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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097261
(43)【公開日】2024-07-18
(54)【発明の名称】シュート練習用具
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/00 20060101AFI20240710BHJP
   A63B 63/00 20060101ALI20240710BHJP
【FI】
A63B69/00 509
A63B63/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023000716
(22)【出願日】2023-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】594155883
【氏名又は名称】小林 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100119404
【弁理士】
【氏名又は名称】林 直生樹
(74)【代理人】
【識別番号】100177769
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100188743
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】小林 隆
(57)【要約】
【課題】ゴール前にキーパーを配置することなく、キッカー単独でシュート練習を行う場合であっても、キッカーのシュート技術を向上させる。
【解決手段】サッカーゴール30のゴール開口部39を部分的に覆う為のスクリーン部材2と、フック部材3とを有し、上記スクリーン部材2は、枠体4と、該枠体4の内側に張られたカバー5とを有し、上記枠体4は、第1対向フレーム6及び第2対向フレーム7と、上記第1及び第2対向フレーム6,7の一端部同士を結ぶ第1連結フレーム8と、上記第1及び第2対向フレーム6,7の他端部同士を結ぶ第2連結フレーム9とを有し、上記第1対向フレーム6に上記フック部材3が設けられ、上記第1及び第2対向フレーム6,7の長手方向長さは、クロスバー34の長手方向長さよりも短く、上記第1及び第2連結フレーム8,9は、長手方向外側に向けて凸と成る形状を有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に延びる一対のゴールポスト、及び、これらゴールポストの上端部間を連結するクロスバーを有してなるサッカーゴールに取り付ける為のシュート練習用具であって、
上記シュート練習用具は、上記一対のゴールポストと上記クロスバーとによって囲まれたゴール開口部を部分的に覆う為のスクリーン部材と、該スクリーン部材を上記クロスバーに吊り下げる為のフック部材とを有し、
上記スクリーン部材は、長手方向及び短手方向を有する細長形状の枠体と、該枠体の内側に張られたカバーとを有し、
上記枠体は、上記長手方向に向けて互いに間隔を隔てて延びる第1対向フレーム及び第2対向フレームと、上記第1及び第2対向フレームの一端部同士を結ぶ第1連結フレームと、上記第1及び第2対向フレームの他端部同士を結ぶ第2連結フレームとを有し、上記第1対向フレームに上記フック部材が設けられ、上記スクリーン部材が上記クロスバーに吊り下げられた状態で、該第1対向フレームが上記クロスバーに沿って隣接して配されるように構成され、
上記第1及び第2対向フレームの長手方向長さは、上記クロスバーの長手方向長さよりも短く、上記第1及び第2連結フレームは、上記長手方向外側に向けて凸と成る形状を有していることを特徴とするシュート練習用具。
【請求項2】
上記第1及び第2対向フレームは、互いに平行且つ直線的に延びており、上記第1及び第2連結フレームは、弧状に湾曲していることを特徴とする請求項1に記載のシュート練習用具。
【請求項3】
上記フック部材は、上記クロスバーに嵌合されるフック本体部と、該フック本体部を支持するロッド部とを有し、上記フック本体部が、上記ロッド部に対して、上記長手方向に延びる回動軸線を中心に回動自在に支持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシュート練習用具。
