(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096871
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】ロボットデバイス用の手術用ドレープ
(51)【国際特許分類】
A61B 46/10 20160101AFI20240709BHJP
【FI】
A61B46/10
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024064823
(22)【出願日】2024-04-12
(62)【分割の表示】P 2021538022の分割
【原出願日】2019-12-30
(31)【優先権主張番号】62/786,452
(32)【優先日】2018-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517077153
【氏名又は名称】モメンティス サージカル リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Momentis Surgical Ltd.
【住所又は居所原語表記】6 Yonatan Netanyahu Street,Or-Yehuda, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レヴィンソン ヤロン
(72)【発明者】
【氏名】コンラッド ミハエル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】遠位拡張部を組み立てることができる手術ロボットデバイスを覆うための手術用ドレープを提供する。
【解決手段】I.細長い中空のスリーブを画定する可撓性の材料の薄いシートで形成される第1のドレープ部分であって、スリーブの第1の側にある開放端と、スリーブの対向する第2の側にある部分的閉塞端と、開放端および部分的閉塞端の間に延びる細長いスリーブの本体と、部分的閉塞端からスリーブの本体の隣接する部分へと延びるアクセス可能な開口部と、を備える第1のドレープ部分と、II.第1のドレープ部分の上に配置されるように構成された第2のドレープ部分であって、第2のドレープ部分は、可撓性の材料の薄いシートで形成され、第2のドレープ部分は、アクセス可能な開口部を少なくとも部分的に覆う形状およびサイズである、第2のドレープ部分と、を備える、ドレープに関する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術デバイスのための2つの部分を有するドレープであって
I.細長い中空のスリーブを画定する可撓性の材料の薄いシートで形成される第1のドレープ部分であって、
前記スリーブの第1の側にある開放端と、
前記スリーブの対向する第2の側にある部分的閉塞端と、
前記開放端および前記部分的閉塞端の間に延びる細長いスリーブの本体と、
前記部分的閉塞端から前記スリーブの本体の隣接する部分へと延びるアクセス可能な開口部と、
を備える第1のドレープ部分と、
II.前記第1のドレープ部分の上に配置されるように構成された第2のドレープ部分であって、前記第2のドレープ部分は、可撓性の材料の薄いシートで形成され、前記第2のドレープ部分は、前記アクセス可能な開口部を少なくとも部分的に覆う形状およびサイズである、第2のドレープ部分と、
を備える、ドレープ。
【請求項2】
前記第1のドレープ部分の前記本体は、前記本体に埋め込まれまたは取り付けられ、前記アクセス可能な開口部と前記開放端との間に位置する少なくとも1つの固定要素を備える、請求項1に記載のドレープ。
【請求項3】
前記固定要素は、細長い変形可能な要素を備える、請求項2に記載のドレープ。
【請求項4】
前記第1のドレープ部分の前記本体は、本体の長辺に沿って閉じられている、請求項1に記載のドレープ。
【請求項5】
前記アクセス可能な開口部は、長方形である、請求項1に記載のドレープ。
【請求項6】
前記第2のドレープ部分は、それぞれが使用者の手の少なくとも一部を挿入できる大きさである複数の谷折りを含むハンドリング部を備える、請求項1に記載のドレープ。
【請求項7】
連続のまたは溶着したプラスチックまたはナイロンのシートから形成される、請求項1に記載のドレープ。
【請求項8】
熱可塑性ポリウレタン、超高分子量ポリエチレン、低密度ポリエチレン、および高密度ポリエチレンのうちの1つまたは複数で形成される、請求項7に記載のドレープ。
【請求項9】
前記ドレープは、少なくとも部分的に透明であり、前記ドレープで覆われた手術デバイスの少なくとも一部を透視することができる、請求項1に記載のドレープ。
【請求項10】
前記第1のドレープ部分は、少なくとも前記アクセス可能な開口部の周囲に延びるマーカを備える、請求項1に記載のドレープ。
【請求項11】
前記マーカは、着色された裏地を備える、請求項10に記載のドレープ。
【請求項12】
前記第1のドレープ部分は、ポケットまたは折り目であって、前記第2のドレープ部分が収納され、そこから引き離されるまたは中に挿入されることができるポケットまたは折り目を備える、請求項1に記載のドレープ。
【請求項13】
前記第1のドレープ部分と前記第2のドレープ部分とがユニットとして形成される、請求項1に記載のドレープ。
【請求項14】
前記第1のドレープ部分と前記第2のドレープ部分とが別個のシートとして形成される、請求項1に記載のドレープ。
【請求項15】
前記第1のドレープ部分および前記第2のドレープ部分の一方または両方は、接着部、面ファスナ、ベルクロ(登録商標)、磁石のうちの1つまたは複数を含む取り付け手段を備える、請求項1に記載のドレープ。
【請求項16】
前記第1のドレープ部分および前記第2のドレープ部分の一方または両方が、ドレープ部分を手術デバイスの上に被せる方向を示す1つまたは複数のマーキングを備える、請求項1に記載のドレープ。
【請求項17】
前記ドレープは、滅菌に適した材料で形成される、請求項1に記載のドレープ。
【請求項18】
1つまたは複数の手術用アームに取り付けられるように構成されたモータユニットを含む手術デバイスと、
請求項1に記載のドレープであって、前記ドレープが前記モータユニットの上に被せられる、ドレープと、
を備える、アセンブリ。
【請求項19】
前記第1のドレープ部分の前記アクセス可能な開口部は、前記1つまたは複数の手術用アームが取り付けられた前記モータユニットのアクセスポートを露出させる、請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記第1のドレープ部分は、前記第1のドレープ部分に取り付けられたまたは埋め込まれた固定要素を備え、前記固定要素は、前記モータユニットの縁の上に装着するように配置される、請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項21】
前記アクセス可能な開口部は、前記モータユニットの上面の少なくとも一部と、前記1つまたは複数の手術用アームの出口開口部が配置された前記モータユニットの前面または遠位面の少なくとも一部と、を露出させる、請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項22】
手術デバイスのドレープであって、
可撓性の材料の薄いシートで形成されたスリーブであって、
開放端と、
前記開放端に対向する部分的閉塞端と、
前記開放端および前記部分的閉塞端の間に延びる管状の本体と、
を画定するスリーブを備え、
前記スリーブは、前記スリーブを平坦にしたときに、前記部分的閉塞端の縁から、前記部分的閉塞端の前記縁に垂直な前記本体の側縁まで延びる切欠部を含む、
ドレープ。
【請求項23】
前記切欠部は、段差のあるプロファイルを備える、請求項22に記載のドレープ。
【請求項24】
前記本体の前記側縁の少なくとも一部に沿って、前記切欠部と前記開放端との間に位置合わせされた固定要素をさらに備える、請求項22に記載のドレープ。
【請求項25】
請求項22に記載のドレープと、前記ドレープが上に展開される手術デバイスと、を備えるアセンブリであって、前記ドレープの前記切欠部は、デバイス拡張部を取り付けることができる前記手術デバイスのアクセスポートを露出させる、アセンブリ。
【請求項26】
前記固定要素は、前記手術デバイスの縁に装着される、請求項22に記載のアセンブリ。
【請求項27】
前記手術デバイスは、1つまたは複数の手術用アームを作動させるためのモータユニットを備え、前記デバイス拡張部は、1つまたは複数の手術用アームを備える、請求項22に記載のアセンブリ。
【請求項28】
環境に対する手術デバイスの露出を最小限に抑えながら、前記手術デバイスを組み立てる方法であって、
前記手術デバイスを覆うように前記手術デバイスの上にドレープを展開するステップと、
前記ドレープの第1の部分を除去するステップであって、前記第1の部分は、少なくとも1つの手術用アームが延びる前記手術デバイスのアクセスポートおよび出口開口部を覆う、除去するステップと、
手術中に、前記手術デバイスの表面積の少なくとも90%が前記ドレープによって覆われた状態を維持しながら、前記少なくとも1つの手術用アームを交換するステップと、
前記アクセスポートを第2のドレープ部分で覆うステップと、
を備える、方法。
【請求項29】
遠位デバイス拡張部への取り付けのためのアクセスポートを遠位部分に有する手術デバイスを無菌的に覆う方法であって、
手術用のドレープを圧縮状態から展開するステップと、
前記ドレープを前記手術デバイスに展開して前記手術デバイスを覆うステップと、
前記ドレープの遠位部に形成された開口部を前記アクセスポートに位置合わせするステップと、
前記開口部の反対側の前記ドレープに埋め込まれたまたは取り付けられた固定要素を、前記固定要素が前記手術デバイスの近位部の形状に適合するように装着することにより、前記位置合わせを維持するステップと、
を備える、方法。
【請求項30】
前記開口部および前記固定要素は、前記ドレープの長軸に沿って配置されており、前記位置合わせするステップは、前記開口部および前記固定要素が配置されている前記ドレープの前記長軸の少なくとも一部分を、前記手術デバイスの長軸と位置合わせするステップを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記アクセスポートを介して遠位デバイス拡張部を取り付けるステップと、前記遠位デバイス拡張部のみがそこから突出するように、前記アクセスポートを第2のドレープまたはドレープ部分で覆うステップと、をさらに備える、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
外科手術中に、前記第2のドレープまたはドレープ部分を前記アクセスポートから離すことによって前記遠位拡張部を交換するステップと、前記第2のドレープまたはドレープ部分で前記アクセスポートを再び覆うことによって、前記遠位拡張部を交換するステップと、をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
アクセスポートを含む手術デバイスを無菌的に覆う方法であって、
開口部を含むドレープを展開して、前記開口部を介して前記アクセスポートを露出させつつ前記手術デバイスを覆うステップと、
前記開口部が前記アクセスポートに位置合わせして維持され、前記アクセスポートへの一貫したアクセスを提供するように、前記ドレープを前記手術デバイスの上に固定するステップと、
を備える、方法。
【請求項34】
前記固定するステップは、前記ドレープに埋め込まれた又は取り付けられた固定要素を前記手術デバイスに取り付けるステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記固定要素は、変形可能な半剛性の細長いストリップを備え、前記固定するステップは、前記ストリップを前記手術デバイスの縁の上で曲げるステップを備える、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記ドレープは、前記開口部を覆う取り外し可能または移動可能な部分を含み、前記方法は、前記取り外し可能または移動可能なドレープ部分を取り外しまたは移動させて前記アクセスポートを露出させるステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記取り外しは、前記ドレープ部分を引き裂くことを備え、前記移動は、前記ドレープ部分を折り畳むことと前記アクセスポートを露出させるように前記ドレープ部分を巻くこととの一方または両方を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記取り外しまたは移動は、前記アクセスポートを介してデバイス拡張部を前記手術デバイスに取り付ける前に、2分以内で行われる、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
手術用アームを作動させるためのモータユニットであって、前記モータユニットは、前記手術用アームを組み立てるためのアクセスポートを備える、モータユニットと、
手術用ドレープであって、
前記ドレープが前記モータユニットに展開されたときに、前記アクセスポートに位置合わせされる開口部を含むドレープ本体と、
組み立てられた前記手術用アームが前記モータユニットから外向きに突出することを可能にしつつ、前記手術用アームの組み立て後に前記アクセスポートを実質的に覆う形状および大きさである部分と、
を備える手術用ドレープと、
を備える、アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2018年12月30日に出願された米国仮特許出願第62/786,452号の35 USC§119(e)に基づく優先権の利益を主張するものであり、その内容は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[発明の分野と背景]
本発明は、そのいくつかの実施形態において、手術デバイスを覆うための手術用ドレープに関し、より詳細には、排他的ではないが、遠位拡張部を組み立てることができる手術ロボットデバイスを覆うための手術用ドレープに関するものである。
【0003】
