(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009718
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】印刷装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/00 20060101AFI20240116BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240116BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240116BHJP
B41J 3/36 20060101ALN20240116BHJP
【FI】
B41J29/00 E
B41J29/38 201
B41J29/38 401
B41J29/38 204
G06F3/12 303
G06F3/12 326
G06F3/12 373
G06F3/12 392
G06F3/12 378
G06F3/12 336
B41J3/36 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022111458
(22)【出願日】2022-07-11
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺藤 凌
【テーマコード(参考)】
2C055
2C061
【Fターム(参考)】
2C055AA00
2C061AP05
2C061AQ04
2C061AS06
2C061AS08
2C061CG02
2C061CG15
2C061HJ08
2C061HK06
2C061HK11
2C061HN05
2C061HN15
2C061HP00
2C061HQ01
2C061HV13
2C061HV32
(57)【要約】
【課題】情報端末で記憶した印刷データを受信して印刷装置において印刷を行う際、十分なセキュリティを確保する。
【解決手段】過去にBLE規格に基づく無線接続履歴のある携帯端末3を特定するためのBDアドレスを記憶しており、定期的に、BLE規格に基づくアドバタイジングパケットを出力するST5の手順と、携帯端末3のBDアドレスを取得するST45の手順と、取得したBDアドレスが接続履歴テーブル25bに記憶されているか否かを判定するST50の手順と、BDアドレスが接続履歴テーブル25bに記憶されていると判定された場合には印刷データを携帯端末3に要求するST55の手順と、要求に応じて取得された携帯端末3からの印刷データを、印刷ヘッド24に印刷させるST120の手順と、を実行する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と、
印刷部と、
無線通信部と、
制御部と、
を備え、
前記記憶部は、
前記無線通信部を介し、過去にBluetooth Low Energy規格に基づく無線接続履歴のある情報端末を特定するための端末情報を記憶しており、
前記制御部は、
定期的に、Bluetooth Low Energy規格に基づく第1パケットを前記無線通信部を介して出力するパケット出力処理と、
前記無線通信部を介し、前記第1パケットを受信した情報端末の端末情報を含む第2パケットを取得するパケット取得処理と、
前記パケット取得処理で取得した前記第2パケットに含まれる前記端末情報が、前記記憶部に記憶されているか否かを判定する情報判定処理と、
前記情報判定処理で前記端末情報が前記記憶部に記憶されていないと判定された場合は印刷データを要求せず、前記情報判定処理で前記端末情報が前記記憶部に記憶されていると判定された場合には前記無線通信部を介し印刷データを前記情報端末に要求する要求処理と、
前記要求に応じて前記無線通信部を介して取得された前記情報端末からの前記印刷データを、前記印刷部に印刷させる印刷処理と、
を実行する、印刷装置。
【請求項2】
長尺状の印字媒体を含む媒体カートリッジを装着する装着部をさらに備え、
前記制御部は、前記印刷処理において、
前記装着部に装着された印字媒体を搬送させて、前記情報端末から取得した前記印刷データを印刷部に印刷させる、請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記印刷データに対応する媒体種の前記印字媒体を含む前記媒体カートリッジが前記装着部に装着されている場合に、前記印刷処理において当該印字媒体に前記印刷データを印刷させる、請求項2記載の印刷装置。
【請求項4】
前記制御部は、さらに、
前記印刷データに対応する媒体種の前記印字媒体を含む前記媒体カートリッジが前記装着部に装着されているか否かを判定する媒体判定処理を実行し、
前記媒体判定処理で前記印刷データに対応する媒体種の前記印字媒体を含む前記媒体カートリッジが装着されていると判定された場合に、前記印刷処理において当該印字媒体に前記印刷データを印刷させる、請求項3記載の印刷装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記装着部に装着されている媒体カートリッジに関するカートリッジ情報を情報端末に送信する、請求項3記載の印刷装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記パケット出力処理において、
