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特開2024-96803放射線放出を処置するための装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096803
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】放射線放出を処置するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G21F 3/00 20060101AFI20240709BHJP
   G21F 1/08 20060101ALI20240709BHJP
   G21F 5/015 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
G21F3/00
G21F1/08
G21F5/015
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024061420
(22)【出願日】2024-04-05
(62)【分割の表示】P 2021510493の分割
【原出願日】2019-04-30
(31)【優先権主張番号】2018901438
(32)【優先日】2018-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(71)【出願人】
【識別番号】520427527
【氏名又は名称】ピーエーエスエムアール テクノロジー エー プロプリエタリー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ピーター パールバスト
(72)【発明者】
【氏名】ユルゲン シュミット
(57)【要約】      (修正有)
【課題】既存の原子炉、研究用原子炉、並びに廃棄物処置及び処理施設での効果的な放射性廃棄物管理のために放射線放出を処置するための方法及び装置を提供すること。
【解決手段】放射線放出の線源を処置するための装置であって、放射線放出を受け取るために線源に近接すると共に受け取った放出を線源に向けて少なくとも部分的に反射するように適合される少なくとも1つの反射手段を含み、それにより線源からの放射線放出を効果的に低減する装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線放出の線源を処置するための装置であって、前記放射線放出を受け取るために前記線源に近接すると共に受け取った放出を前記線源に向けて少なくとも部分的に反射するように適合される少なくとも1つの反射手段を含み、それにより前記線源からの前記放射線放出を効果的に低減する装置。
【請求項2】
前記反射手段がワイヤアレイを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ワイヤアレイのワイヤが、亜鉛メッキされた金属ワイヤの周りに巻き付けられた銅ワイヤの少なくとも1つのコイルを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記亜鉛メッキされた金属ワイヤが鋼線である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ワイヤアレイが、円形に形成されたスパイラルワイヤを含む、請求項2~4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記ワイヤアレイが、ジグザグ構造又は蛇行構造に形成されたループワイヤを含む、請求項2~4のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記装置が複数の反射手段を含む、請求項1~6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記複数の反射手段の各々が、
a.円形に形成されたループワイヤを含む複数のワイヤアレイ、及び
b.ジグザグに形成されたループワイヤを含む複数のワイヤアレイ、
のいずれか又は組み合わせを含むことができる、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記複数の反射手段が、前記線源を少なくとも部分的に取り囲むように配置されている、請求項7~8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記複数の反射手段が容器内に配置され、前記容器がその中に前記線源を保持するように構成されている、請求項7~9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記容器が鉛シールドを有する、請求項1~10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記反射手段がパネル上に取り付けられている、請求項1~11のいずれかに記載の装置。
【請求項13】
前記装置が複数のパネルを含み、前記複数のパネルの各々が前記容器の側面周りの内部に配置され、前記複数のパネルが前記線源を取り囲むように前記線源が前記容器の中央に配置される、請求項10を引用する請求項12に記載の装置。
【請求項14】
限定はされないが前記反射手段がアンテナを含み、放射線を受け取ると共にその逆に放射線を反射するように前記アンテナが構成されている、請求項1~13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記反射手段がホーンを含み、反射された放射線を上記線源に向けて戻すように前記ホーンが構成されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記線源が、