特許文献1は、「Cアームイメージングユニットの端部について無菌の外面を提供するように構成された手術用放射線医学CアームイメージングユニットドレープおよびCアームイメージングユニットの端部について無菌の表面を提供するための方法」と開示する。ドレープは、一対の側壁を有する上壁と、上壁から下向きに延びる後面とを有する可撓性の筐体を含む。上壁および側壁は、拡張位置と折り畳み位置との間で拡張可能である。拡張位置では、上壁の下にイメージングユニットの端部を受け入れるための大きさのポケットが形成される。上壁は、手術台の上の無菌ゾーンで無菌性を維持するために、イメージングユニットの端部から反対向きに、その上に重なるように構成された無菌の外面を有する。折り畳まれた位置にあるとき、無菌の外面は外部の汚染から遮断される(要約)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、手術デバイスのための2つの部分を有するドレープであって、I.細長い中空のスリーブを規定する可撓性の材料の薄いシートで形成された第1のドレープ部分であって、第1のドレープ部分は、スリーブの第1の側にある開放端と、スリーブの対向する第2の側にある部分的閉塞端と、開放端と部分的閉塞端との間に延在する細長いスリーブの本体と、部分的閉塞端からスリーブの本体の隣接する部分に延在するアクセス可能な開口部と、を含む、第1のドレープ部分と、II.第1のドレープ部分の上に配置されるように構成された第2のドレープ部分であって、第2のドレープ部分は、可撓性の材料の薄いシートで形成されており、第2のドレープ部分は、アクセス可能な開口部を少なくとも部分的に覆うような形状およびサイズである、第2のドレープ部分と、を備えるドレープが提供される。いくつかの実施形態では、第1のドレープ部分の本体は、本体に埋め込まれたまたは取り付けられた、アクセス可能な開口部と開放端との間に位置する少なくとも1つの固定要素を備える。いくつかの実施形態では、固定要素は、細長い変形可能な要素を備える。いくつかの実施形態では、第1のドレープ部分の本体は、本体の長辺に沿って閉じられている。いくつかの実施形態では、アクセス可能な開口部は、長方形である。いくつかの実施形態では、第2のドレープ部分は、ユーザの手の少なくとも一部を挿入するための大きさの谷折りをそれぞれ含むハンドリング部分を備える。いくつかの実施形態では、ドレープは、連続するまたは溶着されたプラスチックまたはナイロンシートで形成される。いくつかの実施形態では、ドレープは、熱可塑性ポリウレタン、超高分子量ポリエチレン、低密度ポリエチレン、および高密度ポリエチレンのうちの1つまたは複数で形成される。いくつかの実施形態では、ドレープは、ドレープで覆われた手術デバイスの少なくとも一部を透視できるように、少なくとも部分的に透明である。いくつかの実施形態では、第1のドレープ部分は、少なくともアクセス可能な開口部の周囲に延びるマーカを備える。いくつかの実施形態では、マーカは、着色された裏地を備える。いくつかの実施形態では、第1のドレープ部分は、第2のドレープ部分が収納され、そこから引き離されたり、中に挿入されたりすることができるポケットまたは折り目を備える。いくつかの実施形態では、第1のドレープ部分および第2のドレープ部分は、ユニットとして形成される。いくつかの実施形態では、第1のドレープ部分および第2のドレープ部分は、別個のシートとして形成されている。いくつかの実施形態では、第1のドレープ部分および第2のドレープ部分の一方または両方は、接着部、面ファスナ、ベルクロ(登録商標)、磁石のうちの1つまたは複数を含む取り付け手段を備える。いくつかの実施形態では、第1のドレープ部分および第2のドレープ部分の一方または両方は、ドレープ部分を手術デバイスの上に被せる方向を示すための1つまたは複数のマーキングを備える。いくつかの実施形態では、ドレープは、滅菌に適した材料で形成される。
【0006】
本発明のいくつかの実施形態によれば、1つまたは複数の手術用アームに取り付けるように構成されたモータユニットを含む手術デバイスと、ドレープであって、ドレープがモータユニットの上に被せられているドレープと、を含むアセンブリが提供される。いくつかの実施形態では、第1のドレープ部分のアクセス可能な開口部は、1つまたは複数の手術用アームが取り付けられるモータユニットのアクセスポートを露出させる。いくつかの実施形態では、第1のドレープ部分は、第1のドレープ部分に取り付けられたまたは埋め込まれた固定要素を備え、固定要素は、モータユニットの縁の上に装着するように配置される。いくつかの実施形態では、アクセス可能な開口部は、モータユニットの上面の少なくとも一部と、1つまたは複数の手術用アームの出口アパチャが配置されているモータユニットの前面(遠位)の少なくとも一部と、を露出させる。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、可撓性の材料の薄いシートで形成され、開放端と、開放端に対向する部分的閉塞端と、開放端と部分的閉塞端との間に延びる管状の本体と、を画定するスリーブであって、スリーブを平らに寝かせたときに、部分的閉塞端の縁から、部分的閉塞端の縁に垂直な本体の側縁まで延びる切欠部と、を備える手術デバイス用ドレープが提供される。いくつかの実施形態では、切欠部は、段付きプロファイルを備える。いくつかの実施形態では、ドレープは、切欠部と開放端との間で、本体の側縁の少なくとも一部に沿って配置された固定要素をさらに備える。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、ドレープと、ドレープがその上に展開される手術デバイスと、を含むアセンブリが提供され、ドレープの切欠部が、デバイス拡張部を取り付けることができる手術デバイスのアクセスポートを露出させる。いくつかの実施形態では、固定要素は、手術デバイスの縁の上に装着される。いくつかの実施形態では、手術デバイスは、1つまたは複数の手術用アームを作動させるためのモータユニットを備え、デバイス拡張部は、1つまたは複数の手術用アームを備える。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、手術デバイスの環境への露出を最小限に抑えながら手術デバイスを組み立てる方法であって、手術デバイスを覆うようにドレープを展開するステップと、ドレープの第1の部分を除去するステップであって、第1の部分は、少なくとも1つの手術用アームが延びる手術デバイスのアクセスポートおよび出口アパチャを覆う、除去するステップと、外科手術中に、ドレープによって覆われた手術デバイスの表面積の少なくとも90%を維持しながら、少なくとも1つの手術用アームを交換するステップと、アクセスポートを第2のドレープ部分で覆うステップと、を備える方法が提供される。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、遠位デバイス拡張部に取り付けるためのアクセスポートを遠位部に有する手術デバイスを無菌的に覆う方法であって、手術用ドレープを圧縮された状態から展開するステップと、手術デバイスを覆うためにドレープを手術デバイスの上に展開するステップと、ドレープの遠位部に形成された開口部をアクセスポートに位置合わせするステップと、開口部の反対側にドレープに埋め込まれたまたは取り付けられた固定要素を、固定要素が手術デバイスの近位部の形状に適合するように装着することによって、位置合わせを維持するステップと、を備える方法が提供される。いくつかの実施形態では、開口部および固定要素は、ドレープの長軸に沿って配置されており、位置合わせするステップは、開口部および固定要素が配置されているドレープの長軸の少なくとも一部分を、手術デバイスの長軸と位置合わせするステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、アクセスポートを介して遠位デバイス拡張部を取り付けるステップと、遠位デバイス拡張部のみがそこから突出するように、第2のドレープまたはドレープ部分でアクセスポートを覆うステップと、を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、外科手術中に、第2のドレープまたはドレープ部分をアクセスポートから遠ざけ、遠位拡張部を交換し、第2のドレープまたはドレープ部分でアクセスポートを再び覆うことによって、遠位拡張部を交換するステップを含む。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、アクセスポートを含む手術デバイスを無菌的に覆う方法であって、開口部を介してアクセスポートを露出させながら手術デバイスを覆うように、開口部を含むドレープを展開するステップと、開口部がアクセスポートに位置合わせされて維持されるようにドレープを手術デバイスに貼り付けるステップと、アクセスポートへの一貫したアクセスを提供するステップと、を備える方法が提供される。いくつかの実施形態では、貼り付けるステップは、ドレープに埋め込まれたまたは取り付けられた固定要素を手術デバイスに取り付けるステップを含む。いくつかの実施形態では、固定要素は、変形可能な半剛体の細長いストリップを備え、貼り付けるステップは、ストリップを手術デバイスの縁の上に曲げるステップを備える。いくつかの実施形態では、ドレープは、開口部を覆う取り外し可能または移動可能な部分を備え、本方法は、アクセスポートを露出させるために、取り外し可能または移動可能なドレープ部分を取り外すステップまたは移動させるステップを備える。いくつかの実施形態では、取り外すステップは、ドレープ部分を引き裂くステップを含み、移動させるステップは、アクセスポートを露出させるためにドレープ部分を折り畳むステップおよびドレープ部分を巻くステップの一方または両方を含む。いくつかの実施形態では、取り外すステップまたは移動させるステップは、アクセスポートを介してデバイス拡張部を手術デバイスに取り付ける前に、2分以内に行われる。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、手術用アームを作動させるためのモータユニットであって、手術用アームを組み立てるためのアクセスポートを含むモータユニットと、手術用ドレープであって、ドレープがモータユニット上に展開されたときにアクセスポートと位置合わせされる開口部を含むドレープ本体と、一方で組み立てられた手術用アームがモータユニットから外側に突出することを可能にしつつ、手術用アームの組み立て後にアクセスポートを実質的に覆う形状および大きさの部分と、を含む手術用ドレープと、を備えるアセンブリが提供される。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、遠位拡張部のアセンブリのためのアクセスポートを含む手術デバイスを覆うための手術用ドレープであって、可撓性の材料の薄いシートであって、シートの遠位部分は、アクセスポートを露出させる形状および大きさの開口部を備えるシートと、シートの近位部分に埋め込まれたまたは取り付けられた、少なくとも1つの固定要素(例えば、変形可能なストリップ)と、を備え、固定要素および開口部は、それぞれシートの長軸に沿って位置合わせされ、固定要素が手術デバイスに装着されたときに、開口部がアクセスポートと位置合わせされて維持される、手術用ドレープが提供される。いくつかの実施形態では、開口部および固定要素は、シートの長軸に沿って互いに対向して配置される。いくつかの実施形態では、固定要素がデバイスに装着されたときに、ドレープは、デバイスの長さに対して軸方向に位置合わせされる。いくつかの実施形態では、固定要素がデバイスに装着されたとき、開口部は、デバイスの幅に対して中央に配置される。いくつかの実施形態では、固定要素は、デバイスの上に展開されたときにドレープの少なくとも一部を整形するためのフレームとして機能するのに十分な剛性を有する。いくつかの実施形態では、固定要素は、ドレープをデバイスの上に締め付け、ドレープが動かないようにデバイスに固定するのに十分な剛性を有する。いくつかの実施形態では、固定要素は、コーティングされた可撓性のワイヤを備えるストリップの形をしている。いくつかの実施形態では、ドレープは、箱型の手術デバイスを覆うように整形される。いくつかの実施形態では、ドレープは、拡張された状態では、開口部を規定する切落角を含む長方形の断面プロファイルを備える。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、手術デバイスを覆うための2つの部分を有する手術用ドレープであって、第1のドレープ部分であって、手術デバイスの遠位拡張部が組み立てられる手術デバイスのアクセスポートと、遠位拡張部がデバイスから外側に突出する出口アパチャと、を露出する形状、大きさ、および位置を備える開口部を備える、第1のドレープ部分と、拡張部の組み立て後に第1のドレープ部分の上に少なくとも部分的に展開される第2のドレープ部分であって、第2のドレープ部分は、露出したアクセスポートを覆い、デバイス拡張部が外側に突出する切欠部を画定する形状およびサイズを有する、第2のドレープ部分と、を備える手術用ドレープが提供される。いくつかの実施形態では、第2のドレープ部分は、ユーザの手の少なくとも一部を挿入するための大きさの谷折りを含むハンドリング部分を備え、谷折りは、ドレープが展開されたときに出口アパチャに隣接して延び、切欠部を画定する。いくつかの実施形態では、ドレープは、第2のドレープ部分の近位面から延びる可撓性のバンドを備え、可撓性のバンドは、出口アパチャでデバイス拡張部に巻き付けられて拡張部を支持し、出口アパチャを囲むのに十分な長さを有する。いくつかの実施形態では、第1のドレープ部分がデバイスの上に展開されると、開口部は、ドレープの上面の遠位部分からドレープの遠位面の上部まで延びる。いくつかの実施形態では、ドレープは、連続するまたは溶着されたプラスチックまたはナイロンシートで形成される。いくつかの実施形態では、ドレープは、デバイスの少なくとも一部の視認を可能にするために、少なくとも部分的に透明である。いくつかの実施形態では、ドレープは、無菌領域を示すための着色された裏地を備える。いくつかの実施形態では、第1のドレープ部分は、第2のドレープ部分が収納され、そこから引き離されたり、中に挿入されたりすることができるポケットまたは折り目を備える。いくつかの実施形態では、第1および第2のドレープ部分は、一体的に取り付けられている。いくつかの実施形態では、第1および第2のドレープ部分は、別々のシートで形成されている。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、手術デバイスを覆うための手術用ドレープであって、開口部を含む第1のシートと、第1のシートの上に被せる形状の第2のシートであって、第2のシートが第1のシートの開口部を覆うことにより、開口部の下にあるデバイス部分の周囲への露出を低減する第2のシートと、第1および第2のシートを互いに結合するために第1および第2のシートの一方または両方に設けられた1つまたは複数の接着部と、第1のシートをデバイスに結合するために第1のシートに設けられた1つまたは複数の接着部と、を備える手術用ドレープが提供される。いくつかの実施形態では、接着部は、引き剥がしタブ、ステッカー、面ファスナ、二重ロックファスナ、および/または連結する平坦な表面を有する接着部のうちの1つまたは複数を備える。いくつかの実施形態では、第1および第2のシートの一方または両方は、デバイスへのシートの展開方向を示すための1つまたは複数のマーキングを含む。いくつかの実施形態では、シートのそれぞれは、折り畳まれた圧縮構成を備える。いくつかの実施形態では、ドレープシートの各々の圧縮構成の断面表面積は、展開されたシートの各々の断面表面積よりも少なくとも10倍小さい。いくつかの実施形態では、接着部の1つ以上が、開口部に隣接して配置されている。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、手術室環境へのデバイスの露出を最小限に抑えながらロボットデバイスを組み立てる方法であって、少なくとも1つのロボットアームが受け入れられるアクセスポートを覆うドレープ部分を除去するステップと、手術中に、デバイスの表面積の少なくとも90%を滅菌ドレープで覆った状態を維持しながら、少なくとも1つのロボットアームを交換するステップと、アクセスポートをドレープ部分で覆うステップと、を備える方法が提供される。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、手術用ドレープのための引き剥がし粘着剤であって、接着ストリップと、接着ストリップに取り付けられ、ドレープの内部側に構成された第1の端部とドレープの外部側に延びる第2の端部と、を有する細長い剥離紙とを備え、第2の端部が引っ張られることにより、第1の端部が接着ストリップから引き剥がされて、接着ストリップがユーザに直接触れられることなくドレープで覆われているデバイスに付着するように構成されている、手術用ドレープのための引き剥がし粘着剤が提供される。