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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097236
(43)【公開日】2024-07-18
(54)【発明の名称】塗布デバイス
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20240710BHJP
   B05C 17/00 20060101ALI20240710BHJP
   B05C 21/00 20060101ALI20240710BHJP
【FI】
A45D34/04 510C
B05C17/00
B05C21/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023000660
(22)【出願日】2023-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】吉川 久代
(72)【発明者】
【氏名】アレクシ・レオナール
【テーマコード(参考)】
4F042
【Fターム(参考)】
4F042AA01
4F042AB00
4F042CA01
4F042CA06
4F042CC02
4F042CC08
4F042CC11
4F042FA24
4F042FA30
4F042FA43
(57)【要約】
【課題】大量の塗布材を塗布具上に効率的に付着させるための塗布デバイスを提供すること。
【解決手段】塗布デバイスが、塗布材を収容するための収容空間を画定している容器と、容器の口部に取外し可能に取り付けられおり、塗布材が付着される塗布部分を含む塗布具とを含み、塗布材を攪拌するための攪拌体が収容空間内に収容されており、収容空間を画定している上壁部には、容器に取り付けられている塗布具の塗布部分を収容空間へ露出させるための露出穴部が形成されており、露出穴部に向かって攪拌体を案内することが可能であり収容空間から外向きに凹所を作っている円錐状案内面で画定されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布材を収容するための収容空間を画定している容器と、前記容器の口部に取外し可能に取り付けられおり、前記塗布材が付着される塗布部分を含む塗布具とを含み、
前記塗布材を攪拌するための攪拌体が前記収容空間内に収容されており、
前記収容空間を画定している上壁部には、前記容器に取り付けられている前記塗布具の前記塗布部分を前記収容空間へ露出させるための露出穴部が形成されており、前記露出穴部に向かって前記攪拌体を案内することが可能であり前記収容空間から外向きに凹所を作っている円錐状案内面で画定されている、塗布デバイス。
【請求項2】
前記容器は、前記塗布材を収容するする容器本体であって、上縁で上向きに開口した容器本体と、前記容器本体の上縁開口部を閉鎖し、前記露出穴部と連通されている接続穴部が形成されている蓋部と、前記露出穴部が形成されており、前記案内面を画定している、前記蓋部に取り付けられている漏斗部とを含む、請求項1に記載の塗布デバイス。
【請求項3】
前記蓋部には、連通穴部を含む筒状の口部であって、そこを通して前記塗布具が挿入される口部を設けられている、請求項2に記載の塗布デバイス。
【請求項4】
前記容器は、前記塗布部分上に付着させられた過剰な塗布材を拭い取るワイパを含む、請求項1または2に記載の塗布デバイス。
【請求項5】
前記容器は、前記塗布具よりも幅広の箱状をなし、自立可能である、請求項1または2に記載の塗布デバイス。
【請求項6】
前記塗布具は、前記容器に取外し可能に取り付けられているキャップと、前記キャップの端部に取り付けられており前記塗布部分を構築するブラシとを含む、請求項1または2に記載の塗布デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚などの塗布対象に粘性化粧液などの塗布材、例えばコンシーラ、を塗布するための塗布デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
化粧液などの塗布材を収容する容器と、容器に取外し可能に取り付けられているアプリケータとを含む塗布デバイスが提案されている(特許文献1~4参照)。
【0003】
塗布材を攪拌するためのボールなどの攪拌体が容器内に収容されており、ユーザが、塗布デバイスを振ることによって、塗布材を攪拌し、アプリケータを容器から取り外して、アプリケータ上に付着させられた塗布材を、皮膚などの塗布対象に塗布する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,796,647号明細書
