IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ YKK AP株式会社の特許一覧

特開2024-97214部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法
<>
  • 特開-部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法 図1
  • 特開-部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法 図2
  • 特開-部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法 図3
  • 特開-部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法 図4
  • 特開-部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法 図5
  • 特開-部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法 図6
  • 特開-部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法 図7
  • 特開-部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法 図8
  • 特開-部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法 図9
  • 特開-部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法 図10
  • 特開-部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097214
(43)【公開日】2024-07-18
(54)【発明の名称】部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/16 20060101AFI20240710BHJP
   E05B 1/00 20060101ALI20240710BHJP
【FI】
E06B3/16
E05B1/00 311J
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023000614
(22)【出願日】2023-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】大宮 宏之
【テーマコード(参考)】
2E014
【Fターム(参考)】
2E014AA03
2E014BA02
2E014BB07
2E014BC08
(57)【要約】
【課題】框に強固に固定することができる部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法を提供すること。
【解決手段】部品固定裏板2は、戸先框133の中空部133Dに配置可能に構成され、戸先框133に取り付けられるハンドル17が固定される部品固定裏板2であって、戸先框133に形成された框連通孔133Eを介して、中空部133Dに挿入される一対の裏板本体21と、一対の裏板本体21を互いに離間する方向に移動させ、中空部133Dを形成する一対の見込み片136Bにそれぞれ押し付けた状態で固定する裏板固定機構23と、を備えている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
框の中空部に配置可能に構成され、前記框に取り付けられる部品が固定される部品固定裏板であって、
前記框に形成された框連通孔を介して、前記中空部に挿入される一対の裏板本体と、
前記一対の裏板本体を互いに離間する方向に移動させ、前記中空部を形成する一対の壁部にそれぞれ押し付けた状態で固定する裏板固定機構と、を備えている部品固定裏板。
【請求項2】
請求項1に記載の部品固定裏板において、
前記一対の裏板本体には、前記互いに離間する方向に延びる長孔状の本体挿通孔と、前記裏板固定機構に当接する本体当接部と、がそれぞれ設けられ、
前記裏板固定機構は、前記一対の裏板本体に対して前記框連通孔の反対側に配置され、一対の前記本体当接部にそれぞれ当接する一対の押圧当接部を有する裏板押圧部材と、一対の前記本体挿通孔に挿通された状態で前記裏板押圧部材を前記框連通孔に近づく方向に移動させる押圧制御部材と、を備え、
前記本体当接部および前記押圧当接部のうち少なくとも一方の当接部は、前記互いに離間する方向に向かうにしたがって前記框連通孔の周縁部から離れるように傾斜する傾斜面部により構成されている部品固定裏板。
【請求項3】
請求項2に記載の部品固定裏板において、
前記押圧制御部材が挿通されるカバー挿通孔を有し、前記裏板押圧部材とにより前記一対の裏板本体を挟むように配置されるカバー部材を備え、
前記カバー部材には、当該カバー部材が前記框連通孔内に位置する状態で、前記框の外面における前記框連通孔の周縁部に当接するカバー当接部が設けられている部品固定裏板。
【請求項4】
請求項3に記載の部品固定裏板において、
