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特開2024-96779媒体を流体で飽和させるためのアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096779
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】媒体を流体で飽和させるためのアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B02B 1/02 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
B02B1/02
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024060587
(22)【出願日】2024-04-04
(62)【分割の表示】P 2021514297の分割
【原出願日】2019-05-14
(31)【優先権主張番号】62/671,122
(32)【優先日】2018-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/357,596
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520446115
【氏名又は名称】ハーバー テクノロジーズ リミテッド ライアビリティー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Haber Technologies LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ハーウェガー,エリック
(57)【要約】      (修正有)
【課題】穀物塊内の変化する状況に適応するシステムを提供する
【解決手段】媒体を流体で飽和および/または通気するためのアセンブリまたはシステムは、入口ポートおよび排気ポートを有する中空シリンダーを含み、中空シリンダーは穀物塊などの媒体内に埋め込まれている。シリンダーは、シリンダーの開口に関連づけられた少なくとも1つのベントを有しており、選択的に開口を密閉して、流体がシリンダーから開口を通って穀物塊内に流体が流れることを防止または許可する。媒体を流体で飽和または通気するためのアセンブリが開示されている。ゲートおよびベントを有する少なくとも1つの中空シリンダーが、穀物塊に埋め込まれている。穀物塊のターゲットセクションが特定され、ゲートおよびベントが作動して、流入する流れをターゲットセクションに鉛直方向および水平方向の両方で提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体で媒体を飽和させるアセンブリにおいて:
入口ポートと排出ポートを有して、媒体に埋め込まれている少なくとも1つの中空シリンダーと;
少なくとも1つの前記中空シリンダーの開口を選択的に開閉する少なくとも1つのベントアセンブリと;を具えるアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のアセンブリにおいて、少なくとも1つのゲートが少なくとも1つの前記中空シリンダー内に配置されて、少なくとも1つの前記シリンダーを通る流体の流れを選択的に制限することを特徴とするアセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載のアセンブリにおいて、少なくとも1つの前記ベントアセンブリが空気圧式であることを特徴とするアセンブリ。
【請求項4】
請求項1に記載のアセンブリが、さらに、前記媒体内に配置された複数のセンサーであって、媒体の状態を測定するように構成された複数のセンサーを具えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項5】
請求項1に記載のアセンブリにおいて、1以上の流体調整装置が、前記中空シリンダーと連通していることを特徴とするアセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載のアセンブリにおいて、少なくとも2つの中空シリンダーが流体を案内し、前記媒体を通る水平方向の流体の移動を可能とすることを特徴とするアセンブリ。
【請求項7】
請求項1に記載のアセンブリにおいて、少なくとも2つの中空シリンダーが、前記媒体内に鉛直方向の領域を分割することを特徴とするアセンブリ。
【請求項8】
請求項1に記載のアセンブリにおいて、少なくとも1つの前記ゲートが前記媒体を複数の水平方向の層に分割していることを特徴とするアセンブリ。
