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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097074
(43)【公開日】2024-07-17
(54)【発明の名称】軸受を備えた手術用鋸被覆ブレード
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/14 20060101AFI20240709BHJP
   A61B 17/56 20060101ALI20240709BHJP
【FI】
A61B17/14
A61B17/56
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024073763
(22)【出願日】2024-04-30
(62)【分割の表示】P 2020545634の分割
【原出願日】2019-03-05
(31)【優先権主張番号】62/724,914
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/639,040
(32)【優先日】2018-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス デイヴィッド
(57)【要約】      (修正有)
【課題】摩耗を最小化するために、外側シースと内側ブレードとの間に隙間量を有する被覆ブレード組立品を提供する。
【解決手段】組立品は、それらの間に内側内腔(132)を有する、第一の部分(110)および第二の部分(112)を有する外側シースと、外側シースの内側内腔内に移動可能な内側ブレード(108)と、内側ブレードの第一の表面(152)内に第一のポケットと、第一のポケット内に第一の玉軸受(148)とを含む。第一の玉軸受は、内側ブレードの第一の表面と外側シースの第一の部分との間に隙間量を作出する。組立品はまた、内側ブレードの第二の表面内に第二の玉軸受(148)のための第二のポケットを含み得る。第二の玉軸受は、内側ブレードの第二の表面と外側シースの第二の部分との間に隙間量を作出する。第二のポケットは、第一のポケットに対してずらされた構成にある。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆ブレード組立品であって、
それらの間に内側内腔を有する、上部分および底部分を有する外側シースと、
前記外側シースの前記内側内腔内に移動可能な内側ブレードと、
前記外側シースの前記内側内腔内の玉軸受であって、
前記玉軸受が、前記内側ブレードと、前記外側シースの前記上部分および前記底部分のうちの少なくとも一つとの間に隙間量を作出する、玉軸受とを備える、被覆ブレード組立品。
【請求項2】
前記外側シースが、前記可動内側ブレードに対して静止している、請求項1に記載の組立品。
【請求項3】
前記内側ブレードが、近位切断端部に向かってテーパー状である、請求項1に記載の組立品。
【請求項4】
前記内側ブレードの前記近位切断端部に頭部をさらに備え、前記頭部がそこから延びる複数の切断歯を有する、請求項3に記載の組立品。
【請求項5】
前記頭部が近位に増大する幅を有する、請求項4に記載の組立品。
【請求項6】
前記内側ブレードが、そこから延びる複数の開口を有する円形のディスクを含む遠位接続端部を有する、請求項1に記載の組立品。
【請求項7】
前記円形のディスク内に延びる開口部をさらに備える、請求項6に記載の組立品。
【請求項8】
前記外側シースの前記底部分が、前記円形のディスクの前記開口部と整列する開口部を有する遠位端を含む、請求項7に記載の組立品。
【請求項9】
被覆ブレード組立品であって、
それらの間に内側内腔を有する、第一の部分および第二の部分を有する外側シースと、
前記外側シースの前記内側内腔内に移動可能な内側ブレードと、
前記内側ブレードの第一の表面内の第一のポケットと、
前記第一のポケット内の第一の玉軸受であって、
前記第一の玉軸受が、前記内側ブレードの前記第一の表面と前記外側シースの前記第一の部分との間に隙間量を作出する、第一の玉軸受とを備える、被覆ブレード組立品。
【請求項10】
前記内側ブレードの第二の表面内に第二のポケットをさらに備え、前記第二の表面が前記第一の表面と対向している、請求項9に記載の組立品。
【請求項11】
前記第二のポケット内に第二の玉軸受をさらに備える、請求項10に記載の組立品。
【請求項12】
前記第二の玉軸受が、前記内側ブレードの前記第二の表面と前記外側シースの前記第二の部分との間に隙間量を作出する、請求項11に記載の組立品。
【請求項13】
前記第二のポケットが、前記第一のポケットに対してずらされた構成にある、請求項10に記載の組立品。
【請求項14】
前記第一の部分を通って延びる第一の複数の切欠部をさらに備える、請求項9に記載の組立品。
【請求項15】
前記第二の部分を通って延びる第二の複数の切欠部をさらに含み、前記第二の複数の切欠部が前記第一の複数の切欠部と整列している、請求項14に記載の組立品。
