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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097060
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】脈動気道陽圧デバイスおよび使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20240709BHJP
【FI】
A61M16/00 305A
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024072118
(22)【出願日】2024-04-26
(62)【分割の表示】P 2021523878の分割
【原出願日】2019-11-01
(31)【優先権主張番号】62/754,936
(32)【優先日】2018-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/755,850
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】513182776
【氏名又は名称】ユニバーシティ・オブ・シンシナティ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】オレン,リラン
(72)【発明者】
【氏名】ガットマーク,エフライム
(72)【発明者】
【氏名】トマック,メフメト
(57)【要約】      (修正有)
【課題】OSAに罹患したユーザ等に気流を送達するための代替的なデバイス、およびそのようなデバイスの使用方法を提供する。
【解決手段】連続気流を発生させる流れ発生器102と、脈動気流の周波数を変動させるために、所定のデューティサイクルに基づいて連続気流から脈動気流を発生させるように構成された脈動流送達機構を備える第1のアクチュエータ104と、脈動気流の周波数で脈動空気の渦を生成し、ユーザに送達するように構成されたユーザインタフェース106と、流れ発生器、第1のアクチュエータ、およびユーザインタフェースを結合するチューブのセット107とを備えるデバイス100を用いて脈動空気をユーザに送達するための方法およびシステム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脈動空気をユーザに送達するためのデバイスであって、
連続気流を発生させる流れ発生器と、
脈動気流の周波数を変動させるために、所定のデューティサイクルに基づいて、前記連続気流から前記脈動気流を発生させるように構成された脈動流送達機構を備える少なくとも1つのアクチュエータと、
前記脈動気流の前記周波数で脈動空気の渦を生成し、前記ユーザに送達するように構成されたユーザインタフェースと、
前記流れ発生器、前記少なくとも1つのアクチュエータ、および前記ユーザインタフェースを結合するチューブのセットと
を備える、デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記ユーザインタフェースは、下流位置に配設され、前記チューブのセットの遠位部分を備え、前記チューブのセットの前記遠位部分は、大気放出時に前記脈動気流を前記脈動空気の渦に変換するように構成される、デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載のデバイスにおいて、前記脈動空気の渦は、環状形態の空気を含む、デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記チューブのセットの近位部分は、上流位置において前記流れ発生器に連通結合される、デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記連続気流は、前記所定のデューティサイクルの第1のデューティサイクル値に関連付けられた割合で前記脈動流送達機構に受けられ、前記連続気流は、前記所定のデューティサイクルの第2のデューティサイクル値と関連付けられた割合で、受けることを阻止される、デバイス。
【請求項6】
請求項5に記載のデバイスにおいて、前記所定のデューティサイクルは、前記第1のデューティサイクル値が50、30または20であり、前記第2のデューティサイクル値がそれぞれ50、70または80であるような、50/50デューティサイクル、30/70デューティサイクル、または20/80デューティサイクルを含む、デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記脈動流送達機構は、開位置と閉位置との間で切り替わるように構成された電磁弁の1つまたは複数のポートを備える、デバイス。
【請求項8】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記脈動流送達機構は、開ポートとしての開口部と、閉ポートとしての固体表面とを含むように構成された回転弁を備え、それによって、前記開ポートと前記閉ポートとの間の弁回転を通じて前記回転弁が開位置と閉位置との間で切り替わるように構成される、デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記脈動流送達機構は、ポンプ、フロートスイッチ、パドルホイール、ジェットコンポーネント、またはプランジャのうちの1つを含む、デバイス。
【請求項10】
請求項9に記載のデバイスにおいて、前記ポンプは、蠕動ポンプ、ダイヤフラムポンプ、ピストンポンプ、遠心ポンプ、電磁ポンプ、インピーダンスポンプ、クヌーセンポンプ、回転翼ポンプまたは真空ポンプのうちの1つを含む、デバイス。
【請求項11】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記少なくとも1つのアクチュエータは電磁弁を
備え、前記脈動流送達機構は、前記電磁弁を、(i)前記連続気流を受け、前記脈動気流に変換するための前記所定のデューティサイクルのオン部分中のオン位置と、(ii)前記連続気流を遮断するための前記所定のデューティサイクルのオフ部分中のオフ位置との間で切り替えるように構成される、デバイス。
【請求項12】
請求項11に記載のデバイスにおいて、前記少なくとも1つのアクチュエータは、真空ソースに連通結合され、前記ユーザインタフェースに向けて前記電磁弁の下流に配設された第2の電磁弁を備え、前記第2の電磁弁は、前記電磁弁が前記オン位置にあるときに閉じるように構成され、前記電磁弁が前記オフ位置にあるときに開き、陰圧を発生させるように構成される、デバイス。
【請求項13】
ユーザに脈動空気を送達するためのシステムであって、
上流位置における流れ発生器、脈動流送達機構を備える少なくとも1つのアクチュエータ、下流位置におけるユーザインタフェース、およびチューブのセットを備えるデバイスと、
前記デバイスに通信可能に結合されたプロセッサと、
前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記流れ発生器を介して、前記少なくとも1つのアクチュエータにおいて受けるための連続気流を発生させることと、
前記脈動流送達機構を介して、脈動気流の周波数を変動させる所定のデューティサイクルに基づいて、前記連続気流から前記脈動気流を発生させることと、
前記脈動気流の前記周波数で脈動空気の渦を発生させ、前記脈動流送達機構の下流に配設された前記下流位置の前記ユーザインタフェースに結合された前記チューブのセットの遠位部分を通じて前記ユーザに送達させることと
を行わせる命令を記憶する非一時的コンピュータ可読メモリと
を備える、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムにおいて、
前記デバイスに通信可能に結合された1つまたは複数の圧力センサを介して前記ユーザの呼吸圧を監視することと、
前記1つまたは複数の圧力センサによって検知される前記ユーザの陰圧の呼吸圧と協調して前記ユーザに前記脈動空気の渦を適用することと
を行うための命令を更に備える、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムにおいて、前記チューブのセットの前記遠位部分は、大気放出時に前記脈動気流を前記脈動空気の渦に変換するように構成される、システム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムにおいて、前記脈動空気の渦は、環状形態の空気を含む、システム。
【請求項17】
脈動空気をユーザに送達するための方法であって、