【請求項4】
上記カバーは、合成樹脂製のネットであることを特徴とする請求項1に記載のシュート練習用具。
【請求項5】
サッカーゴールの前方に置かれるシュート練習用具であって、
上記シュート練習用具は、複数のフレームが組み合わされて、半球を真ん中で二分割した形を成す骨組躯体と、該骨組躯体に取り付けられたカバーとを有し、
上記骨組躯体は、水平方向に凸となる円弧形の第1フレームと、上記水平方向と直交する垂直方向に凸となる円弧形の第2フレームと、上記水平方向と垂直方向との間の斜め方向に凸となる円弧形の第3フレームとを有し、これら第1-第3フレームの一端部同士、及び、他端部同士が各々連結され、上記カバーが、上記第1-第3フレームの弧状部分を覆うようにして張られていることを特徴とするシュート練習用具。
【請求項6】
上記骨組躯体は、上記第1-第3フレームの一端部、及び、他端部間を連結する直線状の第4フレームと、該第4フレームの長さ方向中間部から上記水平方向に延びて上記第1フレームの孤状部分に連結された第5フレームとを有し、これら第4フレーム、及び、第5フレーム上にウエイトが載せられることを特徴とする請求項5に記載のシュート練習用具。
【請求項7】
上記骨組躯体は、上記第1-第3フレームとの一端部、及び、他端部間に設けられ、これら第1-第3フレームの弧状部分を横断して相互に連結する円弧状の第6フレームを有していることを特徴とする請求項5又は6に記載のシュート練習用具。
【請求項8】
上記カバーが、合成樹脂製のネットであることを特徴とする請求項5に記載のシュート練習用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サッカー等の球技におけるシュート練習用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
球技のうち、例えばサッカーは、蹴球とも呼ばれ、主に脚を使ってボールを操るスポーツとして世界中で広く親しまれている。サッカーは、ゴールに向けてシュートを打つことで得点が入るスポーツであるが、実際の試合では、ゴール前にはキーパーが配置されていることから、ゴールに向けてシュートを打つ者(以下「キッカー」と記す。)が、ただ闇雲にシュートを打つだけでは、キーパーに防がれてしまう可能性が高い。
【0003】
そこで、シュート練習を行う際には、実際の試合と同様、ゴール前に相手チームのディフェンス役としてのキーパーを配置することが望ましい。そうすることで、キッカーは、キーパーにシュートを防がれないように、キーパーがセービングし難いとされるゴールの角隅に向けてシュートを打つ練習を繰り返し行って、その感覚を体にしみこませ、実戦においてもゴールの角隅にシュートが打てるように練習することができる。そして、このように、より実戦に近い状況下でシュート練習を行うことにより、キッカーのシュート技術の向上を図ることができる。しかしながら、それには、キーパーを行う練習相手の協力が必要であり、練習相手の協力が得られない場合には、ゴール前には障害となるものがなく、その状況で単にシュートを打ちこむ練習をしたとしても、シュート技術を向上させる為の練習としては効果に乏しいものとなってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の技術的課題は、ゴール前にキーパーを配置することなく、キッカー単独でシュート練習を行う場合であっても、シュート技術を向上させることができるシュート練習用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明によれば、上下に延びる一対のゴールポスト、及び、これらゴールポストの上端部間を連結するクロスバーを有してなるサッカーゴールに取り付ける為のシュート練習用具であって、上記シュート練習用具は、上記一対のゴールポストと上記クロスバーとによって囲まれたゴール開口部を部分的に覆う為のスクリーン部材と、該スクリーン部材を上記クロスバーに吊り下げる為のフック部材とを有し、上記スクリーン部材は、長手方向及び短手方向を有する細長形状の枠体と、該枠体の内側に張られたカバーとを有し、上記枠体は、上記長手方向に