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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009701
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】荷役システム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20240116BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20240116BHJP
   B65G 67/24 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
G05D1/02 T
B25J5/00 A
B65G67/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111408
(22)【出願日】2022-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000211695
【氏名又は名称】中西金属工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(72)【発明者】
【氏名】星 昌良
(72)【発明者】
【氏名】水谷 英昭
【テーマコード(参考)】
3C707
3F076
5H301
【Fターム(参考)】
3C707BS10
3C707CS08
3C707DS01
3C707HS27
3C707KS01
3C707KS12
3C707KT01
3C707KX07
3C707LV01
3C707NS02
3C707WA16
3F076AA02
3F076CA03
3F076CA04
3F076CA07
3F076DA01
3F076DB02
3F076DB14
5H301BB05
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301EE06
5H301GG08
5H301GG09
5H301LL08
5H301QQ01
(57)【要約】
【課題】コントローラのコストを低減することが容易であって、かつ稼働時間を延ばすことが容易な荷役システムを提供する。
【解決手段】荷役システム1は、ロボットアーム41を有するロボット4と、ロボット4を搭載すると共に走行駆動部33を有する無人搬送車3と、搬送コンベア5,6と、ロボットアーム41の動作を制御すると共に駆動用電力をロボットアーム41へ供給するロボットコントローラ45と、荷役システム1の外部から電力を受電するコネクタ65とを備え、無人搬送車3は、走行駆動部33及び搬送コンベア5,6の駆動を制御する搬送コントローラ34と、搬送コントローラ34へ電力を供給するバッテリ32とを備え、搬送コントローラ34とロボットコントローラ45とが連携することによって、搬送コンベア5,6とロボットアーム41とを連動させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ内の荷物に対する荷役システムであって、
前記荷物を荷役可能なロボットアームを有するロボットと、
前記ロボットを搭載すると共に走行するための走行駆動部を有する無人搬送車と、
前記荷物を搬送する搬送コンベアと、
前記ロボットアームの動作を制御すると共に駆動用電力を前記ロボットアームへ供給するロボットコントローラと、
前記荷役システムの外部から、前記ロボットコントローラ及び前記搬送コンベアへ供給するための電力を受電する受電部とを備え、
前記無人搬送車は、
前記走行駆動部及び前記搬送コンベアの駆動を制御する搬送コントローラと、
前記搬送コントローラへ電力を供給し、かつ前記ロボットコントローラ及び前記搬送コンベアへは電力を供給しないバッテリとを備え、
前記搬送コントローラと前記ロボットコントローラとが連携することによって、前記搬送コンベアと前記ロボットアームとを連動させて前記荷物の荷役を行う荷役システム。
【請求項2】
前記受電部によって外部から受電された電力を、前記ロボットコントローラ及び前記搬送コンベアへ分配供給する電源配線をさらに備え、
前記無人搬送車と前記搬送コンベアとは、コネクタを介して脱着可能とされており、
前記電源配線は、前記コネクタを介して前記搬送コンベアへ接続される請求項1に記載の荷役システム。
【請求項3】
前記搬送コントローラは、
前記無人搬送車の現在位置を推定する位置推定部と、
前記位置推定部によって推定された現在位置が、前記荷役のために予め設定された荷役位置と異なる場合、前記受電部で受電された電力の、前記搬送コンベアへの供給を遮断するコンベア制御部とを含む請求項1に記載の荷役システム。
【請求項4】
前記無人搬送車は、障害物を検知する第一障害物センサをさらに備え、
前記搬送コントローラは、前記第一障害物センサによって、前記無人搬送車周辺の予め設定された第一領域内で前記障害物が検知された場合、前記受電部で受電された電力の、前記搬送コンベアへの供給を遮断するコンベア制御部を含む請求項1に記載の荷役システム。
【請求項5】
前記搬送コンベアは、障害物を検知する第二障害物センサを備え、
前記搬送コントローラは、前記第二障害物センサによって、前記搬送コンベア周辺の予め設定された第二領域内で前記障害物が検知された場合、前記受電部で受電された電力の、前記搬送コンベアへの供給を遮断するコンベア制御部を含む請求項1に記載の荷役システム。
【請求項6】
前記ロボットは、
画像を撮像するカメラと、