前記カバー部材は、前記框連通孔に嵌合する形状に形成されている部品固定裏板。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の部品固定裏板において、
前記カバー挿通孔は、前記互いに離間する方向に延びる長孔状に形成されている部品固定裏板。
【請求項6】
框の中空部に配置可能に構成された部品固定裏板を用いて前記框に部品を取り付ける部品固定方法であって、
前記部品固定裏板は、
前記框に形成された框連通孔を介して、前記中空部に挿入される一対の裏板本体と、
前記一対の裏板本体を互いに離間する方向に移動させ、前記中空部を形成する一対の壁部にそれぞれ押し付けた状態で固定する裏板固定機構と、を備え、
前記部品固定方法は、
前記一対の裏板本体を前記框連通孔を介して前記中空部に挿入し、
前記裏板固定機構により、前記一対の裏板本体を前記互いに離間する方向に移動させ、前記一対の壁部にそれぞれ押し付けた状態で固定し、
部品固定部材により前記部品と前記一対の裏板本体とを固定する部品固定方法。
【請求項7】
請求項6に記載の部品固定方法において、
前記中空部を形成する前記一対の壁部は、前記框とは別体で構成された補強材の壁部により構成されている部品固定方法。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載の部品固定方法において、
前記部品は、ハンドルである部品固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の建具には、高気密化や高断熱化が要望されている。このような要望に対し、例えば樹脂窓では、障子廻りのモヘアや煙返しの嵌合により密着性を向上させている。しかし、このような密着性の向上により、障子を開ける際の初動が重くなる傾向がある。
障子を開ける際の初動を軽くするための技術として、握りやすく操作力を伝えやすい大型引手やハンドルを、障子に後付けする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された技術では、戸先框を補強するための一対の裏板を戸先框に取り付けた後、アシストハンドルを後付けする。
裏板を取り付けるに際し、1つの裏板に対して2つ用意された裏板固定用ボルトのうちの一方を、裏板の保持用ボルト螺子孔に螺合して保持用ボルトとする。
次に、保持用ボルトを把持して、戸先框の裏板挿入孔に対して斜め上方から裏板を挿入し、裏板の基端側(保持用ボルトの取り付け位置側)を除くほぼ全体が戸先框内に挿入されたら、裏板の基端側を中心にして裏板が略垂直になるように回動操作し、裏板の全体を戸先框内に挿入するとともに戸先框の筒壁内面に重ねる。
【0004】
次に、保持用ボルトを操作して、裏板の一対の裏板固定用螺子孔と戸先框の一対の裏板固定用挿通孔とが一致するように裏板の位置を調節する。そして、保持用ボルトとして使用されていない他方の裏板固定用ボルトを、下側の裏板固定用挿通孔に挿入して下側の裏板固定用螺子孔と螺合させることにより、裏板を戸先框に対して仮固定する。
その後、保持用ボルトである裏板固定用ボルトを裏板から取り外して、上側の裏板固定用挿通孔に挿入して上側の裏板固定用螺子孔に螺合させることにより、裏板を戸先框に対して移動不能に固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-214218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたような、裏板固定用ボルトと裏板固定用螺子孔との螺合により裏板を戸先框に固定する構成では、裏板を強固に固定できない。
【0007】
本発明の目的は、框に強固に固定することができる部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の部品固定裏板は、框の中空部に配置可能に構成され、前記框に取り付けられる部品が固定される部品固定裏板であって、前記框に形成された框連通孔を介して、前記中空部に挿入される一対の裏板本体と、前記一対の裏板本体を互いに離間する方向に移動させ、前記中空部を形成する一対の壁部にそれぞれ押し付けた状態で固定する裏板固定機構と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明の部品固定方法は、框の中空部に配置可能に構成された部品固定裏板を用いて前記框に部品を取り付ける部品固定方法であって、前記部品固定裏板は、前記框に形成された框連通孔を介して、前記中空部に挿入される一対の裏板本体と、前記一対の裏板本体を互いに離間する方向に移動させ、前記中空部を形成する一対の壁部にそれぞれ押し付けた状態で固定する裏板固定機構と、を備え、前記部品固定方法は、前記一対の裏板本体を前記框連通孔を介して前記中空部に挿入し、前記裏板固定機構により、前記一対の裏板本体を前記互いに離間する方向に移動させ、前記一対の壁部にそれぞれ押し付けた状態で固定し、部品固定部材により前記部品と前記一対の裏板本体とを固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、框に強固に固定することができる部品固定裏板、および、部品固定裏板を用いる部品固定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態の引違い窓を室内から見た図であり、(A)は引き手が取り付けられた状態を示し、(B)は引き手がハンドルに交換された状態を示す。