【請求項16】
前記内側ブレードおよび前記外側シースのうちの少なくとも一つ上に被膜をさらに備え、前記被膜が、物理的蒸着(PVD)被膜、炭素被膜、および乾性潤滑被膜のうちの少なくとも一つから構成される、請求項9に記載の組立品。
【請求項17】
手術用鋸であって、
可動ブレードを受けるように構成された開口部を有するコレットを含む鋸頭部であって、
前記ブレードが前記コレット内に取り外し可能に接続される、鋸頭部と、
前記鋸頭部に接続されたハンドピースであって、前記ハンドピースが駆動機構を有し、
前記駆動機構が前記ブレードを移動させる、ハンドピースと、を備える、手術用鋸。
【請求項18】
前記可動ブレードが、一対のアームを有する静止外側シースを含む、請求項17に記載の手術用鋸。
【請求項19】
前記一対のアームが、前記コレット内の前記可動ブレードに接続する、請求項18に記載の手術用鋸。
【請求項20】
前記ブレードと前記コレットとの間に隙間量をさらに備える、請求項17に記載の手術用鋸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年3月6日に出願された、「Sheathed Surgical
Saw Blade and Bearings」と題する米国仮特許出願第62/639,040号、および2018年8月30日に出願された、「Sheathed Surgical Saw Blade with Bearings and Universal Saw Handpiece for Sheathed and Standard Blades」と題する米国仮特許出願第62/724,914号の優先権を主張し、その全体が本明細書に参照によって組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は一般に、外科手術ブレード組立品に関し、より具体的には、摩耗を最小化するために、外側シースと内側ブレードとの間に隙間量を有する被覆ブレード組立品に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
外科手術被覆ブレードは、可動内側部材(ブレード)および外側静止部材(シース)から構成される。使用中、カンチレバー力が組立品に印加されてそれが可動部品および静止部品を接触させるため、可動部材と静止部材との間の接触は不可避である。ブレードの高い線速度のため、組立品は、ブレードが静止シースと接触するときに非常に高温となって摩耗し得る。シースおよびブレードの加熱は、骨壊死、ならびに患者またはユーザの損傷を引き起こす可能性がある。さらに、ブレードがシースと接触することにより作出される摩耗により金属粒子が生成され、これが外科手術部位内に落下する可能性がある。
【0004】
設計により、被覆ブレード組立品および非被覆(標準)ブレードは手術用鋸ハンドピースと相互作用するために異なる機構を必要とし、そのため一方のブレードまたは他方のブレードを作動させるために異なるハンドピースを必要とする。一つは被覆ブレード組立品を駆動し、一つは非被覆ブレード組立品を駆動する、二つの異なる鋸ハンドピースが必要であることは、外科手術設備に対するさらなるコスト、および/または一つのブレードオプション(被覆または非被覆)の選択を必要とする。
【0005】
そのため、被覆ブレード組立品ならびに非被覆(標準)ブレードの両方を駆動するための単一の手術用鋸ハンドピース、および内側可動ブレードとシースとの間の潜在的な接触を防止または最小化する被覆ブレード組立品に対するニーズがある。
【0006】
関連技術セクションの免責条項の説明:特定の特許/刊行物/製品がこの関連技術セクションの説明またはこの開示の他の場所で議論されている限り、これらの議論は議論された特許/刊行物/製品は特許法の目的のための先行技術であるという許可として受け取るべきではない。例えば、議論された特許/刊行物/製品の一部または全ては、十分早期でない場合があり、十分早期に開発された主題を反映していない場合があり、および/または特許法の目的のために先行技術に相当するほど、十分に可能ではない場合がある。特定の特許/刊行物/製品が、この関連技術セクションの説明および/または出願全体を通して上記で議論されている限り、その説明/開示は参照により全て本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、被覆ブレード組立品ならびに非被覆(標準)ブレードの両方を駆動させる単一の手術用鋸、および可動内側ブレードと外側シースとの間の潜在的な接触を防止する被覆ブレードに関する。一態様によると、被覆ブレード組立品は、それらの間に内側内腔を有する、上部分および底部分を有する外側シースと、外側シースの内側内腔内に移動可能な内側ブレードと、外側シースの内側内腔内に少なくとも一つの玉軸受とを含む。玉軸受は、内側ブレードと、外側シースの上部分および底部分のうちの少なくとも一つとの間に隙間量を作出する。
【0008】
