(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096834
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸の合成法
(51)【国際特許分類】
C07C 227/18 20060101AFI20240709BHJP
C07C 229/48 20060101ALI20240709BHJP
C07C 269/00 20060101ALI20240709BHJP
C07C 271/24 20060101ALI20240709BHJP
C07C 269/06 20060101ALI20240709BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240709BHJP
A61P 25/08 20060101ALI20240709BHJP
A61P 25/30 20060101ALI20240709BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20240709BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240709BHJP
C07D 317/72 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/196 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/215 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/357 20060101ALI20240709BHJP
A61K 31/27 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
C07C227/18 CSP
C07C229/48
C07C269/00
C07C271/24
C07C269/06
A61P43/00 111
A61P25/08
A61P25/30
A61P1/16
A61P35/00
C07D317/72
A61P43/00 121
A61K31/196
A61K31/215
A61K31/357
A61K31/27
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024062690
(22)【出願日】2024-04-09
(62)【分割の表示】P 2020565797の分割
【原出願日】2019-05-28
(31)【優先権主張番号】62/676,373
(32)【優先日】2018-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/814,026
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/835,776
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500041019
【氏名又は名称】ノースウェスタン ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ビー・シルバーマン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・モスキット
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コストを削減し、製造工程の数を減らし、環境に有害な廃棄物を減らし、製造効率を向上させる、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸のより大きなスケールの製造に適した製造方法を提供する。
【解決手段】(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸またはその塩の製造方法であって、エチル-シクロペンタ-3-エン-カルボキシレートを出発物質として、エチル(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレートを得、さらに脱保護により(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)に変換すること、を含む、製造方法とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその塩の製造方法であって、
(1R,4S)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(2)を、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)に変換すること;
(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)を、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)に変換すること;
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)を、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)に変換すること;
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)を、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)に変換すること;
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)を、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)に変換すること;
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)を、メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)に変換すること;および、
メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)を、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)に変換することであって、次いで任意に酸性化してその塩酸塩を得てもよいこと、
を含む、製造方法。
【請求項2】
(1R,4S)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(2)が、(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)に変換され;そして、(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)が、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)に変換される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(1R,4S)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(2)を、a.PMBOH、HC1、NaH、THF/DMF;および、b.DBDMH、AcOH、と反応させて、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)を得る、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)を、a.K2CO3、アルコール;および、b.2-ヨードキシ安息香酸(IBX)、MeCN、と反応させて、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)を得る、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)を、a.K2CO3、アルコール;および、b.TPAP、NMO、と反応させて、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)を得る、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)を、2-((ジフルオロメチル)スルフィニル)ピリジン(20)、KOtBu、DMF、NH4C1、HC1、と反応させて、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)を得る、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)を、tert-Bu1i、およびF2CHP(O)(OEt)2と反応させて、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)を得る、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)を、CAN、MeCN、H2O、と反応させて、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)を得る、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)を、Boc2O、DMAP、Et3N、CH2Cl2、と反応させて、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)を得る、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)を、K2CO3、メタノールまたはエタノール、と反応させて、メチルまたはエチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレートを得る、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)を、K2CO3、メタノール、CH3ONa、と反応させて、メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)を得る、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
メチルまたはエチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレートを、HClと反応させて、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩を得る、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法により製造された、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその塩の製造方法であって、
(1R,4S)-(-)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(2)を、(1R,4S)-(-)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)に変換すること;
(1R,4S)-(-)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)を、(1R,4R,6S,7R)-(+)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)に変換すること;
(1R,4R,6S,7R)-(+)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)を、(1R,4R,6S,7R)-(+)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)に変換すること;
(1R,4R,6S,7R)-(+)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)を、(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)に変換すること;
(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)を、(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)に変換すること;
(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)を、(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)に変換すること;
(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)を、(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)に変換すること;
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)を、(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)に変換すること;および、
(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)を、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)に変換することであって、次いで任意に酸性化してその塩酸塩を得てもよいこと、
を含む、製造方法。
【請求項15】
(1R,4S)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(2)を、4-メトキシベンジルクロリド、テトラブチルアンモニウムヨージド、およびリチウムビス(トリメチルシリル)アミド、と反応させて、(1R,4S)-(-)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)を得る、請求項14に記載の方法
【請求項16】
(1R,4S)-(-)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)を、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインと反応させて、(1R,4R,6S,7R)-(+)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)を得る、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
(1R,4R,6S,7R)-(+)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)を、メタノール中で炭酸カリウムと反応させて、(1R,4R,6S,7R)-(+)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)を得る、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
(1R,4R,6S,7R)-(+)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)を、ジクロロメタン、DMSO、およびトリエチルアミン中で、塩化オキサリルと反応させて、(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)を得る、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
(1R,4R,6S,7R)-(+)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)を、ジクロロメタン中で4-メチルモルホリン-N-オキシド、およびテトラプロピルアンモニウムペルルチナート、と反応させて、(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)を得る、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)を、DMF中で2-((ジフルオロメチル)スルフィニル)ピリジン(20)およびカリウムビス(トリメチルシリル)アミドと反応させ、NH4Clでクエンチして、(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)を得る、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
アセトニトリル中で(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)を、硝酸アンモニウムセリウム(IV)、MeCN、H2O、と反応させて、(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)を得る、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)を、Boc2O、DMAP、Et3N、CH2Cl2、と反応させて、(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)を得る、請求項14に記載の方法。
【請求項23】
(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)を、K2CO3、メタノールまたはエタノール、と反応させて、(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)を得る、請求項14に記載の方法。
【請求項24】
(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)を、HClと反応させて、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩を得る、請求項14に記載の方法。
【請求項25】
請求項1に記載の方法により製造された、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
請求項12に記載の方法により製造された、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩。
【請求項27】
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)またはその薬学的に許容される塩。
【請求項28】
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)またはその薬学的に許容される塩。
【請求項29】
メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(8)またはその薬学的に許容される塩。
【請求項30】
メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)またはその薬学的に許容される塩。
【請求項31】
(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)またはその薬学的に許容される塩。
【請求項32】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および以下の化合物の1つまたは複数:(1R,4S)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(2)、(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)、または、メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)、(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)、または前記の化合物のいずれかの薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
【請求項33】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgの(1R,4S)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(2)またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
【請求項34】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgの(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
【請求項35】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgの(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
【請求項36】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgの(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
【請求項37】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgの(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
【請求項38】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgの(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
【請求項39】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgの(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
【請求項40】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgの(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
【請求項41】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgのメチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
【請求項42】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgのエチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレートまたはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
【請求項43】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgの(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
【請求項44】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその塩の製造方法であって、
エチル-シクロペンタ-3-エン-カルボキシレート(10)を、(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)に変換すること;
(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)を、(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)に変換すること;
(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレートを、エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)に変換すること;
エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)を、エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)に変換すること;
エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)を、エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)に変換すること;および、
エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)を、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)に変換すること、
を含む、製造方法。
【請求項45】
エチル-シクロペンタ-3-エン-カルボキシレート(10)が、シャープレスアミノヒドロキシル化およびBoc保護により、(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)に変換される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)が、酸化により、(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)に変換される、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレートが保護され、エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)に変換される、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)が、フェニルセレニウムブロミド、塩基およびH2O2に供されて、エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)を得る、請求項44に記載の方法。
【請求項49】
エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)が脱保護され、ホーナー・ウィッティヒ反応に供されて、エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)を得る、請求項44に記載の方法。
【請求項50】
エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)が、トリフルオロ酢酸(TFA)、ジクロロメタン(DCM)および飽和NaHCO3によって、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)に変換される、請求項44に記載の方法。
【請求項51】
請求項44に記載の方法により製造された、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩。
【請求項52】
エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)またはその薬学的に許容される塩。
【請求項53】
エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)またはその薬学的に許容される塩。
【請求項54】
エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)またはその薬学的に許容される塩。
【請求項55】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および以下の化合物の1つまたは複数:エチル-シクロペンタ-3-エン-カルボキシレート(10)、(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)、(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)、エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)、エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)、エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)、または前記の化合物のいずれかの薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
【請求項56】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgのエチル-シクロペンタ-3-エン-カルボキシレート(10)またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
【請求項57】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgのエチル-シクロペンタ-3-エン-カルボキシレート(10)、(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
【請求項58】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgの(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
【請求項59】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgのエチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
【請求項60】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgのエチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
【請求項61】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgのエチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15))またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)により付与されたR01 DA030604の下で米国政府の支援を受けてなされた。米国政府は本発明において所定の権利を有する。
関連出願の相互参照
本願は、2018年5月25日に出願された米国仮出願第62/676,373号、2019年3月5日に出願された米国仮出願第62/814,026号、および2019年4月18日に出願された米国仮出願第62/835,776号、についての利益と優先権を主張し、これらはすべて参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
技術分野
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸の合成。
【背景技術】
【0002】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸は、γ-アミノ酪酸アミノトランスフェラーゼ(GABA-AT)の阻害剤であり、てんかん、依存症、および肝細胞癌の可能な治療剤として示されている。例えば、米国特許第9,670,141号、および、Juncosa et al., J. Am. Chem. Soc. 2018, 140, 2151-2164、参照。GABAは、中枢神経系(CNS)において抑制性の神経伝達物質である。脳内のGABA濃度が閾値レベルを下回ると、けいれんが発生する可能性がある。GABAレベルを上げると、けいれんが止まることが示されている。さらに、GABAの濃度の増加は、報酬(reward)とモチベーションに関連する視床下部の領域である側坐核からのドーパミンの放出に拮抗し、依存症の可能な治療法として提案されている。残念ながら、GABAは血液脳関門を通過しないため、GABAの直接投与は実行可能でない。しかしながら、GABA濃度は、GABAアミノトランスフェラーゼ(GABA-AT)を阻害することで増加させることができる。ビガバトリン(Sabril(商標)として販売)としても知られる4-アミノヘキサ-5-エン酸は、現在、点頭てんかんの治療のためにFDAが承認した唯一のGABA-AT阻害剤であり、依存症の可能な治療剤として示されている。しかしながら、ビガバトリンは大用量(1~3g/日)を必要とし、複数のGABA受容体を阻害し、長期間使用すると、患者の25~40%に網膜損傷を引き起こす。
【0003】
ラットのインビボの研究では、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸が、コカインまたはニコチンへの曝露後に、線条体におけるドーパミンの放出を抑制することにおいて、従前のGABA-AT阻害剤よりも優れていることが示されている。(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸は、アラニンアミノトランスフェラーゼ、およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼのような、オフターゲットのアミノトランスフェラーゼ酵素を阻害しない。さらに、hERGカリウムイオンチャネル、またはさまざまなミクロソームシトクロムP450酵素を阻害しない。
【0004】
既存の技術によれば、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸は、(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸(CPP-115としても知られている)から6工程で合成されている。
【化1】
例えば、上記のJuncosa et al., J. Am. Chem. Soc.、および米国特許第7,381,748号、第6,794,413号および第9,670,141号が参照され、そのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
CPP-115は、GABA-AT阻害剤であり、現在、てんかんの治療のための臨床試験が行われている。(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸は、GABA-ATの活性化剤として、CPP-115の9.8倍効果的であることが確認されている。CPP-115の合成は、8工程であるため、市販の出発物質から(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸までの合成の総工程数は14となり、全体の収率は3.7%である。CPP-115の合成では、可燃性の高いtert-ブチルリチウムを(グラムスケールで)用いて、1,1’-ジフルオロオレフィンを導入するが、これは、反応を実施できるスケールを制限する。さらに、既存の合成は、セレノキシド脱離によるシクロペンテンの導入に依存している。収率はスケールによって異なるものの、保護されたCPP-115は、70%の収率でセレン化される。化合物Aのα脱離により、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸に有利な5:3の比率のクロマトグラフィーで分離できない異性体の混合物が得られる。化合物Bは、チオサリチル酸を用いて選択的に分解され、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸が、単独で化合物Aから36%の総収率で生成される。小さいバッチの(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸のみが、既存の技術を用いて得ることができる。さらに、セレンは毒性があり、FDAによって80~150μg/日未満のレベルに規制されているため、最後から2番目の工程でのセレノールの生成は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸の合成と精製を複雑にする。
【0006】
したがって、コストを削減し、製造工程の数を減らし、環境に有害な廃棄物を減らし、製造効率を向上させる、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸のより大きなスケールの製造に適した製造方法が必要とされる。
【発明の概要】
【0007】
(1R,4S)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(2)を、(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)に変換すること、を含む、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその塩の製造方法、が提供される。(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)は、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)に変換される。(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)は、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)に変換される。(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)に変換される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)に変換される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)に変換される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)に変換される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)は、メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)に変換される。メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)に変換される。
【0008】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)は、本明細書に記載の方法によって製造される。(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)を含む組成物が本明細書に記載される。(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)を含む医薬組成物が本明細書に記載される。
【0009】
(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)が、本明細書で提供される。(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)を含む組成物が、本明細書で提供される。(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)を含む医薬組成物が、本明細書で提供される。(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)は、本明細書に開示の方法によって製造される。
【0010】
(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)が、本明細書で提供される。(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)を含む組成物が、本明細書で提供される。(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)を含む医薬組成物が、本明細書で提供される。(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)は、本明細書に開示の方法によって製造される。
【0011】
(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)が、本明細書で提供される。(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)を含む組成物が、本明細書で提供される。(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)を含む医薬組成物が、本明細書で提供される。(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)は、本明細書に開示の方法によって製造される。
【0012】
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)が、本明細書で提供される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)を含む組成物が、本明細書で提供される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)を含む医薬組成物が、本明細書で提供される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)は、本明細書に記載の方法によって製造される。
【0013】
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)が、本明細書で提供される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)を含む組成物が、本明細書で提供される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)を含む医薬組成物が、本明細書で提供される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オンは、本明細書に記載の方法によって製造される。
【0014】
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)が、本明細書で提供される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)を含む組成物が、本明細書で提供される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)を含む医薬組成物が、本明細書で提供される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)は、本明細書に記載の方法によって製造される。
【0015】
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)が、本明細書で提供される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)を含む組成物が、本明細書で提供される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)を含む医薬組成物が、本明細書で提供される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)は、本明細書に記載の方法によって製造される。
【0016】
メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)が、本明細書で提供される。メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)を含む組成物が、本明細書で提供される。メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)を含む医薬組成物が、本明細書で提供される。メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)は、本明細書に記載の方法によって製造される。
【0017】
(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)が、本明細書で提供される。(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)を含む組成物が、本明細書で提供される。(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)を含む医薬組成物が、本明細書で提供される。(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)は、本明細書に記載の方法によって製造される。
【0018】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)、および(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、を含む組成物が提供される。(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)、および(1S,3S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチリデン)シクロペンタン-1-カルボン酸、を含む医薬組成物が提供される。
【0019】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)、および、(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)、メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)、または、(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)、の1つまたは複数、を含む、組成物が提供される。
【0020】
エチル-シクロペンタ-3-エン-カルボキシレート(10)を、(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)に変換すること、を含む、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)の製造方法が提供される。(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)は、(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)に変換される。(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレートは、エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)に変換される。エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)は、エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)に変換される。エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)は、エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)に変換される。エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)に変換される。
【0021】
(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)が、本明細書で提供される。(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)を含む組成物が、本明細書で提供される。(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)を含む医薬組成物が、本明細書で提供される。(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)は、本明細書に記載の方法によって製造される。
【0022】
(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)が、本明細書で提供される。(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)を含む組成物が、本明細書で提供される。(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)を含む医薬組成物が、本明細書で提供される。(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)は、本明細書に記載の方法によって製造される。
【0023】
エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)が、本明細書で提供される。エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)を含む組成物が、本明細書で提供される。エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)を含む医薬組成物が、本明細書で提供される。エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)は、本明細書に記載の方法によって製造される。
【0024】
エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)が、本明細書で提供される。エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)を含む組成物が、本明細書で提供される。エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)を含む医薬組成物が、本明細書で提供される。エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)は、本明細書に記載の方法によって製造される。
【0025】
エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)が、本明細書で提供される。エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)を含む組成物が、本明細書で提供される。エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)を含む医薬組成物が、本明細書で提供される。エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)は、本明細書に記載の方法によって製造される。
【0026】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)、および、エチル-シクロペンタ-3-エン-カルボキシレート(10)、(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)、(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)、エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)、エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)、または、エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)、の1つまたは複数、を含む、組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)の、500MHzの
1H NMRスペクトル(CDCl
3)、である。
【
図2】
図2は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)の、
13C NMRスペクトル(CDCl
3;126MHz)、である。
【
図3】
図3は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)の、127.5MHzの
19F NMRスペクトル(CDCl
3)、である。
【
図4】
図4は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)の、500MHzの
1H NMRスペクトル(CDCl
3)、である。
【
図5】
図5は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)の、
13C NMRスペクトル(CDCl
3;126MHz)、である。
【
図6】
図6は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)の、127.5MHzの
19F NMRスペクトル(CDCl
3)、である。
【
図7】
図7は、メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)の、500MHzの
1H NMRスペクトル(CDCl
3)、である。
【
図8】
図8は、メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)の、
13C NMRスペクトル(CDCl
3;126MHz)、である。
【
図9】
図9は、メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)の、127.5MHzの
19F NMRスペクトル(CDCl
3)、である。
【
図10】
図10は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)の、500MHzの
1H NMRスペクトル(CDCl
3)、である。
【
図11】
図11は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)の、
13C NMRスペクトル(CDCl