図2】実施形態の引き手の取付構造を示す分解斜視図である。
図3】実施形態のハンドルを示す分解斜視図である。
図4】実施形態の部品固定裏板を示す分解斜視図である。
図5】実施形態の裏板本体を示す斜視図である。
図6】実施形態の部品固定裏板を示す斜視図である。
図7】実施形態の部品交換方法の裏板固定工程を示す斜視図であり、部品固定裏板を框連通孔に挿入している状態を示す。
図8】実施形態の部品交換方法の裏板固定工程を示す平面図であり、部品固定裏板を框連通孔に挿入している状態を示す。
図9】実施形態の部品交換方法の裏板固定工程を示す斜視図であり、裏板本体を補強材の見込み片へ押し付けた状態を示す。
図10】実施形態の部品交換方法の裏板固定工程を示す平面図であり、裏板本体を補強材の見込み片へ押し付けた状態を示す。
図11】実施形態の部品交換方法の部品取付工程を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態]
〔引き違い窓の構成〕
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
実施形態に係る建具である引違い窓1は、図1(A)に示すように、窓枠11と、窓枠11内に引違い可能に配置される外障子12および内障子13とを備えている。窓枠11は、図示しない躯体の開口に固定される半外付けの開口枠である。
外障子12は、上框121、下框122、戸先框123、外召合せ框124および複層ガラス125を框組みして構成されている。内障子13は、上框131、下框132、戸先框133、内召合せ框134および複層ガラス135を框組みして構成されている。上框121,131と、下框122,132と、戸先框123,133と、外召合せ框124と、内召合せ框134とは、難燃性の樹脂押出形材により形成されている。
なお、上框121,131と、下框122,132と、戸先框123,133と、外召合せ框124と、内召合せ框134は、アルミ形材、アルミと樹脂による複合形材により形成されても良い。
【0013】
戸先框123,133の室内見付け面部123A,133Aには、それぞれ堀込みタイプ(船底タイプ)の引き手14,15が取り付けられている。
堀込みタイプの引き手14,15は、外障子12、内障子13を開ける際に指先のみの掛かり代であり操作力を伝えにくい。そこで、実施形態では、図1(B)に示すように、引き手14,15を、当該引き手14,15よりも操作力を外障子12、内障子13に伝えやすい部品としてのハンドル16,17に交換する方法について説明する。
【0014】
〔堀込みタイプの引き手の取付構造〕
まず、引き手14,15をハンドル16,17に交換する部品交換方法を説明する前に、引き手14,15の外障子12、内障子13への取付構造について説明する。
引き手14の取付構造と引き手15の取付構造は同じであるため、以下、内障子13への引き手15の取付構造について説明する。
【0015】
内障子13を構成する戸先框133は、室内見付け面部133Aと、当該室内見付け面部133Aに対向する室外見付け面部133Bと、室内見付け面部133Aと室外見付け面部133Bを接続する一対の見込み面部133Cとを備えている。戸先框133は、室内見付け面部133A、室外見付け面部133Bおよび一対の見込み面部133Cにより形成される中空部133Dを有するように構成されている。
中空部133Dには、スチールやステンレスなどの金属製の補強材136が戸先框133の長手方向、つまり上下方向の略全長に亘って配置されている。補強材136は、室外見付け面部133Bに沿って配置される見付け片136Aと、各見込み面部133Cにそれぞれ沿って配置される壁部としての一対の見込み片136Bとを備える断面略コ字状に形成され、戸先框133に対して上下方向の位置決めがされた状態で配置されている。
【0016】
室内見付け面部133Aには、中空部133Dに連通する框連通孔133Eが形成されている。框連通孔133Eは、上下方向に延びる長孔状に形成されている。框連通孔133Eの内周面は、互いに平行に上下方向に延びる左右一対の側方平面部133E1と、一対の側方平面部133E1の下端同士を繋ぐ半円弧面状の下円弧面部133E2と、一対の側方平面部133E1の上端同士を繋ぐ半円弧面状の上円弧面部133E3とにより構成されている。下円弧面部133E2と上円弧面部133E3は、同じ曲率の半円状に形成されている。
この框連通孔133Eに、引き手15が嵌め込まれる。
【0017】
〔ハンドルの構造〕
次に、ハンドル16,17の構造について説明する。
なお、ハンドル16とハンドル17は、左右対称の構造を有するため、ハンドル17の構成について説明する。
図3に示すハンドル17は、戸先框133の室内見付け面部133Aに固定されるハンドル基部171を備えている。ハンドル基部171は、室内見付け面部133Aに対向する面が開口する長方形箱状に形成されている。ハンドル基部171の長手方向中央には、ハンドル17の操作時にユーザが握るハンドル部172が設けられている。ハンドル基部171の長手方向両端には、ハンドル取付部171Aが設けられている。それぞれのハンドル取付部171Aには、ねじ挿通孔171Bが形成されている。ねじ挿通孔171Bには、部品固定部材としての部品固定ねじ173が挿通される。部品固定ねじ173は、ハンドル17を戸先框133に固定する際に利用される。ハンドル取付部171Aには、当該ハンドル取付部171A全体を覆うカバー174が着脱可能に取り付けられる。