前記カートリッジ情報を含む前記第1パケットを定期的に出力する、請求項5記載の印刷装置。
【請求項7】
情報端末に備えられた演算部に対し、
前記情報端末の操作部を介した操作に基づき作成された印刷データを、当該情報端末の記憶部に記憶させる記憶処理と、
前記情報端末の無線通信部を介し、Bluetooth Low Energy規格に基づく印刷装置からのパケットを取得するパケット取得処理と、
前記パケット取得処理で取得された前記パケットに応じて、前記無線通信部を介し前記情報端末の端末情報を出力する情報出力処理と、
前記無線通信部を介し、前記印刷装置からの印刷データ要求を取得する要求取得処理と、
前記記憶部に前記印刷データを記憶している場合には、当該記憶している印刷データを前記無線通信部を介し出力するデータ出力処理と、
を実行させるための、情報処理プログラム。
【請求項8】
前記演算部は、
前記記憶処理において、前記作成した印刷データを予約印刷データとして前記記憶部に記憶させ、
前記データ出力処理において、前記記憶部に前記予約印刷データとして記憶されている印刷データがある場合に、前記印刷データ要求に応じた印刷データを出力する、請求項7記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
前記演算部に対し、さらに、
前記記憶部に前記予約印刷データとして記憶された印刷データがなく、かつ、前記記憶部に前記予約印刷データではない印刷データが記憶されている場合において、前記情報端末の表示部に、前記予約印刷データではない印刷データの存在を通知する通知処理を実行させる、請求項8記載の情報処理プログラム。
【請求項10】
前記演算部に対し、さらに、
前記印刷装置に装着されている媒体カートリッジを表す媒体情報を取得する情報取得処理をさらに実行させ、
前記演算部は、前記データ出力処理において、
前記情報取得処理で取得された前記媒体情報が前記記憶部に記憶された前記印刷データに対応する場合に、当該印刷データを出力する、請求項8又は9記載の情報処理プログラム。
【請求項11】
前記演算部に対し、さらに、
前記情報取得処理で取得された前記媒体情報が前記記憶部に記憶された前記印刷データに対応しない場合に、前記媒体カートリッジの交換を促すメッセージを表示部に表示する表示処理を実行させる、請求項10記載の情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1には、携帯情報端末でラベル作成装置における印字ラベル作成の予約操作を行えるラベル作成システムが開示されている。この特許文献1のラベル作成システムでは、携帯情報端末が特定の場所から所定距離範囲内に達した場合に、予約によりメモリに記憶されていた印字データがラベル作成装置に自動送信され、印字ラベルが作成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷装置までの距離が近くなりさえすれば、どの情報端末からでも印刷を行うことができるため、ユーザの意図とは異なるラベル作成装置で印字ラベルが作成されてしまう恐れがある。
本発明の目的は、情報端末と印刷装置とが無線通信範囲内となった場合に、改めて情報端末から印刷指示を行わなくてもユーザの意図した印刷物を得ることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本願発明の印刷装置は、記憶部と、印刷部と、無線通信部と、制御部と、を備え、前記記憶部は、前記無線通信部を介し、過去にBluetooth Low Energy(登録商標)規格に基づく無線接続履歴のある情報端末を特定するための端末情報を記憶しており、前記制御部は、定期的に、Bluetooth Low Energy規格に基づく第1パケットを前記無線通信部を介して出力するパケット出力処理と、前記無線通信部を介し、前記第1パケットを受信した情報端末の端末情報を含む第2パケットを取得するパケット取得処理と、前記パケット取得処理で取得した前記第2パケットに含まれる前記端末情報が、前記記憶部に記憶されているか否かを判定する情報判定処理と、前記情報判定処理で前記端末情報が前記記憶部に記憶されていないと判定された場合は印刷データを要求せず、前記情報判定処理で前記端末情報が前記記憶部に記憶されていると判定された場合には前記無線通信部を介し印刷データを前記情報端末に要求する要求処理と、前記要求に応じて前記無線通信部を介して取得された前記情報端末からの前記印刷データを、前記印刷部に印刷させる印刷処理と、を実行する。
【0006】
本願発明の印刷装置によれば、定期的に出力する第1パケットを受信した情報端末から送信された第2パケットに含まれる端末情報が、過去に接続履歴のある端末情報である場合に、要求処理において印刷データを情報端末に要求し、取得した印刷データの印刷を行うことができる。例えばユーザが、外出先で情報端末で印刷データを作成後に帰宅した際、BLE規格に基づく第1パケットの出力後の第2パケットの取得を契機に印刷装置から印刷要求を出力することで、改めて情報端末から印刷指示を行わずに印刷物を得ることができる。特に、印刷装置と過去に無線接続実績がある情報端末が記憶する印刷データの印刷に限り、要求処理がおこなわれる。そのため、ユーザの意図した印刷物を得ることができる。