3;126MHz)、である。
【
図12】
図12は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)の、127.5MHzの
19F NMRスペクトル(CDCl
3)、である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書において、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)を製造するための、方法、化合物および組成物、が提供される。本明細書の方法は、既存の技術と比較して、スケーラブル(scalable)で高収率であり、セレンおよびtert-ブチルリチウムの使用を避け、α-脱離による複数の異性体の形成を避ける。実施形態においては、本方法は、β位からの脱離基の除去を組み込み、異性体混合物が生じるのを避け、既存の技術と比較して合成工程の数を14から9に減らし、収率を3.7%から8.1%に向上させる。
【0029】
実施形態において、(1R,4S)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(2)で出発する(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)の合成は、スキーム1で示される。
スキーム1
【化2】
AC=アセチル、PMB=4-メトキシベンジル、PG=保護基
【0030】
スキーム1によれば、(1R,4S)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(2)を、(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)に変換すること、を含む、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその塩の製造方法、が提供される。(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)は、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)に変換される。(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)に変換される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)に変換される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)に変換される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)に変換される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)は、メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)に変換される。メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)に変換される。
【0031】
実施形態において、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)の合成は、スキーム1Aで示される。
スキーム1A
【化3】
略語: PMBOH:4-メトキシベンジルアルコール; DMF:N-N-ジメチルホルムアミド; DBDMH:1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン; TPAP:テトラプロピルアンモニウムペルルテナート; NMO:N-メチルモルホリン-N-オキシド; CAN:亜硝酸アンモニウムセリウム; DMAP:N,N-ジメチルアミノピリジン
【0032】
実施形態において、(1R,4S)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(2)(ビンスラクタム(Vince lactam)としても知られている)から出発し、PMBOH/HClの使用などの文献の修正の工程(Qiu, J.; Silverman, R. B. J. Med. Chem. 2000, 43, 706-720参照)が行われ、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)が、マルチグラムスケールで得られる(スキーム1A):a.PMBOH、HCl、NaH、THF/DMF;b.DBDMH、AcOH。アセテートのアルコール分解と酸化により、ケトン (1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)が得られる:c.K2CO3、アルコール;d.TPAP、NMO、4ÅMS、CH2Cl2、2工程にわたる。上記により、ケトン5のジフルオロ-ホーナー-ワズワース-エモンズ・オレフィン化が可能になる。2-((ジフルオロメチル)スルフィニル)ピリジン(20)(Hu試薬としても知られている)を、塩基としてKOtBuと用いると、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)が得られる:e.2-((ジフルオロメチル)スルフィニル)ピリジン(20)、KOtBu、DMF、次にNH4Cl、次にHCl。あるいは、e.は、tert-BuLiおよびF2CHP(O)(OEt)2となり得る(Pan, Y.; Qiu, J.; Silverman, R. B. J. Med. Chem. 2003, 46, 5292-5293、参照)。次の工程は、ラクタムのアルコール分解と脱離である。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)の脱保護によって、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)が得られる:f.CAN、MeCN、H2O。少量の4-メトキシベンゾイルで保護されたラクタムも単離され得る。ラクタム (1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)のBoc保護により、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)が得られる:g.Boc2O、DMAP、Et3N、CH2Cl2。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)のK2CO3およびアルコールによるアルコール分解は、続いてブロミドの脱離を導き、メチルまたはエチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)が得られる:h.K2CO3、アルコール、2工程にわたる。HCl中の最終の脱保護により、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)が、測定可能な異性化または分解なしに得られる:i.HCl、ジオキサン。上記のスキームではメタノールを示したが、エタノールまたはプロパノールなどのアルコールがアルコールとして使用し得ることが理解される。
【0033】
実施形態において、(1R,4S)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(2)(ビンスラクタム)から出発し、例えば、PMBOH/HClの使用などの文献の修正の工程(Qiuら、前述参照)が行われ、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)が、マルチグラムスケールで得られ(スキーム1A):a.PMBOH(1~2当量)、HCl、NaH(0.8~1.5当量)、0~5℃、THF/DMF(0.75~1.5:0.75~1.5)、4~8h;b.DBDMH(0.4~0.8当量)、AcOH、15~30℃、4~8h;アセテートのメタノール分解と酸化により、ケトン (1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)が得られる:c.K2CO3(2~4当量)、MeOH、0.5~2h;d.TPAP(0.001~0.2当量)、NMO(1.0~3.0当量)、4ÅMS、CH2Cl2、15~25h、2工程にわたる。上記により、ケトン5のジフルオロ-ホーナー-ワズワース-エモンズ・オレフィン化が可能になる。2-((ジフルオロメチル)スルフィニル)ピリジン(20)(Hu試薬)を、塩基としてKOtBuと用いると、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)が、例えば、15分~2時間かけて塩基の注入、NH4Cl/HCl(6M)クエンチで、得られる:e.2-((ジフルオロメチル)スルフィニル)ピリジン(20)(1.0~1.5当量)、KOtBu(1.25~1.75当量)、DMF、-80~-40℃、15~60分、次にNH4Cl、次にHCl、次に15~30℃、次に40~80℃、1h。あるいは、e.は、tert-BuLiおよびF2CHP(O)(OEt)2となり得る(Pan, Y.ら、前述参照)。次の工程は、ラクタムのメタノール分解と脱離である。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)の脱保護によって、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)が得られる:f.CAN(2~4当量)、MeCN、H2O、-10~10℃、0.75~2h。少量の4-メトキシベンゾイルで保護されたラクタムも単離され得る。ラクタム (1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)のBoc保護により、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)が得られる:g.Boc2O(1.0~1.5当量)、DMAP(0.01~0.5当量)、Et3N(1.0~2.0当量)、CH2Cl2、0.5~2.0h。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)のK2CO3およびメタノールによるメタノール分解は、続いてブロミドの脱離を導き、メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)が得られる:h.K2CO3(2~4当量)、MeOH、4~8h、2工程にわたる。6MのHCl中の70~90℃での最終の脱保護により、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)が、測定可能な異性化または分解なしに得られる:i.HCl(6M)、ジオキサン、70~90℃、1~3h。
【0034】
実施形態において、(1R,4S)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(2)(ビンスラクタム)から出発し、PMBOH/HClの使用などの文献の修正の工程(Qiuら、前述参照)が行われ、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)が、マルチグラムスケールで得られ(スキーム1A):a.PMBOH(1.5当量)、HCl、NaH(1.1当量)、0℃、THF/DMF(1:1)、6h、73%;b.DBDMH(0.6当量)、AcOH、23℃、6h、90%;アセテートのメタノール分解と酸化により、ケトン (1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)が得られる:c.K2CO3(3当量)、MeOH、1h;d.TPAP(0.01当量)、NMO(2.0当量)、4ÅMS、CH2Cl2、18h、52%、2工程にわたる。上記により、これらの工程をマルチグラムスケールで実施する態様が提供され、ケトン5のジフルオロ-ホーナー-ワズワース-エモンズ・オレフィン化が可能になる。Huが報告した条件(Zhao, Y.; Huang, W.; Zhu, L.; Hu, J. Org. Lett. 2010, 12, 1444-1447、参照)によって、2-((ジフルオロメチル)スルフィニル)ピリジン(20)(Hu試薬)を、塩基としてKOtBuと用いると、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)が、少ない量(収率<10%)で得られる。30分以上かけた塩基のゆっくりの注入と、NH4Cl/HCl(6M)クエンチは、収率を45%に劇的に向上させる。塩基の注入を1時間に延ばすと、収率は58%に向上する。以下の表1を参照されたい。反応はスケールの影響をあまり受けず、3.5gまでの(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)のスケールアップが収率の低下なく可能である:e.2-((ジフルオロメチル)スルフィニル)ピリジン(20)(1.2当量)、KOtBu(1.5当量)、DMF、-60℃、30分、次にNH4Cl、次に6MのHCl、次に23℃、次に60℃、1h。あるいは、e.は、tert-BuLiおよびF2CHP(O)(OEt)2となり得る(Pan, Y.ら、前述参照)。次の工程は、ラクタムのメタノール分解と脱離である。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)の脱保護によって、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)が、収率80%で、得られる:f.CAN(3当量)、MeCN、H2O、0℃、1h。少量の4-メトキシベンゾイルで保護されたラクタムも単離され得る。ラクタム (1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)のBoc保護により、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)が得られる:g.Boc2O(1.2当量)、DMAP(0.1当量)、Et3N(1.5当量)、CH2Cl2、1h。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)のK2CO3およびメタノールによるメタノール分解は、続いてブロミドの脱離を導き、メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)が得られる:h.K2CO3(3当量)、MeOH、6h、2工程にわたる。6MのHCl中の80℃での最終の脱保護により、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)が、測定可能な異性化または分解なしに、収率97%で、得られる:i.HCl(6M)、ジオキサン、80℃、2h。全体として、ビンスラクタム(2)から、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)までの収率は、8.1%である。
【0035】
【0036】
実施形態において、いかなる理論に縛られるものではないが、以下は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)のフッ素化の提案されるメカニズムである。
【化4】
【0037】
上記に示すように、フッ素化反応の過程で複数の中間体が形成される。最初に形成される中間体21は、転位により環状中間体22を介してスルホネート23を形成し、これが、次にプロトン化されて、脱離とオレフィンの形成を引き起こす(上記参照)。5と20の混合物にKOtBuを添加してから5分後に、反応を-60℃で6MのHClでクエンチした場合、LC/MSでは21のみが測定された(表1の項番1)。KOtBuの添加に続く-60℃での6MのHClクエンチ(表1の項番2)、続いて60℃で1時間の加熱では、出発物質と中間体21とともに、6が9%の収率で得られた。1時間後の飽和NH4Cl溶液クエンチに続く6MのHClでは、収率がやや向上した(表1、項番3)。シリンジポンプによる30分かけたゆっくりな塩基の注入と、NH4Cl/HCl(6M)クエンチでは、収率が45%に劇的に増加した。塩基の注入を1時間に延長すると、収率が58%に増加した。
【0038】
実施形態において、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)の合成は、スキーム2で示される。
スキーム2
【化5】
ラセミ体合成収率(%)は、(s)-異性体収率(%)よりも高くなる。
略語: LiHMDS:リチウムビス(トリメチルシリル)アミド; THF:テトラヒドロフラン; PMB:4-メトキシベンジル; DBDMH:1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン; TPAP:テトラプロピルアンモニウムペルルテナート; CAN:亜硝酸アンモニウムセリウム; DMAP:N,N-ジメチルアミノピリジン
【0039】
スキーム2によれば、(1R,4S)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(2)を、(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)に変換すること、を含む、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその塩の製造方法、が提供される。(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)は、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)に変換される。(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)は、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)に変換される。(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)に変換される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)に変換される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)に変換される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)に変換される。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)は、(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)に変換される。(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)に変換される。
【0040】
実施形態において、以下の化合物が提供される:
【化6】
(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)
【0041】
【化7】
(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)
【0042】
【化8】
(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)
【0043】
【化9】
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)
【0044】
【化10】
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)
【0045】
【化11】
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)
【0046】
【化12】
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)
【0047】
【化13】
メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)
【0048】
【化14】
(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)
【0049】
実施形態において、(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)またはその塩を含む組成物が、本明細書で提供される。そのような組成物は、本明細書に記載されるような反応混合物を含み得る。(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)またはその塩を含む組成物は、極性溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、DMF、酢酸など)または非極性溶媒(例えば、ジエチルエーテル、ヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチルなど)を含み得る。(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)またはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、医薬組成物となり得る。組成物は、(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)またはその塩を、0.0001mg~50mgまたはそれ以上の量で、含み得る。例えば、医薬組成物は、(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)またはその薬学的に許容される塩を、0.0001mg以上の量で、例えば、0.0001mg~0.0002mg、0.0001mg~0.0003mg、0.0002mg~0.0003mg、0.0003mg~0.0004mg、0.0004mg~0.0005mg、0.0005mg~0.0006mg、0.0006mg~0.0007mg、0.0007mg~0.0008mg、0.0008mg~0.0009mg、0.0009mg~0.001mg、0.001mg~0.002mg、0.002mg~0.003mg、0.003mg~0.004mg、0.004mg~0.005mg、0.005mg~0.006mg、0.006mg~0.007mg、0.007mg~0.008mg、0.008mg~0.009mg、0.009mg~0.01mg、0.01mg~0.02mg、0.02mg~0.03mg、0.03mg~0.04mg、0.04mg~0.05mg、0.05mg~0.06mg、0.06mg~0.07mg、0.07mg~0.08mg、0.08mg~0.09mg、0.09mg~0.1mg、0.1mg~0.2mg、0.2mg~0.3mg、0.3mg~0.4mg、0.4mg~0.5mg、0.5mg~0.6mg、0.6mg~0.7mg、0.7mg~0.8mg、0.8mg~0.9mg、0.9mg~1.0mg、1.0mg~2.0mg、2.0mg~3.0mg、3.0mg~4.0mg、4.0mg~5.0mg、5.0mg~6.0mg、6.0mg~7.0mg、7.0mg~8.0mg、8.0mg~9.0mg、または、9.0mg~10mg、で含み得る。
【0050】
実施形態において、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)またはその塩を含む組成物が、本明細書で提供される。そのような組成物は、本明細書に記載されるような反応混合物を含み得る。(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)またはその塩を含む組成物は、極性溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、DMF、酢酸など)または非極性溶媒(例えば、ジエチルエーテル、ヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチルなど)を含み得る。(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)またはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、医薬組成物となり得る。組成物は、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)またはその塩を、0.0001mg~50mgまたはそれ以上の量で、含み得る。例えば、医薬組成物は、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)またはその薬学的に許容される塩を、0.0001mg以上の量で、例えば、0.0001mg~0.0002mg、0.0001mg~0.0003mg、0.0002mg~0.0003mg、0.0003mg~0.0004mg、0.0004mg~0.0005mg、0.0005mg~0.0006mg、0.0006mg~0.0007mg、0.0007mg~0.0008mg、0.0008mg~0.0009mg、0.0009mg~0.001mg、0.001mg~0.002mg、0.002mg~0.003mg、0.003mg~0.004mg、0.004mg~0.005mg、0.005mg~0.006mg、0.006mg~0.007mg、0.007mg~0.008mg、0.008mg~0.009mg、0.009mg~0.01mg、0.01mg~0.02mg、0.02mg~0.03mg、0.03mg~0.04mg、0.04mg~0.05mg、0.05mg~0.06mg、0.06mg~0.07mg、0.07mg~0.08mg、0.08mg~0.09mg、0.09mg~0.1mg、0.1mg~0.2mg、0.2mg~0.3mg、0.3mg~0.4mg、0.4mg~0.5mg、0.5mg~0.6mg、0.6mg~0.7mg、0.7mg~0.8mg、0.8mg~0.9mg、0.9mg~1.0mg、1.0mg~2.0mg、2.0mg~3.0mg、3.0mg~4.0mg、4.0mg~5.0mg、5.0mg~6.0mg、6.0mg~7.0mg、7.0mg~8.0mg、8.0mg~9.0mg、または、9.0mg~10mg、で含み得る。
【0051】