【0018】
〔部品固定裏板の構成〕
次に、ハンドル16,17の外障子12、内障子13への取り付けに用いる部品固定裏板2の構成について説明する。
【0019】
図4に示す部品固定裏板2は、ハンドル16,17を戸先框123,133に固定するために、戸先框123,133の内部に取り付けられる。
部品固定裏板2は、一対の裏板本体21と、カバー部材22と、裏板固定機構23とを備えている。
【0020】
図4および図5に示すように、裏板本体21は、スチールやステンレスなどの金属により、框連通孔133Eよりも短い棒状に形成されている。一対の裏板本体21は、カバー部材22と、裏板固定機構23を構成する裏板押圧部材231との間に配置される。
以下、部品固定裏板2の説明において、裏板本体21の長手方向を上下方向と言い、裏板本体21、カバー部材22および裏板押圧部材231の並び方向を前後方向と言い、上下方向および前後方向に直交する方向を左右方向と言う場合がある。
【0021】
裏板本体21におけるカバー部材22に対向する部位には、カバー部材22に対して摺動する平面状の本体摺動面部211が形成されている。裏板本体21における左右方向の一側面部212および他側面部213は、本体摺動面部211に対して直交する平面状に形成されている。裏板本体21は、一側面部212から他側面部213までの長さ、つまり左右方向の長さが、框連通孔133Eの左右方向の長さの半分未満になるように形成されている。
【0022】
裏板本体21の一側面部212における上下方向中央よりも一端側の部位には、本体摺動面部211の面方向に沿って長方形板状に延びる第1延出片214が設けられている。第1延出片214は、カバー部材22に対向する面が本体摺動面部211の一部を構成するように設けられている。
裏板本体21における第1延出片214を含む部位には、左右方向に延びる長孔状の第1本体挿通孔21Aが前後方向に貫通するように形成されている。
【0023】
裏板本体21における上下方向中央よりも他端側には、裏板押圧部材231側に凹む本体凹部215が形成されている。本体凹部215における深さ方向の底面部215Aは、本体摺動面部211に平行な平面状に形成されている。本体凹部215は、上下方向の長さが第1延出片214の上下方向の長さよりも長く、かつ、深さが第1延出片214の厚さよりも深くなるように形成され、その内部に互いの裏板本体21の第1延出片214を位置させることができるように構成されている。
裏板本体21の一側面部212における本体凹部215に対応する部位には、第1延出片214と同じ方向に長方形板状に延びる第2延出片216が設けられている。第2延出片216のカバー部材22に対向する面と底面部215Aは、同一平上に位置する。
裏板本体21における第2延出片216を含む部位には、左右方向に延びる長孔状の第2本体挿通孔21Bが前後方向に貫通するように形成されている。第2本体挿通孔21Bは、その形状が第1本体挿通孔21Aと同じ形状であり、かつ、その左右方向の位置が第1本体挿通孔21Aと同じ位置になるように形成されている。
【0024】
裏板本体21の他側面部213には、左右方向に貫通する延出片挿入孔21Cが形成されている。延出片挿入孔21Cは、裏板本体21の上下方向中央よりも一端側の部位において上下方向に延びるように形成され、互いの裏板本体21の第2延出片216を挿入できるように構成されている。
【0025】
裏板本体21における裏板押圧部材231に対向する部位には、本体当接部としての本体傾斜面部217が形成されている。本体傾斜面部217は、裏板本体21の上下方向の一端から他端にかけて設けられている。本体傾斜面部217は、一側面部212側から他側面部213側に向かうにしたがって本体摺動面部211までの距離が長くなるように傾斜している。
【0026】
このような構成を有する一対の裏板本体21は、互いの一側面部212が対向する状態でカバー部材22と裏板押圧部材231との間に配置される。一対の裏板本体21は、左側の裏板本体21の第1延出片214が右側の裏板本体21の本体凹部215内に位置し、右側の裏板本体21の第1延出片214が左側の裏板本体21の本体凹部215内に位置するように配置される。一対の裏板本体21がこのように配置されると、左側の裏板本体21の第1本体挿通孔21Aが右側の裏板本体21の第2本体挿通孔21Bに連通し、右側の裏板本体21の第1本体挿通孔21Aが左側の裏板本体21の第2本体挿通孔21Bに連通する。また、左側の裏板本体21の第2延出片216が右側の延出片挿入孔21Cに挿入され、右側の裏板本体21の第2延出片216が左側の延出片挿入孔21Cに挿入される。
【0027】
図4に示すように、カバー部材22は、スチールやステンレスなどの金属により、框連通孔133Eと同じ長さの長板状に形成されている。カバー部材22は、その左右方向の長さが框連通孔133Eの左右方向の長さよりも短くなるように形成されている。
カバー部材22における裏板本体21に対向する面は、裏板本体21の本体摺動面部211に摺接するカバー摺接面部22Aを構成している。
