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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009681
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】搬送車
(51)【国際特許分類】
   B61B 13/00 20060101AFI20240116BHJP
   B61B 3/02 20060101ALI20240116BHJP
   G05D 1/43 20240101ALI20240116BHJP
【FI】
B61B13/00 U
B61B3/02 C
G05D1/02 G
G05D1/02 Y
B61B13/00 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111380
(22)【出願日】2022-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】大塚 洋
【テーマコード(参考)】
3D101
5H301
【Fターム(参考)】
3D101BA05
3D101BB05
3D101BB17
3D101BB51
5H301AA01
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD01
5H301DD07
5H301DD15
5H301EE02
5H301EE12
5H301JJ01
5H301JJ05
(57)【要約】
【課題】車体の加速又は減速を行う場合に、車輪の滑りを小さく抑えることが可能な搬送車を提供する。
【解決手段】搬送車は、走行方向における互いに異なる位置に配置された第1車輪及び第2車輪を備えた車体と、第1車輪を駆動する第1駆動装置と、第2車輪を駆動する第2駆動装置と、第1駆動装置及び第2駆動装置を制御する制御装置と、を備え、第1駆動装置から第1車輪に伝達されるトルクを第1車輪トルクとし、第2駆動装置から第2車輪に伝達されるトルクを第2車輪トルクとし、第1車輪及び第2車輪のうち、車体の加速又は減速によって鉛直下向きの荷重が増加する方を荷重増加輪として、制御装置は、車体の加速中及び減速中には、第1車輪トルクと第2車輪トルクとの和に対する荷重増加輪に伝達されるトルクの割合である荷重増加輪トルク比Rを、車体の等速走行中に比べて高くするように、第1駆動装置及び第2駆動装置を制御する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行レールに沿って走行方向に走行する搬送車であって、
前記走行方向における互いに異なる位置に配置されて前記走行レールの上を転動する第1車輪及び第2車輪を備えた車体と、
前記第1車輪を駆動する第1駆動装置と、
前記第2車輪を駆動する第2駆動装置と、
前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置を制御する制御装置と、を備え、
前記第1駆動装置から前記第1車輪に伝達されるトルクを第1車輪トルクとし、前記第2駆動装置から前記第2車輪に伝達されるトルクを第2車輪トルクとし、前記第1車輪及び前記第2車輪のうち、前記車体の加速又は減速によって鉛直下向きの荷重が増加する方を荷重増加輪として、
前記制御装置は、前記車体の加速中及び減速中には、前記第1車輪トルクと前記第2車輪トルクとの和に対する前記荷重増加輪に伝達されるトルクの割合である荷重増加輪トルク比を、前記車体の等速走行中に比べて高くするように、前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置を制御する、搬送車。
【請求項2】
前記制御装置は、前記車体の加速中及び減速中に、前記荷重増加輪と前記走行レールとの間の滑りが前記等速走行中に比べて増加しない範囲内で、前記荷重増加輪トルク比を前記等速走行中に比べて高くする、請求項1に記載の搬送車。
【請求項3】
前記制御装置は、前記車体の加速度の絶対値が大きくなるに従って、前記荷重増加輪トルク比を連続的又は段階的に高くする、請求項1に記載の搬送車。
【請求項4】
前記車体は、搬送対象である物品を保持する保持部を更に備え、
前記保持部に保持された前記物品を含む前記車体の重心が、前記走行レールよりも下側に位置し、
前記車体の加速中は、前記第1車輪及び前記第2車輪のうち、前記走行方向の前側に位置する方が前記荷重増加輪であり、
前記車体の減速中は、前記第1車輪及び前記第2車輪のうち、前記走行方向の後側に位置する方が前記荷重増加輪である、請求項1に記載の搬送車。
【請求項5】
前記制御装置は、前記車体の目標位置及び目標速度の少なくとも一方に基づいて前記第1車輪トルクを決定すると共に、決定した前記第1車輪トルクに対する設定係数の乗算に基づいて前記第2車輪トルクを決定し、