【0007】
また、上記目的を達成するために、本願発明の情報処理プログラムは、情報端末に備えられた演算部に対し、前記情報端末の操作部を介した操作に基づき作成された印刷データを、当該情報端末の記憶部に記憶させる記憶処理と、前記情報端末の無線通信部を介し、Bluetooth Low Energy規格に基づく印刷装置からのパケットを取得するパケット取得処理と、前記パケット取得処理で取得された前記パケットに応じて、前記無線通信部を介し前記情報端末の端末情報を出力する情報出力処理と、前記無線通信部を介し、前記印刷装置からの印刷データ要求を取得する要求取得処理と、前記記憶部に前記印刷データを記憶している場合には、当該記憶している印刷データを前記無線通信部を介し出力するデータ出力処理と、を実行させる。
【0008】
本願発明によれば、印刷装置からの印刷データ要求に応じて、記憶部に記憶した印刷データを出力するので、印刷装置は取得した印刷データにより印刷を行うことができる。例えばユーザが、外出先での操作により印刷データを作成した後に帰宅した場合に、BLE規格に基づく印刷装置からのパケット情報の取得を契機に印刷要求を取得し、記憶した印刷データを出力することで、帰宅後に改めて情報端末から印刷指示を行わずに印刷装置で印刷を行いユーザの意図した印刷物を得ることができる。
【0009】
なお、本願発明は、印刷装置や情報処理プログラムに限らず、例えば印刷装置により実行される印刷制御方法や、情報処理プログラムを実行する携帯端末や、印刷処理システム等、適宜適用可能である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、情報端末と印刷装置とが無線通信範囲内となった場合に、ユーザの意図した印刷物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施の形態に係わるラベルプリンタと携帯端末を含む印刷システム全体の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【
図2】印刷システムの自動印刷予約機能における2つの通信範囲と携帯端末の位置関係を説明する図である。
【
図3】無線通信可能範囲外での携帯端末における印刷データの作成と自動印刷予約について説明する図である。
【
図4】CPUと制御回路が実行する制御手順の一例を表すシーケンスチャートである。
【
図5】CPUと制御回路が実行する制御手順の一例を表すシーケンスチャートである。
【
図6】自動予約印刷において自動印刷予約データ以外の未印刷データの存在を通知する場合について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<システム全体構成>
本実施形態に係わるラベルプリンタを含む印刷システム全体の構成を
図1に示す。
図1において、印刷システム1は、例えばラベルプリンタ2と、スマートフォンで構成された携帯端末3と、を有している。携帯端末3は、それぞれラベルプリンタ2と相互に情報送受可能に接続されており、図示する例では携帯端末3が無線通信を介して接続されている。本実施形態においてこの無線通信は、Bluetooth Low Energy(登録商標;以下「BLE」と略記)の規格に準拠する通信方式である。ラベルプリンタ2は、携帯端末3でユーザの操作により作成された印刷データを印刷して印字ラベルLを作成する。なお、携帯端末3は上記スマートフォンに限られずタブレット端末等でもよい。
【0014】
<携帯端末>
携帯端末3は、
図1に示すように、CPU31と、例えばRAMやROM等からなるメモリ32と、操作部と表示部とを兼ねたタッチパネル33と、通信制御部34と、大容量記憶装置35と、を備えている。
【0015】
タッチパネル33は、ユーザからの指示や情報等が入力される例えば透過型タッチパッドと、各種情報やメッセージを表示する例えば液晶ディスプレイ等を一体的に組み合わせて構成される。通信制御部34は、この例では上記BLE通信を介してラベルプリンタ2との信号の授受の制御を行う。
【0016】
大容量記憶装置35は、各種のプログラムや情報を記憶する。CPU31は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMや大容量記憶装置35に予め記憶されたプログラムに従って、各種の処理やラベルプリンタ2との間で各種の信号の送受を行う。この例では、上記のメモリ32又は大容量記憶装置35において、あらかじめ後述する編集プログラム35aや自動送信プログラム35bなどの各種のプログラムや、それらプログラムにより作成、送信される印刷データなどが記憶されている。
【0017】
なお、携帯端末3が情報端末の一例であり、CPU31が演算部の一例であり、タッチパネル33が情報端末の操作部と表示部の一例であり、メモリ32及び大容量記憶装置35が情報端末の記憶部の一例であり、通信制御部34が情報端末の無線通信部の一例であり、自動送信プログラム35bが情報処理プログラムの一例である。
