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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009682
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】設計システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240116BHJP
   B65G 1/04 20060101ALI20240116BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20240116BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240116BHJP
   B60M 7/00 20060101ALN20240116BHJP
【FI】
G06Q10/06
B65G1/04 531D
B60L3/00 N
H02J7/00 P
B60M7/00 X
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111381
(22)【出願日】2022-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】池戸 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】田村 健二
【テーマコード(参考)】
3F022
5G503
5H125
5L049
【Fターム(参考)】
3F022FF01
3F022JJ07
3F022MM04
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA06
5G503GB08
5H125AA11
5H125AC12
5H125AC25
5H125DD02
5H125EE21
5H125EE51
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】搬送車などの搬送装置を含む設備装置を組み合わせた設備を、適切に設計することができる設計システムの提供が望まれる。
【解決手段】記憶装置3の消費電力データベースには、設備装置の種類ごとに予め設定された消費電力情報が記憶され、演算装置2は、設備装置の選択を受け付ける装置選択処理部と、仮想空間に設備装置を配置する配置処理部と、搬送量指定情報と消費電力データベースとに基づいて仮想空間に配置された複数の設備装置を含む仮想設備9の消費電力の予測値である予測消費電力を演算する電力演算部とを備え、出力装置5は、仮想設備9と電力演算部により演算された予測消費電力とを併せて出力する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送装置を含む複数種類の設備装置を組み合わせた設備を設計するための設計システムであって、
演算処理を行う演算装置と、
前記演算処理のためのプログラム、及び、前記演算処理に用いるデータを記憶した記憶装置と、
前記演算装置への入力を受け付ける入力装置と、
前記演算装置による演算結果を出力する出力装置と、を備え、
前記記憶装置は、前記設備装置の種類ごとに予め設定された消費電力情報が記憶された消費電力データベースを備え、
前記消費電力情報には、前記設備装置の種類ごとの変更可能な仕様の項目である変更可能仕様項目のそれぞれについての変更可能範囲内の設定値である仕様設定値と消費電力との関係、及び、前記設備装置の種類ごとの単位時間当たりの搬送量である単位搬送量と消費電力との関係が規定され、
前記演算装置は、前記入力装置からの入力に応じて前記演算処理を行う演算処理部として、
選択可能な種類の前記設備装置のリストを前記出力装置に表示し、前記入力装置から前記設備装置の選択を受け付ける装置選択処理部と、
前記装置選択処理部により選択された前記設備装置の配置及び前記仕様設定値の指定を受け付け、当該指定に従って仮想空間に前記設備装置を配置する配置処理部と、
前記単位時間当たりの搬送量を決定するための情報である搬送量指定情報の入力を受け付け、当該搬送量指定情報と前記消費電力データベースとに基づいて、前記仮想空間に配置された複数の前記設備装置を含む仮想設備の消費電力の予測値である予測消費電力を演算する電力演算部と、を備え、
前記出力装置は、前記仮想設備と前記電力演算部により演算された前記予測消費電力とを併せて出力する、設計システム。
【請求項2】
前記配置処理部は、前記設備装置の移動及び前記仕様設定値の変更指令を受け付け、当該変更指令に従って前記仮想空間における前記設備装置の配置及び前記仕様設定値を変更し、
前記電力演算部は、前記仮想空間における前記設備装置の配置及び前記仕様設定値の少なくとも一方が変更されるごとに、当該変更後の前記仮想設備の前記予測消費電力を演算する処理を実行する、請求項1に記載の設計システム。
【請求項3】
実際の前記設備装置における、前記仕様設定値及び前記単位搬送量ごとの消費電力を測定した結果である測定情報を前記記憶装置に蓄積し、蓄積した前記測定情報に基づいて、前記消費電力データベースを更新する、請求項1又は2に記載の設計システム。
【請求項4】
実際の前記設備装置における、前記仕様設定値及び前記単位搬送量ごとの消費電力を測定した結果である測定情報を前記記憶装置に蓄積し、
前記電力演算部は、前記装置選択処理部により選択され、前記配置処理部により前記仮想空間に配置された前記設備装置の前記変更可能仕様項目、前記仕様設定値及び前記単位搬送量が最も近いものの消費電力の情報を前記記憶装置から取得し、当該取得した消費電力の情報を当該設備装置の消費電力の値とする、請求項1又は2に記載の設計システム。
【請求項5】
前記設備装置の種類が搬送経路に沿って物品を搬送する搬送台車である場合、
前記変更可能仕様項目には、前記搬送台車の台数と、前記搬送経路の長さと、前記搬送経路の形状と、前記搬送台車に電力を供給する電源の構成と、が含まれる、請求項1又は2に記載の設計システム。
【請求項6】
前記設備装置の種類がスタッカークレーンである場合、
前記変更可能仕様項目には、前記スタッカークレーンの走行経路の長さと、前記スタッカークレーンの昇降高さと、が含まれる、請求項1又は2に記載の設計システム。
【請求項7】
前記設備装置の種類がコンベヤである場合、
前記変更可能仕様項目には、前記コンベヤが延在する搬送経路の長さが含まれる、請求項1又は2に記載の設計システム。
【請求項8】
前記設備装置の種類が昇降装置である場合、
前記変更可能仕様項目には、昇降高さと、同時搬送可能数とが含まれる、請求項1又は2に記載の設計システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置を含む複数種類の設備装置を組み合わせた設備を設計するための設計システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2020-75785号公報には、蓄電装置の電力を駆動力源として無人で物品を搬送する搬送車を複数台備えた搬送システムにおいて、それぞれの蓄電装置の充電を管理する技術が開示されている。搬送指令に基づいて搬送車を自律制御する搬送車のコントローラは、当該搬送指令を実行した後に蓄電装置に残っている電力の残量(蓄電残量)を演算して蓄電装置の充電の要否を判定している。充電が必要な場合には、搬送車は充電ポイントに移動して、蓄電装置を充電する。
【0003】