向けて互いに間隔を隔てて延びる第1対向フレーム及び第2対向フレームと、上記第1及び第2対向フレームの一端部同士を結ぶ第1連結フレームと、上記第1及び第2対向フレームの他端部同士を結ぶ第2連結フレームとを有し、上記第1対向フレームに上記フック部材が設けられ、上記スクリーン部材が上記クロスバーに吊り下げられた状態で、該第1対向フレームが上記クロスバーに沿って隣接して配されるように構成され、上記第1及び第2対向フレームの長手方向長さは、上記クロスバーの長手方向長さよりも短く、上記第1及び第2連結フレームは、上記長手方向外側に向けて凸と成る形状を有していることを特徴とするシュート練習用具が提供される。
【0006】
本発明において、上記第1及び第2対向フレームは、互いに平行且つ直線的に延びており、上記第1及び第2連結フレームは、弧状に湾曲していることが望ましい。
【0007】
また、上記フック部材は、上記クロスバーに嵌合されるフック本体部と、該フック本体部を支持するロッド部とを有し、上記フック本体部が、上記ロッド部に対して、上記長手方向に延びる回動軸線を中心に回動自在に支持されていることが望ましい。
また、上記カバーは、合成樹脂製のネットであってもよい。
【0008】
また、上記課題を解決するため、本発明によれば、サッカーゴールの前方に置かれるシュート練習用具であって、上記シュート練習用具は、複数のフレームが組み合わされて、半球を真ん中で二分割した形を成す骨組躯体と、該骨組躯体に取り付けられたカバーとを有し、上記骨組躯体は、水平方向に凸となる円弧形の第1フレームと、上記水平方向と直交する垂直方向に凸となる円弧形の第2フレームと、上記水平方向と垂直方向との間の斜め方向に凸となる円弧形の第3フレームとを有し、これら第1-第3フレームの一端部同士、及び、他端部同士が各々連結され、上記カバーが、上記第1-第3フレームの弧状部分を覆うようにして張られていることを特徴とするシュート練習用具が提供される。
【0009】
本発明において、上記骨組躯体は、上記第1-第3フレームの一端部、及び、他端部間を連結する直線状の第4フレームと、該第4フレームの長さ方向中間部から上記水平方向に延びて上記第1フレームの孤状部分に連結された第5フレームとを有し、これら第4フレーム、及び、第5フレーム上にウエイトが載せられることが望ましい。
【0010】
また、上記骨組躯体は、上記第1-第3フレームとの一端部、及び、他端部間に設けられ、これら第1-第3フレームの弧状部分を横断して相互に連結する円弧状の第6フレームを有していることが望ましい。
また、上記カバーが、合成樹脂製のネットであってもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のシュート練習用具は、ゴール前にキーパーを配置することなく、キッカー単独でシュート練習を行う場合であっても、シュート技術の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る第1実施形態のシュート練習用具を示す正面図である。
図2図1の側面図である。
図3】サッカーゴールの正面図である。
図4】上記シュート練習用具をサッカーゴールに取り付けた状態を示す正面図である。
図5図4の側面図である。
図6】フック部材の部分拡大正面図である。
図7】上記フック部材の部分拡大側面図である。
図8】第1実施形態のシュート練習用具を用いてシュート練習を行っている状態を示す斜視図である。
図9】第1実施形態のシュート練習用具の変形例を示す正面図である。
図10】本発明に係る第2実施形態のシュート練習用具を示す正面図である。
図11】上記シュート練習用具の側面図である。
図12】上記シュート練習用具の背面図である。
図13】上記シュート練習用具を背面側から見た斜視図である。
図14】第2実施形態のシュート練習用具を用いてシュート練習を行う状態を示す斜視図である。
図15】第2実施形態のシュート練習用具の変形例を示す正面図である。
図16】第1及び第2実施形態のシュート練習用具を用いてシュート練習を行っている状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るシュート練習用具の第1実施形態について、図1図8を用いて説明する。