【0018】
<ラベルプリンタ>
ラベルプリンタ2は、図示するように、制御回路21と、カートリッジ101を着脱可能なカートリッジホルダ22と、カートリッジセンサ23と、印刷ヘッド24と、大容量記憶装置25と、表示部26と、入力部27と、通信制御部28と、搬送ローラ29とを有する。
【0019】
大容量記憶装置25は、あらかじめ後述する自動印刷プログラム25aなどの各種のプログラムや、過去に当該ラベルプリンタ2と無線接続した携帯端末3の識別情報を記録する接続履歴テーブル25bや、印刷データなどの情報を記憶する。制御回路21は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMや大容量記憶装置25に予め記憶されたプログラムに従って、当該ラベルプリンタ2における各種の処理を行う。
【0020】
表示部26は、ユーザに対して各種情報を表示する例えば液晶ディスプレイなどで構成され、印字内容を表示する。入力部27は、ユーザが手作業で操作可能な例えばハードスイッチなどで構成される。なお、以上の表示部26と入力部27は、それぞれ液晶ディスプレイとタッチパッドを一体的に組み合わせたタッチパネルで構成されてもよい。
【0021】
カートリッジホルダ22はカートリッジ101を着脱可能に構成されており、カートリッジセンサ23はその装着されたカートリッジ101自体に記録されているカートリッジ情報を機械的または電気的な構成によって読み出すセンサである。カートリッジ101は、特に図示しないが、その内部に特定のテープ幅にある帯状の基材テープと、この基材テープと同じテープ幅で無色透明な帯状のカバーフィルムと、特定の色のインクリボンと、を備えている。
【0022】
制御回路21は、上記カートリッジセンサ23を介して装着中のカートリッジ101の仕様情報を読み取り、この読み取った仕様情報から当該カートリッジ101が備える基材テープのテープ幅の情報を取得する。そして制御回路21は、搬送ローラ29も含めた駆動機構を駆動するモータに対する機械的な制御と、印刷ヘッド24に対する電気的な制御により、インクリボンの色を印字色とした所定の印刷データに基づく印字をカバーフィルム上に形成する。このカバーフィルムが基材テープに貼り合わされ、適宜の長さで切断されることで印字ラベルLが作成される。本実施形態の例における上記の印刷データは、上述した編集プログラム35aでの編集作業により編集された印字内容に基づいて生成される。
【0023】
なお、以上におけるラベルプリンタ2が印刷装置の一例であり、制御回路21が制御部の一例であり、大容量記憶装置25が印刷装置の記憶部の一例であり、印刷ヘッド24及び搬送ローラ29が印刷部の一例であり、通信制御部28が印刷装置の無線通信部の一例であり、基材テープおよびカバーフィルムが印字媒体の一例であり、カートリッジ101が媒体カートリッジの一例であり、カートリッジホルダ22が装着部の一例であり、基材テープのテープ幅やインクリボンの印字色を含むカートリッジ仕様情報が、媒体種、媒体情報、及びカートリッジ情報の一例である。
【0024】
<印刷システムにおける自動印刷予約機能について>
本実施形態の印刷システム1における自動印刷予約機能について説明する。まず
図2に示すように、ラベルプリンタ2は、例えばユーザの勤務先や自宅などの所定の場所に固定的に設置されている。携帯端末3は、ユーザが常に所持して上記勤務先や自宅から離れた外出先でも携帯する。
【0025】
そのような使用条件で、ユーザはラベルプリンタ2の無線通信可能範囲R1を出た外出先において携帯端末3の編集プログラム35aにより印刷データを作成する場合がある。本実施形態の自動印刷予約機能は、そのようにあらかじめ外出先で作成された印刷データに対し、携帯端末3がラベルプリンタ2に十分近づいた際に自動的にラベルプリンタ2へ当該印刷データを送信し、対応する印字ラベルLが作成されるよう予約する機能である。
【0026】
特に、本実施形態では、
図2に示すように、ラベルプリンタ2において物理的に無線通信可能な範囲そのものである無線通信可能範囲R1内でさらに通信距離が短く狭い範囲の印刷要求受信範囲R2を設定し、ラベルプリンタ2はこの印刷要求受信範囲R2内に存在する携帯端末3からのみ印刷データを自動受信できるようにする。このとき、印刷要求受信範囲R2を、本来のユーザ及びその携帯端末3しか進入することができない勤務先や自宅の部屋などの空間領域内に設定することで、無関係な他者の携帯端末3からの印刷データの受信を回避できる。
【0027】
さらに、本実施形態では、ラベルプリンタ2が携帯端末3の個体識別情報であるBDアドレス情報に基づいて認証した携帯端末3からのみ印刷データを受信するようにする。具体的には、過去にラベルプリンタ2で無線接続し印刷したことのある携帯端末3であれば自動で印刷データを受信して印刷する。例えば来客時などのように他者の携帯端末3が印刷要求受信範囲R2内にいても自動で印刷されてしまうことを回避できる。
【0028】
<自動印刷予約機能の具体的な工程>
以下、
図3~
図6を参照して本実施形態の自動印刷予約機能の具体的な工程を説明する。
図4,5に記載する自動印刷予約機能のシーケンスは、ラベルプリンタ2の自動印刷プログラム25aと、携帯端末3の自動送信プログラム35bとが協働して実行される。