実施形態において、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)またはその塩を含む組成物が、本明細書で提供される。そのような組成物は、本明細書に記載されるような反応混合物を含み得る。(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)またはその塩を含む組成物は、極性溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、DMF、酢酸など)または非極性溶媒(例えば、ジエチルエーテル、ヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチルなど)を含み得る。(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)またはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、医薬組成物となり得る。組成物は、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)またはその塩を、0.0001mg~50mgまたはそれ以上の量で、含み得る。例えば、医薬組成物は、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)またはその薬学的に許容される塩を、0.0001mg以上の量で、例えば、0.0001mg~0.0002mg、0.0001mg~0.0003mg、0.0002mg~0.0003mg、0.0003mg~0.0004mg、0.0004mg~0.0005mg、0.0005mg~0.0006mg、0.0006mg~0.0007mg、0.0007mg~0.0008mg、0.0008mg~0.0009mg、0.0009mg~0.001mg、0.001mg~0.002mg、0.002mg~0.003mg、0.003mg~0.004mg、0.004mg~0.005mg、0.005mg~0.006mg、0.006mg~0.007mg、0.007mg~0.008mg、0.008mg~0.009mg、0.009mg~0.01mg、0.01mg~0.02mg、0.02mg~0.03mg、0.03mg~0.04mg、0.04mg~0.05mg、0.05mg~0.06mg、0.06mg~0.07mg、0.07mg~0.08mg、0.08mg~0.09mg、0.09mg~0.1mg、0.1mg~0.2mg、0.2mg~0.3mg、0.3mg~0.4mg、0.4mg~0.5mg、0.5mg~0.6mg、0.6mg~0.7mg、0.7mg~0.8mg、0.8mg~0.9mg、0.9mg~1.0mg、1.0mg~2.0mg、2.0mg~3.0mg、3.0mg~4.0mg、4.0mg~5.0mg、5.0mg~6.0mg、6.0mg~7.0mg、7.0mg~8.0mg、8.0mg~9.0mg、または、9.0mg~10mg、で含み得る。
【0052】
実施形態において、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)またはその塩を含む組成物が、本明細書で提供される。そのような組成物は、本明細書に記載されるような反応混合物を含み得る。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)またはその塩を含む組成物は、極性溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、DMF、酢酸など)または非極性溶媒(例えば、ジエチルエーテル、ヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチルなど)を含み得る。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)またはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、医薬組成物となり得る。組成物は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)またはその塩を、0.0001mg~50mgまたはそれ以上の量で、含み得る。例えば、医薬組成物は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)またはその薬学的に許容される塩を、0.0001mg以上の量で、例えば、0.0001mg~0.0002mg、0.0001mg~0.0003mg、0.0002mg~0.0003mg、0.0003mg~0.0004mg、0.0004mg~0.0005mg、0.0005mg~0.0006mg、0.0006mg~0.0007mg、0.0007mg~0.0008mg、0.0008mg~0.0009mg、0.0009mg~0.001mg、0.001mg~0.002mg、0.002mg~0.003mg、0.003mg~0.004mg、0.004mg~0.005mg、0.005mg~0.006mg、0.006mg~0.007mg、0.007mg~0.008mg、0.008mg~0.009mg、0.009mg~0.01mg、0.01mg~0.02mg、0.02mg~0.03mg、0.03mg~0.04mg、0.04mg~0.05mg、0.05mg~0.06mg、0.06mg~0.07mg、0.07mg~0.08mg、0.08mg~0.09mg、0.09mg~0.1mg、0.1mg~0.2mg、0.2mg~0.3mg、0.3mg~0.4mg、0.4mg~0.5mg、0.5mg~0.6mg、0.6mg~0.7mg、0.7mg~0.8mg、0.8mg~0.9mg、0.9mg~1.0mg、1.0mg~2.0mg、2.0mg~3.0mg、3.0mg~4.0mg、4.0mg~5.0mg、5.0mg~6.0mg、6.0mg~7.0mg、7.0mg~8.0mg、8.0mg~9.0mg、または、9.0mg~10mg、で含み得る。
【0053】
実施形態において、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)またはその塩を含む組成物が、本明細書で提供される。そのような組成物は、本明細書に記載されるような反応混合物を含み得る。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)またはその塩を含む組成物は、極性溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、DMF、酢酸など)または非極性溶媒(例えば、ジエチルエーテル、ヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチルなど)を含み得る。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)またはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、医薬組成物となり得る。組成物は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)またはその塩を、0.0001mg~50mgまたはそれ以上の量で、含み得る。例えば、医薬組成物は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)またはその薬学的に許容される塩を、0.0001mg以上の量で、例えば、0.0001mg~0.0002mg、0.0001mg~0.0003mg、0.0002mg~0.0003mg、0.0003mg~0.0004mg、0.0004mg~0.0005mg、0.0005mg~0.0006mg、0.0006mg~0.0007mg、0.0007mg~0.0008mg、0.0008mg~0.0009mg、0.0009mg~0.001mg、0.001mg~0.002mg、0.002mg~0.003mg、0.003mg~0.004mg、0.004mg~0.005mg、0.005mg~0.006mg、0.006mg~0.007mg、0.007mg~0.008mg、0.008mg~0.009mg、0.009mg~0.01mg、0.01mg~0.02mg、0.02mg~0.03mg、0.03mg~0.04mg、0.04mg~0.05mg、0.05mg~0.06mg、0.06mg~0.07mg、0.07mg~0.08mg、0.08mg~0.09mg、0.09mg~0.1mg、0.1mg~0.2mg、0.2mg~0.3mg、0.3mg~0.4mg、0.4mg~0.5mg、0.5mg~0.6mg、0.6mg~0.7mg、0.7mg~0.8mg、0.8mg~0.9mg、0.9mg~1.0mg、1.0mg~2.0mg、2.0mg~3.0mg、3.0mg~4.0mg、4.0mg~5.0mg、5.0mg~6.0mg、6.0mg~7.0mg、7.0mg~8.0mg、8.0mg~9.0mg、または、9.0mg~10mg、で含み得る。
【0054】
実施形態において、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)またはその塩を含む組成物が、本明細書で提供される。そのような組成物は、本明細書に記載されるような反応混合物を含み得る。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)またはその塩を含む組成物は、極性溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、DMF、酢酸など)または非極性溶媒(例えば、ジエチルエーテル、ヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチルなど)を含み得る。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)またはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、医薬組成物となり得る。組成物は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)またはその塩を、0.0001mg~50mgまたはそれ以上の量で、含み得る。例えば、医薬組成物は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)またはその薬学的に許容される塩を、0.0001mg以上の量で、例えば、0.0001mg~0.0002mg、0.0001mg~0.0003mg、0.0002mg~0.0003mg、0.0003mg~0.0004mg、0.0004mg~0.0005mg、0.0005mg~0.0006mg、0.0006mg~0.0007mg、0.0007mg~0.0008mg、0.0008mg~0.0009mg、0.0009mg~0.001mg、0.001mg~0.002mg、0.002mg~0.003mg、0.003mg~0.004mg、0.004mg~0.005mg、0.005mg~0.006mg、0.006mg~0.007mg、0.007mg~0.008mg、0.008mg~0.009mg、0.009mg~0.01mg、0.01mg~0.02mg、0.02mg~0.03mg、0.03mg~0.04mg、0.04mg~0.05mg、0.05mg~0.06mg、0.06mg~0.07mg、0.07mg~0.08mg、0.08mg~0.09mg、0.09mg~0.1mg、0.1mg~0.2mg、0.2mg~0.3mg、0.3mg~0.4mg、0.4mg~0.5mg、0.5mg~0.6mg、0.6mg~0.7mg、0.7mg~0.8mg、0.8mg~0.9mg、0.9mg~1.0mg、1.0mg~2.0mg、2.0mg~3.0mg、3.0mg~4.0mg、4.0mg~5.0mg、5.0mg~6.0mg、6.0mg~7.0mg、7.0mg~8.0mg、8.0mg~9.0mg、または、9.0mg~10mg、で含み得る。
【0055】
実施形態において、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)またはその塩を含む組成物が、本明細書で提供される。そのような組成物は、本明細書に記載されるような反応混合物を含み得る。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)またはその塩を含む組成物は、極性溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、DMF、酢酸など)または非極性溶媒(例えば、ジエチルエーテル、ヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチルなど)を含み得る。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)またはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、医薬組成物となり得る。組成物は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)またはその塩を、0.0001mg~50mgまたはそれ以上の量で、含み得る。例えば、医薬組成物は、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)またはその薬学的に許容される塩を、0.0001mg以上の量で、例えば、0.0001mg~0.0002mg、0.0001mg~0.0003mg、0.0002mg~0.0003mg、0.0003mg~0.0004mg、0.0004mg~0.0005mg、0.0005mg~0.0006mg、0.0006mg~0.0007mg、0.0007mg~0.0008mg、0.0008mg~0.0009mg、0.0009mg~0.001mg、0.001mg~0.002mg、0.002mg~0.003mg、0.003mg~0.004mg、0.004mg~0.005mg、0.005mg~0.006mg、0.006mg~0.007mg、0.007mg~0.008mg、0.008mg~0.009mg、0.009mg~0.01mg、0.01mg~0.02mg、0.02mg~0.03mg、0.03mg~0.04mg、0.04mg~0.05mg、0.05mg~0.06mg、0.06mg~0.07mg、0.07mg~0.08mg、0.08mg~0.09mg、0.09mg~0.1mg、0.1mg~0.2mg、0.2mg~0.3mg、0.3mg~0.4mg、0.4mg~0.5mg、0.5mg~0.6mg、0.6mg~0.7mg、0.7mg~0.8mg、0.8mg~0.9mg、0.9mg~1.0mg、1.0mg~2.0mg、2.0mg~3.0mg、3.0mg~4.0mg、4.0mg~5.0mg、5.0mg~6.0mg、6.0mg~7.0mg、7.0mg~8.0mg、8.0mg~9.0mg、または、9.0mg~10mg、で含み得る。
【0056】
実施形態において、メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)またはその塩を含む組成物が、本明細書で提供される。そのような組成物は、本明細書に記載されるような反応混合物を含み得る。メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)またはその塩を含む組成物は、極性溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、DMF、酢酸など)または非極性溶媒(例えば、ジエチルエーテル、ヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチルなど)を含み得る。メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)またはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、医薬組成物となり得る。組成物は、メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)またはその塩を、0.0001mg~50mgまたはそれ以上の量で、含み得る。例えば、医薬組成物は、メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)またはその薬学的に許容される塩を、0.0001mg以上の量で、例えば、0.0001mg~0.0002mg、0.0001mg~0.0003mg、0.0002mg~0.0003mg、0.0003mg~0.0004mg、0.0004mg~0.0005mg、0.0005mg~0.0006mg、0.0006mg~0.0007mg、0.0007mg~0.0008mg、0.0008mg~0.0009mg、0.0009mg~0.001mg、0.001mg~0.002mg、0.002mg~0.003mg、0.003mg~0.004mg、0.004mg~0.005mg、0.005mg~0.006mg、0.006mg~0.007mg、0.007mg~0.008mg、0.008mg~0.009mg、0.009mg~0.01mg、0.01mg~0.02mg、0.02mg~0.03mg、0.03mg~0.04mg、0.04mg~0.05mg、0.05mg~0.06mg、0.06mg~0.07mg、0.07mg~0.08mg、0.08mg~0.09mg、0.09mg~0.1mg、0.1mg~0.2mg、0.2mg~0.3mg、0.3mg~0.4mg、0.4mg~0.5mg、0.5mg~0.6mg、0.6mg~0.7mg、0.7mg~0.8mg、0.8mg~0.9mg、0.9mg~1.0mg、1.0mg~2.0mg、2.0mg~3.0mg、3.0mg~4.0mg、4.0mg~5.0mg、5.0mg~6.0mg、6.0mg~7.0mg、7.0mg~8.0mg、8.0mg~9.0mg、または、9.0mg~10mg、で含み得る。
【0057】
実施形態において、(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)またはその塩を含む組成物が、本明細書で提供される。そのような組成物は、本明細書に記載されるような反応混合物を含み得る。(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)またはその塩を含む組成物は、極性溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、DMF、酢酸など)または非極性溶媒(例えば、ジエチルエーテル、ヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチルなど)を含み得る。(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)またはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、医薬組成物となり得る。組成物は、(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)またはその塩を、0.0001mg~50mgまたはそれ以上の量で、含み得る。例えば、医薬組成物は、(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)またはその薬学的に許容される塩を、0.0001mg以上の量で、例えば、0.0001mg~0.0002mg、0.0001mg~0.0003mg、0.0002mg~0.0003mg、0.0003mg~0.0004mg、0.0004mg~0.0005mg、0.0005mg~0.0006mg、0.0006mg~0.0007mg、0.0007mg~0.0008mg、0.0008mg~0.0009mg、0.0009mg~0.001mg、0.001mg~0.002mg、0.002mg~0.003mg、0.003mg~0.004mg、0.004mg~0.005mg、0.005mg~0.006mg、0.006mg~0.007mg、0.007mg~0.008mg、0.008mg~0.009mg、0.009mg~0.01mg、0.01mg~0.02mg、0.02mg~0.03mg、0.03mg~0.04mg、0.04mg~0.05mg、0.05mg~0.06mg、0.06mg~0.07mg、0.07mg~0.08mg、0.08mg~0.09mg、0.09mg~0.1mg、0.1mg~0.2mg、0.2mg~0.3mg、0.3mg~0.4mg、0.4mg~0.5mg、0.5mg~0.6mg、0.6mg~0.7mg、0.7mg~0.8mg、0.8mg~0.9mg、0.9mg~1.0mg、1.0mg~2.0mg、2.0mg~3.0mg、3.0mg~4.0mg、4.0mg~5.0mg、5.0mg~6.0mg、6.0mg~7.0mg、7.0mg~8.0mg、8.0mg~9.0mg、または、9.0mg~10mg、で含み得る。
【0058】
実施形態において、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)の合成は、エチル-シクロペンタ-3-エン-カルボキシレート(10)で出発し、スキーム3によって示される。
スキーム3
【化15】
【0059】
スキーム3に示されるように、エチル-シクロペンタ-3-エン-カルボキシレート(10)を、(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)に変換すること、を含む、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)の製造方法、が提供される。(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)は、(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)に変換される。(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレートは、エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)に変換される。エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)は、エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)に変換される。エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)は、エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)に変換される。エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)に変換される。
【0060】
実施形態において、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)の合成は、スキーム3Aで示される。
スキーム3A
【化16】
【0061】
実施形態において、スキーム3Aに示すように、エチル-シクロペンタ-3-エン-カルボキシレート(10)(Sigma Aldrich、St. Louis, MOより商業的に入手可能)は、シャープレスアミノヒドロキシル化およびBoc保護により、(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)に変換される。シャープレスアミノヒドロキシル化は、OsO4を触媒として用いて、アルケンを、N-ハロスルホンアミド、-アミドおよび-カルバメートの塩と反応させることにより、1,2-アミノアルコールのsyn選択的な製造が可能である。エナンチオ選択性は、ジヒドロキニンおよびジヒドロキニジン由来のキラル配位子の添加によってなされる。(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)の酸化により、ケトン (3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)が得られる。(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)は、エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)に変換される。エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)は、フェニルセレニウムブロミド、塩基およびH2O2に供されて、エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)が得られる。エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)が脱保護され、ホーナー・ウィッティヒ(Horner-Wittig)反応に供されて、エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)が得られる。ホーナー・ウィッティヒ反応は、アルデヒドまたはケトンと、安定化したリンイリド(ホスホネートカルバニオン)との反応を含み、E選択的にオレフィンを生成する。エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)は、トリフルオロ酢酸(TFA)、ジクロロメタン(DCM)および飽和NaHCO3によって、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)に変換される。
【0062】
実施形態において、以下の化合物が提供される:
【化17】
(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)
【0063】
【化18】
(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)
【0064】
【化19】
エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)
【0065】
【化20】
エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)
【0066】
【化21】
エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)
【0067】
実施形態において、(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)またはその塩を含む組成物が、本明細書で提供される。そのような組成物は、本明細書に記載されるような反応混合物を含み得る。(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)またはその塩を含む組成物は、極性溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、DMF、酢酸など)または非極性溶媒(例えば、ジエチルエーテル、ヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチルなど)を含み得る。(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)またはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、医薬組成物となり得る。組成物は、(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)またはその塩を、0.0001mg~50mgまたはそれ以上の量で、含み得る。例えば、医薬組成物は、(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)またはその薬学的に許容される塩を、0.0001mg以上の量で、例えば、0.0001mg~0.0002mg、0.0001mg~0.0003mg、0.0002mg~0.0003mg、0.0003mg~0.0004mg、0.0004mg~0.0005mg、0.0005mg~0.0006mg、0.0006mg~0.0007mg、0.0007mg~0.0008mg、0.0008mg~0.0009mg、0.0009mg~0.001mg、0.001mg~0.002mg、0.002mg~0.003mg、0.003mg~0.004mg、0.004mg~0.005mg、0.005mg~0.006mg、0.006mg~0.007mg、0.007mg~0.008mg、0.008mg~0.009mg、0.009mg~0.01mg、0.01mg~0.02mg、0.02mg~0.03mg、0.03mg~0.04mg、0.04mg~0.05mg、0.05mg~0.06mg、0.06mg~0.07mg、0.07mg~0.08mg、0.08mg~0.09mg、0.09mg~0.1mg、0.1mg~0.2mg、0.2mg~0.3mg、0.3mg~0.4mg、0.4mg~0.5mg、0.5mg~0.6mg、0.6mg~0.7mg、0.7mg~0.8mg、0.8mg~0.9mg、0.9mg~1.0mg、1.0mg~2.0mg、2.0mg~3.0mg、3.0mg~4.0mg、4.0mg~5.0mg、5.0mg~6.0mg、6.0mg~7.0mg、7.0mg~8.0mg、8.0mg~9.0mg、または、9.0mg~10mg、で含み得る。