カバー部材22の上端面部22Bおよび下端面部22Cは、それぞれ框連通孔133Eの上円弧面部133E3および下円弧面部133E2と同じ曲率の曲面状に形成されている。このような構成により、カバー部材22は、框連通孔133Eに上下左右の位置決めがされた状態で嵌合する。
【0028】
カバー部材22における上下方向の中央よりも上側および下側には、その厚さ方向に貫通する一対の第1カバー挿通孔22Dが形成されている。一対の第1カバー挿通孔22Dは、左右方向に延びる長孔状に形成されている。一対の第1カバー挿通孔22Dは、それらの間隔が裏板本体21の第1本体挿通孔21Aと第2本体挿通孔21Bの間隔と同じになるように形成されている。第1カバー挿通孔22Dには、裏板固定機構23を構成する押圧制御ねじ232が挿通される。
カバー部材22における上下方向の両端側には、その厚さ方向に貫通する一対の第2カバー挿通孔22Eが形成されている。一対の第2カバー挿通孔22Eは、丸孔状に形成されている。一対の第2カバー挿通孔22Eは、一対の第1カバー挿通孔22Dを挟むように形成されている。第2カバー挿通孔22Eには、部品固定ねじ173が挿通される。
【0029】
カバー部材22における左右方向の両側縁には、裏板本体21から離れる方向に延びる一対の連結部221が設けられている。一対の連結部221の先端には、互いに離れる方向に延びるカバー当接部222が設けられている。一対のカバー当接部222は、右側のカバー当接部222の右端から左側のカバー当接部222の左端までの長さが、框連通孔133Eの左右方向の長さよりも長くなるように形成されており、カバー部材22が框連通孔133Eに嵌合された際に、框連通孔133Eの室内側の周縁部に当接するように構成されている。
【0030】
裏板固定機構23は、一対の裏板本体21を互いに離間する方向に移動させる。裏板固定機構23は、裏板押圧部材231と、押圧制御部材としての一対の押圧制御ねじ232とを備えている。
【0031】
裏板押圧部材231は、スチールやステンレスなどの金属により、裏板本体21よりも長く、かつ、框連通孔133Eよりも短く、かつ、左右方向の長さが框連通孔133Eよりも短い棒状に形成されている。
裏板押圧部材231における裏板本体21に対向する部位には、前面部231Aと、押圧当接部としての一対の押圧傾斜面部231Bとが形成されている。
【0032】
前面部231Aは、平面状に形成されている。前面部231Aにおける上下方向の中央よりも上側および下側には、その厚さ方向に貫通する一対の第1押圧部材螺合部231Cが形成されている。一対の第1押圧部材螺合部231Cは、それらの間隔が裏板本体21の第1本体挿通孔21Aと第2本体挿通孔21Bの間隔、および、カバー部材22の一対の第1カバー挿通孔22Dの間隔と同じになるように形成されている。第1押圧部材螺合部231Cには、押圧制御ねじ232が螺合される。
カバー部材22における上下方向の両端側には、その厚さ方向に貫通する一対の第2押圧部材螺合部231Dが形成されている。一対の第2押圧部材螺合部231Dは、一対の第1押圧部材螺合部231Cを挟むように、かつ、それらの間隔がカバー部材22の一対の第2カバー挿通孔22Eの間隔と同じになるように形成されている。第2押圧部材螺合部231Dには、部品固定ねじ173が螺合される。
【0033】
一対の押圧傾斜面部231Bは、前面部231Aの左右両側に設けられている。一対の押圧傾斜面部231Bは、裏板押圧部材231の左右両側縁に向かうにしたがって、前面部231Aと反対側の後面部231Eまでの距離が短くなるように傾斜している。各押圧傾斜面部231Bは、各押圧傾斜面部231Bの前面部231Aに対してなす角度と、本体傾斜面部217の本体摺動面部211に対してなす角度との和が、180°となるように傾斜している。
【0034】
一対の押圧制御ねじ232は、それぞればね座金233と、カバー部材22の第1カバー挿通孔22Dと、裏板本体21の第1本体挿通孔21Aおよび第2本体挿通孔21Bとに挿通された状態で、裏板固定機構23の第1押圧部材螺合部231Cに螺合される。
このような押圧制御ねじ232の螺合により、図6に示すように、一対の裏板本体21とカバー部材22と裏板押圧部材231とを固定することができる。図6に示す状態では、一対の裏板本体21の本体摺動面部211は、カバー部材22のカバー摺接面部22Aに面接触する。一対の裏板本体21の本体傾斜面部217は、裏板押圧部材231の一対の押圧傾斜面部231Bにそれぞれ面接触する。一対の裏板本体21の一側面部212同志は、面接触する。裏板本体21の一側面部212同志が面接触することにより、裏板押圧部材231の第2押圧部材螺合部231Dが第2カバー挿通孔22Eから露出しない状態になる。一側面部212同志が面接触している状態では、一対の裏板本体21を合わせた左右方向の長さが框連通孔133Eの左右方向の長さよりも短くなり、一対の裏板本体21および裏板押圧部材231を、框連通孔133Eを介して、中空部133D内に挿入することができる。
【0035】
〔部品交換方法〕
次に、引き手14,15をハンドル16,17に交換する部品交換方法について説明する。
なお、引き手14をハンドル16に交換する方法と、引き手15をハンドル17に交換する方法は同じであるため、以下、引き手15をハンドル17に交換する方法について説明する。
【0036】