【0029】
あらかじめ、外出先等のラベルプリンタ2の無線通信可能範囲R1の範囲外にて、ユーザは携帯端末3の編集プログラム35a(図中の「ラベルエディタ」)を操作して印字ラベルLの印刷データを編集する。
図3に携帯端末3の編集画面例を示す。編集画面には、印刷データのオブジェクトの編集領域(
図3の例では「ABC」のテキストオブジェクトを含む領域)と、印刷データの印刷に必要な設定を行う設定領域であって、印刷データを印刷する媒体の種類を選択するための媒体選択領域(
図3の例では、12mmのテープ幅で、媒体色が白テープ、印字色が黒色の媒体が選択)、編集した印刷データの保存を行う保存領域を含む。保存領域は、保存ボタン33a、自動印刷予約ボタン33bを含み、編集操作の終了時にユーザは、保存ボタン33aを押下して印刷データを単に保存するだけか、もしくは自動印刷予約ボタン33bを押下して印刷データの保存とさらにその自動印刷予約までを行うかを任意に選択する。例えば、まだ編集途中の場合は、ユーザは、保存ボタン33aを押下して印刷データを保存することで、あとから編集の続きを行うことができる。また、編集が完了したが、ラベルプリンタ2が無線接続されていない場合には、自動印刷予約ボタン33bを押下することで、ラベルプリンタ2と無線接続されることで、自動的に保存した印刷データを印刷することができる。保存ボタン33aまたは自動印刷予約ボタン33bが操作されると、携帯端末3の大容量記憶装置35の所定領域に、編集領域において編集された印刷データおよび設定領域により設定された設定情報と、保存ボタン33aと自動印刷予約ボタン33bとのいずれの操作により記憶指示が行われたかを区別するための情報とが記憶される。
【0030】
ラベルプリンタ2の制御回路は、自動印刷プログラム25aを実行することで、
図4、5のラベルプリンタ2の各処理を実行する。また、携帯端末3のCPUは、自動送信プログラム35bを実行することで、
図4,5の携帯端末の各処理を実行する。ラベルプリンタ2は、ST5で、携帯端末3が印刷要求受信範囲内R2にいるか、携帯端末3が自動予約印刷データを記憶しているかにかかわらず、BLE通信規格におけるペリフェラルとして、定期的に無線通信可能範囲R1内に存在する全ての携帯端末3にブロードキャストでアドバタイジングパケットを送信する。なお、このアドバタイジングパケットが第1パケットの一例である。このアドバタイジングパケットには、ラベルプリンタ2を特定する情報のほか、ラベルプリンタ2のカートリッジホルダ22に装着されているカートリッジ101の種類を特定するためのカートリッジ情報を含む。
【0031】
ラベルプリンタ2がアドバタイジングを定期的に実行し、その無線通信可能範囲R1内に侵入した携帯端末3は、ST10でこのアドバタイジングパケットを受信する。アドバタイジングパケットを受信した携帯端末3は、アドバタイジングパケットに含まれるカートリッジ情報をメモリ32に記憶する。さらに、ST15でセントラルとしてのアドバタイジング応答により接続要求をラベルプリンタ2に送信する。なお、アドバタイジングパケットに含まれるカートリッジ情報を取得する手順が情報取得処理の一例である。
【0032】
次にラベルプリンタ2はST20で上記接続要求を受信し、ST25で、所定以上の電波強度で接続要求を受信したか否か、言い換えると印刷要求受信範囲R2内に存在する携帯端末3の有無を判断する。所定以上の電波強度にある接続要求を受信していない場合、言い換えると印刷要求受信範囲R2内に携帯端末3が存在していない場合はNO判定となり、ST5へ戻る。一方、所定以上の電波強度にある接続要求を受信した場合、言い換えると印刷要求受信範囲R2内に携帯端末3が存在している場合はYES判定となり、ST30でBDアドレスを要求する信号を送信する。なお、BDアドレスは、上記BLE無線通信規格に準拠して当該携帯端末3の個体に対し一意に特定できるようあらかじめ固定的に付与された識別情報である。BDアドレスが端末情報の一例である。
【0033】
BDアドレス要求をST35で受信した携帯端末3は、ST40で自身のBDアドレスをラベルプリンタ2に返信する。なお、このBDアドレスを含むパケットが第2パケットの一例である。ST45でBDアドレスを受信したラベルプリンタ2は、ST50で、受信したBDアドレスを上記接続履歴テーブル25bと照合し、過去に接続した携帯端末3のBDアドレスであるか否かを判断する。受信したBDアドレスが接続履歴テーブル25bに記録されていなかった場合はNO判定となり、ST5へ戻る。一方、受信したBDアドレスが接続履歴テーブル25bに記録されていた場合はYES判定となり、当該BDアドレスの送信元である携帯端末3とBLE無線通信の接続を確立してST55へ移行する。ST55では、ラベルプリンタ2は、BLE接続を確立した携帯端末3に対して自動予約印刷データの送信を要求する。
【0034】