上流位置における流れ発生器と、所定のデューティサイクルに基づいて、可変周波数で脈動気流を発生させるように構成された脈動流送達機構を備える少なくとも1つのアクチュエータと、下流位置におけるユーザインタフェースと、前記流れ発生器、前記少なくとも1つのアクチュエータ、および前記ユーザインタフェースを結合するチューブのセットとを備えるデバイスを利用して、前記所定のデューティサイクルに基づいて前記可変周波数で脈動空気の渦を発生させるステップと、
前記デバイスに通信可能に結合された1つまたは複数の圧力センサを介して、前記ユーザの呼吸圧を監視するステップと、
前記1つまたは複数の圧力センサによって検知される前記ユーザの陰圧の呼吸圧と協調
して前記ユーザに前記脈動空気の渦を送達するステップと
を含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、前記所定のデューティサイクルに基づいて前記可変周波数で脈動空気の渦を発生させるステップは、
前記流れ発生器を介して、前記少なくとも1つのアクチュエータにおいて受けるための連続気流を発生させるステップと、
前記脈動流送達機構を介して、前記所定のデューティサイクルに基づいて、前記可変周波数で前記連続気流から前記脈動気流を発生させるステップと、
脈動空気の渦を発生させ、前記脈動流送達機構の下流に配設された前記下流位置の前記ユーザインタフェースに結合された前記チューブのセットの遠位部分を通じて前記脈動気流の前記可変周波数で前記ユーザに送達するステップと
を含む、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、前記チューブのセットの前記遠位部分は、大気放出時に前記脈動気流を前記脈動空気の渦に変換するように構成される、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、前記脈動空気の渦は、環状形態の空気を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、各々が「APPLICATION OF PULSATING AND VORTEX AIRFLOW TO CONTINUOUS POSITIVE AIRWAY PRESSURE(CPAP) THERAPY」と題する、2018年11月2日に出願された米国仮特許出願第62/754,936号および2018年11月5日に出願された米国仮特許出願第62/755,850号の優先権を主張するものであり、この各々の全体は参照により本明細書に組み込まれる。
連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載
【0002】
[0002]本発明は、国立衛生研究所により付与されたIUH54HL119810-04の下、政府の支援によってなされた。政府は本発明について特定の権利を有する。
【0003】
[0003]本明細書は、一般に、閉塞性睡眠時無呼吸(「OSA」)を治療するための気流療法デバイスに関し、より詳細には、OSAを治療するために、所定のデューティサイクルに基づいて脈動気流を発生させてユーザに送達するように構成された気流送達療法デバイスに関する。
【背景技術】
【0004】
[0004]閉塞性睡眠時無呼吸(「OSA」)は、呼吸努力にも関わらず、気流の減少または完全な停止を伴う慢性睡眠関連呼吸障害である。OSAは、睡眠中に筋肉が弛緩し、人物の咽頭周囲の軟組織を崩し、上気道を閉塞させるときに生じる。OSAを治療するための持続気道陽圧(CPAP)療法は、連続気流をユーザに送達するための封止マスクインタフェースを有するCPAPデバイスを含むことができる。しかしながら、そのようなCPAPデバイスは、ユーザの上気道に加圧空気を送達するのに十分な圧力を生成するために、マスクインタフェースの封止に頼る。マスクインタフェースは、睡眠時にユーザにとって煩わしい場合があり、かつ/または、封止が妨げられた場合に圧力が分散することに起因して不十分である場合がある。
【0005】
[0005]したがって、OSAに罹患したユーザ等のユーザに気流を送達するための代替的なデバイス、およびそのようなデバイスの使用方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本開示の主題によれば、1つの実施形態において、脈動空気をユーザに送達するためのデバイスが、連続気流を発生させる流れ発生器と、脈動気流の周波数を変動させるために、所定のデューティサイクルに基づいて、連続気流から脈動気流を発生させるように構成された脈動流送達機構を備える少なくとも1つのアクチュエータと、脈動気流の周波数で脈動空気の渦を生成し、ユーザに送達するように構成されたユーザインタフェースと、流れ発生器、少なくとも1つのアクチュエータ、およびユーザインタフェースを結合するチューブのセットとを備えることができる。
【0007】
[0007]1つの他の実施形態において、ユーザに脈動空気を送達するためのシステムが、デバイスと、デバイスに通信可能に結合されたプロセッサと、命令を記憶する非一時的コンピュータ可読メモリとを備えることができる。デバイスは、上流位置における流れ発生器と、脈動流送達機構を備える少なくとも1つのアクチュエータと、下流位置におけるユーザインタフェースと、チューブのセットとを備えることができる。命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、流れ発生器を介して、少なくとも1つのアクチュ
エータにおいて受けるための連続気流を発生させることと、脈動流送達機構を介して、脈動気流の周波数を変動させる所定のデューティサイクルに基づいて、連続気流から脈動気流を発生させることと、脈動気流の周波数で脈動空気の渦を発生させ、脈動流送達機構の下流に配設された下流位置のユーザインタフェースに結合されたチューブのセットの遠位部分を通じてユーザに送達させることとを行わせることができる。
【0008】
[0008]更に別の実施形態において、脈動空気をユーザに送達するための方法が、デバイスを利用して、所定のデューティサイクルに基づいて可変周波数で脈動空気の渦を発生させるステップを含むことができる。デバイスは、上流位置における流れ発生器と、所定のデューティサイクルに基づいて、可変周波数で脈動気流を発生させるように構成された脈動流送達機構を備える少なくとも1つのアクチュエータと、下流位置におけるユーザインタフェースと、流れ発生器、少なくとも1つのアクチュエータ、およびユーザインタフェースを結合するチューブのセットとを備えることができる。方法は、デバイスに通信可能に結合された1つまたは複数の圧力センサを介して、ユーザの呼吸圧を監視するステップと、1つまたは複数の圧力センサによって検知されるユーザの陰圧の呼吸圧と協調してユーザに脈動空気の渦を送達するステップとを更に含むことができる。
【0009】
[0009]本明細書に記載の実施形態によって提供されるこれらの特徴および追加の特徴は、図面と併せて以下の詳細な説明を鑑みてより完全に理解されよう。
【0010】
[0010]図面に示す実施形態は、本質的に説明的で例示的なものであり、特許請求の範囲によって定義される主題を限定することを意図したものではない。例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、以下の図面と併せて読むと理解することができ、ここで、類似の構造は類似の参照番号で示される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0011]本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、脈動空気の渦をユーザに送達するためのデバイスである。
図2】[0012]本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、脈動空気の渦をユーザに送達するためのデバイスの別の実施形態である。
図3】[0013]図3Aは、本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、脈動空気の渦を送達するための図1または図2のデバイスのユーザインタフェースの別の実施形態である。 [0014]図3Bは、本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、脈動空気の渦を送達するための図1または図2のデバイスのユーザインタフェースの更に別の実施形態である。
図4】[0015]本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、連続気流から脈動空気を生成するための図1または図2のデバイスの回転弁の実施形態である。
図5】[0016]本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、図1および/または図2の器具を利用するためにコンピュータおよびソフトウェアベースの方法を実施するためのシステムを概略的に示す。