別の態様によれば、被覆ブレード組立品は、それらの間に内側内腔を有する、第一の部分および第二の部分を有する外側シースと、外側シースの内側内腔内に移動可能な内側ブレードと、内側ブレードの第一の表面内に第一のポケットと、第一のポケット内に第一の玉軸受とを含む。第一の玉軸受は、内側ブレードの第一の表面と外側シースの第一の部分との間に隙間量を作出する。
【0009】
別の態様によれば、本発明は手術用鋸である。手術用鋸は、可動ブレードを受けるように構成された開口部を有するコレットを含む鋸頭部を含む。ブレードは、コレット内に取り外し可能に接続される。ハンドピースは鋸頭部に接続され、ハンドピースはブレードを移動させる駆動機構を有する。
【0010】
本発明のこれらおよびその他の態様は、以下に記述される実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の一つまたは複数の態様は、本明細書の終了時に特許請求の範囲の例として特に指摘され、特定的に特許請求される。本発明の前述およびその他の物体、特徴、および利点は、以下の記述から添付図面と併せて明らかである。
【0012】
図1図1は、一実施形態による、被覆ブレード組立品の概略上面斜視図である。
図2図2は、一実施形態による、被覆ブレード組立品の概略分解斜視図である。
図3図3は、一実施形態による、被覆ブレード組立品の概略遠位図である。
図4図4は、代替的な実施形態による、被覆ブレード組立品の概略側面図である。
図5図5は、代替的な実施形態による、被覆ブレード組立品の概略上面斜視図である。
図6図6は、代替的な実施形態による、被覆ブレード組立品の概略分解斜視図である。
図7図7は、一実施形態による、汎用鋸頭部の概略側面斜視図である。
図8図8は、一実施形態による、汎用鋸頭部に接続された被覆ブレード組立品の概略側面斜視図である。
図9図9は、代替的な実施形態による、汎用鋸頭部に接続された非被覆ブレードの概略側面斜視図である。
図10図10は、図8の汎用鋸頭部に接続された被覆ブレード組立品の概略分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の態様および特定の特徴、利点、およびその詳細は、添付図面に図示した非限定的な例を参照しながらより完全に以下に説明される。本発明の詳細を不必要に不明瞭にしないよう、周知の構造の説明は省略される。しかしながら、本発明の態様を示しつつ、詳細な説明および特定の非限定的な例は、例示のみによって与えられ、限定されるものではないことが理解されるべきである。本発明の基礎となる概念の精神および/または範囲内
での様々な置換、修正、追加、および/または配置は、本開示から当業者には明らかであろう。
【0014】
ここで図面を参照すると、同様の参照番号が全体を通して同様の部分を指しており、図1は、一実施形態による、被覆ブレード組立品100の概略上面斜視図を示す。被覆ブレード組立品100は、近位端102から遠位端104に延びる。図示した実施形態に示すように、被覆ブレード組立品100は、それを通って延びる可動内側ブレード108を有する静止外側シース106を備える。
【0015】
ここで図2を参照すると、一実施形態による、被覆ブレード組立品100の概略分解斜視図が示されている。図示した実施形態では、被覆ブレード組立品100は、二つの部品、上部分110および底部分112を有する外側シース106を備える。上部分110および底部分112は、ステンレス鋼などの金属から構成される。図2に示すように、上部分110は細長い長方形のプレートである。図示した実施形態では、上部分110は、直線状の近位縁114および湾曲した遠位縁116を有する。底部分112もまた、直線状の近位縁118および湾曲した遠位縁120を有する細長い長方形のプレートである。底部分112はまた、円形の開口124を含む遠位端122を含む。図示した実施形態では、底部分112の遠位端122は、そこから延びる一対のアーム126(またはプロング)を含む。アーム126は互いに向かって延びるが接せず、その間にギャップ128を形成する。ギャップ128は、図示するように円形の開口124内に延びる。
【0016】
さらに図2を参照すると、外側シース106は、直線状の近位縁118と湾曲した遠位縁120との間に底部分112に沿って延びるトラック130をさらに含む。トラック130は、被覆ブレード組立品100内に、外側シース106の上部分110と底部分112との間に内側内腔132を画定する。内側内腔132は、内側ブレード108に適合するようにサイズ決めされ、構成される。
【0017】
図2に示すように、内側ブレード108は、近位切断端部134および遠位接続端部136(「ハブ」164とも呼ばれる)を含む。図示した実施形態では、内側ブレード108は、細長くてテーパー状であり、近位切断端部134に向かって狭窄している。内側ブレード108の近位切断端部134は、複数の切断歯140を有する頭部138を含む。図2に示す実施形態では、近位切断端部134の頭部138は、台形形状であり、近位方向に幅が増大している。遠位接続端部136は、複数のスロット144およびそれを通って延びる開口部146を有する円形のディスク142を含む。ディスク142は、底部分112の遠位端122の開口124に適合するようにサイズ決めされ、構成される。さらに、ディスク142の開口部146は、底部分112の遠位端122のギャップ128と整列するように配置される。内側ブレード108の遠位接続端部136および底部分112の遠位端122の目的は、鋸頭部160(図7)への被覆ブレード組立品100の接続を促進することである。