【0068】
実施形態において、(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)またはその塩を含む組成物が、本明細書で提供される。そのような組成物は、本明細書に記載されるような反応混合物を含み得る。(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)またはその塩を含む組成物は、極性溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、DMF、酢酸など)または非極性溶媒(例えば、ジエチルエーテル、ヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチルなど)を含み得る。(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)またはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、医薬組成物となり得る。組成物は、(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)またはその塩を、0.0001mg~50mgまたはそれ以上の量で、含み得る。例えば、医薬組成物は、(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)またはその薬学的に許容される塩を、0.0001mg以上の量で、例えば、0.0001mg~0.0002mg、0.0001mg~0.0003mg、0.0002mg~0.0003mg、0.0003mg~0.0004mg、0.0004mg~0.0005mg、0.0005mg~0.0006mg、0.0006mg~0.0007mg、0.0007mg~0.0008mg、0.0008mg~0.0009mg、0.0009mg~0.001mg、0.001mg~0.002mg、0.002mg~0.003mg、0.003mg~0.004mg、0.004mg~0.005mg、0.005mg~0.006mg、0.006mg~0.007mg、0.007mg~0.008mg、0.008mg~0.009mg、0.009mg~0.01mg、0.01mg~0.02mg、0.02mg~0.03mg、0.03mg~0.04mg、0.04mg~0.05mg、0.05mg~0.06mg、0.06mg~0.07mg、0.07mg~0.08mg、0.08mg~0.09mg、0.09mg~0.1mg、0.1mg~0.2mg、0.2mg~0.3mg、0.3mg~0.4mg、0.4mg~0.5mg、0.5mg~0.6mg、0.6mg~0.7mg、0.7mg~0.8mg、0.8mg~0.9mg、0.9mg~1.0mg、1.0mg~2.0mg、2.0mg~3.0mg、3.0mg~4.0mg、4.0mg~5.0mg、5.0mg~6.0mg、6.0mg~7.0mg、7.0mg~8.0mg、8.0mg~9.0mg、または、9.0mg~10mg、で含み得る。
【0069】
実施形態において、エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)またはその塩を含む組成物が、本明細書で提供される。そのような組成物は、本明細書に記載されるような反応混合物を含み得る。エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)またはその塩を含む組成物は、極性溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、DMF、酢酸など)または非極性溶媒(例えば、ジエチルエーテル、ヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチルなど)を含み得る。エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)またはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、医薬組成物となり得る。組成物は、エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)またはその塩を、0.0001mg~50mgまたはそれ以上の量で、含み得る。例えば、医薬組成物は、エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)またはその薬学的に許容される塩を、0.0001mg以上の量で、例えば、0.0001mg~0.0002mg、0.0001mg~0.0003mg、0.0002mg~0.0003mg、0.0003mg~0.0004mg、0.0004mg~0.0005mg、0.0005mg~0.0006mg、0.0006mg~0.0007mg、0.0007mg~0.0008mg、0.0008mg~0.0009mg、0.0009mg~0.001mg、0.001mg~0.002mg、0.002mg~0.003mg、0.003mg~0.004mg、0.004mg~0.005mg、0.005mg~0.006mg、0.006mg~0.007mg、0.007mg~0.008mg、0.008mg~0.009mg、0.009mg~0.01mg、0.01mg~0.02mg、0.02mg~0.03mg、0.03mg~0.04mg、0.04mg~0.05mg、0.05mg~0.06mg、0.06mg~0.07mg、0.07mg~0.08mg、0.08mg~0.09mg、0.09mg~0.1mg、0.1mg~0.2mg、0.2mg~0.3mg、0.3mg~0.4mg、0.4mg~0.5mg、0.5mg~0.6mg、0.6mg~0.7mg、0.7mg~0.8mg、0.8mg~0.9mg、0.9mg~1.0mg、1.0mg~2.0mg、2.0mg~3.0mg、3.0mg~4.0mg、4.0mg~5.0mg、5.0mg~6.0mg、6.0mg~7.0mg、7.0mg~8.0mg、8.0mg~9.0mg、または、9.0mg~10mg、で含み得る。
【0070】
実施形態において、エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)またはその塩を含む組成物が、本明細書で提供される。そのような組成物は、本明細書に記載されるような反応混合物を含み得る。エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)またはその塩を含む組成物は、極性溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、DMF、酢酸など)または非極性溶媒(例えば、ジエチルエーテル、ヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチルなど)を含み得る。エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)またはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、医薬組成物となり得る。組成物は、エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)またはその塩を、0.0001mg~50mgまたはそれ以上の量で、含み得る。例えば、医薬組成物は、エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)またはその薬学的に許容される塩を、0.0001mg以上の量で、例えば、0.0001mg~0.0002mg、0.0001mg~0.0003mg、0.0002mg~0.0003mg、0.0003mg~0.0004mg、0.0004mg~0.0005mg、0.0005mg~0.0006mg、0.0006mg~0.0007mg、0.0007mg~0.0008mg、0.0008mg~0.0009mg、0.0009mg~0.001mg、0.001mg~0.002mg、0.002mg~0.003mg、0.003mg~0.004mg、0.004mg~0.005mg、0.005mg~0.006mg、0.006mg~0.007mg、0.007mg~0.008mg、0.008mg~0.009mg、0.009mg~0.01mg、0.01mg~0.02mg、0.02mg~0.03mg、0.03mg~0.04mg、0.04mg~0.05mg、0.05mg~0.06mg、0.06mg~0.07mg、0.07mg~0.08mg、0.08mg~0.09mg、0.09mg~0.1mg、0.1mg~0.2mg、0.2mg~0.3mg、0.3mg~0.4mg、0.4mg~0.5mg、0.5mg~0.6mg、0.6mg~0.7mg、0.7mg~0.8mg、0.8mg~0.9mg、0.9mg~1.0mg、1.0mg~2.0mg、2.0mg~3.0mg、3.0mg~4.0mg、4.0mg~5.0mg、5.0mg~6.0mg、6.0mg~7.0mg、7.0mg~8.0mg、8.0mg~9.0mg、または、9.0mg~10mg、で含み得る。
【0071】
実施形態において、エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)またはその塩を含む組成物が、本明細書で提供される。そのような組成物は、本明細書に記載されるような反応混合物を含み得る。エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)またはその塩を含む組成物は、極性溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、DMF、酢酸など)または非極性溶媒(例えば、ジエチルエーテル、ヘキサン、ジクロロメタン、酢酸エチルなど)を含み得る。エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)またはその薬学的に許容される塩を含む組成物は、医薬組成物となり得る。組成物は、エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)またはその塩を、0.0001mg~50mgまたはそれ以上の量で、含み得る。例えば、医薬組成物は、エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)またはその薬学的に許容される塩を、0.0001mg以上の量で、例えば、0.0001mg~0.0002mg、0.0001mg~0.0003mg、0.0002mg~0.0003mg、0.0003mg~0.0004mg、0.0004mg~0.0005mg、0.0005mg~0.0006mg、0.0006mg~0.0007mg、0.0007mg~0.0008mg、0.0008mg~0.0009mg、0.0009mg~0.001mg、0.001mg~0.002mg、0.002mg~0.003mg、0.003mg~0.004mg、0.004mg~0.005mg、0.005mg~0.006mg、0.006mg~0.007mg、0.007mg~0.008mg、0.008mg~0.009mg、0.009mg~0.01mg、0.01mg~0.02mg、0.02mg~0.03mg、0.03mg~0.04mg、0.04mg~0.05mg、0.05mg~0.06mg、0.06mg~0.07mg、0.07mg~0.08mg、0.08mg~0.09mg、0.09mg~0.1mg、0.1mg~0.2mg、0.2mg~0.3mg、0.3mg~0.4mg、0.4mg~0.5mg、0.5mg~0.6mg、0.6mg~0.7mg、0.7mg~0.8mg、0.8mg~0.9mg、0.9mg~1.0mg、1.0mg~2.0mg、2.0mg~3.0mg、3.0mg~4.0mg、4.0mg~5.0mg、5.0mg~6.0mg、6.0mg~7.0mg、7.0mg~8.0mg、8.0mg~9.0mg、または、9.0mg~10mg、で含み得る。
【0072】
実施形態において、医薬組成物は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を、例えば、約0.001~500mg、0.01~500mg、0.01~450mg、0.01~300mg、0.01~250mg、0.01~200mg、0.01~175mg、0.01~150mg、0.01~125mg、0.01~100mg、0.01~75mg、0.01~50mg、0.01~30mg、0.01~25mg、0.01~20mg、0.01~15mg、0.01~10mg、0.01~5mg、0.01~1mg、0.025~500mg、0.025~450mg、0.025~300mg、0.025~250mg、0.025~200mg、0.025~175mg、0.025~150mg、0.025~125mg、0.025~100mg、0.025~75mg、0.025~50mg、0.025~30mg、0.025~25mg、0.025~20mg、0.025~15mg、0.025~10mg、0.025~5mg、0.025~1mg、0.05~500mg、0.05~450mg、0.05~300mg、0.05~250mg、0.05~200mg、0.05~175mg、0.05~150mg、0.05~125mg、0.05~100mg、0.05~75mg、0.05~50mg、0.05~30mg、0.05~25mg、0.05~20mg、0.05~15mg、0.05~10mg、0.05~5mg、0.05~1mg、0.075~500mg、0.075~450mg、0.075~300mg、0.075~250mg、0.075~200mg、0.075~175mg、0.075~150mg、0.075~125mg、0.075~100mg、0.075~75mg、0.075~50mg、0.075~30mg、0.075~25mg、0.075~20mg、0.075~15mg、0.075~10mg、0.075~5mg、0.075~1mg、0.1~500mg、0.1~450mg、0.1~300mg、0.1~250mg、0.1~200mg、0.1~175mg、0.1~150mg、0.1~125mg、0.1~100mg、0.1~75mg、0.1~50mg、0.1~30mg、0.1~25mg、0.1~20mg、0.1~15mg、0.1~10mg、0.1~5mg、0.1~1mg、0.25~500mg、0.25~450mg、0.25~300mg、0.25~250mg、0.25~200mg、0.25~175mg、0.25~150mg、0.25~125mg、0.25~100mg、0.25~75mg、0.25~50mg、0.25~30mg、0.25~25mg、0.25~20mg、0.25~15mg、0.25~10mg、0.25~5mg、0.25~1mg、0.05~500mg、0.5~450mg、0.5~300mg、0.5~250mg、0.5~200mg、0.5~175mg、0.5~150mg、0.5~125mg、0.5~100mg、0.5~75mg、0.5~50mg、0.5~30mg、0.5~25mg、0.5~20mg、0.5~15mg、0.5~10mg、0.5~5mg、0.5~1mg、1~500mg、1~450mg、1~300mg、1~250mg、1~200mg、1~175mg、1~150mg、1~125mg、1~100mg、1~75mg、1~50mg、1~30mg、1~25mg、1~20mg、1~15mg、1~10mg、1~5mg、1~4mg、1~3mg、1~2mg、2~500mg、2~450mg、2~300mg、2~250mg、2~200mg、2~175mg、2~150mg、2~125mg、2~100mg、2~75mg、2~50mg、2~30mg、2~25mg、2~20mg、2~15mg、2~10mg、2~5mg、3~500mg、3~450mg、3~300mg、3~250mg、3~200mg、3~175mg、3~150mg、3~125mg、3~100mg、3~75mg、3~50mg、3~30mg、3~25mg、3~20mg、3~15mg、3~10mg、3~5mg、4~500mg、4~450mg、4~300mg、4~250mg、4~200mg、4~175mg、4~150mg、4~125mg、4~100mg、4~75mg、4~50mg、4~30mg、4~25mg、4~20mg、4~15mg、4~10mg、4~5mg、5~500mg、5~450mg、5~300mg、5~250mg、5~200mg、5~175mg、5~150mg、5~125mg、5~100mg、5~75mg、5~50mg、5~30mg、5~25mg、5~20mg、5~15mg、5~10mg、10~500mg、10~450mg、10~300mg、10~250mg、10~200mg、10~175mg、10~150mg、10~125mg、10~100mg、10~75mg、10~50mg、10~30mg、10~25mg、10~20mg、10~15mg、15~500mg、15~450mg、15~300mg、15~250mg、15~200mg、15~175mg、15~150mg、15~125mg、15~100mg、15~75mg、15~50mg、15~30mg、15~25mg、15~20mg、20~500mg、20~450mg、20~300mg、20~250mg、20~200mg、20~175mg、20~150mg、20~125mg、20~100mg、20~75mg、20~50mg、20~30mg、20~25mg、25~500mg、25~450mg、25~300mg、25~250mg、25~200mg、25~175mg、25~150mg、25~125mg、25~100mg、25~80mg、25~75mg、25~50mg、25~30mg、30~500mg、30~450mg、30~300mg、30~250mg、30~200mg、30~175mg、30~150mg、30~125mg、30~100mg、30~75mg、30~50mg、40~500mg、40~450mg、40~400mg、40~250mg、40~200mg、40~175mg、40~150mg、40~125mg、40~100mg、40~75mg、40~50mg、50~500mg、50~450mg、50~300mg、50~250mg、50~200mg、50~175mg、50~150mg、50~125mg、50~100mg、50~75mg、75~500mg、75~450mg、75~300mg、75~250mg、75~200mg、75~175mg、75~150mg、75~125mg、75~100mg、100~500mg、100~450mg、100~300mg、100~250mg、100~200mg、100~175mg、100~150mg、100~125mg、125~500mg、125~450mg、125~300mg、125~250mg、125~200mg、125~175mg、125~150mg、150~500mg、150~450mg、150~300mg、150~250mg、150~200mg、200~500mg、200~450mg、200~300mg、200~250mg、250~500mg、250~450mg、250~300mg、300~500mg、300~450mg、300~400mg、300~350mg、350~500mg、350~450mg、350~400mg、400~500mg、400~450mg、の量で、例として、0.01mg、0.025mg、0.05mg、0.075mg、0.1mg、0.25mg、0.5mg、0.75mg、1mg、2mg、2.5mg、3mg、4mg、5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mg、17.5mg、20mg、22.5mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、および、500mg、の量で、含み得る。
【0073】
実施形態において、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)、および、(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)、または、メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)、の1つまたは複数、を含む医薬組成物、が提供される。
【0074】
実施形態において、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)、および、エチル-シクロペンタ-3-エン-カルボキシレート(10)、(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)、(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)、エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)、エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)、または、エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)、の1つまたは複数、を含む医薬組成物、が提供される。
【0075】
実施形態において、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸は、酸付加塩、双性イオン水和物、双性イオン無水物、塩酸塩または臭化水素酸塩として、または、双性イオン一水和物の形態で、提供され得る。酸付加塩としては、これに限定されるものではないが、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、シュウ酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、ケイ皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、パントテン酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、またはテオフィリン酢酸、の酸付加塩、および、8-ハロテオフィリン、例えば8-ブロモ-テオフィリン、が挙げられる。実施形態において、これに限定されるものではないが、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、または硝酸、の酸付加塩などの、無機酸付加塩を使用することができる。
【0076】
実施形態において、(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)、または、メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)は、酸付加塩、双性イオン水和物、双性イオン無水物、塩酸塩または臭化水素酸塩として、または、双性イオン一水和物の形態で、提供され得る。酸付加塩としては、これに限定されるものではないが、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、シュウ酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、ケイ皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、パントテン酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、またはテオフィリン酢酸、の酸付加塩、および、8-ハロテオフィリン、例えば8-ブロモ-テオフィリン、が挙げられる。実施形態において、これに限定されるものではないが、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、または硝酸、の酸付加塩などの、無機酸付加塩を使用することができる。
【0077】
実施形態において、エチル-シクロペンタ-3-エン-カルボキシレート(10)、(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)、(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)、エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)、エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)、または、エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)は、酸付加塩、双性イオン水和物、双性イオン無水物、塩酸塩または臭化水素酸塩として、または、双性イオン一水和物の形態で、提供され得る。酸付加塩としては、これに限定されるものではないが、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、シュウ酸、ビスメチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、ケイ皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、パントテン酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、またはテオフィリン酢酸、の酸付加塩、および、8-ハロテオフィリン、例えば8-ブロモ-テオフィリン、が挙げられる。実施形態において、これに限定されるものではないが、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、または硝酸、の酸付加塩などの、無機酸付加塩を使用することができる。
【0078】
実施形態において、医薬組成物は、従来の製剤および放出調節製剤を含む様々な剤形を含む。そのような医薬組成物は、任意の適切な投与経路、例えば、経口、直腸、鼻、眼、肺、膣、舌下、経皮、静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内および皮下の経路、に適用することができる。適切な剤形としては、錠剤、カプセル、経口液、点眼薬、眼軟膏、眼用ゲル、粉末、エアロゾル、経皮剤(局所液、パッチ、クリームおよび軟膏など)、非経口製剤、および坐剤、が挙げられる。
【0079】
