(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096916
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】ネットワークコンピューティング環境における第1ホップゲートウェイ冗長性
(51)【国際特許分類】
H04L 45/586 20220101AFI20240709BHJP
H04L 45/28 20220101ALI20240709BHJP
【FI】
H04L45/586
H04L45/28
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024066370
(22)【出願日】2024-04-16
(62)【分割の表示】P 2021533406の分割
【原出願日】2019-08-23
(31)【優先権主張番号】62/722,003
(32)【優先日】2018-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】521076948
【氏名又は名称】アルカス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100192212
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 貴明
(74)【代理人】
【識別番号】100200001
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 明彦
(72)【発明者】
【氏名】マルホトラ,ニーラジ
(72)【発明者】
【氏名】パテル,ケユル
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,デレク マン-キット
(72)【発明者】
【氏名】クリーガー,ローレンス ロルフ
(72)【発明者】
【氏名】シャー,シタンシュ
(72)【発明者】
【氏名】クマール,ラリット
(72)【発明者】
【氏名】ラジャラマン,カルヤニ
(72)【発明者】
【氏名】ラグクマール,ビクラム
(72)【発明者】
【氏名】パイ,ナリナクシュ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ネットワークコンピューティング環境における改善されたルーティング動作のためのシステム、方法及びデバイスを提供する。
【解決手段】システムは、ネットワークトポロジ内の第1のスイッチT1及び第2のスイッチT2と、第1のスイッチ及び第2のスイッチの少なくとも1つと通信するホスト仮想マシンと、第1のスイッチを第2のスイッチに接続するルーテッドピアリンクと、を含む。システムにおいて、第1のスイッチ及び第2のスイッチは、同じインターネットプロトコル(IP)アドレス及び媒体アクセス制御(MAC)アドレスを有し、ホスト仮想マシン及び第1のスイッチ又は第2のスイッチのいずれかの間の通信リンクに障害が発生した場合に、第1のスイッチ及び第2のスイッチのアドレス解決プロトコル(ARP)テーブルを同期し、ホスト仮想マシンのネクストホップとしてIPアドレスをアドバタイズする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークトポロジ内の第1のスイッチと、
前記ネットワークトポロジ内の第2のスイッチと、
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチのそれぞれとの通信リンクを有するホスト仮想マシンと、
前記第1のスイッチを前記第2のスイッチに接続するルーテッドピアリンクと、
を含むシステムにおいて、
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチは、同じゲートウェイインターネットプロトコル(IP)アドレス及びゲートウェイ媒体アクセス制御(MAC)アドレスを有し、前記ゲートウェイIPアドレス及び前記ゲートウェイMACアドレスを含む単一の仮想インタフェースが、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチの両方に亘って広がり、
前記第1のスイッチがさらに第1のIPアドレス及び第1のMACアドレスを有し、前記第2のスイッチがさらに第2のIPアドレス及び第2のMACアドレスを有し、前記第1のIPアドレスが前記第2のIPアドレスと相違し、前記第1のMACアドレスが前記第2のMACアドレスと相違し、そして、
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチは、
前記ホスト仮想マシン及び前記第1のスイッチ又は前記第2のスイッチのいずれかの間の前記通信リンクに障害が発生した場合に、トラフィックをリダイレクトする為の前記第1のIPアドレス及び前記第2のIPアドレスを含む修復パスの信号を互いに送信し、
前記ルーテッドピアリンク上の前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチ間のボーダゲートウェイプロトコル(BGP)メッセージ経由で前記ホスト仮想マシンから受信した更新に応答して前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチのアドレス解決プロトコル(ARP)テーブルを同期し、そして、
前記ホスト仮想マシンの為のネクストホップとして前記ゲートウェイIPアドレスをアドバタイズする、
ように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチは、BGPイーサネット仮想プライベートネットワーク(EVPN)メッセージを通して前記ARPテーブルを同期するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチの各スイッチは、前記各スイッチのスイッチ仮想インタフェース(SVI)への前記ホスト仮想マシンの結合に応答して前記BGP-EVPNメッセージを生成するように構成されることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチは、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチ間に前記BGP-EVPNセッションを設定して、前記ルーテッドピアリンクをアドバタイズするように構成されることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
ルートターゲット-1(RT-1)経由で前記修復パスの信号を送信し、RT-2経由でARP要求及びARP同期の信号を送信するように構成されたBGP EVPN制御プレーンをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のスイッチ又は前記第2のスイッチは、ネクストホップとして前記第1のIPアドレス及び前記第2のIPアドレスを含むイーサネットセグメント識別子(ESI)毎のルートターゲット-1(RT-1)を使用して前記第1のIPアドレス及び前記第2のIPアドレスを交換するように構成されることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記ネットワークトポロジは、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチに直接接続された全てのホストへのレイヤ3修復パスの信号送信にESI毎RT-1を活用するように構成されることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチは、
ローカルイーサネットセグメント識別子(ESI)の為の前記ルーテッドピアリンクに亘る接続性の信号を送信し、そして、
前記修正パス経由の保護により前記ローカルESI上で学習された全てのホスト隣接関係をインストールする、
ように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチの各スイッチは、前記ゲートウェイMACアドレスを有するARP要求に代理応答するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチの各スイッチは、前記各スイッチ以外の前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチのスイッチをフラッディングさせることなく、ローカルイーサネットセグメント識別子(ESI)ポートをフラッディングさせることにより、前記各スイッチを起源とするARP要求をフラッディングさせるように構成されることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチは、前記ルーテッドピアリンクを通して前記ホスト仮想マシン及び前記第2のスイッチ間の全てのトラフィックをルーティングすることにより、前記ホスト仮想マシン及び前記第2のスイッチ間の障害のある接続に応答するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1のスイッチはさらに、前記障害のある接続のイーサネットセグメント識別子(ESI)から学習した全てのARPエントリの為のデフォルトルーティング制御プレーン内にホストルートをインジェクトするように構成され、前記ホストルートは、前記ホスト仮想マシン宛のフローが前記第1のスイッチに集約することを可能にするように構成されることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチは、L3-仮想プライベートネットワーク(VPN)ラベル属性として前記ルーテッドピアリンク上で前記修復パスを送信するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチは、前記ホスト仮想マシンの為の冗長エニーキャスト集中型ゲートウェイとして構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチは、前記ホスト仮想マシン上のメインポートを表す、共通のイーサネットセグメント識別子(ESI)により構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチのそれぞれは、
自動的に得られる媒体アクセス制御-仮想ルーティング及び転送ルートターゲット(MAC-VRF RT)、又は、
手動で構成されるMAC-VRF RG、