特開2002-67747号公報には、搬送経路に沿って配設された給電線から非接触で電力の給電を受ける受電装置を備えた複数の搬送車により、無人で物品を搬送する搬送システムが開示されている。給電線と、給電線に電力を供給する給電装置とにより給電ユニットが構成され、それぞれの搬送車が備える受電装置と協働する非接触給電システムが構築されている。搬送システムの規模が大きくなると、1系統の給電ユニットでは、給電線が長くなることによるインピーダンスの増加によって伝送効率が低下したり、必要な電力が増加して搬送システムの全体に電力を供給できなかったりする場合がある。このため、複数系統の給電ユニットを備えて非接触給電システムが構築されることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-75785号公報
【特許文献2】特開2002-67747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
蓄電装置を搭載した搬送車の場合、蓄電装置の充電頻度が高くなると、物品の搬送効率が低下する。蓄電装置の容量を大きくすると、充電頻度が下がり、搬送効率の低下が抑制されるが、蓄電装置の重量の増加によりエネルギー効率の低下や、蓄電装置のコストが上昇する場合がある。また、非接触給電システムを備えた搬送システムの場合、給電ユニットの系統数が増加すると、系統間での交流の同期を取る回路を設けたり、給電線の乗り換え部が増加して配線等が複雑になったりする場合がある。このため、種々のトレードオフも考慮して、搬送車の台数、電源の仕様、等が適切に設定されることが望ましい。
【0006】
近年、環境意識の高まりから、物流システムに対しても、SDGs(持続可能性)を高くすることが求められるようになっている。製品の使用中だけではなく、材料の採掘、製造、輸送、廃棄、リサイクルまで含めた、いわゆるLCA(ライフサイクルアセスメント)が重要視されるようになっている。搬送システムにおいても、搬送効率にとどまらず、環境負荷についても考慮したシステム設計がなされることが求められる。
【0007】
そして、近年では、設備の設置現場における実測や、模擬設備を利用した実験等に偏重することなく、コンピュータ上におけるシミュレーション等によって設備を開発・設計すること、いわゆるモデルベース開発、モデルベース設計も盛んになっている。例えば、CAD(Computer Aided Design)上において、搬送車などの搬送装置を含む設備装置を組み合わせて設備を設計した状態において、搬送車の台数、電源の仕様等を含むシステム設計が適切に実施されることが望ましい。
【0008】
上記背景に鑑みて、搬送車などの搬送装置を含む設備装置を組み合わせた設備を、適切に設計することができる設計システムの提供が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題に鑑みた設計システムは、搬送装置を含む複数種類の設備装置を組み合わせた設備を設計するための設計システムであって、演算処理を行う演算装置と、前記演算処理のためのプログラム、及び、前記演算処理に用いるデータを記憶した記憶装置と、前記演算装置への入力を受け付ける入力装置と、前記演算装置による演算結果を出力する出力装置と、を備え、前記記憶装置は、前記設備装置の種類ごとに予め設定された消費電力情報が記憶された消費電力データベースを備え、前記消費電力情報には、前記設備装置の種類ごとの変更可能な仕様の項目である変更可能仕様項目のそれぞれについての変更可能範囲内の設定値である仕様設定値と消費電力との関係、及び、前記設備装置の種類ごとの単位時間当たりの搬送量である単位搬送量と消費電力との関係が規定され、前記演算装置は、前記入力装置からの入力に応じて前記演算処理を行う演算処理部として、選択可能な種類の前記設備装置のリストを前記出力装置に表示し、前記入力装置から前記設備装置の選択を受け付ける装置選択処理部と、前記装置選択処理部により選択された前記設備装置の配置及び前記仕様設定値の指定を受け付け、当該指定に従って仮想空間に前記設備装置を配置する配置処理部と、前記単位時間当たりの搬送量を決定するための情報である搬送量指定情報の入力を受け付け、当該搬送量指定情報と前記消費電力データベースとに基づいて、前記仮想空間に配置された複数の前記設備装置を含む仮想設備の消費電力の予測値である予測消費電力を演算する電力演算部と、を備え、前記出力装置は、前記仮想設備と前記電力演算部により演算された前記予測消費電力とを併せて出力する。
【0010】
本構成によれば、設備のレイアウトを仮想空間において自由に設計することができる。その上で、設備装置によるそれぞれの搬送量が決まれば、任意のレイアウトの設備における予測消費電力を適切に演算することができる。従って、例えば搬送効率や空間利用効率等だけでなく、消費電力も考慮した設備の設計が容易となる。即ち、本構成によれば、搬送車などの搬送装置を含む設備装置を組み合わせた設備を、適切に設計することができる設計システムを提供することができる。
【0011】
設計システムのさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】設計システムの構成例を模式的に示すブロック図
図2】設計システムの構成例を模式的に示す概念図
図3】第1物品搬送設備の一例を示す平面図
図4】第1物品搬送設備の物品搬送車の一例を示す正面図
図5】第1物品搬送設備の物品搬送車の一例を示す側面図
図6】第1移載装置を有するスタッカークレーンを備えた第1物品収容設備の一例を示す斜視図
図7】第2移載装置を備えた第2物品収容設備の一例を示す斜視図
図8】階間搬送装置を備えた第2物品搬送設備の一例を示す斜視図
図9】階間搬送装置の水平断面図
図10】無人搬送車の一例を示す透過斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、搬送装置を含む複数種類の設備装置を組み合わせた設備を設計するための設計システムの実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明においては、当該設備を対象設備と称する。詳細については後述するが、設計システム1は、図1に示すように、演算装置2と、記憶装置3と、入力装置4と、出力装置5とを備えている。演算装置2は、演算処理を行う演算処理部として、装置選択処理部2aと、配置処理部2bと、電力演算部2cとを備えている。記憶装置3は、演算処理のためのプログラムを記憶している。また、記憶装置3は、演算処理に用いるデータも記憶している。このため、記憶装置3は、設備装置の種類ごとに予め設定された消費電力情報が記憶された消費電力データベース3dを備えている。入力装置4は、演算装置2への入力を受け付け、出力装置5は、演算装置2による演算結果を出力する。
【0014】
消費電力データベース3dに記憶されている消費電力情報には、設備装置の種類ごとの変更可能な仕様の項目である変更可能仕様項目のそれぞれについての変更可能範囲内の設定値である仕様設定値と消費電力との関係が規定されている。また、搬送装置である設備装置については、消費電力情報には、設備装置の種類ごとの単位時間当たりの搬送量である単位搬送量と消費電力との関係が規定されている。これら消費電力情報の詳細については、設備装置、変更可能仕様項目、変更可能範囲、仕様設定値、単位搬送量等の具体例を示して後述する。
【0015】
