(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097178
(43)【公開日】2024-07-18
(54)【発明の名称】宅配ボックス
(51)【国際特許分類】
A47G 29/30 20060101AFI20240710BHJP
【FI】
A47G29/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023000528
(22)【出願日】2023-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】591204517
【氏名又は名称】株式会社五十嵐コンピュータープレス
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 彰
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100CA02
3K100CA45
3K100CA60
(57)【要約】
【課題】施錠された状態であっても、内側から扉を押すだけで扉を開けることができる宅配ボックスを提供する。
【解決手段】宅配ボックスが、本体2と、本体2に設けられた、宅配物を収容する収容部4と、本体2に取付けられた開閉可能な扉5と、扉5を施錠および開錠するための扉ロック機構を有し、扉5に埋め込まれた機構部3と、を備え、機構部3を扉5に対して内側に回転可能に接続するスプリングヒンジ9により、扉ロック機構が施錠の状態であっても、収容部4内から扉5を押すことで扉5を開けることができるように構成される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体に設けられた、宅配物を収容する収容部と、
前記本体に取付けられた開閉可能な扉と、
前記扉を施錠および開錠するための扉ロック機構を有し、前記扉に埋め込まれた機構部と、を備え、
前記機構部を前記扉に対して内側に回転可能に接続するスプリングヒンジにより、前記扉ロック機構が施錠の状態であっても、前記収容部内から前記扉を押すことで前記扉を開けることができるように構成される、宅配ボックス。
【請求項2】
前記スプリングヒンジが、前記機構部の前記扉中央側の側面と、前記扉の外側表面の裏面とに固定される、請求項1に記載の宅配ボックス。
【請求項3】
前記機構部が、前記扉ロック機構が施錠の状態で前記本体のロック嵌合部に嵌合するロック片部を備え、前記扉ロック機構が施錠の状態で前記ロック片部が前記機構部から突出する側面と反対側の側面が、前記スプリングヒンジによって前記扉に接続される、請求項1に記載の宅配ボックス。
【請求項4】
前記機構部の横幅が、前記スプリングヒンジのトルク値の1/10以下の力で前記扉を内側から開けることができる長さである、請求項1~3のいずれか1項に記載の宅配ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は宅配物を収容する宅配ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、扉内側の施錠装置のレバーロックに解錠部材を荷物室側へ突出して設けたことで、荷物室内に閉じ込められた子供の手が解錠部材に触れることによって扉を容易に解錠することができる宅配ボックスが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の宅配ボックスでは、暗闇の中では確実に解錠部材に触れられるか定かではなく、確実に扉を開けることができない虞があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、施錠された状態であっても、内側から扉を押すだけで扉を開けることができる宅配ボックスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はかかる課題を解決するため、本体と、前記本体に設けられた、宅配物を収容する収容部と、前記本体に取付けられた開閉可能な扉と、前記扉を施錠および開錠するための扉ロック機構を有し、前記扉に埋め込まれた機構部と、を備え、前記機構部を前記扉に対して内側に回転可能に接続するスプリングヒンジにより、前記扉ロック機構が施錠の状態であっても、前記収容部内から前記扉を押すことで前記扉を開けることができるように構成される、宅配ボックスを提供する。
