(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097164
(43)【公開日】2024-07-18
(54)【発明の名称】仮設足場用塞ぎ板
(51)【国際特許分類】
E04G 5/00 20060101AFI20240710BHJP
【FI】
E04G5/00 301G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023000484
(22)【出願日】2023-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】501415659
【氏名又は名称】JFE機材フォーミング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】弁理士法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 潔
(72)【発明者】
【氏名】高橋 研二
(72)【発明者】
【氏名】中島 篤人
(72)【発明者】
【氏名】脇浜 佳祐
(57)【要約】
【課題】仮設足場の横架材での位置ずれや風荷重による吹き上げを確実に防止しできる塞ぎ板を提案する。
【解決手段】仮設足場を構成する横架材に沿い横並び姿勢で設置される床付き布わくにつき、その相互間に形成される隙間を閉塞する仮設足場用塞ぎ板において、前記床付き布わくの幅方向に沿う一対の短尺辺部と該床付き布わくの長手方向に沿う一対の長尺辺部とにより取り囲まれた輪郭形状を有し、該一対の長尺辺部の少なくとも一方を、床付き布わくの床板面に重ね合わせるとともに前記隙間に配置して該隙間を閉塞する板本体を備え、該板本体に、該長尺辺部と該短尺辺部とが交差する交差部位においてそれぞれ対向配置され、該横架材に引っ掛けて該板本体を横架材において支持するフックと、該板本体の下面側に設けられ、床付き布わくのいずれか一方のサイド壁部もしくは両方のサイド壁部のそれぞれに連係可能な連係ロッドとを設ける。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮設足場を構成する横架材に沿い横並び姿勢で設置される床付き布わくにつき、その相互間に形成される隙間を閉塞する仮設足場用塞ぎ板であって、
前記床付き布わくの幅方向に沿う一対の短尺辺部と該床付き布わくの長手方向に沿う一対の長尺辺部とにより取り囲まれた輪郭形状を有し、該一対の長尺辺部の少なくとも一方側を、床付き布わくの床板面に重ね合わせるとともに前記隙間に配置して該隙間を閉塞する板本体を備え、
該板本体は、該長尺辺部と該短尺辺部とが交差する交差部位においてそれぞれ対向配置され、該横架材に引っ掛けて該板本体を横架材において支持するフックと、該板本体の下面側に設けられ、床付き布わくのいずれか一方のサイド壁部もしくは両方のサイド壁部のそれぞれに連係可能な連係ロッドとを有することを特徴とする仮設足場用塞ぎ板。
【請求項2】
前記連係ロッドは、前記板本体の下面側に設けられた枢軸を介して回動可能に片持ち支持されたロッド本体と、該ロッド本体の自由端に設けられ、前記サイド壁部の外側面および底面に当接可能な鉤状ロッドとを有することを特徴とする請求項1に記載した仮設足場用塞ぎ板。
【請求項3】
前記鉤状ロッドは、その先端部から立ち上がり該鉤状ロッドと協働してその内側に該サイド壁部を収める凹所を区画形成する起立ロッドを有することを特徴とする請求項2に記載した仮設足場用塞ぎ板。
【請求項4】
前記板本体の下面側に設けられた前記枢軸は、該枢軸の締め込みにより前記連係ロッドの回動を規制する一方、その締め込みを解除することにより連係ロッドのロッド本体の回動を可能とする頭部を有することを特徴とする請求項2に記載した仮設足場用塞ぎ板。
【請求項5】
前記頭部による前記枢軸の締め込み、締め込み解除は、前記板本体の下面側に設けられた貫通孔を通して行うものであることを特徴とする請求項4に記載した仮設足場用塞ぎ板。
【請求項6】
前記頭部による前記枢軸の締め込み、締め込み解除は、前記板本体に設けられた貫通孔を通して行うものであることを特徴とする請求項4に記載した仮設足場用塞ぎ板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮設足場を構成する横架材に沿って床付き布わくを配列することにより歩行経路や作業スペースを形成する際に床付き布わくの相互間に形成される隙間を閉塞する塞ぎ板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
