IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マスターコールドブリュワー アーゲーの特許一覧

特開2024-96940低温抽出コーヒー抽出液およびその製造方法
<>
  • 特開-低温抽出コーヒー抽出液およびその製造方法 図1
  • 特開-低温抽出コーヒー抽出液およびその製造方法 図2
  • 特開-低温抽出コーヒー抽出液およびその製造方法 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024096940
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】低温抽出コーヒー抽出液およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23F 5/24 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
A23F5/24
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024067035
(22)【出願日】2024-04-17
(62)【分割の表示】P 2022522906の分割
【原出願日】2020-10-16
(31)【優先権主張番号】19204121.8
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】519450318
【氏名又は名称】マスターコールドブリュワー アーゲー
【氏名又は名称原語表記】MASTERCOLDBREWER AG
(74)【代理人】
【識別番号】110002239
【氏名又は名称】弁理士法人G-chemical
(72)【発明者】
【氏名】ラークス,ローラント
(72)【発明者】
【氏名】ヒューン,ティロ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高温抽出コーヒーに匹敵する、またはそれ以上の香味の強さおよび豊かさを示し、同時に、短縮された期間内での連続処理を可能にする低温抽出コーヒーを調製するための方法を提供する。
【解決手段】低温抽出コーヒー抽出液を製造するための方法は、(1)コーヒー豆に水を加えて懸濁液を形成する工程と、(2)前記懸濁液を、複数の工程で100μm以下の平均粒径まで湿式粉砕する工程と、(3)前記懸濁液を、1つまたは複数の分離工程に供する工程であって、懸濁液が少なくとも1つの液相および固相に分離され、前記液相がコーヒーアロマを含み、前記固相が主成分としてコーヒー粉末および水を含む、工程と、(4)コーヒーアロマを含む液相をさらに処理して低温抽出コーヒー抽出液を生成する工程と、を含み、工程(1)から(3)の間の懸濁液の温度が47℃を超えない。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温抽出コーヒー抽出液を製造するための方法であって、
(1)コーヒー豆に水を加えて懸濁液を形成する工程と、
(2)前記懸濁液を、複数の工程で100μm以下の平均粒径まで湿式粉砕する工程と、
(3)前記懸濁液を、1つまたは複数の分離工程に供する工程であって、懸濁液が少なくとも1つの液相および固相に分離され、前記液相がコーヒーアロマを含み、前記固相が主成分としてコーヒー粉末および水を含む、工程と、
(4)少なくとも水相をさらに処理して低温抽出コーヒー抽出液を生成する工程と、
を含み、工程(1)から(3)の間の懸濁液の温度が47℃を超えない、方法。
【請求項2】
工程(1)から(3)の間の懸濁液の温度が、0℃~40℃、好ましくは2℃~35℃、さらに好ましくは3℃~30℃の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(4)の間の水相の温度が、47℃を超えず、好ましくは0℃~40℃、好ましくは2℃~35℃、さらに好ましくは3℃~30℃の範囲である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
工程(2)が、
(a)1つまたは複数の、500μm以下の平均粒径までの粗粉砕工程と、
(b)後続の、100μm以下、好ましくは80μm以下の平均粒径までの微粉砕工程
を含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
工程(3)が、好ましくは単一の分離段階で、デカンタの使用によって、懸濁液を、コーヒーアロマを含む水相、主成分としてコーヒー油を含む油相、ならびに主成分としてコーヒー粉末および水を含む固相に分離する工程を含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