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、アクセスポートを含む手術デバイスを無菌的にカバーする方法であって、手術用ドレープを圧縮された状態から展開するステップと、手術デバイスを覆うためにドレープを手術デバイスの上に展開するステップと、ドレープの遠位部分に形成された開口部をアクセスポートに位置合わせするステップと、開口部と反対側のドレープの近位部分に埋め込まれたまたは取り付けられた固定要素(塑性変形可能なストリップなど)を、固定要素が手術デバイスの近位部分の形状に適合するように装着することによって、位置合わせを維持するステップと、を備える方法が提供される。いくつかの実施形態では、開口部および固定要素は、ドレープの長軸に沿って配置されており、位置合わせするステップは、ドレープの長軸を手術デバイスの長軸と位置合わせするステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、アクセスポートを介して遠位デバイス拡張部を取り付けるステップと、遠位デバイス拡張部のみがそこから突出するように、第2のドレープまたはドレープ部分でアクセスポートを覆うステップと、をさらに備える。いくつかの実施形態では、本方法は、第2のドレープまたはドレープ部分をアクセスポートから遠ざけ、遠位拡張部を交換し、アクセスポートを第2のドレープまたはドレープ部分で再び覆うことによって、手術中に遠位拡張部を交換するステップをさらに含む。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、ロボットアームを作動させるためのモータユニットであって、ロボットアームを組み立てるためのアクセスポートを含むモータユニットと、第1のシートがモータユニット上に展開されたときにアクセスポートと位置合わせされる開口部を含む第1のシートと、ロボットアームの組み立て後にアクセスポートを実質的に覆う形状および大きさの部分を含む第2のシートと、を含む手術用ドレープと、を備えるキットが提供される。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、手術デバイスを覆うための手術用ドレープが提供され、手術デバイスは、デバイス拡張部を組み立てるためにデバイスの遠位端にアクセスポートを含み、ドレープは、可撓性材料の薄いシートを備え、シートは、少なくともデバイスの遠位端とデバイスの近位端との間に延びるのに十分な長さを有し、シートは、アクセスポートを露出させる形状および大きさの開口部と、シート内に埋め込まれたまたはシート上に取り付けられた少なくとも1つの固定部であって、デバイスの近位端に対応する位置で開口部の反対側に位置する固定部と、を含み、開口部と固定部は、アクセスポートとデバイスの近位端との間の距離に対応するお互いからの距離に配置され、固定部が手術デバイスに装着されたときに、開口部がアクセスポートに位置合わせされて、保持され維持される。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、手術デバイスを覆うための手術用ドレープであって、開口部を有する第1のシートと、手術デバイスを覆うために第1のシートが展開されたときに第1のシートの上に被さるように整形された第2のシートであって、第1のシートの開口部を覆うことにより、開口部の下にあるデバイス部分の周囲への露出を低減する第2のシートと、第1および第2のシートを互いに結合するために、第1のシートの外側表面および第2のシートの内側表面の一方または両方に設けられた1つまたは複数の接着部と、第1のシートをデバイスに結合するために、第1のシートの内側表面に設けられた1つまたは複数の接着部と、を備える手術用ドレープが提供される。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、アクセスポートを含む手術デバイスを無菌的に覆う方法であって、圧縮された状態の手術用ドレープを展開するステップと、手術デバイスを覆うためにドレープを手術デバイスの上に展開するステップと、ドレープの遠位部に形成された開口部をアクセスポートに位置合わせするステップと、開口部に対向するドレープの近位部に埋め込まれたまたは取り付けられた固定要素を、固定要素が手術デバイスの近位部の形状に適合するように装着することによって、位置合わせを維持するステップと、を備える方法が提供される。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、手術用ドレープのための引き剥がし粘着剤であって、接着ストリップと、細長い剥離紙であって、前記接着ストリップに取り付けられ、ドレープの内部側に構成された第1の端部と、ドレープの外側に延びる第2の端部と、を備える細長い剥離紙と、を備え、前記第2の端部は、引っ張られるように構成され、それにより、前記第1の端部を前記接着ストリップから引き剥がして、接着ストリップがユーザに直接触れられることなくドレープで覆われているデバイスに付着するように構成されている、手術用ドレープのための引き剥がし粘着剤が提供される。
【0024】
特に定義されていない限り、本明細書で使用されているすべての技術的および/または科学的な用語は、本発明が関連する技術分野の通常の技術者によって一般的に理解されているのと同じ意味を持つ。本明細書に記載されたものと同様または同等の方法および材料を、本発明の実施または試験に使用することができるが、例示的な方法および/または材料を以下に記載する。矛盾がある場合は、定義を含む特許明細書が優先される。また、材料、方法、および例は例示に過ぎず、必ずしも限定的であることを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明のいくつかの実施形態は、添付の図面を参照して、例示としてのみ説明される。ここで図面を詳細に参照すると、示された特定事項は例示であり、本発明の実施形態の説明を目的としたものであることが強調される。これに関連して、図面を用いた説明は、本発明の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにするものである。
【0026】
【
図1】
図1は、いくつかの実施形態による、取り付け可能な拡張部を含むデバイスを手術用ドレープで覆う方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は、いくつかの実施形態による、変形可能な要素(例えば、半剛性ストリップ)と手術デバイスのアクセスポートに装着するための開口部とを含むドレープの展開を模式的に示す。
【
図3】
図3は、いくつかの実施形態による、モジュラな拡張部を含むデバイスを手術用ドレープで覆う方法のフローチャートである。
【
図4A】
図4Aは、いくつかの実施形態による、遠位拡張部を含むデバイスが滅菌ドレープで覆われているときの、デバイスの上面を模式的に示している。
【
図4B】
図4Bは、いくつかの実施形態による、遠位拡張部を含むデバイスが滅菌ドレープで覆われているときの、デバイスの遠位面を模式的に示している。
【
図5】
図5は、いくつかの実施形態による、2枚の別個のシートからなる滅菌ドレープで手術デバイスを覆う方法のフローチャートである。
【
図6】
図6は、いくつかの実施形態による、デバイスの無菌性を維持しながら、手術の途中で遠位デバイス拡張部を交換する方法のフローチャートである。
【
図7A】
図7Aは、いくつかの実施形態による、遠位拡張部を備える手術デバイスを覆うための底部ドレープシートの概略図である。
【
図7B】
図7Bは、いくつかの実施形態による、遠位拡張部を備える手術デバイスを覆うための上部ドレープシートの概略図である。
【
図8】
図8は、いくつかの実施形態による、引き剥がしタブの形態のドレープ接着部の概略図である。
【
図9】
図9は、いくつかの実施形態による、折り畳み部分を備える手術用ドレープを模式的に示す。
【
図10A】
図10Aは、いくつかの実施形態による、手術用アームのモータユニット上に展開された底部ドレープシートの画像である。
【
図10B】
図10Bは、いくつかの実施形態による、手術用アームのモータユニット上に展開された底部ドレープシートの画像である。
【
図11A】
図11Aは、いくつかの実施形態による、手術用アームのモータユニット上に展開された上部ドレープシートの画像である。
【
図11B】
図11Bは、いくつかの実施形態による、手術用アームのモータユニット上に展開された上部ドレープシートの画像である。
【
図12】
図12は、いくつかの実施形態による、半剛性ストリップの形態の変形可能なドレープ要素の画像である。
【
図13A】
図13Aは、いくつかの実施形態による、拡張された底部ドレープの画像である。
【
図13B】
図13Bは、いくつかの実施形態による、折り畳まれた底部ドレープの画像である。
【
図13C】
図13Cは、いくつかの実施形態による、折り畳まれた上部ドレープの画像である。
【
図14A】
図14Aは、いくつかの実施形態による、取り外し可能な部分または移動可能な部分を備えるドレープシートを模式的に示している。
【
図14B】
図14Bは、いくつかの実施形態による、取り外し可能な部分または移動可能な部分を備えるドレープシートを模式的に示している。
【
図14C】
図14Cは、いくつかの実施形態による、取り外し可能な部分または移動可能な部分を備えるドレープシートを模式的に示している。
【
図14D】
図14Dは、いくつかの実施形態による、取り外し可能な部分または移動可能な部分を備えるドレープシートを模式的に示している。
【
図14E】
図14Eは、いくつかの実施形態による、取り外し可能な部分または移動可能な部分を備えるドレープシートを模式的に示している。
【
図15A】
図15Aは、いくつかの実施形態による、モータユニットのアクセスポートおよび出口アパチャを露出させる形状および大きさの開口部を備えるドレープシートの画像である。
【
図15B】
図15Bは、いくつかの実施形態による、モータユニットのアクセスポートおよび出口アパチャを露出させる形状および大きさの開口部を備えるドレープシートの画像である。
【
図15C】
図15Cは、いくつかの実施形態による、モータユニットのアクセスポートおよび出口アパチャを露出させる形状および大きさの開口部を備えるドレープシートの画像である。
【
図16】
図16は、いくつかの実施形態による、取り外し可能または移動可能な部分を含むドレープシートの使用方法のフローチャートである。
【
図17A】
図17Aは、いくつかの実施形態による、手術デバイスと手術デバイスが取り付けられたベースの少なくとも一部とを覆うためのドレープを模式的に示す。
【
図17B】
図17Bは、いくつかの実施形態による、手術デバイスと手術デバイスが取り付けられたベースの少なくとも一部とを覆うためのドレープを模式的に示す。
【
図17C】
図17Cは、いくつかの実施形態による、手術デバイスと手術デバイスが取り付けられたベースの少なくとも一部とを覆うためのドレープを模式的に示す。
【
図17D】
図17Dは、いくつかの実施形態による、手術デバイスと手術デバイスが取り付けられたベースの少なくとも一部とを覆うためのドレープを模式的に示す。
【
図18】
図18は、いくつかの実施形態による、モータユニットのアクセスポートと出口アパチャを露出させながらモータユニットを覆うドレープの画像である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、手術デバイスを覆うための手術用ドレープに関し、より詳細には、排他的ではないが、遠位拡張部を組み立てることができる手術ロボットデバイスを覆うための手術用ドレープに関するものである。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態の広範な側面は、遠位デバイス拡張部を取り付けるためのアクセスポートを備える手術デバイスの無菌性を維持することに関する。いくつかの実施形態は、無菌性を維持するためにアクセスポートの露出を制限することに関する。いくつかの実施形態は、ドレープによって覆われていないデバイス領域の露出を最小限にすることによって、手術中であっても、ロボットアーム(例えば、手術用ロボットアーム)などの遠位拡張部の変更(例えば、除去、取り付け、または交換)を可能にする仕方で、デバイスの上に手術用ドレープを配置することに関連する。いくつかの実施形態は、手術用ドレープによって覆われていないデバイス部分の、例えば手術室などの無菌環境への露出を最小限にすることに関する。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、ドレープに画定された開口部がデバイスのアクセスポートと位置合わせされるように、デバイスに対してドレープを位置合わせする、または位置合わせを維持するように配置された少なくとも1つの固定部、例えば変形可能なまたは可撓性の要素を備える手術用ドレープに関するものである。いくつかの実施形態では、固定部と開口部は、例えばドレープの長軸に沿って、それぞれ位置合わせされる。任意選択で、固定部と開口部は、ドレープの軸方向に対向する部分に位置する。いくつかの実施形態では、開口部は、手術デバイスの遠位端に対応するドレープ部分に画定され、固定部は、手術デバイスの近位端に対応するドレープ部分に配置される。任意選択で、開口部および固定部は、互いに対して、およびドレープが展開される手術デバイスに対して、位置合わせされる。いくつかの実施形態では、開口部と固定部との間の距離は、手術デバイスの長さに対応する。1つまたは複数の手術用アームのモータユニットを覆うためのドレープの例では、ドレープの開口部は、手術用アームが取り付けられるアクセスポートと位置合わせされるように配置され、固定部は、モータユニットの近位端上で曲げられるかまたは別様に装着されるように、例えば、モータユニットの上面とモータユニットの背面をつなぐ角部または縁部の上で曲げられるように配置される。
【0030】
いくつかの実施形態では、開口部は、アクセスポートの形状および/またはサイズに応じた形状および/またはサイズである。一例によると、開口部は実質的に長方形である。いくつかの実施形態では、開口部の表面積は、アクセスポートの表面積と一致するか、または任意選択でアクセスポートの表面積よりも大きい。いくつかの実施形態では、開口部は、その境界線の周りに縫い目を有し、任意選択で、手術デバイスのアクセスポートの境界線の位置と一致する。
【0031】
いくつかの実施形態では、固定要素は、変形可能および/または可撓性であり、手術デバイスまたはその一部の形状に適合するように装着したり曲げたりすることができ、例えば、手術デバイスの角の上で曲げられる。任意選択で、固定要素は、非剛体または半剛体である。任意選択で、固定要素は、塑性変形可能である。いくつかの実施形態では、固定要素は、ドレープをデバイスに固定し、開口部がアクセスポートと完全に重なるように設定する。いくつかの実施形態では、ドレープはデバイスを覆っており、アクセスポートと、任意選択で遠位拡張部が外側に突出する出口アパチャ以外のすべてのデバイス部分を包囲している。いくつかの実施形態では、固定要素は、ドレープをデバイスの上に固定してドレープを所定の位置に保持するのに十分な剛性を有しながら、ユーザの指によって曲げられるのに十分な柔軟性を有する材料で形成される。一例では、固定要素の剛性は、1N/mから10N/mの範囲であり、例えば、3N/m、5N/m、7N/m、または中間値、より高い値、より低い値である。
【0032】