【0018】
また、図2に示すように、被覆ブレード組立品100は、外側シース106の上部分110と内側ブレード108との間、および外側シース106の底部分112と内側ブレード108との間に一つ以上の玉軸受148をさらに含む。玉軸受148は、内側ブレード108の両側に着座または配置され、内側ブレード108、および外側シース106の上部分110および底部分112に対して回転する。よって、玉軸受148は、内側ブレード108の移動を可能にして、内側ブレード108と外側シース106との間の接触を最小化することを可能にする。玉軸受148は、内側ブレード108、または外側シース106の上部分110および底部分112内のブラインド孔またはスロット(図示せず)内に埋め込まれ得る。玉軸受148は、内側ブレード108と外側シース106との間の隙間を維持するために、内側ブレード108または外側シース106の表面を越えて突出す
る。
【0019】
ここで図3~4を参照すると、一実施形態による、被覆ブレード組立品100の概略遠位図および概略側面図が示されている。図3は、被覆ブレード組立品100の近位端102を示す。図示された実施形態では、内側ブレード108は、外側シース106の内側内腔132内に(上部分110と底部分112との間に)位置付けられて示されている。同じく図3に示すように、玉軸受148は、内側ブレード108の上面152のポケット150内に位置付けられる。
【0020】
図4は、被覆ブレード組立品100の側面図を示す。図示した実施形態では、内側ブレード108は、外側シース106の内側内腔132内に位置付けられる。図4に示す内側ブレード108は、一つのポケット150Aは内側ブレード108の上面152に、一つのポケット150Bは内側ブレード108の底面154にある、二つのポケット150A、150Bを有し、玉軸受148は、ポケット150A、150B内に位置付けられている。図示した実施形態では、二つのポケット150A、150Bは、一方のポケット150Aが他方のポケット150Bと比較して内側ブレード108の近位切断端部134に対して遠位にあるようにずらされている。玉軸受148はポケット150A、150Bに適合するようにサイズ決めされ、構成され得るが、被覆ブレード組立品100はポケット150A、150Bを必要としない。玉軸受148は、外側シース106のサイズおよび外側シース106内の内側ブレード108の幅によって制約され得る。玉軸受148のずらされた構成は、内側ブレード108と外側シース106との間に隙間を提供し、組立品内の摩擦を大きく減少させ、それによって熱、摩耗、および金属粒子生成を減少させる。また、隙間により、流体が被覆ブレード組立品100の可動部品を潤滑することが可能になる。
【0021】
ここで図5図6を参照すると、代替的な実施形態による、被覆ブレード組立品100の概略上面斜視図および概略分解斜視図が示されている。図5および図6に示す被覆ブレード組立品100の代替的な実施形態において、外側シース106は複数の切欠部146(すなわち、開口または開口部)を含む。図5に示すように、外側シース106の上部分110は、それを通って延びる三つの台形形状または三角形の切欠部156Aを含む。しかしながら、任意の形状または構成の任意の数の切欠部156Aを使用することができる。
【0022】
図6では、外側シース106の底部分112は、それを通って延びる複数の切欠部156B(すなわち、開口または開口部)をさらに含む。外側シース106の底部分112はまた、それを通って延びる三つの台形形状または三角形の切欠部156Bを含む(ただし、任意の形状または構成の任意の数の切欠部156Bを使用することができる)。図示した実施形態では、外側シース106の底部分112の切欠部156Bは、外側シース106の上部分110の切欠部156A内に整列される。切欠部156A、156Bは、内側ブレード108と外側シース106との間の接触の表面積を減少させ、外科手術部位からの流体が可動部品を潤滑することを可能にする。よって、切欠部156A、156Bは、被覆ブレード組立品100内の摩擦および摩耗を減少させ、被覆ブレード組立品100の熱および金属粒子生成を減少させる。摩擦、摩耗、および熱をさらに減少させるために、内側ブレード108および外側シース106の任意の表面はまた、物理的蒸着(PVD)被膜、ダイヤモンド状炭素被膜、および/または二硫化タングステンなどの乾性潤滑被膜などの被膜158を含んでもよい。
【0023】