a.ウラン、ネプツニウム、プルトニウム、アメリシウム、トリウム、又は元素周期表のこのスペクトルに関連し若しくは関連しない任意の他の元素、
b.取得した種々の他の公式及び非公式の放射線の線源、及び
c.より多くの人々に対して健康上の懸念があるものとして知られる花崗岩及び他の天然に存在する低レベル放射性物質、
のいずれか又は組み合わせを含む、請求項1~15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
放射性物質からの放射線放出を処置するための装置であって、前記放射線放出を受け取るために前記放射性物質に近接すると共に受け取った放出を前記放射性物質に向かって少なくとも部分的に反射するように適合される少なくとも1つの反射手段を含み、それにより前記放射性物質を安定化する装置。
【請求項18】
放射線放出の線源を処置する方法であって、少なくとも1つの反射手段を前記線源に近接して配置することを含み、前記反射手段が、前記放射線放出を受け取ると共に受け取った放出を前記線源に向けて少なくとも部分的に反射するように適合され、それにより前記線源からの前記放射線放出を効果的に低減する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線放出を処置するための装置及び方法に関し、特に、本発明は、放射線放出を放射線放出の線源の少なくとも一部に向けて反射することによって線源を処置するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の提案又は製品についての以下の言及及び説明は、当該技術分野における一般知識の陳述又は承認であることが意図されておらず、またそのように解釈されるべきではない。特に、以下の先行技術の議論は、当業者によって一般的に又はよく知られていることには関係しないが、関連する先行技術提案の識別がその一部でしかない本発明の進歩性の理解を支援する。
【0003】
現在、原子力発電容量の世界的な増大のための強力な推進力が多くある。核燃料サイクルの安全性並びに核サイクルの廃棄物及び他の副産物の適切な処分及び取り扱いに関する正当な懸念に対処することにより、原子力発電容量の増大に関する議論が容易になる。特に、将来的にはエネルギー供給の必要性が高まるので、原子力技術に関連する懸念に対処すれば、これにより、増え続けるエネルギー供給の問題における好ましい選択肢として、原子力エネルギーの広範で安全な使用が可能になる可能性がある。更に、原子核科学の分野及び核医学への応用の分野における研究の拡大により、そのような研究に参加しその恩恵を受けることを意図している国々の研究炉の数の増大が求められている。
【0004】
使用済み燃料及び放射性廃棄物の処置市場並びに貯蔵及び処分の市場の成長は、エネルギー及び原子核科学に対する世界的な需要の増大を満たすために計画されている原子炉及び研究用原子炉の数のこの需要主導型の成長にリンクしている。
【0005】
しかし、原子力施設の増加に反対する議論の1つは放射性廃棄物の発生であり、更には、例えばチェルノブイリや福島第一で目撃されたような、それらの壊滅的な障害を通して世界的な著しい悪影響を招いてしまった原子力災害の可能性である。一般に、放射性廃棄物は、有毒廃棄物が時間の経過とともに安定することを期待して、遠隔の放射性埋立地において又は良心的な中期管理施設を保有する国において埋められることがよくある。しかし、核廃棄物は多くの場合、施設で非常に長い間アクティブであり続け、廃棄物が実際に安定して安全であることが証明されるまでには、数千年以上にわたって約20の自然半減期が必要である。更に、放射線のレベルが環境及び全ての形態の動植物生体に害を及ぼさないことを保証するためには、効果的な放射性廃棄物管理が極めて重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述の欠点及び不利益を改善し又は少なくとも有用な代替手段を提供し得る放射線放出を処置するための方法及び装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、放射線放出の線源を処置するための装置及び方法がここに提供される。
【0008】
装置は、放射線放出を受け取るために線源に近接すると共に受け取った放出を線源に向けて少なくとも部分的に反射するように適合され又は構成されている少なくとも1つの反射手段を含み、それにより線源からの放射線放出を効果的に低減することができる。
【0009】
1つの特定の例では、反射手段はワイヤアレイを含む。更に別の例では、反射手段は複数のワイヤアレイを含むことができる。
【0010】
更なる例によれば、ワイヤアレイのワイヤは、亜鉛メッキされた金属ワイヤの周りに巻き付けられた銅ワイヤの少なくとも1つのコイルを含むことができる。更に別の例では、亜鉛メッキされた金属線は鋼線である。
【0011】
別の例によれば、ワイヤアレイは、円形に形成されたスパイラルワイヤを含む。形成された円は、連続的、離散的、同心状、又はスパイラル状であり得ることが理解されるはずである。
【0012】
更に別の例では、ワイヤアレイは、ジグザグ構造又は蛇行構造に形成されたループワイヤを含む。ワイヤアレイは、1つ以上のスパイラルワイヤ、1つ以上のループワイヤ、あるいは縦方向又はワイヤの他のセットを横切る横方向のいずれかで伸ばされた1つ以上のワイヤ等のパターンの任意の組み合わせにおける任意の形態及び数のワイヤを含み得ることが理解されるはずである。
【0013】