工程(3)が、水を固相から分離し、それを工程(4)の前に水相に再導入する工程をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
工程(1)から(4)が、連続的に行なわれる、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
工程(1)から(3)が、10時間未満、好ましくは6時間未満、より好ましくは3時間未満、さらに好ましくは1時間未満、特に好ましくは30分未満の期間内に行なわれる、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
工程(1)から(4)が、12時間未満、好ましくは8時間未満、より好ましくは4時間未満、さらに好ましくは1時間未満、特に好ましくは40分未満の期間内に行なわれる、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
工程(4)が、工程(3)で得られた水相を1つまたは複数の固体/液体分離工程に供することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
1つまたは複数の固体/液体分離工程が、遠心分離工程および/またはろ過工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ろ過工程が、絶対孔径0.45μm以下、好ましくは0.22μm以下のろ過膜を使用することによって行なわれる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ろ過工程がクロスフローろ過を含む、請求項11または12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の方法によって得られる低温抽出コーヒー抽出液。
【請求項15】
請求項14に記載の低温抽出コーヒー抽出液を濃縮工程に供し、続いて濃縮した抽出液を噴霧乾燥または凍結乾燥させてインスタント低温抽出コーヒー粉末を得ることによって得られるインスタント低温抽出コーヒー粉末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低温抽出コーヒー抽出液の製造のための方法および/または技術に関し、それは、既知の低温抽出技術と比較すると、アロマ構成成分および栄養的に有益な成分(ポリフェノール、酸化防止剤、および/または糖類を含む)の連続的および急速な抽出と同時に収率の改善を可能にする。
【0002】
特定の実施形態において、本発明は、前記方法によって調製された低温抽出コーヒー抽出液およびインスタント粉末に関する。
【背景技術】
【0003】
コーヒーは、世界最大の合法的な農産物輸出品の1つであり、コーヒー抽出液およびコーヒー飲料を調製するための多くの方法が当技術分野で知られている。例えば、フィルターコーヒー、エスプレッソ、ギリシャまたはトルココーヒー、パーコレーションしたコーヒー、およびコナコーヒーを含む、ほとんどのコーヒー飲料は、通常、粉砕された豆を高温、高圧または大気圧下で水抽出に供することによって調製される。
【0004】
コーヒーはまた、低温抽出技術を使用して抽出されることも知られており、高温抽出コーヒーと比較して、より滑らかな口当たりとより甘いとしばしば認識される抽出物をもたらし、それはおそらく抽出された酸の濃度がより低く、かつジテルペン(例えばカフェストールおよびカーウェオールを含む)の濃度がより低いためであり、それらはコレステロールレベルの増加を促進することが知られており、油性の苦味の原因となる。
【0005】
低温抽出技術の1つの従来の例は、WO2013/019676A2に開示されている。本明細書において、挽きたての焙煎されたコーヒー豆は、47.2℃(117°F)未満の温度の水を使用して大気圧で低温抽出され、それによって熱抽出法の間に大抵観察される酵素および抗酸化剤の熱誘起分解が有利に減少する。コーヒー香味の十分な放出をもたらすために、抽出期間は、通常、固体から液体抽出物を分離する前の18~24時間である(例えばろ過、デカンテーション、遠心分離などによる)。
【0006】
別の例では、US2008/0148955A1には、冷水注入によって液体抽出物の形態のコーヒーを抽出するための装置が開示されており、それは室温でおよそ12~24時間抽出することを含み、濃縮コーヒー抽出液が得られ、それはすぐ飲める飲料を生成するために希釈でき、従来の高温抽出コーヒー製品よりも風味豊かであると説明されている。
【0007】
しかしながら、WO2013/019676A2およびUS2008/0148955A1によって例示される従来の低温抽出技術は、本質的に十分な量の香味および良好なアロマを抽出するために長い抽出期間が必要である。また、アロマの収率を高めるために抽出時間を(例えば数日または数週間)延長すると、望ましくない感覚ノート(例えば苦味)、異臭(例えば、化合物の分解によって生じる)および不十分なアロマの複雑さをもつアロマの過剰抽出を伴う傾向がある。