前記カメラで撮像された画像に対して画像処理を行う画像処理コンピュータとを備え、
前記画像処理コンピュータは、起動及び電源遮断のために所定時間を必要とし、
前記バッテリは、さらに、前記画像処理コンピュータの動作用電力を供給する請求項1に記載の荷役システム。
【請求項7】
前記荷役システムの外部から、所定の外部信号を受信する外部信号受信部をさらに備え、
前記搬送コントローラは、前記外部信号に基づいて前記搬送コンベアを制御する請求項1に記載の荷役システム。
【請求項8】
前記外部信号受信部は、外部信号用のコネクタである請求項7に記載の荷役システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷役を行うための荷役システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、無人走行可能な台車、いわゆる無人搬送車に多関節ロボットを搭載した荷役装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、無人搬送車に搬送コンベアを連結することも記載されている。このような荷役装置によれば、無人搬送車によってロボットを移動させつつ、荷物のロボットによる荷降ろし、積み込み、及び搬送コンベアによる荷物の搬送を行うことができる。その結果、トラックの荷室やコンテナ等での荷役を効率よく行える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-206318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のように、多関節ロボットを搭載した無人搬送車に、搬送コンベアを連結して用いる場合、無人搬送車を制御するコントローラ、ロボットを制御するコントローラ、及び搬送コンベアを制御するコントローラが必要となる。そのため、コントローラの数が増大し、コストの増大を招く。特に、搬送コンベアを制御するコントローラを地上に設置した場合、荷役装置とは別に、搬送コンベア用の地上設備を設ける必要があるため、コストの増大を招く。
【0005】
また、荷役装置に搭載したバッテリで無人搬送車用の電力、ロボット用の電力、及び搬送コンベア用の電力を供給しようとすると、ロボット及び搬送コンベアの消費電力が大きいために、バッテリで荷役装置を稼働できる時間が短くなってしまう。
【0006】
本発明の目的は、コントローラのコストを低減することが容易であって、かつ稼働時間を延ばすことが容易な荷役システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る荷役システムは、コンテナ内の荷物に対する荷役システムであって、前記荷物を荷役可能なロボットアームを有するロボットと、前記ロボットを搭載すると共に走行するための走行駆動部を有する無人搬送車と、前記荷物を搬送する搬送コンベアと、前記ロボットアームの動作を制御すると共に駆動用電力を前記ロボットアームへ供給するロボットコントローラと、前記荷役システムの外部から、前記ロボットコントローラ及び前記搬送コンベアへ供給するための電力を受電する受電部とを備え、前記無人搬送車は、前記走行駆動部及び前記搬送コンベアの駆動を制御する搬送コントローラと、前記搬送コントローラへ電力を供給し、かつ前記ロボットコントローラ及び前記搬送コンベアへは電力を供給しないバッテリとを備え、前記搬送コントローラと前記ロボットコントローラとが連携することによって、前記搬送コンベアと前記ロボットアームとを連動させて前記荷物の荷役を行う。
【0008】
この構成によれば、消費電力の大きいロボットコントローラへは、荷役システムの外部から受電された電力が供給され、バッテリからは電力供給されないので、バッテリの消耗が低減される結果、荷役システムの稼働時間を延ばすことが容易となる。一方、無人搬送車の走行に必要な搬送コントローラへはバッテリから電力供給されるので、無人搬送車に電源ケーブルを接続しなくても無人搬送車が走行することができ、無人搬送車の走行がケーブルで制約されるおそれが低減される。また、一つの搬送コントローラによって、走行駆動部及び搬送コンベアの駆動が制御されるので、走行駆動部及び搬送コンベアの制御に個別のコントローラを設ける必要がなく、コントローラのコストを低減することが容易となる。これにより、コントローラのコストを低減することが容易であって、かつ稼働時間を延ばすことが容易となる。
【0009】
また、前記受電部によって外部から受電された電力を、前記ロボットコントローラ及び前記搬送コンベアへ分配供給する電源配線をさらに備え、前記無人搬送車と前記搬送コンベアとは、コネクタを介して脱着可能とされており、前記電源配線は、前記コネクタを介して前記搬送コンベアへ接続されることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、受電部によって外部から受電された電力が、ロボットコントローラ及び搬送コンベアへ分配供給されるので、ユーザは、ロボットコントローラ用の電源配線と、搬送コンベア用の電源配線とを個別に接続する必要がなく、受電部に一本の電源配線を接続するだけで、ロボットコントローラ及び搬送コンベアへ電源供給することができる。また、無人搬送車と搬送コンベアとは、コネクタを介して脱着可能であるため、無人搬送車と搬送コンベアとを連結することが容易となる。
【0011】
また、前記搬送コントローラは、前記無人搬送車の現在位置を推定する位置推定部と、前記位置推定部によって推定された現在位置が、前記荷役のために予め設定された荷役位置と異なる場合、前記受電部で受電された電力の、前記搬送コンベアへの供給を遮断するコンベア制御部とを含むことが好ましい。