ワイヤアレイの構造の形状又はワイヤアレイのタイプは、放射線のタイプに影響を及ぼし得ることが理解されるはずである。従って、例えば、水平面又は垂直面において円形のワイヤアレイはアルファ線及びベータ線に影響を及ぼし得る一方で、銅線の有無にかかわらず蛇行構造はガンマ線に影響を及ぼし得る。このように、必要に応じて、形状/ワイヤ構造及びタイプの任意の1つ以上の組み合わせを用いて、種々のタイプの放射線を反射することができる。
【0014】
更に別の例では、装置は複数の反射手段を含む。別の例では、複数の反射手段の各々は、円形に形成されたループワイヤを含む複数のワイヤアレイ、及び蛇行アレイ又はジグザグアレイに形成されたループワイヤを含む複数のワイヤアレイのいずれか又は組み合わせを含むことができる。これらの例では、各タイプのワイヤ構造は、異なる目的及び異なる放射線のタイプに対して役立ち得る。
【0015】
更なる実施形態によれば、複数の反射手段は、線源を少なくとも部分的に取り囲むように配置されている。
【0016】
更に別の実施形態では、複数の反射手段は容器内に配置され、容器は、その中に線源を保持するように構成されている。更に別の例では、容器は、線源を少なくとも部分的に中心に保持し、1つ以上の反射手段は、容器内及び容器の側面の周りに配置され、それによって線源を少なくとも部分的に取り囲んでいる。
【0017】
更に別の例によれば、容器は鉛シールドを有する。更に別の例では、鉛シールドは、容器の全ての側面上で容器の外側に設けられている。更に、容器は任意のサイズ又は形状のものであり得るが、1つの特定の例では、容器は、反射手段及び線源を収容することができる立方体又は直方体である。
【0018】
従って、当業者であれば、ここに説明される技術が小さな茶箱サイズの形状、中型の輸送用容器又はシングルルーム形状、あるいは更に大きな倉庫の航空機ハンガー等に含まれ得ることを理解するはずである。
【0019】
更に別の例では、反射手段はパネルに取り付けられている。1つの特定の例では、低レベル及び中レベルの放射線に対しては、パネル又はチェストは、合板の単一片又は複数片から作製することができ、その上に反射手段を保持することができる。より高レベルの放射性物質は、より可燃性の低い基板を必要とする場合があるが、絶縁材料である任意の基板を用いてアレイを保持してよく、それは木材又は合板に限定されないことが理解されるはずである。
【0020】
別の実施形態によれば、装置は複数のパネルを含み、複数のパネルの各々は、容器の側面周りの内部に配置され、線源は、複数のパネルが線源を取り囲むように容器の中央に配置される。
【0021】
更に別の例では、反射手段はアンテナを含み、アンテナは、放射線を受け取り放射線を反射するように構成されている。
【0022】
別の例によれば、反射手段はホーンを含み、ホーンは反射された放射線を線源に向けて戻すように構成されている。更に別の例では、ホーンは任意の形状のものであることができ、必要に応じて1つ以上のワイヤアレイから延びることができる。
【0023】
更に別の実施形態では、線源は、ウラン、花崗岩、及びアメリシウムのいずれか又は組み合わせを含む。但し、線源は、過去に使われた原子力試験設備、病院廃棄物、原子力発電所廃棄物、放射性水等からの放射線を放出する任意の物質であり得ることを理解する必要がある。
【0024】
更に別の態様では、放射性物質からの放射線放出を処置するための装置がここに提供され、この装置は、放射線放出を受け取るために放射性物質に近接すると共に受け取った放出を放射性物質に向かって少なくとも全体的又は部分的に反射するように適合される少なくとも1つの反射手段を含み、それにより放射性物質を安定化する。1つの特定の例によれば、放射性物質は、多数(20以上~>220)の半減期の実証された自然崩壊よりも大幅に短い時間枠で結果的に安定化される。
【0025】
更に別の態様では、放射線放出の線源を処置する方法がここに提供され、この装置は、少なくとも1つの反射手段を線源に近接して配置し/置き/提供することを含み、反射手段は、放射線放出を受け取ると共に受け取った放出を線源に向けて少なくとも部分的に反射するように適合され、それにより線源からの放射線放出を効果的に低減する。
【0026】
上述した特徴又はここで説明される特徴の任意の組み合わせが可能であり、ここに提供される例に限定されないことが理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明は、好ましい実施形態の以下の非限定的な説明からよりよく理解されるはずである。
【0028】
図1図1は放射線放出の線源を処置するための例示的な装置の斜視図である。
図2図2は放射線放出の線源を処置するための例示的な装置の斜視図であり、装置は容器内に設けられている。
図3図3は放射線放出の線源を処置するための例示的な装置の正面図である。
図4図4は放射線放出の線源を処置するための例示的な装置の背面図である。
図5図5は放射線放出の線源を処置するための装置の別の例の正面図である。
図6図6は放射線放出の線源を処置するための別の例示的な装置の側面図である。
図7図7図6の例示的な装置の反転図である。
図8A図8Aは放射線放出の線源を処置する装置と共に用いることができるホーンの例の側面図を示す(その1)。
図8B図8Bは放射線放出の線源を処置する装置と共に用いることができるホーンの例の側面図を示す(その2)。
図8C図8Cは放射線放出の線源を処置する装置と共に用いることができるホーンの例の側面図を示す(その3)。
図8D図8Dは放射線放出の線源を処置する装置と共に用いることができるホーンの例の側面図を示す(その4)。
図9A図9Aは放射線放出の線源を処置するためのここで説明される装置及び方法の効果を示す例のグラフ表示(その1)である。
図9B図9Bは放射線放出の線源を処置するためのここで説明される装置及び方法の効果を示す例のグラフ表示(その2)である。