【0008】
最近、減圧抽出法が開発され、それは短い抽出時間で低温抽出コーヒーの調製を可能にする(例えば、EP2948030B1参照)。しかしながら、前記方法は、バッチ操作を必要とする。
【0009】
その上、前述の方法は全て、精巧な機器を必要とする、または乾式ミル粉砕および粉砕中に高い材料応力を伴う傾向があり、さらに蒸発のためアロマが失われることに通じる。
【0010】
近年では、湿式ミル粉砕技術を使用することによって、コーヒー副生成物の捕捉率を改善するための努力がなされてきた。
【0011】
例えば、WO2010/073114A1には、コーヒー抽出方法が開示されており、その中で、焙煎されたコーヒー豆に水が加えられ、得られた懸濁液が湿式粉砕され、粉砕またはミル粉砕されたコーヒー豆に対して熱および圧力下で(例えば、80~100℃の温度で)1つまたは複数の抽出工程が行なわれて、コーヒー粉末、コーヒー液、アロマ抽出物、ポリフェノールおよび/または生物活性物質が得られる。しかしながら、この方法は、本質的に加熱下での抽出工程が必要であり、したがって低温抽出コーヒー製品に起因する利益をもたらさない。非焙煎、および好ましくは非発酵のコーヒーチェリーに応じて新規な抽出物の調製に適合した類似の方法は、WO2018/234528A1に開示されている。しかしながら、低温抽出コーヒー製品の調製はそこに開示されていない。EP0343678A2には、食用製品の芳香化のためのコーヒー抽出液の製造方法が開示されており、その方法は少なくとも2つの水中での粉砕工程を含み、各工程は固体からの水相の分離を必要とする。CA2960108A1には、高温、減圧下で抽出することを含むコーヒーの抽出方法が開示されている。WO2018/234528A1には、コーヒーチェリーの加工方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、全体として、高温抽出コーヒーに匹敵する、またはそれ以上の香味の強さおよび豊かさを示し、同時に、短縮された期間内(例えば、1時間未満以内、または分単位)での連続処理を可能にする低温抽出コーヒーを調製するための方法を提供することが依然として望ましい。
【0013】
本発明は、本明細書で定義される特許請求の範囲の主題によって、この課題を解決する。本発明の利点は、以下の段落でさらに詳細に説明され、さらなる利点は、本発明の開示を考慮して、当業者に明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
総じて、一態様では、本発明は、低温抽出コーヒー抽出液を製造するための方法であって、(1)コーヒー豆に水を加えて懸濁液を形成する工程と、(2)前記懸濁液を、複数の工程で100μm以下の平均粒径まで湿式粉砕する工程と、(3)前記懸濁液を、1つまたは複数の分離工程に供する工程であって、懸濁液が少なくとも1つの液相および固相に分離され、前記液相がコーヒーアロマを含み、前記固相が主成分としてコーヒー粉末および水を含む、工程と、(4)少なくともコーヒーアロマを含む液相をさらに処理して低温抽出コーヒー抽出液を生成する工程と、を含み、工程(1)から(3)の間の懸濁液の温度が47℃を超えない、方法を提供する。
【0015】
他の実施形態では、前述の方法によって得られる低温抽出コーヒー抽出液について記載されている。
【0016】
別の実施形態では、インスタントの低温抽出コーヒー粉末について記載されており、それは前述の低温抽出コーヒー抽出液を濃縮工程に供し、続いて濃縮した抽出液を噴霧乾燥または凍結乾燥させてインスタント低温抽出コーヒー粉末を得ることによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】低温抽出コーヒー抽出液および製品を調製するまでの、コーヒー豆を加工する方法を概略的に示す図である。
図2】比較例および本発明による例示的な低温抽出製品の官能評価(鼻)の結果を示す図である。
図3】比較例および本発明による例示的な低温抽出製品の官能評価(口蓋)の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
これより、本発明をより完全に理解するために、その実例となる実施形態の以下の説明を参照する。
【0019】
低温抽出コーヒー抽出液およびインスタント粉末を製造する方法