の1以上を有する仮想ローカルエリアネットワーク(VLAN)毎のイーサネット仮想プライベートネットワーク(EVPN)インスタンスにより構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記ルーテッドピアリンクは、レイヤ3イネーブルピアリンクであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記システムは、ルートターゲット-1(RT-1)保護シグナリングを使用するイーサネット仮想プライベートネットワーク(EVPN)であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
さらに、前記ホスト仮想マシン上のイーサネットセグメント識別子(ESI)を含み、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチは、前記ルーテッドピアリンク経由で前記ESIへの到達性を有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2018年8月23日に出願された米国仮特許出願第62/722,003号「DATABASE SYSTEMS METHODS AND DEVICES」に対する優先権を主張するものであり、この文献は、次の例外を除き、これに限定されるものではないが、以下に具体的に記載される部分を含む全体が参照により本明細書に援用される。前記出願の何れかの部分が本出願と矛盾する場合、本出願の内容が前記出願に優先される。
【0002】
本開示は、コンピューティングネットワークに関し、特に、コンピュータネットワーク環境におけるネットワークトポロジ及びルーティングプロトコルに関する。
【背景技術】
【0003】
ネットワークコンピューティングとは、複数のコンピュータ又はノードが連携し、ネットワークを介して相互に通信するための手段である。これには、ワイドエリアネットワーク(wide area network:WAN)とローカルエリアネットワーク(local area network:LAN)とがある。ワイドエリアネットワークとローカルエリアネットワークは、何れも、コンピュータ間の相互接続を可能にする。ローカルエリアネットワークは、通常、家庭、ビジネス、学校等、より小規模でローカライズされたネットワークに使用される。ワイドエリアネットワークは、都市等の広域をカバーし、異なる国のコンピュータを接続することもできる。通常、ローカルエリアネットワークは、ワイドエリアネットワークよりも高速で安全であるが、ワイドエリアネットワークを使用すると広範囲の接続が可能になる。通常、ローカルエリアネットワークは、展開されている組織内で所有、制御、及び管理され、一方、ワイドエリアネットワークでは、通常、パブリックインターネット経由又は電気通信プロバイダによって確立されたプライベート接続を介して、構成要素である2以上のローカルエリアネットワークを接続する必要がある。
【0004】
ローカルエリアネットワークとワイドエリアネットワークによって、コンピュータを相互に接続し、データやその他の情報を転送できる。ローカルエリアネットワーク及びワイドエリアネットワークの何れにおいても、ある演算インスタンスから別の演算インスタンスにデータを渡すパスを判定する手段が必要である。これは、ルーティングとも呼ばれる。ルーティングとは、ネットワーク内で、複数のネットワーク間で、又は複数のネットワークに亘って、トラフィックのパスを選択するプロセスである。ルーティングプロセスは、通常、様々なネットワーク宛先へのルートの記録を保持するルーティングテーブルに基づいて、転送を指示する。ルーティングテーブルは、管理者が指定してもよく、ネットワークトラフィックを監視して学習してもよく、ルーティングプロトコルの支援を受けて構築してもよい。
【0005】
小規模ネットワークでは、手動で構成されたルーティングテーブルを使用して、あるコンピュータから別のコンピュータへの情報の転送方法を判定できる。ルーティングテーブルは、開始コンピュータと最終宛先コンピュータとの間の最も効率的又は最も望ましいパスを示す「最適パス」のリストを含むことができる。公衆インターネットに接続されたネットワークを含む大規模なネットワークは、複雑なトポロジに依存していることがあり、トポロジは、急速に変化する可能性があるため、ルーティングテーブルを手動で構築することは、不可能である。動的ルーティングは、ルーティングプロトコルによって伝送される情報に基づいてルーティングテーブルを自動的に構築することによって、この問題を解決しようとするものである。動的ルーティングにより、ネットワークは、略自律的に動作して、ネットワークの障害やブロックを回避できる。ネットワークデバイス間の最適パスを判定するための規則又は命令を提供する複数のルーティングプロトコルが存在する。動的ルーティングプロトコル及びアルゴリズムには、ルーティング情報プロトコル(Routing Information Protocol:RIP)、オープンショーテストパスファースト(Open Shortest Path First:OSPF)、エンハンスドインテリアゲートウェイルーティングプロトコル(Enhanced Interior Gateway routing Protocol:EIGRP)、及びボーダゲートウェイプロトコル(Border Gateway Protocol:BGP)等がある。
【0006】
幾つかの具体例では、パス選択は、複数のルートにルーティングメトリックを適用して、最適ルートを選択又は予測することを含む。殆どのルーティングアルゴリズムは、一度に1つのネットワークパスのみを使用する。マルチパスルーティング技術は、複数の代替パスの使用を可能にする。コンピュータネットワークでは、ルーティングアルゴリズムを使用して、2つの演算インスタンス間の最適パスを予測できる。ルーティングアルゴリズムは、帯域幅、ネットワーク遅延、ホップカウント、パスコスト、負荷、最大転送単位、信頼性、及び通信コスト等の複数の要因に基づくものであってもよい。ルーティングテーブルには、最適パスのリストが格納される。トポロジデータベースは、最適パスのリストを格納でき、更に追加情報を格納できる。
【0007】
一部のネットワークでは、最適パスの選択を担当するエンティティが単一のエンティティではないという事実のために、ルーティングが複雑になる。代わりに、複数のエンティティが最適パス又は単一パスのイベント部分の選択に関与する。インターネット上のコンピュータネットワーキングの文脈において、インターネットは、インターネットサービスプロバイダ(ISP)のような自律システム(AS)に分割される。各自律システムは、そのネットワークを含むルートを制御する。各自律システムレベルのパスには、一連の自律システムが含まれており、この自律システムを経由して、ある演算インスタンスから別の演算インスタンスに情報パケットが送信される。各自律システムは、複数のパスを有することができ、この複数のパスから、隣接する自律システムによって提供される複数のパスを選択できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
多くのネットワークトポロジがあり、これらは、異なるコンピューティングアプリケーションに対して様々な利点及び欠点を有する。1つのネットワークトポロジは、複数のリーフノード(leaf node)と通信するスパインノード(spine node)を含むリーフ/スパインネットワークトポロジ(leaf-spine network topology)である。従来のリーフ/スパインネットワークトポロジのルーティングプロトコルには、多くの欠点があり、リーフノードが非アクティブになったときにデータループが非効率的になる可能性がある。そこで、リーフ/スパインネットワークトポロジのための改善されたラベリングプロトコル及びルーティングプロトコルが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上を考慮して、ここでは、ネットワークコンピューティング環境におけるルーティング動作を改善するためのシステム、方法、及びデバイスを開示する。
【0010】
本開示の非限定的及び非包括的な実施形態は、以下の図を参照して説明され、これらの図において、同一の参照符号は、特段の指定がない限り、全ての図を通して同一の部分を指す。以下の説明及び添付の図面を参照することにより、本開示の利点がより明瞭に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】インターネットを介して通信するネットワーク化されたデバイスのシステムの概略図である。
【
図2】第1のスイッチ及び第2のスイッチの間の第1ホップゲートウェイ冗長性を有するネットワークの概略図である。
【
図3】修復パスシグナリングを実装する、第1のスイッチ及び第2のスイッチの間の第1ホップゲートウェイ冗長性を有するネットワークの概略図である。
【
図4】アドレス解決プロトコル(ARP)テーブルの同期(sync)を実装する、第1のスイッチ及び第2のスイッチの間の第1ホップゲートウェイ冗長性を有するネットワークの概略図である。
【
図5】定常状態水平(East-West)フローを図示する、第1のスイッチ及び第2のスイッチの間の第1ホップゲートウェイ冗長性を有するネットワークの概略図である。
【
図6】定常状態垂直(North-South)フローを図示する、第1のスイッチ及び第2のスイッチの間の第1ホップゲートウェイ冗長性を有するネットワークの概略図である。
【
図7】水平(East-West)フローにおけるリンク障害を図示する、第1のスイッチ及び第2のスイッチの間の第1ホップゲートウェイ冗長性を有するネットワークの概略図である。
【
図8】垂直(North-South)フローにおけるリンク障害を図示する、第1のスイッチ及び第2のスイッチの間の第1ホップゲートウェイ冗長性を有するネットワークの概略図である。
【
図9】孤立イーサネットセグメント識別子(orphan Ethernet segment identifier)(ESI)ホストへのアドレス解決プロトコルの要求を図示する、第1のスイッチ及び第2のスイッチの間の第1ホップゲートウェイ冗長性を有するネットワークの概略図である。
【
図10】ARPを有する孤立ESIホストからの応答を図示する、第1のスイッチ及び第2のスイッチの間の第1ホップゲートウェイ冗長性を有するネットワークの概略図である。
【
図11】例示的演算デバイスのコンポーネントを図示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここでは、ネットワークコンピューティング環境における改善されたネットワークトポロジ、ルーティングラベリング、及びルーティングプロトコルのためのシステム、方法、及びデバイスを開示する。本開示の一実施形態は、第1のスイッチ及び第2のスイッチの間の第1ホップゲートウェイ冗長性を有するネットワークである。ネットワークにおいて、1以上のホスト仮想マシンは、仮想インタフェース経由で第1のスイッチ及び第2のスイッチに接続される。第1ホップゲートウェイ冗長性は、マルチシャーシ結合インタフェースを使用する最適パス冗長性の解決策を提供する。