図10図10は放射線放出の線源を処置するための装置を保持するための例示的な容器の写真である。
図11図11図10の例示的な容器の写真であり、カバーが閉じられ、容器の蓋が開いていることを示している。
図12図12図10の容器内に配置された、放射線放出の線源を処置するための例示的な装置の写真である。
図13図13図10の例示的な容器の写真であり、カバーは閉じられており、放射線が放出される線源を保持するためのキャビティは開いている。
図14図14は放射線放出の線源を処置するための装置の別の実施形態の写真である。
図15図15は放射線放出の線源を処置するための装置の別の実施形態の写真であり、1つのタイプのワイヤが別のタイプのワイヤに巻き付けられていることを示している。
図16図16は放射線放出の線源を処置するための装置の別の実施形態の写真である。
図17図17は放射線放出の線源を処置するための装置の別の実施形態の写真である。
図18図18は放射線放出の線源を処置するための装置の別の実施形態の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
放射線放出を処置するための装置の例を図1に示す。特に、図1は、放射線放出20の線源15を処置するための装置10の例を示している。
【0030】
この例では、装置10は、放射線放出20を受け取るために線源15に近接するように適合された少なくとも1つの反射手段25を含む。反射手段25は、受け取った放出20を線源15に向かって少なくとも部分的に反射し、それにより線源15からの放射線放出20の低減をもたらす。
【0031】
図1~4に示され以下で更に説明されるように、反射手段25は、ワイヤアレイ30を含むことができる。1つの特定の例によれば、ワイヤアレイ30は、いくつかの異なる構造を含むことができる。ここで更に説明されるように、ワイヤアレイ30は、少なくとも第1及び第2のワイヤ構造を含むことができる。
【0032】
装置10は1つ以上のワイヤアレイ30を含む複数の又は多数の反射手段25を含むことができ、これらは種々のパターンで形成され得ることが当業者によって理解されるはずである。図示された例では、ワイヤアレイ30は、1つ以上の円50の形態にあるスパイラルワイヤ45を含む。更に別の例では、ワイヤアレイ30は、ジグザグ又は蛇行したループワイヤ構造55を含む。反射手段25は、ここで説明される異なるワイヤ構造の種々の組み合わせを含み得ることが更に理解されるはずである。
【0033】
従って、装置10は、線源15を少なくとも部分的に取り囲むように配置することができる複数の反射手段25を含むことができる。1つの特定の例では、複数の反射手段25は、容器60内に配置される。これらの例では、容器60は、線源15を内部に保持するように構成されている。以下で更に説明される更なる例では、容器60は、放射性線源50と容器60の外側との間に障壁を形成するように構成された鉛シールドを有することができる。
【0034】
更なる例によれば、1つ以上の反射手段25をパネル65に取り付けることができる。従って、装置10は、複数のパネル65を含むことができ、そしてこれらのパネル65は各々容器60の側面周りの内部に配置され、次いで複数のパネル65が線源15を取り囲むように線源15が容器60の中央内に配置される。
【0035】
反射手段25は1つ以上のワイヤ構造をを含むことができ、これらは1つ以上のアンテナを含み得ることが当業者によって理解されるはずである。この特定の例では、そのアンテナ又は各アンテナは、放射線を受け取り放射線を反射するように構成されている。以下で更に論じるように、アンテナはホーン80を含むことができ、ホーン80は反射した放射線を線源15に向けて戻すように構成されている。
【0036】
更に別の例では、線源は、ウラン、グラファイト、又は放射線を放出する任意の材料のいずれか又は組み合わせを含むことができ、これらは特性、放射線や哺乳類等の生き物によって影響を受ける面積又は体積を含むことが当業者によって理解されるはずである。
【0037】
図3及び4は、放射線放出を反射するための反射手段25の例を示している。この例では、ワイヤアレイ30は、第1のタイプのワイヤ構造70及び第2のタイプのワイヤ構造72を含み、第1及び第2のワイヤ構造70及び72は、それぞれ、ワイヤ構造70及び72を所定位置に保持するパネル65に取り付けられている。この特定の例では、ワイヤ構造70及び72は、第1及び第2のワイヤ構造70及び72が互いに積み重ねられるように、パネル65全域にわたって反対方向にワイヤをジグザグ又は蛇行構造にループさせることによって形成され、第2のワイヤ構造72は、第1のワイヤ構造70に対して90度の直角にある。
【0038】
パネル65は任意の寸法であり得ることが当業者によって理解されるはずである。図3及び4に示される例では、パネル65は、370mmの幅(左から右へ)及び370mmの高さ(上から下へ)を有する。図3では、102で示される入力を有し100から101まで続くワイヤ構造70は、この例では、パネル65の高さに及んでおり、典型的には200mmの幅を有する。図4は、使用可能な例示的ワイヤが2mmの鋼線103を含むことを示しており、その周りには104で示される0.75mmの銅線が巻かれている。同様に、図4におけるワイヤの構造の幅105は200mmである。図4はまた、巻かれた銅線104を有する出力終端106を示している。
【0039】