【特許文献2】米国特許第5,492,426号明細書
【特許文献3】日本特許第5264117号公報
【特許文献4】日本特許第5409051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、粘性塗布材をアプリケータに効率的に付着させるために、そのような塗布デバイスが必要である。したがって、本願の目的は、大量の塗布材を塗布具上に効率的に付着させるための塗布デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の問題を解決する次の手段を採用する。本発明による塗布デバイスは、塗布材を収容するための収容空間を画定している容器と、前記容器の口部に取外し可能に取り付けられおり、前記塗布材が付着される塗布部分を含む塗布具とを含み、前記塗布材を攪拌するための攪拌体が前記収容空間内に収容されており、前記収容空間を画定している上壁部には、前記容器に取り付けられている前記塗布具の前記塗布部分を前記収容空間へ露出させるための露出穴部が形成されており、前記露出穴部に向かって前記攪拌体を案内することが可能であり前記収容空間から外向きに凹所を作っている円錐状案内面で画定されている。
【0007】
本発明によれば、塗布デバイスを振ることによって、攪拌体が収容空間内で移動し、塗布材を攪拌する。次に、収容空間内で移動する攪拌体は、収容空間を画定する上壁部の案内面と接触するか、またはぶつかり、円錐状案内面によって露出穴部に向かって案内され、露出穴部において露出させられた塗布部分と接触する。したがって、攪拌体上に付着させられた塗布材は塗布部分へ移される。さらに、攪拌体と同様に、攪拌体によって攪拌された塗布材は上壁部の案内面に到達し、円錐状案内面によって、露出穴部に向かって案内され、露出穴部において露出させられた塗布具の塗布部分と接触する。したがって、塗布材は塗布部分上に付着させられる。このようにして、上壁部の案内面によって、塗布材が付着された攪拌体及び塗布材を露出穴部に向かって案内することによって、十分な量の塗布材が塗布部分上に効率的に付着させられる。塗布デバイスをひっくり返した場合でも、塗布材が付着された攪拌体及び攪拌体によって攪拌された塗布材が上壁部の案内面に到達し、案内面によって露出穴部に向かって案内され、ひいては、十分な量の塗布材が塗布部分上に効率的に付着させられる。
【0008】
さらに、本発明による塗布デバイスでは、前記容器は、前記塗布材を収容するする容器本体であって、上縁で上向きに開口した容器本体と、前記容器本体の上端開口部を閉鎖し、前記露出穴部と連通されている接続穴部が形成されている蓋部と、前記露出穴部が形成されており、前記案内面を画定している、前記蓋部に取り付けられている漏斗部とを含み得る。本発明によれば、塗布材が付着された攪拌体及び攪拌体によって攪拌される塗布材は、漏斗部により画定されている案内面によって、塗布部分に向かって案内される。
【0009】
さらに、本発明による塗布デバイスでは、前記蓋部には、連通穴部を含む筒状の口部であって、そこを通して前記塗布具が挿入される口部を設けられ得る。本発明によれば、塗布具を容器上に取り付けると、塗布具は、塗布具を口部内へ挿入することによって、容器上にしっかりと取り付けられる。
【0010】
さらに、本発明による塗布デバイスでは、前記容器は、前記塗布部分上に付着させられた過剰な塗布材を拭い取るワイパを含み得る。本発明によれば、塗布部分上での塗布材の塗布の後、塗布部分上の過剰な塗布材は拭い取られ得る。
【0011】
さらに、本発明による塗布デバイスでは、前記容器は、前記塗布具よりも幅広の箱状をなし、自立可能であり得る。本発明によれば、収容空間が塗布具よりも幅広くても、塗布材は、案内面によって、露出穴部から露出している塗布部分に向かって案内され得る。
【0012】
その上、本発明による塗布デバイスでは、前記塗布具は、前記容器に取外し可能に取り付けられているキャップと、前記キャップの端部に取り付けられており前記塗布部分を構築するブラシとを含み得る。本発明によれば、キャップは、塗布具のハンドルとして使用されることが可能であり、一方、ブラシ上に付着されている塗布材は塗布対象上に塗布され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態による塗布デバイスの正面図である。
図2図1に示されている塗布デバイスのA-A横断面図である。