第1の実施形態では、本発明は一般に、低温抽出コーヒー抽出液を製造するための方法であって、(1)コーヒー豆に水を加えて懸濁液を形成する工程と、(2)前記懸濁液を、複数の工程で100μm以下の平均粒径まで湿式粉砕する工程と、(3)前記懸濁液を、1つまたは複数の分離工程に供する工程であって、懸濁液が少なくとも1つの液相および固相に分離され、前記液相がコーヒーアロマを含み、前記油相が主成分としてコーヒー油を含み、前記固相が主成分としてコーヒー粉末および水を含む、工程と、(4)少なくともコーヒーアロマを含む液相をさらに処理して低温抽出コーヒー抽出液を生成する工程と、を含み、工程(1)から(3)の間の懸濁液の温度が47℃を超えない、方法に関する。有利には、この方法では、1時間未満の非常に短い抽出時間の後でも驚くほど高い香味収率の低温抽出抽出液が得られることが判明している。したがって、従来の方法と比較して、起源のアロマおよび栄養的に価値のある成分の収率がより高い低温抽出コーヒー抽出液が、非常に短い時間で得ることができる。その上、低温抽出プロセスは、継続的に行なうことができ、製造設備に必要な空間が最小限であり、これは量産化に特に有利であり、既知のバッチプロセスと比較すると最終的に製造コストを削減する。最後ではあるが大事なことに、連続運転は、プロセス制御を容易にし、したがって製品品質のばらつきを減らすのに役立つ。
【0020】
用語「低温抽出コーヒー」は、本明細書では、専用の加熱手段で抽出剤を積極的に加熱することなく得られた粉砕されたコーヒーの水抽出の製品を示し、積極的に加熱することには機械的分離中(例えば微ミル粉砕中)の温度上昇が含まれない。
【0021】
本発明によれば、コーヒー豆(ホール状および/または先割れ)は、出発原料として使用される。コーヒー豆は、非焙煎(別名コーヒー生豆)または焙煎済であってもよい。焙煎は、当技術分野で既知の種々の技術および方法によってもたらされ、様々な焙煎温度、時間、方法論が含まれることもある。焙煎度を変更して、所望の強さおよび香味を変えることができる。本出願に関連して、どんなタイプの焙煎済コーヒー豆も一般に使用することができる。好ましくは、コーヒー豆は、工程(1)の直前に焙煎される。追加の香味を導入し、それらのコーヒーアロマとの相互作用を可能にするために、他の固形食用材料(例えば果実)は、好ましくは工程(1)または(2)のいずれかの前または間に添加することによって、コーヒー豆と共抽出することができる。
【0022】
工程(1)では、水を加えて懸濁液を形成する。特に限定されないが、形成された懸濁液中における水のコーヒー豆に対する重量比は、好ましくは1:1~10:1、より好ましくは2:1~8:1、特に好ましくは約2.5:1~6:1であり、これは、さらなる工程での加工性(例えば促進されたポンピング、粉砕および/またはより容易な相分離)に有利に影響する可能性がある。
【0023】
工程(1)で水(例えば水道水)を使用することが好ましい場合があるが、コーヒー豆成分の抽出を高め、影響を受けやすいコーヒー豆成分(例えば硫黄化合物)の酸化の減少および/または追加の香味の導入のために、水源として代替の含水液体を使用してもよく、それは加工方法の後続の段階で抽出された香味と好ましく相互作用することがある。このような液体には、例えば、エタノール/水混合物、リキュール、果汁、野菜汁、果汁濃縮物、またはミルクなど、60~約95重量%の含水量を有する液体が含まれる。このような含水液体が使用される場合、形成された懸濁液の含水量が上記に定義された比率の範囲に入ることが一般に好ましい。
【0024】
潜在的な熱負担を最小限にしながら初期段階で微生物の腐敗/繁殖を減らすまたは防ぐために、水または含水液体を、工程(1)の前に、当技術分野で既知の方法に基づいて、例えば熱、放射線照射、化学滅菌、および精密ろ過、限外ろ過またはナノろ過の適用によって、低温殺菌または滅菌工程に供することができる。絶対孔径0.45μm以下、好ましくは0.22μm以下のろ過膜フィルターを用いた滅菌ろ過が好ましく、大抵、少ないエネルギー消費量で不必要な化学物質を導入することなく微生物を効果的に除去することになる。
【0025】
その上、水または含水液体を、工程(1)の前に、当技術分野で既知の技術(例えばイオン交換を含む)に基づく脱塩に供することができる。
【0026】
工程(1)で、すなわち、ステップ(2)の前に、水性懸濁液を形成することは、粉砕の前に固体材料が軟化し、水の冷却効果によりミル粉砕機器に対する機械的負担がさらに最小化されるという利点がある。しかしながら、加工を速めるために、コーヒー豆は、好ましくは粉砕機器に入れる直前に水と接触させる。さらに好ましくは、工程(1)および(2)は、例えば水および豆をミル中で直接接触させることによって同時に行なわれる。
【0027】