【請求項9】
請求項1に記載のアセンブリにおいて、前記媒体が、水平方向の層と鉛直方向の領域により画定されるセクションを有することを特徴とするアセンブリ。
【請求項10】
請求項9に記載のアセンブリにおいて、各セクションに関連する少なくとも1つのセンサーが、前記セクション内の媒体に関する情報をコンピューターに送信し、当該コンピューターが前記セクション内の媒体の状態を計算することを特徴とするアセンブリ。
【請求項11】
請求項10に記載のアセンブリにおいて、前記コンピューターがターゲットセクションを決定することを特徴とするアセンブリ。
【請求項12】
請求項11に記載のアセンブリにおいて、前記コンピューターが少なくとも1つの前記ベントアセンブリと少なくとも1つの前記ゲートを作動させて、流入する流れと、前記ターゲットセクションを通る流れと、前記ターゲットセクションから排出される流出する流れとの流路を生成することを特徴とするアセンブリ。
【請求項13】
請求項10に記載のアセンブリにおいて、少なくとも2つのシリンダーが前記媒体に埋め込まれ、各シリンダーが少なくとも1つのゲートと1つのベントアセンブリとを有しており、前記ゲートとベントアセンブリが、1つのシリンダーを通る流入する空気と、前記ターゲットセクションを通る流れと、前記媒体から前記他方のシリンダーへの排出および水平方向の空気の流れとを可能にすることを特徴とするアセンブリ。
【請求項14】
請求項10に記載のアセンブリにおいて、少なくとも1つの前記シリンダーが複数のベントアセンブリを有し、前記ベントアセンブリの間に少なくとも1つのゲートアセンブリを有しており、流入した空気が前記シリンダー内を少なくとも1つの前記ゲートまで流れて、第1のベントアセンブリから出て、前記ターゲットセクションを通り、前記シリンダー内に戻ることができ、前記媒体のセクションの鉛直方向の流路を可能とするアセンブリ。
【請求項15】
請求項11に記載のアセンブリにおいて、前記コンピューターが前記ターゲットセクションおよび前記媒体全体の状態を追跡し、前記媒体の全体の質と価値を推定することができることを特徴とするアセンブリ。
【請求項16】
請求項15に記載のアセンブリにおいて、複数のアセンブリが互いに通信して、各媒体の価値を互いに推定することができることを特徴とするアセンブリ。
【請求項17】
請求項16に記載のアセンブリにおいて、複数のアセンブリが、統計的分析により互いに補完して、エラーを決定し、個々のアセンブリのパフォーマンスを向上させることができることを特徴とするアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体を流体で飽和または通気するためのアセンブリに関する。より具体的には、本発明は、容器内または容器なしで媒体の断面を選択的に飽和させるアセンブリに関する。本発明は、任意の媒体を、所望の特性を有するかまたは提供する流体で飽和またはコーティングするために使用される。一例として、アセンブリを使用して、貯蔵庫内にある穀物を空気で飽和させることができる。この空気は、熱、湿気、燻蒸剤、またはそれらの任意の組み合わせで人工的に調整することができる。自然の空気もそのままで十分許容できる場合もある。
【背景技術】
【0002】
穀物の乾燥、穀物の通気、またはこの両方が当技術分野で知られている。通常、穀物は、穀物ではなく空気が通過できる穴あきベッドまたは床の上の堆積またはビンに配置される。圧力勾配は、空気が穀物の塊を通過して、穀物を通して乾燥前面を押す、引く、またはその両方(押す)を行うように生成される。このプロセスは、システムが静的である点で受動的であり、穀物の塊内での条件の変化には反応しない。また、システム内の空気の流れのパターンも変更されない。乾燥前面は、下層から上層を含む穀物の塊全体を通して押し出され、穀物の塊のこれらの層や断面が調整された後においても押し出される。
【0003】
その結果、達成する必要のある圧力勾配が大きくなり、システムに大量のエネルギーを投入する必要がある。このエネルギーは、通常、圧力勾配を生成する機械的エネルギー、および穀物から水分を除去することを促進する熱エネルギーの形態で提供される。燻蒸剤で調整された空気に関するエネルギーも考えられる。穀物の品質が最適以下であるだけでなく、多くの場合、一部の穀物は湿りすぎて、他の穀物は乾燥しすぎる。したがって、これらの欠陥に対処するアセンブリの必要性が当技術分野に存在する。
【0004】
本発明の目的は、穀物塊内の変化する状況に適応するシステムを提供することである。
【0005】