【0012】
この構成によれば、荷役位置とは異なる場所に無人搬送車が位置していた場合、搬送コンベアへの電力供給が遮断されるので、安全性が向上する。
【0013】
また、前記無人搬送車は、障害物を検知する第一障害物センサをさらに備え、前記搬送コントローラは、前記第一障害物センサによって、前記無人搬送車周辺の予め設定された第一領域内で前記障害物が検知された場合、前記受電部で受電された電力の、前記搬送コンベアへの供給を遮断するコンベア制御部を含むことが好ましい。
【0014】
この構成によれば、無人搬送車周辺の第一領域内で障害物が検知された場合、搬送コンベアへの電力供給が遮断されるので、安全性が向上する。
【0015】
また、前記搬送コンベアは、障害物を検知する第二障害物センサを備え、前記搬送コントローラは、前記第二障害物センサによって、前記搬送コンベア周辺の予め設定された第二領域内で前記障害物が検知された場合、前記受電部で受電された電力の、前記搬送コンベアへの供給を遮断するコンベア制御部を含むことが好ましい。
【0016】
この構成によれば、搬送コンベア周辺の第二領域内で障害物が検知された場合、搬送コンベアへの電力供給が遮断されるので、安全性が向上する。
【0017】
また、前記ロボットは、画像を撮像するカメラと、前記カメラで撮像された画像に対して画像処理を行う画像処理コンピュータとを備え、前記画像処理コンピュータは、起動及び電源遮断のために所定時間を必要とし、前記バッテリは、さらに、前記画像処理コンピュータの動作用電力を供給することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、起動及び電源遮断のために所定時間を必要とする画像処理コンピュータへ、バッテリから動作用電力が供給されるので、外部電源が供給される前から画像処理コンピュータを起動しておくことができる。その結果、荷役システムの稼働開始に必要な時間を短縮することが容易となる。また、外部電源が突然遮断された場合であっても、画像処理コンピュータが突然遮断されて異常を生じるおそれが低減される。
【0019】
また、前記荷役システムの外部から、所定の外部信号を受信する外部信号受信部をさらに備え、前記搬送コントローラは、前記外部信号に基づいて前記搬送コンベアを制御することが好ましい。
【0020】
この構成によれば、荷役システムの外部に設けられたセンサ及び/又は装置と、搬送コンベアとを連動させることが容易となる。
【0021】
また、前記外部信号受信部は、外部信号用のコネクタであることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、荷役システムの外部に設けられたセンサ及び/又は装置と、搬送コントローラとを接続することが容易となる。
【発明の効果】
【0023】
このような構成の荷役システムは、コントローラのコストを低減することが容易であって、かつ稼働時間を延ばすことが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係る荷役システムの構成の一例を示す概念図である。
図2図1に示す荷役システムによる荷役作業を説明するための説明図である。
図3図1に示す荷役装置の電気的構成の一例を示すブロック図である。
図4図3に示すコンベア制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。図1は、本発明の一実施形態に係る荷役システムの構成の一例を示す概念図である。各図には、便宜的に前後、左右、上下の方向を示している。なお、前後、左右、上下の方向は一例であって、この例に限らない。
【0026】
図1に示す荷役システム1は、荷役装置2と、レーザスキャナLS1,LS2とを備えている。荷役装置2は、無人搬送車3、ロボット4、車載コンベア5、及び伸縮コンベア6を備えている。なお、荷役システム1は、レーザスキャナLS1,LS2を備えていなくてもよく、荷役装置2のみによって荷役システムが構成されていてもよい。
【0027】
レーザスキャナLS1,LS2は、荷役装置2の設置領域全体を、障害物の検知可能範囲に含むように配置されることが好ましい。例えば、荷役装置2をレーザスキャナLS1,LS2の間に挟むように、レーザスキャナLS1を荷役装置2の左側方に設置し、レーザスキャナLS2を荷役装置2の右側方に設置することが好ましい。このように配置すれば、荷役装置2の設置場所における障害物の存在、より具体的には荷役装置2の設置場所に人がいないかどうかを検知することが容易となる。
【0028】
無人搬送車3は、いわゆるAGV(Automated Guided Vehicle)と称される、自立走行可能な搬送車両である。無人搬送車3の前方にはロボット4が搭載され、無人搬送車3の右側方には車載コンベア5が取り付けられ、車載コンベア5の後端には伸縮コンベア6が連結されている。無人搬送車3の、例えば右前方の角付近にはレーザスキャナ31fが取り付けられ、例えば左後方の角付近にはレーザスキャナ31b(図2)が取り付けられている。レーザスキャナ31f,31bは、第一障害物センサの一例に相当する。
【0029】
ロボット4は、例えば多関節ロボットであり、ロボットアーム41を備えている。ロボットアーム41の先端には、ロボットハンド42が取り付けられている。ロボットハンド42には、ハンドリング対象の荷物Pを撮像するためのカメラ43が取り付けられている。
【0030】