図3図2の部分拡大図である。
図4図1に示されている塗布デバイスの分解斜視図である。
図5図1に示されている蓋部の正面図である。
図6図5に示されている蓋部のB-B横断面図である。
図7図1に示されている漏斗部の正面図である。
図8図7に示されている漏斗部のC-C横断面図である。
図9図1に示されているワイパの正面図である。
図10図9に示されているワイパのD-D横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明による塗布デバイスの一実施形態を図に基づいて説明する。次の説明において用いられる図では、各要素をわかりやすくするために、各要素が相応に縮尺で図示されている。
【0015】
図1から図4までに示されているように、実施形態による塗布デバイス1は、コンシーラなどの液体化粧品Lを収容する容器2と、皮膚などの塗布対象上に化粧品Lを塗布するための塗布具3とを含む。
【0016】
容器2は、その上縁部において開いておりかつ立方体の箱状を有する容器本体11と、容器本体11の上端部内で嵌合される蓋部12と、蓋部12の内側に取り付けられている漏斗部13と、蓋部12に取り付けられている円筒状ワイパ14と、容器本体11内に収容されている球状攪拌体15とを含む。容器本体11、蓋部12、漏斗部13と、ワイパ14とは、それらの中心軸が同軸上にあるように配置されている。以下、中心軸が容器軸Oと呼ばれる。さらに、容器軸Oに沿った、容器本体11の近傍の方向が下方向と呼ばれ、反対方向が上方向と呼ばれ、容器軸Oと交差する方向を径方向と称し、容器軸O回りの方向を周方向と称する。
【0017】
容器本体11は例えばPETGによって形成されており、平面図において四角形状をなす底壁部21と、底壁部21の外周から上向きに延在しかつ四角形筒状を有する周壁部22と、を含む。底壁部21と周壁部22とは容器軸O上に同軸に配置されている。周壁部22の上端部の内周縁部には、上端部の外周縁部から下向きに凹所が形成されている。
【0018】
図1から図6までに示されているように、蓋部12は、例えばPETGによって形成されており、平面図において四角形状をなす上壁部31と、上壁部31の外周縁部のわずかに径方向内側に上壁部31から下向きに延在しかつ四角形筒状を有する嵌合管状壁部32と、上壁部31の中心に形成されておりかつ円筒状を有する第1の貫通孔31Aの開口縁部から延在する装着筒部33と、上壁部31の貫通孔31Aの開口縁部から上向きに延在する口筒部34とを含む。上壁部31、嵌合管状壁部32、装着筒部33及び口筒部34は、容器軸O上に同軸に配置されている。
【0019】
上壁部31は容器本体11の上縁開口部を閉鎖する。上壁部31の外周縁部は周壁部22の前記段上に載せられており、周壁部22と溶接されている。それにより、上壁部31の上面は周壁部22の上縁部の外周縁部と同一平面にある。嵌合管状壁部32は容器本体11の周壁部22内に嵌合される。容器軸Oに沿った嵌合管状壁部32の長さは、塗布デバイス1が水平面上に載っている場合、嵌合管状壁部32が化粧品Lに接触しないようになっている。容器軸Oに沿った装着筒部33の長さは嵌合管状壁部32の長さよりも短い。装着筒部33の上端部の外周面は、その全周に沿って、第1の取付凹部33Aを備えて形成されている。さらに、装着筒部33の下端部は、径方向内側に突出している支持突出部33Bを備えて形成されている。容器軸Oに沿った口筒部34の長さは装着筒部33の長さよりも長い。口筒部34の内周面には、ワイパ14が蓋部12に対して回転しないようにするための規制溝部34Aが形成されている。規制溝部34Aは容器軸Oに沿って延在する。さらに、規制溝部34Aの上方に配置されている口筒部34の内周面には、その全周に沿って、第2の取付凹部34Bが形成されている。
【0020】
図1から図4まで、図7及び図8に示されているように、漏斗部13は例えばPETGによって形成されており、平面図において四角形状をなす案内板41と、案内板41の中心に形成されておりかつ円筒状を有する第2の貫通孔41Aの開口縁部を囲むように、案内板41から上向きに延在する装着筒壁部42とを含む。案内板41と装着筒壁部42とは容器軸O上に同軸に配置されている。案内板41は、外周縁部から、案内板41の中心に形成されている第2の貫通孔41Aまで、上向きに傾斜している。案内板41の下面は攪拌体15のための案内面を画定している。案内板41の外周縁部は嵌合管状壁部32の内周面に当接しているか、または十分に近接している。案内板41は、化粧品Lを収容するために、底壁部21及び容器本体11の周壁部22とともに収容空間Sを画定しており、収容空間Sを画定している上壁部としての機能を果たす。装着筒壁部42の上端部の内周面には、その全周に沿った第1の取付凹部33Aと係合する第1の取付突部42Aが形成されている。