【0007】
前記宅配ボックスは、前記スプリングヒンジが、前記機構部の前記扉中央側の側面と、前記扉の外側表面の裏面とに固定される、としてもよい。
【0008】
前記宅配ボックスは、前記機構部が、前記扉ロック機構が施錠の状態で前記本体のロック嵌合部に嵌合するロック片部を備え、前記扉ロック機構が施錠の状態で前記ロック片部が前記機構部から突出する側面と反対側の側面が、前記スプリングヒンジによって前記扉に接続される、としてもよい。
【0009】
前記宅配ボックスは、前記機構部の横幅が、前記スプリングヒンジのトルク値の1/10以下の力で前記扉を内側から開けることができる長さである、としてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の宅配ボックスによれば、施錠された状態であっても、内側から扉を押すだけで扉を開けることができ、子供等の閉じ込め事故を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の好適な実施の形態に係る、宅配ボックスの全体斜視図である。
【
図2】同上、宅配ボックスの本体に回転可能に取付けられた機構部の正面図である。
【
図3】同上、施錠状態における機構部と扉の状態を示す上面図である。
【
図4】同上、施錠状態において収容部内から押した場合の状態を示す上面図である。
【
図5】同上、開錠位置における機構部の内部構成を示す正面図である。
【
図7】同上、施錠位置における機構部の内部構成を示す正面図である。
【
図8】同上、開錠操作を行う場合の機構部の内部構成を示す正面図である。
【
図9】同上、施錠位置から開錠位置に移動する場合の機構部の内部構成を示す正面図である。
【
図10】同上、手動操作により開錠操作を行う場合の機構部の内部構成を示す正面図である。
【
図11】同上、宅配ボックスの電気系統のブロック図と、宅配ボックスと携帯型情報端末装置やサーバーとの関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の宅配ボックスの好適な実施の形態について説明する。
【0013】
図1および
図2は、本発明に係る宅配ボックス1の外観の一例を示す全体斜視図、および、宅配ボックス1の本体2に回転可能に取付けられた機構部3の外観の一例を示す正面図である。宅配ボックス1は、宅配物を収容するために本体2に設けられた収容部4と、当該収容部4の開口面を塞ぎ、宅配物の入庫および出庫が可能なように、開閉可能に本体2に取付けられた扉5を備える。宅配ボックス1はさらに、扉5の施錠や開錠等の動作状況の情報を外部に送信し、外部から扉5の施錠および開錠の指示を受信する通信装置7(
図6を参照)を備える。
【0014】
(機構部)
機構部3は、扉5を施錠および開錠するための扉ロック機構6(
図5を参照)を有し、扉5に埋め込まれる。通常の状態では、扉5は図示しないスプリングにより閉まる方向に付勢されて閉まった状態であり、扉ロック機構6は開錠された状態である。機構部3には、引手部8が設けられ、引手部8に手をかけて手前に引くことで、扉5を開けて、収容部4から荷物の出し入れをすることができる。機構部3は、スプリングヒンジ9により、扉5に対して内側に回転可能に接続される。ここで、内側とは、収容部4側である。
【0015】
図3に示すように、スプリングヒンジ9は、機構部3の扉5中央側の側面10と、扉5の外側表面の裏面11とに固定される。このように構成することにより、扉ロック機構6が施錠の状態であっても、収容部4内から扉5を押した場合に、
図4に示すように機構部3がスプリングヒンジ9を軸に回転する。機構部3が扉5に対して内側に回転することで、扉ロック機構6が開錠され、扉5を開けることができる。
【0016】
スプリングヒンジ9のトルク値は、例えば、3~5kg/cmとすることが好ましい。スプリングヒンジ9のトルク値を考慮すると、機構部3の横幅は、例えば、10cm以上であることが好ましい。トルク値の1/10以下の力で扉5を内側から開けることができるからである。例えば5kg/cmのスプリングヒンジ9を2個用いて、機構部3の横幅が10cmである場合、内側からは1/10の力である1kgの力で扉5を開けることができる。一方、外側からは、引手部8の引っ掛かり部の横幅が1cmとすると、10倍の100kgの力がないと扉5を開けることができない。