工程(2)の湿式粉砕に使用される方法および装置は、コーヒー豆のアロマおよび栄養的に価値のある成分を保つために、著しい摩擦熱発生または高い機械力が回避される限り、特に限定されない。このために、工程(2)は、好ましくは(a)500μm以下の平均粒径まで1回または複数の粗粉砕する工程(例えば、穴あきディスクミル中)と、(b)100μm以下、好ましくは90μm未満、さらにより好ましくは80μm以下の平均粒径まで、微粉砕する後続の工程(例えば歯付きコロイドミル中)と、を含む。粒子を上記のサイズ範囲に縮小すると、湿らせることを最適化するための粒子材料の露出表面積が実質的に増加し、抽出結果の改善(脂肪または脂質、アロマ物質、および/またはポリフェノールの抽出の改善など)が可能になる。一般に、粒径の減少は、例えば、ディスクミル(例えば穴あきディスクミル)、コロイドミル(例えば歯付きコロイドミル)、またはコランダムストーンミルを使用することによって達成することができる。特に、微粉砕工程は、粗粉砕された懸濁液を用いて実施されるため、粗粉砕と微粉砕の間の固体/液体分離は必要とされない。
【0028】
工程(3)では、微粉砕されたコーヒー懸濁液を、1つまたは複数の分離工程に供し、少なくとも1つの液相および固相への分離をもたらし、前記液相は、コーヒーアロマを含み、前記固相は、主成分としてコーヒー粉末および水を含む。好ましくは、遠心力を使用する装置を用いて、デカンタまたはノズルセパレータ、好ましくはデカンタなどの、機械的粒子分離を実現することができる。
【0029】
用語「少なくとも1つの液相」は、水相および油相を含んでいてもよく、水相は、(親水性)コーヒーアロマを含み、油相は、主成分としてコーヒー油を含む。言い換えれば、工程(3)は、固体/液体分離として、または3相、すなわち水相、油相および固相への分離として実施することができる。3相分離の場合、少なくとも水相は、工程(4)でさらに処理される。
【0030】
好ましい実施形態では、工程(3)は、単一の分離段階でデカンタ(例えば3相デカンタ遠心分離など)の使用により、懸濁液を水相、油相および固相に分離する工程を含む。
【0031】
工程(3)は、液相(複数可)と固相の間の改善された分離を実現するために、複数の相分離および再結合工程をさらに含み得る。例えば、三相分離で得られた水相および油相は、抽出物の回収率と収率をさらに改善するために、例えば、第2の三相分離工程を行なうことにより、または湿式粉砕段階もしくは最初の分離段階に再供給することにより、さらに精製することができる。固相をろ過または遠心分離して、残水を分離することができ、これを最初にデカンテーション工程から、または前記相の後の処理段階で水相と再結合することができる。
【0032】
分離すると、工程(3)で得られた油相は、コーヒー油および/または親油性アロマを抽出するのに使用することができる。得られたコーヒー油は、例えば、化粧品(例えば、ローション、石鹸など)の調製または化学プロセスでさらに使用でき、例えば親油性アロマは工程(4)で再導入することができる。
【0033】
工程(4)では、液相(または水相、それぞれ)をさらに処理して低温抽出コーヒー抽出液を得る。工程(3)における単一段階(3)相分離は、通常、不透明な外観の液状水性低温抽出コーヒー抽出液を生じるが、これはすぐ飲め、有利に酸味および苦味が少ない、従来の低温抽出技術では到達できないミルク様の性質を備えた、有利に強く複雑な官能特性を特徴としている。このように得られた抽出液は、比較的高い残留脂肪分を示し(例えば抽出液の全重量に対して1重量%~10重量%、1.5重量%~5重量%など)、それはおそらく心地よいクリーム状の口当たりの原因であり、有利な親油性アロマの担体として機能し、さらに乾物含量が例えば抽出液の全重量に対して、2重量%~12重量%、2.5重量%~10重量%などであってもよい。例えば、ろ過または限外ろ過法によって清澄化すると、残留脂質の大部分が除去されるが、その結果、上記の官能特性が失われる。したがって、工程(4)または製造方法全体でさえろ過および/または清澄化工程を含まないことが好ましいかもしれない。したがって、微生物の除去のために、前述の不透明な抽出液を、直接低温殺菌または滅菌工程に供して、低温抽出コーヒー抽出液を得るができ、場合によって、当技術分野で既知の方法に基づいて(例えば低温無菌充填によって)、充填、瓶詰め、または缶詰工程が続く。
【0034】
あるいは、工程(4)は、工程(3)で得られた液相または水相を、1つまたは複数の固体/液体分離工程に供して、抽出製品を清澄化することを含んでいてもよい。さらに好ましくは、1つまたは複数の固体/液体分離工程は、遠心分離工程および/またはろ過工程を含む。できるだけ多くの脂質とコロイド状固体を除去するために、1つまたは複数の固体/液体分離工程に遠心分離工程とろ過工程の両方が含まれているとさらに好ましい。ろ過工程は、好ましくは絶対孔径0.45μm以下、好ましくは0.22μm以下のろ過膜を使用することによって滅菌ろ過として行なわれ、これは、絶対孔径2~100nmの膜を使用する限外ろ過法も含まれ得る。別の好ましい実施形態では、ろ過工程は、連続運転を容易にするためにクロスフローろ過として実施される。コロイド状固体を除去する別個のプロセス工程(好ましくはろ過の前)は、当技術分野で既知の方法(例えば凝固/凝集技術を含む)に基づいて実施でき、それは任意選択で冷却によって支援することもできる。