【0021】
図1から図4まで、図9及び図10に示されているように、ワイパ14は例えばPEによって形成されており、その内径がその上端部からその下端部に向かって減少する円筒状をなす。ワイパ14は蓋部12の装着筒部33内に嵌合されている。ワイパ14の上端部の外周面には、塗布具3を取り付けるための雄ネジ14Aが形成されている。さらに、雄ネジ14Aの下のワイパ14の外周面には、口筒部34の第2の取付凹部34Bと係合する第2の取付突部14Bが形成されている。さらに、第2の取付突部14Bの下のワイパ14の外周面には、径方向外向きに突出している規制リブ14Cが形成されている。規制リブ14Cは容器軸Oに沿って延在しており、周方向に規制溝部34Aと係合している。その上、規制リブ14Cの下のワイパ14の外周面には、径方向外向きに突出している弾性筒部14Dが形成されている。弾性筒部14Dは、ワイパ14の外周面と接続されているその上端部から下端部に向かって径方向外向きに傾斜している。さらに、弾性筒部14Dは装着筒部33の内周面と弾性接触し、ワイパ14と蓋部12の装着筒部33との間にシールを作り出す。さらに、弾性筒部14Dの下端部は装着筒部33の支持突出部33Bの上面のわずかに上方にある。弾性筒部14Dの下に配置されている、ワイパ14の下端部は、第1の貫通孔31A及び第2の貫通孔41Aを貫通して案内板41の下にさらに突出しているが、塗布デバイス1が水平面上に載っている時、ワイパ14の下端部は化粧品Lと接触しない。第1の貫通孔31Aと第2の貫通孔41Aとは露出穴部を画定している。攪拌体15は例えば金属ボールである。攪拌体15の大きさはワイパ14の下開口部よりも大きい。
【0022】
図1から図4までに示されているように、塗布具3は、有頂円筒状をなすキャップ51と、キャップ51内に嵌合されておりかつ円筒状をなすスリーブ52と、スリーブ52に取り付けられておりかつ円柱状をなすブラシ53とを含む。キャップ51と、スリーブ52と、ブラシ53とは容器軸O上に同軸に配置されている。
【0023】
キャップ51は例えばPETGによって形成されており、有頂円筒状をなすハンドル部61と、その内径及び外径がハンドル部61のものよりも大きくかつ円筒状をなす取付部62と、ハンドル部61の下端部と取付部62の上端部とを接続しかつ円形環状板状をなす接続部63とを含む。ハンドル部61は有頂円筒状をなし、ハンドル部は容器軸Oにおいて細長く、塗布具3のハンドルとしての機能を果たす。さらに、ハンドル部61の下端部の内周面には、その全周に沿って、第3の取付凹部61Aが形成されている。取付部62の内周面には、ワイパ14の上端部上に形成されている雄ネジ14Aと螺合する雌ネジ62Aが形成されている。接続部63の下面は、接続部63の部分から下向きに突出している封止筒部63Aを設けられており、封止筒部は接続部63の外周縁部よりも径方向内側にある。
【0024】
スリーブ52は例えばPPによって形成されており、キャップ51のハンドル部61内に嵌合されておりかつ円筒状をなす上側筒部71と、ブラシ53を取り付けられておりかつ円筒状をなす下側筒部72とを含む。上側筒部71の下端部の外周面には、その全周に沿って、第3の取付凹部61Aと係合する第3の取付突部71Aが形成されている。上側筒部71と下側筒部72とを接続する部分には、径方向外向きに突出しているフランジ部73が形成されている。フランジ部73は接続部63の下面と当接し、封止筒部63A内に嵌合される。容器軸Oに沿った下側筒部72の中間部分は、下側筒部72の内部空間を上部分と下部分とに仕切る隔壁部72Aを設けられている。下側筒部72の隔壁部72Aの上方の上部分の内部空間が上側筒部71の内部空間と連通している。
【0025】
ブラシ53は、隔壁部72Aの下のスリーブ52の下側筒部72の下部分内に挿入される。ブラシ53の下端部は、塗布デバイス1が水平面上に載っている時に化粧品Lと接触するように、ワイパ14の下に配置される。さらに、ブラシ53の下端部の外径はワイパ14の下開口部の外径よりも大きい。
【0026】