実施形態において、前述のように、本明細書の医薬組成物は、従来の放出または調節された放出のプロファイルで提供され得る。医薬組成物は、安全で効果的であると考えられる材料から構成される薬学的に許容される「担体」を使用して製造することができる。「担体」としては、1つまたは複数の活性成分以外の医薬製剤に存在するすべての成分が挙げられる。「担体」という用語には、これに限定されるものではないが、希釈剤、結合剤、潤滑剤、崩壊剤、充填剤、およびコーティング組成物が含まれる。当業者は、そのような医薬担体、およびそのような担体を使用して医薬組成物を配合する方法に、精通している。
【0080】
実施形態において、本明細書の医薬組成物は、調節された放出プロファイルを提供する放出調節剤形である。放出調節プロファイルは、即時放出、遅延放出、または持続放出のプロファイルを示し得る。錠剤、カプセル、坐剤、シロップ、溶液および懸濁液などの従来の(すなわち未調節の)放出経口剤形は、通常、錠剤、カプセルシェルまたは坐剤が溶解するにつれて、あるいは、シロップ、溶液および懸濁液の場合には、それらが飲み込まれたときに、口、胃または腸に、薬物を放出する。放出調節(MR)剤形からの薬物放出のパターンは、所望の治療目的および/またはより良い患者のコンプライアンスを達成するために、従来の剤形のパターンから意図的に変更される。MR薬物のタイプとして、即時放出を提供する口腔内崩壊剤形(ODDF)、持続放出剤形、遅延放出剤形(例えば、腸溶コーティング)、およびパルス放出剤形、が挙げられる。
【0081】
ODDFは、舌の上に置くと通常は数秒以内に急速に崩壊する、医薬物質または活性成分を含む、固体剤形である。ODDFの崩壊時間は、一般に、1~2秒から約1分である。ODDFは、唾液と接触すると急速に崩壊または溶解するように設計されている。この投与態様は、身体虚弱からであっても、または精神的なものからであっても、錠剤を飲み込むのに問題があり得る人々にとって、有益である可能性がある。眼障害のある対象者は、そのような行動を示すことがある。ODDFは、粘膜を介して血流に薬物を迅速に送達し、その結果、作用を迅速に開始させることができる。ODDFとしては、例えば、口腔内崩壊錠、カプセル、即溶解性フィルムおよびウエハーが挙げられる。
【0082】
持続放出剤形(ERDF)は、持続放出プロファイルを有し、従来の剤形、例えば、溶液または未調節の放出剤形によってなされるものと比較して、投薬頻度の低減を可能にするものである。ERDFは、薬剤の作用期間の持続性を提供する。持続放出プロファイルを提供する適切な製剤は、当技術分野でよく知られている。例えば、本明細書に記載の化合物のいずれかがビーズ、例えば製菓用ノンパレルビーズ、に適用され、次いで、ワックス、腸溶コーティングなどの従来の放出抑制材料でコーティングされた、コート化徐放性ビーズまたは顆粒(「ビーズ」および「顆粒」は本明細書で交換可能に使用される)が挙げられる。実施形態において、本明細書に記載の化合物のいずれかを材料と混合して、化合物が浸出する塊を得ることで、ビーズを形成することができる。実施形態において、ビーズは、コーティングまたは塊の特性(例えば、厚さ、多孔性、異なる材料の使用など)を変えることによって、異なる放出速度を提供するように制御することができる。異なる放出速度を有するビーズは、変化可能なまたは連続の放出を得るために、単一の剤形に組み合わせることができる。ビーズは、カプセルに入れるか、錠剤に圧縮することができる。
【0083】
実施形態において、本明細書における調節された剤形は、遅延放出プロファイルを有する遅延放出剤形を包含する。遅延放出剤形は、遅延放出錠または遅延放出カプセルを含み得る。遅延放出錠は、本明細書に記載の1つの化合物(または複数の化合物)を、投与直後以外の時間に放出する固体剤形である。遅延放出カプセルは、薬剤が、適切な形態のゼラチンから作られたハードまたはソフトのいずれかの可溶性の入れ物に封入され、投与直後以外の時間に1つの薬剤(または複数の薬剤)を放出する固体剤形である。例えば、腸溶性コーティング錠、カプセル、粒子およびビーズは、遅延放出剤形のよく知られた例である。腸溶性コーティング錠、カプセル、粒子およびビーズは、胃を通過し、腸内で薬剤を放出する。実施形態において、遅延放出錠は、投与直後以外の時間に1つの薬剤(または複数の薬剤)を放出する、医薬用粒子の集合体を含む、固体剤形である。実施形態において、医薬用粒子の集合体は、薬剤の放出を遅延させるコーティングで覆われている。実施形態において、遅延放出カプセルは、投与直後以外の時間に1つ薬剤(または複数の薬剤)を放出する、医薬用粒子の集合体を含む固体剤形である。実施形態において、医薬用粒子の集合体は、薬物の放出を遅延させせるコーティングで覆われている。
【0084】
遅延放出剤形は、当業者に知られている。例えば、本明細書に記載の化合物のいずれかが、ビーズ、例えば、製菓用ノンパレルビーズ、に適用され、次いで、ワックス、腸溶コーティングなどの従来の放出遅延材料でコーティングされた、コート化遅延放出ビーズまたは顆粒が挙げられる。実施形態において、本明細書に記載の化合物のいずれかを材料と混合して、薬剤が浸出する塊を得ることで、ビーズを形成することができる。実施形態において、ビーズは、コーティングまたは塊の特性(例えば、厚さ、多孔性、異なる材料の使用など)を変えることによって、異なる放出速度を提供するように制御することができる。実施形態において、本明細書に記載の化合物のいずれかの腸溶性コーティングされた顆粒は、小腸で顆粒を放出する腸溶性コーティングされたカプセルまたは錠剤の中に入れられ得る。実施形態において、顆粒は、コーティングされた顆粒が少なくとも回腸に到達するまで無傷のままで、その後、結腸において薬剤の遅延放出を提供する、コーティングを有する。適切な腸溶性コーティング材料は、当技術分野でよく知られ、例えば、メタクリル酸とメタクリル酸メチルのポリマーのEudragit(商標)コーティングなどがある。顆粒は、カプセルに入れるか、錠剤に圧縮することができる。
【0085】
実施形態において、本明細書に記載の化合物のいずれかは、遅延放出プロファイルを提供する多孔性不活性担体に組み込まれる。実施形態において、多孔性不活性担体は、薬剤が周囲の流体に拡散する経路または通路が組み込まれている。実施形態において、本明細書に記載される化合物のいずれかは、遅延放出プロファイルを提供するためにイオン交換樹脂に組み込まれる。遅延作用は、薬剤-樹脂複合体が、胃腸液およびそこに溶解したイオン性成分と接触したときに、樹脂からの薬剤の放出が所定の速度になることからもたらされる。実施形態において、膜は、薬剤含有リザーバーからの放出速度を制御するために、利用される。実施形態において、液体製剤はまた、遅延放出プロファイルを提供するために利用され得る。例えば、粒子が溶解しない液相全体に分散した固体粒子で構成される液体製剤が挙げられる。懸濁液は、従来の剤形として(例えば、溶液、または即時薬剤放出、従来の固体剤形として)提示される薬剤と比較して、少なくとも投与頻度の減少が可能になるように、製剤化される。たとえば、イオン交換樹脂成分またはマイクロビーズの懸濁液が挙げられる。
【0086】
実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物は、例えば、筋肉内(i.m.)、静脈内(i.v.)、皮下(s.c.)、腹腔内(i.p.)、または髄腔内(i.t.)などを含む、眼または非経口の投与に適している。非経口または眼科用組成物は、体内への注射、注入、点滴、または移植による投与のために、無菌でなければならず、単回投与または複数回投与のいずれかの容器にパッケージングすることができる。実施形態において、対象への眼または非経口の投与のための液体医薬組成物は、活性物質を含み、例えば、本明細書に記載の化合物のいずれかは、上記のそれぞれの量のいずれかである。実施形態において、眼または非経口の投与のための医薬組成物は、例えば、約1ml、2ml、3ml、4ml、5ml、7.5ml、10ml、20ml、25ml、50ml、100ml、200ml、250ml、または500mlの総容量で、製剤化される。実施形態において、組成物は、袋、ガラスバイアル、プラスチックバイアル、またはボトルに入れられる。
【0087】
実施形態において、眼または非経口の投与のための医薬組成物は、本明細書に記載の化合物のいずれかについて上記に記載されたそれぞれの量を含む。実施形態において、眼または非経口の投与のための医薬組成物は、約0.0001mg~約500mgの本明細書に記載の化合物のいずれかを含む。実施形態において、対象への眼または非経口の投与用の医薬組成物は、本明細書に記載の化合物のいずれかを、それぞれ、約0.005mg/ml~約500mg/mlの濃度で、含み得る。実施形態において、眼または非経口の投与のための医薬組成物は、本明細書に記載の化合物のいずれかを、それぞれ、例えば、約0.05mg/ml~約50mg/ml、約0.1mg/ml~約50mg/ml、約0.1mg/ml~約10mg/ml、約0.05mg/ml~約25mg/ml、約0.05mg/ml~約10mg/ml、約0.05mg/ml~約5mg/ml、または約0.05mg/ml~約1mg/mlの濃度で、含む。実施形態において、眼または非経口の投与のための医薬組成物は、本明細書に記載の化合物のいずれかを、それぞれ、例えば、約0.05mg/ml~約15mg/ml、約0.5mg/ml~約10mg/ml、約0.25mg/ml~約5mg/ml、約0.5mg/ml~約7mg/ml、約1mg/ml~約10mg/ml、約5mg/ml~約10mg/ml、または約5mg/ml~約15mg/ml、の濃度で含む。
【0088】
実施形態において、少なくとも6ヶ月間安定な、眼または非経口の投与のための医薬組成物が提供される。実施形態において、眼または非経口の投与のための医薬組成物は、活性物質、例えば、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩が、例えば、3ヶ月または6ヶ月で、約5%以下の減少を示す。実施形態において、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩の量は、約2.5%、1%、0.5%または0.1%以下で減少する。実施形態において、減少は、少なくとも6ヶ月間、約5%、2.5%、1%、0.5%、0.25%、0.1%未満である。
【0089】
実施形態において、溶解性を維持する、眼または非経口の投与のための医薬組成物が提供される。実施形態において、安定で、溶解性で、局所部位適合性があり、および/またはすぐに使用できる、眼または非経口の投与のための医薬組成物が提供される。実施形態において、本明細書の医薬組成物は、それを必要とする対象に直接投与するためにすぐに使用できる。
【0090】
本明細書で提供される眼または非経口の投与用の医薬組成物は、1つまたは複数の賦形剤、例えば、溶媒、溶解促進剤、懸濁剤、緩衝剤、等張剤、安定剤または抗菌保存剤を含み得る。使用される場合、眼または非経口用の組成物の賦形剤は、組成物に使用される本明細書に記載の化合物のいずれかの、安定性、生物学的利用能、安全性、および/または有効性に悪影響を及ぼさない。したがって、剤形の成分のいずれにも不適合性がない、眼または非経口用の組成物が提供される。
【0091】
実施形態において、本明細書に記載の化合物のいずれかを含む眼または非経口用の組成物は、安定な量の少なくとも1つの賦形剤を含む。例えば、賦形剤は、緩衝剤、可溶化剤、張性剤、抗酸化剤、キレート剤、抗菌剤、および保存剤からなる群から選択され得る。当業者は、賦形剤が複数の機能を有し、1つまたは複数の定義されたグループに分類され得ることを理解するであろう。
【0092】
実施形態において、眼または非経口用の組成物は、本明細書に記載の化合物のいずれか、および賦形剤を含み、賦形剤が、例えば、約10%、5%、2.5%、1%、または0.5%未満の重量パーセント(w/v)で存在する。実施形態において、賦形剤は、例えば、約1.0%~10%、10%~25%、15%~35%、0.5%~5%、0.001%~1%、0.01%~1%、0.1%~1%、または0.5%~1%、の重量パーセントで存在する。実施形態において、賦形剤は、例えば、約0.001%~1%、0.01%~1%、1.0%~5%、10%~15%、または1%~15%、の重量パーセントで存在する。
【0093】
実施形態において、組成物のpHが約4.0~約8.0の、本明細書に記載の化合物のいずれかの、眼または非経口用の組成物が提供される。実施形態において、組成物のpHは、例えば、約5.0~約8.0、約6.0~約8.0、約6.5~約8.0、である。実施形態において、組成物のpHは、例えば、約6.5~約7.5、約7.0~約7.8、約7.2~約7.8、または約7.3~約7.6、である。実施形態において、水溶液のpHは、例えば、約6.8、約7.0、約7.2、約7.4、約7.6、約7.7、約7.8、約8.0、約8.2、約8.4、または約8.6、である。
【0094】
実施形態において、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物は、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸のCmaxが、例えば、約2000ng/ml、1000ng/ml、850ng/ml、800ng/ml、750ng/ml、700ng/ml、650ng/ml、600ng/ml、550ng/ml、450ng/ml、400ng/ml350ng/ml、または300ng/ml未満、である、インビボ血漿プロファイルを提供する。実施形態において、医薬組成物は、Cmaxが、例えば、約250ng/ml、200ng/ml、150ng/ml、または100ng/ml未満である、インビボ血漿プロファイルを提供する。
【0095】
実施形態において、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、および本明細書に記載の化合物のいずれか1つ以上を含む医薬組成物であって、該組成物が、約900ng・hr/ml未満のAUC0-∞を有する(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸の一定のインビボ血漿プロファイルを提供する、組成物が、本明細書において提供される。
【0096】
実施形態において、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、および本明細書に記載の化合物のいずれか1つ以上を含む医薬組成物のTmaxは、3時間未満である。実施形態において、医薬組成物のTmaxは、2.5時間未満である。実施形態において、医薬組成物のTmaxは、2時間未満である。実施形態において、医薬組成物のTmaxは、1.5時間未満である。実施形態において、医薬組成物のTmaxは、1時間未満である。実施形態において、医薬組成物のTmaxは、0.5時間未満である。実施形態において、医薬組成物のTmaxは、0.25時間未満である。
【0097】
実施形態において、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、および本明細書に記載の化合物のいずれか1つ以上を含む医薬組成物は、それを必要とする対象への投与での最初の20分以内に、約80%以上の溶解性を与える。実施形態において、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、および本明細書に記載の化合物のいずれか1つ以上を含む医薬組成物は、それを必要とする対象への投与での最初の20分以内に、例えば、約85%、90%、または95%以上の溶解性を与える。実施形態において、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、および本明細書に記載の化合物のいずれか1つ以上を含む医薬組成物は、それを必要とする対象への投与での最初の10分以内に、80%以上の溶解性を与える。
【0098】
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩、および本明細書に記載の化合物のいずれか1つ以上のそれぞれの量は、従来の剤形、調節された剤形、および本明細書に記載の眼および非経口用の製剤を含む、本明細書に記載のすべての剤形に適用可能であると、理解すべきである。当業者は、剤形、投与経路、対象の耐性、有効性、治療目標、および治療利益などの基準に応じて、他の薬学的に許容される基準の中で、適切な量を決定するであろう。
【0099】
特に断りのない限り、本明細書で用いられるすべての技術用語および科学用語は、本明細書の開示に属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
【0100】
本明細書において、「約」または「およそ」との用語は、当業者によって決められる特定の値の許容可能な誤差範囲内を意味し、これは、値がどのように測定または決定されるか(例えば、測定システムの制限)に部分的に依存する。例えば、「約」は、当技術分野のプラクティスに従って、標準偏差が3以内または3を超えることを意味し得る。あるいは、「約」は、所与の値の最大20%、最大10%、最大5%、および/または最大1%の範囲を意味し得る。あるいは、特に生物学的システムまたはプロセスに関して、この用語は、値の1桁(10倍)以内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内を意味し得る。
【0101】
「PK」は、薬物動態プロファイルを意味する。Cmaxは、実験において算定される最高血中薬物濃度(ng/ml)として定義される。Tmaxは、Cmaxが算定される時間(min)として定義される。AUC0-∞は、薬物の投与から薬物が除去されるまでの血中薬物濃度-時間曲線下面積(ng・hr/ml)である。曲線下面積は、クリアランスによって決まる。クリアランスは、単位時間(ml/min)あたりの薬物の含有が完全に除去された血液または血漿の量として定義される。
【0102】
「薬学的に許容される」とは、「一般に安全とみなされる」、例えば、生理学的に許容可能であり、ヒトに投与されたときに、通常、胃の不調などのようなアレルギーまたは同様の有害な反応を引き起こさない、分子エンティティおよび組成物を意味する、実施形態において、この用語は、FDA、または同様のリスト、米国薬局方、または動物、特にヒトで使用するための一般的に認められている別の薬局方による、市販前のレビューおよび承認に供される、連邦食品医薬品化粧品法のセクション204(s)および409に基づくGRASリストとして、連邦または州政府の規制当局によって承認された、分子エンティティおよび組成物を意味する。
【0103】
「有効量」または「治療有効量」は、治療される障害、疾患、または病気の1つ以上の症状を緩和するのに十分な投与量を意味する。
【0104】
「共投与される」、「併用療法」、「組み合わせで」、「組み合わせ」、「併用される」または「併用投与される」は、交換可能に使用することができ、2つ以上の薬剤が治療の過程において投与されることを意味する。薬剤は、一緒に同時に、または間隔を空けて別々に投与され得る。薬剤は、単一の剤形または別々の剤形で投与され得る。
【0105】
「それを必要とする患者」には、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸またはその薬学的に許容される塩による治療が示される、疾患、病気または障害と診断されたヒトが含まれる。「患者」および「対象」は、本明細書では交換可能に使用される。
【実施例0106】
本明細書において提供される実施例は、本明細書の開示を補充するためのものであるにすぎず、いかなる点においても限定するものとしてみなすべきではない。
【0107】
一般的方法
(1R,4S)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(2)は、Acella Chembio, San Diego, CA 92121、または、AK Scientific, Inc., Union City, CA 94587、から購入した。4-メトキシベンジルクロリドは、AK Scientific, Inc., Union City, CA 94587、から購入した。
2-((ジフルオロメチル)スルフィニル)ピリジン(20)は、Enamine Chemicals, Monmouth Jct., NJ 08852、 Sigma-Aldrich Corp, St Louis, MO、から購入するか、ブロモジフルオロメチルホスホン酸ジエチルおよび2-メルカプトピリジンから合成した。Zhou, Q.; Ruffoni, A.; Gianatassio, R.; Fujiwara, Y.; Sella, E.; Shabat, D.; Baran, P. S. Angew. Chem. Int. Ed. 2013, 52, 3949-3952、参照。1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインは、Thermo Fisher Scientific, Waltham, MA 02451、のAcros Organics部から購入した。TPAPは、Combi Blocks, Inc. San Diego, CA 92126、から購入した。硝酸アンモニウムセリウムは、Alfa Aesar, Ward Hill, MA 01835、から購入した。他の全ての試薬は、Sigma-Aldrich, Fisher Scientific、またはAcros Organics、から購入し、さらに精製することなく使用した。無水溶媒(THF、CH2Cl2、DMF)は、使用前に、活性アルミナと銅担持レドックス触媒で構成されるカラムを通過させることにより精製した。収率は、クロマトグラフィーおよび分光法(1H-NMR)による均質な物質により参照される。分析薄層クロマトグラフィー(TLC)は、Merckシリカゲル60ÅF-254プレコートプレート(厚み:0.25mm)を用いて行い、成分を紫外線(254nm)および/またはモリブデン酸アンモニウムセリウム染色で可視化した。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、さまざまなTeledyneカートリッジ(4~80g、40~63μm、60Å)を有するTeledyne Combiflash Rf Plus自動フラッシュ精製システムにより行った。特に断りのない限り、精製は、ヘキサンと酢酸エチルで行った。1Hおよび13C-NMRスペクトルは、Bruker Avance-III NMR分光計で、それぞれ、500MHzおよび126MHzで、CDCl3またはD2Oで測定した。化学シフトはppmで記録し、多重度は、s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、sep=セプテット、dd=ダブレット・ダブレット、dt=ダブレット・トリプレット、m=マルチプレット、br=ブロード、の共鳴で示した。カップリング定数は、Hzで記録した。高分解能質量スペクトルデータは、ノースウェスタン大学の統合分子構造教育研究センター(IMSERC:Integrated Molecular Structure Education and Research Center)において、Agilent G1312A HPLCポンプ、およびAgilent G1367B オートインジェクターによるエレクトロスプレーイオン化を用いて、陽イオンモードのAgilent 6210LC-TOF分光計によって得た。分析用HPLCは、Phenomenex Kintex C-18カラム(50×2.1mm、2.6μm)を有する、逆相のAgilent Infinity 1260 HPLCを用いて行い、254nmのUV吸光度で検出した。
【0108】
実施例1
(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)の製造
方法A
4-メトキシベンジルアルコール(35.80mL、0.29mol、1.5当量)を濃HCl(300mL)に滴下して加え、1時間撹拌した。水を加え、液体をジエチルエーテル(2×100mL)で抽出した。ジエチルエーテルをNa2SO4で乾燥し、約50mLの容量に濃縮した。添加漏斗を取り付けた2Lフラスコに、(1R,4S)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(2)(21.00g、0.19mol)、DMF(600mL)、およびTHF(600mL)を加え、フラスコを0℃に冷却した。NaH(8.45g、0.21mol、1.1当量、鉱油中60%分散液)を少しずつ加えた。フラスコをN2下に置き、30分間撹拌した。Et2O/PMBCl溶液を添加漏斗に移し、0℃で滴下して加えた。反応物を室温で6時間撹拌した。完了後、THFを真空で除去し、ジエチルエーテルと水を加えた。固体をろ過し、層を分離した。水層をジエチルエーテル(3×100mL)で抽出し、有機層を合わせて食塩水(2×200mL)で洗浄した。Na2SO4で乾燥し、濃縮した後、黄色の油を得た。粗製の油をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、32.2g(0.14mol、収率73%)の、保護された(1R,4S)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)、を得た。スペクトルは文献のものと一致した。Qiu, J.; Silverman, R. B. J. Med. Chem. 2000, 43, 706-720、参照。
【0109】
方法B
オーバーヘッドスターラー/テフロン(商標)パドルを有する乾燥した2リットルの3つ口丸底フラスコに、500ml滴下漏斗、およびセラムキャップ/Kタイプ熱電対/N2針を取り付けた。(1R,4S)-(-)-2-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン、(-)-2(25gm、229mmol、1当量)を、フラスコ内で無水THF(600ml)に溶解し、滴下漏斗にLiHMDS溶液(1Mのトルエン溶液)を入れた。フラスコの内容物を-40℃に冷却し、LiHMDS溶液(252ml、252mmol、1.2当量)を、温度を約-35~40℃に保ちながら、フラスコに一滴ずつ加えた。フラスコの内容物は増粘し始め、塩基添加の終わりにはやわらかいゲルになった。LiHMDSをすべて添加した後、反応混合物をさらに1時間撹拌し、次いで、500ml滴下漏斗を取り外し、4-メトキシベンジルクロリド(37.2gm、240.5mmol、1.05当量)を入れたより小さな125ml滴下漏斗と取り換えた。該ハロゲン化物を反応フラスコに滴下して加えた。該クロリドの約1/4を加えたとき、テトラブチルアンモニウムヨージド粉末(1.3g、3.44mmol、0.015当量)を一度に加えた。すべての4-メトキシベンジルクロリドを加えたとき、フラスコをまず室温に温め、次に加熱マントル内で60℃に温めた。ベンジル化反応の進行は、hplcおよびlcmsによって経時的に追跡した。60℃で2日後、反応が、ラクタム(-)(1R,4S)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)への変換~85%に達したときに、反応をワークアップした。反応溶液中の微細な固体沈殿物を、真空下、大きさ17cmのブフナー漏斗/ろ紙を通してろ過することによって除去した。残渣をTHF(200ml)で洗浄し、元のろ液と集め、合わせたゴールデンイエローのろ液を濃縮した(ロータリーエバポレーター/真空/水浴、40℃)。残った金色の油をEtOAc(350ml)に溶解し、水(250ml)で洗浄した。相を分離した後、水層をEtOAc(2×100ml)で逆抽出した。EtOAc層を合わせ、無水Na2SO4粉末により乾燥し、ろ過し、濃縮して(ロータリーエバポレーター/真空/水浴、40℃)、ゴールデンイエローの液体を得た。この粗生成物を、340gのシリカカラムを有するBiotageのクロマトグラフィーにより、EtOAc-ヘキサングラジエント[15%(2CV) 15-75%(8CV) 100%(3CV)]で、画分を25×150mmチューブで収集することによって、精製した。画分を含む生成物を合わせて濃縮して(ロータリーエバポレーター/真空/水浴、40℃)、ゴールデンイエローの液体を得て、真空ラインで数時間ポンプダウンした。