【0035】
工程(4)の結果は、すぐ飲める低温抽出コーヒー抽出液であり、所望の味に応じて冷水または温水または他の液体で希釈することができる。
【0036】
その上、水性抽出物は、工程(4)の間または後に添加剤とさらに混合してもよい。これに限定されないが、例示的な添加剤には、例えば、コーヒーチェリーパルプ、カカオパルプ、生物活性成分、ココア、生乳、練乳、粉乳、塩、砂糖または他の甘味料(メープルシロップ、蜂蜜、スクロース、フルクトース、グルコースシロップ、転化糖、果糖、コーンシロップ、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、シクラメート、アセスルファムK、タウマチン、カルコン、シクラメート、ステビオシド、ステビア、ソルビトール、キシリトールおよびラクチトールなどを含む)、フレーバー、精油、ビタミン、ミネラル、果汁(複数可)および/または果実片、ハーブおよび/またはスパイス(シナモン、ジンジャー、コリアンダー、クミン、ターメリック、チリ、コショウ、カルダモン、クローブ、ナツメグなどを含むがこれだけには限定されない)、防腐剤、着色剤、増粘剤、安定剤、乳化剤およびそれらの組合せが含まれていてもよい。
【0037】
必要ではないが、1つまたは複数のpH調整工程は、工程(1)から(4)のいずれかの前、間または後に行なってもよい。通常、前記pH調整は、出発原料中の過度に高い酸濃度を補うため、および/またはその後の抽出プロファイルを微調整するために、緩衝溶液または塩基の添加を伴ってもよい。その上、添加された塩基または緩衝液は、工程(3)の後に水相で中和されてもよい。あるいは、pH調整工程には、例えば抽出(例えば液-液)抽出、エマルジョン型液膜プロセス、塩析またはそれらの組合せによる酸の除去も含まれていてもよい。
【0038】
本発明に基づくプロセスは、通常のコーヒー抽出物と比較して、甘さ、より少ない酸味、およびより豊かで濃厚な口触りを飲料に与える、クリーミーで泡の多いヘッドをもたらす、水に溶けにくい小さな泡を飲料に生成するために、好ましくは工程(4)において、当技術分野で既知の方法に基づいて、液体抽出物に窒素ガスを注入する工程も含んでいてもよい。
【0039】
最終工程では、低温抽出コーヒー抽出液は、当技術分野で既知の方法に基づいて、例えば缶(アルミニウム、鋼などでできている)または瓶(ガラス、紙、レトルトパウチなどでできている)に充填および包装することができる。
【0040】
そのように限定されるものではないが、上記説明に基づく低温抽出コーヒー抽出液を調製する例示的なプロセスは、図1に示すフローチャートに示す。
【0041】
本発明に基づく低温抽出コーヒー抽出液を製造するための方法は、容易に連続的に行なうことができることに留意されたい。例えば、コーヒー豆は、工程(1)に継続的に供給でき(例えばコンベヤベルトまたはスクリューコンベヤを使用して)、一方、工程(1)から(4)の間の懸濁液は、ポンプシステムを用いて輸送することができる。
【0042】
必要に応じて、緩衝液タンクは、抽出時間を調整するため、および/または継続的な製品供給を確保するために挿入していてもよい。
【0043】
一般に、工程(1)から(3)は、14時間未満、好ましくは10時間未満、より好ましくは6時間未満、さらに好ましくは3時間未満、特に好ましくは1時間未満、実施形態では45分未満、30分未満または20分未満、例えば15秒~18分または30秒~1分の期間内に行なわれることが好ましい。
【0044】
工程(1)から(4)は、18時間未満、好ましくは12時間未満、より好ましくは8時間未満、さらに好ましくは4時間未満、特に好ましくは2時間未満、実施形態では1時間未満、40分未満、25分未満、例えば30秒~19分または40秒~2分の期間内に行なわれることがさらに好ましい。このような比較的短い抽出期間にもかかわらず、本発明の方法は、従来の低温抽出技術と比較して、香味収率がより高く、味がより豊かな抽出物を提供する。
【0045】
本発明によれば、工程(1)から(3)の間の懸濁液の温度は、一般に47℃を超えないことが保証される。懸濁液の温度の下限値は、水性溶媒の構成成分に依存し得る懸濁液の凍結によって湿式粉砕および相分離工程が妨げられない限り、特に制限されない。好ましくは、工程(1)から(3)の間の懸濁液の温度は、0℃~40℃、好ましくは2℃~35℃、さらに好ましくは3℃~30℃、例えば5℃~29℃の範囲である。その上、工程(4)の間の水相の温度が、47℃を超えず、好ましくは0℃~40℃、より好ましくは2℃~35℃、さらに好ましくは3℃~30℃、特に好ましくは5℃~29℃の範囲であることが好ましい。
【0046】