上記シュート練習用具1は、サッカー競技場等のフィールドFに立設されたサッカーゴール30に取り付ける為のものである。
【0014】
まず、上記サッカーゴール30について説明すると、図3及び図5に示すように、上記サッカーゴール30は、ゴールフレーム31と、ゴールフレーム31に張られたゴールネット32とを有している。上記ゴールフレーム31は、上下方向に延びる左右一対のゴールポスト33,33と、これらゴールポスト33,33の上端部間を接続するクロスバー34と、上記一対のゴールポスト33,33の上端部から後方に向かって延びる上サイドフレーム35,35と、上記一対のゴールポスト33,33の下端部から後方に向かって延びる下サイドフレーム36,36と、上サイドフレーム35,35と下サイドフレーム36,36とを繋ぐ連結フレーム37,37と、下サイドフレーム36,36の後端部間を連結するボトムフレーム38とを有している。なお、上記一対のゴールポスト33,33とクロスバー34とで囲まれた矩形のゴール開口部39の縦横寸法は、一般用のサッカーゴールの規格と同じく、縦寸法(上下方向長さ)が2240mm、横寸法(左右方向長さ)が7320mmに構成されている。
【0015】
上記シュート練習用具1は、上記ゴール開口部39を部分的に覆う為のスクリーン部材2と、該スクリーン部材2をクロスバー34に吊り下げる為のフック部材3とを有している。以下、これらについて具体的に説明する。
【0016】
図1に示すように、上記スクリーン部材2は、長手方向及び短手方向とを有する平面視略長円形の枠体4と、枠体4の内側に張られたネット5とを有している。上記枠体4は、金属パイプ(本実施形態では直径25mmのSUSパイプ)で形成されているものであり、上記長手方向に向けて互いに間隔を隔てて延びる第1対向フレーム6、及び、第2対向フレーム7と、第1及び第2対向フレーム6,7の一端部同士を結ぶ第1連結フレーム8と、第1及び第2対向フレーム6,7の他端部同士を結ぶ第2連結フレーム9とを有している。上記第1及び第2対向フレーム6,7は、互いに平行且つ直線的に延びていて、これら第1及び第2対向フレーム6,7の長手方向長さは、上記サッカーゴール30のクロスバー34の長手方向長さよりも短くなっている(図4参照)。なお、上記スクリーン部材2は、長手方向中央位置を基準として長手方向に線対称と成るように形成されている。
【0017】
また、上記第1及び第2連結フレーム8,9は、長手方向外側に向けて凸形に湾曲した形状を成し、具体的には、異なる曲率の曲線が連なって形成されている。すなわち、上記第1連結フレーム8は、第1対向フレーム6の一端部に連なって長手方向外側に向かって延びる第1弧状部8aと、第2対向フレーム7の一端部に連なって長手方向外側に延びる第2弧状部8bと、第1連結フレーム8の中間部(枠体4の短手方向中間部)において、これら第1及び第2弧状部8a,8bの長手方向外側の端部間を連結する第3弧状部8cを有している。上記第1及び第2弧状部8a,8bは互いに同じ曲率を有していて、上記第3弧状部8cは、上記第1及び第2弧状部8a,8bの曲率よりも大きい曲率を有している。
【0018】
同様に、上記第2連結フレーム9は、第1対向フレーム6の他端部に連なって長手方向外側に向かって延びる第1弧状部9aと、第2対向フレーム7の他端部に連なって長手方向外側に延びる第2弧状部9bと、第2連結フレーム8の中間部において、これら第1及び第2弧状部9a,9bの長手方向外側の端部間を連結する第3弧状部9cを有している。上記第1及び第2弧状部9a,9bは互いに同じ曲率を有していて、上記第3弧状部9cは、上記第1及び第2弧状部9a,9bの曲率よりも大きい曲率を有している。
【0019】
なお、図4に示すように、上記枠体4の縦横寸法は、上記サッカーゴール30のゴール開口部39の縦横寸法よりも小さく成っている。本実施形態においては、上記枠体4の短手方向における最大長さ(すなわち、第1及び第2対向フレーム6,7間の長さ)は2240mmに形成され、枠体4の長手方向における最大長さ(すなわち、第1及び第2連結フレーム8,9の第3弧状部8c,9c間の長さ)は6320mmに形成され、上記第1及び第2対向フレーム6,7の長手方向長さは3320mmに形成されている。
【0020】