【0110】
方法C
NaH(40.3g、1.01mol、純度60%、1.1当量)およびBu4NI(16.9g、45.8mmol、0.05当量)を、THF(300mL)に加え、次いで、(1R,4S)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(100.0g、916.3mmol、1当量)のDMF(900mL)液を、0℃で混合物に滴下して加えた。混合物を0.5時間撹拌し、パラメトキシベンジルクロリド(215.2g、1.37mol、186.5mL、1.50当量)を、0℃で上記の混合物に滴下して加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:1、Rf=0.20)は、反応物が完全に消費されたことを示した。混合物をMTBE(2L)で希釈し、水(3.5L)を加えた。固体をろ過し、層を分離した。水層をMTBE(800mL×2)で抽出し、有機層を合わせて食塩水(1L×2)で洗浄した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥し、濃縮して、残渣を黄色の油として得た。残渣を石油エーテル:酢酸エチル(10:1~1:1)を用いたシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色の油を得た。粗製の(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)(89.5g、390.3mmol、収率42.6%)が、黄色の油として得られ、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
【0111】
実施例2
(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)の製造
方法A
(1R,4S)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(3)(10.00g、43.62mmol)のAcOH(110.0mL)溶液に、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(7.48g、26.17mmol、0.6当量)を加えた。反応物を6時間撹拌し、終了後、水を加えた。水層をジエチルエーテル(3×200mL)で抽出し、有機層を合わせ、1MのNaOHで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製により、(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)(14.40g、39.25mmol、収率90%)を粘性の油として得た。スペクトルは文献のものと一致した。Qiu, J.; Silverman, R. B. J. Med. Chem. 2000, 43, 706-720、参照。
【0112】
方法B
(1R,4R)-(-)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-3-オン(15.5g、67.60mmol、1当量)を、撹拌棒を入れた250mlの丸底フラスコ中で、氷酢酸(125ml)に溶解した。この酸性溶液に、1,3-ジブロモ-5,5-ジ-メチルヒダントイン(9.7g、33.43mmol、0.5当量)を、室温で10分間に複数のバッチで加えた。セラムキャップ/窒素針をフラスコの首に取り付け、反応混合物を室温で一晩撹拌した。すべての二臭化物を添加した後、20分後に、最初の濁った黄色の溶液は透明なゴールデンイエローに変わった。反応の進行は、hplcおよびlcmsによってモニタリングした。一晩撹拌した後、反応溶媒を除去(ロータリーエバポレーター/真空/水浴、55℃)して、暗いゴールデンイエローの液体を得て、これを次にジクロロメタン(200ml)に溶解した。水(100ml)を加え、混合物を1Lのエルレンマイヤーフラスコに移した。10%亜硫酸ナトリウム溶液(75ml)を加え、三角フラスコ内で30分激しく撹拌して、未反応のジブロモヒダントインを潰した。さらに水(100ml)を加え、次いで、3Mの水酸化ナトリウムをゆっくり加え、三角フラスコ内で回し、水層をpH=7(pH試験紙)にした。フラスコの内容物を1Lの分離漏斗に移し、三角フラスコをジクロロメタン(100ml)ですすぎ、すすいだ液を漏斗で合わせた。相分離したジクロロメタン層を取り置き、水層をジクロロメタン(2×100ml)で逆抽出し、元の取り置いた抽出物と合わせ、飽和NaHCO3(250ml)、水(250ml)、および食塩水(250ml)で洗浄した。有機相を無水Na2SO4粉末で乾燥し、ろ過し、濃縮して(ロータリーエバポレーター/真空/水浴、40℃)、ゴールデンイエローの液体を得た。この粗生成物を、340gのシリカカラムを用いたBiotageのクロマトグラフィーにより、EtOAc-ヘキサングラジエント[15%(1CV) 15-75%(7.5CV) 100%(3CV)]で精製し、画分を25×150mmチューブで収集した。生成物を含む画分を合わせて、濃縮し(ロータリーエバポレーター/真空/水浴、40℃)、ゴールデンイエローの液体を得て、これを真空ラインでさらに数時間ポンプダウンして、(1R,4R,6S,7R)-(+)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]-ヘプタン-6-イルアセテート(4)(23g;82%)を得た。
【0113】
実施例3
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)の製造
方法A
(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)(12.8g、34.7mmol)をMeOH(270mL)に溶解し、K2CO3(14.40g、104.28mmol、3.0当量)を加えた。反応物を1時間撹拌し、ろ過し、次いで濃縮した。酢酸エチルと水を加え、層を分離した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濃縮して、オフホワイトの固体((1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン)(25)を得て、これを次の工程にそのまま使用した。
この化合物を500mLのフラスコに入れ、アルゴンでパージした。ジクロロメタン(170mL)を加え、続いて4Åモレキュラーシーブ(10g)を加えた。次に、TPAP(122.2mg、0.35mmol、0.01当量)およびNMO(8.14g、69.52mmol、2.0当量)を加え、反応混合物を一晩撹拌した。反応混合物をろ過し、20mLの容量に濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーカラムに直接入れた。得られた黄色がかった固体をヘキサン/酢酸エチルによって再結晶化して、白色の粉末(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)(5.96g、18.38mmol、収率52%)が得られた。スペクトルは文献のものと一致した。Qiu, J.; Silverman, R. B. J. Med. Chem. 2000, 43, 706-720、参照。
【0114】
方法B
(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)(25.5g、69.2mmol)をMeOH(300mL)に溶解し、K2CO3(30g、0.23mol、3当量)を加えた。反応物を1時間撹拌し、ろ過し、濃縮した。酢酸エチルと水を加え、層を分離した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濃縮して、オフホワイトの固体((1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン)を得て、これを次の工程にそのまま使用した。
3つ口フラスコに、バブリングさせるベントライン、窒素注入口を有する滴下漏斗、およびセプタムを取り付けた。ジクロロメタン(160mL)を加え、フラスコを窒素でパージした。塩化オキサリル(8.40mL、98.0mmol、1.4当量)を加え、反応物を-78℃に冷却した。DMSO(11.60mL、0.16mol、2.3当量)を添加漏斗に加え、次いで、激しいガスの発生を制御する速度でゆっくりと滴下して加えた。添加後、反応物を-78℃で10分間撹拌した。脱アシル化した物質をジクロロメタン(160mL)に溶解し、添加漏斗を介して反応物にゆっくりと加えた。反応物を-78℃で10分間撹拌した。次に、トリエチルアミン(68.3mL、0.49mol、7当量)を添加漏斗を介して滴下して加えた。終了後、反応物を-78℃で10分間撹拌し、室温に温め、1MのHClでクエンチした。分離後、有機層をNa2SO4で乾燥し、ドラフト内で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)を、ベージュの固体として得た(13.5g、41.7mmol、収率60%)。
【0115】
方法C
(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イルアセテート(4)(96.5g、262.0mmol、1当量)のMeOH(680mL)液に、K2CO3(108.6g、786.2mmol、3当量)を加えた。混合物を25℃で1時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:1、Rf=0.65)により、反応の終了が示された。混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、黒褐色の固体を得た。MTBE(500mL)を褐色の固体に加え、混合物を3時間撹拌し、次いで、ろ過してろ液を得て、これを減圧下で濃縮して粗生成物を得た。粗化合物(76.5g、234.5mmol、収率89.5%)がオフホワイトの固体として得られ、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。
上記の粗化合物(76.5g、234.5mmol、1当量)をMeCN(400mL)に加えた。IBX(65.6g、234.5mmol、1.0当量)を、20~30℃で0.5時間、上記の混合物に一度に加えた。反応混合物を75~80℃で2時間撹拌し、その後、TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1、Rf=0.23)により、反応の終了が示された。混合物を減圧下で濃縮して粗生成物を得て、これを石油エーテル:酢酸エチル(20:1~1:1)を用いたシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)(48.5g、149.6mmol、収率63.7%)を、オフホワイトの固体として得た。
【0116】
実施例3(a)
(1R,4R,6S,7R)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)の製造
(1R,4R,6S,7R)-(+)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-3-オキソ-2-アザビシクロ-[2.2.1]-ヘプタン-6-イルアセテート(4)(22.25g、60.42mmol、1当量)を、500mlの丸底フラスコ内で、メタノール(120ml)と水(15ml)の混合溶媒に溶解した。炭酸カリウム粉末(12.5g、90.45mmol、1.5当量)をゴールデンイエローの溶液に加え、得られた濁った反応混合物をセラムキャップ/N2針で密封し、室温で一晩撹拌した。反応の進行は、lcmsおよびhplcによってモニタリングした。揮発分をエバポレート(ロータリーエバポレーター/真空/水浴、40℃)することにより、反応物をワークアップした。エバポレートにより得た暗いゴールデンイエローの油に蒸留水(200ml)を加えた。水層のpHを1Mの塩酸でpH=7に調整し、生成物をジクロロメタン(200ml、次に2×150ml)で抽出した。ジクロロメタンの抽出物を合わせ、水(200ml)、食塩水(250ml)で洗浄し、Na2SO4粉末で乾燥させた。乾燥した抽出物をろ過し、使用済みの乾燥剤をジクロロメタン(2×50ml)ですすぎ、合わせた抽出物を濃縮して(ロータリーエバポレーター/真空/水浴、40℃)、ゴールデンイエローの油を得た。ゴールデンイエローの生成物を2つのほぼ等しい分量に分割し、各部分を、EtOAcヘキサングラジエント[20%(1CV) 20-100%(7CV) 100%(5CV)]で、100gのシリカカラムのBiotageのクロマトグラフィーによって精製し、25×150mmチューブに画分を収集した。生成物の画分を合わせ、濃縮し(ロータリーエバポレーター/真空/水浴、40℃)、ゴールデンイエローの液体を得て、真空ラインで数時間ポンプダウンした。2つのクロマトグラフィーの精製サンプル(20g)を合わせ、ヘキサン-EtOAcにより結晶化させた。結晶の最初の生成物を収集した(17g)。母液を濃縮し、ヘキサン-EtOAcにより結晶化して、結晶の2番目の生成物(2g)を得た。(1R,4R,6S,7R)-(+)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(25)が、白色の結晶性粉末として得られた(合計-15g;75%)。
【0117】
実施例3(b)
スワーン酸化による(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)の製造
オーバーヘッドスターラー、50mlの滴下漏斗、およびセラムキャップ/熱電対/N2針を取り付けた1リットルの3つ口丸底フラスコに、塩化オキサリル(3.4g(2.3ml)、1.25当量)およびジクロロメタン(90ml)の溶液を入れ、撹拌した酸塩化物の溶液を、アセトン/CO2冷却浴で-60℃に冷却した。滴下漏斗に、DMSO(2.6g(2.35ml)、1.5当量)のジクロロメタン(18ml)溶液を入れ、これを冷却した酸塩化物溶液に、3分で加えた。得られた混合物を-60℃で7分間撹拌し、次いで溶液に、(1R,4R,6S,7R)-(+)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]-ヘプタン-3-オン(25)(7.2g、22.1mmol、1当量)を10分で加えた。反応混合物を-60℃で25分間維持し、次にトリメチルアミン(21.5ml、7当量)をそのままで滴下漏斗に入れ、フラスコに加えた。得られた乳白色の溶液を1時間冷却して維持し、反応をhplc/lcmsでチェックし、その後、ワークアップ前の2.5時間に反応物を室温まで温めた。飽和食塩水(125ml)をフラスコに加え、次いで、ワークアップにジエチルエーテル(125ml)を加えた。クエンチした反応物を1Lの分液漏斗に移した。上層を取り置き、水性の下層をジエチルエーテル(2×125ml)で抽出した。これらのエーテル抽出物を元の抽出物と合わせ、これを1Mの塩酸(125ml)、食塩水(125ml)および水(50ml)で洗浄した。有機相を無水Na2SO4粉末で乾燥し、ろ過し、フィルターケーキをジクロロメタン(2×50ml)で洗浄し、洗浄液をろ液と合わせた。揮発分を除去すると(ロータリーエバポレーター/真空/水浴、40℃)、黄色の液体が得られ、放置すると固化した。固体をEtOAcヘキサンにより結晶化し、第1の生成物(5.31g)を得た。母液を濃縮し、結晶化して、第2の生成物(1.36g)を得た。2回目の結晶化から得られた母液を、EtOAc-ヘキサングラジエント[20%(2CV)、20-100%(8CV)、100%(2CV)]で溶出する、25gのシリカカラムを有するBiotageで精製し、画分を16×150mmチューブに収集した。クロマトグラフィーから250mgの生成物が得られた。(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)の合計収量は、6.8g(収率94%)であった。
【0118】
実施例3(c)
TPAP酸化による(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)の製造
オーバーヘッドスターラーおよびセラムキャップ/熱電対/N2針を有する2リットルの3つ口丸底フラスコに、(1R,4R,6S,7R)-(+)-7-ブロモ-6-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]-ヘプタン-3-オン(25)(12g、36.8mmol、1当量)、4-モルホリン-N-オキシド(12.9g、110mmol、3当量)、および4Aモレキュラーシーブ粉末を含む塩化メチレン(400ml)液を入れた。次いで、触媒量のTPAP(25mg、0.07mmol、0.002当量)を加えた。溶液を窒素下、室温で撹拌して、時間の経過とともに暗くなる緑色の溶液とした。反応をlc-msで毎日モニタリングした。2日目に反応が遅くなり、反応物を、フィルターフラスコおよび真空源を用いてセライト(登録商標)パッドを通してろ過した。溶液を2リットルの3つ口丸底反応フラスコに戻し、新たな4-モルホリン-N-オキシド(5.5g)、4Aモレキュラーシーブ粉末(10g)およびTPAP(25mg)を入れた。3日目に反応が遅くなり、反応物をろ過し、新たなNMO(5.5g)、4Aシーブ(10g)およびTPAP(25mg)で、再開させた。4日目の終わりには、ブロモアルコールが~7%で残存し、TPAP酸化反応をワークアップした。反応溶液中の固体を、ブフナーフラスコおよび真空源を用いて、0.5cmの砂、0.5cmの無水Na2SO4粉末および1cmの深さのセライトを充填したプラスチック焼結漏斗でろ過することによって、除去した。ろ液の流れが無色になるまで、フィルターケーキをジクロロメタン(2×100mlおよび50ml)で洗浄した。ろ液を濃縮すると(ロータリーエバポレーター/真空/水浴、40℃)、暗い金色の油が得られ、これはガラス表面に固化の兆候が示された。粗生成物を半分に分割し、各半分を、EtOAc-ヘキサングラジエント20%(1CV)、20-100%(7.5CV)および100%(4CV)で溶出する、シリカゲル(100g)のBiotageのクロマトグラフィーにかけ、25×150mmチューブに画分を収集した。2つのクロマトグラフィーからの生成物の画分を合わせて、濃縮して(ロータリーエバポレーター/真空/水浴、40℃)、白色の粉末を得た。
粉末をEtOAc-ヘキサンにより結晶化して、第1の結晶生成物(8.5g)を得た。母液を濃縮し、結晶化して、第2の生成物(1.5g)を得た。(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)の合計収量は10g(80%)であった。
【0119】
実施例4
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)の製造
方法A
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)(1.00g、3.09mmol)、および2-((ジフルオロメチル)スルフィニル)ピリジン(20)(715.10mg、3.70mmol、1.2当量)を丸底フラスコに加え、アルゴンでパージした。DMF(15mL)を加え、反応物を-55~-65℃に冷却した。KO
tBu(623.0mg、5.55mmol、1.8当量、DMF中0.5M)をシリンジポンプで1時間かけて加えた。温度は-55から-65℃の間に維持した。添加終了後、反応物を-60℃でさらに30分間撹拌した。飽和NH
4Cl(5.00mL)を加え、反応物を-60℃で5分間撹拌した後、6MのHCl(5.00mL)を加えた。-60℃で5分間撹拌した後、反応混合物を室温に温め、次いで、65℃で1時間温めた。冷却後、反応物を食塩水で希釈し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出し、食塩水(10mL)で洗浄した。Na
2SO
4で乾燥し、濃縮して、黄色の油が得られ、これをフラッシュクロマトグラフィーで精製して、白色の固体(620.0mg、1.73mmol、収率58%)を得た。
[α]
D
23℃ = -46.6 4 (c 0.80, CHCl
3); m.p. 85-87℃;
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 7.14 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.60 (d, J = 14.6 Hz, 1H), 4.19 (s, 0H), 4.14 (s, 0H), 3.90 (d, J = 14.7 Hz, 1H), 3.79 (s, 1H), 3.00 (s, 0H), 2.83 (dq, J = 14.6, 3.0 Hz, 1H), 2.27 (d, J = 15.2 Hz, 1H).
図1参照。
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 173.0, 159.5, 153.9 (dd, J = 287.5, 283.8 Hz), 129.7, 127.5, 114.3, 87.1 (dd, J = 24.9, 23.5 Hz), 63.4, 63.3, 55.3, 50.8 (d, J = 17.1 Hz), 44.6, 24.8.
図2参照。
19F NMR (376 MHz, CDCl
3) δ -88.15 (dp, J = 55.1, 2.7 Hz), -88.88 (dq, J = 54.8, 2.8 Hz).
図3参照。IR (フィルム, cm
-1) 3013, 1785, 1683, 1551; HMRS (ESI
+) calc'd for C
15H
14BrF
2NO
2+Na
+: 380.0074; 検出 380.0075.
【0120】
方法B
2-(ジフルオロメチルスルホニル)ピリジン(20)(2.5gm、12.94mmol、1.2当量)、および(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-2-(4-メトキシ-ベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)(3.5gm、10.8mmol、1当量)を、撹拌棒を有する丸底フラスコで混合し、ジメチルホルムアミド(32ml)を加えた。得られた黄色の溶液をセラムキャップ/N2針/熱電対により密封し、-40℃に冷却した。カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(KHMDS)溶液(15.1ml、15.1mmol、1.4当量)を、温度を-40℃~-35℃に維持しながら、加えた。塩基を加えると、反応液は濃いオレンジ色に変わった。得られた反応混合物を-40℃で1時間撹拌し、次いで徐々に室温に温めた。反応物を飽和NH4Cl溶液(10ml)でクエンチし、10分間撹拌し、3Mの塩酸(40ml)を加え、10分間撹拌し、フラスコの内容物を60℃の加熱浴中で1.5時間加熱し、その後、室温に冷却した。水(35ml)を加え、反応物をtert-ブチルメチルエーテル(MTBE)(3×75ml)で抽出した。エーテル抽出物を1つにまとめ、食塩水で洗浄し、無水Na2SO4粉末で乾燥させ、Chem-R-Usプラスチック焼結漏斗でろ過して使用済み乾燥剤を除去した。ろ液を濃縮して(ロータリーエバポレーター/真空/水浴、40℃)、薄い褐色の油を得た。粗生成物を、EtOAc-ヘキサングラジエント[15%(1CV) 15-75%(7.5CV) 100%(3CV)]による、100gのシリカカラムのBiotageのクロマトグラフィーによって精製し、画分を16×100mmチューブで収集した。生成物の画分を合わせ、濃縮して(ロータリーエバポレーター/真空/水浴、40℃)、ゴールデンイエローの液体を得て、これを数時間、真空ラインでポンプダウンして、(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)(2.5g;63%)を得た。
【0121】
方法C
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3,6-ジオン(5)(48.5g、149.6mmol、1当量)、および2-((ジフルオロメチル)スルフィニル)ピリジン(20)(31.8g、164.6mmol、1.1当量)のDMF(800mL)溶液に、t-BuOK(30.2g、269.3mmol、1.8当量)のDMF(800mL)溶液を、-57~-52℃で、非常にゆっくりと滴下して加えた。反応物を-55℃で0.5時間撹拌し、次いで、飽和NH4Cl溶液(400mL)を-30℃未満の温度で反応混合物にゆっくりと滴下して加えた。添加後、6NのHCl溶液(360mL)を-20℃未満で上記の混合物に添加した。混合物を10℃に温め、65℃で1時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=3:1、Rf=0.50)は新しいスポットを示した。混合物を水(4L)に加え、MTBE(2L×2)で抽出した。有機層を分離し、食塩水(2L)で洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して、残渣を赤色の油として得た。粗生成物を石油エーテル:酢酸エチル(20:1~1:1)を用いたシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)(32.5g、90.7mmol、収率60.6%)を白色の固体として得た。
【0122】
実施例5
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)の製造
方法A
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(6)(140mg、0.39mmol)を、MeCN(2.0mL)に加え、0℃に冷却した。硝酸アンモニウムセリウム(643.5mg、1.17mmol、3当量)のH
2O(0.75mL)液を滴下して加えた。反応物を室温に温め、1時間撹拌した。終了後、水を加え、溶液を酢酸エチル(2×15mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)を白色の固体として得た(75mg、0.315mmol、収率80%)。
[α]
D
23℃ = +38.5 (c 0.90, CHCl
3); m.p. 139-141℃;
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 5.87 (s, 1H), 4.41 (s, 1H), 4.32 (s, 1H), 2.96 (s, 1H), 2.87 (dq, J = 15.4, 3.4 Hz, 1H), 2.32 (d, J = 15.2 Hz, 1H).