図5~7は、反射手段25の更なる例を示し、ワイヤアレイ30は、第1のタイプのワイヤ構造70及び第2のタイプのワイヤ構造72を含む。この特定の例では、第1のタイプのワイヤ構造70は複数のスパイラルワイヤを含み、複数のスパイラルワイヤは、それらがパネル65全域で横方向に互いに重なるようにパネル65上に配置される。そして、第2のタイプのワイヤ構造72は、スパイラル状の第1のワイヤ構造70を横切って縦方向に形成されている。ワイヤアレイ30のこの特定の例は以下で更に説明する。更に、第1のワイヤ構造70は、17×3×2mmの鋼線107から作製され、第2のワイヤ構造72は、17×2×0.75mmのエナメル銅線108から形成される。
【0040】
更に、図6及び7の例では、図5に示される1つの連続的スパイラルとは対照的に、第1のタイプのワイヤ構造70としての複数の連続的銅コイルを示している。図6及び7の例では、これらの連続的銅コイル70は、異なる直径の同心状銅コイルによって形成される。例えば、外側の銅コイルは、19mmの直径、次いで最小直径の2mmまで、17mm、次いで15mm等の直径を有することができる。これらの例では、ワイヤは2mmの太さの銅巻きコア鋼線とすることができる。従って、複数の同心状構造は、それらが少なくとも部分的に互いを覆って配置されるように形成され、この特定の例では、図6及び7の例における複数のワイヤ構造のスパン幅は38cmである。
【0041】
図5~7に示される例は中性子放射線干渉対象システムであり、図5~7のシステムは放射線の安定化を支援し得ることが当業者によって理解されるはずである。特に、図5~7に示される例は、中性子放射線、アルファ放射線、及びベータ放射線干渉対象システムであることが当業者によって理解されるはずである。図5は中性子放射線の減少をもたらす構成の例を示し、図6及び7はアルファ粒子及びベータ粒子干渉アレイを示しており、これらはアセンブリの面に応じて水平方向はアルファ放射線用、垂直方向はベータ放射線用というように異なるものになる。従って、図5~7のシステムは、中性子放射線、アルファ放射線、及びベータ放射線の安定化を支援することが前提となる。
【0042】
図8A~8Dは、ワイヤアレイ30から延びるように形成することができるホーン80の例示的な側面プロファイルを示す。ホーン80は、典型的には、メインワイヤアレイ30から延びるワイヤであり、ワイヤアレイ30からの反射放射線の方向付けを支援することができる。これらの特定の例では、ホーンはガンマ(放射線成分)出力終端である。図8A~8Dに示されるように、ホーンの多くの異なる形状及び位置が可能である。例えば、ホーン80は、パネル65の角又はその近くに配置されて、パネル65の背面から直角にパネル65から(又は一般的にはワイヤアレイ30から)延びることができる(図8Aに示される)。図8Bは直角に延びるホーン80を示しており、ホーンの上部81は、パネル65に隣接し又はパネル65と同一平面上にある。この例のホーン80はまた、パネル65の背面に形成され、角又はその近くに配置される。図8Cは、V字形の角度のある構造でパネルから延びるホーン80の例を示しており、このホーン80はパネル65の前面の中央位置から延びている。更に、図8Dは、c字形の角度のある構造でパネル65から延びるホーン80の例を示しており、このホーン80もパネル65の前面の中央位置から延びている。ここで説明される装置及び方法の更に具体的な例を以下に提供する。
【0043】
<実施例1>
1つの特定の例によれば、ウラン鉱石の試験サンプルを用いて本方法及び装置を試験した(試験サンプルは茶箱に似た容器内に配置した(以下の図10及び11に示す)。他の試験も実施し、開始イオン放出カウント値に関係なく同様の結果がもたらされた。
【0044】
前述のウラン鉱石の例では、試験サンプルを茶箱サイズのキャビネット内の中央に配置し、箱の本体の全ての側面上で多数のガンマ線反射手段により試験サンプルを取り囲んだ。次いでサンプル及び種々の反射手段を1つ以上のカバーで覆った後、箱の蓋を閉じた。労働衛生及び安全上の理由から、また既知の外部干渉及び外部への内部放射線漏れを最小限に抑えるために、箱を鉛被覆でも覆った。但し、鉛で覆うことは随意的であることが理解されるはずである。この例では、ガイガーカウンターである測定装置を用いて、放出されている電離放射線を測定した。使用した測定装置は、携帯型デジタル放射線サーベイメータであるエスイーインターナショナルインクのラジエーションアラート(登録商標)インスペクター(S.E. International Inc. Radiation Alert(R) Inspector)であった。
【0045】
次いで、「茶箱」を開いてサンプルを毎日、可能な限り同時刻に近い時刻で1日1回読み取ることにより測定を行った。
【0046】
図9Aに示されるように、サンプルからの放射線放出は安定に向かって進んでいたことが観察された。
【0047】
図9Aは、試験サンプルの1分あたりのイオンカウントが400日間で1分あたり2850カウントから1分あたり65カウントに大幅に減少したことを示している。
【0048】
<実施例2>
上記実施例1と同様に、放射線を放出する線源としての花崗岩について更なる試験を行った。用いた装置は実施例1と同じであった。
【0049】
花崗岩を反射手段にさらすことにより、花崗岩から放出される放射線が減少した。図9Bに示されるように、1分あたりのカウント数が3か月間で77から0に減少した。
【0050】
実施例1及び2は、いくつかの他の材料及び試験も実施したので、アルファベータガンマ及び中性子(又はそれらの組み合わせ)のほんの少数例であるが、この特許の条件に実質的に影響を与えることはなく、必要な場合には、必要に応じて、必要になるようなときに他のどこかでの主題及び議論になり得る。
【0051】