いくつかの実施形態では、固定要素は、デバイスの上でドレープを締め付け、アクセスポートを跨って開口部を引き伸ばす。いくつかの実施形態では、固定要素は、ドレープの展開中に、所望の位置または方向を示すことによってユーザを支援する。いくつかの実施形態では、固定要素は、デバイスの角上で折り畳まれるのに、および/または、デバイスに形成された指定された溝またはマーキングの中または上に装着されるのに十分な柔軟性を有する。いくつかの実施形態では、固定要素は、デバイスの上に展開されたときにドレープの少なくとも一部を整形するためのフレームとして機能する。いくつかの実施形態では、固定要素は、ドレープの開口部を介したアクセスポートへのアクセスを維持しつつドレープの移動を低減または防止するようにドレープをデバイスに固定する。
【0033】
任意選択で、固定要素は、使用中に整形され、いくつかの実施形態では、再整形される。任意選択で、固定要素は、指定されたデバイスの位置に装着される。いくつかの例では、固定要素は、任意選択で使用中(例えば、デバイスの被覆中)に、デバイスの形状に適合するように、折り畳まれ、引き伸ばされ、ねじられ、および/または他の方法で操作される。固定要素は、剛体または半剛体のストリップ、クリップ、紐、磁石、面ファスナ(ベルクロなど)、および/またはデバイスに装着するために曲げられる他の要素の形態であってもよい。任意選択で、ストリップ状の固定要素は、金属ワイヤなどの金属要素を備え、いくつかの実施形態では、プラスチックの裏地でコーティングされる。任意選択で、固定要素はドレープが形成されたシート内に埋め込まれる。あるいは、固定要素はシートに取り付けられる。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、拡張部のアセンブリに直接関連しないデバイス部分の露出を制限しながら、デバイス拡張部の取り付け、除去、または交換を提供するように設計された手術用ドレープに関し、これにより、無菌手術環境に対するデバイスの露出を低減し、デバイスを汚染から(例えば、汚染液体から)保護する。
【0035】
いくつかの実施形態の一態様は、デバイスアクセスポートに重なるような形状および大きさの開口部を含む第1の部分と、例えばデバイス拡張部の装填後に開口部に重なるカバーを含む第2の部分とを含むドレープに関する。いくつかの実施形態では、(拡張部の最初の装填後の)デバイス拡張部の交換または除去は、アクセスポートを露出させるために、カバーを取り外し、持ち上げ、押しのけ、および/または別様にドレープの開口部から遠ざけることによって行われてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、ドレープは2つの別個のシートを備える。任意選択で、第1のシートは開口部を含み、第2のシートはカバーを含む。あるいは、着脱可能なカバー部分、または、カバーが中に含まれ、引き出され、中で圧縮され得る一体型のポケットまたは折り目を含む、単体のシートドレープが提供される。
【0037】
いくつかの実施形態では、ドレープは、ドレープの開口部を形成するために除去または移動(例えば、折り畳まれたり巻かれたり)することができる引き裂きピースを備える。任意選択で、使用時には、ドレープは手術デバイスに被せられ、アクセスポートを介して遠位拡張部を取り付ける間際またはその時にのみ、引き裂きピースが開かれ、または除去され、アクセスポートが露出される。いくつかの実施形態では、ドレープは、引き裂きピースがシートの残りの部分にユニットとして取り付けられた状態で製造および包装される。使用時には、使用者(例えば、看護師、医師、技術者)が、ピースを縁取る破線の線に沿って引っ張って取り外すことなどによって、引き裂きピースを除去または移動させる。引き裂きピースに加えて、またはその代わりに、アクセスポートが露出している開口部と少なくとも部分的に重なるような形状および/または大きさのカバーが提供される。使用中、ユーザは、アクセスポートを露出させるために、カバーを取り外したり、巻き上げたり、押しのけたり、または別様にカバーを移動させることができる。手術デバイスに遠位拡張部を組み立てる間際またはその時にのみアクセスポートを露出させることの潜在的な利点には、環境に対するデバイスの露出を低減し、任意選択で最小限にすることが含まれてもよく、無菌性の維持に潜在的に貢献する。
【0038】
取り外し可能または移動可能なドレープ部分の潜在的な利点には、アクセスポートなどのドレープ部分で覆われたデバイス部分が、アクセスポートを介してデバイス拡張部(1つまたは複数の手術用アームなど)を取り付けるステップまで覆われたままであることが含まれてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、ドレープが展開されると、ドレープの遠位面は、遠位デバイス拡部が突出する出口アパチャを露出するように整形される。いくつかの実施形態では、ドレープは対向する谷折りとともに形成され、展開したときに出口アパチャを露出させる切欠部をその間に画定する。いくつかの実施形態では、谷折りは、さらにハンドリング部分として機能し、展開時には、ユーザが手を谷折りの中に入れて、ドレープをデバイスの上に引っ張る。
【0040】
いくつかの実施形態では、ドレープは、ドレープの遠位面から延び、出口アパチャの位置でデバイス拡張部に巻き付けられるのに十分な長さを有する可撓性のバンドを備える。いくつかの実施形態では、可撓性のバンドは、デバイス拡張部を支持し、所定の位置に保持することを支援する。いくつかの実施形態では、可撓性のバンドは、出口アパチャの周りに残っている露出したすべての領域をカバーし、それによって汚染のリスクを潜在的に低減する。
【0041】
遠位拡張部のアクセスポートおよび出口アパチャの限定的な露出を提供するように構成された手術用ドレープの潜在的な利点には、拡張部を修正(組み立て、除去、または交換)する場合でも、手術室環境での無菌性を維持することが含まれてもよい。任意選択で、デバイスの外表面積の少なくとも85%、95%、99%、またはその中間、より高いまたはより低い割合が、常にドレープによって覆われたままである。任意選択で、デバイスの外面の15%、20%、5%、30%、またはその中間、より高い、またはより低い割合がドレープによって覆われない。場合によっては、デバイス自体(例えば、1つまたは複数の手術用アームを作動させるモータユニット)は無菌ではないため、周囲の手術室環境の無菌性を維持するために覆われる必要がある。任意選択で、モータユニットに取り付けられた1つまたは複数の手術用アームは、患者の手術に使用できるように無菌状態である。アームが無菌状態でない場合、アームを保護シースで覆うこともできる。
【0042】
いくつかの実施形態では、ドレープは、ドレープをデバイスに取り付けるための、および/またはドレープ部分を互いに取り付けるための、ステッカー、引き剥がしタブ、フックアンドループタイプのファスナ、デュアルロックファスナ、結合面を含むファスナ、および/または他の適切な手段などの1つまたは複数の取り付け手段を備える。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の取り付け手段の位置は、展開中の位置決め(例えば、デバイスに対するドレープの位置合わせまたは方向付け)を支援するように選択される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の取り付け手段の位置は、汚染因子と接触しやすい、および/または汚染因子が侵入しやすい領域で選択される。例えば、1つまたは複数の接着部は、ドレープとデバイスの間に汚染因子が侵入する可能性を低減するために、ドレープに形成された開口部の境界の周囲に配置されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、手術用ドレープは、手術デバイスが取り付けられたベースを少なくとも部分的に覆うための形状および/またはサイズである。一例では、ドレープは、モータユニットおよびモータユニットが搭載された可動式カートを覆うのに十分な大きさである。いくつかの実施形態では、ドレープは、切込み、引き裂き部、および/または他の可動または取り外し可能な部分を備えており、これらの部分は、場合によっては手術デバイス自体よりもかなり大きな寸法のベースの上にドレープを巻き付けるか、または別様に配置することを提供する。いくつかの実施形態では、ドレープは、電気接続(例えば、ケーブル)および/またはベースのハンドルがドレープまたはその開口部を通って突出する仕方でベース上に配置される。
【0044】
いくつかの実施形態の一態様は、無菌性を犠牲にすることなく接着ストリップを接着させるための構造を有する、引き剥がしタブの形態の接着アタッチメントに関する。いくつかの実施形態では、引き剥がしタブは、ドレープの内部側(デバイスに面する側)からドレープの外部側に向かって巻き付く細長い剥離紙を備える。剥離紙の内側の端部は接着ストリップに結合されており、外側の端部が引っ張られると、剥離紙が接着ストリップから引き剥がされ、無菌のユーザがドレープの内側を非無菌デバイスに接着できるようになっている。接着部ストリップとの直接的な接触が形成されない構造の潜在的な利点は、ドレープをデバイスに取り付けることを可能にしながら、無菌性を維持することを含んでもよい。
【0045】
本明細書で言及される手術デバイスは、1つまたは複数の手術用アームを取り付けることができるモータユニットなど、ロボットアームの起動ユニットを含んでもよい。本願で企図される他のデバイスは、例えば、1つまたは複数の拡張部を含む手術デバイス、例えば、穴開け器および関連するモータを含んでもよい。
【0046】
本明細書で言及されるデバイス拡張部は、手術を行うための1つまたは複数のエンドエフェクタ(ハサミ、把持器、電気手術チップ、および/または他の手術ツールなど)を任意選択で備える、例えば機械式アームなどの手術用アームを含むことができる。いくつかの実施形態では、デバイス拡張部は、カメラおよび/または他の診断手段、手術用作業チャネル、不妊手術に使用されるような顕微鏡手術ツール、および/または任意選択で非無菌機械(モータユニットまたは制御コンソールなど)から無菌環境に延びる他の手術手段を備える。
【0047】
本明細書で言及されるように、「第1のドレープシート」、「第1のドレープ部分」、「ベースドレープ」、または「ベースドレープ部分」は、手術デバイスの上に最初に展開されるドレープであって、ドレープが展開されたときに、手術デバイスのアクセスポートを貫通して露出させるアクセス可能な開口部などの少なくとも1つの開口部を含むドレープを含んでもよい。任意選択で、ドレープのアクセス可能な開口部は、デバイス拡張部(例えば、1つまたは複数の手術用アーム)が延びる手術デバイスの出口アパチャをさらに露出させる形状およびサイズである。いくつかの実施形態では、第1のドレープは、ドレープを手術デバイスの上に固定するための少なくとも1つの固定要素、例えば、可撓性または変形可能なストリップを含む。いくつかの実施形態では、第1のドレープは、例えば、製造中または製造後に、EtO(エチレンオキシド)滅菌プロセスおよび/または感染性物質(例えば、細菌)を減少または排除するのに適した他のプロセスによって、滅菌される。
【0048】
いくつかの実施形態では、第1のドレープは、折り畳まれ圧縮された構成(例えば、
図13Bを参照)から展開されると、スリーブ状の形状(例えば、
図17A~
図17Cを参照)を形成する。いくつかの実施形態では、スリーブは、開いた端部を含み、これは、手術デバイスの上にドレープを被せることを提供する。いくつかの実施形態では、手術デバイスの上にドレープをドレッシングするとき、展開の方向は、遠位から近位に向かって、デバイスの前側(手術用アームのための出口アパチャを含む)からデバイスの後側に向かっている。その後、いくつかの実施形態では、ドレープの縁は、引っ張られる、または、地面に向かってなど下向きに垂らされる。
【0049】
いくつかの実施形態では、第1のドレープは、(
図17A~
図17Cに例として示されるように)手術デバイスの長手方向の軸に実質的に対応する(または平行な)長手方向の軸と、長手方向の軸に垂直な横方向(幅)の軸と、いくつかの実施形態では、例えば、覆われた手術デバイスの上部から手術デバイスの下端および/または手術デバイスが配置されるベースの底部まで延びる高さの軸と、を画定する。
【0050】
いくつかの実施形態では、第1のドレープのアクセス可能な開口部は、2つの異なる開口部として形成されている。任意選択で、開口部の1つの位置および/または大きさは、手術デバイスのアクセスポートの位置および/または大きさに対応し、第2の開口部の位置および/または大きさは、手術デバイスの出口アパチャの位置および/または大きさに対応する。
【0051】
いくつかの実施形態では、単一のアクセス可能な開口部を含むドレープにおいて、ドレープが展開されると、アクセス可能な開口部は、手術デバイスの第1の面(例えば、上面)の一部から、隣接する、任意選択で垂直な手術デバイスの面(例えば、遠位の面)まで延びる。
【0052】
本明細書で言及されるように、「第2のドレープシート」、「第2のドレープ部分」、「被覆ドレープ」、または「被覆ドレープ部分」は、第1のドレープシートまたは部分の展開後に手術デバイスの上に展開されるドレープを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2のドレープは、第1のドレープに画定されたアクセス可能な開口部を少なくとも部分的に覆うような形状およびサイズである。いくつかの実施形態では、第2のドレープは、モータユニットのアクセスポートの位置に対応するアクセス可能な開口部の表面領域を覆い、モータユニット出口アパチャの(すなわち、そこから1つまたは複数の手術用アームが延びる)位置に対応するアクセス可能な開口部の表面領域を部分的にのみ覆う(または、いくつかの実施形態では、覆わない)。任意選択で、第2のドレープは、覆われた手術デバイスの1つの面に沿って(例えば、手術デバイスの上面に沿って)開口部を完全に覆い、覆われた手術デバイスの隣接する、任意選択で垂直な面(例えば、遠位面)に沿って開口部を部分的にのみ覆う。
【0053】
いくつかの実施形態では、第2のドレープはスリーブとして形成される。任意選択で、スリーブは、展開されたときに第1のドレープの上に被せられ、任意選択で第1のドレープを取り囲むように、第1のドレープよりも大きな断面積を持つサイズである。あるいは、第2のドレープは、シートおよび/または他の形状として形成される。任意選択で、第2のドレープは、第1のドレープの上に被せられるか配置されたときに、第1のドレープに対して、および/または第1のドレープの開口部に対して、および/または手術デバイスに対して位置合わせされ得るような形状およびサイズである。
【0054】
いくつかの実施形態では、第2のドレープは、例えば、製造中または製造後に、EtO(エチレンオキシド)滅菌プロセスおよび/または感染性物質(例えば、細菌)を減少または排除するのに適した他のプロセスによって、滅菌される。
【0055】
単一コンポーネントのドレープと比較して、2つの部分からなるドレープ(または2つの別個のドレープ)の潜在的な利点には、手術デバイスの非無菌領域の露出を最小限に抑え、ドレープで覆われたモータユニット上の1つまたは複数の手術用アームを取り付ける、除去する、および/または交換するときなど、デバイス拡張部を取り付ける、取り外し、および/または交換するときに、ドレープ全体を交換する必要性を防止することが含まれてもよい。
【0056】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載された、ならびに/または図面および/または実施例に示された、構造の詳細および構成要素の配置および/または方法に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態、または様々な方法で実施または遂行することが可能である。