【0013】
一実施形態では、システムは、第1ホップゲートウェイ冗長性を有するネットワークを含む。システムは、ネットワークトポロジ内の第1のスイッチ及び第2のスイッチを含む。システムは、第1のスイッチ及び第2のスイッチの少なくとも1つと通信するホスト仮想マシンを含む。システムは、第1のスイッチを第2のスイッチと接続するルーテッドピアリンクを含む。システムは、第1のスイッチ及び第2のスイッチが、同じインターネットプロトコル(IP)アドレス及び媒体アクセス制御(media access control:MAC)アドレスを有する。
【0014】
コンピュータネットワーク環境では、スイッチ又はルータ等のネットワーキングデバイスを使用して、1つの宛先から最終的な宛先に情報を送信できる。一実施形態では、データパッケージ及びメッセージは、個人の自宅内のコンピュータ等の第1の場所で生成してもよい。データパッケージ及びメッセージは、個人がウェブブラウザとインタラクトし、インターネットを介してアクセス可能なリモートサーバに情報を要求し又は情報を提供することによって生成できる。例えば、データパッケージ及びメッセージは、インターネットに接続されたウェブページ上でアクセス可能なフォームに個人が入力した情報であってもよい。データパッケージ及びメッセージは、個人のコンピュータから地理的に非常に離れた場所にあるリモートサーバに送信する必要がある場合がある。個人の自宅のルータとリモートサーバの間では、直接通信が行われていない可能性が高い。したがって、データパッケージ及びメッセージは、リモートサーバの最終的な宛先に到達するまでに、異なるネットワーキングデバイスを「ホッピング」して移動する必要がある。個人の自宅のルータは、インターネットに接続された複数の異なるデバイスを介してデータパッケージ及びメッセージを送信し、データパッケージ及びメッセージがリモートサーバの最終宛先に到達するまでのルートを判定する必要がある。
【0015】
第1の場所から最終的な宛先への最良のパスを判定し、データパッケージ及びメッセージを次の宛先に転送するプロセスは、スイッチ又はルータ等のネットワーキングデバイスによって実行される重要な機能である。ネットワーク内のネットワーキングデバイス間の接続は、ネットワークトポロジと呼ばれる。ネットワークトポロジは、通信ネットワーク内のリンクやノード等の要素の配置である。ネットワークトポロジは、有線リンク、無線リンク、又はネットワーク内のノード間の有線及び無線リンクの組み合わせを含むことができる。有線リンクの例としては、同軸ケーブル、電話線、電力線、リボンケーブル、光ファイバ等がある。無線リンクの例としては、衛星、セルラ信号、無線信号、自由空間光通信等がある。ネットワークトポロジは、ネットワーク内の全てのノード(コンピュータ、ルータ、スイッチ、その他のデバイス等)の指示情報と、ノード間のリンクの指示情報とを含む。ここでは、ネットワークルーティング及びネットワークトポロジを改善するためのシステム、方法、及びデバイスを開示する。
【0016】
本開示の理解を深めるために、多数のネットワーキング演算デバイス及びプロトコルの幾つかを説明する。
【0017】
BGPインスタンスは、ネットワーク内で情報をルーティングするためのデバイスである。BGPインスタンスは、ルートリフレクタ機器(route reflector appliance)の形式で実現してもよい。BGPインスタンスは、スイッチ、ルータ、又はスイッチ上のBGPスピーカで実行してもよい。高レベルでは、BGPインスタンスは、プレフィックスについて学習した全てのパスを最適パスコントローラ(best path controller)に送信する。最適パスコントローラは、これらのパスの中から最適パスのセットを応答する。最適パスコントローラは、任意のパスのネクストホップ及び属性を変更することが許可されている。最適パスを受信すると、BGPインスタンスは、ローカルルーティング情報ベース(Routing Information Base:RIB)を更新し、最適パスをネイバ(neighbors)にアドバタイズ(advertise)する。
【0018】
スイッチ(スイッチングハブ、ブリッジングハブ、又はMACブリッジとも呼ばれる。)は、ネットワークを作成する。殆どの内部ネットワークは、建物又はキャンパス内のコンピュータ、プリンタ、電話機、カメラ、照明、及びサーバを接続するためにスイッチを使用する。スイッチは、ネットワークに接続されたデバイスが相互に効率的に通信できるようにするコントローラとして機能する。スイッチは、パケットスイッチングを使用してコンピュータネットワーク上のデバイスを接続し、これによりデータが受信され、処理され、宛先デバイスに転送される。ネットワークスイッチは、ハードウェアアドレスを使用して、開放型システム間相互接続(Open Systems Interconnection:OSI)モデルのデータリンクレイヤ(レイヤ2)でデータを処理及び転送するマルチポートネットワークブリッジである。一部のスイッチは、ルーティング機能を追加で組み込むことにより、ネットワークレイヤ(レイヤ3)でデータを処理することもできる。このようなスイッチは、一般にレイヤ3スイッチ又はマルチレイヤスイッチと呼ばれている。
【0019】
ルータは、ネットワークを接続する。スイッチ及びルータは、類似する機能を実行するが、ネットワーク上で実行する機能はそれぞれ異なる。ルータは、コンピュータネットワーク間でデータパケットを転送するネットワークデバイスである。ルータは、インターネット上でトラフィック誘導機能(traffic directing function)を実行する。ウェブページ、電子メール、又はその他の形式の情報等、インターネットを介して送信されるデータは、データパケットの形式で送信される。パケットは、通常、インターネットワーク(例えばインターネット)を構成するネットワークを介してあるルータから別のルータに転送されて、最終的に宛先ノードに到達する。ルータは、異なるネットワークからの複数のデータラインに接続されている。データパケットがラインの1つに到着すると、ルータは、パケット内のネットワークアドレス情報を読み取り、最終的な宛先を判定する。次に、ルータは、ルータのルーティングテーブル又はルーティングポリシの情報を使用して、行程上の次のネットワークにパケットを誘導する。BGPスピーカは、ボーダゲートウェイプロトコル(Border Gateway Protocol:BGP)がイネーブルにされているルータである。
【0020】
顧客エッジルータ(customer edge router:CEルータ)は、顧客のLANとプロバイダのコアネットワークとの間のインタフェースを提供する、顧客の敷地内にあるルータである。CEルータ、プロバイダルータ、及びプロバイダエッジルータは、マルチプロトコルラベルスイッチングアーキテクチャのコンポーネントである。プロバイダルータは、プロバイダ又はキャリアのネットワークのコアに配置される。プロバイダエッジルータは、ネットワークのエッジに配置される。顧客エッジルータは、プロバイダエッジルータに接続し、プロバイダエッジルータは、プロバイダルータを介して他のプロバイダエッジルータに接続する。
【0021】
ルーティングテーブル又はルーティング情報ベース(RIB)は、ルータ又はネットワークコンピュータに格納されているデータテーブルであり、特定のネットワーク宛先へのルートをリストするものである。ルーティングテーブルには、距離、重み等のルートのメトリックが含まれる場合がある。ルーティングテーブルには、それが格納されているルータの直近のネットワークのトポロジに関する情報が含まれる。ルーティングテーブルの構築は、ルーティングプロトコルの主要な目的である。スタティックルートは、非自動手段によってルーティングテーブルに作成されるエントリであり、何らかのネットワークトポロジディスカバリ手順の結果ではなく、固定されている。ルーティングテーブルは、ネットワークID、メトリック、及びネクストホップのフィールドを含む、少なくとも3つの情報フィールドを含むことができる。ネットワークIDは、宛先サブネットである。メトリックは、パケットが送信されるパスのルーティングメトリックである。ルートは、メトリックが最小のゲートウェイの方向に進む。ネクストホップとは、パケットが最終宛先に送信されるまでの過程における次のステーションのアドレスである。ルーティングテーブルは、更に、ルートに関連付けられたサービス品質、ルートに関連付けられたフィルタリング基準リストへのリンク、イーサネットカードのインタフェース等を含むことができる。
【0022】
ルーティングテーブルの概念を説明する目的のために、ルーティングテーブルは、パッケージを送達するために使用される地図に見立てることができる。ルーティングテーブルは、パッケージを最終的な宛先に配信するために使用される地図に似ている。ノードがネットワーク上の別のノードにデータを送信する必要がある場合、ノードはまずデータの送信先を認識する必要がある。ノードが宛先ノードに直接接続できない場合、ノードは、宛先ノードへの適切なルートに沿って他のノードにデータを送信する必要がある。殆どのノードは、どのルートが機能するかを判断することを試みることはない。これに代えて、ノードは、LAN内のゲートウェイにIPパケットを送信し、ゲートウェイが、データを正しい宛先にどのようにルーティングするかを決定する。各ゲートウェイは、様々なデータパッケージを配信する方法を追跡する必要があり、そのためにルーティングテーブルを使用する。ルーティングテーブルは、地図のようにパスを追跡し、これらのパスを使用してトラフィックをどのように転送するかを判定するためのデータベースである。ゲートウェイは、情報を要求する他のノードとルーティングテーブルの内容を共有することもできる。
【0023】
ホップバイホップ(hop-by-hop)ルーティングの場合、各ルーティングテーブルには、全ての到達可能な宛先について、その宛先へのパスに沿った次のデバイスのアドレス、すなわち、ネクストホップがリストされる。ルーティングテーブルが一貫していると仮定すれば、パケットを宛先のネクストホップにリレーするアルゴリズムは、ネットワーク内の任意の場所にデータを配信するのに十分である。ホップバイホップは、IPインターネットワークレイヤ及び開放型システム間相互接続(OSI)モデルの特徴の一つである。
【0024】
