよびエフェクト処理し、図12の表示位置1に対応する箇所の画像として一時保存する。同様にして、JPEGデータファイルアクセス回路1010は、USBホストインタフェース回路1011、USB端子1012を介し、映像機器1020に対して次の静止画像の映像取得要求を送る。これを受けて、映像機器1020はメモリ1018に記録された次の圧縮映像情報である静止画像データを、USBマスストレージインタフェース回路1019を介し出力する。USBホストインタフェース回路1011はこの静止画像データをUSB端子1012を介し読み込む。その後、JPEGデコード回路1009は読み込んだJPEGデータをJPEGデコードし元の画像データに戻す。そして、リサイズ・エフェクト付加回路1008により、リサイズおよびエフェクト処理し、図12の表示位置2に対応する箇所の画像として一時保存する。このような映像取得要求から画像の一時保存までの処理を例えば12回繰り返すことにより、図12に示されるように、サムネイル表示と呼ばれる、複数の静止画像をまとめて表示することが可能である。この処理は、例えば所定時間(例えば1秒間未満)の間に12回の映像取得要求を映像機器1020に送信することにより行われる。
【0091】
映像機器1020に12枚以上の静止画像がある場合は、12枚ごとにサムネイル表示が行われる。このような表示方法は、同時に複数の画像を見ることができるので、色の違いや、微妙なシーンの違いなどを見分けやすく利便性が良いという効果がある。
【0092】
ここでは、動作を分かりやすく説明するために映像機器1020として一つのものを接続していたが、2台の映像機器1020を接続することも可能なので、二つの映像機器を例えば6コマずつ、同時に並べて視聴することも可能である。このようにすると、二つの映像機器1020同士のばらつきや撮影条件の差などによる、色の違いや明るさの違いなどを確認できるので、二つの映像機器の画像から必要とする画像を簡単に選択できるという効果がある。
【0093】
この表示機能は、図11の構成を用いても実現することが可能である。動作については、図10図11とでは同様の効果があり、映像機器1により撮像した複数の静止画像をまとめて映像表示することが可能である。図11の構成を用いると、表示装置200の構成が簡単になり、煩雑な接続を行わないで済むため、使用者の利便性が高まるという効果がある。この場合、複数の小画像を合成するメモリが必要になるが、映像機器1020上のメモリ1018上に予め複数の小画面を合成してから、映像表示装置200へ送出するようにしてもよいし、HDMIインタフェース回路およびデコード回路1004の後にメモリ(図示せず)を構成し、このメモリで小画面を構成してもよい。どちらの構成によっても、図10と同様の効果がある。
【0094】
上述の説明では、同時に表示する静止画像の数を12としたが、図13に示されるように、縦2行、横2列として表示することも可能である。また図14に示されるように、縦2行、横2列として表示することも可能である。図13図14のような分割数を用いると、HDディスプレイ1002の解像度が1080×1920であることから、小画面1枚の解像度が300程度×500程度になるため、画像の違いを見出し易くなる。また、小画面自体が小さくなると、画面のフリッカなどが発生するが、図13図14の分割を用いることで、このフリッカを軽減することが可能である。一方、図12の分割を用いると、デジタルカメラからの映像を入力した場合、その映像のアスペクト比がほぼ4:3であることから、アスペクト比16:9をもつHDディスプレイ1002に効率よく並べて表示することができるという効果がある。また、図13図14のように並べて表示しても、多少表示されない領域はでるが、ほぼ同様な効果が得られる。
【0095】
ところで、映像機器1020のメモリ1018に記憶された各画像には、画像の回転情報や誤消去防止のための誤消去防止ロック情報などの属性情報が付加してある。本実施例では、これらの属性情報については、映像表示装置200のリモコンやキーボードなどからの操作により、映像表示装置200からHDMI端子1005を介して、映像機器1020に送られメモリ1018に記憶されるようにしている。図15に、メモリ1018上に記録される属性情報の管理テーブルの例を示す。図15に示されるように、映像表示装置200からの信号によって、映像機器1020のメモリ1018に記憶された複数の静止画像のそれぞれについて、消去ロックの可否及び回転角度に関する属性情報を付加して記憶させることができる。このように構成することにより、使用者が直接制御している機器は、常に映像表示装置200であるため、任意の映像機器1020を接続しても、同じ操作で誤消去防止ロック制御や映像の回転などの制御が行え、映像機器1020ごとの複雑な操作を覚える必要がなくなり、利便性が向上するという効果がある。
