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特開2024-97276休憩時間通知システムおよび休憩時間通知方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024097276
(43)【公開日】2024-07-18
(54)【発明の名称】休憩時間通知システムおよび休憩時間通知方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/109 20230101AFI20240710BHJP
【FI】
G06Q10/109
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023000755
(22)【出願日】2023-01-05
(71)【出願人】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】櫻田 孝志
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA13
5L049AA13
(57)【要約】
【課題】複数の作業端末に対する休憩時間の通知設定を効率化する。
【解決手段】作業端末2は、休憩時間通知装置1に勤務体系要求を送信し、休憩時間通知装置1は、作業端末2から勤務体系要求を受信すると、この勤務体系要求で指定されたユーザに紐付けられている勤務体系情報を、この作業端末2に送信する。作業端末2は、休憩時間通知装置1からユーザの勤務体系情報を取得し、この勤務体系情報に含まれている休憩時間帯の開始時間を休憩開始時間としてその到来を監視する。そして、休憩開始時間が到来したならば、表示装置211の画面を暗くして(輝度を制御して)、休憩時間の到来をユーザに通知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
休憩時間通知装置と、複数の作業端末とを備えた休憩時間通知システムであって、
前記休憩時間通知装置は、
ユーザの指定を伴う勤務体系要求を前記作業端末から受信した場合に、休憩時間帯を含む当勤務体系情報をユーザ毎に記憶する勤務体系情報記憶手段から、当該勤務体系要求で指定されているユーザに紐付けられている勤務体系情報を読み出して、当該作業端末に送信する勤務体系情報送信手段を有し、
前記作業端末は、
当該作業端末に紐付けられているユーザの指定を伴う前記勤務体系要求を前記休憩時間通知装置に送信して、当該休憩時間通知装置から前記勤務体系情報を受信する勤務体系要求手段と、
前記休憩時間通知装置から受信した前記勤務体系情報に含まれている休憩時間帯の開始時間の到来を監視し、当該休憩時間帯の開始時間が到来したならば、当該作業端末に紐付けられた表示画面を制御して、当該作業端末に紐付けられているユーザの休憩時間の到来を通知する休憩時間通知手段と、を有する
ことを特徴とする休憩時間通知システム。
【請求項2】
請求項1に記載の休憩時間通知システムであって、
前記休憩時間通知手段は、
前記表示画面の輝度値を所定の輝度値まで低下させて、前記休憩時間の到来を通知する
ことを特徴とする休憩時間通知システム。
【請求項3】
請求項2に記載の休憩時間通知システムであって、
前記休憩時間通知手段は、
前記休憩時間帯の開始時間が到来したならば、前記表示画面の現在の輝度値を保存して、前記表示画面の輝度値を前記所定の輝度値まで低下させ、前記休憩時間の到来を通知するとともに、前記休憩時間帯の終了時間の到来を監視し、
前記休憩時間帯の終了時間が到来したならば、前記表示画面の輝度値を、前記保存した輝度値に復元する
ことを特徴とする休憩時間通知システム。
【請求項4】
請求項3に記載の休憩時間通知システムであって、
前記休憩時間通知手段は、
前記休憩時間中、前記作業端末に対する操作の有無を監視し、当該操作を検知したならば、前記表示画面の輝度値を、前記保存した輝度値に復元する
ことを特徴とする休憩時間通知システム。
【請求項5】
請求項1に記載の休憩時間通知システムであって、
前記休憩時間通知手段は、
前記表示画面への出力映像を所定の映像に変更して、前記休憩時間の到来を通知する
ことを特徴とする休憩時間通知システム。
【請求項6】
請求項5に記載の休憩時間通知システムであって、
前記休憩時間通知手段は、
前記休憩時間が到来したならば、前記表示画面の現在の出力映像を保存して、前記表示画面の出力映像を前記所定の映像に変更し、前記休憩時間の到来を通知するとともに、前記休憩時間帯の終了時間の到来を監視し、
前記休憩時間帯の終了時間が到来したならば、前記表示画面の出力映像を、前記保存した出力映像に復元する