開放型システム間相互接続(OSI)モデルは、基礎となる内部構造及び技術に関係なく、コンピューティングシステムの通信機能を特徴付け、標準化する概念モデルである。OSIモデルの目標は、多様な通信システムと標準通信プロトコルとの相互運用性である。OSIモデルは、通信システムを複数の抽象レイヤに分割する。レイヤは、上位のレイヤにサービスを提供し、下位のレイヤからサービスを提供される。例えば、ネットワークに亘って無エラー通信(error-free communication)を提供するレイヤは、上位のアプリケーションが必要とするパスを提供すると共に、次の下位レイヤを呼び出して、そのパスの内容を構成するパケットを送受信する。同じレイヤにある2つのインスタンスは、そのレイヤで水平接続によって接続されているものとして可視化される。通信プロトコルは、あるホストのエンティティが、別のホストの同じレイヤの対応するエンティティとインタラクションすることを可能にする。OSIモデルのようなサービス定義は、(N-1)レイヤによって(N)レイヤに提供される機能を抽象的に記述し、ここで、Nは、ローカルホストで動作するプロトコルレイヤの1つである。
【0025】
ルート制御は、インターネット接続性の向上、帯域幅コストの削減、及びネットワーク間の全体的な動作の削減を目的としたネットワーク管理の一種である。一部のルート制御サービスは、ハードウェアベース及びソフトウェアベースの一連の製品及びサービスを含み、これらは、連携して全体的なインターネットパフォーマンスを向上させ、利用可能なインターネット帯域幅を最小限のコストで微調整(finetune)する。ネットワーク又は自律システムが複数のプロバイダからインターネット帯域幅を調達するシナリオでは、ルート制御を成功させることができる。ルート制御は、データ伝送のための最適なルートの選択を援助できる。
【0026】
一部のネットワーク通信システムは、数千の処理ノードを有する大規模な企業レベルのネットワークである。数千もの処理ノードが複数のインターネットサービスプロバイダ(Internet Service Provider:ISP)からの帯域幅を共有し、大量のインターネットトラフィックを処理できる。このようなシステムは、非常に複雑になる可能性があり、許容できるインターネットパフォーマンスを得るために適切に構成する必要がある。システムが最適なデータ伝送のために適切に構成されていないと、インターネットアクセスの速度が低下し、システムの帯域幅消費及びトラフィックが増大する可能性がある。この問題に対し、一連のサービスを実装することによって、これらの懸念を排除又は軽減できる。この一連のサービスは、ルーティング制御とも呼ばれる。
【0027】
ルーティング制御メカニズムの一実施形態は、ハードウェアとソフトウェアとから構成される。ルーティング制御メカニズムは、インターネットサービスプロバイダ(ISP)との接続を介して全ての発信トラフィック(outgoing traffic)を監視する。ルーティング制御メカニズムは、データの効率的な伝送のための最適パスの選択を支援する。ルーティング制御メカニズムは、全てのISPの性能及び効率を計算し、適用可能な領域において最適に動作したISPのみを選択できる。ルート制御デバイスは、コスト、パフォーマンス、及び帯域幅に関する定義済みのパラメータに従って構成できる。
【0028】
データ伝送のための最適パスを判定するための公知のアルゴリズムは、ボーダゲートウェイプロトコル(Border Gateway Protocol:BGP)と呼ばれる。BGPは、インターネット上の自律システムのルーティング情報を提供するパスベクトル(path-vector)プロトコルである。BGPが正しく構成されていないと、サーバの利用可能性及び安全性に問題が発生する可能性がある。更に、攻撃者は、BGPルート情報を変更することにより、トラフィックの大規模なブロックをリダイレクトして、トラフィックが目的の宛先に到達する前に、トラフィックを特定のルータに到達させることができる。BGP最適パスアルゴリズムを実装することによって、トラフィック転送用のインターネットプロトコル(Internet Protocol:IP)ルーティングテーブルにインストールする最適パスを判定できる。BGPルータは、同じ宛先への複数のパスを受信するように構成できる。
【0029】
BGP最適パスアルゴリズムは、最初の有効なパスを現在の最適パスとして割り当てる。BGP最適パスアルゴリズムは、BGPが有効パスのリストの最後に到達するまで、リスト内の次のパスと最適パスを比較する。このリストは、最適パスを判定するために使用される規則を提供する。例えば、リストは、重みが最も高いパスの優先、ローカル優先度がないパスの優先、ネットワーク又はアグリゲーションBGPによってローカルに発生したパスの優先、最短パスの優先、最小のマルチエグジットディスクリミネータ(multi-exit discriminator)を有するパスの優先等の指示情報を含むことができる。BGP最適パス選択プロセスは、カスタマイズできる。
【0030】
BGPルーティングのコンテキストでは、各ルーティングドメインは、自律システム(autonomous system:AS)と呼ばれる。BGPは、2つのルーティングドメインを接続するためのインターネット経由のパスの選択を支援する。BGPは、通常、最短ASパスと呼ばれる、最小数の自律システムを通過するルートを選択する。一実施形態では、一旦BGPが有効にされると、ルータは、BGPネイバからインターネットルートのリストをプルし、ここで、BGPネイバは、ISPであってもよい。次に、BGPは、リストを精査して、最も短いASパスを有するルートを発見する。これらのルートは、ルータのルーティングテーブルに入力してもよい。通常、ルータは、ASへの最短パスを選択する。BGPは、パス属性を使用して、トラフィックを特定のネットワークにどのようにルーティングするかを判定する。
【0031】
等コストマルチパス(equal cost multipath:ECMP)ルーティングは、単一の宛先へのネクストホップパケット転送が複数の「最適パス」に亘って発生する可能性があるルーティング方式である。複数の最適パスは、ルーティングメトリックの計算に基づいて同等である。ルーティングは、単一のルータに限定されたホップ毎の判定であるため、マルチパスルーティングを多数のルーティングプロトコルと共に使用できる。マルチパスルーティングでは、複数のパスに亘ってトラフィックを負荷分散することにより、帯域幅を大幅に増やすことができる。しかしながら、ストラテジを実際に展開する際、ECMPルーティングには、多くの問題が知られている。ここでは、改善されたECMPルーティングのためのシステム、方法、及びデバイスを開示する。
【0032】
Closネットワークは、テレコミュニケーションにおいて展開できる。Closネットワークは、多段スイッチングシステムの理想化を表す多段回路スイッチングネットワークである。Closネットワークは、イングレス(ingress)ステージ、ミドル(middle)ステージ、エグレス(egress)ステージの3つのステージを含む。各ステージは、複数のクロスバースイッチで構成されている。各セルは、イングレスクロスバースイッチに入り、これは、使用可能なミドルステージクロスバースイッチの何れかを介して、関連するエグレスクロスバースイッチにルーティングできる。イングレススイッチをミドルステージスイッチに接続するリンクと、ミドルステージスイッチをエグレススイッチに接続するリンクとの両方が空いている場合、ミドルステージクロスバーを特定の新しいコールに使用できる。
【0033】
コンピュータネットワーク内のノードを接続するためにリーフ/スパインネットワークトポロジを展開できる。リーフ/スパイントポロジには、リーフレイヤとスパインレイヤの2つのレイヤがある。リーフレイヤは、サーバ、ファイアウォール、ロードバランサ、エッジルータ等のデバイスに接続するアクセススイッチで構成される。スパインレイヤは、ルーティングを実行するスイッチで構成され、全てのリーフスイッチが各スパインスイッチと相互接続されるネットワークのバックボーンを構成する。リーフ/スパイントポロジでは、全てのデバイスが同じリンク数だけ互いに離れて配置され、情報を送信するための遅延又はレイテンシの量が予測可能で一貫している。
【0034】
仮想ローカルエリアネットワーク(VLAN)は、データリンクレイヤでコンピュータネットワーク内に分離又は分割されたブロードキャストドメインである。VLANは、ネットワークフレームにタグを適用することができ、ネットワーキングシステムにおいてこれらのタグを処理して、物理的に単一のネットワーク上のネットワークトラフィックの機能及び外観を生成するが、分離されたネットワーク間に分割されているように動作する。VLANは、同じ物理的ネットワークに接続されているが、複数セットのケーブル及びネットワーキングデバイスを展開する必要なく、ネットワークアプリケーションを分離されたままにすることができる。
【0035】
スイッチド仮想インタフェース(switched virtual interface:SVI)は、管理されたスイッチのタグされていないVLANパケットを伝送する仮想インタフェース及びポートである。従来、スイッチは同じブロードキャストドメイン(単一のVLAN)内のホストにのみトラフィックを送信し、ルータは異なるブロードキャストドメイン(異なるVLAN)間のトラフィックを処理する。そのような実装において、異なるブロードキャストドメイン内のネットワークデバイス間では、ルータ無しで通信することができない。SVIが実装された場合、スイッチは他のレイヤ3インタフェースにトラフィックをルーティングするために仮想レイヤ3インタフェースを使用することができる。これにより、物理的ルータは必要なくなる。VLANは、LANをより小さいセグメントに分割し、VLAN内にローカルトラフィックを維持することにより、ネットワーク上の負荷を減少させる。しかしながら、各VLANは独自のドメインを有しているので、VLANがデータをルータを通して転送することなく他のVLANにデータを転送するメカニズムが必要である。SVIは、そのようなメカニズムである。SVIは、通常、スイッチ(例えば、レイヤ3及びレイヤ2スイッチ)上に見つけられる。SVIが実装された場合、スイッチは、送信されるVLANのローカルなパケット宛先を認識することができ、異なるVLANを目的地とするこれらのパケットを変更することができる。実施形態において、VLAN及びSVI間に1対1のマッピングが存在する。そのような実施形態において、単一のSVIのみがVLANにマッピングされることができる。
【0036】
本開示に基づく原理の理解を深めるために、以下では、図示の実施形態を参照し、特定の表現を用いてこれを説明する。但し、これは、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。ここに例示する本開示の特徴の任意の変更及び更なる修正、並びにここに例示する本開示の原理の任意の追加的な適用は、当業者が本開示に基づいて容易に想到できるものであり、特許請求の範囲に含まれる。
【0037】