本発明の他の目的は、よりエネルギー効率良く穀物塊を調整するシステムを提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、より少ない時間で穀物塊を調整するシステムを提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、穀物塊をより均一に調整し、保存し、またはその両方を行うシステムを提供することである。
【0008】
これらと他の目的は、以下に記載された説明、図面および特許請求の範囲に基づいて、当業者に明らかとなる。
【発明の概要】
【0009】
媒体を流体で飽和および/または通気するためのアセンブリまたはシステムは、入口ポートおよび排気ポートを有する中空シリンダーを含み、中空シリンダーは穀物塊などの媒体内に埋め込まれている。シリンダーは、シリンダーの開口に関連づけられた少なくとも1つのベントを有しており、選択的に開口を密閉して、流体がシリンダーから開口を通って穀物塊内に流体が流れることを防止または許可する。
【0010】
シリンダーは、また、流体が入口ポートからシリンダを通って排出ポートから流れることを選択的に許可または防止する1つまたは複数のゲートを有し得る。シリンダー、ベント、ゲートの組み合わせによって、システムは複数のフローパターンを動的に生成して、流体を穀物塊内の目標領域またはセクションに送達することができる。フローパターンは、水平、垂直、角度つき、横方向、二次元、三次元のものである。
【0011】
システムは、また、複数のセンサーを含んで、穀物塊内の状態とシステムの動作パラメーターを検出して送信する。検出された情報は、集中データベースの他のシステムから検出されたデータと組み合わされて比較される。
【0012】
検出データは、コンピューターを有する制御システムで使用することができる。制御システムは、検出した情報を処理して、ベントおよび/またはゲートを動的に作動させて所望のフローパターンを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、飽和アセンブリの側面斜視図である。
図2図2は、飽和アセンブリの側面断面図である。
図3図3は、ベントの側面断面図である。
図4図4は、ゲートの上面斜視図である。
図5図5は、ベントアセンブリの側面断面図である。
図6図6は、飽和アセンブリの側面断面図である。
図7図7は、ゲートおよびベントアセンブリの側面断面図である。
図8図8は、流体フローパターンの側面断面図である。
図9図9は、流体フローパターンの側面断面図である。
図10図10は、流体フローパターンの側面断面図である。
図11図11は、流体フローパターンの側面断面図である。
図12図12は、流体フローパターンの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図を参照すると、媒体11を流体で飽和させるシステム10は、少なくとも1つの細長い中空シリンダー32を有する。媒体11は任意の種類であり、説明のみを目的として、乾燥させるトウモロコシなどの穀物を例として使用する。流体は、液体または気体を含むがこれらに限定されない任意のタイプのものである。飽和には、所望の特性を処理させること、含浸または注入、特に熱および質量の流れ現象を指すことが含まれるが、これらに限定されない。
【0015】
シリンダー32は、入口または底部のポート13と、排出または上部のポート15とを有して穀物塊に埋め込まれている。穀物塊11は、堆積物に集めることができ、堆積物は防水シートで覆うか容器12内に置くことができる。容器12は、任意のサイズ、形状、構造であり、穀物貯蔵庫、バルクバッグ、ホッパー、バケツなどが含まれるが、これらに限定されない。一例では、容器12は、底部14と、側壁16と、上部18とを有する。上部18は、屋根、壁、蓋などの任意のタイプのものである。
【0016】
シリンダー32に取り付けられ、および/または連通するものとして、ファン24、加湿器26、および/またはヒーター28、または流体を所望の性質に調整する他の装置がある。シリンダ32または複数のシリンダーは、少なくとも1つの、好ましくは複数の開口34を有する。開口34は、シリンダー32の長さに沿って離間して配置され、好ましい実施例では、開口34を覆うスクリーン36を有する。
【0017】
容器12は、また、穀物塊を下部空間22から分離する仕切り20を有しうる。入口ポート18、排出ポート15に隣接して、ならびに穀物塊11の内部に複数のセンサーが配置されている。センサー30は、温度または湿度、およびシステム10の動作パラメーターなど、穀物塊11の状態または特性に関する情報を検出する。バッフルまたはフラップ38が、シリンダー32の外部に接続されている。バッフルは、開口34の上部に配置されて外向きおよび下向きに延びており、穀物塊11がシリンダー32の周囲に配置されている際に穀物11を開口34から離れるように偏向させる。