本実施形態の部品交換方法は、引き手取り外し工程と、裏板準備工程と、裏板固定工程と、部品取付工程とを備えている。裏板固定工程、および、部品取付工程は、本発明の部品固定方法に含まれる。
【0037】
引き手取り外し工程では、作業者は、引き手14を戸先框133から取り外し、框連通孔133Eを室内に露出させる。
裏板準備工程では、作業者は、図6に示す状態の部品固定裏板2を準備する。
【0038】
裏板固定工程では、作業者は、図7および図8に示すように、裏板本体21および裏板押圧部材231が、中空部133Dのうち室内見付け面部133Aと補強材136とにより形成される領域内に位置し、カバー部材22のカバー当接部222が、框連通孔133Eの周縁部に当接するまで、部品固定裏板2を框連通孔133Eに挿入する。このように部品固定裏板2が挿入されると、カバー部材22の上端面部22Bおよび下端面部22Cと、框連通孔133Eの上円弧面部133E3および下円弧面部133E2とがそれぞれ接触し、框連通孔133Eに対する部品固定裏板2の上下左右の位置決めが行われる。また、一対の裏板本体21は、他側面部213が補強材136の見込み片136Bから離れた状態になる。
【0039】
次に、作業者は、裏板押圧部材231が框連通孔133Eに近づくように押圧制御ねじ232を締める。このように押圧制御ねじ232が締められると、押圧制御ねじ232が挿通された第1本体挿通孔21Aおよび第2本体挿通孔21Bが左右方向に延びる長孔状に形成されているため、裏板本体21の本体傾斜面部217が裏板押圧部材231の押圧傾斜面部231Bに対して摺動するとともに、裏板本体21の本体摺動面部211がカバー部材22のカバー摺接面部22Aに対して摺動することにより、裏板本体21が互いに離間する方向に同じ距離だけ移動する。
【0040】
さらに押圧制御ねじ232が締められると、図9および図10に示すように、一対の裏板本体21は、さらに互いに離れる方向に同じ距離だけ移動し、それぞれの他側面部213が補強材136の一対の見込み片136Bに押し付けられる。具体的には、一対の見込み片136B間の領域における左右方向中央の位置(以下、「見込み片間中央位置」と言う場合がある)が、框連通孔133Eの中心軸(以下、「框連通孔中心軸」と言う場合がある)上に位置し、押圧制御ねじ232が第1カバー挿通孔22Dにおける左右方向中央に位置する状態で、他側面部213が一対の見込み片136Bに押し付けられる。
この一対の裏板本体21の一対の見込み片136Bへの押し付けと、戸先框133に対する補強材136の上下方向の位置決めとにより、部品固定裏板2が戸先框133に固定される。また、一対の裏板本体21の間から、裏板押圧部材231の第2押圧部材螺合部231Dが室内側に露出する。
【0041】
部品取付工程では、作業者は、図11に示すように、カバー174が取り付けられていないハンドル17を準備し、2つの部品固定ねじ173をそれぞれ上下のねじ挿通孔171Bおよび第2カバー挿通孔22Eに挿通させて、第2押圧部材螺合部231Dに螺合させることにより、ハンドル17を戸先框133に取り付ける。
最後に、作業者は、図1に示すように、2つのカバー174をそれぞれ上下のハンドル取付部171Aに取り付ける。
以上により、引き手15のハンドル17への交換が終了する。
【0042】
〔実施形態の効果〕
実施形態では、部品固定裏板2は、框連通孔133Eを介して中空部133Dに挿入される一対の裏板本体21と、一対の裏板本体21を左右方向に移動させ、一対の見込み片136Bにそれぞれ押し付けた状態で固定する裏板固定機構23と、を備えている。
このように、裏板固定機構23により、中空部133D内に位置する一対の裏板本体21を一対の見込み片136Bにそれぞれ押し付けることにより、部品固定裏板2を戸先框133に強固に固定することができる。
また、部品固定ねじ173を用いて、ハンドル17と、戸先框133に固定された部品固定裏板2とを固定することにより、戸先框133にハンドル17を強固に取り付けることができる。
さらに、部品としてのハンドル17を戸先框133に取り付けることにより、内障子13の操作性を向上させることができる。
【0043】
一対の裏板本体21に、一対ずつの第1本体挿通孔21Aおよび第2本体挿通孔21Bと、裏板固定機構23に当接する本体当接部と、をそれぞれ設けている。また、裏板固定機構23は、一対の押圧当接部を有する裏板押圧部材231と、裏板押圧部材231を框連通孔133Eに近づく方向に移動させる押圧制御ねじ232と、を備えている。そして、裏板本体21の本体当接部を本体傾斜面部217により構成し、裏板押圧部材231の押圧当接部を押圧傾斜面部231Bにより構成している。
このため、押圧制御ねじ232で裏板押圧部材231を框連通孔133Eに近づく方向に移動させて一対の裏板本体21を押圧することにより、裏板固定機構23の押圧傾斜面部231Bに対して裏板本体21の本体傾斜面部217を摺動させ、一対の裏板本体21を左右方向に移動させることができる。
したがって、押圧制御ねじ232により裏板押圧部材231を一方向に移動させるだけの簡単な方法で、部品固定裏板2を戸先框133に固定することができる。
【0044】
部品固定裏板2に、押圧制御ねじ232が挿通される第1カバー挿通孔22Dを有し、裏板押圧部材231とにより一対の裏板本体21を挟むように配置されるカバー部材22を設けている。カバー部材22には、框連通孔133E内に位置する状態で、戸先框133の外面(室内側)における框連通孔133Eの周縁部に当接するカバー当接部222を設けている。