ことを特徴とする休憩時間通知システム。
【請求項7】
請求項6に記載の休憩時間通知システムであって、
前記休憩時間通知手段は、
前記休憩時間中、前記作業端末に対する操作の有無を監視し、当該操作を検知したならば、前記表示画面の出力映像を、前記保存した出力映像に復元する
ことを特徴とする休憩時間通知システム。
【請求項8】
休憩時間通知装置を用いて複数の作業端末のユーザに休憩時間を通知する休憩時間通知方法であって、
前記休憩時間通知装置は、
ユーザの指定を伴う勤務体系要求を前記作業端末から受信した場合に、休憩時間帯を含む勤務体系情報をユーザ毎に記憶する勤務体系情報記憶手段から、当該勤務体系要求で指定されているユーザに紐付けられている勤務体系情報を読み出して、当該作業端末に送信し、
前記作業端末は、
当該作業端末に紐付けられているユーザの指定を伴う前記勤務体系要求を前記休憩時間通知装置に送信して、当該休憩時間通知装置から前記勤務体系情報を受信し、
前記休憩時間通知装置から受信した前記勤務体系情報に含まれている休憩時間帯の開始時間の到来を監視し、当該休憩時間帯の開始時間が到来したならば、当該作業端末に紐付けられた表示画面を制御して、当該作業端末に紐付けられているユーザの休憩時間の到来を通知する
ことを特徴とする休憩時間通知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業端末のユーザに休憩時間の到来を通知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザがテレビゲームを所定時間連続して行うことを防止する技術が開示されている。この技術において、テレビゲーム装置は、テレビゲームの開始後所定時間を経過すると、テレビジョン装置に映し出される映像を、風景等の、ゲームとは関係のない休憩用の映像に切り替えたり、あるいはテレビ画面の輝度を下げたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-5448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PC(Personal Computer)等の情報機器(以下、作業端末)の画面に向かう作業を伴う勤務環境に特許文献1に記載の技術を導入し、作業端末に時間をあらかじめ設定することにより、始業から設定時間を経過したタイミングで、作業端末の画面に映し出される映像を休憩用の映像に切り替えたり、あるいは作業端末の画面の輝度を下げたりすることができ、休憩時間の到来を作業中のユーザに通知することができる。
【0005】
しかし、作業端末の画面に向かう作業に従事する従業者が多数いる企業等において、作業端末の保守・管理者が、すべての作業端末で一斉に休憩時間の到来が通知されるように各作業端末を設定することは煩雑であり、保守・管理者の作業負担が大きい。特に、労使間協定によって休憩時間の一斉付与の適用除外を定めている企業等においては、ユーザ毎あるいはグループ毎に異なる時間帯に所定の休憩時間が付与されることがあるため、すべての作業端末に対して一律な設定を行うことはできず、保守・管理者の作業負担がさらに増大する。また、リモートワーク導入が進む現在においては、リモートワークに従事するすべての従業者の就業場所に存在する作業端末に、休憩時間の到来を通知するための設定を個別に行う必要が生じるが、このような設定作業を保守・管理者が行うことは困難である。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の作業端末に対する休憩時間の通知設定を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明において、作業端末は、ユーザの指定を伴う勤務体系要求を休憩時間通知装置に送信し、休憩時間通知装置は、ユーザの指定を伴う勤務体系要求を作業端末から受信すると、このユーザに紐付けられている勤務体系情報を、勤務体系要求の送信元である作業端末に送信する。作業端末は、休憩時間通知装置からユーザの勤務体系情報を受信すると、取得した勤務体系情報に含まれている休憩時間帯の開始時間を休憩開始時間としてその到来を監視し、休憩開始時間が到来したならば、表示画面の輝度を下げる、出力映像を所定の映像に変更する等、表示画面を制御して、作業中のユーザに休憩時間の開始を通知する。
【0008】
例えば、本発明は、
休憩時間通知装置と、複数の作業端末とを備えた休憩時間通知システムであって、
前記休憩時間通知装置は、