【0057】
次に図面を参照する。
図1は、いくつかの実施形態による、取り付け可能な拡張部を含むデバイスを手術用ドレープで覆う方法のフローチャートである。
【0058】
手術室内の無菌状態を維持する目的で、一部の手術デバイスや一般的には患者自身を無菌カバーで覆う。手術室の機器を無菌カバーで保護することは、場合によっては、汚染のリスクを低減し、患者への感染のリスクを低減する可能性がある。いくつかの実施形態では、手術室の準備中に、医師、看護師、技術者および/またはその他のような手術室要員は、機器を滅菌することによって機器を準備し、および/または保護ドレープまたはその他のカバーを機器またはその一部の上に配置する。いくつかの実施形態では、手術用ドレープは、無菌および非無菌のゾーンおよび/またはコンポーネントの間を分離するために配置される。いくつかの実施形態では、手術用ドレープは、生物学的液体などの潜在的に汚染された物質とデバイスの接触を減らすために配置される。
【0059】
いくつかの実施形態では、手術用ドレープは、梱包されて折り畳まれた状態から展開され(101)、ドレープを手術デバイスに展開することができる拡張された展開状態になる。いくつかの実施形態では、拡張された状態において、ドレープは、手術デバイスに重なるように、実質的に平坦な形態に広げられる。いくつかの実施形態では、拡張された状態のドレープは、手術デバイスを覆うような形状およびサイズである。
【0060】
一例として、手術デバイスはロボット手術用アームのモータユニットを備え、ドレープは、モータユニットを覆う一方で、手術を行うためにロボットアームなどの1つまたは複数のデバイス拡張部を外に突出させることができるように構成されている。このような構造の潜在的な利点には、モータユニット自体を滅菌する必要性を低減することが含まれてもよい。また、別の利点には、ドレープで覆われてモータユニットが実質的に無菌状態のままで、1つまたは複数のロボットアームをモータユニットに取り付けたり、モータユニットから取り外したりすることができることが含まれてもよい。いくつかの実施形態では、デバイス拡張部(例えば、ロボットアーム)は、使用前に滅菌される。追加でまたは代替的に、デバイス拡張部は、滅菌されたシース内に覆われるか、または挿入される。任意選択で、拡張部を患者の体内に導入する前に、シースが取り外される。
【0061】
いくつかの実施形態では、ドレープはデバイスの上に引き寄せられて、デバイスを覆う(103)。任意選択で、展開されたとき、ドレープはデバイスの露出した表面領域の大部分を覆い、例えば、デバイスの少なくとも上面および側面を覆う。箱型モータユニットの例では、(モータユニットに配置される前の)平坦に拡張された状態のドレープは、モータユニットに展開されたときに箱型モータユニットの上面および側面を覆い、シートの自由端がモータユニットの縁にかかるようにモータユニットを覆うように、長方形の断面を備える。いくつかの実施形態では、ドレープは、モータユニットの外部表面積の少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはその中間の、それ以上の、またはそれ以下の割合を覆う大きさである。いくつかの実施形態では、ドレープの開口部がデバイスのアクセスポートと重なるように、展開中にユーザがドレープの向きを合わせ、位置合わせする。
【0062】
いくつかの実施形態では、ドレープをデバイス(例えば、モータユニット)に最初に配置した後、デバイスに対するドレープの位置をさらに調整することが必要になる場合がある。いくつかの実施形態では、ドレープは、デバイスの上に延ばされ、デバイスに対して中央に配置され、デバイスに対して軸方向に位置合わせされ、および/または、デバイスに密接に装着されるように別様に調整または再配置される(これは、テーブルの上にテーブルクロスをセットすることに類似しているということができる)。したがって、いくつかの実施形態では、ドレープは、デバイスに対するドレープの位置合わせ、および/または、ドレープを固定位置に維持するためのデバイスへのドレープの取り付けを容易にするための1つまたは複数の要素を備える。
【0063】
一例では、変形可能な半剛性ストリップの形態の固定要素が提供される。いくつかの実施形態では、半剛体ストリップはドレープシートに埋め込まれており、または代わりにストリップはドレープシートに取り付けられている。一例として、半剛体ストリップは、コーティングされた可撓性のワイヤを備える。
【0064】
いくつかの実施形態では、ドレープのデバイスへの初期展開に続いて、ユーザが固定要素を手術デバイスに装着し、例えば、半剛性ストリップをデバイスの指定領域に挟み込み、それによってデバイスに対するドレープの別の部分、例えば、1つまたは複数のデバイス拡張部を取り付けることができるアクセスポートを備えたドレープに形成された開口部の位置を合わせたり、位置合わせを維持したりする(105)。いくつかの実施形態では、半剛性ストリップが取り付けられるデバイス(例えば、モータユニット)の指定された領域は、ストリップの配置を容易にするための特別な形状、表示またはマーキングからなる。例えば、位置は、くぼみ、ストリップが挿入される細長いスロット、カラーマーキング、膨らみ、ストリップが折り畳まれる角、および/またはストリップの取り付け位置を示すための他の構造的および/または可視的な特徴によって示されてもよい。
【0065】
図2は、いくつかの実施形態による、変形可能な要素(例えば、半剛性ストリップ)と、手術デバイスのアクセスポートに装着するための開口部とを含むドレープの展開を模式的に示す。
【0066】
いくつかの実施形態では、ドレープ201は、プラスチック、ナイロン、および/または特定の繊維材料などの、使い捨ての、透明で、可撓性の、破れにくい材料で形成される。いくつかの実施形態では、ドレープは、熱可塑性ポリウレタン、超高分子量ポリエチレン、低密度ポリエチレン、および/または高密度ポリエチレンのうちの1つまたは複数で形成される。任意選択で、ドレープは、溶着または縫合されたシートを備える。
【0067】
いくつかの実施形態では、ドレープ201は、半剛性のストリップ203を備える。任意選択で、ストリップ203は、ドレープの近位部分205内に取り付けられるか、または埋め込まれる。いくつかの実施形態では、ストリップ203は、ドレープの中央長軸207に沿って、例えば軸207の全長の1/10、1/8、1/5、1/3、1/4に沿って延びる。ストリップ203は、軸207の最も近位の点から延びていてもよいし、いくつかの実施形態では、点からさらに軸に沿って延びていてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、ドレープ201には、開口部209が形成されている。いくつかの実施形態では、開口部209は、ドレープの遠位部211に形成される。いくつかの実施形態では、開口部209は、ドレープ201がデバイス213を覆うように配置されたときに、開口部が、1つまたは複数のデバイス拡張部217が接続され得るデバイス213のアクセスポート215と重なるような形状および/または大きさである。いくつかの実施形態では、開口部209は、中心長軸207に沿って形成される。任意選択で、開口部209は長方形である。丸い、三角、四角、または任意の形状などの他の形状の開口部も、本願によって企図される。
【0069】
いくつかの実施形態では、開口部209および半剛性ストリップ203は、互いに対して直線的に位置合わせされている。他の実施形態では、開口部と半剛性ストリップの異なる相対的位置を含んでもよい。任意選択で、開口部と半剛性ストリップは、ドレープシートの両端で互いに対向するなど、互いに向かい合って配置される。
【0070】
いくつかの実施形態では、ドレープ201をデバイス213の上に配置する際に、半剛性ストリップ203をデバイス213に挟み込み、折り畳み、および/またはその他の方法で一時的に貼り付ける。本明細書に示す例では、ストリップ203は、デバイスの上部の近位に面した角を覆うように折り畳まれ、それによって、開口部209をアクセスポート215に位置合わせする。いくつかの実施形態では、ストリップをデバイスに取り付ける(例えば、角を覆うように折り畳む、所定のスロットに挿入する、および/または他の取り付け方法によって)ことで、ドレープが少なくともデバイスの上面に密接に装着するように引き伸ばされる。いくつかの実施形態では、ストリップをデバイスに取り付けることにより、デバイスに対してドレープを中央に寄せる、例えば、デバイスの上面の広い寸法に沿って延びる軸217に対して中央に寄せる。
【0071】
いくつかの実施形態では、半剛性ストリップは、装着時に塑性変形するように構成されている。いくつかの実施形態では、ストリップは、外部デバイスハウジングの形状に適合するように変形され、例えば、デバイスのコーナー221の角度に適合するように折り畳まれる。任意選択で、ストリップを変形させると、ドレープの平面的な配置が変更される。任意選択で、半剛性ストリップは、ストリップの変形後に異なる方向を向いているドレープ部分などのドレープ部分を支持することにより、ドレープが想定する新たな平面配置の維持を支援する。
【0072】
いくつかの実施形態では、ドレープの開口部209の裏地219は、半剛性ストリップなどの1つまたは複数の変形可能な要素を含む。任意選択で、裏地は、開口部のための支持フレームを提供し、これは、開口部を、デバイスのアクセスポート215と重なる位置に配置することを支援し得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、開口部209は、手術用アームなどの1つまたは複数のデバイス拡張部217がアクセスポート215から遠位方向に延びることができるように、形状および/または位置が決められている。
【0074】
代替的な実施形態は、ドレープの近位部に、例えば近位方向を向いた開口部を含むドレープを含んでもよく、そのような配置は、デバイス拡張部を受け入れるためのアクセスポートがデバイスの近位面に配置されているデバイスに有用である(例えば、モータユニットへの手術用アームの挿入は、デバイスの近位面から行われる)。他の実施形態は、例えば展開されたドレープシートの側壁面に沿って、様々な位置に配置された開口部を含んでもよい。いくつかの実施形態は、開口部を含んでいなくてもよい。任意選択で、ドレープ部分は、アクセスポートへのアクセスを可能にするために、単に持ち上げるか、別様に押しのけてもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、ドレープは、手術デバイスの上面にあるアクセスポートと位置合わせされる第1の開口部と、1つまたは複数の手術用アームが延びる手術デバイスの出口アパチャと位置合わせされる第2の開口部と、の2つの開口部を備える。任意選択で、出口アパチャは、手術デバイスの正面(遠位)に面した面に配置される。あるいは、ドレープの単一の開口部は、手術デバイスのアクセスポートと出口アパチャの両方を露出させる形状およびサイズであり、任意選択で手術デバイスの隣接する(任意選択で垂直な)面に重なる。
【0076】
図3は、いくつかの実施形態による、モジュラ拡張部を備えるデバイスを手術用ドレープで覆う方法のフローチャートである。
【0077】
いくつかの実施形態では、ドレープは、折り畳まれた圧縮構成から展開される(301)。次に、展開されたドレープは、デバイスの上に被せられる(303)。任意選択で、ドレープの展開は、ドレープ内に埋め込まれたおよび/またはドレープに取り付けられた1つまたは複数のマーキング、開口部、ファスナ、塑性変形可能な要素および/または他の構成要素によって支援される。追加でまたは代替的に、ドレープの展開は、デバイスの1つまたは複数のマーキング、開口部、突出した構造、くぼみおよび/または他の構成要素が覆われることによって支援される。
【0078】
いくつかの実施形態では、ドレープはデバイスの上に配置され、ドレープに形成された開口部が、1つまたは複数のデバイス拡張部が取り付けられるデバイスのアクセスポートと一致するように位置合わせされる。いくつかの実施形態では、開口部がアクセスポートと重なると、デバイス拡張部がデバイスに装填される(305)。一例では、アクセスポートに構成された1つまたは複数のドアを介して手術用アームが装填される。
【0079】
いくつかの実施形態では、任意選択で、手術用アームの装填の後、アクセスポートは、ドレープ部分(307)で少なくとも部分的に覆われる。いくつかの実施形態では、既にデバイスに装着されていたドレープの開口部がドレープ部分によって覆われており、開口部の表面積の少なくとも95%、90%、85%、または中間の、より高いまたはより小さい割合がドレープ部分によって覆われる。いくつかの実施形態では、最初に展開されたドレープに画定される開口部を少なくとも部分的に覆うドレープまたはドレープ部分は、最初に展開されたドレープの開口部によって画定される表面積の50%~80%の間、60%~90%の間、70%~95%の間、または中間の、高いまたは低い範囲を覆うような形状およびサイズである。いくつかの実施形態では、被覆ドレープ部分は、手術デバイスのアクセスポートを覆うが、遠位デバイス拡張部(例えば、1つまたは複数の手術用アーム)が突出し得る手術デバイスの出口アパチャを部分的にのみ覆うか、または覆わないような形状、サイズおよび/または位置になっている。
【0080】
いくつかの実施形態では、開口部が形成された第1の部分と、開口部によって露出したデバイス領域をさらに覆うための第2の部分とを含む、一体型ドレープシートが提供される。任意選択で、第2の部分は、第1の部分に縫い付けられている、または溶着されている。任意選択で、第2の部分は、引き裂きアタッチメントによって第1の部分に取り付けられる。
【0081】
いくつかの実施形態では、第2の部分は、折り畳まれた状態で梱包され、例えば、手術用アームをデバイスに搭載した後に、露出したデバイス領域を覆う必要がある場合にのみ展開される。任意選択で、折り畳まれた部分は、第1の部分に形成された所定のポケットまたは折り目に維持される。いくつかの実施形態では、第2の部分は、例えば、アクセスポートへのアクセスを可能にするために(例えば、デバイス拡張部の取り外しまたは交換のために)、開口部から押しのけられ得る。任意選択で、押しのけられた部分は、クリップ、接着手段、および/またはデバイスへの他のアタッチメントによって把持される。押しのけられた部分が周囲と接触しないように把持することは、無菌状態の維持に寄与すると考えられる。
【0082】
さらに、第2の部分は、デバイス拡張部の除去や交換の際に、引き裂く(とともに、任意選択で廃棄する)ことができる。
【0083】
また、ドレープは2枚のシートで構成されており、1枚目のシートには開口部が形成され、2枚目のシートは開口部から露出したデバイス領域を実質的に覆う形状およびサイズである。いくつかの実施形態では、第2のシートは、デバイス拡張部の除去または交換時に除去(および、任意選択で廃棄)される。任意選択で、第1のシートはデバイスの所定の位置に残り、第2のシートは、新しいシートで置き換えられる。
【0084】
アクセスポートおよび/またはデバイス拡張部が延びる出口アパチャの上に配置するための可動または除去可能な部分を含むドレープの潜在的な利点には、デバイスの露出を減らしつつ、たとえ手術中であってもデバイス拡張部の取り付け、除去、または交換を行うことが含まれてもよい。
【0085】