ネットワークコンピューティング環境におけるオブジェクトのライフサイクルを追跡するための構造、システム、及び方法を開示及び説明する前に、本開示は、ここに開示される特定の構造、構成、プロセスステップ、及び材料に限定されず、そのような構造、構成、プロセスステップ、及び材料を変更してもよいことを明記する。また、本開示の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ制限されるものであるため、ここで使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的でのみ使用され、限定を意図しないことは当然である。
【0038】
本開示の主題を記述し特許請求する際には、以下に記載する定義に従って、以下の用語を使用する。
【0039】
本明細書及び特許請求の範囲において使用する、単数形(冠詞「a」、「an」、及び「the」)は、文脈における特段の指定がない限り、複数の指示対象を含む。
【0040】
ここで使用する語句「備える」、「有する」、「含む」、「特徴とする」、及びこれらの文法的等価物は、記載されていない追加的な要素又は方法工程を除外しない非排他的又はオープンな用語である。
【0041】
ここで使用する語句「~からなる」及びその文法的等価物は、請求項に記載されていない任意の要素又は工程を除外する。
【0042】
ここで使用される語句「実質的に~からなる」及びその文法的等価物は、特許請求の範囲を、特定された材料又は工程、並びに特許請求された開示の基本的かつ新規な特性又は特徴に実質的に影響しない材料又は工程に限定する。
【0043】
以下の説明は、図面を参照し、
図1は、デバイスをインターネットに接続するためのシステム100の概略図である。システム100は、スイッチ106によって接続された複数のローカルエリアネットワーク110を含む。複数のローカルエリアネットワーク110のそれぞれは、ルータ112によって、公衆インターネットを介して互いに接続可能である。
図1に示す例示的なシステム100は、2つのローカルエリアネットワーク110を有する。但し、公衆インターネットを介して、より多くのローカルエリアネットワーク110を互いに接続してもよい。各ローカルエリアネットワーク110は、スイッチ106によって互いに接続された複数の演算デバイス108を含む。複数の演算デバイス108は、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、プリンタ、サーバ等を含むことができる。ローカルエリアネットワーク110は、ルータ112によって、公衆インターネットを介して他のネットワークと通信できる。ルータ112は、複数のネットワークを互いに接続する。ルータ112は、インターネットサービスプロバイダ102に接続されている。インターネットサービスプロバイダ102は、1以上のネットワークサービスプロバイダ104に接続されている。ネットワークサービスプロバイダ104は、
図1に示すように、他のローカルネットワークサービスプロバイダ104と通信を行う。
【0044】
スイッチ106は、パケットスイッチング(packet switching)を使用してローカルエリアネットワーク110内のデバイスを接続し、これによりデータが受信され、処理され、宛先デバイスに転送される。スイッチ106は、例えば、プリンタを宛先として、コンピュータからデータを受信するように構成できる。スイッチ106は、データを受信し、データを処理し、データをプリンタに送信できる。スイッチ106は、レイヤ1スイッチ、レイヤ2スイッチ、レイヤ3スイッチ、レイヤ4スイッチ、レイヤ7スイッチ等であってもよい。レイヤ1ネットワークデバイスは、データを転送するが、デバイスを通過するトラフィックは管理しない。レイヤ1ネットワークデバイスの例は、イーサネットハブである。レイヤ2ネットワークデバイスは、ハードウェアアドレスを使用してデータリンクレイヤ(レイヤ2)でデータを処理及び転送するマルチポートデバイスである。レイヤ3スイッチは、通常ルータによって実行される機能の一部又は全てを実行できる。但し、一部のネットワークスイッチは、単一タイプの物理ネットワーク、通常は、イーサネットをサポートするように制限されており、一方、ルータは、異なるポート上の異なる種類の物理ネットワークをサポートする場合がある。
【0045】
ルータ112は、コンピュータネットワーク間でデータパケットを転送するネットワーキングデバイスである。
図1に示す例示的なシステム100において、ルータ112は、ローカルエリアネットワーク110間でデータパケットを転送する。但し、ルータ112は、必ずしもローカルエリアネットワーク110間のデータパケットの転送に適用される必要はなく、ワイドエリアネットワーク等の間のデータパケットの転送に使用してもよい。ルータ112は、インターネット上でトラフィック誘導機能(traffic direction function)を実行する。ルータ112は、銅ケーブル、光ファイバ、又は無線伝送等の異なるタイプの物理レイヤ接続のためのインタフェースを有してもよい。ルータ112は、異なるネットワークレイヤ伝送規格をサポートできる。各ネットワークインタフェースを使用することによって、データパケットをある伝送システムから別の伝送システムに転送できる。また、ルータ112は、それぞれが異なるネットワークプレフィックスを有する、サブネットと呼ばれるコンピュータデバイスの2以上の論理グループを接続するために使用してもよい。
図1に示すように、ルータ112は、企業内、企業とインターネットとの間、又はインターネットサービスプロバイダのネットワーク間の接続を提供できる。幾つかのルータ112は、様々なインターネットサービスプロバイダを相互接続するように構成してもよく、大規模な企業ネットワーク内で使用してもよい。より小さいルータ112は、一般に、ホームネットワーク及びオフィスネットワークのインターネットへの接続を提供する。
図1に示すルータ112は、エッジルータ、サブスクライバエッジルータ、プロバイダ間ボーダルータ、コアルータ、インターネットバックボーン、ポート転送、音声/データ/ファックス/ビデオ処理ルータ等のネットワーク伝送に適した任意のルータを表すことができる。
【0046】
インターネットサービスプロバイダ(ISP)102は、インターネットへのアクセス、利用、又は参加のためのサービスを提供する組織である。ISP102は、商用、コミュニティ所有、非営利、又は個人所有等の様々な形態で組織化できる。ISP102によって一般的に提供されるインターネットサービスは、インターネットアクセス、インターネット中継、ドメイン名登録、ウェブホスティング、ユースネットサービス、及びコロケーションを含む。
図1に示すISP102は、ホスティングISP、中継ISP、仮想ISP、無料ISP、無線ISP等の任意の適切なISPを表すことができる。
【0047】
ネットワークサービスプロバイダ(NSP)104は、インターネットサービスプロバイダへの直接のインターネットバックボーンアクセスを提供することによって、帯域幅又はネットワークアクセスを提供する組織である。ネットワークサービスプロバイダは、ネットワークアクセスポイント(network access point:NAP)へのアクセスを提供できる。ネットワークサービスプロバイダ104は、バックボーンプロバイダ又はインターネットプロバイダとも呼ばれる。ネットワークサービスプロバイダ104は、電気通信業者、データキャリア、無線通信プロバイダ、インターネットサービスプロバイダ、及び高速インターネットアクセスを提供するケーブルテレビ運営業者を含むことができる。また、ネットワークサービスプロバイダ104は、情報技術業者を含むこともできる。
【0048】
図1に示すシステム100は、単なる例示であり、ネットワークと演算デバイスとの間でデータを伝送するために多くの異なる構成及びシステムを構築できる。ネットワーク形成は、カスタマイズ可能性(customizability)が高いため、コンピュータ間又はネットワーク間でデータを伝送するための最良のルートを判定する際にも、カスタマイズ可能性をより高めることが望まれている。以上の観点から、ここでは、コンピュータ又は特定の企業の特定のグループ化に良好に適合する最適パスアルゴリズムを判定する際に、カスタマイズ可能性をより高めるために、最適パス計算を外部デバイスにオフロードするためのシステム、方法、及びデバイスを開示する。
【0049】
図2~
図10は、第1ホップゲートウェイ冗長性を実装するためのネットワークの実施形態を図示している。実施形態において、ホスト仮想マシンはスイッチに接続される。
図2~
図10において、スイッチはT1及びT2として図示されている。
図2~
図10の実施形態は、マルチシャーシ結合インタフェースを使用して最適パス冗長性を構築するための手段を図示している。
【0050】
図2~
図10の実施形態のトポロジは、ホスト仮想マシンをわたってスイッチT1及びT2まで拡張されているインタフェースを含む。このインタフェースは、ホスト仮想マシン上の同じ結合インタフェースの一部である。リンクは、スイッチT1及びT2のそれぞれにおいて仮想ローカルエリアネットワーク(VLAN)で終了する。実施形態は、第1ホップゲートウェイとして機能するレイヤ3ルーティングインタフェース内に展開されることができる。そのような実施形態において、ホスト仮想マシンが他のホスト仮想マシンに到達する必要がある場合、1以上のスイッチT1及びT2により通信を容易にすることができる。スイッチT1及びT2はともに、ホスト仮想マシンのための仮想第1ホップゲートウェイとして機能する。スイッチT1及びT2は、ホスト仮想マシンの観点から、同じゲートウェイIPアドレス及び同じゲートウェイMACアドレスにより構成される。したがって、ホスト仮想マシンの観点から、ホスト仮想マシンは、2つの異なるスイッチT1及びT2上に位置する2つのゲートウェイIPではなく、単一のゲートウェイIPと通信する。
【0051】
冗長性は、スイッチT1及びT2上に同じIP及びMACアドレスを構成することにより達成される。さらに、IP及びMACアドレスを含むルーテッドピアリンクが、スイッチT1及びT2の間に構成される。
【0052】
スイッチT1及びT2は、ボーダゲートウェイプロトコル(BGP)シグナリングにより、互いに信号を送信することができる。実施形態において、スイッチT1及びT2のそれぞれは、各々の側のリンク障害を処理するための修復パスの信号を送信する。
【0053】
実施形態において、リンク障害を処理するための修復パスが存在する。例えば、スイッチT1及びホスト仮想マシンの間のリンクが切れる。ホスト仮想マシンからのトラフィックをリダイレクトする修復パスをスイッチT2が使用することを可能にする必要がある。このことは、ルーテッドピアリンク経由のイーサネットセグメント識別子(ESI)への到達性を可能にする。スイッチT2は、スイッチT1を通したネクストホップ経由のESIへの到達性をスイッチT2が有することを示すBGPメッセージをスイッチT1から受信することができる。結合によりスイッチT1が学習する任意のホスト仮想マシンは、直接接続されたホスト仮想マシンのためのアンカーパスとしてインストールされる。リンク障害の場合、自動修復パスが作動され、スイッチT2を通してトラフィックを送信する。