上述したように、演算装置2は、入力装置4からの入力に応じて演算処理を行う演算処理部として、装置選択処理部2aと、配置処理部2bと、電力演算部2cとを備えている。それぞれの演算処理部の詳細な機能については、後述するが、装置選択処理部2aは、選択可能な種類の設備装置のリストを出力装置5に表示し、入力装置4から設備装置の選択を受け付ける。配置処理部2bは、装置選択処理部2aにより選択された設備装置の配置及び仕様設定値の指定を受け付け、当該指定に従って仮想空間に設備装置を配置する。仮想空間に配置された複数の設備装置を含む設備、即ち仮想空間上に構築された設備を仮想設備と称する。電力演算部2cは、単位時間当たりの搬送量を決定するための情報である搬送量指定情報の入力を受け付け、当該搬送量指定情報と消費電力データベース3dとに基づいて、仮想設備の消費電力の予測値である予測消費電力を演算する。出力装置5は、仮想設備と電力演算部2cにより演算された予測消費電力とを併せて出力する。
【0016】
尚、設備の設計に際しては、設計者は、設備装置の配置や、仕様設定値を変えながら検討を行う場合がある。このため、配置処理部2bは、設備装置の移動及び仕様設定値の変更指令を受け付け、当該変更指令に従って仮想空間における設備装置の配置及び仕様設定値を変更する。この場合、電力演算部2cは、仮想空間における設備装置の配置及び仕様設定値の少なくとも一方が変更されるごとに、当該変更後の仮想設備の予測消費電力を演算する処理を実行する。このような構成により、設備のレイアウトを仮想空間において自由に変更しつつ、当該変更による設備の予測消費電力の変化を適切に反映させることができる。
【0017】
しかし、電力演算部2cは、仮想空間における設備装置の配置及び仕様設定値の少なくとも一方が変更されるごとに、当該変更後の仮想設備の予測消費電力を演算しなくてもよい。上述したように、設計の途上では、設計者は、設備装置の配置や、仕様設定値を変えながら検討を行う場合がある。つまり、頻繁に、設備装置の配置や仕様設定値が変わる場合がある。ここで、逐次、予測消費電力を演算していると、演算負荷が無駄に大きくなる可能性がある。従って、例えば、設計者が一通りの設計を完了したとき(例えば、設計者が「完了」の入力をしたとき、仮想設備を保存したとき、など)や、一定時間ごと(1時間ごと、変更が規定数を超えたとき)などにのみ、電力演算部2cが、予測消費電力を演算する構成であってもよい。何れにしても、設備のレイアウトの変更によって予測消費電力が変化しても、当該変更後の消費電力を考慮した適切な設備の設計が可能である。
【0018】
また、ここでは、配置処理部2bが、当該変更指令を受け付け、設備装置の配置及び仕様設定値を変更する形態を例示しているが、配置処理部2bとは別に、例えば変更処理部が設けられていてもよい。つまり、配置処理部2bにより配置された設備装置の移動及び仕様設定値の変更指令を受け付け、当該変更指令に従って仮想空間における搬送装置の配置及び仕様設定値を変更する変更処理部が設けられていてもよい。
【0019】
1つの好適な態様として、演算装置2は、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、グラフィックプロセッサ等のハードウェアを中核として構成されたパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータによって構成されている。記憶装置3は、ハードディスク装置、ソリッドステートディスク装置、メモリ等の記憶媒体を中核として構成されている。装置選択処理部2a、配置処理部2b、電力演算部2cは、当該コンピュータと記憶装置3に記憶されたプログラム等のソフトウェアとの協働によって実現される。また、入力装置4は、キーボード、マウス、タッチパネル、ジョグスティック、マイク等を用いることができる。出力装置5は、ディスプレイ装置、スピーカ、プリンタ等を用いることができる。また、CD、DVD、メモリカード、携帯型メモリなどの記憶媒体の読み取り装置も入力装置4として利用することができる。即ち、設備装置の配置情報、仕様設定値などを示すパラメータが記憶された記憶媒体を読み込む読み取り装置も入力装置4として利用することができる。同様に、CD、DVD、メモリカード、携帯型メモリなどの記憶媒体の書き込み装置も出力装置5として利用することができる。
【0020】
図2は、コンピュータシステム8を用いて構成された設計システム1の一例を示している。コンピュータシステム8の本体装置8aは、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、グラフィックプロセッサ、記憶媒体等のハードウェアを中核として構成されており、演算装置2及び記憶装置3に相当する。キーボード8bや不図示のマウスは入力装置4、ディスプレイ8cは出力装置5に相当する。コンピュータシステム8は、仮想設備9として構築された対象設備のレイアウトデータと、搬送量指定情報と、消費電力情報とに基づいて、仮想設備9の消費電力の予測値である予測消費電力を演算し、仮想設備9と、その予測消費電力とを出力する。
【0021】
以下、具体例を示しながら説明するが、搬送装置を含む複数種類の設備装置を組み合わせた対象設備には種々の形態が含まれる。例えば、設備装置としての搬送装置は、規定の走行経路に沿って走行して物品を搬送する物品搬送車や、当該物品搬送車における搬送台車を適用することができる。また、物品搬送車は、スタッカークレーン、天井搬送車、床上搬送車を適用することができる。また、物品搬送車は、搬送経路が規定されているか否かに拘わらず、無軌道で床上を走行するAGV(Automatic Guided Vehicle)を適用することもできる。さらに、設備装置としての搬送装置には、コンベヤや、昇降装置も含まれる。また、設備装置には、搬送装置に搭載された蓄電装置を充電するための受電スポットに設置された給電装置、走行経路に沿って配設された給電線を介して非接触で搬送装置に電力を給電する非接触給電設備も含まれる。また、搬送対象の物品を処理する処理装置、例えば物品が半導体の場合に当該半導体を処理する半導体処理装置、物品が飲料等の容器の場合に液体を充填し蓋をする充填装置、複数種類の物品をピッキングするピッキング装置も、設備装置に含まれる。上述した設備装置、搬送装置は例示であり、その他の種々の装置を設備装置とすることができる。
【0022】
図3から図4は、対象設備100の一例としての第1物品搬送設備101を例示している。第1物品搬送設備101は、搬送装置の一例としての物品搬送車30と、その走行経路である走行経路10に沿って配置された走行レール20とを備えている。物品搬送車30は、走行レール20に案内されて走行経路10に沿って走行する。物品搬送車30による搬送対象の物品は、例えば、半導体基板を収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)や、ディスプレイの材料となるガラス基板等である。第1物品搬送設備101には、半導体基板を収容する不図示の収容庫や、半導体基板に回路等を形成するための種々の処理を施す物品処理部Pも備えられている。図3に示す例では、走行経路10は、1つの環状の主経路10aと複数の物品処理部Pを経由する環状の副経路10bと、これら主経路10aと副経路10bとを接続する接続経路10cとを備えている。
【0023】