車載コンベア5は、例えば前後方向に荷物Pを搬送可能なコンベアである。図1では、一例としてローラコンベアを図示している。車載コンベア5は、後方の伸縮コンベア6から送られてきた荷物Pを、ロボットアーム41でハンドリング可能な前方位置まで搬送する。あるいは、車載コンベア5は、ロボットアーム41で前方に載置された荷物Pを、後方の伸縮コンベア6へ搬送する。
【0031】
車載コンベア5の、例えば右後端付近には、レーザスキャナ51が取り付けられている。また、車載コンベア5の後端部付近、すなわち伸縮コンベア6との連結部付近には、コネクタ38,52,53と、継手54とが取り付けられている。
【0032】
伸縮コンベア6は、荷物Pの搬送方向に沿って伸縮可能とされている。伸縮コンベア6としては、いわゆる伸縮コンベアとして知られている種々の形式のコンベアを用いることができる。例えば、図1のようなテレスコピック構造をなして伸縮するベルトコンベアに限らず、アコーディオン状に伸縮し、コンベアを支持する脚にキャスタが設けられているローラコンベアであってもよい。伸縮コンベア6の左後端付近には、レーザスキャナ61が取り付けられている。伸縮コンベア6の前端付近、すなわち車載コンベア5との連結部付近には、コネクタ58,62,63と、継手64とが取り付けられている。伸縮コンベア6の後端付近には、コネクタ65,66と、継手67とが取り付けられている。
【0033】
コネクタ38,52,58,62,65は電源配線用のコネクタであり、コネクタ53,63,66は信号配線用のコネクタである。継手54,64,67は、エアホース等の配管用の継手である。コネクタ58,62,63は、コネクタ38,52,53と脱着可能とされている。コネクタ58,62,63とコネクタ38,52,53とは、直接接続されてもよく、ケーブルを介して電気的に接続されてもよい。継手54は、継手64と脱着可能とされている。継手54と、継手64とは、直接接続されてもよく、配管を介して間接的に接続されてもよい。
【0034】
コネクタ65とコネクタ62とは電源配線WP61で接続され、コネクタ52は電源配線WP51で後述するコネクタ55と接続され、コネクタ38は電源配線WP52で後述するコネクタ57と接続され、コネクタ58は電源配線WP62に接続されている。コネクタ66とコネクタ63とは信号配線WS6で接続され、コネクタ53は信号配線WS5で後述するコネクタ56と接続されている。
【0035】
コネクタ65は、ケーブルCBL1を接続可能とされている。ケーブルCBL1は、荷役システム1の外部に設けられた図略の外部電源と接続される。これにより、コネクタ65は、ケーブルCBL1を介して外部電源と接続される。コネクタ65は、受電部の一例に相当する。外部電源としては、例えばAC200V等の三相交流電源を用いることができる。外部電源として三相交流電源を用いることによって、消費電力の大きいロボット4、車載コンベア5、及び伸縮コンベア6へ十分な電力を供給することができる。
【0036】
コネクタ66は、信号配線LS1W,LS2Wを接続可能とされている。信号配線LS1WはレーザスキャナLS1に接続され、信号配線LS2WはレーザスキャナLS2に接続されている。これにより、コネクタ66は、信号配線LS1Wを介してレーザスキャナLS1と接続され、信号配線LS2Wを介してレーザスキャナLS2と接続される。コネクタ66は、外部信号受信部の一例に相当する。なお、信号配線LS1W,LS2Wを、コネクタ63又はコネクタ53に接続してもよい。この場合、コネクタ63又はコネクタ53が、外部信号受信部の一例に相当する。
【0037】
継手67は、エアホースAH1を接続可能とされている。エアホースAH1は、荷役システム1の外部に設けられたエアコンプレッサ等の図略のエア源と接続されている。これにより、継手67は、エアホースAH1を介してエア源と接続される。継手67と継手64とは配管で接続され、継手54は後述するロボットコントローラ45と配管で接続されている。これにより、エア源から供給されたエアが、継手54,64,67、及びロボットコントローラ45を介してロボットアーム41及びロボットハンド42へ供給され、ロボットアーム41及びロボットハンド42の駆動に用いられる。
【0038】
車載コンベア5及び伸縮コンベア6は、搬送コンベアの一例に相当し、レーザスキャナ51,61は、第二障害物センサの一例に相当する。
【0039】
レーザスキャナ31f,31b,51,61,LS1,LS2としては、例えばLiDAR(Light Detection And Ranging)を用いることができる。このようなレーザスキャナによれば、周囲をレーザ光で走査し、レーザ光が反射されて戻ってくるまでの時間を測定することによって、周囲の物体及び障害物等の形状や距離を取得することが可能となる。従って、レーザスキャナ31f,31b,51,61,LS1,LS2を用いることによって、周囲の障害物を検知することが可能となる。
【0040】
無人搬送車3は、レーザスキャナ31f,31bで取得されたデータに基づいて、いわゆるSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)走行可能とされている。すなわち、無人搬送車3は、レーザスキャナ31f,31bで取得されたデータに基づいて環境地図作成(Mapping)を作成し、自己位置推定(Localization)することによって、自立走行可能とされている。このように、レーザスキャナ31f,31bは、障害物を検知する第一障害物センサとしての機能と、SLAM走行用センサとしての機能とを兼ね備えている。
【0041】