図6】[0017]本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、図1図4のデバイスおよび/または構成要素、ならびに図5のシステムを利用した脈動空気の送達のためのプロセスのフロートチャートである。
図7】[0018]本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、図1図4のデバイスおよび/または構成要素、ならびに図5のシステムを利用した脈動空気の送達のための別のプロセスのフロートチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0019]図面を全体的に参照すると、本開示の実施形態は、所定のデューティサイクルに
基づいて、ユーザに送達するための気流の渦として脈動気流を発生させるように構成された気流送達療法デバイスを対象とする。脈動気流は、可変の脈動をもたらすように所定のデューティサイクルに基づいて発生し、以下でより詳細に記載されるように、脈動気流が可変の脈動において大気に放出されるとき、渦が生成される。ここで、そのような気流(例えば、噴流)送達療法デバイスの実施形態を詳細に参照する。実施形態の例は、構成要素およびシステムと共に、添付の図面に示されている。可能な場合はいつでも、同じ参照番号は、図面全体を通じて同じまたは類似の部品を指すのに用いられる。器具の様々な実施形態が、添付の図面を特に参照して本明細書において更に詳述される。
【0013】
[0020]閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を治療する際の持続気道陽圧(CPAP)療法との患者コンプライアンスは、治療の失敗の主要な原因となったままである。OSAは、進行中の呼吸努力にかかわらず、気流が減少または完全に停止することを伴う慢性睡眠関連呼吸障害である。OSAは、睡眠中に筋肉が弛緩し、人物の後咽頭における軟組織を崩し、人物の上気道を閉塞させるときに生じる。OSAは、睡眠中の呼吸の吸気段階中に生じる可能性が最も高く、この吸気段階は、陰圧の胸腔内圧の生成に関連付けられる。肺の圧力は、人物の鼻孔外の(大気)圧力未満であるため、空気は、肺と大気との間の圧力差の受動機構によって生成される気流として上気道に取り込まれる。OSAを有する人物の場合、気道閉塞につながる上気道の軟組織の崩れは、吸気中に上気道内に存在するそのような陰圧に起因して生じる可能性が高い。
【0014】
[0021]そのような気道閉塞は、睡眠中の呼吸の低減または完全な停止につながる場合があり、脳は、結果として生じる低酸素症および高炭酸症に対し、通常の呼吸を回復する、睡眠からの短い覚醒を生じさせるように身体に警告することにより応答することができる。OSAに起因して、そのような破壊的パターンは、毎晩数百回生じる場合がある。更に、OSAは、日中の眠気および疲労、自動車事故のリスクが高まる居眠り運転、(例えば、高血圧、卒中による)心血管罹患率、メタボリックシンドロームおよび2型糖尿病、非アルコール性脂肪性肝疾患、周術期合併症、および早期死亡を含む多岐にわたる副作用と独立して関連付けられ得る。
【0015】
[0022]OSAを治療するためのCPAP療法は、軟組織の崩れを防止し、これにより気道の閉塞を防止するために、スプリント支持する(splint)か、または上気道に陽圧を与えるように動作する。CPAP療法では、気流から上気道の内腔に加えられる圧力が周囲の軟組織から上気道に加えられる圧力よりも高い、提供される陽(気道)圧に起因して、気流が人物の上気道内に能動的に押し込まれ得る。そのようなCPAP療法によって発生させた、提供された陽圧を通じて生成および適用された空気圧スプリントは、軟組織の崩れを防止し、これにより気道閉塞を防止するために、上気道の開放を維持する。
【0016】
[0023]しかしながら、通常、気道閉塞を防止するためにユーザの少なくとも1つの呼吸通路に関する十分な陽圧を維持するためのそのようなCPAPデバイスの封止マスクインタフェースに関連する不快感に起因して、患者の非コンプライアンスによりCPAP療法におけるそのようなCPAPデバイスの効果が損なわれる。更に、特定の経路列に沿った空気粒子の連続運動によって特徴付けられる連続気流を送達するための封止マスクインタフェースを含むそのようなCPAPデバイスを用いて患者の上気道に陽圧の加圧空気を送達するために、そのようなCPAPデバイスは、封止マスクインタフェースと、ユーザの顔上の少なくとも1つの呼吸通路との間の密封を維持しなくてはならない。
【0017】
[0024]実施形態において、本明細書に記載の脈動気流送達療法デバイスは、そのようなデバイスとユーザの顔との間の密封されたインタフェースの必要性を低減するかまたはなくすように構成される。このため、脈動気流送達療法デバイスは、患者の睡眠サイクル全体にわたって、より侵入性が低く、被覆の少ないデバイスを用いることにより患者コンプ
ライアンスを改善することができる。脈動気流送達療法デバイスは、渦気流を生成するように構成され、これはユーザインタフェースと、患者の少なくとも1つの呼吸通路との間の密なインタフェースを必要としない。むしろ、発生させた渦気流の特性は、軟組織の崩れを防止し、これにより気道閉塞を防止するのに十分な陽圧で、流体が気道を加圧し、上気道を効果的にスプリント支持することを可能にする。脈動気流送達療法デバイスは、脈動し、軸線に沿った回転領域を含む一連の渦からなる渦気流を生成するように構成される。渦気流で形成された渦を、環状で、構造を失うことなく、特定の経路線に沿った空気粒子の連続運動の連続気流よりも、軸線に沿って遠くに進行するように構成されるトロイドパルスとして適用することができる。構造を失うことなく更に進行したそのような距離により、ユーザインタフェースと、ユーザの少なくとも1つの呼吸通路との間の密封を必要とすることなく上気道を開放しておくために上気道をスプリント支持するのに十分な陽圧を提供することができる。
【0018】
[0025]図1を参照すると、デバイス100は、流れ発生器102と、第1のアクチュエータ104等の少なくとも1つのアクチュエータと、ユーザインタフェース106と、流れ発生器102、第1のアクチュエータ104、およびユーザインタフェース106を結合するチューブのセットとを備えることができる。チューブ108は、流れ発生器102と第1のアクチュエータ104との間にこれらを結合するために配設され、チューブ110は、第1のアクチュエータ104とユーザインタフェース106との間にこれらを結合するために配設される。図2を参照すると、デバイス100’は、デバイス100の構成要素を備え、真空ソース112および第2のアクチュエータ114を更に備えることができる。以下でより詳細に説明されるように、適用される脈動を向上させるために、チューブのセット107は、真空ソース112と第2のアクチュエータ114との間にこれらを結合するために配設されたチューブ116と、第2のアクチュエータ114と、第1のアクチュエータ104の下流位置にあるチューブ110との間にこれらを結合するために配設されたチューブ118とを更に備えることができる。
【0019】
[0026]実施形態において、ユーザに脈動空気を送達するための図1図2のデバイス100、100’が、連続気流を発生させる流れ発生器102を備えて示されている。デバイス100、100’は、第1のアクチュエータ104等の少なくとも1つのアクチュエータを更に備える。第1のアクチュエータ104等の少なくとも1つのアクチュエータは、以下でより詳細に説明し、図5に示すように、脈動流送達機構316を備えることができる。脈動流送達機構316は、脈動気流の周波数を変動させるための所定のデューティサイクルに基づいて、流れ発生器102によって提供される連続気流から脈動気流を発生させるように構成される。このため、以下でより詳細に説明されるように、生成される脈動気流は、特定の周波数で脈動し、この周波数において、各パルスは、ユーザインタフェース106における遠位チューブ部分において特定の周波数で大気に放出される(複数の渦126からなる)渦に変換される。遠位チューブ部分は、以下でより詳細に説明されるように、図3Aのユーザインタフェース106Aの鼻孔チューブ122、124、または図3Bのユーザインタフェース106Bの湾曲鼻孔チューブ132、134等の、大気に脈動気流を放出するように構成されたチューブ110のまたはチューブ110に結合された遠位部分を含むことができる。そのような脈動、および結果として渦126の放出の周波数は、所定のデューティサイクルに基づいて変動することができる。
【0020】