【0018】
シリンダー32の内部に複数のベント40が配置されている。ベント40は、任意のサイズ、形状、構造であり、選択的にシリンダー32内の流体の流れを密閉して、開口34を通る穀物塊11への流れ、または穀物塊11から開口34およびシリンダー32への流体の流れを許容または防止するのに適した任意の装置を含む。
【0019】
同様の実施例では、少なくとも1つの、好ましくは複数のゲート52が、シリンダー32内に、ベント40に隣接してその上および/または下に配置されている。ベント40、センサー30、ゲート52は、コンピューター42に接続されて制御される。コンピューター42は、プロセッサ、メモリ、モニタ、入力デバイス、ディスプレイ、およびネットワークインタフェースを有する。
【0020】
ゲート52は、任意のサイズ、形状および構造である。一実施例では、ゲート52は、内面46を有するシリンダー32内に配置される。ゲートは、シリンダー32の幅に延びる外面44を有する。ゲート52を通過する圧力空気の送達を可能にするために、半径方向に離間した複数のバーブ48が設けられ、それぞれがエアホースまたはチューブ50を受け入れるように構成されている。
【0021】
ゲート52は、円筒形の側壁54、中央開口58を有する底壁56、および開放上部60を有するハウジング54を具える。空気圧アクチュエータ62が、複数のクロスサポート63によりハウジング内に取り付けられ、開放上部60から外へ延びている。アクチュエータ62は、スリーブ66に出入りするように構成されたバネ式ピストン64を有する。空気チューブ50Aの一つは、スリーブ66に接続されて、圧力空気源68からの圧力空気をアクチュエータ62へ選択的に供給する。ピストン64の端部70には、プラグ72が取り付けられている。プラグ72は、ゲート52のハウジングの底壁56内の開口58を選択的に満たして密閉するように配置されサイズ設計されている。
【0022】
ベントアセンブリ74が、シリンダー32内で各ゲート52の上および/または下に配置されている。ベントアセンブリ74は、任意のサイズ、形状および構造である。図示された例のベントアセンブリ74は、リンク80により中央コネクタ78に連結された複数のフラップ76を有する。フラップ76は、内面82と上端84とを有する。リンク80は、第1の端部86で中央コネクタ78に回動可能に連結され、第2の端部88でフラップ76の内面に回動可能に連結されている。
【0023】
フラップ76に隣接したシリンダー32は、外向きに延びるカフ90を有する。カフ90は、シリンダ32の鉛直軸に対して外向きに変移点94まで延びる第1または上部の壁92と、変移点94からシリンダー32の鉛直軸へと戻るように延びる第2または下部の壁96とを有しており、略三角形の断面を提供する。
【0024】
第1の壁92は、シリンダー32から変移点94まで角度が付けられて、穀物が壁92に堆積するのを防ぐ。シリンダー32は、フラップ76と位置合わせされた複数の開口98を有する。第2の壁96は、変移点94からシリンダー32へと下向きに、好ましくは安息角で角度がつけられ、穿孔されている。
【0025】
中央コネクタ78は、第2の空気圧アクチュエータ100に連結されている。第2の空気圧アクチュエータ100は、中央コネクタ78の上部に配置されて、シリンダー32の内面44に取り付けられている。第1のアクチュエータ62と同様に、第2のアクチュエータ100は、スリーブ66に出入りするように構成されたバネ式ピストン64を有する。空気チューブ50Bの一つは、スリーブ66に連結されて選択的に圧力空気をスリーブ66に供給する。中央コネクタ78は、ピストン64の端部70に連結されている。
【0026】
複数のゲート52とベントアセンブリ74は、シリンダー32内で垂直方向に離間して水平層102を容器12内に画定する。垂直なシリンダー32は、シリンダー32と容器12の外側の側壁106との間に垂直領域104を画定する。層102と領域104との組み合わせが、穀物塊内にセクション108を画定する。
【0027】
動作中に、センサー30が穀物塊11に関する情報を検出して、この情報をコンピューター42に送信して情報が保存される。一実施例では、情報はクラウドベースのストレージに送信されて、この情報は他の飽和システムからの情報と組み合わせられる。組み合わされた情報は、処理および分析されて各システムで使用され、飽和プロセスおよび効率と、各システムの人工知能を向上させることができる。
【0028】