図4参照。
3C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 174.9, 153.5 (t, J = 287.5 Hz), 88.7 (t, J = 24.1 Hz), 60.6, 51.5, 50.3, 24.3.
図5参照。
19F NMR (376 MHz, CDCl
3) δ -88.60 (dq, J = 55.1, 2.8 Hz), -88.88 (dp, J = 54.6, 2.5 Hz).
図6参照。IR (フィルム, cm-1) 3249. 1788, 1678, 1397; HMRS (ESI+) calc'd for C
7H
6BrF
2NO+H
+: 237.9679; 検出 237.9678.
【0123】
方法B
酸化的開裂反応を実施する10分前に、硝酸アンモニウムセリウム(IV)(CAN)(6.4g)11.67mmol、2.94当量)の蒸留水20mlの水溶液を調製した。(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(4-メトキシベンジル)-2-アザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(1.4g、3.91mmol、1当量)をアセトニトリル(70ml)に溶解し、丸底フラスコ内で撹拌棒によって撹拌した。CAN水溶液をフラスコに一滴ずつ加え、得られた混合物を室温で数時間撹拌し、hplcおよびlcmsによって反応の進行をモニタリングした。反応物を500mlの分液漏斗に入れることによって反応物をワークアップし、次いで、EtOAc(300ml)を加え、振とうし、上層を取り置いた。下の水層をさらにEtOAc(2×50ml)で抽出した。酢酸エチル抽出物を1つに合わせ、水(4×10ml)および飽和食塩水(25ml)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。プラスチック焼結漏斗でろ過して使用済みの乾燥剤を除去した後、ろ液を濃縮して(ロータリーエバポレーター/真空/水浴、40℃)、薄い褐色の油を得た。粗生成物を、EtOAc-ヘキサングラジエント[15%(1CV) 15-75%(7.5CV) 100%(3CV)]による、25gのシリカカラムのBiotageのクロマトグラフィーにより精製し、画分を16×100mmチューブで収集した。画分を含む生成物を合わせ、濃縮して(ロータリーエバポレーター/真空/水浴、40℃)、ゴールデンイエローの液体を得て、数時間真空ラインでポンプダウンして、精製された(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)(0.65g;70%)を得た。
【0124】
実施例6
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)、およびメチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)の製造
方法A
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)(890.0mg、3.74mmol)をジクロロメタン(18.0mL)に加え、次いで、Boc
2O(978.8mg、4.49mmol、1.2当量)、DMAP(45.7mg、0.37mmol、0.1当量)、およびEt
3N(0.78mL、5.61mmol、1.5当量)を順に加えた。反応物を1時間撹拌し、次いで、1MのHCl(10mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、濃縮した。得られた(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)を含む油をメタノール(18.0mL)に溶解し、次いで、K
2CO
3(1.55g、11.21mmol、3.0当量)を加え、反応物を6時間撹拌した。LC/MS(ラクタムのメタノール分解が最初の10分で発生)で示された終了の後、反応物を食塩水で希釈し、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。Na
2SO
4で乾燥し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製することにより、メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)を白色の固体として得た(570mg、1.97mmol、収率52%)。
[α]
D
23℃ = +104.8 (c 0.50, CHCl
3); m.p. 95-97℃;
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 6.58 (s, 1H), 5.50 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 4.63 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.75 (s, 3H), 3.33 (d, J = 20.4 Hz, 1H), 3.21 (dd, J = 20.3, 2.7 Hz, 1H), 1.42 (s, 9H).
図7参照。
13C NMR (126 MHz, CDCl
3) δ 164.3, 154.7, 154.6, 152.4 (t, J = 288.5 Hz), 150.1, 140.6, 135.5, 88.9 (dd, J = 21.8, 20.2 Hz), 80.1, 55.3, 51.9, 31.1, 28.3.
図8参照。
19F NMR (376 MHz, CDCl
3) δ -84.49 (d, J = 43.6 Hz), -85.91 (d, J = 43.4 Hz).
図9参照。IR (フィルム, cm
-1) 3347, 2987, 1773, 1681; HMRS (ESI
+) calc'd for C
13H
17F
2NO4+Na
+: 312.1023; 検出 312.1018.
【0125】
方法B
(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(7)(14.4g、60.5mmol、1当量)のDCM(150mL)溶液に、DMAP(739.0mg、6.05mmol、0.1当量)およびTEA(9.18g、90.7mmol、12.6mL、1.5当量)を加えた。次いで、(Boc)2O(15.8g、72.6mmol、16.6mL、1.2当量)をゆっくりと加えた。添加後、混合物を25℃で1時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:1、Rf=0.20)は、反応が完了したことを示した。混合物を、1NのHCl溶液でpH=3~4に調整し、次いで、有機層を分離し、食塩水(100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃縮して、(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)(7.50g、クルード)を、黒褐色の固体として得て、これをさらに精製せずに次の工程に使用した。(1R,4R,7R)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-(tert-ブトキシカルボニル)-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-3-オン(8)(7.50g、22.1mmol、1当量)を、MeOH(55mL)に溶解し、次いで、CH3ONa(1.44g、26.6mmol、1.2当量)を加えた。混合物を0℃で1時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=1:1、Rf=0.70)は、反応が完了したことを示した。反応混合物に水(100mL)を加え、混合物をMTBE(200mL×2)で抽出し、食塩水(150mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して、赤色の固体の残渣(クルード)を得た。粗生成物を石油エーテル:酢酸エチル(20:1~1:1)を用いたシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)(5.20g、17.9mmol、収率81.0%)を、白色の固体として得た。
【0126】
実施例7
tert-ブチル (1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボキシレート(8)の製造
この反応に使用したジクロロメタン(30ml)は、反応に使用する直前に、ガス分散管と窒素で脱酸素した。(1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-2-アザビシクロ[2.2.1]-ヘプタン-3-オン(7)(1.4g、5.88mmol、1当量)、および二炭酸ジ-tert-ブチル(2.56g、11.73mmol、2当量)を、100mlの丸底フラスコ中で、ジクロロメタン(30ml)に溶解した。4-(ジメチルアミノ)-ピリジン(DMAP)(0.3g、2.46mmol、7.3当量)を、トリエチルアミン(6ml、43mmol、0.4当量)に溶解し、次いで、このアミンを窒素雰囲気下で一滴ずつ反応物に加えた。得られたフラスコ内の反応混合物を、セラムキャップ/N2針で密封し、内容物を室温で1時間撹拌した。少量のサンプルを取り出し、反応の進行をhplcおよびlcmsでチェックした。ワークアップにおいて、揮発分を除去して(ロータリーエバポレーター/真空/水浴、周囲温度)、暗いゴールデンイエローの液体を得た。液体をジクロロメタン(50ml)に取り、1Mの塩酸(25ml)で分配し、食塩水(50ml)で洗浄した。抽出物を無水Na2SO4粉末で乾燥し、ろ過し、ろ液を濃縮して(ロータリーエバポレーター/真空/水浴、周囲温度)、褐色の油を得た。粗生成物を、EtOAc-ヘキサングラジエント[15%(1CV) 15-75%(7.5CV) 100%(3CV)]による、25gのシリカカラムのBiotageのクロマトグラフィーで精製し、画分を16×100mmチューブで収集した。画分を含む生成物を合わせ、濃縮して(ロータリーエバポレーター/真空/水浴、40℃)、ゴールデンイエローの液体を得て、これを真空ラインで数時間ポンプダウンして、精製されたtert-ブチル (1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボキシレート(1.65g;82%)を得た。
【0127】
実施例8
(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)の製造
この反応で使用したメタノール-水(3:1、v/v)溶媒は、反応で使用する直前にガス分散管と窒素で脱酸素した。tert-ブチル (1R,4R,7R)-(+)-7-ブロモ-6-(ジフルオロメチレン)-3-オキソ-2-アザビシクロ[2.2.1]-ヘプタン-2-カルボキシレート(8)(1.6g、4.73mmol、1当量)を水含有メタノール(35ml)に溶解し、窒素雰囲気下で撹拌棒で撹拌し、炭酸カリウム粉末(1.96g、14.18mmol、3当量)を溶液に一度に加えた。反応フラスコをセラムキャップおよび窒素針で密封し、内部の混合物を12時間撹拌した。ジクロロメタン(50ml)を加えた後、二相の粗反応混合物を1Mの塩酸で酸性化して過剰の炭酸カリウムを潰し、pHを7にした(pH試験紙)。相を分割し、揮発分をジクロロメタン層から除去した。粗生成物を、メタノール-CH2Chグラジエント[1%(1CV) 1-20%(7.5CV) 20%(3CV)]による、25gのシリカカラムのBiotageのクロマトグラフィーにより精製し、画分を16×100mmチューブで収集した。画分を含む生成物を合わせ、濃縮して(ロータリーエバポレーター/真空/水浴、40℃)、ゴールデンイエローの固体を得て、これを真空ラインで数時間ポンプダウンして、精製された(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)(0.733g;56%)を得た。
【0128】
実施例9
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸塩酸塩(1)の製造
方法A
メチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)(570.0mg、1.97mmol)をジオキサン(1.00mL)に溶解し、6MのHCl(9mL)を加えた。80℃で2時間加熱した後、反応物を濃縮して、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸塩酸塩(1)を、薄い褐色の粉末として得た(403.0mg、1.90mmol、収率97%)。エタノール/ジエチルエーテルによる結晶化により、純度が>99%に向上した。
[α]
D
23℃ = +67.2 (c 0.90, H
2O); m.p. 207℃ (decomp.);
1H NMR (500 MHz, D
2O) δ 6.59 (s, 1H), 4.70 (s, 13H), 3.39 (d, J = 20.5 Hz, 1H), 3.33 (d, J = 20.8 Hz, 1H).
図10参照。
13C NMR (126 MHz, D
2O) δ 167.2, 153.0 (dd, J = 290.1, 288.4 Hz), 141.8, 134.3, 86.1 (dd, J = 26.6, 21.2 Hz), 54.8 (d, J = 5.7 Hz), 31.1.
図11参照。
19F NMR (470 MHz, D
2O) δ -83.1 (dq, J = 40.8, 2.8 Hz), -83.5 (dq, J = 40.4, 2.1 Hz).
図12参照。IR (フィルム, cm
-1) 3348, 3075, 2981, 2883, 2829, 2600, 2434, 1771, 1686; HMRS (ESI
-) calc'd for C
7H
7F
2NO
2-H: 174.0372; 検出 174.0369.
【0129】
方法B
(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(9)(5.20g、17.9mmol、1当量)を、4MのHCl(g)/EtOAc(100mL)に加え、混合物を20~30℃で2時間撹拌した。TLC(石油エーテル:酢酸エチル=5:1、Rf=0)は、出発物質が完全に消費されたことを示した。混合物を減圧下で濃縮して、メチル (S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート塩酸塩(3.00g、クルード、HCl塩)を黄色の固体として得て、これをさらに精製することなく次の工程に使用した。上記の化合物(3.00g、13.3mmol、1.0当量)をMeOH(15mL)に加え、LiOH・H2O(1.39g、33.2mmol、2.5当量)のH2O(10mL)溶液を上記の混合物に、20~30℃でゆっくり加えた。混合物を20~30℃で3時間撹拌した。TLC(ジクロロメタン:メタノール=5:1、Rf=0.40)は、出発物質が完全に消費されたことを示した。混合物を6MのHCl溶液でpH=2~3に調整し、濃縮して粗生成物を得て、これを逆相HPLC(Agela C18 330g;移動相:[水(0.1%HCl)-MeOH];B%:10%-20%、20min、70mL/min)で精製することにより、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸塩酸塩(1)(1.80g、8.46mmol、収率63.7%、純度99.5%)を白色の固体として得た。
【0130】
実施例10
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸塩酸塩(1)の製造
6Nの塩酸を、濃塩酸(10ml)と水(10ml)を混合して調製した。この反応で使用したTHFは、反応に使用する直前にガス分散管と窒素で脱酸素した。(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)-シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(19)を、THF(2ml)に溶解し、撹拌棒を有する10mlの丸底フラスコで撹拌した。6Mの塩酸(2ml)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、THFおよび水を活性のある窒素ガス流によって一晩除去した。ピンク色の固体残渣を真空ラインで数時間ポンプダウンして残留溶媒を除去して、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレン)-1-シクロペンテン-1-カルボン酸塩酸塩(1)をピンク色の固体として得た(~100mg;86%)。
【0131】
本明細書において提供される実施例および実施形態は、例示的な実施例および実施形態であることを理解されたい。当業者は、本明細書の開示の範囲と一致する実施例および実施形態の様々な修正を想定するであろう。そのような修正は、特許請求の範囲に包含されることが意図される。
エチル-シクロペンタ-3-エン-カルボキシレート(10)が、シャープレスアミノヒドロキシル化およびBoc保護により、(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)に変換される、請求項1に記載の方法。
(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)が、酸化により、(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)に変換される、請求項1に記載の方法。
(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレートが保護され、エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)に変換される、請求項1に記載の方法。
エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)が、フェニルセレニウムブロミド、塩基およびH2O2に供されて、エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)を得る、請求項1に記載の方法。
エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)が脱保護され、ホーナー・ウィッティヒ反応に供されて、エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)を得る、請求項1に記載の方法。
エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)が、トリフルオロ酢酸(TFA)、ジクロロメタン(DCM)および飽和NaHCO3によって、(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)に変換される、請求項1に記載の方法。
エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)またはその薬学的に許容される塩。
エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)またはその薬学的に許容される塩。
エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)またはその薬学的に許容される塩。
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および以下の化合物の1つまたは複数:エチル-シクロペンタ-3-エン-カルボキシレート(10)、(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)、(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)、エチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)、エチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)、エチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15)、または前記の化合物のいずれかの薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgのエチル-シクロペンタ-3-エン-カルボキシレート(10)またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgのエチル-シクロペンタ-3-エン-カルボキシレート(10)、(3R,4S)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ヒドロキシ)シクロペンタンカルボキシレート(11)またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgの(3R)-エチル-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-シクロペンタンカルボキシレート(12)またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgのエチル (9S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノナンカルボキシレート(13)またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgのエチル (S)-9-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)-1,4-ジオキサ-7-スピロ[4.4]ノネン-7-カルボキシレート(14)またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。
(S)-3-アミノ-4-(ジフルオロメチレニル)シクロペンタ-1-エン-1-カルボン酸(1)またはその薬学的に許容される塩、および、0.0001~1mgのエチル (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-(ジフルオロメチレン)シクロペンタ-1-エン-1-カルボキシレート(15))またはその薬学的に許容される塩、を含む医薬組成物。