前記制御装置は、
前記等速走行中には、前記設定係数を規定の基準値に設定し、
前記車体の加速中及び減速中には、前記第1車輪が前記荷重増加輪であれば、前記設定係数を前記基準値よりも小さい値に設定し、前記第2車輪が前記荷重増加輪であれば、前記設定係数を前記基準値よりも大きい値に設定する、請求項1から4のいずれか一項に記載の搬送車。
【請求項6】
前記制御装置は、前記第1車輪の回転速度が予め定められた閾値以下の場合には、前記設定係数をゼロに設定する、請求項5に記載の搬送車。
【請求項7】
前記制御装置は、前記第1車輪トルクを変化させる場合において、前記第1車輪トルクの変化期間と、前記設定係数の変化期間とを一致させる、請求項5に記載の搬送車。
【請求項8】
前記制御装置は、前記第1車輪トルクを変化させる場合において、前記第1車輪トルクの変化を、予め定められた設定期間における移動平均により平滑化すると共に、前記設定係数の変化を、前記設定期間と同じ長さの期間における移動平均により平滑化する、請求項7に記載の搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行レールに沿って走行する搬送車に関する。
【背景技術】
【0002】
このような搬送車の一例が、下記の特許文献1に開示されている。以下、背景技術の説明では、特許文献1における符号を括弧内に引用する。
【0003】
特許文献1の搬送車(3)は、走行方向における互いに異なる位置に配置されて走行レール(4)の上を転動する第1車輪(25,28)及び第2車輪(36,37)を備えた車体(18,19)と、第1車輪(25,28)を駆動する駆動装置(26,29)と、当該駆動装置を制御する制御装置(59)と、を備えている。制御装置(59)は、車体(18,19)の目標位置に基づいて速度パターン(特許文献1の図5参照)を生成させ、当該速度パターンに従って駆動装置(26,29)を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-282569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車体(18,19)が加速又は減速する場合、第1車輪(25,28)及び第2車輪(36,37)のいずれか一方の鉛直下向きの荷重が増加し、他方の鉛直下向きの荷重が減少する。その結果、車輪の滑りが大きくなり、粉塵の発生要因となる場合があった。
【0006】
そこで、車体の加速又は減速を行う場合に、車輪の滑りを小さく抑えることが可能な搬送車の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑みた、搬送車の特徴構成は、
走行レールに沿って走行方向に走行する搬送車であって、
前記走行方向における互いに異なる位置に配置されて前記走行レールの上を転動する第1車輪及び第2車輪を備えた車体と、
前記第1車輪を駆動する第1駆動装置と、
前記第2車輪を駆動する第2駆動装置と、
前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置を制御する制御装置と、を備え、
前記第1駆動装置から前記第1車輪に伝達されるトルクを第1車輪トルクとし、前記第2駆動装置から前記第2車輪に伝達されるトルクを第2車輪トルクとし、前記第1車輪及び前記第2車輪のうち、前記車体の加速又は減速によって鉛直下向きの荷重が増加する方を荷重増加輪として、
前記制御装置は、前記車体の加速中及び減速中には、前記第1車輪トルクと前記第2車輪トルクとの和に対する前記荷重増加輪に伝達されるトルクの割合である荷重増加輪トルク比を、前記車体の等速走行中に比べて高くするように、前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置を制御する点にある。
【0008】
この特徴構成によれば、車体の加速中又は減速中における第1車輪及び第2車輪に作用する鉛直下向きの荷重の増減に応じて、第1車輪トルク及び第2車輪トルクを適切に制御することができる。これにより、車体の加速又は減速を行う場合に、車輪の滑りを少なく抑え易い。また、車体の加速又は減速を大きな速度変化で行い易いため、物品の搬送効率を高め易い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る搬送車の斜視図
図2】実施形態に係る搬送車の制御ブロック図
図3】実施形態に係る搬送車の車体が加速する様子を示す概略図
図4】実施形態に係る搬送車の車体が減速する様子を示す概略図
図5】制御装置による制御処理の一例を示すフローチャート
図6】車体を等速走行状態から加速させる場合における制御装置による制御処理の一例を示すタイムチャート