図4に示すように、物品搬送車30はいわゆる天井搬送車である。物品搬送車30は、走行経路10に沿って天井から吊り下げ支持されて配置された一対の走行レール20に案内されて走行経路10に沿って走行する走行部12と、走行レール20の下方に位置して走行部12に吊り下げ支持された本体部13と、走行経路10に沿って配設された給電線25から非接触で駆動用電力を受電する受電装置40とを備えている。詳細な説明は省略するが、図5に示すように、本体部13には、本体部13に昇降自在に備えられて物品Wを吊り下げ状態で支持する物品支持部18が備えられている。物品支持部18は把持部19を備えている。物品搬送車30は、例えば、物品処理部Pの物品載置台Psに載置された物品Wを把持部19により把持して吊り上げ、当該物品Wを吊り下げ支持した状態で走行して当該物品Wを搬送し、別の物品処理部Pの物品載置台Psに当該物品Wを載置する。走行経路10は、設備装置としての搬送装置が物品を搬送する搬送経路に相当し、走行部12は物品を搬送する搬送台車に相当する。尚、物品搬送車30の全体が搬送台車に相当すると考えることもできる。
【0024】
走行部12には、図4に示すように、電動式の駆動モータ14にて回転駆動される一対の走行輪15が備えられている。走行輪15は、走行レール20のそれぞれの上面にて形成される走行面を転動する。また、走行部12には、上下方向Vに沿う軸心周り(上下軸心周り)で自由回転する一対の案内輪16が、一対の走行レール20における内側面に当接する状態で備えられている。また、走行部12は、走行用の駆動モータ14やその駆動回路等を備えて構成されており、物品搬送車30を走行レール20に沿って走行させる。本体部13には、物品支持部18を昇降させるアクチュエータ、物品Wを把持する把持部19を駆動するアクチュエータ等、及び、それらの駆動回路等が備えられている(何れも不図示)。これらの駆動モータ14や、アクチュエータ、駆動回路等は、物品搬送車30における電気的負荷である。以下、適宜説明は省略するが、他の対象設備100においても同様であり、設備装置(特に搬送装置)は各種電気的負荷を備えている。
【0025】
これらの駆動モータ14や、種々のアクチュエータ、これらを駆動する駆動回路等への電力は、給電線25から非接触で受電装置40に供給される。上述したように、受電装置40を介して物品搬送車30に駆動用電力を供給する給電線25は、走行経路10に沿って配設されている。第1物品搬送設備101は、HID(High Efficiency Inductive Power Distribution Technology)と称されるワイヤレス給電技術を用いた非接触給電設備が備えられ、物品搬送車30の電気的負荷に駆動用電力を供給する。非接触給電設備は、給電線25と、給電線25に接続されて給電線25に交流電流を供給する電源装置(不図示)とを備えている。図3に例示したように比較的大きな規模の設備では、送電の効率が低下することや、故障時に設備の全体が停止することなどを抑制するために、給電線25と電源装置とを含む給電システムが1系統だけではなく、複数系統設けられている。そして、複数系統の給電システムにより、非接触給電設備が構築されている。例えば、非接触給電設備の全体、或いは、1系統の給電システムは、設備装置として適用される。
【0026】
第1物品搬送設備101のように、設備装置の種類が搬送経路に沿って物品Wを搬送する搬送台車(走行部12、物品搬送車30)である場合、変更可能仕様項目には、搬送台車(走行部12、物品搬送車30)の台数と、搬送経路の長さ(走行経路10の長さ)と、搬送経路の形状と、搬送台車に電力を供給する電源の構成とが含まれると好適である。電源の構成には、非接触給電設備の電気的仕様や、1系統の給電システムの構成、電気的仕様、及び系統数等が含まれる。また、物品搬送車30に備えられ、昇降する物品支持部18は、設備装置の1つの種類である昇降装置ということもできる。従って、対象設備が、第1物品搬送設備101の場合、変更可能仕様項目には、物品支持部18の昇降高さと、同時搬送可能数とが含まれていてもよい。
【0027】
図6は、対象設備100の一例としての第1物品収容設備102を例示している。第1物品収容設備102は、物品Wを収容する収容棚202と、搬送装置の一例としてのスタッカークレーン203と、入庫部204と、出庫部205とを備えている。
【0028】
収容棚202は、物品Wを収容する収容部230を複数備えている。本実施形態では、第1物品収容設備102は、間にスタッカークレーン203を挟んで対向配置された一対の収容棚202を備えている。一対の収容棚202は、それぞれ、所定間隔で床面から立設された複数の柱部材221と、所定間隔で柱部材221に固定された複数の支持部222とを有する。隣り合う柱部材221における同じ高さに固定された一対の支持部222の上方の空間により、物品Wを収容する収容部230が形成されている。一対の収容棚202は、それぞれ、複数段複数列に亘る収容部230を備えている。それぞれの収容部230は、スタッカークレーン203の走行経路10に対して、その直交する方向に隣接する位置に配置されている。
【0029】
一対の収容棚202の一方の端部側には、収容棚202へ物品Wを入庫するための入庫部204、及び収容棚202からの物品Wを出庫するための出庫部205が設けられている。図6では、一方の収容棚202に隣接して入庫部204が設けられ、他方の収容棚202に隣接して出庫部205が設けられている形態を例示している。しかし、入庫部204及び出庫部205は、その機能が固定されていなくてもよい。適宜、それぞれが入庫部204又は出庫部205として機能してもよい。また、例えば、収容棚202に入庫される物品Wが多い場合に双方が入庫部204として機能し、収容棚202から出庫される物品Wが多い場合に双方が出庫部205として機能することも妨げるものではない。
【0030】
対向配置された一対の収容棚202の間に設置されているスタッカークレーン203は、収容棚202の前面に沿って設定された走行経路10に沿って移動し、入庫部204と収容棚202との間、同一の収容棚202における異なる収容部230の間、一方の収容棚202と他方の収容棚202との間、及び収容棚202と出庫部205との間で物品Wの搬送を行う。
【0031】
スタッカークレーン203は、走行台車232とマスト233と昇降台234と第1移載装置235とを備えている。走行台車232は、走行経路10に沿って床面に設置された走行レール20上を走行する。マスト233は、走行台車232から立設されている。本実施形態では、一対のマスト233が、走行台車232における走行経路10の両側に分かれて設けられている。マスト233の上端部は、天井に設置されたガイドレール236によって案内される。昇降台234は、一対のマスト233に沿って上下方向Vに昇降する。第1移載装置235は、昇降台234に固定されており、昇降台234の昇降に伴って所定の収容部230と対向する位置に移動して、収容部230とスタッカークレーン203との間で物品Wを移載する。図示は、省略しているが、上述した物品搬送車30と同様に、第1物品収容設備102も、非接触給電設備を備え、スタッカークレーン203が当該非接触給電設備から電力を供給されると好適である。
【0032】
入庫部204は、スタッカークレーン203に引き渡す物品Wを保持する。入庫部204は、不図示の外部搬送装置や作業者から物品Wを受け取り、受け取った当該物品Wを保持し、当該物品Wをスタッカークレーン203に引き渡す。入庫部204は、例えばローラコンベヤ、スラットコンベヤ、及びベルトコンベヤ等により構成された入庫コンベヤ241を備えている。
【0033】
出庫部205は、不図示の外部搬送装置や作業者に引き渡す物品Wを保持する。出庫部205は、スタッカークレーン203から物品Wを受け取り、受け取った当該物品Wを保持し、当該物品Wを外部搬送装置に引き渡す。入庫部204と同様に、出庫部205は、例えばローラコンベヤ、スラットコンベヤ、及びベルトコンベヤ等により構成された出庫コンベヤ251を備えている。
【0034】