このため、カバー当接部222を框連通孔133Eの周縁部に当接させることにより、部品固定裏板2が中空部133D内に落下することを防止でき、押圧制御ねじ232による裏板押圧部材231の移動操作を容易に行うことができる。
【0045】
カバー部材22を、框連通孔133Eに嵌合する形状に形成している。
このため、カバー部材22を框連通孔133Eに嵌合させることにより、戸先框133に対する一対の裏板本体21および裏板押圧部材231の位置決めを行うことができ、押圧制御ねじ232による裏板押圧部材231の移動操作を容易に行うことができる。
【0046】
第1カバー挿通孔22Dを、左右方向に延びる長孔状に形成している。
ここで、図示はしないが、一対の見込み片136Bの厚さによっては、見込み片間中央位置を框連通孔中心軸上に位置させることができない場合がある。この場合、第1カバー挿通孔22Dをカバー部材22の左右方向中央に位置する丸孔状に形成すると、押圧制御ねじ232を締めて一対の裏板本体21を同じ距離だけ移動させたときに、一方の裏板本体21を見込み片136Bに押し付けることができるが、他方の裏板本体21を見込み片136Bに押し付けることができず、部品固定裏板2を戸先框133に固定することができないおそれがある。
本実施形態では、第1カバー挿通孔22Dを左右方向に延びる長孔状に形成しているため、見込み片間中央位置を框連通孔中心軸上に位置させることができない構成であっても、押圧制御ねじ232を締めて一対の裏板本体21を同じ距離だけ移動させたときに、押圧制御ねじ232を第1カバー挿通孔22Dにおける左右方向中央からずらした状態で、一対の裏板本体21を一対の見込み片136Bに押し付けることができ、部品固定裏板2を戸先框133に固定することができる。
【0047】
一対の裏板本体21を押し付ける壁部として、戸先框133とは別体で構成された補強材136の見込み片136Bを適用している。
このため、樹脂で形成された戸先框133を破損することなく、部品固定裏板2を強固に固定することができる。
【0048】
[変形例]
裏板本体21の本体当接部および裏板押圧部材231の押圧当接部の両方を傾斜面部により構成したが、例えば本体当接部を本体傾斜面部217により構成し、押圧当接部を本体傾斜面部217に線接触または点接触する形状に形成しても良い。
押圧制御部材は、押圧制御ねじ232に限定されず、裏板押圧部材231を框連通孔133Eに近づく方向に移動させることができる構成であれば良く、例えばブラインドリベットであっても良い。この場合、第1押圧部材螺合部231Cの代わりに雌ねじが形成されていない孔を設けても良い。
【0049】
部品固定裏板2の構成要素として、カバー部材22を設けなくても良い。この場合、作業者は、例えば一対の押圧制御ねじ232を、それぞればね座金233と、裏板本体21の第1本体挿通孔21Aおよび第2本体挿通孔21Bとに挿通された状態で、裏板固定機構23の第1押圧部材螺合部231Cに螺合するとともに、部品固定ねじ173を第2押圧部材螺合部231Dに螺合する。そして、作業者は、部品固定ねじ173を持って裏板本体21および裏板押圧部材231を中空部133Dに挿入し、押圧制御ねじ232を締めることにより、一対の裏板本体21を一対の見込み片136Bに押し付けても良い。
カバー部材22にカバー当接部222を設けなくても良いし、第1カバー挿通孔22Dを丸孔状に形成しても良い。
【0050】
一対の裏板本体21を、戸先框133の一対の見込み面部133Cに押し付けても良い。
【0051】
部品は、ハンドル16,17に限定されず、見付け面部に取り付けられる取っ手、見込み面部に取り付けられるクレセント錠など、框の見付け面部または見込み面部に取り付け可能ないずれの部品であっても良い。
部品が取り付けられる框は、上框、下框、戸先框、召し合わせ框のいずれであっても良い。
部品固定部材は、部品固定ねじ173に限定されず、部品と裏板本体21とを固定できる構成であれば良く、例えばブラインドリベットであっても良い。この場合、第2押圧部材螺合部231Dの代わりに雌ねじが形成されていない孔を設けても良い。
【0052】
引き手15取付用の框連通孔133Eを加工することなく、部品固定裏板2を取り付ける構成を例示したが、框連通孔133Eが形成されていない戸先框133に框連通孔133Eを新たに形成して、部品固定裏板2を取り付けるようにしても良い。また、部品固定裏板2の大きさに応じて、引き手15取付用の框連通孔133Eを大きくしてから部品固定裏板2を取り付けるようにしても良い。
【0053】
[本発明のまとめ]
本発明の部品固定裏板は、框の中空部に配置可能に構成され、前記框に取り付けられる部品が固定される部品固定裏板であって、前記框に形成された框連通孔を介して、前記中空部に挿入される一対の裏板本体と、前記一対の裏板本体を互いに離間する方向に移動させ、前記中空部を形成する一対の壁部にそれぞれ押し付けた状態で固定する裏板固定機構と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、一対の裏板本体を中空部に挿入した後、裏板固定機構により、一対の裏板本体を互いに離間する方向に移動させて一対の壁部にそれぞれ押し付けることにより、部品固定裏板を框に強固に固定することができる。