図7】車体を等速走行状態から減速させる場合における制御装置による制御処理の一例を示すタイムチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、実施形態に係る搬送車100について、図面を参照して説明する。図1に示すように、搬送車100は、走行レール5に沿って走行するように構成されている。本実施形態では、搬送車100は、天井から吊り下げられた状態で支持された走行レール5に沿って走行する天井搬送車である。
【0011】
ここで、走行レール5の延在方向を「前後方向X」とする。つまり、前後方向Xは、搬送車100の走行方向に沿う方向である。そして、搬送車100の走行方向の前側を「前側X1」とし、搬送車100の走行方向の後側を「後側X2」とする。また、鉛直方向視で前後方向Xに直交する方向を「幅方向Y」とする。また、鉛直方向に沿う方向を「上下方向Z」とする。そして、鉛直方向の上側を「上側Z1」とし、鉛直方向の下側を「下側Z2」とする。
【0012】
図1に示すように、搬送車100は、車体1を備えている。車体1は、第1車輪11及び第2車輪12を備えている。第1車輪11及び第2車輪12は、走行レール5の上を転動するように構成されている。第1車輪11及び第2車輪12は、前後方向Xにおける互いに異なる位置に配置されている。本実施形態では、第1車輪11が、第2車輪12よりも後側X2に配置されている。つまり、本実施形態では、第1車輪11が後輪であり、第2車輪12が前輪である。
【0013】
本実施形態では、一対の走行レール5が、互いに幅方向Yに間隔を空けて配置されている。そのため、本実施形態では、一対の第1車輪11が一対の走行レール5の上を転動するように配置されていると共に、一対の第2車輪12が一対の走行レール5の上を転動するように配置されている。
【0014】
本実施形態では、車体1は、搬送対象である物品Aを保持する保持部13を更に備えている。本実施形態では、保持部13は、走行レール5よりも下側Z2に配置された状態で支持されている。そして、保持部13は、物品Aを吊り下げた状態で支持するように構成されている。
【0015】
図1に示すように、搬送車100は、第1駆動装置2と、第2駆動装置3と、を備えている。第1駆動装置2は、第1車輪11を駆動するように構成されている。第2駆動装置3は、第2車輪12を駆動するように構成されている。第1駆動装置2及び第2駆動装置3のそれぞれは、例えば、サーボモータ等のモータ、及び当該モータにより駆動される車軸等を含む。また、第1駆動装置2及び第2駆動装置3のそれぞれは、モータの出力回転を減速して車輪に伝達する減速機等を含んでいても良い。
【0016】
図2に示すように、搬送車100は、制御装置10を備えている。制御装置10は、第1駆動装置2及び第2駆動装置3を制御するように構成されている。本実施形態では、制御装置10は、車体1に設けられている。制御装置10は、車体1に設けられた第1制御装置と、当該第1制御装置と通信可能であって車体1とは別に設けられた第2制御装置(例えば、上位コントローラ)との組み合わせであっても良い。
【0017】
ここで、前側X1に向かって走行している車体1が加速又は減速する場合について説明する。図3に示すように、車体1が加速する場合、つまり、車体1の加速度αがゼロよりも大きい場合、車体1の重心Gに後側X2に向かう慣性力が作用する。一方、図4に示すように、車体1が減速する場合、つまり、車体1の加速度αがゼロよりも小さい場合、車体1の重心Gに前側X1に向かう慣性力が作用する。
【0018】
図3及び図4に示すように、本実施形態では、保持部13に保持された物品Aを含む車体1の重心Gが、走行レール5よりも下側Z2に位置している。このような構成において、前側X1に向かって走行している車体1が加速する場合には、図3に示すように、第2車輪12に作用する鉛直下向きの荷重P2(下側Z2に向かう荷重)が増加し、第1車輪11に作用する鉛直下向きの荷重P1が減少する。また、前側X1に向かって走行している車体1が減速する場合には、図4に示すように、第1車輪11に作用する鉛直下向きの荷重P1が増加し、第2車輪12に作用する鉛直下向きの荷重P2が減少する。なお、本実施形態では、保持部13に物品Aが保持されていない状態であっても、車体1の重心Gが走行レール5よりも下側Z2に位置している。
【0019】
以下の説明では、第1車輪11及び第2車輪12のうち、車体1の加速又は減速によって鉛直下向きの荷重が増加する方を「荷重増加輪W」とする。本実施形態では、車体1の加速中は、第1車輪11及び第2車輪12のうち、前側X1に位置する方(ここでは、第2車輪12)が荷重増加輪Wである。また、車体1の減速中は、第1車輪11及び第2車輪12のうち、後側X2に位置する方(ここでは、第1車輪11)が荷重増加輪Wである。