【0054】
実施形態において、スイッチT1についてアドレス解決プロトコル(ARP)の同期が実行され、ホスト仮想マシンにパケットをルーティングする。ARPの同期は、スイッチT1及びT2内のARPテーブルの同期を含む。スイッチT1がホスト仮想マシンから変更を学習した場合、スイッチT1は、ボーダゲートウェイプロトコル(BGP)のイーサネット仮想プライベートネットワーク(EVPN)シグナリングを使用してスイッチT2と同期することができる。BGPシグナリングは、変更が発生すると、自動的に伝送されることができる。ローカルエリアスイッチド仮想インタフェース(SVI)上のホスト上に結合するARPをスイッチT1が学習すると、スイッチT1は、IP及びIPが学習されるサイトを保持する、スイッチT2へのBGPのEVPNルートタイプ2メッセージを生成することができる。
【0055】
実施形態において、ARP応答は、孤立ESIホストから生成される。ARP応答は、ARP要求を送信するスイッチT1及びT2間のメッセージを使用して実行することができる。ARP応答は、スイッチT1及びT2間のBGPのEVPNルートタイプ2メッセージを使用して返信することができる。
【0056】
実施形態において、スイッチT1、T2及びホスト仮想マシン又は仮想コンシューマ電子機器の間のリンクは切れることがある。リンクが切れた場合、転送からパスが除去される。切れたリンクを有するスイッチは、障害のあるパスを自動的に除去する。スイッチは、全てのルートを学習し、全てのルートをルーテッドオーバーレイプロトコルに集約することができ、その後、障害のあるパスは、これらのルートから取り除かれ、それにより、宛先に送信される任意のトラフィックは、もはや障害リンク経由では送信されなくなる。
【0057】
図2は、第1ホップゲートウェイ冗長性を有するネットワークの概略図である。ネットワークは、スイッチ又はルータのようなネットワーキングデバイスを示すT1及びT2を含む。T1及びT2のそれぞれは、スイッチド仮想インタフェース(SVI)を含む。T1及びT2の間にはルーテッドピアリンクが存在する。T1及びT2のそれぞれは、エニーキャストゲートウェイIP、エニーキャストMAC、及びエニーキャストプロキシARPを含む。T1は、IP_t1と呼ばれるローカルピアリンクをアドバタイズする。T2は、IP_t2と呼ばれるローカルピアリンクをアドバタイズする。T1は、MAC_t1と呼ばれる媒体アクセス制御(MAC)アドレスをアドバタイズする。T2は、MAC_t2と呼ばれるMACアドレスをアドバタイズする。T1及びT2は、SVI接続経由でホスト仮想マシンと通信する。
【0058】
ネットワークは、T1及びT2が冗長エニーキャスト集中型ゲートウェイとして機能するように構成される。T1及びT2は、L2LAGバンドルによりマルチホーム化されたホストのためのゲートウェイである。T1及びT2は、垂直(North-South)ルーティングのためのエニーキャストゲートウェイIPとともに、エニーキャストゲートウェイMAC及びSVIにより構成される。T1及びT2は、リンク集約(LAG)メインポートを表す共通のイーサネット仮想プライベートネットワーク(EVPN)のイーサネットセグメント識別子(ESI)により構成される。T1及びT2は、媒体アクセス制御-仮想ルーティング及び転送ルートターゲット(MAC-VRF RT)を有するVLAN毎のEVPNインスタンスにより構成される。MAC-VRF RTは、自動的に得られる又は手動で構成されることができる。T1及びT2は、保護に使用されるレイヤ3イネーブルピアリンクにより構成される。実施形態において、BGP-EVPNセッションは、T1及びT2の間に設定され、ネクストホップとして(IP_t1及びIP_t2と呼ばれる)ローカルピアリンクIPをアドバタイズする。
【0059】
ネットワークにおいて、RT-1による修復パスの信号を送信するBGP-EVPN制御プレーンが存在する。BGP-EVPN制御プレーンはさらに、RT-2によるARP要求及びRT-2よるARP同期の信号を送信する。
【0060】
データセンターネットワークにおいて、第1ホップゲートウェイ冗長性は、イーサネット仮想プライベートネットワーク及びRT-1ベースの保護シグナリングを使用して提供されることができる。この構成において、T1/T2の北側のL3ルーテッドネットワークが推定される。このインスタンスにおいて、IPユニキャストトラフィック及びアクセスは、L2接続性のみを有する。実施形態において、L2接続性のみが許可されたアクセスである。
【0061】
図3には、EVPN RT-1による修復パスシグナリングを提供するネットワークが図示されている。ネットワークにおいて、T1及びT2ピアは、ESI毎のRT-1(イーサネットADルート)をIP_t1及びIP_t2のネクストホップと交換する。このことは、冗長グループピアにわたってローカルESI接続性の信号を送信する。さらに、ESI毎のRT-1は、ESIメインポート上に構成され、MAC-VRF内にインポートするために使用されるVLANのためのEVI-RTによりアドバタイズされる。このESI毎のRT-1は、冗長グループピアにより与えられたESI上の全ての直接接続されたホストへのレイヤ3修復パスの信号送信に活用される。
【0062】
実施形態において、ARPの学習場所に応じて、T1及びT2の両方によりRT-2は常には生成されないので、RT-1は修復パスシグナリングに必要である。そのような実施形態において、どのピアからも修復パスの信号が送信されないESIは、孤立ESIとみなされて処理される。
【0063】
図4は、ホスト隣接関係の同期及び修復パスのプログラミングを提供するネットワークの概略図である。ネットワークは、ローカルARPキャッシュからローカル情報(例えば、MAC+IP及び/又はSVI)を学習することができる。このことは、SVIから得られるEVPNコンテキストをVLANに与える。ネットワークは、MACソースから得られた与えられたEVPNコンテキスト内のHW MAC学習更新によりローカル情報(MACからAC)を学習することができる。ネットワークはさらに、ローカルMACによるローカルMAC+IP解決策を実行し、ARP学習済MAC+IPのためのESI及び/又はポートを得ることができる。解決された場合、ネットワークは、冗長グループピア、例えばT1からT2、にわたるMAC+IPの同期を目的としてEVPN MAC+IP RT-2をアドバタイズすることができる。
【0064】
ネットワークは、EVI-RTマッピングによりMAC+IP RT-2をMAC-VRF内にインポートするためにT2を参照することができる。ネットワークは、受信したMAC+IPのためのESIのローカル接続性をチェックするルックアップローカルESI DB及びT1からのESI毎のRT-1によりT1からのMAC+IP RT-2を解決することができる。受信したESIがローカルである時、ネットワークは、動的に学習済でない場合、ローカルVLAN SVIインタフェース上の受信したIPのための静的ARPエントリをインストールすることができる。FIBは、対応するESIのRT-1学習済のネクストホップにより保護されたARP学習済隣接ルートをインストールするためにアクセスされることができる。
【0065】
(動的又は同期された)ローカルESI上で学習された全てのホスト隣接関係(host adjacencies)は、ESIのためのRT-1学習済修復パスにより保護されてインストールされる。
【0066】
ネットワークは、T2 ESI障害処理を提供することができる。障害が発生した場合、ネットワークは、冗長ピアにより修復パスを作動させることができる。
【0067】
図5は、ローカルにルーティングされた定常状態水平(East-West)フローを有するネットワークの概略図である。ネットワークは、イーサネットセグメント識別子(ESI)を有するホスト仮想マシンを含む。ホスト仮想マシンの1つのグループはESI-2に割り当てられ、他のグループはESI-1に割り当てられる。定常状態水平フローは、サブネット内及びサブネット間フローの両方のためのローカルルーティングを含む。
図5に図示されているように、ESI-2を格納するホスト仮想マシンからESI-1を格納するホスト仮想マシンへの定常状態フローが存在する。複数のホスト仮想マシン及びT1及びT2のそれぞれの間で通信が行われる。
【0068】
ネットワークは、水平トラフィックフローの任意のL2フラッディング又はブリッジングを回避するために、水平サブネット内フローを提供することができる。このことは、プロキシARPメカニズムにより達成することができる。ARPメカニズムは、ローカルSVIインタフェースにブリッジングされたアクセス対応ホストから受信したブロードキャストARP要求を伝送することができる。実施形態において、SVIインタフェース上で受信したARP要求は、エニーキャストゲートウェイMACにより応答されたプロキシである。同様に、ゲートウェイを起源とするARP要求は、ローカルESI及びローカル孤児ESIポート上でフラッディングされるが、ピアゲートウェイにはフラッディングされない。したがって、SVIインタフェースは、リモートMAC+IP RT-2により、又はローカルARP/NDエントリにより到達性が設立された完全なホストのためのプロキシ-ARP及びプロキシ-NDにより構成されることができる。そのような実施形態において、サブネット内フローを含む任意の水平フローは、ゲートウェイ上でL2で終了し、隣接宛先(destination adjacency)にルーティングされることができる。このことは、
図6に図示されている垂直(North-South)フローと同様に実行されることができる。
【0069】
図6は、ローカルにルーティングされた定常状態垂直フローを有するネットワークの概略図である。定常状態垂直フローは、北から南への垂直サブネット間フローのためのローカルルーティングを含む。
図6に図示されているように、T1からESI-2を格納するホスト仮想マシンへの定常状態フロー及びT2からESI-1を格納するホスト仮想マシンへの定常状態フローが存在する。
図6には、マルチホーム化されたホストへの定常状態垂直トラフィックフローが図示されている。TORで受信されたホストIPを宛先とするトラフィックは、ホストに直接ルーティングされる。
【0070】