ここで図7を参照すると、一実施形態による、汎用鋸頭部160の概略側面斜視図が示されている。図示した実施形態では、鋸頭部160は、被覆ブレード組立品100(図1)および非被覆(標準)ブレード200の両方を収容するためのコレット162(開口部
170を有する)を含む。図1~2に示すように、被覆ブレード100を使用する場合、コレット162は、外部シース106を静止したまま維持する一方、内側ブレード108が内側ブレード108のハブ164を使用して係合および駆動されるように、外側シース106を固定する。非被覆(標準)ブレード200を使用する場合、鋸頭部160は、被覆ブレード組立品100(図2)のハブ164と同じ構造を有しているために、非被覆ブレード組立品200のハブ(図示せず)を使用して非被覆ブレード組立品200を係合および駆動する一方、コレット162は、標準ブレード200が外側シース106の固定に関連付けられた機構のいずれかと接触しないように、十分な隙間を提供する。鋸頭部160は被覆ブレード組立品100(図1)および非被覆(標準)ブレード組立品200の両方を収容できるため、二つの異なるタイプの鋸ハンドピースの必要性が除去され、購入コストおよび在庫が低減する。また、病院や外科センターの物流も改善される。図7に示す通り、単一の汎用鋸頭部160はまた、整形外科手術中の様々な外科手術切除に対するブレードタイプの選択において、ユーザ(例えば、医師)により多くの柔軟性を提供する。
【0024】
図8および9を簡単に参照すると、汎用鋸頭部160に接続された、それぞれ被覆ブレード組立品100および非被覆ブレード200の概略側面斜視図が示されている。図8および図9の両方に示すように、図7の汎用鋸頭部160は、ハンドピース166に取り付けられ得る。ハンドピース166は、電池式ハンドピースまたは空気圧ハンドピースなど、駆動機構を有する任意のハンドピースとし得る。
【0025】
図8において、被覆ブレード組立品100が使用される実施形態では、コレット162は、外側シース106の底部分112の遠位端122(図2)においてアーム126を捕捉する。特に、図10に示すように、コレット162上の一つ以上の隆起領域172は、被覆ブレード組立品100の外側シース106をクランプ(または捕捉)し、内側ブレード108が外側シース106内に本質的に浮動する一方で外側シース106を静止させて保持する。よって、コレット162は、同じく図10に示すように、可動内側ブレード108に接触することなく、静止外側シース106に接続する。
【0026】
図9に示すように、非被覆(標準)ブレード200が使用される場合、コレット162は、非被覆ブレード200のハブ(被覆ブレード組立品100のハブ164(図2)に類似した)に接続されるが、接触、加熱および損傷を防止するために、ブレード200とコレット162との間の隙間量168は残している。図9の隙間量168は、図10に示されるものなど、くぼみ174によってコレット162内に作出され得る。くぼみ174は、コレット162と非被覆ブレード200との間に隙間量168(図9)を提供する。
【0027】
図10はまた、コレット162および鋸頭部160の様々な他の構成要素も示す。図示した実施形態では、被覆ブレード組立品100は、キャップ176および従来的なコネクタ178を介してコレット162(および鋸頭部160)に取り付けられる。図示した実施形態では、コネクタ178はキャップ176に取り付けられ、被覆ブレード組立品100のハブ164およびコレット162を通って延びる。図10に示すように、鋸頭部160は駆動ハブ180を含む。駆動ハブ180は、鋸頭部160の可動構成要素である。静止外側シース106がコレット162の隆起領域172によってクランプされると、内側ブレード180は、ハンドピース166内の駆動機構(図示せず)に接続される駆動ハブ180によって駆動、移動、あるいは作動される。
【0028】
本明細書で定義され使用されるすべての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文書内の定義、および/または定義された用語の通常の意味を制御するために理解されるべきである。
【0029】
本明細書で様々な実施形態が説明され、図示されてきたが、当業者は、本明細書に記載
の機能を実施し、および/または結果および/または一つもしくは複数の利点を得るための様々な他の手段、および/または構造を容易に想起するであろうし、そのような変形および/または変更の各々は、本明細書に記載の実施形態の範囲内であると見なされる。より一般的に、当業者は、本明細書に記載されるすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成が、例示的であり、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成が、教示が使用される一つまたは複数の特定の用途に依存することを容易に理解するであろう。当業者は、本明細書に記載される特定の実施形態に対する多数の同等物を単に通常の実験を用いて認識することができ、または確認することができる。従って、前述の実施形態は、単に例示的なものとして提示されており、添付した特許請求の範囲およびその等価物の範囲内で、実施形態は、具体的に説明および請求された以外のその他の方法で、実行できることが理解されよう。本開示の実施形態は、本明細書に記載される個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法を対象とする。さらに、こうした特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、二つ以上のこうした特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせが、本開示の範囲内に含まれる。