第1物品収容設備102において、スタッカークレーン203の走行台車232は、物品Wを搬送する搬送台車に相当する。尚、スタッカークレーン203の全体が搬送台車に相当すると考えることもできる。走行経路10は、設備装置及び搬送装置としてのスタッカークレーン203が物品Wを搬送する搬送経路に相当する。また、入庫コンベヤ241、出庫コンベヤ251は、設備装置及び搬送装置としてのコンベヤに相当する。また、スタッカークレーン203の昇降台234は、物品Wを搬送する搬送装置ということもでき、昇降装置ということもできる。従って、昇降台234の昇降範囲は搬送経路ということもできる。
【0035】
第1物品収容設備102のように、設備装置の種類がスタッカークレーン203である場合、変更可能仕様項目には、スタッカークレーン203の走行経路10の長さと、スタッカークレーン203の昇降高さとが含まれると好適である。第1物品収容設備102における設備装置の種類は、搬送経路に沿って物品Wを搬送する搬送台車(走行台車232、スタッカークレーン203)ということもでき、この場合、変更可能仕様項目には、搬送台車(走行台車232、スタッカークレーン203)の台数と、搬送経路の長さ(走行経路10の長さ)と、搬送経路の形状と、搬送台車に電力を供給する電源の構成とが含まれると好適である。電源の構成には、非接触給電設備の電気的仕様や、1系統の給電システムの構成、電気的仕様、及び系統数等が含まれる。また、スタッカークレーン203に備えられ、昇降する昇降台234は、設備装置の1つの種類である昇降装置ということもできる。従って、対象設備が、第1物品収容設備102の場合、変更可能仕様項目には、昇降台234の昇降高さと、同時搬送可能数とが含まれていてもよい。また、入庫コンベヤ241及び出庫コンベヤ251は、当然ながら設備装置の1つの種類であるコンベヤということができる。従って、第1物品収容設備102を対象設備100とした場合の変更可能仕様項目には、入庫コンベヤ241及び出庫コンベヤ251が延在する搬送経路の長さが含まれていてもよい。
【0036】
図7は、対象設備100の一例としての第2物品収容設備103を例示している。図7に示すように、第2物品収容設備103には、第2移載装置301を備えた物品搬送車30と、複数の収容部230を備えた物品収容棚302と、が設けられている。
【0037】
物品搬送車30は、水平面内における特定の方向に、物品Wを搬送するように構成されている。本実施形態では、物品搬送車30は、物品収容棚302の前面に沿って物品Wを搬送するように構成されている。物品収容棚302は、上下方向Vに複数段の棚板314を備えた複数段構造となっており、物品搬送車30は、物品収容棚302における各段に配置されている。尚、図7では、複数の物品搬送車30のうちの、物品収容棚302の最上段に設けられた物品搬送車30のみを示している。
【0038】
物品収容棚302は、上下方向V及び物品搬送車30の走行経路の延在方向に沿って配置された、複数の収容部230を備えている。上述したように、物品収容棚302は、棚奥行方向及び物品搬送車30の走行経路の延在方向に沿うように配置された棚板314を、上下方向Vに複数備えており、各棚板314が収容部230を構成している。物品Wは、棚板314に載置されることによって収容部230に収容される。ここでは、物品搬送車30の走行経路を挟んで棚奥行方向に対向するように、一対の物品収容棚302が配置されている。尚、本実施形態では、棚奥行方向は、上下方向V視で、物品搬送車30の走行経路の延在方向に直交する方向である。
【0039】
第2物品収容設備103には、物品収容棚302へ物品Wを入庫するための各種設備装置が設けられている。具体的には、第2物品収容設備103には、入庫コンベヤ241と、入庫リフト304と、入庫中継コンベヤ303とが設けられている。入庫コンベヤ241は、物品収容棚302へ入庫される物品Wを外部から搬送する。入庫リフト304は、入庫コンベヤ241から物品Wを受け取ると共に当該物品Wを昇降させて入庫中継コンベヤ303に引き渡す。入庫中継コンベヤ303は、入庫リフト304から物品Wを受け取ると共に当該物品Wを物品搬送車30へ引き渡す。ここでは、入庫中継コンベヤ303は、物品収容棚302における各段に設けられている。入庫リフト304は、上下方向Vに昇降することによって、各段の入庫中継コンベヤ303に対して物品Wを引き渡すことができる。
【0040】
また、第2物品収容設備103には、物品収容棚302から物品Wを出庫するための各種設備装置が設けられている。具体的には、第2物品収容設備103には、出庫コンベヤ251と、出庫リフト307と、出庫中継コンベヤ308とが設けられている。出庫中継コンベヤ308は、物品搬送車30から物品Wを受け取ると共に当該物品Wを出庫リフト307へ引き渡す。ここでは、出庫中継コンベヤ308は、物品収容棚302における各段に設けられている。出庫リフト307は、上下方向Vに昇降することによって各段の出庫中継コンベヤ308から物品Wを受け取ることが可能であると共に、当該物品Wを出庫コンベヤ251に対して引き渡す。出庫コンベヤ251は、出庫リフト307から物品Wを受け取ると共に当該物品Wを外部へ搬送する。
【0041】
入庫コンベヤ241、出庫コンベヤ251、入庫中継コンベヤ303、出庫中継コンベヤ308は、例えば、ローラコンベヤ、スラットコンベヤ、及びベルトコンベヤ等により構成されている。また、上述した第1物品収容設備102と同様に、入庫コンベヤ241、入庫リフト304、入庫中継コンベヤ303は、その機能が入庫用に固定されていなくてもよく、出庫コンベヤ251、出庫リフト307、出庫中継コンベヤ308は、その機能が出庫用に固定されていなくてもよい。適宜、それぞれが入庫用、出庫用として機能してもよい。また、例えば、物品収容棚302に入庫される物品Wが多い場合に双方が入庫用して機能し、物品収容棚302から出庫される物品Wが多い場合に双方が出庫用として機能することも妨げるものではない。
【0042】
物品搬送車30は、不図示の走行モータを備えた走行体312と、物品Wを載置支持する支持体321を備えた第2移載装置301とを備えている。第2移載装置301は、走行体312に支持されている。第2移載装置301は、支持体321により物品Wを支持した状態で、物品搬送車30と移載対象箇所との間で移載方向に沿って物品Wを移動させる移載動作を行う。上述した収容部230、入庫中継コンベヤ303、及び出庫中継コンベヤ308は、移載対象箇所に相当する。上述した第1物品搬送設備101の物品搬送車30と同様に、第2物品収容設備103も非接触給電設備を備え、第2物品収容設備103の物品搬送車30が当該非接触給電設備から電力を供給される構成であってもよい。また、物品搬送車30は、図10を参照して後述する無人搬送車509(AGV(Automatic Guided Vehicle))のように、物品搬送車30に蓄電装置508が搭載され、当該蓄電装置508から電力を供給される形態であってもよい。
【0043】
第2物品収容設備103において、物品搬送車30の走行体312は、物品Wを搬送する搬送台車に相当する。尚、物品搬送車30の全体が搬送台車に相当すると考えることもできる。また、設備装置及び搬送装置としての物品搬送車30が走行する経路は、物品Wを搬送する搬送経路に相当する。また、入庫コンベヤ241、出庫コンベヤ251、入庫中継コンベヤ303、出庫中継コンベヤ308、入庫リフト304、出庫リフト307も、物品Wを搬送する搬送装置に相当する。従って、入庫コンベヤ241、出庫コンベヤ251、入庫中継コンベヤ303、出庫中継コンベヤ308においてコンベヤが延在し、物品Wを搬送する経路も搬送経路とすることができる。また、入庫リフト304及び出庫リフト307が昇降する経路も搬送経路とすることができる。また、入庫リフト304及び出庫リフト307は、昇降装置ということもできる。