【0017】
以上の構成により、子供が収容部4内に入り、誤って施錠されてしまった場合であっても、収容部4内から少ない力で扉5を押すことにより開錠されて扉5を開けることができ、閉じ込め事故を防止することができる。
【0018】
機構部3にはさらに、扉5のロック状態に応じて点灯、点滅および消灯する動作表示ランプとしてのロック表示ランプ12と、通信装置7の接続状態に応じて点灯、点滅および消灯する動作表示ランプとしての接続表示ランプ13とが設けられる。動作表示ランプ12,13は、例えば、LEDである。
【0019】
ロック表示ランプ12は、例えば赤色のランプであり、待機時(開錠状態時)は消灯、施錠状態時は点灯、施錠時は10秒間点灯、開錠時は後述するロック片部16(
図5を参照)が後述する第1レバー位置検出スイッチ24(
図5を参照)を離れたら消灯するように設定することができる。接続表示ランプ13は、例えば緑色のランプであり、待機時は消灯、接続中は点滅、接続完了すると点灯、操作が終了すると10秒後に消灯するように設定することができる。
【0020】
(扉ロック機構)
扉ロック機構6は、扉5を閉じた状態で施錠および開錠する。扉ロック機構6の表面には、施錠および開錠する際に操作するためのロック用摘み14が設けられる。
図2の状態では、例えば開錠位置であり、ロック用摘み14を右に90°回すことで、施錠される。
【0021】
図5に示すように、ロック用摘み14には、ロック回転部15が連結される。ロック回転部15からはロック片部16が延び、ロック片部16は、
図3に示すように、扉ロック機構6が施錠の状態で本体2のロック嵌合部17に嵌合して、扉5が開かないようになる。ロック回転部15は、スプリング18により、開錠位置の状態に付勢されて、機構部3に固定される。ロック回転部15には、ロック用突起19が設けられ、施錠位置の状態で、ロック用突起19が駆動機構片部20の先端部21に引っ掛かり、ロック片部16が施錠位置の状態に保持される。
【0022】
スプリングヒンジ9は、扉ロック機構6が施錠の状態でロック片部16が機構部3から突出する側面と反対側の側面10を、扉5に接続する。施錠された状態で内側から扉5を押した場合に、
図4に示すように機構部3がスプリングヒンジ9を軸に扉5に対して内側に回転し、ロック片部16がロック嵌合部17から外れて、扉ロック機構6が開錠され、扉5を開けることができる。
【0023】
駆動機構片部20は、駆動機構22としてのソレノイドの動作により上下移動する。駆動機構22が動作してソレノイドが吸引されると、
図8に示すように駆動機構片部20の先端部21が上方へ移動し、ロック用突起19が駆動機構片部20の先端部21から外れ、スプリング18の付勢力により、ロック片部16が開錠位置に移動する。
【0024】
開錠は、手動操作でも行うことができる。手動キー23が駆動機構片部20の上方に設けられる。図示しない鍵を手動キー23の鍵穴に差し込んで右に回すと、
図10に示すように手動キー23の一端が駆動機構片部20の一端を押し下げ、駆動機構片部20の先端部21が上方へ移動し、ロック用突起19が駆動機構片部20の先端部21から外れ、スプリング18の付勢力により、ロック片部16が開錠位置に移動する。
【0025】
(電源)
図6に示すように、後述する制御CPU部32(
図11を参照)に電力を供給する電源27としての電池を収納する電池ボックスが、扉ロック機構6の上方に設けられている。電源27は、例えば、単三乾電池を4本直列に接続して6Vの電源とすることができる。電源27は、通常オフの状態であり、後述する第1~第3レバー位置検出スイッチ24,25,26(
図5を参照)がそれぞれオンになると、制御CPU部32に電力を供給する。制御CPU部32による処理が終了すると、電源27はオフになる。
【0026】
(レバー位置検出スイッチ)