上記ネット5は、合成樹脂によって網形状に形成されているもので、例えば、多数の縦糸と多数の横糸を格子状に織り込むことで形成されている。上記ネット5は、ぴんと張った状態で枠体4に対して張設されている。上記ネット5の編み目の大きさは、サッカーボールが通過しない大きさである。上記ネット5は、上記シュート練習用具1を上記サッカーゴール30に取り付けた際に、上記ゴールネット32と同化して、何処にシュート練習用具1が有るかが視認し難くならないように、該ゴールネット32と異なる着色が施されていてもよい。なお、上記枠体4に対するネット5の取り付けに関しては、適宜の方法が採用され、例えば、ネット5の外縁部の編み目と枠体4の金属パイプとを結束バンドで結んだり、ネット5の外縁部の編み目を縫うように枠体4の金属パイプを通して取り付ける等の方法が用いられる。
【0021】
上記フック部材3は、上記第1対向フレーム6に取り付けられているものであり、本実施形態では、第1対向フレーム6の長手方向に沿って複数個のフック部材3が等間隔に配されている。そして、フック部材5を上記クロスバー34に嵌合させ、シュート練習用具1をクロスバー34に吊り下げると、第1対向フレーム6がクロスバー34に沿って隣接して配置されるように構成されている。また、上記フック部材3の具体的構成について説明すると、図6及び図7に示すように、フック部材3は、上記クロスバー34に嵌合されるフック本体部10と、フック本体部10を支持する棒状のロッド部11とを有している。上記フック本体部10は、上記ロッド部11に連結された基端部12と、上記サッカーゴール30のクロスバー34に対して上方から嵌合される鉤形状(略コ字形)の先端部13とを有している。
【0022】
上記先端部13は、上記基端部12に連接されて直線的に延びる第1面13aと、第1面13aに対して直交方向に延びる第2面13bと、第2面13bから基端部12側に向けて折返されて第1面13aに対して平行に延びる第3面13cとを有している。上記第1面13aから第3面13c間の長さは、上記クロスバー34の幅方向長さと略同じ長さであり、先端部13がクロスバー13に対してぴったりと嵌合するように構成されている。上記基端部12は、その幅方向中央部を挟んだ両端部が筒形状に丸められることで形成された軸受部12aを有している。
【0023】
上記ロッド部11は、その一端部が上記第1対向フレーム6に固定され、他端部が上記先端部13に連結されている。上記ロッド部11は、その他端部に、上記枠体4の長手方向両側に向けて延びる支持軸14が設けられ、この支持軸14が、上記先端部13における軸受部13aの内面12bに係合されていることで、上記フック本体部10が長手方向に沿う回動軸線L回りに回動自在なるように構成されている。なお、上記ロッド部11の一端部と第1対向フレーム6との固定方法については溶接等の適宜の方法が採用される。
【0024】
上記第1実施形態のシュート練習用具1を使用する場合、図4、及び、図5図8に示すように、上記フック部材3のフック本体部10をサッカーゴール30のクロスバー34に対して上方から嵌合させて、シュート練習用具1を該クロスバー34に吊り下げる。上述したように、上記シュート練習用具1(具体的にスクリーン部材2の枠体4)の縦横寸法は、上記ゴール開口部39の縦横寸法よりも小さいため、このシュート練習用具1の吊下状態においては、ゴール開口部39の一部を空けた状態で、該ゴール開口部39を部分的に覆うように成っている。なお、シュート練習用具1を吊り下げる位置は適宜であるが、本実施形態では、スクリーン部材2の長手方向中央位置とクロスバー34の長手方向中央位置とを一致させて、ゴール開口部39の左右両側を均等に空けた状態になっている。
【0025】
そして、上記吊下状態においては、上記シュート練習用具1の上記第1及び第2対向フレーム6,7の長手方向長さが、クロスバー34の長手方向長さよりも短くなっていると共に、第1及び第2連結フレーム8,9が、図4および図8の2点鎖線で示すように、上記ゴール開口部38の左側上下部分、右側上下部分の4つの角隅部Aを避けるようにして凸形状に湾曲していることから、シュート練習用具1によって該角隅部Aが覆われないように成っている。上記シュート練習用具1で覆われた領域はキーパーがセービングし易い領域であるのに対し、この4つの角隅部Aは、キッカー15がシュートを打った際にキーパーがセービングし難い箇所である。よって、シュート練習を行う際には、サッカーゴール30にシュート練習用具1を吊り下げて、上記4つの角隅部Aを狙ってシュートを打ち込むことで、キッカー15単独での練習であってもシュート技術の向上を図ることができる。