いくつかの実施形態では、第2のドレープは、複数の部分、例えば、(モータユニットが第1のドレープで覆われている場合などに)モータユニットの上面を覆う第1の部分と、(モータユニットが第1のドレープで覆われている場合などに)モータユニットの前面(すなわち遠位面)を覆う第2の部分と、を備える。任意選択で、第2のドレープを構成する複数の部分は、少なくとも部分的に互いに重なり合う。
【0086】
図4A-
図4Bは、いくつかの実施形態による、遠位拡張部を備えるデバイスが滅菌ドレープで覆われる場合の上面(4A)および遠位面(4B)を模式的に示す。
【0087】
いくつかの実施形態では、ドレープ401は、手術デバイス(例では、ロボットアームのモータユニット)のアクセスポートを露出させる形状および大きさの開口部402(任意選択で、切欠部として形成される)を備える。いくつかの実施形態では、デバイスの上に展開されたときのドレープの開口部は、上面から遠位面に延びており、そこからデバイス拡張部(図示せず)が遠位に延びている。いくつかの実施形態では、デバイス拡張部は、アクセスポートを介して、例えば、上面に配置された1つまたは複数のドア407を介して、デバイスの遠位面の指定された出口アパチャ409から延びるように装填される。いくつかの実施形態では、装填された拡張部は、デバイスの長軸411に沿って、またはそれと平行に直線的に位置合わせされる。いくつかの実施形態では、ドア407も長軸411に沿ってまたは平行に配置される。任意選択で、ドア407が閉じられているとき、デバイスの上面は平坦であり、ドアがドレープ展開を妨害しないようにする。平坦な表面を有するデバイスの潜在的な利点は、デバイス表面とドレープとの間の接触面積を最大化し、それにより、デバイスとドレープとの間の空間への汚染因子の侵入を最小化することを含んでもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、第2のドレープ部分(これは、ドレープ401に一体的に取り付けられていてもよいし、ドレープ401から分離可能であってもよいし、いくつかの実施形態では、独立した別個のドレープシートとして形成されている)が、露出したアクセスポート、出口アパチャ、および周辺領域が第2のドレープ部分によって保護されるように、開口部402を実質的に覆っている。いくつかの実施形態では、第2のドレープ部分は、展開中にユーザの手を置くことができる対向する谷折り415を含む。第2のドレープ部分がデバイスの上に展開されると、谷折りは、デバイス拡張部が外側に突出することが許されるカーテンのような配置を定義する。いくつかの実施形態では、谷折りに加えて、または谷折りの代わりに、ドレープは、ハンドル、ストラップ、引っ張りコード、またはユーザによるドレープの展開を容易にすることができる他の手段などのハンドリング手段を備える。
【0089】
図5は、いくつかの実施形態による、2枚の別々のシートを備える滅菌ドレープで手術デバイスを覆う方法のフローチャートである。
【0090】
いくつかの実施形態では、ドレープは、第1および第2(例えば、上部および下部)のシートを備え、遠位デバイス拡張部の装填前かつ遠位デバイス拡張部の装填後にデバイスの上に展開する。
【0091】
いくつかの実施形態では、第1のドレープ部分(一例では、第1のドレープシート)が、圧縮された状態から展開され、デバイスの上に被せられる(501、503)。任意選択で、ドレープは、デバイスの上に被せられ、デバイスの上面からデバイスの下面に向かう方向にデバイスを覆うように引っ張られることができるように、開いた底部を備えるスリーブとして形成される。任意選択で、半剛体ストリップなどの1つまたは複数の変形可能な要素をユーザが操作して、ドレープをデバイス(505)に、事前に選択されたデバイスの位置で、または代わりに任意の仕方で取り付けることができる。いくつかの実施形態では、ドレープをデバイス(507)にさらに結合および/または位置合わせおよび/または固着させるために、接着部などの1つまたは複数の取り付け手段が使用される。第1のドレープ部分が所定の位置に配置されると、デバイスのアクセスポートは、遠位デバイス拡張部を通して装填することができるように、露出したままである(509)。遠位デバイス拡張部の装填に続いて、第2のドレープ部分(例では、第2のドレープシート)が、圧縮状態から展開される(511)。任意選択で、第2のドレープ部分は、1つまたは複数の方向付けマーキングに従って第1のドレープ部分に取り付けられる(513)(任意選択で、マーキングは接着部を含む)。任意選択で、マーキングは、第1のドレープ部分と第2のドレープ部分との間の指定された結合位置に配置されている。いくつかの実施形態では、折り畳まれたときに、第2のドレープ部分は、ユーザの手を配置するための谷折りを備え(515)、この谷折りは、例えば、第2のドレープ部分を第1のドレープ部分の上に引っ張る必要がある方向を示すことによって、展開中にユーザを指示するのに役立ち得る。任意選択で、第2のドレープ部分は、谷折りがデバイスの遠位面の少なくとも一部に沿って延びて配置されるまで、近位端から手術デバイスの遠位端に向かって、任意選択でデバイスの長さ方向に沿って引っ張られる。いくつかの実施形態では、ユーザは、次に、谷折り内を押して、谷折りによって定義される「フラップ」をデバイスの遠位面に取り付ける(517)。任意選択で、フラップは、遠位デバイス拡張部がそれらの間に突出することを可能にするように、互いに対して配置される。次に、ユーザは、谷折りから手を離す(519)。この段階で、展開されたドレープ部分は、デバイスをその環境からの無菌的な分離を提供する。
【0092】
図6は、いくつかの実施形態による、デバイスの無菌性を維持しながら、手術の途中で遠位デバイス拡張部を交換する方法のフローチャートである。
【0093】
手術中には、1つまたは複数のデバイス拡張部、例えば手術用アームを除去したり交換したりすることが必要になる場合がある。このような交換は、特定のサイズまたは構造の手術用アームを挿入するため、使用するアームの数を減らすまたは増やすため、および/または、ドリル、ステープル、組織の縫合、組織の鋭い切開などの専用の手術的動作を行うために行われることがある。
【0094】
いくつかの実施形態では、露出したデバイスアクセスポートおよび任意選択で遠位拡張部の出口アパチャを覆うドレープ部分または別個のドレープシートが除去される(601)。あるいは、ドレープ部分または別個のドレープシートは、押しのけられ、折り畳まれ、および/または、別様にデバイスアクセスポートおよび/またはデバイス拡張部の出口アパチャから移動される。任意選択で、押しのけられた部分は、ドレープに形成された所定のポケット内に収納されるか、または、周囲との接触を減らすように、圧縮または折り畳まれた状態で保持される。
【0095】
いくつかの実施形態では、ドレープ部分の除去は、デバイス拡張部(603)の除去または交換を可能にするために、例えばアクセスポートのドアのみに制限された、デバイスの最小限の表面積のみを露出させる。いくつかの実施形態では、ドレープによって以前に覆われていたデバイスの全表面積のうち、5%、10%、15%、またはその中間の、より高いまたはより低い割合のみが、デバイス拡張部の交換または除去のプロセスのために露出される。手術デバイスの選択された最小限の領域のみを露出させるように設計されたドレープの潜在的な利点には、例えば、デバイス拡張部の除去または交換を可能にするためにドレープ全体をデバイスから取り外す必要がある状況と比較して、無菌性を維持する可能性が高いことが含まれる。
【0096】
1つまたは複数のデバイス拡張部、例えば1つまたは複数の手術用アームの交換は、アクセスポートのドアを開き、アームをデバイスから持ち上げ、開いたドアから新しいアームを挿入し、ドアを閉じてアームを所定の位置にロックすることで行うことができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、デバイス拡張部の修正(例えば、手術用アームの除去、交換、または追加)が行われると、露出したデバイス領域はドレープ部分によって再び覆われる。いくつかの実施形態では、新しいドレープシートがデバイスの上に展開されてもよい。代替的にまたは追加で、または代わりに、以前に収納されていたドレープ部分が、露出したデバイス領域(例えば、アクセスポート)に再び配置される(605)。
【0098】
図7A-
図7Bは、いくつかの実施形態による、遠位拡張部を備える手術デバイスを覆うための底部(7A)および上部(7B)のドレープシートの概略図である。
【0099】
図7Aの例示的な底部ドレープシートを断面で示す。開口部701(例えば、ドレープシートの切欠部)が、ドレープの上部遠位角に形成されている。いくつかの実施形態では、開口部701は、ドレープの長軸703に対して、例えば1~30度、例えば5度、10度、20度、または中間の角度、より高い角度、またはより小さい角度の間の範囲に亘る角度αを形成する。いくつかの実施形態では、底部ドレープの高さ寸法に沿って延びる軸705に対して、例えば70度、80度、85度などの60~90度、または中間的な、より高い、またはより小さい角度の間の範囲に亘る角度βが形成される。開口部701は、展開されたときに手術デバイスの上面および/または遠位面の選択された領域、例えば、デバイスの上面に構成されたアクセスポート、およびデバイス遠位面の遠位拡張部の出口アパチャを露出させるのに十分な大きさである。
【0100】
いくつかの実施形態では、引き剥がしタブ707などの1つまたは複数の接着部が、底部ドレープの遠位面に沿って、任意選択で開口部701の真下に配置される。いくつかの実施形態では、引き剥がしタブは、底部ドレープを拡張部の出口アパチャの真下にある位置でデバイスに取り付けるように配置される。別の引き剥がしタブ711が、開口部701に隣接するドレープの上面に配置されてもよい。ドレープの開口部の境界に隣接して引き剥がしタブなどの接着部を配置することで、汚染因子が侵入しやすい場所でドレープの接着を確実にすることができる。面ファスナ709(例えば、ベルクロアタッチメント)のような追加の接着部は、ドレープに沿って異なる位置に配置されてもよい。底部ドレープは、デバイスに面するドレープの内面、および/または上部ドレープに取り付けるためのようなドレープの外面に、接着部などの取り付け手段を含んでもよい。
【0101】
いくつかの実施形態では、底部ドレープは、(例えば、本明細書に記載されているような)半剛性ストリップ713などの変形可能な要素を備える。任意選択で、変形可能なストリップは、長軸703に沿って配置される。任意選択で、ストリップ713はドレープの近位側に近接しており、展開時に上近位のデバイスの角部上で曲げることができ、それにより、開口部701の方向付けおよび中心寄せを潜在的に支援することができる。
【0102】
底部ドレープを延ばしたときの例示的な寸法は、例えば、2m、2.5m、3m、またはその中間の、より大きい、またはより小さいサイズの(軸703に沿って測定された)長さと、例えば、70cm、80cm、60cm、またはその中間の、より大きい、またはより小さいサイズの(軸705に沿って測定された)高さと、を含むことができる。
【0103】
底部ドレープの(本明細書では示されていない)圧縮された折り畳み状態では、寸法は、例えば250cm、200cm、300cm、または中間の、より大きい、またはより小さいサイズの(軸703に沿って測定された)長さと、例えば70cm、80cm、60cm、または中間の、より大きい、またはより小さいサイズの(軸705に沿って測定された)高さと、を含むことができる。
【0104】
図7Bの例示的な上部ドレープシートは、延ばされ広げられた状態で示されている。いくつかの実施形態では、上部ドレープは、例えば、広げられたシートの遠位面に沿って構成された、一組の対向する谷折り715を備える。任意選択で、ユーザは、デバイスへの展開中に、上部ドレープを底部ドレープの上に引っ張るために、谷折り部に手を置く。ユーザの手を置くために設計された谷折りの潜在的な利点は、上部ドレープの展開を容易にし、ユーザとドレープとの間の不必要な接触を減らし、展開中にドレープをデバイスの上に方向付けることおよび向きづけることに貢献することを含んでもよい。
【0105】
いくつかの実施形態では、フックアンドループアタッチメント709などの接着部が、ドレープが展開されたときにデバイスの遠位面に面する谷折りの内側に配置される。いくつかの実施形態では、上部ドレープの接着部は、デバイス自体の露出した表面領域に取り付けるように配置される。追加でまたは代替的に、上部ドレープの接着部は、底部ドレープの外面に取り付けるように配置される。
【0106】
いくつかの実施形態では、上部ドレープは、半剛性ストリップ717などの1つまたは複数の変形可能な要素を備える。任意選択で、ストリップ717は、展開時に底部ドレープのストリップ713と重なる位置に配置される。これは、上部ドレープを最終的な展開位置に誘導するのに役立つ可能性がある。
【0107】
いくつかの実施形態では、上部ドレープは、ドレープシートの遠位面から外向きに延びる、例えばナイロンで形成された可撓性のバンド719を備える。いくつかの実施形態では、バンド719は、上部ドレープの展開時に、バンドがデバイス拡張部の出口アパチャの周りでループすることができるように十分な長さである。バンド719を出口アパチャの周りに、任意選択でデバイス拡張部のシャフトの周りに巻き付けることによって、バンドは、1.出口アパチャでデバイス拡張部を支持し固定すること、および、2.出口アパチャの周囲に露出する表面積を減らすこと、に寄与することができる。
【0108】
いくつかの実施形態では、上部ドレープの寸法は、軸721に沿って測定された、例えば、400cm、500cm、750cm、または中間の、より大きい、またはより小さいサイズの長さと、および軸723に沿って測定された、例えば、200cm、250cm、350cm、または中間の、より大きい、またはより小さいサイズの幅と、を含んでもよい。
【0109】
折り畳まれた上部ドレープシートの例示的な寸法は、例えば、軸721に沿って測定された長さが、例えば200cm、213cm、250cm、または中間の、より大きい、またはより小さいサイズと、軸723に沿って測定された幅が、例えば145cm、120cm、160cm、または中間の、より大きい、またはより小さいサイズと、を含むことができる。
【0110】
底部ドレープは、モータユニットを覆い、さらに延びてモータユニットを手術台に固定する固定アームを覆うのに十分な大きさである。
【0111】
いくつかの実施形態では、上部ドレープは、少なくとも底部ドレープの開口部を完全に覆うのに十分な大きさである。
【0112】
いくつかの実施形態では、折り畳まれたコンパクトな状態の上部および/または底部ドレープシートは、デバイスの上への広げる方向および/または展開方向を示すための(任意選択で、接着部、折り目、および/またはカラーマーキングを含む)表示を備える。
【0113】
図8は、いくつかの実施形態による、引き剥がしタブ801の形態のドレープ接着部の模式図である。
【0114】
いくつかの実施形態では、引き剥がしタブは、無菌性を損なうことなく、ユーザが剥離紙803を引き剥がして接着ストリップ805を露出させることができるような構造になっている。使用時には、使用者は、無菌側807(ドレープシート808に対して、つまりドレープの外面側)から、ドレープシートの非無菌側809に向かって巻き付く剥離紙803を引っ張る。剥離紙は接着ストリップ807で終端するので、剥離紙のリング状の形状により、剥離紙を接着ストリップに直接接触させることなく、接着ストリップから引き離すことができるようになっている。接着ストリップが露出すると、接着ストリップをデバイスの表面に押し当てて(または別のドレープ部分に押し当てて)ドレープシート808を取り付けることができる。