仮設足場における歩行経路や作業スペースは、起立姿勢に保持された支柱の相互間に差し渡された横架材に床付き布わくを横並び姿勢で配置することによって形成される。
【0003】
ところで、床付き布わくを用いて歩行経路や作業床を形成する場合、仮設足場の構築状況に応じて様々な寸法の支柱や横架材が使用されるため床付き布わくの相互間には隙間が形成される場合がある。
【0004】
このため、通常は、床付き布わくの相互間に形成される隙間に塞ぎ板を設置することにより安全性を確保しており、この点に関しては、例えば、特許文献1、特許文献2に開示された塞ぎ板が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6646966号公報
【特許文献2】実用新案登録第3019483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の塞ぎ板は、その上面での頻繁な歩行に伴う振動等により隙間の範囲内で横架材に沿う横滑りにより位置ずれが発生することがあり、このような不具合に対しては確実な対策を施しておくことが必要になるところ、従来知られている塞ぎ板では十分な対策がとられているとはいえないのが現状であった。
【0007】
本発明の目的は、横架材における横滑りに起因した位置ずれを確実に防止したうえで床付き布わくの相互間に形成される隙間を塞ぐことができる仮設足場用塞ぎ板を提案するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、仮設足場を構成する横架材に沿い横並び姿勢で設置される床付き布わくにつき、その相互間に形成される隙間を閉塞する仮設足場用塞ぎ板であって、前記床付き布わくの幅方向に沿う一対の短尺辺部と該床付き布わくの長手方向に沿う一対の長尺辺部とにより取り囲まれた輪郭形状を有し、該一対の長尺辺部の少なくとも一方側を、床付き布わくの床板面に重ね合わせるとともに前記隙間に配置して該隙間を閉塞する板本体を備え、該板本体は、該長尺辺部と該短尺辺部とが交差する交差部位においてそれぞれ対向配置され、該横架材に引っ掛けて該板本体を横架材において支持するフックと、該板本体の下面側に設けられ、床付き布わくのいずれか一方のサイド壁部もしくは両方のサイド壁部のそれぞれに連係可能な連係ロッドとを有することを特徴とする仮設足場用塞ぎ板である。
【0009】
上記の構成からなる仮設足場用塞ぎ板において前記連係ロッドは、前記板本体の下面側に設けられた枢軸を介して回動可能に片持ち支持されたロッド本体と、該ロッド本体の自由端に設けられ、前記サイド壁部の外側面および底面に当接可能な鉤状ロッドとを有すること、前記鉤状ロッドは、その先端部から立ち上がり該鉤状ロッドと協働してその内側に該サイド壁部を収める凹所を区画形成する起立ロッドを有すること、前記板本体の下面側に設けられた前記枢軸は、該枢軸の締め込みにより前記連係ロッドの回動を規制する一方、その締め込みを解除することにより連係ロッドのロッド本体の回動を可能とする頭部を有すること、前記頭部による前記枢軸の締め込み、締め込み解除は、前記板本体の下面側に設けられた貫通孔あるいは前記板本体に設けられた貫通孔を通して行うものであること、が課題解決のための具体的手段として好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、連係ロッドが床付き布わくのサイド壁部に連係したとき、塞ぎ板の板本体は、横架材に沿う動き(位置ずれ)が阻止される。また、本発明によれば、風の吹き上げ荷重による連係ロッドの、床付き布わくからの外れをも防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明にしたがう塞ぎ板の実施の形態を正面について示した図である。
【
図5】(a)は、
図1の右側面を拡大して示した図であり、(b)は、
図1の左側面を拡大して示した図である。
【
図7】(a)は、
図4のB-B断面を拡大して示した図であり、(b)は、
図4のC-C断面を拡大して示した図である。
【
図8】(a)~(f)は、
図6に示した姿勢で回動機構を連係ロッドとともに取り出して各面について拡大表示した図である。