なお、レーザスキャナ31f,31bをSLAM走行用センサとして用いる例に限らない。また、第一、第二、及び第三障害物センサは障害物を検知することができればよく、LiDAR等のレーザスキャナに限らない。無人搬送車3は、例えばカメラで撮像された画像を用いてSLAM走行してもよく、あるいは床面に設置された磁気マーカ等に沿って走行してもよく、種々の走行方式を用いることができる。
【0042】
図2は、図1に示す荷役システム1による荷役作業を説明するための説明図である。図2では、トラックの荷室R内への荷物Pの積み込み、又はトラックの荷室R内からの荷物Pの荷降ろしに係る荷役作業を例示している。
【0043】
例えば荷降ろしを行う場合、無人搬送車3を荷室Rの入り口付近に位置させ、荷室Rに積載された荷物Pをロボットアーム41で取り出して車載コンベア5に載置し、車載コンベア5で荷物Pを伸縮コンベア6へ搬送し、伸縮コンベア6が荷物Pを所望の搬送先まで搬送する。荷室Rの入り口付近の荷物Pを搬出し終わると、無人搬送車3が荷室R内に進入し、荷室Rの奥に積載された荷物Pの搬出を続行する。
【0044】
荷物Pの積み込みを行う場合には、荷降ろしとは逆に、無人搬送車3が荷室Rの奥から荷物Pを積載し、積載が進むに従って後退することになる。
【0045】
このように、荷物Pの荷降ろし又は積み込みの進捗に従って無人搬送車3が移動するので、無人搬送車3の移動に追従して伸縮コンベア6が伸縮することで、荷物Pの荷役作業を連続的に効率よく実施可能とされている。また、荷物Pの荷役作業を行うためには、無人搬送車3、ロボットアーム41、車載コンベア5、及び伸縮コンベア6が連動する必要がある。
【0046】
図3は、図1に示す荷役装置2の電気的構成の一例を示すブロック図である。図3では、荷役システム1の外部から供給された電力の供給経路を太線で、バッテリ32から供給される電力の供給経路を破線で、信号経路を細線で記載している。
【0047】
図3に示す荷役装置2は、無人搬送車3、ロボット4、車載コンベア5(搬送コンベア)、伸縮コンベア6(搬送コンベア)、レーザスキャナ51,61(第二障害物センサ)、コネクタ35~38,52,53,55~58,62,63,65,66、信号配線WS,WS5,WS6,及び電源配線WP,WP51,WP52,WP61,WP62を備えている。
【0048】
コネクタ55,56,57は車載コンベア5に取り付けられ、コネクタ35,36,37は無人搬送車3に取り付けられている。コネクタ55,56,57は、コネクタ35,36,37に対して脱着可能とされている。これにより、無人搬送車3に対して車載コンベア5が電気的に脱着可能とされている。
【0049】
無人搬送車3は、レーザスキャナ31f,31b(第一障害物センサ)、バッテリ32、走行駆動部33、搬送コントローラ34、開閉器SW1、電源配線WP、及び信号配線WSを備えている。ロボット4は、ロボットアーム41、ロボットハンド42、カメラ43、画像処理コンピュータ44、及びロボットコントローラ45を備えている。
【0050】
無人搬送車3の電源配線WPの一端は、コネクタ35に接続されている。これにより、コネクタ65(受電部)によって外部電源から受電された電力が、電源配線WPに供給される。電源配線WPは、開閉器SW1を介して、コネクタ37,57、電源配線WP52、コネクタ38,58、及び電源配線WP62と接続されている。電源配線WP52は車載コンベア5と接続され、電源配線WP62は伸縮コンベア6と接続されている。これにより、電源配線WP,WP52,WP62は、コネクタ65によって受電された電力を、ロボットコントローラ45、車載コンベア5、及び伸縮コンベア6へ分配供給する。
【0051】
コネクタ65によって受電された電力が、電源配線WP,WP52,WP62によって、ロボットコントローラ45、車載コンベア5、及び伸縮コンベア6へ分配供給されるので、ユーザは、ロボットコントローラ45、車載コンベア5、及び伸縮コンベア6へ、外部電源から個別に電源配線を接続する必要がない。その結果、ユーザは、外部電源からの一本のケーブルCBL1をコネクタ65に接続するだけでよいので、ユーザの利便性が向上する。
【0052】
また、コネクタ55,56,57と、コネクタ35,36,37とによって、無人搬送車3と車載コンベア5とが電気的に脱着可能とされるので、無人搬送車3と車載コンベア5との連結時の配線作業が、コネクタを接続するだけでよく、無人搬送車3と車載コンベア5との連結作業が簡素化される。なお、無人搬送車3と車載コンベア5とを一体に構成してもよく、荷役装置2は、コネクタ37,57を備えなくてもよい。
【0053】
電源配線WPの分岐点BPと、車載コンベア5及び伸縮コンベア6との間には、開閉器SW1が介設されている。開閉器SW1は、搬送コントローラ34からの制御信号に応じて開閉する。これにより、搬送コントローラ34は、車載コンベア5及び伸縮コンベア6への電力供給、すなわち車載コンベア5及び伸縮コンベア6の駆動制御が可能とされている。
【0054】
信号配線WSは、コネクタ36と搬送コントローラ34とを接続する。これにより、レーザスキャナ51,61(第二障害物センサ)の検知データと、コネクタ66(外部信号受信部)に接続された外部のレーザスキャナLS1,LS2(第三障害物センサ)の検知データとを、搬送コントローラ34が取得可能とされている。
【0055】
バッテリ32は、搬送コントローラ34、レーザスキャナ31f,31b、走行駆動部33、及び画像処理コンピュータ44へ、動作用の電力を供給する。バッテリ32としては、種々の二次電池を好適に用いることができる。外部電源からバッテリへ電力を供給してもよい。これによりバッテリ交換できない場合等にもバッテリへの電力供給が可能となる。