【0020】
図5は、制御装置10による制御処理の一例を示すフローチャートである。以下の説明では、第1駆動装置2から第1車輪11に伝達されるトルクを「第1車輪トルクT1」とし、第2駆動装置3から第2車輪12に伝達されるトルクを「第2車輪トルクT2」とする。
【0021】
図5に示すように、制御装置10は、まず、車体1の目標位置及び目標速度の少なくとも一方に基づいて第1車輪トルクT1を決定する(ステップ#1)。
【0022】
次に、制御装置10は、第1車輪11の回転速度である第1車輪回転速度N1を取得する(ステップ#2)。第1車輪回転速度N1は、例えば、車体1に設けられた回転速度センサにより検出可能である。
【0023】
そして、制御装置10は、第1車輪回転速度N1が予め定められた閾値TH以下であるか否かを判断する(ステップ#3)。第1車輪回転速度N1が閾値TH以下である場合(ステップ#3:Yes)、設定係数Kをゼロに設定する(ステップ#4)。設定係数Kは、後述するように、第2車輪トルクT2を決定する際に用いられる係数である。
【0024】
一方、制御装置10は、第1車輪回転速度N1が閾値THよりも大きい場合(ステップ#3:No)、車体1の走行状態に応じた処理を行う(ステップ#5)。具体的には、制御装置10は、車体1が等速走行中であると判断した場合、設定係数Kを規定の基準値であるs0に設定する(ステップ#6)。また、制御装置10は、車体1が加速中又は減速中であると判断した場合、第1車輪11が荷重増加輪Wであるか否かを判断する(ステップ#7)。なお、車体1が等速走行中であるか、加速中又は減速中であるかは、例えば、第1車輪回転速度N1の変化に基づいて判断可能である。
【0025】
制御装置10は、第1車輪11が荷重増加輪Wであると判断した場合(ステップ#7:Yes)、設定係数Kを基準値であるs0よりも小さい値であるs1に設定する(ステップ#8)。一方、制御装置10は、第2車輪12が荷重増加輪Wであると判断した場合(ステップ#7:No)、設定係数Kを基準値であるs0よりも大きい値であるs2に設定する(ステップ#9)。なお、本実施形態では、第1車輪11が後輪であり、第2車輪12が前輪であるため、第1車輪11が荷重増加輪Wである場合、車体1は減速中であり(図4参照)、第2車輪12が荷重増加輪Wである場合、車体1は加速中である(図3参照)。
【0026】
設定係数Kは、例えば、以下の式(1)により算出可能である。
K=(P2/P1)・(RT1/RT2)・・・(1)
ここで、
P1:第1車輪11に作用する鉛直下向きの荷重
P2:第2車輪12に作用する鉛直下向きの荷重
RT1:第1駆動装置2の定格トルク
RT2:第2駆動装置3の定格トルク
である(図3及び図4参照)。
【0027】
荷重P2は、例えば、以下の式(2)により算出可能である。
P2=M・(WB-WB2+H・α)/WB・・・(2)
ここで、
M:車体1の総重量
WB:第1車輪11の回転軸と第2車輪12の回転軸との距離(ホイールベース)
WB2:第2車輪12の回転軸と車体1の重心Gとの水平方向の距離
H:走行レール5の上面と車体1の重心Gとの鉛直方向の距離
α:車体1の加速度
である(図3及び図4参照)。
【0028】
荷重P1は、例えば、以下の式(3)により算出可能である。
P1=M-P2・・・(3)
【0029】
制御装置10は、設定係数Kの設定が完了した後、第1車輪トルクT1に対する設定係数Kの乗算に基づいて第2車輪トルクT2を決定する(ステップ#10)。本実施形態では、制御装置10は、第1駆動装置2の定格トルクに対する第1車輪トルクT1の割合に、設定係数Kを乗算したものを、第2駆動装置3の定格トルクに対する第2車輪トルクT2の割合として算出する。
【0030】
上述したように、車体1が等速走行中である場合には、設定係数Kが規定の基準値であるs0に設定される。一方、車体1が加速中又は減速中である場合には、第1車輪11が荷重増加輪Wである場合、設定係数Kが基準値であるs0よりも小さい値であるs1に設定され、第2車輪12が荷重増加輪Wである場合、設定係数Kが基準値であるs0よりも大きい値であるs2に設定される。
【0031】
また、上述したように、第2車輪トルクT2は、第1車輪トルクT1に対する設定係数Kの乗算に基づいて決定される。そのため、車体1が加速中又は減速中であって、第1車輪11が荷重増加輪Wである場合、車体1の等速走行中に比べて、第2車輪トルクT2が減少する。一方、車体1が加速中又は減速中であって、第2車輪12が荷重増加輪Wである場合、車体1の等速走行中に比べて、第2車輪トルクT2が増加する。つまり、車体1の加速中及び減速中には、第1車輪トルクT1と第2車輪トルクT2との和に対する荷重増加輪Wに伝達されるトルクの割合である荷重増加輪トルク比Rが、車体1の等速走行中に比べて高くなる。