図7は、水平フローにリンク障害が発生しているネットワークの概略図である。T1からホストマシンH2へのリンクが非アクティブとなっており、切れている。サブネットルートを介した障害ESI上のホストにルーティングされた全てのトラフィックは、ピアルーテッドピアリンク経由でリルートされることができる。さらに、ネットワークは、ルーテッドトラフィックフローが負荷分散されたT1及びT2をわたるサブネットルート経由で継続してルーティングされる間に、ローカルESI毎のRT-1を取り除く(マスウィズドロー(mass withdraw))ことができる。この方法により、T2に到着したフローは、ルーテッドピアリンク経由でT1にリルートされる。これにより、現在の孤立ESI上の接続されたホストへ直接フローをルーティングする(
図8参照)。
【0071】
図8は、垂直フローにリンク障害が発生しているネットワークの概略図である。ネットワークは、T2へのルーテッドピアリンク経由で、H2上の孤立ESIへの修復パスを作動させる。T1からホストマシンH2へのリンクが非アクティブとなっており、切れている。
図6の定常状態垂直フローにおいて図示されているように、フローは通常、T1及び/又はT2から直接対応するホスト仮想マシングループにルーティングされる。T1からホストマシンH2へのリンクが切れた場合、フローは、ルーテッドピアリンク経由でT1からT2へルーティングされることができる。その後、フローは、適切なホストマシンH2へルーティングされることができる。
【0072】
さらに、T2に到着するフローは、ルーテッドピアリンク経由でT1にリルートされることができ、
図8に図示されているように、現在の孤立ESI上の接続されたホストへ直接フローをルーティングする。ネットワークは、T1の孤立ESI処理を提供することができる。ネットワークは、ESI毎のRT-1について、T2からマスウィズドロー(mass withdraw)することをコミットすることができる。このことは、ローカルESIが孤立状態に移行することを引き起こす。ネットワークは、ピアからマスウィズドロー(mass withdraw)することにより、修復パスプログラミングを除去し、転送をリプログラミングすることができる。
【0073】
ネットワークは、T1からRT-1をマスウィズドロー(mass withdraw)することができる。このことは、T1からのMAC+IP RT-2パスが未解決となることを引き起こす。それに応じて、ネットワークは、T1からのMAC+IP RT-2の結果として存在している場合、静的ソースの同期ARPを除去することができ、そして、孤立ESI上で学習した全てのホスト隣接関係(host adjacencies)(例えば、ARPエントリ)のためのデフォルトルーティング制御プレーン内にホストルートをインジェクトすることができる。インジェクトされると、孤立ポート上のホストを宛先とするフローがT1への直接パスに集約することをより特定のルートが可能にする。
【0074】
図9は、孤立ESIホストへのARP要求を実行するネットワークの概略図である。ネットワークは、孤立ESIホストの「ARP化(ARPing)」を実行することができ、ARPは、アドレス解決プロトコルである。例えば、T2経由でT1の孤立ESI上のホストへの水平及び垂直到達性の両方を維持するためには、T2はT1の孤立ESI上のホストをARP化することが可能である必要がある。T1及びT2間のレイヤ2拡張が実行されない場合、ピアゲートウェイ上の孤立ホストをARP化する代替メカニズムが必要である。
【0075】
図9に図示されているネットワークは、孤立ESIを解決する。ネットワークは、
図9に図示されているように、BGP RT-2をオーバーロードし、ピアゲートウェイにARP要求を送信することができる。この方法により、T2はSVI上のホストIP1へのARP要求を受信する、又はグリーニング(glean)によりホストIP1をARP化する必要がある。T2は、MAC+IP RT-2経由でT1にARP要求を送信することができる。それに応じて、T1は、ローカル孤立ESIポート及びローカルESI上にARP要求を生成する。T1は、ローカルホストIP1からARPエントリを学習し、MAC+IP1 RT-2を生成する。T2は、
図9に図示されているように、ルーテッドピアリンク経由でIP1への到達性をインストールすることができ、孤立ESIホストに応答することができる(
図10参照)。
【0076】
図2~10に図示されているネットワークのいずれの実施形態においても、仮想ルーティング及び転送(VRF)サポートが提供される。VRFを容易にするために、[VRF、ESI]RT-1及びESI RT-2を使用するネットワークは、修復パスを学習する。このことは、L3-VPNラベル属性により実行される。オーバーレイの欠落によって、修復パスは、以下のVRF毎のMPLS VPNのカプセル化により直接接続されたピアリンクに送信されることができる。
[VRF, IP32]→隣接関係→[IP/32, SVI]→[MAC, ESIポート](第1のパス)、又は
[VRF, IP32]→隣接関係→[IP_t1, P]→MAC_t1+VPNラベル(バックアップパス)
【0077】
その代わりに、レイヤ3VLANにタグ付けされたサブインタフェースをVPNラベルの代わりにピアリンクとして使用し、マルチテナント環境において転送される修復パスを達成することができる。
【0078】
実施形態において、オーバーレイVPNサポート及びピアリンクの代替物が提供される。例において、VXLANオーバーレイがイネーブルになった後、直接接続されたピアリンクはもはや必要とされない。ピアリンクの欠落によって、VPNオーバーレイは、冗長グループにわたって伸縮する。そのために、[VRF、ESI]毎のEAD RT-1を介してアドバタイズされたL3-VNI/VSLANカプセル化の修復パスは、直接接続されたピアリンクの修復パスと置換することができる。
【0079】
例において、T2の定常状態において、以下のようにカプセル化を実装することができる。
[VRF, IP32]→隣接関係→[IP/32, SVI]→[MAC, ESIポート](第1のパス)、又は
[VRF, IP32]→L3-VNI+VXLANトンネルパス→VTEP-T1(バックアップパス)
【0080】
T2上でポストESI障害か発生している場合、トラフィックは、以下のようにオーバーレイ修復パス上でルーティングされる。
[VRF, IP32]→L3-VNI+VXLANトンネルパス→VTEP-T1
【0081】
しかしながら、サブネットが冗長グループを超えて伸縮している場合、リモートリーフノードからの到達性は、上記と同様に、トンネルパス経由で設立される。
[VRF, IP32]→L3-VNI+VXLANトンネルパス→VTEP-T1
【0082】
グリーニング処理は、上記に開示されている孤立ESIホストの処理と同様であってもよい。しかしながら、ネットワークは、伸縮しているEVI内でMACを有するMAC+IP RT-2を全て1としてアドバタイズし、EVIに参加している全てのToRからのローカルARPを動作させることができる。
【0083】
図11は、例示的な演算デバイス1100のブロック図である。演算デバイス1100を使用して、ここで説明するような様々な手順を実行できる。一実施形態では、演算デバイス1100は、非同期オブジェクトマネージャの機能を実行するように機能でき、1以上のアプリケーションプログラムを実行できる。演算デバイス1100は、デスクトップコンピュータ、インダッシュコンピュータ、車両制御システム、ノートブックコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、タブレットコンピュータ等の多種多様な演算デバイスの何れであってもよい。
【0084】
演算デバイス1100は、1以上のプロセッサ1102と、1以上のメモリデバイス1104と、1以上のインタフェース1106と、1以上の大容量ストレージデバイス1108と、1以上の入出力デバイス1110と、表示デバイス1130とを含み、これらは、全てバス1112に接続されている。プロセッサ1102は、メモリデバイス1104及び/又は大容量ストレージデバイス1108に格納された命令を実行する1以上のプロセッサ又はコントローラを含む。また、プロセッサ1102は、キャッシュメモリ等の種々のタイプのコンピュータ可読媒体を含むことができる。
【0085】
メモリデバイス1104は、揮発性メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(random access memory:RAM)1114)及び/又は不揮発性メモリ(例えば、読出専用メモリ(read-only memory:ROM)1116)等の種々のコンピュータ可読媒体を含む。また、メモリデバイス1104は、フラッシュメモリ等の書換可能ROMを含むことができる。
【0086】
大容量ストレージデバイス1108は、磁気テープ、磁気ディスク、光ディスク、ソリッドステートメモリ(フラッシュメモリ等)等の種々のコンピュータ可読媒体を含む。
図11に示すように、具体的な大容量ストレージデバイスは、ハードディスクドライブ1124である。大容量ストレージデバイス1108には、種々のコンピュータ可読媒体からの読出及び/又は種々のコンピュータ可読媒体への書込を可能にするために、種々のドライブを含めることもできる。大容量ストレージデバイス1108は、リムーバブルメディア1126及び/又は非リムーバブルメディアを含む。
【0087】
入出力(I/O)デバイス1110は、データ及び/又は他の情報を演算デバイスに入力し又は演算デバイス1100から取り出すことを可能にする様々なデバイスを含む。I/Oデバイス1110には、カーソル制御デバイス、キーボード、キーパッド、マイクロホン、モニタ又は他の表示デバイス、スピーカ、プリンタ、ネットワークインタフェースカード、モデム等が含まれる。
【0088】
表示デバイス1130は、演算デバイス1100の1人以上のユーザに情報を表示できる任意のタイプのデバイスを含む。表示デバイス1130としては、例えば、モニタ、表示端末、映像投影デバイス等が挙げられる。
【0089】
インタフェース1106は、演算デバイス1100が他のシステム、デバイス、又はコンピューティング環境とインタラクションすることを可能にする様々なインタフェースを含む。インタフェース1106は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、無線ネットワーク、及びインターネットへのインタフェースのような、任意の数の異なるネットワークインタフェース1120を含むことができる。他のインタフェースは、ユーザインタフェース1118及び周辺デバイスインタフェース1122を含む。また、インタフェース1106は、1以上のユーザインタフェース要素1118を含むことができる。更に、インタフェース1106は、プリンタ、ポインティングデバイス(マウス、トラックパッド、又は当業者に現在知られている任意の適切なユーザインタフェース、又は今後開発される任意の適切なユーザインタフェース)、キーボード等のためのインタフェース等、1以上の周辺インタフェースを含んでもよい。
【0090】