【0056】
バッテリ32は、電力消費の大きいロボットコントローラ45、ロボットアーム41、及びロボットハンド42への電力供給は行わず、上述の通り、ロボットコントローラ45、車載コンベア5、及び伸縮コンベア6へは外部電源から供給された電力が供給され、ロボットアーム41及びロボットハンド42へはロボットコントローラ45から電力供給される。これにより、バッテリ32の放電量を減少させることができるので、荷役システム1の連続稼働時間を延ばすことが容易となる。
【0057】
一方、荷役装置2の自立走行に必要な搬送コントローラ34、レーザスキャナ31f,31b、及び走行駆動部33へは、バッテリ32から電力が供給されるので、走行の邪魔になるケーブルを荷役装置2に接続することなく荷役装置2を走行させることが可能となる。これにより、荷役装置2の走行の自由度を確保しつつ、荷役システム1の連続稼働時間を延ばすことが容易となる。
【0058】
走行駆動部33は、無人搬送車3を走行させるための図略の車輪を駆動するモータ等である。走行駆動部33は、搬送コントローラ34からの制御信号に応じて動作する。
【0059】
搬送コントローラ34は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、不揮発性の記憶装置、及びこれらの周辺回路等を用いて構成されている。そして、搬送コントローラ34は、例えば上述の記憶装置に予め記憶されたプログラムを実行することによって、走行制御部341、位置推定部342、及びコンベア制御部343として機能する。
【0060】
位置推定部342は、例えばレーザスキャナ31f,31bによって取得されたデータに基づいて、例えば上述のSLAM技術によって無人搬送車3の現在位置を推定する。
【0061】
走行制御部341は、位置推定部342によって推定された無人搬送車3の現在位置に基づいて、例えば上述のSLAM技術を用いて走行駆動部33を制御することによって、無人搬送車3を自立走行させる。
【0062】
コンベア制御部343は、車載コンベア5及び伸縮コンベア6による荷物Pの搬送動作を制御する。また、コンベア制御部343は、無人搬送車3の現在位置、及びレーザスキャナ31f,31b,51,61,LS1,LS2による障害物の検知結果に基づいて、車載コンベア5及び伸縮コンベア6を停止させる安全制御を実行する。
【0063】
従来、無人搬送車の制御は無人搬送車に搭載されたコントローラで実行され、コンベアの制御は地上に設置されたコントローラで実行されるのが一般的である。これに対し、搬送コントローラ34によれば、走行制御部341による走行駆動部33の制御と、コンベア制御部343による車載コンベア5及び伸縮コンベア6の制御とを、一つの搬送コントローラ34によって実行することができる。その結果、システム全体で必要とされるコントローラの数を減少させ、コントローラのコストを低減することが容易となる。
【0064】
ロボット4のカメラ43は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を備え、ロボットハンド42正面の画像を撮像する。
【0065】
画像処理コンピュータ44は、カメラ43で撮像された画像に、例えば輪郭を出す画像処理等を施したり、荷物Pを認識する処理等の画像処理を実行する。そして画像処理コンピュータ44は、その画像処理結果のデータをロボットコントローラ45へ送信する。
【0066】
画像処理コンピュータ44は、例えばWindows(登録商標)等のOS(Operating System)によって動作し、起動及び電源遮断のために所定時間を必要とする。そのため、もし仮に、画像処理コンピュータ44の動作用電力が、コネクタ65に接続される外部電源から供給されていた場合、例えばユーザが突然コネクタ65からケーブルCBL1を引き抜いたりすると、画像処理コンピュータ44を正常にシャットダウンさせることができず、画像処理コンピュータ44に異常をきたすおそれがある。また、ユーザがコネクタ65にケーブルCBL1を接続した際も、画像処理コンピュータ44への電力供給がされてから画像処理コンピュータ44を起動するまでに時間がかかるため、荷役システム1を稼働させるまでに時間がかかってしまう。
【0067】
一方、荷役システム1では、バッテリ32から画像処理コンピュータ44へ動作用電力が供給されるので、例えばユーザが突然コネクタ65からケーブルCBL1を引き抜いたとしても、画像処理コンピュータ44が異常をきたすことがない。また、ユーザがコネクタ65にケーブルCBL1を接続する前から、バッテリ32の供給電力によって画像処理コンピュータ44を予め起動しておくことができるので、ユーザがコネクタ65にケーブルCBL1を接続した後、荷役システム1を稼働させるまでの時間を短縮することが容易である。
【0068】
ロボットコントローラ45は、図略の制御回路と、インバータ451とを備えている。インバータ451は、電源配線WPから供給された、外部電源からの電力を、ロボットアーム41及びロボットハンド42を駆動させるサーボモータ等の駆動用電力に変換する。具体的には、インバータ451が、ロボットコントローラ45の制御信号に応じた周波数、電圧、電流を生成し、ロボットアーム41及びロボットハンド42へ供給することによって、ロボットコントローラ45の指示に応じた動作をロボットアーム41及びロボットハンド42にさせるようになっている。
【0069】