ST60で自動予約印刷データ要求を受信した携帯端末3は、ST65で、大容量記憶装置35に印刷処理されていない未印刷データが保存されているか否かを判断する。未印刷データが保存されていない場合はNO判定となりそのままこのシーケンスを終了する。一方、未印刷データが保存されている場合はYES判定となり、次のST70でその保存されている未印刷データが自動印刷予約されているものであるか否かを判断する。未印刷データが自動印刷予約されているものである場合にはYES判定となり、ST85へ移行する。一方、未印刷データが自動印刷予約されていなかった場合にはNO判定となり、ST75へ移行する。自動印刷予約されている未印刷データとは、
図3の携帯端末3の編集画面において、自動印刷予約ボタン33bを操作することで保存された印刷データである。また、自動印刷されていない未印刷データとは、保存ボタン33aを操作することにより保存された印刷データである。
【0035】
ST75では、携帯端末3は、タッチパネル33に自動印刷予約をしていない未印刷データが保存されている旨のポップアップ通知33eを表示する。
図6は、ポップアップ通知33eの画面例である。ポップアップ通知33eには自動予約印刷データではない印刷データの存在を通知するとともに印刷ボタン33fと編集ボタン33gが表示される。ユーザは、印刷ボタン33fを押下操作することで保存中の印刷データをそのままラベルプリンタ2へ送信して印刷させるか、又は編集ボタン33gを押下操作してその場で印刷データの編集を再開させることができる。
【0036】
次のST80で、ユーザがポップアップ通知33eの印刷ボタン33fを押下操作したか否かを判断する。印刷ボタン33fが押下操作されている場合にはYES判定となり、ST85へ移行する。一方、編集ボタン33gが押下操作されている場合にはNO判定となり、自動送信プログラム35bを終了し、編集プログラム35aを介した印刷データの編集処理に移行する。
【0037】
ST70で自動印刷予約データありと判定した場合、またはST80で印刷ボタン33fが押下操作されたと判断した場合には、ST85で印刷対象となる未印刷データに対応付けられた媒体情報が、アドバタイジングパケットに含まれていたカートリッジ情報と一致するかを判断する。2つの情報には、媒体のテープ幅、テープの基材色、印刷色が含まれており、それら3つの情報がいずれも同じである場合にYES判定となる。ST85でYES判定となった場合は、ST95に移行し、印刷対象となる未印刷データを媒体情報とともにラベルプリンタ2に送信する。ST85でNO判定となった場合は、ST90で、ラベルプリンタ2に装着されたカートリッジ101を印刷対象となる未印刷データに対応付けられた媒体情報で示されるカートリッジ101に交換する旨のメッセージを携帯端末3のタッチパネル33に表示する。その後、ST95に移行する。
【0038】
ST100で印刷データを受信したラベルプリンタ2は、ST105でカートリッジセンサ23を介してその時点で装着されているカートリッジ101の仕様情報を取得する。次にST110で、取得したカートリッジ仕様情報の内容が受信した印刷データの媒体情報と一致しているか否かが判断され、一致している場合にはYES判定となりST120で印刷データに基づいて印刷を行い、印字ラベルLを作成する。その後、ST125で携帯端末3のBDアドレスを接続履歴テーブル25bに記憶し、このシーケンスを終了する。一方、取得したカートリッジ仕様情報の内容が受信した印刷データに対応していない場合にはNO判定となり、携帯端末3に対してカートリッジエラーの情報を送信し、印刷を行わずにこのシーケンスを終了する。例えば、アドバタイジングパケットを携帯端末3が受信してから印刷までの間に、ユーザがラベルプリンタ2に装着されたカートリッジを入れ替えた場合に、カートリッジエラーとなる。
【0039】
カートリッジエラー情報を受信した携帯端末3は、ST115でラベルプリンタ2に装着されているカートリッジ101の交換を促すメッセージを表示する。そしてこのシーケンスを終了する。ユーザは、カートリッジエラーとなった場合は、カートリッジの交換を行った上で、携帯端末3の編集プログラムを実行し、改めて印刷指示を行うことで、印刷データの印刷を行うことができる。
【0040】
以上において、ST5の手順がパケット出力処理の一例であり、ラベルプリンタ2が携帯端末3からBDアドレスを受信するST20の手順がパケット取得処理の一例であり、ST50の手順が情報判定処理の一例であり、ST55の手順が要求処理の一例であり、ST120の手順が印刷処理の一例であり、ST110の手順が媒体判定処理の一例である。また、携帯端末3で編集プログラム35aにより印刷データを大容量記憶装置35に保存する処理が記憶処理の一例であり、携帯端末3がラベルプリンタ2からのアドバタイジングパケットを受信するST10の手順がパケット取得処理の一例であり、ST40の手順が情報出力処理の一例であり、ラベルプリンタ2から自動予約印刷データ要求を受信するST60の手順が要求取得処理の一例であり、ST95の手順がデータ出力処理の一例であり、ST75の手順が通知処理の一例であり、ST115の手順が表示処理の一例である。