図10は、上述した2つの特定の例で用いられたような容器60の実施形態の写真である。図10に見られるように、容器60は、蓋61及び本体62を有する。本体62は複数のセクション63に分割されている。この特定の例では、容器60は正方形の断面を有している(即ち、事実上立方体又は直方体である)ので、セクションは4つの側面セクション63A、63B、63C、及び63Dを含み、これらはそれぞれ容器60の側面64A、64B、64C、及び64Dによって囲まれ、それにより容器60の中間部分(又は中央キャビティ)を取り囲んでいる。側面セクション63A~63Dの各々は、1つ以上の反射手段25を受け入れるように構成されている。この特定の例では、反射手段25は、コイル状ワイヤアレイ30を備えた複数のパネル65を含む。従って、セクション63A~63Dの各々は内部に複数のパネル65を有し、それにより、パネル65は互いに垂直又は水平のいずれかに配置される。これを図12に更に示す。
【0052】
図10はまた、側面セクション63A~64Dの各々がそれぞれのカバー66によって覆われていることを示している。この特定の例では、カバー66は木製である。図10では、カバー67の1つが取り外されて側面セクション63が見えている。図10は更に、典型的には容器60内部に配置される危険な放射性物質又は線源15からユーザを保護するように容器60が鉛で覆われていることを示している。
【0053】
図11は、蓋61が開位置にあるときに閉位置にあるカバー66を見せている容器60の写真である。
【0054】
図12は、各々がワイヤアレイ30を備える複数のパネル65を示している。この形態のワイヤアレイ30は、第1のタイプのワイヤ構造70の連続的スパイラルを含む。パネル65上に見られるように、重なり合うスパイラル状の2つの第1のタイプのワイヤ構造70がある。第1のタイプのワイヤ構造70の上部上には、第2のタイプのワイヤ構造72が配置されている。この例では、第2のタイプのワイヤ構造は、いくつかの垂直、水平、及び斜めのストリップで第1のタイプのワイヤ構造の全域に結び付けられている。この例では、第1のタイプのワイヤは、亜鉛メッキされたフェンシングワイヤ(典型的ではあるが、必須ではない)の12ゲージ鋼から作製され、必要に応じて多くの他の寸法を含むことができる。
【0055】
1つの特定の例によれば、1つ以上のホーン80は、第1のタイプのワイヤ構造70から延びるように設けることができる。図12に示される例では、ホーンは、第1のタイプのワイヤ構造70のスパイラルの中央に形成される。ホーン80は、反射された放射線を、典型的には線源15が配置される中央キャビティ/中間部分66に投射するのを支援することができる。第1のタイプのワイヤ構造70のスパイラル部分は、線源15によって放出された放射線を受け取るアンテナとして効果的に機能することができ、ホーン80は、放射線を反射して戻すように構成されているものと仮定されている。
【0056】
図13は、カバー67が側面セクション64Bを覆っている容器60の別の例を示しており、反射手段25はその内部に配置されている(図12に示される)。この例では、中央部分66は空であるが、使用に際しては線源15が中央部分66内に配置されることになる。
【0057】
図14は、別のタイプの反射手段25の別の例を示す。この例では、ワイヤアレイ30は、第1のタイプのワイヤ構造70がパネル65上に配置されたいくつかの同心状ループを含むように形成されている。同心状ループの構造は、図15に関連して以下で説明される。図14のこの例では、第2のタイプのワイヤ72は、パネル65に沿って縦方向にジグザグ構造又は蛇行構造でループにされた複数のワイヤを含む。
【0058】
このタイプの構造では、ワイヤアレイの1つ(第1のタイプのワイヤ構造70等)が放射線のアルファ粒子及びベータ粒子を反射して戻すように機能し、第2のタイプのワイヤ構造72がガンマ放射線を反射するように機能するものと仮定されている。更に、2つのワイヤタイプのワイヤ構造が協働して、図9Aに示されるような放射能の減少(及び従って線源の安定性の増大)に影響を与えるものと仮定されている。
【0059】
図15は、第1のタイプのワイヤ構造70のワイヤの例を示す。この例のワイヤは、第2のタイプの金属材料76の周りに巻き付けられた1つのタイプの金属材料75を含む。この例では、第2のタイプの金属材料76は、亜鉛メッキ鋼等の亜鉛メッキされた金属ワイヤであり、上記1つのタイプの金属材料75は、銅ワイヤの少なくとも1つのコイルである。
【0060】
アンテナとして効果的に機能するこれら2つのタイプの金属材料は、互いに90度で一方向に配置されているので、それらは、線源15からの放射線の安定化を高めるものと仮定されている。加えて、反射手段25は、原子物質の不安定な時計回りの動きを安定な反時計回りの動きに変えることができるものと仮定されている。即ち、アンテナは反時計回りの動きを有する原子物質を受け取り、それを反射して時計回りの動きを有するようにすることで、原子物質を強制的に安定にする。
【0061】
図16は、反射手段25が容器60の各側面で容器60の外側に配置されている容器60の別の例を示している。この特定の例では、図16に示される装置10を用いて容器60の周りに電磁霧を形成することによって、放出された放射線に影響を与えることができる。この特定の例におけるワイヤアレイ30は、パネル65の全域でジグザグに、らせん状に、又は蛇行するように巻かれている。
【0062】
反射手段25が線源15の周囲に近接して配置された多数のパネル65があり得ることが理解されるはずである。パネル65の配置は、線源15のいずれかの側に複数のパネル65が存在するようなものであり得る。パネル65は、重なり合うことができ、且つ/又は互いに種々の方向に配置することができる。
【0063】
これに加えて、各パネル65上には、ここで説明される例に限定されない種々の異なる形状の反射手段25があり得ることも理解されるはずである。即ち、各パネル65上のワイヤアレイ30は、異なる形態のものとすることができ、全てのパネル65が同一である必要はなく、ワイヤアレイ30も同一である必要はない。