ユーザの指定を伴う勤務体系要求を前記作業端末から受信した場合に、休憩時間帯を含む勤務体系情報をユーザ毎に記憶する勤務体系情報記憶手段から、当該勤務体系要求で指定されたユーザに紐付けられている勤務体系情報を読み出して、当該作業端末に送信する勤務体系情報送信手段を有し、
前記作業端末は、
当該作業端末に紐付けられているユーザの指定を伴う前記勤務体系要求を前記休憩時間通知装置に送信して、当該休憩時間通知装置から前記勤務体系情報を受信する勤務体系要求手段と、
前記休憩時間通知装置から受信した前記勤務体系情報に含まれている休憩時間帯の開始時間の到来を監視し、当該休憩時間帯の開始時間が到来したならば、当該作業端末に紐付けられた表示画面を制御して、当該作業端末に紐付けられているユーザの休憩時間の到来を通知する休憩時間通知手段と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明において、作業端末は、休憩時間通知装置からユーザの勤務体系情報を取得して、取得した勤務体系情報に含まれている休憩時間帯の開始時間を休憩開始時間としてその到来を監視する。そして、休憩時間帯の開始時間が到来したならば、表示画面を制御して休憩時間の到来を通知する。このように、作業端末が、それぞれのユーザに定められた休憩時間帯の開始時間を休憩時間到来の通知時間として自動設定するため、すべての作業端末において休憩時間の通知時間を手動設定する必要がない。したがって、本発明によれば、複数の作業端末に対する休憩時間の通知設定を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係る休憩時間通知システムの概略構成図である。
図2図2は、本発明の一実施の形態に係る休憩時間通知システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
図3図3は、休憩時間通知装置1の概略機能構成図である。
図4図4は、休憩時間通知装置1の動作フローを説明するための図である。
図5図5は、作業端末2の概略機能構成図である。
図6図6は、作業端末2の動作フローを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施の形態について説明する。本実施の形態においては、休憩時間一斉付与の適用が除外される範囲が定められ、ユーザ毎あるいはグループ毎に異なる時間帯に休憩時間が付与される場合への適用例を挙げる。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る休憩時間通知システムの概略構成図である。
【0013】
図示するように、本実施の形態に係る休憩時間通知システムは、休憩時間通知装置1と、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワーク3を介して休憩時間通知装置1に接続された複数の作業端末2-1~2-n(以下、単に作業端末2とも呼ぶ)と、を備えて構成される。
【0014】
休憩時間通知装置1は、作業端末2からの勤務体系要求に従い、この勤務体系要求で指定されているユーザの勤務体系情報をこの作業端末2に送信する。
【0015】
作業端末2にはユーザが紐付けられており、それぞれの作業端末2は、自作業端末2に紐付けられているユーザの勤務体系情報を休憩時間通知装置1から取得する。そして、取得した勤務体系情報に含まれている休憩時間帯に従い、自作業端末2の表示画面を制御して、作業中のユーザに休憩時間の到来を通知する。
【0016】
図2は、本発明の一実施の形態に係る休憩時間通知システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【0017】
まず、作業端末2は、起動(電源オン)、ユーザによる勤務体系取得操作の受付等の所定イベントの発生を検出すると(S100)、ネットワーク3を介して休憩時間通知装置1に、この作業端末2に紐付けられているユーザの指定を伴う勤務体系要求を送信する(S101)。
【0018】
これを受けて、休憩時間通知装置1は、ユーザ毎に記憶されている勤務体系情報のなかから、受信した勤務体系要求で指定されているユーザに紐付けられた勤務体系情報を検索する(S102)。そして、検索した勤務体系情報を、勤務体系要求の送信元である作業端末2に送信する(S103)。
【0019】
つぎに、作業端末2は、休憩時間通知装置1からユーザの勤務体系情報を受信すると、この勤務体系情報に含まれる休憩時間帯の開始時間および終了時間を休憩開始時間および休憩終了時間として設定し、これらの時間の到来の監視を開始する(S104)。そして、休憩開始時間の到来を検出すると(S105)、表示画面の現在の輝度値を保存するとともに、表示画面の輝度値を、あらかじめ定められた所定値(現在の輝度値よりも小さく、例えば、ユーザに作業上の支障を感じさせる程度に表示画面が暗くなる輝度値)まで低下させる(S106)。これにより、作業中のユーザに休憩時間の到来を通知する。