バス1112は、プロセッサ1102、メモリデバイス1104、インタフェース1106、大容量ストレージデバイス1108、及びI/Oデバイス1110が互いに、及びバス1112に接続された他のデバイス又はコンポーネントと通信することを可能にする。バス1112は、システムバス、PCIバス、IEEEバス、USBバス等の幾つかのタイプのバス構造のうちの1以上を表す。
【0091】
ここでは、説明のため、プログラム及び他の実行可能プログラム構成要素を個別のブロックとして示しているが、このようなプログラム及び構成要素は、演算デバイス1100の異なる記憶構成要素内に様々な時点で存在してもよく、プロセッサ1102によって実行される。これに代えて、ここに記載のシステム及び手順は、ハードウェアで実現してもよく、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの組み合わせで実現してもよい。例えば、ここに記載のシステム及び手順の1以上を実行するように1以上の特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit:ASIC)をプログラムできる。
【0092】
上記の記述は、例示及び説明を目的としている。本開示は、ここに説明する詳細な形式に排他的に限定されない。上記の教示を参照することにより、多くの変更及び変形が可能である。更に、前述の変形例の何れか又は全ては、任意に組み合わせることができ、本開示の更なる組み合わせ例を形成できる。
【0093】
更に、本開示の具体的な実施例を説明及び図示しているが、本開示は、そのように説明及び図示された部分の具体的な形態又は配置に限定されるものではない。本開示の範囲は、本願の特許請求の範囲によって定義され、あるいは、将来に提出される特許請求の範囲、本願に基づく別出願、及びこれらの均等物があれば、これらによって定義される。
【実施例0094】
以下の実施例は、更なる実施形態に関する。
【0095】
実施例1は、システムである。システムは、ネットワークトポロジ内の第1のスイッチを含む。システムは、ネットワークトポロジ内の第2のスイッチを含む。システムは、第1のスイッチ及び第2のスイッチの少なくとも1つと通信するホスト仮想マシンを含む。システムは、第1のスイッチを第2のスイッチに接続するルーテッドピアリンクを含む。システムにおいて、第1のスイッチ及び第2のスイッチは、同じインターネットプロトコル(IP)アドレス及び媒体アクセス制御(MAC)アドレスを有する。
【0096】
実施例2は、第1のスイッチ及び第2のスイッチは、ホスト仮想マシンのための冗長エニーキャスト集中型ゲートウェイとして構成される、実施例1に記載のシステムである。
【0097】
実施例3は、第1のスイッチ及び第2のスイッチは、ホスト仮想マシン上のメインポートを表す、共通のイーサネットセグメント識別子(ESI)により構成される、実施例1~2の何れかに記載のシステムである。
【0098】
実施例4は、第1のスイッチ及び第2のスイッチのそれぞれは、自動的に得られる媒体アクセス制御-仮想ルーティング及び転送ルートターゲット(MAC-VRF RT)、又は、手動で構成されるMAC-VRF RGの1以上を有する仮想ローカルエリアネットワーク(VLAN)毎のイーサネット仮想プライベートネットワーク(EVPN)インスタンスにより構成される、実施例1~3の何れかに記載のシステムである。
【0099】
実施例5は、ルーテッドピアリンクは、レイヤ3イネーブルピアリンクである、実施例1~4の何れかに記載のシステムである。
【0100】
実施例6は、第1のスイッチ又は第2のスイッチの1以上は、ホスト仮想マシンのためのネクストホップとして、ルーテッドピアリンクのIPアドレスをアドバタイズするように構成される、実施例1~5の何れかに記載のシステムである。
【0101】
実施例7は、システムは、RT-1保護シグナリングを使用するイーサネット仮想プライベートネットワーク(EVPN)である、実施例1~6の何れかに記載のシステムである。
【0102】
実施例8は、第1のスイッチ及び第2のスイッチは、ルーテッドピアリンク経由でイーサネットセグメント識別子(ESI)毎のルートを交換し、第1のスイッチ及び第2のスイッチにより形成された冗長グループにわたるローカルESI接続性の信号を送信する、実施例1~7の何れかに記載のシステムである。
【0103】
実施例9は、ESI毎のルートは、ホスト仮想マシンと第1のスイッチ又は第2のスイッチのいずれか1つの間のリンクが切れた時に使用する修復パスである、実施例1~8の何れかに記載のシステムである。
【0104】
実施例10は、ESI毎のルートは、ボーダゲートウェイプロトコル(BGP)メッセージとして第1のスイッチ及び第2のスイッチの間を伝送される、実施例1~9の何れかに記載のシステムである。
【0105】
実施例11は、第1のスイッチ及び第2のスイッチは、ルーテッドピアリンク経由でアドレス解決プロトコル(ARP)テーブルを同期するように構成される、実施例1~10の何れかに記載のシステムである。
【0106】
実施例12は、第1のスイッチは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体内に格納された命令を実行するように構成された1以上のプロセッサを有し、命令は、ARPテーブルの更新が実行されたことを示すホスト仮想マシンからのメッセージを受信し、そして、BGPメッセージにより第2のスイッチに更新の信号を送信する、ことを含む、実施例1~11の何れかに記載のシステムである。
【0107】
実施例13は、第1のスイッチ及び第2のスイッチは冗長グループを形成し、第1のスイッチ及び第2のスイッチの1以上が、イーサネット仮想プライベートネットワーク(EVPN)のMACアドレスをアドバタイズし、冗長グループを同期するように構成される、実施例1~12の何れかに記載のシステムである。
【0108】
実施例14は、第1のスイッチ及び第2のスイッチは冗長グループを形成し、ホスト仮想マシンへ、又は、ホスト仮想マシンから流れるトラフィックは、第1のスイッチ及び第2のスイッチにわたって負荷分散されている、実施例1~13の何れかに記載のシステムである。
【0109】
実施例15は、ルーテッドピアリンクにわたってトラフィックをリルートすることにより、トラフィックは負荷分散される、実施例1~14の何れかに記載のシステムである。
【0110】
実施例16は、さらに、第1のスイッチ及びホスト仮想マシンの間のリンクを含み、リンクは、第1のスイッチ上の仮想ローカルエリアネットワーク(VLAN)で終了する、実施例1~15の何れかに記載のシステムである。
【0111】
実施例17は、第1のスイッチ及び第2のスイッチは、ホスト仮想マシンのための仮想第1ホップゲートウェイとして機能する、実施例1~16の何れかに記載のシステムである。
【0112】
実施例18は、さらに、ホスト仮想マシン上のイーサネットセグメント識別子(ESI)を含み、第1のスイッチ及び第2のスイッチは、ルーテッドピアリンク経由でESIへの到達性を有する、実施例1~17の何れかに記載のシステムである。
【0113】
実施例19は、第1のスイッチは、第1のスイッチを通したネクストホップ経由のESIへの到達性を第2のスイッチが有することを示す、ボーダゲートウェイプロトコル(BGP)メッセージを第2のスイッチに伝送するように構成される、実施例1~18の何れかに記載のシステムである。
【0114】
実施例20は、第1のスイッチは、ホスト仮想マシン上のアドレス解決プロトコル(ARP)テーブルの更新を第1のスイッチが学習したことに応答して、ルーテッドピアリンク経由で第2のスイッチにボーダゲートウェイプロトコル(BGP)メッセージを自動的に伝送するように構成される、実施例1~19の何れかに記載のシステムである。
【0115】
なお、上述の構成、実施例、及び実施形態の任意の特徴は、ここに開示する構成、実施例、及び実施形態の何れかから得られる特徴の組み合わせを含む単一の実施形態において組み合わせることができる。
【0116】
ここに開示する種々の特徴は、当技術分野における重要な利点及び進歩を提供する。以下の特許請求の範囲は、これらの特徴の幾つかの例示である。
【0117】
本開示の前述の詳細な説明では、開示を合理化する目的で、開示の様々な特徴を1つの実施形態にまとめている。この開示方法は、特許請求された開示が各請求項において明示的に記載されている特徴よりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。すなわち、本発明の態様の特徴は、先に開示した単一の実施形態の全ての特徴よりも少ない。
【0118】
上記の構成は、本開示の原理の適用の単なる例示である。当業者は、本開示の思想及び範囲から逸脱することなく、多くの変更及び代替の構成を想到でき、特許請求の範囲は、このような修正及び構成を網羅することを意図している。
【0119】
したがって、本開示を図面に示し、上に詳細に説明しているが、ここに記載されている原理及び概念から逸脱することなく、サイズ、材料、形状、形態、機能、動作、組み立て、及び使用のバリエーションを含むと共に、これらに限定されない多数の変更を想到できることは、当業者にとって明らかである。
【0120】
更に、ここに記載される機能は、適切な場合、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、デジタルコンポーネント、又はアナログコンポーネントのうちの1以上において実行できる。例えば、1以上の特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit:ASIC)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array:FPGA)をプログラムして、ここに記載のシステム及び手順の1以上を実行できる。説明及び特許請求の範囲を通して、特定のシステム構成要素を指すために、特定の用語を使用している。構成要素は、異なる名称で呼ぶことができることは、当業者にとって明らかである。本文書は、名称が異なるが機能が同じコンポーネントを区別することを意図していない。
【0121】
上記の記述は、例示及び説明を目的としている。本開示は、ここに説明する詳細な形式に排他的に限定されない。上記の教示を参照することにより、多くの変更及び変形が可能である。更に、前述の変形例の何れか又は全ては、任意に組み合わせることができ、本開示の更なる組み合わせ例を形成できる。
【0122】
更に、本開示の具体的な実施例を説明及び図示しているが、本開示は、そのように説明及び図示された部分の具体的な形態又は配置に限定されるものではない。本開示の範囲は、本願の特許請求の範囲によって定義され、あるいは、将来に提出される特許請求の範囲、本願に基づく別出願、及びこれらの均等物があれば、これらによって定義される。