【
図9】(a)は、仮設足場の平面を部分的に示した図であり、(b)は、(a)の側面を部分的に示した図であり、(c)は、(a)のD-D断面を示した図である。
【
図10】床付き布わくの相互間に形成された隙間に塞ぎ板を配置した状態を示した図であり、(a)は、平面図、(b)は、(a)のE-E断面を示した図である。
【
図11】(a)、(b)は、塞ぎ板の取り付け状況の説明図である。
【
図12】(a)~(f)は、
図11(b)に示した姿勢で回動機構を連係ロッドとともに取り出して各面について拡大表示した図である。
【
図14】連係ロッドの鉤状ロッドと床付き布わくのサイド壁部の位置関係を示した図である。
【
図15】本発明にしたがう塞ぎ板の他の実施の形態を示した図である。
【
図16】本発明にしたがう塞ぎ板の他の実施の形態を示した図である。
【
図17】(a)、(b)は、本発明にしたがう塞ぎ板の他の実施の形態を示した図である。
【
図18】(a)~(c)は、本発明にしたがう塞ぎ板のさらに他の実施の形態を示した図である。
【
図19】(a)、(b)は、連係ロッドの回動要領を示した図である。
【
図20】(a)、(b)は、本発明にしたがう塞ぎ板の運搬あるいは収納、保管要領の説明図である。
【
図21】(a)、(b)は、本発明にしたがう塞ぎ板を積み重ねた状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明する。
図1~4は、本発明にしたがう塞ぎ板の正面、背面、平面および底面をそれぞれ示した図であり、
図5(a)、(b)は、
図1に示した塞ぎ板の右側面および左側面を拡大して示した図である。また、
図6は、
図4のA-A断面を示した図であり、
図7(a)、(b)は、
図6のB-B断面、C-C断面を拡大して示した図であり、
図8(a)~(f)は、
図6に示した姿勢で回動機構を連係ロッドとともに取り出して各面を拡大表示した図であり、
図9(a)、(b)は、仮設足場の平面、側面を部分的に示した図であり、(c)は、(a)のD-D断面を示した図である。
【0013】
仮設足場における歩行経路や作業スペースは、
図9(a)~(c)に示すように、起立姿勢に保持された支柱Sの相互間に差し渡された横架材Tに床付き布わくWを横並び姿勢で配置することによって形成される。しかしながら、仮設足場を構成する支柱Sや横架材Tの設置間隔は建築、土木現場に応じて様々な寸法のものが使用されるため、床付き布わくWの相互間には隙間Mが形成される場合があることは前述したとおりである。本発明にしたがう塞ぎ板は、かかる隙間Mに配置して該隙間Mを閉塞するのに使用するものである。なお、塞ぎ板は、厚さが1.2~1.8mm程度の溶融亜鉛めっき鋼板等を用いて製作されるが、材質や厚さについてとくに限定されない。また、塞ぎ板の長さや幅は、任意に設定される。
【0014】
図1~9における符号1は、塞ぎ板の板本体である。板本体1は、床付き布わくWの幅方向に沿う一対の短尺辺部1a、1bと該床付き布わくWの長手方向に沿う一対の長尺辺部1c、1dとにて取り囲まれた輪郭形状を有し、一対の長尺辺部1c、1dの少なくとも一方側(この例では、長尺辺部1c)を、床付き布わくWの床板面に重ね合わせるとともに床付き布わくWの相互間に形成される隙間Mに配置することによって該隙間Mを閉塞する。
【0015】
板本体1としては、その上面に滑り止め用のエンボス加工が施されたものが用いることができる。また、長尺辺部1c、1dの、床付き布わくWに重ね合わさる部位の端縁には、曲げ加工によって形成された折り返し片が適宜設けられ、これによりその部位の強度を高めることができるようになっている。また、板本体1の短尺辺部1a、1bには、塞ぎ板を隙間Mに設置した際に横架材Tとの間に形成される隙間を防ぐことができるように端部金具1a1、1b1が取り付けられている。
【0016】
また、図における符号2は、板本体1の長尺辺部1dに設けられた側板である。側板2は、上端が板本体1の長尺辺部1dの端縁の全長にわたってつながり、該端縁において垂下保持される側板本体2aと、該側板本体2aの下端に内向き、水平姿勢でつながる底板2bと、底板2bの端縁から立ち上がるリップ2cから構成されている。
【0017】
板本体1と側板2とは、単一板を用い、プレス成形などにより一体成形することが可能であるが、板本体1と側板2とは溶接などによって連結することもできる。