【0020】
つぎに、作業端末2は、休憩終了時間が到来するまでユーザ操作を監視する。そして、休憩時間中にユーザ操作を検出すると(S107)、表示画面の輝度値を、S106で保存した元の輝度値に復元する(S108)。それから、作業端末2は、ユーザ操作の未検出状態が所定時間以上継続すると(S109)、表示画面の現在の輝度値を保存するとともに、再度、表示画面の輝度値を上記所定値(表示画面が作業上の支障を感じさせる程度の暗さとなる輝度値)まで低下させる(S110)。これにより、休憩時間中であることをユーザに通知する。
【0021】
その後、作業端末2は、休憩終了時間の到来を検出すると(S111)、表示画面の輝度値を元の輝度値(S106で保存した輝度値、または、S110で保存した輝度値)に復元する(S112)。これにより、休憩中のユーザに休憩時間の終了を通知する。
【0022】
各作業端末2がこのような処理を実行することにより、休憩時間帯が個別に割り当てられたユーザには、休憩時間の開始および終了が個別に通知され、休憩時間帯が割り当てられたグループに属するユーザには、休憩時間の開始および終了が一斉に通知される。
【0023】
つぎに、本実施の形態に係る休憩時間通知システムを構成する休憩時間通知装置1および作業端末2の詳細を説明する。
【0024】
まず、休憩時間通知装置1の詳細を説明する。
【0025】
図3は、休憩時間通知装置1の概略機能構成図である。
【0026】
図示するように、休憩時間通知装置1は、ネットワークインターフェース部10と、勤務体系情報記憶部11と、勤務体系情報送信部12と、を有する。
【0027】
ネットワークインターフェース部10は、ネットワーク3に接続するためのインターフェースである。
【0028】
勤務体系情報記憶部11は、作業端末2のユーザ毎に、勤務体系情報が、ユーザの識別情報であるユーザIDに紐付けられて記憶されている。勤務体系情報には、ユーザ個人あるいはユーザが属するグループに割り当てられた休憩時間帯(ユーザが休憩すべき時間帯)等の、労働条件に関する情報が含まれている。
【0029】
勤務体系情報送信部12は、ネットワークインターフェース部10を介して作業端末2から受信した勤務体系要求で指定されているユーザIDに紐付けられた勤務体系情報を勤務体系情報記憶部11から検索し、この勤務体系情報を、勤務体系要求送信元の作業端末2に送信する。
【0030】
なお、図3に示す休憩時間通知装置1の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置と、NIC(Network Interface Card)等の通信装置と、を備えたPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することによりプロセスとして実現されるものでもよい。
【0031】
図4は、休憩時間通知装置1の動作フローを説明するための図である。
【0032】
勤務体系情報送信部12は、ネットワークインターフェース部10を介して作業端末2から勤務体系要求を受信すると(S200でYES)、この勤務体系要求で指定されたユーザIDに紐付けられている勤務体系情報を勤務体系情報記憶部11から検索する(S210)。そして、勤務体系情報送信部12は、ネットワークインターフェース部10を介して勤務体系要求送信元の作業端末2に、検索した勤務体系情報を送信する(S202)。
【0033】
つぎに、作業端末2の詳細を説明する。
【0034】
図5は、作業端末2の概略機能構成図である。
【0035】
図示するように、作業端末2は、ネットワークインターフェース部20と、マンマシンインターフェース部21と、勤務体系要求部22と、休憩時間通知部23と、を有する。
【0036】
ネットワークインターフェース部20は、ネットワーク3に接続するためのインターフェースである。
【0037】
マンマシンインターフェース部21は、ユーザに情報を提示したり、ユーザから各種操作を受け付けたりするためのインターフェースであり、キーボード、マウス、タッチセンサ等の入力装置210と、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置211と、を有する。
【0038】