【0032】
このように、制御装置10は、車体1の加速中及び減速中には、第1車輪トルクT1と第2車輪トルクT2との和に対する荷重増加輪Wに伝達されるトルクの割合である荷重増加輪トルク比Rを、車体1の等速走行中に比べて高くするように、第1駆動装置2及び第2駆動装置3を制御する。
【0033】
本実施形態では、制御装置10は、車体1の加速中及び減速中に、荷重増加輪Wと走行レール5との間の滑りが等速走行中に比べて増加しない範囲内で、荷重増加輪トルク比Rを等速走行中に比べて高くするように、第1駆動装置2及び第2駆動装置3を制御する。
【0034】
また、本実施形態では、制御装置10は、車体1の加速度αの絶対値が大きくなるに従って、荷重増加輪トルク比Rを連続的又は段階的に高くするように、第1駆動装置2及び第2駆動装置3を制御する。
【0035】
図6は、車体1を等速走行状態から加速させる場合における制御装置10による制御処理の一例を示すタイムチャートである。図7は、車体1を等速走行状態から減速させる場合における制御装置10による制御処理の一例を示すタイムチャートである。
【0036】
図6に示すように、制御装置10は、時間t1までの期間、車体1の加速度αをゼロに維持することで、車体1の走行速度Vを一定、つまり、車体1を等速走行させている。そのため、時間t1までの期間、第1車輪11に作用する鉛直下向きの荷重P1、及び第2車輪12に作用する鉛直下向きの荷重P2のそれぞれが一定に維持されている。
【0037】
また、制御装置10は、時間t1までの期間、上記の通り車体1が等速走行中であるため、設定係数Kを基準値であるs0に維持する。これに伴い、時間t1までの期間、荷重増加輪トルク比Rは一定に維持される。
【0038】
制御装置10は、時間t1から時間t2までの期間で、加速度αをゼロから目標加速度まで増加させる。そのため、時間t1から時間t2までの期間に、第1車輪11に作用する鉛直下向きの荷重P1は減少し、第2車輪12に作用する鉛直下向きの荷重P2は増加する。
【0039】
このとき、本例では、制御装置10は、加速度αの変化を、予め定められた設定期間における移動平均により平滑化する。具体的には、加速度αが時間t1においてゼロから上記の目標加速度に瞬時に(ステップ状に)変化するような指令(例えば、位置指令や速度指令)を基準指令として、本例では、制御装置10が、上記の設定期間における基準指令の移動平均により得られる移動平均指令に基づき、搬送車10を制御する場合を想定している。そのため、本例では、時間t1から時間t2(時間t1よりも上記の設定期間経過後の時間)までの期間で、加速度αが直線状に増加する。
【0040】
また、制御装置10は、加速度αの変化に応じて設定係数Kを変化させる。ここでは、制御装置10は、加速度αの増加に応じて設定係数Kを増加させる。このとき、本例では、制御装置10は、設定係数Kの変化を、上記の設定期間と同じ長さの期間における移動平均により平滑化する。また、制御装置10は、加速度αの変化期間と、設定係数Kの変化期間とを一致させる。具体的には、設定係数Kが、時間t1において、加速度αがゼロである場合の設定値(例えば上記式(1)による算出値、以下同様)から、加速度αが上記目標加速度である場合の設定値に、瞬時に変化するような設定係数Kの変化パターンを基準パターンとして、本例では、制御装置10が、上記の設定期間と同じ長さの期間における基準パターンの移動平均により得られる移動平均パターンに従って、設定係数Kを設定する場合を想定している。そのため、本例では、時間t1から時間t2までの期間で、設定係数Kが直線状に増加する。なお、本例では、時間t1以降の設定係数Kの値が、基準値であるs0よりも大きい値であるs2に相当する。
【0041】
上述したように、本実施形態では、車体1の目標位置及び目標速度の少なくとも一方に基づいて第1車輪トルクT1が決定され、当該第1車輪トルクT1に対する設定係数Kの乗算に基づいて第2車輪トルクT2が決定される。そのため、本実施形態では、車体1の加速度αは、第1車輪トルクT1に応じた値となる。こうして、制御装置10は、第1車輪トルクT1を変化させる場合において、第1車輪トルクT1の変化期間と、設定係数Kの変化期間とを一致させる。また、制御装置10は、第1車輪トルクT1を変化させる場合において、第1車輪トルクT1の変化を、予め定められた設定期間における移動平均により平滑化すると共に、設定係数Kの変化を、前記の設定期間と同じ長さの期間における移動平均により平滑化する。
【0042】
時間t1から時間t2までの期間、加速度αの増加に応じた設定係数Kの増加に伴い、荷重増加輪トルク比Rも増加する。本例では、時間t1から時間t2までの期間、加速度αが直線状に増加するに従って、荷重増加輪トルク比Rも直線状に増加する。つまり、加速度αの絶対値が大きくなるに従って、荷重増加輪トルク比Rが連続的に高くなる。