【0096】
なお、図8に示す実施例では暗号処理については詳細を説明していないが、暗号回路171とインタフェース回路172を組み合わせ、図9に示すように処理を行うこともできる。図9は、図8に示されたシステムにおいて暗号処理を行うための構成の一例を示しており、図9のシステムは、暗号/暗号復号回路821~826、暗号処理を含むインタフェース回路830、831、誤り制御回路841、842、843、845、846、847を含んで構成される。
【0097】
図9に示す例では図8の例と同様に、ビット選択回路811で所定のビットを選択し、それぞれのビットは誤り制御回路841、842により誤り制御を行った後、暗号/暗号復号回路821、822で暗号化処理され、QPSK変復調回路801、64QAM変復調回路802に入力される。また、QPSK変復調回路804、64QAM変復調回路805で復調された信号は、暗号/暗号復号回路824、825に入力され、それぞれ暗号復号された後、ビット選択回路812でビット合成される。このように処理することで、重要度に応じた信号処理が可能となり、重要な情報は誤りにくく、したがって画質劣化を少なくし効率よく伝送することが可能となる。
【0098】
また、暗号/暗号復号回路821~826に可逆符号を組み合わせることでさらに効率を上げた伝送が可能となる。例えば図9に示す例において、暗号/暗号復号回路821~823で暗号処理を行う前に、例えば統計的性質を用いた可逆の算術符号により伝送すべきビットを削減してから、暗号化を行う。映像機表示装置200では、暗号/暗号復号回路824~826で暗号復号した後、暗号/暗号復号回路821~823に対応した可逆符号の復号を行った後、誤り制御回路845~847で誤り検出・訂正を行い、ビット選択回路812でビット合成する。可逆符号を組み合わせることで、伝送すべき情報の伝送レートを低減できるので、さらに効率よく伝送可能となる。
【0099】
さらに、暗号化について補足説明する。全ての暗号回路に対して、AES128ビット暗号化処理を用いて処理すると、安全度が高い保護処理をすることが可能となる。このほか、コンテンツ暗号回路821に対しては、AES128ビット暗号化処理を用い、その他の暗号回路に対しては、DES暗号処理を用いると、システムとして重要なコンテンツ保護と、処理効率とのバランスがとれシステムを構成するのが容易になる。
【0100】
また、さらに、機器間制御信号に従い、ベースバンド信号送信と圧縮信号送信とを切り替えられるように構成してもよい。このように構成すると、コンテンツ保護などの要求に応じて圧縮信号を送出する場合には、QPSK変調を用いて伝送することにより、伝送路における誤り耐性の優れた伝送が可能となる。また、ベースバンド信号を送出する場合には、64QAM変調により伝送効率の良い伝送が可能となる。
【0101】
図9における映像機器100と映像表示装置200との動作は、図8のおける映像機器100と映像表示装置200との動作と基本的に同様である。映像機器100が送信を行うために、まず、搬送波検出回路(図示せず)により、使用チャネルが既に他の機器が占有しているか否かを調査する。この搬送波検出は、所定の期間、所定の周波数帯に搬送波が存在するか否かを検出することにより、検出が行われる。搬送波検出回路が、他の機器がそのチャネルを使用していることを検出したときは、暫く時間を空け、再度、チャネルの空き状態を調べる。その後、当該チャネルが他の機器により使用されていないことを検出したときは、チャネルが空いたことを映像機器100のマイクロプロセッサ115へ通知する。マイクロプロセッサ115は機器間制御信号として、チャネル使用要求信号をQPSK変復調回路803から出力し、チャネルの使用権を確保する。次にマイクロプロセッサ115は、送信要求信号をビット選択回路811へ出力する。
【0102】
誤り制御回路843はこの送信要求信号に対し、誤り検出・訂正用の誤り制御ビットを付加し、暗号/暗号復号回路823により暗号化し、QPSK変復調回路803へ送る。QPSK変復調回路803はQPSK変調を行い、アンテナ83を介し、映像表示装置200へ無線信号を送信する。一方、映像表示装置200は、アンテナ86により受信した無線信号をQPSK変復調回路806によりQPSK復調し、暗号/暗号復号回路826により暗号復号する。この復号化された信号に対し、誤り制御回路847により、誤り検出・訂正制御を行うことにより機器間制御信号を出力し、ビット選択回路812へ伝える。映像表示装置200の中のマイクロプロセッサは、受信した機器間制御信号を解読し、映像機器100からの送信要求信号とともに、映像機器100に関する機器カテゴリ情報(表示装置なのか記録装置なのか等のカテゴリを識別するための情報)、映像機器100の機器識別番号を受け取る。