[0027]図2のデバイス100’を参照すると、別の実施形態において、少なくとも1つのアクチュエータは、真空ソース112に連通結合され、ユーザインタフェース106に向けて第1のアクチュエータ104の下流に配設された第2のアクチュエータ114を更に備えることができる。第2のアクチュエータ114は、第1のアクチュエータ104がオフ位置にあるときに開き、陰圧を発生させ、第1のアクチュエータ104がオン位置にあるときに閉じ、第1のアクチュエータ104によって発生させた脈動気流の強度を強化
するように構成することができる。例えば、第1のアクチュエータ104および第2のアクチュエータ114は弁とすることができ、第2のアクチュエータ114は、第1のアクチュエータ104の下流にあり、真空ソース112に接続することができる。第2のアクチュエータ114は、脈動気流を生成する第1のアクチュエータ104が閉じているときに開くように構成することができ、第2のアクチュエータ114は、第1のアクチュエータ104および第2のアクチュエータ114が互いに位相がずれている場合等に、第1のアクチュエータ104が開く前に閉じるように構成することができる。そのような実施は、第2のアクチュエータ114の下流に配設されたチューブ118を通じて第1のアクチュエータ104を越えて配置されたチューブ110内に陰圧(例えば、大気未満の圧力)を発生させるように構成される。発生させた陰圧は、第1のアクチュエータ104が開くときに放出される脈動気流の運動量を強化するための吸引力としての役割を果たす。
【0021】
[0028]デバイス100、100’は、脈動気流の周波数において脈動空気の渦126(図3A)を発生させ、ユーザに送達するように構成されたユーザインタフェース106を更に備え、流れ発生器102、少なくともアクチュエータ104およびユーザインタフェース106を結合するためのチューブのセット107(図1のチューブ108、110、または図2のチューブ108、110、116、118等)を備える。非限定的な例として、本明細書に記載されるように、流量条件について、所定のデューティサイクルの開放期間が短縮されるときおよび/または図2の真空ソース112が第2のアクチュエータ114と共に利用されているとき、より強力な脈動気流が発生する。パルス強度の増大は、第1のアクチュエータ104のデューティサイクルの短縮に起因して生じる場合があり、閉鎖時の第1のアクチュエータ104の後(例えば、上流)の圧力上昇を可能にし、この圧力上昇は、第1のアクチュエータ104が開放しているときに発生する各パルスにおいて、より高速の増大した運動量に変換されるエネルギーの駆動力としての役割を果たすことができる。結果として得られる駆動圧力の大きさは、第1のアクチュエータ104の前(例えば、下流)におけるチューブ110に陰圧を誘発することによって更に強化することができ、これは、これにより第1のアクチュエータ104にわたる全体的な圧力降下が増大するためである。第1のアクチュエータ104からの各脈動気流は、第1のアクチュエータ104の下流のチューブ110の出口において渦に変換することができる。このため、50/50のデューティサイクルと比較して20/80のデューティサイクル等、所定のデューティサイクルの開放期間が短縮されるとき、より強力なパルスおよび対応するより強力な渦126を生成することができ、結果としてそのような脈動気流のパルスを発生させるように構成された第1のアクチュエータ104にわたる全体的な圧力降下が増大する。
【0022】
[0029]実施形態において、チューブのセット107の近位部分は、上流位置において流れ発生器102に連通結合される。ユーザインタフェース106は下流位置に配設され、(少なくとも1つのアクチュエータとユーザインタフェース106との間に配設されたチューブ110の遠位端に示すように)チューブのセット107の遠位部分を含む。チューブのセット107の遠位部分は、チューブのセット107の遠位部分を通じた大気放出時に脈動気流を脈動空気の渦126(図3A)に変換するように構成される。脈動空気の渦は、環状の、またはトロイドの形態の空気として放出することができる。
【0023】
[0030]限定ではないが例として、連続気流は、所定のデューティサイクルの第1のデューティサイクル値に関連付けられた割合で(例えば、第1のアクチュエータ104の)脈動流送達機構316によって受けられ、連続気流は、所定のデューティサイクルの第2のデューティサイクル値に関連付けられた割合で、受けることを阻止される。所定のデューティサイクルは、第1のデューティサイクル値が50、30または20であり、第2のデューティサイクル値がそれぞれ50、70または80であるような、50/50デューティサイクル、30/70デューティサイクル、または20/80デューティサイクルを含
むことができる。他のデューティサイクル範囲を所定のデューティサイクルとして用いることができることは本開示の範囲内にある。
【0024】
[0031]図1に戻って参照すると、(例えば、第1のアクチュエータ104の)脈動流送達機構316は、所定のデューティサイクルに基づいて開位置および閉位置間で切り替わるように構成された電磁弁等の弁の1つまたは複数のポートを含むことができる。実施形態において、少なくとも1つのアクチュエータは、第1のアクチュエータ104として電磁弁を備え、脈動流送達機構316は、(i)流れ発生器102からの連続気流を受け、脈動気流に変換するための、所定のデューティサイクルのオン部分中のオン位置と、(ii)流れ発生器102からの連続気流を遮断するための所定のデューティサイクルのオフ部分中のオフ位置との間で電磁弁を切り替えるように構成される。非限定的な例として、流れ発生器102に結合されたチューブ108から第1のアクチュエータ104に入る連続気流は、気流経路をそれぞれ有効にするかまたは遮断するように電磁弁におけるオンポートおよびオフポートを切り替えることによって、脈動流送達機構316によって脈動気流に変換され、脈動気流の周波数は、脈動流送達機構316の所定のデューティサイクルに基づいて変動させることができる。例えば、電磁弁のデューティサイクルは、「開/閉」状態の操作に基づいて変動することができる。非限定的な例として、1Hzで脈動気流を発生させるために、50/50のデューティサイクルを有する電磁弁が0.5秒にわたって開放することができ、0.5秒にわたって閉鎖することができるのに対し、30/70デューティサイクルを有する電磁弁は、0.3秒にわたって開放し、0.7秒にわたって閉鎖することができる。実施形態において、渦126は、20~30Hzで発生させ、送達することができる。例えば、20Hzにおいて、毎秒20の渦126を発生させ、ユーザに送達することができる。このため、20Hzにおけるユーザの3~5秒の吸気にわたって、約60の渦126をユーザに送達することができる。図7に関して以下でより詳細に説明されるように、渦126の送達と協調するためにユーザの鼻孔における圧力を捕捉するための、第2のチューブにおける1つまたは複数の圧力センサ312(図5)を介してユーザの呼吸サイクルが監視される実施形態において、ユーザの呼気は約5~7秒とすることができ、呼気では渦は送達されない。
【0025】
[0032]このため、空気の脈動噴流としての脈動気流を、電磁弁を用いて、流れ発生器102によって発生させた空気の連続噴流として連続気流から生成することができる。ポンプ等の流体源とすることができる流れ発生器102を用いて、電磁弁の上流の流れを連続して発生させ、連続気流を生成する。連続気流は、チューブ108を介して電磁弁に送達され、電磁弁において脈動気流に変換される。脈動気流は、チューブ110を介してユーザインタフェース106に送達され、チューブ110の遠位端は、例えば、デバイス100、100’のユーザの鼻孔内に受けるための、脈動気流から発生させた渦126をユーザインタフェース106において放出する。
【0026】
[0033]図3Aおよび図3Bを参照すると、ユーザインタフェース106の非限定的な例は、それぞれのユーザインタフェース106Aおよびユーザインタフェース106Bを含む。図3Aのユーザインタフェース106Aは、チューブ120から延びるそれぞれの鼻孔チューブ122、124を介して矢印128の方向にユーザの鼻の穴(例えば、鼻孔)に渦126A、126Bを送達するように構成される。このチューブ120は、チューブのセット107のチューブ110と結合されるように構成される。図3Bにおいて、ユーザインタフェース106Bは、チューブ110と結合されるヘッドセット130と、ユーザの鼻孔に渦126を送達するように構成された湾曲した一対の鼻孔チューブ132、134とを備える。実施形態において、ヘッドセットは、渦126をユーザの鼻孔に送達するためのプラスチックを備えるノーズバッド(nasal bud)に結合された発泡体キャップを含むことができる。
【0027】