勤務体系要求部22は、作業端末2の起動、マンマシンインターフェース部21によるユーザの勤務体系取得操作の受付等の所定のイベントが発生した場合に、ネットワークインターフェース部20を介して休憩時間通知装置1に、作業端末2に紐付けられたユーザIDの指定を伴う勤務体系要求を送信して、休憩時間通知装置1からユーザの勤務体系情報を取得する。
【0039】
休憩時間通知部23は、勤務体系要求部22により休憩時間通知装置1から取得した勤務体系情報に含まれる休憩時間帯の開始時間および終了時間を休憩開始時間および休憩終了時間として設定し、これらの時間の到来を監視し、休憩開始時間および休憩終了時間に合わせて表示装置211の輝度を制御する。これにより、休憩時間の開始および終了をユーザに知らせる。
【0040】
また、休憩時間通知部23は、休憩時間中に、入力装置210に対するユーザ操作の有無を監視し、ユーザ操作を検出した場合、および、ユーザ操作を検出してから所定時間(例えば5分)以上ユーザ操作未検出状態が継続した場合に、それぞれ、表示装置211の輝度を制御する。
【0041】
なお、図5に示す作業端末2の機能構成も、図3に示す休憩時間通知装置1と同様に、ASIC、FPGAなどの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSPなどの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPUと、メモリと、SSD、HDD等の補助記憶装置と、NIC等の通信装置と、を備えたPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することによりプロセスとして実現されるものでもよい。
【0042】
図6は、作業端末2の動作フローを説明するための図である。
【0043】
このフローは、作業端末2の起動、マンマシンインターフェース部21によるユーザの勤務体系取得操作の受付等の所定のイベントが発生することにより開始される。
【0044】
まず、勤務体系要求部22は、ネットワークインターフェース部20を介して休憩時間通知装置1に、作業端末2に紐付けられているユーザIDの指定を伴う勤務体系要求を送信して、休憩時間通知装置1から、指定したユーザIDにより特定されるユーザの勤務体系情報を受信する(S300)。そして、受信した勤務体系情報を休憩時間通知部23に渡す。
【0045】
休憩時間通知部23は、勤務体系要求部22から受け取った勤務体系情報に含まれている休憩時間帯の開始時間および終了時間を休憩開始時間および休憩終了時間として設定し、これらの時間の到来の監視を開始する(S301)。そして、休憩開始時間の到来を検出したならば(S302でYES)、表示装置211の現在の輝度値を保存するとともに、表示装置211の輝度値を所定値(表示画面が作業上の支障をユーザに感じさせる程度の暗さとなる所定の輝度値)まで低下させる(S303)。その後、休憩時間通知部23は、休憩終了時間の到来を検出したならば(S304でYES)、表示装置211の輝度値を最新の保存値に復元して(S305)、このフローを終了する。
【0046】
また、休憩時間通知部23は、休憩終了時間の到来を検出する前に(S304でNO)、入力装置210に対するユーザ操作を検出すると(S306でYES)、表示装置211の輝度値を最新の保存値に復元する(S307)。
【0047】
その後、休憩時間通知部23は、入力装置210に対するユーザ操作の未検出状態が所定時間以上継続したならば(S308でYES)、表示装置211の現在の輝度値を保存するとともに、表示装置211の輝度値を所定値(表示画面が作業上の支障に感じさせる程度の暗さとなる所定の輝度値)まで低下させる(S309)。それから、S304に戻り、休憩終了時間の到来を監視する。
【0048】
一方、休憩時間通知部23は、入力装置210に対するユーザ操作の未検出状態が所定時間以上継続することなく(S308でNO)、休憩終了時間の到来を検出したならば(S310でYES)、このフローを終了する。
【0049】
以上、本発明の一実施の形態を説明した。
【0050】
本実施の形態において、作業端末2は、起動、ユーザによる勤務体系取得操作の受付等の所定のイベントが発生すると、休憩時間通知装置1からユーザの勤務体系情報を取得し、この勤務体系情報に含まれている休憩時間帯の開始時間を休憩開始時間としてその到来を監視する。そして、休憩開始時間が到来したならば、表示装置211の画面を暗くして(輝度を制御して)、作業中のユーザに休憩時間の開始を通知する。このため、保守・管理者は、すべての作業端末2に対して休憩開始時間を手動設定する必要はなく、また、労務協定により休憩時間一斉付与の適用が除外されているユーザや、リモートワークに従事するユーザがいる場合であっても、それらのユーザの作業端末2に個別に休憩開始時間を手動設定する必要がない。したがって、本実施の形態によれば、複数の作業端末2に対する休憩時間の通知設定を効率化することができる。