なお、ロボットコントローラ45は、ロボットアーム41へ駆動用電力を供給すればよく、必ずしもインバータ451を備える例に限らない。
【0070】
また、ロボットコントローラ45は、継手67で受け付けられたエアの、ロボットアーム41及びロボットハンド42への供給を制御することによっても、ロボットアーム41及びロボットハンド42の動きを制御可能とされている。
【0071】
このように、ロボットコントローラ45は、画像処理コンピュータ44から得られた画像処理結果等に基づき、ロボットアーム41及びロボットハンド42へ、電力やエアを供給したり、制御信号を出力したりすることによって、ロボットアーム41及びロボットハンド42に荷役作業を行わせる。
【0072】
また、ロボットコントローラ45は、搬送コントローラ34と通信可能とされている。通信によって、ロボットコントローラ45と搬送コントローラ34とが協調動作することが可能となる。その結果、車載コンベア5及び伸縮コンベア6とロボット4とによる連動動作を行わせることができ、荷役システム1による荷役作業をスムーズに行わせることが容易となる。
【0073】
図4は、図3に示すコンベア制御部343の動作の一例を示すフローチャートである。まず、コンベア制御部343は、車載コンベア5に対するロボット4による荷物Pの取り出し、積載動作、及び伸縮コンベア6に対するユーザによる荷物Pの取り出し、積載動作と連動して車載コンベア5及び伸縮コンベア6による荷物Pの搬送動作を制御する(ステップS1)。図3では、車載コンベア5及び伸縮コンベア6の搬送方向の変更等、詳細な制御に関わる構成の記載は省略している。
【0074】
図4では、説明の都合上ステップS1の搬送動作制御と、ステップS2~S6とを別のステップとして記載しているが、ステップS2~S6は搬送動作制御の一部であり、ステップS1とステップS2~S6とは並列的に実行される。例えば荷役装置2の起動当初からステップS2でNO、又はステップS3~S5のいずれかでYESのときは、最初から開閉器SW1がオフされてステップS1で車載コンベア5及び伸縮コンベア6が駆動されることはない。
【0075】
次に、コンベア制御部343は、位置推定部342によって推定された無人搬送車3の現在位置が、荷役のために予め設定された荷役位置であるか否かを確認する(ステップS2)。無人搬送車3の現在位置が、荷役位置と異なる場合(ステップS2でNO)、コンベア制御部343は、開閉器SW1をオフすることによって、コネクタ65で受電された電力の、車載コンベア5及び伸縮コンベア6への供給を遮断し、車載コンベア5及び伸縮コンベア6を停止させる(ステップS6)。
【0076】
荷役位置としては、図2に示す例では、例えば荷室Rの入り口にロボットアーム41が届く位置と、荷室Rの内部とを好適に設定することができる。これにより、無人搬送車3が荷役位置に停止していない場合、あるいは、荷役位置から離れた位置で、車載コンベア5と伸縮コンベア6とを連結する作業を行う場合等に、車載コンベア5及び伸縮コンベア6への電力供給を遮断することができるので、安全性を向上させることが可能となる。
【0077】
一方、無人搬送車3の現在位置が、荷役位置である場合(ステップS2でYES)、コンベア制御部343は、ステップS3、S4,S5を並行して実行する。ステップS3において、コンベア制御部343は、レーザスキャナ31f,31bによって、無人搬送車3周辺の予め設定された第一領域内で、障害物が検知されたか否かを確認する(ステップS3)。
【0078】
レーザスキャナ31f,31bのうち少なくとも一つによって、第一領域内で障害物が検知された場合(ステップS3でYES)、コンベア制御部343は、開閉器SW1をオフすることによって、コネクタ65で受電された電力の、車載コンベア5及び伸縮コンベア6への供給を遮断し、車載コンベア5及び伸縮コンベア6を停止させる(ステップS6)。
【0079】
第一領域としては、例えば無人搬送車3の周囲1~2m程度の範囲を好適に設定することができる。これにより、無人搬送車3の周辺に、例えば人などの障害物が存在した場合、車載コンベア5及び伸縮コンベア6を停止させることができるので、安全性を向上させることが可能となる。
【0080】
一方、レーザスキャナ31f,31bによって、第一領域内で障害物が検知されなかった場合(ステップS3でNO)の処理については後述する。
【0081】
ステップS4において、コンベア制御部343は、レーザスキャナ51,61によって、車載コンベア5及び伸縮コンベア6周辺の予め設定された第二領域内で障害物が検知されたか否かを確認する(ステップS4)。
【0082】
レーザスキャナ51,61のうち少なくとも一つによって、第二領域内で障害物が検知された場合(ステップS4でYES)、コンベア制御部343は、開閉器SW1をオフすることによって、コネクタ65で受電された電力の、車載コンベア5及び伸縮コンベア6への供給を遮断し、車載コンベア5及び伸縮コンベア6を停止させる(ステップS6)。これにより、車載コンベア5及び伸縮コンベア6の周辺に、例えば人などの障害物が存在した場合、車載コンベア5及び伸縮コンベア6を停止させることができるので、安全性を向上させることが可能となる。
【0083】
一方、レーザスキャナ51,61によって、第二領域内で障害物が検知されなかった場合(ステップS4でNO)の処理については後述する。
【0084】
ステップS5において、コンベア制御部343は、レーザスキャナLS1,LS2によって、荷役装置2の設置場所で障害物が検知されたか否かを確認する(ステップS5)。
【0085】