【0026】
また、上記シュート練習用具1は、クロスバー34に嵌合されるフック本体部10が、上記回動軸線L回りに回動自在と成っていることで、シュートしたボールがシュート練習用具1に当たった場合、該シュート練習用具1が後方側(サッカーゴール30のボトムフレーム38側)に傾動し、その衝撃が吸収されるように構成されている。このように、ボールがシュート練習用具1に当たった場合の衝撃によって、フック本体部10がクロスバー34から外れ、シュート練習用具1が不意に脱落しないように成っている。
【0027】
なお、図9の変形例に示すように、上記ネット5にキーパーを模した人型の看板16を取り付けることで、キッカーに対して、視覚的にプレッシャーを与えることで、より実戦的にシュート練習を行うこともできる。看板16の素材やネット5への取り付け方法については、適宜の素材、適宜の取り付け方法が用いられる。
【0028】
また、上記枠体4の内側に張られるのはネット5以外にも、シュート練習用具1に当たったボールを受け止められる部材であれば、例えば布やクッション材から成るものでもよい。
【0029】
次いで、本発明に係るシュート練習用具の第2実施形態について図10図14を用いて説明する。第2実施形態のシュート練習用具1Aは、上記サッカーゴール30の前方のフィールドF上に置かれるもので、該シュート練習用具1Aを、サッカーゴール30の前方に位置する(飛び出している)キーパーに見立てて、キーパーとの一対一を想定した練習を行うためのものである。
【0030】
具体的に、第2実施形態のシュート練習用具1Aは、複数の金属パイプから成るフレームが組み合わされて、半球を真ん中で二分割した形を成す骨組躯体40と、骨組躯体40に取り付けられたネット41とを有している。なお、ネット41の具体的構成、及び、骨組躯体40への取り付け方については、第1実施形態のシュート練習用具1のネット5と実質的に同一であるため、詳細な説明は省略することとする。
【0031】
上記骨組躯体40は、フィールドF上に敷設され水平方向に凸となる円弧形の第1フレーム42と、上記水平方向と直交する垂直方向に凸となる円弧形の第2フレーム43と、上記水平方向と垂直方向との間の斜め方向に凸となる円弧形の第3フレーム44とを有している。このうち、上記第3フレーム44は、第1フレーム42と第2フレーム43との間において、互いに等間隔をおいて複数(本実施形態では3つ)配置されている。これら第1-第3フレーム42-44の一端部同士、及び、他端部同士は、各々一体に連結されている。上記第1-第3フレーム42-44の円弧部分(すなわち、骨組躯体40の球面部分)には、該円弧部分を覆うようにして、上記ネット41が張られている。
【0032】
また、図13に示すように、上記骨組躯体40は、上記第1-第3フレーム42-44の一端部、及び、他端部間を連結する直線状の第4フレーム45と、該第4フレーム45の長さ方向中間部から上記水平方向に延びて、上記第1フレーム42の弧状部分に連結された第5フレーム46とを有している。これら第4フレーム45及び第5フレーム46は、上記第1フレーム42と共にフィールドF上に敷設されるように構成されている。そして、上記第4フレーム45における上記第5フレーム46を間に挟んだ左右両側部分と、該第5フレーム46上には、計3個のウエイト47が載せられるようになっている。上記ウエイト47は、内部に砂が充填された砂袋で構成されている。なお、上記骨組躯体40は、第1フレーム42と第4フレーム45とで囲まれた後方側が、上記ネット41が張られていない開放された空間となっているため、該後方側から容易に上記ウエイト47を載せたり外したりすることができる。
【0033】