【0054】
本発明の部品固定裏板において、前記一対の裏板本体には、前記互いに離間する方向に延びる長孔状の本体挿通孔と、前記裏板固定機構に当接する本体当接部と、がそれぞれ設けられ、前記裏板固定機構は、前記一対の裏板本体に対して前記框連通孔の反対側に配置され、一対の前記本体当接部にそれぞれ当接する一対の押圧当接部を有する裏板押圧部材と、一対の前記本体挿通孔に挿通された状態で前記裏板押圧部材を前記框連通孔に近づく方向に移動させる押圧制御部材と、を備え、前記本体当接部および前記押圧当接部のうち少なくとも一方の当接部は、前記互いに離間する方向に向かうにしたがって前記框連通孔の周縁部から離れるように傾斜する傾斜面部により構成されていることが好ましい。
本発明によれば、一対の本体挿通孔に挿通された押圧制御部材で、裏板押圧部材を框連通孔に近づく方向に移動させて一対の裏板本体を押圧することにより、一方の当接部を構成する傾斜面部と他方の当接部とが摺動し、または、本体当接部および押圧当接部をそれぞれ構成する一対の傾斜面部が摺動し、一対の裏板本体を互いに離間する方向に移動させることができる。
したがって、押圧制御部材により裏板押圧部材を一方向に移動させるだけの簡単な方法で、裏板本体を框の中空部に固定することができる。
【0055】
本発明の部品固定裏板において、前記押圧制御部材が挿通されるカバー挿通孔を有し、前記裏板押圧部材とにより前記一対の裏板本体を挟むように配置されるカバー部材を備え、前記カバー部材には、当該カバー部材が前記框連通孔内に位置する状態で、前記框の外面における前記框連通孔の周縁部に当接するカバー当接部が設けられていることが好ましい。
本発明によれば、カバー当接部を框の外面における框連通孔の周縁部に当接させることにより、部品固定裏板が中空部内に落下することを防止でき、押圧制御部材による裏板押圧部材の移動操作をより容易に行うことができる。
【0056】
本発明の部品固定裏板において、前記カバー部材は、前記框連通孔に嵌合する形状に形成されていることが好ましい。
本発明によれば、カバー部材を框連通孔に嵌合させることにより、框に対する一対の裏板本体および裏板押圧部材の位置決めを行うことができ、押圧制御部材による裏板押圧部材の移動操作を容易に行うことができる。
【0057】
本発明の部品固定裏板において、前記カバー挿通孔は、前記互いに離間する方向に延びる長孔状に形成されていることが好ましい。
本発明によれば、一対の壁部間の領域における前記互いに離間する方向の中央の位置を、框連通孔の中心軸上に位置させることができない構成であっても、押圧制御部材により一対の裏板本体を同じ距離だけ互いに離れる方向に移動させたときに、押圧制御部材をカバー挿通孔における中央からずらした状態で、一対の裏板本体を一対の壁部に押し付けることができ、部品固定裏板を框に固定することができる。
【0058】
本発明の部品固定方法は、框の中空部に配置可能に構成された部品固定裏板を用いて前記框に部品を取り付ける部品固定方法であって、前記部品固定裏板は、前記框に形成された框連通孔を介して、前記中空部に挿入される一対の裏板本体と、前記一対の裏板本体を互いに離間する方向に移動させ、前記中空部を形成する一対の壁部にそれぞれ押し付けた状態で固定する裏板固定機構と、を備え、前記部品固定方法は、前記一対の裏板本体を前記框連通孔を介して前記中空部に挿入し、前記裏板固定機構により、前記一対の裏板本体を前記互いに離間する方向に移動させ、前記一対の壁部にそれぞれ押し付けた状態で固定し、部品固定部材により前記部品と前記一対の裏板本体とを固定することを特徴とする。
本発明によれば、部品固定部材を用いて、部品と、框に固定された一対の裏板本体とを固定することにより、框に部品を強固に取り付けることができる。
【0059】
本発明の部品固定方法において、前記中空部を形成する前記一対の壁部は、前記框とは別体で構成された補強材の壁部により構成されていることが好ましい。
本発明によれば、一対の裏板本体を補強材の壁部に押し付ける構成にすることにより、例えば軽量化のために框を樹脂で形成しても、框を破損することなく、部品固定裏板を強固に固定することができる。
【0060】
本発明の部品固定方法において、前記部品は、ハンドルであることが好ましい。
本発明によれば、ハンドルを框に取り付けることにより、框を有する建具の操作性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0061】
1…引違い窓(建具)、2…部品固定裏板、16,17…ハンドル(部品)、21…裏板本体、21A…第1本体挿通孔(本体挿通孔)、21B…第2本体挿通孔(本体挿通孔)、22D…第1カバー挿通孔(カバー挿通孔)、22E…第2カバー挿通孔、22…カバー部材、23…裏板固定機構、123,133…戸先框、133A…室内見付け面部、133D…中空部、133E…框連通孔、136…補強材、136B…見込み片(壁部)、173…部品固定ねじ(部品固定部材)、217…本体傾斜面部(本体当接部)、222…カバー当接部、231…裏板押圧部材、231B…押圧傾斜面部(押圧当接部)、231C…第1押圧部材螺合部、231D…第2押圧部材螺合部、232…押圧制御ねじ(押圧制御部材)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11