本発明の方法では、100μm以下の平均粒径までの湿式粉砕工程(2)は、通常最も強い加熱効果があり、大抵5~15℃前後の温度上昇をもたらす可能性がある。したがって、懸濁液または水相の温度を上記の範囲で維持するために、コーヒー豆と接触させる時間に、水または含水液体の温度は、40℃以下、より好ましくは30℃以下、さらに好ましくは0~20℃、特に好ましくは2~15℃、例えば4~12℃であることが好ましい。したがって、懸濁液の温度は、便利な手法で制御することができる。
【0047】
図1に示されていない、または指示されていない代替の実施形態では、本発明の方法は、インスタント低温抽出コーヒー製品の製造に適合させることができる。このために、低温抽出コーヒー抽出液は、濃縮工程(例えば蒸発、好ましくは真空蒸発、または凍結濃縮による)に供し、続いて濃縮した抽出液を粉末形態に噴霧乾燥または凍結乾燥することができる。本明細書において、濃縮工程は、水と一緒に香味化合物およびポリフェノールの蒸発を伴い得る。この場合、これらの画分を集め、それを噴霧乾燥もしくは凍結乾燥の前に、またはインスタント粉末の包装の前に再導入することが好ましい。さらなる食用成分(例えばコーヒーチェリーパルプなど)を抽出物に取り込んで、固形分を増やし、したがって乾燥を容易にすることも可能である。
【0048】
その上、低温抽出コーヒー抽出液は、濃縮工程のみ(すなわち噴霧乾燥または凍結乾燥の工程なし)に供し、液状濃縮物として顧客に配達するために包装してもよい。
【0049】
液状低温抽出コーヒー抽出液およびインスタント低温抽出コーヒー粉末
第2の実施形態では、本発明は、上記で概説した第1の実施形態に基づく方法によって得られた低温抽出コーヒー抽出液に関する。好ましい実施形態では、低温抽出コーヒー抽出液は、第1の実施形態に基づく方法によって得られたコーヒーアロマであり、好ましくは液相(複数可)の処理によって得られたコーヒーアロマと固相の処理から回収されたコーヒーアロマ画分の組合せを含み得る(例えば図1参照)。
【0050】
第3の実施形態では、本発明は、第2の実施形態に基づく低温抽出コーヒー抽出液を濃縮工程に供し、続いて濃縮した抽出液を噴霧乾燥または凍結乾燥してインスタント低温抽出コーヒー粉末を得ることによって得られたインスタント低温抽出コーヒー粉末に関する。
【0051】
既知の低温抽出製品と比較して、本発明の抽出液およびインスタント製品は、豊かな味、高い香味の複雑さ、および心地よいと知覚される香味(例えばキャラメル様、麦芽様、ナッツ様およびスパイシーな香味)の高い含有量を示すという点で明確に特徴付けられている。同時に、おそらく長時間の低温抽出のため、従来の製品にしばしば知覚される異臭は、大幅に削減されるか、完全に排除される。
【実施例0052】
実施例1
液状低温抽出コーヒー抽出液は、本発明の方法に基づいて、焙煎したコーヒー豆(原産:Sidamo)を、脱塩および滅菌ろ過水と混合し、水性懸濁液を穴あきディスクミル(FrymaKoruma ML 150)中で粗粉砕し、粗スラリーを歯付きコロイドミル(FrymaKoruma MZ 130)で100μm以下の平均粒径まで微粉砕することによって調製した。その後、微粉砕された懸濁液を、3相デカンタ遠心分離機(Flottweg SEによって製造されたTricanter(登録商標))を用いた3相分離に供した。このように得られた水相は、遠心分離機(GEA Westfalia)を使用して脂肪およびコロイド状の固体を除去することによって清澄化した。最後に、清澄化した抽出液を、市販されているKoch Supercor PVDF膜(12mm直径、35m2面積、および0.2μm孔径)を使用してクロスフローろ過によってろ過した。プロセス中、懸濁液/水相の温度は、室温を超えなかった。全抽出時間は、およそ10分であった。
【0053】
比較例1
比較例1では、実施例1と同様のコーヒー豆を微粉砕し、続いて実施例1と同じ重量比のコーヒー豆対水を使用して、20℃で8時間脱塩および滅菌ろ過水を用いた従来の低温抽出およびその後のろ過に供した。
【0054】
比較例2
比較例2は、実施例1と同じ重量比のコーヒー豆対水を使用して、抽出が温水(95℃)で4分間行なわれたことを除いて比較例1と同様に調製した。
【0055】
評価
抽出液の調製の直後に、実施例1と比較例1および2の試料は、それぞれ独立に希釈し(50g/L)、それらの選択した20種の主要なコーヒーアロマの含有量についてGC-MSによって定量的に分析した。測定結果を臭気閾値と一緒に以下の表1に示す。
【0056】
定量分析は、本発明の方法が、従来の低温抽出方法と比較すると、抽出期間が急激に減らされたにもかかわらず、心地よいアロマの全収率が実質的に改善された抽出液をもたらすことを示す。その上、表1は、比較例2に例示されているように、全アロマ収率が温水注入法のものを上回ってさえいることを示す。
【0057】
【表1】
【0058】