【0018】
また、図における符号3は、長尺辺部1c、1dと短尺辺部1a、1bとが交差する交差部位においてそれぞれ対向配置され、横架材Tに引っ掛けることによって板本体1を横架材Tにおいて支持するフックである。フック3のいずれか一方、もしくは両方には、フック3が横架材Tから外れないように外れ止め用の爪部3aが設けられる。爪部3aは、図示はしないが板本体1の上面側から操作できるものを用いることができる。
【0019】
また、図における符号4は、板本体1の下面に設けられ、床付き布わくWのサイド壁部W1に連係可能な連係ロッドである。連係ロッド4は、ロッド本体4aと、該ロッド本体4aの自由端に設けられ、床付き布わくWのサイド壁部W1の外側面W2および底面W3に当接可能な鉤状ロッド4bとからなっている。鉤状ロッド4bとしては、ロッド本体4aの自由端につながる垂直部4b1と該垂直部4b1の端部につながる水平部4b2からなるもので構成することができる。
【0020】
また、図における符号5は、側板2の側板本体2a、底板2b、リップ2cとによって区画された空間に配置され、連係ロッド4のロッド本体4aにつながる回動機構である。回動機構5は、
図8(a)~(f)に示すように、側板本体2aに固定保持されるコの字状の断面形状をなすホルダー5aと、該ホルダー5aに平座金、ばね座金、割ピンにより抜け止めがなされたナット等を介して起立姿勢で配置され、連係ロッド4のロッド本体4aを回動可能に片持ち支持する枢軸(ボルト等)5bと、該枢軸5bの締め込みにより連係ロッド4のロッド本体4aの回動を規制(ロック)する一方、その締め込みを解除(ロック解除)することにより連係ロッド4のロッド本体4aの回動を可能とする頭部(六角形状を有するボルトの頭部等)5cと、ホルダー5aを補強するとともに連係ロッド4が90°以上回動することがないように連係ロッド4の基部に当接させてその回動を規制するストッパーとして機能するL型板状部材5dにて構成することができる。なお、回動機構5には、枢軸5bの締め込みを解除した状態で連係ロッド4を上下に移動させてリップ2cを乗り超えることを可能とする「あそび」が設けられている。
【0021】
塞ぎ板の使用前において、連係ロッド4は、側板2の側板本体2a、底板2b、リップ2cにて取り囲まれた空間内に収納されており、塞ぎ板の運搬時や、積み上げ収納時において該連係ロッド4が他の部材に引っ掛かって安全性を損なうことがないようになっている。
【0022】
本発明にしたがう塞ぎ板を用いて隙間Mを閉塞するには、仮設足場の下層の作業床から床付き布わくWを横架材Tに取り付け、該床付き布わくWが横架材Tに沿って移動しないよう該床付き布わくWを両側に位置する支柱Sにそれぞれ寄せたのち、
図10(a)、(b)に示すように、長尺辺部1cを床付き布わくWの床板面に重ね合わせるとともにフック3を横架材Tに引っ掛けて板本体1を隙間Mにおいて支持、位置決めする。
【0023】
そして、頭部5cを回転させて枢軸5bの締め込みを解除して連係ロッド4のロッド本体4aを、
図11(a)、(b)、
図12(a)~(f)に示すように枢軸5bを支点に回動させて側板2の側板本体2a、底板2b、リップ2cにて取り囲まれた空間から取り出すとともに、
図13に示すごとく、ロッド本体4aの自由端に設けられた鉤状ロッド4bの垂直部4b1を、床付き布わくWのサイド壁部W1の外側面W2に当接させ、鉤状ロッド4bの水平部4b2を該サイド壁部W1の底面W3に当接させたのち、該枢軸5bを締め込んで連係ロッド4のロッド本体4aの回動を規制する。これにより、塞ぎ板は、横架材Tに沿う向きへの動きが防止され、かつ、鉤状ロッド4bの水平部4b2により連係ロッド4の、床付き布わくWからの外れをも回避される。なお、連係ロッド4の径を大きくし、強度を向上させることで風の吹き上げ荷重による塞ぎ板のばたつきを抑制することができる。
【0024】
板本体1の下面側の、例えば、側板2の底板2bと、回動機構5のホルダー5aには、頭部5cにつながる貫通孔2d、5eを設けておくのが好ましく、この貫通孔2d、5eを通してインパクトドライバーあるいはラチェットレンチ6を頭部5cに適合させることにより枢軸5bの締め込み、締め込み解除を効率よく行うことができる。本発明にしたがう塞ぎ板は、枢軸5bの締め込み、締め込み解除の作業を、仮設足場の下層の作業床において行うことが可能であり安全性が高い。
【0025】