【0043】
制御装置10は、時間t2以降の期間、加速度αを一定に維持する。そのため、時間t2以降の期間、第1車輪11に作用する鉛直下向きの荷重P1、及び第2車輪12に作用する鉛直下向きの荷重P2のそれぞれが一定に維持されている。
【0044】
また、制御装置10は、時間t2以降の期間、設定係数Kを一定に維持する。これに伴い、時間t2以降の期間、荷重増加輪トルク比Rは一定に維持される。
【0045】
図7に示すように、制御装置10は、時間t3までの期間、車体1の加速度αをゼロに維持することで、車体1の走行速度Vを一定、つまり、車体1を等速走行させている。そのため、時間t3までの期間、第1車輪11に作用する鉛直下向きの荷重P1、及び第2車輪12に作用する鉛直下向きの荷重P2のそれぞれが一定に維持される。
【0046】
また、制御装置10は、時間t3までの期間、上記の通り車体1が等速走行中であるため、設定係数Kを基準値であるs0に維持する。これに伴い、時間t3までの期間、荷重増加輪トルク比Rは一定に維持される。
【0047】
制御装置10は、時間t3から時間t4までの期間で、加速度αをゼロから目標加速度まで減少させる。そのため、時間t3から時間t4までの期間に、第1車輪11に作用する鉛直下向きの荷重P1は増加し、第2車輪12に作用する鉛直下向きの荷重P2は減少する。
【0048】
このとき、本例では、制御装置10は、加速度αの変化を、予め定められた設定期間における移動平均により平滑化する。具体的には、加速度αが時間t3においてゼロから上記の目標加速度に瞬時に(ステップ状に)変化するような指令(例えば、位置指令や速度指令)を基準指令として、本例では、制御装置10が、上記の設定期間における基準指令の移動平均により得られる移動平均指令に基づき、搬送車10を制御する場合を想定している。そのため、本例では、時間t3から時間t4(時間t3よりも上記の設定期間経過後の時間)までの期間で、加速度αが直線状に減少する。
【0049】
また、制御装置10は、加速度αの変化に応じて設定係数Kを変化させる。ここでは、制御装置10は、加速度αの減少に応じて設定係数Kを減少させる。このとき、本例では、制御装置10は、設定係数Kの変化を、上記の設定期間と同じ長さの期間における移動平均により平滑化する。また、制御装置10は、加速度αの変化期間と、設定係数Kの変化期間とを一致させる。具体的には、設定係数Kが、時間t3において、加速度αがゼロである場合の設定値から、加速度αが上記の目標加速度である場合の設定値に、瞬時に変化するような設定係数Kの変化パターンを基準パターンとして、本例では、制御装置10が、上記の設定期間と同じ長さの期間における基準パターンの移動平均により得られる移動平均パターンに従って、設定係数Kを設定する場合を想定している。そのため、本例では、時間t3から時間t4までの期間で、設定係数Kが直線状に減少する。なお、本例では、時間t3以降の設定係数Kの値が、基準値であるs0よりも小さい値であるs1に相当する。
【0050】
時間t3から時間t4までの期間、加速度αの減少に応じた設定係数Kの減少に伴い、荷重増加輪トルク比Rが増加する。本例では、時間t3から時間t4までの期間、加速度αが直線状に減少するに従って、荷重増加輪トルク比Rは直線状に増加する。つまり、加速度αの絶対値が大きくなるに従って、荷重増加輪トルク比Rが連続的に高くなる。
【0051】
制御装置10は、時間t4以降の期間、加速度αを一定に維持する。そのため、時間t4以降の期間、第1車輪11に作用する鉛直下向きの荷重P1、及び第2車輪12に作用する鉛直下向きの荷重P2のそれぞれが一定に維持される。
【0052】
また、制御装置10は、時間t4以降の期間、設定係数Kを一定に維持する。これに伴い、時間t4以降の期間、荷重増加輪トルク比Rは一定に維持される。
【0053】
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態では、車体1の走行状態に応じて設定係数Kを変化させ、第1車輪トルクT1に対する設定係数Kの乗算に基づいて第2車輪トルクT2を決定することで、荷重増加輪トルク比Rを変化させる構成、つまり、第1車輪トルクT1を基準として、車体1の走行状態に応じて第2車輪トルクT2を変化させることで、荷重増加輪トルク比Rを変化させる構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、車体1の走行状態に応じて、第1車輪トルクT1及び第2車輪トルクT2の一方を増加させ、他方を減少させることにより、荷重増加輪トルク比Rを変化させる構成としても良い。
【0054】