[0034]図2に戻って参照すると、少なくとも1つのアクチュエータは、真空ソース112に連通結合され、ユーザインタフェース106に向けた第1のアクチュエータ104としての電磁弁の下流に配設された、第2のアクチュエータ114としての第2の電磁弁を更に備えることができる。第2の電磁弁は、電磁弁がオン位置にあるときに閉じるように構成され、電磁弁がオフ位置にあるときに開いて陰圧を発生させるように構成される。
【0028】
[0035]別の実施形態において、(例えば、第1のアクチュエータ104の)脈動流送達機構316は、図4に示す回転弁204を含むことができる。回転弁204は、開ポート206としての開口部と、閉ポート208としての固体表面とを含むように構成することができ、それによって、開ポート206と閉ポート208との間の弁回転を通じて回転弁が開位置と閉位置との間で切り替わるように構成される。
【0029】
[0036]実施形態において、回転弁204は、開位置に対応する1つまたは複数の開口部を画定する縁部を有する少なくとも1つの回転ホイールを有するファンホイールとして構成することができ、この開口部を通じて、空気の減衰が低減された状態で脈動気流のパルスを発生させる。少なくとも1つの回転ホイールの厚みは、片尖片鈍の(sharp blunt)縁部と比較して空気力学的特性が増大したテーパ状切断縁部を通じて、空気の減衰の低減をもたらし、ノイズ流を低減することができる。テーパ状切断縁部は、ノイズ減衰を低減するために、平滑な角部および涙形状を含むことができる。更にまたは代替的に、ノイズ減衰は、1つまたは複数のマフラー構成要素の使用を通じて脈動流送達機構316の回転弁204または他の構成を用いて低減させることができる。実施形態において、マフラー構成要素は、音を吸収するために、膨張可能とすることができる防音発泡体を備える。第1のマフラー構成要素を第1のアクチュエータ104の下流に配設して、脈動気流から発生し、チューブ110において第1のアクチュエータ104の下流に向けられるノイズを低減することができる。実施形態において、更にまたは代替的に、マフラー構成要素をチューブ108において第1のアクチュエータ104の上流に配設して、脈動気流に変換するために第1のアクチュエータ104に向けられた連続気流のノイズを低減することができる。
【0030】
[0037]代替的な実施形態において、(例えば、第1のアクチュエータ104の)脈動流送達機構316は、ポンプ、フロートスイッチ、パドルホイール、ジェットコンポーネント、またはプランジャのうちの1つを含むことができる。ポンプとして、脈動流送達機構316は、蠕動ポンプ、ダイヤフラムポンプ、ピストンポンプ、遠心ポンプ、電磁ポンプ、インピーダンスポンプ、クヌーセンポンプ、回転翼ポンプまたは真空ポンプとすることができる。
【0031】
[0038]図5を参照すると、図1および図2に示すように、脈動空気送達デバイスを利用するコンピュータおよびソフトウェアベースの方法を実施するためのシステム300を、例えば、脈動空気送達デバイスのユーザの監視流量および/または監視呼吸圧を表示するグラフィカルユーザインタフェース(GUI)の使用に伴って実施することができる。GUIは、例えば、ユーザワークステーション(例えば、コンピューティングデバイス324)においてディスプレイ上でアクセス可能とすることができる。システム300は、通信経路302、1つまたは複数のプロセッサ304、メモリ構成要素306、ユーザの呼吸圧を監視するための1つまたは複数の圧力センサ312、例えば、ストレージまたはデータベース314、脈動流送達機構316、ネットワークインタフェースハードウェア318、ネットワーク322、サーバ320および少なくとも1つのコンピューティングデバイス326を含む。システム300の様々な構成要素およびその相互作用が以下に詳細に説明される。
【0032】
[0039]いくつかの実施形態では、システム300は、イントラネットまたはインターネ
ット等の広域ネットワーク(WAN)またはネットワーク322を用いて実施される。コンピューティングデバイス324は、ネットワークへの接続およびネットワークのナビゲーションを可能にするデジタルシステムおよび他のデバイスを含むことができる。様々な地理的に多様な構成要素間の通信を可能にする他のシステム300変形が可能である。図5に示す線は、様々な構成要素間の物理的接続以外の通信を示す。
【0033】
[0040]上述したように、システム300は通信経路302を含む。通信経路302は、例えば導線、導電性トレース、光導波路等の信号の送信が可能な任意の媒体から、または信号の送信が可能な媒体の組合せから形成することができる。通信経路302は、システム300の様々な構成要素を通信可能に結合する。本明細書において用いられるとき、「通信可能に結合」という用語は、結合された構成要素が、例えば、導電性媒体を介した電気信号、空気を介した電磁信号、光導波路を介した光信号等のデータ信号を互いに交換することが可能であることを意味する。
【0034】
[0041]上述したように、システム300はプロセッサ304を備える。プロセッサ304は、機械可読命令を実行することが可能な任意のデバイスとすることができる。したがって、プロセッサ304は、コントローラ、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、または任意の他のコンピューティングデバイスとすることができる。プロセッサ304は、通信経路302によってシステム300の他の構成要素に通信可能に結合される。したがって、通信経路302は、任意の数のプロセッサを互いに通信可能に結合し、通信経路302に結合されたモジュールが分散コンピューティング環境において動作することを可能にすることができる。特に、モジュールの各々は、データを送信および/または受信することができるノードとして動作することができる。
【0035】
[0042]上述したように、システム300は、通信経路302に結合され、プロセッサ304に通信可能に結合されたメモリ構成要素306を備える。メモリ構成要素306は、非一時的コンピュータ可読媒体または非一時的コンピュータ可読メモリとすることができ、不揮発性または揮発性コンピュータ可読媒体として構成することができる。メモリ構成要素306は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、またはマシン可読命令がプロセッサ304によってアクセスおよび実行可能であるようにマシン可読命令を記憶することが可能な任意のデバイスを備えることができる。マシン可読命令は、例えば、プロセッサによって直接実行することができるマシン言語、またはマシン可読命令にコンパイルされるかアセンブルされ、メモリ構成要素306に保存され得るアセンブリ言語、オブジェクト指向プログラミング(OOP)、スクリプト言語、マイクロコード等の、任意のプログラミング言語で書かれたロジックまたはアルゴリズムを含むことができる。代替的に、マシン可読命令は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)構成もしくは特定用途向け集積回路(ASIC)、またはその同等物のいずれかを介して実装されるロジック等のハードウェア記述言語(HDL)で記述されてもよい。したがって、本明細書に記載の方法は、任意の従来のコンピュータプログラミング言語で、事前にプログラムされたハードウェア要素として、またはハードウェアおよびソフトウェア構成要素の組合せとして実施することができる。実施形態において、システム300は、プロセッサ360によって実行されると、プロセッサに、本明細書に記載されるように1つまたは複数の機能を実行させる命令を記憶する、メモリ構成要素306に通信可能に結合されたプロセッサ360を備えることができる。
【0036】
[0043]図5を更に参照すると、上述したように、システム300は、例えば、情報、上述した監視流れステータス、グラフィックレポート、メッセージ、アラートまたはこれらの組合せ等の視覚的出力を提供するための、コンピューティングデバイス324のスクリーン上のGUI等のディスプレイを備える。コンピューティングデバイス324のスクリーン上のディスプレイは、通信経路302に結合され、プロセッサ304に通信可能に結
合される。したがって、通信経路302は、ディスプレイをシステム300の他のモジュールに通信可能に結合する。ディスプレイは、例えば、陰極線管、発光ダイオード、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の光出力を送信することが可能な任意の媒体を含むことができる。加えて、ディスプレイまたはスマートデバイス324は、プロセッサ304およびメモリ構成要素306のうちの少なくとも1つを含むことができることに留意されたい。システム300が、図5において単一の統合されたシステムとして示されているのに対し、他の実施形態において、システムは独立したシステムとすることができる。
【0037】