レーザスキャナLS1,LS2のうち少なくとも一つによって、荷役装置2の設置場所で障害物が検知された場合(ステップS5でYES)、コンベア制御部343は、開閉器SW1をオフすることによって、コネクタ65で受電された電力の、車載コンベア5及び伸縮コンベア6への供給を遮断し、車載コンベア5及び伸縮コンベア6を停止させる(ステップS6)。これにより、荷役装置2の設置場所に、例えば人などの障害物が存在した場合、車載コンベア5及び伸縮コンベア6を停止させることができるので、安全性を向上させることが可能となる。
【0086】
一方、レーザスキャナLS1,LS2によって、荷役装置2の設置場所で障害物が検知されなかった場合(ステップS5でNO)であって、かつステップS3,S4でNOの場合、すなわちステップS3,S4,S5のすべてでNOの場合、ステップS1~S6を繰り返す。
【0087】
上述の通り、荷役システム1はレーザスキャナLS1,LS2を含んでいなくてもよく、荷役システム1がレーザスキャナLS1,LS2を含まない場合、レーザスキャナLS1,LS2の出力信号は外部信号の一例に相当し、コネクタ66は外部信号受信部の一例に相当する。この場合、外部信号受信部であるコネクタ66は、外部信号であるレーザスキャナLS1,LS2の出力信号を受信し、コンベア制御部343を含む搬送コントローラ34は、レーザスキャナLS1,LS2の出力信号に基づいてステップS5,S6で車載コンベア5及び伸縮コンベア6(搬送コンベア)の動作を制御することとなる。
【0088】
なお、外部信号受信部であるコネクタ66で受信される外部信号は、レーザスキャナLS1,LS2の出力信号に限らない。
【0089】
コネクタ66等の外部信号受信部には、種々のセンサ及び/又は装置を接続することができ、搬送コントローラ34は、これら種々のセンサ及び/又は装置から外部信号受信部で受信された外部信号に基づいて、車載コンベア5及び伸縮コンベア6の動作を制御してもよい。これにより、搬送コントローラ34は、荷役システム1の外部の、種々のセンサ及び/又は装置と連携して車載コンベア5及び伸縮コンベア6を制御することが可能となる。
【0090】
また、外部信号受信部はコネクタに限らない。しかしながら、外部信号受信部をコネクタとすることによって、荷役システム1外部のセンサ及び/又は装置の信号線が増加した場合であっても、これら信号線を荷役装置2に接続することが容易となり、ユーザの利便性が向上する。
【0091】
なお、荷役装置2は、車載コンベア5及び伸縮コンベア6を備える例を示したが、荷役装置2は伸縮コンベア6を備えていなくてもよい。また、荷役装置2は、車載コンベア5を備えず、伸縮コンベア6が無人搬送車3に連結されていてもよい。また、荷役装置2は車載コンベア5および複数の伸縮コンベア6を備えてもよい。その場合、複数の伸縮コンベア6間はコネクタによって電気的に脱着可能に接続されていてもよい。また、車載コンベア5及び伸縮コンベア6は、無人搬送車3に連結されず、無人搬送車3から分離された状態で配置されていてもよい。
【0092】
また、ロボットコントローラ45は、荷役装置2に搭載される例に限られず、荷役装置2の外部に設置されていてもよい。
【0093】
また、荷役システム1は、コネクタ66を備えていなくてもよく、外部信号に基づいて、車載コンベア5及び伸縮コンベア6の動作を制御しなくてもよい。また、画像処理コンピュータ44へ、バッテリ32から電力供給する例に限られず、外部から供給された電力を画像処理コンピュータ44へ供給してもよい。また、画像処理コンピュータ44を備えていなくてもよい。
【0094】
また、荷役システム1はレーザスキャナLS1,LS2を備えていなくてもよく、コンベア制御部343はステップS5を実行しなくてもよい。また、車載コンベア5はレーザスキャナ51を備えていなくてもよく、伸縮コンベア6はレーザスキャナ61を備えていなくてもよく、コンベア制御部343はステップS4を実行しなくてもよい。また、無人搬送車3はレーザスキャナ31f,31bを備えていなくてもよく、コンベア制御部343はステップS3を実行しなくてもよい。
【0095】
また、搬送コントローラ34は位置推定部342を備えていなくてもよく、コンベア制御部343はステップS2を実行しなくてもよい。
【0096】
また、無人搬送車3と車載コンベア5とは、コネクタ35,36,37とコネクタ55,56,57とによって電気的に脱着可能に接続される例に限られず、荷役装置2は、コネクタ35,36,37とコネクタ55,56,57とを備えていなくてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 荷役システム
2 荷役装置
3 無人搬送車
4 ロボット
5 車載コンベア(搬送コンベア)
6 伸縮コンベア(搬送コンベア)
31f,31b レーザスキャナ(第一障害物センサ)
32 バッテリ
33 走行駆動部
34 搬送コントローラ
35~38,52,53,55~58,62,63 コネクタ
41 ロボットアーム
42 ロボットハンド
43 カメラ
44 画像処理コンピュータ
45 ロボットコントローラ
51,61 レーザスキャナ(第二障害物センサ)
54,64,67 継手
65 コネクタ(受電部)
66 コネクタ(外部信号受信部)
341 走行制御部
342 位置推定部
343 コンベア制御部
451 インバータ
AH1 エアホース
BP 分岐点
CBL1 ケーブル
LS1,LS2 レーザスキャナ
LS1W,LS2W 信号配線
P 荷物
R 荷室
SW1 開閉器
WP,WP51,WP52,WP61,WP62 電源配線
WS,WS5,WS6 信号配線
図1
図2
図3
図4