定量分析に加えて、実施例1および比較例1の各抽出液の希釈した試料(50g/L)の官能試験を、コーヒーの官能評価に経験のある5人の専門家の一団によって行なった(コンセンサスプロファイル)。最初に、コーヒー試料の感覚特性およびそれらの定義を明らかにし、花様、果実様、キャラメル様、麦芽様、ナッツ様、スパイシー、ロースティ、および草様ノート、ならびに異臭、複雑さおよび総強度が含まれていた。次に、審査員は、9点評価システム(0~8)を使用して、各試料のこれらの感覚特性を評価し、ここで、低い値は弱い知覚を示し、高い値は強い強度を示し、0はそれぞれのノートがないことを示す。試料をそれぞれ鼻前方および鼻後方知覚(すなわち口蓋)について試験した。
【0059】
鼻と口蓋で知覚された官能プロファイルの結果は、それぞれ図2および図3に示し、ここで、強度値は、専門家団によって割り当てられた平均値を示す。
【0060】
図2に示すように、比較例1および2の試料の鼻前方評価と対照的に、実施例1の試料で異臭は知覚されなかった。同時に、実施例1の試料は、キャラメル様、麦芽様およびスパイシーなノートを特に強調して、複雑さと心地よいと知覚されるノートでより高いスコアを示した。
【0061】
図3は、本発明の試料も、口蓋について優れた全体の強度および複雑さを示し、比較例2の高温抽出試料と比較すると、ロースト香味を除いて、全ての種類のノートでより高いスコアをさらに示すことを実証している。
【0062】
総じて、結果から、低温での短い抽出時間にもかかわらず、本発明の低温抽出コーヒー抽出液は、異臭を完全に排除しながら、より豊かな味、より高い香味の複雑さ、および心地よいと知覚される香味のより高い総含有量を示すことが示唆される。
【0063】
上記の開示が提供されると、他の多くの特徴、改質、および改善が当業者に明らかになるであろう。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-05-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温抽出コーヒー抽出液を製造するための方法であって、
(1)焙煎済のコーヒー豆に水を加えて懸濁液を形成する工程と、
(2)前記懸濁液を、複数の工程で100μm以下の平均粒径まで湿式粉砕する工程と、
(3)前記懸濁液を、1つまたは複数の分離工程に供する工程であって、懸濁液が少なくとも1つの液相および固相に分離され、前記液相がコーヒーアロマを含み、前記固相が主成分としてコーヒー粉末および水を含む、工程と、
(4)少なくとも水相をさらに処理して低温抽出コーヒー抽出液を生成し、さらに、少なくとも充填および/または包装することを含む工程と、
を含み、工程(1)から(3)の懸濁液及び工程(4)の間の水相の温度が47℃を超えず、
工程(1)から(4)が30秒~19分の期間内に行われ、
工程(3)が、デカンタの使用によって、懸濁液を、コーヒーアロマを含む水相、主成分としてコーヒー油を含む油相、ならびに主成分としてコーヒー粉末および水を含む固相に分離する工程を含む方法。
【請求項2】
工程(1)から(3)の間の懸濁液の温度が、0℃~40℃の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(4)の間の水相の温度が0℃~40℃の範囲である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
工程(2)が、
(a)1つまたは複数の、500μm以下の平均粒径までの粗粉砕工程と、
(b)後続の、100μm以下の平均粒径までの微粉砕工程を含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
工程(3)が、水を固相から分離し、それを工程(4)の前に水相に再導入する工程をさらに含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
工程(1)から(4)が、連続的に行なわれる、請求項1からのいずれかに記載の方法。
【請求項7】
工程(1)から(3)が30秒~1分の期間内に行なわれる、請求項1からのいずれかに記載の方法。
【請求項8】
工程(1)から(4)が、40秒~2分の期間内に行なわれる、請求項1からのいずれかに記載の方法。
【請求項9】
工程(4)が、工程(3)で得られた水相を1つまたは複数の固体/液体分離工程に供することを含む、請求項1からのいずれかに記載の方法。
【請求項10】
1つまたは複数の固体/液体分離工程が、遠心分離工程および/またはろ過工程を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
ろ過工程が、絶対孔径0.45μm以下のろ過膜を使用することによって行なわれる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ろ過工程がクロスフローろ過を含む、請求項10または11のいずれかに記載の方法。