【0115】
その他の取り付け手段としては、ステッカー、クリップ、ジッパー、スナップ、(面ファスナなどの)二重ロックファスナ、連結する平坦なファスナ面を備えるファスナなどがある。
【0116】
図9は、いくつかの実施形態による、折り畳み式の部分を含む手術用ドレープを模式的に示す図である。
【0117】
いくつかの実施形態では、折り畳み式のドレープ部分901が、ドレープシート905に形成された所定のポケットまたは折り目903内に構成される。任意選択で、使用中に、ドレープシート905は、ドレープシートの開口部907が、遠位デバイス拡張部の取り付けのためのアクセスポート、および任意選択で遠位デバイス拡張部の出口アパチャを露出するように、手術デバイスの上に展開される。初期展開の間、部分901は、収納されてもよく、デバイス拡張部の装填後、部分901は、露出したデバイス領域を覆うために、引っ張られるか、または展開されてもよい。任意選択で、部分901は、デバイスの表面および/またはドレープシート905の選択された位置に取り付けるための1つまたは複数の接着部を含む。
【0118】
図10A-
図10Bは、いくつかの実施形態による、手術用アームのモータユニットに展開された底部ドレープシートの画像である。
【0119】
図10Aは、モータユニット1001の遠位面の画像であり、そこから手術用アーム1003が遠位方向に外に向かって延びている。
図10Bは、モータユニットの側面図の画像である。観察できるように、いくつかの実施形態では、底部ドレープシート1005は、ドレープに形成された開口部が、アーム1003を取り付けるための装填ドア1007を含むアクセスポートを露出させ、さらに、アームが外に向かって延びる出口アパチャ1009を露出させるように、モータユニット上に配置されている。この例では、一組のステッカー1011が、出口アパチャ1009の反対側で出口アパチャ1009に隣接して配置されており、マークされたタブ1013を引っ張ると、モータユニットの表面に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の矢印1031(または他の方向性マーキング)が、ステッカーを引っ張る方向を示す。
【0120】
例示的な実施形態では、遠位デバイス面での切欠部の寸法は、例えば、ドレープを下から直接、出口アパチャ1009に隣接して装着させるように、5cm、10cm、または15cmの間の幅1015、または中間の、より大きい、またはより小さいサイズを含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、底部ドレープは、無菌ゾーンの限界をマークする着色されたライン1019を含む。モータユニットの側面から見た無菌ゾーンの例示的な寸法は、300cm、250cm、400cm、または中間の、より大きい、またはより小さいサイズの長さ1021と、15cm、20cm、または25cm、または中間の、より大きい、またはより小さいサイズの高さ1023と、を含んでもよい。
【0122】
図11A-
図11Bは、いくつかの実施形態による、手術用アームのモータユニット上に展開された上部ドレープシートの画像である。
図11Aの正面図は、モータユニット1103を覆う上部ドレープ1101を示し、そこから一対の手術用アーム1105が遠位方向に延びる。いくつかの実施形態では、上部ドレープは、モータユニットの上に展開する間、ユーザの手を配置するための大きさの谷折り1107を備える。任意選択で、最終的な展開位置において、谷折り1107は、モータユニットの遠位面に沿って、手術用アームが延びる出口アパチャの対向する側に延びる。
【0123】
図11Bは、覆われたモータユニットの側面図である。いくつかの実施形態では、上部ドレープは、無菌領域を示すための裏地1109を含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、上部ドレープ1101は、少なくとも2つの部分、すなわち、底部ドレープの開口部によって露出したアクセスポート1111を少なくとも覆う形状および/または大きさの(1113、
図11Bで概略的に示される)第1の部分と、1つまたは複数の手術用アーム1105が突出し得るモータユニットの出口アパチャ1117を依然として露出させつつ、モータの前部(遠位)面に沿って延びる形状および/または大きさの(1115、
図11Aで概略的に示される)第2の部分と、を備える。
【0125】
図12は、いくつかの実施形態による、半剛性ストリップ1201の形態の変形可能なドレープ要素の画像である。いくつかの実施形態では、半剛体ストリップは、プラスチックコーティングによってコーティングされたワイヤを備える。任意選択で、ストリップは、ドレープ材料内に埋め込まれる。あるいは、ストリップはドレープに取り付けられている。
【0126】
図13A-
図13Cは、いくつかの実施形態に従った、(モータユニットの上に展開されていないときの)延ばされた底部ドレープ(13A)、折り畳まれた底部ドレープ(13B)、および折り畳まれた上部ドレープ(13C)の画像である。いくつかの実施形態では、上部ドレープおよび/または底部ドレープは、折り畳まれた位置および/または延ばされた位置で見える、ドレープ展開中にユーザの誘導を支援するために配置された矢印1301などの1つまたは複数のマーキングを含む。
【0127】
いくつかの実施形態では、ユーザの手を配置するための谷折り1303は、ドレープの折り畳み構成でアクセス可能である。
【0128】
いくつかの実施形態では、ドレープの展開中に向き付けを支援することができるステッカー1305または他のマーキングは、ドレープの折り畳まれた状態および/または伸ばされた状態で明確に見える。
【0129】
いくつかの実施形態では、上部および/または底部ドレープは、ドレープをモータデバイスに取り付けるための、および/または上部および底部ドレープを互いに取り付けるための、1つまたは複数の接着部1307を含む。
【0130】
いくつかの実施形態では、例えば
図13Aに示すように、底部ドレープはスリーブ状であり、開放端を含む(開放端の方向を1309で示す。ドレープは折り畳まれた状態で示されているが、広げたときには1311で示す方向により長く延びてもよい)。いくつかの実施形態では、スリーブの部分的閉塞端1313が、開放端と反対側に構成される。いくつかの実施形態では、開放端と部分的閉塞端との間に延びるドレープの本体1315は、管状で中空である。
【0131】
本明細書では、「部分的閉塞」端とは、ドレープのスリーブの側部または端部であって、その長さの一部に沿って封止され、その長さの別の一部に沿って開放されているものを含んでもよい。任意選択で、長さの大部分が封止される。いくつかの実施形態では、使用時に、展開されたドレープの部分的閉塞端は、出口アパチャが露出したままであるが遠位面の残りの部分が覆われるように、手術デバイスの遠位面を覆う。
【0132】
いくつかの実施形態では、アクセス可能な開口部1317(破線で示す)が、部分的閉塞端1313からドレープの管状本体1315の側縁1319まで延びて、スリーブに定義される。いくつかの実施形態では、アクセス可能な開口部は、ドレープの切欠部によって定義される。いくつかの実施形態では、アクセス可能な開口部は、長方形である。任意選択で、例えばこの写真に示すように、アクセス可能な開口部は、段差のあるプロファイルからなる。いくつかの実施形態では、使用時に、(スリーブの閉塞端に沿って延びる部分などの)アクセス可能な開口部の一部は、(1つまたは複数の手術用アームが延びるモータユニットの出口アパチャなどの)手術デバイスの出口アパチャと重なり、アクセス可能な開口部の(縁1319のセグメントに沿って延びる部分などの)別の一部は、手術デバイスのアクセスポートに重なる。
【0133】
なお、アクセス可能な開口部は、長方形、三角形、円形、任意の形状、およびその他の形状やプロファイルを有していても構わない。
【0134】
スリーブ型ドレープの潜在的な利点には、ドレープが手術デバイスを覆うように展開される際に、単層の平坦なシートドレープなどのドレープの緩んだ端部を結びつける必要性を低減または回避することが含まれてもよい。本明細書で言及されているいくつかの実施形態では、手術デバイスは狭くて細長いので、手術デバイスを覆うドレープの展開は、スリーブ形状のドレープを使用することによって容易になる可能性がある。スリーブ状のドレープの別の潜在的な利点は、スリーブの自由端がないか、または少なくても互いに結び付けられるか別様に互いに取り付けられる必要があるので、無菌的な被覆が改善され、環境に対するデバイス(またはその逆)の露出が少なくなることである。
【0135】
図14A~
図14Eは、いくつかの実施形態による、除去されたときにシートの開口部を形成する除去可能な部分を含むドレープシートを模式的に示す。
【0136】
いくつかの実施形態では、ドレープシート1401は、除去可能または移動可能な部分1403を備え、この部分は、除去された(または移動された)ときに、手術デバイスのアクセスポート1431(
図14C参照)が露出されるドレープスリーブの開口部1407を画定する。任意選択で、部分1403は、例えば、部分を引っ張ることによって、スリーブから分離することができるように、引き裂き結合部によってドレープに取り付けられる。追加でまたは代替的に、部分は、例えば接着部によって、例えば、粘着テープ、接着部、および/またはその他を介して、シートに除去可能に取り付けられる。
【0137】
図14Aは、部分1403がまだドレープに取り付けられている間にドレープ長軸に沿って折り畳まれたドレープ1401を、側面図から模式的に示している。除去/移動可能な部分1403の縫い目は、破線で示されている。
図14Bでは、いくつかの実施形態による、部分1403が除去され、それによって、モータユニットアクセスポートが露出され得る開口部が形成される。
図14Cは、いくつかの実施形態による、モータユニット上に展開されたときのドレープシートの上面図を示す。
図14Dは、いくつかの実施形態による、モータユニット上に展開されたときのドレープシートの側面図である。
図14Eは、いくつかの実施形態に従って、モータユニット上に展開されたときのドレープシートの正面図を示す。任意選択で、部分1403が除去されると、例えば、1つまたは複数の手術用アームが遠位方向に延びる、モータユニットの出口アパチャ1405が露出する。
【0138】
いくつかの実施形態では、部分1403(および、したがって、部分1403の除去または移動に伴って形成される開口部1407)は、モータユニットのアクセスポートおよび出口アパチャの形状および/またはサイズと一致するような形状およびサイズである。任意選択で、部分1403は、アクセスポートおよび出口アパチャにぴったりと重なり、アクセスポートおよび出口アパチャの境界線を超えて延在せず、除去されたときにモータユニットのそれらの部分のみを露出させ、他の部分を露出させない。任意選択で、部分1403の表面積は、モータユニットのアクセスポートおよび出口アパチャの合計表面積に対応する。任意選択で、部分1403の表面積は、アクセスポートおよび出口アパチャの表面積の和に近い。図示された例では、部分1403は、例えば2つのステップを定義する、ステップ状のプロファイルを有するように形成されている。任意選択で、上部ステップ1409によって構成される開口部の大部分は、モータユニットのアクセスポートを露出するように構成され、下部ステップ1411によって構成される開口部の小部分は、(例えば、
図14Eに示されるように)ドレープがモータユニット上に展開されたときにモータユニットの出口アパチャの真下に延びるように構成される。
【0139】
あるいは、部分1403は、アクセスポートおよび出口アパチャよりも大きい形状および/または大きさである。例えば、部分1403は、長方形の側面プロファイルで形成されてもよく、例えば、ドレープがモータユニット上に展開されたときに、長方形の下端が出口アパチャの下に延びる。
【0140】
いくつかの実施形態では、例えば
図14Cに示すように、部分1403は、手術デバイスのアクセスポートが露出される開口部を画定し、ドレープを手術デバイスの近位端に装着するための固定部1415(一例として、変形可能なストリップ)は、例えば部分1403の近位端から固定部1415の遠位端まで測定したときに、例えば14cm、16cm、18cm、または中間の、より長い、またはより短い距離など、互いから10~20cmの距離1419に位置する。任意選択で、部分1403および固定部1415は、いくつかの実施形態ではドレープの長軸1417である軸に沿って互いに反対側に位置する。任意選択で、部分1403および固定部1415は、長軸1417に対して中心寄せされている。いくつかの実施形態では、距離1419は、手術デバイス(例えば、モータユニット)のアクセスポートと、手術デバイスの近位端、例えば、モータユニットの近位面と、の間の距離に対応する。
【0141】
いくつかの実施形態では、ドレープは、モータユニットにドレープを固定するための2個以上の固定要素、例えば、2、5、6、10個の固定要素、または中間の、より大きな、またはより小さな数の固定要素を含むことに留意されたい。任意選択で、異なる固定要素は、モータユニットの縁または角に対応する位置でドレープ上に配置される。
【0142】
いくつかの実施形態では、例えば
図14Aに示すように、ドレープは、例えば広げられた状態(および非展開状態)では、細長い中空構造、任意選択で、管状のスリーブ形状からなる。いくつかの実施形態では、スリーブは、開放端1451と、対向する部分的閉塞端1453とを画定する。いくつかの実施形態では、開放端は、手術デバイスの上にスリーブを被せるために、スリーブの壁部を互いから引き離すことを可能にする。
【0143】
いくつかの実施形態では、部分1403で定義された開口部は、部分的閉塞端1453の縁から管状スリーブの隣接する縁1455まで延びており、この縁は、広がった構成において閉塞端1453に対して実質的に垂直であってもよい。
【0144】
いくつかの実施形態では、ドレープの長軸1417は、縁1455に沿って延びている。いくつかの実施形態では、1403で定義された開口部および固定部1415は、長軸に沿って構成される。
【0145】
いくつかの実施形態では、使用中、例えば
図16のフローチャートに記載されているように、ドレープがモータユニットを覆うように展開された後(1601)、ユーザ(例えば、看護師、医師および/または他の手術室スタッフ)は、除去可能なドレープの部分を取り外し、それによってモータユニットのアクセスポートおよび/または出口アパチャ(1603)を露出させることができる。追加でまたは代替的に、ユーザは、ドレープ部分を移動させ、例えば、横または上に巻かれて、部分を脇に押しやって、および/または、別様に、アクセスポートを露出させる。いくつかの実施形態では、ドレープ部分の除去および/または移動は、手術用アームをモータユニットに取り付ける時の近く(例えば、直前)にのみ行われ、例えば、手術用アームをモータユニットに取り付ける前に、5分、2分、30秒、10秒、または中間の、より長い、またはより短い時間の期間を超えない。手術用アームをモータユニットに取り付ける時にのみドレープ部分を除去する(または移動させる)ことによってモータユニットのアクセスポートを露出させることの潜在的な利点には、無菌環境の手術室環境に対する手術デバイスの非無菌部分の露出を最小限に抑えることが含まれてもよい。別の潜在的な利点には、可能な限り長い間、モータユニット(またはその一部)を可能な限り汚染から保護することが含まれてもよい。1605では、例えば、モータユニットの露出したアクセスポートを介してアームを取り付けることにより、手術用アームがモータユニットに取り付けられる。1607では、アームが所定の位置に配置されると、アクセスポートの少なくとも一部が、例えば、第2のドレープシート、最初に使用されたドレープシートの異なる部分、および/またはアクセスポートを露出させるために脇に移動したまたは巻かれた同じ部分によって、再び覆われる。任意選択で、ドレープ処理の最後に、出口アパチャのみがドレープで覆われたままとなり、手術用アームがそこから延びることができる。