機構部3は、ロック用摘み14の位置を検出する2つの第1および第2レバー位置検出スイッチ24,25と、手動キー23の位置を検出する第3レバー位置検出スイッチ26とを備える。これらのスイッチには、例えば、マイクロスイッチを用いることができる。
【0027】
ロック片部16が
図5の開錠位置の状態で、第1~第3レバー位置検出スイッチ24,25,26はオフである。ロック用摘み14を右に90°回転して、
図5の状態から
図7の施錠位置の状態になると、第1レバー位置検出スイッチ24がオンになる。これにより、電源27が入り、制御CPU部32が起動する。
【0028】
図8に示すようにロック用摘み14がさらに右に回転すると、第2レバー位置検出スイッチ25がオンになる。これにより、電源27が入り、制御CPU部32が起動する。ロック用摘み14は、スプリング18の付勢力により、
図7の施錠位置の状態に戻る。
【0029】
手動キー23が
図10に示すように右に回転すると、第3レバー位置検出スイッチ26がオンになる。これにより、電源27が入り、制御CPU部32が起動する。
【0030】
(宅配ボックスとの間の通信)
図11は、宅配ボックス1の電気系統のブロック図と、宅配ボックス1と携帯型情報端末装置28やサーバー29との関係を示す。宅配ボックス1の通信装置7は、インターネット網等の通信ネットワーク30との接続を中継するルータ31と通信可能に構成される。通信装置7とルータ31との間は、無線プロトコルを使用して連結されればよい。通信装置7は、例えば、Wi-Fi(登録商標)ルータ31と信号を送受信して、通信ネットワーク30に情報をアップロードおよびダウンロードすることができる。
【0031】
サーバー29は、通信ネットワーク30に情報をアップロードおよびダウンロードできるように接続される。サーバー29には、宅配ボックス1からの通信によりWi-Fiルータ31を介して通信ネットワーク30にアップロードされた、宅配物の到着・施錠日時や、扉5の開錠日時、到着・施錠開錠履歴等の情報等をダウンロードして保存することができる。
【0032】
受取人の携帯型情報端末装置28としては、携帯電話やスマートフォン、タブレット端末等を使用することができる。
図11では、通信ネットワーク30と直接接続しているが、携帯型情報端末装置28も、Wi-Fi(登録商標)ルータ31を介して通信ネットワーク30と接続するようにしてもよい。携帯型情報端末装置28では、設定画面等が表示され、受取人が宅配ボックス1の操作を行ったり、情報の確認を行うことができる。具体的な宅配ボックス1の操作の一例としては、携帯型情報端末装置28の画面上で操作を行うことで、通信により扉5を施錠および開錠することができる。
【0033】
入庫および出庫の情報は、その都度、携帯型情報端末装置28に連絡される。このような動作状況の情報は、宅配物の到着・施錠日時や、扉の開錠日時、到着・施錠開錠履歴を含むことが好ましい。携帯型情報端末装置28では、施錠および開錠の履歴を管理することができ、当該履歴のデータはサーバー29に保存されることができる。
【0034】
図11の宅配ボックス1の電気系統のブロック図を参照すると、上述のように、電源27は、第1~第3レバー位置検出スイッチ24,25,26のオン信号により、制御CPU部32に電力を供給する。制御CPU部32は、通常、スタンバイ状態であり、電力が供給されると起動し、通信装置7、駆動機構22、動作表示ランプ12,13、および、ブザー33を制御することができる。上述のように、制御CPU部32による処理が終了すると、電源27はオフになる。
【0035】
以上のような構成の本実施の形態に係る宅配ボックス1の具体的な動作について、説明する。
【0036】
(宅配物の入庫)
通常の状態では、宅配ボックス1は扉5が閉まった状態であるが、扉ロック機構6は開錠されている。宅配業者は、宅配ボックス1の扉5を開けて、宅配物を収容部4に収容し、宅配ボックス1の扉5を閉める。宅配業者は、ロック用摘み14を例えば右に90°回して施錠する(
図7)。第1レバー位置検出スイッチ24がオンして、電源27が制御CPU部32を起動させる。制御CPU部32は、ロック表示ランプ12を点灯させるとともに、通信装置7を介して、サーバー29に入庫を通知する。制御CPU部32は、同時に、接続表示ランプ13の制御も行う。その後、電源27はオフとなる。
【0037】