【0044】
第2物品収容設備103のように、設備装置の種類が搬送経路に沿って物品Wを搬送する搬送台車(走行体312、物品搬送車30)である場合、変更可能仕様項目には、搬送台車(走行体312、物品搬送車30)の台数と、搬送経路の長さ(走行経路10の長さ)と、搬送経路の形状と、搬送台車に電力を供給する電源の構成とが含まれると好適である。電源の構成には、非接触給電設備の電気的仕様や、1系統の給電システムの構成、電気的仕様、及び系統数等が含まれる。また、入庫リフト304、出庫リフト307は、設備装置の1つの種類である昇降装置ということもできる。従って、対象設備が、第2物品収容設備103の場合、変更可能仕様項目には、入庫リフト304及び出庫リフト307の昇降高さと、同時搬送可能数とが含まれていてもよい。また、入庫コンベヤ241、出庫コンベヤ251、入庫中継コンベヤ303、及び出庫中継コンベヤ308は、当然ながら設備装置の1つの種類であるコンベヤということができる。従って、第2物品収容設備103を対象設備100とした場合の変更可能仕様項目には、入庫コンベヤ241、出庫コンベヤ251、入庫中継コンベヤ303、及び出庫中継コンベヤ308が延在する搬送経路の長さが含まれていてもよい。
【0045】
図8及び図9は、対象設備100の一例としての第2物品搬送設備104を例示している。図8に示すように、第2物品搬送設備104は、複数階の間で物品Wを搬送する階間搬送装置401と、各階において天井近くを走行して物品Wを搬送する天井搬送装置406と、各階の床面上を走行して物品Wを搬送する床面搬送装置407と、各階の床面に設置されて階間搬送装置401に物品Wを搬入し又は階間搬送装置401から物品Wを搬出する入出搬送装置408とを備えている。天井搬送装置406は、第1物品搬送設備101における物品搬送車30と同様の構成である。
【0046】
階間搬送装置401は、各階の床面を上下方向Vに貫通する状態で複数階に亘って設けられた筒状の区画体409の内部に設けられている。天井搬送装置406及び床面搬送装置407は、区画体409の外部に配置されている。図9に示すように、入出搬送装置408は、区画体409を水平方向に貫通する状態で、区画体409の内部と外部とに亘って設けられている。入出搬送装置408は、区画体409の外部に位置する側の端部である外部側端部481と、区画体409の内部に位置する側の端部である内部側端部482との間で物品Wを搬送する。入出搬送装置408は、コンベヤであり、例えばベルトコンベヤやローラコンベヤ等のコンベヤを用いて構成される。入出搬送装置408も搬送装置に相当する。
【0047】
図9に示すように、区画体409の内部には、物品Wを保持する保持部490が複数設けられている。天井搬送装置406、床面搬送装置407、或いは作業者等により、入出搬送装置408の外部側端部481に物品Wが載せられると、当該物品Wは、入出搬送装置408によって区画体409の内部の内部側端部482に搬送される。その後、物品Wは、階間搬送装置401によって内部側端部482から同一階又は他の階にある保持部490に搬送されて、その保持部490に保持される。また、保持部490に保持されている物品Wは、階間搬送装置401によって保持部490から同一階又は他の階にある入出搬送装置408の内部側端部482に搬送され、その後、入出搬送装置408によって外部側端部481に搬送される。外部側端部481に搬送された物品Wは、天井搬送装置406、床面搬送装置407、或いは作業者等により、外部側端部481から他の場所へ搬送される。また、階間搬送装置401により、内部側端部482から別の入出搬送装置408の内部側端部482に物品Wを搬送する場合や、保持部490から別の保持部490に物品Wを搬送する場合もある。尚、入出搬送装置408の内部側端部482は、物品Wを搬送していない状態では、その位置に物品Wを保持することになるため、保持部490としても機能する。
【0048】
図8及び図9に示すように、階間搬送装置401は、上下方向Vに沿って設置された案内レール410と、案内レール410に沿って昇降する昇降ユニット420と、昇降ユニット420に支持されると共に、案内レール410に対して水平方向に離間して配置された複数の保持部490との間で物品Wを移載する第3移載装置430とを備えている。階間搬送装置401は、入出搬送装置408の内部側端部482を含む保持部490同士の間で物品Wを搬送する。入出搬送装置408の内部側端部482を除く、一般の保持部490は、物品Wを下方から支持する支持部材491を備えており、支持部材491により物品Wを下方から支持した状態で物品Wを保持するように構成されている。案内レール410は、上下方向Vに沿って複数階に亘って配置されている。第3移載装置430を支持する昇降ユニット420は、このような案内レール410に沿って昇降可能となっている。これにより、階間搬送装置401は、複数階に亘って物品Wを搬送することが可能となっている。
【0049】
上述した第1物品搬送設備101の物品搬送車30と同様に、第2物品搬送設備104も非接触給電設備を備え、天井搬送装置406が当該非接触給電設備から電力を供給される構成であると好適である。階間搬送装置401は、同様に当該非接触給電設備から電力を供給されてもよいし、有線接続によって電力を供給されてもよい。床面搬送装置407は、いわゆる無人搬送車509(AGV)であり、好ましくは床面搬送装置407に搭載された不図示の蓄電装置から電力を供給される。尚、蓄電装置508を備えた無人搬送車509については図10を参照して後述する。
【0050】
第2物品搬送設備104において、天井搬送装置406、床面搬送装置407、階間搬送装置401、入出搬送装置408は、搬送装置に相当する。天井搬送装置406の走行経路、階間搬送装置401の昇降ユニット420が移動する案内レール410に沿った経路、入出搬送装置408においてコンベヤが延在し、物品Wを搬送する経路は、搬送経路に相当する。また、無軌道のAGVである床面搬送装置407が移動する経路も、搬送経路に相当する。階間搬送装置401の昇降ユニット420は、案内レール410に沿って昇降するため、昇降装置ということもできる。
【0051】
第2物品搬送設備104の階間搬送装置401のように、設備装置の種類が昇降装置である場合、変更可能仕様項目には、昇降高さと、同時搬送可能数とが含まれると好適である。また、設備装置の種類が搬送経路に沿って物品Wを搬送する搬送台車(天井搬送装置406)である場合、変更可能仕様項目には、搬送台車(天井搬送装置406)の台数と、搬送経路の長さと、搬送経路の形状と、搬送台車に電力を供給する電源の構成とが含まれると好適である。また、入出搬送装置408のように、設備装置の種類がコンベヤである場合、変更可能仕様項目には、当該コンベヤが延在する搬送経路の長さが含まれると好適である。
【0052】
図10の透過斜視図は、搬送装置に相当するAGVの一例としての無人搬送車509を模式的に示している。無人搬送車509は、蓄電装置508と、蓄電装置508に充電用の電力を供給する電源としての非接触受電装置520と、非接触受電装置520から供給される電力を用いて蓄電装置508を充電する充電回路510と、車輪596を駆動するモータ591と、モータ591を駆動制御するモータ制御装置592とを備えている。モータ591及びモータ制御装置592は、蓄電装置508の電力を用いて動作する電気的負荷である。非接触受電装置520には、後述する充電スポットにおいて給電コイル527に対向配置されることによって、当該給電コイル527から電力を供給される受電コイル521が備えられている。