[0044]本明細書に記載されるように、システム300は、ユーザの呼吸圧を監視する1つまたは複数の圧力センサ312と、ユーザに送達するための脈動する空気の渦を発生させる脈動流送達機構316とを備える。1つまたは複数の圧力センサ312および脈動流送達機構316は、通信経路302に結合され、プロセッサ304に通信可能に結合される。以下で更に詳述されるように、プロセッサ304は、システムモジュールから受信した入力信号を処理し、かつ/またはそのような信号から情報を抽出することができる。
【0038】
[0045]システム300は、システム300をネットワーク322等のコンピュータネットワークと通信可能に結合するためのネットワークインタフェースハードウェア318を備える。ネットワークインタフェースハードウェア318は、通信経路302がネットワークインタフェースハードウェア318をシステム300の他のモジュールと通信可能に結合するように通信経路302に結合される。ネットワークインタフェースハードウェア318は、無線ネットワークを介してデータを送信および/または受信することが可能な任意のデバイスとすることができる。したがって、ネットワークインタフェースハードウェア318は、任意の無線通信規格に従ってデータを送信および/または受信するための通信送受信機を含むことができる。例えば、ネットワークインタフェースハードウェア318は、例えば、ワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)、WiMax、Bluetooth、IrDA、ワイヤレスUSB、Z-Wave、ZigBee等の有線および/または無線コンピュータネットワークを介して通信するためのチップセット(例えば、アンテナ、プロセッサ、マシン可読命令等)を含むことができる。
【0039】
[0046]図5を更に参照すると、コンピューティングデバイス324上で実行されている様々なアプリケーションからのデータは、コンピューティングデバイス324からネットワークインタフェースハードウェア318を介してシステム300に提供することができる。コンピューティングデバイス324は、ネットワークインタフェースハードウェア318およびネットワーク322と通信可能に結合するためのハードウェア(例えば、チップセット、プロセッサ、メモリ等)を有する任意のデバイスとすることができる。特に、コンピューティングデバイス324は、上記で説明された無線コンピュータネットワークのうちの1つまたは複数を介して通信するためのアンテナを有する入力デバイスを含むことができる。
【0040】
[0047]ネットワーク322は、例えば、広域ネットワーク、メトロポリタンエリアネットワーク、インターネット、イントラネット、衛星ネットワーク等の任意の有線および/または無線ネットワークを含むことができる。したがって、ネットワーク322は、コンピューティングデバイス324によって、1つまたは複数のサーバ(例えば、サーバ320)にアクセスするための無線アクセスポイントとして利用することができる。サーバ320および任意の追加のサーバは、通常、ネットワーク322を介してリソースを送達するためのプロセッサ、メモリおよびチップセットを含む。リソースは、サーバ320からネットワーク322を介してシステム300にストレージ、ソフトウェアおよび情報を提供する、例えば処理することを含むことができる。加えて、サーバ320および任意の追加のサーバが、ネットワーク332を通じて、例えば、ネットワークの有線部分、ネットワークの無線部分、またはそれらの組合せ等を介して、互いにリソースを共有することが
できることに留意されたい。
【0041】
[0048]実施形態において、本明細書に記載されるようにユーザに脈動空気を送達するためのシステム300は、上流位置における流れ発生器102と、脈動流送達機構316を備える少なくとも1つのアクチュエータ(例えば、第1のアクチュエータ104)と、下流位置におけるユーザインタフェース106と、チューブのセット107とを備えるデバイス100、100’を備えることができる。システム300は、デバイス100、100’に通信可能に結合されたプロセッサ304と、プロセッサ304に通信可能に結合された非一時的コンピュータ可読メモリ306とを更に備えることができる。メモリ306は、プロセッサ304によって実行されると、プロセッサ304に、それぞれ以下でより詳細に説明されるプロセス400、500のブロック402~406または502~506に示すもの等の1つまたは複数の機能に従わせる命令を記憶し得る。実施形態において、命令は、流れ発生器102を介して、第1のアクチュエータ104等の少なくとも1つのアクチュエータにおいて受けるための連続気流を発生させることであり得る。命令は、更に、脈動流送達機構316を介して、流れ発生器102によって提供される連続気流から脈動気流を発生させることであり得る。生成される脈動気流は、脈動気流の周波数を変動させるための所定のデューティサイクルに基づく。命令は、更に、脈動流送達機構316の下流に配設された下流位置においてユーザインタフェース106に結合されたチューブのセット107の遠位部分を通じて脈動気流の周波数において脈動空気の渦を発生させ、ユーザに送達することであり得る。実施形態において、命令は、デバイス100、100’に通信可能に結合された1つまたは複数の圧力センサ312を介してユーザの呼吸圧を監視し、1つまたは複数の圧力センサ312によって検知されるユーザの陰圧の呼吸圧と協調してユーザに脈動空気の渦126を適用することであり得る。
【0042】
[0049]図6は、上記で説明されたシステム300によって実施されるプロセス等の、脈動空気をユーザに送達するためのプロセス400のフロートチャートである。ブロック402において、流れ発生器102を介して、少なくとも1つのアクチュエータ(例えば、第1のアクチュエータ104)において受けるための連続気流を発生させることができる。ブロック404において、脈動流送達機構316を介して、所定のデューティサイクルに基づいて、流れ発生器102によって提供される連続気流から脈動気流を可変周波数で発生させることができる。ブロック406において、脈動気流の周波数で脈動空気の渦126を発生させ、脈動流送達機構316の下流に配設された下流位置のユーザインタフェース106に結合されたチューブのセット107の遠位部分を通じてユーザに送達させることができる。
【0043】
[0050]図7は、上記で説明されたようなシステム300によって実施されるプロセス等の、脈動空気をユーザに送達するための別のプロセス500のフロートチャートである。ブロック502において、デバイス100、100’を利用して所定のデューティサイクルに基づいて可変周波数で脈動空気の渦126を発生させる。デバイス100、100’は、上流位置における流れ発生器102と、所定のデューティサイクルに基づいて、可変の周波数で脈動気流を発生させるように構成された脈動流送達機構316を備える少なくとも1つのアクチュエータ(例えば、第1のアクチュエータ104)と、下流位置におけるユーザインタフェース106と、流れ発生器102、少なくともアクチュエータおよびユーザインタフェース106を結合するためのチューブのセット107とを備える。
【0044】
[0051]ブロック502において、所定のデューティサイクルに基づいて可変周波数で脈動空気の渦126を生成するために、流れ発生器102を介して少なくとも1つのアクチュエータ(例えば、第1のアクチュエータ104)において受けるための連続気流を生成することができ、流れ発生器102によって提供される連続気流からの脈動気流を、脈動流送達機構316を介して所定のデューティサイクルに基づいて可変周波数で発生させる
ことができ、脈動空気の渦126を、脈動流送達機構316の下流に配設された下流位置においてユーザインタフェース106に結合されたチューブのセット107の遠位部分を通じて脈動気流の周波数において発生させ、ユーザに送達することができる。
【0045】
[0052]ブロック504において、ユーザの呼吸圧が、デバイス100、100’に通信可能に結合された1つまたは複数の圧力センサ312を介して監視される。1つまたは複数の圧力センサ312は、ユーザの陰圧の呼吸圧としての呼吸の吸気、およびユーザの陽圧の呼吸圧としての呼吸の呼気を監視し、ユーザの呼吸サイクルおよびパターンを監視するように構成することができる。ブロック506において、脈動空気の渦126は、1つまたは複数の圧力センサ312によって検知されるユーザの陰圧の呼吸圧と協調してユーザに送達される。ユーザの陰圧の呼吸圧と協調したそのような渦126の陽圧送達により、渦126の適用の運動量を更に向上させ、構造を保持し、閉塞のない気道をもたらすスプリントを提供することが可能となり得る。
【0046】