【0041】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のラベルプリンタ2によれば、ST55の手順において自ら印刷データを携帯端末3に要求し、取得した印刷データにより印刷を行うことができる。例えばユーザが、外出先で携帯端末3で印刷データを作成後に帰宅した際、BLE規格に基づくアドバタイジングパケットの出力後の、携帯端末3からのBDアドレスを含むパケットの取得を契機にラベルプリンタ2から自動予約印刷データ要求を出力することで、改めて携帯端末3から印刷指示を行わずに所望の印字ラベルLを得ることができる。
【0042】
自動予約印刷データをラベルプリンタ2へと出力する携帯端末3は、BDアドレスが接続履歴テーブル25bに記憶されているとST50において判定されたもの、すなわちラベルプリンタ2と過去に無線接続実績があるものに限られる。本実施形態によれば、ユーザが意図しないタイミングで意図しないラベルプリンタ2に自動的に印刷指示されてしまうことを回避できる。
【0043】
また、本実施形態では特に、長尺状の基材テープおよびカバーフィルムを含むカートリッジ101を装着するカートリッジホルダ22をさらに備え、制御回路21は、ST120の手順において、カートリッジホルダ22に装着されたカートリッジ101の基材テープおよびカバーフィルムを搬送させて、携帯端末3から取得した印刷データを印刷ヘッド24に印刷させる。このように、いわゆるラベルプリンタ2であり印刷物として印字ラベルLを作成する場合においても、改めて携帯端末3から印刷指示を行わずに所望の印字ラベルLを得ることができる。なお、ラベルプリンタ2は、細幅のいわゆるカセット形状のカートリッジを使用する形式のものに限られず、やや太幅のテープを巻き芯に巻回した形状のカートリッジを使用する形式のものにも適用可能である。
【0044】
また、本実施形態では特に、制御回路21は、印刷データに対応する仕様情報のカートリッジ101がカートリッジホルダ22に装着されている場合に、ST120の手順において当該カートリッジ101の基材テープに印刷データを印刷させる。これにより、携帯端末3に記憶された印刷データに対応する仕様情報のカートリッジ101に対して、自動で印刷を行うことができる。
【0045】
また、本実施形態では特に、制御回路21は、さらに、印刷データに対応する仕様情報のカートリッジ101がカートリッジホルダ22に装着されているか否かを判定するST110の手順を実行し、印刷データに対応する仕様情報のカートリッジ101が装着されていると判定された場合に、ST120の手順において当該カートリッジ101の基材テープに印刷データを印刷させる。これにより、装着されているカートリッジ101が印刷データに対応している場合に限り、携帯端末3から取得した印刷データにより自動で印刷を行うことができる。
【0046】
また、本実施形態では特に、ラベルプリンタ2に装着されているカートリッジ101の仕様情報がアドバタイジングパケットとともに受信され、その仕様情報が印刷データに対応しているか否かを、ST85の手順で携帯端末3側に判断させている。すなわち、ラベルプリンタ2の制御回路21が、カートリッジホルダ22に装着されているカートリッジ101に関するカートリッジ仕様情報をアドバタイジングパケットとともに携帯端末3に送信している。この場合には、ラベルプリンタ2自身に装着されているカートリッジ101に対応した印刷データを携帯端末3から取得して自動で印刷を行うことができる。
【0047】
また本実施形態では、その後さらにラベルプリンタ2の制御回路21が、ST110の手順で、カートリッジホルダ22に装着されているカートリッジ101の仕様情報が印刷データに対応するか否かを判定する。これにより、アドバタイズパケット受信後にカートリッジが変更されてしまった場合にもエラー処理となり異なる媒体に自動で印刷されてしまうことを回避できる。
【0048】
制御回路21がST5の手順において、カートリッジ仕様情報を含むアドバタイジングパケットを定期的に出力する。これにより、カートリッジ仕様情報をアドバタイジングパケットとは別に携帯端末3へ送信する場合に比べ、携帯端末3との通信負荷を軽減することができる。
【0049】
また、本実施形態では特に、携帯端末3のCPU31は、ラベルプリンタ2からの印刷データ要求に応じて、大容量記憶装置35に記憶した印刷データを出力するので、ラベルプリンタ2は取得した印刷データにより印刷を行うことができる。例えばユーザが、外出先での操作により印刷データを作成した後に帰宅した場合に、BLE規格に基づくラベルプリンタ2からのアドバタイジングパケットの取得を契機に印刷要求を取得し、記憶した印刷データを出力することで、ラベルプリンタ2で印刷を行い所望の印字ラベルLを得ることができる。
【0050】
アドバタイジングパケットの取得に基づき携帯端末3のBDアドレスを出力することで、BDアドレスが所定条件を満たす場合、例えばラベルプリンタ2と過去に無線接続実績がある携帯端末3のBDアドレスであった場合に限って、印刷データ要求に基づく印刷データを出力可能とすることができる。
【0051】
また、本実施形態では特に、CPU31は、編集プログラム35aで印刷データを保存する際に、作成した印刷データを自動予約印刷データとして大容量記憶装置35に記憶させ、ST95の手順において、大容量記憶装置35に自動予約印刷データとして記憶されている印刷データがある場合に、印刷データ要求に応じた印刷データを出力する。
【0052】