【0053】
蓄電装置508は、リチウム電池バッテリなどの二次電池である。蓄電装置508、非接触受電装置520、充電回路510、モータ591、及びモータ制御装置592は、無人搬送車509の台車部595の内部に収容されている。例えば、この台車部595の上面に物品Wが載置され、当該物品Wが搬送される。また、図示は、省略するが、この台車部595の上部に、例えば、物品Wを移載するための移載機等が設置されていてもよい。
【0054】
無軌道ではあっても走行経路が規定されている場合には、無人搬送車509の走行経路沿いや、走行経路から脇に待避した位置に、蓄電装置508を充電するための充電スポットが設けられている。走行経路が規定されていない場合には、規定された場所に、充電スポットが設けられている。例えば、図10に示すように、無人搬送車509が、充電スポットの給電コイル527と、無人搬送車509の受電コイル521とが対向するように停車することによって、給電コイル527から受電コイル521へ電磁誘導によって電力が供給される。給電回路528は、固定的に設置されており、給電回路528には有線接続によって商用電源から電力が供給されている。当然ながら、このような非接触給電方式に限らず、充電スポットにおいて、有線接続によって蓄電装置508に電力が供給される形態であってもよい。
【0055】
このような充電スポットが設けられる場合、当該充電スポットも設備装置の一例である。また、無人搬送車509の走行経路は、規定された経路であっても、自由な経路であっても、物品Wを搬送する搬送経路に相当する。
【0056】
以上、種々の対象設備100、対象設備100における設備装置、搬送装置を例示したが、これらは例示であって、その他の設備や、設備装置、搬送装置が除外されるものではない。例えば、コンベヤを主体として構成され、複数種の物品からオーダーに応じた物品を収集して出荷するピッキング設備なども対象設備である。そして、当該対象設備において物品を搬送するコンベヤは、設備装置、並びに搬送装置に相当する。そして、変更可能仕様項目には、そのようなコンベヤが延在する搬送経路の長さが含まれる。
【0057】
また、対象設備100が、半導体の保管設備、収納設備、搬送設備などであり、稀ガスを用いたパージ装置が備えられている場合には、当該パージ装置も設備装置に含まれる。また、対象設備100が、半導体や液晶パネルなど、いわゆるクリーンルーム内に構築される場合には、換気装置、空気清浄装置、ファン等も設備装置に含まれる。
【0058】
下記の表は、設備装置の種類ごとの変更可能な仕様の項目である変更可能仕様項目のそれぞれについての変更可能範囲内の設定値である仕様設定値と消費電力との関係の一例を示している。
【0059】
【表1】
【0060】
例えば、設備装置が、第1物品搬送設備101の物品搬送車30である場合、変更可能仕様項目としては、設備内に配置される台数、搬送経路(第1物品搬送設備101における走行経路10)の長さ(総延長距離)、第1物品搬送設備101における主経路10aから接続経路10cへの分岐部や接続経路10cから主経路10aへの合流部の数、などが例示される。そして、台数であれば1から1000台、搬送経路の長さとしては100メートルから50キロメートル、分岐部・合流部の数としては0から1000箇所が、選択可能な仕様設定値の一例である。消費電力は、物品搬送車1台当たりの消費電力、搬送経路1メートル当たりの消費電力、分岐部・合流部の1箇所当たりの消費電力などが、一例である。他の例については、表に記載の通りであるから、詳細な説明は省略する。このような、変更可能仕様項目のそれぞれについての変更可能範囲内の設定値である仕様設定値と消費電力との関係が、消費電力情報として消費電力データベース3dに記憶されている。
【0061】
また、搬送装置である設備装置については、消費電力データベース3dには、消費電力情報として、設備装置の種類ごとの単位時間当たりの搬送量である単位搬送量と消費電力との関係も記憶されている。例えば、設備装置が、第1物品搬送設備101の物品搬送車30の場合、1時間当たりに搬送する物品Wの個数、1時間当たりに搬送する物品Wの総重量、物品Wが液体の場合には1時間当たりに搬送する物品Wの総容量等が、単位搬送量である。そして、単位搬送量の物品Wを搬送するために必要な消費電力が、それぞれの単位搬送量と関連つけられて消費電力データベース3dに記憶されている。物品搬送車30の台数によっても、当該消費電力は異なる場合があるため、上述した変更可能仕様項目にも応じて、単位搬送量の物品Wを搬送するために必要な消費電力が消費電力データベース3dに記憶されていると好適である。設備装置(搬送装置)が、他の装置である場合も同様であるから例示等、詳細な説明は省略する。
【0062】
上述したような種々の対象設備100における設備装置の消費電力は、それぞれの仕様に基づいて予め知ることができる。従って、消費電力データベース3dには、それらの仕様に基づく理論上の値として、消費電力情報を記憶することができる。
【0063】
しかし、理論上の数値と、実機の数値とは異なる場合もある。従って、消費電力データベース3dの構築時には、上記のように理論上の値に基づいて消費電力情報が記憶されてもよいが、消費電力情報は実機に基づく測定情報により更新されると好適である。例えば、設計システム1は、実際の設備装置における、仕様設定値及び単位搬送量ごとの消費電力を測定した結果である測定情報を記憶装置3に蓄積し、蓄積した測定情報に基づいて、消費電力データベース3dを更新することができる。このように、実機の測定情報に基づいて消費電力データベース3dが更新されると、電力演算部2cにおいて演算される消費電力情報の精度を高め易い。
【0064】
消費電力データベース3dには、装置選択処理部2aにより選択可能な全ての設備装置に関する消費電力情報が、全ての変更可能仕様項目に対応可能に記憶されていることが望ましい。電力演算部2cは、高い精度で対象設備100の予測消費電力を演算することができる。
【0065】
しかし、設備装置は、それぞれの設備に応じてカスタマイズされる場合もある。その場合、全ての設備装置に関する消費電力情報を記憶させて消費電力データベース3dを整備できない場合がある。そのような場合には、電力演算部2cが、装置選択処理部2aにより選択され、配置処理部2bにより仮想空間に配置された設備装置の変更可能仕様項目、仕様設定値及び単位搬送量が最も近いものの消費電力の情報を記憶装置3から取得し、当該取得した消費電力の情報を当該設備装置の消費電力の値とすると好適である。電力演算部2cが、変更可能仕様項目、仕様設定値及び単位搬送量などのパラメータが完全に一致していなくても、最も近いものの消費電力の情報を取得して設備装置の消費電力の値とすることで、電力演算部2cは、パラメータを適合させるための演算を別途行うなど、演算を複雑にすることなく、簡易な処理により予測消費電力を求めることができる。
【0066】