検出された情報はまた、処理および分析されて、穀物塊を通るフローパターンを決定して生成する。一例として、センサー30は、温度、湿度などの穀物塊11の状態および特性に関する情報をコンピューター42に送信する。コンピューター42は、水分含有量などの穀物塊11の状態と、流量などのシステム10の動作パラメーターとを決定する。コンピューター42は、決定された状態および/またはパラメーターをコンピューターに保存されている既定の状態および/またはパラメーターと比較する。保存された情報には、時間パラメーター、履歴データ、他の飽和し捨て宇からの情報を含む他のソースからの外部データ、ユーザー入力、気象条件、およびこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0029】
比較に基づいて、コンピューターが複数のベント40および/またはゲートを作動させて開閉し、流体のフローパターンを媒体を通して効率よく向ける。ベント40とゲート52は、電気、油圧、機械、空気圧、またはこれらの組み合わせで動作する。特に、ソフトウェアおよびプロセッサは、また、最も高い水分含有量を有するセクションなどの飽和されるべきセクション108であるターゲットセクション110を決定する。特定されたターゲットセクション110に基づいて、コンピュータ42は、電気信号または圧力空気源68からの圧力空気の選択的な解放を通して、選択されたゲート52とベントアセンブリ74を動作させる。
【0030】
フローパターンの数は、シリンダー32、ベント40、ゲート52の様々な組み合わせに基づいて無制限であり、三角形などの二次元のフローパターンと、n個の足を有するピラミッドなどの三次元のフローパターンとを含む。フローパターンの考えられる任意の形状を生成することができる。
【0031】
一実施例では、1つのシリンダー32を使用して、第1のベント40Aまたは74A(代替可能に使用される)が、第2のベント74Bの下に間隔をあけて配置される。両方のベントを開放して、流体は入口ポート13から排出ポート15へと空気シリンダー32を通って流れる。ベント74Aを開放して、流体の一部がベント74Aを通ってシリンダー32から出て穀物塊11へと流れる。ベント74Bも開放しているため、穀物11内の流体は、ベント74Bを通ってシリンダー32へと入り排出ポート15へと流れる。
【0032】
このフローパターンを向上させるため、ゲート52Aおよび52Bは、ベント74Aおよび74Bに隣接して配置されている。ゲート52Aを閉じることにより、すべての流体がベント74Aから穀物塊11へと押し出される。ゲート52Bを開けることにより、流体はベント74Bを通ってシリンダー32内に引き戻され、排出ポート15へと流れる。追加的なより水平または横方向のフローパターンを得るために、有孔チューブ17がシリンダー32に対して離間して鉛直方向に配置される。その結果、ベント74Aからの流れの一部が穀物塊11を横切って有孔チューブ17へと流れる。
【0033】
他の実施例では、複数のシリンダー32を使用して、ベント74およびゲート52が動作して、シリンダー32の間がターゲットセクションとなる。
【0034】
例えば図6に示すように、層102がT0、T1、T2、T3で示されており、領域104がA、B、Cで示されている。ターゲットセクション110は、領域Bを横切る層T1のセクションに配置されている。
【0035】
アセンブリは図示されているXとYのような2つのシリンダー32を有しており、各シリンダーは、鉛直方向に離間したゲート52A、52B、52C、52D、52Eおよび52Fを有し、各ゲートは、各ゲートの下に隣接して配置されたベントアセンブリ74A、74B、74C、74D、74Eおよび74Fを有している。
【0036】
穀物塊をまだ乾燥させていない流入空気をターゲットセクションに向けるため、示す例ではゲート52A、52Eおよび52Fが開けられており、他のゲートは通常の閉じたバネ付勢された位置を維持している。同時に、ベントアセンブリ74Bおよび74Eが開けられて、他のベントアセンブリは通常の閉じられたバネ付勢された位置を維持している。その結果、空気の流れが生成されて、ファン24からヒーター28または他の調整装置を通ってシリンダー32Xに入り、開いたゲート52Aと閉じたベントアセンブリ74Aを通過して、閉じたゲート52Bと開いたベントアセンブリ74Bへと流れる。
【0037】
流入流体は、開いたベントアセンブリ74Bを通って開いたベントアセンブリ74Eの方向へ、水平方向に直線でターゲットセクション110へと引きこまれる。穀物塊を乾燥させた流出空気は、ベントアセンブリ74Eを通ってシリンダー32Yに入り、開いたゲート52Eおよび52Fと閉じたベントアセンブリ74Fを通過して、シリンダー32Yから排出される。入口ポート13からシリンダー32Yへの流れは、閉じたゲート52Dにより制限される。