【0064】
ここに示される例は、容器60のみの例であり、反射手段25で線源15を取り囲む他の多くのデバイス又は形態が可能であり得ることも理解されるはずである。
【0065】
図17は、クロスポール90に取り付けられた反射手段25の別の例を示す。この例では、反射手段25はワイヤアレイ30を含み、ワイヤアレイは、各々が互いに乗り越えるように効果的に形成されたスパイラルワイヤである複数の第1のワイヤ構造70と、複数の第1のワイヤ構造を乗り越えるように形成されたより大きなスパイラルである第2のワイヤ構造72と、を含む。この例では、複数の第1のワイヤ構造70は6つの減少アンテナを含み、第2のワイヤ構造72は、6つの減少アンテナ70によって作り出された表面領域を実質的に覆うように6つの減少アンテナの上に配置されるより大きな上部アンテナである。より小さなアンテナ70はまた、各スパイラルの中央にホーン80を含む。この特定の例では、スパイラルワイヤは鋼であるが、本装置は鋼の使用に限定されないことが理解されるはずである。
【0066】
図17に示される例は、放射線放出を拡散することができるだけでなく、特定のゾーンの周りに電磁霧の同期場を存在させるようにも機能してよいことが理解されるはずである。従って、例えば、図17に示される例はまた、放射線の影響を受ける特性又は領域内及びその周辺の放射線線源を対象とし又は収束するために用いられてよいだけでなく、より大きな融合場において反転されて発散的に作用してもよい。
【0067】
図18は装置10の更なる例を示しており、それによりスバイラルアンテナの各々のホーン80は、アンテナが接続されている極91の上部に形成されている。この特定の例では、アンテナは電磁霧を生成することもでき、複数のアレイ30が示されている一方で、特定の用途に1つだけを用いることが可能であってよいが、任意の時点でそれらのいくつかを用いることも可能である。
【0068】
本装置及び方法は、電離放射線を低減し又は無効にすることさえでき、それによって放射性物質を安定化し得ることが分かった。特に、図5及び12に示される例のように、横方向の銅オーバーレイを備えた4層のユニカーサルラビリンスアンテナシステムは、パッシブ入力を介してガンマ放射線を引き付けて吸収し、修正された放射線を3~8Hzの変動周波数で放出物質に向けて送り返すことができると考えられている。結果として生じる拡散場は、次いで干渉パターンを生成することができ、不安定な楕円電子軌道パターンを元のより安定した球形パターンに戻すことができる。
【0069】
ここで説明される重なり合う同心状ワイヤアレイシステムは、陽子バリオンコアの再安定化をもたらすベシカパイシス干渉パターン(Vescial Pisces Interference Pattern)を生成し得るものと更に仮定されている。不安定なバリオンコアは、より安定した陽子バリオンコアと比較して反対のスピンを示し得る。事実上、このシステムはプロトン構造のメモリ成分を回復し、コヒーレンスを再確立する。従って、このシステムは、特に50%の重なりで0.75mmのセラミックコーティング銅ワイヤスパイラルが巻かれた3層以上の層×12個の同心状2mm鋼線コアと共に用いられた場合に、アルファ粒子放射線に影響を与えるものと仮定されている。
【0070】
また、50%の重なりで0.75mmのセラミックコーティング銅ワイヤスパイラルを有する3層×12個の同心状2mm鋼線コアによってベータ粒子放射線が影響され得ると共に、90度での更なる配列によってアルファ粒子成分が影響され得るものと仮定されている。ベータ粒子は、中間子のコア結合が弱いことに起因して、安定な電子とは反対のスピンを示す。特性的に粒子状であることにより、ベータ粒子はアルファ粒子成分効果で生じるような再パターン化にも対応する。
【0071】
更に別の仮定では、中性子放射線は、第2の干渉パターンを生成する横方向銅グリッドによって覆われた干渉パターンを生成する3つの重なり合う(50%)2mm鋼線スパイラルにより影響され得る。中性子バイナリバリオンコアは、中性子を結合する4つの結合を有するのに対し、不安定な中性子は、バリオンペア毎に2つの結合のみを有するものと仮定されている。安定な中性子も反時計回りのスピンを示すが、不安定な中性子は、ごくわずかなスピン成分を有し又はスピン成分を有していない。この二重干渉パターンは、安定な中性子パターンをリセットする。
【0072】
ここで論じられる方法及び装置は、核廃棄物汚染復旧産業等を含むがこれらに限定されない核燃料サイクル放射性廃棄物処置システムにおいて又はその一部として用いられ得ることが理解されるはずである。
【0073】
ここで論じられる方法及び装置は、比較的迅速な時間枠及び安価な方法で実施され得ることが更に理解されるはずである。
【0074】
更に、ここで論じられる方法及び装置は、エネルギー施設又は発電所、医療用途、研究開発、鉱業用途の他、軍事及び兵器の製造並びに廃止措置産業で用いられる放射性物質を含む任意のタイプ又は形態の放射性線源に用いることができる。ここで論じられる方法及び装置はまた、水塊、重水の貯蔵庫、大小両方の建物等の汚染された場所に適用することができる。
【0075】
放射線で被ばくしたヒトを含む動物に対してここで論じられる方法及び装置を用いて、放出されている放射線の安定化を支援することも可能であり得る。例えば、ここで説明した方法及び装置は、X線等の医療用放射線処置及び染料によって引き起こされ、あるいは劣化ウラン爆発現場及び原子力事故現場等の汚染された放射能危険地域からの放射性のダスト、液体、又は気体の摂取若しくは吸入又はそれらとの接触によって引き起こされる放射性線源への曝露からの回復を加速するのを支援することができる。ここで説明した方法及び装置による処置は、身体上又は身体内での放射性の固体、液体、又は気体の残留放射能の安定性を回復することができる。