【0030】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためであり、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。用語「備える(comprise)」(および「備える(comprises)」や「備える(comprising)」などのcompriseの任意の形式)、「有する(have)」(および「有する(has)」や「有する(having)」などのhaveの任意の形式)、「含む(include)」(および「含む(includes)」や「含む(including)」などのincludeの任意の形式)、および「包含する(contain)」(および「包含する(contains)」や「包含する(containing)」などのcontainの任意の形式)は、オープンエンドのリンク動詞であることがさらに理解されるだろう。結果として、一つまたは複数のステップまたは要素を「備える(comprise)」、「有する(have)」、「含む(include)」または「包含する(contain)」方法またはデバイス。同様に、一つまたは複数の特徴を「備える(comprise)」、「有する(have)」、「含む(include)」または「包含する(contain)」方法のステップ、またはデバイスの要素は、それら一つまたは複数の特徴を有するが、それらの一つまたは複数の特徴のみを保持することに限定されない。さらに、特定の方法で構成されるデバイスまたは構造は、少なくともそのように構成されるが、リストされていない方法で構成することもできる。
【0031】
以下の特許請求の範囲の全ての手段またはステッププラス機能要素の対応する構造、材料、行為および同等物は、もしあれば、具体的に請求される他の特許請求の要素と組み合わせて、機能を実行するための構造、材料または行為を含むことを意図している。本発明の説明は、例示および説明の目的で提示されてきたが、本発明に開示された形態で網羅的または限定されるものではない。多くの修正および変形は、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。実施形態は、本発明の一つまたは複数の態様の原理および実際の応用を最もよく説明し、当業者が、考えられる特定の用途に適した様々な修正を有する様々な実施形態について本発明の一つまたは複数の態様を理解できるように選択および説明された。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2024-05-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端から遠位端に延びる被覆ブレード組立品であって、
上部分および底部分を有する外側シースであって、前記上部分および前記底部分の間に内側内腔を有する外側シースと、
前記外側シースの前記内側内腔内で移動可能な内側ブレードと、
前記外側シースの前記内側内腔内の軸受と、
を備え、
前記軸受は、前記内側ブレードと前記外側シースの前記上部分および前記底部分のうちの少なくとも一つとの間に隙間量を作出しかつ前記内側ブレードおよび前記外側シースに対して回転するように構成された玉軸受である、被覆ブレード組立品。
【請求項2】
前記内側ブレードが前記外側シースに対して移動するように構成されている、請求項1に記載の組立品。
【請求項3】
前記内側ブレードは前記近位端側に近位切断端部を含み、前記内側ブレードが前記近位切断端部に向かってテーパー状である、請求項1に記載の組立品。
【請求項4】
前記内側ブレードの前記近位切断端部頭部を含み、前記頭部は複数の切断歯を有する、請求項3に記載の組立品。
【請求項5】
前記頭部が近位方向に増大する幅を有する、請求項4に記載の組立品。
【請求項6】
前記内側ブレードは前記遠位端側に円形のディスクを含む遠位接続端部を含み、前記円形のディスクは複数のスロットを有する、請求項1に記載の組立品。
【請求項7】
前記円形のディスクは、前記円形のディスクの外周から内側に延びる開口部をさらに備える、請求項6に記載の組立品。
【請求項8】
前記外側シースの前記底部分が、前記円形のディスクが適合する円形の開口及び前記円形のディスクの前記開口部と整列するギャップを有する遠位端を含む、請求項7に記載の組立品。
【外国語明細書】