[0053]このため、本明細書に記載の脈動気流送達療法デバイスは、別様では連続気流送達療法デバイスに利用可能な密封されたユーザマスクインタフェースの必要性を低減するかまたはなくすことができる、OSA療法のための渦気流の適用を可能にする。そのような連続気流送達療法デバイスのマスクインタフェースのマスク封止が損なわれると、結果として、大部分の連続気流が上気道に入る代わりにマスクインタフェースから漏れ出る場合があり、これにより、気道をスプリント支持する有効な陽圧が低減する場合があるため、不十分な陽圧が上気道に送達されることになる場合がある。しかしながら、本明細書に記載の渦気流脈動気流送達療法デバイスが鼻孔(例えば、少なくとも1つの呼吸通路としての人物の鼻孔)に向けて方向付けられているとき、渦の敏速性および貫通特性に起因して、脈動気流の渦の大部分が上気道に入り、入る際に上気道の内腔に必要十分な陽圧を加え、気流をスプリント支持し、気道閉塞を防ぐことになるため、そのような封止は必要とされないことが可能である。
【0047】
[0054]本明細書において、特定の特性を具現化するために、または特定の様式で機能させるために特定の方法で「構成される」または「プログラムされた」本開示の構成要素についての言及は、構造的な言及であって、意図された用途に言及しているのではないことに留意されたい。より具体的には、本明細書において、ある構成要素が「構成される」または「プログラムされた」様式に対する言及は、構成要素の既存の物理的状態を示し、したがって、この構成要素の構造的特徴への明確な言及とみなされる。
【0048】
[0055]「実質的に」および「約」および「およそ」という用語は、任意の定量的比較、値、測定、または他の表現に帰され得る特有の不確実度を表すために本明細書で用いられ得ることに留意されたい。これらの用語はまた、問題の主題の基本的な機能を変化させることなく、定量的表現が規定の基準から変化し得る度合を表すために本明細書で用いられる。
【0049】
[0056]本明細書では特定の実施形態が例示および説明されているが、特許請求される主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な他の変更および修正がなされ得ることを理解されたい。更に、特許請求される主題の様々な態様が本明細書に記載されるが、このような態様は組み合わせて用いられる必要はない。したがって、添付の特許請求の範囲は、特許請求される主題の範囲内にあるそのような変更および修正の全てを網羅することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脈動空気をユーザに送達するためのデバイスであって、
連続気流を発生させる流れ発生器と、
脈動気流の周波数を変動させるために、所定のデューティサイクルに基づいて、前記連続気流から前記脈動気流を発生させるように構成された脈動流送達機構を備える少なくとも1つのアクチュエータと、
前記脈動気流の前記周波数で脈動空気の渦を生成し、前記ユーザに送達するように構成されたユーザインタフェースと、
前記流れ発生器、前記少なくとも1つのアクチュエータ、および前記ユーザインタフェースを結合するチューブのセットと
を備え
前記連続気流は、前記所定のデューティサイクルのオン部分に対応する第1のデューティサイクル値に関連付けられた割合で前記脈動流送達機構を通過し、前記連続気流は、前記所定のデューティサイクルのオフ部分に対応する第2のデューティサイクル値と関連付けられた割合で、前記脈動流送達機構を通過することを阻止され、前記第1のデューティサイクル値と前記第2のデューティサイクル値の合計は100であり、並びに、基準第1デューティサイクル値に対する前記第1のデューティサイクル値の減少が、生成される渦の強度を前記基準第1デューティサイクル値で生成される渦の強度に対して増大させ、前記基準第1デューティサイクル値に対する前記第1のデューティサイクル値の増加が、前記渦の強度を前記基準第1デューティサイクル値で生成される渦の強度に対して減少させる、
デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記ユーザインタフェースは、下流位置に配設され、前記チューブのセットの遠位部分を備え、前記チューブのセットの前記遠位部分は、大気放出時に前記脈動気流を前記脈動空気の渦に変換するように構成される、デバイス。
【請求項3】
請求項2に記載のデバイスにおいて、前記脈動空気の渦は、環状形態の空気を含む、デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記チューブのセットの近位部分は、上流位置において前記流れ発生器に連通結合される、デバイス。
【請求項5】
請求項に記載のデバイスにおいて、前記所定のデューティサイクルは、前記第1のデューティサイクル値が50、30または20であり、前記第2のデューティサイクル値がそれぞれ50、70または80であるような、50/50デューティサイクル、30/70デューティサイクル、または20/80デューティサイクルを含む、デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記脈動流送達機構は、開位置と閉位置との間で切り替わるように構成された電磁弁の1つまたは複数のポートを備える、デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記脈動流送達機構は、開ポートとしての開口部と、閉ポートとしての固体表面とを含むように構成された回転弁を備え、それによって、前記開ポートと前記閉ポートとの間の弁回転を通じて前記回転弁が開位置と閉位置との間で切り替わるように構成される、デバイス。
【請求項8】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記脈動流送達機構は、ポンプ、フロートスイッチ、パドルホイール、ジェットコンポーネント、またはプランジャのうちの1つを含む、デバイス。
【請求項9】
請求項に記載のデバイスにおいて、前記ポンプは、蠕動ポンプ、ダイヤフラムポンプ、ピストンポンプ、遠心ポンプ、電磁ポンプ、インピーダンスポンプ、クヌーセンポンプ、回転翼ポンプまたは真空ポンプのうちの1つを含む、デバイス。
【請求項10】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記少なくとも1つのアクチュエータは電磁弁を備え、前記脈動流送達機構は、前記電磁弁を、(i)前記連続気流を受け、前記脈動気流に変換するための前記所定のデューティサイクルのオン部分中のオン位置と、(ii)前記連続気流を遮断するための前記所定のデューティサイクルのオフ部分中のオフ位置との間で切り替えるように構成される、デバイス。
【請求項11】
請求項10に記載のデバイスにおいて、前記少なくとも1つのアクチュエータは、真空ソースに連通結合され、前記ユーザインタフェースに向けて前記電磁弁の下流に配設された第2の電磁弁を備え、前記第2の電磁弁は、前記電磁弁が前記オン位置にあるときに閉じるように構成され、前記電磁弁が前記オフ位置にあるときに開き、陰圧を発生させるように構成される、デバイス。
【請求項12】
ユーザに脈動空気を送達するためのシステムであって、
上流位置における流れ発生器、脈動流送達機構を備える少なくとも1つのアクチュエータ、下流位置におけるユーザインタフェース、およびチューブのセットを備えるデバイスと、
前記デバイスに通信可能に結合されたプロセッサと、
前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記流れ発生器を介して、前記少なくとも1つのアクチュエータにおいて受けるための連続気流を発生させることと、
前記脈動流送達機構を介して、脈動気流の周波数を変動させる所定のデューティサイクルに基づいて、前記連続気流から前記脈動気流を発生させることと、
前記脈動気流の前記周波数で脈動空気の渦を発生させ、前記脈動流送達機構の下流に配設された前記下流位置の前記ユーザインタフェースに結合された前記チューブのセットの遠位部分を通じて前記ユーザに送達させることと
を行わせる命令を記憶する非一時的コンピュータ可読メモリと
を備え
前記連続気流は、前記所定のデューティサイクルのオン部分に対応する第1のデューティサイクル値に関連付けられた割合で前記脈動流送達機構を通過し、前記連続気流は、前記所定のデューティサイクルのオフ部分に対応する第2のデューティサイクル値と関連付けられた割合で、前記脈動流送達機構を通過することを阻止され、前記第1のデューティサイクル値と前記第2のデューティサイクル値の合計は100であり、並びに、基準第1デューティサイクル値に対する前記第1のデューティサイクル値の減少が、生成される渦の強度を前記基準第1デューティサイクル値で生成される渦に対して増大させ、前記基準第1デューティサイクル値に対する前記第1のデューティサイクル値の増加が、前記渦の強度を前記基準第1デューティサイクル値で生成される渦に対して減少させる、
システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムにおいて、
前記デバイスに通信可能に結合された1つまたは複数の圧力センサを介して前記ユーザの呼吸圧を監視することと、
前記1つまたは複数の圧力センサによって検知される前記ユーザの陰圧の呼吸圧と協調して前記ユーザに前記脈動空気の渦を適用することと
を行うための命令を更に備える、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムにおいて、前記チューブのセットの前記遠位部分は、大気放出時に前記脈動気流を前記脈動空気の渦に変換するように構成される、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムにおいて、前記脈動空気の渦は、環状形態の空気を含む、システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
[0056]本明細書では特定の実施形態が例示および説明されているが、特許請求される主題の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な他の変更および修正がなされ得ることを理解されたい。更に、特許請求される主題の様々な態様が本明細書に記載されるが、このような態様は組み合わせて用いられる必要はない。したがって、添付の特許請求の範囲は、特許請求される主題の範囲内にあるそのような変更および修正の全てを網羅することが意図される。
[形態1]
脈動空気をユーザに送達するためのデバイスであって、
連続気流を発生させる流れ発生器と、
脈動気流の周波数を変動させるために、所定のデューティサイクルに基づいて、前記連続気流から前記脈動気流を発生させるように構成された脈動流送達機構を備える少なくとも1つのアクチュエータと、
前記脈動気流の前記周波数で脈動空気の渦を生成し、前記ユーザに送達するように構成されたユーザインタフェースと、
前記流れ発生器、前記少なくとも1つのアクチュエータ、および前記ユーザインタフェースを結合するチューブのセットと
を備える、デバイス。
[形態2]
形態1に記載のデバイスにおいて、前記ユーザインタフェースは、下流位置に配設され、前記チューブのセットの遠位部分を備え、前記チューブのセットの前記遠位部分は、大気放出時に前記脈動気流を前記脈動空気の渦に変換するように構成される、デバイス。
[形態3]
形態2に記載のデバイスにおいて、前記脈動空気の渦は、環状形態の空気を含む、デバイス。
[形態4]
形態1に記載のデバイスにおいて、前記チューブのセットの近位部分は、上流位置において前記流れ発生器に連通結合される、デバイス。
[形態5]
形態1に記載のデバイスにおいて、前記連続気流は、前記所定のデューティサイクルの第1のデューティサイクル値に関連付けられた割合で前記脈動流送達機構に受けられ、前記連続気流は、前記所定のデューティサイクルの第2のデューティサイクル値と関連付けられた割合で、受けることを阻止される、デバイス。
[形態6]
形態5に記載のデバイスにおいて、前記所定のデューティサイクルは、前記第1のデューティサイクル値が50、30または20であり、前記第2のデューティサイクル値がそれぞれ50、70または80であるような、50/50デューティサイクル、30/70デューティサイクル、または20/80デューティサイクルを含む、デバイス。
[形態7]
形態1に記載のデバイスにおいて、前記脈動流送達機構は、開位置と閉位置との間で切り替わるように構成された電磁弁の1つまたは複数のポートを備える、デバイス。
[形態8]
形態1に記載のデバイスにおいて、前記脈動流送達機構は、開ポートとしての開口部と、閉ポートとしての固体表面とを含むように構成された回転弁を備え、それによって、前記開ポートと前記閉ポートとの間の弁回転を通じて前記回転弁が開位置と閉位置との間で切り替わるように構成される、デバイス。
[形態9]
形態1に記載のデバイスにおいて、前記脈動流送達機構は、ポンプ、フロートスイッチ、パドルホイール、ジェットコンポーネント、またはプランジャのうちの1つを含む、デバイス。
[形態10]
形態9に記載のデバイスにおいて、前記ポンプは、蠕動ポンプ、ダイヤフラムポンプ、ピストンポンプ、遠心ポンプ、電磁ポンプ、インピーダンスポンプ、クヌーセンポンプ、回転翼ポンプまたは真空ポンプのうちの1つを含む、デバイス。
[形態11]
形態1に記載のデバイスにおいて、前記少なくとも1つのアクチュエータは電磁弁を備え、前記脈動流送達機構は、前記電磁弁を、(i)前記連続気流を受け、前記脈動気流に変換するための前記所定のデューティサイクルのオン部分中のオン位置と、(ii)前記連続気流を遮断するための前記所定のデューティサイクルのオフ部分中のオフ位置との間で切り替えるように構成される、デバイス。
[形態12]
形態11に記載のデバイスにおいて、前記少なくとも1つのアクチュエータは、真空ソースに連通結合され、前記ユーザインタフェースに向けて前記電磁弁の下流に配設された第2の電磁弁を備え、前記第2の電磁弁は、前記電磁弁が前記オン位置にあるときに閉じるように構成され、前記電磁弁が前記オフ位置にあるときに開き、陰圧を発生させるように構成される、デバイス。
[形態13]
ユーザに脈動空気を送達するためのシステムであって、
上流位置における流れ発生器、脈動流送達機構を備える少なくとも1つのアクチュエータ、下流位置におけるユーザインタフェース、およびチューブのセットを備えるデバイスと、
前記デバイスに通信可能に結合されたプロセッサと、
前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
前記流れ発生器を介して、前記少なくとも1つのアクチュエータにおいて受けるための連続気流を発生させることと、
前記脈動流送達機構を介して、脈動気流の周波数を変動させる所定のデューティサイクルに基づいて、前記連続気流から前記脈動気流を発生させることと、
前記脈動気流の前記周波数で脈動空気の渦を発生させ、前記脈動流送達機構の下流に配設された前記下流位置の前記ユーザインタフェースに結合された前記チューブのセットの遠位部分を通じて前記ユーザに送達させることと
を行わせる命令を記憶する非一時的コンピュータ可読メモリと
を備える、システム。
[形態14]
形態13に記載のシステムにおいて、
前記デバイスに通信可能に結合された1つまたは複数の圧力センサを介して前記ユーザの呼吸圧を監視することと、
前記1つまたは複数の圧力センサによって検知される前記ユーザの陰圧の呼吸圧と協調して前記ユーザに前記脈動空気の渦を適用することと
を行うための命令を更に備える、システム。
[形態15]
形態14に記載のシステムにおいて、前記チューブのセットの前記遠位部分は、大気放出時に前記脈動気流を前記脈動空気の渦に変換するように構成される、システム。
[形態16]
形態15に記載のシステムにおいて、前記脈動空気の渦は、環状形態の空気を含む、システム。
[形態17]
脈動空気をユーザに送達するための方法であって、
上流位置における流れ発生器と、所定のデューティサイクルに基づいて、可変周波数で脈動気流を発生させるように構成された脈動流送達機構を備える少なくとも1つのアクチュエータと、下流位置におけるユーザインタフェースと、前記流れ発生器、前記少なくとも1つのアクチュエータ、および前記ユーザインタフェースを結合するチューブのセットとを備えるデバイスを利用して、前記所定のデューティサイクルに基づいて前記可変周波数で脈動空気の渦を発生させるステップと、
前記デバイスに通信可能に結合された1つまたは複数の圧力センサを介して、前記ユーザの呼吸圧を監視するステップと、
前記1つまたは複数の圧力センサによって検知される前記ユーザの陰圧の呼吸圧と協調して前記ユーザに前記脈動空気の渦を送達するステップと
を含む、方法。
[形態18]
形態17に記載の方法において、前記所定のデューティサイクルに基づいて前記可変周波数で脈動空気の渦を発生させるステップは、
前記流れ発生器を介して、前記少なくとも1つのアクチュエータにおいて受けるための連続気流を発生させるステップと、
前記脈動流送達機構を介して、前記所定のデューティサイクルに基づいて、前記可変周波数で前記連続気流から前記脈動気流を発生させるステップと、
脈動空気の渦を発生させ、前記脈動流送達機構の下流に配設された前記下流位置の前記ユーザインタフェースに結合された前記チューブのセットの遠位部分を通じて前記脈動気流の前記可変周波数で前記ユーザに送達するステップと
を含む、方法。
[形態19]
形態18に記載の方法において、前記チューブのセットの前記遠位部分は、大気放出時に前記脈動気流を前記脈動空気の渦に変換するように構成される、方法。
[形態20]
形態19に記載の方法において、前記脈動空気の渦は、環状形態の空気を含む、方法。
【外国語明細書】