【0076】
更に、埋められた放射性廃棄物の処置等の放射性線源の効果的な処置で廃棄物を安定化することによって、安定化された廃棄物を将来の用途に再利用し得る可能性もある。
【0077】
ここで説明した方法及び装置は、既存の原子炉、研究用原子炉、並びに廃棄物処置及び処理施設での乾燥廃棄物又はプール廃棄物の処置のために設置又は改造することができ、使用済み燃料及び廃棄物を迅速に処理する統合機能を提供し、取り扱い、輸送、梱包、及び長期保管の現在の「オンコスト」を回避することができる。
【0078】
ここで説明した方法及び装置は、原子炉、研究用原子炉、並びに廃棄物処置及び処理施設の建設に組み入れることができる。
【0079】
更に、ここで説明したシステム及び方法は、チェルノブイリや福島第一によって引き起こされたような、壊滅的な障害を通して世界的な著しい悪影響を招いてしまった大規模な放射能汚染に用いることができる。更なる使用は、廃止された原子力施設の処置を含み得る。
【0080】
従って、ここで説明した装置及び方法の実施形態によって達成され得る利点は下記を含むが、それらには限定されない。
【0081】
・既存の放射性廃棄物の備蓄を大幅に最小化又は完全に排除すると共に経済的耐用年数の終わりに達した新たな廃棄物を処置し、これにより長期的で高価な保管施設に関連する必要性、需要、商業的圧力、及びコストを削減する能力であって、それがなければ公共の利用及びアクセスを保証する必要があったであろう土地及び環境地域を解放する可能性を伴う能力。
・比較的短い時間枠内での汚染された環境の修復の加速。
・電離放射能のみに影響する収束構成及び分散構成の両方における能力であって、それ以外の場合には不活性で且つ無害であり周囲の自然環境に有害な影響を与えることのない能力。
・既存の標準的な梱包容器内で乱されることがない放射性廃棄物の処置を可能にし、移送活動からの曝露のリスクを減らすことができる能力。従って、例えば、ここで説明された方法及び装置を用いて、ドラム缶、乾燥格納キャニスタ等の容器内の放射性廃棄物を処置することができる。
・原子力施設の危険性を安全に保つために現在必要な規制、制御、保管、高度なセキュリティ、及び管理に関連して数千年の継続的な高額運営費がかかる可能性のある計画外の大規模な汚染場所を含む放射性廃棄物の備蓄の拡大に関連する現在のコストの削減。
【0082】
本明細書は放射線に関して作成されてきたが、本出願はまた、一般に電磁波に関する用途を有してもよいことが更に理解されるはずである。従って、装置10は、任意のタイプの電磁波を反射し、その影響をその周囲の環境に拡散させることができる可能性がある。
【0083】
当業者は、ここで説明された本発明が、具体的に説明された以外の変更及び修正を受け易いことを理解するはずである。全てのそのような変更及び修正は、本発明の範囲及び精神の範囲内にあるものと考えられるべきであり、本発明の性質は、前述の説明から決定されるべきである。
【0084】
ここで用いられる「備えている(comprising)」、「備える(comprises)」、「備えられる(comprised)」等の任意の形態の単語は、包括的に用いられ、その性質又は意味を排除又は限定するものではないことが理解されるはずである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2024-05-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線放出の線源を保持するための容器であって、前記線源に近接するように適合される少なくとも1つの反射手段を含み、
前記反射手段が、一又はそれ以上のワイヤアレイを含み、
前記ワイヤアレイが、
(a)円形に形成されたスパイラルワイヤ、
(b)ジグザグ構造又は蛇行構造に形成されたループワイヤ、及び
(c)縦方向又は横方向に伸ばされたワイヤ、
のいずれか又は組み合わせを含む、容器
【請求項2】
前記ワイヤアレイのワイヤが、亜鉛メッキされた金属ワイヤの周りに巻き付けられた銅ワイヤの少なくとも1つのコイルを含む、請求項に記載の容器
【請求項3】
前記亜鉛メッキされた金属ワイヤが鋼線である、請求項に記載の容器
【請求項4】
前記容器が複数の反射手段を含む、請求項1~のいずれかに記載の容器
【請求項5】
前記複数の反射手段が、前記線源を少なくとも部分的に取り囲むように配置されている、請求項に記載の容器
【請求項6】
前記容器が鉛シールドを有する、請求項に記載の容器
【請求項7】
前記反射手段がパネル上に取り付けられており、
前記容器が複数のパネルを含み、前記複数のパネルの各々が前記容器の側面周りの内部に配置され、前記複数のパネルが前記線源を取り囲むように前記線源が前記容器の中央に配置される、請求項1~のいずれかに記載の容器
【請求項8】
限定はされないが前記反射手段がアンテナを含み、放射線を受け取ると共にその逆に放射線を反射するように前記アンテナが構成されている、請求項1~のいずれかに記載の容器
【請求項9】
前記反射手段がホーンを含み、反射された放射線を上記線源に向けて戻すように前記ホーンが構成されている、請求項に記載の容器
【請求項10】
前記線源が、
a.ウラン、ネプツニウム、プルトニウム、アメリシウム、トリウム、又は元素周期表のこのスペクトルに関連し若しくは関連しない任意の他の元素、
b.取得した種々の他の公式及び非公式の放射線の線源、及び
c.より多くの人々に対して健康上の懸念があるものとして知られる花崗岩及び他の天然に存在する低レベル放射性物質、
のいずれか又は組み合わせを含む、請求項1~のいずれかに記載の容器