【0038】
フローパターンは、シリンダー32X、シリンダー32Y、またはその両方にある多くのベント74を開けることにより、さらに拡張させることができる。例えば、ベント74Bおよびゲート52Eを開けることに加えて、ベント74Aを開けることにより、フローパターンは直線から三角形に変化する。より詳細には、流体の一部は三角形のベント74Aからベント74Eへと流れ、流体の一部はベント74Bから74Eへと直線に横切って流れる。
【0039】
ゲート52Aを閉じてゲート52Bと52Cを開けることにより、改変したフローパターンを生成することができる。その結果、流体の一部がベント74Aから74Bに流れ、一部がベント74Aから74Eに流れる。ベント74Bと74Eに到達した後で、流出体は制限されずに排出ポート15を通ってシステムを出る。
【0040】
ベント74Aを閉じてベント74B、74D、74Eを開け、ゲート52A、52Eを開けてゲート52B、52Dを閉じることにより、改変したフローパターンを生成することができる。その結果、流体の一部はベント74Dからベント74Bと74Eの両方に向かうがベント74Eのみを通り、ベント74Bからの流体は74Eへ向かってこれを通る。
【0041】
さらなる他の改変したフローパターンでは、ベント74A、74B、74E、74Fが開いており、ゲート52A、52E、52Fも開いている。その結果、流体がベント74Aからベント74Eへ、および74Bから74Fの角度で流れて、多角形のフローパターンを形成する。
【0042】
ターゲットセクション110の短絡を回避するために、任意のフローパターンを調整することができる。これは、ベントを部分的に開くか、一方のシリンダー内の空気の流れをもう一方のシリンダーに対して調整することによって、ベントを通る流れを下げることによって行われる。また、ベント74とゲート52の高さを変えて、フローパターンを変化させることができる。最後に、導管を複数のシリンダー、特に入力ポートに接続させて連通させることができる。
【0043】
フローパターンの改変は、多くの理由から有益である。フローパターンを変化させる機能により、センサーにより検出した、または履歴データ、外部データもしくは人間の入力により確認された穀物塊内の状態を変更できる。より小さな穀物の深さおよび/または水平なフロープロファイルを人為的に形成することにより、流体が穀物塊を通るのに必要なエネルギーを削減することができる。フローパターンの高さと方向を制御することで、乾燥前面を効率的に人為的に穀物塊を通って移動させることができ、穀物を乾燥させる時間を平衡ではなく制御されたシステムに依存させることができる。穀物塊の異なるセクションを通る流れを変化させることで、乾燥すべきセクションを穀物塊全体を通して、正確な既定のレベルでそれ以上でも以下でもなく乾燥させることができる。
【0044】
他の穀物塊からのデータは、システムのエラーや他の要因をチェックするために使用することができる。例えば、腐敗するリスクのある統計的に類似した穀物塊からのデータに基づいて、穀物塊の特定のセクションを先に通気するためにデータを使用することができる。このデータは、故障したセンサーから検出された情報を置き換えるためにも使用することができる。
【0045】
コンピューター42は、ターゲットセクションが所望の状態となったときにフローパターンを修正する。水分含有量、ホットスポットの数、およびその他の関連データが、穀物塊の値の新しいプロトコルとスコアシートを作成するために、保管シーズンにわたって収集される。これは、塊中の穀物の理論的な乾燥損失を数学的に推定するために行われてもよい。これは、数回の保管シーズンにわたって行い、市場で販売されている穀物の実際の価値と比較して、推定の正確性を向上させることができる。これは、塊内の穀物の特定の品質に関連する絶対的な期間で、または他の穀物塊内の穀物と比較した相対的な期間で、またはその両方で行うことができる。穀物の価値の相対的な推定を提供するために使用されるデータは、穀物市場における調査を提供するためにも使用できる。このデータはまた、人工知能により機械学習を発展させるためにコンピュータ42により使用される。内部データおよび外部データの両方に基づいて、コンピューターは、穀物塊を保護し、乾燥時間を削減し、エネルギー消費を削減するフローパターンを予測して生成する。
【0046】