次に、上記の構造を有する塗布デバイス1を使用する方法を説明する。最初に、容器2を取り付けられている塗布具3を備えた塗布デバイス1が振られ、化粧品Lが攪拌体15によって攪拌される。収容空間S内で移動する攪拌体15は、案内板41の下面に当接し、ぶつかり、円錐状をなす下面によって、第2の貫通孔41Aから露出しているブラシ53の下端部に向かって案内される。それにより、攪拌体15上に付着させられた化粧品Lはブラシ53へ移される。さらに、攪拌体15によって攪拌された化粧品Lは案内板41の下面に到達し、円錐状をなす下面によってブラシ53に向かって案内され、ブラシ53上に付着させられる。それにより、十分な量の化粧品Lがブラシ53上に付着させられる。塗布デバイス1をひっくり返した場合でも、攪拌体15と化粧品Lとは、案内板41の下面によって、ブラシ53に向かって案内され、ブラシ53は化粧品Lが付着される。次に、キャップ51はワイパ14から抜き出され、塗布具3は容器2から取り外される。塗布具3を容器2から外へ引き出すと、ブラシ53上に付着させられた過剰な化粧品Lがワイパ14の下端部によって拭い取られる。塗布具3を容器2から外へ取り外した後、ブラシ53上に付着させられた化粧品Lは皮膚などの塗布対象上に塗布され、化粧品Lを塗布した後、キャップ51はワイパ14上に差し込まれ、塗布具3は容器2上に取り付けられる。上述と同じ方法で化粧品Lを再度塗布する場合、塗布デバイス1を振るかまたはひっくり返すことによって、化粧品Lはブラシ53上に付着させられる。この関連で、容器本体11内の化粧品Lの量が少なくなった場合でも、化粧品Lが付着された攪拌体15が案内板41の下面に沿って案内されかつ化粧品Lがブラシ53に移されるので、十分な量の化粧品Lがブラシ53上に付着させられる。
【0027】
上述のように、本実施形態における塗布デバイス1によれば、塗布デバイス1を振ることによって、収容空間S内で移動する攪拌体15が、案内板41の下面によって画定されている案内面によって第2の貫通孔41Aに向かって案内され、攪拌体15上に付着させられた化粧品Lは、第2の貫通孔41Aから露出しているブラシ53へ移され、これにより、十分な量の化粧品Lがブラシ53上に効率的に付着させられる。さらに、攪拌体15を振ることによって、案内板41の前記下面に到達する化粧品Lも第2の貫通孔41Aに向かって案内され、ブラシ53上に付着させられ、これにより、十分な量の化粧品Lがブラシ53上に効率的に付着させられる。塗布具3を口筒部34を通して挿入することにより、塗布具3は容器2上にしっかりと取り付けられる。さらに、化粧品Lをブラシ53上に付着させた後のブラシ53上の過剰な化粧品Lは、ワイパ14によって拭い取られ得る。その上、収容空間Sが第2の貫通孔41Aよりも幅広くても、案内板41の下面は化粧品Lを、第2の貫通孔41A、ひいては第2の貫通孔41Aから露出しているブラシ53に向かって、案内することができる。さらに、キャップ51は、塗布具3のハンドル部として使用されて、ブラシ53上に付着させられた化粧品Lを皮膚などの塗布対象上に塗布することが可能である。
【0028】
本願の発明は上記実施形態に限定されず、上記実施形態に対する様々な修正が、本願の発明の概念から逸脱することなく、施され得る。攪拌体の形状は球状に限定されない。案内面を画定している漏斗部が蓋部とは別に形成されているが、漏斗部は蓋部と一体で形成されてもよい。さらに、蓋部、漏斗部、及び容器本体は一体的に形成されてもよい。ワイパは必ずしも設けられなくてもよい。ワイパは、必ずしも、ブラシの全周を囲む円筒状を有さなくてもよく、ワイパは、周方向に互いに対して間隙を有する、ブラシの周囲に配置されている複数のプレートなどの別の構造を有していてもよい。さらに、ワイパの下端部は第2の貫通孔から下向きに突出していなくてもよい。容器本体の形状は立方体形状の箱に限定されず、容器軸に沿ったその中間部分が径方向外向きに拡張している樽形などの他の形状であってもよい。さらに、容器の形状は、塗布具よりも幅が広い箱形でなくてもよい。蓋部には、必ずしも円筒状口部が設けられていなくてもよい。化粧品は液体に限定されず、化粧品は、半液体、粉末、または液体と粉末との混合物などの他の状態を有し得る。さらに、塗布材は化粧品に限定されない。塗布具が容器のワイパの上端部に取外し可能に取り付けられているが、塗布具は、ワイパ以外の容器の他の部分、例えば蓋部の口筒部、に取外し可能に取り付けられていてもよく、容器に間接的に取外し可能に取り付けられていてもよい。塗布具は、キャップとスリーブとブラシとを含む構造を有するが、塗布具は、キャップに直接取り付けられているブラシを備えた構造などの他の構造を有し得る。さらに、塗布部分は、剛毛が植毛された塗布部分などの、ブラシ以外の他の構造を有し得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】