【0051】
また、本実施の形態において、作業端末2は、休憩開始時間が到来したときの表示装置211の輝度値を保存し、休憩終了時間が到来したならば、表示装置211の輝度値を、保存された輝度値に復元することにより、休憩時間の終了を休憩中のユーザに通知する。したがって、本実施の形態によれば、ユーザは、休憩により一時中断した作業を、休憩開始前の輝度の表示画面で再開することができ、利便性が向上する。
【0052】
また、本実施の形態において、作業端末2は、休憩時間中に、入力装置210に対するユーザ操作を検出した場合に、表示装置211の輝度値を、保存された輝度値に復元する。したがって、本発明によれば、休憩時間中でも、やむをえない事情等が発生した場合には容易に作業を再開することができる。
【0053】
また、本実施の形態において、作業端末2は、休憩時間中に、入力装置210に対するユーザ操作の検出により表示装置211の表示画面の輝度値を復元した後、入力装置210に対するユーザ操作の未検出状態が所定時間以上継続した場合、表示装置211の表示画面を暗くして、休憩時間中であることを通知する。したがって、本実施の形態によれば、作業が終了した後も休憩時間中であるならば、その旨をユーザに通知して、休憩を促すことができ、利便性がさらに向上する。この場合、入力装置210に対するユーザ操作が継続的に行われた時間を測定しておき、休憩終了時間の到来後、さらに測定時間が経過してから表示装置211の表示画面の輝度値を復元するようにしてもよい。
【0054】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0055】
例えば、上記の実施の形態では、作業端末2が表示装置211を備える場合を例にとり説明したが、表示装置211は、作業端末2に外付けされるものでもよい。
【0056】
また、上記の実施の形態において、作業端末2は、休憩開始時間が到来したならば、表示装置211の表示画面を暗くして(輝度を制御して)、休憩時間の開始をユーザに通知している。しかし、本発明はこれに限定されない。ユーザが休憩時間の開始を認識できるように表示画面の表示状態を変更できれば、表示画面の輝度制御以外の処理を採用してもよい。例えば、表示装置211の出力映像を、風景等の作業とは無関係の映像(休憩映像)に切り替える、表示装置211の表示画面に表示中のウインドウをアイコン化する等により、休憩時間の開始をユーザに通知してもよい。このようにすることで、表示装置211が作業端末2からの輝度制御に対応していない外付けタイプの場合でも、休憩時間の開始を作業中のユーザに通知することができる。
【0057】
なお、この場合、作業端末2は、休憩開始時間が到来したときの表示装置211の出力映像を保存し、休憩時間が終了したならば、表示装置211の出力映像を、保存された元の出力映像に復元することが好ましい。また、作業端末2は、休憩時間中に、入力装置210に対するユーザ操作を検出した場合、表示装置211の出力映像を、保存された出力映像に復元し、その後、入力装置210に対するユーザ操作の未検出状態が所定時間以上継続した場合には、再度、表示装置211の出力映像を休憩用のものに切り替えることが好ましい。
【0058】
また、上記の実施の形態では、休憩時間通知装置1が勤務体系情報記憶部11を備える場合を例にとり説明したが、休憩時間通知装置1とは別途設けられたデータベース装置に勤務体系情報記憶部11を設けて、休憩時間通知装置1とこのデータベース装置とを連携させてもよい。
【0059】
また、本実施の形態において、作業端末2は、休憩時間通知装置1から取得した勤務体系情報に含まれている退社時刻の到来を監視し、退社時刻が到来したならば、表示装置211の画面を暗くしたり、あるいは表示装置211の出力映像を、風景等の作業とは無関係の映像(退社映像)に切り替えたりすることにより、退社時刻の到来をユーザに通知するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1:休憩時間通知装置 2、2-1~2-n:作業端末
3:ネットワーク 10、20:ネットワークインターフェース部
11:勤務体系情報記憶部 12:勤務体系情報送信部
21:マンマシンインターフェース部 22:勤務体系要求部
23:休憩時間通知部 210:入力装置 211:表示装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6