さらに、上記骨組躯体40は、上記第1-第3フレーム42-44の一端部、及び、他端部間に設けられ、これら第1-第3フレーム42-44の弧状部分を横断してこれらに相互に連結する円弧状の第6フレーム48,49を有している。上記第6フレーム48,49は、骨組躯体40を補強するものであって、該骨組躯体40の幅方向中央部に設けられた大円弧状のフレーム48と、その両隣に一つずつ設けられた小円弧状のフレーム49とがある。
【0034】
なお、本実施形態において、上記骨組躯体40を構成する第1-第6フレーム42-46,48,49は、直径25mmのSUSパイプからなっていて、これら第1-第6フレーム42-46,48,49の各連結部分は溶接により固着されている。また、骨組躯体40の幅方向における最大長さ(第4フレーム45の長手方向長さ)は2000mmに形成され、上下方向における最大高さ(フィールドFから第1フレーム42の幅方向中央部までの長さ)は1000mmに形成されている。
【0035】
第2実施形態のシュート練習用具1Aを使用する場合、サッカーゴール30の前方のフィールドF上の適宜の位置において、該シュート練習用具1Aのネット41が張られた前方側をキッカー15と対峙させ、後方側をサッカーゴール30側に向けた状態で敷設する。キッカー15は、上記シュート練習用具1Aをサッカーゴール前に位置どる(飛び出している)キーパーに見立て、該シュート練習用具1Aにボールを当てないように、ゴール開口部39にシュートを打つ練習を行う。この場合、シュート練習用具1Aに向けてボールを蹴り出した後、ボールに向けて走って行き、該シュート練習用具1Aに当てないようにダイレクトでシュートしたり、ドリブルでシュート練習用具1Aを抜き去った後にシュートを打つ練習を行うことができる。本実施形態のシュート練習用具1Aによれば、該シュート練習用具1Aをゴール前の適宜の位置に敷設して、該シュート練習用具1Aをキーパーに見立てて上記練習を行うことにより、シュートを打つかドリブルをするかの選択を瞬時に決断するトレーニングにもなり、キッカー15単独の練習であっても、シュート技術の向上を図ることができる。
【0036】
なお、第1実施形態と同様、本実施形態においても、図15の変形例に示すように、上記ネット5にキーパーを模した人型の看板16を取り付けることで、キッカーに対して、視覚的にプレッシャーを与えることで、より実戦的にシュート練習を行うこともできる。看板16の素材やネット5への取り付け方法については、適宜の素材、適宜の取り付け方法が用いられる。
また、上記骨組躯体40にはネット41が取り付けられているが、これに限らず、布やクッション等適宜のものが取り付けられていてもよい。
【0037】
また、図16に示すように、第1実施形態のシュート練習用具1と、第2実施形態のシュート練習用具1Aとを共に使用してシュート練習を行うこともでき、この場合、得点を入れるためには、上記シュート練習用具1Aに当てることなく、且つ、上記シュート練習用具1で覆われていないゴール開口部39の僅かなスペースたる角隅部Aにシュートを打つ必要があるため、より難易度の高い練習が行われる。
【0038】
なお、本発明のシュート練習用具においては、上述のように、キッカー単独でシュート練習を行うこともできるし、協力者がいれば、協力者がキッカーにパス(センタリング等)を出し、それをシュートしたりすることで、より様々な状況を想定した練習を行うことができるということも付言する。
【0039】
以上、本発明に係るシュート練習用具ついて説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない範囲で様々な設計変更が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1,1A シュート練習用具
2 スクリーン部材
3 フック部材
4 枠体
5 ネット(カバー)
6 第1対向フレーム
7 第2対向フレーム
8 第1連結フレーム
9 第2連結フレーム
10 フック本体部
11 ロッド部
30 サッカーゴール
33 ゴールポスト
34 クロスバー
39 ゴール開口部
40 骨組躯体
41 ネット(カバー)
42 第1フレーム
43 第2フレーム
44 第3フレーム
45 第4フレーム
46 第5フレーム
47 ウエイト
48,49 第6フレーム
L 回動軸線
図1
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