したがって、流体で媒体を飽和するためのアセンブリであって、穀物塊を流入体で乾燥させるためのアセンブリを含むものが開示されており、これは少なくとも記載された目的を達成するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2024-05-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体で媒体を飽和させるアセンブリにおいて、
底部または当該底部の近くにある空間と上部とを有する容器と、
前記空間の近くにある入口ポートと、前記容器の前記上部または当該上部の近くにある排出ポートと、を有する少なくとも1つの中空シリンダーであって、少なくとも一部分が前記容器の内部に配置されている少なくとも1つの中空シリンダーと、
流体を流入させるために前記少なくとも1つの中空シリンダーと接続されて連通している流体調整手段と、
前記少なくとも1つの中空シリンダーの長さに沿って間隔をあけて配置された複数のベントアセンブリであって、各ベントアセンブリが、1以上のベントと、前記入口ポートと前記排出ポートの間で前記少なくとも1つの中空シリンダーの長さに沿って当該中空シリンダーの異なる部分を選択的に開閉する1以上のゲートと、前記少なくとも1つの中空シリンダーを通る流体の流れを選択的に制限するために当該中空シリンダー内部に配置された少なくとも1つのゲートと、を具え、
前記複数のベントアセンブリが、リンクによって中央コネクタに連結された複数のフラップを有し、
1以上の前記ベントが、前記少なくとも1つの中空シリンダーの異なる部分における前記媒体の選択された部分への流入および選択された部分からの流出を制御するように構成され、
さらに、
前記複数のベントアセンブリを自動的に制御するための手段であって、
前記複数のベントアセンブリの1以上の前記ベントが、自動的にかつ選択的に作動して、前記媒体の選択された部分を通る特定の流体のフローパターンを送達して、当該特定の流体のフローパターンが形成された前記媒体の選択された部分における1以上の特定の場所において、所望の状態を実現し、
当該手段が自動的に1以上の前記ベントを出る流体の流れを調整し、各ベントアセンブリの1以上の前記ベントは、前記少なくとも1つの中空シリンダにおいて、前記少なくとも1つの中空シリンダ内の低いベントアセンブリからの媒体へと入る流体の流れと、高いベントアセンブリを通って前記少なくとも1つの中空シリンダー内へと戻り前記排出ポートから出る流体の流れとを選択的に可能にして、前記媒体の選択された部分における1以上の特定の場所をターゲットとする、制御するための手段と、
前記選択された部分に関連する1以上のセンサであって、前記選択された部分における媒体についての情報を、前記選択された部分における媒体の状態を計算するコンピュータに送信する、1以上のセンサと、を具え、
少なくとも1つのセンサから送信された情報が、他の飽和システムからの情報と組み合わされ、センサーが故障しているかエラーの状態にある場合に、他の飽和システムからの情報データが、検出された情報に置き換わるように使用されることを特徴とするアセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のアセンブリにおいて、前記複数のベントアセンブリが空気圧式であることを特徴とするアセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載のアセンブリが、さらに、前記入口ポートおよび前記排出ポートのうちの少なくとも一方に配置された複数のセンサであって、媒体についての情報を収集して送信する複数のセンサを具えることを特徴とするアセンブリ。
【請求項4】
請求項1に記載のアセンブリにおいて、前記リンクが第1の端部で前記中央コネクタに回動可能に連結し、第2の端部で前記フラップの内面に回動可能に連結することを特徴とするアセンブリ。
【請求項5】
請求項1に記載のアセンブリにおいて、複数の前記ゲートがバネ付勢されて通常は閉鎖位置にあり、前記排出ポートから意図せずに排出されることを防ぐように構成されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載のアセンブリにおいて、前記少なくとも1つの中空シリンダーが少なくとも2つの中空シリンダーを有し、少なくとも2つの前記中空シリンダーが流体を案内して水平方向の流体の移動を可能とすることを特徴とするアセンブリ。
【請求項7】
請求項6に記載のアセンブリにおいて、前記少なくとも2つの中空シリンダーが、前記容器を鉛直方向の領域に分割することを特徴とするアセンブリ。
【請求項8】
請求項7に記載のアセンブリにおいて、1以上の前記ゲートが、前記容器を通る流体の流れの水平方向の層を形成するように配置されていることを特徴とするアセンブリ。