映像表示装置200の表示画面には、映像機器100との接続を行うか否かの表示が行われるので、この表示をもとに、使用者は映像表示装置200のリモコン等の入力機器を用いて、接続を許可する指示を出す。この後、映像機器100と、映像表示装置200との間で、互いの機器カテゴリ情報、互いの機器を識別するための識別番号などを交換し、コンテンツの著作権保護や複製制限条件を遵守するための情報交換を実行し、問題がない場合には互いの接続が許可される。ここで、互いの機器が入力専用機器である場合や、出力専用機器の場合など接続することに意味がない場合、また、コンテンツの著作権保護や複製制限条件に違反する場合などは接続処理を中止し、その旨の表示がそれぞれの機器に表示される。このようにして、コンテンツの著作権保護や複製制限条件に問題がない場合には接続が行われ、映像機器100から映像表示装置200へ映像や音声などが伝送される。
【実施例0103】
図5は本発明の第2実施例であって、図1に示す映像表示装置200の他の構成を示す図である。図5は一部図4に示す実施例と共通であり、その共通部分には同一番号を付しその詳細説明は省略する。図5に示された映像表示装置200は、暗号復号回路212、暗号/暗号復号回路245、290、圧縮/トランスコーディング回路291、292、及び多重回路である複製制御回路293を含んでいる。
【0104】
図5に示す実施例において、ベースバンド信号が端子201あるいは端子202から入力された場合には、図4に示す実施例と同様に動作する。圧縮/トランスコーディング回路292、291は、ベースバンド信号に対しては圧縮回路として動作する。圧縮された信号が端子201あるいは端子202から入力された場合には、入出力インタフェース210を介して暗号復号回路212で伝送に必要な暗号が復号され、逆多重回路250で圧縮された映像信号と圧縮された音声信号に分離される。それぞれの信号は複製制御回路290に入力され、複製の可否を示す情報から複製の可否が判断される。複製が可能な場合には、必要に応じて、圧縮/トランスコーディング回路291、292にて、より圧縮効率の良い圧縮方式を用いるなどして、圧縮映像信号及び圧縮音声信号のビットレートが低減される。圧縮/トランスコーディング回路291、292の出力信号は多重回路293で多重され、暗号/暗号復号回路245に入力される。ここで、複製制御回路290にて複製を許可されていることが検出された場合には、暗号/暗号復号回路245は、当該入力信号に対し適宜蓄積のための暗号化処理を施して、蓄積装置230及び/またはメモリ221に蓄積する。蓄積された信号を再生する場合には、蓄積装置230、メモリ221からの再生信号を暗号/暗号復号回路245にて暗号を復号して、逆多重回路241にて映像信号と音声信号に分離し、これ以降は上記と同様に処理して視聴することができる。蓄積装置230あるいはメモリ221に蓄積しながら視聴する場合にも、多重回路293からの信号が暗号/暗号復号回路245を介して逆多重回路241に入力され、同様に処理される。この場合には、トランスコードした画質を確認することができる。なお、蓄積をすることなく直接視聴する場合には、暗号復号回路212から暗号/暗号復号回路245を介して逆多重回路241に信号が入力され、ここで映像信号と音声信号に分離され以下同様に処理される。
【0105】
図5に示す実施例では、圧縮された信号が入力された場合にも、トランスコーディングを行うことで、より高い圧縮率で効率よく蓄積を行うことができる。また、本実施例では、圧縮回路111、113を初め、信号処理をする手段を回路で実現する場合の例を示した。しかしながら、各種回路要素をソフトウェア的な手段で構成して上述した処理を行ってもよく、その場合でも同様の効果をあげることができる。本発明は、信号処理をどのように実現するかを制限するものではない。
【符号の説明】
【0106】
100 映像機器
121、221、321 メモリ
122、222 無線インタフェース
110 撮像装置
111、113、281、282、291、292 圧縮回路
112 マイク
114 センサ
116、170、283、293 多重回路
124、150、151、224、251、252 信号処理回路
130、230 蓄積装置
140、240、245 暗号/暗号復号回路
141、250、241 逆多重回路
142、143、242、243 伸張回路
160 表示装置
161、270 音声出力装置
171 暗号回路
180 放送受信機
200 映像表示装置
211、212 暗号復号回路
260 ディスプレイ
280 複製制御回路
300 受信機
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