以下、対象設備100を設計し、仮想設備9と当該仮想設備9の予測消費電力とを出力する例について説明する。装置選択処理部2aは、設計者により入力装置4を介して指定され、選択された設備装置の配置及び仕様設定値の指定を受け付け、その指定に従って配置処理部2bが仮想空間に仮想設備9を構築する。この時点で、仮想設備9には、設備装置、変更可能仕様項目、仕様設定値が設定されている。電力演算部2cは、例えば設計者により入力装置4を介して与えられる搬送量指定情報を受け付ける。搬送量指定情報は、例えば1日当たりの総搬送量、1年当たりの総搬送量、瞬間的な最大搬送量等である。また、搬送量指定情報は、単一の物品搬送車30など、単一の設備装置(搬送装置)における搬送量であってもよいし、設備全体における搬送量であってもよい。電力演算部2cは、この搬送量情報に基づき、単位時間当たりの搬送量を決定する。単位搬送量の物品Wを搬送するために必要な消費電力は、上述したように消費電力データベース3dに記憶されている。従って、電力演算部2cは、搬送量指定情報と消費電力データベース3dとに基づいて、仮想空間に配置された複数の設備装置を含む仮想設備9の消費電力の予測値である予測消費電力を演算することができる。
【0067】
このように、本実施形態に係る設計システム1によれば、対象設備100のレイアウトを仮想空間において自由に設計することができる。その上で、設備装置によるそれぞれの搬送量が決まれば、任意のレイアウトの対象設備100における予測消費電力を適切に演算することができる。従って、例えば搬送効率や空間利用効率等だけでなく、消費電力も考慮した設備の設計が容易となる。
【0068】
〔実施形態の概要〕
以下、上記において説明した設計システムの概要について簡単に説明する。
【0069】
1つの態様として、搬送装置を含む複数種類の設備装置を組み合わせた設備を設計するための設計システムは、演算処理を行う演算装置と、前記演算処理のためのプログラム、及び、前記演算処理に用いるデータを記憶した記憶装置と、前記演算装置への入力を受け付ける入力装置と、前記演算装置による演算結果を出力する出力装置と、を備え、前記記憶装置は、前記設備装置の種類ごとに予め設定された消費電力情報が記憶された消費電力データベースを備え、前記消費電力情報には、前記設備装置の種類ごとの変更可能な仕様の項目である変更可能仕様項目のそれぞれについての変更可能範囲内の設定値である仕様設定値と消費電力との関係、及び、前記設備装置の種類ごとの単位時間当たりの搬送量である単位搬送量と消費電力との関係が規定され、前記演算装置は、前記入力装置からの入力に応じて前記演算処理を行う演算処理部として、選択可能な種類の前記設備装置のリストを前記出力装置に表示し、前記入力装置から前記設備装置の選択を受け付ける装置選択処理部と、前記装置選択処理部により選択された前記設備装置の配置及び前記仕様設定値の指定を受け付け、当該指定に従って仮想空間に前記設備装置を配置する配置処理部と、前記単位時間当たりの搬送量を決定するための情報である搬送量指定情報の入力を受け付け、当該搬送量指定情報と前記消費電力データベースとに基づいて、前記仮想空間に配置された複数の前記設備装置を含む仮想設備の消費電力の予測値である予測消費電力を演算する電力演算部と、を備え、前記出力装置は、前記仮想設備と前記電力演算部により演算された前記予測消費電力とを併せて出力する。
【0070】
本構成によれば、設備のレイアウトを仮想空間において自由に設計することができる。その上で、設備装置によるそれぞれの搬送量が決まれば、任意のレイアウトの設備における予測消費電力を適切に演算することができる。従って、例えば搬送効率や空間利用効率等だけでなく、消費電力も考慮した設備の設計が容易となる。即ち、本構成によれば、搬送車などの搬送装置を含む設備装置を組み合わせた設備を、適切に設計することができる設計システムを提供することができる。
【0071】
ここで、前記配置処理部は、前記設備装置の移動及び前記仕様設定値の変更指令を受け付け、当該変更指令に従って前記仮想空間における前記設備装置の配置及び前記仕様設定値を変更し、前記電力演算部は、前記仮想空間における前記設備装置の配置及び前記仕様設定値の少なくとも一方が変更されるごとに、当該変更後の前記仮想設備の前記予測消費電力を演算する処理を実行すると好適である。
【0072】
本構成によれば、設備のレイアウトを仮想空間において自由に変更しつつ、当該変更による設備の予測消費電力の変化を適切に反映させることができる。従って、設備のレイアウトの変更によって予測消費電力が変化しても、当該変更後の消費電力を考慮した適切な設備の設計が可能となる。
【0073】
また、設計システムは、実際の前記設備装置における、前記仕様設定値及び前記単位搬送量ごとの消費電力を測定した結果である測定情報を前記記憶装置に蓄積し、蓄積した前記測定情報に基づいて、前記消費電力データベースを更新すると好適である。
【0074】
本構成によれば、実機の測定情報に基づいて消費電力データベースが更新されることにより、消費電力情報の精度を高め易い。
【0075】
また、設計システムが、実際の前記設備装置における、前記仕様設定値及び前記単位搬送量ごとの消費電力を測定した結果である測定情報を前記記憶装置に蓄積し、前記電力演算部が、前記装置選択処理部により選択され、前記配置処理部により前記仮想空間に配置された前記設備装置の前記変更可能仕様項目、前記仕様設定値及び前記単位搬送量が最も近いものの消費電力の情報を前記記憶装置から取得し、当該取得した消費電力の情報を当該設備装置の消費電力の値とすると好適である。
【0076】
この構成によれば、変更可能仕様項目、仕様設定値及び単位搬送量が完全に一致していなくても、最も近いものの消費電力の情報を取得して設備装置の消費電力の値とするので、演算を複雑にすることなく、簡易な処理により予測消費電力を求めることができる。
【0077】
また、前記設備装置の種類が搬送経路に沿って物品を搬送する搬送台車である場合、前記変更可能仕様項目には、前記搬送台車の台数と、前記搬送経路の長さと、前記搬送経路の形状と、前記搬送台車に電力を供給する電源の構成とが含まれると好適である。
【0078】
本構成によれば、設備装置として搬送台車を含んでいる場合に、設備のレイアウトを仮想空間において自由に設計することができると共に、任意のレイアウトの設備における予測消費電力を適切に演算することができる。
【0079】
また、前記設備装置の種類がスタッカークレーンである場合、前記変更可能仕様項目には、前記スタッカークレーンの走行経路の長さと、前記スタッカークレーンの昇降高さとが含まれると好適である。
【0080】
本構成によれば、設備装置としてスタッカークレーンを含んでいる場合に、設備のレイアウトを仮想空間において自由に設計することができると共に、任意のレイアウトの設備における予測消費電力を適切に演算することができる。
【0081】
また、前記設備装置の種類がコンベヤである場合、前記変更可能仕様項目には、前記コンベヤが延在する搬送経路の長さが含まれると好適である。
【0082】
本構成によれば、設備装置としてコンベヤを含んでいる場合に、設備のレイアウトを仮想空間において自由に設計することができると共に、任意のレイアウトの設備における予測消費電力を適切に演算することができる。
【0083】
また、前記設備装置の種類が昇降装置である場合、前記変更可能仕様項目には、昇降高さと、同時搬送可能数とが含まれると好適である。
【0084】
本構成によれば、設備装置として昇降装置を含んでいる場合に、設備のレイアウトを仮想空間において自由に設計することができると共に、任意のレイアウトの設備における予測消費電力を適切に演算することができる。
【符号の説明】
【0085】
1 :設計システム
2 :演算装置
2a :装置選択処理部
2b :配置処理部
2c :電力演算部
3 :記憶装置
3d :消費電力データベース
4 :入力装置
5 :出力装置
9 :仮想設備
10 :走行経路
100 :対象設備(設備)
203 :スタッカークレーン
W :物品
図1
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