これにより、自動予約印刷データとして大容量記憶装置35に記憶した印刷データをラベルプリンタ2において自動で印刷できる一方、例えば作成途中で一時的に保存されたデータ等の、それ以外の目的で作成されたデータまで不用意に印刷しないようにすることができる。
【0053】
また、本実施形態では特に、CPU31に対し、さらに、大容量記憶装置35に自動予約印刷データとして記憶された印刷データがなく、かつ、大容量記憶装置35に予約印刷データではない印刷データが記憶されている場合において、携帯端末3のタッチパネル33に、自動予約印刷データではない未印刷データの存在をポップアップ通知33eで表示するST75の手順を実行させる。これにより、例えば作成途中で一時的に保存されたデータ等、自動予約印刷データ以外の未印刷データが大容量記憶装置35に記憶されていることをユーザに認識させ、ユーザの印刷し忘れが生じるのを抑制することができる。
【0054】
また、受信したアドバタイジングパケットに含まれるカートリッジ仕様情報を記憶しておき、印刷データの送信の際に、その印刷データの媒体情報に対応している場合にだけ自動予約印刷データを送信する。これにより、ラベルプリンタ2に装着されたカートリッジ101と大容量記憶装置35に記憶された印刷データとが整合せず印刷エラーとなることがないように、携帯端末3側で対応することができる。
【0055】
また、本実施形態では特に、CPU31に対し、さらに、カートリッジ101の仕様情報が大容量記憶装置35に記憶された印刷データに対応しない場合に、カートリッジ101の交換を促すメッセージをタッチパネル33にポップアップ通知33cで表示するST115の手順を実行させる。これにより、ラベルプリンタ2に装着されたカートリッジ101と大容量記憶装置35に記憶された印刷データとが整合しない場合に、カートリッジ101を交換するようユーザを促すことができる。
【0056】
図4、
図5に示すシーケンスチャートは本発明を上記シーケンスに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0057】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0058】
例えば、ラベルプリンタ2が接続要求の電波強度をもとに印刷要求受信範囲R2内に携帯端末3が存在するかを判断しているが、携帯端末3が判断してもよい。例えば、携帯端末3は、受信したアドバタイジングパケットの電波強度から、ラベルプリンタ2との距離が印刷要求受信範囲R2内であるかを判断する。印刷要求受信範囲R2内であると判断した場合に、応答パケットである接続要求を送信してもよい。また、携帯端末3がアドバタイジングパケットの応答パケットに、自身のBDアドレスを含ませてもよい。この場合、ST30~ST45の処理が不要となる。また、携帯端末3は、自動予約印刷データ要求をラベルプリンタ2から受信する前に、例えば、アドバタイジングパケットを受信した際に、自動印刷予約データがあるかを判断し、自動印刷予約データがあり且つアドバタイジングパケットに含まれるカートリッジ情報が自動印刷予約データの媒体情報に対応する場合に限り、自身のBDアドレスをラベルプリンタ2に送信するようにしてもよい。
【0059】
また、ラベルプリンタ2は、カートリッジ情報をアドバタイジングパケットに含めて送信するのではなく、別のタイミングで携帯端末3に送信してもよい。たとえば、BDアドレス要求時に送信してもよいし、自動印刷予約データの要求時に送信してもよい。ラベルプリンタ2は、カートリッジ情報を携帯端末3に送信しなくてもよい。携帯端末3から受信した印刷データの媒体情報が、装着されたカートリッジ情報に対応するかを判断してもよい。
【0060】
また、携帯端末3は、編集プログラム35aと自動印刷プログラム25aとをそれぞれ記憶しているが、これにかぎらず、一つのプログラムにより編集処理と自動印刷処理とを行えるようにしてもよい。また、編集プログラム35aの自動印刷予約ボタン33bに代えて、印刷ボタンを備えていてもよい。印刷ボタンを操作した際に、その時点で現在接続可能な全てのプリンタ(通信中プリンタ)のリストをタッチパネル33に表示してもよい。プリンタリストに1件もプリンタ名が表示されない場合や、ユーザがリストの中から印刷先としたいプリンタ名を見つけられなかった場合(外出先の場合)に、所定の操作を行うことで、本実施形態の携帯端末3の自動印刷予約ボタン33bを押下した際と同様に、自動予約印刷データとして記憶させてもよい。
【0061】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0062】
1 印刷システム
2 ラベルプリンタ(印刷装置の一例)
3 携帯端末(情報端末の一例)
21 制御回路(制御部の一例)
23 カートリッジセンサ
24 印刷ヘッド(印刷部の一例)
25 大容量記憶装置(記憶部の一例)
28 通信制御部(無線通信部の一例)
29 搬送ローラ(印刷部の一例)
31 CPU(演算部の一例)
33 タッチパネル(操作部、表示部の一例)
34 通信制御部(無線通信部の一例)
35 大容量記憶装置(記憶部の一例)
101 カートリッジ(媒体カートリッジの一例)
L 印字ラベル