(2)上記の実施形態では、加速度αの絶対値が大きくなるに従って、荷重増加輪トルク比Rを連続的に高くする構成(図6及び図7参照)を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、加速度αの絶対値が大きくなるに従って、荷重増加輪トルク比Rを段階的に高くする構成としても良い。
【0055】
(3)上記の実施形態では、保持部13が保持する物品Aの有無に関わらず、車体1の重心Gが走行レール5よりも下側Z2に位置している構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、保持部13が物品Aを保持していない状態では、車体1の重心Gが走行レール5よりも上側Z1に位置している構成としても良い。或いは、保持部13が保持する物品Aの有無に関わらず、車体1の重心Gが走行レール5よりも上側Z1に位置している構成としても良い。なお、車体1の重心Gが走行レール5よりも上側Z1に位置している場合、車体1の加速中においては、第1車輪11及び第2車輪12のうち、後側X2に位置する方が荷重増加輪Wとなり、車体1の減速中においては、第1車輪11及び第2車輪12のうち、前側X1に位置する方が荷重増加輪Wとなる。
【0056】
(4)上記の実施形態では、上記の式(1)により設定係数Kを算出する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、実験等に基づいて作成された、上記の式(1)とは異なる式により設定係数Kを算出する構成としても良い。
【0057】
(5)上記の実施形態では、第1車輪トルクT1(加速度α)の変化期間と設定係数Kの変化期間とを一致させる構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第1車輪トルクT1の変化期間と設定係数Kの変化期間とが完全に一致せず、それらの一部のみを一致させる構成としても良い。
【0058】
(6)上記の実施形態では、第1車輪トルクT1(加速度α)の変化を予め定められた設定期間における移動平均により平滑化すると共に、設定係数Kの変化を前記の設定期間と同じ長さの期間における移動平均により平滑化する構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、例えば、第1車輪トルクT1(加速度α)の変化期間における設定係数Kの値を、当該変化期間の始期の加速度αに応じた設定値(例えば上記式(1)による算出値、以下同様)と当該変化期間の終期の加速度αに応じた設定値とに基づく移動平均によってではなく、当該変化期間内の各時点での加速度αに応じた設定値に設定する構成としても良い。また、第1車輪トルクT1の変化及び設定係数Kの変化の少なくとも一方を平滑化しない構成としても良い。
【0059】
(7)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。したがって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0060】
〔上記実施形態の概要〕
以下では、上記において説明した搬送車の概要について説明する。
【0061】
搬送車は、
走行レールに沿って走行方向に走行する搬送車であって、
前記走行方向における互いに異なる位置に配置されて前記走行レールの上を転動する第1車輪及び第2車輪を備えた車体と、
前記第1車輪を駆動する第1駆動装置と、
前記第2車輪を駆動する第2駆動装置と、
前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置を制御する制御装置と、を備え、
前記第1駆動装置から前記第1車輪に伝達されるトルクを第1車輪トルクとし、前記第2駆動装置から前記第2車輪に伝達されるトルクを第2車輪トルクとし、前記第1車輪及び前記第2車輪のうち、前記車体の加速又は減速によって鉛直下向きの荷重が増加する方を荷重増加輪として、
前記制御装置は、前記車体の加速中及び減速中には、前記第1車輪トルクと前記第2車輪トルクとの和に対する前記荷重増加輪に伝達されるトルクの割合である荷重増加輪トルク比を、前記車体の等速走行中に比べて高くするように、前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置を制御する。
【0062】
この構成によれば、車体の加速中又は減速中における第1車輪及び第2車輪に作用する鉛直下向きの荷重の増減に応じて、第1車輪トルク及び第2車輪トルクを適切に制御することができる。これにより、車体の加速又は減速を行う場合に、車輪の滑りを少なく抑え易い。また、車体の加速又は減速を大きな速度変化で行い易いため、物品の搬送効率を高め易い。