【請求項9】
請求項8に記載のアセンブリにおいて、前記鉛直方向の領域と前記水平方向の層とが前記容器内における区画を形成することを特徴とするアセンブリ。
【請求項10】
流体で媒体を飽和させるアセンブリにおいて、
容器の中に配置されて当該容器を複数の鉛直方向の領域に分割する複数のシリンダーであって、前記容器が底部または当該底部の近くにある空間と上部とを有するものである、シリンダーと、
前記複数のシリンダーのうちの第1のシリンダーと接続されて連通している流体調整手段と、
前記容器の前記底部または当該底部の近くにある入口ポート、および前記容器の前記上部または当該上部の近くにある排出ポート、のうちの少なくとも一方の近くに配置された少なくとも1つのセンサであって、媒体の状態を計算するプロセッサに情報を送信する少なくとも1つのセンサと、を具え、
前記少なくとも1つのセンサから送信された情報が、他の飽和システムからの情報データと組み合わされ、センサーが故障しているかエラーの状態にある場合に、他の飽和システムからの情報データが、検出された情報に置き換わるように使用され、
さらに、
各シリンダーにおいて1以上のベントおよび1以上のゲートを有する複数のベントアセンブリを自動的に制御するための手段であって、1以上の前記ベントを出て前記媒体へと入る前記流体調整手段からの流体の流れを調整し、1以上の前記ベントに入る流体の流れと1以上の前記ベントから出る流体の流れを自動的に調整して、1以上の特定の場所において所望の状態を実現し、1以上の前記ゲートが前記表記を複数の水平方向の層に分割して、前記複数の鉛直方向の領域と前記複数の水平方向の層とが前記容器内に複数のエリアを形成している、制御するための手段と、を具え、
前記流体が、前記複数のシリンダーのうちの前記第1のシリンダーにおける第1のベントアセンブリから、前記容器内の複数のエリアの少なくとも1つにある媒体へと入るように流れ、前記容器の媒体からの流出体の流れが、前記複数のシリンダーのうちの第1のシリンダーまたは他のシリンダーの1つ以上における第2のベントアセンブリを通り、前記流出体が排出される、ことを特徴とするアセンブリ。
【請求項11】
請求項10に記載のアセンブリにおいて、前記流出体が、前記複数のシリンダーのうちの第1のシリンダーまたは他のシリンダーの1つ以上における第3のベントアセンブリを通って排出され、前記容器内の媒体へと入ることを特徴とするアセンブリ。
【請求項12】
請求項10に記載のアセンブリにおいて、前記流出体が、前記容器の上部にまたは当該上部の近くにある前記他のシリンダーの排出ポートを通って排出されることを特徴とするアセンブリ。
【請求項13】
請求項10に記載のアセンブリにおいて、複数のセンサから送信された情報が、処理および分析され、前記容器内の媒体を通るフローパターンを動的に決定して形成することを特徴とするアセンブリ。
【請求項14】
請求項10に記載のアセンブリにおいて、少なくとも1つの前記センサから送信された情報が、温度、湿度、二酸化炭素のうちの少なくとも1つを含む媒体の特性を含んでいることを特徴とするアセンブリ。
【請求項15】
請求項10に記載のアセンブリにおいて、少なくとも1つの前記センサが、温度や湿度などの媒体の特性を検出し、計算された前記媒体の状態が、流量を含む動作パラメータを含むことを特徴とするアセンブリ。
【請求項16】
請求項10に記載のアセンブリにおいて、計算された前記媒体の状態が、前記プロセッサ内に保存された情報と比較されて、当該比較に基づいてベントおよびゲートが作動されることを特徴とするアセンブリ。
【請求項17】
請求項10に記載のアセンブリにおいて、他の飽和システムからの前記情報データが、エラーをチェックするために使用されることを特徴とするアセンブリ。
【請求項18】
請求項10に記載のアセンブリにおいて、他の飽和システムからの前記情報データが、腐敗のリスクがある統計的に類似した媒体からのデータに基づいて、媒体の区画を予防的に通気するために使用されることを特徴とするアセンブリ。
【請求項19】
請求項10に記載のアセンブリにおいて、前記プロセッサがターゲットセクションを決定することを特徴とするアセンブリ。
【請求項20】
請求項19に記載のアセンブリにおいて、前記プロセッサが、選択したベントおよび選択したゲートを作動させて、前記ターゲットセクションに向かうフローパターンおよび前記ターゲットセクションから離れるフローパターンを形成することを特徴とするアセンブリ。
【請求項21】
請求項20に記載のアセンブリにおいて、前記プロセッサは、前記ターゲットセクションが所望の状態を実現したときに、前記フローパターンを変更することを特徴とするアセンブリ。
【外国語明細書】