枢軸5bを締め込む方向と同じ向きで連係ロッド4のロッド本体4aを回動させて鉤状ロッド4bを床付き布わくWのサイド壁部W1に当接させることにより塞ぎ板の取付作業の容易化が可能となる。
【0026】
鉤状ロッド4bは、その平面視でロッド本体4の軸心に対して25~45°程度、より好ましくは30°程度の角度θを付与しておくのが望ましく(
図8(b))、これにより、
図14に示すように、鉤状ロッド4bの、床付き布わくWのサイド壁部W1のとくに底面W3に対するかかり度合いを大きくすることができる。
【0027】
図15は、鉤状ロッド4bの先端部に起立ロッド7を設け、鉤状ロッド4bと協働してその内側に床付き布わくWのサイド壁部W1を収める凹所を区画形成した構造からなるものである。起立ロッド7を設けることで塞ぎ板と床付き布わくWの連係強度が高まり塞ぎ板の位置ずれ、風荷重による吹き上げを確実に回避することができる。
【0028】
また、ロッド本体4aの自由端にヒンジ8を設け、このヒンジ8により、鉤状ロッド4bをロッド本体4aの自由端で揺動可能に支持する構造としてもよく、かかる構造によれば、床付き布わくWのサイド壁部W1への確実な当接を実現することができる。
【0029】
本発明にしたがう塞ぎ板は、
図16に示すように、板本体1の長手方向に沿って連係ロッド4を複数設けて床付き布わくWに対する連係を安定化させることも可能であり、その数については限定されない。
【0030】
また、本発明にしたがう塞ぎ板は、
図17(a)、(b)に示すように、隙間Mの両側に位置する床付き布わくWのいずれにおいても連係ロッド4を連係させる架け渡し構造とすることもできる。
【0031】
図18(a)~(c)は、回動機構5を構成するホルダー5aの上面板5a1と下面板5a2との間に支持板5a3を設け、この支持板5a3の上面に頭部5cが着座するように枢軸5bを組付けるとともに該支持板5a3の下側で枢軸5bに螺合するナット5fと係合ロッド4の基部とを溶接等によって接続した構造からなるものである。
【0032】
かかる塞ぎ板は、板本体1に設けられた貫通孔1eを通して塞ぎ板の上からインパクトドライバーあるいはラチェットレンチ6を頭部5cに適合させて枢軸5bの締め込み、締め込み解除の作業を行うものである。
【0033】
この場合、板本体1には、
図19(a)、(b)(板本体1の表面に形成されるエンボスは一部省略)に示すように、連係ロッド4の固定状況が板本体1の上から目視できる固定確認用孔9とシノ等の工具を差し入れて連係ロッド4を回動させる連係ロッド回動用孔10を複数設けておくのがよく、これにより、連係ロッド4を板本体1の上から回動させることができる。なお、
図19(a)、(b)では、固定確認用孔9を丸孔形状として示したが、連係ロッド4の固定状況を見やすくするためにその形状を長孔等に変更することもできる。また、
図19(a)、(b)では、連係ロッド回動用孔10を長孔形状として示したが、連係ロッド4を回動しやすくするために他の形状に変更してもよい。
【0034】
塞ぎ板の複数枚をまとめて運搬あるいは収納、保管しておくには、
図20(a)、(b)に示すように、塞ぎ板の裏面同士を向かい合わせで重ね合わせてそれを一組としてその複数組を
図21(a)、(b)に示すように前後の向きを交互に入れ替えながら積み重ねればよく、かかる積み重ね要領にしたがえば塞ぎ板をコンパクトにまとめておことができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明によれば、仮設足場の横架材での位置ずれや風荷重による吹き上げを確実に防止し得る塞ぎ板を提供することができる。
【符号の説明】
【0036】
1 板本体
1a、1b 短尺辺部
1a1,1b1 端部金具
1c、1d 長尺辺部
1e 貫通孔
2 側板
2a 側板本体
2b 底板
2c リップ
2d 貫通孔
3 フック
3a 爪部
4 連係ロッド
4a ロッド本体
4b 鉤状ロッド
4b1 垂直部
4b2 水平部
5 回動機構
5a ホルダー
5a1 上面板
5a2 下面板
5a3 支持板
5b 枢軸
5c 頭部
5d L型板状部材
5e 貫通孔
5f ナット
6 インパクトドライバー、ラチェットレンチ
7 起立ロッド
8 ヒンジ
9 固定確認用孔
10 連係ロッド回動用孔
W 床付き布わく
W1 サイド壁部
W2 外側面
W3 底面
M 隙間
S 支柱
T 横架材