なお、上記の通り、本構成によれば、車体の加速又は減速を行う場合に、車輪の滑りを少なく抑え易いため、粉塵の発生を抑制することができる。したがって、上記の搬送車は、クリーンルームで用いられると好適である。
【0063】
ここで、前記制御装置は、前記車体の加速中及び減速中に、前記荷重増加輪と前記走行レールとの間の滑りが前記等速走行中に比べて増加しない範囲内で、前記荷重増加輪トルク比を前記等速走行中に比べて高くすると好適である。
【0064】
この構成によれば、車体の加速中又は減速中に、車輪の滑りを少なく抑えることができる範囲で、比較的大きいトルクを荷重増加輪に伝達して車体を走行させることができる。
【0065】
また、前記制御装置は、前記車体の加速度の絶対値が大きくなるに従って、前記荷重増加輪トルク比を連続的又は段階的に高くすると好適である。
【0066】
車体の加速度の絶対値の大きさが大きくなるに従って、荷重増加輪に作用する鉛直下向きの荷重は次第に大きくなる。上記の構成によれば、荷重増加輪に作用する鉛直下向きの荷重が大きくなることに応じて、荷重増加輪トルク比を連続的又は段階的に高くする。これにより、車体の加速中又は減速中に、効率的に大きいトルクを荷重増加輪に伝達して車体を走行させることができる。
【0067】
また、前記車体は、搬送対象である物品を保持する保持部を更に備え、
前記保持部に保持された前記物品を含む前記車体の重心が、前記走行レールよりも下側に位置し、
前記車体の加速中は、前記第1車輪及び前記第2車輪のうち、前記走行方向の前側に位置する方が前記荷重増加輪であり、
前記車体の減速中は、前記第1車輪及び前記第2車輪のうち、前記走行方向の後側に位置する方が前記荷重増加輪であると好適である。
【0068】
この構成によれば、保持部に保持された物品を含む車体の重心がレールより下側に位置する場合において、車体の加速中又は減速中に荷重増加輪トルク比を適切に増加させることができる。したがって、車体の加速中又は減速中に、比較的大きいトルクを荷重増加輪に伝達して車体を走行させることができる。
【0069】
また、前記制御装置は、前記車体の目標位置及び目標速度の少なくとも一方に基づいて前記第1車輪トルクを決定すると共に、決定した前記第1車輪トルクに対する設定係数の乗算に基づいて前記第2車輪トルクを決定し、
前記制御装置は、
前記等速走行中には、前記設定係数を規定の基準値に設定し、
前記車体の加速中及び減速中には、前記第1車輪が前記荷重増加輪であれば、前記設定係数を前記基準値よりも小さい値に設定し、前記第2車輪が前記荷重増加輪であれば、前記設定係数を前記基準値よりも大きい値に設定すると好適である。
【0070】
この構成によれば、車体の等速走行中及び加減速中の双方において、第1車輪及び第2車輪にトルクを適切な配分で伝達することができる。
【0071】
また、前記制御装置は、前記第1車輪の回転速度が予め定められた閾値以下の場合には、前記設定係数をゼロに設定すると好適である。
【0072】
この構成によれば、第1車輪の回転速度が閾値以下の場合に、第2車輪トルクがゼロとなる。これにより、車体の停止中における第2駆動装置の消費エネルギを小さく抑えることができる。
【0073】
また、前記制御装置は、前記第1車輪トルクを変化させる場合において、前記第1車輪トルクの変化期間と、前記設定係数の変化期間とを一致させると好適である。
【0074】
この構成によれば、車体の加速度が変化する期間の各時点での設定係数を適切な値とし易い。これにより、車体の加速中又は減速中に、第1車輪及び第2車輪にトルクを適切な配分で伝達することができる。
【0075】
また、前記制御装置は、前記第1車輪トルクを変化させる場合において、前記第1車輪トルクの変化を、予め定められた設定期間における移動平均により平滑化すると共に、前記設定係数の変化を、前記設定期間と同じ長さの期間における移動平均により平滑化すると好適である。
【0076】
この構成によれば、車体の加速度が急激に変化することを回避できると共に、設定係数が急激に変化することを回避できる。これにより、車体の挙動を安定させ易いため、車体の走行方向の振動を小さく抑えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本開示に係る技術は、走行レールに沿って走行する搬送車に利用することができる。
【符号の説明】
【0078】
100 :搬送車
1 :車体
11 :第1車輪
12 :第2車輪
2 :第1駆動装置
3 :第2駆動装置
5 :走行レール
10 :制御装置
W :荷重増加輪
T1 :第1車輪トルク
T2 :第2車輪トルク
R :荷重増加輪トルク比
P1 :第1車輪に作用する鉛直下向きの荷重
P2 :第2車輪に作用する鉛直下向きの荷重
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7