【0146】
図15A~
図15Cは、いくつかの実施形態による、モータユニットに被せたときにモータユニットのアクセスポートおよび出口アパチャを露出させる形状および大きさの開口部を含むドレープの画像である。いくつかの実施形態では、例えば
図15Aに示すように、ドレープ1501は、段差のあるプロファイルを有する開口部を画定する。任意選択で、第1の段差1503は、例えば
図15Bに示すように、モータユニット1507のアクセスポート1505に適合するような形状、サイズ、および位置であり、第2の段差1509は、例えば
図15Cに示すように、任意選択でモータユニット1507の前面に位置するモータユニットの出口アパチャ1511を露出させるような形状、サイズ、および位置である。
【0147】
いくつかの実施形態では、接着部(例えば、ステッカー、引き剥がしタブ)、磁石、面ファスナおよび/または他の取り付け手段などの1つまたは複数の取り付け手段1513が、ドレープの開口部の境界に沿った1つまたは複数の場所に配置され、ドレープをモータユニットに取り付ける。
【0148】
いくつかの実施形態では、ドレープの無菌部分(例えば、モータユニット上に展開されたとき)と非無菌部分とを区別するために、例えば、テープのライン、着色されたライン、および/または他のタイプのマーカの形態であるマーカ1515が延びている。いくつかの実施形態では、アクセスポートの境界線は、マーカによって定義された境界線内に位置する。
【0149】
図17A-
図17Dは、いくつかの実施形態による、手術デバイスおよび手術デバイスが取り付けられたベースの少なくとも一部を覆うためのドレープを模式的に示す図である。
【0150】
いくつかの実施形態では、ドレープ1701(
図17Dの概要を参照)は、手術デバイス、例えばモータユニット1703(
図17Aを参照)、およびモータユニットが着座または取り付けられるベース1705(
図17Aを参照)の少なくとも一部を覆うような形状および/またはサイズである。いくつかの実施形態では、ベースは、例えばローリングカートのように移動可能である。
【0151】
いくつかの実施形態では、ドレープ1701は、モータユニットのアクセスポート1707を露出させるための第1の開口部1702(「アクセス可能な開口部」とも呼ばれる)と、ベース1705を覆うことを容易にする第2の開口部1713(「拡張開口部」とも呼ばれる)とを備え、このベース1705は、いくつかの実施形態では、モータユニットに対してより大きな寸法(例えば、より大きな幅、長さおよび/または高さ)であってもよい。一例では、ベース1705の幅1709は、モータユニット1703の幅1711よりも約25%、50%、75%、100%、125%大きい。
【0152】
モータユニットを覆うのと同じドレープでベースを覆うことの利点には、使用が容易になること、医師/看護師が手術の準備のために行うべき動作の数が減ること、ドレープによる無菌状態の維持などの準備にかかる時間が短縮されることが含まれてもよい。
【0153】
いくつかの実施形態では、引き裂きピースおよび/または他の除去可能または移動可能なドレープ部分が、その除去時にドレープ1701のベース1705上への展開(例えば、上から下への展開)を容易にするように、第2の開口部1713を画定する。
【0154】
いくつかの実施形態では、ドレープ1701が展開された後に、上部ドレープシートおよび/または他のドレープ部分、あるいは滅菌シートが開口部1713の上に配置される。任意選択で、例えば
図17Bに示すように、開口部1713を覆う上部ドレープまたは他の部分に取り付けるために、接着部(例えばステッカー、任意選択で両面)、クリップ、磁石、および/または他の取り付け手段などの1つまたは複数の取り付け手段1715がドレープ1701に配置される。
【0155】
いくつかの実施形態では、例えば
図17Cに示すように、ドレープ1701は、開口部1713を覆うように移動、展開、および/または別様に配置することができる第2の層1717を備える。
【0156】
図17Dは、開口部1713を形成するように、その側面に構成されたドレープ部分を互いに引き離すことを可能にする切込み1719を含むドレープレイアウトの例を示す。いくつかの実施形態では、切込み1719は、ドレープ長軸のセグメントに沿って延びている。いくつかの実施形態では、アクセスポートへのアクセスを可能にするための開口部1702は、切込み1719の反対側に、例えばドレープ長軸に沿って構成される。いくつかの実施形態では、変形可能なストリップなどの固定部1721が、切込み1719と開口部1702の中間に配置される。
【0157】
図18は、いくつかの実施形態による、モータユニットのアクセスポートと出口アパチャを露出させつつモータユニットを覆うドレープの画像である。
【0158】
図18に示す例示的なアセンブリでは、ドレープ1801が、スタンド(またはベース)1805に取り付けられているモータユニット1803を部分的に覆うように示されている。いくつかの実施形態では、ドレープ1801は、スタンドの高さに沿ってスタンド1805を覆うのに十分な大きさである。任意選択で、ドレープは、モータユニットの位置からスタンドが配置されている地面まで延びるのに十分な大きさである。
【0159】
いくつかの実施形態では、ドレープ1801は、細長い中空構造を備え、任意選択で管状のスリーブである。
【0160】
いくつかの実施形態では、展開されたドレープの開放端1807が地面に向けられている。任意選択で、開放端の自由端を結びつけたり、固定したりしてもよい。
【0161】
いくつかの実施形態では、展開されたドレープの部分的閉塞端1809は、遠位(前)の方向を向いている。任意選択で、この方向は、1つまたは複数の手術用アーム1811がモータユニットから延びる方向に対応する。いくつかの実施形態では、非展開状態では、部分的閉塞端1809は、開放端1807と対向するように構成されており、デバイスの上にドレープを被せる際に、ドレープの一部を回転させて、部分的閉塞端が、開放端が向いている方向に対して実質的に垂直な方向を向くように移動させることができる。いくつかの実施形態では、この回転は、ドレープのアクセス可能な開口部を、モータユニット1803のアクセスポート1815および/または出口アパチャ1817と位置合わせした結果である。
【0162】
用語「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」およびそれらの活用形は、「含むがそれに限定されない」ことを意味する。
【0163】
用語「~からなる」は、「~を含み、~に限定される」ことを意味する。
【0164】
用語「本質的に~からなる」という用語は、組成物、方法、または構造が追加の成分、ステップ、および/または部品を含んでもよいが、追加の成分、ステップ、および/または部品が、特許請求される組成物、方法、または構造の基本的かつ新規な特性を実質的に変更しない場合に限ることを意味する。
【0165】
本明細書では、単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに別様に記述しない限り、複数の参照を含む。例えば、「a compound」または「at least one compound」という用語は、それらの混合物を含む複数の化合物を含むことがある。
【0166】
本願を通して、本発明の様々な実施形態が範囲形式で示されることがある。範囲形式での説明は、単に便宜上、簡潔にするためのものであり、本発明の範囲を柔軟性なく制限するものと解釈されるべきではないことを理解すべきである。従って、ある範囲の記述は、その範囲内の個々の数値だけでなく、取りうるすべての部分範囲を具体的に開示していると考えるべきである。例えば、「1~6」という範囲の記述は、「1~3」、「1~4」、「1~5」、「2~4」、「2~6」、「3~6」などの部分範囲と、その範囲内の個々の数値、例えば「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」などと、が具体的に開示されていると考えるべきである。これは、範囲の広さに関係なく適用される。
【0167】
本明細書で数値範囲が示されている場合、それは示された範囲内の任意の引用数字(小数または整数)を含むことを意味する。第1の指示番号および第2の指示番号の間の「範囲に亘っている/亘る」との句と第1の指示番号「から」第2の指示番号「まで」の「範囲に亘っている/亘」との句とは、本明細書では互換的に使用され、第1および第2の指示番号、およびその間のすべての小数および整数を含むことを意味する。
【0168】
本明細書では、「方法」という用語は、与えられた課題を達成するための作法、手段、技術、手順を意味し、化学、薬学、生物学、生化学、医学の専門家に既知の作法、手段、技術、手順、または、化学、薬学、生物学、生化学、医学の専門家によって容易に開発できるものを含むが、これらに限定されない。
【0169】
本明細書では、「治療する」という用語には、状態の進行を無効にする、実質的に抑制する、遅らせる、または逆転させる、容体の臨床的または美的な症状を実質的に改善する、または容体の臨床的または美的な症状の出現を実質的に防止することが含まれる。
【0170】
明確にするために別々の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供することもできることを理解されたい。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の様々な特徴も、別個に、または任意の適切な部分的組み合わせで、または本発明の他の説明された実施形態で適切に提供されてもよい。様々な実施形態の文脈で説明された特定の特徴は、それらの要素がないと実施形態が動作しない場合を除き、それらの実施形態の必須の特徴とは見なされない。
【0171】
本明細書中で言及されているすべての刊行物、特許、および特許出願は、個々の刊行物、特許または特許出願が参照により本明細書中に組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同じ程度に、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる。また、本願明細書で引用または識別した文献は、当該文献が本発明の先行技術として利用可能であることを自認するものと解釈してはならない。セクションの見出しが使用されている限りにおいて、それらは必ずしも限定的であると解釈されるべきでない。
【0172】
また、本出願のすべての優先権書類は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術デバイスのための2つの部分を有するドレープであって、
I.細長い中空のスリーブを画定する可撓性の材料の薄いシートで形成される第1のドレープ部分であって、
前記スリーブの第1の側にある開放端と、
前記スリーブの対向する第2の側にある部分的閉塞端と、
前記開放端および前記部分的閉塞端の間に延びる細長いスリーブの本体と、
前記部分的閉塞端から前記スリーブの本体の隣接する部分へと延びるアクセス可能な開口部と、
を備える第1のドレープ部分と、
II.前記第1のドレープ部分の上に配置されるように構成された第2のドレープ部分であって、前記第2のドレープ部分は、可撓性の材料の薄いシートで形成され、前記第2のドレープ部分は、前記アクセス可能な開口部を少なくとも部分的に覆う形状およびサイズである、第2のドレープ部分と、
を備え、
前記アクセス可能な開口部は、前記第1のドレープ部分がその上に展開されたときに前記手術デバイスの少なくとも一部を露出させる切欠部として形成され、前記手術デバイスの前記露出された部分は、デバイス拡張部を受け入れることおよび取り付けることができるアクセスポートを備える、ドレープ。
【請求項2】
前記第1のドレープ部分の前記本体は、本体の長辺に沿って閉じられている、請求項1に記載のドレープ。
【請求項3】
前記第1のドレープ部分と前記第2のドレープ部分とがユニットとして形成される、請求項1に記載のドレープ。
【請求項4】
前記第1のドレープ部分と前記第2のドレープ部分とが別個のシートとして形成される、請求項1に記載のドレープ。
【請求項5】
前記第1のドレープ部分は、取り外されたまたは移動されたときに前記アクセス可能な開口部を形成する取り外し可能な部分を備える、請求項1に記載のドレープ。
【請求項6】
手術用アームを作動させるためのモータユニットであって、中に前記手術用アームを受け入れ、装填し、組み立てるためのアクセスポートを備え、前記アクセスポートは、1つまたは複数のドアを伴って構成される、モータユニットと、
請求項1に記載のドレープと、
を備え、
前記第1のドレープ部分の前記切欠部の開口部は、前記ドレープが前記モータユニットの上に展開されたときに前記アクセスポートおよび1つまたは複数のドアを露出させるように前記アクセスポートと位置合わせされ、
前記第2のドレープ部分は、組み立てられた前記手術用アームの遠位部が前記モータユニットから外側に突出することが可能にしつつ、前記手術用アームの中への組み立て後に前記アクセスポートを実質的に覆う形状およびサイズを有する、
アセンブリ。
【請求項7】
前記第1のドレープ部分の前記切欠部の開口部は、前記モータユニットの前面または遠位面に位置する、前記モータユニットの出口アパチャをさらに露出させ、受け入れられた前記手術用アームの遠位部は、前記出口アパチャを通って外に突出する、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
手術デバイスのドレープであって、
可撓性の材料の薄いシートを備えるスリーブ状の形状の第1のドレープ部分であって、
開放端と、
前記開放端に対向する部分的閉塞端と、
前記開放端および前記部分的閉塞端の間に延びる管状の本体と、
を画定する第1のドレープ部分と、
前記第1のドレープ部分の上に展開されるように構成された第2のドレープ部分と、
を備え、
前記第1のドレープ部分は、スリーブを広げた構成において平坦にしたときに、前記部分的閉塞端の縁から、前記部分的閉塞端の前記縁に垂直な前記本体の側縁まで延びるアクセス可能な開口部を形成する切欠部を含み、前記切欠部は、窪んだ角の切欠部を伴う段差のあるプロファイルを備え、
前記第2のドレープ部分は、可撓性の材料の薄いシートで形成され、前記第2のドレープ部分は、少なくとも部分的に前記アクセス可能な開口部を覆う形状およびサイズを有する、
ドレープ。
【請求項9】
請求項8に記載のドレープと、前記ドレープが上に展開される手術デバイスと、を備えるアセンブリであって、前記ドレープの前記切欠部は、デバイス拡張部を受け入れることおよび取り付けることができる前記手術デバイスのアクセスポートを露出させ、前記切欠部は、前記デバイス拡張部の遠位部が前記手術デバイスの外に突出する出口アパチャをさらに露出させるアセンブリ。
【請求項10】
前記手術デバイスは、1つまたは複数の手術用アームを作動させるためのモータユニットを備え、前記デバイス拡張部は、1つまたは複数の手術用アームを備える、請求項9に記載のアセンブリ。