(受取人による宅配物の出庫)
受取人は、ロック用摘み14を
図8に示す位置に回す。第2レバー位置検出スイッチ25がオンして、電源27が制御CPU部32および通信装置7を起動させる。受取人は、例えば自宅のWi-Fiルータ31を宅配ボックス1と通信できるように設定しておく。このようにして予め指定したWi-Fiルータ31を介して携帯型情報端末装置28と宅配ボックス1の通信装置7との間の通信接続が完了すると、携帯型情報端末装置28の操作画面に表示された「開錠」ボタンが有効になる。受取人は、携帯型情報端末装置28の画面上で到着・施錠日時を確認する。その後、「開錠」ボタンを押すと、通信装置7はその旨を受信する。制御CPU部32は、ブザー33を動作させるとともに、駆動機構22に定時間通電し、上述の開錠操作を行うことで、扉ロック機構6が開錠される。受取人は扉5を開けて宅配物を取り出すことができる。このように、受取人の自宅のWi-Fiルータ31を介して通信接続した場合にのみ開錠できるようにする。
【0038】
制御CPU部32はまた、ロック表示ランプ12を消灯させるともに、通信装置7を介して、サーバー29に出庫を通知する。制御CPU部32は、同時に、接続表示ランプ13の制御も行う。その後、電源27はオフとなる。
【0039】
手動操作で開錠する場合、手動キー23を右に回すと、第3レバー位置検出スイッチ26がオンになるとともに、上述の開錠操作が行われる。第3レバー位置検出スイッチ26がオンになることで、電源27が制御CPU部32を起動させる。制御CPU部32は、ロック表示ランプ12を消灯させるとともに、通信装置7を介して、サーバー29に開錠を通知する。制御CPU部32は、同時に、接続表示ランプ13の制御も行う。その後、電源27はオフとなる。
【0040】
以上のように、本実施の形態では、宅配ボックス1が、本体2と、本体2に設けられた、宅配物を収容する収容部4と、本体2に取付けられた開閉可能な扉5と、扉5を施錠および開錠するための扉ロック機構6を有し、扉5に埋め込まれた機構部3と、を備え、機構部3を扉5に対して内側に回転可能に接続するスプリングヒンジ9により、扉ロック機構6が施錠の状態であっても、収容部4内から扉5を押すことで扉5を開けることができるように構成される。
【0041】
この場合、施錠された状態であっても、内側から扉5を押すだけで扉5を開けることができ、子供等の閉じ込め事故を防止できる。
【0042】
また、本実施の形態の宅配ボックス1は、スプリングヒンジ9が、機構部3の扉5中央側の側面10と、扉5の外側表面の裏面と11に固定されることができる。
【0043】
この場合、施錠された状態で内側から扉5を押した場合に、機構部3がスプリングヒンジ9を軸に扉5に対して内側に回転して扉ロック機構6が開錠され、扉5を開けることができる。
【0044】
また、本実施の形態の宅配ボックス1は、機構部3が、扉ロック機構6が施錠の状態で本体2のロック嵌合部17に嵌合するロック片部16を備え、扉ロック機構6が施錠の状態でロック片部16が機構部3から突出する側面と反対側の側面10が、スプリングヒンジ9によって扉5に接続されることができる。
【0045】
この場合、施錠された状態で内側から扉5を押した場合に、機構部3がスプリングヒンジ9を軸に扉5に対して内側に回転し、ロック片部16がロック嵌合部17から外れて、扉ロック機構6が開錠され、扉5を開けることができる。
【0046】
また、本実施の形態の宅配ボックス1は、機構部3の横幅が、スプリングヒンジ9のトルク値の1/10以下の力で扉5を内側から開けることができる長さであることができる。
【0047】
この場合、その長さは、好ましくは10cm以上であり、子供の弱い力でも、扉5を内側から開けることができる。
【0048】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は種々の変形実施をすることができる。例えば、
図2ではスプリングヒンジ9を2つとしているが、その個数やトルク値は限定されない。
【符号の説明】
【0049】
1 宅配ボックス
2 本体
3 機構部
4 収容部
5 扉
6 扉ロック機構
7 通信装置
9 スプリングヒンジ
10 側面
11 裏面
16 ロック片部
17 ロック嵌合部